JP2005175118A - フォトレジスト現像廃液の再生処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オンオフ運転状態などとなっても、再生現像液の品質不良の問題が生じず、後段にCP等の精製装置が設置されるとしてもその負荷上昇といった問題が生じないフォトレジスト現像廃液の再生処理装置を提供する。
【解決手段】このフォトレジスト現像廃液の再生処理装置は、フォトレジスト及びテトラアルキルアンモニウムイオンを少なくとも含む現像廃液又は該現像廃液に由来する処理液からテトラアルキルアンモニウムイオンを分離回収する一段又は多段の分離回収装置(例えば、NF膜分離装置や電気透析処理装置)、および、該分離回収装置の該一段からの分離回収液又は該多段の少なくとも第一段からの分離回収液を系外にブローする機構及び/又は該分離回収装置の前段に戻す機構を包含する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体デバイス、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイパネル(PDP)等のフラットパネルディスプレイ、プリント基板等の電子部品の製造工場等から発生するフォトレジスト及びテトラアルキルアンモニウムイオン(以下、「TAAイオン」と略称する)を含有するフォトレジスト現像廃液から現像液を再生するフォトレジスト現像廃液の再生処理装置に関する。
半導体デバイス、フラットパネルディスプレイ、プリント基板等の電子部品等の製造過程には、フォトリソグラフィー工程が含まれる。この工程では、ウエハやガラス基板等の基板上にフォトレジストの皮膜を形成し、その所定部分に光等を照射し、次いで現像液により不要のフォトレジストを溶解して現像し、微細なパターンを形成し、更にエッチング等の処理を行った後、基板上の不溶性のフォトレジスト膜を剥離する。フォトレジストは、露光部分が現像液に可溶性となるポジ型と露光部分が不溶性となるネガ型がある。半導体デバイスやフラットパネルディスプレイ等の電子部品の製造分野ではポジ型フォトレジストが主として使用され、その現像液はアルカリ現像液である。このアルカリ現像液としては、通常、水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、時に「TMAH」と略す)や水酸化トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモンニウム(即ち、コリン)等の水酸化テトラアルキルアンモニウム(テトラアルキルアンモニウムヒドロオキシドなので、「TAA−OH」又は「TAAH」と略す)の水溶液が使用されている。なお、ネガ型フォトレジストの現像液としては有機溶剤系現像液が主流であるが、アルカリ現像液を用いるものもある。
従って、フォトリソグラフィー工程の現像工程から排出される廃液(「フォトレジスト現像廃液」と言い、時に「現像廃液」と略称する)には、通常、溶解したフォトレジストとTAAイオンが含有されている。ここで、TAAイオンは、上述したことより明らかな通り、通常は水酸化物イオン(OH)を対イオンとするものであるが、廃液(廃水)は工場によって異なってくるものであり、何が混入してくるか分からず、また、場合によっては他の廃水と混合されることがあり得るので、他種のイオンを対イオンとする塩の形の場合もあり得る。従って、本明細書中の一般的な説明では対イオンを特定せず、「イオン」と言う概念で捉えたものである。しかし、廃液中のTAAイオンは、上述のように、通常はTAAHとして存在するので、これを中心として本発明を説明する。
従来、TAAイオンを含有するフォトレジスト現像廃液を処理する方法としては、全量業者引取する方法、蒸発法や逆浸透膜法により濃縮し廃棄処分(焼却又は業者引取)する方法、活性汚泥により生物分解処理し放流する方法があるが、TAAHは環境に有害で比較的高価な薬品であり使用量も多く、環境保護や資源の有効活用の観点から、近年は上記の様にして得た濃縮廃液あるいはもともとTAAイオン濃度の高い濃厚廃液についてはナノフィルトレーション膜(以下、「NF膜」と略称する)分離法又は電気透析法や電解法によりTAAイオンを好ましくは水酸化物の形(電解法では必然的に水酸化物の形となる)で回収し、得られる分離回収液を現像液に再利用する方法が提案され、実用化されている。
特開平7−328642号公報 特開平11−192481号公報 特開平11−190907号公報 特開2002−361249号公報
このような方法を実施するに当たって、液体の移送は高コストとなるため、経済性の面からオンサイト(現場)でTAAイオンを回収し、現像液を再生するような処理を行うのが望ましい。
TAAHが大量に使用される半導体デバイスやLCD等のフラットパネルディスプレイの製造をはじめとする電子産業は、例えば、半導体デバイスについてはシリコンサイクルと称される様に景気の波が激しく、また、製造する製品群も少品種大量生産から多品種少量生産へと変化しているため、工場の生産ライン稼働率はその時々で大きく変化しやすい。従って、使用される純水や薬液、そして廃液量も変動しやすい。
