JP2000218136A - フォトレジスト現像廃液再生処理用電気透析装置 - Google Patents

フォトレジスト現像廃液再生処理用電気透析装置

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JP2000218136A
JP2000218136A JP2146699A JP2146699A JP2000218136A JP 2000218136 A JP2000218136 A JP 2000218136A JP 2146699 A JP2146699 A JP 2146699A JP 2146699 A JP2146699 A JP 2146699A JP 2000218136 A JP2000218136 A JP 2000218136A
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Hiroshi Sugawara
広 菅原
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Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極液の発泡を抑制できる単位装置を組み込
むことにより、電極液(特に陽極液)少なくとも一部を
循環利用するに際して長期安定運転可能なフォトレジス
ト現像廃液再生処理用電気透析装置を提供する。 【解決手段】 フォトレジスト及び水酸化テトラアルキ
ルアンモニウムを少なくとも含むフォトレジスト現像廃
液又は該フォトレジスト現像廃液に由来する溶液から再
生現像液を回収するための再生処理工程において用いる
電気透析装置において、両電極液の内の少なくとも陽極
液の少なくとも一部を循環使用するための電極液循環ラ
インにフォトレジスト除去装置及び/又は脱泡装置を設
ける。フォトレジスト除去装置としては、少なくとも陰
イオン交換樹脂を含むイオン交換処理装置が好ましく、
脱泡装置としては、膜脱気装置が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス
(LSI、VLSI等)、液晶ディスプレイ(LC
D)、プリント基板等の電子部品の製造工程等で発生す
るフォトレジスト現像廃液から再生現像液を回収するた
めの再生処理工程において用いる電気透析装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記の様な電子部品の製造工程等にはフ
ォトリソグラフィー工程が含まれ、この工程では、ウェ
ハやガラス基板等の基板上にフォトレジストの皮膜を形
成し、その所定部分に光等を照射し、現像液で現像する
ことによって微細なパターンを形成する。ここで、フォ
トレジスト類は、露光部分が現像液に対して可溶化する
ポジ形フォトレジストと、逆に露光部分が現像液に対し
て不溶化するネガ形フォトレジストに大別される。LS
IやLCD等の電子部品の製造分野では主にポジ形フオ
トレジストが使用されている。ポジ形フオトレジスト用
の現像液としては有機アルカリである水酸化テトラメチ
ルアンモニウム(以下、時に「TMAH」と略す)やコ
リン等の水酸化テトラアルキルアンモニウム(テトラア
ルキルアンモニウムヒドロオキシドで、以下、時に「T
AAH」と略す)の水溶液が通常使用されている。な
お、ネガ型フォトレジストの現像液としては有機溶剤系
現像液が主流であるが、アルカリ現像液を用いるものも
ある。
【0003】上述のフォトリソグラフィー工程において
TAAH水溶液をアルカリ現像液として用いる現像工程
から排出される廃液(「フォトレジスト現像廃液」と言
い、以下、時に「現像廃液」と略称する)は、溶解した
フォトレジストとTAAHを含み、無害化処理が難し
い。TMAH等のTAAHは、現像廃液に含まれて排出
されると分解し難く廃水処理が困難な物質である。この
ため高濃度現像廃液の多くは、逆浸透膜処理や蒸発等で
濃縮減容化して外部委託処分を行っている。しかし、現
像廃液中のTAAHは、比較的高価な薬品で使用量も多
く、その環境に対する悪影響から、TAAH溶液を再生
現像液として回収再利用することが強く求められてい
る。
【0004】この要求に応えるべくフォトレジスト現像
廃液からTAAH溶液を再生現像液として回収再利用す
る際に用いる装置として、電気透析装置が検討されてい
る。この場合、通常は、現像廃液又はそれに由来するT
AAH含有溶液を試料液(原廃液)として電気透析して
得た精製液(回収濃縮液)を更にイオン交換処理して精
製し、再生現像液として再利用するが、そのまま再利用
したり、その他の処理方法を採ることもできる。現像廃
液の電気透析の原理や利用法については、例えば、特開
平7−328642号公報に記載されている。電気透析
装置は、通常、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜と陰イ
オン交換膜が交互に配列されたスタック(stack )を有
する。このスタックは、陰イオン交換膜と陽イオン交換
膜で区画された複数のセルが積み重ねられた構造を有し
ており、陰イオン交換膜を陰極に面した側に有するセル
は濃縮室として機能し、ここではTAAHが濃縮されて
濃縮液となり、陰イオン交換膜を陽極に面した側に有す
るセルは脱塩室として機能し、ここではTAAHが減少
して脱塩液となる。このスタックの脱塩室には試料液
(脱塩液)、濃縮室には濃縮用液(濃縮液)を(循環)
通液しながら直流電圧を印加することにより、脱塩室か
