JP2004083880A - ポリアミド樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアミド樹脂成分(成分(A))と金属石鹸成分(成分(B))を含んでなるポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド樹脂成分(成分(A))が、テレフタル酸由来構成単位、並びに、テレフタル酸由来構成単位以外の芳香族系ジカルボン酸由来構成単位、及び/又は、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸由来構成単位から構成されるジカルボン酸由来構成単位(a−1)と、脂肪族系ジアミン由来構成単位から構成される前記ジアミン由来構成単位(a−2)からなり、金属石鹸成分(成分(B))が、脂肪族カルボン酸と、1〜2価の金属塩からなる金属石鹸を含んでなることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【効果】耐熱性に優れ、電気・電子用部品、自動車部品の成形品材料に好適に使用される。射出成形時の流動性、離型性、ショット安定性に優れる。
【選択図】 なし
【効果】耐熱性に優れ、電気・電子用部品、自動車部品の成形品材料に好適に使用される。射出成形時の流動性、離型性、ショット安定性に優れる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリアミド樹脂組成物、およびその成形品に関し、詳しくは、特に電気・電子用部品、および自動車部品の成形品材料に好適な耐熱性に優れ、射出成形時の高流動性、離型性、およびショット安定性に優れるポリアミド樹脂組成物、およびその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン66などが広く知られている。これらの脂肪族ポリアミドは優れた成形性を有するため、自動車部品、電気・電子部品、機械部品などに広く用いられている。
一方、さらに高耐熱性を有するポリアミド樹脂の開発が盛んに行われており、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸を主成分とするナイロン6Tなどを含む高耐熱樹脂組成物などが実用化されている。
ところで、近年、電子機器のダウンサイジング化(軽薄短小化)、高性能化(高周波数化)、ポータブル化(携帯、移動化)が急速に進んでおり、それにともないプリント回路板(PCB)の高密度実装化技術、部品類の小型化が不可欠となっている。
高密度化実装技術として、表面実装技術(SMT)が普及し、さらにハンダの鉛フリー化がすすんできている現在、搭載される部品の耐熱性がさらに必要とされ、また部品類の小型化に伴い、射出成形部品に用いられる樹脂の高流動性が必要とされている。
【0003】
一方、自動車部品など部品形状が大きいものでは、射出成形時にキャビティ内に充填され得る高流動性が樹脂に求められており、さらに離型性不足による変形を防ぐために良好な離型性が求められている。
ところが、上記ポリアミドでは、SMTによる実装工程中に熱変形、または樹脂が溶融する場合や、流動性不足や離型不良により自動車部品成形に適さない場合があった。
また、一方で、高耐熱ポリアミドとしてナイロン46が知られているが、その熱変形温度は、従来のポリアミドより高いものの、吸水率が高いため実装中に樹脂中に含まれる水分が膨張して部品表面が膨れるという問題があった。
【0004】
このような状況下、本出願人は、特許第2763348号において、テレフタル酸成分単位と、テレフタル酸成分単位以外の芳香族ジカルボン酸成分単位および/または炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位とからなるジカルボン酸由来構成単位(a)、および、脂肪族系ジアミンおよび/または脂環族系ジアミンからなるジアミン由来構成単位(b)からなる芳香族ポリアミドと、繊維状補強剤と、炭素数26〜32の脂肪族カルボン酸の誘導体とからなるポリアミド樹脂組成物を提案している。
該ポリアミド樹脂組成物は耐熱性、剛性、流動性、および金型離型性等に比較的優れているため、電気・電子部品、自動車部品等の成形材料に広く使用されている。
【0005】
しかしながら、上記のようにPCBに使用される部品の小型化が進むと、部品の末端部までに樹脂を充填させるために樹脂の高流動性が求められが、既存のポリアミド樹脂組成物では流動性が不十分であるため、末端部までに樹脂が充填されない場合があった。
また、これらのポリアミド樹脂組成物はガラス繊維などの繊維状充填材で強化されることが多いが、その場合は繊維状充填材によって流動性が損なわれる場合があった。そこで、繊維状充填材を含んでいない場合、または含んでいる場合であっても、耐熱性に優れ、かつ高流動性、および優れた離型性を有するポリアミド樹脂組成物の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであって、特に電気・電子用部品、および自動車部品の成形品材料に好適な耐熱性に優れ、射出成形時の流動性、離型性、およびショット安定性に優れるポリアミド樹脂組成物、およびその成形品を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を克服するために、難燃性ポリアミド樹脂組成物を構成する成分について更に詳しく検討した結果、特に電気・電子用部品、および自動車部品の成形品材料に好適な耐熱性に優れ、射出成形時の高流動性、離型性、およびショット安定性に優れるポリアミド樹脂組成物を見い出した。
【0008】
本発明の詳細は、以下のとおりである。
【0009】
本発明のポリアミド樹脂組成物を構成するポリアミド樹脂(成分(A))は、テレフタル酸由来構成単位と、テレフタル酸由来構成単位以外の芳香族系ジカルボン酸由来構成単位、および/または炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸由来構成単位とからなるジカルボン酸由来構成単位(a−1)、および脂肪族系ジアミン由来構成単位からなるジアミン由来構成単位(a−2)からなることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、上記ポリアミド樹脂(成分(A))100重量部に対して、炭素数20〜25の脂肪族カルボン酸と、1〜2価の金属塩からなる金属石鹸(成分(B))を0.01〜5重量部含むことを特徴としている。
また、25℃の96.5%硫酸中で測定した上記ポリアミド樹脂の極限粘度が、0.5〜3.0dl/gの範囲内にあることが好ましい。
また、当該ポリアミド樹脂は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が280〜330℃の範囲にあることが好ましい。
さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂成分(成分(A))100重量部に対し、充填材1〜300重量部を含んでいることが好ましい。また、本発明の成形品は上記ポリアミド樹脂組成物からなることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の態様】
