JP2000155426A - フォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置 - Google Patents
フォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置Info
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Abstract
置される濾過膜処理装置の差圧上昇を防止し、膜の寿命
を長くして、装置の安定した運転及びランニングニスト
の低減を図る。 【解決手段】 現像廃液から水酸化テトラアルキルアン
モニウム(TAAH)溶液を回収精製する回収精製処理
装置、TAAH溶液から脱気脱泡する脱気脱泡処理装
置、および、脱気脱泡されたTAAH溶液から不純物微
粒子を除去する濾過膜処理装置をこの順序で配置し、現
像廃液からの再生現像液の回収再利用装置を構成する。
また、現像廃液から脱気脱泡する脱気脱泡処理装置、脱
気脱泡された現像廃液からフォトレジスト等の不純物を
除去してTAAH溶液を得るイオン交換処理装置及び/
又はNF膜分離処理装置、および、TAAH溶液から不
純物微粒子を除去する濾過膜処理装置をこの順序で配置
し、現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置を構成
する。
Description
(LSI、VLSI等)、液晶ディスプレイ(LC
D)、プリント基板等の電子部品の製造工程等で発生す
るフォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再生
利用装置に関する。
ォトリソグラフィー工程が含まれ、この工程では、ウェ
ハやガラス基板等の基板上にフォトレジストの皮膜を形
成し、その所定部分に光等を照射し、現像液で現像する
ことによって微細なパターンを形成する。ここで、フォ
トレジスト類は、露光部分が現像液に対して可溶化する
ポジ形フォトレジストと、逆に露光部分が現像液に対し
て不溶化するネガ形フォトレジストに大別される。LS
IやLCD等の電子部品の製造分野では主にポジ形フオ
トレジストが使用されている。ポジ形フオトレジスト用
の現像液としては有機アルカリである水酸化テトラメチ
ルアンモニウム(以下、時に「TMAH」と略す)やコ
リン等の水酸化テトラアルキルアンモニウム(テトラア
ルキルアンモニウムヒドロオキシドで、以下、時に「T
AAH」と略す)の水溶液が通常使用されている。な
お、ネガ型フォトレジストの現像液としては有機溶剤系
現像液が主流であるが、アルカリ現像液を用いるものも
ある。
TAAH水溶液をアルカリ現像液として用いる現像工程
から排出される廃液(「フォトレジスト現像廃液」と言
い、時に「現像廃液」と略称する)は、溶解したフォト
レジストとTAAHを含み、無害化処理が難しい。TM
AH等のTAAHは、現像廃液に含まれて排出されると
分解し難く排水処理が困難な物質である。このため高濃
度現像廃液の多くは、逆浸透膜処理や蒸発等で濃縮減容
化して外部委託処分を行っている。しかし、現像廃液中
のTAAHは、比較的高価な薬品で使用量も多く、その
環境に対する悪影響から、TAAH溶液を再生現像液と
して回収再利用することが強く求められている。
までフォトレジスト現像廃液の回収再利用方法や装置の
幾つかを提案してきた。TAAH溶液を再生現像液とし
て回収再利用する方法としては、例えば、電気透析や電
解による方法(特開平7−328642号公報、特開平
5−17889号公報)、陰イオン交換樹脂を用いる方
法(特開平10−85741号公報)、電気透析や電解
とイオン交換樹脂の組み合わせによる方法(特願平9−
334800号)、中和と電解の組み合わせによる方法
(特開平7−41979号公報)、活性炭による方法
(特開昭58−30753号公報)、ナノフィルトレー
ション膜(NF膜)による方法(特願平10−1002
5号)などを挙げることができる。
粒子除去を目的として再生現像液回収再利用装置(シス
テム)の末端付近に設置する精密濾過膜処理装置が短時
間で閉塞してしまうといった問題があった。
は、通常、孔径0.03〜1μm程度の精密濾過膜が使
用される場合が多いが、TMAH等のTAAHが強アル
カリ性であり、再生現像液がLSIやLCD等の製造用
に使用され、濾過膜処理装置がシステムの末端付近に配
置されると言った理由から耐薬品性(高pH耐性)と高
クリーン度(高清浄度)を兼ね備えた材質の膜が使用さ
れる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)膜等の弗素樹脂系膜やポリプロピレン(PP)膜、
ポリエチレン(PE)膜等の炭化水素樹脂系膜などであ
る。特に、多くの場合は耐薬品性(高pH耐性)とクリ
ーン度に優れたPTFE膜等の弗素樹脂系膜が使用され
ているが、高価であると言った理由から、一部ではPP
膜やPE膜等の炭化水素樹脂系膜が使用されている。一
方、通常、純水の製造分野で使用されるポリアクリロニ
トリル、酢酸セルロース、ポリスルホン等の膜は耐薬品
性に劣るため、TAAH溶液回収に使用するのは望まし
くない。
回収再利用装置の末端付近に微粒子除去を目的として設
置される濾過膜処理装置の差圧上昇を防止し、膜の寿命
を長くすることにより、装置(システム)の安定した運
転及びランニングコストの低減を図ることができるフォ
トレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置
を提供することを目的とする。
ト現像廃液から水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液
を回収精製する回収精製処理装置、前記水酸化テトラア
ルキルアンモニウム溶液から脱気脱泡する脱気脱泡処理