ら濃縮室へとTAAHを移動させ(実際にはTAA陽イ
オンと水酸化物陰イオンが両側の脱塩室から各濃縮室に
移動)、濃縮室でTAAHを濃縮回収する。ここで、特
開平7−328642号公報に記載されている様に、濃
縮室にも試料液(原廃液)を通液する場合もあるが、こ
の場合、濃縮液中のフォトレジスト濃度は試料液の濃度
とほぼ同じであり、TAAH濃度のみが上昇するのであ
り、この点において、電気透析法はTAAHのみならず
フォトレジストも同時に濃縮される蒸発法や逆浸透膜法
とは異なる。なお、ここで「濃縮液」、「脱塩液」と
は、TAAH含有量が増加するか減少するかによって使
い分けられる用語であり、どちらのTAAH濃度が高い
か低いかを示すものではない。
【0005】また、試料液(原廃液)、濃縮用液以外
に、電極液が必要である。電極液は、陽極を備えた陽極
室及び陰極を備えた陰極室での電気抵抗を下げる作用を
行い、陽極室に用いる電極液は陽極液とも言い、陰極室
に用いる電極液は陰極液とも言う。電極液としては、試
料液(原廃液)、濃縮液や脱塩液を使用することもある
が、後述する様に、陽極室では酸化反応、陰極室では還
元反応が生ずることもあり、これらとは別にTMAH等
のTAAH、HSO、NaOH等の電解質の水溶液
を電極液として用い、循環利用するのが一般的である。
このような場合に水の電解反応が生じ、陽極室では、陽
極反応により酸素ガスと水素イオンが生成し、陰極室で
は、陰極反応により水素ガスと水酸化物イオンが生成す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】電極液を循環利用する
場合は、電極液タンクや循環ライン等の中で、電極液が
外気(例えば、窒素ガス等のパージガス)や電極反応で
生成するガスを取り込み発泡し、種々のトラブルが発生
し電気透析装置の安定運転ができなくなる。
【0007】従って、本発明は、電極液の発泡を抑制し
て、少なくともその一部を循環利用するに際して長期安
定運転可能なフォトレジスト現像廃液再生処理用電気透
析装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、フォトレジス
ト及び水酸化テトラアルキルアンモニウムを少なくとも
含むフォトレジスト現像廃液又はそれに由来する溶液か
ら再生現像液を回収するための再生処理工程において用
いる電気透析装置において、両電極液の内の少なくとも
陽極液の少なくとも一部を循環使用するための電極液循
環ラインにフォトレジスト除去装置及び/又は脱泡装置
を備えたラインを含むことを特徴とするフォトレジスト
現像廃液再生処理用電気透析装置を提供するものであ
る。
【0009】先ず、本発明の電気透析装置の処理対象と
することができるフォトレジスト現像廃液について説明
する。現像廃液には、通常、溶解したフォトレジストと
TAAHが含有されている。但し、一般に、廃液(廃
水)は工場によって異なってくるものであり、何が混入
してくるか分からず、また、場合によっては他の廃水と
混合されることがあり得るので、TAAHの水酸化物イ
オンの一部が他種の陰イオンに置換されてテトラアルキ
ルアンモニウム(以下、時に「TAA」と略す)の塩と
なっていることもあり得る。また、空気中の炭酸ガスが
現像廃液に溶け込み、TAAの炭酸塩や炭酸水素塩が部
分的に生じることもある。このような現像廃液は、通常
は、pH値12〜14のアルカリ性を呈しており、現像
廃液に溶解したフォトレジストは、アルカリ性の現像廃
液中でそのカルボキシル基やフェノール性水酸基等の酸
基によりTAAイオンとの塩の形で溶解している。な
お、現像廃液を部分的に中和した後電気透析する場合
は、pH値8以上とする。pH値が8より低いとフォト
レジストの析出が生じ、陽イオン交換膜や陰イオン交換
膜等の電気透析膜上に堆積する虞があるからである。
【0010】現像廃液中のTAAHは、各種電子部品の
製造等の際に使用するフォトレジストの現像液に用いら
れるアルカリであり、例えば、水酸化テトラメチルアン
モニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウ
ム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラ
ブチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニ
ウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム、水酸化ジ
メチルジエチルアンモニウム、水酸化トリメチル(2−
ヒドロキシエチル)アンモニウム(即ち、コリン)、水
酸化トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウ
ム、水酸化ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモ
ニウム、水酸化ジエチルジ(2−ヒドロキシエチル)ア
ンモニウム、水酸化メチルトリ(2−ヒドロキシエチ
ル)アンモニウム、水酸化エチルトリ(2−ヒドロキシ
エチル)アンモニウム、水酸化テトラ(2−ヒドロキシ
エチル)アンモニウム等(特に、前二者及びコリン)を
挙げることができる。
【0011】次に、本発明の電気透析装置の処理対象と
することができるフォトレジスト現像廃液に由来する溶
液について説明する。これは、上記の現像廃液から各種
不純物を除去する各種処理工程を経て得られるTAAH
