JP2000235914A - 高透磁率酸化物磁性材料 - Google Patents
高透磁率酸化物磁性材料Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い初透磁率と高いインピーダンス特性を同
時に実現する高透磁率酸化物磁性材料を提供する。 【解決手段】 主成分組成が52.0〜53.0mol%
のFe2O3、19.0〜23.5mol%のZnO、残
部MnOからなり、副成分として、0.005〜0.02
5wt%のSiO2、0.02〜0.07wt%のCa
O、0.01〜0.03wt%のBi2O3、0.02〜
0.07wt%のZrO2を含有すると共に、焼結体の
平均結晶粒径が7μm以上である高透磁率酸化物磁性材
料。
時に実現する高透磁率酸化物磁性材料を提供する。 【解決手段】 主成分組成が52.0〜53.0mol%
のFe2O3、19.0〜23.5mol%のZnO、残
部MnOからなり、副成分として、0.005〜0.02
5wt%のSiO2、0.02〜0.07wt%のCa
O、0.01〜0.03wt%のBi2O3、0.02〜
0.07wt%のZrO2を含有すると共に、焼結体の
平均結晶粒径が7μm以上である高透磁率酸化物磁性材
料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高透磁率酸化物磁
性材料に関し、特に、ノイズフィルタ等の巻線部品に適
した高透磁率酸化物磁性材料に関するものである。
性材料に関し、特に、ノイズフィルタ等の巻線部品に適
した高透磁率酸化物磁性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、高性能化の技
術革新が著しく、それに伴い使用されるMn−Zn系フ
ェライトの高性能化、例えば、高透磁率化、及び低損失
化が求められている。なかでも、ノイズフィルタ用のフ
ェライトコアは、高い透磁率と高いインピーダンスが要
求される。
術革新が著しく、それに伴い使用されるMn−Zn系フ
ェライトの高性能化、例えば、高透磁率化、及び低損失
化が求められている。なかでも、ノイズフィルタ用のフ
ェライトコアは、高い透磁率と高いインピーダンスが要
求される。
【0003】一般に、高透磁率を有するMn−Zn系フ
ェライトの主成分組成は、52.0〜53.0mol%の
Fe2O3、24.0〜28.0mol%のMnO、残部
ZnO付近の組成とされており、現在市販されているも
のも、ほぼこの範囲である。
ェライトの主成分組成は、52.0〜53.0mol%の
Fe2O3、24.0〜28.0mol%のMnO、残部
ZnO付近の組成とされており、現在市販されているも
のも、ほぼこの範囲である。
【0004】Mn−Zn系フェライトは、副成分として
SiO2、CaO、Bi2O3等を含有させる場合があ
る。SiO2、CaOは、高抵抗の粒界層を形成するこ
とにより、渦電流損失を低減させ、特に初透磁率(μ
i)の周波数特性を良好とする目的で添加されている。
Bi2O3は、粒成長を促進することを目的として添加
されており、高い初透磁率を得るために必要な大きい結
晶粒径を得るためである。
SiO2、CaO、Bi2O3等を含有させる場合があ
る。SiO2、CaOは、高抵抗の粒界層を形成するこ
とにより、渦電流損失を低減させ、特に初透磁率(μ
i)の周波数特性を良好とする目的で添加されている。
Bi2O3は、粒成長を促進することを目的として添加
されており、高い初透磁率を得るために必要な大きい結
晶粒径を得るためである。
【0005】また、初透磁率(μi)が、高周波まで高
い値を維持すると、その虚数部分(μ”)のピーク値
は、高周波側に現れ、これにより、インピーダンス
(Z)も大きくなる。
い値を維持すると、その虚数部分(μ”)のピーク値
は、高周波側に現れ、これにより、インピーダンス
(Z)も大きくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高い初透磁率(μi)
を達成するには、上記のような組成を吟味して、最適な
組成選択することのみならず、結晶粒径を比較的大きく
し、均一にすることが必要である。
