JP2002220462A - ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂組成物、およびその成形品 - Google Patents
ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂組成物、およびその成形品Info
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Abstract
るポリアミド樹脂、およびポリアミド組成物、およびそ
の成形品を提供する。 【解決手段】(1)1,9−ジアミノノナン;aモル%
と、1,9−ジアミノノナン以外の直鎖および/または
側鎖を有する炭素数6〜12の脂肪族ジアミン;bモル
%から誘導され、aモル%が50〜99モル%であるジ
アミン成分単位(I)(a+b=100モル%)と、テレ
フタル酸;cモル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボンおよび/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカル
ボン酸;dモル%からなるジカルボン酸成分単位(II)
(c+d=100モル%)から誘導されるポリアミド樹
脂であって、上記aとcとの差が15モル%以下で、b
とdとの差が15モル%以下であることを特徴とするポ
リアミド樹脂等を用いる。
Description
ポリアミド樹脂組成物、およびその成形品に関し、詳し
くは、結晶性、靭性、および耐内部クラック性に優れる
成形品を提供するポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂組成
物、およびその成形品に関する。
性、靭性などの特徴を有し、6ナイロン、66ナイロン
などが機械部品、電子部品、自動車内外装部品等として
広く使用されている。また、耐熱性に優れるポリアミド
として、本願出願人は特開平3−285952号公報に
おいて、テレフタル酸成分単位30〜100モル%と、
テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜4
0モル%および/または脂肪族ジカルボン酸成分単位0
〜70モル%とからなる芳香族ジカルボン酸成分単位
(a)と、脂肪族および/または脂環族アルキレンジア
ミン成分単位(b)とを有する半芳香族ポリアミドと、極
限粘度[η]が0.8〜35dl/gである変性ポリエチレ
ンとからなるポリアミド組成物を開示している。しかし
ながら、ポリアミド樹脂がもつ吸湿性のため、吸湿後の
寸法安定性が十分でない場合があり、これを改善するた
めの研究が続けられてきた。また、一般にポリアミドの
吸水性は結晶部より非晶部の方が高い事が知られてお
り、結晶性の高い樹脂が望まれていた。しかしながら結
晶性の高い樹脂においても、成形後に十分に結晶化して
いない場合、特に自動車エンジンルーム内のような高温
条件下で成形品が使用される場合、後結晶化が起るため
寸法安定性に欠けることがある。
成形品を提供する樹脂の出現が望まれていた。
成分の主成分に1,9−ノナンジアミンを使用している
ものが知られている(特開平7−228689、特開2
000−219809)。しかしながら、これらの中に
は側鎖を含むジアミンを含有している事に伴う結晶化阻
害が起こり、上記のような変形のみならず、成形時間の
増加などが問題となるケースが多い。これらの中には結
晶化が速い樹脂の記載もなされているが、到達する結晶
化度の具体的な記載がない。また厚肉の成形部品を製造
した場合、部品内部にクラックが発生し、強度特性の著
しい低下が問題となる場合がある。
な問題点を解決しようとするものであって、結晶性、靭
性、および耐内部クラック性に優れるポリアミド樹脂、
およびポリアミド組成物、およびその成形品を提供する
ことを目的としている。
点を克服するために、ポリアミド樹脂を構成する成分に
ついて更に詳しく検討した結果、結晶性、靭性、および
耐内部クラック性に優れる樹脂を見出した。
と、1,9−ジアミノノナン以外の直鎖および/または
側鎖を有する炭素数6〜12の脂肪族ジアミン;bモル
%から誘導され、aモル%が50〜99モル%であるジ
アミン成分単位(I)(a+b=100モル%)と、テレ
フタル酸;cモル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボンおよび/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカル
ボン酸;dモル%からなるジカルボン酸成分単位(II)
(c+d=100モル%)から誘導され、cモル%が5
0〜99モル%、dモル%が1〜50モル%からなるジ
カルボン酸成分単位(II)(c+d=100モル%)と