溶液であるが、多かれ少なかれフォトレジストが含まれ
ている。このような各種処理工程としては、例えば、電
解処理工程(A)(特開平5−17889号公報)、陰
イオン交換体(精製の観点から、陰イオン交換樹脂が好
ましく、OH形であるのが望ましい)及び/又は上記陰
イオン交換体とH形及びTAA形の少なくとも一方の陽
イオン交換樹脂との接触処理により或る程度精製された
TAAH溶液を得るイオン交換処理工程(B)(特開平
10−85741号公報、特願平9−334800
号)、NF膜(ナノフィルトレーション膜)によりTA
AHを主として含む透過水を得るNF膜分離処理工程
(C)(特願平10−10025号)、逆浸透膜処理や
蒸発の少なくとも一つの濃縮工程(D)、フォトレジス
トの大部分を除去する活性炭処理工程(E)(特開昭5
8−30753号公報)、Fe、Al等の一部の金属不
純物を除去するキレート樹脂処理工程(F)(特願平1
0−265581号)等を挙げることができる。これら
の処理工程を複数行う場合は、その順序は任意であり、
例えば、目的に応じて適正な順序を選べばよい。なお、
処理工程(C)に用いられるNF膜は、分画分子量が1
00〜1000の範囲内で、且つ、0.2%(重量/容
積)の塩化ナトリウム水溶液を被処理液として25℃で
分離処理した時の塩化ナトリウムの阻止率(除去率)が
90%以下の特性を有する分離膜であり、NF膜で分離
処理すると、TAAHはNF膜を透過してその殆どが透
過液中に入って来るが、フォトレジストはNF膜を透過
し難く、大部分は濃縮液側に残存して濃縮される。
【0012】また、本発明の電気透析装置の処理対象と
することができるフォトレジスト現像廃液に由来するそ
の他の溶液としては、現像廃液を中和+固液分離工程、
オゾン、過酸化水素又は紫外線照射による有機物分解工
程及び電解による濃縮工程にこの順で供して得られるT
AAH溶液(特開平4−41979号公報、特開平5−
17889号公報、特開平5−106074号公報)、
現像廃液を中和+固液分離工程及び電解による濃縮工程
にこの順で供して得られるTAAH溶液などを挙げるこ
とができる。この場合、中和+固液分離によりフォトレ
ジストの大部分が除去され、中和により生じたTAA塩
は電解によりTAAHに戻る。これらのTAAH含有溶
液を更に上述の処理工程(A)〜(F)に供して得られ
るTAAH溶液などを本発明の電気透析装置の処理対象
とすることもできる。
【0013】電気透析装置は、電極液循環ラインの構成
を除いて一般的に使用されているものを使用でき、これ
に使用されるイオン交換膜としては、陽イオンと陰イオ
ンを選択的に分離できるものであれば特に限定されず、
例えば、アシプレックス〔旭化成工業(株)製〕、セレ
ミオン〔旭硝子(株)製〕、ネオセプタ〔徳山曹達
(株)製〕、イオンクラッドEDSメンブレン〔ポール
(株)製〕、ナフィオン(デュポン社製)等を挙げるこ
とができる。また、イオン交換膜の特性も、一般的なも
のでよい。
【0014】電気透析装置の中枢部の構造は、特に限定
されず、例えば、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜と
を、脱塩される液の流入孔及び流出孔、濃縮される液の
流入孔及び流出孔が設けられているガスケットで適当な
間隔を保って交互に複数積層し、両端を一組の電極で挟
んで多数のセルを両電極室(陽極室と陰極室)並びに脱
塩室と濃縮室として構成すればよい。この様な電気透析
装置の中枢部の構造の一例の概念的概略断面図を図6に
示す。図6において、Kは陽イオン交換膜、Aは陰イオ
ン交換膜、ANは陽極室、CAは陰極室、Cは濃縮室、
Dは脱塩室、CIは濃縮用液(濃縮液)入口、COは濃
縮液出口、DIは試料液(原廃液、脱塩液)入口、DO
は脱塩液出口、ANIは陽極液入口、ANOは陽極液出
口、CAIは陰極液入口、CAOは陰極液出口を表す。
この様な電気透析装置は一回通液方式でもよいが、例え
ば、特開平7−328642号公報に開示されるような
循環方式や多段処理方式を採るのが好都合であり、その
場合、最初の電気透析を受けた後は、試料液は脱塩液で
もあり、濃縮用液は濃縮液でもある。また、電気透析
は、回分式であっても半回分式であっても或いは連続式
であってもよい。
【0015】ここで、陰イオン交換膜の代わりに、耐ア
ルカリ性が陰イオン交換膜より優れるポリビニールアル
コール系等の中性膜を用いてもよい。中性膜はイオン性
官能基の無い単なる高分子膜であるが、これはTAAイ
オンを通すもののその透過性は陽イオン交換膜より低い
ので、両者間の輸率の差を利用してTAAイオンの電気
透析による濃縮を行うことができるのである。但し、中
性膜を陰イオン交換膜の代わりに用いた時は、陰イオン
交換膜の場合に比べて電流効率は悪くなる。
【0016】電気透析装置では、前述のごとく、電極液
は電極室(陽極室と陰極室)での電気抵抗を下げる役目
を果たし、一般に各種の電解質水溶液が脱塩液や濃縮液
とは別に循環利用される。但し、本発明においては、陰
極液は循環せずに陰極室を通液させるだけで、脱塩液又
は濃縮液として扱ってもよい。これは、一般に電極室で
は酸化反応(陽極室で)や還元反応(陰極室で)を伴う
ため電極液の液質が変化し易く、従って、電極液を脱塩
液や濃縮液に戻すことは好ましくないが、本発明に係わ
る電気透析装置においては、陽極室では酸化反応により
フォトレジストやTAAH等の有機物から酸化分解生成
物が生じ易いのに対して、陰極室での還元反応ではフォ
