JP2000237939A - タンデムテーブル式ロータリ研削盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来のパレット交換式ロータリ研削盤の不具合
をなくし、生産性の向上および省スペース化を図った構
造が簡素なタンデムテーブル式ロータリ研削盤を提供す
る。 【構成】コラム前面に上下動可能に設けられた砥石頭３
と、本体ベッド１に左右移動可能に、かつ移動方向に並
べて設けられた２体の移動テーブル５，６と、移動テー
ブル５，６の駆動装置を含む回転機構と、この移動テー
ブル５，６上に設けられた２体の回転テーブル７，８
と、回転テーブル７，８の駆動装置を含む回転機構と、
本体ベッド１上の加工位置に設けられ、かつ、砥石頭３
の砥石車４および回転テーブル７，８上の被加工物を囲
包する飛沫徐けとを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術の分野】本発明はロータリ研削盤に
関し、特にテーブル上に複数の被加工物を載置し、一方
の被加工物の加工中に他方の被加工物の段取りを行い得
るようにしたタンデムテーブル式ロータリ研削盤に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】複数の被加工物（ワーク）を１個づつ順
次加工位置へ送り、１つのワークの加工が終り次第、加
工位置で次ワークとの入れ替えを自動的に行う研削盤と
して、例えば特開昭５４−１２８８９５号公報に示され
る立型２頭平面研削盤、あるいはワークを載置するパレ
ットテーブルを複数準備し、各パレットテーブルにワー
ククランプ装置を設けるとともに本体ベッド上の加工ス
テーションと段取りステーションとの間で該パレットテ
ーブルを循環させるようにしたパレットチェンジャ式の
立軸円テーブル形平面研削盤が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述したパレットチェ
ンジャ式のロータリ研削盤はパレットの交換時間がかか
る上、パレット交換スペースを必要とすることから研削
盤全体が大形となる。また大形のワークの場合、パレッ
トを前記ワークの外形や重量に耐えるように大形かつ高
強度の支持構造とする必要があり、パレットの順送り機
構も複雑になる。

【０００４】本発明は従来のパレット交換式ロータリ研
削盤の不具合をなくし、生産性の向上および省スペース
化を図った構造簡素なタンデムテーブル式ロータリ研削
盤を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によるタンデムテ
ーブル式ロータリ研削盤は、コラム前面に上下動可能に
設けられた砥石頭と、本体ベッドに左右移動可能に設け
られた２体の移動テーブルと、前記移動テーブルの駆動
装置を含む左右移動機構と、前記移動テーブル上に設け
られた２体の回転テーブルと、前記回転テーブルの駆動
装置を含む回転機構と、前記本体ベッド上の加工位置に
設けられ、かつ、前記砥石頭の砥石車および前記回転テ
ーブル上のワークを囲包する飛沫徐けとを有している。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、本発明を好適な実施形態に
ついて図面を参照して説明する。図１は本発明の１実施
例に係るタンデムテーブル式ロータリ研削盤の平面図で
あり、図２は図１に示すロータリ研削盤の正面図であ
る。平面視Ｔ字形の本体ベッド１の中央後部に砥石頭コ
ラム２が配置され、該コラム２の前面に砥石頭３が上下
動可能に設けられている。砥石頭３に回転可能に軸支さ
れた砥石軸の下端には鉛直な軸線をもつ砥石車４が取り
付けられ、砥石頭３の上部に設けられた砥石駆動モータ
２３により砥石車４が鉛直軸線まわりに回転する。

【０００７】この実施例においては、本体ベッド１の上
面に一対の左右方向に離隔した移動テーブル５，６がそ
れぞれ単独に左右に移動可能に設けられている。この左
右移動テーブル５，６上にはそれぞれ回転テーブル７，
８が搭載され、これらの回転テーブル７，８上に被加工
物たるワーク（図示せず）が脱着可能に載置される。回
転テーブル７，８上に載せられて該テーブル７，８にク
ランプされたワークは砥石車４の下端面で平面研削がな
される。

