JP2000196287A - 透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材および表示装置 - Google Patents

透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材および表示装置

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JP2000196287A
JP2000196287A JP37445198A JP37445198A JP2000196287A JP 2000196287 A JP2000196287 A JP 2000196287A JP 37445198 A JP37445198 A JP 37445198A JP 37445198 A JP37445198 A JP 37445198A JP 2000196287 A JP2000196287 A JP 2000196287A
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井 俊 晴 平
Yoichi Ishihara
原 庸 一 石
Mitsuaki Kumazawa
澤 光 章 熊
Yuuji Tawarasako
迫 祐 二 俵
Michio Komatsu
松 通 郎 小
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Abstract

(57)【要約】 【課題】102〜104Ω/□程度の低い表面抵抗を有
し、帯電防止性、透明性、反射防止性、防眩性および電
磁遮蔽性に優れ、信頼性にも優れた透明導電性被膜を形
成しうる透明導電性被膜形成用塗布液を提供する。 【解決手段】導電性微粒子と極性溶媒とを含む透明導電
性被膜形成用塗布液において、(1)導電性微粒子が、平
均粒子径が1〜100nmの範囲にある一次粒子が2個
以上鎖状に連続して接合した鎖状構造を有する鎖状導電
性微粒子群からなる透明導電性被膜形成用塗布液、(2)
導電性微粒子が、アスペクト比が2〜200の範囲にあ
る棒状導電性微粒子である透明導電性被膜形成用塗布
液、または(3)導電性微粒子が、棒状微粒子表面に1〜
100nmの範囲の粒子径を有する導電性微粒子が接合
した棒状導電性微粒子群であり、かつ該棒状導電性微粒
子群のアスペクト比が2〜200の範囲にある透明導電
性被膜形成用塗布液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、透明導電性被膜形成用塗
布液、透明導電性被膜付基材および該基材を前面板とし
て備えた表示装置に関し、さらに詳しくは、帯電防止
性、電磁遮蔽性、透明性、反射防止性等に優れた透明導
電性被膜付基材を形成可能な塗布液、および該塗布液を
使用して得られた該透明導電性被膜付基材、該透明導電
性被膜付基材で構成された前面板を備えた表示装置に関
する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より、陰極線管、蛍光表示
管、液晶表示板などのような表示パネルの透明基材の表
面の帯電防止および反射防止を目的として、これらの表
面に帯電防止機能および反射防止機能を有する透明被膜
を形成することが行われていた。
【0003】ところで、陰極線管などから放出される電
磁波が人体に及ぼす影響が、最近問題にされており、従
来の帯電防止、反射防止に加えてこれらの電磁波および
電磁波の放出に伴って形成される電磁場を遮蔽すること
が望まれている。
【0004】これらの電磁波などを遮蔽する方法の一つ
として、陰極線管などの表示パネルの表面に電磁波遮断
用の導電性被膜を形成する方法がある。しかし、従来の
帯電防止用導電性被膜であれば表面抵抗が少なくとも1
7Ω/□程度の表面抵抗を有していれば十分であるの
に対し、電磁遮蔽用の導電性被膜では102〜104Ω/
□のような低い表面抵抗を有することが必要であった。
【0005】従来から使用されていたSbドープ酸化錫
およびSnドープ酸化インジウムなどの導電性酸化物を
含む塗布液を用いて、このような表面抵抗の低い導電性
被膜を形成すると、従来の帯電防止性被膜の場合よりも
膜厚を厚くする必要があった。しかしながら、導電性被
膜の膜厚は、10〜200nm程度にしないと反射防止効
果は発現しないため、従来のSbドープ酸化錫およびSn
ドープ酸化インジウムなどの導電性酸化物では、表面抵
抗が低く、電磁波遮断性に優れるとともに、反射防止に
も優れた導電性被膜を得ることが困難であるという問題
があった。
【0006】また、低表面抵抗の導電性被膜を形成する
方法の一つとして、Agなどの金属微粒子を含む導電性
被膜形成用塗布液を用いて基材の表面に金属微粒子含有
被膜を形成する方法がある。この方法では、金属微粒子
含有被膜形成用塗布液として、コロイド状の金属微粒子
が極性溶媒に分散したものが用いられている。このよう
な塗布液では、コロイド状金属微粒子の分散性を向上さ
せるために、金属微粒子表面がポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドンまたはゼラチンなどの有機系安定
剤で表面処理されている。しかしながら、このような金
属微粒子含有被膜形成用塗布液を用いて形成された導電
性被膜は、被膜中で金属微粒子同士が安定剤を介して接
触するため、粒界抵抗が大きく、被膜の表面抵抗が低く
ならないことがあった。このため、成膜後、400℃程
度の高温で焼成して安定剤を分解除去する必要がある
が、安定剤の分解除去をするため高温で焼成すると、金
属微粒子同士の融着や凝集が起こり、導電性被膜の透明
性やへーズが低下するという問題があった。また、陰極
線管などの場合は、高温に晒すと劣化してしまうという
問題もあった。
【0007】さらに従来のAg等の金属微粒子を含む透
明導電性被膜では、金属が酸化されたり、イオン化によ
る粒子成長したり、また場合によっては腐食が発生する
ことがあり、塗膜の導電性や光透過率が低下し、表示装
置が信頼性を欠くという問題があった。
【0008】また、従来の透明導電性被膜では単分散し
た微粒子が用いられたため、マトリックスの影響、粒子
表面に残存する有機安定剤、溶媒、あるいは粒界抵抗等
に起因して充分な低抵抗膜が得られない場合、さらには
充分な再現性が得られない場合があり、このため、例え
ば膜の抵抗を低くするために膜厚を厚くするなどすると
透明性が低下する等の問題があった。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術の問題
点を解決すべくなされたものであって、102〜104Ω
/□程度の低い表面抵抗を有し、帯電防止性、透明性、
反射防止性、防眩性および電磁遮蔽性に優れるととも
に、信頼性にも優れた透明導電性被膜を形成しうる透明
導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材、該基
材を前面板として備えた表示装置を提供することを目的
としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係る第1の透明導電性被膜形成
用塗布液は、導電性微粒子と極性溶媒とを含む透明導電
性被膜形成用塗布液において、導電性微粒子が、平均粒
子径が1〜100nmの範囲にある一次粒子が2個以上
鎖状に連続して接合した鎖状構造を有する鎖状導電性微
粒子群からなることを特徴としている。
【0011】本発明に係る第2の透明導電性被膜形成用
塗布液は、導電性微粒子と極性溶媒とを含む透明導電性
被膜形成用塗布液において、導電性微粒子が、アスペク
ト比が2〜200の範囲にある棒状導電性微粒子である
ことを特徴としている。
【0012】本発明で係る第3の透明導電性被膜形成用
塗布液は、導電性微粒子と極性溶媒とを含む透明導電性
被膜形成用塗布液において、導電性微粒子が、1〜10
0nmの粒子径を有する導電性微粒子が棒状微粒子表面
に接合した棒状導電性微粒子群であり、かつ、該棒状導
電性微粒子群のアスペクト比が2〜200の範囲にある
ことを特徴としている。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。 [第1の透明導電性被膜形成用塗布液]まず、本発明に
係る第1の透明導電性被膜形成用塗布液について説明す
る。
【0014】本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液
は、鎖状導電性微粒子群と極性溶媒とを含む。鎖状導電性微粒子群 本発明でいう「鎖状導電性微粒子群」とは、図1に示す
ように平均粒子径が1〜100nm、好ましくは5〜8
0nmの一次粒子が少なくとも2個以上鎖状に連続して結
合した鎖状構造を有する微粒子をいう。
【0015】このような鎖状導電性微粒子群は、一次粒
子が単に粒子間引力等によって凝集しているのとは相異
し、金属粒子同士である場合は金属結合によって、酸化
物粒子同士である場合は酸素を介して結合している。さ
らには、図2に示されるように、「ネック」と呼ばれる
