JP2000265025A - 水酸基含有熱可塑性樹脂改質用の樹脂組成物およびその使用法 - Google Patents

水酸基含有熱可塑性樹脂改質用の樹脂組成物およびその使用法

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JP2000265025A JP11069674A JP6967499A JP2000265025A JP 2000265025 A JP2000265025 A JP 2000265025A JP 11069674 A JP11069674 A JP 11069674A JP 6967499 A JP6967499 A JP 6967499A JP 2000265025 A JP2000265025 A JP 2000265025A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融成形時の滑り性、溶融成形時に目ヤニ発
生防止性、成形物の外観性等の改良に有用な水酸基含有
熱可塑性樹脂改質用の樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
(A)、酸化物(B)および高級脂肪酸類(C)を含有
し、かつ(B)及び(C)をそれぞれ0.001〜10
重量%含有してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)等
の水酸基含有熱可塑性樹脂の改質に用いる樹脂組成物お
よびその使用法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリオレフィン系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂は溶
融成形されて、各種の用途に用いられており、特に、E
VOHはその透明性、ガスバリヤー性、保香性、耐溶剤
性、耐油性などに優れており、かかる特性を生かして、
食品包装材料、医薬品包装材料、工業薬品包装材料、農
薬包装材料等のフィルムやシート、或いはボトル等の容
器等に成形されて利用されている。かかる成形にあたっ
ては、通常溶融成形によりフィルム状やシート状等に成
形されるのであるが、このときには該EVOHに対し
て、滑り性が求められる。すなわち、成形用機械(溶
融押出機)内での装置壁面と溶融状態のEVOHとの滑
り性、かかる成形時のロールや案内板等の装置とEV
OH成形物との滑り性、更には、得られたフィルム状
やシート状等の成形物をロール巻にして保存した場合に
も成形物同士の滑り性(耐ブロッキング性)が挙げら
れ、かかるの対策として、本出願人はEVOH溶液に
滑剤を添加した後ペレット化することを提案した(特開
昭62−10694号公報)。また、やの対策とし
ては、EVOHに無機物微粒子等のアンチブロッキング
剤を溶融混合した後に溶融成形することが一般的に行わ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、EVO
Hに滑剤や無機物粒子を添加すると、上記の滑り性につ
いては改善効果は見られるものの、溶融成形時に添加さ
れた滑剤や無機物粒子の成形機内での凝集が進行して、
やがて異物(目ヤニ)としてダイリップに集積し成形物
に付着して排出されてくるため、生産性の低下や得られ
る成形物の商品価値の低下(ゲルやダイラインの発生)
を招くことが判明した。また長時間連続成形を行った場
合、得られるフィルムやシート等の成形物に流れ方向の
大きなスジ(ダイライン)が発生することも判明した。
この現象は、EVOHを用いて積層体を溶融成形する時
に起こりやすく、特に該EVOHが直接ダイ壁面と接触
するような層構成、すなわち該EVOHの層を最内層や
最外層とする積層体において顕著であることも分かっ
た。近年では、EVOHの表面光沢性、耐摩耗性、非帯
電性、香気成分の非吸着性、耐薬品性等の特性を生かす
ために、積層体の最内層や最外層にEVOH層を配する
ことも多くなり、成形時の目ヤニ発生防止も重要な課題
となってきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、か
かる現況に鑑みて、EVOHの改善に当たり、EVOH
(A)、酸化物(B)および高級脂肪酸類(C)を含有
し、かつ(B)及び(C)をそれぞれ0.001〜10
重量%含有してなる水酸基含有熱可塑性樹脂改質用の樹
脂組成物が有用であり、特に該熱可塑性樹脂がEVOH
であるとき本発明の作用効果を顕著に得ることができる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。尚、本発明
においては、該熱可塑性樹脂(被改質樹脂)としてEV
OHについて説明を行うが、これに限定されることな
く、ポリ酢酸ビニル系樹脂のケン化物、澱粉やアセチル
セルロース等の多糖類、一酸化炭素−エチレン系共重合
体の還元物、更には一般の熱可塑性樹脂の水酸基導入体
等の水酸基含有熱可塑性樹脂の改質に用いることも可能
である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明の改質用の樹脂組成物に用いられるEVOH
(A)としては、特に限定されないが、エチレン含有量
が20〜80モル%(更には30〜60モル%)、ケン
化度が80モル%以上(更には90モル%以上)のもの
が用いられ、該エチレン含有量やケン化度が上記の範囲
外にあるときは、被改質樹脂のEVOHとの相溶性が不
良となったり、改質用の樹脂組成物自体の熱安定性が低
下して、本発明の効果が得られないことがあり好ましく
ない。また、EVOH(A)は、メルトインデックス
(MI)(210℃、荷重2160g)が1〜100g
/10分(更には3〜50g/10分)のものが好まし
