JP5814414B2 - ポリアセタール共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリアセタール共重合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5814414B2
JP5814414B2 JP2014071310A JP2014071310A JP5814414B2 JP 5814414 B2 JP5814414 B2 JP 5814414B2 JP 2014071310 A JP2014071310 A JP 2014071310A JP 2014071310 A JP2014071310 A JP 2014071310A JP 5814414 B2 JP5814414 B2 JP 5814414B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyacetal copolymer
acid
sodium
polymerization
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014071310A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015193700A (ja
Inventor
弘明 中尾
弘明 中尾
栄次 増田
栄次 増田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2014071310A priority Critical patent/JP5814414B2/ja
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to CN201480073491.0A priority patent/CN105916905B/zh
Priority to EP14888543.7A priority patent/EP3109267B1/en
Priority to MYPI2016703554A priority patent/MY178264A/en
Priority to US15/119,567 priority patent/US9745400B2/en
Priority to PCT/JP2014/082631 priority patent/WO2015151343A1/ja
Priority to KR1020167017765A priority patent/KR101725930B1/ko
Publication of JP2015193700A publication Critical patent/JP2015193700A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5814414B2 publication Critical patent/JP5814414B2/ja
Priority to SA516371906A priority patent/SA516371906B1/ar
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2/00Addition polymers of aldehydes or cyclic oligomers thereof or of ketones; Addition copolymers thereof with less than 50 molar percent of other substances
    • C08G2/28Post-polymerisation treatments
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2/00Addition polymers of aldehydes or cyclic oligomers thereof or of ketones; Addition copolymers thereof with less than 50 molar percent of other substances
    • C08G2/04Polymerisation by using compounds which act upon the molecular weight, e.g. chain-transferring agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2/00Addition polymers of aldehydes or cyclic oligomers thereof or of ketones; Addition copolymers thereof with less than 50 molar percent of other substances
    • C08G2/06Catalysts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2/00Addition polymers of aldehydes or cyclic oligomers thereof or of ketones; Addition copolymers thereof with less than 50 molar percent of other substances
    • C08G2/10Polymerisation of cyclic oligomers of formaldehyde
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/24Acids; Salts thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L59/00Compositions of polyacetals; Compositions of derivatives of polyacetals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2201/00Properties
    • C08L2201/02Flame or fire retardant/resistant