粒子の接点部分に一次粒子と同一または異なる成分が結
合して一次粒子は互いに面で結合していてもよい。この
ような鎖状導電性微粒子群は直線状であっても、ジグザ
グ状であってもよく、弓状に湾曲していてもよい。さら
には、図3に示されるように、鎖状導電性微粒子群の末
端同士が接合したリング状であってもよい。
【0016】このような鎖状導電性微粒子群を構成する
一次粒子の間には粒界抵抗がなく、有機安定剤、溶媒も
存在し得ないので、鎖状導電性微粒子群を含む塗布液を
塗布して得られる被膜の抵抗が減少し、低い抵抗の被膜
が得られる。
【0017】導電性微粒子の平均一次粒径が100nm
を越えると、鎖状導電性微粒子群の形成が困難となり、
また仮にできたとしても導電層中の粒子の接点が減少す
るために低い抵抗値を有する透明導電性被膜を得ること
が困難となる。さらに、平均一次粒径が100nmを越
えると、導電性微粒子による光の吸収が大きくなり、被
膜の光透過率が低下したり被膜のへーズが大きくなるこ
とがあり、このような平均一次粒径が100nmを越え
た導電性微粒子を含む被膜付基材を、たとえば陰極線管
の前面板として用いると、表示画像の明るさ不充分とな
り、このため一定の透過率を得るために膜厚を薄くした
り、導電性微粒子の量を少なくしようとすると充分な導
電性が得られないことがある。
【0018】また、導電性微粒子の平均粒径が1nm未
満の場合には粒界抵抗が急激に大きくなるため、本発明
の目的を達成しうる程度の低い抵抗値を有する透明導電
性被膜を得ることができないこともある。また、粒子が
小さいために鎖状導電性微粒子群が得られず3次元に凝
集した粒子が増加する傾向にあり、低い抵抗値を有する
導電性被膜を得ることができないこともある。
【0019】このような鎖状導電性微粒子群の平均長さ
は、2〜200nm、好ましくは5〜80nmの範囲に
ある。平均長さが2nm未満では、接触抵抗が増加し、
低抵抗の透明導電性被膜が得られないことがあり、また
平均長さが200nmを超えると、透明導電性被膜の形
成性が低下し、ヘーズ等の光学特性に問題が生じ、さら
に外観が悪化するなどの問題がある。
【0020】なお、本発明では、導電性微粒子がすべて
上記のような鎖状導電性微粒子群を形成してもよいが、
導電性微粒子の少なくとも一部が鎖状導電性微粒子群を
形成していてもよい。このときの鎖状導電性微粒子群の
割合は、導電性微粒子中に5%以上の量で含まれている
ことが望ましい。鎖状導電性微粒子群の割合が5%未満
では、抵抗を低下させる効果が不充分になることがあ
る。
【0021】このような鎖状導電性微粒子群は、Au,
Ag,Pd,Cu,Ni,Ru,Rh,Sn,In,Sb,Fe,
Pt,Ti,Cr,Co,Al,Zn,Ta,Pb,Os,Irか
ら選ばれる一種以上の元素からなる金属および/または
金属水酸化物または金属酸化物、あるいは異種金属ドー
プ金属酸化物、これらの混合物からなることが好まし
い。
【0022】鎖状導電性微粒子群が2種以上の元素から
なる金属微粒子である場合、好ましい金属の組合せとし
ては、Au-Cu,Ag-Pt,Ag-Pd,Au-Pd,Au-Rh,Pt-
Pd,Pt-Rh,Fe-Ni,Ni-Pd,Fe-Co,Cu-Co,Ru-A
g,Au-Cu-Ag,Ag-Cu-Pt,Ag-Cu-Pd,Ag-Au-Pd,
Au-Rh-Pd,Ag-Pt-Pd,Ag-Pt-Rh,Fe-Ni-Pd,F
e-Co-Pd,Cu-Co-Pd などが挙げられる。なお、鎖状
導電性微粒子群を構成する2種以上の金属は、固溶状態
にある合金であっても、固溶状態にない共晶体であって
もよく、合金と共晶体が共存していてもよい。鎖状導電
性微粒子群が2種以上の金属から構成されると、金属の
酸化やイオン化あるいはイオンマイグレーションが抑制
されるため、被膜形成後の導電性微粒子の粒子成長等が
抑制される。また、2種以上の金属から構成される鎖状
導電性微粒子群は、耐腐食性が高く、導電性、光透過率
の低下が小さいので、信頼性に優れた透明導電性被膜を
形成することができる。
【0023】導電性微粒子が金属酸化物、あるいは異種
金属ドープ金属酸化物である場合の好ましい例として
は、たとえば酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングざ
れた酸化錫、酸化インジウム、SnまたはFがドーピン
グされた酸化インジウム、酸化アンチモン、低次酸化チ
タンなどが挙げられる。
【0024】このような鎖状導電性微粒子群は、金属微
粒子分散スラリーまたは金属水酸化物ゲルスラリーに加
熱処理を行ったのち、メカニカル分散処理を行い得られ
たものが好ましい。
【0025】具体的に鎖状導電性微粒子群は、以下のよ
うな方法によって調製される。 (1)たとえば金属から構成される鎖状導電性微粒子群の
場合、以下のような方法によって得ることができる。
【0026】まず、アルコール・水混合溶媒中で、金属
塩を還元して一次粒子径が1〜100nmの金属微粒子
分散スラリーを調製する。このとき、通常、還元剤が添
加される。還元剤としては、硫酸第1鉄、クエン酸3ナ
トリウム、酒石酸、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジ
ン、次亜リン酸ナトリウムなどが使用される。なお、金
属塩を2種以上使用する場合、2種以上の金属塩を同時
に還元してもよく、また個々の金属塩を還元したのち、
混合してもよい。
【0027】得られた金属微粒子分散スラリーは、イオ
ン性不純物を除去しておくことが望ましい。イオン性不
純物を除去する方法は特に限定されるものではなく、た
とえば、カチオン性、アニオン性または両性のイオン交
換樹脂で処理する方法等が挙げられる。イオン性不純物
は、導電性微粒子の塗布液中の量によって、異なるもの
の、塗布液中のイオン濃度が1000ppm以下となるよ
うな量であることが望ましい。イオン性不純物の量が1
000ppm以下であれば塗布液の安定性が高く(ポット
ライフが長く)することができ、さらには、被膜形成時
に導電性微粒子が凝集することが少なくなるので平滑な
被膜を形成できる。
【0028】次に、得られた金属微粒子分散スラリーに
メカニカル分散処理を行うこともできる。このメカニカ
ル分散処理によって、生成ゲルが解膠し、鎖状導電性微
粒子群が分散したゾルが得られる。このようなメカニカ
ル分散処理としては、サンドミル法、衝撃分散法などが
挙げられ、特に、衝撃分散法が好ましく使用される。衝
撃分散法は、音速程度などの高速でスラリーを壁に衝突
させて分散または粉砕させる方法であり、たとえばArt
imizer、Nanomizer等の装置を用いて行われる。このよ
うな方法では、粒子内の結合が切断して結晶性が無定型
化したり、OH基などの表面官能基の生成による導電性
が低下したりすることがなく、安定に分散した鎖状導電
性微粒子群分散ゾルが得られるので好ましい。
【0029】なお、メカニカル分散処理を行う際には、
安定剤を添加してもよい。安定剤として具体的には、ゼ
ラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル
酸、クエン酸などの多価カルボン酸およびその塩、複素
環化合物あるいはこれらの混合物などが挙げられる。導
電性微粒子調製時に使用される安定剤は、後述する塗布
液に添加される安定剤と同じであっても異なっていても
よく、また安定剤の使用量は、安定剤のCMC(臨界ミ
セル生成濃度)の5〜50%、好ましくは5〜30%の
範囲であることが望ましい。
【0030】安定剤の量がCMCの5%未満では、粒子
表面の安定剤の量が少ないため、3次元に連結した非鎖
状の粒子が生成することがあり、安定剤の量がCMCの
50%を越えると鎖状導電性微粒子群の生成せずに単分
散粒子が多くなり、鎖状導電性微粒子群の導電パス形成
による導電層の抵抗の低下効果が得られないことがあ
る。
【0031】(2)また、金属から構成される鎖状導電性
微粒子群は、上記以外に、以下の方法で調製することが
できる。まず、前記同様にアルコール・水混合溶媒中
で、金属塩を還元して一次粒子径が1〜100nmの金
属微粒子分散スラリーを調製する。このとき、通常、還
元剤が添加される。還元剤としては、前記と同じものが
挙げられる。
【0032】次に、調製した金属微粒子分散スラリーを
圧力容器などを使用した加圧下で加熱処理(以後この処
理をオートクレーブ処理という)する。このようなオー
トクレーブ処理は、通常、約100〜250℃の温度で
行われる。この際、安定剤を添加してもよく、安定剤の
種類および使用量は前記と同様である。また、この加熱
処理を行う際、金属微粒子分散スラリーの攪拌の有無に
よって、鎖状導電性微粒子群の生成割合および鎖状導電
性微粒子群の長さを制御することができる。
【0033】オートクレーブ処理したのち、前記のよう
なメカニカル分散処理を行う。また、オートクレーブ処
理を行うに際して、さらに金属塩を添加してもよい。使
用される金属塩としては、金属微粒子分散スラリー調製
時に使用したものと同じものであっても、異なるもので
あってもよい。このような金属塩を添加していると、加
