JPH09151227A - ポリアセタール共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリアセタール共重合体の製造方法

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JPH09151227A
JPH09151227A JP8229949A JP22994996A JPH09151227A JP H09151227 A JPH09151227 A JP H09151227A JP 8229949 A JP8229949 A JP 8229949A JP 22994996 A JP22994996 A JP 22994996A JP H09151227 A JPH09151227 A JP H09151227A
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリオキサンを主モノマーとして、これと共
重合し得るコモノマーとの共重合において、ヘテロポリ
酸又はその酸性塩を重合触媒とし、重合後、触媒の失活
を塩基性ガスを接触させることにより簡単且つ確実に行
うことが出来、洗浄工程も不要のシンプルなプロセス
で、しかも高い重合収率としても不安定末端部が極めて
少なく、熱的にも極めて安定なポリアセタール共重合体
を製造する。 【解決手段】 トリオキサンを主モノマーとし、コモノ
マーとして少なくとも一つの炭素間結合を有する環状エ
ーテル又は環状ホルマールとの共重合によってポリアセ
タール共重合体を製造するにあたり、重合触媒として特
定のヘテロポリ酸又はその酸性塩を使用して共重合を行
い、失活剤として塩基性ガスを接触させて触媒を失活さ
せ、次いでその粗重合体を洗浄することなく、そのまま
加熱溶融処理してポリアセタール共重合体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアセタール共重
合体の製造方法に関する。詳しくはトリオキサンを主モ
ノマーとして、これと共重合し得るコモノマーとの共重
合において、重合触媒としてヘテロポリ酸又はその酸性
塩を用い、簡単な工程で、熱安定性等の品質に優れたポ
リアセタール共重合体を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアセタール共重合体の製造法
としては、トリオキサンを主モノマーとし、2つ以上の
隣接炭素原子を有する環状エーテル又は環状ホルマール
をコモノマーとするカチオン共重合が知られており、こ
れら共重合に用いるカチオン活性触媒としては、ルイス
酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチ
モンのハロゲン化物、例えば三弗化ホウ素、四塩化ス
ズ、四塩化チタン、五塩化リン、五弗化リン、五弗化ヒ
素及び五弗化アンチモン、及びその錯化合物又は塩の如
き化合物、プロトン酸、例えばパークロル酸、プロトン
酸のエステル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコー
ルとのエステル、例えばパークロル酸−3級ブチルエス
テル、プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂
肪族カルボン酸との混合無水物、例えばアセチルパーク
ロラート、或いは又トリメチルオキソニウムヘキサフル
オルホスファート、トリフェニル−メチルヘキサフルオ
ルアルゼナート、アセチルテトラフルオルボラート、ア
セチルヘキサフルオルホスファート及びアセチルヘキサ
フルオルアルゼナート等が提案されている。中でも三フ
ッ化ホウ素、或いは三フッ化ホウ素と有機化合物、例え
ばエーテル類との配位化合物は、トリオキサンを主モノ
マーとする共重合触媒として最も一般的であり、工業的
にも広く用いられている。しかるに三フッ化ホウ素系化
合物の如き一般に使用される重合触媒では比較的多量
(例えば全モノマーに対し 40ppm又はそれ以上)を必要
とし、重合後、触媒の失活処理が充分行い難く、失活処
理を行っても触媒に由来する物質の残留により、分解が
促進され、重合収率や重合度等に限界があり、また、か
なりの量の不安定末端部が存在して煩雑な安定化工程を
必要とする等の問題点が存在した。即ち、上記の如き従
来の触媒によるトリオキサンの共重合法では重合後の触
媒の失活化が重要であり、これが不充分であると、生成
重合体の分解を促進し、その後の生成重合体の安定性を
阻害する大きな原因となる。そこで従来、三フッ化ホウ
素などを触媒とする場合、触媒の失活処理を充分に行う
ためには、重合後の生成物に多量の失活剤溶液を加えて
失活処理を行い、充分洗浄して残留モノマーや触媒に由
来する残留物を除去し、その後、処理液を分離、乾燥、
或は洗浄液からモノマー回収を要するなど、極めて煩雑
な工程を必要とし、経済的にも好ましくない。又、かか
る触媒の失活処理に伴う煩雑さを省くため、生成共重合