純水製造装置や排水処理装置などの必須の設備は、生産量の変動を見越して生産ピーク時にも対応できる容量で設計されるのが一般的である。これに対して、フォトレジスト現像廃液の再生処理装置のような付加設備は、処理が間に合わなければ、排水処理や産廃業者引取りで対応可能なので、必ずしも生産ピーク時に対応できる容量で設計される必要はないが、平均ないし高い生産時期に合わせた設計となるのが一般的である。
従って、生産ラインの稼動率が低下するなどして、使用される現像液量が減少すると、排出される現像廃液量が減り、フォトレジスト現像廃液の再生処理装置の処理能力が排出される現像廃液量を上回る。このようなとき、この再生処理装置は運転/待機を繰り返すオンオフ運転状態となり、排出される現像廃液量が少なくなるほど再生処理装置の待機時間が長くなり長時間の待機(停止)状態となってしまう。
例えば、オンオフ運転状態では、フォトレジスト現像廃液の再生処理装置の分離回収装置の待機中に、フォトレジスト現像廃液又は該現像廃液に由来する処理液中に存在する不純物(特にフォトレジスト)が、分離回収装置の分離回収液側に拡散により移動し、再起動初期に分離回収液の不純物濃度が高くなり、再生現像液の品質不良や後段にカートリッジポリッシャー(CP)等の精製装置が設置される場合に精製装置の負荷上昇といった問題が生じる。
本発明は、従来の装置のこのような欠点を解消し、オンオフ運転状態となっても、再生現像液の品質不良の問題が生じず、後段にCP等の精製装置が設置されるとしてもその負荷上昇といった問題が生じないフォトレジスト現像廃液の再生処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、フォトレジスト及びTAAイオンを少なくとも含む現像廃液又は該現像廃液に由来する処理液からTAAイオンを分離回収する一段又は多段の分離回収装置、および、該分離回収装置の該一段からの分離回収液又は該多段の少なくとも第一段からの分離回収液を系外にブローする機構及び/又は該分離回収装置の前段に戻す機構を包含することを特徴とするフォトレジスト現像廃液の再生処理装置を提供するものである。ここで、分離回収液とは、そのまま又は更に何らかの処理を受けた後にTAAH濃度を調整されて再生現像液として再利用され得るTAAH回収溶液のことを言い、また、「フォトレジスト及びTAAイオンを少なくとも含む現像廃液又は該現像廃液に由来する処理液」は、TAAイオン分離回収の「原液」である。
本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置における分離回収装置は、特に、(1)NF膜によりフォトレジスト等の不純物を多く含む濃縮液とTAAイオンを主として含む透過液に分離する膜分離装置(以下、「NF膜分離装置」と言う)、(2)電気透析処理装置又は電解処理装置であるのが好ましい。NF膜分離装置は操作が簡易で低コストである特徴があり、電気透析処理装置又は電解処理装置はTAAH濃度の高い濃縮液を得ることができる特徴がある。NF膜分離装置の場合の分離回収液とは、NF膜処理による透過液を指し、電気透析処理装置の場合の分離回収液は電気透析処理による濃縮液を指し、電解処理装置の場合の分離回収液は電解処理による濃縮液(陰極液)を指す。
TAAイオン及びフォトレジストを主として含有する現像廃液は、通常pH12〜14のアルカリ性を呈しており、フォトレジストはアルカリ性現像液中ではそのカルボキシル基やフェノール性水酸基等の酸基によりTAAイオンとの塩の形で溶解している。本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置は、かかるアルカリ性の現像廃液にもそのまま用いることができる。
フォトレジスト現像廃液中のTAAイオンは、各種電子部品を製造する際に使用するフォトレジストの現像液にアルカリとして用いられるTAAHに由来する。TAAHとしては、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、水酸化トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム(即ち、コリン)、水酸化トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化ジエチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化メチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化エチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化テトラ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム等(特に、TMAH及びコリン)を挙げることができる。
前述したように、現像廃液中のTAAイオンの対イオンの大部分は水酸化物イオンであるが、工場によっては、また、酸を添加してpHを低下させた場合には、その少量が他種の陰イオンに置換されてTAA塩となっていることがある。かかる他種の陰イオンとしては、例えば、弗化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、燐酸水素イオン、燐酸二水素イオン等の無機陰イオン、及び、蟻酸イオン、酢酸イオン、蓚酸イオン等の有機陰イオンを挙げることができる。特に炭酸イオン、炭酸水素イオンは、空気中の炭酸ガスが現像廃液中に溶け込んで少量存在することが多い。但し、pHが12以上では殆どが炭酸イオンの形態で存在する。