装置、および、脱気脱泡された水酸化テトラアルキルア
ンモニウム溶液から不純物微粒子を除去する濾過膜処理
装置をこの順序で含むことを特徴とするフォトレジスト
現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置、並びに、
フォトレジスト現像廃液から脱気脱泡する脱気脱泡処理
装置、脱気脱泡されたフォトレジスト現像廃液から不純
物を除去して水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液を
得るNF膜分離処理装置及び/又はイオン交換処理装
置、および、前記水酸化テトラアルキルアンモニウム溶
液から不純物微粒子を除去する濾過膜処理装置をこの順
序で含むことを特徴とするフォトレジスト現像廃液から
の再生現像液の回収再利用装置を提供するものである。
即ち、本発明による現像廃液から再生現像液を回収再利
用する装置は、脱気脱泡処理装置と微粒子除去の濾過膜
処理装置をこの順序で含むことを特徴とする。
外濾過膜等の濾過膜は撥水性が強く(水との親和力が弱
く、水との界面張力も小さい)、また、PPやPE等の
炭化水素樹脂系の濾過膜は、弗素樹脂系濾過膜に比べて
撥水性は幾らか弱いものの水との親和力は弱い(水との
界面張力は小さい)。
沫)が多く含まれていると、濾過膜面は被処理液よりも
気泡との親和力が強いため気泡が徐々に堆積して濾過膜
表面を覆い、遂には濾過膜面を乾燥させる。このため、
濾過膜の有効膜面積が減少し、通水差圧が上昇すると共
に濾過膜の微粒子徐去性能も低下する。
透過できるが、或る瞬間には濾過膜の孔を塞ぐ。更に、
微細な気泡は他の気泡と結合して(特に、膜表面や膜内
で)大きな気泡になり、上記の如く濾過膜表面を覆って
膜面を乾燥させ、通水差圧を上昇させたり、濾過膜の微
粒子除去性能を低下させる。
上昇等による気体物質の溶解度の減少、発泡性の界面活
性物質含有液(現像廃液又はそれに由来する処理液)の
通水、ポンプや配管等から起こるシステム内のキャビテ
ーション、リークエアー(漏れ込んだ空気)の吸い込み
等が挙げられる。従来の再生現像液回収再利用装置や方
法では、以下に説明するように気泡が発生し易い状況に
あり、発生した気泡はシステム末端付近に配置された濾
過膜処理装置の濾過膜表面を覆って膜面を乾燥させ、通
水差圧を上昇させたり、濾過膜の微粒子除去性能を低下
させていた。このため濾過膜処理装置の安定運転が困難
で、濾過膜の寿命が短く交換頻度が高くなり、メンテナ
ンスとランニングコストの点で問題があった。
細に説明するに当たって、再生現像液回収再利用装置の
単位装置の順序(フロー)の代表例を以下に示すが、本
発明がこれらに限定されないことは勿論である。イオン
交換処理装置には、陰イオン交換樹脂及び/又は陽イオ
ン交換樹脂を単床、混床、積層充填又は別カラム方式等
の形態で用いることができる。イオン交換樹脂とキレー
ト樹脂を同様の形態で組み合わせて使用してもよい。な
お、以下のフローで「/」は「及び/又は」を示す。
装置 (2) 電気透析装置/電解装置→イオン交換処理装置
→濾過膜処理装置 (3) NF膜分離処理装置→濾過膜処理装置 (4) NF膜分離処理装置→イオン交換処理装置→濾
過膜処理装置 (5) イオン交換処理装置→NF膜分離処理装置→濾
過膜処理装置 (6) 電気透析装置/電解装置→NF膜分離処理装置
→イオン交換処理装置→濾過膜処理装置 (7) 電気透析装置/電解装置→イオン交換処理装置
→NF膜分離処理装置→濾過膜処理装置 (8) NF膜分離処理装置→電気透析装置/電解装置
→イオン交換処理装置→濾過膜処理装置
れる。 〔1〕一般に、現像廃液に含まれる溶解フォトレジスト
は水溶性の高分子物質であるため界面活性物質としての
作用を持つので、タンク内や通水中や循環中にこの作用
により気体を取り込み気泡となり易い。一方、濾過膜処
理装置に通液する時点では、通常、再生現像液にはフォ
トレジストは殆ど含まれず、新品現像液に近い。即ち、
フォトレジストは、例えば、イオン交換処理において特
に陰イオン交換樹脂等の陰イオン交換体で除去され(特
開平10−85741号公報)、精製された再生現像液
は組成において新品現像液に近い。従って、濾過膜処理
装置に通液する時点では、再生現像液には濾過膜面を濡
らす程の界面活性作用はなく、仮に、フォトレジストが
幾らか多く含まれていて或る程度の界面活性作用があっ
たとしても濾過膜面を濡らすに充分な程の界面活性作用
ではない。
(水の分解による水素ガス、酸素ガス)が発生する。特
に電解ではガス発生が激しく、この発生ガスがそのまま
濃縮液に含まれる。これに対して、電気透析では、ガス
発生が遙に少なく、イオン交換膜を介しているのでその
程度は小さいが、それでも濃縮液に入り込む可能性があ
る。また、いずれの場合も濃縮液側にもフォトレジスト
が多少混入するので気泡を抱き込み易い。
供給するが、透過液側の圧力は急激に低下する。この圧
力差により溶解していた気体物質が気泡として現れる。
気透析や電解で)による液の発熱で温度上昇し、溶解し
ていた気体物質が気泡として現れる。
理装置で被処理液の脱気脱泡を行い、気泡を除去あるい
は溶存気体物質を気泡が発生しない程度まで除去した
後、精密濾過膜等の濾過膜を通すことにより、膜面は乾
燥せず、濾過膜処理装置の安定運転ができ、濾過膜の寿
命も長くなる。
は、脱気脱泡が行える限りにおいて、例えば、真空脱気
装置、膜脱気装置、超音波脱気装置等のどのような装置
を用いてもよいが、コンパクトで連続処理が行い易い膜
脱気装置を用いるのが特に好ましい。膜脱気装置では、
脱気脱泡処理によって気泡を除去したり、あるいは多少
の温度上昇があっても気泡が発生しない程度まで溶存気
体物質を除去すれば良いのであって、被処理液中の溶存
気体物質を完全に除去する必要はないので、必ずしも高
い真空度は要求されず、また、必要に応じて窒素ガス等
のスイープガスを併用してもよい。