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Description

本発明はポリアセタール共重合体の製造方法に関する。
従来、ポリアセタール共重合体の製造法としては、トリオキサンを主モノマーとし、少なくとも一つの炭素−炭素結合を有する環状エーテル及び/又は環状ホルマールをコモノマーとするカチオン共重合が知られている。これら共重合に用いるカチオン活性触媒としては、ルイス酸、殊にホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物、例えば三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化リン、五フッ化リン、五フッ化ヒ素及び五フッ化アンチモン、及びその錯化合物又は塩の如き化合物;プロトン酸、例えば、パークロル酸;プロトン酸のエステル、殊にパークロル酸と低級脂肪族アルコールとのエステル、例えばパークロル酸−3級ブチルエステル;プロトン酸の無水物、特にパークロル酸と低級脂肪族カルボン酸との混合無水物、例えばアセチルパークロラート、あるいは又トリメチルオキソニウムヘキサフルオルホスファート、トリフェニル−メチルヘキサフルオルアルゼナート、アセチルテトラフルオルボラート、アセチルヘキサフルオルホスファート及びアセチルヘキサフルオルアルゼナート等が提案されている。中でも三フッ化ホウ素、あるいは三フッ化ホウ素と有機化合物、例えばエーテル類との配位化合物は、トリオキサンを主モノマーとする重合触媒として最も一般的であり、工業的にも広く用いられている。
しかし、三フッ化ホウ素系化合物のような一般に使用される重合触媒では、重合後期に重合速度が急減し、短時間に100%に近い重合転化率を得ることは至難であり、極めて長時間を要して非能率的であるのみならず、重合後期には触媒が生成重合体の分解を促進する作用が相対的に優位となり、分子量の低下をきたすのみならず熱安定性等の品質も劣る結果となる。また、重合触媒の量を増加すれば全体的に重合速度が促進し、重合転化率も向上するが、生成粗重合体の品質は益々劣化し、後工程で複雑な安定化処理を要するため製造工程全体としては決して好ましい方法ではない。
そこで、重合率が比較的低い段階で触媒の失活剤を含む溶液を加えて重合を停止し、残存する未反応モノマーを洗浄して回収し精製して、再使用する手法が広く行われている。
また、重合機や触媒の供給法に改良を加え重合転化率を向上させることも複数提案されている。例えば、重合機を1〜10°傾斜することにより装置当たりの重合転化率を向上する手法(特許文献1)、重合機の排出口に堰を設ける手法(特許文献2)のほか、触媒とコモノマーを予め混合し、トリオキサンに供給する方法(特許文献3及び4)が提案されている。これらの手法は、いずれも三フッ化ホウ素系の重合触媒を用いた場合の重合転化率を向上させるのに有効である。
また、高活性かつ不揮発性の重合触媒を用いることにより重合後期で粗重合体の失活、洗浄を行わずに直接未反応モノマーを回収し、再使用を行う手法(特許文献5)も提案されている。この手法では従来一般に用いられてきた三フッ化ホウ素系では困難であった、失活前の粗重合体からの直接的なモノマーの回収を行うことができる上に、高転化率に達した段階での副反応も三フッ化ホウ素系の重合触媒に比べると起こりにくいため、非常に簡便な工程で未反応モノマーが少なく熱安定性に優れた粗重合体が得られる。
特公平05−008725号公報 国際公開第96/13534号 特開平11−255854号公報 特開平11−124422号公報 特開平09−278852号公報
しかしながら、重合率が比較的低い段階で触媒の失活剤を含む溶液を加えて重合を停止し、残存する未反応モノマーを洗浄して回収し精製して、再使用する場合、未反応モノマーは比較的低濃度の溶液として回収されるため、未反応モノマーを再使用するには、分離、精製に煩雑な工程とエネルギーを要する。一方、未反応モノマーの回収を断念すれば完全な損失となり、いずれにしても経済的に好ましくない。
また、特許文献1〜4に記載の手法では、得られる粗重合体が10重量%以上の未反応モノマーを含むものであり、実用に際しては失活及び洗浄工程を経る必要がある上に、三フッ化ホウ素系の重合触媒では高転化率に至った段階での分解等の副反応が避けられないという課題が依然として残っている。
また、特許文献5に記載の手法では、ポリアセタール共重合体の高品質化及び低コスト化に改良の余地がある。
そこで、本発明では、高品質なポリアセタール共重合体をシンプルなプロセスで経済的に製造することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、トリオキサンの重合、及びこの重合によって得られる粗ポリマーの回収について鋭意研究を重ねた結果、(ア)トリオキサンとコモノマーとを、不揮発性のプロトン酸を重合触媒として共重合し、(イ)得られたポリアセタール共重合体を回収する際、ポリアセタール共重合体を回収する回収部内の圧力をゲージ圧で0.2kPa以上に調整し、(ウ)回収部に回収したポリアセタール共重合体に塩基性化合物を添加して溶融混練処理し、不揮発性プロトン酸触媒を失活させることで、溶融混練時のポリマーの分解を抑制し、高品質のポリアセタール共重合体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明は、2本の平行して互いに同方向又は異方向に回転する軸と、各軸上に取り付けられた多数のパドルと、該パドルの外周に近接するバレルとを有し、周期的にパドルの長軸端が相手側の短軸端に近接するように構成され、軸方向の一端に設けた投入口から原料が仕込まれ、他端に設けた取出口から反応混合物及び未反応モノマーを得る連続撹拌混合機タイプの反応装置に、トリオキサン、このトリオキサンと共重合するコモノマー、及び不揮発性のプロトン酸を含む原料を供給する原料供給工程と、前記原料の重合反応を行い、反応混合物を得る重合反応工程と、前記反応混合物から未反応モノマーを気化分離させ、前記未反応モノマーを前記原料供給工程へ供給する未反応モノマー再供給工程と、前記取出口の下流に設けられ、ゲージ圧で0.2kPa以上に調整された回収部に、前記反応混合物からポリアセタール共重合体を回収するポリアセタール共重合体回収工程と、前記ポリアセタール共重合体回収工程で回収した前記ポリアセタール共重合体に塩基性化合物を添加し、溶融混練処理して前記不揮発性のプロトン酸を失活させる失活工程とを含む、ポリアセタール共重合体の製造方法である。なお、ゲージ圧とは、大気圧を圧力ゼロの基準として測った圧力のことで、絶対圧力と大気圧との差をいう。
(2)また、本発明は、前記ゲージ圧が、前記取出口、前記回収部の上流側又はこれらの近傍から不活性ガスを封入することによって調整される、(1)に記載のポリアセタール共重合体の製造方法である。
(3)また、本発明は、前記ポリアセタール共重合体回収工程で回収した前記ポリアセタール共重合体に含まれる水分が0.1重量部以下である、(1)又は(2)に記載のポリアセタール共重合体の製造方法である。
(4)また、本発明は、前記ポリアセタール共重合体回収工程で回収した前記ポリアセタール共重合体に含まれる未反応トリオキサンの含有量が1.0重量部以下である、(1)から(3)のいずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法である。
(5)また、本発明は、前記不揮発性のプロトン酸が、ヘテロポリ酸、イソポリ酸又はこれらの酸性塩から選ばれる少なくとも一種を含む、(1)から(4)のいずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法である。
(6)また、本発明は、前記不揮発性のプロトン酸が下記一般式(1)で示されるヘテロポリ酸又はその酸性塩を含む、(5)に記載のポリアセタール共重合体の製造方法である。
[M・M’]・yHO ・・・(1)
〔一般式(1)において、MはP及び/又はSiから選ばれる中心元素を示し、M’はW、Mo、Vより選ばれる一種以上の配位元素を示す。lは10〜100であり、mは1〜
10であり、nは6〜40であり、xは1以上であり、yは0〜50である。〕
(7)また、本発明は、前記ヘテロポリ酸又はその酸性塩が、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングストバナジン酸又はこれらの酸性塩から選ばれる少なとも一種の化合物を含む、(5)又は(6)に記載のポリアセタール共重合体の製造方法である。
(8)また、本発明は、前記不揮発性のプロトン酸が下記一般式(2)又は(3)で示されるイソポリ酸又はその酸性塩を含む、(5)に記載のポリアセタール共重合体の製造方法である。
xM O・pM ・yHO ・・・(2)
xM O・pMVI ・yHO ・・・(3)
〔一般式(2)及び(3)において、Mは水素であるが、一部が金属で置換されていてもよい。Mは周期律表V族のV、Nb、Taより選ばれる一種以上の元素を示す。MVIは周期律表VI族のCr、Mo、W、Uより選ばれる一種以上の元素を示す。p及びxは1以上であり、yは0〜50である。〕
(9)また、本発明は、前記イソポリ酸又はその酸性塩が、パラタングステン酸、メタタングステン酸、パラモリブデン酸、メタモリブデン酸、パラバナジウム酸、メタバナジウム酸又はこれらの酸性塩から選ばれる少なとも一種の化合物を含む、(5)又は(8)に記載のポリアセタール共重合体の製造方法である。
(10)また、本発明は、前記コモノマーが、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、エチレンオキシドから選ばれる少なくとも一種を含む、(1)から(9)のいずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法である。
(11)また、本発明は、前記塩基性化合物が、アミノ基又は置換アミノ基を有するトリアジン環含有化合物、アルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素の炭酸塩、炭酸水素塩若しくはカルボン酸塩又はその水和物から選択される少なくとも一種を含む、(1)から(10)のいずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法である。
(12)また、本発明は、前記アルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素の炭酸塩、炭酸水素塩若しくはカルボン酸塩又はその水和物が、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム又はステアリン酸カルシウムから選択される少なくとも一種を含む、(11)に記載のポリアセタール共重合体の製造方法である。
(13)また、本発明は、前記失活工程で前記不揮発性のプロトン酸を失活させた後の前記ポリアセタール共重合体が、190℃、荷重2160gで測定したときの前記ポリアセタール共重合体のメルトインデックスが10g/10min以下であり、前記ポリアセタール共重合体から発生するホルムアルデヒド量が100ppm以下であり、色差計を使用したときの前記ポリアセタール共重合体のb値が2.0以下の共重合体である、(1)から(12)のいずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法である。
