JP2000156517A - 化合物半導体薄膜の製造方法およびこれを用いた太陽電池 - Google Patents

化合物半導体薄膜の製造方法およびこれを用いた太陽電池

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JP2000156517A JP11244833A JP24483399A JP2000156517A JP 2000156517 A JP2000156517 A JP 2000156517A JP 11244833 A JP11244833 A JP 11244833A JP 24483399 A JP24483399 A JP 24483399A JP 2000156517 A JP2000156517 A JP 2000156517A
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Takuya Sato
琢也 佐藤
Takayuki Negami
卓之 根上
Yasuhiro Hashimoto
泰宏 橋本
Shinichi Shimakawa
伸一 島川
Shigeo Hayashi
茂生 林
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板温度を長時間高温にすることなく良質な
化合物半導体薄膜を製造できる化合物半導体薄膜の製造
方法を提供する。 【解決手段】 基体10上に、III族元素とVI族元素と
を供給することによって第1の薄膜11を形成する第1
の工程と、CuとVI族元素とを少なくとも含む元素を、
第1の薄膜11上に供給することによって、基体10上
に化合物半導体薄膜12を形成する第2の工程とを含
む。第2の工程において、基体10の温度は、600℃
以下であり、前記第2の工程は、化合物半導体薄膜12
中のCuの原子数が化合物半導体薄膜12中のIII族元
素の原子数よりも多くなる前に終了する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体薄膜
の製造方法およびこれを用いた太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】Cu(In,Ga)Se2を太陽電池の光
吸収層として用いた太陽電池によって高いエネルギー変
換効率を得るためには、大きなグレインでかつ表面がC
uリッチでない膜を作製する必要がある。その手段とし
て、3段階法がエム.コントレラス(M.Contre
ras)等によって報告されている(プログレス イン
ホトボルタイックス(Progress in Pho
tovoltaics)2,(1994),p287)。
この3段階法では、まず、第1段階として500℃以下
の基板温度でIII族元素であるInおよびGaとVI族元
素であるSeとを蒸着する。そして、第2段階として5
00℃以上の基板温度でI族元素であるCuとVI族元素
であるSeとを蒸着する。最後に、第3段階として、5
00℃以上の基板温度でIII族元素とVI族元素とを蒸着
することによって化合物半導体薄膜を形成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術では、第2段階以降の工程における基板温度を
530℃以上にしなければ良質な光吸収層が得られない
という問題があった。一般に、太陽電池を低コストに製
造するためには、基板にソーダライムガラス等の低コス
トなガラス基板を用いる必要があるが、530℃という
温度はソーダライムガラスの徐冷点に近い温度である。
そのため、上記従来の技術では、良質な光吸収層を形成
しようとすると、基板の変形が生じやすいという問題が
あった。基板が変形すると、その後の太陽電池製造工程
での基板の破損などの問題を生じ、特性や歩留まりが低
下する原因となる。
【0004】上記問題を解決するため、本発明は、基板
温度を長時間高温にすることなく良質な化合物半導体薄
膜を製造できる化合物半導体薄膜の製造方法、およびこ
れを用いた太陽電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の化合物半導体薄膜の製造方法は、C
uと、InおよびGaから選ばれる少なくとも一つのII
I族元素と、VI族元素とを含む化合物半導体薄膜の製造
方法であって、前記III族元素と前記VI族元素とを含む
元素を基体上に供給することによって、前記基体上に第
