JP2001017965A - フォトレジスト現像廃液の処理方法 - Google Patents

フォトレジスト現像廃液の処理方法

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JP2001017965A
JP2001017965A JP11196626A JP19662699A JP2001017965A JP 2001017965 A JP2001017965 A JP 2001017965A JP 11196626 A JP11196626 A JP 11196626A JP 19662699 A JP19662699 A JP 19662699A JP 2001017965 A JP2001017965 A JP 2001017965A
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taah
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filtration membrane
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Hiroshi Sugawara
広 菅原
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Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトレジスト及び水酸化テトラアルキルア
ンモニウム(TAAH)を少なくとも含む現像廃液の従
来の再生処理方法では充分に除去できなかったNa、F
e、Al等の一部の微量不純物を簡単で安価な方法で除
去することのできるフオトレジスト現像廃液の処理方法
を提供する。 【解決手段】 フォトレジスト現像廃液の再生処理過程
において、フォトレジスト及びTAAHを少なくとも含
む現像廃液又は該現像廃液に由来するTAAH含有溶液
をキレート形成基、陰イオン交換基又は陽イオン交換基
を有する多孔性濾過膜で処理する工程を行うことによ
り、Na、Fe、Al等の一部の微量不純物を簡単で安
価に且つ効果的に除去する。例えば、NF膜(ナノフィ
ルトレーション膜)分離処理、電気透析及び/又は電
解、イオン交換処理等の精製処理工程と上記多孔性濾過
膜での処理工程とを組み合わせれば、高純度に精製され
たTAAH溶液を得ることができ、再生アルカリ現像液
として電子部品製造工程等に再利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス
(LSI、VLSI等)、液晶ディスプレイ(LC
D)、プリント基板等の電子部品の製造工程等で発生す
るフォトレジスト及び水酸化テトラアルキルアンモニウ
ム(テトラアルキルアンモニウムヒドロオキシドで、以
下、時に「TAAH」と略す)を少なくとも含むフォト
レジスト現像廃液の処理方法に関し、特にその再生処理
過程において、Na、Fe、Al等の一部の微量不純物
を除去するための工程を含むフォトレジスト現像廃液の
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI、VLSI、LCD、プリント基
板等の電子部品等の製造過程には、フォトリソグラフィ
ー工程が含まれる。この工程では、ウェハやガラス基板
等の基板上にフォトレジストの皮膜を形成し、その所定
部分に光等を照射し、次いで現像液により不要のフォト
レジストを溶解・現像して微細なパターンを形成し、更
にエッチング等の処理を行った後、基板上の不溶性のフ
ォトレジスト膜を剥離する。フォトレジストは、露光部
分が現像液に可溶性となるポジ型と露光部分が現像液に
不溶性となるネガ型がある。LSI、VLSI、LCD
等の電子部品等の製造分野ではポジ型フォトレジストが
主に使用され、その現像液はアルカリ現像液である。こ
のアルカリ現像液としては、通常、有機アルカリである
水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、時に「TMA
H」と略す)や水酸化トリメチル(2−ヒドロキシエチ
ル)アンモニウム(即ち、コリン)等のTAAHの水溶
液が使用されている。なお、ネガ型フォトレジストの現
像液としては有機溶剤系現像液が主流であるが、アルカ
リ現像液を用いるものもある。
【0003】従って、TAAH水溶液をアルカリ現像液
として用いる現像工程から排出される廃液(「フォトレ
ジスト現像廃液」と言い、時に「現像廃液」と略称す
る)には、通常、溶解したフォトレジストとTAAHが
含有されている。但し、一般に、廃液(廃水)は工場に
よって異なってくるものであり、何が混入してくるか分
からず、また、場合によっては他の廃水と混合されるこ
とがあり得るので、TAAHの水酸化物イオンの少量が
他種の陰イオンに置換されてテラアルキルアンモニウム
(以下、時に「TAA」と略す)の塩となっていること
もあり得るが、このような現像廃液がTAAHを含むこ
とには変わりがない。
【0004】従来、かかるフォトレジスト及びTAAH
を含有するフォトレジスト現像廃液を処理する方法に
は、全量業者引取する方法、蒸発法や逆浸透膜法により
濃縮し廃棄処分(焼却又は業者引取)する方法、活性汚
泥により生物分解処理し放流する方法がある。蒸発法や
逆浸透膜法により濃縮する方法は、アルカリ可溶性のフ
ォトレジストとTAAHが共に濃縮されるため、処理後
の廃液は廃棄処分せざるを得ない。活性汚泥により生物
分解処理する方法は、TAAHの生物分解性が悪く、ま
た、他の有機物成分が廃液に混在している場合は、該他
の有機物成分を分解する微生物の方の増殖が活発とな
り、TAAHを分解する微生物の増殖が不活発となるの
で更にその生物分解性が悪くなるため、低濃度の廃液の
場合しか処理できず、大規模な処理施設が必要となる。
【0005】従来法の上述の様な欠点に鑑み、また、T
AAHは環境に有害で比較的高価な薬品であり使用量も
多く、公害対策や資源の有効活用等の観点から、上記の
様にして得た濃縮廃液或いは元々TAAH濃度の高い濃
厚現像廃液については、電気透析法や電解法によりTA
AHを濃縮回収したり、また、イオン交換樹脂により精
製して再利用するといった試みがなされている(特開平