を達成するには、上記のような組成を吟味して、最適な
組成選択することのみならず、結晶粒径を比較的大きく
し、均一にすることが必要である。
【0007】しかし、Bi2O3は、粒成長促進には有
効であるが、異常粒発生を促進する因子でもある。異常
粒は、渦電流損失を増加させ、比抵抗の低減につなが
り、かつ、大幅なインピーダンスの低減を招く。
効であるが、異常粒発生を促進する因子でもある。異常
粒は、渦電流損失を増加させ、比抵抗の低減につなが
り、かつ、大幅なインピーダンスの低減を招く。
【0008】従って、本発明の課題は、高い初透磁率と
高いインピーダンス特性を同時に実現することができる
高透磁率酸化物磁性材料を提供することである。
高いインピーダンス特性を同時に実現することができる
高透磁率酸化物磁性材料を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】種々の検討を行った結
果、本発明は、主成分組成が52.0〜53.0mol%
のFe2O3、19.0〜23.5mol%のZnO、残
部MnOからなり、副成分として0.005〜0.025
wt%のSiO2、0.02〜0.07wt%のCaO、
0.01〜0.03wt%のBi2O3、0.02〜0.0
7wt%のZrO 2を含有するMn−Zn系フェライト
が、高い初透磁率と高いインピーダンス特性を持つこと
を見出した。
果、本発明は、主成分組成が52.0〜53.0mol%
のFe2O3、19.0〜23.5mol%のZnO、残
部MnOからなり、副成分として0.005〜0.025
wt%のSiO2、0.02〜0.07wt%のCaO、
0.01〜0.03wt%のBi2O3、0.02〜0.0
7wt%のZrO 2を含有するMn−Zn系フェライト
が、高い初透磁率と高いインピーダンス特性を持つこと
を見出した。
【0010】また、上記の組成で、焼結体の平均結晶粒
径を7μm以上とすることにより、より高い初透磁率と
高いインピーダンス特性を持つ高透磁率酸化物磁性材料
が得られることを見出した。
径を7μm以上とすることにより、より高い初透磁率と
高いインピーダンス特性を持つ高透磁率酸化物磁性材料
が得られることを見出した。
【0011】これは、ZrO2を添加することにより、
異常粒成長を抑制しつつ、Bi2O 3添加により、粒成
長を促進させたためである。異常粒を発生させることな
く、平均結晶粒径を7μm以上とすることで、比抵抗、
インピーダンスを低減させることなく高い初透磁率が得
られる。
異常粒成長を抑制しつつ、Bi2O 3添加により、粒成
長を促進させたためである。異常粒を発生させることな
く、平均結晶粒径を7μm以上とすることで、比抵抗、
インピーダンスを低減させることなく高い初透磁率が得
られる。
【0012】また、主成分Fe2O3の組成範囲を5
2.0〜53.0mol%としたのは、52.0mol%
未満であると、インピーダンスが低減するためであり、
53.0mol%を超えると、十分な初透磁率が得られ
ないためである。
2.0〜53.0mol%としたのは、52.0mol%
未満であると、インピーダンスが低減するためであり、
53.0mol%を超えると、十分な初透磁率が得られ
ないためである。
【0013】また、ZnOの組成範囲を19.0から2
3.5mol%としたのは、ZnOが19.0mol%未
満では、十分な初透磁率が得られず、23.5mol%
を超えると、キュリー温度(Tc)が低下し、実用的で
はなくなるためである。
3.5mol%としたのは、ZnOが19.0mol%未
満では、十分な初透磁率が得られず、23.5mol%
を超えると、キュリー温度(Tc)が低下し、実用的で
はなくなるためである。
【0014】更に、副成分を0.005〜0.025wt
%のSiO2、0.02〜0.07wt%のCaO、0.
01〜0.03wt%のBi2O3、0.02〜0.07
wt%のZrO2としたのは、SiO2が0.005w
t%未満、またCaOが0.02wt%未満であると、
高い抵抗値を示す粒界層が得られず、高いインピーダン
スが得られないためである。
%のSiO2、0.02〜0.07wt%のCaO、0.