以下、本発明に係るポリアミド樹脂組成物を構成するポリアミド樹脂(成分(A))、金属石鹸(成分(B))について具体的に説明し、さらに繊維状充填材、その他添加材料、および成形品について具体的に説明する。
【0012】
[ポリアミド樹脂(成分(A))]
本発明のポリアミド樹脂(成分(A))としては、下記のものが好ましく使用される。
ポリアミド樹脂(成分(A))は、ジカルボン酸由来構成単位(a−1)およびジアミン由来構成単位(a−2)からなる。
本発明のジカルボン酸由来構成単位(a−1)はテレフタル酸由来構成単位と、テレフタル酸由来構成単位以外の芳香族系ジカルボン酸由来構成単位、および/または炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸由来構成単位とからなる。テレフタル酸以外の芳香族系ジカルボン酸由来構成単位としては、たとえばイソフタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、およびこれらの組み合わせなどが挙げられる。炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸として、例えばアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸およびドデカンジカルボン酸等およびこれらの組み合わせなどが挙げられるが、特にアジピン酸が好ましい。
【0013】
本発明においては、ジカルボン酸由来構成単位(a−1)を構成するジカルボン酸の全量を100モル%とするとき、テレフタル酸は40〜100モル%の量で含有され、テレフタル酸以外の芳香族系ジカルボン酸由来構成単位から誘導される構成単位は0〜60モル%、および/または炭素原子数4〜20、好ましくは4〜12の脂肪族ジカルボン酸由来構成単位から誘導される構成単位が0〜60モル%の量で含有することが好ましい。
また、本発明においては、上記のようなジカルボン酸と共に、少量、たとえば10モル%以下程度の多価カルボン酸が含まれていてもよい。このような多価カルボン酸として具体的には、トリメリット酸およびピロメリット酸等のような三塩基酸および多塩基酸を挙げることができる。
【0014】
本発明のジアミン由来構成単位(a−2)は、脂肪族系ジアミン由来構成単位からなり、例えば1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、および1,12−ジアミノドデカンなどが挙げられ、特に1,6−ジアミノヘキサンが好ましい。
また、本発明のジアミン成分はメチル基、エチル基等の側鎖を有していても良く、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,6−ジアミノヘキサン、2−メチル−1, 7−ジアミノヘプタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン、2−メチル−1,9−ジアミノノナン、2−メチル−1,10−ジアミノデカン、2−メチル−1,11−ジアミノウンデカン等が挙げられる。
これらの中では、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンが特に好ましい。
【0015】
直鎖脂肪族ジアミン成分と側鎖アルキル基を有する脂肪族ジアミン成分の各々を単独で使用しても良く、またこれらのジアミンを任意の割合で混合して使用することができる。
【0016】
本発明のポリアミド樹脂を製造するためには、上記のようなジカルボン酸成分とジアミン成分とを加えて、触媒の存在下に加熱することにより製造することができる。またこの反応において、ジアミン成分の全モル数が、ジカルボン酸成分の全モル数より多く配合されることが好ましく、特に好ましくは全ジカルボン酸成分を100モルとした時、全ジアミン成分が100〜120モルである。この反応は、通常は不活性ガス雰囲気下で行なわれ、一般には反応容器内を窒素ガスなどの不活性ガスで置換する。また、ポリアミドの重縮合反応を制御するために、水を予め封入しておく事が望ましく、水に可溶な有機溶媒、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類が含有されていても良い。
【0017】
本発明で使用されるポリアミド樹脂(成分(A))を製造する際に用いられる触媒としては、リン酸、その塩およびリン酸エステル化合物;亜リン酸、その塩およびエステル化合物;並びに、次亜リン酸、その塩およびエステル化合物を使用することができる。
これらの中でも、リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム等が好ましい。
これらのリン酸化合物は、単独であるいは組み合わせて使用することができる。このようなリン系化合物は、上記のようなジカルボン酸成分100モルに対して、通常は0.01〜5モル、好ましくは0.05〜2モルの割合で用いられる。
【0018】
また、本発明のポリアミド樹脂を製造するためには、末端封止剤を使用することが好ましい。
この末端封止剤としては、安息香酸、安息香酸のアルカリ金属塩、酢酸等を使用することができる。このような末端封止剤は、ジカルボン酸成分100モルに対して、通常は0.1〜5モル、好ましくは0.5〜2モルの範囲内の量で使用される。この末端封止剤の使用量を調整することにより、得られる重縮合物の極限粘度[η]を制御することができる。
【0019】
このような重縮合物を調製する際の反応条件は、具体的には、反応温度は通常200〜290℃、好ましくは220〜280℃、反応時間は通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。さらにこの反応は常圧から加圧のいずれの条件で行うこともできるが、加圧条件で反応を行うことが好ましく、反応圧は、通常2〜5 MPa、好ましくは2.5〜4 MPaの範囲内に設定される。そして、このようにして重縮合反応を行うことにより、25℃の96.5%硫酸中でウベローデ型粘度計を用いて測定した極限粘度[η]が、通常は0.05〜0.6 dl/g、好ましくは0.08〜0.3 dl/gの範囲内にある低次縮合物を得ることができる。
【0020】
こうして水性媒体中に生成したポリアミド低次縮合物は、反応液と分離される。このポリアミド低次縮合物と反応液との分離には、例えば濾過、遠心分離等の方法を採用することもできるが、生成した半芳香族ポリアミド低次縮合物を含有する反応液を、ノズルを介して大気中にフラッシュすることにより、固液分離する方法が効率的である。
【0021】
本発明では上記のようにして得られたポリアミド低次縮合物を用いて後重合を行う。
この後重合は、上記ポリアミド低次縮合物を乾燥した後に加熱して、溶融状態にし、この溶融物に剪断応力を付与しながら行なうことが好ましい。この反応に際しては、乾燥ポリアミド低次縮合物が少なくとも溶融する温度に加熱する。一般には、乾燥ポリアミド低次縮合物の融点以上の温度、好ましくはこの融点よりも10〜60℃高い温度に加熱される。
【0022】
