JP2000183146A - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JP2000183146A
JP2000183146A JP36092498A JP36092498A JP2000183146A JP 2000183146 A JP2000183146 A JP 2000183146A JP 36092498 A JP36092498 A JP 36092498A JP 36092498 A JP36092498 A JP 36092498A JP 2000183146 A JP2000183146 A JP 2000183146A
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Shinji Adachi
真治 安達
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被吸着物を傷付けにくく、しかもパーティク
ルの発生率が極めて小さい静電チャックを提供するこ
と。 【解決手段】 この静電チャック1では、絶縁基材2に
形成されたチャック電極層3,4への通電により、チャ
ック面S1に被吸着物W1が静電的に吸着される。チャ
ック面S1において開口する複数の凹部6を絶縁基材2
に設ける。凹部6内には略球状の被吸着物支持体7が遊
嵌される。その際、被吸着物支持体7の一部をチャック
面S1から突出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電チャックに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体製造プロセスにおいては、シリコ
ン等からなる半導体ウェハを固定した状態でエッチング
やスパッタリング等の工程が行われる。このような場
合、通常、チャック装置と呼ばれる固定手段が用いられ
る。特に近年では、静電気の力を利用して半導体ウェハ
を吸着するセラミック製の静電チャックが提案されるに
至っている。
【0003】この種の静電チャックとしては、例えば特
開平9−172055号公報に開示されたものがある。
同公報の静電チャックでは、誘電体セラミック製の絶縁
基材内にチャック電極が設けられている。絶縁基材にお
けるチャック面には、複数の微小な突起が設けられてい
る。チャック電極層への通電を行なった場合、被吸着物
であるウェハがチャック面に静電的に吸着される。その
際、ウェハと絶縁基材とが面接触しなくなる代わりに、
各突起によってウェハが点接触で支持される。そして、
このような接触面積の低下により、パーティクルの発生
率が低減されるものと考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、静電チャッ
クは数百℃の温度に加熱された状態で使用されることが
多い。また、ウェハ用金属材料と静電チャック用セラミ
ック材料とでは、熱膨張係数が異なる場合が殆どであ
る。従って、静電チャックがヒートサイクルに遭遇する
と、ウェハと絶縁基材との熱膨張係数差に起因して、チ
ャック面上の突起により同ウェハの下面が擦られてしま
う。ゆえに、ウェハに傷が付きやすくなるばかりでな
く、パーティクル発生率の低減を妨げる要因にもなる。
【0005】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、被吸着物を傷付けにくく、しかも
パーティクルの発生率が極めて小さい静電チャックを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、チャック電極層への
通電により絶縁基材のチャック面に被吸着物が静電的に
吸着される静電チャックにおいて、前記チャック面にお
いて開口する複数の凹部を前記絶縁基材に設けるととも
に、前記凹部内に略球状の被吸着物支持体を、その一部
が前記チャック面から突出する状態で遊嵌したことを特
徴とする静電チャックをその要旨とする。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て、前記被吸着物支持体は前記凹部内にて転動可能な状
態で遊嵌されているとした。請求項3に記載の発明は、
請求項1または2において、前記被吸着物支持体は導電
性を有するとした。
【0008】以下、本発明の「作用」について説明す
る。請求項1に記載の発明によると、チャック時におい
て被吸着物は、チャック面から突出する被吸着物支持体
の一部に点接触した状態で支持される。即ち、被吸着物
と絶縁基材とが面接触するものに比べて、確実に接触面
積が小さくなる。これに加え、被吸着物支持体は凹部内