7−328642号公報、特開平5−17889号公
報、特開平10−85741号公報等)。しかし、これ
らの方法では、Na、Fe、Al等の一部の微量不純物
の除去が不充分であった。例えば、電気透析単独ではフ
ォトレジストが残留したり、Na、Fe、Al等のイオ
ン性不純物が充分には除去できず、イオン交換樹脂によ
り精製する方法や電気透析とイオン交換樹脂処理を組み
合わせた方法では、陰イオン交換樹脂でフォトレジスト
を、陽イオン交換樹脂でNaイオン等の陽イオン成分を
除去でき、主たる不純物の除去は可能であるが、それで
もFe、Al等の一部の微量不純物の除去が不充分であ
った。近年の半導体デバイスの高集積度化などに伴い、
再生現像液を半導体デバイス製造工程等に再利用した場
合、これらの一部の微量不純物が及ぼす製品への影響が
問題視されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、フ
ォトレジスト現像廃液の再生処理過程において、Na、
Fe、Al等の一部の微量不純物を簡単で安価な方法で
除去して、最終的にTAAH含有再生現像液を高純度化
できるフオトレジスト現像廃液の処理方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、フォトレジス
ト現像廃液の再生処理過程において、フォトレジスト及
び水酸化テトラアルキルアンモニウムを少なくとも含む
フォトレジスト現像廃液又は該フォトレジスト現像廃液
に由来する水酸化テトラアルキルアンモニウム含有溶液
を、キレート形成基を有する多孔性濾過膜、陰イオン交
換基を有する多孔性濾過膜及び陽イオン交換基を有する
多孔性濾過膜からなる群から選ばれる少なくとも一種の
イオン交換基を有する多孔性濾過膜で処理する工程
(A)を含むことを特徴とするフォトレジスト現像廃液
の処理方法を提供するものである。なお、キレート形成
基は、金属イオンとキレートを形成する機能を持った官
能基であるが、イオン交換を伴ってキレートを形成する
のであるから、本明細書ではキレート形成基もイオン交
換基の一種と考える。
【0008】Na、Fe、Al等を除去する方法とし
て、キレート樹脂やナノフィルトレーション膜(nanofi
ltration membrane 、NF膜)を使用する方法を本出願
人は先に提案した(特願平10−265581号、特願
平10−10025号)。キレート樹脂を使用する場合
は、後段にキレート樹脂に由来する微粒子の除去のため
のフィルターが必要となり、NF膜使用の場合は、N
a、Fe、Al等の一部の微量不純物の除去が不充分
で、運転濾過圧も高い。しかし、キレート樹脂処理及び
/又はNF膜処理の工程と本発明による工程(A)とを
併用することもでき、その場合は前者の工程により本発
明で用いるイオン交換基を有する多孔性濾過膜に対する
負荷を低減できる。
【0009】フォトレジスト及びTAAHを少なくとも
含む現像廃液は、通常は、pH値12〜14のアルカリ
性を呈しており、フォトレジストはアルカリ性現像廃液
中ではそのカルボキシル基やフェノール性水酸基等の酸
基によりTAAイオンとの塩の形で溶解している。本発
明は、かかるアルカリ性の現像廃液にもそのまま適用す
ることもできる。
【0010】フォトレジスト現像廃液中の水酸化テトラ
アルキルアンモニウム(TAAH)は、各種電子部品の
製造等の際に使用するフォトレジストの現像液に用いら
れるアルカリであり、例えば、水酸化テトラメチルアン
モニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウ
ム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラ
ブチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニ
ウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム、水酸化ジ
メチルジエチルアンモニウム、水酸化トリメチル(2−
ヒドロキシエチル)アンモニウム(即ち、コリン)、水
酸化トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウ
ム、水酸化ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモ
ニウム、水酸化ジエチルジ(2−ヒドロキシエチル)ア
ンモニウム、水酸化メチルトリ(2−ヒドロキシエチ
ル)アンモニウム、水酸化エチルトリ(2−ヒドロキシ
エチル)アンモニウム、水酸化テトラ(2−ヒドロキシ
エチル)アンモニウム等(特に、前二者とコリン)を挙
げることができる。
【0011】前述したように、現像廃液中のTAAHの
水酸化物イオンの少量が他種の陰イオンに置換されてT
AA塩となっていることもあり得る。かかる他種の陰イ
オンとしては、工場によって異なるが、例えば、弗化物
イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、炭酸イオン、炭
酸水素イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオ
ン、燐酸イオン、燐酸水素イオン、燐酸二水素イオン等
の無機陰イオン、及び、蟻酸イオン、酢酸イオン、蓚酸
イオン等の有機陰イオンを挙げることができる。炭酸イ
オン、炭酸水素イオンは、空気中の炭酸ガスが現像廃液
中に溶け込んで少量存在することが多い。これらの陰イ
オン類は、工程(A)でも或る程度除去できるし、ま
た、陰イオン交換樹脂等のイオン交換体を用いたイオン
交換処理を行っても或る程度除去できる。また、得られ
るTAAHの溶液をフォトレジストアルカリ現像液とし
て再利用するに支障を生じる程、水酸化物イオン以外の
陰イオンの量が多い場合は、例えば、工程(A)の前処
理工程として少なくとも電解の工程を本発明の方法に含
めれば良い。これは、後述する様な電解により得られる
濃縮液では、水酸化物イオンが通常はTAAイオンの対
イオンとなるからである。
【0012】本発明において用いるイオン交換基を有す
る多孔性濾過膜の形状は、平膜状、プリーツ状、中空糸
状、スパイラル状、チューブラー状、米国特許第484