剪断応力は、例えばベント付き二軸押出機、ニーダー等を用いることにより溶融物に付与することができる。こうして溶融物に剪断応力を付与することにより、溶融状態にある乾燥ポリアミド低次縮合物が相互に重縮合すると共に、縮合物の重縮合反応も進行するものと考えられる。
【0023】
本発明のポリアミド樹脂の製造に関する他の方法として、上記ポリアミド低次縮合物を一般公知の方法にて固相重合させて、上記方法にて測定した極限粘度[η]が0.5〜2.0 dl/gの範囲のポリアミドを調製することができる。本発明のポリアミド樹脂の製造に関する、さらに他の方法として、上記ポリアミド低次縮合物を一般公知の方法にて固相重合させて、極限粘度[η]が0.5〜1.5 dl/gの範囲のポリアミド前駆体を調製し、さらにこの前駆体を溶融重合させて、極限粘度[η]が0.8〜3.0 dl/gの範囲にすることができる。極限粘度がこの範囲にある場合、流動性に優れ、高靭性に優れるポリアミド樹脂を得ることができる。
また、本発明のポリアミド樹脂は結晶性であるため融点を有し、上記製造法にて得られたポリアミド樹脂について、示差走査熱量計(DSC)を用いて10℃/分で昇温した時に融解に基づく吸熱ピークを融点とした場合、融点が好ましくは270〜340℃、特に好ましくは280℃〜330℃の範囲にあることにより、優れた耐熱性を有することができる。
また、本発明のポリアミド樹脂は、このポリアミドの融点以上、分解温度未満に加熱して、通常の成形装置を使用して所望の形状に成形することができる。特に射出成形によって、電気・電子部品、および自動車部品を効率よく成形することができる。
【0024】
[金属石鹸(成分(B))]
本発明の金属石鹸(成分(B))としては、下記のものが好ましく使用される。金属石鹸(成分(B))は炭素数20〜25の脂肪族カルボン酸と、1〜2価の金属塩からなる。
炭素数20〜25の脂肪族カルボン酸は特に制限はないが、アラキン酸(炭素数20)、ベヘン酸(炭素数22)、リグノセリン酸(炭素数24)、ペンタコサン酸(炭素数25)などが挙げられる。またメチル基やエチル基などのアルキル基や水酸基などの官能基を側鎖に有していても良い。これらの中で、特にベヘン酸、リグノセリン酸が好ましい。
金属石鹸(成分(B))に含まれる1〜2価の金属は特に制限はないが、Li、Na、Mg、K、Ca等が好ましく使用される。
金属石鹸(成分(B))は上記の範囲にあれば広く公用のものが使用でき、例えば脂肪酸と金属塩水溶液を原料として複分解法、または直接法などの製法によって製造することができる。
本発明の金属石鹸(成分(B))は複数種の混合物を用いてもよく、また本発明の目的の範囲で炭素数16〜18の脂肪族カルボン酸の金属塩およびまたは炭素数26〜32の脂肪族カルボン酸の金属塩と併用してもよい。
本発明の金属石鹸(成分(B))はポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂樹脂組成物にドライブレンド法または二軸押出機で溶融混練して添加される。ポリアミド樹脂樹脂組成物が充填材を含む場合、ポリアミド樹脂と充填材を二軸押出機で溶融混錬した後、本発明の金属石鹸(成分(B))を溶融混錬後のポリアミド樹脂樹脂組成物にドライブレンドすると得られる樹脂組成物の流動性の点で好ましい。
【0025】
[充填材]
本発明で用いられる充填材には、難燃剤または難燃助剤(臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレン、臭素化ポリカーボネート、臭素化フェノールの縮合物、赤リン、酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛などの金属ホウ酸塩等)、滑剤(炭素数26〜32の脂肪族カルボン酸の金属塩、具体的にはモンタン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウム等)、粉末状、粒状、板状、針状の充填材(特にシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、ウォラストナイト、ケイソウ土、クレー、カオリン、球状ガラス、マイカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、ウイスカ等)、および繊維状充填材が挙げられる。繊維状充填材は、無機質充填材としては、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、金属被覆ガラス繊維、セラミックス繊維、ウォラストナイト、金属炭化物繊維、金属硬化物繊維、アスベスト繊維およびホウ素繊維などが挙げられる。また、有機質充填材としては、アラミド繊維、炭素繊維等が挙げられる。
このような繊維状充填材としては、特にガラス繊維が好ましい。ガラス繊維を使用する事により、組成物の成形性が向上すると共に、熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体の引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械的特性および熱変形温度等の耐熱特性が向上する。
上記のような繊維状充填材の平均長さは、通常は、0.01〜20 mm、好ましくは0.1〜6 mmの範囲にあり、アスペクト比が通常は5〜2000、好ましくは15〜600の範囲にある。平均長さおよびアスペクト比がこのような範囲内にある繊維状充填材を使用する事が好ましい。
本発明における繊維状充填材を、シランカップリング剤、あるいはチタンカップリング剤などで処理して使用する事も出来る。例えば、ビニルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどの化合物で表面処理されている事が好ましい。
また、本発明における繊維状充填材は、集束剤が塗布されていても良く、エポキシ系、ウレタン系、ウレタン/マレイン酸変性系、ウレタン/アミン変性系の化合物が好ましく使用される。
上記表面処理剤は上記集束剤と併用しても良く、併用する事により本発明の組成物中の繊維状充填材と、組成物中の他の成分との結合性が向上し、外観および強度特性が向上する。
本発明の上記繊維状充填材は上記ポリアミド樹脂組成物とともに溶融混練して使用することが出来るが、その場合上記ポリアミド樹脂成分100重量部に対して、10〜150重量部含まれることが好ましく、特に25〜100重量部含まれることが好ましい。上記繊維状充填材含有量が150重量部より多い場合、当該ポリアミド樹脂組成物の流動性が著しく低下し、また成形品表面の外観が損なわれる。
【0026】
本発明で使用することのできるその他の添加材料としては特に制限はないが、発明の効果を損なわない範囲で、用途に応じて以下の添加材料を添加することができる。
酸化防止剤や耐熱安定剤(酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト類、リン化合物、ヒンダートフェノール類、ハイドロキノン類、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、他の重合体(オレフィン類、変性ポリオレフィン類、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体等のオレフィン共重合体、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキシド、弗素樹脂、シリコーン樹脂、脂肪族ポリアミド等)、可塑剤、増粘剤、帯電防止剤、離型剤、顔料、染料、核剤、種々公知の配合剤等を添加することができる。