「現像廃液に由来する処理液」は、現像廃液に対して各種の前処理を施して得られる処理液である。かかる前処理としては、例えば、逆浸透膜処理及び蒸発の少なくとも一つの濃縮方法で濃縮する処理や、イオン交換体と接触させて或る程度の不純物を吸着除去して処理液を得る処理を代表的なものとして挙げることができる。これらの前処理の工程を複数行う場合は、その順序は任意であり、例えば、目的に応じて適正な順序を選べばよい。ここで、「イオン交換体」は、陰イオン交換樹脂等の陰イオン交換体や陽イオン交換樹脂は勿論、キレート樹脂や、キレート形成基、陰イオン交換基又は陽イオン交換基を有する多孔性濾過膜をも含めた概念とする。
現像廃液が洗浄水(リンス水)などと混ざってそのTAAH濃度が低くなっている場合、先ず現像廃液を逆浸透膜処理及び蒸発の少なくとも一つの濃縮方法で処理する濃縮処理工程を経て得られるTAAHが濃縮された濃縮液を現像廃液に由来する処理液(原液)として分離回収装置に送るのが好ましい。
分離回収液は、TAAH純度が高い場合はそのままTAAH濃度の調整がされて再生現像液として再利用される。また、分離回収液をカートリッジポリッシャー(CP)等によるイオン交換処理、精密濾過膜処理(MF処理)、場合によっては後段で更に行ってもよいNF膜処理や電気透析処理などに供した後、TAAH濃度の調整がされて再生現像液として再利用される。例えば、オンオフ運転状態となって、不純物を多く含むことになった再起動初期の分離回収液が後段に送られてしまうと、再生現像液の品質不良の問題が生じ、後段にCP等の精製装置が設置される場合にその負荷上昇といった問題が生じる。そこで、本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置では、一段又は多段の分離回収装置の該一段からの分離回収液又は該多段の少なくとも第一段からの分離回収液を系外にブローする機構及び/又は分離回収装置の前段に戻す機構を設け、再起動初期の分離回収液を後段に送ることなく再生処理を再開する。分離回収装置が多段である場合に少なくとも第一段からの分離回収液を系外にブローする機構及び/又は分離回収装置の前段に戻す機構を設ける理由は、各段の分離回収装置に供される液の不純物(特にフォトレジスト)濃度は上流側のものほど高いため、オンオフ状態などになった場合に再起動初期の分離回収液の液質悪化の影響が第一段の分離回収液で最も大きくなるからである。但し、あらゆる場合に対応できるように多段の分離回収装置の全段についてそれらの分離回収液を系外にブローする機構及び/又は分離回収装置の前段に戻す機構を設けるような設計とするのが好ましい。
ここで、本明細書で言う「再起動」の意味を明らかにしておく。分離回収装置がオンオフ状態となって運転/待機を繰り返している時に、待機から運転に移行する状態を「再起動」と言うのは勿論のことである。一般に分離回収装置は自動運転するように制御されているので、運転/待機は自動的に繰り返される。但し、メンテナンスや装置異常などで手動操作する場合には、装置の運転は作業者の意思により運転(稼動)/停止(休止)が行われる。本明細書では、この時の停止(休止)から運転(稼動)に移行する状態も「再起動」と言うものとする。従って、装置停止(休止)から手動操作による切り替えで自動制御を含めた運転(稼動)に移行する場合も、本発明によれば、分離回収装置のその一段からの分離回収液又はその多段の少なくとも第一段からの分離回収液を系外にブロー及び/又は該分離回収装置の前段に戻すようにする。分離回収装置は後述の図2のシステムにおける様なバッチ式の処理を行う装置であってもよい。バッチ式の分離回収装置の場合は、液の受入/分離回収処理/排出などの工程が順次行われるため、液の受入や排出などの分離回収処理以外に多少の時間が必要で、その間は分離回収処理は行われず、見かけ上は分離回収処理が停止(休止)又は待機している状態になるが、その状態を含めて処理の工程は一連しているものであるから、この場合、見かけ上分離回収処理が再開されているようであっても、再起動ではない。但し、液の受入や排出などの工程が長時間かかり、見かけ上分離回収処理が停止(休止)又は待機している時間が長時間化する場合は、次の運転は「再起動」と言うものとする。要は、本発明の目的との関連で「再起動」の意味を考えることができる。
まず、分離回収装置がNF膜分離装置の場合について詳しく説明する。NF膜分離装置は、一段方式の装置であっても、例えば、前記の特開平11−192481号公報に開示される高回収率のための二段方式、高精製度のための二段方式、上記の二方式の組み合わせ方式などの多段方式の装置であってもよい。また、特開2002−361249号公報に開示される二段方式の装置であってもよい。この場合、第一段の透過液がTAAHの分離回収液に相当する。第二段に送る分離回収液は第一段からのTAAHを主として含む透過液であり、この透過液を系外にブローする機構及び/又は該分離回収装置の前段に戻す機構を設ければよい。この第二段目のNF膜分離装置では、その濃縮液がTAAH回収液として再利用されており、TAAイオンを主として含む透過液に分離する膜分離装置としては機能していない。従って、本発明においては特開2002−361249号公報に開示される様な二段NF膜処理は一段NF膜処理とみなすことができる。