2739号に開示される様な一種の蛇腹状(しぼ付けさ
れた半径方向プリーツ状パターンを有するディスク状層
の入れ子配列体)等の何れの形状でも良く、モジュール
の形態で用いるのが好ましい。多孔性濾過膜のイオン交
換基は、キレート形成基、陰イオン交換基又は陽イオン
交換基であるが、多孔性濾過膜で処理する現像廃液又は
それに由来するTAAH含有溶液の不純物の種類や性状
に応じて、キレート形成基、陰イオン交換基、陽イオン
交換基から選び、適当なイオン交換基を有する多孔性濾
過膜を適宜に選択して使用すればよい。下記の実施例で
示す様に、キレート形成基を有する多孔性濾過膜では、
Fe、Al等の多価金属イオンは勿論、Na等の1価金
属イオンも除去できる。陰イオン交換基を有する多孔性
濾過膜では、フォトレジストの他、Feや僅かながらA
lを除去できる。陽イオン交換膜を有する多孔性濾過膜
では、僅かながらNaを除去できる。これらのイオン交
換基を有する多孔性濾過膜は単独で使用しても、直列に
又は1モジュール内でそれらの複数種を併用しても良
い。イオン交換基を有する多孔性濾過膜で現像廃液又は
それに由来するTAAH含有溶液を処理する方式は、全
量濾過方式で通液してもよいし、クロスフロー方式で通
液してもよい。このようにイオン吸着膜として作用する
イオン交換基を有する多孔性濾過膜は、酸やアルカリ等
の薬剤液で再生することで何度も使用でき、該薬剤液の
使用量が少なくて済み、完全な再生処理もできる。得ら
れる再生現像液を汚染しない様に、イオン交換基がH
形、OH形、TAA形の多孔性濾過膜を使用するのが通
常である。
【0013】本発明において用いるイオン交換基を有す
る多孔性濾過膜は、濾過機能とイオン吸着機能とが適切
に作用することが重要で、その表面及び内部の細孔の表
面部分の少なくとも一部分にイオン交換基を有してお
り、現像廃液又はそれに由来するTAAH含有溶液中の
不純物は多孔性濾過膜のイオン交換基に吸着され、その
透過液は不純物が除去されたものとなる。イオン交換基
を有する多孔性濾過膜は、一般に、延伸法や電子線照射
後化学処理による直孔貫通型の孔やミクロ相分離法や混
合抽出法などにより形成される三次元網目構造の孔を有
する多孔性膜を基材膜とし、平均孔径が0.001〜5
μm、好ましくは0.01〜2μmで、空孔率が20〜
90%、好ましくは20〜80%で、肉厚が0.001
〜5mm、好ましくは0.01〜2mmで、膜1gあた
り0.1〜10ミリ当量、好ましくは0.2〜10ミリ
当量のイオン交換基を有するものであるが(例えば、特
開昭62−258711号公報、特開平3−68425
号公報、特開平3−94883号公報、特開平5−45
351号公報、特開平7−41574号公報、特開平8
−89954号公報参照)、本発明の目的を達成できる
限り必ずしもこれらに限定されない。キレート形成基と
しては、例えば、イミノジ酢酸基、メルカプト基、エチ
レンジアミン基などが好ましい。陰イオン交換基は、基
本的には4級アミンを有する基であるが、4級アミンに
限定されず、例えば、水酸化トリメチルアンモニウム
基、水酸化ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム基、
ジメチルアミン基、また、ピリジン系やイミダゾール系
等の複素環の窒素原子を4級化したものなどが好まし
い。陽イオン交換基としては、例えば、スルホン酸基、
カルボキシル基、燐酸基などが好ましい。基材膜の素材
は、PP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)等の
ポリオレフィン類、オレフィン−ハロゲン化オレフィン
共重合体類、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
等のハロゲン化ポリオレフィン類、セルロースアセテー
ト類、ポリスルホン類、ポリアミド類等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。このような基材
膜に必要に応じてグラフト鎖を介して上記の様なイオン
交換基を導入したものが、本発明において用いるイオン
交換基を有する多孔性濾過膜である(上記特許出願公開
公報参照)。
【0014】TMAH等のTAAHを含む現像廃液又は
それに由来するTAAH含有溶液は、pHが12以上
で、通常pH13〜14のアルカリ性であるため、F
e、Al等の金属類は、金属イオン単体やHOが配位
したアクア錯体としてだけではなく、OHが配位した
ヒドロキソ錯体(又はヒドロキソ酸)やO2−が配位し
たオキソ錯体(又はオキソ酸)及びこれらの錯体同士が
O原子(又はOイオン)を介して結合したジオキソ錯体
(又はジオキソ酸)やポリオキソ錯体(又はポリオキソ
酸)などの様々な形態の平衡状態で存在すると考えられ
る。従って、陰イオン交換基を有する多孔性濾過膜でも
Feや僅かではあるがAlが除去でき、フォトレジスト
も陰イオンとして存在するので除去できる。キレート形
成基を有する多孔性濾過膜は、キレート形成効果によ
り、Fe、Alを効果的に吸着し、Naも一部除去でき
る。陽イオン交換基を有する多孔性濾過膜は、テトラメ
チルアンモニウムイオン(TMA)等のテトラアルキ
ルアンモニウムイオン(TAA)を高濃度に含む現像
廃液やそれに由来するTAAH溶液では、効果的に働か
ないが、僅かながらNa等の金属イオンの除去は可能で
ある。この様な点と共に現像廃液やそれに由来するTA
AH含有溶液の性状を考慮して、キレート形成基を有す
る多孔性濾過膜、陰イオン交換基を有する多孔性濾過膜
及び陽イオン交換基を有する多孔性濾過膜から適当な一
種を選び使用するか、必要に応じて2種以上を選んで併
用する。キレート形成基を有する多孔性濾過膜がFe、
Alを効果的に除去できる点で特に好ましい。
【0015】また、イオン交換基を有する多孔性濾過膜
は微粒子も捕捉する。従って、微粒子を多く含む現像廃
液やそれに由来するTAAH含有溶液を処理すると、イ
オン交換基がイオン吸着容量を使い切って飽和される前
に通水差圧が上昇して使えなくなることもあるので、こ
の多孔性濾過膜の前段(好ましくは直前)に微粒子除去
のための濾過膜(保安フィルター)を配置するのが好ま
しい。微粒子除去のための濾過膜のとしては、孔径0.