【0027】
[ポリアミド樹脂組成物]
本発明のポリアミド樹脂組成物はポリアミド樹脂成分(成分(A))100重量部と金属石鹸成分(成分(B))0.01〜5重量部、好ましくはポリアミド樹脂成分(成分(A))100重量部に対して金属石鹸成分(成分(B))を0.05〜2重量部、より好ましくは0.2〜1重量部含む。さらに本発明のポリアミド樹脂組成物はポリアミド樹脂成分100重量部に対し、充填材を1〜300重量部含むのが好ましく、特に充填材がガラス繊維、難燃剤、難燃助剤および滑剤からなる場合、耐熱性等にも優れるため好ましい。充填材がガラス繊維、難燃剤、難燃助剤および滑剤からなる場合、ポリアミド樹脂成分(成分(A))100重量部に対して、ガラス繊維を10〜150重量部、難燃剤を20〜70重量部、難燃助剤お2〜15重量部および滑剤を0.01〜5重量部をそれぞれ含むのが好ましい。本発明のポリアミド樹脂組成物がガラス繊維を含む場合、ポリアミド樹脂組成物のHDTは270〜350℃、好ましくは280〜320℃である。本発明のポリアミド樹脂組成物を調製するには、各成分を、種々公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用すればよい。
本発明に係るポリアミド組成物は、溶融混練するのであれば、上記ポリアミド成分(成分(A))および金属石鹸成分(成分(B))を溶融状態、例えば280〜360℃に加熱・維持しながら、必要により上記繊維状充填剤、粉末状充填剤、各種添加剤を配合して混練するなどの方法により調製することができる。この際、押出し機、ニーダー等の通常の混練装置を用いることができる。
例えば、上記のようにして調製された本発明のポリアミド樹脂組成物は、粉末、ペレット状その他の形状にして、圧縮成形法、射出成形法、押出し成形法などを利用することにより、各種成形品にすることができる。
【0028】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要を超えないかぎりこれらの例に何ら制限されるものではない。
なお、実施例および比較例に記した分析および測定は以下の方法に従って行った。
【0029】
極限粘度[η]:ポリアミド樹脂0.5gを96.5%硫酸溶液50mlに溶解し、ウベローデ粘度計を使用し、25.0±0.05℃の条件下で試料溶液の流下秒数を測定し、以下の式に基づき算出した。
[η]=ηSP/{C(1+0.205ηSP)}
ηSP=(t−t0)/t0
[η]:極限粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
t:試料溶液の流下秒数(秒)
t0:ブランク硫酸の流下秒数(秒)
【0030】
融点;PERKIN ELMER社製示差走査熱量計(DSC)7型を用いて、10℃/分で昇温して測定した。このときの融解に基づく吸熱ピークを融点とした。
【0031】
流動長:東芝機械(株)製射出成形機(IS55−EPN)を使用し、ポリアミド樹脂の融点より10℃高いシリンダー温度で、射出圧力100MPa、射出速度100mm/秒、および金型温度120℃で射出成形し、射出開始から50ショット目の、幅10mm、厚さ0.5mmの流動長を測定した。
【0032】
離型力およびショットの安定性;日精樹脂工業(株)製PS−40Eを使用し、射出圧力150MPa、射出速度15cm3/秒の射出条件下、ポリアミド樹脂の融点より10℃高いシリンダー温度で、コネクタ金型を使用して金型温度85℃で射出成形し、同社製DLA(Data Logger Analyzer)を用いて離型力を測定した。
ショットの安定性は、離型力測定時の20ショット目と50ショット目の離型力の差が、5kg/cm2未満の場合は○、5kg/cm2以上の場合は×とした。
【0033】
HDT;ASTM D648に準じて測定し、荷重1.82MPa、昇温速度2℃/分の条件下で測定した。
【0034】
難燃性:UL94に準拠して測定し、厚さ1/32インチの試験片について難燃性を評価した。
【0035】
実施例1〜4、比較例1〜5
ポリアミド樹脂(成分(A))として、以下のものを使用した(PA6T/66と略記)。
ポリアミド樹脂の種類:PA6T/66=55/45(モル比)
組成:ジアミン成分…1,6−ジアミノヘキサン50モル%、
ジカルボン酸成分…テレフタル酸27.5モル%、アジピン酸22.5モル%
極限粘度[η]…1.0 dl/g
融点(示差走査熱量計(DSC)法)…310℃
金属石鹸(成分(B))の種類および量を、表1に示した。
金属石鹸(成分(B))はポリアミド樹脂(成分(A))のペレットに所定量をドライブレンドし、流動長、離型力、およびショット安定性について評価した。なお、一般に離型性に効果があるといわれている酸化ポリエチレン、および脂肪族ポリエステルについても同様の評価を行なった。これらの結果を表1に示す。
【0036】
実施例5〜7、比較例6
実施例5〜7はポリアミド樹脂(成分(A))として、実施例1と同じ物を使用した。比較例6はポリアミド樹脂(成分(A))として、1,6−ジアミノヘキサン50モル%、アジピン酸50モル%からなるポリアミド(PA66と略記)を使用した(極限粘度[η]…1.2 dl/g、融点(示差走査熱量計(DSC)法)…260℃)。
金属石鹸(成分(B))の種類および量を、表2に示した。ガラス繊維は日本電気硝子(株)製、ESC03−615を使用し、表2に示す量を使用した。
ポリアミド樹脂(成分(A))、金属石鹸(成分(B))、およびガラス繊維を二軸押出機で溶融混練してペレタイズし、射出成形により試験片を得て、HDTを測定した。結果を表2に示す。
【0037】
実施例8〜10、比較例7
実施例8〜10、および比較例7はポリアミド樹脂(成分(A))として、実施例1と同じ物を使用した。
金属石鹸(成分(B))の種類および量を、表3に示した。
ガラス繊維は、日本電気硝子(株)製、ESC03−615を使用し、表3に示す量を使用した。
難燃剤として臭素化ポリスチレン(フェロ(株)製、パイロチェック68PB)、難燃助剤としてアンチモン酸ナトリウム(日本精鉱(株)製、SA−A)を使用し、表3に示す量を使用した。これらを二軸押出機で溶融混練してペレタイズし、射出成形により試験片を得て、難燃性、HDT、および流動性を測定した。結果を表3に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】
本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、耐熱性に優れ、特に、電気・電子用部品、および自動車部品の成形品材料に好適に使用される。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、射出成形時の流動性、離型性、およびショット安定性に優れる。
【発明の属する技術分野】
