JP2000186141A - ポリアミドおよびそれからなるポリアミドフィルム - Google Patents
ポリアミドおよびそれからなるポリアミドフィルムInfo
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Abstract
性、耐薬品性、低吸水性のいずれの性能にも優れた新規
なポリアミドおよびそれからなるポリアミドフィルムを
提供する。 【解決手段】 テレフタル酸単位を60〜100モル%
含有するジカルボン酸単位と、炭素数9〜12の脂肪族
アルキレンジアミン単位を60〜100モル%含有する
ジアミン単位とからなり、濃硫酸中30℃で測定した極
限粘度が0.8〜2.0dl/gの範囲内にあり、溶融
状態で氷水中でクエンチして得た急冷サンプルにおける
冷結晶化温度Tchとガラス転移温度Tgとの差(Tc
h−Tg )が20℃以上であり、かつ密度が1.16未
満であることを特徴とするポリアミド、およびそれから
なるポリアミドフィルムである。
Description
ドおよびそれからなるポリアミドフィルムに関する。詳
しくは、フィルムへの成形性に優れ、耐熱性、耐薬品
性、低吸水性に優れたポリアミドおよびそれからなるポ
リアミドフィルムに関する。
耐熱性、耐寒性、印刷特性、耐薬品性等を有することか
ら、包装材料あるいは工業材料として使用されている。
しかし、年々市場の要求は高度化しており、より耐熱性
であり、高温下あるいは高湿下での寸法安定性に優れ、
薬品に対する耐久性の高いフィルムへの要求が高まって
いる。
酸と1,4−ブタンジアミンからなる全脂肪族ポリアミ
ド(以下PA4−6と略称することがある)、テレフタ
ル酸と1,6−ヘキサンジアミンからなる半芳香族ポリ
アミド(以下PA6−Tと略称することがある)を主な
構成成分とするポリアミドフィルムが提案されている。
は、PA4−6:半芳香族ポリアミドの割合が99.
9:0.1〜30:70であるポリアミド組成物からな
るポリアミドフィルムは耐熱性に優れていることが開示
されている。また、特開平3−253324号公報に
は、PA6−Tを主成分とするポリアミドフィルムはガ
スバリヤ性、強度、耐熱性、透明性に優れることが開示
されている。
れば、特開平2−248433号公報および特開平3−
253324号公報に記載のポリアミドフィルムは、耐
熱性が従来のポリアミドフィルムと比較して向上してい
るものの、吸水率が高いため寸法変化、強度低下が大き
く、またアルコール、酸、アルカリ等に対する耐久性が
十分ではないことから、工業材料として使用する場合に
用途がかなり制限される。
ムと比較して耐熱性、耐薬品性、低吸水性のいずれの性
能にも優れた新規なポリアミドおよびそれからなるポリ
アミドフィルムを提供することにある。
題を解決するために鋭意研究した結果、テレフタル酸
と、炭素数9〜12の脂肪族アルキレンジアミンを主成
分とするポリアミドであって、特定の極限粘度、特定の
結晶化挙動および特定の密度を有するポリアミドからフ
ィルムを作製することによって初めて上記の目的を満足
するフィルムが得られることを見出だし、本発明を完成
するに至った。
カルボン酸単位と、炭素数9〜12の脂肪族アルキレン
ジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単
位とからなり、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度が
0.8〜2.0dl/gの範囲内にあり、溶融状態で氷
水中でクエンチして得た急冷サンプルにおける冷結晶化
温度Tchとガラス転移温度Tgとの差(Tch−Tg
)が20℃以上であり、かつ密度が1.16未満であ
ることを特徴とするポリアミド。 (2) 炭素数9〜12の脂肪族アルキレンジアミン単位
が、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−
1,8−オクタンジアミン単位からなる群より選択され
る少なくとも1つである上記(1) に記載のポリアミド。 (3) 1,9−ノナンジアミン単位:2−メチル−1,8
−オクタンジアミン単位のモル比が100:0〜30:
70である上記(2) 記載のポリアミド。 (4) 上記(1) 〜(3) に記載のいずれかのポリアミドを成
形してなることを特徴とするポリアミドフィルム。 (5) 成形後、延伸してなる上記(4) に記載のポリアミド
フィルム。
本発明のポリアミドは、ジカルボン酸単位としてテレフ
タル酸単位を60〜100モル%、好ましくは70〜1
00モル%含有する。テレフタル酸単位が60モル%未
満の場合には、このようなポリアミドから得られるフィ
ルムの耐熱性、低吸水性が低下する。
単位としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカンジカルボン酸、ジメチルマロン酸、
3,3−ジエチルコハク酸、2,2−ジメチルグルタル
酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸等の
脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式
ジカルボン酸;イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−
ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシ
ジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン
酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−オ
キシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカル
ボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸から誘導される単位を挙げるこ
とができる。これらの単位は1種または2種以上を用い
ることができる。これらの中でも、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、
1, 4- シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカル
ボン酸から誘導される単位が好ましい。さらに、トリメ
リット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カル
ボン酸から誘導される単位をポリアミドの溶融成形が可
能な範囲内で含有させることもできる。
て炭素数9〜12の脂肪族アルキレンジアミン単位を6
0〜100モル%、好ましくは75〜100モル%、よ
り好ましくは90〜100モル%含有する。炭素数9〜
12の脂肪族アルキレンジアミン単位の含有量が60モ
ル%未満の場合には、得られるポリアミドフィルムの耐
熱性、低吸水性、耐薬品性が低下する。かかる炭素数9
〜12の脂肪族アルキレンジアミン単位としては、例え
ば、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミ
ン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカ
ンジアミン等の直鎖状脂肪族アルキレンジアミン;2,
2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,
4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,
4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジ
メチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,3−ジメチル
−1,7−ヘプタンジアミン、2,4−ジメチル−1,
7−ヘプタンジアミン、2,5−ジメチル−1,7−ヘ
プタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミ
ン、3−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−メチ
ル−1,8−オクタンジアミン、1,3−ジメチル−
1,8−オクタンジアミン、1,4−ジメチル−1,8
−オクタンジアミン、2,4−ジメチル−1,8−オク
タンジアミン、3,4−ジメチル−1,8−オクタンジ
アミン、4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミ
ン、2,2−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、
3,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,4
−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−
1,9−ノナンジアミン等の分岐鎖状脂肪族アルキレン
ジアミン;イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチル
アミン、トリシクロデカンジメチルアミン等の脂環式ジ
アミン等から誘導される単位を挙げることができ、これ
らのうち1種または2種以上を用いることができる。
ジアミン単位の中では、2−メチル−1,8−オクタン
ジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカン
ジアミン、1,11−ウンデカンジアミンおよび1,1
2−ドデカンジアミンから誘導される単位が好ましく、
1,9−ノナンジアミン(NMDA)単位および2−メ
チル−1,8−オクタンジアミン(MODA)単位がよ
り好ましい。好適には、NMDA単位およびMODA単
位を、NMDA単位:MODA単位が100:0〜3
0:70(モル比)、中でも99:1〜40:60、特
に98:2〜45:55となるような割合で用いるのが
好ましい。NMDA単位とMODA単位を上記の割合で
併用することにより、このようなポリアミドから特に耐
熱性、成形性、低吸水性に優れたフィルムが得られる。
ジアミン単位以外に用いることができるジアミン単位と
しては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、1,4−ブタンジアミン等の脂肪族ジアミン;シク
ロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン等
の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェ
ニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリ
レンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミン等から誘
導される単位を挙げることができ、これらのうち1種ま