熱処理時に、ネック部に金属のイオンマイグレーション
し、粒子の接合が点接合から面接合になり、図2に示さ
れるような「ネック」部を有する鎖状導電性微粒子群が
得られる。
【0034】(3)さらにまた、金属から構成される鎖状
導電性微粒子群は、以下の方法で調製することもでき
る。まず、アルコール・水混合溶媒中で、還元剤および
有機安定剤の存在下で、金属塩を還元する。この際、使
用される還元剤および有機安定剤としては、前記と同様
のものが例示される。なお、有機系安定剤は、生成する
金属微粒子1重量部に対し、0.005〜0.5重量部、
好ましくは0.01〜0.2重量部含まれていればよい。
有機系安定剤の量が0.005重量部未満の場合は充分
な分散性が得られず、0.5重量部を超えて高い場合
は、鎖状導電性微粒子群の生成が少なく単分散粒子が多
くなり、さらに過剰の有機系安定剤が存在すると凝集粒
子が生成することがあり、また残留する有機安定剤によ
り導電性が阻害されることがある。
【0035】この方法でも、図2に示されるように、
「ネック」を有する鎖状導電性微粒子群を有することが
できる。 (4)また、鎖状導電性微粒子群が金属酸化物の場合、以
下のようにして、調製することができる。
【0036】まず、金属塩または金属アルコキシドが
0.1〜5重量%の濃度で含まれるアルコール溶液を加
熱して加水分解させる。このとき必要に応じて温水に加
えたり、アルカリを加えもよい。このような加水分解に
よって、一次粒子径が1〜100nmの金属水酸化物の
ゲル分散液を調製する。次いで、ゲル分散液を濾別・洗
浄し、空気中、200〜800℃の温度で焼成して導電
性金属酸化物微粒子を調製する。
【0037】ついで、この粉末を酸性またはアルカリ性
の水および/またはアルコール溶媒に分散させて濃度1
0〜50重量%の分散液とし、必要に応じて有機安定剤
の存在下でこの分散液を前記と同様にメカニカル分散処
理する。必要に応じて前記同様にオートクレーブ処理を
行ってもよい。
【0038】(5)さらにまた、金属酸化物から構成され
る鎖状導電性微粒子群は、前記ゲル分散液を濾別・洗浄
した後、必要に応じて有機安定剤の存在下で、金属水酸
化物をオートクレーブ処理し、さらにメカニカル分散処
理を行うことによって得ることができる。この場合、前
記と同様にイオン交換樹脂処理して、イオン性不純物を
除去してもよい。
【0039】こうして得られた鎖状導電性微粒子群は、
通常、遠心分離などの方法によって生成後の分散液から
取り出され、必要に応じて酸などで洗浄されたのち、後
述の極性溶媒に分散させて使用される。また、得られた
鎖状導電性微粒子群を含む分散液は、そのまま塗布液と
して使用することもできる。
【0040】透明導電性被膜形成用塗布液の調製 本発明に係る第1の透明導電性被膜形成用塗布液では、
このような鎖状導電性微粒子群が、極性溶媒中に分散し
ている。本発明で用いられる極性溶媒としては、水;メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ジ
アセトンアルコール、フルフリルアルコール、テトラヒ
ドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ヘキ
シレングリコールなどのアルコール類;酢酸メチルエス
テル、酢酸エチルエステルなどのエステル類;ジエチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、
アセチルアセトン、アセト酢酸エステルなどのケトン類
などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、ま
た2種以上混合して使用してもよい。
【0041】また、本発明に係る透明導電性被膜形成用
塗布液には、さらにマトリックス形成成分が含まれてい
てもよい。マトリックス形成成分は、本発明に係る透明
導電性被膜形成用塗布液を用いて被膜する際に、導電性
微粒子のバインダーとして作用する。このようなマトリ
ックス形成成分としては、SiO2前駆体、TiO2前駆
体、ZrO2前駆体または有機高分子から選ばれる少な
くとも一種が好ましく使用され、このうち、特にSiO
2前駆体、有機高分子が好ましい。SiO2前駆体として
具体的には、アルコキシシランなどの有機ケイ素化合物
を加水分解して得られる重縮合物あるいはアルカリ金属
ケイ酸塩水溶液を脱アルカリして得られるケイ酸重縮合
物などが挙げられる。また、有機高分子としては、ポリ
エチレン、ポリフェノール、エポキシ、ポリアミノ酸、
ポリスチレンなどの塗料用樹脂が挙げられる。
【0042】本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液
中には、前記導電性微粒子が0.05〜5重量%、好ま
しくは0.1〜2重量%の濃度で含まれていることが望
ましい。
【0043】また、マトリックス形成成分は、前記鎖状
導電性微粒子群1重量部当たり、0.01〜0.9重量
部、好ましくは0.1〜0.5重量部の量で含まれていれ
ばよい。
【0044】また、本発明に係る透明導電性被膜形成用
塗布液には、導電性微粒子の分散性を向上させるため、
有機系安定剤が含まれていてもよい。このような有機系
安定剤として具体的には、ゼラチン、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、エチレ
ンジアミン四酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グ
ルタール酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フ
マル酸、フタル酸、クエン酸などの多価カルボン酸およ
びその塩、セルロース誘導体、複素環化合物、界面活性
剤あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0045】このような有機系安定剤は、導電性微粒子
1重量部に対し、0.005〜0.5重量部、好ましくは
0.01〜0.5重量部含まれていればよい。有機系安定
剤の量が、0.005重量部未満の場合は充分な分散性
が得られず、0.5重量部を超えて高い場合は導電性が
阻害されることがある。
【0046】さらにまた本発明に係る透明導電性被膜形
成用塗布液には、塗布液の可視光の広い波長領域におい
て可視光の透過率が一定になるように、染料、着色顔料
あるいは着色粒子を含んでいてもよい。
【0047】染料、着色顔料または着色粒子としては、
公知のものを使用することが可能であり、具体的には、
微粒子カーボン、ジアゾ系染料、チタンブラック、フタ
ロシアニン系顔料、ジオキサジン顔料などが挙げられ
る。
【0048】透明導電性被膜形成用塗布液中に、染料、
着色顔料または着色粒子を含む場合、透明導電性被膜形
成用塗布液中の固形分濃度(導電性微粒子と染料、顔料
などの添加剤の総量)は、塗布液の流動性、塗布液中の
導電性微粒子などの粒状成分の分散性などの点から、1
5重量%以下、好ましくは0.15〜5重量%の範囲に
あることが望ましい。
【0049】さらに本発明に係る透明導電性被膜形成用
塗布液は、液中に存在するアルカリ金属イオン、アンモ
ニウムイオンおよび多価金属イオンならびに鉱酸などの
無機陰イオン、酢酸、蟻酸などの有機陰イオンなどのイ
オン濃度の合計量が、1000ppm以下であることが
望ましい。特に鉱酸などの無機陰イオンは、鎖状導電性
微粒子群の安定性、分散性を阻害することがあり、塗布
液中の含有量はより少ない方が望ましい。イオン濃度が
低くなると、透明導電性被膜形成用塗布液中に含まれて
いる粒状成分、特に導電性微粒子の分散状態が良好とな
り、鎖状導電性微粒子群以外の単に凝集しただけの粒子
をほとんど含まない塗布液が得られる。このような透明
導電性被膜形成用塗布液中での鎖状導電性微粒子群の単
分散状態は、透明導電性被膜の形成過程でも維持され
る。このため、イオン濃度の低い透明導電性被膜形成用
塗布液から透明導電性被膜を形成すると、透明導電性被
膜中には前記鎖状導電性微粒子群のみが観察される。
【0050】また上記のようなイオン濃度の低い透明導
電性被膜形成用塗布液を用いると、透明導電性被膜中で
鎖状導電性微粒子群を良好に分散させ、均一に配列させ
ることができるので、透明導電性被膜中で導電性微粒子
が凝集している場合に比較して、より少ない導電性微粒
子で同等の導電性を有する透明導電性被膜を提供するこ
とが可能となる。さらに鎖状導電性微粒子群同士の凝集
に起因すると思われる点欠陥および厚さむらなどのない
透明導電性被膜を基材上に形成することが可能である。
【0051】このようなイオン濃度の低い透明導電性被
膜形成用塗布液を得るための脱イオン処理の方法は、最
終的に塗布液中に含まれているイオン濃度が上記のよう
な範囲になるような方法であれば特に制限されないが、
たとえば、鎖状導電性微粒子群を調製した分散液、また
は前記分散液から調製された塗布液を陽イオン交換樹脂
および/または陰イオン交換樹脂あるいは両性イオン交
換樹脂と接触させる方法、あるいはこれらの液を、限外
濾過膜を用いて洗浄処理する方法などが挙げられる。