からなることを特徴とするポリアミド樹脂。
で、bとdとの差が15モル%以下であることを特徴と
する請求項1記載のポリアミド樹脂。
および/または側鎖を有する炭素数6〜12の脂肪族ジ
アミンが2−メチル−1,8−ジアミノオクタンである
ことを特徴とする請求項1および2記載のポリアミド樹
脂。
脂100重量部に対し、充填材0.1〜200重量部を
含んで成る事を特徴とするポリアミド樹脂組成物。
脂およびポリアミド樹脂組成物からなる成形品。
樹脂、ポリアミド樹脂組成物、およびその成形品につい
て具体的に説明する。
を構成するジアミン成分単位は、1,9−ジアミノノナ
ンと、1,9−ジアミノノナン以外の直鎖および/また
は側鎖を有する炭素数6〜12の脂肪族ジアミンから誘
導され、1,9ージアミノノナンを全ジアミン成分中5
0〜99モル%含有するジアミン成分単位から成ること
が好ましい。ジアミン成分単位を構成する1,9−ジア
ミノノナン以外の直鎖脂肪族ジアミン成分として、具体
的には、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノ
ヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジア
ミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、および
1,12−ジアミノドデカンを挙げることができる。こ
れらのなかでは、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−
ジアミノオクタン、および1,10−ジアミノデカンか
ら誘導される成分単位が特に好ましい。
ミノノナン以外の側鎖を有する脂肪族ジアミン成分とし
て、具体的には、2−メチル−1,5−ジアミノペンタ
ン、2−メチル−1,6−ジアミノヘキサン、2−メチ
ル−1,7−ジアミノヘプタン、2−メチル−1,8−
ジアミノオクタン、2−メチル−1,9−ジアミノノナ
ン、2−メチル−1,10−ジアミノデカン、2−メチ
ル−1,11−ジアミノウンデカン等が挙げられる。こ
れらのなかでは、2−メチル−1,7−ジアミノヘプタ
ン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン、2−メチ
ル−1,9−ジアミノノナンから誘導される成分単位が
特に好ましい。1,9-ジアミノノナンと共に構成する
上記ジアミン成分は、直鎖脂肪族ジアミン成分と側鎖ア
ルキル基を有する脂肪族ジアミン成分を任意の割合で混
合して使用する事が出来るが、直鎖脂肪族ジアミン成
分、もしくは側鎖アルキル基を有する脂肪族ジアミン成
分を単独で使用する事が好ましく、特に1,9−ジアミ
ノノナンと、2−メチル1,8−ジアミノオクタンを使
用する事が好ましい。
樹脂を構成するジカルボン酸成分単位は、用いられるジ
カルボン酸成分単位中、テレフタル酸成分単位50〜9
9モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位1〜50モル%および/または炭素原子数4〜2
0の脂肪族ジカルボン酸成分単位1〜50モル%からな
る事が好ましい。このうちテレフタル酸以外の芳香族ジ
カルボン酸成分単位としては、たとえばイソフタル酸、
2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸およ
びこれらの組み合わせなどが挙げられる。
の炭素数を特に制限するものではないが、好ましくは4
〜20、さらに好ましくは6〜12の脂肪族ジカルボン
酸から誘導される。このような脂肪族ジカルボン酸成分
単位を誘導するために用いられる脂肪族ジカルボン酸の
例としては、たとえば、アジピン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカ
ンジカルボン酸およびドデカンジカルボン酸等が挙げら
れる。これらの中でも、アジピン酸が特に好ましい。
を100モル%とする時、テレフタル酸成分単位から誘
導される構成単位は、50〜99モル%、好ましくは7
0〜95モル%の量で含有され、テレフタル酸以外の芳
香族ジカルボン酸成分単位から誘導される構成単位は1
〜50モル%、好ましくは5〜30モル%の量で含有さ
れ、および/または炭素原子数4〜20、好ましくは4〜12
の脂肪族ジカルボン酸成分単位から誘導される構成単位
が1〜50モル%、好ましくは5〜30モル%の量で含有する
事が好ましい。
分単位(II)として、上記のようなテレフタル酸成分単位
および脂肪族ジカルボン酸成分単位と共に、、10モル%
以下程度の少量の多価カルボン酸成分単位が含まれてい
てもよい。このような多価カルボン酸成分単位として具
体的には、トリメリット酸およびピロメリット酸等のよ
うな三塩基酸および多塩基酸を挙げることができる。
