JP2000263917A - インクジェット記録用無塵紙 - Google Patents

インクジェット記録用無塵紙

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JP2000263917A
JP2000263917A JP11068345A JP6834599A JP2000263917A JP 2000263917 A JP2000263917 A JP 2000263917A JP 11068345 A JP11068345 A JP 11068345A JP 6834599 A JP6834599 A JP 6834599A JP 2000263917 A JP2000263917 A JP 2000263917A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発塵性が良好で、インク滲みが少なく、べた
塗り部分の濃淡ムラのないインクジェット記録用無塵紙
を提供する。 【解決手段】 天然パルプを主成分とする基紙に樹脂を
含浸してなる無塵紙において、該基紙の原料となるパル
プが、JAPAN TAPPI No.52で規定されて
いる光学的自動計測法でのパルプ繊維長試験方法による
数平均繊維長分布に基づき0.1mm以下の繊維の割合
が15%以下であり、更に該基紙の原料パルプの繊維幅
の平均値が18μm以下、平均値±5μmの繊維幅の割
合が60%以上であることを特徴とするインクジェット
記録用無塵紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明はクリーンルームで使
われる無塵紙や低発塵紙に関するものである。さらに詳
しくは、従来の無塵紙よりも発塵が少なく、インクジェ
ットプリンタで印刷したときの印字適性が良い、即ちベ
タ印字部の濃淡ムラがなく、インクの滲みが少ないイン
クジェット記録用無塵紙に関する。
【0001】
【従来の技術】クリーンルーム内では、塵で空気を汚染
しないような低発塵紙や無塵紙が使用される。特公平6
−11959号公報には填料を含まず、かつ天然パルプ
100重量部と水系バインダー、または溶剤系バインダ
ー5〜40重量部とから構成され、揉み、こすり及び引
裂揉みの各クリーン度試験において、1立方フィート当
たり、0.3μm以上の粒子が1700個以下であるこ
とを特徴とする無塵紙が開示されている。この無塵紙は
紙にアクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル・
ブタジエン共重合体(NBR)、スチレンブタジエン共
重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系
樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体
(EVA)などのエマルジョンや水溶液を含浸して発塵
を抑えている。無塵紙はクリーンルーム内のあらゆる用
途に用いられ、例えば、コピー用紙、フォーム用紙、レ
ポート・メモ用紙、計測記録紙、伝票などの用途があ
る。
【0002】これら用途に合わせて、無塵紙に要求され
る特性は、発塵性が低いこと以外に、水性ペン、油性ペ
ンによる筆記性、印刷適性、PPC適性、帯電防止性な
どが挙げられる。
【0003】近年のインクジェットプリンタの普及にと
もない、無塵紙にもインクジェットプリンター適性、す
なわち、水性インクの滲みがなく、吸収性がよいことが
求められるようになった。
【0004】無塵紙は前記のごとくバインダーとなる樹
脂を含浸しているため、一般的にはインクの吸収性と定
着性に劣る。そのため、インクが吸収、乾燥するまでに
時間がかかるので、インクの凝集やパルプ繊維に沿った
インクの浸透ムラが起こり、滲みやベタ印字部に濃淡ム
ラが起こることがあった。
【0005】一般のインクジェット記録紙は、上質紙な
どの紙にクレーなどの顔料とバインダーからなる塗工層
をもうけて、インクの吸収性を付与している。さらにア
ニオン性のインクの定着性を良好にするために、塗工層
にカチオン樹脂を含有させて、インクを定着させるのが
一般的になっている。しかし、インクジェット記録紙
は、破いたり、擦ったりしたときの塗工層から顔料の脱
落や紙からの塵の脱落には特別に配慮がなされていな