01〜0.03wt%のBi2O3、0.02〜0.07
wt%のZrO2としたのは、SiO2が0.005w
t%未満、またCaOが0.02wt%未満であると、
高い抵抗値を示す粒界層が得られず、高いインピーダン
スが得られないためである。
【0015】SiO2が0.025wt%を超え、また
CaOが0.07wt%を超えると、十分な初透磁率が
得られない。Bi2O3が0.01wt%未満である
と、結晶粒成長の効果が得られず、0.03wt%を超
えると、ZrO2の添加範囲では、異常粒成長を抑制で
きず、異常粒の発生により、渦電流損失が増加し、比抵
抗、インピーダンスを低減させるためである。
CaOが0.07wt%を超えると、十分な初透磁率が
得られない。Bi2O3が0.01wt%未満である
と、結晶粒成長の効果が得られず、0.03wt%を超
えると、ZrO2の添加範囲では、異常粒成長を抑制で
きず、異常粒の発生により、渦電流損失が増加し、比抵
抗、インピーダンスを低減させるためである。
【0016】ZrO2が、0.02wt%未満である
と、粒成長を均一にする効果が十分に得られず、0.0
7wt%を超えると、結晶粒内に不純物として固溶し、
初透磁率を低下させるためである。
と、粒成長を均一にする効果が十分に得られず、0.0
7wt%を超えると、結晶粒内に不純物として固溶し、
初透磁率を低下させるためである。
【0017】なお、平均結晶粒径を7μm以上としたの
は、平均結晶粒径が7μm以下であると、十分な初透磁
率が得られないためである。
は、平均結晶粒径が7μm以下であると、十分な初透磁
率が得られないためである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、本発明を適用した実施例に基づいて詳細に説明す
る。
て、本発明を適用した実施例に基づいて詳細に説明す
る。
【0019】
【実施例】(実施例1)発明品1は、主成分組成が5
2.5mol%のFe2O3、22.5mol%のZn
O、残部MnOからなり、副成分として0.015wt
%のSiO2、CaOに換算して0.03wt%のCa
(OH)2、0.015wt%のBi2O3、0.03w
t%のZrO2となるように秤量し、アトライターを用
いて2時間混合した。混合の後、スプレードライヤーで
造粒した。
2.5mol%のFe2O3、22.5mol%のZn
O、残部MnOからなり、副成分として0.015wt
%のSiO2、CaOに換算して0.03wt%のCa
(OH)2、0.015wt%のBi2O3、0.03w
t%のZrO2となるように秤量し、アトライターを用
いて2時間混合した。混合の後、スプレードライヤーで
造粒した。
【0020】その後、各混合粉末を850℃の大気中で
2時間予焼した。得られた粉末をアトライターを用いて
粉砕した。粉砕後、スプレードライヤーにて造粒し、2
5mmφ−15mmφ−12mmのトロイダル形状にプ
レスし、1350℃の焼成温度、保持時間2時間で焼成
した。
2時間予焼した。得られた粉末をアトライターを用いて
粉砕した。粉砕後、スプレードライヤーにて造粒し、2
5mmφ−15mmφ−12mmのトロイダル形状にプ
レスし、1350℃の焼成温度、保持時間2時間で焼成
した。
【0021】また、従来品として、主成分組成が52.
5mol%のFe2O3、22.5mol%のZnO、
残部MnOからなり、副成分として0.015wt%の
SiO 2、0.03wt%のCaO、0.015wt%の
Bi2O3を含有するMn−Znフェライトを同様の工
程で作製した。
5mol%のFe2O3、22.5mol%のZnO、
残部MnOからなり、副成分として0.015wt%の
SiO 2、0.03wt%のCaO、0.015wt%の
Bi2O3を含有するMn−Znフェライトを同様の工
程で作製した。
【0022】表1に、従来品と発明品1の平均結晶粒
径、比抵抗、キュリー温度(Tc)、10kHzおよび
100kHzにおける初透磁率(μi)、巻線数10タ
ーンのインピーダンスの最大値(Zmax)を示す。
径、比抵抗、キュリー温度(Tc)、10kHzおよび
100kHzにおける初透磁率(μi)、巻線数10タ
ーンのインピーダンスの最大値(Zmax)を示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1から、発明品1は、従来品に比べ、初
透磁率(μi)、インピーダンスの最大値(Zma
x)、及び比抵抗が高いことかがわかる。また、焼結保
持時間の短縮を可能にした。
透磁率(μi)、インピーダンスの最大値(Zma
x)、及び比抵抗が高いことかがわかる。また、焼結保
持時間の短縮を可能にした。
【0025】図1に、発明品1と従来品の初透磁率(μ
i)の周波数特性を示す。図1から、発明品1は、高周
波まで高い初透磁率(μi)を維持していることがわか
る。
i)の周波数特性を示す。図1から、発明品1は、高周
波まで高い初透磁率(μi)を維持していることがわか
る。
【0026】(実施例2)発明品2〜9として、主成分