体をガス状の失活剤と接触させて触媒の失活処理を行う
方法の提案もなされているが(例えば特開昭58−167608
号公報、特開平2−263813号公報)、これらの方法はい
ずれも三フッ化ホウ素系触媒の如き従来一般に知られて
いる重合触媒を対象とするもので、本発明者らの検討に
よれば充分な失活を行うことが出来ず、熱安定性の良好
な共重合体を得ることは至難である。特に重合時の重合
収率を高くすると、生成ポリマーは一層不安定なものと
なり、後工程で煩雑な安定化処理が必要となり、結局工
程の簡略化にはならず、又、その安定性にも限界があっ
て品質上望ましくない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる現
状に鑑み、触媒の失活を塩基性ガスと接触させることに
より簡単に行うことが出来、また洗浄工程も不要のシン
プルなプロセスで、しかも触媒の失活を完全に行うこと
が出来、高い重合収率としても不安定末端部が極めて少
なく、熱的にも極めて安定なポリアセタール共重合体を
製造することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく触媒の種類とこれに対応した失活法に関し
鋭意検討の結果、触媒として特にヘテロポリ酸又はその
酸性塩を用いることにより、その触媒の特徴として、重
合活性が高いにもかかわらず、ガス状失活剤と接触させ
ることにより、極めて簡単に、しかも確実に触媒の失活
を行うことが出来、上記目的を達成し得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、トリ
オキサンを主モノマーとし、コモノマーとして少なくと
も一つの炭素間結合を有する環状エーテル又は環状ホル
マールとの共重合によってポリアセタール共重合体を製
造するにあたり、重合触媒として下記一般式(1)で示
されるヘテロポリ酸又はその酸性塩を使用して共重合を
行い、次いで触媒の失活剤として塩基性ガスを生成重合
体に接触させて触媒を失活させ、次いでその粗重合体を
洗浄することなく、そのまま加熱溶融処理することを特
徴とするポリアセタール共重合体の製造方法に関するも
のである。
【0005】
【化2】
【0006】本発明の特徴は、特にヘテロポリ酸又はそ
の酸性塩を重合触媒として用いることにより、重合活性
が極めて高く、極めて少量で高重合収率が得られ、しか
もその重合後、単に塩基性ガスを接触させることによっ
て、その失活を極めて確実且つ効果的に行うことが出
来、触媒に由来する物質が残留しても全くその害がな
く、洗浄工程等を不要にし、そのまま重合体を加熱溶融
して不安定部分の極めて少ない、熱的にも極めて安定な
ポリアセタール共重合体を得ることにある。これは従来
の三フッ化ホウ素系の触媒等の場合、その失活が不充分
となり、特にガス状失活剤との接触では活性のまま残り
易く、又その失活処理後も触媒に由来する物質による分
解等の有害な作用を避け難いのに対し、格別の効果を有
するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明につき詳しく説明す
る。先ず本発明の特徴である共重合触媒のヘテロポリ酸
は、異種の酸素酸が脱水縮合して生成するポリ酸の総称
であり、中心に特定の異種元素が存在し、酸素原子を共
有して縮合酸基が縮合してできる単核又は複核の錯イオ
ンを有している。このような異核縮合酸は一般には前記
一般式(1)で表すことができる。本発明の共重合触媒
として特に有効なヘテロポリ酸は、上記の組成式中の中
心元素(M)が、P 及びSiより選ばれた一種又は二種の元
素から構成され、また、配位元素(M')がW 、Mo、V より
選ばれた一種以上の元素(特に好ましくはW,Mo) から構
成される場合である。更に(1)式におけるHxが各種金
属などに一部置き変わった形の酸性塩も本発明の触媒に
用いることができる。これらヘテロポリ酸の具体例とし
ては、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモ
リブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リン
モリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジ
ン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモ
リブドタングステン酸、ケイモリブドタングステントバ
ナジン酸などである。中でも好ましいのは、ケイモリブ
デン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、リン
タングステン酸等である。トリオキサンを主とするモノ
マーの重合触媒として使用する上記ヘテロポリ酸又はそ
の酸性塩の量は、その種類によっても異なり、又、適当
に変えて重合反応を調節することができるが、一般には
