JP2000191738A - ポリアセタ―ル共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリアセタ―ル共重合体の製造方法

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JP2000191738A JP37319898A JP37319898A JP2000191738A JP 2000191738 A JP2000191738 A JP 2000191738A JP 37319898 A JP37319898 A JP 37319898A JP 37319898 A JP37319898 A JP 37319898A JP 2000191738 A JP2000191738 A JP 2000191738A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホルムアルデヒドの放出量、特に成形時の溶
融したポリアセタール共重合体からのホルムアルデヒド
の放出量を低減したポリアセタール共重合体の製造方法
を提供すること。 【解決手段】 ヘテロポリ酸またはその酸性塩を重合開
始剤として、主モノマーのトリオキサンと、少なくとも
一つの炭素間結合を有する環状エーテルまたは環状ホル
マールのコモノマーとを共重合して、ポリアセタール共
重合体を連続的に製造するにあたり、重合開始剤の溶媒
として、溶媒1リットル当たり5×10 -4mol以上の
該重合開始剤を溶解することができ、かつ、活性水素を
持たない有機溶媒を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアセタール共
重合体の製造方法に関する。更に詳しくは、トリオキサ
ンを主モノマーとし、環状エーテルまたは環状ホルマー
ルをコモノマーとして共重合し、ポリアセタール共重合
体を連続的に製造するための改善された共重合法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール共重合体は、機械的性
質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、且つ、その
加工が容易であることにより代表的なエンジニアリング
プラスチックとして、電気・電子部品、自動車部品、そ
の他の各種機械部品を中心として広く利用されている。
ポリアセタール共重合体の工業的な製造方法は、主モノ
マーとしてトリオキサンを、コモノマーとして2つ以上
の隣接炭素原子を有する環状エーテルまたは環状ホルマ
ールを、重合開始剤としての三フッ化ホウ素、または三
フッ化ホウ素とエーテル類との配位化合物を、コニーダ
ー、2軸スクリュー式連続押出混合機、二軸パドルタイ
プの連続混合機等の連続反応装置に供給し、連続的に共
重合反応させるのが一般的である。
【0003】しかし、三フッ化ホウ素系化合物のような
一般に使用される重合開始剤は、比較的多量に(例え
ば、モノマー1kg当たり3×10-4mol以上)添加
する必要がある。そのために、共重合体に残留した重合
開始剤による共重合体の分解が避けられず、得られる共
重合体の重合度に限界があり、また、かなりの量の不安
定末端部が存在して煩雑な安定化工程を必要とする等の
問題点が存在した。
【0004】このような問題点を解決するために、ヘテ
ロポリ酸またはその酸性塩を重合開始剤として使用する
方法(特公平7−35704号公報)、さらには、重合
開始剤であるヘテロポリ酸またはその酸性塩を、コモノ
マー成分である少なくとも一つの炭素間結合を有する環
状エーテルまたは環状ホルマールの一部または全部に、
予め混合しておき、その混合液をトリオキサンに添加し
て重合する方法(特開平9−87348号公報)等に示
されるように、重合開始剤濃度を低減し、生成共重合体
の不安定末端部の減少を図ることが提案されている。さ
らに、トリオキサン、コモノマーおよび重合開始剤とし
てのヘテロポリ酸またはその酸性塩を、あらかじめ液相
状態を保ちつつ十分に混合した後に、その混合液を連続
重合装置に供給して共重合反応を行うことで、重合開始
剤濃度を大幅に低減させることが可能になり、これによ
り生成共重合体の不安定末端をさらに減少を図ること
が、本発明者等によって特願平10−121834号と
して提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
アセタール共重合体からホルムアルデヒドの放出量、特
に成形時の溶融したポリアセタール共重合体からのホル
ムアルデヒドの放出量を低減したポリアセタール共重合
体の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶融した
ポリアセタール共重合体からのホルムアルデヒドの放出
量を低減させるべく鋭意研究した結果、重合開始剤であ
るヘテロポリ酸またはその酸性塩の溶媒として、特定の
有機溶剤を用いて重合を行うと、得られるポリアセター
ル共重合体からのホルムアルデヒドの放出量を低減させ
ることができることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、第1の発明は、ヘテロポリ酸ま
