JP2019099626A - 熱可塑性樹脂フィルムおよび積層体 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムおよび積層体 Download PDF

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澄人 木原
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敦子 野田
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Abstract

【課題】耐屈曲性に優れた熱可塑性樹脂フィルムを提供する。【解決手段】少なくとも1方向に延伸された熱可塑性樹脂フィルムであって、3mmの間隔で180°折り畳む屈曲試験を30万回繰り返し行った場合に、割れが生じないことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、耐屈曲性に優れた熱可塑性樹脂フィルムに関する。
近年、平面表示装置(以下、フラットディスプレイとも言う)は、多くの分野、場所で使われており、情報化が進む中で、ますます、その重要性が高まっている。
現在、フラットディスプレイの代表と言えば、液晶ディスプレイ(以下、LCDとも言う)であるが、LCDとは異なる表示原理に基づくフラットディスプレイとして、有機EL、無機EL、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPとも言う)、ライトエミッティングダイオード表示装置(以下、LEDとも言う)、蛍光表示管表示装置(以下、VFDとも言う)、フィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDとも言う)などの開発も活発に行われている。
これらの新しいフラットディスプレイは、いずれも自発光型と呼ばれるもので、LCDとは次の点で大きく異なり、LCDには無い優れた特徴を有している。
すなわち、LCDは、受光型と呼ばれ、液晶は自身では発光することはなく、外光を透過、遮断する、いわゆるシャッターとして動作し、表示装置を構成する。このため光源を必要とし、一般に、バックライトが必要である。
これに対して自発光型は、装置自身が発光するため別光源が不要である。このような理由によって、自発光型のフラットディスプレイは、部品点数を減らし薄型化が可能となった。
とりわけ有機ELを利用した有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイは、最近ではテレビ、携帯情報端末等で採用が進んでいる。薄型化にともない軽量化の観点より、従来のガラス基板より各種プラスチック基板への置換えが進んでいる(例えば、特許文献1)。ガラス基板は割れの問題等あったが、プラスチック基板に置換えることで、割れの解消、さらには可とう性を有したフラットディスプレイへの展開が可能となった。このようなフレキシブルディスプレイ技術は、単に曲がった形態のカーブドから、折り曲げ可能なベンダブル、折り畳み可能なフォルダブル、将来的にはくるくる巻き付けることができるローラブルへと進化することが展望される(例えば、特許文献2)。
特表2016−531981号公報 特開2017−033031号公報
特許文献1に開示された半結晶質半芳香族ポリアミドフィルム(PPA)は、耐熱性に優れるため、フレキシブルプリント回路で用いる基材フィルムとして、導電性トラックのパターンを設けること、また熱はんだ付けプロセスを実施できることから、作業性が十分向上したものであるが、繰り返し折り畳みに対する耐久性、すなわち耐屈曲性が十分とは言えなかった。
特許文献2に開示された画面表示装置は、表示画面としての硬さや傷つき防止性は向上したものであるが、繰り返し折り畳みに関する要求を十分満足させることができたとは言えなかった。
本発明は、上記問題を解決し、耐屈曲性に優れた熱可塑性樹脂フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、基材フィルムとして特定の熱可塑性樹脂フィルムを用いることで上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)少なくとも1方向に延伸された熱可塑性樹脂フィルムであって、
3mmの間隔で180°折り畳む屈曲試験を30万回繰り返し行った場合に、割れが生じないことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム。
(2)ガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とする(1)記載の熱可塑性樹脂フィルム。
(3)熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂であることを特徴とする(1)または(2)記載の熱可塑性樹脂フィルム。
(4)ポリアミド樹脂が半芳香族ポリアミド樹脂であることを特徴とする(3)記載の熱可塑性樹脂フィルム。
(5)厚さ25〜100μmの熱可塑性樹脂フィルムにおいて、JIS K7105に準じて測定されるヘイズ値が3%以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムを用いた積層体。
(7)上記(6)記載の積層体を用いた画像表示装置。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、耐屈曲性に優れ、繰り返し折り畳みに対する耐久性が十分に向上したため、フレキシブルプリント回路(FPC)で用いる基材フィルムとして好適に使用ができる。中でも、折り畳み可能な画像表示装置において、FPC、カバーレイフィルムとして好適に長期使用に耐え得る性能を付与することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、少なくとも1方向に延伸された熱可塑性樹脂フィルムである。
<熱可塑性樹脂>
本発明のフィルムを構成する樹脂は、熱可塑性樹脂であることが必要であり、これにより、フィルムは、成形が容易であり、加熱や加圧によって、屈曲部にヒンジや段付き等の附形加工が容易であり、また、屈曲に対する耐久性を高めることができる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、3mmの間隔で180°折り畳む屈曲試験を30万回繰り返し行った場合に割れが生じないものであり、フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、ポリアミド樹脂であることが好ましく、半芳香族ポリアミド樹脂であることがより好ましい。半芳香族ポリアミド樹脂とは、脂肪族ジアミンと芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸;T、イソフタル酸;I、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸)を重縮合したものである。
半芳香族ポリアミド樹脂を構成するジカルボン酸成分としては、テレフタル酸を主成分として含むことが好ましい。ジカルボン酸成分中のテレフタル酸の割合は、60〜100モル%が好ましく、70〜100モル%がより好ましく、85〜100モル%がさらに好ましい。ジカルボン酸成分において、テレフタル酸の割合が60モル%未満の場合には、得られるフィルムの耐熱性、低吸水性が低下する場合がある。
半芳香族ポリアミド樹脂を構成するジカルボン酸成分に含まれる、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸や1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を例示することができる。
半芳香族ポリアミド樹脂を構成するジアミン成分としては、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミンなどの直鎖状脂肪族ジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−メチル−1,8−オクタンアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの分岐鎖状脂肪族ジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルアミン、トリシクロデカンジメチルアミンなどの脂環式ジアミン、フェニレンジアミンなどの芳香族ジアミンが挙げられる。