トレジストやTAAH等の有機物が還元分解される虞は
殆どなく、よって陰極液を脱塩液又は濃縮液として扱っ
ても殆ど問題がないからである。
【0017】陽極液と陰極液は、それぞれ別個のライン
を通してもよく(少なくとも陽極液は循環使用)、ま
た、両電極液を合流させて循環使用する様なラインに通
してもよい。また、陽極液と陰極液としては、それぞれ
別個の液(電解質の種類や濃度)を用いてもよく、同一
液を用いてもよい。また、試料液(現像廃液やそれに由
来する溶液)、電気透析で得られる脱塩液や濃縮液の一
部を電極液としてもよい。
【0018】陽極室と陰極室は、各々濃縮室又は脱塩室
のいずれかに相当するようにスタックを組んでもよい
が、電極液中の不純物、特に金属イオン等のイオン成分
が濃縮液中に拡散又は電気的に移動していくのを防止す
るには、両電極室が濃縮室に相当する様にスタックを組
んだ方がよい。但し、片方を濃縮室、他方を脱塩室に相
当する様に構成したり、両方を脱塩室に相当する様に構
成することもできるのは勿論である。陰極液を循環せず
に陰極室を通液させるだけとする場合、即ち、陰極液を
単なる電極液としてだけではなく、濃縮液又は脱塩液と
しても利用する場合、陰極室が濃縮室に相当しても脱塩
室に相当しても、分解生成物等の不純物の拡散の問題に
実質的な差は殆ど無い。また、循環使用する電極液(陽
極液、または、陽極液と陰極液)は、電極室を濃縮室と
する場合はTAAH濃度が循環に伴って上昇するので、
(超)純水を供給する希釈ラインを電極液タンクか循環
ラインに付設し、電極室を脱塩室とする場合はTAAH
濃度が循環に伴って低下するので、TAAH溶液(新
液、廃液又はその処理液)供給ラインを電極液タンクか
循環ラインに付設するのが好都合である。これは電極液
の電気抵抗を可及的に一定に保つのが望ましいからであ
る。
【0019】回収再生現像液の原料となるフォトレジス
ト及び水酸化テトラアルキルアンモニウムを少なくとも
含むフォトレジスト現像廃液又はそれに由来する溶液に
は、多かれ少なかれ不純物としてフォトレジストが含ま
れている。このフォトレジストは電気透析膜(陽イオン
交換膜、陰イオン交換膜、場合によっては後者に代えて
中性膜)を透過し難い物質ではあるが、拡散により又は
電気的に若干量透過し、脱塩液側から濃縮液側及び電極
液側に移動する。濃縮液は定期的又は定常的に電気透析
装置から排出され、そのまま再利用されるか後段の処理
装置に送られるので、フォトレジスト濃度はある一定値
以下の低濃度に留まる。これに対し、電極液、特に陽極
液は、通常循環使用されるためフォトレジスト濃度は徐
々に上昇する。また、電極液として、現像廃液又はそれ
に由来する溶液を用いる場合は、多かれ少なかれ最初か
ら電極液中にフォトレジストが含まれる。フォトレジス
トは界面活性作用を持つので、電極液に一定濃度以上混
入すると、電極液タンクや循環ライン等の中で、電極液
が発泡し易い状態になり、外気(例えば、Nパージガ
ス)や電極反応で生成するガスを容易に取り込む様にな
る。特に電極液は電極反応で発生するガスによって容易
に発泡する。この様に電極液が発泡すると、電極液タン
クに泡が充満し、レベルセンサーの誤作動、泡洩れや、
ガス(パージガス)、排気ラインヘの泡の混入、電
極液ポンプのキャビテーション、電極液圧力の変動等の
問題が生じ装置の安定運転が妨げられる。
【0020】本発明者は、上述の如く発泡の一因は電極
液に混入して来るフォトレジストにあることに想到し、
本発明を完成するに至った。即ち、電気透析装置におい
て、両電極液の内の少なくとも陽極液の少なくとも一部
を循環使用するための電極液循環ラインをフォトレジス
ト除去装置を備えたラインを含むものとすればよい。フ
ォトレジストを実質的に除去又は低濃度に抑えた電極液
は殆ど発泡しないので、電気透析装置が安定的に運転で
きる。本発明の主たる目的は電極液の発泡を抑制するこ
とであり、そのためには電極液中でフォトレジストを一
定濃度以下に保つ程度にフォトレジスト除去装置により
電極液からフォトレジストを除去できればよい。フォト
レジスト除去装置としては、例えば、少なくとも陰イオ
ン交換樹脂を含むイオン交換処理装置や活性炭処理装置
を挙げることができ、これらは単独で使用しても併用し
てもよい。フォトレジストはその分子内の一部に陰イオ
ン性の官能基を有する高分子物質であり、特開平10−
85741号公報に記載の様に陰イオン交換樹脂で除去
できる。また、特開昭58−30753号公報に記載の
様に、活性炭で高分子物質であるフォトレジストを吸着
除去できる。
【0021】上記イオン交換処理装置や活性炭処理装置
等のフォトレジスト除去装置を電極液循環ラインに設け
る場合、上述の様に電極液中でフォトレジストを一定濃
度以下に保つ程度に電極液からフォトレジストを除去で
きればよいのであるから、電極液のフォトレジスト除去
装置への通液は連続的であっても断続的であっても差し
支えない。従って、フォトレジスト除去装置は、循環ラ
インのメインラインに設置しても、分岐ラインに設置し
て常時又は断続的に電極液の一部を通液する様にしても
よく、また、別ラインを設けて該別ラインにフォトレジ
スト除去装置を設置して常時又は断続的に電極液の一部
を通液してメインラインに戻す様にしてもよい。
【0022】上記イオン交換処理装置を電極液循環ライ
ンに設ける場合、陰イオン交換樹脂の使用のみでは、フ
ォトレジストは除去できるもののNa等の陽イオン性不
純物は除去できない。電極液は、長期循環使用に伴って
フォトレジスト以外にNa等の不純物濃度も上昇して劣