い。すなわち、破いたり擦れたりしたときにクリーンル
ーム内の空気を汚染するので、クリーンルームでの使用
はできない。
【0006】無塵紙にインク吸収性を付与するために、
特開平4−355183号公報では低発塵紙または無塵
紙に水溶性高分子などからなるインク吸収層をもうけた
無塵紙が開示されている。しかし、インクの定着性に関
しては十分に改善されなかった。
【0007】インクの定着性を改善するために、特開平
9−11611号公報では低発塵紙または無塵紙に3級
アミンまたは4級アンモニウム塩を含むカチオン性樹脂
からなるインク固着層を設けたことを特徴とするインク
ジェット用記録用紙が開示されている。
【0008】特開平4−355183号公報および特開
平9−11611号公報に開示された技術では、通常の
発塵性を抑えるためのベースになる樹脂を一度含浸した
後、さらに含浸または塗工によって、インク定着層を設
ける必要があり、製造工程が多くなるという欠点があっ
た。さらに、インク定着層が紙表面にあるために定着層
からの発塵に問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発塵
が少なく、インクジェットプリンタで印字した際の印字
適性が優れている、即ち滲みが少なく、ベタ印字した部
分の濃淡ムラのない無塵紙を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑みインクジェットプリンタによる印字適性、即ち
インクの滲みや濃淡ムラを防止するために、インクジェ
ットプリンタに用いられるインクの浸透状態と無塵紙の
紙層構造の関係を、種々のパルプ材の繊維形態及び微細
繊維の量と、それらのパルプ材を原料として製造した無
塵紙のインクジェットプリンタによる印字適性を検討し
た結果、0.1mm以下の微細繊維を特定範囲に調整す
ることにより紙層の空隙構造を均一にし、基紙の含浸性
を改良することができることを見出した。さらに特定の
繊維幅を有するパルプ材を原料として製造した無塵紙の
インクジェットプリンタによる印字適性が極めて優れて
いることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】又、0.1mm以下の微細繊維を少なくす
ることは、発塵性の改善にも効果がある。本発明者は、
無塵紙又は低発塵紙から発生する塵についても、鋭意研
究を行った結果、チップ材に由来する柔細胞やパルプ化
工程及び抄紙原料調成工程にて生成する0.1mm以下
の微細繊維が含まれることを見出した。0.1mm以下
の微細繊維を減らすことにより、発塵の原因となる微細
繊維自体が少ないという効果を有すると共に、バインダ
ー樹脂の含浸を良好にし、微細繊維がパルプ繊維に強固
に定着することにより、更に発塵性を押さえる効果があ
る。これにより、インクジェットプリンタによる印字適
性は良好だが、発塵性が劣るバインダー樹脂でも、0.
1mm以下の微細繊維の割合を減らすことにより発塵性
が改善され、使用が可能になることを見出した。
【0012】本発明は以下の発明を包含する。 (1)天然パルプを主成分とする基紙に樹脂を含浸して
なる無塵紙において、該基紙の原料となるパルプが、J
APAN TAPPI No.52で規定されている光学
的自動計測法でのパルプ繊維長試験方法による数平均繊
維長分布に基づき0.1mm以下の繊維長の繊維を15
%以下の範囲で含むことを特徴とするインクジェット記
録用無塵紙。
【0013】(2)天然パルプを主成分とする基紙に樹
脂を含浸してなる無塵紙において、該基紙の原料パルプ
の繊維幅の平均値が18μm以下であり、平均値±5μ
mの繊維幅の割合が60%以上であることを特徴とする
(1)記載のインクジェット記録用無塵紙。
【0014】本発明者らは、無塵紙に発塵性を抑えるた
めのバインダー樹脂が含浸されていても、インクは含浸
樹脂の粒子間を通り抜けてパルプ繊維に達しているこ
と、インクの滲みは紙層内の空隙を埋めながら、選択的
にパルプ繊維に沿って生じるていること、濃淡ムラや色
濃度の低下は、バインダー樹脂の含浸ムラと、インクジ
ェットプリンタ印刷の時のパルプ繊維へのインクの吸収
ムラに起因していることから、無塵紙の基紙の紙層構造
を変えることが重要であることを見出した。即ち、チッ
プ材に由来する柔細胞や、パルプ化工程で生成する0.