半芳香族ポリアミド樹脂のジアミン成分は、炭素数が9である脂肪族ジアミンを主成分として含むことが好ましく、ジアミン成分中における炭素数が9である脂肪族ジアミンの割合は、60〜100モル%が好ましく、75〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%がさらに好ましい。炭素数が9である脂肪族ジアミンの割合が60モル%未満の場合には、得られるフィルムの耐熱性、低吸水性、耐薬品性が低下する場合がある。
炭素数が9である脂肪族ジアミンとしては、1,9−ノナンジアミンなどの直鎖状脂肪族ジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−メチル−1,8−オクタンジアミンなどの分岐鎖状脂肪族ジアミンなどを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。上記のなかでも、成形性の観点から、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンを併用すること、あるいは1,9−ノナンジアミンを単独で使用することが好ましい。1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの共重合比(モル比)は、(1,9−ノナンジアミン)/(2−メチル−1,8−オクタンジアミン)=50/50〜100/0であることが好ましく、70/30〜100/0であることがより好ましく、75/25〜95/5であることがさらに好ましい。1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンを上記の割合で併用した、あるいは1,9−ノナンジアミンを単独で使用した半芳香族ポリアミド樹脂は、耐熱性、低吸水性に優れたフィルムとすることができる。
また、半芳香族ポリアミド樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、ε−カプロラクタム、ζ−エナントラクタム、η−カプリルラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム類が共重合されていてもよい。
本発明で用いる半芳香族ポリアミド樹脂としては、ポリアミド7T、ポリアミド8T、ポリアミド9T(Tg=108℃)、ポリアミド10T(Tg=118℃)、ポリアミド11T、ポリアミド12T等が好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを構成する半芳香族ポリアミド樹脂以外のポリアミド樹脂としては、ポリアミド6(Tg=58℃)、ポリアミド66(Tg=58℃)、ポリアミド11(Tg=46℃)、ポリアミド12(Tg=37℃)、ポリアミド610(Tg=48℃)、ポリアミド1010(Tg=37℃)等が挙げられ、ポリアミド樹脂以外の樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート(Tg=50℃)、ポリエチレンテレフタレート(Tg=75℃)、ポリエチレンナフタレート(Tg=155℃)、ポリカーボネート(Tg=145℃、ポリメタクリル酸メチル(Tg=100℃)等が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、末端封止剤が用いられてもよい。末端封止剤としては、熱可塑性樹脂の末端におけるアミノ基、水酸基、カルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば、特に限定されない。例えば、末端封止剤としては、モノカルボン酸、モノアミン、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などが挙げられる。
中でも、反応性、および封止された末端基の安定性などの点から、モノカルボン酸またはモノアミンが好ましい。また、取扱いの容易さなどの点からモノカルボン酸がより好ましい。モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸などが挙げられる。
末端封止剤の使用量は、用いられる末端封止剤の反応性、沸点、反応装置、反応条件などによって適宜に選択することができる。末端封止剤の使用量としては、分子量の調整や樹脂の分解抑制の観点から、ジカルボン酸成分とジアミン成分の総モル数、またジカルボン酸成分とジオール成分の総モル数に対して、0.1〜15モル%が好ましい。
本発明に用いる熱可塑性樹脂は、上記のような末端封止剤により分子鎖の末端基が封止されていることが好ましい。末端基の全量に対する末端封止されている末端基量の割合は、10モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましく、70モル%以上がさらに好ましい。封止されている末端基量の割合を10モル%以上とすることで、溶融成形時における樹脂の分解や、縮合が進行することによる分子量の増加を抑制することができる。また、樹脂の分解による気泡の発生が抑制されるため、熱可塑性樹脂から得られるフィルムの外観を優れたものとすることができる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、公知の方法によって、製造することができ、以下、半芳香族ポリアミド樹脂についてその製造方法について説明する。
半芳香族ポリアミド樹脂は、結晶性ポリアミド樹脂を製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。例えば、酸クロライドとジアミン成分とを原料とする溶液重合法または界面重合法、あるいはジカルボン酸成分とジアミン成分とを原料としてプレポリマーを作製し、該プレポリマーを溶融重合または固相重合により高分子量化する方法などが挙げられる。
前記プレポリマーは、例えば、ジアミン成分、ジカルボン酸成分および重合触媒を一括で混合することで調製されたナイロン塩を、200〜250℃の温度で加熱重合することで得ることができる。
上記のプレポリマーの極限粘度は、0.1〜0.6dl/gであることが好ましい。プレポリマーの極限粘度をこの範囲とすることで、続く固相重合や溶融重合において、ジカルボン酸成分におけるカルボキシル基とジアミン成分におけるアミノ基のモルバランスの崩れを生じさせず、重合速度を速くすることができるという利点がある。上記のプレポリマーの極限粘度が0.1dl/g未満であると、重合時間が長くなり、生産性に劣る場合がある。一方、0.6dl/gを超えると、得られる半芳香族ポリアミド樹脂が着色する場合がある。
上記のプレポリマーの固相重合は、好ましくは、減圧下または不活性ガス流通下でおこなわれる。また、固相重合の温度は200〜280℃であることが好ましい。固相重合の温度をこの範囲とすることで、得られる半芳香族ポリアミド樹脂の着色やゲル化を抑制することができる。固相重合の温度が200℃未満であると、重合時間が長くなるため生産性に劣る場合がある。一方、280℃を超えると、得られる半芳香族ポリアミド樹脂において、着色やゲル化が発現する場合がある。
また、上記のプレポリマーの溶融重合は、好ましくは、350℃以下の温度で行われる。重合温度が350℃を超えると、半芳香族ポリアミド樹脂の分解や熱劣化が促進される場合がある。そのため、このような半芳香族ポリアミド樹脂から得られたフィルムは、強度や外観に劣ることがある。なお、上記の溶融重合には、溶融押出機を用いた溶融重合も含まれる。
上記した半芳香族ポリアミド樹脂の重合に際して、重合触媒が用いられる。重合触媒としては、反応速度や経済性の観点から、リン系触媒が用いられることが好ましい。リン系触媒としては、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、リン酸、それらの塩(例えば、次亜リン酸ナトリウムなど)、またはそれらのエステル[例えば、2,2−メチレンビス(ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなど]が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、重合触媒として亜リン酸を用いて重合されて得られた半芳香族ポリアミド樹脂であることがより好ましい。重合触媒を亜リン酸とすることで、他の重合触媒(例えば、次亜リン酸触媒など)を用いて重合された半芳香族ポリアミド樹脂を用いる場合と比較して、フィルム製膜において、フィルターを用いることによる濾過の際の濾圧の上昇を抑制することができる。なお、濾圧の上昇を抑制することにより奏される効果については、後述する。
また、触媒である亜リン酸を用いて重合されて得られた半芳香族ポリアミド樹脂を用いることで、得られる樹脂のゲル化そのものを抑制することができる。その結果、フィッシュアイの発生が抑制される。