に遊嵌されているため、ヒートサイクル遭遇時における
被吸着物の熱膨張・熱収縮に追従して若干は動くことが
できる。また、被吸着物支持体は略球状であってそもそ
も形状的に摺動抵抗が小さく、被吸着物を擦りにくいも
のとなっている。従って、被吸着物を傷付けにくく、し
かもパーティクルの発生率が極めて小さい静電チャック
とすることができる。
【0009】請求項2に記載の発明によると、凹部内に
て遊嵌された被吸着物支持体は、被吸着物の熱膨張・熱
収縮に追従して比較的スムーズに転動することができ、
その際の摺動抵抗もより小さなものとなる。
【0010】請求項3に記載の発明によると、導電性を
有する被吸着物支持体であれば、例えばアース線を介し
て接地することができる。このようにすれば、被吸着物
表面に溜まった余分な電荷を必要に応じて速やかに逃が
すことができ、被吸着物を静電チャックから容易に取り
外すこと等が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]以下、本発明
を具体化した第1実施形態の双極タイプの静電チャック
1を図1に基づき詳細に説明する。
【0012】本実施形態の静電チャック1を構成してい
る絶縁基材2は、好適な誘電体である窒化アルミニウム
焼結体からなる。ここでは絶縁基材2として円盤状かつ
厚さが約数mmのものを用いている。なお、本実施形態
の絶縁基材2は、被吸着物であるシリコンウェハW1を
複数枚同時にチャックとすべく、シリコンウェハW1の
数倍の面積となるように形成されている。絶縁基材2の
チャック面S1 (図1においては上側面)の表面粗さR
aは0.07μm以下、より好ましくは0.05μm以
下、最も好ましくは0.03μm以下に設定されている
ことがよい。その理由は、チャック面S1 の平坦度が高
くなるほど、即ち表面粗さRaが小さくなるほど、ジョ
ンソン・ラーベック力が増大するからである。
【0013】本実施形態の絶縁基材2は多層構造をなし
ていて、その内部にはチャック電極層3,4や図示しな
いヒータ電極層が形成されている。正極のチャック電極
層3及び負極のチャック電極層4は、ともにチャック面
S1から近い層に位置している。チャック面S1からチ
ャック電極層3,4の下面までの深さは、0.3mm程
度に設定されている。なお、各チャック電極層3,4
は、いずれもタングステンペースト等のような導電性ペ
ーストP1 を用いて印刷形成されている。
【0014】正極のチャック電極層3は、絶縁基材2の
外周に位置する半円弧状部分と、その半円弧状部分から
平行にかつ等間隔に延びる多数の直線部分3aとにより
構成されている。従って、全体的にみると同チャック電
極層3は櫛歯状を呈している。負極のチャック電極層4
も、半円弧状部分と多数の直線状部分4aとにより構成
されていて、同じく櫛歯状を呈している。本実施形態で
は、これら2つのチャック電極層3,4の形状・大きさ
はほぼ等しくなっている。両者の直線状部分3a,4a
同士は、互い違いに配置されている。即ち、異極のチャ
ック電極層3,4の直線状部分3a,4aは、基材面方
向に隣接して配置されている。
【0015】正極のチャック電極層3は、図示しないス
ルーホール及び配線を介して、チャック用の直流電源5
のプラス側に接続されている。一方、負極のチャック電
極層4も、同様に図示しないスルーホール及び配線を介
して、チャック用の直流電源5のマイナス側に接続され
ている。
【0016】また、絶縁基材2の下面は、冷却ステージ
8の上面に密着するようにして支持されている。この冷
却ステージ8はアルミニウム等の導電性金属材料からな
り、その内部には図示しない冷却用水路が設けられてい
る。冷却ステージ8はアース線を介して接地され、その
アース線上にはスイッチ9が設けられている。
【0017】この静電チャック1は、シリコンウェハW
1を点接触により支持する構造を備えている。絶縁基材
2における複数箇所には、チャック面S1において開口
する凹部としての貫通孔6が設けられている。これらの
貫通孔6のチャック面S1側における開口部は、やや狭
窄した形状をなしている。貫通孔6の内径は数mmであ
って、絶縁基材2の厚さと比べて若干大きめに設定され
ている。なお、絶縁基材2を冷却ステージ8上に固定し
た場合、貫通孔6の非チャック面S2側の開口部は塞が
れた状態となる。塞がれた状態の貫通孔6内には、被吸
着物支持体としての真球状の導電性ボール7が1つずつ
遊嵌された状態で収容されている。本実施形態の導電性
ボール7は、その直径が絶縁基材2の厚さよりも僅かに
大きくなるように設定されている。なお、導電性ボール
7の外周面と貫通孔6の内壁面との間には、導電性ボー
ル7の転動を許容するだけのクリアランスが設けられて