1mm以下の微細繊維を一定範囲内にすることにより、
紙層内の空隙を均一にし、さらに、繊維幅が揃ったパル
プを原料にすることにより、インクの浸透に適した空隙
構造が形成され、次に示すごとく改善されると考えられ
る。
【0015】第一にインクの濃淡ムラや色濃度の低下
は、バインダー樹脂の含浸ムラと、インクジェットプリ
ンタ印刷の時のパルプ繊維へのインクの吸収ムラに起因
することから、微細繊維の量を特定範囲内にすることに
よりバインダー樹脂やインクの厚み方向の浸透速度を調
整し、更に繊維幅の分布を揃えることにより、インクの
分布を均一にすることが可能であり、濃淡ムラや色濃度
の低下を防止することができる。
【0016】第二に、滲みは、局所的にインクが浸透し
にくい部分が存在する場合に、浸透しやすい部分に沿っ
て発生する。よって、空隙構造を均一化することによ
り、インクの浸透を均一に速くできるため滲みが改善さ
れると考えられる。更に、細く繊維幅が揃ったパルプを
原料にすることにより、無塵紙中のパルプ繊維の総本数
が増え、これにより繊維結合点が増えるため、繊維に沿
ってインクが滲む、いわゆるフェザリングを防止するこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】一般的に、無塵紙の基紙の原料と
して使用されるパルプの繊維長を測定すると数平均繊維
長で0.4mmから0.6mmであり、0.1mm以下
の繊維の割合は16〜27%であった。本発明の無塵紙
においては、0.1mm以下の繊維の割合が15%より
も多い場合は、微細繊維に由来する発塵が多く、又、紙
層内の空隙構造が不均一となり、無塵紙として加工する
際のバインダー樹脂の浸透不良及び不均一な分布の原因
となる、更にはインクの浸透性に不均一なバラツキを生
じるためインクジェットプリンタによるインクの滲み、
濃淡ムラを発生する。一方、含浸する樹脂により異なる
が、0.1mm以下の繊維の割合が3%よりも少ない場
合は、発塵性は良いが、紙層内の空隙が大きくなりイン
クの吸収が著しく速くなるため、印字と反対の面にイン
クが浸透し印字面の印字濃度が低くなることがある。こ
れに対して、0.1mm以下の繊維の割合が好ましくは
3〜15%、さらに好ましくは3〜10%で、良好な印
字適性を示す。
【0018】通常、無塵紙の基紙の原料として使用され
るパルプは、広葉樹、針葉樹の木材パルプに加え、マニ
ラ麻、楮、三椏、雁皮などの非木材パルプを主成分と
し、基紙の強度及びコストの面から広葉樹と針葉樹を混
合し使用されることが多い。
【0019】0.1mm以下の繊維を少なくする方法と
しては、広葉樹から製造されたパルプの配合割合を多く
することにより達成できる。一方、針葉樹から製造され
たパルプの配合を増やすことにより強度を向上すること
が可能であるが、針葉樹から製造されたパルプは広葉樹
から製造されたパルプに比べて0.1mm以下の繊維の
割合が多いため、針葉樹から製造されたパルプを多く含
む場合は、基紙の空隙構造が部分的に密となり、バイン
ダー樹脂の浸透性が悪化する、及びインクジェットプリ
ンタのインクの吸収ムラが発生しやすい。一般的な針葉
樹を使用する場合は、広葉樹と針葉樹の配合を広葉樹7
0%以上、針葉樹30%以下にする必要がある。一方、
基紙の強度を保ちながら基紙の紙層構造を均一化し、バ
インダー樹脂の浸透性を良くするには、マニラ麻等のパ
ルプを使用する方法があるが、高価でありコスト的に問
題がある。
【0020】又、使用する広葉樹から製造したパルプに
よっては0.1mm以下の微細繊維の量が大幅に多いこ
とがあるが、抄紙原料の調成段階又は抄紙機にて、一般
的なスクリーンのスクリーンプレートの目穴調整による
アクセプト原料の系外排出、抄紙機の白水の系外排出、
浮上分離による微細繊維の排出等により0.1mm以下
の繊維を減らすことが可能である。
【0021】一方、通常の無塵紙に使用されている原料
パルプの平均繊維幅は19〜22μm程度、平均値±5
μmの割合は45〜55%程度である。本発明の無塵紙
において、繊維幅の平均値が18μmを超えるパルプ原
料を使用すると、前述したごとくフェザリングが発生し
やすくなり、更に空隙構造が不均一化し濃淡ムラを生じ
るため適さない。又、天然パルプでは現実的に製造する
ことは難しいが、平均繊維幅が細くても平均値±5μm
の割合が60%よりも少ない場合は、繊維幅の著しく細
い繊維と著しく太い繊維を多く含むことになり、空隙構
造が不均一化し濃淡ムラを生じるため適さない。又、平
均値±5μmの割合が60%以上でも平均値が18μm
を超える場合は、無塵紙の紙層内に非常に大きな空隙が
生じ、インクジェットプリンタで印字した際の裏抜けの