本発明によれば、高品質なポリアセタール共重合体をシンプルなプロセスで経済的に製造できる。
ポリアセタール共重合体製造装置1を説明するための概略図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本発明の製造方法は、(S1)原料供給工程と、(S2)重合反応工程と、(S3)未反応モノマー再供給工程と、(S4)ポリアセタール共重合体回収工程と、(S5)失活工程とを含む。
<ポリアセタール共重合体製造装置1>
工程(S1)〜(S5)を説明するにあたり、まずは、図1を参照しながらポリアセタール共重合体製造装置1の概略構成について説明する。図1は、ポリアセタール共重合体製造装置1を説明するための概略図である。ポリアセタール共重合体製造装置1は、原料を投入する投入口2と、不揮発性のプロトン酸を重合触媒として原料の重合反応を行い、反応混合物を得る混合部3と、反応混合物から未反応モノマーを気化分離する気化分離部4と、混合部3の他端に設けられ、反応混合物から粗ポリアセタール共重合体を取り出す取出口5と、この取出口5の下流に設けられ、粗ポリアセタール共重合体を回収する粗ポリアセタール共重合体回収部6と、粗ポリアセタール共重合体回収部6で回収した粗ポリアセタール共重合体に塩基性化合物を添加し、溶融混練処理して不揮発性のプロトン酸を失活させる溶融混練部7とを備える。
〔混合部3〕
混合部3は、2本の平行して互いに同方向又は異方向に回転する軸と、各軸上に取り付けられた多数のパドルと、該パドルの外周に近接するバレルとを有し、周期的にパドルの長軸端が相手側の短軸端に近接するように構成され、軸方向の一端に設けた投入口2から原料が仕込まれ、他端に設けた複数の取出口から反応混合物及び未反応モノマーを得る連続撹拌混合機である。
混合部3は温度調節用のジャケットを有しており、液体又は気体を流して温度を調整することができる。ジャケットは軸方向に複数備え、それぞれ温度調節できるものでもよい。
また、連続撹拌混合機は必要に応じ、出口側を持ち上げて、水平方向に対して一定の傾斜を有した状態で反応を行ってもよい。
なお、パドルの先端とバレル内面との間のクリアランスは、パドルの外接円の直径の2%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。
また、パドルの回転速度は特に限定されるものでないが、パドルの先端の回転周速度は1.5m/秒以下であることが好ましい。
また、2本の回転軸の回転方向は共に同じ方向であってもよいし、互いに異なる方向であってもよい。
ところで、必須の態様ではないが、粗ポリアセタール共重合体は、細かな粉粒体であることが好ましい。具体的には、目開きが11.2mmである篩いを用いて粗ポリアセタール共重合体を篩分したときの篩下の割合が90重量部以上であることが好ましく、目開きが4.0mmである篩いを用いて粗ポリアセタール共重合体を篩分したときの篩下の割合が90重量部以上であることがより好ましく、目開きが2.0mmである篩いを用いて粗ポリアセタール共重合体を篩分したときの篩下の割合が90重量部以上であることがさらに好ましい。そのため、混合部3は、塊状重合物を十分粉砕する機能を有することが好ましいが、混合部3とは別の粉砕機を用いて重合後の反応物を粉砕するようにしてもよい。
粗ポリアセタール共重合体の粒径が大きすぎると、粗ポリアセタール共重合体に塩基性化合物を加え、重合触媒を失活させるとともに、粗ポリアセタール共重合体の不安定末端を安定化したとしても、安定化ポリアセタール共重合体の熱安定性、ホルムアルデヒド放出量及びメルトインデックスが不十分になり得る。また、安定化ポリアセタール共重合体ペレットの色相においても、b値が高い値となり得る。
〔粗ポリアセタール共重合体回収部6〕
粗ポリアセタール共重合体回収部6は、取出口5の下流に設けられ、ゲージ圧で0.2kPa以上に調整されている。粗ポリアセタール共重合体回収部6を構成する回収容器の材質及び形状は特に限定されるものでなく、例えば、金属製のタンクが挙げられる。また、回収容器は、粗ポリアセタール共重合体から発生するホルムアルデヒド等の発生ガス成分を除去する脱気ラインの設備が併設されていることが好ましい。
粗ポリアセタール共重合体回収部6において、回収容器内がゲージ圧で0.2kPa以上に調整されている。ゲージ圧は、0.2kPa以上であればよいが、0.5kPa以上であることが好ましい。ゲージ圧が0.2kPa未満であると、回収容器内に外気や水分が混入し、回収容器内で粗ポリアセタール共重合体が分解することのほか、溶融混練部7において、酸素の存在によるポリアセタール共重合体の酸化分解、水分によるポリアセタール共重合体の酸分解が起こりやすく、結果として、高品質なポリアセタール共重合体を得られない可能性があるため、好ましくない。
回収容器内のゲージ圧は、取出口5、回収容器の上流側、又はこれらの近傍から不活性ガスを封入することによって調整されることが好ましい。また、回収容器内は、不活性ガスにより常時加圧の状態に保たれ、外気の混入を防ぎ、粗ポリアセタール樹脂の吸湿を抑制する状態にあることがより好ましい。
回収容器に収容される粗ポリアセタール樹脂は、不揮発性のプロトン酸触媒を含んでいるため、これが完全に失活化されるまでは非常に不安定であり、わずかな水分の混入によっても粗ポリアセタール樹脂の分解を促進することになる。特に、回収容器の内部に水分が混入することは好ましくなく、混合部3(重合反応装置)の取出口5、粗ポリマーの回収容器、及び取出口5から回収容器に至るまでの配管について、不活性ガスの存在下で管理されることが好ましい。不活性ガスの導入は、回収容器内へ直接導入しても、あるいは容器の上流側の配管や重合装置の排出部又はその近傍から供給することも可能である。
不活性ガスの種類は特に限定されるものでないが、窒素やアルゴンが一般的であり、特に窒素が好ましく用いられる。脱気ラインの設備を併設した場合、回収容器の内部が減圧されやすいため、圧力計を用いて回収容器の内部の圧力を随時確かめることが好ましい。
<(S1)原料供給工程>
続いて、(S1)原料供給工程について説明する。原料供給工程は、上記のポリアセタール共重合体製造装置1に、トリオキサン、このトリオキサンと共重合するコモノマー、及び不揮発性のプロトン酸を含む原料を供給する工程である。なお、理解を容易にするため、図1では、全ての原料の混合物が投入口2に投入されるように記載されているが、この態様に限るものでなく、最終的に全ての原料が投入口2に投入されれば足りる。
〔主モノマー〕
主モノマーとして、トリオキサン(1,3,5−トリオキサン)が使用される。トリオキサンは、3分子のホルムアルデヒドが酸の作用で結合することによって得られる。
〔コモノマー〕
コモノマーとしては、少なくとも一つの炭素−炭素結合を有する環状エーテル及び環状ホルマールから選ばれる化合物が使用される。コモノマーとして使用する化合物の代表的な例としては、例えば、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,3−ジオキサン、エチレンオキサイド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン等が挙げられる。中でも、重合の安定性から考慮して、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,3−ジオキサン、エチレンオキシド等が好ましい。さらに、環状エステル、例えばβ−プロピオラクトンや、ビニル化合物、例えばスチレン等も使用できる。また、コモノマーとして、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルの如き、置換基単位を有する単官能の環状エーテルや環状ホルマールを用いることも可能である。さらに、コモノマーとして、アルキレングリコールのジグリシジルエーテルやジホルマールの如き2個の重合性環状エーテル基又は環状ホルマール基を有する化合物、例えば、ブタンジオールジメチリデングリセリルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル等や、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等の如き3個以上の重合性環状エーテル基又は環状ホルマール基を有する化合物を用いることもできる。これによって分岐構造や架橋構造が形成されたポリアセタール共重合体も本発明の対象である。
本発明において、コモノマーとして用いる環状エーテル及び環状ホルマールから選ばれる化合物の量は、全モノマー(主モノマーであるトリオキサンとコモノマーの合計量)中の割合として0.1〜20モル%であり、好ましくは0.2〜10モル%である。0.1モル%未満では、重合によって生成する粗ポリアセタール共重合体の不安定末端部が増加して安定性が悪くなり、またコモノマー量が過大になると生成共重合体が軟質となり融点の低下を生じて好ましくない。
本発明において、上記の主モノマーとコモノマーを重合してポリアセタール共重合体を
調製するにあたり、重合度を調節するため公知の連鎖移動剤、例えばメチラールの如き低
分子量の線状アセタール等を添加することも可能である。
また、重合反応は活性水素を有する不純物、例えば水、メタノール、ギ酸等が実質的に
存在しない状態、例えばこれらがそれぞれ10ppm以下の状態で行うのが望ましく、このためには、これらの不純物成分を極力含まないように調製されたトリオキサン、環状エーテル及び/又は環状ホルマールを、主モノマーやコモノマーとして使用するのが望ましい。
〔不揮発性のプロトン酸〕
本発明において、不揮発性のプロトン酸は重合触媒として機能する。本発明では、三フッ化ホウ素系触媒でなく、不揮発性のプロトン酸を重合触媒として用いているため、三フッ化ホウ素系触媒を重合触媒とした場合に比べ、重合転化率を高めることができる。
不揮発性のプロトン酸の例として、ヘテロポリ酸、イソポリ酸又はこれらの酸性塩から選ばれる少なくとも一種を含む化合物が挙げられる。ヘテロポリ酸とは、異種の酸素酸が脱水縮合して生成するポリ酸をいい、中心に特定の異種元素が存在し、酸素原子を共有して縮合酸基が縮合してできる単核又は複核の錯イオンを有する。イソポリ酸とは、イソ多重酸、同核縮合酸、同種多重酸とも称され、V価又はVI価の単一種類の金属を有する無機酸素酸の縮合体から成る高分子量の無機酸素酸をいう。
[ヘテロポリ酸又はその酸性塩]
まず、ヘテロポリ酸又はその酸性塩について詳しく説明する。ヘテロポリ酸又はその酸性塩は、一般式(1)で表すことができる。
[M・M’]・yHO ・・・(1)
本発明の重合触媒として特に有効なヘテロポリ酸は、上記の組成式中の中心元素MがP及び/又はSiから選ばれた少なくとも一種の元素であり、配位元素M’がW、Mo、Vより選ばれる一種以上の元素である場合である。重合活性の観点から、配位元素M’はW又はMoであることがより好ましい。また、一般式(1)において、lは10〜100であり、mは1〜10であり、nは6〜40であり、xは1以上であり、yは0〜50である。