く、該メルトインデックスが該範囲外にあるときは、被
改質樹脂のEVOHとの相溶性が不良となり、本発明の
効果が得られないことがあり好ましくない。
【0006】該EVOHは(A)、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体のケン化によって得られ、該エチレン−酢酸
ビニル共重合体は、公知の任意の重合法、例えば、溶液
重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造さ
れ、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方
法で行い得る。
【0007】また、本発明では、本発明の効果を阻害し
ない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重
合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレ
ン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸
類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたは
ジアルキルエステル類、アクリルアミド、N−アルキル
(炭素数1〜18)アクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸
あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルア
ミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アル
キルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルア
ミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるい
はその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあ
るいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミ
ド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、
アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビ
ニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキル
ビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化
ビニル等のハロゲン化ビニル類、トリメトキシビニルシ
ラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、ア
リルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチ
ル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−
アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸等が挙げられる。
【0008】本発明の改質用の樹脂組成物に用いられる
酸化物(B)としては、特に限定されないが、例えば酸
化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化
マグネシウム、酸化セリウム、酸化タングステン、酸化
モリブデンおよびこれらの複合体等を挙げることがで
き、これらの中から少なくとも1種以上を選ぶことがで
きる。また、これら酸化物の粒子径は0.1〜10μm
が好ましく、更には0.5〜5μmが好ましく、かかる
粒子径が0.1μm未満では滑り性の改善効果に乏し
く、逆に10μmを越えると成形物中にゲルやフィッシ
ュアイ等が発生して外観不良となって好ましくない。ま
た、上記の酸化物の中では、酸化ケイ素(ケイ酸)や酸
化ケイ素−酸化マグネシウム(ケイ酸マグネシウム)を
用いることがEVOHとの相溶性の点で好ましい。
【0009】また、本発明の改質用の樹脂組成物に用い
られる高級脂肪酸類(C)としては、高級脂肪酸、高級
脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド
から選ばれる少なくとも1種を挙げることができ、より
具体的には高級脂肪酸としては、炭素数8以上の脂肪酸
で、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタ
デシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン
酸、ノナデカン酸、オレイン酸、カプリン酸、ベヘニン
酸、リノール酸等が挙げられ、高級脂肪酸金属塩として
は、上記高級脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩等のア
ルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウ
ム塩等のアルカリ土類金属塩の他、亜鉛金属塩等を挙げ
ることができ、高級脂肪酸エステルとしては、上記高級
脂肪酸のメチルエステル、イソプロピルエステル、ブチ
ルエステル、オクチルエステル等を挙げることができ、
高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、ヘベ
ニン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド、オレイン酸アミ