明する。現像廃液には、通常、溶解したフォトレジスト
とTAAHが含有されている。但し、一般に、廃液(廃
水)は工場によって異なってくるものであり、何が混入
してくるか分からず、また、場合によっては他の廃水と
混合されることがあり得るので、TAAHの水酸化物イ
オンの一部が他種の陰イオンに置換されてテトラアルキ
ルアンモニウム(以下、時に「TAA」と略す)の塩と
なっていることもあり得る。このような現像廃液は、通
常は、pH値12〜14のアルカリ性を呈しており、現
像廃液に溶解したフォトレジストは、アルカリ性の現像
廃液中でそのカルボキシル基やフェノール性水酸基等の
酸基によりTAAイオンとの塩の形で溶解している。
製造等の際に使用するフォトレジストの現像液に用いら
れるアルカリであり、例えば、水酸化テトラメチルアン
モニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウ
ム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラ
ブチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニ
ウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム、水酸化ジ
メチルジエチルアンモニウム、水酸化トリメチル(2−
ヒドロキシエチル)アンモニウム(即ち、コリン)、水
酸化トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウ
ム、水酸化ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモ
ニウム、水酸化ジエチルジ(2−ヒドロキシエチル)ア
ンモニウム、水酸化メチルトリ(2−ヒドロキシエチ
ル)アンモニウム、水酸化エチルトリ(2−ヒドロキシ
エチル)アンモニウム、水酸化テトラ(2−ヒドロキシ
エチル)アンモニウム等(特に、前二者及びコリン)を
挙げることができる。
の不純物を分離し、TAAH溶液を回収精製する回収精
製処理装置としては、種々の装置があるが、(精製)T
AAH濃縮液を得る電気透析装置や電解装置(A)(特
開平7−328642号公報、特開平5−17889号
公報)、陰イオン交換体(精製の観点から、陰イオン交
換樹脂が好ましく、OH形であるのが望ましい)、また
は、上記陰イオン交換体とH形及びTAA形の少なくと
も一方の陽イオン交換樹脂との接触処理により精製TA
AH溶液を得るイオン交換処理装置(B)(特開平10
−85741号公報、特願平9−334800号)、お
よび、NF膜によりTAAHを主として含む透過水を得
るNF膜分離処理装置(C)(特願平10−10025
号)から選ばれる少なくとも一つの単位装置を含むのが
好ましい。これらの単位装置を複数含む場合は、その順
序は任意であり、例えば、目的に応じて適正な順序を選
べばよい。上記装置(A)、(B)及び(C)は、いず
れもフォトレジスト等の不純物を除去することができ、
現像廃液やそれに由来するTAAH含有処理液を精製す
ることができる装置であり、中でも特に装置(B)は可
及的に不純物を除去するために望ましい装置である。ま
た、上記装置(A)は、TAAHを濃縮することができ
る。
れに由来するTAAH含有処理液を精製することができ
る装置ではないが、逆浸透膜処理装置や蒸発装置の少な
くとも一つの濃縮装置を含め、TAAH等を濃縮するの
も好ましい場合がある。現像廃液は、通常、洗浄水(リ
ンス水)などでTAAH濃度が低くなっているので、現
像廃液又はそれに由来するTAAH含有処理液を逆浸透
膜処理装置や蒸発装置を用いて濃縮してもよい。
(B)で用いる陰イオン交換樹脂としては、OH形の陰
イオン交換樹脂が望ましく、また、Na等の不純物を除
去できるH形及びTAA形の少なくとも一方の陽イオン
交換樹脂と併用するのが望ましい。また、装置(B)の
後段に装置(A)や装置(C)等の精製装置が配置され
ている場合など、陰イオン交換樹脂に代えて他の陰イオ
ン交換体を用いることができる場合もある。
H含有処理液〔例えば、装置(A)や装置(C)からの
処理液〕を陰イオン交換樹脂と接触させると、TAAH
に由来する競合水酸化物イオンの存在にも拘わらず、廃
液又は処理液中のフォトレジストを陰イオン交換樹脂に
吸着させ、高選択的に除去することができる。即ち、ア
ルカリ現像フォトレジストはノボラック樹脂を母体樹脂
とするものが主流で、このノボラック樹脂は多数のベン
ゼン環を有しており、陰イオン交換樹脂として、例え
ば、特にスチレン系のベンゼン環を多数有する陰イオン
交換樹脂等を用いた場合には、静電的相互作用に加え
て、ベンゼン環同士の親和(疎水的)相互作用により、
効率的且つ高選択的にフォトレジストを除去することが
できると考えられる。
よい(特願平10−10025号)。この装置(C)で
は、フォトレジスト等の不純物を主として含む濃縮液と
TAAHを主として含む透過液が得られる。NF膜分離
処理装置(C)に用いられるNF膜は、分画分子量が1
00〜1000の範囲内で、且つ、0.2%(重量/容
積)の塩化ナトリウム水溶液を被処理液として25℃で
分離処理した時の塩化ナトリウムの阻止率(除去率)が
90%以下の特性を有する分離膜である。
処理液をNF膜で分離処理すると、TAAHはNF膜を
透過してその殆どが透過液中に入って来るが、フォトレ
ジストは余り又は殆どNF膜を透過せず、大部分は濃縮
液側に残存して濃縮される。また、イオン交換処理装置
(B)では除去の難しいFe、Al等の金属成分やシリ
カ等の不純物も或る程度は濃縮液側に除去できる(NF
膜を透過する量は少ない)。
不純物が除去された透過液が得られるので、例えば、イ
オン交換処理装置や電気透析装置及び/又は電解装置な
どの装置を後段で用いる場合は、該後段の装置における