得られた半芳香族ポリアミド樹脂における重合触媒の含有量は、ジカルボン酸成分とジアミン成分の合計量に対して、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.05〜2質量%であることがより好ましく、0.07〜1質量%であることがさらに好ましい。重合触媒の含有量をこの範囲とすることで、半芳香族ポリアミド樹脂の劣化を抑制しつつ、該半芳香族ポリアミド樹脂を効率よく重合することができる。重合触媒の含有量が0.01質量%未満であると触媒作用が発現しない場合がある。一方、5質量%を超えると、経済性の点で不利となる場合がある。
<熱可塑性樹脂フィルム>
次に、本発明の熱可塑性樹脂フィルムについて説明する。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、3mmの間隔で180°折り畳む屈曲試験を30万回繰り返し行った場合に、割れが生じないことが必要であり、割れが生じない折り畳み回数は、60万回であることが好ましい。上記割れとは、熱可塑性樹脂フィルム自体の破断割れや、熱可塑性樹脂フィルムに積層したハードコート層の割れのことをいう。熱可塑性樹脂フィルムは、この試験を30万回繰り返し行った場合に、割れが生じると、折り畳み可能な画像表示装置において、FPCの基材フィルムやカバーレイフィルムとして、長期の使用に耐えることができない。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、耐衝撃性を有することが好ましい。熱可塑性樹脂フィルムは、耐衝撃性を有することで、画像表示装置に必要以上の力が加えられた場合の破断や、落下させた場合の破損に耐え得る耐久性を高めることができる。本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、耐衝撃強度が0.7J以上であることが好ましく、1.2J以上であることがより好ましく、1.5J以上であることがさらに好ましい。このような耐衝撃性を有することで、前記屈曲試験を行った場合の耐久性と相乗的に効果を発揮し、熱可塑性樹脂フィルムの画像表示装置用途での実用的な耐久性能を兼ね備えたものとなる。
上記耐屈曲性や耐衝撃性を得るためには、熱可塑性樹脂フィルムは、少なくとも一方向に延伸されていることが必要であり、好ましくは2軸方向に延伸され、厚さが25μm以上であることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましく、50〜75μmであることがさらに好ましい。
延伸されていないフィルムは、強靭性に劣る傾向にあり、フィルムは、延伸することにより、耐屈曲性、耐衝撃性、低吸水性、耐薬品性、耐熱性、力学的特性を向上させることができる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、このような特性を有することで、画像表示装置で用いる積層体において、耐久性を有する。特に有機OLED等、薄型の画像表示装置において、画像表示装置そのものを曲げたり、折り曲げたり、折り畳んだりして様々に変形しても、画像表示装置に割れが生じないものとすることができる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、ガラス転移温度が80℃以上であることが好ましく、95℃以上であることがより好ましく、105℃以上であることがさらに好ましい。熱可塑性樹脂フィルムは、ガラス転移温度が80℃以上であることで、熱可塑性樹脂フィルムを含む積層体を作製する際の加工温度や、積層体を組み込んで画像表示装置を作製する場合の加工温度に耐え得ることができ、さらには、画像表示装置そのものの発熱による熱膨張や変形に耐え得ることができる。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムのJIS K7105に準じて測定されるヘイズ値は、上記厚さ25〜100μmにおいて、3%以下であることが好ましく、2%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましい。ヘイズ値が3%を超えると、熱可塑性フィルムは、透明性が低く、光源の光を弱めるため、ディスプレイ装置に組み込むことが困難になることがある。したがって、ヘイズ値は低いほど好ましいが、1%以下であればディスプレイ用途の大半の要求を満たすことができる。
ヘイズ値をこの範囲にするためには、例えば、添加剤の粒子径や含有量を調整したり、熱処理条件を調整したりすることなどの手法が採用される。特に、熱可塑性樹脂フィルムに、粒子を含有するコーティング剤を塗布して積層体とする手法が好ましい。フィルム表面の非常に薄い塗布層に粒子を並べることができるため、フィルム中に粒子を含有させる場合よりも少ない添加量で、捲き取りなどのウェブハンドリングに必要な滑り性を確保できるため、低いヘイズ値を達成しやすい。
<粒子>
粒子としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウムなどの無機粒子、アクリル系樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子などの有機系微粒子が挙げられる。
粒子の平均粒径は、摩擦特性、光学特性など、要求特性に応じて適宜選択することができるが、光学特性や平滑性の観点からは、0.01〜10μmであることが好ましく、0.05〜6μmであることがより好ましい。平均粒径が10μmよりも大きいと、粒子は脱落しやすくなることに加え、肉眼で認識できるサイズであるため、ディスプレイ用途の使用において、映像の鮮明さに影響を及ぼすことがある。一方、平均粒径が0.01μmよりも小さい粒子は、ウェブハンドリングに必要な滑り性を確保できず、また、再凝集して粗大粒子を形成しやすいため、好ましくない。
<熱安定剤>
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、製膜時の熱安定性を高め、フィルムの強度や伸度の劣化を防ぎ、使用時においても酸化や分解などに起因するフィルムの劣化を防止するため、熱安定剤を含有することが好ましい。熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系熱安定剤、ヒンダードアミン系熱安定剤、リン系熱安定剤、イオウ系熱安定剤、二官能型熱安定剤などが挙げられる。
ヒンダードフェノール系熱安定剤としては、例えば、イルガノックス1010(Irganox1010、BASFジャパン社製、化学式名:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート])、イルガノックス1076(Irganox1076、BASFジャパン社製、登録商標、化学式名:オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、サイアノックス1790(Cyanox1790、サイアナミド社製、登録商標、化学式名:1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸)、イルガノックス1098(Irganox1098、BASFジャパン社製、登録商標、化学式名:N,N′−(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド])、スミライザーGA−80(SumilizerGA−80、住友化学社製、登録商標、化学式名:3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン)などが挙げられる。
ヒンダードアミン系熱安定剤としては、例えば、ナイロスタブ S−EED(Nylostab S−EED、登録商標、クラリアントジャパン社製、化学式名:2−エチル−2′−エトキシ−オキザルアニリド)などが挙げられる。
リン系熱安定剤としては、例えば、イルガフォス168(Irgafos168、BASFジャパン社製、登録商標、化学式名:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト)、イルガフォス12(Irgafos12、BASFジャパン社製、登録商標、化学式名:6,6′,6″−[ニトリロトリス(エチレンオキシ)]トリス(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン)、イルガフォス38(Irgafos38、BASFジャパン社製、登録商標、化学式名:ビス(2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル)エチルエステル亜リン酸)、アデカスタブ329K(ADKSTAB329K、旭電化社製、登録商標、化学式名:トリス(モノ−ジノニルフェニル)ホスファイト)、アデカスタブPEP36(ADKSTAB PEP36、旭電化社製、登録商標、化学式名:ビス(2,6−ジ―tert―ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト)、Hostanox P−EPQ(クラリアント社製、化学式名:テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンジホスホナイト)、GSY−P101(堺化学工業社製、登録商標、化学式名:テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンジホスホナイト)、スミライザーGP(住友化学社製、登録商標、化学式名:6−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン)などが挙げられる。