ド、エルカ酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド、エチレン
ビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミ
ド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリ
ル酸アミド等のビス脂肪酸アミド等を挙げることができ
る。これらの中でも、ステアリン酸のアルカリ、アルカ
リ土類・亜鉛金属塩およびオレイン酸アミド、エチレン
ビスステアリン酸アミド等が好適に用いられる。
【0010】EVOH(A)に含有される(B)及び
(C)成分の含有量は、それぞれ0.001〜10重量
%(更には0.01〜5重量%、特に0.05〜1重量
%)で有ることが必要で、かかる含有量が0.001重
量%未満では、改質効果が得られず、逆に10重量%を
超えると、得られる成形物の外観が悪化し、また改質用
の樹脂組成物自体の熱安定性が大きく低下し、本発明の
目的を達成できない。
【0011】上記の如き(A)〜(C)を含有する改質
用の樹脂組成物を得るに当たっては、特に限定されず、
(A)の水/アルコール(メタノール、エタノール、
プロパノール、フェノール等)混合溶液に(B)および
(C)を直接或いはその水分散液(0.1〜10重量%
程度)を加えて混合した後、(B)および(C)を含有
した(A)を凝固浴(水、水/アルコール混合溶媒、ベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、ジプロピルエーテル等のエーテル
類、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル等の
有機酸エステル等)中で析出させて、得られた析出物を
乾燥して得る方法、(A)の溶液に(B)を直接或い
はその水分散液を加えて混合してから凝固浴中で析出さ
せて、得られた析出物を必要に応じて乾燥後、(C)を
加えて押出機等で溶融混練する方法、(A)の溶液に
(C)を直接或いはその水分散液を加えて混合してから
凝固浴中で析出させて、得られた析出物を必要に応じて
乾燥後(B)を加えて押出機等で溶融混練する方法、
(A)〜(C)を一括して混合してから押出機等で溶融
混練する方法、(A)と(B)の混合物および(A)
と(C)の混合物を任意の方法により作製した後、その
両者を押出機等で溶融混練する方法等を挙げることがで
きる。本発明の効果をより顕著に得るためにはの方法
が好ましい。
【0012】かくして本発明の改質用の樹脂組成物が得
られるのであるが、かかる樹脂組成物には、更に、必要
に応じて、可塑剤、滑剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性
剤、抗菌剤、乾燥剤、無機フィラー((B)を除く)な
どの添加剤を配合したり、ポリオレフィン類、ポリアミ
ド類などの他樹脂をブレンドすることも可能である。特
にゲル発生防止剤として、ハイドロタルサイト系化合
物、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系熱安
定剤を添加することもできる。
【0013】また、EVOH(A)として、異なる2種
以上のEVOHを用いることも可能で、このときは、エ
チレン含有量が4モル%以上異なり、及び/又はケン化
度が1モル%以上異なるEVOHのブレンド物を用いる
ことにより、ガスバリヤー性を保持したまま、更に高延
伸時の延伸性、真空圧空成形や深絞り成形などの2次加
工性が向上するので有用である。また、酸成分(酢酸、
リン酸、ホウ酸等)を添加することも目ヤニの発生抑制
効果が更に増す点で好ましい。
【0014】以下に、本発明の改質用の樹脂組成物の使
用法について説明する。かかる樹脂組成物を用いて改良
する水酸基含有熱可塑性樹脂としては、上記の如くEV
OHが有用で、かかるEVOHとしては、特に限定され
ないが、エチレン含有量が20〜60モル%(更には2
5〜55モル%)、ケン化度が90モル%以上(更には
95モル%以上)のものが好ましく、該エチレン含有量
が20モル%未満では高湿時のガスバリヤー性、溶融成
形性が低下し、逆に60モル%を越えると充分なガスバ
リヤー性が得られず、更にケン化度が90モル%未満で
はガスバリヤー性、熱安定性、耐湿性等が低下して好ま
しくない。
【0015】また、メルトインデックス(MI)(21
0℃、荷重2160g)が0.5〜100g/10分
(更には1〜50g/10分)のものが好ましく、該メ
ルトインデックスが該範囲よりも小さい場合には、成形
時に押出機内が高トルク状態となって押出加工が困難と
なり、また該範囲よりも大きい場合には、成形物の機械
的強度が不足して好ましくない。さらに該EVOHは、
改質用の樹脂組成物に用いられるEVOH(A)と同じ
でも良く、また異なるEVOHでも良い。前者の場合に
は両者の相溶性が良好であるため、極めて優れた本発明
の改質効果が得られ、後者の場合は本発明の改質効果に
加えて、熱延伸成形性の向上という効果が期待でき、特
に後者の場合においては、安定した熱延伸成形が可能と
なり、得られる熱延伸成形物の膜厚が均一になる点で好
ましく、かかる場合は、被改質樹脂のEVOHに比べて
改質用の樹脂組成物に用いられるEVOH(A)のエチ
レン含有量は4モル%以上(更には6〜20モル%、特
に6〜15モル%)大きくすることが好ましく、かかる
差が4モル%未満では、延伸性の改善効果が小さくなっ
て好ましくない。被改質用のEVOHが2種類以上のブ
レンド物の場合は、その中でエチレン含有量が最小のも
のとEVOH(A)との差が上記の条件を満足すればよ
い。また、ケン化度も同様に1モル%以上(更には1.