不純物の負荷を低減でき、精製コストを低減することが
できる。なお、NF膜分離処理装置(C)は、低コスト
且つ操作が容易な装置である。
単位装置としては、例えば、現像廃液又はそれに由来す
るTAAH含有処理液を活性炭と接触させてフォトレジ
ストを除去する活性炭処理装置(特開昭58−3075
3号公報)、現像廃液又はそれに由来するTAAH含有
処理液をキレート樹脂と接触させてFe、Al等の一部
の金属不純物を除去するキレート樹脂処理装置(特願平
10−265581号)などを挙げることができる。こ
のような単位装置は、上述の単位装置の少なくとも一つ
と組み合わせることができ、その場合、各単位装置の配
置順序は任意である。
純物を分離し、TAAH溶液を回収するその他の回収精
製装置としては、現像廃液を中和+固液分離工程、オゾ
ン、過酸化水素又は紫外線照射による有機物分解工程及
び電解による濃縮工程にこの順で供する装置(特開平4
−41979号公報、特開平5−17889号公報、特
開平5−106074号公報)、現像廃液を中和+固液
分離工程及び電解による濃縮工程にこの順で供する装置
などを挙げることができる。この場合、中和+固液分離
によりフォトレジストの大部分が除去され、中和により
生じたTAA塩は電解によりTAAHに戻る。これらの
装置で得られるTAAH含有溶液の純度が不十分である
場合には、更に、前述の装置(A)、(B)、(C)や
キレート樹脂処理装置などの少なくとも一つの単位装置
を後段に配置してもよく、また、上記TAAH含有溶液
のTAAH濃度が低い場合には、前述の如く、蒸発装置
や逆浸透膜処理装置を後段に配置してもよい。
ば、特開平7−328642号公報に記載されている。
電気透析装置では、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜と
陰イオン交換膜が交互に並べられて複数のセルを構成し
ている。陰イオン交換膜を陰極に面した側に有するセル
は濃縮セルとして機能し、ここではTAAHが濃縮され
て濃縮液となり、陰イオン交換膜を陽極に面した側に有
するセルは脱塩セルとして機能し、ここではTAAHが
減少して脱塩液となる。
ものを使用でき、これに使用されるイオン交換膜として
は、陽イオンと陰イオンを選択的に分離できるものであ
れば特に限定されず、例えば、アシプレックス〔旭化成
工業(株)製〕、セレミオン〔旭硝子(株)製〕、ネオ
セプタ〔徳山曹達(株)製〕、イオンクラッドEDSメ
ンブレン〔ポール(株)製〕、ナフィオン(デュポン社
製)等を挙げることができる。また、イオン交換膜の特
性も、一般的なものでよい。
例えば、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを、脱塩さ
れる液の流入孔及び流出孔、濃縮される液の流入孔及び
流出孔が設けられているガスケットで適当な間隔を保っ
て交互に複数積層して複数のセルを構成し、両端を一組
の電極で挟んで電気透析装置を構成すればよい。
ルカリ性が陰イオン交換膜より優れるポリビニールアル
コール系等の中性膜を用いてもよい。中性膜はイオン性
官能基の無い単なる高分子膜であるが、これはTAAイ
オンを通すもののその透過性は陽イオン交換膜より低い
ので、両者間の輸率の差を利用してTAAイオンの電気
透析による濃縮を行うことができるのである。但し、中
性膜を陰イオン交換膜の代わりに用いた時は、陰イオン
交換膜の場合に比べて電流効率は悪くなる。
よいが、例えば、特開平7−328642号公報に開示
されるような循環方式や多段処理方式を採ることもで
き、また、回分式であっても半回分式であっても或いは
連続式であってもよい。
特開平5−17889号公報に記載されている。電解装
置では、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜が配置され、
陰極セルと陽極セルを構成している。陰極セルは濃縮セ
ルとして機能し、TAAHが濃縮された濃縮液を生じ
る。一方、陽極セルは脱塩セルとして機能し、脱塩液
(TAAイオンが希薄になった「希薄液」)を生じる。
−等のOH−より電気分解されやすいイオン種が含まれ
ているとCl2やBr2等のガスが生じる。この場合、
特開昭57−155390号公報に開示されているよう
に、陽極セルを更に陰イオン交換膜で区分し陽極側の区
分セルに水酸化アンモニウム等のアルカリ物質を添加し
ておくと、中和によりCl2やBr2等のガスの発生が
防止できる。SO4 2- やNO3 -の場合はOH−より電気
分解され難いので、OH−の方が電気分解されO2が発
生し、H2SO4やHNO3等が残る。
枚の親水化処理した多孔質テフロン膜等の中性膜を使用
し、陽極室、中間室及び陰極室を設け、中間室に原液を
通しても電解を行う様に電解装置を構成することもでき
る(特開昭60−247641号公報)。
合には、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜を複数枚(好
ましくは2枚)配置して、陽極側のセル(陽極セル)に
原液を通液し、陰極側のセル(陰極セル)及び中間セル
には、例えば、(超)純水又は各種不純物を含まない低
濃度のTAAH溶液〔例えば、(超)純水に新品のTA
AHを少量溶解させた液〕等の電解質溶液を濃縮用液
(TAAH回収用液)として通液する様な多段TAAH
精製電解装置を構成することもできる。この場合、陰極
セルからは高純度のTAAH濃縮液が得られる。
が、電気透析の場合と同じ様な循環方式や多段処理方
式、また、回分式や半回分式や連続式を採ることもでき
る。
は、TAAH含有量が増加するか減少するかによって使
い分けられる用語であり、どちらのTAAH濃度が高い
か低いかを示すものではない。
H形の)陰イオン交換樹脂としては、処理効率の点で繊
維状や粒状等のスチレン系やアクリル系等の陰イオン交