【0052】[第2の透明導電性被膜形成用塗布液]次
に、本発明に係る第2の透明導電性被膜形成用塗布液に
ついて説明する。本発明に係る第2の透明導電性被膜形
成用塗布液は、棒状導電性微粒子と前記極性溶媒とを含
むものである。棒状導電性微粒子 棒状導電性微粒子は、図4に示すように棒状をしてお
り、このような粒子のアスペクト比(粒子長さL/粒子
断面径D)が2〜200、好ましくは2〜50の範囲に
ある。
【0053】また前記導電性微粒子の平均長さは、2〜
200nm、好ましくは5〜100nmの範囲にあることが
好ましい。平均長さが2nm未満では、接触抵抗が増加
し低抵抗の透明導電性被膜が得られないことがある。ま
た、長さが200nmを超えると、透明導電性被膜の形
成性が低下し、ヘーズ等の光学特性に問題が生じ、さら
に外観が悪化する等の問題がある。
【0054】このような棒状導電性微粒子は、平均断面
径が1〜100nm、好ましくは2〜80nmの範囲に
あることが好ましい。平均断面径が100nmを越える
と、導電層中の粒子の接点が減少するため、低い抵抗値
を有する透明導電性被膜を得ることが困難となる。ま
た、導電性微粒子による光の吸収が大きくなり、微粒子
層の光透過率が低下したりへーズが大きくなることがあ
る。このため、このような平均断面径が100nmを越
えた棒状導電性微粒子を含む透明導電性被膜形成用塗布
液を用いて形成された被膜付基材を、たとえば陰極線管
の前面板として用いたとしても表示画像の明るさが不充
分であり、このため一定の透過率を得るために膜厚を薄
くしたり、導電性微粒子の量を少なくしようとすると充
分な導電性が得られないことがある。
【0055】また、断面径が1nm未満の棒状導電性微
粒子は、鎖状導電性微粒子群の場合と同様に粒界抵抗が
急激に大きくなるため、低い抵抗値を有する透明導電性
被膜を得ることができないこともある。また、断面径が
1nm未満の棒状粒子は3次元に凝集する傾向にあり、
低い抵抗値を有する透明導電性被膜を得ることができな
いこともある。
【0056】このような棒状導電性微粒子は、Au,A
g,Pd,Cu,Ni,Ru,Rh,Sn,In,Sb,Fe,P
t,Ti,Cr,Co,Al,Zn,Ta,Pb,Os,Irから
選ばれる一種以上の元素からなる金属および/または金
属水酸化物または金属酸化物、あるいは異種金属ドープ
金属酸化物、これらの混合物からなることが好ましい。
【0057】また、このような棒状導電性微粒子は、図
5に示されるように、先端部同士が接合し、リング状と
なっていてもよい。このような棒状導電性微粒子は、例
えば以下のような方法によって得ることができる。
【0058】導電性微粒子が金属酸化物の場合、以下の
ようにして棒状金属酸化物導電性微粒子を調製すること
ができる。まず、金属塩または金属アルコキシドが含ま
れるアルコール溶液にアルカリを添加し、金属酸化物沈
殿を調製する。次いで、沈殿を濾別・洗浄した後、再度
純水に分散させ、圧力容器中で加熱処理(オートクレー
ブ処理)をしたのち、空気中、200〜800℃の温度
で焼成して導電性金属酸化物微粒子を調製する。
【0059】ついで、この粉末を酸性またはアルカリ性
の水および/またはアルコール溶媒に分散させて濃度1
0〜50重量%の分散液とし、必要に応じて有機安定剤
の存在下でこの分散液を前記と同様にメカニカル分散処
理する。
【0060】この場合、前記と同様にイオン交換樹脂処
理して、イオン性不純物を除去してもよい。こうして得
られた棒状導電性微粒子は、通常、遠心分離などによっ
て生成後の分散液から取り出され、必要に応じて酸など
で洗浄されたのち、後述の極性溶媒に分散させて使用さ
れる。また、得られた棒状導電性微粒子を含む分散液
は、そのまま塗布液として使用することもできる。
【0061】このようにして得られた棒状導電性微粒子
の分散液は、前記鎖状導電性微粒子群と同様にメカニカ
ル分散処理を行ってもよい。透明導電性被膜形成用塗布液の調製 本発明に係る第2の透明導電性被膜形成用塗布液では、
このような棒状導電性微粒子が、極性溶媒中に分散して
いる。用いられる極性溶媒としては、前記第1の透明導
電性被膜形成用塗布液で例示したものと、同様のものが
挙げられる。
【0062】また、本発明に係る透明導電性被膜形成用
塗布液には、さらに前記同様にマトリックス形成成分が
含まれていてもよい。本発明に係る透明導電性被膜形成
用塗布液中には、前記棒状導電性微粒子が0.05〜5
重量%、好ましくは0.1〜2重量%の濃度で含まれて
いることが望ましい。
【0063】また、マトリックス形成成分は、前記棒状
導電性微粒子1重量部当たり、0.01〜0.9重量部、
好ましくは0.1〜0.5重量部の量で含まれていればよ
い。
【0064】また、本発明に係る透明導電性被膜形成用
塗布液には、棒状導電性微粒子の分散性を向上させるた
め、前記第1の透明導電性被膜形成用塗布液と同様に、
有機系安定剤が含まれていてもよい。有機系安定剤は、
導電性微粒子1重量部に対し、0.005〜0.5重量
部、好ましくは0.01〜0.5重量部含まれていればよ
い。有機系安定剤の量が、0.005重量部未満の場合
は充分な分散性が得られず、0.5重量部を超えて高い
場合は導電性が阻害されることがある。
【0065】さらにまた本発明に係る透明導電性被膜形
成用塗布液には、塗布液の可視光の広い波長領域におい
て可視光の透過率が一定になるように、染料、着色顔料
あるいは着色粒子を含んでいてもよい。透明導電性被膜
形成用塗布液中に、染料、着色顔料または着色粒子を含
む場合、透明導電性被膜形成用塗布液中の固形分濃度
(導電性微粒子と染料、顔料などの添加剤の総量)は、
塗布液の流動性、塗布液中の導電性微粒子などの粒状成
分の分散性などの点から、15重量%以下、好ましくは
0.15〜5重量%の範囲にあることが望ましい。
【0066】さらに本発明に係る透明導電性被膜形成用
塗布液は、液中に存在するアルカリ金属イオン、アンモ
ニウムイオンおよび多価金属イオンならびに鉱酸などの
無機陰イオン、酢酸、蟻酸などの有機陰イオンなどのイ
オン濃度の合計量が、1000ppm以下であることが
望ましい。特に鉱酸などの無機陰イオンは、棒状導電性
微粒子の安定性、分散性を阻害することがあり、塗布液
中の含有量はより少ない方が望ましい。
【0067】[第3の透明導電性被膜形成用塗布液]ま
ず、本発明に係る第3の透明導電性被膜形成用塗布液に
ついて説明する。本発明に係る透明導電性被膜形成用塗
布液は、棒状導電性微粒子群と極性溶媒とを含む。
【0068】棒状導電性微粒子群 本発明でいう「棒状導電性微粒子群」とは、図6に示す
ように、棒状微粒子表面に、1〜100nm、好ましく
は5〜80nmの範囲の粒子径を有する導電性微粒子が接
合した棒状導電性微粒子群である。
【0069】このような粒子のアスペクト比(粒子長さ
L/粒子断面径D)は2〜200、好ましくは2〜50
の範囲にある。また前記棒状導電性微粒子群の平均長さ
は、2〜200nm、好ましくは5〜100nmの範囲にあ
ることが好ましい。
【0070】平均長さが2nm未満では、接触抵抗が増
加し低抵抗の透明導電性被膜が得られないことがある。
また、長さが200nmを超えると、透明導電性被膜の
形成性が低下し、ヘーズ等の光学特性に問題が生じ、さ
らに外観が悪化する等の問題がある。
【0071】このような棒状導電性微粒子群を構成する
導電性微粒子は、Au,Ag,Pd,Cu,Ni,Ru,R
h,Sn,In,Sb,Fe,Pt,Ti,Cr,Co,Al,Z
n,Ta,Pb,Os,Irから選ばれる一種以上の元素か
らなる金属および/または金属水酸化物または金属酸化
物、あるいは異種金属ドープ金属酸化物、これらの混合
物からなることが好ましい。導電性微粒子が、2種以上
の元素からなる金属微粒子である場合、好ましい金属の
組合せとしては、Au-Cu,Ag-Pt,Ag-Pd,Au-Pd,A
u-Rh,Pt-Pd,Pt-Rh,Fe-Ni,Ni-Pd,Fe-Co,Cu-
Co,Ru-Ag,Au-Cu-Ag,Ag-Cu-Pt,Ag-Cu-Pd,A
g-Au-Pd,Au-Rh-Pd,Ag-Pt-Pd,Ag-Pt-Rh,Fe-
Ni-Pd,Fe-Co-Pd,Cu-Co-Pd などが挙げられる。
なお、導電性微粒子を構成する2種以上の金属は、固溶
状態にある合金であっても、固溶状態にない共晶体であ
ってもよく、合金と共晶体が共存していてもよい。導電
性微粒子が2種以上の金属から構成されると、金属の酸
化やイオン化あるいはイオンマイグレーションが抑制さ
れるため、被膜形成後の導電性微粒子の粒子成長等が抑
制される。また、2種以上の金属から構成される導電性
微粒子は、耐腐食性が高く、導電性、光透過率の低下が
小さいので、信頼性に優れた透明導電性被膜を形成する
ことができる。
【0072】導電性微粒子が金属酸化物、あるいは異種
金属ドープ金属酸化物である場合の好ましい例として
は、たとえば酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングざ
れた酸化錫、酸化インジウム、SnまたはFがドーピン