5〜10モル%、特に2〜5モル%)小さくすることが
好ましく、かかる差が1モル%未満では、同様に延伸性
の改善効果が小さくなって好ましくない。被改質用のE
VOHが2種類以上のブレンド物の場合は、上記と同様
にその中でケン化度が最大のものとEVOH(A)との
差が上記の条件を満足すればよい。
【0016】本発明の改質用の樹脂組成物を被改質樹脂
のEVOHに配合する方法としては、特に限定されず、
それぞれをドライブレンドした後に一括して溶融混合す
る方法、それぞれを溶融状態で溶融混合する方法、どち
らか一方を溶融状態にしておいて固体状のもう一方を供
給して溶融混合する方法等を挙げることができ、生産上
好適には、それぞれをドライブレンドした後に一括して
溶融混合する方法が用いられる。かかる溶融混練手段に
ついても特に限定はなく、該改質用の樹脂組成物とEV
OHが十分に溶融混練されればよく、例えば、ニーダー
ルーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキ
サー、プラストミル等の公知の混練装置を用いることが
でき、通常は120〜300℃(更には150〜280
℃)で、2分〜1時間程度溶融混練することが好まし
く、工業的には単軸押出機、二軸押出機等の押出機を用
いることが有利であり、揮発成分の脱揮のためにベント
付き押出機を用いることも好ましい。
【0017】被改質樹脂のEVOHに対する、かかる樹
脂組成物の配合量は、該樹脂組成物中の(B)や(C)
成分の種類や含有量および改質目的によって異なるため
一概に言えないが、被改質樹脂のEVOH100重量部
に対して0.5〜100重量部(更には1〜75重量
部、特には3〜50重量部)が好ましい。
【0018】本発明の改質用の樹脂組成物が配合された
EVOH組成物は、成形物の用途に多用され、溶融成形
等によりペレット、フィルム、シート、ボトル、容器、
繊維、棒、管、各種成形品等に成形され、又、これらの
粉砕品(回収品を再使用する時など)やペレットを用い
て再び溶融成形に供することもでき、かかる溶融成形方
法としては、押出成形法(T−ダイ押出、インフレーシ
ョン押出、ブロー成形、溶融紡糸、異型押出等)、射出
成形法が主として採用される。溶融成形温度は、150
〜300℃の範囲から選ぶことが多い。
【0019】また、本発明の改質用の樹脂組成物が配合
されたEVOH組成物は、単層として用いることもでき
るし、該EVOH組成物からなる層の少なくとも片面に
熱可塑性樹脂層等を積層して積層体として用いることも
有用である。特に前述の通り、該EVOH組成物からな
る層を最内層や最外層とする積層体を成形する場合、本
発明の効果がより認められるので好ましい。該EVOH
組成物層を最内層とした場合は、内容物の香気成分の非
吸着性や耐薬品性、耐溶剤性に優れ、該EVOH組成物
層を最外層とした場合は、包装袋や包装容器としたとき
の表面光沢性、耐摩耗性、非帯電性に優れるので特に有
用である。
【0020】該積層体を製造するに当たっては、該EV
OH組成物の層の片面又は両面に他の基材を積層するの
であるが、積層方法としては、例えば該EVOH組成物
のフィルムやシートに熱可塑性樹脂を溶融押出する方
法、逆に熱可塑性樹脂等の基材に該EVOH組成物を溶
融押出する方法、該EVOH組成物と他の熱可塑性樹脂
とを共押出する方法等が挙げられ、必要に応じて層間に
は変性ポリオレフィン系樹脂等の接着性樹脂が介され
る。更には該EVOH組成物のフィルムやシートと他の
基材のフィルム、シートとを有機チタン化合物、イソシ
アネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン
化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする
方法等が挙げられる。
【0021】共押出の場合の相手側樹脂としては直鎖状
低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロ
ピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20
のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテ
ン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらの
オレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又は
そのエステルでグラフト変性したものなどの広義のポリ
オレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、共重合
ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ア
クリル系樹脂、ポリスチレン、ビニルエステル系樹脂、
ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマ
ー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、芳香
族および脂肪族ポリケトン、ポリアルコール等が挙げら
れる。EVOHも共押出可能である。上記のなかでも、
共押出製膜の容易さ、フィルム物性(特に強度)の実用
性の点から、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、P
ET、PENが好ましく用いられる。
【0022】更に、本発明の改質用の樹脂組成物が配合
されたEVOH組成物から一旦フィルムやシート等の成
形物を得、これに他の基材を押出コートしたり、他の基
材のフィルム、シート等を接着剤を用いてラミネートす
る場合、前記の熱可塑性樹脂以外に任意の基材(紙、金
属箔、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又はシー
トおよびその金属蒸着物、織布、不織布、金属綿状、木
質等)が使用可能である。
【0023】積層体の層構成は、本発明の改質用の樹脂
組成物が配合されたEVOH組成物の層をa(a1
2、・・・)、他の基材、例えば熱可塑性樹脂層をb
(b1、b2、・・・)とするとき、フィルム、シート、
ボトル状であれば、a/bの二層構造のみならず、b/
a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/b1/b2、b
2/b1/a/b1/b2等任意の組み合わせが可能であ
り、フィラメント状ではa、bがバイメタル型、芯
(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘(a)型、偏心芯鞘
型、貼合わせ型、多層貼合わせ型、分割型等公知の複合
形態からなる任意の組み合わせが可能である。
【0024】上記の如く積層体の積層構成については、
特に限定されないが、EVOH(組成物)の表面光沢
性、耐摩耗性、非帯電性、香気成分の非吸着性、耐薬品
性等の特性を生かして、積層体の最内層や最外層に本発
明の樹脂組成物層を配することも好ましく、具体的には
熱可塑性樹脂層(最外層)/接着性樹脂層/樹脂組成物
(最内層)、熱可塑性樹脂層(最外層)/接着性樹脂層
/樹脂組成物層/接着性樹脂層/樹脂組成物層(最内
層)、樹脂組成物層(最外層)/接着性樹脂層/熱可塑
性樹脂層(最内層)、樹脂組成物層(最外層)/接着性
樹脂層/樹脂組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層
(最内層)、樹脂組成物層(最外層)/接着性樹脂層/
熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/樹脂組成物層(最内
層)等が好ましい層構成として挙げられる。
【0025】該積層体は、そのまま各種形状のものに使
用されるが、更に該積層体の物性を改善するためには延
伸処理を施すことも好ましく、かかる延伸については、
一軸延伸、二軸延伸のいずれであってもよく、できるだ
け高倍率の延伸を行ったほうが物性的に良好で、延伸時
にピンホールやクラック、延伸ムラ、デラミ等の生じな
い延伸フィルムや延伸シート、延伸ボトル、延伸容器等
が得られる。
【0026】延伸方法としては、ロール延伸法、テンタ
ー延伸法、チューブラー延伸法、延伸ブロー法、真空成
形、圧空成形、真空圧空成形等の絞り成形法等のうち延
伸倍率の高いものも採用できる。二軸延伸の場合は同時
二軸延伸方式、逐次二軸延伸方式のいずれの方式も採用
できる。延伸温度は60〜170℃、好ましくは80〜
160℃程度の範囲から選ばれる。
【0027】延伸が終了した後、次いで熱固定を行うこ
とも好ましい。熱固定は周知の手段で実施可能であり、
上記延伸フィルムを緊張状態を保ちながら80〜170
℃、好ましくは100〜160℃で2〜600秒間程度
熱処理を行う。また、生肉、加工肉、チーズ等の熱収縮
包装用途に用いる場合には、延伸後の熱固定は行わずに
製品フィルムとし、上記の生肉、加工肉、チーズ等を該
フィルムに収納した後、50〜130℃、好ましくは7
0〜120℃で、2〜300秒程度の熱処理を行って、
該フィルムを熱収縮させて密着包装をする。
【0028】かくして得られた積層体の形状としては任
意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、ボ
トル、チューブ、カップ、パイプ、フィラメント、異型
断面押出物等が例示される。又、得られる積層体は必要
に応じ、熱処理、冷却処理、圧延処理、印刷処理、ドラ
イラミネート処理、溶液又は溶融コート処理、製袋加
工、深絞り加工、箱加工、チューブ加工、スプリット加
工等を行うことができる。上記の如く得られたフィル
ム、シート或いはチューブ、袋、ボトル、容器等は食
品、飲料、医薬品、工業薬品、農薬、化粧品、洗剤類等
各種の包装材料として有用である。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を示す。
【0030】実施例1 EVOH[エチレン含有量35モル%、ケン化度99.