たはその酸性塩を重合開始剤として、主モノマーのトリ
オキサンと、少なくとも一つの炭素間結合を有する環状
エーテルまたは環状ホルマールのコモノマーとを共重合
して、ポリアセタール共重合体を連続的に製造するにあ
たり、重合開始剤の溶媒として、溶媒1リットル当たり
5×10-4mol以上の該重合開始剤を溶解することが
でき、かつ、活性水素を持たない有機溶媒を用いるポリ
アセタール共重合体の製造方法である。さらに第2の発
明は、前記発明において重合開始剤の溶媒として、エス
テル類、またはケトン類から選ばれた少なくとも1種の
溶媒を用いるポリアセタール共重合体の製造方法であ
り、第3の発明は、第2の発明の重合開始剤の溶媒の分
子量が150以下であるポリアセタール共重合体の製造
方法である。第4の発明は、溶媒がギ酸メチル、ギ酸エ
チル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト
ン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン又はこれら
の混合溶媒であることを特徴とする本発明第2のポリア
セタール共重合体の製造方法である。第5の発明は、前
記第1〜4の発明において、重合開始剤のヘテロポリ酸
またはその酸性塩が、リンモリブデン酸、リンタングス
テン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、また
はそれらの酸性塩より選ばれた少なくとも1種であるポ
リアセタール共重合体の製造方法であり、第6の発明
は、前記第1〜5の発明において、コモノマーが、1,
3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、
1,4−ブタンジオールホルマール、エチレンオキシド
から選ばれた少なくとも1種であるポリアセタール共重
合体の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の特徴は、重合開始剤であるヘテロポリ酸
またはその酸性塩の溶媒として、開始剤の良溶媒であ
り、且つ活性水素を持たない有機溶媒を用いることであ
る。重合開始剤であるヘテロポリ酸またはその酸性塩は
固体である。重合を行うためにこれを重合機に供給する
には、固体のままで供給するよりも、適当な溶媒に溶か
して溶液として重合機に供給する方が容易であり、ま
た、供給量をより正確に制御できる。
【0009】重合開始剤の溶媒は活性水素を持たないこ
とが必要である。活性水素とは酸素、窒素、硫黄といっ
た極性原子に結合した水素原子のことで、炭素原子に結
合した水素原子より反応性が高い。具体的には、−O
H、−COOH、−CONH−、−SH、−NH2基等
の原子団に含まれるている水素原子である。本発明者等
の検討によれば、例えばアルコール等の活性水素を有す
る溶媒を使用すると、活性水素がポリアセタール共重合
体の不安定な末端を生成し、その結果、ポリアセタール
共重合体からのホルムアルデヒドの放出量を増加させて
しまう。さらに、活性水素を有しない溶媒でも重合開始
剤の溶解度が低くなると、一般に重合するために必要な
開始剤溶液の供給量が多くなり、溶媒中の不純物の影響
等で、生成するポリアセタール共重合体の不安定部分が
増加したり、除去しなければならない溶媒量が増加す
る。その結果、溶融したポリアセタールからのホルムア
ルデヒドの放出量が増加したり、コストの増加を招く。
従って、使用する溶媒は、使用する重合開始剤の使用時
の溶解度が溶媒1リットル当たり5×10-4mol以上
であることが必要であり、好ましくは1×10-3mol
以上、さらに好ましくは3×10-3mol以上である。
【0010】重合開始剤であるヘテロポリ酸またはその
酸性塩の溶解度が溶媒1リットル当たり5×10-4mo
l以上であり、かつ、活性水素を持たない溶媒として用
いることのできる溶媒としては、この条件を満たす溶媒
であればいずれでもよいが、エステル類、またはケトン
類から選ばれた少なくとも1種の溶媒を用いることが好
ましい。例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の低
分子量カルボン酸と、メタノール、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−
ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチ
ル−2−プロパノール、1−ペンタノール、3−メチル
−ブタノール、1−ヘキサノールと云った低分子量のア
ルコールが縮合して得られるエステル類やアセトン、2
−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘ
キサノン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチ
ルケトン等の低分子量のケトン類が挙げられる。溶媒の
分子量が大きくなるほどヘテロポリ酸の溶解度は小さく