03μm以上の市販の精密濾過膜が好適であるが、孔径
0.03μm以下の限外濾過膜を使用しても良い。ま
た、TMAH等のTAAHが強アルカリであるので、耐
アルカリ性を有するPTFE、PP、PE等の素材の濾
過膜が好ましいが、他の素材でも濾過膜の寿命等との関
係で、コスト的に見合えば差支え無い。
【0016】このように、本発明に従って、イオン交換
基を有する多孔性濾過膜を使用することで、現像廃液や
それに由来するTAAH含有溶液中のイオン性不純物及
び微粒子を除去できるので、イオン交換樹脂処理やNF
膜処理無しに、回収TAAH溶液を高純度化することも
可能となる。従って、本発明においては、フォトレジス
ト及びTAAHを少なくとも含む現像廃液を、直接、イ
オン交換基を有する多孔性濾過膜で処理する工程に供し
てもよい。しかし、高純度再生現像液を得る上で各種の
前処理工程を経て得られる現像廃液に由来するTAAH
含有溶液をイオン交換基を有する多孔性濾過膜で処理す
る工程に供するのが好ましい。
【0017】前処理工程を経て得られる現像廃液に由来
するTAAH含有溶液としては、現像廃液に対して、逆
浸透膜処理、蒸発、電気透析及び電解の少なくとも一つ
の濃縮方法で処理する濃縮処理工程(a)(特開平7−
328642号公報、特開平5−17889号公報)、
NF膜によりTAAHを主として含む透過水を得るNF
膜分離処理工程(b)(特願平10−10025号)、
および、イオン交換体と接触させて或る程度の不純物を
吸着除去して精製液を得るイオン交換処理工程(c)
(特開平10−85741号公報、特願平10−265
581号)から選ばれる少なくとも一つの前処理工程を
行って得られる処理液であるのが好ましい。これらの前
処理工程を複数行う場合は、その順序は任意であり、例
えば、目的に応じて適正な順序を選べばよい。ここで、
「イオン交換体」は、陰イオン交換樹脂等の陰イオン交
換体や陽イオン交換樹脂は勿論、キレート形成基を有す
るキレート樹脂も含めた概念とする。
【0018】現像廃液は、通常、洗浄水(リンス水)な
どでTAAH濃度が低くなっているので、先ず現像廃液
を逆浸透膜処理、蒸発、電気透析、電解などの少なくと
も一つの濃縮方法で処理する濃縮処理工程を経て得られ
るTAAHが濃縮された濃縮液を現像廃液に由来するT
AAH含有溶液として用いるのが好ましい。得られるT
AAH含有溶液のTAAH純度の点では、フォトレジス
トが同時に濃縮される逆浸透膜処理や蒸発よりも、フォ
トレジストが同時に濃縮されることのない電気透析や電
解が好ましい。これらの濃縮方法の複数を併用する場合
は、順序は特に限定されず任意である。しかし、例え
ば、逆浸透膜処理や蒸発を先に行い、電気透析や電解を
後で行えば、電気透析や電解の際の電流効率の向上、被
処理液量の減少に伴う電気透析装置や電解装置の小型化
とランニングコストの低減、印加電圧の低減、TAAH
回収率の向上等の利点を得ることができる(特願平9−
334800号)。この場合に、蒸発及び/又は逆浸透
膜処理の工程は、NF膜分離処理工程(b)やイオン交
換処理工程(c)をも行う場合には、その前後のいずれ
の段階でもよい。なお、蒸発の凝縮水や逆浸透膜処理の
透過水はフォトレジストやTAAHが殆ど含まれていな
いので、工程水等として用いることができる。また、逆
浸透膜処理の場合は、逆浸透膜の劣化を少なくする観点
からは被処理液のpH値9〜12で行うのが好ましい
が、その寿命や濃縮コスト等との関係でコスト的に見合
う限りこれに限定されない。
【0019】NF膜分離処理工程(b)や後述の工程
(D)に用いられるNF膜は、分画分子量が100〜1
000の範囲内で、且つ、0.2%(重量/容積)の塩
化ナトリウム水溶液を被処理液として25℃で分離処理
した時の塩化ナトリウムの阻止率(除去率)が90%以
下の特性を有する分離膜である。工程(b)は多段に行
ってもよい(特願平10−10025号)。この工程
(b)では、TAAHはNF膜を透過してその殆どが透
過液中に入って来るが、フォトレジストは余り又は殆ど
NF膜を透過せず、大部分は濃縮液側に残存して濃縮さ
れるので、フォトレジスト等の不純物を主として含む濃
縮液とTAAHを主として含む透過液が得られる。この
工程(b)は、比較的低コスト且つ操作が容易な工程
で、TAAHをかなりの程度精製できる点で好ましい。
また、イオン交換処理では除去の難しいFe、Al等の
金属成分やシリカ等の不純物も或る程度は濃縮液側に除
去できる(NF膜を透過する量は少ない)。工程(b)
によりかなりの不純物が除去された透過液が得られるの
で、例えば、イオン交換処理や電気透析及び/又は電解
などの工程を後段で行う場合は、該後段の工程における
不純物の負荷を低減でき、精製コストを低減することが
できる。
【0020】工程(c)で用いるイオン交換体として
は、陰イオン交換樹脂(望ましくは、OH形の陰イオン
交換樹脂)及び/又はH形及びTAA形の少なくとも一
方の陽イオン交換樹脂及び/又はキレート樹脂を用いる
のが高純度の再生現像液を得る観点からは好ましいのは
勿論であるが、工程(c)が前処理であり、後段で適切
な処理を行えば良いことから、これらに限定されるもの
では無い。
【0021】なお、現像廃液又はそれに由来するTAA
H含有処理液〔例えば、工程(a)や工程(b)を経た
処理液〕を陰イオン交換樹脂と接触させると、TAAH
に由来する競合水酸化物イオンの共存にも拘らず該廃液
又は該処理液中のフォトレジストを陰イオン交換樹脂に
吸着させ、高選択的に除去することができる。その理由
は、次のように考えられる。即ち、アルカリ現像フォト
レジストはノボラック樹脂を母体樹脂とするものが主流
で、このノボラック樹脂は多数のベンゼン環を有してお
り、陰イオン交換樹脂として、例えば、特にスチレン系