ン成分単位(I)が1,9-ジアミノノナン aモル%と、1,9
-ジアミノノナンを除く直鎖および/または側鎖を有す
る炭素数6〜12の脂肪族ジアミン bモル% (a+b=10
0モル%)からなることを特徴としている。また、ジカ
ルボン酸成分単位 (II)がテレフタル酸 cモル%と、
テレフタル酸以外の芳香族ジカルボンおよび/または炭
素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸dモル% (c+d=
100モル%)からなることを特徴としている。そして、a
とcの差の絶対値が15モル%以下、かつbとdの差の絶対
値が15モル%以下である事を特徴とする。また、ジアミ
ン成分単位(I)の全モル数が、ジカルボン酸成分単位(I
I)の全モル数より多く配合される事が好ましく、特に好
ましくはジカルボン酸成分単位(II)を100モル%とした
時、ジアミン成分単位(I)が100〜120モル%である。
モル%、ジアミン成分単位(I)が105モル%とした場合、
aとcの差の絶対値が15モル%以下、かつbとdの差の絶対
値が15モル%以下とは以下の関係式で表わされる。 |1.05a−1.00c|≦15 かつ |1.05b−1.00d|≦15
ミド樹脂(A)を製造するためには、上記のようなジアミ
ン成分単位(I)とジカルボン酸成分単位(II)とを加え
て、触媒の存在下に加熱する事により製造する事ができ
る。この反応は、通常は不活性ガス雰囲気下で行なわ
れ、一般には反応容器内を窒素ガスなどの不活性ガスで
置換する。また、ポリアミドの重縮合反応を制御するた
めに、水を予め封入しておく事が望ましく、水に可溶な
有機溶媒、例えばメタノール、エタノールなどのアルコ
ール類が含有されていても良い。
よびリン酸エステル化合物;亜リン酸、その塩およびエ
ステル化合物;並びに、次亜リン酸、その塩およびエス
テル化合物を使用することができる。
ン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナト
リウム等が好ましい。これらのリン酸化合物は、単独で
あるいは組み合わせて使用することができる。このよう
なリン系化合物は、上記のようなジカルボン酸に対し
て、通常は0.001〜5モル%、好ましくは0.00
2〜2モル%の割合で用いられる。また本発明のポリア
ミド樹脂(A)を製造するためには、末端封止剤を使用す
ることが好ましい。この末端封止剤としては、安息香
酸、安息香酸のアルカリ金属塩、酢酸等を使用すること
ができる。このような末端封止剤は、ジカルボン酸1モ
ルに対して、通常は0.001〜5モル、好ましくは
0.01〜2モルの量で使用される。この末端封止剤の
使用量を調整することにより、得られる重縮合物の平均
分子量、具体的には極限粘度[η]を制御することができ
る。
件は、具体的には、反応温度は通常200〜290℃、
好ましくは220〜280℃、反応時間は通常0.5〜
5時間、好ましくは1〜3時間である。さらにこの反応
は常圧から加圧のいずれの条件で行うことができるが、
加圧条件で反応を行うことが好ましく、反応圧は、通常
20〜60kg/cm2、好ましくは25〜50kg/cm2の範
囲内に設定される。そして、このようにして重縮合反応
を行うことにより、30℃の濃硫酸中で測定した極限粘
度[η]が、通常は0.05〜0.6dl/g、好ましくは
0.08〜0.3dl/gの範囲内にある低次縮合物を得
ることができる。こうして水性媒体中に生成したポリア
ミド低次縮合物は、反応液と分離される。このポリアミ
ド低次縮合物と反応液との分離には、例えば濾過、遠心
分離等の方法を採用することもできるが、生成した半芳
香族ポリアミド低次縮合物を含有する反応液を、ノズル
を介して大気中にフラッシュすることにより、固液分離
する方法が効率的である。
アミド低次縮合物を用いて後重合を行う。この後重合
は、上記ポリアミド低次縮合物を乾燥した後に加熱し
て、溶融状態にし、この溶融物に剪断応力を付与しなが
ら行なうことが好ましい。この反応に際しては、乾燥ポ
リアミド低次縮合物が少なくとも溶融する温度に加熱す
る。一般には、乾燥ポリアミド低次縮合物の融点以上の
温度、好ましくはこの融点よりも10〜60℃高い温度
に加熱される。剪断応力は、例えばベント付き二軸押出
機、ニーダー等を用いることにより溶融物に付与するこ
とができる。こうして溶融物に剪断応力を付与すること
により、溶融状態にある乾燥ポリアミド低次縮合物が相
互に重縮合すると共に、縮合物の重縮合反応も進行する
ものと考えられる。
の方法として、上記ポリアミド低次縮合物を一般公知の
方法にて固相重合させて、極限粘度[η]が0.5〜
2.0dl/gの範囲のポリアミドを調製する事ができ
る。
更に他の方法として、上記ポリアミド低次縮合物を一般
公知の方法にて固相重合させて、極限粘度[η]が0.