いる必要がある。言い換えると、貫通孔6の最大内径は
導電性ボール7の直径よりも大きい必要がある。ただ
し、貫通孔6内に導電性ボール7を抜け出し不能に収容
すべく、貫通孔6のチャック面S1側の開口部は導電性
ボール7の直径よりも小さく形成されていることがよ
い。
【0018】凹部6内に収容されたとき、導電性ボール
7の上部はチャック面S1から突出した状態となる。導
電性ボール7の突出量L1は1μm〜50μm程度、特
には5μm〜10μm程度であることが望ましい。突出
量L1が小さすぎると、導電性ボール7を用いた点接触
による支持を達成できなくなり、実質的に面接触による
支持になってしまうおそれがある。逆に突出量L1が大
きすぎると、チャック面力が低下し、シリコンウェハW
1を充分に静電吸着できない。
【0019】被吸着物支持体である導電性ボール7とし
て、本実施形態では導電性を有する金属材料からなる球
状物が選択されている。導電性ボール7は、導電性を有
することに加え、少なくとも静電チャック1の使用温度
に耐えうる耐熱性を有していることが望ましい。この点
を考慮して、本実施形態ではタングステン製の球状物が
選択されている。なお、タングステン以外にも、例えば
モリブデン、ニオブ、タンタル等の高融点金属材料を用
いてもよく、さらにはインコネル等のような合金材料を
用いてもよい。
【0020】次に、本実施形態の静電チャック1を製造
する手順の一例を紹介する。絶縁基材2の材料となるグ
リーンシートは、セラミックス粉末を主成分として含む
スラリーをドクターブレード法にてシート成形すること
により作製される。得られたグリーンシートの所定位置
には、必要に応じて、ドリル加工あるいは打ち抜き加工
等により小径のスルーホール形成用孔が形成される。そ
の際、グリーンシートには、貫通孔6を形成するための
大径の孔も同時に形成される。
【0021】グリーンシート用のセラミックス粉末とし
ては、窒化アルミニウム、高純度アルミナ、窒化ほう
素、窒化珪素等の粉末が用いられる。そのなかでも特に
窒化アルミニウム粉末を選択することが望ましい。窒化
アルミニウムからなる焼結体は、耐熱性に優れるばかり
でなく、熱伝導性や耐プラズマ性に優れるため、静電チ
ャック1用の材料として極めて好都合だからである。
【0022】穴あけ加工を経たグリーンシートには、導
電性粒子としてのタングステン(W)粒子、分散溶媒、
分散剤等を含む導電性ペーストP1 が印刷される。もっ
とも、W粒子の代わりに一炭化一タングステン(WC)
粒子を含む導電性ペーストP1 としてもよい。
【0023】引き続いて行われるペースト印刷工程で
は、まず穴あけ工程を経たグリーンシートを印刷装置に
セットして、印刷面にメタルマスクを配置する。この状
態で上記の導電性ペーストP1 を印刷し、スルーホール
を形成する。なお、貫通孔6となる孔に対し、本実施形
態ではペースト印刷はなされない。次いで、スルーホー
ル印刷がなされたグリーンシートを今度はスクリーン印
刷機にセットし、印刷面にスクリーンマスクを配置す
る。この状態で上記の導電性ペーストP1 をパターン印
刷することにより、グリーンシート表面にチャック電極
層3,4を形成する。
【0024】次に、ペースト印刷工程を経た複数枚のグ
リーンシートを位置決めして重ね合わせ、この状態で所
定圧力にて真空プレスを行う。その結果、各グリーンシ
ートが一体化し、グリーンシート積層体が形成される。
そして、得られたグリーンシート積層体を、常圧下にて
数十℃〜百数十℃の温度で所定時間加熱することにより
乾燥させる。乾燥工程は積層工程の実施前に行われても
よい。
【0025】乾燥工程を経たグリーンシート積層体は、
本焼成工程の前にあらかじめ下記のような熱処理工程に
付すことにより、非酸化性雰囲気下で脱脂及び仮焼成さ
れる。
【0026】その後、熱処理工程を経て得られたグリー
ンシート仮焼体をるつぼ内に入れるとともに、必要に応
じてその周囲をセッターで包囲する。この状態のるつぼ
を焼成炉内にセットし、常法に従い1700℃以上の温
度にて所定時間かつ所定圧力でのホットプレス焼成を実
施する。その結果、窒化アルミニウム及び導電性ペース
トP1 が完全に同時焼結し、チャック電極層3,4等を
備える窒化アルミニウム製の絶縁基材2が形成される。
【0027】この後、研削機等を用いて絶縁基材2の外
形加工及び面出し加工を行い、これによりチャック面S
1 の表面粗さRaを所定範囲内に調整する。さらに、常
法に従ってコーティング及びI/Oピンのろう付け等の
諸工程を実施する。最後に各貫通孔6内に導電性ボール
7を収容した状態で、絶縁基材2を冷却テーブル8上に
固定する。その結果、図1に示される所望の静電チャッ
ク1が完成する。