のベンゼン環を有する陰イオン交換樹脂等を用いた場合
には、静電的相互作用に加えて、ベンゼン環同士の親和
(疎水的)相互作用により、効率的且つ高選択的にフォ
トレジストを除去することができると考えられる。
【0022】また、前述した様にキレート樹脂処理工程
を工程(c)として行って得られる処理液を現像廃液に
由来するTAAH含有溶液として用い、イオン交換基を
有する多孔性濾過膜の負荷を低減してもよい。キレート
樹脂処理工程を上記工程(a)及び/又は(b)と組み
合わせてもよく、その場合の順序は任意である。キレー
ト樹脂を陰イオン交換樹脂及び/又は陽イオン交換樹脂
と併用してもよい。
【0023】その他の現像廃液に由来するTAAH含有
溶液の例を具体的に挙げれば、現像廃液を活性炭処理す
る活性炭処理工程を経て得られる処理液(特開昭58−
30753号公報)、および、活性炭処理工程及び上記
工程(a)、工程(b)、工程(c)の少なくとも一つ
の工程を経て得られる処理液を挙げることができる。後
者の場合は、各工程の順序は任意である。
【0024】また、現像廃液を中和+固液分離工程、オ
ゾン、過酸化水素又は紫外線照射による有機物分解工程
及び電解による濃縮工程にこの順で供して得られる処理
液(特開平4−41979号公報、特開平5−1788
9号公報、特開平5−106074号公報)、現像廃液
を中和+固液分離工程及び電解による濃縮工程にこの順
で供して得られる処理液などをフォトレジスト現像廃液
に由来するTAAH含有溶液として用いることもでき
る。この場合、中和+固液分離によりフォトレジストの
大部分が除去され、中和により生じたTAA塩は電解に
よりTAAHに戻る。
【0025】上述した様な各種の前処理を現像廃液に行
って得られるTAAH含有溶液をイオン交換基を有する
多孔性濾過膜で処理して得られる処理液は、そのまま又
はTAAH濃度調整してアルカリ現像液として用いるこ
とができる程度に精製されているのが通常である。
【0026】一般に、LSI、VSLI、LCD等の不
純物を極度に嫌う電子部品の製造工程等で再生現像液を
再利用しようとする場合は、再生現像液に高い純度や所
定濃度が要求される。そのため、前処理工程を行ってい
ない場合や、上記TAAH含有溶液をイオン交換基を有
する多孔性濾過膜で処理する工程(A)から得られた処
理液がかかる高い要求純度や所定濃度に達していない場
合には、上記処理液に対して、OH形陰イオン交換樹脂
及び/又はH形及びTAA形の少なくとも一方の陽イオ
ン交換樹脂及び/又はキレート樹脂と接触処理する工程
(B)、電気透析及び電解の少なくとも一つの方法でT
AAHを濃縮する濃縮精製工程(C)、及び、前述の工
程(b)と同様のNF膜によりTAAHを主として含む
透過水を得るNF膜分離処理工程(D)から選ばれる少
なくとも一つの工程を行うのが好ましい。但し、工程
(B)や(C)を行うのであれば、本発明による工程
(A)の前処理工程として工程(c)や工程(a)を行
う方が、このような工程で微粒子等の不純物が混入して
来ても工程(A)で除去できる点からはより好ましい。
【0027】これらの工程を複数行う場合は、その順序
は任意であり、例えば、目的に応じて適正な順序を選べ
ばよい。上記各工程については、前処理工程として前に
説明したことがほぼそのまま当て嵌まるので、重複した
説明は省く。
【0028】上述のことより明らかな様に、本発明で
は、フォトレジスト現像廃液の再生処理過程において、
イオン交換基を有する多孔性濾過膜で処理する工程
(A)さえ行えば、必要に応じて行う一つ又は複数のそ
の他の工程は基本的にはどのようなものでも良く、ま
た、どの段階で行っても良いのであり、目的に応じて必
要な工程を選択し、工程の順序を決めればよい。
【0029】次に、本発明の方法において行ってもよい
電気透析の原理を図1を参照しつつ説明する。なお、T
AAイオンの対イオンが水酸化物イオン(以下、「OH
イオン」と略す)であるTAAHの通常の場合について
説明する。
【0030】図1に示した様に、陰極101と陽極10
2の間には陽イオン交換膜103と陰イオン交換膜10
4が交互に並べられて複数のセルを構成している。セル
に送られたTAAH及びフォトレジストを含有する原液
(現像廃液又はそれに由来するTAAH含有溶液)中の
TAAHは、陽イオンとしてのTAAイオン(TA
)と陰イオンとしてのOHイオンに解離しているた
め、陰極101と陽極102間に直流電流が印加される
とTAAイオンは陽イオン交換膜103を通って陰極側
に移動するが次の陰イオン交換膜104で殆ど阻止さ
れ、一方、OHイオンは陰イオン交換膜104を通って
陽極側に移動するが次の陽イオン交換膜103で殆ど阻
止されるため、或るセルではTAAHが濃縮され、該セ
ルに隣接するセルではTAAHが減少することになる。
即ち、陰イオン交換膜104を陰極101に面した側に
有するセル(A)は濃縮セルとして機能し、ここではT
AAHが濃縮されて濃縮液となり、陰イオン交換膜10
4を陽極102に面した側に有するセル(B)は脱塩セ
ルとして機能し、ここではTAAHが減少して脱塩液と
なる。原液中のフォトレジストはイオン交換膜を殆ど通
らないため濃縮セル及び脱塩セルをそのまま通過して濃
縮液中及び脱塩液中に残留する。
【0031】上述の説明で明らかな様に、図1に示した
ように脱塩セル及び濃縮セルの両方に原液を通液した場
合は、濃縮液中にもフォトレジストがそのまま残留する
こととなるが、濃縮セル側ではTAAHのみが濃縮され
るのであってフォトレジストは濃縮されないので、濃縮
液中のフォトレジストは原液中の濃度とほぼ同じであ
り、この点において、電気透析法はTAAHのみでなく
フォトレジストも同時に濃縮されてしまう蒸発法や逆浸