組成が、52.0〜53.0mol%のFe2O3、1
9.0〜23.5mol%のZnO、残部MnOからな
り、副成分として0.015wt%のSiO2、CaO
に換算して0.03wt%のCa(OH)2、0.015
wt%のBi2O3、0.03wt%のZrO2となる
ように秤量し、アトライターを用いて2時間混合した。
組成が、52.0〜53.0mol%のFe2O3、1
9.0〜23.5mol%のZnO、残部MnOからな
り、副成分として0.015wt%のSiO2、CaO
に換算して0.03wt%のCa(OH)2、0.015
wt%のBi2O3、0.03wt%のZrO2となる
ように秤量し、アトライターを用いて2時間混合した。
【0027】混合の後、スプレードライヤーで造粒し
た。その後、各混合粉末を850℃の大気中で2時間予
焼した。得られた粉末をアトライターを用いて粉砕し
た。粉砕後、スプレードライヤーにて造粒し、25mm
φ−15mmφ−12mmのトロイダル形状にプレス
し、1350℃の焼成温度、保持時間2時間で焼成し
た。
た。その後、各混合粉末を850℃の大気中で2時間予
焼した。得られた粉末をアトライターを用いて粉砕し
た。粉砕後、スプレードライヤーにて造粒し、25mm
φ−15mmφ−12mmのトロイダル形状にプレス
し、1350℃の焼成温度、保持時間2時間で焼成し
た。
【0028】また、比較品1〜4として、主成分組成が
51.0mol%のFe2O3、20.5mol%のZn
O、残部MnOからなり、副成分として0.015wt
%のSiO2、0.03wt%のCaO、0.015wt
%のBi2O3、0.03wt%のZrO2(比較品
1)、主成分組成が54.0mol%のFe2O3、2
0.5mol%のZnO、残部MnOからなり、副成分
として0.015wt%のSiO2、0.03wt%のC
aO、0.015wt%のBi2O3、0.03wt%の
ZrO2(比較品2)、主成分組成が52.2mol%
のFe2O3、18.0mol%のZnO、残部MnO
からなり、副成分として0.015wt%のSiO2、
0.03wt%のCaO、0.015wt%のBi
2O3、0.03wt%のZrO2(比較品3)、主成
分組成が52.2mol%のFe2O3、25.0mol
%のZnO、残部MnOからなり、副成分として0.0
15wt%のSiO2、0.03wt%のCaO、0.0
15wt%のBi2O3、0.03wt%のZrO
2(比較品4)を含有するMn−Znフェライトを同様
の工程で作製した。
51.0mol%のFe2O3、20.5mol%のZn
O、残部MnOからなり、副成分として0.015wt
%のSiO2、0.03wt%のCaO、0.015wt
%のBi2O3、0.03wt%のZrO2(比較品
1)、主成分組成が54.0mol%のFe2O3、2
0.5mol%のZnO、残部MnOからなり、副成分
として0.015wt%のSiO2、0.03wt%のC
aO、0.015wt%のBi2O3、0.03wt%の
ZrO2(比較品2)、主成分組成が52.2mol%
のFe2O3、18.0mol%のZnO、残部MnO
からなり、副成分として0.015wt%のSiO2、
0.03wt%のCaO、0.015wt%のBi
2O3、0.03wt%のZrO2(比較品3)、主成
分組成が52.2mol%のFe2O3、25.0mol
%のZnO、残部MnOからなり、副成分として0.0
15wt%のSiO2、0.03wt%のCaO、0.0
15wt%のBi2O3、0.03wt%のZrO
2(比較品4)を含有するMn−Znフェライトを同様
の工程で作製した。
【0029】表2に、発明品2〜9と比較品1〜4の平
均結晶粒径、比抵抗、キュリー温度(Tc)、100k
Hzにおける初透磁率(μi)、巻線数10ターンのイ
ンピーダンスの最大値(Zmax)を示す。
均結晶粒径、比抵抗、キュリー温度(Tc)、100k
Hzにおける初透磁率(μi)、巻線数10ターンのイ
ンピーダンスの最大値(Zmax)を示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2から、52.0〜53.0mol%のF
e2O3とした発明品2〜9は、比較品1〜4に比べ、
初透磁率(μi)、インピーダンス最大値(Zma
x)、および比抵抗が高いことがわかる。19.0〜2
3.5mol%のZnOとした発明品2〜9は、比較品
1〜4に比べ、初透磁率(μi)、インピーダンス最大
値(Zmax)、およびキュリー温度(Tc)が高いこ
とがわかる。
e2O3とした発明品2〜9は、比較品1〜4に比べ、
初透磁率(μi)、インピーダンス最大値(Zma
x)、および比抵抗が高いことがわかる。19.0〜2
3.5mol%のZnOとした発明品2〜9は、比較品
1〜4に比べ、初透磁率(μi)、インピーダンス最大
値(Zmax)、およびキュリー温度(Tc)が高いこ
とがわかる。
【0032】(実施例3)発明品10〜16として、主
成分組成が52.2mol%のFe2O3、22.0mo
l%のZnO、残部MnOからなり、副成分として0.