本発明はポリアミド樹脂組成物、およびその成形品に関し、詳しくは、特に電気・電子用部品、および自動車部品の成形品材料に好適な耐熱性に優れ、射出成形時の高流動性、離型性、およびショット安定性に優れるポリアミド樹脂組成物、およびその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン66などが広く知られている。これらの脂肪族ポリアミドは優れた成形性を有するため、自動車部品、電気・電子部品、機械部品などに広く用いられている。
一方、さらに高耐熱性を有するポリアミド樹脂の開発が盛んに行われており、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸を主成分とするナイロン6Tなどを含む高耐熱樹脂組成物などが実用化されている。
ところで、近年、電子機器のダウンサイジング化(軽薄短小化)、高性能化(高周波数化)、ポータブル化(携帯、移動化)が急速に進んでおり、それにともないプリント回路板(PCB)の高密度実装化技術、部品類の小型化が不可欠となっている。
高密度化実装技術として、表面実装技術(SMT)が普及し、さらにハンダの鉛フリー化がすすんできている現在、搭載される部品の耐熱性がさらに必要とされ、また部品類の小型化に伴い、射出成形部品に用いられる樹脂の高流動性が必要とされている。
【0003】
一方、自動車部品など部品形状が大きいものでは、射出成形時にキャビティ内に充填され得る高流動性が樹脂に求められており、さらに離型性不足による変形を防ぐために良好な離型性が求められている。
ところが、上記ポリアミドでは、SMTによる実装工程中に熱変形、または樹脂が溶融する場合や、流動性不足や離型不良により自動車部品成形に適さない場合があった。
また、一方で、高耐熱ポリアミドとしてナイロン46が知られているが、その熱変形温度は、従来のポリアミドより高いものの、吸水率が高いため実装中に樹脂中に含まれる水分が膨張して部品表面が膨れるという問題があった。
【0004】
このような状況下、本出願人は、特許第2763348号において、テレフタル酸成分単位と、テレフタル酸成分単位以外の芳香族ジカルボン酸成分単位および/または炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位とからなるジカルボン酸由来構成単位(a)、および、脂肪族系ジアミンおよび/または脂環族系ジアミンからなるジアミン由来構成単位(b)からなる芳香族ポリアミドと、繊維状補強剤と、炭素数26〜32の脂肪族カルボン酸の誘導体とからなるポリアミド樹脂組成物を提案している。
該ポリアミド樹脂組成物は耐熱性、剛性、流動性、および金型離型性等に比較的優れているため、電気・電子部品、自動車部品等の成形材料に広く使用されている。
【0005】
しかしながら、上記のようにPCBに使用される部品の小型化が進むと、部品の末端部までに樹脂を充填させるために樹脂の高流動性が求められが、既存のポリアミド樹脂組成物では流動性が不十分であるため、末端部までに樹脂が充填されない場合があった。
また、これらのポリアミド樹脂組成物はガラス繊維などの繊維状充填材で強化されることが多いが、その場合は繊維状充填材によって流動性が損なわれる場合があった。そこで、繊維状充填材を含んでいない場合、または含んでいる場合であっても、耐熱性に優れ、かつ高流動性、および優れた離型性を有するポリアミド樹脂組成物の開発が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであって、特に電気・電子用部品、および自動車部品の成形品材料に好適な耐熱性に優れ、射出成形時の流動性、離型性、およびショット安定性に優れるポリアミド樹脂組成物、およびその成形品を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を克服するために、難燃性ポリアミド樹脂組成物を構成する成分について更に詳しく検討した結果、特に電気・電子用部品、および自動車部品の成形品材料に好適な耐熱性に優れ、射出成形時の高流動性、離型性、およびショット安定性に優れるポリアミド樹脂組成物を見い出した。
【0008】
本発明の詳細は、以下のとおりである。
【0009】
本発明のポリアミド樹脂組成物を構成するポリアミド樹脂(成分(A))は、テレフタル酸由来構成単位と、テレフタル酸由来構成単位以外の芳香族系ジカルボン酸由来構成単位、および/または炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸由来構成単位とからなるジカルボン酸由来構成単位(a−1)、および脂肪族系ジアミン由来構成単位からなるジアミン由来構成単位(a−2)からなることを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、上記ポリアミド樹脂(成分(A))100重量部に対して、炭素数20〜25の脂肪族カルボン酸と、1〜2価の金属塩からなる金属石鹸(成分(B))を0.01〜5重量部含むことを特徴としている。
また、25℃の96.5%硫酸中で測定した上記ポリアミド樹脂の極限粘度が、0.5〜3.0dl/gの範囲内にあることが好ましい。
また、当該ポリアミド樹脂は、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が280〜330℃の範囲にあることが好ましい。
さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂成分(成分(A))100重量部に対し、充填材1〜300重量部を含んでいることが好ましい。また、本発明の成形品は上記ポリアミド樹脂組成物からなることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の態様】
以下、本発明に係るポリアミド樹脂組成物を構成するポリアミド樹脂(成分(A))、金属石鹸(成分(B))について具体的に説明し、さらに繊維状充填材、その他添加材料、および成形品について具体的に説明する。
【0012】
[ポリアミド樹脂(成分(A))]
本発明のポリアミド樹脂(成分(A))としては、下記のものが好ましく使用される。
ポリアミド樹脂(成分(A))は、ジカルボン酸由来構成単位(a−1)およびジアミン由来構成単位(a−2)からなる。
本発明のジカルボン酸由来構成単位(a−1)はテレフタル酸由来構成単位と、テレフタル酸由来構成単位以外の芳香族系ジカルボン酸由来構成単位、および/または炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸由来構成単位とからなる。テレフタル酸以外の芳香族系ジカルボン酸由来構成単位としては、たとえばイソフタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、およびこれらの組み合わせなどが挙げられる。炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸として、例えばアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸およびドデカンジカルボン酸等およびこれらの組み合わせなどが挙げられるが、特にアジピン酸が好ましい。