換樹脂が好ましく、あるいは、これらの複数の種類を任
意の割合で混合もしくは積層して用いてもよいが、前述
の様に、特にフォトレジスト除去効率の点ではスチレン
系陰イオン交換樹脂が好ましいものの、(メタ)アクリ
ル酸やそのエステル類をジビニールベンゼン(DVB)
等で架橋して得たアクリル系陰イオン交換樹脂も用いる
ことができる。また、弱塩基性や中塩基性の陰イオン交
換樹脂も用いることができるが(特に中性又は酸性側で
はフォトレジストの除去も可能)、フォトレジスト除去
効率等の点で強塩基性陰イオン交換樹脂が好ましい。
陽イオン交換樹脂としては、処理効率の点で繊維状や粒
状等のスチレン系やアクリル系等の陽イオン交換樹脂が
好ましく、また、弱酸性陽イオン交換樹脂でも強酸性陽
イオン交換樹脂のいずれでも良く、あるいは、これらの
複数の種類を任意の割合で混合もしくは積層して用いて
もよい。
で市販されており、H形のままでも用いることができる
が、陽イオン交換樹脂(Na形の場合はH形とした後)
を、その使用に先立って、予めTAA形とするのが好ま
しく、これは、陽イオン交換樹脂に通液する通液初期
に、TAAHが陽イオン交換樹脂に吸着されて、処理液
中のその濃度が低下するという現象の発生を防止するこ
とができるためである。但し、完全なTAA形陽イオン
交換樹脂ではなくて、一部H形となっているものでも良
く、また、H形陽イオン交換樹脂とTAA形陽イオン交
換樹脂を任意の割合で混合もしくは積層して用いてもよ
い。
陽イオン交換樹脂のどちらを用いるか、または、両方を
用いるかは、回収されるTAAH溶液の用途との関連に
おける該溶液中に残留する陰イオン類及び陽イオン類等
の各種不純物の許容量によって決めればよい。但し、上
述のように、半導体デバイス、液晶ディスプレイ、プリ
ント基板等の電子部品の製造用の現像液として回収TA
AH溶液を用いるには、陰イオン交換樹脂及び陽イオン
交換樹脂の両方を用いるのが望ましい。
方をイオン交換樹脂として用いる場合は、陰イオン交換
樹脂と陽イオン交換樹脂を混合形(混床)又は積層充填
形でカラム又は塔中に充填して用いても良く、また、陰
イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂とを別カラム又は別
塔中にそれぞれ充填して個別に配置して用いてもよい。
後者の場合は、長時間の運転によって、イオン交換容量
が減少したり、劣化した方のイオン交換樹脂のみを容易
に交換することができ、便利である。このように別カラ
ム(別塔)方式の場合、両者の間に他の単位処理装置を
配置することもできる。
合、上流側に陰イオン交換樹脂、下流側に陽イオン交換
樹脂を配置するのが好ましく、この場合の利点は、陰イ
オン交換樹脂からは極微量のアミン類が溶出することが
考えられるので、下流側の陽イオン交換樹脂で、この溶
出アミン類を捕捉することができることなどである。
は、例えば、日東電工(株)製のNTR−7410、N
TR−7450、NTR−725HF、NTR−725
0、NTR−729HF、NTR−769SR、東レ
(株)製のSU−200S、SU−500、SU−60
0、フィルムテック社製のNF−45、NF−55、N
F−70、NF−90、デサリネーション社製のDES
AL−5L、DESAL−5K、トライセップ社製のT
S−80、フルッドシステム社製のTFC−S等を挙げ
ることができる。
主な目的としたNF膜としてその表面が負に帯電した膜
を使用すると、現像廃液やそれに由来するTAAH含有
処理液〔例えば、装置(A)や装置(B)を経たTAA
H含有処理液〕中で通常陰イオンとして存在するフォト
レジストの阻止率(除去率)が向上し、且つ、NF膜面
上へのフォトレジストの付着によるファウリング(汚
染)が起き難いので好都合である。また、この場合は、
存在すれば陰イオン系界面活性剤も効果的に濃縮液側に
分離除去できる。また、一般に、NF膜は非イオン系界
面活性剤や陽イオン系界面活性剤等も濃縮液側に分離除
去することができる。また、現像廃液やそれに由来する
TAAH含有処理液の性状(例えば、界面活性剤が含ま
れる場合はその種類など)に応じて、表面が正に帯電し
たNF膜や中性のNF膜を使用してもよいことは勿論で
ある。
いため、この寿命を長くするためには、NF膜の被処理
液のpHは、必要に応じて9.5〜12、好ましくは
9.5〜11に調整するのが望ましい。NF膜の不純物
微粒子等による目詰まりの虞を避けるためには、NF膜
の前段に孔径25μm以下の保安フィルターを設けるの
が好ましい。これは、NF膜分離処理装置(C)をどの
位置に配置する場合でも同様である。また、NF膜の被
処理液のTAAH濃度が高くなると、ナノフィルターの
運転圧が上昇したり、pHが高くなるに伴いNF膜の寿
命が短くなったりするので、注意が必要である。
だTAAHが多量に含まれている場合は、TAAHの回
収率を上げるために、後段にこの濃縮液を精製するため
の各種装置を配置し、再生現像液の用途によっては或る
程度の精製度まで、また、場合によっては上記のような
電子部品の製造工程等で再生現像液を再利用できる高精
製度まで、精製してもよい。
過液(以下、時に「NF透過液」と言う)はかなり純度
の高いTAAH溶液であるので、これを濃縮用液(TA
AH回収用液)として電気透析装置や電解装置の濃縮セ
ルに通液し、一方、NF膜分離処理装置から得られる濃
縮液(以下、時に「NF濃縮液」と言う)にかなりの量
のTAAHが残存していれば、このNF濃縮液を原液
(TAAHが脱塩される液)として上記の電気透析装置
や電解装置の脱塩セルに通液してもよい(特願平10−
10025号)。この場合、脱塩廃液として排出される
排水の量を低減することができると共に、電気透析や電
解によって濃縮用液(TAAH回収用液)側に移動させ
るTAAH量が少なくなるので、ランニングコストの低
減や装置の小型化が図れる点で有利である。