5モル%、MI8g/10分(210℃、荷重2160
g)]の水/メタノール(水/メタノール=40/60
混合重量比)混合溶液(EVOH濃度45%)100部
に、無定形シリカ(富士シリシア化学社製『サイリシア
310』、二酸化ケイ素主成分、平均粒子径1.4μ
m)が3%及びエチレンビスステアリン酸アミド(日本
油脂社製『アルフローH−50T』)が4.5%分散し
た分散液10部を加えて40℃で30分間混合撹拌し
て、無定形シリカ及びエチレンビスステアリン酸アミド
を含有のEVOH溶液(EVOH100部に対して無定
形シリカ0.67部、及びエチレンビスステアリン酸ア
ミド1.0部含有)を得た。
【0031】次いで、該溶液を5℃に維持された凝固液
(水/メタノール=95/5(重量比)の混合液)槽に
内径0.4cm、長さ6.0cmの円筒形のノズルより
ストランド状に押し出して凝固させた後、カッターで切
断してEVOHペレット(ペレット形状は直径5mm、
長さ5mmで、含水率50%)を得た。得られたEVO
Hペレットを水で洗浄後、下記の方法により乾燥処理を
行った。
【0032】<流動乾燥工程>上記で得られたEVOH
ペレットを回分式流動層乾燥器(塔型)を用いて、75
℃の窒素ガスを流動させながら、約3時間乾燥を行って
含水率20%のEVOHペレットを得た。尚、流動乾燥
前のEVOHペレットの含水率は、50%で、流動乾燥
前後のEVOHペレットの含水率差は30%であった。
【0033】<静置乾燥工程>次いで、流動乾燥処理後
のEVOHペレットを回分式箱型乾燥器(通気式)を用
いて、125℃の窒素ガスで、約18時間乾燥を行って
含水率0.3%の乾燥EVOHペレット(改質用の樹脂
組成物)[EVOH(A)100重量部に対して、無定
形シリカを0.67部、及びエチレンビスステアリン酸
アミド1.0部含有]を得た。
【0034】次いで、得られた改質用の樹脂組成物ペレ
ット20部と、EVOH[エチレン含有量35モル%、
ケン化度99.5モル%、MI8g/10分(210
℃、荷重2160g)]ペレット80部をドライブレン
ドして均一に混合してから、上向き3種3層インフレー
ションフィルム押出成形装置に供給して、EVOH組成
物層(最外層)/接着性樹脂層(三菱化学社製『モディ
ックAP M523』)/直鎖状低密度ポリエチレン層
(日本ポリケム社製『ノバテックLL UF331』)
(最内層)(厚さが30μm/20μm/70μm)の
積層体を押出し、これを鉄板製の案内板から第1ピンチ
ロール、第2ピンチロールを経て巻取機にて巻取ってロ
ール状の積層体を得た。尚、(最外層)とは得られる円
筒状フィルムの外側(案内板やピンチロールと接触す
る)の層で、(最内側)とは円筒状フィルムの内側(案
内板やピンチロールと非接触)の層のことである。得ら
れた積層体の滑り性、外観性、目ヤニの発生状況、ダイ
ラインの発生状況を下記の要領で評価した。
【0035】(滑り性)上記の積層体製造時の該積層体
と案内板との接触の様子及び得られた積層体の表面状態
を目視観察して以下の通り評価した。 ○ −−− 積層体と案内板との接触は抵抗なく滑り性
は良好で、得られた積層体に折りしわも認められなかっ
た △ −−− 積層体と案内板との接触には若干の抵抗は
認められ、得られた積層体にも若干の折りしわが認めら
れた × −−− 積層体と案内板との接触は抵抗が大きく滑
り性は不良で、得られた積層体には多数の折りしわが認
められた
【0036】(外観性)上記の積層体製造直後の積層体
の表面について、直径が0.2mm以上のフィッシュア
イの発生状況(発生個数)を目視観察して以下の通り評
価した。 ○ −−− 発生個数が0〜10個/100cm2 △ −−− 発生個数が11〜50個/100cm2 × −−− 発生個数が51個/100cm2以上
【0037】(目ヤニ発生状況)上記の積層体の製造を
48時間連続して行った時の積層体のEVOH組成物層
側のインフレーションダイリップ部の目ヤニの発生状況
を目視観察して、以下のとおり評価した。 ○ −−− 目ヤニの発生は全く認められなかった △ −−− 目ヤニの発生が若干認められた × −−− 目ヤニの発生が著しくかった
【0038】(ダイラインの発生状況)上記の積層体の
製造を48時間連続して行った時の積層体の外観(ダイ
ラインの有無)を目視観察して、以下のとおり評価し
た。 ○ −−− ダイラインは全く認められなかった △ −−− ダイラインが1、2本認められた × −−− ダイラインが3本以上認められた
【0039】実施例2 EVOH[エチレン含有量44モル%、ケン化度97モ
ル%、MI30g/10分(210℃、荷重2160
g)]の水/メタノール(水/メタノール=20/80