1の薄膜を形成する第1の工程と、前記基体の温度が6
00℃以下の状態で、Cuと前記VI族元素とを含む元素
を前記第1の薄膜上に供給することによって、前記化合
物半導体薄膜を形成する第2の工程とを含み、前記第2
の工程は、前記化合物半導体薄膜中のCuの原子数が前
記化合物半導体薄膜中の前記III族元素の原子数よりも
多くなる前に終了することを特徴とする。上記第1の製
造方法によれば、基板温度を長時間高温にすることなく
良質な化合物半導体薄膜を製造できる。特に、上記第1
の製造方法によれば、太陽電池に好適な化合物半導体薄
膜を製造できる。
【0006】上記第1の製造方法では、前記第1の工程
において、前記基体の温度が200℃以上400℃以下
であることが好ましい。
【0007】上記第1の製造方法では、前記第2の工程
における前記基体の温度が、前記第1の工程における前
記基体の温度以上の温度であることが好ましい。上記構
成によって、特に良質な化合物半導体薄膜が得られる。
【0008】上記第1の製造方法では、前記第2の工程
ののち、前記化合物半導体薄膜を400℃以上の温度で
熱処理する第3の工程をさらに含むことが好ましい。上
記構成によって、結晶粒のサイズが大きい化合物半導体
薄膜が得られる。
【0009】上記第1の製造方法では、前記第3の工程
ののち、前記化合物半導体薄膜を400℃未満になるま
で冷却しながら前記VI族元素を前記化合物半導体薄膜上
に供給する第4の工程を含むことが好ましい。上記構成
によって、化合物半導体薄膜を冷却する際に、VI族元素
が化合物半導体薄膜から蒸発することを防止でき、化合
物半導体薄膜の組成が変化することを防止できる。
【0010】上記第1の製造方法では、前記第2の工程
ののち、前記化合物半導体薄膜上に前記VI族元素を供給
する第3の工程をさらに含むことが好ましい。さらにこ
の第3の工程において、前記基体の温度が400℃以上
であることが好ましい。
【0011】本発明の第2の化合物半導体薄膜の製造方
法は、Cuと、InおよびGaから選ばれる少なくとも
一つのIII族元素と、VI族元素とを含む化合物半導体薄
膜の製造方法であって、前記III族元素と前記VI族元素
とを基体上に供給することによって、前記基体上に第1
の薄膜を形成する第1の工程と、前記基体の温度が60
0℃以下の状態で、Cuと前記VI族元素とを少なくとも
含む元素を前記第1の薄膜上に供給することによって、
前記基体上に第2の薄膜を形成する第2の工程と、前記
第2の薄膜上に少なくとも前記VI族元素を供給すること
によって、前記基体上に前記化合物半導体薄膜を形成す
る第3の工程とを含むことを特徴とする。上記第2の製
造方法によれば、基板温度を長時間高温にすることなく
良質な化合物半導体薄膜を形成することができる。
【0012】上記第2の製造方法では、前記第1の工程
において、前記基体の温度が200℃以上400℃以下
であることが好ましい。
【0013】上記第2の製造方法では、前記第2の工程
において、前記基体の温度が200℃以上であることが
好ましい。
【0014】上記第2の製造方法では、前記第3の工程
において、前記基体の温度が400℃以上であることが
好ましい。上記構成によって、結晶性のよい化合物半導
体薄膜が得られる。
【0015】上記第2の製造方法では、前記第3の工程
ののち、前記化合物半導体薄膜の温度が400℃未満に
なるまで、前記VI族元素の雰囲気下で前記化合物半導体
薄膜を冷却する第4の工程を含むことが好ましい。
【0016】上記第2の製造方法では、前記第2の工程
の後、前記化合物半導体薄膜を400℃以上の温度で熱
処理する工程を含み、前記第3の工程において、前記化
合物半導体薄膜の温度が400℃未満になるまで前記化
合物半導体薄膜を冷却しながら前記VI族元素を前記化合
物半導体薄膜上に供給することが好ましい。
【0017】本発明の太陽電池は、光吸収層を備える太
陽電池であって、前記光吸収層が、上記第1または第2
の化合物半導体薄膜の製造方法によって製造された化合
物半導体薄膜からなることを特徴とする。上記本発明の
太陽電池では、光吸収層が本発明の製造方法によって製
造されるため、特性および製造歩留まりが高い太陽電池
が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0019】(実施形態1)実施形態1では、本発明の
化合物半導体薄膜の製造方法について、一例を説明す
る。
【0020】まず、本発明の製造方法(実施形態1また
