JP2002220462A - ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂組成物、およびその成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂組成物、およびその成形品

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JP2002220462A
JP2002220462A JP2001019859A JP2001019859A JP2002220462A JP 2002220462 A JP2002220462 A JP 2002220462A JP 2001019859 A JP2001019859 A JP 2001019859A JP 2001019859 A JP2001019859 A JP 2001019859A JP 2002220462 A JP2002220462 A JP 2002220462A
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polyamide resin
polyamide
dicarboxylic acid
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JP2001019859A
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Masahiro Sawada
雅博 沢田
Yoshimasa Ogo
佳正 小合
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】結晶性、靭性、および耐内部クラック性に優れ
るポリアミド樹脂、およびポリアミド組成物、およびそ
の成形品を提供する。 【解決手段】(1)1,9−ジアミノノナン;aモル%
と、1,9−ジアミノノナン以外の直鎖および/または
側鎖を有する炭素数6〜12の脂肪族ジアミン;bモル
%から誘導され、aモル%が50〜99モル%であるジ
アミン成分単位(I)(a+b=100モル%)と、テレ
フタル酸;cモル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボンおよび/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカル
ボン酸;dモル%からなるジカルボン酸成分単位(II)
(c+d=100モル%)から誘導されるポリアミド樹
脂であって、上記aとcとの差が15モル%以下で、b
とdとの差が15モル%以下であることを特徴とするポ
リアミド樹脂等を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂、
ポリアミド樹脂組成物、およびその成形品に関し、詳し
くは、結晶性、靭性、および耐内部クラック性に優れる
成形品を提供するポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂組成
物、およびその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアミドは優れた耐熱性、耐油
性、靭性などの特徴を有し、6ナイロン、66ナイロン
などが機械部品、電子部品、自動車内外装部品等として
広く使用されている。また、耐熱性に優れるポリアミド
として、本願出願人は特開平3−285952号公報に
おいて、テレフタル酸成分単位30〜100モル%と、
テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜4
0モル%および/または脂肪族ジカルボン酸成分単位0
〜70モル%とからなる芳香族ジカルボン酸成分単位
(a)と、脂肪族および/または脂環族アルキレンジア
ミン成分単位(b)とを有する半芳香族ポリアミドと、極
限粘度[η]が0.8〜35dl/gである変性ポリエチレ
ンとからなるポリアミド組成物を開示している。しかし
ながら、ポリアミド樹脂がもつ吸湿性のため、吸湿後の
寸法安定性が十分でない場合があり、これを改善するた
めの研究が続けられてきた。また、一般にポリアミドの
吸水性は結晶部より非晶部の方が高い事が知られてお
り、結晶性の高い樹脂が望まれていた。しかしながら結
晶性の高い樹脂においても、成形後に十分に結晶化して
いない場合、特に自動車エンジンルーム内のような高温
条件下で成形品が使用される場合、後結晶化が起るため
寸法安定性に欠けることがある。
【0003】従って低吸水性を有し、かつ高結晶状態の
成形品を提供する樹脂の出現が望まれていた。
【0004】吸水率の低いポリアミドとして、ジアミン
成分の主成分に1,9−ノナンジアミンを使用している
ものが知られている(特開平7−228689、特開2
000−219809)。しかしながら、これらの中に
は側鎖を含むジアミンを含有している事に伴う結晶化阻