【０００８】図３は図１，図２の実施例における移動テ
ーブル５および回転テーブル７の駆動機構を説明するた
めの一部裁断した部分的な拡大平面図、図４は図３のほ
ぼＡ−Ａ線に沿った断面図である。左右移動テーブル５
の下側には長尺の送りねじ９が本体ベッド１上に軸支さ
れ、この送りねじ９に螺合するナット部１１が左右移動
テーブル５の裏側に固着されている。送りねじ９は回転
可能かつ左右移動不能に軸支され、その片軸端（外側）
は本体ベッド１に保持された移動テーブル駆動モータ１
３に連結されている。なお、送りねじ９は本体ベッド１
の片端からその略中央近くまで延在している。この駆動
モータ１３の作動により送りねじ９とナット部１１のね
じ作用で左右移動テーブル５が本体ベッド１上を左右に
移動する。図３，図４では片側の左右移動テーブル５に
ついて説明したが、他方の左右移動テーブル６およびそ
の駆動機構についても同様であり、該他方の左右移動テ
ーブル６側の送りねじは本体ベッド１の他端から略中央
近くまで延在している。したがって両側の移動テーブル
駆動モータの駆動により左右の移動テーブル５，６はそ
れぞれ本体ベッド１の各々の片端部から中央付近までの
範囲で往復移動可能である。

【０００９】図３に示すように、左右移動テーブル５の
側部には回転テーブル駆動モータ１５が取り付けられて
おり、また図５に詳細に示す如く、左右移動テーブル５
の上面に、回転テーブル７の中心と係合しかつ該テーブ
ル７を回転可能に支持する支持環体３３が固着されてい
る。左右移動テーブル５の側部に取り付けられた回転テ
ーブル駆動モータ１５の出力軸にカップリングを介して
駆動側傘歯車３４が設けられている。駆動側傘歯車３４
は左右移動テーブル５の裏側に形成された凹部内に位置
するように歯車軸が該移動テーブル５に軸支され、また
この凹部内で駆動側傘歯車３４と噛合する被動側傘歯車
３５が左右移動テーブル５に軸支されている。被動側傘
歯車３５の軸部は前記移動テーブル５の上面に突出し、
その軸端部分にピニオン１８が設けられている。回転テ
ーブル７の裏部分にはピニオン１８と噛合する内歯平歯
車３６が固着されている。ここで回転テーブル駆動モー
タ１５の作動により、前記傘歯車３４，３５の噛合およ
びピニオン１８と平歯車３６の噛合を介して回転テーブ
ル７は左右移動テーブル５上で前記支持環体３３のまわ
りに回転する。図５の実施例の変形例として、図示のよ
うな内歯平歯車３６でなく、ピニオン１８と噛み合う外
歯平歯車を回転テーブル７の裏部に固着してもよいこと
は勿論である。なお図３では片側の回転テーブル駆動モ
ータ１５のみを示したが、他方の回転テーブル駆動機構
についても同様である。

【００１０】図６は他の実施例に係る回転テーブル駆動
機構の縦断面図である。この実施例では、回転テーブル
７がその中心部で短軸１０を介して左右移動テーブル５
の上面に回転可能に支持され、また該短軸１０を囲包す
るように回転テーブル７の裏側に平歯車１７が固着され
ている。この平歯車１７に噛合するピニオン１８が左右
移動テーブル５に軸支されており、さらにピニオン１８
のピニオン軸にウオーム歯車１９が固着されている。ウ
オーム歯車１９と噛み合うウオーム２０は回転テーブル
駆動モータ１５（図３）の出力軸に連結されている。し
たがって回転テーブル駆動モータ１５の作動により、ウ
オーム２０とウオーム歯車１９およびピニオン１８と平
歯車１７を介して回転テーブル７は左右移動テーブル５
上で短軸１０のまわりに回転する。

【００１１】上述の実施例でワークの研削例を説明すれ
ば、まず一方の移動テーブル５の回転テーブル上にワー
クを載せてクランプし、該移動テーブル５の駆動により
回転テーブル７を研削位置に位置決めし、砥石頭３を降
下させて回転テーブル７上のワークを研削する。この研
削動作中に他方の移動テーブル６の回転テーブル８上に
次ワークをセットする。一方のワークの研削完了後、両
方の移動テーブル５，６を同時に移動させて前記の次ワ
ークを載せた回転テーブル８を研削位置に位置決めし、
同様にして研削を行う。研削動作中に既に研削の終った
ワークを回転テーブルから取り外すとともに次の新たな
ワークの取り付けを行い、このようなサイクルを繰り返
して研削作業を続ける。

【００１２】この実施例で左右移動テーブルの移動機構
は各テーブルについて独立しており、片方の移動テーブ
ルのみを使用して研削加工を行うことも可能である。特
にワークの種類が異なり、それぞれ別の砥石車で研削し
なければならない場合などには、それぞれのワークに対
応した治具をそれぞれの回転テーブルに取り付けて一方
のワークの研削を同一の砥石車で所定個数研削した後、
砥石車を取り替えてから他方のワークの研削に入るのが
よい。一方のワークの研削加工中に他方のワークの段取
りや取り外しができるとともに、本体ベッド１やコラム
２、砥石頭３等の主要部を共用できる利点がある。