グされた酸化インジウム、酸化アンチモン、低次酸化チ
タンなどが挙げられる。
【0073】棒状微粒子としては、Au,Ag,Pd,C
u,Ni,Ru,Rh,Sn,In,Sb,Fe,Pt,Ti,C
r,Co,Al,Zn,Ta,Pb,Os,Irから選ばれる一
種以上の元素からなる金属、水酸化物、酸化物、あるい
は金属ドープ酸化物からなることが好ましい。なお、棒
状微粒子は、前記した棒状導電性微粒子であってもよ
い。また、棒状微粒子は必ずしも導電性である必要はな
く、たとえば、アルミナ、シリカ、マグネシアなどの非
導電性微粒子であってもよい。
【0074】具体的に棒状導電性微粒子群は、以下のよ
うな方法によって調製される。(1)たとえば金属から構
成される棒状導電性微粒子群の場合、以下のような方法
によって得ることができる。
【0075】まず、アルコール・水混合溶媒に予めアル
ミナなどの繊維状金属酸化物粒子を分散させておき、こ
の分散液に上記金属の金属塩を添加したのち、還元する
と、繊維状酸化物粒子表面に、導電性微粒子が接合した
棒状導電性微粒子群が得られる。なお、得られた導電性
微粒子群スラリーには、メカニカル分散処理が行なわれ
ていてもよい。
【0076】(2)また、棒状導電性微粒子群は、上記以
外に、前記鎖状導電性微粒子群分散液と、棒状微粒子の
分散液とを混合することによっても得ることができる。
棒状微粒子は前記した棒状導電性微粒子であってもよ
い。
【0077】透明導電性被膜形成用塗布液の調製 本発明に係る第3の透明導電性被膜形成用塗布液では、
このような棒状導電性微粒子群が、極性溶媒中に分散し
ている。用いられる極性溶媒としては、前記第1の透明
導電性被膜形成用塗布液で例示したものと、同様のもの
が挙げられる。
【0078】また、本発明に係る透明導電性被膜形成用
塗布液には、さらに前記同様にマトリックス形成成分が
含まれていてもよい。本発明に係る透明導電性被膜形成
用塗布液中には、前記棒状導電性微粒子群が0.05〜
5重量%、好ましくは0.1〜2重量%の濃度で含まれ
ていることが望ましい。
【0079】また、マトリックス形成成分は、前記棒状
導電性微粒子群1重量部当たり、0.01〜0.9重量
部、好ましくは0.1〜0.5重量部の量で含まれていれ
ばよい。
【0080】また、本発明に係る透明導電性被膜形成用
塗布液には、棒状導電性微粒子群の分散性を向上させる
ため、前記第1および第2の透明導電性被膜形成用塗布
液と同様に、有機系安定剤が含まれていてもよい。有機
系安定剤は、導電性微粒子1重量部に対し、0.005
〜0.5重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部含ま
れていればよい。有機系安定剤の量が、0.005重量
部未満の場合は充分な分散性が得られず、0.5重量部
を超えて高い場合は導電性が阻害されることがある。
【0081】さらにまた本発明に係る透明導電性被膜形
成用塗布液には、塗布液の可視光の広い波長領域におい
て可視光の透過率が一定になるように、染料、着色顔料
あるいは着色粒子を含んでいてもよい。透明導電性被膜
形成用塗布液中に、染料、着色顔料または着色粒子を含
む場合、透明導電性被膜形成用塗布液中の固形分濃度
(導電性微粒子と染料、顔料などの添加剤の総量)は、
塗布液の流動性、塗布液中の導電性微粒子などの粒状成
分の分散性などの点から、15重量%以下、好ましくは
0.15〜5重量%の範囲にあることが望ましい。
【0082】さらに本発明に係る透明導電性被膜形成用
塗布液は、液中に存在するアルカリ金属イオン、アンモ
ニウムイオンおよび多価金属イオンならびに鉱酸などの
無機陰イオン、酢酸、蟻酸などの有機陰イオンなどのイ
オン濃度の合計量が、1000ppm以下であることが
望ましい。特に鉱酸などの無機陰イオンは、棒状導電性
微粒子群の安定性、分散性を阻害することがあり、塗布
液中の含有量はより少ない方が望ましい。
【0083】[透明導電性被膜付基材]次に、本発明に
係る透明導電性被膜付基材について具体的に説明する。
本発明に係る透明導電性被膜付基材は、基材と、基材上
に設けられた透明導電性被膜と、該透明導電性被膜上に
設けられた透明被膜とからなる。
【0084】なお、本発明では、基材として公知のもの
を使用することが可能であり、具体的には、ガラス、プ
ラスチック、セラミックなどからなるフィルム、シート
あるいはその他の成形体などが挙げられる。
【0085】透明導電性被膜 透明導電性被膜は、本発明に係る第1〜第3の透明導電
性被膜形成用塗布液を、基材上に塗布・乾燥して形成さ
れる。
【0086】透明導電性被膜を形成する方法としては、
たとえば、透明導電性被膜形成用塗布液をディッピング
法、スピナー法、スプレー法、ロールコーター法、フレ
キソ印刷法などの方法で、基材上に塗布したのち、常温
〜約90℃の範囲の温度で乾燥する。
【0087】透明導電性被膜形成用塗布液中に上記のよ
うなマトリックス形成成分が含まれている場合には、マ
トリックス形成成分の硬化処理を行ってもよい。硬化処
理としては、以下のような方法が挙げられる。
【0088】加熱硬化 乾燥後の塗膜を加熱して、マトリックス成分を硬化させ
る。このときの加熱処理温度は、100℃以上、好まし
くは150〜300℃であることが望ましい。100℃
未満ではマトリックス形成成分が充分硬化しないことが
ある。また加熱処理温度の上限は基材の種類によって異
なるが、基材の転移点以下であればよい。
【0089】電磁波硬化 塗布工程または乾燥工程の後に、あるいは乾燥工程中
に、塗膜に可視光線よりも波長の短い電磁波を照射し
て、マトリックス成分を硬化させる。このようなマトリ
ックス形成成分の硬化を促進するために照射する電磁波
としては、マトリックス形成成分の種類に応じて紫外
線、電子線、X線、γ線などが用いられる。例えば紫外
線硬化性マトリックス形成成分の硬化を促進するために
は、例えば、発光強度が約250nmおよび360nmにお
いて極大となり、光強度が10mW/m2以上である高圧水
銀ランプを紫外線源として用い、100mJ/cm2以上の
エネルギー量の紫外線が照射される。
【0090】ガス硬化 塗布工程または乾燥工程の後に、あるいは乾燥工程中
に、塗膜をマトリックス形成成分の硬化反応を促進する
ガス雰囲気中に晒すことによって、マトリックス形成成
分を硬化させる。マトリックス形成成分のなかには、ア
ンモニアなどの活性ガスで硬化が促進されるマトリック
ス形成成分があり、このようなマトリックス形成成分を
含む透明導電性被膜を、ガス濃度が100〜10000
0ppm、好ましくは1000〜10000ppmであるよう
な硬化促進性ガス雰囲気下で1〜60分処理することに
よってマトリックス形成成分の硬化を大幅に促進するこ
とができる。
【0091】上記のような方法によって形成された透明
導電性被膜の膜厚は、約50〜200nm、好ましくは1
0〜150nmの範囲が好ましく、この範囲の膜厚であれ
ば電磁遮蔽効果に優れた透明導電性被膜付基材を得るこ
とができる。透明被膜 本発明に係る透明導電性被膜付基材では、このような透
明導電性被膜の上に、前記透明導電性被膜よりも屈折率
の低い透明被膜が形成されている。
【0092】形成される透明被膜の膜厚は、50〜30
0nm、好ましくは80〜200nmの範囲にあることが好
ましい。このような透明被膜は、たとえば、シリカ、チ
タニア、ジルコニアなどの無機酸化物、およびこれらの
複合酸化物などから形成される。本発明では、透明被膜
として、特に加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重
縮合物、またはアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を脱アルカ
リして得られるケイ酸重縮合物からなるシリカ系被膜が
好ましい。このような透明被膜が形成された透明導電性
被膜付基材は、反射防止性能に優れている。
【0093】また、上記透明被膜中には、必要に応じ
て、フッ化マグネシウムなどの低屈折率材料で構成され
た微粒子などの添加剤が含まれていてもよい。本発明で
は、上記のようにして形成された透明導電性被膜の上
に、該微粒子層よりも屈折率の低い透明被膜が形成され
ている。
【0094】透明被膜の膜厚は、50〜300nm、好ま
しくは80〜200nmの範囲であることが好ましく、こ
のような範囲の膜厚であると優れた反射防止性を発揮す
る。透明被膜の形成方法としては、特に制限はなく、こ
の透明被膜の材質に応じて、真空蒸発法、スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法などの乾式薄膜形成方
法、あるいは上述したようなディッピング法、スピナー
法、スプレー法、ロールコーター法、フレキソ印刷法な
どの湿式薄膜形成方法を採用することができる。
【0095】上記透明被膜を湿式薄膜形成方法で形成す
る場合、従来公知の透明被膜形成用塗布液、たとえばシ
リカ、チタニア、ジルコニアなどの無機酸化物前駆体、
またはこれらの複合酸化物前駆体を透明被膜形成成分と
して含む透明被膜形成用塗布液を用いることが可能であ
る。