透膜法とは明らかに相違する。
【0032】本発明では、フォトレジストアルカリ現像
液として再利用できる高純度のTAAHの溶液を再生回
収することを目的としているので、電気透析で不純物を
なるべく含まない濃縮液を得ることが好ましく、そのた
めには、脱塩セル側に原液を通液し、濃縮セル側に
(超)純水又は不純物を含まない低濃度のTAAH溶液
〔例えば、(超)純水に新品のTAAHを少量溶解させ
た液〕等の電解質溶液を通液するのが好ましい。しか
し、濃縮セルにも原液を送る場合、脱塩廃液として排出
される排水の量(容積)が減少する点では有利である。
【0033】電気透析装置は、一般的に使用されている
ものを使用でき、これに使用されるイオン交換膜として
は、陽イオンと陰イオンを選択的に分離できるものであ
れば特に限定されず、例えば、アシプレックス〔旭化成
工業(株)製〕、セレミオン〔旭硝子(株)製〕、ネオ
セプタ〔徳山曹達(株)製〕、イオンクラッドEDSメ
ンブレン〔ポール(株)製〕、ナフィオン(デュポン社
製)等を挙げることができる。また、イオン交換膜の特
性も、一般的なものでよい。
【0034】電気透析装置の構造は、特に限定されず、
例えば、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを、脱塩さ
れる液の流入孔及び流出孔、濃縮される液の流入孔及び
流出孔が設けられているガスケットで適当な間隔を保っ
て交互に複数積層して複数のセルを構成し、両端を一組
の電極で挟んで電気透析装置を構成すればよい。
【0035】ここで、陰イオン交換膜の代わりに、耐ア
ルカリ性が陰イオン交換膜より優れるポリビニールアル
コール系膜や親水化処理した多孔質テフロン膜等の中性
膜を用いてもよい。中性膜はイオン性官能基の無い単な
る高分子膜であるが、これはTAAイオンを通すものの
その透過性は陽イオン交換膜より低いので、両者間の輸
率の差を利用してTAAイオンの電気透析による濃縮を
行うことができるのである。但し、中性膜を陰イオン交
換膜の代わりに用いた時は、陰イオン交換膜の場合に比
べて電流効率は悪くなる。
【0036】上述の様な電気透析は一段(一回通液方
式)で行ってもよいが、例えば、特開平7−32864
2号公報に開示されるような循環方式や多段処理方式を
採ることもでき、また、回分式や半回分式であっても連
続式であってもよい。
【0037】次に、本発明の方法において行ってもよい
電解の原理を図2を参照しつつ説明する。なお、TAA
イオンの対イオンが水酸化物イオン(以下、「OHイオ
ン」と略す)であるTAAHの通常の場合について説明
する。
【0038】図2に示した様に、陰極121と陽極12
2の間には陽イオン交換膜123が配置され、陰極セル
(C)と陽極セル(D)を構成している。陽イオン交換
膜は、理屈の上では陽イオンしか通さない〔実際は僅か
にフォトレジスト(R)を含めた陰イオン等も通
す〕。陽極セル(D)に原液(現像廃液又はそれに由来
するTAAH含有溶液)を通液し、一方、陰極セル
(C)には、例えば、(超)純水又は不純物を含まない
低濃度のTAAH溶液〔例えば、(超)純水に新品のT
AAHを少量溶解させた液〕等の電解質溶液を濃縮用液
として通液する。原液中のTAAHはTAAイオン(T
AA)とOHイオン(OH)に解離しているため、
陰極121と陽極122の間に直流電流を印加すると、
TAAイオンは陽イオンであるので陰極(−)側に移動
し陽イオン交換膜123を通って陰極セル(C)に入
る。陰極121上では水(HO←→H+OH)の
水素イオン(H)が電子(e)を受け取り、水素ガ
ス(H)を生じ、残った陰イオンであるOHイオン
(OH)は、陽極セル(D)から陰極セル(C)に入
ってきたTAAイオンの対イオンとなりTAAHを生成
する。従って、電解が進行すると陰極セル(C)中では
TAAHが濃縮されることとなる。この意味で、陰極セ
ル(C)は濃縮セルとして機能する。一方、陽極122
上では、TAAHのOHイオン(OH)が電子
(e)を放出し、酸素ガス(O)と水とになる。こ
の意味では、陽極セル(D)は脱塩セルとして機能し、
脱塩液(TAAイオンが希薄になった「希薄液」)を生
じる。電解を行う場合は、その前段で現像廃液やそれに
由来するTAAH含有溶液を中和処理して溶解フォトレ
ジストを不溶化して、その大部分を濾過や遠心分離等で
除去しても良い。これは、前述した様に、電解により、
中和で生じたTAA塩がTAAHに戻るからである。
【0039】なお、原液中にClやBr等のOH
より電気分解されやすいイオン種が含まれているとCl
やBr等のガスが生じる。この場合、特開昭57−
155390号公報に開示されている様に、陽極セルを
更に陰イオン交換膜で区分し陽極側の区分セルに水酸化
アンモニウム等のアルカリ物質を添加しておくと、中和
によりClやBr等のガスの発生が防止できる。S
2-やNO3 -の場合はOHより電気分解され難いの
で、OHの方が電気分解されOが発生し、HSO
やHNO等が残る。
【0040】また、陽イオン交換膜を用いる代わりに2
枚の親水化処理した多孔質テフロン膜等の中性膜を使用
し、陽極室、中間室及び陰極室を設け、中間室に原液を
通しても電解を行うことができる(特開昭60−247
641号公報)。
【0041】更に純度の高いTAAH濃縮液を得たい場
合には、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜を複数枚(好
ましくは2枚)配置して、陽極側のセル(陽極セル)に
原液を通液し、陰極側のセル(陰極セル)及び中間セル
には、例えば、(超)純水又は各種不純物を実質的に含
まない低濃度のTAAH溶液〔例えば、(超)純水に新
品のTAAHを少量溶解させた液〕等の電解質溶液を濃