換処理装置や電気透析装置及び/又は電解装置等の精製
装置と併用する場合、NF透過液の純度がかなり高いの
で、上記精製装置をNF膜分離処理装置(C)の後段に
配置する方が前段に配置するよりも、該精製装置の負荷
を低減する観点からは好ましい。しかし、例えば、少量
の不純物(特にイオン交換処理では除去し難いFeやA
l等の金属成分及びシリカ等の不純物成分等)を或る程
度除去するために装置(C)を配置する場合には、上記
の順序と逆の配置順序でもよい。また、場合によって
は、装置(C)の前段と後段の両方に上記の様な精製装
置を配置してもよいことは勿論である。また、元々現像
廃液中の不純物濃度が低い場合、再生現像液の純度が低
くても良い用途の場合等は、NF透過液に対して、イオ
ン交換処理装置を介することなく、蒸発装置、逆浸透膜
処理装置、電気透析装置及び電解装置の少なくとも一つ
の装置でTAAHを濃縮したり、濃厚新品TAAH溶液
を加えて、TAAH濃度調整等を行ってもよい。
とができるキレート樹脂としては、例えば、イミノ二酢
酸型、イミノプロピオン酸型、アミノメチレンホスホン
酸型等のアミノホスホン酸型、ポリアミン型、N−メチ
ルグルカミン型等のグルカミン型、アミノカルボン酸
型、ジチオカルバミン酸型、チオール型、アミドキシム
型、ピリジン型などの各種のキレート樹脂類を挙げるこ
とができる。
る選択性が高く、再生現像液を再利用するに際して問題
となる微量不純物はいずれも多価の金属イオン類〔Fe
(II)、Fe(III) 、Al(III) 等〕であるので、キレ
ート樹脂と現像廃液又はそれに由来するTAAH含有処
理液とを接触処理させると、これらの多価の金属イオン
類を効果的に除去できる。
オン交換樹脂とを組み合わせて使用するのが好ましく、
キレート樹脂の使用はイオン交換樹脂の使用の前でも後
でもよく、また、これらは単床(別床)及び混床のいず
れの形で使用しても良い。この組み合わせは、キレート
樹脂+陰イオン交換樹脂、キレート樹脂+陰イオン交換
樹脂+陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂+陽イオン交
換樹脂のいずれでもよい。また、キレート樹脂と両イオ
ン交換樹脂とを組み合わせる場合は、混床の他、単床で
陰イオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂)→キレート樹脂
→陽イオン交換樹脂(陰イオン交換樹脂)の順に配置し
てもよい。
高純度化するためにキレート樹脂処理装置やイオン交換
樹脂処理装置(B)を用いるに当たっては、キレート樹
脂やイオン交換樹脂への負荷を下げるという観点から、
その使用の前段にNF膜分離処理装置(C)を配置する
のが好ましいが、更にTAAH溶液の高純度化を図る目
的で装置(C)の後段にキレート樹脂処理装置や装置
(B)を配置することもできる。
(最後段またはその近く)に濾過膜処理装置を設置する
が、これは、元々現像廃液中に存在する不純物微粒子を
除去すると共に、ポンプ、電気透析装置や電解装置、キ
レート樹脂、イオン交換樹脂等から微粒子が混入してき
ても、これを確実に除去するためである。従って、濾過
膜処理装置は、再生現像液を現像装置へ送る直前に該再
生現像液に適用するのが好ましい。
E膜やPP膜等の炭化水素樹脂系の精密濾過膜類や限外
濾過膜類、あるいはPTFE膜等の弗素樹脂系の精密濾
過類や限外濾過膜類などから目的に応じて適切な膜を選
択して用いた濾過膜処理装置を用いることができるが、
通常は精密濾過膜を用いた装置を使用することが好まし
い。ここで、精密濾過膜の細孔径は、約0.03〜約1
0μmであるのが好ましく、約0.03〜約1μmであ
るのが更に好ましい。
態について図面を参照しつつ説明するが、本発明がこれ
らに限定されるもので無いことは言うまでもない。
ー図である。現像装置から流入した現像廃液を必要に応
じ一旦現像廃液槽に貯留し、TAAH溶液の回収のため
の回収精製装置に送液する。「回収精製装置」には、電
気透析装置及び/又は電解装置、イオン交換処理装置、
NF膜分離処理装置、キレート樹脂処理装置等のTAA
H溶液回収精製用の各種単位装置が目的に応じて組み込
まれている。次いで、回収精製されたTAAH溶液を脱
気脱泡処理装置に通液し、脱気脱泡する。脱気脱泡され
たTAAH溶液を好ましい濾過膜処理装置としての精密
濾過膜処理装置に通液し、不純物微粒子を除去し、再利
用に廻す。電気透析装置及び/又は電解装置とイオン交
換処理装置、NF膜分離処理装置、キレート樹脂処理装
置の少なくとも一単位装置を併用する場合は、後者の単
位装置は脱気脱泡処理装置と精密濾過膜処理装置の間に
配置してもよい。これは、一旦脱気脱泡されたTAAH
溶液は、これらの単位装置を出た時の圧力低下により気
泡が生じたとしても、その量は極微量であり、精密濾過
膜処理装置に入る際の圧力上昇で消滅するからである。
なお、キレート樹脂をイオン交換樹脂と混床や積層充填
等の形として併用し、イオン交換処理装置に組み込んで
もよい。
フロー図である。現像装置から流入した現像廃液を必要
に応じ一旦現像廃液槽に貯留し、脱気脱泡処理装置に通
液し、脱気脱泡する。脱気脱泡された現像廃液をNF膜
分離処理装置及び/又はイオン交換処理装置に通液し、
精製されたTAAH溶液を回収する。次いで、精製TA
AH溶液を好ましい濾過膜処理装置としての精密濾過膜
処理装置に通液し、不純物微粒子を除去し、再利用に廻
す。この基本的装置の場合、通常、TAAH又はその水
溶液を補充して所望のTAAH濃度へ上昇させるための
TAAH供給装置を精密濾過膜処理装置の直前または後
段に設け、現像装置に再生現像液を送液するが、例え
ば、逆浸透膜処理装置でTAAH濃度の上昇した濃縮液
を得るようにしてもよい。脱気脱泡処理装置と精密濾過
膜処理装置の間にNF膜分離処理装置やイオン交換処理