たは2種以上を用いることができる。
基の好ましくは10%以上、より好ましくは40%以
上、特に好ましくは70%以上が末端封止剤により封止
されている。末端封止率が10%以上であれば、ポリア
ミドの溶融成形時の粘度変化が小さく、得られるフィル
ムの外観、耐熱水性等の物性が優れるので好ましい。ポ
リアミドの末端の封止率は、当該ポリアミドに存在して
いるカルボキシル基末端、アミノ基末端および末端封止
剤によって封止された末端の数をそれぞれ測定し、下記
の式(1)により求める。各末端基の数は、 1H−NM
Rにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値よ
り求めるのが精度、簡便さの点で好ましい。
ド分子の数の2倍に等しい)を表し、Bはカルボキシル
基末端およびアミノ基末端の合計数を表す。〕
ミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官能性
の化合物であれば特に制限はなく、モノカルボン酸、モ
ノアミン、無水フタル酸等の酸無水物、モノイソシアネ
ート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアル
コール類等を用いることができるが、反応性および封止
末端の安定性等の点からモノカルボン酸またはモノアミ
ンが好ましく、取扱いの容易さ等の点からモノカルボン
酸がより好ましい。
酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ト
リデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ピバリン酸、イソブチル酸等の脂肪族モノカルボン
酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン
酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン
酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカル
ボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸等を挙
げることができる。これらは1種または2種以上を用い
ることができる。これらの中でも、反応性、封止末端の
安定性、価格等の点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデ
シル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
安息香酸が好ましい。
しては、カルボキシル基との反応性を有するものであれ
ば特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルア
ミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミ
ン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミ
ン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキ
シルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノア
ミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフ
チルアミン等の芳香族モノアミン等を挙げることができ
る。これらは1種または2種以上を用いることができ
る。これらの中でも、反応性、高沸点、封止末端の安定
性および価格等の点から、ブチルアミン、ヘキシルアミ
ン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましい。
測定した極限粘度が、0.8〜2.0dl/gの範囲
内、好ましくは0.85〜1.9dl/gの範囲内、よ
り好ましくは0.9〜1.8dl/gの範囲内にある。
ポリアミドの極限粘度[η]が上記範囲内であれば、フ
ィルムへの成形性に優れると共に、力学的特性、耐熱性
等に優れたポリアミドフィルムが得られる。
でクエンチして得た急冷サンプルにおける冷結晶化温度
Tchとガラス転移温度Tgとの差(Tch−Tg )が
20℃以上、好ましくは25℃以上である。Tch−T
g が20℃以上であると、フィルムの延伸性が優れ、得
られる延伸フィルムの強度が高く、寸法安定性に優れ
る。
満、好ましくは1.15未満である。密度が1.16未
満であれば、低吸水性、耐薬品性、柔軟性に優れたフィ
ルムが得られる。
状態で氷水中でクエンチして得た急冷サンプルにおける
冷結晶化温度Tchとガラス転移温度Tgとの差(Tc
h−Tg )が20℃以上、かつ密度が1.16未満であ
るポリアミドは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸
以外の成分、例えば、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸等を1〜40モル%、好ましくは5〜3
0モル%共重合させるか、あるいは炭素数9〜12の脂
肪族アルキレンジアミンとして2種以上を、特に直鎖状
脂肪族アルキレンジアミンと分岐鎖状脂肪族アルキレン
ジアミンとを組み合わせて使用することにより調製する
ことができる。
得られるフィルムの諸特性をより向上させるために、本
発明のフィルムへの成形性、或いはフィルムとしての諸