005〜0.025wt%のSiO2、CaOに換算し
て0.02〜0.07wt%のCa(OH)2、0.01
5wt%のBi2O3、0.03wt%のZrO2とな
るように秤量し、アトライターを用いて2時間混合し
た。
成分組成が52.2mol%のFe2O3、22.0mo
l%のZnO、残部MnOからなり、副成分として0.
005〜0.025wt%のSiO2、CaOに換算し
て0.02〜0.07wt%のCa(OH)2、0.01
5wt%のBi2O3、0.03wt%のZrO2とな
るように秤量し、アトライターを用いて2時間混合し
た。
【0033】混合の後、スプレードライヤーで造粒し
た。その後、各混合粉末を850℃の大気中で2時間予
焼した。得られた粉末をアトライターを用いて粉砕し
た。粉砕後、スプレードライヤーにて造粒し、25mm
φ−15mmφ−12mmのトロイダル形状にプレス
し、1350℃の焼成温度、保持時間2時間で焼成し
た。
た。その後、各混合粉末を850℃の大気中で2時間予
焼した。得られた粉末をアトライターを用いて粉砕し
た。粉砕後、スプレードライヤーにて造粒し、25mm
φ−15mmφ−12mmのトロイダル形状にプレス
し、1350℃の焼成温度、保持時間2時間で焼成し
た。
【0034】また、比較品5〜8として、主成分組成が
52.2mol%のFe2O3、22.0mol%のZn
O、残部MnOからなり、副成分として0.03wt%
のCaO、0.015wt%のBi2O3、0.03wt
%のZrO2(比較品5)、主成分組成が52.2mo
l%のFe2O3、22.0mol%のZnO、残部M
nOからなり、副成分として0.03wt%のSi
O2、0.03wt%のCaO、0.015wt%のBi
2O3、0.03wt%のZrO2(比較品6)、主成
分組成が52.2mol%のFe2O3、22.0mol
%のZnO、残部MnOからなり、副成分として0.0
15wt%のSiO2、0.01wt%のCaO、0.0
15wt%のBi2O3、0.03wt%のZrO
2(比較品7)、主成分組成が52.2mol%のFe
2O3、22.0mol%のZnO、残部MnOからな
り、副成分として0.015wt%のSiO2、0.08
wt%のCaO、0.015wt%のBi2O3、0.0
3wt%のZrO2(比較品8)を含有するMn−Zn
フェライトも同様の工程で作製した。
52.2mol%のFe2O3、22.0mol%のZn
O、残部MnOからなり、副成分として0.03wt%
のCaO、0.015wt%のBi2O3、0.03wt
%のZrO2(比較品5)、主成分組成が52.2mo
l%のFe2O3、22.0mol%のZnO、残部M
nOからなり、副成分として0.03wt%のSi
O2、0.03wt%のCaO、0.015wt%のBi
2O3、0.03wt%のZrO2(比較品6)、主成
分組成が52.2mol%のFe2O3、22.0mol
%のZnO、残部MnOからなり、副成分として0.0
15wt%のSiO2、0.01wt%のCaO、0.0
15wt%のBi2O3、0.03wt%のZrO
2(比較品7)、主成分組成が52.2mol%のFe
2O3、22.0mol%のZnO、残部MnOからな
り、副成分として0.015wt%のSiO2、0.08
wt%のCaO、0.015wt%のBi2O3、0.0
3wt%のZrO2(比較品8)を含有するMn−Zn