重合されるべきモノマーの総量に対し0.05〜100ppmの範
囲であり、好ましくは 0.1〜50ppm である。又、リンモ
リブデン酸、リンタングステン酸等の如き非常に強く作
用するヘテロポリ酸は、好ましくは0.1〜10ppm の使用
量で充分である。この様な少量の触媒でも共重合が可能
なことは、触媒による重合体の主鎖分解、解重合等の好
ましくない反応を僅少に留め、不安定なホルメート末端
基(-O-CH=O)、ヘミアセタール末端基(-O-CH2-OH)等の
生成を抑制するのに効果的であり、又、経済的にも有利
である。本発明において、上記の触媒は、重合に悪影響
のない不活性な溶剤で希釈してモノマーに添加し、使用
するのが反応を均一に行う上で望ましく、希釈剤として
は、ヘテロポリ酸又はその酸性塩が可溶の有機溶媒であ
るエーテル類、例えばn−ブチルエーテルなどが好まし
い希釈剤であるが、これに限定されるものではなく、後
述のモノマーや分子量調節剤等の一部又は全部にその所
定量を予め溶解した溶液として重合系に添加するのも好
ましい方法である。尚、コモノマーを触媒の希釈剤とし
て兼用する場合は、コモノマー自体が添加前に単独重合
するのを防ぐため、重合系に添加する直前まで低温に、
例えば少なくとも室温以下、好ましくは0℃以下に保つ
ことが望ましい。
【0008】本発明の主モノマーとしては、ホルムアル
デヒドの環状三量体であるトリオキサンが用いられる。
又、本発明で使用するコモノマーは少なくとも一つの隣
接炭素間結合を有する環状エーテル又は環状ホルマール
であり、従来のトリオキサンとの共重合に用いられる公
知のコモノマーが何れも使用可能である。かかる環状エ
ーテル又は環状ホルマールの代表的な例としては例え
ば、1,3 −ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマ
ール、1,4 −ブタンジオールホルマール、1,3 −ジオキ
サン、エチレンオキサイド、プロピレンオキシド、エピ
クロルヒドリン等が挙げられる。更に環状エステル、例
えばβ−プロピオラクトン及びビニル化合物、例えばス
チロール等も使用される。また、共重合体が分岐状、又
は架橋分子構造を形成するためのコモノマーとしてアル
キレン−ジグリシジルエーテル又はジホルマールの如き
2個以上の重合性環状エーテル基又は環状ホルマール基
を有する化合物を用いることも出来る。例えば、ブタン
ジオールジメチリデングリセリルエーテル、ブタンジオ
ールジグリシジルエーテル等が挙げられる。特にコモノ
マーとしては1,3 −ジオキソラン、ジエチレングリコー
ルホルマール、1,4 −ブタンジオールホルマール、エチ
レンオキシド等の環状エーテル或いは環状ホルマールが
好ましい。本発明に用いるコモノマー量はトリオキサン
に対して、0.1 〜20モル%であり、好ましくは 0.2〜10
モル%である。0.1 モル%未満では不安定末端部が増加
して安定性が悪くなり、また過大になると生成共重合体
が軟質となり融点の低下を生じて好ましくない。
【0009】尚、本発明の重合法においては、更に目的
に応じ重合度を調節するため公知の連鎖移動剤、例えば
メチラールの如き低分子量の線状アセタール等を添加す
ることも可能である。又、重合反応系は活性水素を有す
る不純物、例えば水、メタノール、ギ酸、等が実質的に
存在しない状態、例えばこれらが夫々10ppm 以下である
ことが望ましい。
【0010】本発明の重合法は、従来公知のトリオキサ
ンの共重合と同様の設備と方法で行なうことができる。
即ち、バッチ式、連続式、何れも可能であり、液体モノ
マーを用い、重合の進行とともに固体粉塊状のポリマー
を得る方法が一般的である。本発明に用いられる重合装
置としては、バッチ式では一般に用いられる攪拌機付き
の反応槽が使用でき、又、連続式としては、コニーダ
ー、2軸スクリュー式連続押出混合機、2軸パドルタイ
プの連続混合機その他、これまでに提案されているトリ
オキサン等の連続重合装置が使用可能であり、また2種
以上のタイプの重合機を組み合わせて使用することもで
きる。重合温度は、60〜120 ℃の温度範囲で行なわれ、
特に65〜100 ℃の範囲が好ましい。本発明においては、
重合後、触媒の失活処理を行うにあたり未反応モノマー
が少ない程好ましく、例えば10重量%以下、更に5重量
%以下、特に好ましくは3重量%以下である。これは本
発明が重合生成物の洗浄を行なわないことを主目的とす
るものであるため残留モノマーの多いことは好ましくな
い。未反応モノマーを低減するには一般には重合率を一
定以上に上げればよく、これは本発明の場合、使用する
触媒の量と重合時間(連続式においては滞留時間)を適
宜調節することにより容易に達成され、特に本発明の触
媒によればその活性が高いため少量の触媒量でも比較的
短時間に達成することが出来る。又、重合反応後、一部
の残存モノマーを蒸発、気化させて除去し、所定の残存
モノマー量としてもよい。
【0011】次に共重合反応を終えた粗重合体は、失活