特性を犠牲にしない範囲内で、必要に応じて着色剤;紫
外線吸収剤;光安定化剤;ヒンダードフェノール系、チ
オ系、リン系、アミン系等の有機系酸化防止剤;ヨウ化
銅、酢酸銅、ヨウ化カリウム等の無機系酸化防止剤;帯
電防止剤;蛍光増白剤;臭素化ポリマー、酸化アンチモ
ン、金属水酸化物等の難燃剤;可塑剤;滑剤;PPS、
液晶ポリマー、ポリオレフィン、ポリエステル、脂肪族
ポリアミド、PPO等の他種ポリマー;有機系および無
機系の粉末状あるいは繊維状の各種充填剤を添加するこ
ともできる。
えば、ポリアミドの重合時に添加する方法、ポリアミド
にドライブレンドし、溶融混練する方法、フィルムへの
成形時に添加する方法等が挙げられる。
出成形法、インフレーション押出成形法等によって成形
される。Tダイ押出成形法により成形する場合には、押
出機によりポリアミドの融点(Tm)以上370℃以下
の温度でポリアミドを溶融した後、Tダイによりシート
状に押出し、通常はポリアミドのTg以下に冷却された
冷却ロール上で急冷する。冷却固化の方法としては、エ
アーナイフキャスト法、静電印加法、バキュームチャン
バ法等の方法を使用することができる。
常、厚みが10μmから3mm程度であり、そのままで
も低吸水性、耐薬品性、耐熱性等の優れた特性を有して
いるが、1軸延伸、同時2軸延伸、逐次2軸延伸等の方
法により、通常、0.5μm〜2mm程度の厚みまで延
伸することにより、低吸水性、耐薬品性、耐熱性、力学
強度が更に向上する。延伸倍率は、1軸延伸の場合は2
倍以上、2軸延伸の場合は、縦方向×横方向が2×2倍
以上であれば、最終的に得られるポリアミド延伸フィル
ムの耐熱性や力学強度が優れるために好ましい。また、
延伸温度は(Tg+5℃)〜80℃であれば延伸を行い
やすく、得られるフィルムの外観、力学強度が優れるた
めに好ましい。
ムを160℃〜(Tm−10℃)、好ましくは200〜
250℃の温度で熱固定を行うことができる。この温度
範囲で熱固定を行うことにより、耐熱性、耐薬品性、低
吸水性、力学強度に優れた延伸フィルムを得ることがで
きる。
90モル%以上のポリアミドを使用する場合、溶融させ
て一旦冷却固化すると通常の2軸延伸が困難となること
があるため、成形ダイ出口から吐出して冷却固化するま
での間にMD方向およびTD方向の両方向に同時に延伸
することが好ましい。このような同時2軸延伸を行う場
合には、MD方向の延伸倍率を1.0以上、好ましくは
1.25〜15程度にし、TD方向の延伸倍率を1.0
以上、好ましくは1.5〜20程度にするのがよく、そ
のような2軸延伸は、インフレーション押出成形法等の
方法により容易に行うことができる。
ドフィルムは、表面を塗料、金属層、他種ポリマー等と
積層した状態でも使用することができる。
リアミドフィルムに比較して耐熱性、耐薬品性、低吸水
性に優れているので、食品包装用等の包装材料;モータ
ー、トランス、ケーブル等の電気絶縁材料;コンデンサ
用途等の誘電体材料;カセットテープ、ビデオテープ等
の磁気テープ用材料;フレキシブルプリント回路基板、
フレキシブルフラットケーブル等の電子基板材料;写真
フィルム;農業用材料;医療用材料;土木、建築用材
料;濾過膜等、家庭用、産業資材用のフィルムとして好
適に使用することができる。
るが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではな
い。なお、実施例中の極限粘度η、融点、Tch−T
g、密度、高温弾性率、耐薬品性、吸水率はそれぞれ以
下の方法により測定した。
0.4g/dlの各濃度の試料の固有粘度(ηinh )を
以下の式から求め、これを濃度0に外挿した値を極限粘
度[η]とした。 ηinh =[ln(t1/t0)]/c 〔式中、ηinh は固有粘度(dl/g)、t0は溶媒の流下時
間(秒)を表し、t1は試料溶液の流下時間(秒)を表
し、cは溶液中の試料の濃度(g/dl)を表す。〕
て、樹脂をDSCの炉の中で、窒素気流下350℃で2
分間加熱して完全に融解させた後、100℃/分の速度
で50℃まで冷却し、再び10℃/分の速度で昇温した
時に現れる吸熱ピークの位置を測定し、これを融点とし
た。
ス転移温度) 340℃で5分間加熱溶融させたポリアミド樹脂を、直
径1mmのダイを通して押出し、直後に氷水でクエンチ
して得た急冷サンプルを、窒素気流下、室温から10℃
/分で昇温した時に現れるガラス転移温度(Tg) 、結
晶化ピーク温度(Tch)を測定し、これからTch−
Tgを算出した。
た。
VE−V4」)を使用して、250℃における延伸フィ
ルムの貯蔵弾性率を測定し、これを高温弾性率の指標と
した。
タノール、23℃の10%硫酸、23℃の50%水酸化
ナトリウム水溶液、80℃の熱水)中に、7日間浸漬し
た後の外観変化を観察した。
時の飽和吸水率を重量測定によって求めた。
1,9−ノナンジアミン1582.9g(10.0mo
l)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン158
2.9(10.0mol)、安息香酸48.85g
(0.40mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物
6.5g(前記のポリアミド原料4者の合計に対して
0.1重量%)および蒸留水2.2リットルを内容積2
0リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した。1
00℃で30分間攪拌した後、2時間かけて内部温度を