また、一般式(1)におけるHが各種金属等に置換された酸性塩も本発明の触媒として用いることができる。
ヘテロポリ酸の具体例として、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングステントバナジン酸等が挙げられる。特に、重合活性の観点から、ヘテロポリ酸は、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステン酸から選択されることが好ましい。
また、ヘテロポリ酸は、一般にα0型、βII型、βIV型が知られているが、重合活性の点でα0型、βIV型が好ましく、α0型が特に好ましい。
[イソポリ酸又はその酸性塩]
続いて、イソポリ酸又はその酸性塩について詳しく説明する。イソポリ酸又はその酸性塩は、一般式(2)又は一般式(3)で表すことができる。
xM O・pM ・yHO ・・・(2)
xM O・pMVI ・yHO ・・・(3)
一般式(2)及び(3)において、Mは水素であるが、一部が金属で置換されていてもよい。Mは周期律表V族のV、Nb、Taより選ばれる一種以上の元素を示す。MVIは周期律表VI族のCr、Mo、W、Uより選ばれる一種以上の元素を示す。p及びxは1以上であり、yは0〜50である。
イソポリ酸は、イソポリ酸塩溶液をイオン交換樹脂で処理する方法のほか、イソポリ酸塩の濃縮溶液に鉱酸を加えてエーテル抽出する方法等、各種の方法により調製される。なお、本発明では、イソポリ酸に限らず、イソポリ酸の酸性塩も重合触媒として用いることができる。イソポリ酸塩は上記一般式(2)、(3)のいずれであってもよいが、重合活性の観点から、一般式(3)のイソポリ酸又はその酸性塩であることが好ましい。
好適なイソポリ酸の具体例として、パラタングステン酸、メタタングステン酸等に例示されるイソポリタングステン酸、パラモリブデン酸、メタモリブデン酸等に例示されるイソポリモリブデン酸、メタポリバナジウム酸、イソポリバナジウム酸等が挙げられる。中でも、重合活性の観点から、イソポリタングステン酸であることが好ましい。
[溶剤]
重合反応を均一に行うため、不揮発性のプロトン酸は、重合に悪影響のない不活性な溶剤で希釈して、トリオキサン及び/又はコモノマーに添加して使用することが好ましい。不活性な溶媒として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の炭素数1〜10の低分子量カルボン酸と、メタノール、エタノール、1−プロバノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−へキサノール等の炭素数1〜10の低分子量のアルコールが縮合して得られるエステル;アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−へキサノン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケトン等の炭素数1〜10の低分子量のケトン類が好ましく挙げられるが、これらに限定されるものではない。工業的な入手しやすさ等も勘案すると、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、2−ブタノン、メチルイソブチルケトン等が最も好適である。重合触媒は、上記不活性溶媒に、好適には濃度1〜30重量/重量%で溶解されるが、これに限定されるものではない。また、トリオキサン、コモノマー、分子量調節剤等のいずれか一種又は複数種の一部量又は全量に、不揮発性のプロトン酸の所定量を予め混合し、この溶液を重合系に添加して重合を行う方法も好ましい。
重合触媒の量は特に限定されるものでないが、全モノマーの合計に対して0.1ppm以上50ppm以下であることが好ましく、0.1ppm以上10ppm以下であることがより好ましい。
重合触媒の量が少なすぎると、粗ポリアセタール共重合体に含まれる未反応トリオキサンの含有量が1.0重量部を超え、高い重合収率が得られるとはいえない点で好ましくない。また、粗ポリアセタール共重合体に含まれる未反応トリオキサンの含有量が1.0重量部を超える場合、粗ポリアセタール共重合体の不安定末端を安定化したとしても、安定化ポリアセタール共重合体の熱安定性、ホルムアルデヒド放出量及びメルトインデックスが十分でないため、好ましくない。また、安定化ポリアセタール共重合体ペレットの色相においても、b値が高い値となる。
一方、重合触媒(c)の量が多すぎると、分解反応が進行する可能性があるため、好ましくない。
<(S2)重合反応工程>
続いて、(S2)重合反応工程について説明する。(S2)重合反応工程は、原料の重合反応を行い、反応混合物を得る工程である。
重合方法は特に限定されるものではないが、例えば、特開平11−302349号公報に記載の手法が好適である。この手法では、トリオキサン、コモノマー及び不揮発性のプロトン酸を、予め液相状態を保ちつつ十分に混合し、得られた反応原料混合液を重合装置1に供給して共重合反応を行う。この手法により、触媒としての不揮発性のプロトン酸の量を抑えることができ、結果としてホルムアルデヒド放出量のより少ないポリアセタール共重合体を得るのに有利となる。
ここで、重合環境温度とは、モノマー又はポリマーの周辺温度のことであり、本発明の反応装置ではバレル等の温度に相当する。重合初期では、重合初期の発生重合熱によるモノマーの蒸発を抑制するため、重合環境温度を抑えることが好ましい。重合初期に一旦蒸発気化したモノマーは重合性が低いため、反応装置内での高い重合転化率を達成するためには、モノマーの蒸発は抑制する必要がある。よって、転化率が50%になるまでの重合初期の重合環境温度は、100℃以下に規定することが好ましい。
その後の重合環境温度は、80℃以上140℃以下の温度範囲に保つことが好ましく、100℃以上140℃以下の温度範囲に保つことがより好ましく、115℃以上140℃以下の温度範囲に保つことがさらに好ましい。重合環境温度が低すぎると、粗ポリアセタール共重合体に含まれる未反応トリオキサンの含有量が1.0重量部を超え、高い重合収率を得ることができない。また、粗ポリアセタール共重合体の水分が0.1重量部を超え、回収容器内に水分が混入することから、回収容器内で粗ポリアセタール共重合体が分解することのほか、溶融混練部7において、酸素の存在によるポリアセタール共重合体の酸化分解、水分によるポリアセタール共重合体の酸分解が起こりやすく、結果として、高品質なポリアセタール共重合体を得られない。
また、重合温度が高すぎると、分解反応が進行する可能性がある点で好ましくない。
本発明において、上記の主モノマー(a)とコモノマー(b)とを重合してポリアセタール共重合体を調製するにあたり、重合度を調節するため公知の連鎖移動剤、例えばメチラールの如き低分子量の線状アセタール等を添加することも可能である。
また、重合反応は活性水素を有する不純物、例えば水、メタノール、ギ酸等が実質的に存在しない状態、例えばこれらがそれぞれ10ppm以下の状態で行うのが望ましく、このためには、これらの不純物成分を極力含まないように調製されたトリオキサン、環状エーテル及び/又は環状ホルマールを、主モノマーやコモノマーとして使用するのが望ましい。
<(S3)未反応モノマー再供給工程>
(S3)未反応モノマー気化分離工程は、反応混合物から未反応モノマーを気化分離させ、ポリアセタール共重合体製造装置1に再度供給する工程である。
〔未反応モノマーの気化分離〕
未反応モノマーを気化分離させる際の環境温度は特に限定されるものでないが、115℃以上140℃未満であることが好ましい。環境温度が低すぎると、モノマーの回収が不十分となることで、反応装置から回収及び再供給されるモノマーが減少し、結果として反応装置に新たに供給されるモノマーに対するポリアセタール共重合体の重量比が低くなり、結果として、製造工程が非効率となり、経済性に劣る。加えて、得られたポリアセタール共重合体中の残存モノマー量が過大となり経済性、品質に劣る。環境温度が高すぎると、分解反応の進行により、効率的にポリアセタール共重合体を得ることが困難となる。
本明細書において、環境温度とは、反応混合物の周辺温度のことである。バレルを有する反応機の後部をこの工程に適用する場合は、バレルの温度も環境温度となる。
気化分離の手法は特に限定されるものでないが、重合触媒である不揮発性のプロトン酸の活性が非常に高く、短時間で高転化率が得られること、さらには工程の簡略性の観点から、気化分離部4において、減圧、吸引或は不活性ガス気流の流通機構を設けて未反応モノマーの気化分離を行うことが好ましい。
ただし、必要に応じて二段以上の重合装置を用いて、前段の重合装置で所定の重合率迄重合を行い、その後、後段の装置に移してさらに重合反応を継続すると同時に未反応モノマーを気化して分離する方法、触媒失活剤の存在下で触媒の失活と同時に未反応モノマーの気化除去を併行して行う方法等、いずれも可能でありまたこれ以外の各種組合せによる実施態様を採用してもよい。
〔未反応モノマーのポリアセタール共重合体製造装置1への再供給〕
続いて、反応混合物から気化分離することによって得られた未反応モノマーをポリアセタール共重合体製造装置1に再度供給する。
従来の方法では重合反応の後期において未反応であったモノマーはその後の触媒失活及び洗浄工程にて粗重合体から除去され、低濃度溶液として分離捕集されるため、再度重合系に供給されるまでには濃縮、精製に多量のエネルギーを要し、また、未反応モノマーの回収を断念すれば完全な損失となり、いずれにしても重合反応における損失となることは避けられない。
一方、本発明では、触媒失活や洗浄等の工程を経ることなく、未反応モノマーが除去される。そのため、未反応モノマーに溶剤等が含まれていないため、極めて簡単な精製処理を行うだけでポリアセタール共重合体製造装置1に再度供給できる。そのため、未反応モノマーが重合損失とはならない。すなわち、重合機に供給される全モノマーCは、新たに供給されるモノマーAに加え、重合機から回収、直接再供給されるモノマーBからなる(C=A+B)。そのため、新たに供給されるモノマーに対し、得られる粗重合体の割合が非常に高くなるという利点を有する。
<(S4)ポリアセタール共重合体回収工程>
(S4)ポリアセタール共重合体回収工程は、取出口5の下流に設けられ、ゲージ圧で0.2kPa以上に調整された粗ポリアセタール共重合体回収部6に、前記反応混合物からポリアセタール共重合体を回収する工程である。
粗ポリアセタール共重合体回収部6の内部は、ゲージ圧で0.2kPa以上に調整されている。ゲージ圧は、0.2kPa以上であればよいが、0.5kPa以上であることが好ましい。ゲージ圧が0.2kPa未満であると、回収容器内に外気や水分が混入し、回収容器内で粗ポリアセタール共重合体が分解することのほか、溶融混練部7において、酸素の存在によるポリアセタール共重合体の酸化分解、水分によるポリアセタール共重合体の酸分解が起こりやすく、結果として、高品質なポリアセタール共重合体を得られない可能性があるため、好ましくない。