NF膜分離装置に用いられるNF膜は、0.2%(重量/容積)の塩化ナトリウム水溶液を被処理液として25℃で分離処理した時の塩化ナトリウムの阻止率(除去率)が90%以下の特性を有する分離膜であり、敢えて分画分子量で表すとすれば分画分子量が100〜1000の範囲内にあるのが好ましいが、NF膜と称されるものであり、フォトレジスト等の不純物が濃縮された濃縮液とTAAイオンを主として含む透過液とに分離する機能を有する限り必ずしもこの範囲内に限定されない。TAAHはNF膜を透過してその殆どが透過液中に入って来るが、フォトレジストは余り又は殆どNF膜を透過せず、大部分は濃縮液側に残存して濃縮されるので、フォトレジスト等の不純物を主として含む濃縮液とTAAHを主として含む透過液が得られる。NF膜分離装置は、比較的低コスト且つ操作が容易であるにも拘らず、TAAHをかなりの程度精製できる点で好ましい。
NF膜分離装置に用いられるNF膜としては、例えば、日東電工(株)製のNTR−7410、NTR−7450、NTR−725HF、NTR−7250、NTR−729HF、NTR−769SR、東レ(株)製のSU−200S、SU−500、SU−600、フィルムテック社製のNF−45、NF−55、NF−70、NF−90、デサリネーション社製のDESAL−5L、DESAL−5K、トライセップ社製のTS−80、フルッドシステム社製のTFC−S、コーク・メンブレン・システムズ社製の「Sel RO」シリーズのMPF−36、MPT−36、MPS−36等を挙げることができる。
フォトレジストの濃縮液側への分離除去を主な目的としたNF膜としては、その表面が負に帯電した膜を使用するのが好ましい。現像廃液やそれに由来する処理液中では、通常フォトレジストは陰イオンとして存在しているので、表面が負に帯電したNF膜によればフォトレジストの阻止率(除去率)が向上し、且つ、NF膜面上へのフォトレジストの付着によるファウリング(汚染)が起き難い。また、一般に、NF膜は、現像廃液やそれに由来する処理液に含まれる可能性のある陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤等も濃縮液側に分離除去することも可能である。また、現像廃液やそれに由来する処理液の性状(例えば、界面活性剤が含まれる場合はその種類)に応じて、表面が正に帯電したNF膜や中性のNF膜を使用しても良いことは言うまでも無い。
NF膜の微粒子不純物等による目詰まりの虞を避けるために、NF膜の前段(好ましくは直前)に保安フィルターを設けるのが好ましい。
また、NF膜分離装置におけるNF膜分離処理で得られる濃縮液にまだTAAHが多量に含まれている場合は、TAAHの回収率を上げるために、後段でこの濃縮液を精製するため、更なるNF膜処理や電気透析処理や電解処理等の各種処理を行ってもよい。
NF膜分離装置の後段に、例えば、後述する電気透析処理装置や電解処理装置、あるいはCP等のイオン交換処理装置等の精製装置を設置してもよく、本発明によればNF膜分離処理で得られる透過液(以下、時に「NF透過液」と言う)の純度が悪化しないので、このような精製装置の負荷が常に低くなる。また、NF透過液はかなり純度の高いTAAH溶液であるので、これを電気透析や電解の濃縮用液(TAAH回収用液)として電気透析装置や電解装置の濃縮セルに通液し、一方、NF膜分離処理で得られる濃縮液(以下、時に「NF濃縮液」と言う)にかなりの量のTAAHが残存していれば、このNF濃縮液を電気透析や電解の原液(TAAHが脱塩される液)として上記の電気透析装置や電解装置の脱塩セルに通液してもよい。この場合、濃縮用液として(超)純水を用いる代わりにNF透過液を用いるので、脱塩廃液として排出される排水の量を低減することができる点で有利である。さらに、電気透析や電解によって濃縮用液(TAAH回収用液)側に移動させるTAAH量が少なくなり、ランニングコストの低減や装置の小型化が図れるという利点もある。
次に、分離回収装置が電気透析処理装置である場合について詳しく説明する。電気透析の原理や利用法については、例えば、前記の特開平11−190907号公報に記載されている。電気透析装置では、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜が交互に並べられて複数のセルを構成している。陰イオン交換膜を陰極に面した側に有するセルは濃縮セルとして機能し、ここではTAAHが濃縮されて濃縮液(以下、時に「ED濃縮液」と言う)となり、陰イオン交換膜を陽極に面した側に有するセルは脱塩セルとして機能し、ここではTAAHが減少して脱塩液(以下、時に「ED脱塩液」と言う)となる。この場合、濃縮セルからの分離回収液である濃縮液を系外にブローする機構及び/又は該電気透析処理装置(分離回収装置)の前段に戻す機構を設ける。
電気透析装置は、一般的に使用されているものを使用でき、これに使用されるイオン交換膜としては、陽イオンと陰イオンを選択的に分離できるものであれば特に限定されず、例えば、アシプレックス〔旭化成工業(株)製〕、セレミオン〔旭硝子(株)製〕、ネオセプタ〔徳山曹達(株)製〕、イオンクラッドEDSメンブレン〔ポール(株)製〕、ナフィオン(デュポン社製)等を挙げることができる。また、イオン交換膜の特性も、一般的なものでよい。