装置を配置しても良い理由は、図1の装置について説明
したのと同様である。更にキレート樹脂を用いる場合
は、その装置は脱気脱泡処理装置の前段でも後段でもよ
く、イオン交換樹脂と混床や積層充填等の形として併用
し、イオン交換処理装置に組み込んでもよい。
置の一例のフロー図である。現像装置から流入した現像
廃液を必要に応じ一旦現像廃液槽に貯留し、電気透析装
置に送液し、ここで現像廃液からのTAAH溶液の回収
精製を行う。電気透析装置には、濃縮用液(TAAH回
収液)として、例えば、(超)純水を供給し、この中に
TAAHを回収、濃縮し、TAAH含有濃縮液を得る。
一方、現像廃液からはTAAHが除去され、脱塩液を生
じるので、脱塩廃水として系外に排出する。次いで、濃
縮液をイオン交換処理装置(陰イオン交換樹脂又は陽イ
オン交換樹脂の単床、あるいは両者の混床又は積層充填
の形、必要に応じてキレート樹脂を混床又は積層充填の
形で更に含めてもよい)、膜脱気装置、精密濾過膜処理
装置にこの順で送液し、再利用に廻す。括弧内は、膜脱
気装置、イオン交換処理装置、精密濾過膜処理装置の順
で濃縮液を送液してもよいことを示している。
置の他の一例のフロー図である。現像装置から流入した
現像廃液を必要に応じ一旦現像廃液槽に貯留し、NF膜
分離処理装置に送液し、ここで現像廃液からのTAAH
溶液の回収精製を行う。NF膜分離処理装置からは、フ
ォトレジスト等の不純物が濃縮された濃縮液とTAAH
がほぼそのまま透過して精製された透過液が生じる。濃
縮液は濃縮廃水として系外に排出し、一方、透過液は精
製TAAH溶液としてイオン交換処理装置(陰イオン交
換樹脂又は陽イオン交換樹脂の単床、あるいは両者の混
床又は積層充填の形、必要に応じてキレート樹脂を混床
又は積層充填の形で更に含めてもよい)、膜脱気装置、
精密濾過膜処理装置にこの順で送液し、再利用に廻す。
括弧内は、膜脱気装置、イオン交換処理装置、精密濾過
膜処理装置の順で濃縮液を送液してもよいことを示して
いる。
用いることができる膜脱気装置としては、TAAH溶液
の脱気脱泡ができるものであれば、いかなるタイプのも
のでもよいが、その構成の理解を容易にするための一例
を図5に示す。
接続口15及び真空計16を備えた外筒10の中に脱気
膜としての多数の多孔質中空糸膜11が収納されてい
る。この多孔質中空糸膜11は、外筒10内に注封材
(ポッティング材)12によりその両端部分を固定され
ている。
を減圧しつつ、原水入口13からTAAH溶液を膜脱気
装置中に流入させると、多孔質中空糸膜11中を溶液が
通過する過程において、多孔質中空糸膜11の内側から
外側に向けて溶液から気泡及び溶存気体物質が抜き出さ
れ、脱気脱泡されたTAAH溶液は処理水出口14から
流出される。なお、TAAH溶液を多孔質中空糸膜の外
側に通し、気泡及び溶存気体物質を多孔質中空糸膜の内
側に抜き出すような膜脱気装置の構成とすることもでき
ることは勿論で、この構成はTAAH溶液の送液中の圧
力損失が問題となる時は有利である。
形態以外に、例えば、シート状膜を巻いて形成したスパ
イラル状膜の形態のものを使用することもできる。脱気
膜の構造としては、膜の両面間を連通する孔を有する多
孔質膜構造、かかる連通孔が無い均質膜構造、多孔質膜
の片表面にかかる連通孔が無いスキン層を有する非対称
膜構造などを挙げることができる。TAAH溶液と脱気
膜の濡れ性が高く、TAAH溶液が脱気膜を通して漏出
する場合には、均質膜構造や非対称膜構造が好ましい。
ーンゴム膜等のシリコーン系膜、多孔質ポリ弗化ビニリ
デン膜、多孔質PTFE膜〔例えば、ゴア社(米)製の
商品名「ゴアテックス」〕等の弗素樹脂系膜、多孔質P
E膜、多孔質PP膜、均質ポリ−4−メチルペンテン−
1膜等のポリオレフィン系膜、その他のポリエステル
系、ポリアミド系、ポリスチレン系、ポリエーテル系、
ポリチオエーテル系等の樹脂膜、更には複合膜(例え
ば、ポリスルフォンをベースとしてその上にシリコンコ
ーティングしたもの)等を挙げることができるが、本発
明では強アルカリ性のTAAH溶液を脱気脱泡するの
で、脱気膜の寿命の観点からは弗素樹脂系膜やポリオレ
フィン系膜が好ましい。
本インキ化学工業(株)製のSEPAREL、セルガー
ド(株)製のLiqui−Cell Extra−Fl
ow、永柳工業(株)製のNAGASEP等を挙げるこ
とができる。また、脱気膜モジュールを汚染等から保護
するために、膜脱気装置8の上流側に保安フィルターを
設けるのが好ましい場合もある。
るが、本発明がこれらの実施例に限定されるもので無い
ことは言うまでもない。なお、以下の実施例で、TMA
H濃度はイオンクロマト分析法、フォトレジスト由来の
TOC濃度は紫外可視光吸光光度計を用い290nmで
の吸光度を測定する吸光光度分析法で測定した。
AHを含有するフォトレジスト現像廃液を使用して試験
した。この廃液の水質は、TMAH濃度0.9重量%、
フォトレジストに由来するTOC濃度420ppmであ
った。この廃液を試料液として電気透析装置によって超
純水(濃縮用液)中にTMAHの分離、濃縮、回収を循
環方式で行い、得られた回収液を混床式イオン交換処理
装置、膜脱気装置、マイクロフィルター(精密濾過膜処
理装置)の順に通液して再生TMAH溶液(精製液)を
得た。
製マイクロ・アシライザーを使用した。この装置では陽
イオン交換膜アシプレツクスK−501〔旭化成工業
(株)製〕、陰イオン交換膜の代わりに中性膜アシプレ
ックスPVA#100〔旭化成工業(株)製〕を使用し
た。また、混床式イオン交換処理装置としては、陰イオ
ン交換樹脂アンバーライトIRA−900(ローム・ア
ンド・ハース社製、OH形)と前もって新品TMAH水
溶液を通液することによりTMA形(テトラメチルアン
モニウムイオン形)とした陽イオン交換樹脂アンバーラ
イト200C(ローム・アンド・ハース社製)を体積比