【0013】
本発明においては、ジカルボン酸由来構成単位(a−1)を構成するジカルボン酸の全量を100モル%とするとき、テレフタル酸は40〜100モル%の量で含有され、テレフタル酸以外の芳香族系ジカルボン酸由来構成単位から誘導される構成単位は0〜60モル%、および/または炭素原子数4〜20、好ましくは4〜12の脂肪族ジカルボン酸由来構成単位から誘導される構成単位が0〜60モル%の量で含有することが好ましい。
また、本発明においては、上記のようなジカルボン酸と共に、少量、たとえば10モル%以下程度の多価カルボン酸が含まれていてもよい。このような多価カルボン酸として具体的には、トリメリット酸およびピロメリット酸等のような三塩基酸および多塩基酸を挙げることができる。
【0014】
本発明のジアミン由来構成単位(a−2)は、脂肪族系ジアミン由来構成単位からなり、例えば1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、および1,12−ジアミノドデカンなどが挙げられ、特に1,6−ジアミノヘキサンが好ましい。
また、本発明のジアミン成分はメチル基、エチル基等の側鎖を有していても良く、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2−メチル−1,6−ジアミノヘキサン、2−メチル−1, 7−ジアミノヘプタン、2−メチル−1,8−ジアミノオクタン、2−メチル−1,9−ジアミノノナン、2−メチル−1,10−ジアミノデカン、2−メチル−1,11−ジアミノウンデカン等が挙げられる。
これらの中では、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンが特に好ましい。
【0015】
直鎖脂肪族ジアミン成分と側鎖アルキル基を有する脂肪族ジアミン成分の各々を単独で使用しても良く、またこれらのジアミンを任意の割合で混合して使用することができる。
【0016】
本発明のポリアミド樹脂を製造するためには、上記のようなジカルボン酸成分とジアミン成分とを加えて、触媒の存在下に加熱することにより製造することができる。またこの反応において、ジアミン成分の全モル数が、ジカルボン酸成分の全モル数より多く配合されることが好ましく、特に好ましくは全ジカルボン酸成分を100モルとした時、全ジアミン成分が100〜120モルである。この反応は、通常は不活性ガス雰囲気下で行なわれ、一般には反応容器内を窒素ガスなどの不活性ガスで置換する。また、ポリアミドの重縮合反応を制御するために、水を予め封入しておく事が望ましく、水に可溶な有機溶媒、例えばメタノール、エタノールなどのアルコール類が含有されていても良い。
【0017】
本発明で使用されるポリアミド樹脂(成分(A))を製造する際に用いられる触媒としては、リン酸、その塩およびリン酸エステル化合物;亜リン酸、その塩およびエステル化合物;並びに、次亜リン酸、その塩およびエステル化合物を使用することができる。
これらの中でも、リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム等が好ましい。
これらのリン酸化合物は、単独であるいは組み合わせて使用することができる。このようなリン系化合物は、上記のようなジカルボン酸成分100モルに対して、通常は0.01〜5モル、好ましくは0.05〜2モルの割合で用いられる。
【0018】
また、本発明のポリアミド樹脂を製造するためには、末端封止剤を使用することが好ましい。
この末端封止剤としては、安息香酸、安息香酸のアルカリ金属塩、酢酸等を使用することができる。このような末端封止剤は、ジカルボン酸成分100モルに対して、通常は0.1〜5モル、好ましくは0.5〜2モルの範囲内の量で使用される。この末端封止剤の使用量を調整することにより、得られる重縮合物の極限粘度[η]を制御することができる。
【0019】
このような重縮合物を調製する際の反応条件は、具体的には、反応温度は通常200〜290℃、好ましくは220〜280℃、反応時間は通常0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間である。さらにこの反応は常圧から加圧のいずれの条件で行うこともできるが、加圧条件で反応を行うことが好ましく、反応圧は、通常2〜5 MPa、好ましくは2.5〜4 MPaの範囲内に設定される。そして、このようにして重縮合反応を行うことにより、25℃の96.5%硫酸中でウベローデ型粘度計を用いて測定した極限粘度[η]が、通常は0.05〜0.6 dl/g、好ましくは0.08〜0.3 dl/gの範囲内にある低次縮合物を得ることができる。
【0020】
こうして水性媒体中に生成したポリアミド低次縮合物は、反応液と分離される。このポリアミド低次縮合物と反応液との分離には、例えば濾過、遠心分離等の方法を採用することもできるが、生成した半芳香族ポリアミド低次縮合物を含有する反応液を、ノズルを介して大気中にフラッシュすることにより、固液分離する方法が効率的である。
【0021】
本発明では上記のようにして得られたポリアミド低次縮合物を用いて後重合を行う。
この後重合は、上記ポリアミド低次縮合物を乾燥した後に加熱して、溶融状態にし、この溶融物に剪断応力を付与しながら行なうことが好ましい。この反応に際しては、乾燥ポリアミド低次縮合物が少なくとも溶融する温度に加熱する。一般には、乾燥ポリアミド低次縮合物の融点以上の温度、好ましくはこの融点よりも10〜60℃高い温度に加熱される。
【0022】
剪断応力は、例えばベント付き二軸押出機、ニーダー等を用いることにより溶融物に付与することができる。こうして溶融物に剪断応力を付与することにより、溶融状態にある乾燥ポリアミド低次縮合物が相互に重縮合すると共に、縮合物の重縮合反応も進行するものと考えられる。
【0023】
本発明のポリアミド樹脂の製造に関する他の方法として、上記ポリアミド低次縮合物を一般公知の方法にて固相重合させて、上記方法にて測定した極限粘度[η]が0.5〜2.0 dl/gの範囲のポリアミドを調製することができる。本発明のポリアミド樹脂の製造に関する、さらに他の方法として、上記ポリアミド低次縮合物を一般公知の方法にて固相重合させて、極限粘度[η]が0.5〜1.5 dl/gの範囲のポリアミド前駆体を調製し、さらにこの前駆体を溶融重合させて、極限粘度[η]が0.8〜3.0 dl/gの範囲にすることができる。極限粘度がこの範囲にある場合、流動性に優れ、高靭性に優れるポリアミド樹脂を得ることができる。
また、本発明のポリアミド樹脂は結晶性であるため融点を有し、上記製造法にて得られたポリアミド樹脂について、示差走査熱量計(DSC)を用いて10℃/分で昇温した時に融解に基づく吸熱ピークを融点とした場合、融点が好ましくは270〜340℃、特に好ましくは280℃〜330℃の範囲にあることにより、優れた耐熱性を有することができる。
また、本発明のポリアミド樹脂は、このポリアミドの融点以上、分解温度未満に加熱して、通常の成形装置を使用して所望の形状に成形することができる。特に射出成形によって、電気・電子部品、および自動車部品を効率よく成形することができる。
【0024】
[金属石鹸(成分(B))]