イオウ系熱安定剤としては、DSTP(ヨシトミ)(吉富社製、登録商標、化学式名:ジステアリルチオジプロピオネート)、Seenox 412S(シプロ化成社製、登録商標、化学式名:ペンタエリスリトール テトラキス−(3−ドデシルチオプロピオネート)、Cyanox 1212(サイアナミド社製、登録商標、化学式名:ラウリルステアリルチオジプロピオネート)などが挙げられる。
二官能型熱安定剤としては、例えば、スミライザーGM(住友化学社製、登録商標、化学式名:2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート)、スミライザーGS(住友化学社製、登録商標、化学式名:2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート)などが挙げられる。
なかでも、フィルムの製膜時におけるフィルター昇圧を防止する観点からは、リン系熱安定剤が好ましく、一般式(I)で示されるリン系熱安定剤がより好ましく、一般式(I)のR〜Rがすべて2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル基であるリン系熱安定剤がさらに好ましい。
なお、上記式(I)中、R〜Rは、独立して、水素、2,4−ジ−tert−ブチル−5−メチルフェニル基、または、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基を示す。
一般式(I)で示されるリン系熱安定剤としては、Hostanox P−EPQ、GSY−P101等が挙げられる。
フィルム強度の劣化を防止する観点からは、ヒンダードフェノール系熱安定剤が好ましい。ヒンダードフェノール系熱安定剤の熱分解温度は、320℃以上が好ましく、350℃以上がより好ましい。熱分解温度が320℃以上のヒンダードフェノール系熱安定剤としては、スミライザーGA−80が挙げられる。また、ヒンダードフェノール系熱安定剤は、アミド結合を有していれば、フィルム強度の劣化を防止することができる。アミド結合を有しているヒンダードフェノール系熱安定剤としては、イルガノックス1098が挙げられる。また、ヒンダードフェノール系熱安定剤に二官能型熱安定剤を併用すれば、フィルム強度の劣化をさらに低減することができる。
これらの熱安定剤は、単独で用いてもよいし、併用してもよい。例えば、ヒンダードフェノール系熱安定剤とリン系熱安定剤を併用すれば、フィルムの製膜時におけるフィルターの昇圧を防止することができ、フィルム強度の劣化を防止することができる。また、ヒンダードフェノール系熱安定剤とリン系熱安定剤と二官能型熱安定剤を併用すれば、フィルムの製膜時におけるフィルターの昇圧を防止することができ、フィルム強度の劣化をさらに低減することができる。
ヒンダードフェノール系熱安定剤とリン系熱安定剤の組み合わせとしては、Hostanox P−EPQまたはGSY−P101と、スミライザーGA−80またはイルガノックス1098との組み合わせが好ましい。ヒンダードフェノール系熱安定剤とリン系熱安定剤と二官能型熱安定剤の組み合わせとしては、HostanoxP−EPQまたはGSY−P101と、スミライザーGA−80またはイルガノックス1098と、スミライザーGSの組み合わせが好ましく、GSY−P101、スミライザーGA−80およびスミライザーGSの組み合わせがより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂フィルムにおける上記の熱安定剤の含有量としては、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01〜2質量部であることが好ましく、0.05〜1質量部であることがより好ましい。熱安定剤の含有量が0.01質量部未満であると、分解を抑制できない場合がある。一方、2質量部を超えると、経済的に不利となる場合がある。なお、熱安定剤を2種以上併用する場合は、各々の熱安定剤の個別の含有量、および熱安定剤の合計の含有量のいずれもが、上記の範囲に入っていることが好ましい。
<熱可塑性エラストマー>
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、熱可塑性エラストマーを含有してもよい。熱可塑性樹脂フィルムが熱可塑性エラストマーを含有することで、繰り返し折り畳みに対する耐久性をさらに高めることができる。
熱可塑性エラストマーとしては、例えばポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
中でもポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、例えば、ハードセグメントが熱可塑性高結晶性ポリオレフィンであるとともに、ソフトセグメントがエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムであるものが挙げられる。
熱可塑性エラストマーは、熱可塑性樹脂の末端基であるアミノ基やカルボキシル基、および主鎖のアミド基と反応しうる官能基を有することが好ましい。官能基としては、カルボキシル基またはその無水物、アミノ基、水酸基、エポキシ基、アミド基およびイソシアネート基から選ばれる少なくとも一種の官能基であることが好ましく、ジカルボン酸および/またはその誘導体がより好ましい。熱可塑性樹脂の末端基と反応しうる官能基を有しない熱可塑性エラストマーを含有する熱可塑性樹脂は、二軸延伸時の延伸性が低下し、均一な延伸フィルムが得られない場合があり、また、得られた延伸フィルムは、変形耐性が不十分になる場合がある。
本発明において、熱可塑性樹脂として半芳香族ポリアミド樹脂を用いる場合には、熱可塑性エラストマーとしてジカルボン酸および/またはその誘導体で変性された熱可塑性エラストマーを用いることが特に好ましい。このような樹脂としては、三井化学社製タフマー等が挙げられる。なお、熱可塑性エラストマーの必要以上の添加は、得られるフィルムの透明性を損なうため、熱可塑性エラストマーの含有量は、熱可塑性樹脂全体の5質量%未満であることが好ましい。
<添加剤>
また、本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、顔料、染料などの着色剤、着色防止剤、酸化防止剤、耐候性改良剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、強化剤、改質剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、防曇剤、各種ポリマー樹脂などが挙げられる。
顔料としては酸化チタンなどが挙げられる。耐候性改良剤としてはベンゾトリアゾール系化合物などが挙げられる。難燃剤としては臭素系難燃剤やリン系難燃剤などが挙げられる。強化剤としてはタルクなどが挙げられる。
なお、上記のような添加剤を本発明の熱可塑性樹脂フィルムに含有させるには、本発明の熱可塑性樹脂フィルムを製造する際の任意の段階で添加すればよい。
<表面処理>
本発明の熱可塑性樹脂フィルムには、必要に応じて、その表面の接着性を向上させるための処理をほどこすことができる。接着性を向上させる方法としては、コロナ処理、プラズマ処理、酸処理、火炎処理などが挙げられる。
<積層体>
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、各種機能を有する層を積層して、積層体とすることができる。各種機能を有する層は、熱可塑性樹脂フィルムの片面もしくは両面に対し各種コーテョング層やラミネート層を設けることによって積層することができる。
コーティング剤としては、アミド系、ウレタン系、エステル系、オレフィン系などの接着用塗料、アクリル系、シランカップリング剤系などのハードコート用塗料、界面活性剤系、導電性高分子系、カーボン系、金属酸化物系などの帯電防止用塗料、シリコーン系、オレフィン系などの離型用塗料、ポリビニルアルコールやポリ塩化ビニリデンなどを含むガスバリア用塗料、ヒンダードアミン系、酸化亜鉛系などの紫外線吸収用塗料などが挙げられる。