回収容器内のゲージ圧は、取出口5、回収容器の上流側、又はこれらの近傍から不活性ガスを封入することによって調整されることが好ましい。また、回収容器内は、不活性ガスにより常時加圧の状態に保たれ、外気の混入を防ぎ、粗ポリアセタール樹脂の吸湿を抑制する状態にあることがより好ましい。
回収容器に収容される粗ポリアセタール樹脂は、不揮発性のプロトン酸触媒を含んでいるため、これが完全に失活化されるまでは非常に不安定であり、わずかな水分の混入によっても粗ポリアセタール樹脂の分解を促進することになる。特に、回収容器の内部に水分が混入することは好ましくなく、混合部3(重合反応装置)の取出口5、粗ポリマーの回収容器、及び取出口5から回収容器に至るまでの配管について、不活性ガスの存在下で管理されることが好ましい。不活性ガスの導入は、回収容器内へ直接導入しても、あるいは容器の上流側の配管や重合装置の排出部又はその近傍から供給することも可能である。
不活性ガスの種類は特に限定されるものでないが、窒素やアルゴンが一般的であり、特に窒素が好ましく用いられる。脱気ラインの設備を併設した場合、回収容器の内部が減圧されやすいため、圧力計を用いて回収容器の内部の圧力を随時確かめることが好ましい。
回収容器に収容される粗ポリアセタール樹脂の水分は、0.1重量部以下に保たれていることが好ましく、0.05重量部以下に保たれていることがより好ましい。水分が0.1重量部を超えると、粗ポリアセタール樹脂の分解が誘発されやすくなり、さらに、(S5)失活工程で高品質なポリアセタール共重合体が得られないため、好ましくない。
水分を評価する手法として、回収容器のタンクに備えるマンホールの取りだし口等から粗ポリアセタール樹脂をサンプリングし、極力外気に触れないよう水分測定器へ持ち込み、測定することが挙げられる。水分測定器の例として、加熱気化設備を備えた水分計が挙げられる。
<(S5)失活工程>
続いて、(S5)失活工程について説明する。ポリアセタール共重合体回収工程で回収したポリアセタール共重合体に塩基性化合物を添加し、溶融混練処理して不揮発性のプロトン酸を失活させる工程である。
〔塩基性化合物〕
塩基性化合物の種類は、特に限定されるものでないが、粗ポリアセタール共重合体(d2)を洗浄することなく、粗ポリアセタール共重合体に対して塩基性化合物をそのまま添加し、重合触媒の失活及び粗ポリアセタール共重合体の不安定末端の安定化に供することができる点で、塩基性化合物は、アミノ基又は置換アミノ基を有するトリアジン環含有化合物、アルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素の炭酸塩、炭酸水素塩若しくはカルボン酸塩又はその水和物から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。そして、アルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素の炭酸塩、炭酸水素塩若しくはカルボン酸塩又はその水和物は、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム又はステアリン酸カルシウムから選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
上記アミノ基又は置換アミノ基を有するトリアジン環含有化合物として、好ましくはメラミン、メラミン樹脂、CTUグアナミン(3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−卜リアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)、CMTUグアナミン(3,9−ビス[1−(3,5−ジアミノ−2,4,6−卜リアザフェニル)メチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)等が挙げられる。
また、塩基性化合物は、アルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素の炭酸塩、炭酸水素塩、脂肪族カルボン酸塩、不飽和脂肪族カルボン酸塩又は芳香族カルボン酸塩又はその水和物のいずれかであることが好ましい。具体的には、炭酸リチウム、無水炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム一水和物、炭酸ナトリウム十水和物、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、ギ酸リチウム一水和物、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸ルビジウム、ギ酸セシウム、ギ酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、ギ酸バリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸ナトリウム三水和物、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム一水和物、酢酸マグネシウム四水和物、酢酸バリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、パルミチン酸リチウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸マグネシム、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、乳酸リチウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、シュウ酸リチウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム一水和物、コハク酸リチウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、コハク酸二ナトリウム六水和物、コハク酸ニカリウム、アジピン酸二ナトリウム、アジピン酸ニカリウム、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カリウム、乳酸リチウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、リンゴ酸二ナトリウム1/2水和物、リンゴ酸二ナトリウム三水和物、酒石酸ニリチウム一水和物、酒石酸二ナトリウムニ水和物、酒石酸水素カリウム、酒石酸ニカリウム、酒石酸カリウムナトリウム四水和物、酒石酸ナトリウムルビジウム、クエン酸リチウム四水和物、クエン酸一ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三ナトリウムニ水和物、アスパラギン酸ナトリウム一水和物、グルタミン酸二ナトリウム一水和物、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フマル酸一ナトリウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、フタル酸水素カリウム、サリチル酸リチウム一水和物、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
工業的な入手しやすさ等も勘案すると、塩基性化合物は、炭酸リチウム、無水炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム一水和物、炭酸ナトリウム十水和物、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ギ酸リチウム一水和物、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、ギ酸バリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸ナトリウム三水和物、酢酸カリウム、酢酸カルシウム一水和物、酢酸マグネシウム四水和物、酢酸バリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ酸カルシウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、コハク酸二ナトリウム六水和物、コハク酸ニカリウム、クエン酸リチウム四水和物、クエン酸一ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三ナトリウムニ水和物、アスパラギン酸ナトリウム一水和物、グルタミン酸二ナトリウム、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フマル酸一ナトリウム、安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、フタル酸水素カリウム、サリチル酸リチウム一水和物、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウムであることが好ましい。
さらに、重合触媒を失活させた後のポリアセタール共重合体の色相を考慮すると、塩基性化合物は、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、無水炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム一水和物、炭酸ナトリウム十水和物、炭酸水素ナトリウム、コハク酸二ナトリウム六水和物、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等であることがより好ましい。
本発明において、塩基性化合物は、一種類であってもよいし、複数を組み合わせて使用してもよく、それらの混合物や複塩等の状態であっても構わない。複塩の例としては、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムとから成るセスキ炭酸ナトリウムを挙げることができる。
塩基性化合物の含有量は特に制限されるものではないが、(ア)ポリマー中に残存する触媒量、(イ)重合の諸条件によって生じる不安定末端基の種類や量、(ウ)塩基性化合物の活性の程度や処理条件(温度、時間、接触速度等)等に応じて適宜変えることが好ましい。具体的に、塩基性化合物の含有量は、ごく少量であることが好ましく、共重合反応によって得られる粗ポリアセタール共重合体1kgに対し、0.002〜700ミリ当量であることが好ましい。
塩基性化合物の含有量を粗ポリアセタール共重合体1kgに対し1.0ミリ当量以下にすることで、重合触媒失活後のポリアセタール共重合体のb値を2.0以下にすることができる。
塩基性化合物の量が過剰であると、重合触媒を失活させた後のポリアセタール共重合体の色相が劣る可能性があり、過少であると、失活の効率若しくは不安定末端部の安定化を十分に達成できない可能性がある点で好ましくない。
上記のとおり塩基性化合物を添加することでごく少量の塩基性化合物を全体に均一に分散でき、その結果、色差計を使用して測定した、重合触媒失活後のポリアセタール共重合体のb値を2.0以下にすることができる。なお、本明細書におけるb値は、色差計SE−2000(日本電色工業社製)を用いて、ペレット測定用のセル(丸セル)にペレットを所定量入れ、試料台に置き、カバーを被せ、測定したときに表示される値である。