電気透析装置の構造は、特に限定されず、例えば、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを、脱塩される液の流入孔及び流出孔、濃縮される液の流入孔及び流出孔が設けられているガスケットで適当な間隔を保って交互に複数積層して複数のセルを構成し、両端を一組の電極で挟んで電気透析装置を構成すればよい。
ここで、陰イオン交換膜の代わりに、耐アルカリ性が陰イオン交換膜より優れるポリビニールアルコール系等の中性膜を用いてもよい。中性膜はイオン性官能基の無い単なる高分子膜であるが、これはTAAイオンを通すもののその透過性は陽イオン交換膜より低いので、両者間の輸率の差を利用してTAAイオンの電気透析による濃縮を行うことができるのである。但し、中性膜を陰イオン交換膜の代わりに用いた時は、陰イオン交換膜の場合に比べて電流効率は悪くなる。
電気透析処理装置は一回通液方式でもよいが、例えば、前記の特開平11−190907号公報に記載されているような循環処理方式や多段処理方式を採ることもでき、また、回分式であっても半回分式であっても或いは連続式であってもよい。
電解の原理や利用法については、例えば、前記の特開平11−190907号公報に記載されている。電解装置では、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜が配置され、陰極セルと陽極セルを構成している。陰極セルは濃縮セルとして機能し、TAAHが濃縮された濃縮液(陰極液)を生じる。一方、陽極セルは脱塩セルとして機能し、脱塩液(TAAイオンが希薄になった「希薄液」)を生じる。この場合、陰極セルからの分離回収液である濃縮液(陰極液)を系外にブローする機構及び/又は該電解処理装置(分離回収装置)の前段に戻す機構を設ける。
この様な電解処理装置は一回通液方式でもよいが、電気透析の場合と同じ様な循環処理方式や多段処理方式、また、回分式や半回分式や連続式を採ることもできる。また、複数の電解装置を直列に並べ、多段の電解処理装置を構成することもでき、少なくとも第一段からの分離回収液である濃縮液を系外にブローする機構及び/又は該電解処理装置(分離回収装置)の前段に戻す機構を設けることにより、本発明の目的を達成できるが、全段についてそれらの分離回収液である濃縮液を系外にブローする機構及び/又は該電解処理装置(分離回収装置)の前段に戻す機構を設けるのが、あらゆる場合に対応できるので好ましい。
なお、ここで「濃縮液」、「脱塩液」とは、TAAH含有量が増加するか減少するかによって使い分けられる用語であり、どちらのTAAH濃度が高いか低いかを示すものではない。
NF膜処理、電気透析処理、電解処理の何れも膜を介してTAAHを分離回収する方法であり、特にフォトレジスト現像廃液の主たる不純物であるフォトレジストとTAAHの分離に適している。しかし、NF膜又はイオン交換膜などを介して分離回収液がフォトレジスト現像廃液又はそれに由来する処理液(原液)と接する時間が長くなるにつれて、フォトレジストをはじめとする不純物が拡散によって分離回収液中に入り込む。従って、オンオフ運転時などの再起動初期に、分離回収液は高濃度の不純物を含んでしまう。そこで、このような処理を実施する分離回収装置が所定時間以上停止した後に再起動する際、不純物を高濃度で含む分離回収液を所定量又は所定時間、系外にブローするか又は該分離回収装置の前段に戻す手段を設けるのが望ましい。かかる手段としては、タイマーや調節弁等を用い、好ましくは制御装置を用いる。かかる手段により、分離回収装置が所定時間以上停止した後に再起動する際、不純物を高濃度で含む分離回収液を所定量又は所定時間、系外にブローするか又は該分離回収装置の前段に戻してから通常の運転ラインに切り替え、分離回収液を後段に送るようにする。なお、オンオフ運転時などの再起動初期に分離回収液に移動して含まれる不純物の量は、現像廃液の性状(フォトレジスト濃度、TAAH濃度など)、膜種、装置待機(停止)時間等の条件によって異なり、また、移動不純物許容量も現場によって異なるため、それぞれの現場の仕様によって、不純物移動量を確認し、運転条件(所定停止時間、再起動初期のブロー又は前段戻しの所定時間や所定量)を設定すれば良い。
分離回収液は系外にブローしてもよいが、前段に戻し再処理した方が資源の有効利用の面で望ましい。但し、ブロー及び前段戻しの両機構を設けておくのがあらゆる場合に対応できるので好ましい。分離回収液に移動した不純物は元々現像廃液中に存在するので、前段に戻して再処理しても問題はない。戻し先は、現像装置以降であり且つ分離回収装置の前段であれば特に限定されないが、運転のしやすさから原液槽(例えば、現像廃液槽)等のタンクに戻すのが望ましい。
本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置によれば、フォトレジスト及びTAAイオンを少なくとも含む現像廃液又は該現像廃液に由来する処理液からTAAイオンを分離回収する分離回収装置を運転するに当たって、分離回収液を系外にブローする機構及び/又は該分離回収装置の前段に戻す機構を有することで、例えば、該分離回収装置がオンオフ運転状態となっても、後段に送る分離回収液の液質を良好に保ち、再生現像液の品質不良が生じないように、また、後段にCP等の精製装置を設置した場合にその負荷上昇といった問題が生じないようにすることができる。