剤としての塩基性ガスと接触させ、触媒の失活を行う。
本発明における塩基性ガス量は、触媒を中和失活させる
に充分な量であればよく、通常使用触媒量の10倍モル量
以上であることが好ましい。本発明に使用する塩基性ガ
スとしては、アンモニア又はアミン化合物が挙げられ
る。アミン化合物は、一般式R1NH2,R1R2NHおよびR1R2R3
N (式中、R1,R2,R3は炭素数4以下のアルキル基、アル
コール基)で表される化合物が好ましい。本発明は、失
活剤をガス状で生成粗重合体と接触させることを特徴と
するものであるから上記アミン化合物としては比較的低
分子量で、低沸点のものが好ましく、前記R1,R2,R3は炭
素数2以下であることが特に好ましいが、後述の如くキ
ャリアーガスで稀釈して用いることによって比較的高沸
点のアミンでもガス状で接触させることが可能である。
アミン化合物の具体例としては、例えば、メチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミ
ン、ジブチルアミン、トリブチルアミン及びこれらに対
応するアルコールアミン(例えばトリメタノールアミン
など)が挙げられる。中でもメチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミンが特に好ましい。又、上記塩基
性ガスは単独で使用してもよく、又、他のキャリアーガ
スで稀釈した混合ガスを用いて生成重合体と接触させて
もよい。キャリアーガスとしては特に限定するものでは
ないが、不活性のガスが好ましく、例えば窒素ガス、そ
の他有機ガス等であってもよい。粗重合体に対する塩基
性ガスの接触方法は、上記塩基性ガスが生成共重合粒子
と充分接触する方法であれば、特に限定されない。例え
ば、粗重合体を塩基性ガスの雰囲気下でよく攪拌混合す
る方法、或は粗共重合体の流れに対向させて塩基性ガス
を吹き込む方法、粗重合体層の粒子間を循環流通させる
方法など、何れも適用できる。
【0012】又、触媒の失活処理に際しては粗重合体が
微細な粉粒体であることが好ましく、このためには重合
反応機が塊状重合物を充分粉砕する機能を有するものが
好ましく、又、重合後の反応物を別に粉砕機を用いて粉
砕した後に塩基性ガスと接触させてもよく、更に塩基性
ガスの共存下で粉砕と攪拌を同時に行ってもよい。失活
処理における粗重合体の粒度は少なくともその90%以上
が3mm以下、好ましくは2mm以下、更に好ましくは1mm
以下の粒度であることが好ましい。失活処理温度は0〜
140 ℃であり、好ましくは20〜120 ℃である。
【0013】本発明において塩基性ガスと接触させ触媒
を失活処理した粗重合体は、次に洗浄等を行うことなく
そのまま加熱溶融処理を行う。加熱溶融処理は安定剤の
存在下で行うことが好ましい。安定剤の添加は一般に重
合後、加熱溶融処理前の任意の時期に添加混合すればよ
く、又、加熱溶融処理の途中で加えてもよい。又、加熱
溶融処理は少量(例えば 0.1〜5重量%)の水を添加し
て行うのも好ましい態様である。安定剤としては従来の
ポリアセタール樹脂の安定剤として公知の物質、例えば
各種のヒンダードフェノール系酸化防止剤等の添加が重
要であり、又、各種のチッ素含有化合物、金属の酸化物
や脂肪酸塩等を添加併用してもよい。例えば、ヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤としては、2,6 −ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノール、トリエチレングリコール
−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6 −ヘキサンジ
オール−ビス−〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、テトラキス〔3
−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕メタン、N,N'−ヘキサメチレンビス
(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシナマ
ミド)、2−t−ブチル−6−(3'−t−ブチル−5'−
メチル−2'−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニ
ルアクリレート、3,9 −ビス〔2−{(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル
オキシ}−1,1'−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ[5,5] −ウンデカン、等が例示される。
尚、これらのヒンダードフェノール系酸化防止剤は、そ
の一部又は全部を重合前のトリオキサン或いはジオキソ
ランの如きコモノマー中に予め添加して重合時に存在さ
せてもよく、これらのヒンダードフェノール系酸化防止