害が起こり、上記のような変形のみならず、成形時間の
増加などが問題となるケースが多い。これらの中には結
晶化が速い樹脂の記載もなされているが、到達する結晶
化度の具体的な記載がない。また厚肉の成形部品を製造
した場合、部品内部にクラックが発生し、強度特性の著
しい低下が問題となる場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決しようとするものであって、結晶性、靭
性、および耐内部クラック性に優れるポリアミド樹脂、
およびポリアミド組成物、およびその成形品を提供する
ことを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を克服するために、ポリアミド樹脂を構成する成分に
ついて更に詳しく検討した結果、結晶性、靭性、および
耐内部クラック性に優れる樹脂を見出した。
【0007】本発明は以下の通りである。
【0008】(1)1,9−ジアミノノナン;aモル%
と、1,9−ジアミノノナン以外の直鎖および/または
側鎖を有する炭素数6〜12の脂肪族ジアミン;bモル
%から誘導され、aモル%が50〜99モル%であるジ
アミン成分単位(I)(a+b=100モル%)と、テレ
フタル酸;cモル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボンおよび/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカル
ボン酸;dモル%からなるジカルボン酸成分単位(II)
(c+d=100モル%)から誘導され、cモル%が5
0〜99モル%、dモル%が1〜50モル%からなるジ
カルボン酸成分単位(II)(c+d=100モル%)と
からなることを特徴とするポリアミド樹脂。
【0009】(2)上記aとcとの差が15モル%以下
で、bとdとの差が15モル%以下であることを特徴と
する請求項1記載のポリアミド樹脂。
【0010】(3)1,9−ジアミノノナン以外の直鎖
および/または側鎖を有する炭素数6〜12の脂肪族ジ
アミンが2−メチル−1,8−ジアミノオクタンである
ことを特徴とする請求項1および2記載のポリアミド樹
脂。
【0011】(4)請求項1〜3に記載のポリアミド樹
脂100重量部に対し、充填材0.1〜200重量部を
含んで成る事を特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【0012】(5)請求項1〜4に記載のポリアミド樹
脂およびポリアミド樹脂組成物からなる成形品。
【0013】
【発明の実施の態様】以下、本発明にかかるポリアミド
樹脂、ポリアミド樹脂組成物、およびその成形品につい
て具体的に説明する。
【0014】[ジアミン成分]本発明のポリアミド樹脂
を構成するジアミン成分単位は、1,9−ジアミノノナ
ンと、1,9−ジアミノノナン以外の直鎖および/また
は側鎖を有する炭素数6〜12の脂肪族ジアミンから誘
導され、1,9ージアミノノナンを全ジアミン成分中5
0〜99モル%含有するジアミン成分単位から成ること
が好ましい。ジアミン成分単位を構成する1,9−ジア
ミノノナン以外の直鎖脂肪族ジアミン成分として、具体
的には、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノ
ヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジア
ミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、および
1,12−ジアミノドデカンを挙げることができる。こ
れらのなかでは、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−
ジアミノオクタン、および1,10−ジアミノデカンか
ら誘導される成分単位が特に好ましい。
【0015】ジアミン成分単位を構成する1,9−ジア
ミノノナン以外の側鎖を有する脂肪族ジアミン成分とし
て、具体的には、2−メチル−1,5−ジアミノペンタ
ン、2−メチル−1,6−ジアミノヘキサン、2−メチ
ル−1,7−ジアミノヘプタン、2−メチル−1,8−
ジアミノオクタン、2−メチル−1,9−ジアミノノナ
ン、2−メチル−1,10−ジアミノデカン、2−メチ
ル−1,11−ジアミノウンデカン等が挙げられる。こ
れらのなかでは、2−メチル−1,7−ジアミノヘプタ
ン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン、2−メチ
ル−1,9−ジアミノノナンから誘導される成分単位が
特に好ましい。1,9-ジアミノノナンと共に構成する
上記ジアミン成分は、直鎖脂肪族ジアミン成分と側鎖ア
ルキル基を有する脂肪族ジアミン成分を任意の割合で混
合して使用する事が出来るが、直鎖脂肪族ジアミン成
分、もしくは側鎖アルキル基を有する脂肪族ジアミン成
分を単独で使用する事が好ましく、特に1,9−ジアミ