化してくるので、これらの不純物をも除去する目的で、
陽イオン交換樹脂を陰イオン交換樹脂と併用するのも好
ましい。この場合、混床式、積層式、又は別床式イオン
交換装置のいずれであってもよい。即ち、陰イオン交換
樹脂と陽イオン交換樹脂の両イオン交換樹脂を用いる場
合は、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂を混合形
(混床式)又は積層充填形(積層式)でカラム中に充填
して用いてもよく、また、陰イオン交換樹脂と陽イオン
交換樹脂とを別カラム中にそれぞれ充填して個別に配置
して用いてもよい(別床式)。後者の場合は、長時間の
運転によって、イオン交換容量が減少したり、劣化した
方のイオン交換樹脂のみを容易に交換することができ、
便利である。積層式や別床式の場合、上流側に陰イオン
交換樹脂、下流側に陽イオン交換樹脂を配置するのが好
ましく、この場合の利点は、陰イオン交換樹脂からは極
微量のアミン類が溶出することが考えられるので、下流
側の陽イオン交換樹脂で、この溶出アミン類を捕捉する
ことができることなどである。
【0023】上記イオン交換処理装置で用いることがで
きる(望ましくはOH形の)陰イオン交換樹脂として
は、処理効率の点で繊維状や粒状等のスチレン系やアク
リル系等の陰イオン交換樹脂が好ましく、あるいは、こ
れらの複数の種類を任意の割合で混合もしくは積層して
用いてもよい。フォトレジスト除去効率の点ではスチレ
ン系陰イオン交換樹脂がより好ましく、また、フォトレ
ジスト除去効率等の点で強塩基性陰イオン交換樹脂が特
に好ましい。
【0024】上記イオン交換処理装置で用いてもよい陽
イオン交換樹脂としては、処理効率の点で繊維状や粒状
等のスチレン系やアクリル系等の陽イオン交換樹脂が好
ましく、また、弱酸性陽イオン交換樹脂でも強酸性陽イ
オン交換樹脂のいずれでも良く、あるいは、これらの複
数の種類を任意の割合で混合もしくは積層して用いても
よい。陽イオン交換樹脂は、通常、H形かNa形で市販
されており、そのままでも用いることができるが、電極
液がTAAH溶液の場合、陽イオン交換樹脂(Na形の
場合はH形とした後)を、その使用に先立って、予めT
AA形とするのが好ましく、これは、陽イオン交換樹脂
に通液する通液初期に、TAAHが陽イオン交換樹脂に
吸着されて、電極液中のその濃度が低下するという現象
の発生を防止することができるためである。但し、完全
なTAA形陽イオン交換樹脂ではなくて、一部H形とな
っているものでも良く、また、H形陽イオン交換樹脂と
TAA形陽イオン交換樹脂を任意の割合で混合もしくは
積層して用いてもよい。
【0025】濃縮液に拡散混入する虞のあるAlやFe
等の不純物の除去を目的として、少なくとも陰イオン交
換樹脂を含むイオン交換樹脂と多価の金属イオン類に対
する選択的吸着性が高いキレート樹脂とを組み合わせ
て、上述の様な混床式、積層式又は別床式で使用しても
よい(特願平10−265581号)。
【0026】また、電極液の発泡を抑える手段として
は、発泡の他の原因である電極液中に取り込まれた気体
(パージガス、電極反応ガス)を除去すればよく、電極
液の全部又は必要充分な一部を脱泡処理しても電気透析
装置の安定運転の目的を達成できる。即ち、電気透析装
置において、両電極液の内の少なくとも陽極液の少なく
とも一部を循環使用するための電極液循環ラインを脱泡
装置を備えたラインを含むものとすればよい。脱泡装置
としては、脱気や脱泡が行える限りにおいてどのような
装置を用いてもよいが、例えば、膜脱気装置、真空脱気
装置、加熱脱気装置等を挙げることができる。特に膜脱
気装置がコンパクトで連続処理が行い易いので好まし
い。膜脱気装置や真空脱気装置で電極液の全部又は一部
を脱気処理する場合は、脱泡が目的なので真空度をさほ
ど高くする必要はない。膜脱気装置の脱気膜の種類とし
ては特に限定されるものではなく、一般に市販されてい
るものでよい。電極液が高pH値である時は、現像液用
の脱気膜として販売されている様な耐アルカリ性を有す
る脱気膜のモジュールを膜脱気装置に用いるのが好まし
い。脱泡装置による電極液の脱泡処理のみでは、不純物
(フォトレジスト、Na等)は除去できないので、長期
間の循環使用で電極液中の不純物量も増加し、その一部
がイオン交換膜を透過して回収濃縮液を汚染する問題が
生じるので、フォトレジスト除去装置、特に陰イオン交
換樹脂を少なくとも含むイオン交換処理装置を脱泡装置
と併用するのも好ましい。電極液中には少なくとも電極
反応で発生するガスが入って来るのは不可避なので、逆
にフォトレジスト除去装置のみでは発泡の抑制が不完全
な場合もあり、その意味で脱泡装置を併用するのが好都
合な場合もある。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しつつ説明するが、本発明がこれ
らに限定されるもので無いことは言うまでもない。
【0028】図1は、本発明の電気透析装置の一例の概
略フロー図で、電極液としての陽極液及び陰極液の両方
をそれぞれ別個の電極液循環ラインを通して循環使用す
る場合の一例を簡単に説明するものである。図1で、1
は電気透析を行う濃縮室と脱塩室のスタック部分、2は
陽極室、3は陰極室、4と6はフォトレジスト除去装置
及び/又は脱泡装置、5は陽極液タンク、7は陰極液タ
ンク、Pはポンプを表し、電極液循環ラインを除いてそ
の他の構成要素の図示は省略されている。図1では、フ
ォトレジスト除去装置及び/又は脱泡装置4、6は電極