【００１３】加工位置の周囲にはカバー構造の飛沫徐け
が設けられ、研削液の飛散を防止する構造となってい
る。飛沫徐けは加工位置の前面（操作側）で左右に両開
きする引戸式の前面カバー２５と、砥石頭３の後部で該
砥石頭の昇降に伴なって上下動する後面カバー３２（後
述）と、加工位置を挟んでその左右両側部に設けられる
昇降可能な側面カバー２６と、砥石頭３が挿入される天
井カバー（図示省略）とから構成される。

【００１４】前面カバー２５は本体ベッド１の上部前縁
に形成された溝レール２７に沿ってベッド中央から両側
へ手動で開閉される。なおカバー２５の開きを円滑にす
るためにカバー下端にレール内を転動するローラを設け
てもよい。後面カバーは図２に示される如くコラム前面
の本体ベッド１上に取り付けられ、かつ回転テーブル
７，８の高さ位置あるいはこれを若干超える高さの固定
カバー２８と、固定カバー２８の上側で砥石頭３に連結
されて該砥石頭３とともに上下動するスライド式の上カ
バー３０と、上カバー３０と固定カバー２８との間に介
在されて上下動する中カバー２９とを有している。これ
らのカバーは互いに重ね合さるようになっており、砥石
頭３が最上昇位置にある場合には後面カバー全体が最大
に伸びきった状態となり、砥石頭が下降するにつれて上
カバー３０と中カバー２９が一緒に降下し、砥石頭３が
最下降位置にきたときには前記３つのカバー２８，２
９，３０が共に重なるようになっている。

【００１５】図１０は後面カバー３２の上下動作を概略
的に示した側面図である。この図を参照して前記上、中
カバーの上下動作を説明すれば、上カバー３０の下端に
は裏側へ突出した突起３０ａが形成され、中カバー２９
の上端近くには前側へ突出しかつ上カバー３０の突起３
０ａと係合可能な突起２９ａが形成され、さらに中カバ
ー２９の上端に固定カバー２８の上縁と接当可能な裏側
へ曲折したＬ片部２９ｂが、該中カバー２９の下端に裏
側へ突出した突起２９ｃがそれぞれ形成されている。ま
た固定カバー２８の前面上部付近に中カバー下端の突起
２９ｃと接当可能な突起２８ａが形成されている。

【００１６】図１０（Ａ）は後面カバー３２が完全に伸
び切った状態であり、上カバー３０の突起３０ａと中カ
バー２９の上側突起２９ａとが係合して該中カバー２９
が上カバー３０に吊り下げられ、同時に中カバー２９の
下側突起２９ｃが固定カバー２８の突起２８ａと係合し
て中カバー２９が上方へ抜け出るのを阻止している。こ
の状態から前記砥石頭の下降とともに上カバー３０が下
降すると、該上カバー３０に吊られた中カバー２９も自
重で固定カバー２８に重なるように下降し、中カバー２
９の上縁のＬ片部２９ｂが固定カバー２８の上端と接当
して停止する。これが図１０（Ｂ）の中途位置まで後面
カバー３２が下がった状態である。さらに上カバー３０
が下降すると、上カバー３０と中カバー２９の突起３０
ａと２９ａとの係合が外れ、上カバー３０のみが最下位
置まで下降して図１０（Ｃ）の如く３つのカバー２８，
２９，３０が重なる。後面カバー３２が上昇するときは
図１０の（Ｃ）から（Ａ）まで上述と逆の動作で上昇
し、このようにして前記砥石頭の後方は常に後面カバー
３２で覆われる。

【００１７】側面カバー２６は加工位置の４隅に立てら
れた支柱３１に取り付けられたロッドレスシリンダによ
って昇降駆動される。このシリンダは、図示しない検出
器のテーブル位置検出信号により作動され、移動テーブ
ルの加工位置への出入時には前記検出器の信号で前記ロ
ッドレスシリンダが作動して側面カバー２６は上昇し、
加工時には降下するようになっている。前記支柱３１の
頂部には前記天井カバーが取り付けられる。

【００１８】図７〜図９は本発明の他の実施例を示す図
である。本体ベッド１上に２体の移動テーブル５，６が
左右に並んで配置され、その各々に回転テーブル７，８
が搭載されるところは図１，図２の第１の実施例と同様
であるが、図７〜図９の第２の実施例の場合は両側の移
動テーブル５，６が連結部材２１によって連結され、移
動テーブル５，６の移動駆動部は本体ベッド１の片側に
のみ設けられている。図に示すように、本体ベッド１の
片側部に取り付けられた駆動モータ１３の出力軸に該ベ
ッド１の略中央まで延びる送りねじ２２がカップリング
を介して取り付けられ、この送りねじ２２に一方の移動
テーブル、具体的には駆動モータ側の移動テーブル５の
裏側に設けられたナット部１１が螺合している。