ノノナンと、2−メチル1,8−ジアミノオクタンを使
用する事が好ましい。
【0016】[ジカルボン酸成分]本発明のポリアミド
樹脂を構成するジカルボン酸成分単位は、用いられるジ
カルボン酸成分単位中、テレフタル酸成分単位50〜9
9モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位1〜50モル%および/または炭素原子数4〜2
0の脂肪族ジカルボン酸成分単位1〜50モル%からな
る事が好ましい。このうちテレフタル酸以外の芳香族ジ
カルボン酸成分単位としては、たとえばイソフタル酸、
2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸およ
びこれらの組み合わせなどが挙げられる。
【0017】また、脂肪族ジカルボン酸成分単位は、そ
の炭素数を特に制限するものではないが、好ましくは4
〜20、さらに好ましくは6〜12の脂肪族ジカルボン
酸から誘導される。このような脂肪族ジカルボン酸成分
単位を誘導するために用いられる脂肪族ジカルボン酸の
例としては、たとえば、アジピン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカ
ンジカルボン酸およびドデカンジカルボン酸等が挙げら
れる。これらの中でも、アジピン酸が特に好ましい。
【0018】本発明においては、ジカルボン酸成分単位
を100モル%とする時、テレフタル酸成分単位から誘
導される構成単位は、50〜99モル%、好ましくは7
0〜95モル%の量で含有され、テレフタル酸以外の芳
香族ジカルボン酸成分単位から誘導される構成単位は1
〜50モル%、好ましくは5〜30モル%の量で含有さ
れ、および/または炭素原子数4〜20、好ましくは4〜12
の脂肪族ジカルボン酸成分単位から誘導される構成単位
が1〜50モル%、好ましくは5〜30モル%の量で含有する
事が好ましい。
【0019】また、本発明においては、ジカルボン酸成
分単位(II)として、上記のようなテレフタル酸成分単位
および脂肪族ジカルボン酸成分単位と共に、、10モル%
以下程度の少量の多価カルボン酸成分単位が含まれてい
てもよい。このような多価カルボン酸成分単位として具
体的には、トリメリット酸およびピロメリット酸等のよ
うな三塩基酸および多塩基酸を挙げることができる。
【0020】[仕込み比]本発明のポリアミドはジアミ
ン成分単位(I)が1,9-ジアミノノナン aモル%と、1,9
-ジアミノノナンを除く直鎖および/または側鎖を有す
る炭素数6〜12の脂肪族ジアミン bモル% (a+b=10
0モル%)からなることを特徴としている。また、ジカ
ルボン酸成分単位 (II)がテレフタル酸 cモル%と、
テレフタル酸以外の芳香族ジカルボンおよび/または炭
素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸dモル% (c+d=
100モル%)からなることを特徴としている。そして、a
とcの差の絶対値が15モル%以下、かつbとdの差の絶対
値が15モル%以下である事を特徴とする。また、ジアミ
ン成分単位(I)の全モル数が、ジカルボン酸成分単位(I
I)の全モル数より多く配合される事が好ましく、特に好
ましくはジカルボン酸成分単位(II)を100モル%とした
時、ジアミン成分単位(I)が100〜120モル%である。
【0021】例えば、ジカルボン酸成分単位(II)を100
モル%、ジアミン成分単位(I)が105モル%とした場合、
aとcの差の絶対値が15モル%以下、かつbとdの差の絶対
値が15モル%以下とは以下の関係式で表わされる。 |1.05a−1.00c|≦15 かつ |1.05b−1.00d|≦15
【0022】[ポリアミド樹脂の製造]本発明のポリア
ミド樹脂(A)を製造するためには、上記のようなジアミ
ン成分単位(I)とジカルボン酸成分単位(II)とを加え
て、触媒の存在下に加熱する事により製造する事ができ
る。この反応は、通常は不活性ガス雰囲気下で行なわ
れ、一般には反応容器内を窒素ガスなどの不活性ガスで
置換する。また、ポリアミドの重縮合反応を制御するた
めに、水を予め封入しておく事が望ましく、水に可溶な
有機溶媒、例えばメタノール、エタノールなどのアルコ
ール類が含有されていても良い。
【0023】本発明の触媒としては、リン酸、その塩お
よびリン酸エステル化合物;亜リン酸、その塩およびエ
ステル化合物;並びに、次亜リン酸、その塩およびエス
テル化合物を使用することができる。
【0024】これらの中でも、リン酸ナトリウム、亜リ
ン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナト
リウム等が好ましい。これらのリン酸化合物は、単独で
あるいは組み合わせて使用することができる。このよう
なリン系化合物は、上記のようなジカルボン酸に対し
て、通常は0.001〜5モル%、好ましくは0.00
2〜2モル%の割合で用いられる。また本発明のポリア