混合重量比)混合溶液(EVOH濃度45%)100部
にオレイン酸アミド(日本油脂社製「アルフローE−1
0」)が10%分散した分散液5部を加えて40℃で3
0分間混合した。さらに該溶液100部に無定形シリカ
(富士シリシア化学社製『サイリシア350』、二酸化
ケイ素主成分、平均粒子径1.8μm)の6%分散液4
部を加えて40℃で30分間混合撹拌して、オレイン酸
アミドと無定形シリカ含有のEVOH溶液(EVOH1
00部に対してオレイン酸アミドが1.1部、無定形シ
リカが0.53部)を得た。
【0040】次いで、該溶液を5℃に維持された水槽に
ストランド状に押し出して凝固させた後、カッターで切
断してEVOHペレット(ペレット形状は直径4mm、
長さ4mmで、含水率50%)を得た。得られたEVO
Hペレットを水で洗浄後、下記の方法により乾燥処理を
行った。
【0041】<流動乾燥工程>上記で得られたEVOH
ペレットを流動層乾燥器(連続横型多室式)を用いて、
75℃の窒素ガスを流動させながら、約3時間乾燥を行
って含水率20%のEVOHペレットを得た。尚、流動
乾燥前のEVOHペレットの含水率は、50%で、流動
乾燥前後のEVOHペレットの含水率差は30%であっ
た。
【0042】<静置乾燥工程>次いで、流動乾燥処理後
のEVOHペレットを回分式箱型乾燥器(通気式)を用
いて、120℃の窒素ガスで、約24時間乾燥を行って
含水率0.2%の乾燥EVOHペレット(改質用の樹脂
組成物)[EVOH100重量部に対して、無定形シリ
カを0.53部、及びオレイン酸アミドを1.1部含
有]を得た。得られた改質用の樹脂組成物ペレット25
部と、EVOH[エチレン含有量35モル%、ケン化度
99.5モル%、MI8g/10分(210℃、荷重2
160g)]ペレット75部をドライブレンドで均一に
混合したものについて、実施例1と同様に評価を行っ
た。
【0043】実施例3 EVOH[エチレン含有量40モル%、ケン化度99.
0モル%、MI15g/10分(210℃、荷重216
0g)]の水/メタノール(水/メタノール=20/8
0混合重量比)混合溶液(EVOH濃度45%)100
部に板状含水ケイ酸マグネシウム(林化成社製『ミセル
トン』、二酸化ケイ素−酸化マグネシウム主成分、平均
粒子径1.4μm)を5%及びステアリン酸亜鉛を5%
分散させた分散液10部を加えて60℃で40分間混合
撹拌して、板状含水ケイ酸マグネシウムおよびステアリ
ン酸亜鉛含有のEVOH溶液(EVOH100部に対し
て板状含水ケイ酸マグネシウムが1.1部及びステアリ
ン酸亜鉛が1.1部含有)を得た。次いで、該溶液を5
℃に維持された水槽にストランド状に押し出して凝固さ
せた後、カッターで切断してEVOHペレット(ペレッ
ト形状は直径4mm、長さ4mmで、含水率50%)を
得た。得られたEVOHペレットを水で洗浄後、下記の
方法により乾燥処理を行った。
【0044】<静置乾燥工程>得られたEVOHペレッ
トを回分式箱型乾燥器(通気式)を用いて、70℃の窒
素ガスで、約5時間乾燥を行って含水率30%のEVO
Hペレットを得た。尚、静置乾燥前のEVOHペレット
の含水率は、50%で、静置乾燥前後のEVOHペレッ
トの含水率差は20%であった。
【0045】<流動乾燥工程>次いで、静置乾燥処理後
のEVOHペレットを、回分式流動層乾燥器(塔型)を
用いて、120℃の窒素ガスを流動させながら、約18
時間乾燥を行って含水率0.2%の乾燥EVOHペレッ
ト(改質用の樹脂組成物)[EVOH100重量部に対
して、板状含水ケイ酸マグネシウムを1.1部、及びス
テアリン酸亜鉛を1.1部含有]を得た。得られた改質
用の樹脂組成物ペレット10部と、EVOH[エチレン
含有量30モル%、ケン化度99.2モル%、MI6g
/10分(210℃、荷重2160g)]ペレット90
部をドライブレンドして均一に混合したものについて、
実施例1と同様に評価を行った。
【0046】実施例4 実施例1において、積層体の層構成を直鎖状低密度ポリ
エチレン層(最外層)/接着性樹脂層/EVOH組成物
層(最内層)(厚さが60μm/20μm/40μm)
に変更した以外は同様に行って積層体を得て、同様に評
価を行った。但し、EVOH組成物層表面と押出成形装
置の案内板とは接触しないため、滑り性の評価は以下の
要領で行った。
【0047】(滑り性)得られたチューブ状の積層体の
両端を切断して、2枚のフィルムに分離して、以下のと
おり評価した。 ○ −−− 殆ど抵抗なく分離出来て、ブロッキングが
全く認められない △ −−− 若干の抵抗があり、ブロッキングも若干認
められる × −−− 抵抗が大きく、ブロッキングが著しい
【0048】実施例5 実施例1において、無定形含水ケイ酸アルミニウム(林