は2の製造方法)によって製造される化合物半導体薄膜
について、説明する。本発明の製造方法によって製造さ
れる化合物半導体薄膜は、I族元素であるCuと、In
およびGaから選ばれる少なくとも一つのIII族元素
と、VI族元素とを含む。ここで、VI族元素は、Seおよ
びSから選ばれる少なくとも一つの元素であることが好
ましい。本発明の製造方法によって製造される化合物半
導体薄膜は、具体的には、たとえば、化学式Cu(I
n,Ga)Se2、CuIn3Se5、CuIn5Se8
表される化合物半導体からなる薄膜や、これらのSeの
一部をSで置換した薄膜である(ここで、InとGaと
は固溶しており、この固溶率は、化合物半導体薄膜中で
一定でなくてもよい)。なお、太陽電池の光吸収層に用
いる化合物半導体薄膜の場合には、化合物半導体薄膜中
に含まれるCuの原子数が、化合物半導体薄膜中に含ま
れるIII族元素の原子数よりも少ないことが好ましい。
【0021】次に、実施形態1の化合物半導体薄膜の製
造方法について説明する。
【0022】実施形態1の製造方法では、まず、図1
(a)に示すように、基体10上に、III族元素(In
およびGaから選ばれる少なくとも一つの元素であり、
以下、同様である。)とVI族元素とを含む元素を供給す
ることによって第1の薄膜11を形成する(第1の工
程)。元素の供給方法としては、たとえば、スパッタリ
ング法や蒸着法が挙げられる(以下において、同様であ
る)。基体10は、ガラス、ポリイミド膜、ステンレス
板などの基板を少なくとも含み、さらにこれらにMo電
極等が形成されていてもよい。第1の工程において、基
体10の温度は、200℃以上400℃以下であること
が好ましい(なお、基体と、基体に含まれる基板と、基
体上に形成された薄膜の温度は、略等しい。以下、同様
である。)。
【0023】その後、図1(b)に示すように、Cuと
VI族元素(SeおよびSから選ばれる少なくとも一つの
元素であり、以下、同様である。)とを少なくとも含む
元素(III族元素をさらに含んでもよい)を、第1の薄
膜11上に供給することによって、基体10上に化合物
半導体薄膜12を形成する(第2の工程)。なお、第1
の薄膜11上に供給された元素は、第1の薄膜11内に
拡散し、略均一な組成の膜を形成する。
【0024】上記第2の工程において、基体10の温度
は、600℃以下であり、特に200℃以上400℃以
下であることが好ましい。上記第2の工程は、化合物半
導体薄膜12中のCuの原子数が、化合物半導体薄膜1
2中のIII族元素の原子数よりも多くなる前に終了す
る。すなわち、上記製造方法によって形成される化合物
半導体薄膜12は、「化合物半導体薄膜12中のCuの
原子数/化合物半導体薄膜12中のIII族元素の原子
数」の値が1以下である。上記構成によって、太陽電池
の光吸収層に好適な化合物半導体薄膜が得られる。
【0025】なお、上記第2の工程の後、化合物半導体
薄膜12を400℃以上800℃以下の温度で熱処理す
る第3の工程をさらに含んでもよい。さらに、その後、
化合物半導体薄膜12を400℃未満(好ましくは30
0℃以下)になるまで冷却しながらVI族元素を化合物半
導体薄膜12上に供給する第4の工程を含んでもよい。
【0026】また、上記第2の工程の後、化合物半導体
薄膜12上にVI族元素を供給する第3の工程をさらに含
んでもよい。このとき、前記基体の温度が400℃以上
であることが好ましい。さらに、その後、化合物半導体
薄膜12を400℃以上800℃以下の温度で熱処理す
る工程を含んでもよい。
【0027】なお、上記工程において、化合物半導体薄
膜12を500℃以上の温度で熱処理する場合でも、処
理時間が短時間であるため、基体10が変形することは
ない。
【0028】上記実施形態1の製造方法によれば、基板
を含む基体の温度を長時間高温にすることなく良質な化
合物半導体薄膜を製造することができる。したがって、
実施形態1の製造方法によれば、基体の変形等を防止で
きる。
【0029】(実施形態2)実施形態2では、本発明の
化合物半導体薄膜の製造方法について、他の一例を説明
する。なお、実施形態1で説明した部分と同様の部分に
ついては、重複する説明を省略する。
【0030】実施形態2の製造方法では、まず、図2
(a)に示すように、基体10上に、III族元素(In
およびGaから選ばれる少なくとも一つの元素であり、
以下、同様である。)とVI族元素とを含む元素を供給す