なる傾向があり、溶媒の沸点も高くなり生成するポリア
セタール共重合体から除去することが困難になるので、
溶媒は低分子量のものが好ましい。使用する溶媒の分子
量は150以下が好ましく、さらには120以下が好ま
しい。さらに、工業的な入手のし易さなどを勘案する
と、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、アセトン、2−ブタノン、メチルイソ
ブチルケトン(MIBK)、又はこれらの混合溶媒等を
本発明の重合開始剤の好適な溶媒として挙げることがで
きる。
【0011】本発明で用いるヘテロポリ酸は、異種の酸
素酸が脱水縮合して生成するポリ酸の総称であり、中心
に特定の異種元素が存在し、酸素原子を共有して縮合酸
基が縮合してできる単核または複核の錯イオンを有して
いる。このような異核縮合酸は一般には下記一般式
(1)で表すことができる。 Hm[M1 x・M2 yz]・nH2O (1) (但し、M1は、P、B、Si、Ge、Sn、As、S
b、V、Mn、Re、Cu、Ni、Ti、Co、Fe、
Cr、ThおよびCeより選ばれた少なくとも1種の元
素から成る中心元素を示す。M2は、W、Mo、Vおよ
びNbより選ばれた少なくとも1種の配位元素からを示
す。また、xは1〜10、yは6〜40、zはl0〜1
00、mは1以上、nは0〜50の各整数を表す。)
【0012】本発明の重合開始剤として、特に有効なヘ
テロポリ酸は、上記の組成式中の中心元素(M1)が、
P及びSiから選ばれた少なくとも1種の元素から構成
され、また、配位元素(M2)が、W、MoおよびVよ
り選ばれた少なくとも1種の元素(特に好ましくはWま
たはMo)から構成される場合である。更に(1)式に
おけるHmが各種金属などに一部置き換わった形の酸性
塩も本発明の開始剤に用いることができる。
【0013】これらヘテロポリ酸の具体例としては、リ
ンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブドタ
ングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブド
タングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ケ
イタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモリブドタ
ングステン酸、ケイモリブドタングステンバナジン酸な
どが挙げられる。中でも好ましいのは、ケイモリブデン
酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタン
グステン酸、またはそれらの酸性塩より選ばれた一種ま
たは二種以上の混合物である。
【0014】このようなヘテロポリ酸またはその酸性塩
の使用量は、その種類によっても異なり、また適当に変
えて重合反応を調節することができるが、本発明の方法
では、おおよそ重合されるべきモノマー1kg当たり、
好ましくは1.0×10-8〜2.0×10-5mo1の範
囲であり、さらに好ましくは1.0×10-7〜1.0×
10-5molである。このように少量の開始剤でも、共
重合が可能なことは、開始剤による重合体の主鎖分解、
解重合等の好ましくない反応を僅少に留めるのに効果的
であり、又経済的にも有利である。
【0015】次に、本発明で使用するコモノマー成分で
ある環状エーテルまたは環状ホルマールとは、下記一般
式(2)で表される少なくとも1つの炭素間結合を有す
る環状化合物である。
【0016】
【化1】
【0017】[式中、R1、R2、R3またはR4は、水素
原子、炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲンで置換
された炭素数1〜5のアルキル基を意味し、これらは同
一または異なっていてもよい。また、R5は、不存在ま
たは、(アルキル基若しくハロゲン化アルキル基で置換
されていてもよい)メチレン基、オキシメチレン基(こ
の場合pは1〜3の整数を表す)、-(CH2)qOCH
2-、もしくは、-(OCH2CH2)qOCH2-で示される2
価の基(この場合pは1を表し、qは1〜4の整数を表
す)であってもよい。]
【0018】かかる環状エーテルまたは環状ホルマール
の代表的な例としては、例えば、1,3−ジオキソラ
ン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタン
ジオールホルマール、1,3−ジオキサン、1,3,5
−トリオキセパン、エチレンオキサイド、プロピレンオ
キシド等が挙げられる。中でも1,3−ジオキソラン、
ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオ
ールホルマール等が好ましい例である。
【0019】本発明にコモノマーとして用いる環状エー
テルまたは環状ホルマールの量は、トリオキサンに対し
て0.1〜20モル%、好ましくは、0.2〜10モル
%である。0.1モル%未満では、不安定末端部が増加
して安定性が悪くなり、また20モル%を超えて過大に