【0096】本発明では、透明被膜形成用塗布液とし
て、加水分解性有機ケイ素化合物の加水分解重縮合物、
またはアルカリ金属ケイ酸塩水溶液を脱アルカリして得
られるケイ酸を含むシリカ系透明被膜形成用塗布液が好
ましく、特に下記一般式[1]で表されるアルコキシシ
ランの加水分解重縮合物を含有しているシリカ系透明被
膜形成用塗布液が好ましい。このような塗布液から形成
されるシリカ系被膜は、前記透明導電性被膜よりも屈折
率が小さく、得られる透明被膜付基材は反射防止性に優
れている。
【0097】RaSi(OR')4-a [1] (式中、Rはビニル基、アリール基、アクリル基、炭素
数1〜8のアルキル基、水素原子またはハロゲン原子で
あり、R'はビニル基、アリール基、アクリル基、炭素
数1〜8のアルキル基、−C24OCn2n+1 (n=1
〜4)または水素原子であり、aは1〜3の整数であ
る。) このようなアルコキシランとしては、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシ
ラン、テトラブトキシシラン、テトラオクチルシラン、
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポ
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどが挙げ
られる。
【0098】上記のアルコキシシランの1種または2種
以上を、たとえば水−アルコール混合溶媒中で酸触媒の
存在下で加水分解すると、アルコキシシランの加水分解
重縮合物を含む透明被膜形成用塗布液が得られる。この
ような塗布液中に含まれる被膜形成成分の濃度は、酸化
物換算で0.5〜20重量%であることが好ましい。
【0099】本発明で使用される透明被膜形成用塗布液
は、前記した本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液
の場合と同様に、脱イオン処理を行い、透明導電性塗布
液のイオン濃度を前記透明導電性被膜形成用塗布液中の
濃度と同じレベルまで低減させてもよい。
【0100】さらにまた、本発明で使用される透明被膜
形成用塗布液には、フッ化マグネシウムなどの低屈折率
材料で構成された微粒子、透明被膜の透明度および反射
防止性能を阻害しない程度に少量の導電性微粒子、染
料、着色顔料、微粒子カーボンなどの添加剤が含まれて
いてもよい。
【0101】本発明では、このような透明被膜形成用塗
布液を塗布して形成した被膜を、150℃以上の温度で
乾燥したり、乾燥後に150℃以上で加熱したり、未硬
化の被膜に可視光線よりも波長の短い紫外線、電子線、
X線、γ線などの電磁波を照射したり、アンモニアなど
の活性ガス雰囲気中に晒すなどの処理を施してもよい。
このように処理を行うと、被膜形成成分の硬化が促進さ
れ、得られる透明被膜の硬度を高くすることができる。
また、上記硬化処理を行う場合、透明被膜形成用塗布液
を塗布する際に、透明導電性被膜を約40〜90℃に保
持しながら透明被膜形成用塗布液を塗布することが好ま
しい。透明導電性被膜を約40〜90℃に保持しなが
ら、該透明導電性被膜上に、透明被膜形成用塗布液を塗
布することによって、透明被膜の表面にリング状の凹凸
が形成され、ギラツキの少ないアンチグレアの透明被膜
付基材を得ることができる。
【0102】[表示装置]本発明に係る透明導電性被膜
付基材は、電磁遮蔽に必要な102〜104Ω/□の範
囲の表面抵抗を有し、かつ可視光領域および近赤外領域
で充分な反射防止性能と防眩性を有する透明導電性被膜
付基材は、表示装置の前面板として好適に用いられる。
【0103】本発明に係る表示装置は、ブラウン管(C
RT)、蛍光表示管(FIP)、プラズマディスプレイ
(PDP)、液晶用ディスプレイ(LCD)などのよう
な電気的に画像を表示する装置であり、上記のような透
明導電性被膜付基材で構成された前面板を備えている。
【0104】従来の前面板を備えた表示装置を作動させ
ると、前面板に画像が表示されると同時に電磁波が前面
板から放出され、この電磁波が観察者の人体に影響を及
ぼすが、本発明に係る表示装置では、前面板が102
104Ω/□の表面抵抗を有する透明導電性被膜付基材
で構成されているので、このような電磁波、およびこの
電磁波の放出に伴って生じる電磁場を効果的に遮蔽する
ことができる。
【0105】また、表示装置の前面板で反射光が生じる
と、この反射光によって表示画像が見にくくなるが、本
発明に係る表示装置では、前面板が可視光領域および近
赤外領域で充分な反射防止性能および防眩性を有する透
明導電性被膜付基材で構成されているので、このような
反射光を効果的に防止することができる。
【0106】さらに、ブラウン管の前面板が、本発明に
係る透明導電性被膜付基材で構成され、この透明導電性
被膜のうち、透明導電性被膜、その上に形成された透明
被膜の少なくとも一方に少量の染料または顔料が含まれ
ている場合には、これらの染料または顔料がそれぞれ固
有な波長の光を吸収し、これによりブラウン管から放映
される表示画像のコントラストを向上させることができ
る。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、導電性、電磁遮蔽性に
優れるとともに、光透過率の制御が可能であり、反射防
止性能および防眩性を有し、信頼性が高い透明導電性被
膜を形成しうる透明導電性被膜形成用塗布液を得ること
ができる。
【0108】また、本発明によれば、導電性、電磁遮蔽
性に優れるとともに、光透過率の制御が可能であり、反
射防止性能および防眩性を有し、信頼性が高い透明導電
性被膜が形成された透明導電性被膜付基材を得ることが
できる。
【0109】このような透明導電性被膜付基材を表示装
置の前面板として用いれば、電磁遮蔽性に優れるととも
に反射防止性および防眩性にも優れた表示装置を得るこ
とができる。
【0110】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0111】
【製造実施例】a)導電性微粒子分散液の調製 本実施例および比較例で用いた導電性微粒子分散液組成
を表1に示す。
【0112】鎖状導電性微粒子群(P-1) まず、純水100gに、あらかじめ金属換算で濃度が1
0重量%となり、複合金属の金属種が表1の重量比とな
るように硝酸銀および硝酸パラジウム水溶液を加えた水
溶液を調製した。この水溶液に、複合金属1重量部あた
り、0.01重量部となるような量でクエン酸3ナトリ
ウム(有機安定化剤および還元剤)を含む水溶液と、硝
酸銀および硝酸パラジウムの合計モル数と等モル数の硫
酸第一鉄(還元剤)水溶液とを混合した混合溶液を加
え、窒素雰囲気下で1時間撹拌して複合金属微粒子の分
散液を得た。
【0113】得られた分散液は遠心分離機により分離し
た後、濃度1重量%のHClで酸洗浄して、ポリアクリ
ル酸を複合金属1重量部当たり0.0128重量部とな
るように加え純水に分散させて表1に示す濃度の分散液
を調製した。ついで、得られた分散液をナノマイザーシ
ステム(ナノマイザー(株):LA-33-S)にて処理し
て、鎖状導電性微粒子群(P-1)の分散液を得た。
【0114】鎖状導電性微粒子群(P-2) 純水100gに、あらかじめ塩化白金酸を加え、これに
金属換算で濃度が10重量%となり、複合金属の金属種
が表1の重量比となるように酢酸パラジウムのアセトン
溶液を加えたのち、さらに塩化白金酸および酢酸パラジ
ウムの合計モル数と等モル数のクエン酸3ナトリウムを
添加し、窒素雰囲気下で1時間撹拌して複合金属微粒子
の分散液を得た。
【0115】得られた分散液は遠心分離機により分離し
た後、濃度1重量%のHClで酸洗浄して、ポリアクリ
ル酸を複合金属1重量部当たり0.0128重量部とな
るように加え純水に分散させて表1に示す濃度の分散液
を調製した。ついで、得られた分散液をナノマイザーシ
ステム処理して、鎖状導電性微粒子群(P-2)の分散液を
得た。
【0116】鎖状導電性微粒子群(P-3) 前記調製した導電性微粒子(P-1)の分散液を、オートク
レーブ中、窒素雰囲気下、150℃、 10.0Kg/c
2で1時間撹拌した後、前記ナノマイザーシステムを
用いて処理を行い、鎖状導電性微粒子群(P-3)の分散液
を得た。
【0117】鎖状導電性微粒子群(P-4) 前記調製した導電性微粒子(P-1)の分散液に、複合金属
の金属種が表1の重量比となるように硝酸銀水溶液を加
え、硝酸銀と等モル数の硫酸第一鉄水溶液を添加し、窒
素雰囲気下で1時間撹拌して複合金属微粒子の分散液を
得た。得られた分散液は遠心分離機により分離した後、
水洗浄して純水に分散させて表1に示す濃度の分散液を
調製した。ついで、得られた分散液をナノマイザーシス
テムにて処理を行い、鎖状導電性微粒子群(P-4)の分散
液を得た。
【0118】棒状導電性微粒子群(P-5) 純水100gに、鎖状無機酸化物として、平均長さが5
0nm、断面の平均径が10nmの繊維状アルミナ微粒子を
表1の重量比となるようにあらかじめ加え、これに複合
金属の金属種が表1の重量比となるように硝酸銀および