ミド樹脂(A)を製造するためには、末端封止剤を使用す
ることが好ましい。この末端封止剤としては、安息香
酸、安息香酸のアルカリ金属塩、酢酸等を使用すること
ができる。このような末端封止剤は、ジカルボン酸1モ
ルに対して、通常は0.001〜5モル、好ましくは
0.01〜2モルの量で使用される。この末端封止剤の
使用量を調整することにより、得られる重縮合物の平均
分子量、具体的には極限粘度[η]を制御することができ
る。
【0025】このような重縮合物を調製する際の反応条
件は、具体的には、反応温度は通常200〜290℃、
好ましくは220〜280℃、反応時間は通常0.5〜
5時間、好ましくは1〜3時間である。さらにこの反応
は常圧から加圧のいずれの条件で行うことができるが、
加圧条件で反応を行うことが好ましく、反応圧は、通常
20〜60kg/cm2、好ましくは25〜50kg/cm2の範
囲内に設定される。そして、このようにして重縮合反応
を行うことにより、30℃の濃硫酸中で測定した極限粘
度[η]が、通常は0.05〜0.6dl/g、好ましくは
0.08〜0.3dl/gの範囲内にある低次縮合物を得
ることができる。こうして水性媒体中に生成したポリア
ミド低次縮合物は、反応液と分離される。このポリアミ
ド低次縮合物と反応液との分離には、例えば濾過、遠心
分離等の方法を採用することもできるが、生成した半芳
香族ポリアミド低次縮合物を含有する反応液を、ノズル
を介して大気中にフラッシュすることにより、固液分離
する方法が効率的である。
【0026】本発明では上記のようにして得られたポリ
アミド低次縮合物を用いて後重合を行う。この後重合
は、上記ポリアミド低次縮合物を乾燥した後に加熱し
て、溶融状態にし、この溶融物に剪断応力を付与しなが
ら行なうことが好ましい。この反応に際しては、乾燥ポ
リアミド低次縮合物が少なくとも溶融する温度に加熱す
る。一般には、乾燥ポリアミド低次縮合物の融点以上の
温度、好ましくはこの融点よりも10〜60℃高い温度
に加熱される。剪断応力は、例えばベント付き二軸押出
機、ニーダー等を用いることにより溶融物に付与するこ
とができる。こうして溶融物に剪断応力を付与すること
により、溶融状態にある乾燥ポリアミド低次縮合物が相
互に重縮合すると共に、縮合物の重縮合反応も進行する
ものと考えられる。
【0027】本発明のポリアミド樹脂の製造に関する他
の方法として、上記ポリアミド低次縮合物を一般公知の
方法にて固相重合させて、極限粘度[η]が0.5〜
2.0dl/gの範囲のポリアミドを調製する事ができ
る。
【0028】本発明のポリアミド樹脂の製造に関する、
更に他の方法として、上記ポリアミド低次縮合物を一般
公知の方法にて固相重合させて、極限粘度[η]が0.
5〜1.5dl/gの範囲のポリアミド前駆体を調製し、
さらにこの前駆体を溶融重合させて、極限粘度[η]が
0.8〜3.0dl/gの範囲にする事ができる。また本発
明のポリアミド樹脂は、このポリアミドの融点以上、分
解温度未満に加熱して、通常の成形装置を使用して所望
の形状に成形することができる。特に射出成形によっ
て、電気・電子部品および自動車部品を効率よく成形す
る事ができる。
【0029】[ポリアミド樹脂]上記組成の範囲にある
ポリアミド樹脂(A)によって、優れた結晶性、低吸水
性、および耐熱性を有する事が出来る。本発明で用いら
れるポリアミド樹脂は、25℃の96.5%硫酸中で測定した
極限粘度が、0.5〜3.0dl/ g、好ましくは0.5
〜2.5dl/g、特に0.6〜2.0dl/gである事が好ま
しい。このような範囲にある場合、結晶性や成形品の強
度特性等に優れる。
【0030】さらに本発明のポリアミド樹脂は、DSC
で測定した融点が280℃以上、330℃未満、特に2
90℃〜320℃の範囲内にあることが好ましい。この
ような範囲にあるポリアミド樹脂では、特に優れた耐熱
性を有する。本発明のポリアミド樹脂は、X線回折法で
測定した結晶化度が15%以上、特に20%以上ある事が
好ましい。このような範囲内にあるポリアミド樹脂で
は、成形品の形状安定性に優れる。
【0031】[充填剤]本発明では、発明の効果を損な
わない範囲で、用途に応じて以下の充填剤をポリアミド
樹脂(A)100重量部に対し、0.1〜200重量部の割合
で添加する事が出来る。
【0032】具体的には、繊維状の充填材(特にガラス
繊維、アラミド繊維、炭素繊維等)、粉末状、粒状、板
状、針状の充填材(特にシリカ、アルミナ、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、タルク、ウォラストナイト、ケイ
ソウ土、クレー、カオリン、球状ガラス、マイカ、酸化
マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、ウイスカ
等)、難燃剤(臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレ
ン、臭素化ポリカーボネート、臭素化フェノールの縮合
物、赤リン、酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウ
ム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛
などの金属ホウ酸塩等)、酸化防止剤や耐熱安定剤(酸
化マグネシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト類、リ
ン化合物、ヒンダートフェノール類、ハイドロキノン
類、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、他の重合体(オ
レフィン類、変性ポリオレフィン類、エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、プロピレ
ン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体
等のオレフィン共重合体、ポリスチレン、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスルフォン、
ポリフェニレンオキシド、弗素樹脂、シリコーン樹脂、
脂肪族ポリアミド等)、可塑剤、増粘剤、帯電防止剤、
離型剤、顔料、染料、核剤、種々公知の配合剤を挙げる
ことができる。
【0033】[組成物]本発明のポリアミド組成物を調
製するには、各成分を、種々公知の方法、例えばヘンシ
ェルミキサー、V-ブレンダー、リボンブレンダー、タン
ブラーブレンダー等で混合する方法、あるいは混合後、
一軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサ
ー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用す
ればよい。
【0034】本発明に係るポリアミド組成物は、上記ポ
リアミド(A)を溶融状態、例えば280〜360℃に加熱・維
持しながら、必要により上記繊維状充填剤、粉末状充填
剤、各種添加剤を配合して混練するなどの方法により調
製することができる。この際、押出し機、ニーダー等の
通常の混練装置を用いることができる。例えば上記のよ
うにして調製された本発明のポリアミド樹脂組成物は、
粉末、ペレット状その他の形状にして、圧縮成形法、射
出成形法、押出し成形法などを利用することにより、各
種成形品にすることができる。
【0035】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はその要を超えないかぎりこれらの
例に何ら制限されるものではない。なお、実施例および
比較例に記した分析および測定は以下の方法に従って測
定した。極限粘度[η] :ポリアミド樹脂0.5 gを96.5%硫酸溶液5
0 mlに溶解し、ウベローデ粘度計を使用し、25.0±0.0
5℃の条件下で試料溶液の流下秒数を測定し、以下の式
に基づき算出した。 [η]=ηSP/{C(1+0.205ηSP)} ηSP=(t-t0)/t0 [η]:極限粘度(dl/g) ηSP:比粘度 C :試料濃度(g/dl) t :試料溶液の流下秒数(秒) t0 :ブランク硫酸の流下秒数(秒)結晶化度 : ポリアミド樹脂を、射出圧力1000 kg/cm
2、シリンダー温度を樹脂の融点より10℃高い温度に設
定し、金型温度120℃にて長さ64 mm、幅6 mm、厚さ0.
8 mmの試験片を射出成形した。この試験片について、
結晶化度をX線回折により測定した。理学機器(株)製R
u300を用いて、Cuターゲット、50 kv、300mA、ポイン
トフォーカス、試料回転透過法にて測定した。非晶樹
脂、および成形品のX線散乱曲線のピーク積分値を各々A
1、A2とし、以下の式により算出した。なお、非晶樹脂
は溶融樹脂を液体窒素で急冷する事により調製した。 結晶化度(%)=(A2−A1)/A2×100 A1:非晶樹脂のX線散乱曲線のピーク積分値 A2:試料のX線散乱曲線のピーク積分値引張伸び :ポリアミド樹脂について、ASTM−D638に従っ
て測定した。IZOD衝撃強度(ノッチ付き) :ポリアミド樹脂につい
て、ASTM−D256に従って測定した。GF50%銘柄の内部クラック :ガラス繊維(GF)を50重量
%含有した組成物を射出成形して、ASTM−1号試験片を
得た。射出条件は射出圧力100 MPa、射出速度 100 m
m/s、保圧 100 MPa、保圧速度 100 mm/s、シリンダ
ー温度は樹脂の融点より15℃高い温度に設定、金型温度
120℃である。試験片の流れ方向に中央部を切断し、
切断面のクラックを測定した。クラックの平均長さが10
mm以上の場合はクラック大、10 mm未満の場合はクラ
ック小とした。
【0036】
【実施例1】テレフタル酸37.7 kg(227モル)、アジ
ピン酸6.1 kg(53モル)、1,9−ジアミノノナン36.2