原因となり適さない。
【0022】この理由としては、細く繊維幅が揃ったパ
ルプを原料にすることにより、無塵紙中のパルプ繊維の
総本数が増え、これにより繊維結合点が増えるため、繊
維に沿ってインクが滲む、いわゆるフェザリングを防止
することができる。又、インクの濃淡ムラや色濃度の低
下は、バインダー樹脂の含浸ムラと、インクジェットプ
リンタ印刷の時のパルプ繊維へのインクの吸収ムラに起
因することから、繊維幅の分布を揃えることにより、無
塵紙の紙層構造を改良し空隙状態を均一にすることが可
能であり、濃淡ムラや色濃度の低下を防止することがで
きる。
【0023】通常、無塵紙では地合改善のため、又、無
塵紙に加工するために基紙にバインダー樹脂を含浸する
工程が含まれるため、使用レベルによってある程度以上
の基紙の強度が要求される。従って、叩解機によりカナ
ダ標準ろ水度300〜500ml(C.S.F)に叩解
調成し使用することが一般的であり、叩解機の種類によ
り、及び叩解の程度により0.1mm以下の繊維の割合
は増加するが、本発明では0.1mm以下の繊維の割合
が3〜15%であることが重要である。一方、叩解によ
って見かけ上の繊維の太さは変化するが、前述の叩解の
程度であれば本質的なパルプの太さに影響はない。よっ
て、本発明では叩解機及びろ水度により限定を受けるも
でのはない。
【0024】本発明において含浸に使用するエマルジョ
ン樹脂はアクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリ
ル・ブタジエン共重合体(NBR)、スチレンブタジエ
ン共重合体(SBR)、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重
合体(EVA)などの内、発塵性の低い樹脂を選択して
用いるが、本発明では、無塵紙の空隙構造を均一化でき
るため、粘度が高く使用できなかったエマルジョン樹
脂、即ち浸透性の悪いエマルジョン樹脂も使用可能であ
る。又、微細繊維に起因する発塵を少なくできることか
ら、発塵性が劣り使用できなかったエマルジョン樹脂で
も使用可能である。
【0025】樹脂の含浸量は含浸前の基紙100重量部
に対して、10〜40重量部である。これより含浸量が
少ないと、発塵を抑える効果が十分ではなく、これより
多くても発塵を抑える効果は変わらない。
【0026】樹脂の含浸方法は、オンマシンでのサイズ
プレス、スプレーによる塗工やオフマシンでのディッピ
ング含浸、各種コーティングマシンなどがあるが、これ
らに限定されない。
【0027】また含浸後の不透明度を下げ過ぎないよう
に、必要に応じて、クレー、カオリン、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカなどの充填材を微量
であれば配合することができる。
【0028】本発明で用いた繊維長分布測定、繊維幅分
布測定、インクジェット適性、発塵性の評価方法は以下
の通りである。
【0029】(1)繊維長分布測定 本発明者等は、繊維長の測定に当たり、インクジェット
印字適性及び発塵性に重要な影響を及ぼす微細繊維の量
を本数で正確に把握するために、数平均繊維長分布を採
用した。数平均繊維長を測定するに当たり、本発明では
市販の繊維長分布測定機(商標:Fiber Lab、
Kajaani社製)を用いた。本測定機は、JAPA
N TAPPI No.52で規定された光学的自動計測
法の装置であり、繊維の偏向特性を利用して、さまざま
なフラクションにおける繊維の長さと本数を計測する。
数平均繊維長、長さ加重平均繊維長、及び重さ加重平均
繊維長が求められる。
【0030】(2)繊維幅分布 本発明者等は繊維幅を測定する機器としても同様の繊維
長分布測定機を用いた。本測定機は、繊維長分布だけで
なく、画像処理することにより繊維幅、繊維壁の厚さの
測定が可能であり、多くの繊維について迅速且つ精度良
く測定が可能である。
【0031】(3)インクジェット適性 A4サイズに断裁した無塵紙にインクジェットプリンタ
(EPSON MJ−3000CU)で、約3cm角の
べた塗り、及び大きさを変えた文字パターンを黒とカラ
ーで印字し、べた塗り部分の濃淡ムラと文字印字部分の
滲みの状態を評価した。濃淡ムラ、滲み共に5段階評価
とし、点数が高い程インクの滲みがなく良好であること
を示す。
【0032】(4)発塵性 試験片をクリーンベンチ内で、揉んだとき、擦ったと
き、引裂いたときの3パターンの発塵量を測定した。試
験条件を以下に記す。それぞれの試験条件で発生する塵
を吸引管で集め、光散乱型微粒子計数計(リオン製、K
C−14)で、吸引体積0.02立方フィート中の0.