フェライトも同様の工程で作製した。
【0035】表3に、発明品10〜16と比較品5〜8
の平均結晶粒径、比抵抗、キュリー温度(Tc)、10
0kHzにおける初透磁率(μi)、巻線数10ターン
のインピーダンスの最大値(Zmax)を示す。
の平均結晶粒径、比抵抗、キュリー温度(Tc)、10
0kHzにおける初透磁率(μi)、巻線数10ターン
のインピーダンスの最大値(Zmax)を示す。
【0036】
【表3】
【0037】表3から、0.005〜0.025wt%
の、0.02〜0.07wt%のCaOとした発明品10
〜16は、比較品5〜8に比べ、初透磁率(μi)、イ
ンピーダンスの最大値(Zmax)、および比抵抗が高
いことがわかる。
の、0.02〜0.07wt%のCaOとした発明品10
〜16は、比較品5〜8に比べ、初透磁率(μi)、イ
ンピーダンスの最大値(Zmax)、および比抵抗が高
いことがわかる。
【0038】(実施例4)発明品17〜22として、主
成分組成が52.2mol%のFe2O3、22.0mo
l%のZnO、残部MnOからなり、副成分として、
0.015wt%のSiO2、CaOに換算して、0.0
3wt%のCa(OH)2、0.01〜0.03wt%の
Bi2O3、0.02〜0.07wt%のZrO2となる
ように秤量し、アトライターを用いて2時間混合した。
成分組成が52.2mol%のFe2O3、22.0mo
l%のZnO、残部MnOからなり、副成分として、
0.015wt%のSiO2、CaOに換算して、0.0
3wt%のCa(OH)2、0.01〜0.03wt%の
Bi2O3、0.02〜0.07wt%のZrO2となる
ように秤量し、アトライターを用いて2時間混合した。
【0039】混合の後、スプレードライヤーで造粒し
た。その後、各混合粉末を850℃の大気中で2時間予
焼した。得られた粉末をアトライターを用いて粉砕し
た。粉砕後、スプレードライヤーにて造粒し、25mm
φ−15mmφ−12mmのトロイダル形状にプレス
し、1350℃の焼成温度、保持時間2時間で焼成し
た。
た。その後、各混合粉末を850℃の大気中で2時間予
焼した。得られた粉末をアトライターを用いて粉砕し
た。粉砕後、スプレードライヤーにて造粒し、25mm
φ−15mmφ−12mmのトロイダル形状にプレス
し、1350℃の焼成温度、保持時間2時間で焼成し
た。
【0040】また、比較品9〜12として、主成分組成
が52.2mol%のFe2O3、22.0mol%のZ
nO、残部MnOからなり、副成分として0.015w
t%のSiO2、0.03wt%のCaO、0.005w
t%のBi2O3、0.03wt%のZrO2(比較品
9)、主成分組成が52.2mol%のFe2O3、2
2.0mol%のZnO、残部MnOからなり、副成分
として0.015wt%のSiO2、0.03wt%のC
aO、0.035wt%のBi2O3、0.03wt%の
ZrO2(比較品10)、主成分組成が52.2mol
%のFe2O3、22.0mol%のZnO、残部Mn
Oからなり、副成分として0.015wt%のSi
O2、0.03wt%のCaO、0.015wt%のBi
2O3、0.01wt%のZrO2(比較品11)、主
成分組成が52.2mol%のFe2O 3、22.0mo
l%のZnO、残部MnOからなり、副成分として0.
015wt%のSiO2、0.03wt%のCaO、0.