液循環ラインのメインラインに設けられている。フォト
レジスト除去装置の場合は、電極液が発泡しない程度に
電極液のフォトレジスト濃度を低く維持すれば充分なの
で、図3や図2のイオン交換処理装置IEの様に分岐ラ
インやメインラインとは別ラインに設けてもよく、ま
た、設置箇所は電極液タンク5、7の前段(即ち、陽極
室2又は陰極室3の電極液出口から電極液タンク5又は
7に至るラインの間)でも後段(即ち、電極液タンク
5、7から陽極室2、陰極室3の電極液入口に至るライ
ンの間)でもよい。脱泡装置の場合は、その設置箇所が
電極液タンク5、7の前段であるのが好ましいことは、
その脱泡作用から当然のことである。
【0029】図2は、本発明の電気透析装置の他の一例
の概略フロー図で、電極液としての陽極液及び陰極液を
合流させて電極液循環ラインを通して循環使用する場合
の一例を簡単に説明するものである。図2で、1は電気
透析を行う濃縮室と脱塩室のスタック部分、2は陽極
室、3は陰極室、8は合流電極液タンク、MDは膜脱気
装置、IEは少なくとも陰イオン交換樹脂を含むイオン
交換装置、Pはポンプを表し、電極液循環ラインを除い
てその他の構成要素の図示は省略されている。図2で
は、膜脱気装置MDは電極液循環ラインのメインライン
に設けられている。少なくとも陰イオン交換樹脂を含む
イオン交換処理装置IEはメインラインとは別ラインに
設けられているが、膜脱気装置MDと直列にその前段又
は後段のメインラインに設けてもよく、また、図3に示
す様に分岐ラインに設けてもよい。膜脱気装置MDの代
わりに真空脱気装置等の他の脱泡装置を用いたり、イオ
ン交換装置の代わりに活性炭処理装置等のフォトレジス
ト除去装置を用いることができるのは既述の通りであ
る。
【0030】図3は、本発明の電気透析装置の更に他の
一例の概略フロー図で、電極液としての陽極液のみを電
極液循環ラインを通して循環使用する場合の一例を簡単
に説明するものである。図3で、1は電気透析を行う濃
縮室と脱塩室のスタック部分、2は陽極室、5は陽極液
タンク、IEは少なくとも陰イオン交換樹脂を含むイオ
ン交換装置、Vは弁、Pはポンプを表し、電極液循環ラ
インを除いてその他の構成要素の図示は省略されてい
る。図3では、陰極室は電気透析を行う濃縮室と脱塩室
のスタック部分の一部として組み込まれており、濃縮室
又は脱塩室として作用する。少なくとも陰イオン交換樹
脂を含むイオン交換装置IEは、分岐ラインに設けられ
ており、陽極液は弁Vにより連続的又は間欠的にイオン
交換装置IEに送られ、陽極液が発泡しない程度に陽極
液のフォトレジスト濃度を低く維持する。この場合は、
陽極液の全量をイオン交換装置IEに通液しないので、
イオン交換装置IEを小型化できる。イオン交換装置の
代わりに活性炭処理装置等のフォトレジスト除去装置を
用いることができるのは既述の通りである。
【0031】図4は、図1〜3の電気透析装置において
採用してもよい電極液タンク廻りの構成の一例を示す概
略図であり、電極液としてTAAH溶液を用いる場合で
ある。図4で、LSはレベルセンサー、9は導電率計、
V1とV2は弁、Pはポンプを表す。電極室が濃縮室に
相当する場合は、電極液のTAAH濃度が電極液循環使
用に伴って上昇するので、電極液の電気抵抗を可及的に
一定に保つために(超)純水を電極液に添加する。一
方、電極室が脱塩室に相当する場合は、電極液のTAA
H濃度が電極液循環使用に伴って低下するので、電極液
の電気抵抗を可及的に一定に保つためにTAAH溶液
(新液、廃液又はその処理液)を電極液に添加する。導
電率計9からの信号により弁V1の開度を自動制御する
様にするのが好ましい。レベルセンサーLSは電極液タ
ンクの液面の高さを監視する。必要に応じて弁V2を開
いて電極液の一部をブローしたり、弁V1を開いて
(超)純水及び/又はTAAH溶液を入れることで電極
液タンクの液面の高さを許容範囲内に調節する。レベル
センサーLSからの信号により弁V1又は弁V2の開度
を自動制御する様にするのが好ましい。なお、弁V1、
及び、ブローラインと弁V2は電極液循環ラインの他の
箇所に設けてもよい。また、必要に応じて電極液タンク
に窒素ガス等のパージガスを導入するラインを設け、電
極液タンクには排気口又は排気ラインを設ける。
【0032】本発明で脱泡装置として好ましく用いるこ
とができる膜脱気装置としては、電極液の脱気脱泡がで
きるものであれば、いかなるタイプのものでもよいが、
その構成の理解を容易にするための一例を図5に示す。
【0033】図5の膜脱気装置においては、減圧ライン
接続口15及び真空計16を備えた外筒10の中に脱気
膜としての多数の多孔質中空糸膜11が収納されてい
る。この多孔質中空糸膜11は、外筒10内に注封材
(ポッティング材)12によりその両端部分を固定され
ている。
【0034】減圧ライン接続口15を介して外筒10内
を減圧しつつ、原水入口13から電極液を膜脱気装置中
に流入させると、多孔質中空糸膜11中を電極液が通過
する過程において、多孔質中空糸膜11の内側から外側
に向けて電極液から気泡が抜き出され、脱気脱泡された
電極液は処理水出口14から流出される。なお、電極液
を多孔質中空糸膜の外側に通し、気泡を多孔質中空糸膜
の内側に抜き出すような膜脱気装置の構成とすることも
できることは勿論で、この構成は電極液の送液中の圧力
損失が問題となる時は有利である。
【0035】脱気膜の形態としては、上記の中空糸膜の
形態以外に、例えば、シート状膜を巻いて形成したスパ