剤は添加量が特に過大でない限り前記重合触媒の活性に
悪影響はなく、好ましい実施態様の一つである。又、チ
ッ素含有化合物としては、ジシアンジアミド、メラミン
又はその誘導体、尿素又はその誘導体、ベンゾトリアゾ
ール系化合物、ピペリジン系化合物(ヒンダードアミ
ン)、各種ポリアミド、又はその共重合体(例えば、ナ
イロン6、12、6/12、6/66/610 、6/66/610 /
12等) が例示される。又、金属酸化物としては、アルカ
リ土類金属の酸化物が好ましく、金属脂肪酸塩として
は、高級脂肪酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩が挙
げられる。更にこの段階で必要に応じ各種の他の添加
剤、例えばガラス繊維の如き充填剤、結晶化促進剤(核
剤)、離型剤等を添加配合してもよい。
【0014】本発明における加熱溶融処理は、生成重合
体の融点以上 250℃までの温度範囲が好ましく、特に好
ましくは融点以上 230℃までの温度範囲である。 250℃
より高いと重合体の分解劣化が生じ好ましくない。加熱
処理装置については特に限定されないが、溶融した重合
体を混練する機能を有し、且つベント機能を有するもの
が必要であり、例えば、少なくとも1つのベント孔を有
する単軸又は多軸の連続押出し混練機、コニーダー等が
挙げられる。本発明はこの溶融混練処理において、更に
重合触媒の完全な失活が行なわれ、又、混入した失活剤
としての塩基性ガス或はその吸着物が粗重合体の不安定
末端部の分解脱離を促進させて、他の揮発性物質と共に
ベント部より除去され、安定なポリアセタール共重合体
のペレットを得ることが出来る。この目的のためにはベ
ント孔を減圧とし吸引することが好ましいのは当然であ
る。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものでないことは勿論である。尚、実施
例及び比較例中の用語及び測定法は次の通りである。 ・%又はppm :すべて重量で表す。 ・残存モノマー:供給全モノマーに対する残存モノマー
%を示す。 ・メルトインデックス(MI):190℃で測定したメルト
インデックス(g/10min)を示す。これは、分子量に対応
する特性値として評価した。即ちMIが低い程分子量が高
い。 ・アルカリ分解率(不安定部分の存在量):共重合物ペ
レットを粉砕し、その1gを 0.5%の水酸化アンモニウ
ムを含む50%メタノール水溶液 100mlに入れ密閉容器中
で 180℃、45分間加熱した後、液中に分解溶出したホル
ムアルデヒドの量を定量分析し、重合物に対する%で示
す。 ・加熱重量減少率:共重合物5gペレットを、空気中で
230℃、45分間加熱した場合の重量減少率を示す。 実施例1〜14、比較例1〜2 二つの円が一部重なった断面を有し、外側に熱(冷)媒
を通すジャケット付きのバレルとその内部に攪拌、推進
用の多数のパドルを付した2本の回転軸を長手方向に設
けた連続式混合反応機を用い、ジャケットに70℃の温水
を通し、2本の回転軸を一定の速度で回転させ、その一
端に、表1に示すコモノマーを 3.5%及び連鎖移動剤と
して700ppmのメチラールを含有するトリオキサンを連続
的に供給し、同時に同じところへ、表1に示すヘテロポ
リ酸触媒(ジ−n−ブチルエーテルに溶解させた溶液)
を全モノマーに対して表1に示した量で連続添加して、
共重合を行なった。次いで、この重合機吐出口より排出
された反応生成物を、更に別の装置で重合を継続した後
(一部採取して残存モノマー量を測定)、粉砕機を通し
て粉砕し(90%以上が粒径2mm以下)、表1に示した塩
基性ガスを80℃で30分間接触させた。次いで安定剤とし
てテトラキス−〔メチレン−3−(3,5 −ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
0.5%及びメラミン 0.2%を添加し、ヘンシェルミキサ
ー中で5分間攪拌混合した後、ベント付き2軸押し出し
機を用いて温度 210℃、ベント部の真空度5mmHgで溶融
混練し押し出して、ペレットを作成した。このペレット
を乾燥した後、MI測定、加熱分解率測定、加熱重量減少
率測定を行なった。結果を表1に示す。又、比較のた
め、触媒として三フッ化ホウ素ブチルエーテラートを使
用した場合等についても同様に行なった(表2)。
【0016】実施例15〜17 上記実施例において、予め酸化防止剤としてトリエチレ
ングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(全モ
ノマーに対し0.2 %)を溶解したコモノマー(1,3 −ジ
オキソラン)を用い、このコモノマーに更に表3に示す
ヘテロポリ酸触媒を溶解して(0℃)、これをトリオキ
サンに加え重合を行った(他の条件は前記実施例とほぼ
同じ)。結果を表3に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】前述の説明及び実施例にて明らかな如