[粗ポリアセタール共重合体と塩基性化合物との溶融混練]
溶融混練処理装置については特に限定されないが、溶融した共重合体を混練する機能を有し、好ましくはベント機能を有するものであり、例えば、少なくとも1つのベント孔を有する単軸又は多軸の連続押出し混練機、コニーダー等が挙げられる。本発明はこの溶融混練処理において、重合触媒の完全な失活及び不安定末端部の低減安定化が行なわれる。
溶融混練処理は、共重合体の融点以上260℃までの温度範囲が好ましい。260℃より高いと、重合体の分解劣化が生じ好ましくない。
本発明において、上記の溶融混練処理は酸化防止剤の存在下で行うことが好ましい。酸化防止剤としては、従来のポリアセタール樹脂の安定剤として公知の物質、例えば各種のヒンダードフェノール系酸化防止剤等が用いられる。例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−へキサンジオール−ビス−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシナマミド)、2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、3,9−ビス〔2−{(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1’−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン等が例示される。尚、これらのヒンダードフェノール系酸化防止剤は、その一部又は全部を重合前の主モノマー又はコモノマー中に予め添加して重合させてもよく、これらのヒンダードフェノール系酸化防止剤は添加量が特に過大でない限り重合触媒の活性に悪影響はなく、好ましい実施態様の一つである。
さらに、この段階で必要に応じ、各種のポリアセタール樹脂の安定剤として公知の物質を添加しても何ら差し支えない。さらに、例えばガラス繊維の如き無機充填剤、結晶化促進剤(核剤)、離型剤、抗酸化剤等を添加してもよい。
上記のように、粗共重合体に失活・安定化処理剤として塩基性化合物を添加し、溶融混練処理した後、通常、分解して生じたホルムアルデヒドガス、未反応モノマー、オリゴマー、失活・安定化剤等が押出機のベント部より減圧下で除去され、ペレット等に成形されて樹脂加工用の製品となる。ペレットは必要に応じて乾燥される。乾燥する場合、例えば、135℃、4時間程度乾燥させる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
Figure 0005814414
Figure 0005814414
表1及び表2における略称ないし符号は次のとおりである。
(コモノマー)
DOXO:1,3−ジオキソラン
DOXP:1,3−ジオキセパン
(重合触媒)
HPA:リンモリブデン酸(不揮発性のプロトン酸)
IPA:パラタングステン酸(不揮発性のプロトン酸)
BF:三フッ化ホウ素(ジブチルエーテル錯体)(従来公知の重合触媒)
(塩基性化合物)
A:メラミン
B:炭酸ナトリウム
C:ステアリン酸ナトリウム
<実施例及び比較例>
図1に示す混合部3は、その内部に撹拌、推進用の多数のバドルを付した2本の回転軸が長手方向に設けられている。混合部3のジャケットに熱媒を通し、115℃以上140℃以下の環境温度にて2本の回転軸を一定の速度で回転させながら、投入口2より、表1に示すコモノマーを3.0重量%、分子量調整剤としてメチラール1000ppmを含有するトリオキサン96.2重量%と、表1及び表2に示すコモノマー3.8重量%とを含有する混合液を連続的に供給するとともに、上記混合液に、重合触媒として、表1及び表2に示すヘテロポリ酸を0.3重量%含むギ酸メチル溶液を、全モノマーに対して表1に示した量で連続添加して共重合を行った。表1及び表2において、重合触媒の添加量は全モノマーの合計に対する重量比率(単位:ppm)である。
そして、気化分離部4より未反応モノマーを気化させて反応系より分離除去し、凝集器(図示せず)に導いて捕集し、新たに供給されるモノマーとともに投入口2より反応装置1に再度供給するとともに、共重合による反応生成物(粗ポリアセタール共重合体)を、目開きが11.2mmである篩いに通し、篩いを通過した粗ポリアセタール共重合体を取出口5から取り出した。そして、取出口5から取り出された粗ポリアセタール共重合体を、取出口5の下流にある粗ポリアセタール共重合体回収部6で回収した。
実施例1〜8においては、粗ポリアセタール共重合体回収部6の上流側にあるバルブから不活性ガスとして窒素を導入し、回収容器内の圧力が表1に示すゲージ圧となるようにコントロールした。一方、比較例1及び4においては、大気圧とほぼ同程度の窒素をフローするに留め、また比較例2,3及び5においては、回収容器に対して窒素を供給せず、排気ダクトの吸気により系内を減圧状態で運転した。
続いて、粗ポリアセタール共重合体回収部6で回収した粗ポリアセタール共重合体に含まれる触媒を失活させるため、表1及び表2に示した塩基性化合物を添加した。表1及び表2において、失活剤量は全モノマーの合計に対する重量比率(単位:ppm)である。
次いで、酸化防止剤としてとしてトリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェール)プロピオネート〕0.3重量%を添加し、ベント付き2軸押出機を用いて温度220℃、ベント部の真空度5mmHgで溶融混練して押し出し、実施例及び比較例に係るポリアセタール共重合体のペレットを調製した。
<評価>
実施例及び比較例の各々について、回収容器に回収された粗ポリアセタール共重合体の水分量と、トリオキサン量と、粗ポリアセタール共重合体の粒子群に含まれる粒径が11.2mm以下の粒子群の割合とを測定した。また、粗ポリアセタール共重合体に含まれる触媒を失活させ、失活後のポリアセタール共重合体を2軸押出機で溶融混練して押し出すことによって得られるポリアセタール共重合体のペレットを135℃、4時間の条件で乾燥し、その後、メルトインデックス(MI)、アルカリ分解率、ホルムアルデヒド放出量、及び重合触媒(c)を失活した後のポリアセタール共重合体の色相を測定した。
〔粗ポリアセタール共重合体について〕
[粗ポリアセタール共重合体に含まれる水分量の評価]
実施例及び比較例に係る試料をカールフィッシャー水分計CA−200(三菱アナリテック製)を用いて、試料1.0gを100℃、300mL/minの窒素気流下の条件で測定したときの粗共重合体に含まれる水分量を定量した。結果を表3及び表4に示す。
[粗ポリアセタール共重合体に含まれるトリオキサン量の評価]
トリオキサン量の評価は、ガスクロマトグラフィーGC−2014ATF(島津製作所製)を用いて行った。実施例及び比較例に係る試料40gと、蒸留水20mLとをシリンダーに入れて密栓し、オイルバスで100℃、4時間の条件で加熱してトリオキサンを抽出した。そして、ガスクロマトグラフィーで測定したときの粗共重合体に含まれるトリオキサン量を定量した。結果を表3及び表4に示す。
[粗ポリアセタール共重合体の粒子群に含まれる粒径が11.2mm以下の粒子群の割合]
実施例及び比較例に係る試料を、目開きが11.2mmである篩いを用いて篩い分けし、試料100重量部に対する篩下の割合を測定した。結果を表3及び表4に示す。
〔ポリアセタール共重合体のペレットについて〕
[メルトインデックス(MI)の評価]
メルトインデックス測定装置:Melt Indexer L202型(タカラサーミ
スタ社製)を用いて、実施例及び比較例に係る重合触媒失活後ポリアセタール共重合体に対して、荷重2.16kg、温度190℃で測定したときの値をメルトインデックス(g/10min)とした。結果を表3及び表4に示す。本実施例では、メルトインデックス(MI)を分子量に対応する特性値とした。すなわち、MIが低いほど分子量が高いと判断し、MIが高いほど分子量が低いと判断した。
[ホルムアルデヒド放出量の評価]
実施例及び比較例に係る重合触媒失活後ポリアセタール共重合体を200℃に保ったシリンダーに充填して、5分間で溶融後、溶融物をシリンダーから密閉容器内に押出した。この密閉容器に窒素ガスを流し、出てきた窒素ガスに含まれるホルムアルデヒドを水に溶かして捕集し、水中のホルムアルデヒド濃度を測定することにより、溶融物から放出されたホルムアルデヒドの重量を求めた。このホルムアルデヒド重量を溶融物の重量で除してホルムアルデヒド放出量(単位ppm)とした。結果を表3及び表4に示す。
[ペレットにおける色相の評価]
色差計SE−2000(日本電色工業社製)を用いて、ペレット測定用のセル(丸セル
)に、実施例及び比較例に係る重合触媒失活後ポリアセタール共重合体のペレットを所定量入れ、試料台に置き、カバーを被せ、測定したときに表示されるb値を読み取った。結果を表3及び表4に示す。
Figure 0005814414
Figure 0005814414
本発明で用いる重合触媒は、不揮発性のプロトン酸であるため、極めて少量の添加で高重合収率が得られる。また、混合部3の取出口5の下流にある回収容器を経て溶融混練部7に至る回収ライン、及び回収容器内においては、不活性ガスの存在下、外気と遮蔽され、水分等の混入が防がれているため、粗ポリアセタール共重合体の分解を抑制できる。
加えて、粗ポリアセタール共重合体を回収容器内にて不活性ガスとともに加圧状態に保たれているため、粗ポリアセタール共重合体に含まれる水分量は0.1重量%以下となる。そして、その後の失活工程においても、低水分の粗ポリアセタール共重合体を、不活性ガス存在下で塩基性化合物と溶融混練するため、効率的な触媒失活のみならず酸化分解を抑制することが可能となり、ホルムアルデヒドガス発生量の少ない極めて高品質のポリアセタール共重合体を製品として提供できる(実施例1〜8)。
一方、回収容器内の圧力が不十分であると、粗ポリアセタール共重合体において、未反応トリオキサンの含有量を1.0重量部以下にすることができず、また、水の含有量を0.1重量部以下にすることができない。その結果、粗ポリアセタール共重合体に塩基性化合物を添加して不安定末端を安定化させたとしても、メルトインデックス値が10.0g/10min以上となり、ペレットのb値が2.0以上となる。また、ホルムアルデヒド放出量においても、十分な品質レベルを満たすことができない(比較例1〜4)。これは、回収容器内に外気や水分が混入し、回収容器内で粗ポリアセタール共重合体が分解することのほか、溶融混練部7において、酸素の存在によるポリアセタール共重合体の酸化分解、水分によるポリアセタール共重合体の酸分解が起こり、結果として、高品質なポリアセタール共重合体を得られなかったものと考えられる。
本発明の製造方法によれば、従来の方法と比して、簡単かつエネルギー的に有利な工程でその後の工程に好適なポリアセタール共重合体を得ることができる。
1 ポリアセタール共重合体製造装置
2 投入口
3 混合部
4 気化分離部
5 取出口
6 粗ポリアセタール共重合体回収部
7 混練装置