210℃に昇温した。この時、オートクレーブは22k
g/cm2 まで昇圧した。そのまま1時間反応を続けた
後、230℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度
を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を22kg/cm2
に保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を1
0kg/cm2 まで下げ、さらに1時間反応させて、極
限粘度が0.30dl/gのプレポリマーを得た。これ
を100℃の温度で減圧下に12時間乾燥した後、2m
m以下の大きさまで粉砕した。次いで、これを温度23
0℃、圧力0.1mmHgの条件下で10時間固相重合
して、融点265℃、極限粘度1.45dl/gの白色
のポリアミドを得た。
端封止剤(安息香酸)を表1に示した割合でそれぞれ用
い、参考例1と同様の方法にてポリアミドを製造した。
得られたポリアミドの極限粘度および融点を表1に示
す。
所製「ラボプラストミル2D25W」)に供給し、各ポ
リアミドの融点よりも10〜40℃高い温度で加熱溶融
してTダイより押出し、幅300mm、厚さ200μm
のポリアミド未延伸フィルムを製造した。次に、得られ
たフィルムの中央部分より縦5cm×横5cmの試料片
を切出し、2軸延伸機(柴山科学器械製作所製「小型延
伸装置」)により135℃の温度で、縦3倍、横3倍の
倍率で同時2軸延伸を行った。次に、この2軸延伸フィ
ルムを250℃の温度で5分間熱固定した。この様にし
て得られたポリアミドフィルムを用いて、表2に示した
各項目の評価を行った。
ンCM1021XF」)を用いて、実施例1〜5および
比較例2の方法と同様の方法で未延伸フィルムを製造し
た。次に、得られたフィルムの中央部分より縦5cm×
横5cmの試料片を切出し、2軸延伸機(柴山科学器械
製作所製「小型延伸装置」)により65℃の温度で、縦
3倍、横3倍の倍率で同時2軸延伸を行った。次に、こ
の2軸延伸フィルムを180℃の温度で5分間熱固定し
た。この様にして得られたポリアミドフィルムを用い
て、表2に示した各項目の評価を行った。
「ラボプラストミル2D25W」)に供給し、280℃
〜290℃で加熱溶融してTダイより押出したが、粘度
が低く、フィルムを製造できなかった。
「ラボプラストミル2D25W」)に供給し、280℃
〜290℃で加熱溶融してTダイより押出したが、粘度
が高く、フィルムを製造できなかった。
「ラボプラストミル2D25W」)に供給し、330℃
〜340℃で加熱溶融してTダイより押出し、幅300
mm、厚さ200μmのポリアミド未延伸フィルムを製
造した。この未延伸フィルムは白濁していた。次に、得
られたフィルムの中央部分より縦5cm×横5cmの試
料片を切出し、2軸延伸機(柴山科学器械製作所製「小
型延伸装置」)により135℃の温度で、2軸延伸を試
みたが全く延伸ができず、延伸フィルムは得られなかっ
た。
ポリアミドによれば、従来のポリアミドフィルムと比較
して耐熱性、耐薬品性、低吸水性のいずれの性能にも優
れたポリアミドフィルムを提供することができるので、
当該フィルムを、産業資材、工業材料、家庭用品等の用
途に好適に使用することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 テレフタル酸単位を60〜100モル%
含有するジカルボン酸単位と、炭素数9〜12の脂肪族
アルキレンジアミン単位を60〜100モル%含有する
ジアミン単位とからなり、濃硫酸中30℃で測定した極
限粘度が0.8〜2.0dl/gの範囲内にあり、溶融
状態で氷水中でクエンチして得た急冷サンプルにおける
冷結晶化温度Tchとガラス転移温度Tgとの差(Tc
h−Tg )が20℃以上であり、かつ密度が1.16未
満であることを特徴とするポリアミド。 - 【請求項2】 炭素数9〜12の脂肪族アルキレンジア
ミン単位が、1,9−ノナンジアミン単位および2−メ
チル−1,8−オクタンジアミン単位からなる群より選
択される少なくとも1つであることを特徴とする請求項
1記載のポリアミド。 - 【請求項3】 1,9−ノナンジアミン単位:2−メチ
ル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比が100:
0〜30:70であることを特徴とする請求項2記載の
ポリアミド。 - 【請求項4】 請求項1〜3に記載のいずれかのポリア
ミドを成形してなることを特徴とするポリアミドフィル
ム。 - 【請求項5】 成形後、延伸してなることを特徴とする
請求項4記載のポリアミドフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36546098A JP2000186141A (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | ポリアミドおよびそれからなるポリアミドフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36546098A JP2000186141A (ja) | 1998-12-22 | 1998-12-22 | ポリアミドおよびそれからなるポリアミドフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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