縮用液(TAAH回収用液)として通液すると、多段に
TAAHを精製することになり、陰極セルからは高純度
のTAAH濃縮液が得られる。
【0042】電解も1段(一回通液方式)で行ってもよ
いが、電気透析の場合と同じ様な循環方式や多段処理方
式、また、回分式、半回分式や連続式を採ることもでき
る。
【0043】なお、ここで「濃縮液」、「脱塩液」と
は、TAAH含有量が増加するか減少するかによって使
い分けられる用語であり、どちらのTAAH濃度が高い
か低いかを示すものでは無い。
【0044】本発明に用いてもよいNF膜としては、例
えば、日東電工(株)製のNTR−7410、NTR−
7450、NTR−725HF、NTR−7250、N
TR−729HF、NTR−769SR、東レ(株)製
のSU−200S、SU−500、SU−600、フィ
ルムテック社製のNF−45、NF−55、NF−7
0、NF−90、デサリネーション社製のDESAL−
5L、DESAL−5K、トライセップ社製のTS−8
0、フルッドシステム社製のTFC−S、コーク・メン
ブレン・システムズ(株)製の「Sel RO」シリー
ズのMPF−34、MPF−36、MPT−34、MP
T−36、MPS−34、MPS−36等を挙げること
ができる。
【0045】フォトレジストの濃縮液側への分離除去を
主な目的としたNF膜としては、その表面が負に帯電し
た膜を使用するのが好ましい。現像廃液やそれに由来す
るTAAH含有溶液〔例えば、工程(a)や工程(c)
を経たTAAH溶液〕中では、通常フォトレジストは陰
イオンとして存在しているので、表面が負に帯電したN
F膜によればフォトレジストの阻止率(除去率)が向上
し、且つ、NF膜面上へのフォトレジストの付着による
ファウリング(汚染)が起き難い。また、この場合は、
陰イオン系界面活性剤入りの現像廃液やそれに由来する
TAAH含有溶液の場合も効果的に陰イオン系界面活性
剤を濃縮液側に分離除去できる。また、一般に、NF膜
は非イオン系界面活性剤や陽イオン系界面活性剤等も濃
縮液側に分離除去することも可能である。また、現像廃
液やそれに由来するTAAH含有溶液の性状(例えば、
界面活性剤が含まれる場合はその種類)に応じて、表面
が正に帯電したNF膜や中性のNF膜を使用しても良い
ことは言うまでも無い。
【0046】一般に、NF膜は、高pH液には比較的弱
いため、この寿命を長くするためには、NF膜の被処理
液のpHは、好ましくは9.5〜12、より好ましくは
9.5〜11に調整するのが好ましいが、その寿命との
関連でコストに対してNF膜の使用が効果的である限り
これに限定されない。NF膜の微粒子不純物等による目
詰まりの虞を避けるためには、NF膜の前段(好ましく
は直前)に孔径25μm以下の保安フィルターを設ける
のが好ましい。これは、工程(b)及び/又は(D)を
どの段階で行う場合でも同様である。また、NF膜の被
処理液のTAAH濃度が高くなると、ナノフィルターの
運転圧が上昇したり、pHが高くなるに伴いNF膜の寿
命が短くなったりするので、注意を要する。
【0047】また、NF膜分離処理で得られる濃縮液に
まだTAAHが多量に含まれている場合は、TAAHの
回収率を上げるために、後段でこの濃縮液を精製するた
めの各種工程を行って、再生現像液の用途によっては或
る程度の精製度まで、また、場合によっては上記のよう
な電子部品の製造工程等で再生現像液を再利用できる高
精製度まで、精製してもよい。
【0048】また、NF膜分離処理で得られる透過液
(以下、時に「NF透過液」と言う)はかなり純度の高
いTAAH溶液であるので、これを電気透析や電解の濃
縮用液(TAAH回収用液)として電気透析装置や電解
装置の濃縮セルに通液し、一方、NF膜分離処理で得ら
れる濃縮液(以下、時に「NF濃縮液」と言う)にかな
りの量のTAAHが残存していれば、このNF濃縮液を
電気透析や電解の原液(TAAHが脱塩される液)とし
て上記の電気透析装置や電解装置の脱塩セルに通液して
もよい(特願平10−10025号)。この場合、濃縮
用液として(超)純水を用いる代わりにNF透過液を用
いるので、脱塩廃液として排出される排水の量を低減す
ることができる点で有利である。さらに、電気透析や電
解によって濃縮用液(TAAH回収用液)側に移動させ
るTAAH量が少なくなり、ランニングコストの低減や
装置の小型化が図れるという利点もある。
【0049】例えば、イオン交換処理や電気透析及び/
又は電解等の精製工程を行う場合、この精製工程をNF
膜分離工程の後段で行う方が前段で行うよりも、NF透
過液の純度がかなり高いので、このような精製工程に用
いる精製装置の負荷を低減する観点からは好ましい。し
かし、例えば、NF膜分離工程の目的が少量のFeやA
l等の金属成分及びシリカ等の不純物を或る程度除去す
る場合には、イオン交換処理や電気透析及び/又は電解
等の精製工程をNF膜分離工程の前段で行ってもよい。
また、場合によっては、NF膜分離工程の前段と後段の
両方で上記のような精製工程を行っても良い。また、元
々現像廃液中の不純物濃度が低い場合、再生現像液の純
度が低くても良い用途の場合等は、NF透過液に対し
て、イオン交換処理を行わず、NF膜分離工程の後段で
蒸発、逆浸透膜処理、電気透析及び電解の少なくとも一
つの方法でTAAHを濃縮して工程(A)に供したり、
また、工程(A)の後に新品の濃厚なTAAH溶液や
(超)純水を加えてTAAH濃度調整等を行ってから再
利用してもよい。また、NF膜分離工程の前段で蒸発、
逆浸透膜処理、電気透析及び電解の少なくとも一つの方
法でTAAHを濃縮して、その濃縮液のNF透過液に対
して、工程(A)に供したり、また、工程(A)の後に
新品の濃厚なTAAH溶液や(超)純水を加えてTAA
H濃度調整等を行ってから再利用してもよい。