kg(229モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン6.9
kg(44モル)、安息香酸0.43 kg(3.5モル)、次亜
リン酸ナトリウム一水和物0.06 kg(0.6モル)および
蒸留水27.4 kgをオートクレーブに入れ、反応釜内部を
十分に窒素置換した。攪拌しながら内部温度を4時間か
けて250℃に昇温した。そのまま1時間反応を続け、ポ
リアミド低次縮合物を得た。このポリアミド低次縮合物
を真空下190℃で、12時間固相重合した。その後、スク
リュー径37 mm、L/D=36の二軸押出機にて、ポリアミ
ドの融点より30℃高いバレル設定温度でスクリュー回転
数 300 rpm、 10 kg/hの樹脂供給速度で溶融重合し
て、ポリアミド樹脂を得た。このポリアミド樹脂の
[η]、結晶化度、引張伸び、およびIZOD衝撃強度の結果
を表に示す。また上記ポリアミド樹脂50重量部に対し、
ガラス繊維(旭ファイバーグラス製;CS03JAFT2A)50重
量部を加え、二軸押出機にてポリアミド樹脂の融点より
10〜30℃高い温度にて溶融混練してポリアミド樹脂組成
物を得た。このポリアミド樹脂組成物を射出成形し、内
部クラックの大きさを測定した。その結果を表に示す。
【0037】
【実施例2〜3、比較例1〜2】表に示すジアミン成分
単位、およびジカルボン酸成分のモル比にて、実施例1
と同様にポリアミド樹脂を得た。また、実施例1と同様
にポリアミド樹脂組成物を得た。これらを実施例1と同
様に評価し、その結果を表に示す。
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、
上記のような成分単位を上記のような特定の割合で含む
特定のポリアミド樹脂を含有しているので、特に結晶
性、靭性、および耐内部クラック性に優れており、電気
・電子部品、自動車部品などの成形材料として好適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA55 AE17 AH07 BA01 BB03 BB05 BB06 4J001 DA01 DB02 EB08 EB09 EB36 EB37 EB46 EC03 EC04 EC08 EC09 EC13 EE16D EE74D EE75D EE76D FB03 FB05 FB06 FC05 FC06 FD05 GA12 GA13 GB02 GB03 GB06 GB16 GC05 GD02 JB02 JB06 JB08 4J002 CL031 CL062 DA016 DE076 DE106 DE136 DE146 DE186 DE236 DJ006 DJ016 DJ036 DJ046 DL006 FA042 FA046 FA086 FD012 FD016 FD030 FD070 FD130

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,9−ジアミノノナン;aモル%と、
    1,9−ジアミノノナン以外の直鎖および/または側鎖
    を有する炭素数6〜12の脂肪族ジアミン;bモル%か
    ら誘導され、aモル%が50〜99モル%であるジアミ
    ン成分単位(I)(a+b=100モル%)と、テレフタ
    ル酸;cモル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
    ンおよび/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン
    酸;dモル%からなるジカルボン酸成分単位(II)(c+
    d=100モル%)から誘導され、cモル%が50〜9
    9モル%、dモル%が1〜50モル%からなるジカルボ
    ン酸成分単位(II)(c+d=100モル%)とからな
    ることを特徴とするポリアミド樹脂。
  2. 【請求項2】上記aとcとの差が15モル%以下で、b
    とdとの差が15モル%以下であることを特徴とする請
    求項1記載のポリアミド樹脂。
  3. 【請求項3】1,9−ジアミノノナン以外の直鎖および
    /または側鎖を有する炭素数6〜12の脂肪族ジアミン
    が2−メチル−1,8−ジアミノオクタンであることを
    特徴とする請求項1および2記載のポリアミド樹脂。
  4. 【請求項4】請求項1〜3に記載のポリアミド樹脂10
    0重量部に対し、充填材0.1〜200重量部を含んで
    成る事を特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のポリアミドの製造方法
  6. 【請求項6】請求項1〜4に記載のポリアミド樹脂およ
    びポリアミド樹脂組成物からなる成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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