化成社製『ASP600』、二酸化ケイ素−酸化アルミ
ニウム主成分、平均粒子径0.6μm)の2%及びエチ
レンビスステアリン酸アミドの4.5%分散液8部を用
いた以外は同様に行って、得られたEVOHペレット
(改質用の樹脂組成物)[EVOH100重量部に対し
て、無定形含水ケイ酸アルミニウムを0.36部、及び
エチレンビスステアリン酸アミドを0.8部含有]につ
いて、実施例1と同様に評価を行った。
【0049】実施例6 実施例1において、得られた改質用の樹脂組成物を上向
き単層インフレーションフィルム押出成形装置に供給し
て、厚さが40μmの単層フィルムを作成した以外は同
様に行って、同様に評価を行った。
【0050】比較例1 実施例1において、エチレンビスステアリン酸アミドを
含有させずに凝固液中にEVOHを押し出した以外は同
様に行って、樹脂組成物を得て、同様に評価を行った。
【0051】比較例2 実施例1において、無定形シリカを含有させずに凝固液
中にEVOHを押し出した以外は同様に行って、得られ
た樹脂組成物について、同様に評価を行った。実施例及
び比較例の評価結果を表1にまとめて示す。
【0052】
【表1】 滑り性 外観性 目ヤニ発生状況 ダイライン発生状況 実施例1 ○ ○ ○ ○ 〃 2 ○ ○ ○ ○ 〃 3 ○ ○ ○ ○ 〃 4 ○ ○ ○ ○ 〃 5 ○ ○ ○ ○ 〃 6 ○ ○ ○ ○ 比較例1 ○ ○ × × 〃 2 × ○ △ △
【0053】
【発明の効果】本発明の水酸基含有熱可塑性樹脂改質用
の樹脂組成物は、特にEVOHの改質に有用で、溶融成
形時の成形装置との滑り性や成形物同士の滑り性(耐ブ
ロッキング性)に優れ、また、溶融成形時に目ヤニが発
生することなく、更にはダイラインのない外観性に優れ
た成形物を得ることができ、食品、飲料や医薬品、農薬
品、工業薬品、化粧品、洗剤類包装用のフィルム、シー
ト、チューブ、袋、ボトル、容器等の用途に非常に有用
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年4月19日(2000.4.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】(目ヤニ発生状況)上記の積層体の製造を
48時間連続して行った時の積層体の樹脂組成物層側の
インフレーションダイリップ部の目ヤニの発生状況を目
視観察して、以下のとおり評価した。 ○−−− 目ヤニの発生は全く認められなかった △−−− 目ヤニの発生が若干認められた ×−−− 目ヤニの発生が著しかった
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/20 C08K 5/20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
    (A)、酸化物(B)および高級脂肪酸類(C)を含有
    し、かつ(B)及び(C)をそれぞれ0.001〜10
    重量%含有してなることを特徴とする水酸基含有熱可塑
    性樹脂改質用の樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 酸化物(B)が、酸化ケイ素、酸化アル
    ミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化
    セリウム、酸化タングステン、酸化モリブデンおよびこ
    れら複合体の群から選ばれる少なくとも1種以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の水酸基含有熱可塑性樹
    脂改質用の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 高級脂肪酸類(C)が高級脂肪酸、高級
    脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド
    から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請
    求項1または2記載の水酸基含有熱可塑性樹脂改質用の
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の水酸基含有
    熱可塑性樹脂改質用の樹脂組成物をエチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体ケン化物に配合して用いることを特徴とする
    水酸基含有熱可塑性樹脂改質用の樹脂組成物の使用法。
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