(接着層)
本発明の熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、コーティング剤として上記接着用塗料を塗布して接着層を設ける場合、得られる積層体においても繰り返し折り畳みに対する耐久性が優れるように、ダイマー酸系ポリアミド樹脂と架橋剤とを含有する接着用塗料を使用することが好ましい。
接着層を構成するダイマー酸系ポリアミド樹脂は、大きな炭化水素グループを有するため、ポリアミド樹脂として広く使用されているナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などの樹脂に比べて、柔軟性に優れている。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分としてダイマー酸をジカルボン酸成分全体の50モル%以上含有することが好ましく、60モル%以上含有することがより好ましく、70モル%以上含有することがさらに好ましい。ダイマー酸の割合が50モル%未満であると、ダイマー酸系ポリアミド樹脂の特性や効果を奏することが困難となる。
ここでダイマー酸とは、オレイン酸やリノール酸などの炭素数18の不飽和脂肪酸を二量化することによって得られるものであり、ダイマー酸成分の25質量%以下であれば、単量体であるモノマー酸(炭素数18)、三量体であるトリマー酸(炭素数54)、炭素数20〜54の他の重合脂肪酸を含んでもよく、さらに水素添加して不飽和度を低下させたものでもよい。ダイマー酸は、ハリダイマーシリーズ(ハリマ化成社製)、プリポールシリーズ(クローダジャパン社製)、ツノダイムシリーズ(築野食品工業社製)などとして市販されており、これらを用いることができる。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂のジカルボン酸成分としてダイマー酸以外の成分を用いる場合は、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ノナンジカルボン酸、フマル酸などを用いることが好ましく、これらを50モル%未満含有することにより、樹脂の軟化点や接着性などの制御が容易となる。
また、ダイマー酸系ポリアミド樹脂のジアミン成分としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、m−キシレンジアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピペラジンなどを用いることができ、中でもエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、m−キシレンジアミン、ピペラジンが好ましい。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂を重合する際に、上記ジカルボン酸成分とジアミン成分の仕込み比を変更することによって、樹脂の重合度または酸価もしくはアミン価を制御することが可能となる。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂のアミン価は、1.0mgKOH/g未満であることが好ましく、0.7mgKOH/g未満であることがより好ましく、0.4mgKOH/g未満であることがさらに好ましい。アミン価が1.0mgKOH/g以上のダイマー酸系ポリアミド樹脂を接着層に用いた場合、接着層の耐熱性が低下することがある。
また、ダイマー酸系ポリアミド樹脂の酸価は、1〜20mgKOH/gであることが好ましく、1〜15mgKOH/gであることがより好ましく、3〜12mgKOH/gであることがさらに好ましく、3〜7mgKOH/gであることが最も好ましい。ダイマー酸系ポリアミド樹脂の酸価が1mgKOH/g未満では、接着層を形成するための接着層形成用の塗剤として、安定なものを得ることが困難になり、一方、20mgKOH/gを超えると、本来のダイマー酸系ポリアミド樹脂の良好な特性である接着層の耐薬品性が低下することがある。
なお、酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数で定義されるものである。一方、アミン価とは、樹脂1g中の塩基成分とモル当量となる水酸化カリウムのミリグラム数で表されるものである。いずれも、JIS K2501に記載の方法で測定される。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂の軟化点は、70〜250℃であることが好ましく、80〜240℃であることがより好ましく、80〜200℃であることがさらに好ましい。軟化点が70℃未満であると、得られる接着層は、耐熱性が低くなる傾向にあり、また室温におけるタック感が高くなる傾向にある。一方、軟化点が250℃を超えると、樹脂を水性媒体中に分散させて接着層形成用塗剤を調製するのが困難となる傾向にあるだけでなく、得られる接着層は、接着する際に樹脂の流動性が不十分となり、十分な接着性が得られない可能性がある。
接着層は、ダイマー酸系ポリアミド樹脂とともに架橋剤を含有することが好ましい。ダイマー酸系ポリアミド樹脂を架橋することにより、樹脂の軟化点以上に加熱しても低流動性(高温下低流動性)を示す接着層を得ることができる。
架橋剤としては、ダイマー酸系ポリアミド樹脂同士を架橋できるものであれば、どのようなものでも使用できる。例えば、ヒドラジド化合物、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物が好ましく、これらの化合物を、単独でまたは混合して用いることができる。中でもオキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物が好適である。この他、架橋剤として、自己架橋性を有するものや多価の配位座を有するものなども使用できる。
架橋剤は、入手が容易であるという点から、市販のものを用いてもよい。具体的には、ヒドラジド化合物として、大塚化学社製APAシリーズ(APA−M950、APAM980、APA−P250、APA−P280など)などが使用できる。イソシアネート化合物として、BASF社製のバソナート(BASONAT)PLR8878、バソナートHW−100、住友バイエルウレタン社製のバイヒジュール(Bayhydur)3100、バイヒジュールVPLS2150/1などが使用できる。メラミン化合物として、三井サイテック社製サイメル325などが使用できる。尿素化合物として、DIC社製のベッカミンシリーズなどが使用できる。エポキシ化合物として、ナガセケムテック社製のデナコールシリーズ(EM−150、EM−101など)、ADEKA社製のアデカレジンEM−0517、EM−0526、EM−051R、EM−11−50Bなどが使用できる。カルボジイミド化合物として、日清紡ケミカル社製のカルボジライトシリーズ(SV−02、V−02、V−02−L2、V−04、E−01、E−02、V−01、V−03、V−07、V−09、V−05)などが使用できる。オキサゾリン化合物として、日本触媒社製のエポクロスシリーズ(WS−500、WS−700、K−1010E、K−1020E、K−1030E、K−2010E、K−2020E、K−2030E)などが使用できる。これらは、架橋剤を含む分散体または溶液として市販されている。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂と架橋剤を含有する接着層において、ダイマー酸系ポリアミド樹脂100質量部に対し、架橋剤を0.5〜50質量部含有することが好ましい。架橋剤の含有量が0.5質量部未満になると、接着層において所望の高温下低流動性などの架橋効果が得難くなり、一方、50質量部を超えると、接着層形成用コーティング剤の液安定性や加工性などが低下する結果、接着層としての基本性能が得難くなることがある。
積層体における接着層の厚みは、特に限定されるものではなく、被着体の種類に応じて任意に選択することができる。一般的には、接着層の厚みは、0.05〜50μmの範囲とすることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましい。0.05μm未満では、接着性が十分に発現されないことがあり、一方、50μmを超えると接着性が飽和し、コスト的に不利となる場合がある。
(ハードコート層)
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、前述のハードコート用塗料を塗布して、ハードコート層を積層することができる。ハードコート層を積層することで耐傷付き性等の性能を高めることができる。さらには基材として耐屈曲性に優れた熱可塑性樹脂フィルムを用いているので、ハードコート層を積層しても耐屈曲性に優れた積層体とすることができる。