イラル状膜の形態のものを使用することもできる。脱気
膜の構造としては、膜の両面間を連通する孔を有する多
孔質膜構造、かかる連通孔が無い均質膜構造、多孔質膜
の片表面にかかる連通孔が無いスキン層を有する非対称
膜構造などを挙げることができる。電極液と脱気膜の濡
れ性が高く、電極液が脱気膜を通して漏出する場合に
は、均質膜構造や非対称膜構造が好ましい。
【0036】かかる脱気膜の材料面からは、均質シリコ
ーンゴム膜等のシリコーン系膜、多孔質ポリ弗化ビニリ
デン膜、多孔質PTFE膜〔例えば、ゴア社(米)製の
商品名「ゴアテックス」〕等の弗素樹脂系膜、多孔質P
E膜、多孔質PP膜、均質ポリ−4−メチルペンテン−
1膜等のポリオレフィン系膜、その他のポリエステル
系、ポリアミド系、ポリスチレン系、ポリエーテル系、
ポリチオエーテル系等の樹脂膜、更には複合膜(例え
ば、ポリスルフォンをベースとしてその上にシリコンコ
ーティングしたもの)等を挙げることができるが、本発
明では通常アルカリ性の電極液を脱気脱泡するので、脱
気膜の寿命の観点からは弗素樹脂系膜やポリオレフィン
系膜が好ましい。
【0037】脱気膜モジュールの具体例としては、大日
本インキ化学工業(株)製のSEPAREL、セルガー
ド(株)製のLiqui−Cell Extra−Flow 、永柳工業
(株)製のNAGASEP等を挙げることができる。ま
た、脱気膜モジュールを汚染等から保護するために、膜
脱気装置の上流側に保安フィルターを設けるのが好まし
い場合もある。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明がこれらの実施例に限定されるもので無い
ことは言うまでもない。なお、以下の実施例で、TMA
H濃度はイオンクロマト分析法、フォトレジスト由来の
TOC濃度は紫外可視光吸光光度計を用い290nmで
の吸光度を測定する吸光光度分析法、Na濃度は原子吸
光光度法で測定した。
【0039】或るLCD製造工場から排出される現像廃
液を試料液として、陽イオン交換膜アシプレツクスK−
501〔旭化成工業(株)製〕、陰イオン交換膜の代わ
りに中性膜アシプレックスPVA#100〔旭化成工業
(株)製〕を交互に配して両電極室を濃縮室に相当する
様に構成した5mの有効膜面積(0.1m×50対
の膜)を有するスタックを配置した電気透析装置によっ
て、超純水(濃縮用液)中にTMAHの分離、濃縮、回
収を行う循環方式のバッチ式連続運転により、TMAH
回収率80%で2.4%(重量%、以下同様)TMAH
濃縮液(回収液)を得た。現像廃液の性状は、TMAH
濃度0.75%、フォトレジスト由来のTOC濃度28
0ppm、Na濃度10ppb以下であった。
【0040】実施例1 運転初期に新品の2.4%TMAH溶液15リットル
(フォトレジスト由来のTOC濃度0ppm)を電極液
として用意し、陽極室と陰極室の両方に循環供給しなが
ら電極液の一部を分岐して2リットルの陰イオン交換樹
脂アンバーライトIRA−900(ローム・アンド・ハ
ース社製、OH形)を充填したカラムに空間速度SV=
5で通液し、その処理液を合流電極液タンクに戻して循
環使用し、10日間連続運転を行った。
【0041】運転期間中、電極液のフォトレジスト由来
のTOC濃度は3ppm以下であり、装置の運転上問題
となる発泡無しに安定した運転が行えた。また10日間
運転後の電極液Na濃度は50ppbであった。
【0042】実施例2 運転初期に新品の2.4%TMAH溶液15リットル
(フォトレジスト由来のTOC濃度0ppm)を電極液
として用意し、陽極室と陰極室の両方に循環供給しなが
ら電極液の一部を分岐して1.5リットルの陰イオン交
換樹脂アンバーライトIRA−900(ローム・アンド
・ハース社製、OH形)と0.5リットルの前もって新
品TMAH水溶液と接触させることによりTMA形(テ
トラメチルアンモニウムイオン形)とした陽イオン交換
樹脂アンバーライト200C(ローム・アンド・ハース
社製)との混合樹脂2リットルを充填した混床式カラム
に空間速度SV=5で通液し、その処理液を合流電極液
タンクに戻して循環使用し、10日間連続運転を行っ
た。
【0043】運転期間中、電極液のフォトレジスト由来
のTOC濃度は3ppm以下であり、装置の運転上問題
となる発泡無しに安定した運転が行えた。また10日間
運転後の電極液のNa濃度は10ppb以下であった。
【0044】実施例3 運転初期に新品の2.4%TMAH溶液15リットル
(フォトレジスト由来のTOC濃度0ppm)を電極液
として用意し、陽極室と陰極室の両方に循環供給し、そ
の循環ライン上(電気透析装置のスタックの2次側)に
中空糸形の脱気膜モジュールを有する膜脱気装置を配置
し、中空糸の内側に電極液を通水し、外側の真空度を1
00Torrにして脱泡処理を行った処理液を、合流電
極液タンクに戻して循環使用し、10日間連続運転を行
った。
【0045】運転期間中、電極液のフォトレジスト由来
のTOC濃度は除々に上昇を続け10日後には80pp
mとなったが、装置の運転上問題となる程度の発泡は無
く安定した運転が行えた。また10日間運転後の電極液
Na濃度は60ppbであった。
【0046】比較例1 運転初期に新品の2.4%TMAH溶液15リットル
(フォトレジスト由来のTOC濃度0ppm)を電極液
として用意し、陽極室と陰極室の両方に供給し、その全
てを合流電極液タンクに戻して循環使用し連続運転を行
った。
【0047】電極液のフォトレジスト由来のTOC濃度
は除々に上昇を続け電極液が発泡し始め、5日後に電極