次に、図面を参照しつつ発明を実施するための最良の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置を含む現像液再生再利用システムの一例を示すフロー図である。現像装置(D)で発生した現像廃液をラインL1を通して一旦現像廃液(原液)槽(WT)に貯留し、図示されていないポンプでラインL2を通してNF膜分離装置(NF)に送り、ここでNF膜分離処理を行い、フォトレジスト等の不純物が濃縮されたNF濃縮液とTAAイオンを主として含むNF透過液とを得る。
通常運転時は、NF膜分離装置(NF)からNF透過液をラインL3を通して分離回収液(NF透過液)槽(RT)に送り、ここで一旦貯留して、図示されていないポンプによりラインL4を通して必要に応じてCPや精密濾過膜処理装置等の後段処理装置(PT)に送って処理し、更にラインL5を通してTAAH濃度調節装置(TC)に送り、ここで所定のTAAH濃度に調整して最終的な再生現像液を調製する。この再生現像液はラインL6を通して現像装置(D)に送られ、現像工程で再利用される。なお、CPと精密濾過膜処理装置は、通常この順に配置する。
例えば、オンオフ運転状態となると、再起動初期のNF透過液をラインL3とそれから分岐したラインL7とそれから分岐したブローラインBL1を通して、必要に応じてNF透過液を系外にブローしたり、ラインL3とそれから分岐したラインL7とそれから分岐した戻りラインRL1を通して現像廃液槽(WT)に前段戻ししたりする。従って、図1の場合、本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置において、「分離回収装置」はNF膜分離装置(NF)であり、「分離回収装置の該一段からの分離回収液又は該多段の少なくとも第一段からの分離回収液を系外にブローする機構」はラインL3、L7、BL1からなる配管系・バルブ系などであり、「分離回収装置の該一段からの分離回収液又は該多段の少なくとも第一段からの分離回収液を該分離回収装置の前段に戻す機構」はラインL3、L7、RL1からなる配管系・バルブ系などであり、本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置とは少なくともNF膜分離装置(NF)とこれらの配管系・バルブ系などを包含する系と言うことになるが、ブローラインBL1及び戻りラインRL1の何れか一つを設けなくても本発明の装置となることは言うまでもない。
一方、NF濃縮液は、その残存TAAH量やフォトレジスト濃度などによるが、ラインL8とそれから分岐したブローラインBL2を通して系外にブローするか、ラインL8とそれから分岐した戻りラインRL2を通して現像廃液槽(WT)に前段戻しするか、かかる系外ブローとかかる前段戻しの両方を行う。
図1の現像液再生再利用システムには、必ずしも必須の構成要素ではないが、更に電気透析処理装置(ED)が含まれている。NF濃縮液にかなりの量のTAAHが残存している場合、例えば、NF透過液及び/又は純水を電気透析装置の濃縮セルに通液し、NF濃縮液を電気透析装置の脱塩セルに通液する。電気透析処理装置(ED)は、脱塩液槽と濃縮液槽と必要な配管系・ポンプなどを更に備えて、図2を参照して後述される様な循環式電気透析処理装置を構成していてもよい。電気透析処理により得られる濃縮液は、ラインL9を通して分離回収液槽(RT)に送られ、NF膜分離装置(NF)からラインL3を通して直接分離回収液槽(RT)に送られてきたNF透過液があればそれと合流する。電気透析処理により得られる脱塩液は、ブローラインBL3を通して系外にブローされる。電気透析処理装置(ED)を含むシステム構成の場合はTAAH回収率が高くなる。また、オンオフ運転状態などとなった再起動初期のNF透過液は電気透析装置の濃縮セルではなく、ラインL10を経由してNF濃縮液と共に電気透析装置の脱塩セルに通液することで、電気透析処理により得られる濃縮液の液質の悪化を防止できる。
図2は本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置を含む現像液再生再利用システムの他の一例を示すフロー図である。現像装置(D)で発生した現像廃液をラインL11を通して一旦現像廃液(原液)槽(WT)に貯留し、図示されていないポンプでラインL12を通して循環式電気透析処理装置に送り、電気透析処理を行い、フォトレジスト等の不純物を主として含む脱塩液とTAAイオンを主として含む濃縮液とを得る。循環式電気透析処理装置では、脱塩液槽(DT)と電気透析装置本体(ED)の脱塩セルの間をラインL18及びL19を介して、脱塩液を図示されていないポンプで循環させ、また、濃縮液槽(CT)と電気透析装置本体(ED)の濃縮セルの間をラインL20及びL21を介して、濃縮液を図示されていないポンプで循環させる。例えば、脱塩液のTAAH濃度或いは濃縮液のTAAH濃度が所定の値になるまで循環を行いバッチ式で電気透析処理を実施することもできるが、立ち上げ運転の後には脱塩液のTAAH濃度及び濃縮液のTAAH濃度が所定の値を維持する様に連続的に現像廃液を脱塩液槽(DT)に送り且つ純水を濃縮液槽(CT)に送り、脱塩液槽(DT)から脱塩排水を、濃縮液槽(CT)からED濃縮液を少しずつ流出させて連続式で電気透析を実施することもできる。