熱可塑性樹脂フィルムとハードコート層は、十分に密着性が高いことが好ましい。熱可塑性樹脂フィルムとハードコート層は、密着性が不十分であると、積層体もしくは画像表示装置として繰り返し屈曲を行った際に、界面で剥離を生じ、その結果、熱可塑性樹脂フィルム本来の耐屈曲性が損なわれ、積層体もしくは画像表示装置が割れる懸念が高まる。
熱可塑性樹脂フィルムとハードコート層の密着性を高めるには、熱可塑性樹脂フィルムとハードコート層との間に、予め接着層を設けることが好ましい。接着層としては任意のものを用いることができるが、ハードコート層がアクリル系である場合、前述のダイマー酸ポリアミドを含有する接着層を設けることで、熱可塑性樹脂フィルムとハードコート層の密着性を高めることができる。
なお、本発明の熱可塑性樹脂フィルムにコーティング剤を塗布する場合、延伸後のフィルムに塗布してもよく、延伸前のフィルムに塗布してもよい。また、延伸機の直前でコーティング剤を塗布し、さらに延伸機の予熱区間で乾燥することで、被膜形成させてもよい。
(その他の層)
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、上記コーティング剤を塗布する以外に、金属またはその酸化物などの無機物、他種ポリマー、紙、織布、不織布、木材などを積層して積層体を形成してもよい。
無機物としては、例えば、アルミ、アルミナ、シリカなどが挙げられる。
他種ポリマーとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)、エチレン/ブテン共重合体(EBR)、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/酢酸ビニル共重合体鹸化物(EVOH)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)などのポリオレフィン系樹脂、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸などのカルボキシル基含有不飽和化合物およびその金属塩(Na、Zn、K、Ca、Mg)、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3ジカルボン酸無水物などの酸無水物基含有不飽和化合物、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジルなどのエポキシ基含有不飽和化合物などにより、カルボキシル基またはその金属塩、酸無水物基、エポキシ基などの官能基が導入された、上記のポリオレフィン系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、PET/PEI共重合体、ポリアリレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリエステルなどのポリエステル系樹脂、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシドなどのポリエーテル系樹脂、ポリサルホン、ポリエーテルスルホンなどのポリサルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリチオエーテルサルホンなどのポリチオエーテル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトンなどのポリケトン系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS)、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体(MBS)などのポリニトリル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチルなどのポリメタクリレート系樹脂、ポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体などのポリ塩化ビニル系樹脂、酢酸セルロース、酪酸セルロースなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネートなどのポリカーボネート系樹脂、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどのポリイミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(TFE/HFP,FEP)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体(TFE/HFP/VDF,THV)、テトラフルオロエチレン/フルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)などのフッ素系樹脂、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、メラミンが挙げられる。
<熱可塑性樹脂フィルムの製造>
次に、本発明の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法について説明する。
本発明においては、熱可塑性樹脂を溶融して溶融ポリマーを得、該溶融ポリマーを絶対濾過径60μm以下の金属焼結フィルターを通した後、フィルム状に成形することが好ましい。
より具体的には、以下のような製造方法である。すなわち、前記の熱可塑性樹脂、必要に応じて熱安定剤や各種の添加剤を押出機で溶融混練し、溶融ポリマーを得る。そして該溶融ポリマーをフィルターで濾過し、濾過された溶融ポリマーをTダイなどのフラットダイを用いて、フィルム状に押出す。その後、フィルム状の溶融物を冷却ロールやスチールベルトなどの移動冷却体の冷却面に接触させて冷却することにより、熱可塑性樹脂フィルムを得ることができる。この熱可塑性樹脂フィルムは、実質的に未配向の未延伸フィルムである。
フィルムの製膜の際に用いる移動冷却体の温度は、20〜90℃であることが好ましく、45〜70℃であることがより好ましく、45〜60℃であることがさらに好ましい。移動冷却体の設定温度が90℃を超えると、得られたフィルムは、移動冷却体からの剥離が困難となる場合がある。また、冷却移動体の温度が20℃未満であると、フィルム状の溶融物が移動冷却体に接触した際に、冷却ムラが起りやすくなり、得られるフィルムは、平坦性が損なわれる場合がある。
次に、得られた未延伸フィルムを、予熱後に、延伸する。
予熱温度としては、(Tg−20℃)〜(Tg+40℃)であることが好ましく、(Tg−15℃)〜(Tg+35℃)であることがより好ましい。予熱温度をこの範囲とすることで、延伸ムラやフィルムの破断が発現することなく、安定して延伸をおこなうことができる。(Tg−20℃)未満であると、延伸時にフィルムが変形できずに破断する場合があり、一方、(Tg+40℃)を超えると、延伸前に結晶化して延伸時に破断したり、延伸ムラが生じたりする場合がある。ここで、Tgはガラス転移温度を示す。
また、延伸前のフィルムの予熱時間は、特に限定されず、1〜60秒が現実的な範囲である。
フィルムを延伸する方法としては、フラット式逐次二軸延伸法、フラット式同時二軸延伸法、チューブラ法などを挙げることができる。中でも、フィルムの厚み精度を良好とし、フィルムの幅方向の物性を均一とすることができる観点から、フラット式同時二軸延伸法を採用することが好ましい。
フラット式同時二軸延伸法を採用するための延伸装置としては、スクリュー式テンター、パンタグラフ式テンター、リニアモーター駆動クリップ式テンターなどを用いることができる。
フィルムの延伸温度は、Tg以上であることが好ましく、Tgを超え(Tg+50℃)以下であることが好ましい。延伸温度をこの範囲とすることで、延伸ムラやフィルム破断を生じさせることなく安定して延伸することができる。Tg未満であると、フィルムが破断してしまう場合がある。一方、(Tg+50℃)を超えると、延伸前に結晶化が進み、延伸ムラが発現する場合がある。
延伸をおこなった後、延伸のためのクリップでフィルムを把持したまま、熱固定処理を行うことが好ましい。熱固定処理を行うことで、得られるフィルムの高温での寸法安定性を向上させることができる。
熱固定処理温度は、フィルムの耐熱性や寸法安定性の観点から、200℃〜(Tm−5℃)であることが好ましく、240℃〜(Tm−10℃)であることがより好ましい。
さらに、熱固定処理をおこなった後、クリップでフィルムを把持したまま1〜10%の弛緩処理を行うことが好ましく、3〜7%の弛緩処理を行うことがより好ましい。弛緩処理をおこなうことで、得られるフィルムの高温での寸法安定性をさらに向上させることができる。