3μm以上の塵の数を記録した。揉み、擦り試験は5個
/0.02立方フィート以下、引裂試験は10個/0.
02立方フィート以下であれば発塵性が実用レベルの低
さであるといえる。
【0033】<揉み試験>A4サイズ(29.7×2
1cm)の試験片を5秒毎に1回、2分間揉む。
【0034】<擦り試験>直径14cmの円型と10
cm角に切った試験片を用意する。円形の試験片を円盤
に貼り付け、回転数500rpmで回転させる。10c
m角の試験片を回転する円盤に貼り付けた試験片と接触
させ、2分間擦りつける。
【0035】<破り試験>A4サイズの試験片2枚を
用意し、長さ21cmの片を20mm間隔で20mm分
破る。1枚で9カ所破るので合計18カ所の切れ目を2
分間で引き裂く。
【0036】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において表示する「%」は、
特記のないかぎり「固形分重量%」を示す。
【0037】実施例1 原料パルプとして、アカシア材から製造した広葉樹晒ク
ラフトパルプA(未叩解パルプ中の0.1mm以下の微
細繊維の割合12%、繊維幅17μm)80%とヘムロ
ック、スプルース、パイン、ファー、シダーの混材から
製造した針葉樹晒クラフトパルプの市販乾燥パルプD
(未叩解パルプ中の0.1mm以下の微細繊維の割合2
3%、繊維幅21μm)20%をカナダ標準ろ水度40
0ml(C.S.F)まで叩解し、抄紙原料とした。こ
の抄紙原料に、WS−570(日本PMC社製、ポリア
ミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、湿潤紙力増強
剤)を対パルプ0.2%、ポリストロン117(荒川化
学工業社製、ポリアクリルアミド系紙力剤)を対パルプ
0.2%添加し、通常に抄紙して、64g/m2 、厚さ
100μmの基紙を得た。次いで、前記基紙にアクリル
酸エステル共重合体樹脂(Tg−27℃)50%とアク
リル酸エステル共重合体樹脂(Tg−10℃)50%の
12%含浸液をディッピング含浸機にて含浸量が9g/
2になるように含浸し無塵紙を得た。
【0038】実施例2 原料パルプとして、ユーカリ材から製造された広葉樹晒
クラフトパルプの市販乾燥パルプB(未叩解パルプ中の
0.1mm以下の微細繊維の割合8%、繊維幅16μ
m)80%と針葉樹晒クラフトパルプの市販乾燥パルプ
D(未叩解パルプ中の0.1mm以下の微細繊維の割合
23%、繊維幅21μm)20%をカナダ標準ろ水度4
00ml(C.S.F)まで叩解し、抄紙原料とした。
以降は実施例1と同様にし、無塵紙を得た。
【0039】実施例3 原料パルプとして、広葉樹晒クラフトパルプの市販乾燥
パルプB(未叩解パルプ中の0.1mm以下の微細繊維
の割合8%、繊維幅16μm)70%と針葉樹晒クラフ
トパルプの市販乾燥パルプD(未叩解パルプ中の0.1
mm以下の微細繊維の割合23%、繊維幅21μm)3
0%を使用しカナダ標準ろ水度400ml(C.S.