Claims (13)

  1. 2本の平行して互いに同方向又は異方向に回転する軸と、各軸上に取り付けられた多数のパドルと、該パドルの外周に近接するバレルとを有し、周期的にパドルの長軸端が相手側の短軸端に近接するように構成され、軸方向の一端に設けた投入口から原料が仕込まれ、他端に設けた取出口から反応混合物及び未反応モノマーを得る連続撹拌混合機タイプの反応装置に、トリオキサン、このトリオキサンと共重合するコモノマー、及び不揮発性のプロトン酸を含む原料を供給する原料供給工程と、
    前記原料の重合反応を行い、反応混合物を得る重合反応工程と、
    前記反応混合物から未反応モノマーを気化分離させ、前記未反応モノマーを前記原料供給工程へ供給する未反応モノマー再供給工程と、
    前記取出口の下流に設けられ、ゲージ圧で0.2kPa以上に調整された回収部に、前記反応混合物からポリアセタール共重合体を回収するポリアセタール共重合体回収工程と、
    前記ポリアセタール共重合体回収工程で回収した前記ポリアセタール共重合体に塩基性化合物を添加し、溶融混練処理して前記不揮発性のプロトン酸を失活させる失活工程とを含む、ポリアセタール共重合体の製造方法。
  2. 前記ゲージ圧は、前記取出口、前記回収部の上流側又はこれらの近傍から不活性ガスを封入することによって調整される、請求項1に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  3. 前記ポリアセタール共重合体回収工程で回収した前記ポリアセタール共重合体に含まれる水分が前記ポリアセタール共重合体100重量部に対して0.1重量部以下である、請求項1又は2に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  4. 前記ポリアセタール共重合体回収工程で回収した前記ポリアセタール共重合体に含まれる未反応トリオキサンの含有量が前記ポリアセタール共重合体100重量部に対して1.0重量部以下である、請求項1から3のいずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  5. 前記不揮発性のプロトン酸は、ヘテロポリ酸、イソポリ酸又はこれらの酸性塩から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1から4のいずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  6. 前記不揮発性のプロトン酸が下記一般式(1)で示されるヘテロポリ酸又はその酸性塩を含む、請求項5に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
    [M・M’]・yHO ・・・(1)
    〔一般式(1)において、MはP及び/又はSiから選ばれる中心元素を示し、M’はW、Mo、Vより選ばれる一種以上の配位元素を示す。lは10〜100であり、mは1〜
    10であり、nは6〜40であり、xは1以上であり、yは0〜50である。〕
  7. 前記ヘテロポリ酸又はその酸性塩は、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリブドタングストバナジン酸又はこれらの酸性塩から選ばれる少なとも一種の化合物を含む、請求項5又は6に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  8. 前記不揮発性のプロトン酸が下記一般式(2)又は(3)で示されるイソポリ酸又はその酸性塩を含む、請求項5に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
    xM O・pM ・yHO ・・・(2)
    xM O・pMVI ・yHO ・・・(3)
    〔一般式(2)及び(3)において、Mは水素であるが、一部が金属で置換されていてもよい。Mは周期律表V族のV、Nb、Taより選ばれる一種以上の元素を示す。MVIは周期律表VI族のCr、Mo、W、Uより選ばれる一種以上の元素を示す。p及びxは1以上であり、yは0〜50である。〕
  9. 前記イソポリ酸又はその酸性塩は、パラタングステン酸、メタタングステン酸、パラモリブデン酸、メタモリブデン酸、パラバナジウム酸、メタバナジウム酸又はこれらの酸性塩から選ばれる少なとも一種の化合物を含む、請求項5又は8に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  10. 前記コモノマーは、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、エチレンオキシドから選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1から9のいずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  11. 前記塩基性化合物は、アミノ基又は置換アミノ基を有するトリアジン環含有化合物、アルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素の炭酸塩、炭酸水素塩若しくはカルボン酸塩又はその水和物から選択される少なくとも一種を含む、請求項1から10のいずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  12. 前記アルカリ金属元素又はアルカリ土類金属元素の炭酸塩、炭酸水素塩若しくはカルボン酸塩又はその水和物は、ギ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム又はステアリン酸カルシウムから選択される少なくとも一種を含む、請求項11に記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
  13. 前記失活工程で前記不揮発性のプロトン酸を失活させた後の前記ポリアセタール共重合体は、
    190℃、荷重2160gで測定したときの前記ポリアセタール共重合体のメルトインデックスが10g/10min以下であり、
    前記ポリアセタール共重合体から発生するホルムアルデヒド量が100ppm以下であり、
    色差計を使用したときの前記ポリアセタール共重合体のb値が2.0以下の共重合体である、請求項1から12のいずれかに記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
JP2014071310A 2014-03-31 2014-03-31 ポリアセタール共重合体の製造方法 Active JP5814414B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014071310A JP5814414B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 ポリアセタール共重合体の製造方法
EP14888543.7A EP3109267B1 (en) 2014-03-31 2014-12-10 Method for producing polyacetal copolymer
MYPI2016703554A MY178264A (en) 2014-03-31 2014-12-10 Method for producing polyacetal copolymer
US15/119,567 US9745400B2 (en) 2014-03-31 2014-12-10 Method for producing polyacetal copolymer
CN201480073491.0A CN105916905B (zh) 2014-03-31 2014-12-10 聚缩醛共聚物的制造方法
PCT/JP2014/082631 WO2015151343A1 (ja) 2014-03-31 2014-12-10 ポリアセタール共重合体の製造方法
KR1020167017765A KR101725930B1 (ko) 2014-03-31 2014-12-10 폴리아세탈 공중합체의 제조방법
SA516371906A SA516371906B1 (ar) 2014-03-31 2016-09-26 طريقة لإنتاج بوليمر اسهامي من متعدد أسيتال