015wt%のBi2O3、0.08wt%のZrO2
(比較品12)を含有するMn−Znフェライトも同様
の工程で作製した。
が52.2mol%のFe2O3、22.0mol%のZ
nO、残部MnOからなり、副成分として0.015w
t%のSiO2、0.03wt%のCaO、0.005w
t%のBi2O3、0.03wt%のZrO2(比較品
9)、主成分組成が52.2mol%のFe2O3、2
2.0mol%のZnO、残部MnOからなり、副成分
として0.015wt%のSiO2、0.03wt%のC
aO、0.035wt%のBi2O3、0.03wt%の
ZrO2(比較品10)、主成分組成が52.2mol
%のFe2O3、22.0mol%のZnO、残部Mn
Oからなり、副成分として0.015wt%のSi
O2、0.03wt%のCaO、0.015wt%のBi
2O3、0.01wt%のZrO2(比較品11)、主
成分組成が52.2mol%のFe2O 3、22.0mo
l%のZnO、残部MnOからなり、副成分として0.
015wt%のSiO2、0.03wt%のCaO、0.
015wt%のBi2O3、0.08wt%のZrO2
(比較品12)を含有するMn−Znフェライトも同様
の工程で作製した。
【0041】表4に、発明品17〜22と比較品9〜1
2の平均結晶粒径、比抵抗、キュリー温度(Tc)、1
00kHzにおける初透磁率(μi)、巻線数10ター
ンのインピーダンスの最大値(Zmax)を示す。
2の平均結晶粒径、比抵抗、キュリー温度(Tc)、1
00kHzにおける初透磁率(μi)、巻線数10ター
ンのインピーダンスの最大値(Zmax)を示す。
【0042】
【表4】
【0043】表4から、0.01〜0.03wt%のBi
2O3、0.02〜0.07wt%のZrO2とした発明
品17〜22は、比較品9〜12と比べ、初透磁率(μ
i)、インピーダンスの最大値(Zmax)、および比
抵抗が高いことがわかる。
2O3、0.02〜0.07wt%のZrO2とした発明
品17〜22は、比較品9〜12と比べ、初透磁率(μ
i)、インピーダンスの最大値(Zmax)、および比
抵抗が高いことがわかる。
【0044】(実施例5)発明品23として、主成分組
成が52.2mol%のFe2O3、22.0mol%の
ZnO、残部MnOからなり、副成分として0.015
wt%のSiO2、CaOに換算して0.03wt%の
Ca(OH)2、0.015wt%のBi2O3、0.0
3wt%のZrO2となるように秤量し、アトライター
を用いて2時間混合した。
成が52.2mol%のFe2O3、22.0mol%の
ZnO、残部MnOからなり、副成分として0.015
wt%のSiO2、CaOに換算して0.03wt%の
Ca(OH)2、0.015wt%のBi2O3、0.0
3wt%のZrO2となるように秤量し、アトライター
を用いて2時間混合した。
【0045】混合の後、スプレードライヤーで造粒し
た。その後、各混合粉末を850℃の大気中で2時間予
焼した。得られた粉末をアトライターを用いて粉砕し
た。粉砕後、スプレードライヤーにて造粒し、25mm
φ−15mmφ−12mmのトロイダル形状にプレス
し、1350℃の焼成温度、保持時間2時間で焼成し
た。
た。その後、各混合粉末を850℃の大気中で2時間予
焼した。得られた粉末をアトライターを用いて粉砕し
た。粉砕後、スプレードライヤーにて造粒し、25mm
φ−15mmφ−12mmのトロイダル形状にプレス
し、1350℃の焼成温度、保持時間2時間で焼成し
た。
【0046】また、比較品13として、主成分組成が5
2.2mol%のFe2O3、22.0mol%のZn
O、残部MnOからなり、副成分として0.015wt
%のSiO2、0.03wt%のCaO、0.015wt
%のBi2O3、0.03wt%のZrO2(比較品1
3)となるように秤量し、アトライターを用いて2時間
混合した。
2.2mol%のFe2O3、22.0mol%のZn
O、残部MnOからなり、副成分として0.015wt
%のSiO2、0.03wt%のCaO、0.015wt
%のBi2O3、0.03wt%のZrO2(比較品1
3)となるように秤量し、アトライターを用いて2時間
混合した。
【0047】混合の後、スプレードライヤーで造粒し
た。その後、各混合粉末を850℃の大気中で2時間予
焼した。得られた粉末をアトライターを用いて粉砕し
た。粉砕後、スプレードライヤーにて造粒し、25mm
φ−15mmφ−12mmのトロイダル形状にプレス
し、1300℃の焼成温度、保持時間2時間で焼成し
た。
た。その後、各混合粉末を850℃の大気中で2時間予
焼した。得られた粉末をアトライターを用いて粉砕し
た。粉砕後、スプレードライヤーにて造粒し、25mm
φ−15mmφ−12mmのトロイダル形状にプレス
し、1300℃の焼成温度、保持時間2時間で焼成し
た。
【0048】
【表5】
【0049】表5に、発明品23と比較品13の平均結
晶粒径、比抵抗、キュリー温度(Tc)、100kHz
における初透磁率(μi)、巻線数10ターンのインピ
ーダンスの最大値(Zmax)を示す。
晶粒径、比抵抗、キュリー温度(Tc)、100kHz
における初透磁率(μi)、巻線数10ターンのインピ
ーダンスの最大値(Zmax)を示す。
【0050】表5から、平均結晶粒径10μm(7μm
以上)とした発明品23は、比較品13と比べ、初透磁
率(μi)が高いことがわかる。
以上)とした発明品23は、比較品13と比べ、初透磁
率(μi)が高いことがわかる。
【0051】
【発明の効果】以上述べたごとく、主成分組成が、5
2.0〜53.0mol%のFe2O3、19.0〜23.