く、本発明の製造方法によれば、従来の方法と比して、
洗浄工程が省略された極めて簡略化された工程で、完全
な重合触媒の失活を行なうことが出来、又、触媒に由来
する分解、変質等の支障がなく、しかも不安定部分の少
ない安定なポリアセタール共重合体が得られ、優れた品
質のポリアセタール共重合体を経済的に製造することが
出来る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリオキサンを主モノマーとし、コモノ
    マーとして少なくとも一つの炭素間結合を有する環状エ
    ーテル又は環状ホルマールとの共重合によってポリアセ
    タール共重合体を製造するにあたり、重合触媒として下
    記一般式(1)で示されるヘテロポリ酸又はその酸性塩
    を使用して共重合を行い、次いで触媒の失活剤として塩
    基性ガスを生成重合体に接触させて触媒を失活させ、次
    いでその粗重合体を洗浄することなく、そのまま加熱溶
    融処理することを特徴とするポリアセタール共重合体の
    製造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 コモノマーが、1,3 −ジオキソラン、ジ
    エチレングリコールホルマール、1,4 −ブタンジオール
    ホルマール、エチレンオキサイドから選ばれた少なくと
    も一種である請求項1記載のポリアセタール共重合体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で示されるヘテロポリ酸又
    はその酸性塩が、リンモリブデン酸、リンタングステン
    酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジ
    ン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタング
    ストバナジン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン
    酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリブドタング
    ストバナジン酸又はこれらの酸性塩から選ばれた少なく
    とも一種の化合物である請求項1又は2記載のポリアセ
    タール共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 触媒の失活剤としての塩基性ガスがアン
    モニアである請求項1〜3の何れか1項記載のポリアセ
    タール共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 触媒の失活剤としての塩基性ガスがアミ
    ン化合物である請求項1〜3の何れか1項記載のポリア
    セタール共重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 アミン化合物が、一般式R1NH2,R1R2NHお
    よびR1R2R3N (式中、R1,R2,R3は炭素数4以下のアルキ
    ル基、アルコール基)で表される化合物である請求項5
    記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 触媒の失活剤としての塩基性ガスをその
    まま、又はキャリアーガスで稀釈した混合ガスとして生
    成共重合体と接触させて触媒の失活を行う請求項1〜6
    の何れか1項記載のポリアセタール共重合体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 共重合後、残存モノマーを全供給モノマ
    ーに対し10重量%以下とした後、塩基性ガスと接触させ
    て触媒の失活を行う請求項1〜7の何れか1項記載のポ
    リアセタール共重合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 共重合後の粗重合体が、粒径3mm以下の
    粒度を少なくとも90%以上含む粉砕された状態で触媒の
    失活処理を行なう請求項1〜8の何れか1項記載のポリ
    アセタール共重合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 加熱溶融処理を安定剤の存在下で行な
    う請求項1〜9の何れか1項記載のポリアセタール共重
    合体の製造方法。
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CN115232434A (zh) * 2021-04-23 2022-10-25 旭化成株式会社 聚甲醛树脂组合物

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