【００１９】駆動モータ１３の駆動により、送りねじ２
２とナット部１１のねじ作用で駆動モータ側移動テーブ
ル５が左右方向に移動すると、該テーブル５に連結され
ている他方の移動テーブル６も同時に同方向に移動し、
第１の実施例で説明したようにそれぞれの回転テーブル
７，８上のワークは交互に砥石頭３下端の砥石車４によ
り研削がなされる。一方のワークの研削中に他方の回転
テーブル８に対して研削済みワークの取り出し、次ワー
クの装着などの次研削作業の段取りが行われる。この第
２の実施例は移動テーブルの駆動モータや送りねじが１
個で済み、駆動機構が大幅に簡略化される。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、１
台の研削盤でワークの研削と段取りを順次行って多数の
ワークを研削加工していく場合に、回転テーブルを搭載
した２体の移動テーブルを本体ベッド上にテーブル移動
方向に並べて配置し、該移動テーブルを左右に移動させ
ることにより、従来のパレットチェンジャ方式のような
パレット交換時間が削減でき、生産性が大幅に向上す
る。またパレット交換スペースが不要となるので、研削
盤本体の周囲の省スペース化が図られる。さらに移動テ
ーブルは直線移動する構造であるため、その移動機構が
簡潔であり、迅速かつ安定した左右往復移動が可能で故
障の原因が少なくなる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例に係るタンデムテーブル
式ロータリ研削盤の平面図である。

【図２】図１の実施例に示すロータリ研削盤の正面図で
ある。

【図３】図１，図２の実施例における移動テーブルおよ
び回転テーブルの駆動機構を説明するための一部裁断し
た部分的な拡大平面図である。

【図４】図３のほぼＡ−Ａ線に沿った断面図である。

【図５】本発明の実施例に係る回転テーブル駆動機構の
詳細な拡大断面図である。

【図６】本発明の他の実施例に係る回転テーブル駆動機
構の詳細な拡大断面図である。

【図７】本発明の第２の実施例に係るタンデムテーブル
式ロータリ研削盤の部分的な平面図である。

【図８】図６の正面図である。

【図９】図６に示す実施例の移動テーブルの移動機構を
示す図である。

【図１０】後面カバーの上下動作を概略的に示した側面
図である。

【符号の説明】

１ 本体ベッド ２ コラム ３ 砥石頭 ４ 砥石車 ５，６ 移動テーブル ７，８ 回転テーブル ９，２２ 送りねじ １０ 短軸 １１ ナット部 １３ 移動テーブル駆動モータ １５ 回転テーブル駆動モータ １７ 平歯車 １８ ピニオン １９ ウオーム歯車 ２０ ウオーム ２１ 連結部材 ２５ 前面カバー ２６ 側面カバー ２８ 固定カバー ２９ 中カバー ３０ 上カバー ３１ 支柱 ３２ 後面カバー ３４ 駆動側傘歯車 ３５ 被動側傘歯車 ３６ 内歯平歯車

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コラム前面に上下動可能に設けられた砥石
   頭と、本体ベッドに左右移動可能に、かつ移動方向に並
   べて設けられた２体の移動テーブルと、前記移動テーブ
   ルの駆動装置を含む左右移動機構と、前記移動テーブル
   上に設けられた２体の回転テーブルと、前記回転テーブ
   ルの駆動装置を含む回転機構と、前記本体ベッド上の加
   工位置に設けられ、かつ、前記砥石頭の砥石車および前
   記回転テーブル上の被加工物を囲包する飛沫徐けとを有
   することを特徴とするタンデムテーブル式ロータリ研削
   盤。
2. 【請求項２】前記２体の移動テーブルがそれぞれ単独に
   左右移動するように各々の移動テーブルに対してそれぞ
   れ左右移動機構が設けられることを特徴とする請求項第
   １項に記載したタンデムテーブル式ロータリ研削盤。
3. 【請求項３】前記２体の移動テーブルは互いに連結され
   ており、前記２体の移動テーブルに対して共通のひとつ
   の左右移動機構が設けられ、これによって前記２体の移
   動テーブルは同時に同方向に左右移動することを特徴と
   する請求項第１項に記載したタンデムテーブル式ロータ
   リ研削盤。