得られ熱可塑性樹脂フィルムは、枚葉とされてもよいし、巻き取りロールに巻き取られることでフィルムロールの形態とされてもよい。各種用途への利用に際しての生産性の点から、フィルムロールの形態とすることが好ましい。フィルムロールとされた場合は、所望の巾にスリットされてもよい。
<用途>
本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、耐屈曲性に優れるため、熱可塑性樹脂フィルムを少なくとも1層含む積層体は、折り畳み式の部材として使用することができ、例えば、折り畳み式スマートフォンや折り畳み式タッチパネル等の折り畳み式画像表示装置、折り畳み式の(電子)アルバム等に用いることができる。なお、折り畳まれる構造を備えた部材での、折り畳み箇所は、1箇所であっても、複数個所であってもよい。折り畳みの方向も必要に応じて任意に決めることができる。
また本発明の熱可塑性樹脂フィルムは、耐屈曲性に優れるとともに、機械特性、接着性に優れ、耐熱性、耐湿熱性、耐薬品性、低吸水性に優れている。このため、本発明の熱可塑性樹脂フィルムを少なくとも1層含む積層体は、以下のような分野において、好適に使用されることができる。すなわち、LED実装基板、フレキシブルプリント配線板、フレキシブルフラットケーブルなどの電子基板材料、フレキシブルプリント配線用カバーレイフィルムなどとして、好適に使用することができる。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。しかし、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)ガラス転移温度
得られた熱可塑性樹脂フィルムについて、示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用い、昇温速度20℃/分で25℃から350℃まで昇温した。得られたDSCチャートにおいて、ガラス転移に由来する2つの折曲点温度の中間値をガラス転移温度(Tg)とした。
(2)耐屈曲性
得られた熱可塑性樹脂フィルムおよび積層体を、30mm×100mmの長方形にカットして試験片を作製した。
作製した試験片を、温度20℃、湿度65%RHで十分に状態調整を行った後、耐久試験機(ユアサシステム機器社製、DLDMLH−FU型)に、曲げR半径が3.0mmとなるようにして取り付け、同雰囲気下、全面を180°折り畳む屈曲試験を30万回行い、割れが生じるまでの屈曲回数をカウントした。また屈曲回数30万回で一旦試験を中断し、割れ、白化、曲げ跡について評価し、同様に屈曲回数60万回で評価し、下記のように評価をまとめた。
なお、接着層やハードコート層が積層された熱可塑性樹脂フィルムを評価する場合、積層された接着層やハードコート層面が内側となるようにして屈曲試験を行った。
<割れ>
◎:60万回で、フィルムにフィルムの破断割れもしくは、ハードコートの割れが生じていない。
○:60万回では、フィルムにフィルムの破断割れもしくは、ハードコートの割れが生じたが、30万回では、割れが生じていない。
×:30万回以下で、フィルムにフィルムの破断割れもしくは、ハードコートの割れが生じた。この場合割れが生じた時点で、屈曲試験は終了した。
<白化>
◎:60万回で、フィルム屈曲部が白くならない。
○:30万回では、フィルム屈曲部が白くならないが、60万回ではフィルム屈曲部が白くなった。
△:10万回では、フィルム屈曲部が白くならないが、30万回ではフィルム屈曲部が白くなった。
×:10万回で、フィルム屈曲部が線状に白くなった。
<曲げ跡>
◎:60万回でフィルム屈曲部に明らかな跡が残らない。
○:30万回ではフィルム屈曲部に明らかな跡が残らないが、60万回ではフィルム屈曲部に曲げ跡が残った。
△:10万回ではフィルム屈曲部に明らかな跡が残らないが、30万回ではフィルム屈曲部に曲げ跡が残った。
×:10万回で、フィルム屈曲部の曲げ跡が顕著である。
(3)衝撃強度
温度20℃、湿度65%RHで十分に状態調整を行った後、幅100mm×長さ100mmの正方形に切り出したものを試験片とした。これを、フィルムインパクトテスタ(東洋精機製作所社製)を用い、1/2インチ、3.0kgf/cmの半球を衝撃ヘッドとして固定し、試験片をエア圧3〜4kg/cmで固定し、全衝撃ヘッドを衝突させることで衝撃強度を測定した。試験数N=10で測定を実施し、平均値を測定値とした。
(4)ヘイズ
JIS K7105に準じて、ヘイズメーター(日本電色社製、NDH2000型)を用い、半芳香族ポリアミドフィルムの全光線透過率(Tt)、拡散透過率(Td)の測定を行い、下記式に基づいて、ヘイズを計算した。
ヘイズ(%)=(Td/Tt)×100
(5)滑り性
JIS−K7125に準じて、フィルムの動摩擦係数を測定し、下記の基準で滑り性を評価した。
◎:0.4以下
○:0.4を超え、0.6以下
×:0.6を超える
半芳香族ポリアミド樹脂は、下記の方法によって製造した。
(1)ポリアミド9T樹脂
1264gの1,9−ノナンジアミン(NMDA)、316gの2−メチル−1,8−オクタンジアミン(MODA)、1627gのテレフタル酸(TPA、平均粒径:80μm)(NMDA:MODA:TPA=80:20:99、モル比)、48.2gの安息香酸(ジカルボン成分とジアミン成分の総モル数に対して4.0モル%)、3.2gの亜リン酸(ジカルボン成分とジアミン成分の合計量に対して0.1質量%)、1100gの水を反応装置に入れ、窒素置換した。さらに、80℃で0.5時間、毎分28回転で撹拌した後、230℃に昇温した。その後、230℃で3時間加熱した。その後冷却し、反応生成物を取り出した。該反応生成物を粉砕した後、乾燥機中において、窒素気流下、220℃で5時間加熱し、固相重合してポリマーを得た。そして、シリンダー温度320℃の条件下で溶融混練してストランド状に押し出した。その後、冷却、切断して、ペレット状のポリアミド9T樹脂を調製した。
(2)ポリアミド10T樹脂
ジアミンを、1720gの1,10−デカンジアミンに変更する以外は、ポリアミド9T樹脂と同様の操作をおこなって、ポリアミド10T樹脂を調製した。
熱可塑性エラストマーを含有するマスターバッチを以下の方法で製造した。
・熱可塑性エラストマー含有マスターバッチ
ポリアミド9T樹脂を75質量%、熱可塑性エラストマー(三井化学社製、タフマーMH7020、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、溶融粘度1.5g/10分、Tg −65℃)を25質量%、さらにポリアミド9T樹脂と熱可塑性エラストマーの合計100質量部に対してヒンダードフェノール系熱安定剤(3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、住友化学社製「スミライザーGA−80」、熱分解温度:392℃)0.4質量部をドライブレンドした。そして、これを、シリンダー温度を310℃に加熱したところの、スクリュー径が26mmである二軸押出機に投入し、溶融混練して、ストランド状に押出した。その後、冷却、切断して、ペレット状の熱可塑性エラストマー含有マスターバッチを製造した。
接着用塗料として、下記のダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体を製造した。
・ダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体
撹拌機およびヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、75.0gのダイマー酸系ポリアミド樹脂(ジカルボン酸成分としてダイマー酸を100モル%含有、ジアミン成分としてエチレンジアミンを100モル%含有、酸価10.0mgKOH/g、アミン価0.1mgKOH/g、軟化点110℃、200℃における溶融粘度1,100mPa・s)、37.5gのイソプロパノール(IPA)、37.5gのテトラヒドロフラン(THF)、7.2gのN,N−ジメチルエタノールアミンおよび217.8gの蒸留水を仕込んだ。回転速度を300rpmで撹拌しながら、系内を加熱し、120℃で60分間加熱攪拌を行った。その後、撹拌しながら室温付近(約30℃)まで冷却し、100gの蒸留水を追加した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)でごくわずかに加圧しながらろ過した。得られた水性分散体を1Lナスフラスコに入れ、80℃に加熱した湯浴につけながらエバポレーターを用いて減圧し、IPA、THF、水の混合媒体約100gを留去し、乳白色の均一なダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体を得た。得られた分散体の固形分濃度は20質量%、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.040μm、pHは10.4、粘度は36mPa・sであった。