液タンク内に泡が充満し、装置の安定運転が不可能とな
り、装置運転を停止した。停止時の電極液のフォトレジ
スト由来のTOC濃度は40ppm、Na濃度は20p
pbであった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、電極液としての陽極液
又は陽極液と陰極液を循環使用する電気透析装置におい
て、電極液循環ラインにフォトレジスト除去装置及び/
又は脱泡装置を組み込むことにより、電極液タンクや循
環ライン等の中で、電極液が外気(例えば、N等のパ
ージガス)や電極反応で生成するガスを取り込み発泡す
る現象の発生を実質的に抑制し、電極液の発泡に起因す
る種々のトラブルを防ぎ、電気透析装置の安定運転を可
能とする。また、フォトレジスト除去装置として陰イオ
ン交換樹脂と陽イオン交換樹脂を併用したイオン交換処
理装置を用いれば、電極液におけるNa等の不純物の濃
度の上昇を抑制することができ、電極液の劣化を最小限
にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の電気透析装置の一例の概略フ
ロー図である。
【図2】図2は、本発明の電気透析装置の他の一例の概
略フロー図である。
【図3】図3は、本発明の電気透析装置の更に他の一例
の概略フロー図である。
【図4】図4は、図1〜3の電気透析装置において採用
してもよい電極液タンク廻りの構成の一例を示す概略図
である。
【図5】図5は、本発明の装置に好ましく用いることが
できる膜脱気装置の一例の概念的概略断面図である。
【図6】図6は、電気透析装置の中枢部の構造の一例の
概念的概略断面図である。
【符号の説明】
1 電気透析を行う濃縮室と脱塩室のスタック部分 2 陽極室 3 陰極室 4、6 フォトレジスト除去装置及び/又は脱泡装置 5 陽極液タンク 7 陰極液タンク 8 合流電極液タンク 9 電導率計 MD 膜脱気装置 IE 少なくとも陰イオン交換樹脂を含むイオン交換装
置 10 外筒 11 脱気膜(多孔質中空糸膜) 12 注封材(ポッティング材) 13 原水入口 14 処理水出口 15 減圧ライン接続口 16 真空計 K 陽イオン交換膜 A 陰イオン交換膜 C 濃縮室 D 脱塩室 AN 陽極室 CA 陰極室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/42 C02F 1/42 A 1/469 G03F 7/30 501 // G03F 7/30 501 C02F 1/46 103 Fターム(参考) 2H096 AA25 AA26 GA09 LA25 4D006 GA17 GA32 HA02 HA18 HA47 HA49 JA41A JA51A JA55A KA16 KA62 KB11 KB12 KD19 KE08P KE12P KE13P MA01 MA03 MA13 MA14 MA25 MC22 MC28 PA04 PA10 PB08 PB12 PB20 PB70 PC01 4D011 AA17 AD03 4D025 AA09 AB02 AB18 AB38 BA09 BA10 BA11 BA14 BA16 BA17 BA22 BA25 BB03 BB04 BB07 BB09 CA05 CA06 DA01 DA05 DA06 4D061 DA08 DB18 EA09 EB02 EB13 EB19 EB37 FA03 FA06 FA08 FA09 GA06 GA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトレジスト及び水酸化テトラアルキ
    ルアンモニウムを少なくとも含むフォトレジスト現像廃
    液又はそれに由来する溶液から再生現像液を回収するた
    めの再生処理工程において用いる電気透析装置におい
    て、両電極液の内の少なくとも陽極液の少なくとも一部
    を循環使用するための電極液循環ラインにフォトレジス
    ト除去装置及び/又は脱泡装置を備えたラインを含むこ
    とを特徴とするフォトレジスト現像廃液再生処理用電気
    透析装置。
  2. 【請求項2】 前記フォトレジスト除去装置が、少なく
    とも陰イオン交換樹脂を含むイオン交換処理装置である
    ことを特徴とする請求項1に記載のフォトレジスト現像
    廃液再生処理用電気透析装置。
  3. 【請求項3】 前記イオン交換処理装置が、陰イオン交
    換樹脂及び陽イオン交換樹脂を含む混床式、積層式又は
    別床式のイオン交換処理装置であることを特徴とする請
    求項2に記載のフォトレジスト現像廃液再生処理用電気
    透析装置。
  4. 【請求項4】 前記脱泡装置が、膜脱気装置であること
    を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフォト
    レジスト現像廃液再生処理用電気透析装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006066345A1 (en) * 2004-12-23 2006-06-29 The Australian National University Increased conductivity and enhanced electrolytic and electrochemical processes

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