硝酸パラジウム水溶液を加えた水溶液を調製した。この
水溶液に、複合金属1重量部あたり、0.01重量部と
なるような量でクエン酸3ナトリウム(有機安定化剤お
よび還元剤)を含む水溶液と、金属換算で濃度が10重
量%となり、硝酸銀および硝酸パラジウムの合計モル数
と等モル数の硫酸第一鉄(還元剤)水溶液とを混合した
混合溶液を加え、窒素雰囲気下で1時間撹拌して複合金
属微粒子の分散液を得た。
【0119】得られた分散液は遠心分離機により分離し
た後、濃度1重量%のHClで酸洗浄して、ポリアクリ
ル酸を複合金属1重量部当たり0.0128重量部とな
るように加え純水に分散させて表1に示す濃度の分散液
を調製した。ついで、得られた分散液をナノマイザーシ
ステム(ナノマイザー(株):LA-33-S)にて処理し
て、棒状導電性微粒子群(P-5)の分散液を得た。
【0120】棒状導電性微粒子群(P-6) 前記導電性微粒子(P-5)で使用した繊維状アルミナ微粒
子の分散液に、複合金属微粒子(P-1)の分散液を表1の
重量比となるように混合し、ナノマイザーシステムを使
用して行い、棒状複合金属微粒子群(P-6)の分散液を得
た。
【0121】棒状導電性導電性微粒子(P-7) 純水100gに、あらかじめ硝酸インジウムおよびフッ
素化スズを金属換算で10重量%となり、複合金属の金
属種が表1の重量比になるように加え、これに10重量
%の水酸化カリウムを加えて、複合金属粒子の沈殿を作
製した。この複合金属粒子の沈殿を水洗したのち、金属
換算で10重量%となるように純水を加え、これをオー
トクレーブにて200℃で2時間処理をしたのち、10
0℃で乾燥した。次いで、乾燥した複合金属粒子を、窒
素気流下、550℃で2時間焼成したのち、純水および
アセチルアセトン(有機分散剤)を加え、サンドミルお
よびナノマイザーシステムにて処理して、棒状複合金属
微粒子(P-7)の分散液を得た。
【0122】単分散導電性微粒子(P-8) 純水100gに、あらかじめ金属換算で濃度が10重量
%となり、複合金属の金属種が表1の重量比となるよう
に硝酸銀および硝酸パラジウム水溶液を加えた水溶液を
調製した。この水溶液に、複合金属1重量部あたり、
0.01重量部となるような量でクエン酸3ナトリウム
(有機安定化剤および還元剤)を含む水溶液と、硝酸銀
および硝酸パラジウムの合計モル数と等モル数の硫酸第
一鉄(還元剤)水溶液とを混合した混合溶液を加え、窒
素雰囲気下で1時間撹拌して複合金属微粒子の分散液を
得た。
【0123】得られた分散液は遠心分離機により分離し
た後、水洗浄して、純水に分散させて表1に示す濃度の
単分散導電性微粒子(P-8)を調製した。導電性微粒子(P-9) 純水100gに、あらかじめ金属換算で濃度が10重量
%となり、複合金属の金属種が表1の重量比となるよう
に硝酸銀および硝酸パラジウム水溶液を加えた水溶液を
調製した。この水溶液に、複合金属1重量部あたり、
0.01重量部となるような量でクエン酸3ナトリウム
(有機安定化剤および還元剤)を含む水溶液と、硝酸銀
および硝酸パラジウムの合計モル数に対し3倍モル数の
硫酸第一鉄(還元剤)水溶液とを混合した混合溶液を加
え、窒素雰囲気下で1時間撹拌して複合金属微粒子の分
散液を得た。得られた分散液は遠心分離機により分離し
た後、濃度1重量%のHClで酸洗浄して、ポリアクリ
ル酸を複合金属1重量部当たり0.0128重量部とな
るように加え純水に分散させて表1に示す濃度の分散液
を調製した。次いで、得られた分散液をナノマイザーに
て粉砕して、複合金属微粒子(P-9)の分散液を得た。得
られた複合金属微粒子(P-9)の形状は、鎖状導電性微
粒子群であった。
【0124】導電性微粒子(P-10) 純水100gに、あらかじめ金属換算で濃度が10重量
%となり、複合金属の金属種が表1の重量比となるよう
に硝酸銀および硝酸パラジウム水溶液を加えた水溶液を
調製した。この水溶液に、複合金属1重量部あたり、
0.01重量部となるような量でクエン酸3ナトリウム
(有機安定化剤および還元剤)を含む水溶液と、硝酸銀
および硝酸パラジウムの合計モル数に対し、3倍モル数
の硫酸第一鉄(還元剤)水溶液とを混合した混合溶液を
加え、窒素雰囲気下で1時間撹拌して複合金属微粒子の
分散液を得た。得られた分散液は、遠心分離機により分
離した後、濃度1重量%のHClで酸洗浄して、ポリア
クリル酸を複合金属1重量部当たり0.03重量部とな
るように加え純水に分散させて表1に示す濃度の分散液
を調製した。次いで、得られた分散液をナノマイザーに
て粉砕して、複合金属微粒子(P-10)の分散液を得た。得
られた複合金属微粒子(P-10)の形状は、鎖状導電性微
粒子群であった。
【0125】導電性微粒子(P-11) 純水100gに、あらかじめ金属換算で濃度が10重量
%となり、複合金属の金属種が表1の重量比となるよう
に硝酸銀および硝酸パラジウム水溶液を加えた水溶液を
調製した。この水溶液に、複合金属1重量部あたり、
0.01重量部となるような量でクエン酸3ナトリウム
(有機安定化剤および還元剤)を含む水溶液と、硝酸銀
および硝酸パラジウムの合計モル数に対し3倍モル数の
硫酸第一鉄(還元剤)水溶液とを混合した混合溶液を加
え、窒素雰囲気下で1時間撹拌して複合金属微粒子の分
散液を得た。得られた分散液は、遠心分離機により分離
した後、濃度1重量%のHClで酸洗浄して、ポリアク
リル酸を複合金属1重量部当たり0.20重量部となる
ように加え純水に分散させて表1に示す濃度の分散液を
調製した。次いで、得られた分散液をナノマイザーにて
粉砕して、複合金属微粒子(P-11)の分散液を得た。得ら
れた複合金属微粒子(P-11)は凝集粒子であった。
【0126】導電性酸化物微粒子(P-12) 純水100gに、あらかじめ硝酸インジウムおよびフッ
素化スズを金属換算で10重量%となり、複合金属の金
属種が表1の重量比になるように加え、これに10重量
%の水酸化カリウムを加えて、複合金属粒子の沈殿を作
製した。この複合金属粒子の沈殿を水洗したのち、金属
換算で10重量%となるように純水を加え、これに純水
およびアセチルアセトン(有機分散剤)を加え、サンド
ミルおよびナノマイザーシステムにて処理して、単分散
複合金属微粒子(P-12)の分散液を得た。
【0127】導電性カーボン微粒子(P-13) 純水100gに、着色剤として導電性カーボン微粒子
(三菱化学(株)製:MA-100)を表1の濃度になるように
加えて導電性微粒子(P-13)分散液を調製した。
【0128】なお、本発明の導電性微粒子の一次粒子、
鎖状および棒状の観察、粒子径、粒子長さなどの測定
は、走査型電子顕微鏡(日本電子(株):JMS5300)を
用いて100個の粒子について観察した。
【0129】また、アスペクト比は、粒子長さをLと
し、一次粒子径を粒子の断面径Dとし、L/Dで表し
た。なお、鎖状導電性微粒子群のアスペクト比は、粒子
長さをLとし、一次粒子径を粒子の断面径Dとした。
【0130】
【表1】
【0131】b)マトリックス形成成分液(M)の調製 正珪酸エチル(SiO2:28重量%)50g、エタノー
ル194.6g、濃硝酸1.4gおよび純水34gの混合
溶液を室温で5時間撹拌してSiO2濃度5重量%のマト
リックス形成成分を含む液(M)を調製した。
【0132】c)透明導電性被膜形成用塗布液の調製 表1に示す(P-1)〜(P-13)の分散液と、上記マトリック
ス形成成分を含む(A)液、水、t-ブタノール、ブチルセ
ルソルブ、クエン酸およびN-メチル-2-ピロリドンを用
いて、表2に示す透明導電性被膜形成用塗布液(C-1)〜
(C-14)を調製した。
【0133】
【表2】
【0134】d)透明被膜形成用塗布液(B-1)の調製 上記マトリックス形成成分を含む(A)液に、エタノール
/ブタノール/ジアセトンアルコール/イソプロパノー
ル(2:1:1:5重量混合比)の混合溶媒を加え、S
iO2濃度1重量%の透明被膜形成用塗布液(B-1)を調製
した。
【0135】なお、本発明で使用される導電性被膜形成
用塗布液および透明被膜形成用塗布液は両性イオン交換
樹脂(三菱化学(株)製 ダイヤイオン SMNUPB)で脱イオ
ン処理することにより、各塗布液中のイオン濃度の調製
を行った。
【0136】また、塗布液中のアルカリ金属イオン濃度
およびアルカリ土類金属イオン濃度は原子吸光法で測定
し、その他の金属イオン濃度は発光分光分析法で測定
し、アンモニウムイオンおよびアニオンのイオン濃度は
イオンクロマトグラフィー法で測定した。
【0137】
【実施例1〜9】透明導電性被膜付パネルガラスの製造 ブラウン管用パネルガラス(14")の表面を40℃で保
持しながら、スピナー法で100rpm、90秒の条件で
上記透明導電性被膜形成用塗布液(C-1)〜(C-9)をそれぞ
れ塗布し乾燥した。
【0138】次いで、このようにして形成された透明導
電性被膜上に、同じように、スピナー法で100rpm、
90秒の条件で透明被膜形成用塗布液(B-1)を塗布・乾
燥し、表3に示す条件で焼成して透明導電性被膜付基材
を得た。
【0139】これらの透明導電性被膜付基材の表面抵抗
を表面抵抗計(三菱油化(株)製:LORESTA)で測定し、ヘ