本発明の金属石鹸(成分(B))としては、下記のものが好ましく使用される。金属石鹸(成分(B))は炭素数20〜25の脂肪族カルボン酸と、1〜2価の金属塩からなる。
炭素数20〜25の脂肪族カルボン酸は特に制限はないが、アラキン酸(炭素数20)、ベヘン酸(炭素数22)、リグノセリン酸(炭素数24)、ペンタコサン酸(炭素数25)などが挙げられる。またメチル基やエチル基などのアルキル基や水酸基などの官能基を側鎖に有していても良い。これらの中で、特にベヘン酸、リグノセリン酸が好ましい。
金属石鹸(成分(B))に含まれる1〜2価の金属は特に制限はないが、Li、Na、Mg、K、Ca等が好ましく使用される。
金属石鹸(成分(B))は上記の範囲にあれば広く公用のものが使用でき、例えば脂肪酸と金属塩水溶液を原料として複分解法、または直接法などの製法によって製造することができる。
本発明の金属石鹸(成分(B))は複数種の混合物を用いてもよく、また本発明の目的の範囲で炭素数16〜18の脂肪族カルボン酸の金属塩およびまたは炭素数26〜32の脂肪族カルボン酸の金属塩と併用してもよい。
本発明の金属石鹸(成分(B))はポリアミド樹脂またはポリアミド樹脂樹脂組成物にドライブレンド法または二軸押出機で溶融混練して添加される。ポリアミド樹脂樹脂組成物が充填材を含む場合、ポリアミド樹脂と充填材を二軸押出機で溶融混錬した後、本発明の金属石鹸(成分(B))を溶融混錬後のポリアミド樹脂樹脂組成物にドライブレンドすると得られる樹脂組成物の流動性の点で好ましい。
【0025】
[充填材]
本発明で用いられる充填材には、難燃剤または難燃助剤(臭素化ポリスチレン、ポリ臭素化スチレン、臭素化ポリカーボネート、臭素化フェノールの縮合物、赤リン、酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛などの金属ホウ酸塩等)、滑剤(炭素数26〜32の脂肪族カルボン酸の金属塩、具体的にはモンタン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウム等)、粉末状、粒状、板状、針状の充填材(特にシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、ウォラストナイト、ケイソウ土、クレー、カオリン、球状ガラス、マイカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、ウイスカ等)、および繊維状充填材が挙げられる。繊維状充填材は、無機質充填材としては、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、金属被覆ガラス繊維、セラミックス繊維、ウォラストナイト、金属炭化物繊維、金属硬化物繊維、アスベスト繊維およびホウ素繊維などが挙げられる。また、有機質充填材としては、アラミド繊維、炭素繊維等が挙げられる。
このような繊維状充填材としては、特にガラス繊維が好ましい。ガラス繊維を使用する事により、組成物の成形性が向上すると共に、熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体の引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率等の機械的特性および熱変形温度等の耐熱特性が向上する。
上記のような繊維状充填材の平均長さは、通常は、0.01〜20 mm、好ましくは0.1〜6 mmの範囲にあり、アスペクト比が通常は5〜2000、好ましくは15〜600の範囲にある。平均長さおよびアスペクト比がこのような範囲内にある繊維状充填材を使用する事が好ましい。
本発明における繊維状充填材を、シランカップリング剤、あるいはチタンカップリング剤などで処理して使用する事も出来る。例えば、ビニルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどの化合物で表面処理されている事が好ましい。
また、本発明における繊維状充填材は、集束剤が塗布されていても良く、エポキシ系、ウレタン系、ウレタン/マレイン酸変性系、ウレタン/アミン変性系の化合物が好ましく使用される。
上記表面処理剤は上記集束剤と併用しても良く、併用する事により本発明の組成物中の繊維状充填材と、組成物中の他の成分との結合性が向上し、外観および強度特性が向上する。
本発明の上記繊維状充填材は上記ポリアミド樹脂組成物とともに溶融混練して使用することが出来るが、その場合上記ポリアミド樹脂成分100重量部に対して、10〜150重量部含まれることが好ましく、特に25〜100重量部含まれることが好ましい。上記繊維状充填材含有量が150重量部より多い場合、当該ポリアミド樹脂組成物の流動性が著しく低下し、また成形品表面の外観が損なわれる。
【0026】
本発明で使用することのできるその他の添加材料としては特に制限はないが、発明の効果を損なわない範囲で、用途に応じて以下の添加材料を添加することができる。
酸化防止剤や耐熱安定剤(酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト類、リン化合物、ヒンダートフェノール類、ハイドロキノン類、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、他の重合体(オレフィン類、変性ポリオレフィン類、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体等のオレフィン共重合体、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキシド、弗素樹脂、シリコーン樹脂、脂肪族ポリアミド等)、可塑剤、増粘剤、帯電防止剤、離型剤、顔料、染料、核剤、種々公知の配合剤等を添加することができる。
【0027】
[ポリアミド樹脂組成物]
本発明のポリアミド樹脂組成物はポリアミド樹脂成分(成分(A))100重量部と金属石鹸成分(成分(B))0.01〜5重量部、好ましくはポリアミド樹脂成分(成分(A))100重量部に対して金属石鹸成分(成分(B))を0.05〜2重量部、より好ましくは0.2〜1重量部含む。さらに本発明のポリアミド樹脂組成物はポリアミド樹脂成分100重量部に対し、充填材を1〜300重量部含むのが好ましく、特に充填材がガラス繊維、難燃剤、難燃助剤および滑剤からなる場合、耐熱性等にも優れるため好ましい。充填材がガラス繊維、難燃剤、難燃助剤および滑剤からなる場合、ポリアミド樹脂成分(成分(A))100重量部に対して、ガラス繊維を10〜150重量部、難燃剤を20〜70重量部、難燃助剤お2〜15重量部および滑剤を0.01〜5重量部をそれぞれ含むのが好ましい。本発明のポリアミド樹脂組成物がガラス繊維を含む場合、ポリアミド樹脂組成物のHDTは270〜350℃、好ましくは280〜320℃である。本発明のポリアミド樹脂組成物を調製するには、各成分を、種々公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を採用すればよい。
本発明に係るポリアミド組成物は、溶融混練するのであれば、上記ポリアミド成分(成分(A))および金属石鹸成分(成分(B))を溶融状態、例えば280〜360℃に加熱・維持しながら、必要により上記繊維状充填剤、粉末状充填剤、各種添加剤を配合して混練するなどの方法により調製することができる。この際、押出し機、ニーダー等の通常の混練装置を用いることができる。