【0028】以上のようにして製造された静電チャック
1の場合、シリコンウェハW1は、チャック面S1から
突出する導電性ボール7の上部に点接触した状態で支持
される。この状態で2つのチャック電極層3,4に対す
る直流電流の通電を行うと、チャック面S1の外部領域
に電場が形成される結果、シリコンウェハW1と静電チ
ャック1との間に静電的な力が働く。すると、チャック
面S1に対してシリコンウェハW1 が吸着され、シリコ
ンウェハW1の固定が図られる。
【0029】また、シリコンウェハW1のデチャック時
には、それまでオフ状態であったスイッチ9をオン状態
に切り替える。すると、シリコンウェハW1表面に溜ま
った余分な電荷が、導電性ボール7、スルーホール、冷
却テーブル8及びスイッチ9をいう経路を経て速やかに
外部に逃がされる。その結果、静電チャック1のチャッ
ク力が働かなくなり、シリコンウェハW1を取り外すこ
とが可能となる。
【0030】従って、本実施形態によると以下のような
効果を得ることができる。 (1)本実施形態の静電チャック1では、チャック時に
おいてシリコンウェハW1は上記のごとく点接触した状
態で支持される。即ち、シリコンウェハW1と絶縁基材
2とが面接触するものに比べて、確実に接触面積が小さ
くなる。これに加え、導電性ボール7は貫通孔6内に遊
嵌された状態で収容されているため、ヒートサイクル遭
遇時におけるシリコンウェハW1の熱膨張・熱収縮に追
従して転動することができる。また、導電性ボールは真
球状であってそもそも形状的に摺動抵抗が小さく、シリ
コンウェハW1を擦りにくいものとなっている。以上の
ことから、この静電チャック1は、シリコンウェハW1
の下面を傷付けにくく、しかもパーティクルの発生率が
極めて小さいものとなっている。
【0031】(2)この静電チャック1では、貫通孔6
内に導電性ボール7を転動可能に収容していることか
ら、シリコンウェハW1との摺動抵抗も極めて小さくな
る。従って、このことはシリコンウェハW1の傷付け防
止及びパーティクル発生率の低減を図るうえで貢献して
いる。
【0032】(3)この静電チャック1では導電性ボー
ル7を用いており、しかも各導電性ボール7を冷却テー
ブル8を介してアースさせている。従って、アース線上
にあるスイッチ9をオンすることにより、シリコンウェ
ハW1表面に溜まった余分な電荷を必要に応じて速やか
に逃がすことができる。ゆえに、シリコンウェハW1を
静電チャック1から容易に取り外すことができる。 [第2の実施形態]次に、本発明を具体化した実施形態
2を図2に基づいて説明する。ここでは実施形態1と相
違する点を主に述べ、共通する点については同一部材番
号を付すのみとしてその説明を省略する。
【0033】この静電チャック11では、実施形態1の
ような貫通孔6に代わるものとして、非貫通状態の凹部
12が絶縁基材2に設けられている。凹部12はチャッ
ク面S1側のみにて開口するとともに、開口部が狭窄し
た形状をなす。本実施形態の凹部12は、実施形態1の
貫通孔6に比べてかなり小さい。具体的にいうと、凹部
12の深さ及び開口径は数百μm程度に設定されてい
る。そして、各々の凹部12内には、実施形態1のもの
に比べてかなり小径の導電性ボール13が、転動可能か
つチャック面S1側から抜け出し不能に遊嵌されてい
る。なお、本実施形態では、グリーンシート内にあらか
じめ導電性ボール13を収容した後に焼成が行われる。
【0034】凹部12の底面には、導電性金属材料から
なるパッド14が設けられている。ここではチャック電
極層3,4と同じ導電性ペーストP1を用いて同パッド
14を印刷形成している。凹部12内に収容された導電
性ボール7は、下部がパッド14上に常時接触した状態
となっている。また、パッド14は図示しないスルーホ
ールを介して非チャック面S2側のアース層に層間接続
されている。図示しない前記アース層は、冷却テーブル
8の上面に対して接触する。従って、スイッチ9をオン
すると、シリコンウェハW1表面に溜まった余分な電荷
を、導電性ボール13、冷却テーブル8及びスイッチ9
という経路を経て速やかに外部に逃がすことができる。
【0035】従って、本実施形態であっても、前記第1
の実施形態における上記(1)〜(3)に記載の効果を
得ることができる。なお、この静電チャック11におけ
る凹部12及び導電性ボール13は、実施形態1のもの
に比べて小型であるため、絶縁基材2に多数配設するこ
とが可能である。
【0036】なお、本発明の実施形態は以下のように変
更してもよい。 ・ 導電性を有するものであれば、タングステン等に代
表される金属材料以外にも、セラミック材料からなる球
状物を導電性ボール7,13として用いることができ