5〜1.5dl/gの範囲のポリアミド前駆体を調製し、
さらにこの前駆体を溶融重合させて、極限粘度[η]が
0.8〜3.0dl/gの範囲にする事ができる。また本発
明のポリアミド樹脂は、このポリアミドの融点以上、分
解温度未満に加熱して、通常の成形装置を使用して所望
の形状に成形することができる。特に射出成形によっ
て、電気・電子部品および自動車部品を効率よく成形す
る事ができる。
ポリアミド樹脂(A)によって、優れた結晶性、低吸水
性、および耐熱性を有する事が出来る。本発明で用いら
れるポリアミド樹脂は、25℃の96.5%硫酸中で測定した
極限粘度が、0.5〜3.0dl/ g、好ましくは0.5
〜2.5dl/g、特に0.6〜2.0dl/gである事が好ま
しい。このような範囲にある場合、結晶性や成形品の強
度特性等に優れる。
で測定した融点が280℃以上、330℃未満、特に2
90℃〜320℃の範囲内にあることが好ましい。この
ような範囲にあるポリアミド樹脂では、特に優れた耐熱
性を有する。本発明のポリアミド樹脂は、X線回折法で
測定した結晶化度が15%以上、特に20%以上ある事が
好ましい。このような範囲内にあるポリアミド樹脂で
は、成形品の形状安定性に優れる。
わない範囲で、用途に応じて以下の充填剤をポリアミド
樹脂(A)100重量部に対し、0.1〜200重量部の割合
で添加する事が出来る。
繊維、アラミド繊維、炭素繊維等)、粉末状、粒状、板
状、針状の充填材(特にシリカ、アルミナ、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、タルク、ウォラストナイト、ケイ
ソウ土、クレー、カオリン、球状ガラス、マイカ、酸化
マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、ウイスカ
等)、難燃剤(臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレ
ン、臭素化ポリカーボネート、臭素化フェノールの縮合
物、赤リン、酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウ
ム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛
などの金属ホウ酸塩等)、酸化防止剤や耐熱安定剤(酸
化マグネシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト類、リ
ン化合物、ヒンダートフェノール類、ハイドロキノン
類、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、他の重合体(オ
レフィン類、変性ポリオレフィン類、エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、プロピレ
ン・エチレン共重合体、プロピレン・1-ブテン共重合体
等のオレフィン共重合体、ポリスチレン、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスルフォン、
ポリフェニレンオキシド、弗素樹脂、シリコーン樹脂、
脂肪族ポリアミド等)、可塑剤、増粘剤、帯電防止剤、
離型剤、顔料、染料、核剤、種々公知の配合剤を挙げる
ことができる。
製するには、各成分を、種々公知の方法、例えばヘンシ
ェルミキサー、V-ブレンダー、リボンブレンダー、タン
ブラーブレンダー等で混合する方法、あるいは混合後、
一軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサ
ー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用す
ればよい。
リアミド(A)を溶融状態、例えば280〜360℃に加熱・維
持しながら、必要により上記繊維状充填剤、粉末状充填
剤、各種添加剤を配合して混練するなどの方法により調
製することができる。この際、押出し機、ニーダー等の
通常の混練装置を用いることができる。例えば上記のよ
うにして調製された本発明のポリアミド樹脂組成物は、
粉末、ペレット状その他の形状にして、圧縮成形法、射
出成形法、押出し成形法などを利用することにより、各
種成形品にすることができる。
説明するが、本発明はその要を超えないかぎりこれらの
例に何ら制限されるものではない。なお、実施例および
比較例に記した分析および測定は以下の方法に従って測
定した。極限粘度[η] :ポリアミド樹脂0.5 gを96.5%硫酸溶液5
0 mlに溶解し、ウベローデ粘度計を使用し、25.0±0.0
5℃の条件下で試料溶液の流下秒数を測定し、以下の式
に基づき算出した。 [η]=ηSP/{C(1+0.205ηSP)} ηSP=(t-t0)/t0 [η]:極限粘度(dl/g) ηSP:比粘度 C :試料濃度(g/dl) t :試料溶液の流下秒数(秒) t0 :ブランク硫酸の流下秒数(秒)結晶化度 : ポリアミド樹脂を、射出圧力1000 kg/cm
2、シリンダー温度を樹脂の融点より10℃高い温度に設
定し、金型温度120℃にて長さ64 mm、幅6 mm、厚さ0.