例えば、上記のようにして調製された本発明のポリアミド樹脂組成物は、粉末、ペレット状その他の形状にして、圧縮成形法、射出成形法、押出し成形法などを利用することにより、各種成形品にすることができる。
【0028】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要を超えないかぎりこれらの例に何ら制限されるものではない。
なお、実施例および比較例に記した分析および測定は以下の方法に従って行った。
【0029】
極限粘度[η]:ポリアミド樹脂0.5gを96.5%硫酸溶液50mlに溶解し、ウベローデ粘度計を使用し、25.0±0.05℃の条件下で試料溶液の流下秒数を測定し、以下の式に基づき算出した。
[η]=ηSP/{C(1+0.205ηSP)}
ηSP=(t−t0)/t0
[η]:極限粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
t:試料溶液の流下秒数(秒)
t0:ブランク硫酸の流下秒数(秒)
【0030】
融点;PERKIN ELMER社製示差走査熱量計(DSC)7型を用いて、10℃/分で昇温して測定した。このときの融解に基づく吸熱ピークを融点とした。
【0031】
流動長:東芝機械(株)製射出成形機(IS55−EPN)を使用し、ポリアミド樹脂の融点より10℃高いシリンダー温度で、射出圧力100MPa、射出速度100mm/秒、および金型温度120℃で射出成形し、射出開始から50ショット目の、幅10mm、厚さ0.5mmの流動長を測定した。
【0032】
離型力およびショットの安定性;日精樹脂工業(株)製PS−40Eを使用し、射出圧力150MPa、射出速度15cm3/秒の射出条件下、ポリアミド樹脂の融点より10℃高いシリンダー温度で、コネクタ金型を使用して金型温度85℃で射出成形し、同社製DLA(Data Logger Analyzer)を用いて離型力を測定した。
ショットの安定性は、離型力測定時の20ショット目と50ショット目の離型力の差が、5kg/cm2未満の場合は○、5kg/cm2以上の場合は×とした。
【0033】
HDT;ASTM D648に準じて測定し、荷重1.82MPa、昇温速度2℃/分の条件下で測定した。
【0034】
難燃性:UL94に準拠して測定し、厚さ1/32インチの試験片について難燃性を評価した。
【0035】
実施例1〜4、比較例1〜5
ポリアミド樹脂(成分(A))として、以下のものを使用した(PA6T/66と略記)。
ポリアミド樹脂の種類:PA6T/66=55/45(モル比)
組成:ジアミン成分…1,6−ジアミノヘキサン50モル%、
ジカルボン酸成分…テレフタル酸27.5モル%、アジピン酸22.5モル%
極限粘度[η]…1.0 dl/g
融点(示差走査熱量計(DSC)法)…310℃
金属石鹸(成分(B))の種類および量を、表1に示した。
金属石鹸(成分(B))はポリアミド樹脂(成分(A))のペレットに所定量をドライブレンドし、流動長、離型力、およびショット安定性について評価した。なお、一般に離型性に効果があるといわれている酸化ポリエチレン、および脂肪族ポリエステルについても同様の評価を行なった。これらの結果を表1に示す。
【0036】
実施例5〜7、比較例6
実施例5〜7はポリアミド樹脂(成分(A))として、実施例1と同じ物を使用した。比較例6はポリアミド樹脂(成分(A))として、1,6−ジアミノヘキサン50モル%、アジピン酸50モル%からなるポリアミド(PA66と略記)を使用した(極限粘度[η]…1.2 dl/g、融点(示差走査熱量計(DSC)法)…260℃)。
金属石鹸(成分(B))の種類および量を、表2に示した。ガラス繊維は日本電気硝子(株)製、ESC03−615を使用し、表2に示す量を使用した。
ポリアミド樹脂(成分(A))、金属石鹸(成分(B))、およびガラス繊維を二軸押出機で溶融混練してペレタイズし、射出成形により試験片を得て、HDTを測定した。結果を表2に示す。
【0037】
実施例8〜10、比較例7
実施例8〜10、および比較例7はポリアミド樹脂(成分(A))として、実施例1と同じ物を使用した。
金属石鹸(成分(B))の種類および量を、表3に示した。
ガラス繊維は、日本電気硝子(株)製、ESC03−615を使用し、表3に示す量を使用した。
難燃剤として臭素化ポリスチレン(フェロ(株)製、パイロチェック68PB)、難燃助剤としてアンチモン酸ナトリウム(日本精鉱(株)製、SA−A)を使用し、表3に示す量を使用した。これらを二軸押出機で溶融混練してペレタイズし、射出成形により試験片を得て、難燃性、HDT、および流動性を測定した。結果を表3に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】
本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、耐熱性に優れ、特に、電気・電子用部品、および自動車部品の成形品材料に好適に使用される。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、射出成形時の流動性、離型性、およびショット安定性に優れる。
Claims (5)
- ポリアミド樹脂成分(成分(A))100重量部と金属石鹸成分(成分(B))0.01〜5重量部を含んでなるポリアミド樹脂組成物であって、
前記ポリアミド樹脂成分(成分(A))が、
テレフタル酸由来構成単位、並びに、
テレフタル酸由来構成単位以外の芳香族系ジカルボン酸由来構成単位、
および/または、
炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸由来構成単位から構成されるジカルボン酸由来構成単位(a−1)と、
脂肪族系ジアミン由来構成単位から構成される前記ジアミン由来構成単位(a−2)からなり、
前記金属石鹸成分(成分(B))が、
炭素数20〜25の脂肪族カルボン酸と、1価または2価の金属塩からなる金属石鹸を含んでなることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。 - ポリアミド樹脂成分(成分(A))が、
25℃の96.5%硫酸中で測定した極限粘度が0.5〜3.0dl/gの範囲内にあり、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が280℃〜330℃の範囲内にあるものである、請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。 - ポリアミド樹脂成分(成分(A))100重量部に対し、充填材を1〜300重量部さらに含んでなることを特徴とする請求項1または2に記載したポリアミド樹脂組成物。
- 充填材がガラス繊維、難燃剤、難燃助剤および滑剤からなることを特徴とする請求項3に記載したポリアミド樹脂組成物
- 請求項1乃至4の何れかに記載したポリアミド樹脂組成物からなる成形品。
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