ることによって第1の薄膜21を形成する(第1の工
程)。元素の供給方法としては、たとえば、スパッタリ
ング法や蒸着法が挙げられる(以下において、同様であ
る)。第1の工程において、基体10の温度は、200
℃以上400℃以下であることが好ましい。
【0031】その後、図2(b)に示すように、Cuと
VI族元素(SeおよびSから選ばれる少なくとも一つの
元素であり、以下、同様である。)とを少なくとも含む
元素(III族元素をさらに含んでもよい)を、第1の薄
膜21上に供給することによって、第2の薄膜22を形
成する(第2の工程)。第2の工程において、基体10
の温度は600℃以下であり、200℃以上450℃以
下であることが特に好ましい。
【0032】その後、図3(b)に示すように、第2の
薄膜22上に少なくともVI族元素を供給することによっ
て、基体10上に化合物半導体薄膜23を形成する(第
3の工程)。
【0033】第3の工程は、様々な条件で行うことがで
きる。たとえば、第1の方法として、基体10の温度が
400℃以上800℃以下の条件で行うことができる。
この場合には、第3の工程の後、化合物半導体薄膜23
の温度が400℃未満(好ましくは300℃以下)にな
るまで、VI族元素の雰囲気下で化合物半導体薄膜23を
冷却する第4の工程を含んでもよい。また、第2の方法
として、第2の工程の後、化合物半導体薄膜23を40
0℃以上800℃以下で熱処理した後、第3の工程にお
いて、化合物半導体薄膜23の温度が400℃未満(好
ましくは300℃以下)になるまで化合物半導体薄膜2
3を冷却しながらVI族元素を化合物半導体薄膜23上に
供給してもよい。
【0034】なお、上記工程において、基体10あるい
は化合物半導体薄膜23の温度を500℃以上に上昇さ
せる場合があるが、この工程は、短時間で行うことがで
きるため、基体10の変形を防止することができる。
【0035】上記実施形態2の製造方法によれば、基体
温度(基板温度)を長時間高温にすることなく、特性が
よい化合物半導体薄膜を製造できる。
【0036】(実施形態3)実施形態3では、本発明の
太陽電池について、一例を説明する。
【0037】図3を参照して、実施形態3の太陽電池3
0は、基板31と、基板31上に順次積層された裏面電
極32、p型化合物半導体薄膜33、バッファ層34、
窓層35および透明導電膜36と、p側電極37と、n
側電極38とを含む。
【0038】基板31には、たとえば、ガラス基板、ポ
リイミド膜、ステンレス板などを用いることができる。
裏面電極32には、たとえばMo膜を用いることができ
る。裏面電極32が形成された基板31が、実施形態1
および2で説明した基体に相当する。p型化合物半導体
薄膜33は、実施形態1または2で説明した製造方法に
よって製造された化合物半導体薄膜であり、光吸収層と
して機能する。p型化合物半導体薄膜33は、Cu/II
I族比が1以下であることが好ましい。p型化合物半導
体薄膜33の膜厚は、0.2μm以上3μm以下である
ことが好ましい。バッファ層34には、たとえばZn
(O,OH,S)膜やCdS膜を用いることができる。
窓層35には、たとえばZnO膜を用いることができ
る。透明導電膜36には、たとえばITO(Indiu
m Tin Oxide)を用いることができる。p側
電極37およびn側電極38には、たとえばNiCr膜
とAu膜とを積層した金属膜を用いることができる。
【0039】実施形態3の太陽電池では、光吸収層であ
るp型化合物半導体薄膜33を実施形態1または2で説
明した方法で製造するため、特性が高く、基板31の変
形が少ない太陽電池が得られる。すなわち、実施形態3
の太陽電池によれば、特性および製造歩留まりが高い太
陽電池が得られる。
【0040】なお、実施形態3で説明した太陽電池は一
例であり、本発明の化合物半導体薄膜の製造方法によっ
て製造された化合物半導体薄膜を光吸収層として含む太
陽電池であれば、他の構造はいかなる構造であってもよ
い。
【0041】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。
【0042】スパッタリング法でMo裏面電極を1μm
の厚さに堆積させたガラス基板を、基板移動機構によっ
て1cm/minの速度で水平に移動させ、下部開口部
からIn,Ga,Seを電離真空計で圧力を制御しなが
ら基板温度350℃で蒸着し、第1の薄膜(厚さ、略1
μm)を形成した。このとき、各元素の圧力は、Seが