ーズをへーズコンピューター(日本電色(株)製:3000A)
で測定した。反射率は反射率計(大塚電子(株)製:MCPD-
2000)を用いて測定し、波長400〜700nmの範囲で
反射率が最も低い波長での反射率とした。
【0140】結果を表3に示す。
【0141】
【比較例1〜5】透明導電性被膜付パネルガラスの製造 ブラウン管用パネルガラス(14")の表面を40℃で保
持しながら、スピナー法で100rpm、90秒の条件で
上記透明導電性被膜形成用塗布液(C-10)〜(C-14)をそれ
ぞれ塗布し乾燥した。
【0142】次いで、このようにして形成された透明導
電性被膜上に、同じように、スピナー法で100rpm、
90秒の条件で透明被膜形成用塗布液(B-1)を塗布・乾
燥し、表3に示す条件で焼成して透明導電性被膜付基材
を得た。
【0143】これらの透明導電性被膜付基材の表面抵抗
を表面抵抗計(三菱油化(株)製:LORESTA)で測定し、ヘ
ーズをへーズコンピューター(日本電色(株)製:3000A)
で測定した。反射率は反射率計(大塚電子(株)製:MCPD-
2000)を用いて測定し、波長400〜700nmの範囲で
反射率が最も低い波長での反射率とした。
【0144】結果を表3に示す
【0145】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液中に
含まれている鎖状導電性微粒子群の一態様を示す概略図
である。
【図2】本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液中に
含まれている鎖状導電性微粒子群の別の一態様を示す概
略図である。
【図3】本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液中に
含まれている鎖状導電性微粒子群の別の一態様を示す概
略図である。
【図4】本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液中に
含まれている棒状導電性微粒子の一態様を示す概略図で
ある。
【図5】本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液中に
含まれている棒状導電性微粒子の別の一態様を示す概略
図である。
【図6】本発明に係る透明導電性被膜形成用塗布液中に
含まれている棒状導電性微粒子群の一態様を示す概略図
である。
フロントページの続き (72)発明者 熊 澤 光 章 福岡県北九州市若松区北湊町13番2号 触 媒化成工業株式会社若松工場内 (72)発明者 俵 迫 祐 二 福岡県北九州市若松区北湊町13番2号 触 媒化成工業株式会社若松工場内 (72)発明者 小 松 通 郎 福岡県北九州市若松区北湊町13番2号 触 媒化成工業株式会社若松工場内 Fターム(参考) 5C032 AA02 DD02 DE01 DF01 DF02 DF03 DG02 5E321 AA04 BB32 CC30 GG01 GG05 GH01 5G435 AA16 HH02 HH12

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性微粒子と極性溶媒とを含む透明導電
    性被膜形成用塗布液において、 導電性微粒子が、平均粒子径が1〜100nmの範囲に
    ある一次粒子が2個以上鎖状に連続して接合した鎖状構
    造を有する鎖状導電性微粒子群からなることを特徴とす
    る透明導電性被膜形成用塗布液。
  2. 【請求項2】前記鎖状導電性微粒子群の長さが2〜20
    0nmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の
    透明導電性被膜形成用塗布液。
  3. 【請求項3】前記鎖状導電性微粒子群がAu,Ag,P
    d,Cu,Ni,Ru,Rh,Sn,In,Sb,Fe,Pt,T
    i,Cr,Co,Al,Zn,Ta,Pb,Os,Irから選ば
    れる一種以上の元素からなる金属、水酸化物、酸化物、
    あるいは金属ドープ酸化物からなることを特徴とする請
    求項1または2に記載の透明導電性被膜形成用塗布液。
  4. 【請求項4】前記鎖状導電性微粒子群が、金属微粒子分
    散スラリーまたは金属水酸化物ゲルスラリーをメカニカ
    ル分散処理を行い得られたものであることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の透明導電性被膜形成用
    塗布液。
  5. 【請求項5】前記鎖状導電性微粒子群が、金属微粒子分
    散スラリーまたは金属水酸化物ゲルスラリーに、加圧下
    で加熱処理を行ったのち、メカニカル分散処理を行い得
    られたものであることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の透明導電性被膜形成用塗布液。
  6. 【請求項6】導電性微粒子と極性溶媒とを含む透明導電
    性被膜形成用塗布液において、 導電性微粒子が、アスペクト比が2〜200の範囲にあ
    る棒状導電性微粒子であることを特徴とする透明導電性
    被膜形成用塗布液。
  7. 【請求項7】前記棒状導電性微粒子の平均長さが2〜2
    00nmの範囲にあることを特徴とする請求項6に記載
    の透明導電性被膜形成用塗布液。
  8. 【請求項8】前記棒状導電性微粒子が、Au,Ag,P
    d,Cu,Ni,Ru,Rh,Sn,In,Sb,Fe,Pt,T
    i,Cr,Co,Al,Zn,Ta,Pb,Os,Irから選ば
    れる一種以上の元素からなる金属および/または金属水
    酸化物または金属酸化物、あるいは異種金属ドープ金属
    酸化物からなることを特徴とする請求項6または7に記
    載の透明導電性被膜形成用塗布液。
  9. 【請求項9】導電性微粒子と極性溶媒とを含む透明導電
    性被膜形成用塗布液において、 導電性微粒子が、棒状微粒子表面に1〜100nmの範
    囲の粒子径を有する導電性微粒子が接合した棒状導電性
    微粒子群であり、 かつ、該棒状導電性微粒子群のアスペクト比が2〜20
    0の範囲にあることを特徴とする透明導電性被膜形成用
    塗布液。
  10. 【請求項10】前記棒状導電性微粒子群の平均長さが2
    〜200nmの範囲にあることを特徴とする請求項9に
    記載の透明導電性被膜形成用塗布液。
  11. 【請求項11】前記棒状微粒子表面に接合した導電性微
    粒子が、Au,Ag,Pd,Cu,Ni,Ru,Rh,Sn,I
    n,Sb,Fe,Pt,Ti,Cr,Co,Al,Zn,Ta,P
    b,Os,Irから選ばれる一種以上の元素からなる金
    属、水酸化物、酸化物、あるいは金属ドープ酸化物から
    なることを特徴とする請求項9または10に記載の透明
    導電性被膜形成用塗布液。
  12. 【請求項12】前記棒状微粒子が、Au,Ag,Pd,C
    u,Ni,Ru,Rh,Sn,In,Sb,Fe,Pt,Ti,C
    r,Co,Al,Zn,Ta,Pb,Os,Irから選ばれる一
    種以上の元素からなる金属、水酸化物、酸化物、あるい
    は金属ドープ酸化物からなることを特徴とする請求項9
    〜11のいずれかに記載の透明導電性被膜形成用塗布
    液。
  13. 【請求項13】さらに有機系安定剤を含むことを特徴と
    する請求項1〜12のいずれかに記載の透明導電性被膜
    形成用塗布液。
  14. 【請求項14】さらにマトリックス形成成分を含むこと
    を特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の透明導
    電性被膜形成用塗布液。
  15. 【請求項15】前記マトリックス形成成分がSiO2
    駆体、TiO2前駆体、ZrO2前駆体または有機高分子
    から選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする
    請求項14に記載の透明導電性被膜形成用塗布液。
  16. 【請求項16】さらに、染料、着色顔料または着色粒子
    を含むことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記
    載の透明導電性被膜形成用塗布液。
  17. 【請求項17】基材と、 請求項1〜16のいずれかに記載の透明導電性被膜形成
    用塗布液を基材上に塗布してなる透明導電性被膜と、 該透明導電性被膜上に設けられ、かつ該透明導電性被膜
    よりも屈折率が低い透明被膜とからなることを特徴とす
    る透明導電性被膜付基材。
  18. 【請求項18】請求項17に記載の透明導電性被膜付基
    材から構成される前面板を備え、透明被膜が該前面板の
    外表面に形成されていることを特徴とする表示装置。
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