分離回収液としてのED濃縮液は、通常運転時はラインL13を通して分離回収液(ED濃縮液)槽(RT)に送られ、ここに一旦貯留後にラインL14を通してCPや精密濾過膜処理装置等の後段処理装置(PT)に送られて処理された後、ラインL15を通してTAAH濃度調節装置(TC)に送られ、ここで所定のTAAH濃度に調整して最終的な再生現像液を調製する。この再生現像液はラインL16を通して現像装置に送られ、現像工程で再利用される。なお、CPと精密濾過膜処理装置は、通常この順に配置する。
例えば、オンオフ状態となった時は、濃縮液槽(CT)を出た再起動初期の濃縮液はラインL13とそれから分岐したラインL17及びブローラインBL11を通して系外にブローされるか、ラインL13とそれから分岐したラインL17及び戻りラインRL11を通して現像廃液槽(WT)に前段戻しされる。従って、図2の場合、本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置において、「分離回収装置」は電気透析処理装置であり、「分離回収装置の該一段からの分離回収液又は該多段の少なくとも第一段からの分離回収液を系外にブローする機構」はラインL13、L17、BL11からなる配管系・バルブ系などであり、「分離回収装置の該一段からの分離回収液又は該多段の少なくとも第一段からの分離回収液を該分離回収装置の前段に戻す機構」はラインL13、L17、RL11からなる配管系・バルブ系などであり、本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置とは少なくとも電気透析処理装置とこれらの配管系・バルブ系などを包含する系と言うことになるが、ブローラインBL11及び戻りラインRL11の何れか一つを設けなくても本発明の装置となることは言うまでもない。
一方、TAAH濃度の低下したED脱塩液はブローラインBL12を通して系外にブローされるのが通常である。
図1及び図2のいずれのシステムの場合も、後段処理装置としてCP等のイオン交換処理装置を設けるのが好ましい。この場合には、好ましくは水酸化物イオン形の陰イオン交換樹脂とHイオン形又はTAAイオン形陽イオン交換樹脂を用いる。陰イオン交換樹脂としては、特にフォトレジスト除去効率の点ではスチレン系陰イオン交換樹脂が、また、強塩基性陰イオン交換樹脂が好ましいが、これらに限定されない。陽イオン交換樹脂としては、処理効率の点でスチレン系やアクリル系等の陽イオン交換樹脂が好ましく、また、弱酸性陽イオン交換樹脂でも強酸性陽イオン交換樹脂のいずれでもよい。なお、Hイオン形陽イオン交換樹脂は、分離回収液の通液の時間経過とともにTAAイオン形となるので、実質的にはTAAイオン形陽イオン交換樹脂を用いていることになる。また、両イオン交換樹脂の混床のCPを用いるのが好ましいが、陰イオン交換樹脂カラム又は陽イオン交換樹脂カラムを単独で用いたり、両カラムをこの順に用いてもよい。
後段処理装置として0.03〜1μm程度の細孔径を有するPE、PP又はPTFE製のフィルター等を用いた精密濾過膜処理装置を設けるのが好ましいが、限外濾過膜処理装置等の他の膜処理装置を用いてもよい。この場合、元々現像廃液中に存在する微粒子を除去できると共に、ポンプ、場合によっては更に電気透析装置や電解装置、イオン交換樹脂等から微粒子が混入してきても、これを確実に除去できるので好ましい。なお、上記の様な膜処理装置の前段にTAAH溶液の脱気脱泡を行う膜脱気装置等の脱気脱泡装置を配置するのが膜処理装置の差圧上昇を防ぎ、膜の寿命を長くする点で好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
液晶ディスプレイ製造工場から排出されたフォトレジスト現像廃液を用いて試験を行った。この現像廃液の性状は、TMA−OH(TMAH)=1.9重量%、(TMA)−CO=0.1重量%、フォトレジスト由来の吸光度Abs290nm(1cm) =4.7であった。ここで、Abs290nm(1cm)とは、分光光度分析法により光路長1cmの石英セルを使用し、純水をリファレンス(Abs=0.00)として波長290nmで測定した吸光度の値である。
日東電工株式会社製NTR−7450(4インチNF膜モジュール)を使用し、運転濾過圧=1MPa、NF透過液回収率=33%、液温=30℃で上記現像廃液を処理した。定常運転後、装置を3時間停止させた後、再運転した。このとき再運転開始から5分間は透過液を原液槽に戻し、その後に通常運転とした。表1に再起動後5分経過後の透過液(後段に送る)、連続運転時の透過液(後段に送る)、再起動直後の透過液(前段に戻すかブローする)、再起動後3分経過後の透過液(前段に戻すかブローする)の液質を示す。
Figure 2005175118
再起動直後の透過液はフォトレジスト由来の吸光度(Abs290nm)が高く、この透過液にはフォトレジストが多く含まれているが、その透過液を前段の原液槽に戻すことで、後段に送られるNF透過液の液質は常に良好に保たれる。