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014071310A JP5814414B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 ポリアセタール共重合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015193700A JP2015193700A (ja) 2015-11-05
JP5814414B2 true JP5814414B2 (ja) 2015-11-17

Family

ID=54239700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014071310A Active JP5814414B2 (ja) 2014-03-31 2014-03-31 ポリアセタール共重合体の製造方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US9745400B2 (ja)
EP (1) EP3109267B1 (ja)
JP (1) JP5814414B2 (ja)
KR (1) KR101725930B1 (ja)
CN (1) CN105916905B (ja)
MY (1) MY178264A (ja)
SA (1) SA516371906B1 (ja)
WO (1) WO2015151343A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102535919B1 (ko) * 2017-09-12 2023-05-23 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 옥시메틸렌 공중합체의 제조 방법
JP2021001264A (ja) * 2019-06-21 2021-01-07 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール共重合体およびその製造方法
JPWO2022215756A1 (ja) * 2021-04-09 2022-10-13
CN117751149A (zh) * 2021-08-10 2024-03-22 宝理塑料株式会社 改性聚缩醛树脂的制造方法
JP2024090366A (ja) * 2022-12-23 2024-07-04 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール共重合体の製造方法

Family Cites Families (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6213534A (ja) * 1985-03-06 1987-01-22 Kawasaki Steel Corp 耐リジング性と張り出し成形性に優れる加工用アズロ−ルド薄鋼板の製造方法
JPS61238812A (ja) 1985-04-17 1986-10-24 Polyplastics Co トリオキサンの連続重合方法
US4692290A (en) * 1985-11-12 1987-09-08 Celanese Corporation Process for devolatilizing molten oxymethylene polymer
JPH0689090B2 (ja) * 1989-10-16 1994-11-09 旭化成工業株式会社 トリオキサン共重合体の製造方法
JPH058725A (ja) 1991-07-03 1993-01-19 Hitachi Ltd 鉄道車両用台車
JP2948015B2 (ja) * 1992-03-09 1999-09-13 ポリプラスチックス株式会社 高重合度ポリオキシメチレン共重合体の製造方法
ATE157374T1 (de) 1992-03-06 1997-09-15 Polyplastics Co Verfahren zur herstellung von polyoxymethylen- copolymeren
JP2948014B2 (ja) * 1992-03-06 1999-09-13 ポリプラスチックス株式会社 ポリオキシメチレン共重合体の製造方法
JP3257581B2 (ja) * 1994-06-13 2002-02-18 三菱瓦斯化学株式会社 オキシメチレン共重合体の製造方法
DE69512429T2 (de) * 1994-10-27 2000-05-11 Asahi Kasei Kogyo K.K., Osaka Verfahren zur herstellung von polyoxymethylen
US5866670A (en) * 1995-08-21 1999-02-02 Polyplastics Co., Ltd. Process for preparing polyacetal copolymer
JP3037612B2 (ja) * 1996-04-12 2000-04-24 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール共重合体の製造方法
JP3181535B2 (ja) 1997-06-03 2001-07-03 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール共重合体の製造方法
JP3208377B2 (ja) 1997-08-22 2001-09-10 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂の連続製造方法
JP3850546B2 (ja) 1998-03-09 2006-11-29 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂の連続製造方法
JP5225529B2 (ja) * 2001-07-12 2013-07-03 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール共重合体の製造方法
DE102004025366A1 (de) 2004-05-19 2005-12-15 Basf Ag Verfahren zur Enfernung von Restmonomeren aus Polyoxymethylenen
JP2009249451A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリアセタール樹脂の製造方法
JP2009248441A (ja) * 2008-04-07 2009-10-29 Mitsubishi Gas Chem Co Inc ポリアセタール樹脂成形体の製造方法
JP6022993B2 (ja) * 2013-04-25 2016-11-09 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール共重合体の製造方法
JP6282805B2 (ja) * 2013-04-25 2018-02-21 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール共重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN105916905A (zh) 2016-08-31
SA516371906B1 (ar) 2019-04-07
MY178264A (en) 2020-10-07
JP2015193700A (ja) 2015-11-05
KR20160085371A (ko) 2016-07-15
KR101725930B1 (ko) 2017-04-26
EP3109267B1 (en) 2018-02-28
WO2015151343A1 (ja) 2015-10-08
EP3109267A4 (en) 2017-03-22
CN105916905B (zh) 2017-06-30
EP3109267A1 (en) 2016-12-28
US9745400B2 (en) 2017-08-29
US20170114176A1 (en) 2017-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5829718B2 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JP5814414B2 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
EP2927254B1 (en) Production method for polyacetal copolymer
JP6037799B2 (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JPH09278852A (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
KR101983758B1 (ko) 폴리아세탈 공중합체의 제조방법
JP2014095000A (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
KR101983763B1 (ko) 폴리아세탈 공중합체의 제조방법
JP2014094999A (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法
JP2014095001A (ja) ポリアセタール共重合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150731

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150731

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20150731

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20150903

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150915

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150917

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5814414

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250