F)まで叩解し、抄紙原料とした。以降は実施例1と同
様にし、無塵紙を得た。
【0040】実施例4〜5 原料パルプとして、アスペン材から製造された広葉樹晒
クラフトパルプの市販乾燥パルプC(未叩解パルプ中の
0.1mm以下の微細繊維の割合18%、繊維幅20μ
m)80%と針葉樹晒クラフトパルプの市販乾燥パルプ
D(未叩解パルプ中の0.1mm以下の微細繊維の割合
23%、繊維幅21μm)20%をカナダ標準ろ水度4
00ml(C.S.F)まで叩解し、バウア・マクネッ
ト試験機(TAPPI T233hm−82)で24メ
ッシュオン及び150メッシュパスの繊維を一部除去
し、0.1mm以下の繊維の割合及び繊維幅を調整して
抄紙原料とした。以降は実施例1と同様にし、無塵紙を
得た。
【0041】実施例6 実施例1の原料パルプに二酸化チタンをパルプに対して
1.2%に内添した以外は実施例1と同様にして無塵紙
を得た。
【0042】比較例1 原料パルプとして、広葉樹晒クラフトパルプの市販乾燥
パルプC(未叩解パルプ中の0.1mm以下の微細繊維
の割合18%、繊維幅20μm)80%と針葉樹晒クラ
フトパルプの市販乾燥パルプD(未叩解パルプ中の0.
1mm以下の微細繊維の割合23%、繊維幅21μm)
20%を使用しカナダ標準ろ水度400ml(C.S.
F)まで叩解し、バウア・マクネット試験機で処理せず
に抄紙原料とした。以降は実施例1と同様にし、無塵紙
を得た。
【0043】比較例2 原料パルプとして、広葉樹晒クラフトパルプの市販乾燥
パルプC(未叩解パルプ中の0.1mm以下の微細繊維
の割合18%、繊維幅20μm)80%と針葉樹晒クラ
フトパルプの市販乾燥パルプD(未叩解パルプ中の0.
1mm以下の微細繊維の割合23%、繊維幅21μm)
20%を使用しカナダ標準ろ水度400ml(C.S.
F)まで叩解し、バウア・マクネット試験機で処理して
150メッシュパスの繊維を完全に除去し抄紙原料とし
た。以降は実施例1と同様にし、無塵紙を得た。
【0044】比較例3 原料パルプとして、広葉樹晒クラフトパルプの市販乾燥
パルプB(未叩解パルプ中の0.1mm以下の微細繊維
の割合8%、繊維幅16μm)65%と針葉樹晒クラフ
トパルプの市販乾燥パルプD(未叩解パルプ中の0.1
mm以下の微細繊維の割合23%、繊維幅21μm)3
5%をカナダ標準ろ水度400ml(C.S.F)まで
叩解し、抄紙原料とした。以降は実施例1と同様にし、
無塵紙を得た。
【0045】比較例4 原料パルプとして、マングローブ材から製造した広葉樹
晒クラフトパルプE(未叩解パルプ中の0.1mm以下
の微細繊維の割合5%、繊維幅22μm)100%をカ
ナダ標準ろ水度400ml(C.S.F)まで叩解し、
抄紙原料とした。以降は実施例1と同様にし、無塵紙を
得た。
【0046】実施例1〜6および比較例1〜4にて使用
した原料パルプの繊維幅、及び得られた無塵紙にインク
ジェットプリンタで印字しインクジェット適性と、発塵
性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1から明らかなように、0.1mm以下
の微細繊維割合が3%以上、15%以下であり、繊維幅
の平均値が18μm以下、平均値±5μmの繊維幅の割
合が60%以上であることを特徴とする原料パルプを使
用して製造された本発明の無塵紙(実施例1〜6)はイ
ンクジェット適性が優れており、発塵性も低い。対し
て、比較例1〜4に示す無塵紙は発塵性とインクジェッ
ト適性の両特性において共に満足する結果得られず実用
に供することが出来ない。
【0049】
【発明の効果】前述した如く、本発明は、発塵製が低
く、インクジェットプリンタで印刷したときの印字適性
が良い、即ちベタ印字部の濃淡ムラがなく、インクの滲
みが少ないインクジェット用記録無塵紙を提供するとい
う効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然パルプを主成分とする基紙に樹脂を含
    浸してなる無塵紙において、該基紙の原料となるパルプ
    が、JAPAN TAPPI No.52で規定されてい
    る光学的自動計測法でのパルプ繊維長試験方法による数
    平均繊維長分布に基づき0.1mm以下の繊維長の繊維
    を15%以下の範囲で含むことを特徴とするインクジェ
    ット記録用無塵紙。
  2. 【請求項2】天然パルプを主成分とする基紙に樹脂を含
    浸してなる無塵紙において、該基紙の原料パルプの繊維
    幅の平均値が18μm以下であり、平均値±5μmの繊
    維幅の割合が60%以上であることを特徴とする請求項
    1記載のインクジェット記録用無塵紙。 【0001】
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