5mol%のZnO、残部MnOからなり、副成分とし
て0.005〜0.025wt%のSiO2、0.02〜
0.07wt%のCaO、0.01〜0.03wt%のB
i2O3、0.02〜0.07wt%のZrO2を含有す
るMn−Zn系フェライトの焼結体の平均結晶粒径を7
μm以上とすることで、高透磁率酸化物磁性材料が得ら
れる事を見出した。本発明品は、高い初透磁率(μi)
とインピーダンス特性を同時に実現した。
2.0〜53.0mol%のFe2O3、19.0〜23.
5mol%のZnO、残部MnOからなり、副成分とし
て0.005〜0.025wt%のSiO2、0.02〜
0.07wt%のCaO、0.01〜0.03wt%のB
i2O3、0.02〜0.07wt%のZrO2を含有す
るMn−Zn系フェライトの焼結体の平均結晶粒径を7
μm以上とすることで、高透磁率酸化物磁性材料が得ら
れる事を見出した。本発明品は、高い初透磁率(μi)
とインピーダンス特性を同時に実現した。
【0052】また、ZrO2を添加することにより、異
常粒成長を抑制しつつ、微細粒の頻度を小さくし、さら
にBi2O3添加により、粒成長を促進させ、異常粒を
発生させることなく、平均結晶粒径を7μm以上とする
ことで、比抵抗、インピーダンスを低減させることなく
高い初透磁率が得られる。
常粒成長を抑制しつつ、微細粒の頻度を小さくし、さら
にBi2O3添加により、粒成長を促進させ、異常粒を
発生させることなく、平均結晶粒径を7μm以上とする
ことで、比抵抗、インピーダンスを低減させることなく
高い初透磁率が得られる。
【図1】ZrO2を添加した発明品1と従来品の初透磁
率の周波数特性を示す図。
率の周波数特性を示す図。
Claims (2)
- 【請求項1】 主成分組成が52.0〜53.0mol%
のFe2O3、19.0〜23.5mol%のZnO、残
部MnOからなり、副成分として0.005〜0.025
wt%のSiO2、0.02〜0.07wt%のCaO、
0.01〜0.03wt%のBi2O3、0.02〜0.0
7wt%のZrO2を含有することを特徴とする高透磁
率酸化物磁性材料。 - 【請求項2】 前記焼結体の平均結晶粒径が7μm以上
であることを特徴とする請求項1記載の高透磁率酸化物
磁性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11035503A JP2000235914A (ja) | 1999-02-15 | 1999-02-15 | 高透磁率酸化物磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11035503A JP2000235914A (ja) | 1999-02-15 | 1999-02-15 | 高透磁率酸化物磁性材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000235914A true JP2000235914A (ja) | 2000-08-29 |
Family
ID=12443571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11035503A Pending JP2000235914A (ja) | 1999-02-15 | 1999-02-15 | 高透磁率酸化物磁性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000235914A (ja) |
-
1999
- 1999-02-15 JP JP11035503A patent/JP2000235914A/ja active Pending
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