2×10-5Torr、Inが8×10-7Torr、Ga
が3×10-7Torrであった。さらに基板温度を45
0℃に上げ、ガラス基板を移動させながら、Seの圧力
が2×10-5Torr、Cuの圧力が3×10-7Tor
r、Gaの圧力が2×10-7Torrの条件で蒸着を行
い第2の薄膜(厚さ、略4μm)を形成した。第2の薄
膜形成後、基板温度を一旦600℃に上げ、1分間保持
したのち、基板温度が300℃に低下するまでSeを供
給し続けた。このようにして、化合物半導体薄膜である
Cu(In,Ga)Se2膜(厚さ、略4μm)を形成し
た。
【0043】得られたCu(In,Ga)Se2膜の組成
について、2次イオン質量分析法を用いて分析した結果
を、図4に示す。図4の横軸は、薄膜表面からの深さを
示し、縦軸は、検出された2次イオン数を示している。
図4から明らかなように、第2の薄膜形成後に、Seを
供給し続けたことにより、表面近傍の組成が一定の化合
物半導体薄膜が得られた。
【0044】また、得られた化合物半導体薄膜に、Cd
Sバッファ層、ZnO窓層、透明電極層を作製し、図3
に示す太陽電池を作製した。一方、比較のため、従来の
3段階法(第1段階を基板温度350℃で行い、第2段
階および第3段階を基板温度530℃で行った)を用い
て作製した化合物半導体薄膜を光吸収層として、同様に
太陽電池を作製した。これらの太陽電池について、AM
1.5、100mW/cm2の疑似太陽光を用いて特性
を測定した結果を、表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1から明らかなとおり、本発明によれ
ば、従来の3段階法とほぼ同等の結果が得られた。さら
に、従来の3段階法を用いた場合には基板の変形が生じ
たのに対し、本発明の方法を用いた場合には、基板の変
形が生じなかった。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化合物半
導体の製造方法によれば、基板温度を長時間高温にする
ことなく良質な化合物半導体薄膜を製造できる。
【0048】また、本発明の太陽電池によれば、本発明
の化合物半導体薄膜の製造方法を用いて光吸収層を形成
するため、特性が高い太陽電池を歩留まりよく製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化合物半導体薄膜の製造方法につい
て一例を示す工程図である。
【図2】 本発明の化合物半導体薄膜の製造方法につい
て他の一例を示す工程図である。
【図3】 本発明の太陽電池について一例を示す断面図
である。
【図4】 本発明の製造方法で製造した化合物半導体薄
膜について2次イオン質量分析の結果を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10 基体 11、21 第1の薄膜 12、23 化合物半導体薄膜 22 第2の薄膜 30 太陽電池 33 p型化合物半導体薄膜(光吸収層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 泰宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 島川 伸一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 林 茂生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Cuと、InおよびGaから選ばれる少
    なくとも一つのIII族元素と、VI族元素とを含む化合物
    半導体薄膜の製造方法であって、 前記III族元素と前記VI族元素とを含む元素を基体上に
    供給することによって、前記基体上に第1の薄膜を形成
    する第1の工程と、 前記基体の温度が600℃以下の状態で、Cuと前記VI
    族元素とを含む元素を前記第1の薄膜上に供給すること
    によって、前記化合物半導体薄膜を形成する第2の工程
    とを含み、 前記第2の工程は、前記化合物半導体薄膜中のCuの原
    子数が前記化合物半導体薄膜中の前記III族元素の原子
    数よりも多くなる前に終了することを特徴とする化合物
    半導体薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の工程において、前記基体の温