なると生成共重合体が軟質となり、融点の低下を生じて
好ましくない。
【0020】重合方法は特に限定されるものではない。
例えば、重合開始剤であるヘテロポリ酸またはその酸性
塩と前述の条件を満たす溶媒を用いた重合開始剤溶液
と、主モノマーであるトリオキサンおよびコモノマーと
を、あらかじめ液相状態で十分に混合した後、重合装置
に供給し重合反応を行う方法、または前記重合開始剤溶
液と、主モノマーであるトリオキサンおよびコモノマー
の混合溶液とを、それぞれ別々に配管を通して合流させ
た後、連続式重合装置に供給する方法、あるいは、重合
開始剤溶液、主モノマー及びコモノマーをそれぞれ別々
に配管を通して重合装置に供給する方法などがある。工
業的に広く用いられているポリアセタール共重合体の連
続重合装置としては、コニーダー、2軸スクリュー式連
続押出混合機、2軸パドルタイプの連続混合機などを挙
げることができる。このようにしてホルムアルデヒド放
出量のより少ないポリアセタール共重合体を有利に得る
ことができる。
【0021】本発明のポリアセタール共重合体の製造方
法においては、また、必要に応じ、公知の連鎖移動剤を
適当量添加して、生成共重合体の重合度を、適宜任意の
値に調節することができる。連鎖移動剤としては、例え
ば、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチ
ラール、トリメトキシメチラール、オキシメチレンジ−
n−ブチルエーテルの如き、低分子量の線状アセタール
等が挙げられる。本発明のポリアセタール共重合体の製
造方法においては、更に、必要に応じて、公知の分岐・
架橋構造を形成しうる成分を添加することもできる。分
岐・架橋構造を形成しうる成分としては、例えば、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオール
ジグリシジルエーテル、ヘキサメチレングリコールジグ
リシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げら
れる。
【0022】重合を終了した反応系は、必要に応じて、
未反応モノマーの回収、生成共重合体の粉砕を行った
後、重合開始剤の失活を行う。重合開始剤の失活は、従
来公知のいずれの方法でもよい。例えば、アンモニアあ
るいはトリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ヒ
ンダードアミン等のアミン類、あるいはアルカリ金属や
アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、有機酸塩(例え
ば脂肪酸塩)その他公知の重合失活剤、もしくはこれら
の失活剤を含む溶液を、共重合体に添加・撹拌して失活
処理する方法、多量の失活剤溶液に、共重合体を浸して
失活処理する方法、アンモニアや低分子量アミンの如き
塩基性ガスを、共重合体に接触させて失活処理する方法
などが挙げられる。
【0023】このようにして得られた重合体は、必要に
応じて、更に安定化処理に供される。安定化処理は、加
熱溶融処理、或いは不溶性または可溶性の液体媒体中で
加熱し、不安定部分を選択的に分解して除去することに
より達成される。特に本発明の重合は、従来法に比べ
て、重合終了段階での不安定部分が少ないので、安定化
は極めて簡略化することが可能となった。最終製品は一
般に所定の安定剤の存在下で溶融押出し、ペレット化す
ることによって得る。本発明の方法によれば、最終製品
としても安定性が高く、ホルムアルデヒド放出量の少な
いポリアセタール共重合体を得ることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。尚、実施例中の%は特に記載がない限り
重量%を表す。また、実施例中に示される用語及び測定
法は、次の通りである。ホルムアルデヒド放出量の測定
方法:試料を200℃に保ったシリンダーに充填して溶
融させた後、溶融物をシリンダーから密閉容器内に押出
した。この密閉容器に窒素ガスを流し、出てきた窒素ガ
スに含まれるホルムアルデヒドを水に溶かして捕集し、
水中のホルムアルデヒド濃度を測定することで、溶融物
から放出されたホルムアルデヒドの重量を求めた。この
値を溶融物の重量で除してホルムアルデヒド放出量(単
位:ppm)とした。
【0025】(実施例1〜18)表1に示すような活性
水素を持たない溶媒1リットルに、所定量のヘテロポリ
酸(重合開始剤)を溶かして重合開始剤溶液を調製し
た。主モノマーであるトリオキサンにコモノマーとして
1,3−ジオキソラン、連鎖移動剤としてメチラールを
添加したモノマー液をコモノマーの濃度が全モノマー1
kg当たり0.48mol、連鎖移動剤の濃度が全モノ
マー1kg当たり0.014molになるように調製し
た。この重合開始剤溶液およびモノマー液を送液するそ
れぞれの配管を合流させ、スタティックミキサーに通し
て混合した後、直ちに重合反応装置に供給して重合し
た。なお、重合開始剤の濃度が全モノマー1kg当たり
6.0×10-7molになるように送液量を調整した。
重合反応装置としては、内径80mmの二つの円が一部