=1:1で合計10L(リットル)充填したカラムを使
用した。膜脱気装置としては、セルガード(株)製の直
径2.5インチの脱気膜モジュール(Liquid−Cell Ext
ra−Flow)を50Torr条件下で使用した。また、マ
イクロフィルターとしては、ポール社製の精密濾過膜D
F5301FDE(細孔径0.05μmのPTFE膜)
を用いたものを使用した。
MAH濃度が2.4重量%になるまでバッチ式連続運転
で電気透析を行い、得られた濃縮液を流量50L/hの
一定流速(空間速度SV:5)で混床式イオン交換処理
装置に通液し、次いで、膜脱気装置、マイクロフィルタ
ーの順に通液した。
0.25kgf/cm2であった。一ケ月後のマイクロ
フィルターの差圧も、0.25kgf/cm2であっ
た。
AHを含有するフォトレジスト現像廃液を使用して試験
した。この廃液の水質は、TMAH濃度0.9重量%、
フォトレジストに由来するTOC濃度420ppmであ
った。この廃液を試料液としてNF膜分離処理装置で処
理して得られた透過液を混床式イオン交換処理装置、膜
脱気装置、マイクロフィルターの順に通液して再生TM
AH溶液(精製液)を得た。なお、実際の現像時には、
この再生TMAH溶液を濃厚TMAH溶液でTMAH濃
度2.38重量%に調整する。
しては、日東電工(株)製のNF膜NTR−7450を
用いた直径2インチのモジュールを使用した。混床式イ
オン交換処理装置、膜脱気装置及びマイクロフィルター
としては、実施例1と同じものを同じ条件下で使用し
た。ナノフィルターは、濾過圧7kgf/cm2で運転
し、得られた透過液を実施例1と同じ条件下で混床式イ
オン交換処理装置、膜脱気装置、マイクロフィルターの
順に通液した。
0.25kgf/cm2であった。一ケ月後のマイクロ
フィルターの差圧も、0.25kgf/cm2であっ
た。
試験を行った。通液初期のマイクロフィルターの差圧
は、0.25kgf/cm2であった。一ケ月後のマイ
クロフィルターの差圧は、0.45kgf/cm2に上
昇した。
試験を行った。通液初期のマイクロフィルターの差圧
は、0.25kgf/cm2であった。一ケ月後のマイ
クロフィルターの差圧は、0.40kgf/cm2に上
昇した。
なる気泡を予めTAAH溶液から脱気脱泡処理装置で除
去することにより、フォトレジスト現像廃液からの再生
現像液の回収再利用装置(システム)の末端付近(最後
段またはその近く)に設置される濾過膜処理装置の安定
運転と膜交換に伴うメンテナンス頻度の減少及びランニ
ングコストの低減が実現でき、安価で効果的な装置を提
供できる。
である。
ー図である。
一例のフロー図である。
他の一例のフロー図である。
できる膜脱気装置の一例の概略断面図である。
本インキ化学工業(株)製のSEPAREL、セルガー
ド(株)製のLiqui−Cell Extra−Fl
ow、永柳工業(株)製のNAGASEP等を挙げるこ
とができる。また、脱気膜モジュールを汚染等から保護
するために、膜脱気装置の上流側に保安フィルターを設
けるのが好ましい場合もある。
Claims (5)
- 【請求項1】 フォトレジスト現像廃液から水酸化テト
ラアルキルアンモニウム溶液を回収精製する回収精製処
理装置、前記水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液か
ら脱気脱泡する脱気脱泡処理装置、および、脱気脱泡さ
れた水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液から不純物
微粒子を除去する濾過膜処理装置をこの順序で含むこと
を特徴とするフォトレジスト現像廃液からの再生現像液
の回収再利用装置。 - 【請求項2】 前記回収精製処理装置が、NF膜(ナノ
フィルトレーション膜)分離処理装置、電気透析装置及
び電解装置から選ばれる少なくとも一つの装置を含むこ
とを特徴とする請求項1に記載のフォトレジスト現像廃
液からの再生現像液の回収再利用装置。 - 【請求項3】 フォトレジスト現像廃液から脱気脱泡す
る脱気脱泡処理装置、脱気脱泡されたフォトレジスト現
像廃液から不純物を除去して水酸化テトラアルキルアン
モニウム溶液を得るNF膜分離処理装置及び/又はイオ
ン交換処理装置、および、前記水酸化テトラアルキルア
ンモニウム溶液から不純物微粒子を除去する濾過膜処理
装置をこの順序で含むことを特徴とするフォトレジスト
現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置。 - 【請求項4】 前記脱気脱泡処理装置が、脱気膜装置で
あることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載
のフォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利
用装置。 - 【請求項5】 前記濾過膜装置に用いられる濾過膜が、
弗素樹脂系又は炭化水素樹脂系濾過膜であることを特徴
とする請求項1から4のいずれかに記載のフォトレジス
ト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置。
Priority Applications (1)
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JP33182698A JP3758011B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | フォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2000155426A true JP2000155426A (ja) | 2000-06-06 |
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