    度が200℃以上400℃以下である請求項1に記載の
    化合物半導体薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程における前記基体の温度
    が、前記第1の工程における前記基体の温度以上の温度
    である請求項2に記載の化合物半導体薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の工程ののち、前記化合物半導
    体薄膜を400℃以上の温度で熱処理する第3の工程を
    さらに含む請求項1ないし3のいずれかに記載の化合物
    半導体薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第3の工程ののち、前記化合物半導
    体薄膜を400℃未満になるまで冷却しながら前記VI族
    元素を前記化合物半導体薄膜上に供給する第4の工程を
    含む請求項4に記載の化合物半導体薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の工程ののち、前記化合物半導
    体薄膜上に前記VI族元素を供給する第3の工程をさらに
    含む請求項1ないし3のいずれかに記載の化合物半導体
    薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第3の工程において、前記基体の温
    度が400℃以上である請求項6に記載の化合物半導体
    薄膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 Cuと、InおよびGaから選ばれる少
    なくとも一つのIII族元素と、VI族元素とを含む化合物
    半導体薄膜の製造方法であって、 前記III族元素と前記VI族元素とを含む元素を基体上に
    供給することによって、前記基体上に第1の薄膜を形成
    する第1の工程と、 前記基体の温度が600℃以下の状態で、Cuと前記VI
    族元素とを少なくとも含む元素を前記第1の薄膜上に供
    給することによって、前記基体上に第2の薄膜を形成す
    る第2の工程と、 前記第2の薄膜上に少なくとも前記VI族元素を供給する
    ことによって、前記基体上に前記化合物半導体薄膜を形
    成する第3の工程とを含むことを特徴とする化合物半導
    体薄膜の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の工程において、前記基体の温
    度が200℃以上400℃以下である請求項8に記載の
    化合物半導体薄膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第2の工程において、前記基体の
    温度が200℃以上である請求項8に記載の化合物半導
    体薄膜の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第3の工程において、前記基体の
    温度が400℃以上である請求項8ないし10のいずれ
    かに記載の化合物半導体薄膜の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第3の工程ののち、前記化合物半
    導体薄膜の温度が400℃未満になるまで、前記VI族元
    素の雰囲気下で前記化合物半導体薄膜を冷却する第4の
    工程を含む請求項11に記載の化合物半導体薄膜の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の工程の後、前記化合物半導
    体薄膜を400℃以上の温度で熱処理する工程を含み、 前記第3の工程において、前記化合物半導体薄膜の温度
    が400℃未満になるまで前記化合物半導体薄膜を冷却
    しながら前記VI族元素を前記化合物半導体薄膜上に供給
    する請求項8ないし10のいずれかに記載の化合物半導
    体薄膜の製造方法。
  14. 【請求項14】 光吸収層を備える太陽電池であって、 前記光吸収層が、請求項1ないし13のいずれかに記載
    の化合物半導体薄膜の製造方法によって製造された化合
    物半導体薄膜からなることを特徴とする太陽電池。
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