重なった断面を有し、有効長1.3mの外側に熱媒を通
すジャケット付きのバレルとその内部に攪拌、推進用の
多数のパドルを付した2本の回転軸を長手方向に設けた
連続式混合反応機を使用した。ジャケットに80℃の熱
媒を通し、2本の回転軸を150rpmの一定速度で回
転させた。
【0026】重合反応装置より出てきた共重合体を集
め、これにアンモニアを0.2体積%含有する窒素ガス
を30分間通気して重合反応の失活を行った。失活後の
共重合体樹脂に安定剤としてペンタエリスリトールテト
ラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]0.5%およびメラミン
0.2%を添加し、混合した後、ベント付押出機を用い
てシリンダー温度210℃、ベント部の真空度が−70
cmHg(ゲージ圧)で溶融混練して、ペレットにし
た。このペレットを乾燥した後、ホルムアルデヒド放出
量を測定した。結果を表1に示した。表1に示されるよ
うに、ホルムアルデヒド放出量の少ないポリアセタール
共重合体を得ることができた。
【0027】
【表1】
【0028】(比較例1〜4)重合開始剤の溶媒にアル
コール類や水のような活性水素を有する溶媒を用いた以
外は実施例と全く同様に実験した。結果を表2に示し
た。得られたポリアセタール共重合体のホルムアルデヒ
ド放出量は実施例に比べて多くなった。
【0029】(比較例5および6)活性水素を持たない
溶媒であるジ−n−ブチルエーテル(分子量130)お
よびジエチルエーテル(分子量74)のそれぞれ1リッ
トルにリンタングステン酸5.0×10-4mol溶解さ
せようとしたが全量は溶けなかった。5.0×10 -5
olでは全量溶解したので、これを重合開始剤溶液とし
た以外は、実施例と全く同様に実験した。結果を表2に
示した。得られたポリアセタール共重合体のホルムアル
デヒド放出量は実施例に比べて多くなった。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】明細書の記述および実施例から明らかな
ように、重合開始剤の溶媒に開始剤の溶解度が高く、か
つ活性水素を持たない有機溶媒を用いることで、ホルム
アルデヒド放出量の少ない、高品質のポリアセタール共
重合体を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘテロポリ酸またはその酸性塩を重合開
    始剤として、主モノマーのトリオキサンと、少なくとも
    一つの炭素間結合を有する環状エーテルまたは環状ホル
    マールのコモノマーとを共重合して、ポリアセタール共
    重合体を連続的に製造するにあたり、重合開始剤の溶媒
    として、溶媒1リットル当たり5×10 -4mol以上の
    該重合開始剤を溶解することができ、かつ、活性水素を
    持たない有機溶媒を用いることを特徴とするポリアセタ
    ール共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 重合開始剤の溶媒として、エステル類、
    またはケトン類から選ばれた少なくとも1種の溶媒を用
    いることを特徴とする請求項1記載のポリアセタール共
    重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶媒の分子量が150以下であることを
    特徴とする請求項2記載のポリアセタール共重合体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 溶媒がギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メ
    チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、2−ブタノ
    ン、メチルイソブチルケトン又はこれらの混合溶媒であ
    ることを特徴とする請求項2記載のポリアセタール共重
    合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 重合開始剤が、リンモリブデン酸、リン
    タングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン
    酸、またはそれらの酸性塩より選ばれた少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のポリアセタール共重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 コモノマーが、1,3−ジオキソラン、
    ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオ
    ールホルマール、エチレンオキシドから選ばれた少なく
    とも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
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