実施例1
(ポリアミド9Tフィルムの製造)
100質量部のポリアミド9T樹脂、および0.2質量部のヒンダードフェノール系熱安定剤「スミライザーGA−80」を、シリンダー温度320℃に加熱した単軸押出機に投入して溶融して、溶融ポリマーを得た。該溶融ポリマーを金属繊維焼結フィルター(日本精線社製、「NF−10」、絶対濾過径:30μm)を用いて濾過した。その後、320℃にしたTダイよりフィルム状に押し出し、フィルム状の溶融物とした。50℃に設定した冷却ロール上に、該溶融物を静電印加法により密着させて冷却し、実質的に無配向の未延伸フィルム(厚さ:500μm)を得た。
次に、この未延伸フィルムの両端をクリップで把持しながら、テンター方式同時二軸延伸機(入口幅:193mm、出口幅:605mm)に導いて、同時二軸延伸をおこなった。延伸条件は、予熱部の温度が120℃、延伸部の温度が130℃、MD方向の延伸歪み速度が2400%/分、TD方向の延伸歪み速度が2760%/分、MD方向の延伸倍率が3.0倍、TD方向の延伸倍率が3.3倍であった。
そして、同テンター内で、270℃で熱固定を行い、フィルムの幅方向に5%の弛緩処理を施し、厚さ50μmの二軸延伸ポリアミド9Tフィルムを得た。
(積層体Aの製造)
ダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体と、オキサゾリン基含有高分子水溶液(日本触媒社製、エポクロスWS−700、固形分濃度25質量%)と、アクリル粒子(JXTGエネルギー社製 平均粒径5μm)を、それぞれの固形分の質量部が、100/10/1の割合になるように配合し、室温で5分間混合攪拌して接着層形成用塗剤を得た。
得られた塗剤をポリアミド9Tフィルムに、厚み3μmで両面に塗布し、150℃、30秒の条件で乾燥し、接着層/ポリアミド9Tフィルム/接着層からなる構成の積層体Aを得た。
実施例2
(積層体B)
実施例1と同様にして得られた積層体Aの接着層上に、紫外線硬化性のウレタンアクリレート系樹脂からなる溶液をグラビアコーティング法にて両面塗布、乾燥、紫外線照射して厚さ5.0μmのハードコート層を形成し、ハードコート層/接着層/ポリアミド9Tフィルム/接着層/ハードコート層からなる構成の積層体Bを得た。
実施例3
接着層の粒子を平均粒径2μmアクリル粒子(JXTGエネルギー社製ユニパウダー)変更した以外は、実施例1と同様にして接着層を形成し、積層体Aを得た。
実施例4
実施例3で得られた積層体Aを使用し、実施例2と同様にしてハードコート層を形成し、積層体Bを得た。
実施例5
接着層の粒子をコロイダルシリカ(扶桑化学工社業製0.070μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして接着層を形成し、積層体Aを得た。
実施例6
実施例5で得られた積層体Aを使用し、実施例2と同様にしてハードコート層を形成し、積層体Bを得た。
実施例7、8、9
未延伸フィルムの厚さを1000μm、300μm、250μmに変更した以外は実施例1と同様にして、厚さ100μm、30μm、25μmの二軸延伸ポリアミド9Tフィルムを得た後、実施例1と同様にして、積層体Aを得た。その後、実施例2と同様にしてハードコート層を形成して、積層体Bを得た。
実施例10
単軸押出機Aには、100質量部のポリアミド9T樹脂、および0.2質量部のスミライザーGA−80を、投入して320℃に加熱した単軸押出機で溶融して、溶融ポリマーAを得た。
一方、単軸押出機Bには、シリカ粒子(富士シリシア製 2.3μm)の含有量が0.1質量%となるように、ポリアミド9T樹脂にブレンドしたチップ100質量部と0.2質量部のスミライザーGA−80を投入して、320℃に加熱した単軸押出機で溶融して、溶融ポリマーBを得た。
溶融ポリマーAと溶融ポリマーBをフィードブロックにて合流させたのち、Tダイより、溶融ポリマーAと溶融ポリマーBの厚み比が1(B)/18(A)/1(B)になるようにフィルム状に押し出し、フィルム状の溶融物とした以外は、実施例1と同様にして、50μmの二軸延伸ポリアミド9Tフィルムを得た。
実施例11
実施例10で得られた二軸延伸ポリアミド9Tフィルムに、粒子を含有しない接着層形成用塗剤を使用した以外は実施例1と同様にして接着層を形成し、積層体Aを得た。その後、実施例2と同様にしてハードコート層を形成して、積層体Bを得た。
実施例12
シリカ粒子の含有量が0.1質量%となるようにポリアミド9T樹脂にブレンドしたチップ100質量部と、0.2質量部のスミライザーGA−80を溶融した以外は実施例1と同様にして、二軸延伸ポリアミド9Tフィルムを得た。
実施例13
未延伸フィルムの厚さを250μmにした以外は、実施例12と同様にして25μmの二軸延伸ポリアミド9Tフィルムを得た。
実施例14
ポリアミド9T樹脂に代えて、ポリアミド9T樹脂と、熱可塑性エラストマー含有マスターバッチとを、熱可塑性エラストマーの含有量が5質量%となるように混合したものを使用した以外は、実施例12と同様にして、熱可塑性エラストマー含有ポリアミド9Tフィルムを得た。
実施例15
実施例1と同様にして、厚さが165μmである未延伸フィルムを得た。
次に、この未延伸フィルムをロール方式縦延伸機に導いて、縦延伸を行った。延伸条件は、予熱部温度が100℃、延伸部の温度が130℃、MDの延伸歪み速度3000%/分、MDの延伸倍率が3.0倍であった。
次に、この縦延伸フィルムの両端をクリップで把持しながら、テンター方式オーブン(入り口幅:500mm、出口幅:500mm)に導いて、270℃で熱固定を行い、厚さ50μmの一軸延伸ポリアミド9Tフィルムを得た。その後、実施例1と同様にして接着層を形成して、積層体Aを得た。
実施例16
ポリアミド9T樹脂に代えて、ポリアミド10T樹脂を使用した以外は、実施例12と同様にして、ポリアミド10Tフィルムを得た。
実施例17
ポリアミド9T樹脂に代えて、ポリアミド10T樹脂を使用した以外は、実施例2と同様にして、積層体Bを得た。
実施例18
二軸延伸フィルムをポリアミド6(PA6)フィルム(ユニチカ社製 エンブレムON−25)に代えた以外は、実施例11と同様にして接着層とハードコート層を形成して、積層体Bを得た。
比較例1
未延伸フィルムの厚さを50μmに変更した以外は、実施例12と同様にして、未延伸ポリアミド9Tフィルムを得た。延伸せずに、この未延伸フィルムを評価した。
比較例2〜4
フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(ユニチカ社製 エンブレット S−25)、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム(テイジン社製 テオネックス)、ポリイミド(PI)フィルム(三菱ガス化学社製 ネオプリム)を使用した。
実施例で得られた熱可塑性樹脂フィルムおよびその積層体、比較例のフィルムについて、その評価結果を表1に示す。
実施例の熱可塑性樹脂フィルムは、半芳香族ポリアミド樹脂で構成されるため、フィルムおよびその積層体は、耐屈曲性に優れていた。
比較例1の熱可塑性樹脂フィルムは、延伸していないため、所定の屈曲回数に達する前に割れを生じた。
比較例2、3の熱可塑性樹脂フィルムは、所定の屈曲回数に達する前に割れを生じた。
比較例4のフィルムを構成する樹脂は、熱可塑性樹脂ではなく、また未延伸であるため、機械特性が不十分であった。

Claims (7)

  1. 少なくとも1方向に延伸された熱可塑性樹脂フィルムであって、
    3mmの間隔で180°折り畳む屈曲試験を30万回繰り返し行った場合に、割れが生じないことを特徴とする熱可塑性樹脂フィルム。
  2. ガラス転移温度が80℃以上であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  3. 熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  4. ポリアミド樹脂が半芳香族ポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項3記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  5. 厚さ25〜100μmの熱可塑性樹脂フィルムにおいて、JIS K7105に準じて測定されるヘイズ値が3%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂フィルムを用いた積層体。
  7. 請求項6記載の積層体を用いた画像表示装置。


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