実施例1と同じフォトレジスト現像廃液を用いて試験を行った。電気透析装置としては旭化成工業株式会社製マイクロ・アシライザーG3を使用し、陽イオン交換膜としては旭化成工業株式会社製アシプレックスK−501を使用し、陰イオン交換膜の代わりに旭化成工業株式会社製の中性膜であるアシプレックスPVA#100を使用した。電圧=12V、TMAH回収率=90%、ED濃縮液(分離回収液)のTMAH濃度が2.4重量%となる条件で、図2に示す様なシステム構成でバッチ循環運転処理を繰り返した後、装置を3時間停止させ、運転を再開した。このとき再起動直後の1バッチ目の濃縮液を原液槽に戻し、以降のバッチから通常運転とした。表2に、停止再起動後2バッチ目の濃縮液(後段に送る)、連続処理中のバッチ濃縮液(後段に送る)、再起動直後の1バッチ目の濃縮液(前段に戻すかブローする)の液質を示す。
Figure 2005175118
再起動直後の1バッチ目の濃縮液はフォトレジスト由来の吸光度(Abs290nm)が高く、この濃縮液にはフォトレジストが多く含まれているが、2バッチ目の濃縮液のフォトレジスト濃度は低下しており、1バッチ目の濃縮液を前段の原液槽に戻すことで、後段に送るED濃縮液の液質は常に良好に保たれる。
本発明によれば、フォトレジスト及びTAAイオンを少なくとも含む現像廃液又は該現像廃液に由来する処理液からTAAイオンを分離回収する分離回収装置に、分離回収液を系外にブローしたり該分離回収装置の前段に戻す機構を備えることで、本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置がオンオフ運転状態などとなっても、後段に送る分離回収液の液質を良好に保ち、良質な再生現像液を調製することができる。そのため、この再生現像液は、半導体デバイス、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイパネル(PDP)等のフラットパネルディスプレイ、プリント基板等の電子部品の製造におけるフォトリソグラフィーの現像工程の現像液として再利用でき、本発明の再生処理装置はこれらの分野に適用できる。
図1は本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置を含む現像液再生再利用システムの一例を示すフロー図である。 図2は本発明のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置を含む現像液再生再利用システムの他の一例を示すフロー図である。
符号の説明
D 現像装置
WT 現像廃液(原液)槽
NF NF膜分離装置
RT 分離回収液槽
PT 後段処理装置
TC TAAH濃度調節装置
ED 電気透析(処理)装置
DT 脱塩液槽
CT 濃縮液槽
BL1、BL11 ブローライン
RL1、RL11 戻りライン

Claims (4)

  1. フォトレジスト及びテトラアルキルアンモニウムイオンを少なくとも含む現像廃液又は該現像廃液に由来する処理液からテトラアルキルアンモニウムイオンを分離回収する一段又は多段の分離回収装置、および、該分離回収装置の該一段からの分離回収液又は該多段の少なくとも第一段からの分離回収液を系外にブローする機構及び/又は該分離回収装置の前段に戻す機構を包含することを特徴とするフォトレジスト現像廃液の再生処理装置。
  2. 前記分離回収装置が、ナノフィルトレーション膜によりフォトレジスト等の不純物が濃縮された濃縮液とテトラアルキルアンモニウムイオンを主として含む透過液に分離する膜分離装置であり、前記分離回収液が該透過液であることを特徴とする請求項1に記載のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置。
  3. 前記分離回収装置が、電気透析処理装置又は電解処理装置であり、前記分離回収液が電気透析処理又は電解処理による濃縮液であることを特徴とする請求項1に記載のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置。
  4. 前記分離回収装置が所定時間以上停止した後に再起動する際、前記分離回収液を所定量又は所定時間だけ系外にブローするか又は該分離回収装置の前段に戻す手段を更に包含することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフォトレジスト現像廃液の再生処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010058011A (ja) * 2008-09-01 2010-03-18 Miura Co Ltd 純水製造装置
JP2010125352A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Japan Organo Co Ltd フォトレジスト現像排水の排水処理システム
JP2012210567A (ja) * 2011-03-31 2012-11-01 Kurita Water Ind Ltd 現像廃液の再生装置及び再生方法

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