る。また、絶縁性のセラミック材料や樹脂材料等からな
る球状物を、金属等の導電性物質で被覆したものを用い
ても勿論よい。被覆の方法としては例えばめっき法等が
ある。つまり、導電性ボール7,13は、単一の材料か
らなるもののみに限定されず、複数の材料からなるもの
でも構わない。
【0037】・ 被吸着物支持体を接地しない構成を採
用することも許容される。この場合には、導電性を有す
るものばかりでなく、導電性を有しない材料(アルミナ
等のような一般的なセラミック材料)を用いて被吸着物
支持体を形成してもよい。
【0038】・ 被吸着物はシリコンからなるウェハの
みに限定されることはなく、それ以外のもの、例えばガ
リウム砒素からなるウェハ等であってもよい。 ・ 吸着物支持体は、凹部6,12内にて転動可能に設
けられたものに限定されず、例えば基材面方向に沿って
若干移動可能なものであったり、若干傾動可能なもので
あってもよい。
【0039】次に、特許請求の範囲に記載された技術的
思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技
術的思想をその効果とともに以下に列挙する。 (1) 請求項3において、前記被吸着物支持体は接地
されていること。従って、この技術的思想1に記載の発
明によると、被吸着物表面に溜まった余分な電荷を速や
かに逃がすことができる。
【0040】(2) 技術的思想1において、前記被吸
着物支持体を接地しているアース線上にはスイッチが設
けられていること。従って、この技術的思想2に記載の
発明によると、スイッチをオンしたときにのみ、余分な
電荷を逃がすことができる。
【0041】(3) 請求項1乃至3、技術的思想1,
2のいずれか1つにおいて、前記被吸着物支持体の前記
チャック面からの突出量は5μm〜10μmであるこ
と。従って、この技術的思想3に記載の発明によると、
チャック力の低下を回避しつつ、点接触による支持を達
成することができる。
【0042】(4) 請求項1乃至3、技術的思想1乃
至3のいずれか1つにおいて、前記被吸着物支持体は耐
熱性を有すること。従って、この技術的思想4に記載の
発明によると、高温下で静電チャックを使用したとして
も、被吸着物支持体に変形等が起こりにくくなる。
【0043】(5) 請求項1乃至3、技術的思想1乃
至4のいずれか1つにおいて、前記被吸着物支持体は真
球状であること。従って、この技術的思想5に記載の発
明によると、よりスムーズに転動可能となるため、さら
なる被吸着物の傷付け防止及びパーティクル発生率の低
減を図ることができる。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜3に記
載の発明によれば、被吸着物を傷付けにくく、しかもパ
ーティクルの発生率が極めて小さい静電チャックを提供
することができる。
【0045】請求項2に記載の発明によれば、さらなる
被吸着物の傷付け防止及びパーティクル発生率の低減を
図ることができる。請求項3に記載の発明によれば、接
地することができるため、被吸着物表面に溜まった余分
な電荷を必要に応じて速やかに逃がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施形態1の静電チャック
の部分概略断面図。
【図2】本発明を具体化した実施形態2の静電チャック
の部分概略断面図。
【符号の説明】
1,11…静電チャック、2…絶縁基材、3,4…チャ
ック電極層、6…凹部としての貫通孔、7,13…被吸
着物支持体としての導電性ボール、12…凹部、S1…
チャック面、W1…被吸着物としてのシリコンウェハ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チャック電極層への通電により絶縁基材の
    チャック面に被吸着物が静電的に吸着される静電チャッ
    クにおいて、 前記チャック面において開口する複数の凹部を前記絶縁
    基材に設けるとともに、前記凹部内に略球状の被吸着物
    支持体を、その一部が前記チャック面から突出する状態
    で遊嵌したことを特徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】前記被吸着物支持体は前記凹部内にて転動
    可能な状態で遊嵌されていることを特徴とする請求項1
    に記載の静電チャック。
  3. 【請求項3】前記被吸着物支持体は導電性を有すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の静電チャック。
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