8 mmの試験片を射出成形した。この試験片について、
結晶化度をX線回折により測定した。理学機器(株)製R
u300を用いて、Cuターゲット、50 kv、300mA、ポイン
トフォーカス、試料回転透過法にて測定した。非晶樹
脂、および成形品のX線散乱曲線のピーク積分値を各々A
1、A2とし、以下の式により算出した。なお、非晶樹脂
は溶融樹脂を液体窒素で急冷する事により調製した。 結晶化度(%)=(A2−A1)/A2×100 A1:非晶樹脂のX線散乱曲線のピーク積分値 A2:試料のX線散乱曲線のピーク積分値引張伸び :ポリアミド樹脂について、ASTM−D638に従っ
て測定した。IZOD衝撃強度(ノッチ付き) :ポリアミド樹脂につい
て、ASTM−D256に従って測定した。GF50%銘柄の内部クラック :ガラス繊維(GF)を50重量
%含有した組成物を射出成形して、ASTM−1号試験片を
得た。射出条件は射出圧力100 MPa、射出速度 100 m
m/s、保圧 100 MPa、保圧速度 100 mm/s、シリンダ
ー温度は樹脂の融点より15℃高い温度に設定、金型温度
120℃である。試験片の流れ方向に中央部を切断し、
切断面のクラックを測定した。クラックの平均長さが10
mm以上の場合はクラック大、10 mm未満の場合はクラ
ック小とした。
ピン酸6.1 kg(53モル)、1,9−ジアミノノナン36.2
kg(229モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン6.9
kg(44モル)、安息香酸0.43 kg(3.5モル)、次亜
リン酸ナトリウム一水和物0.06 kg(0.6モル)および
蒸留水27.4 kgをオートクレーブに入れ、反応釜内部を
十分に窒素置換した。攪拌しながら内部温度を4時間か
けて250℃に昇温した。そのまま1時間反応を続け、ポ
リアミド低次縮合物を得た。このポリアミド低次縮合物
を真空下190℃で、12時間固相重合した。その後、スク
リュー径37 mm、L/D=36の二軸押出機にて、ポリアミ
ドの融点より30℃高いバレル設定温度でスクリュー回転
数 300 rpm、 10 kg/hの樹脂供給速度で溶融重合し
て、ポリアミド樹脂を得た。このポリアミド樹脂の
[η]、結晶化度、引張伸び、およびIZOD衝撃強度の結果
を表に示す。また上記ポリアミド樹脂50重量部に対し、
ガラス繊維(旭ファイバーグラス製;CS03JAFT2A)50重
量部を加え、二軸押出機にてポリアミド樹脂の融点より
10〜30℃高い温度にて溶融混練してポリアミド樹脂組成
物を得た。このポリアミド樹脂組成物を射出成形し、内
部クラックの大きさを測定した。その結果を表に示す。
単位、およびジカルボン酸成分のモル比にて、実施例1
と同様にポリアミド樹脂を得た。また、実施例1と同様
にポリアミド樹脂組成物を得た。これらを実施例1と同
様に評価し、その結果を表に示す。
上記のような成分単位を上記のような特定の割合で含む
特定のポリアミド樹脂を含有しているので、特に結晶
性、靭性、および耐内部クラック性に優れており、電気
・電子部品、自動車部品などの成形材料として好適であ
る。
Claims (6)
- 【請求項1】1,9−ジアミノノナン;aモル%と、
1,9−ジアミノノナン以外の直鎖および/または側鎖
を有する炭素数6〜12の脂肪族ジアミン;bモル%か
ら誘導され、aモル%が50〜99モル%であるジアミ
ン成分単位(I)(a+b=100モル%)と、テレフタ
ル酸;cモル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ンおよび/または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン
酸;dモル%からなるジカルボン酸成分単位(II)(c+
d=100モル%)から誘導され、cモル%が50〜9
9モル%、dモル%が1〜50モル%からなるジカルボ
ン酸成分単位(II)(c+d=100モル%)とからな
ることを特徴とするポリアミド樹脂。 - 【請求項2】上記aとcとの差が15モル%以下で、b
とdとの差が15モル%以下であることを特徴とする請
求項1記載のポリアミド樹脂。 - 【請求項3】1,9−ジアミノノナン以外の直鎖および
/または側鎖を有する炭素数6〜12の脂肪族ジアミン
が2−メチル−1,8−ジアミノオクタンであることを
特徴とする請求項1および2記載のポリアミド樹脂。 - 【請求項4】請求項1〜3に記載のポリアミド樹脂10
0重量部に対し、充填材0.1〜200重量部を含んで
成る事を特徴とするポリアミド樹脂組成物。 - 【請求項5】請求項1に記載のポリアミドの製造方法
- 【請求項6】請求項1〜4に記載のポリアミド樹脂およ
びポリアミド樹脂組成物からなる成形品。
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- 2001-01-29 JP JP2001019859A patent/JP2002220462A/ja active Pending
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