【0050】本発明において用いてもよい陰イオン交換
樹脂としては、処理効率の点で繊維状や粒状等のスチレ
ン系やアクリル系等の陰イオン交換樹脂が好ましく、あ
るいは、これらの複数の種類を任意の割合で混合もしく
は積層して用いても良いが、前述の様に、特にフォトレ
ジスト除去効率の点ではスチレン系陰イオン交換樹脂が
好ましい。なお、アクリル系陰イオン交換樹脂は、(メ
タ)アクリル酸やそのエステル類をジビニールベンゼン
(DVB)等で架橋したものである。また、フォトレジ
スト除去効率の点で強塩基性陰イオン交換樹脂が好まし
い。
【0051】本発明に用いてもよいH形やTAA形陽イ
オン交換樹脂としては、処理効率の点で繊維状や粒状等
のスチレン系やアクリル系等の陽イオン交換樹脂が好ま
しく、また、弱酸性陽イオン交換樹脂でも強酸性陽イオ
ン交換樹脂のいずれでも良く、あるいは、これらの複数
の種類を任意の割合で混合もしくは積層して用いても良
い。
【0052】陽イオン交換樹脂は、通常、H形かNa形
で市販されており、このような陽イオン交換樹脂(Na
形の場合はH形とした後)を、その使用に先立って、予
めTAA形とすることによって、陽イオン交換樹脂に通
液する通液初期にTAAHが陽イオン交換樹脂に吸着さ
れて、処理液中のその濃度が低下するという現象の発生
を防止することができる。即ち、陽イオン交換樹脂とし
ては、H形のままでも用いることができるが、TAA形
として用いるのが好ましい。但し、完全なTAA形陽イ
オン交換樹脂ではなくて、一部H形となっているもので
も良く、また、H形陽イオン交換樹脂とTAA形陽イオ
ン交換樹脂を任意の割合で混合もしくは積層して用いて
も良い。
【0053】陰イオン交換樹脂も陽イオン交換樹脂も、
その使用に際して溶出物が無いように、アルカリ水溶
液、酸水溶液の交互処理後、(超)純水で充分洗浄した
ものを用いるのが好ましい。
【0054】イオン交換樹脂として陰イオン交換樹脂と
陽イオン交換樹脂のどちらを用いるか、または、両方を
用いるかは、再生されるTAAH溶液の用途との関連に
おける該溶液中に残留するフォトレジスト、他の陰イオ
ン類及び陽イオン類等の各種不純物の許容量によって決
めればよい。但し、例えば、上述の様に、LSI、VL
SI、LCD等の電子部品の製造用の現像液として再生
TAAH溶液を用いるには、陰イオン交換樹脂及び陽イ
オン交換樹脂の両方を用いるのが望ましい。
【0055】陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂の両
方をイオン交換樹脂として用いる場合は、陰イオン交換
樹脂と陽イオン交換樹脂を任意の割合で混合した混合イ
オン交換樹脂としてカラム又は塔中に充填して用いても
良いが、陰イオン交換樹脂を上流側に、陽イオン交換樹
脂を下流側にカラム又は塔中に積層充填して用いるのが
好ましい。しかし、現像廃液を予め多段式の電気透析等
で処理したために濃縮液中にフォトレジストが少量しか
残存しない場合や、元々現像廃液中にフォトレジストが
少量しか存在しない場合等においては、上流側に陽イオ
ン交換樹脂、下流側に陰イオン交換樹脂を配置しても差
し支えない。また、陰イオン交換樹脂を上流側のカラム
又は塔に充填し、陽イオン交換樹脂を下流側のカラム又
は塔に充填し、個別に配置して用いることもでき、この
場合は、長時間の運転によって、イオン交換容量が減少
したり、劣化した方のイオン交換樹脂のみを容易に交換
することができ、便利である。このように別カラム(別
塔)方式の場合、陰イオン交換樹脂充填カラム又は塔と
陽イオン交換樹脂充填カラム又は塔の間に他の単位装置
を配置しても良い。
【0056】上流側に陰イオン交換樹脂、下流側に陽イ
オン交換樹脂を配置する場合の利点は、陰イオン交換樹
脂からは極微量のアミン類が溶出することが考えられる
ので、下流側に陽イオン交換樹脂を配置することで、こ
の溶出アミン類を捕捉することができることなどであ
る。
【0057】本発明において使用してもよいキレート樹
脂としては、例えば、イミノ二酢酸型、イミノプロピオ
ン酸型、アミノメチレンホスホン酸型等のアミノホスホ
ン酸型、ポリアミン型、N−メチルグルカミン型等のグ
ルカミン型、アミノカルボン酸型、ジチオカルバミン酸
型、チオール型、アミドキシム型、ピリジン型などの各
種のキレート樹脂を挙げることができる。キレート樹脂
は多価の金属イオン類に対する選択性が高く、キレート
樹脂と現像廃液又はそれに由来するTAAH含有溶液と
を接触処理させることにより、これらの多価の金属イオ
ン類を効果的に除去できる。使用したキレート樹脂を再
生するには、例えば、塩酸等の酸で該キレート樹脂を処
理してH形キレート樹脂とし、(超)純水で洗浄して酸
を洗い落とし、好ましくはTAAH水溶液でTAA形キ
レート樹脂として、再利用する。
【0058】キレート樹脂とイオン交換樹脂(陰イオン
交換樹脂と陽イオン交換樹脂の片方又は両方)とを併用
する場合、これらは単床(別床)及び混床のいずれの形
で使用しても良い。単床(別床)の場合、配列順序は任
意であり、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂との間
にキレート樹脂を配しても良い。
【0059】本発明の方法に用いるシステムの最後段又
はその近くに、0.03〜1μm程度の細孔径を有する
PE、PP又はPTFE製のフィルター等を用いた精密
濾過膜処理装置や、限外濾過膜装置等の膜処理装置を設
置しても良く、この場合、元々現像廃液中に存在する微
粒子を除去できると共に、ポンプ、場合によっては更に
電気透析装置や電解装置、イオン交換樹脂やキレート樹
脂等から微粒子が混入してきても、これを確実に除去で
きるので好ましい。また、この様な膜処理装置の代わり
にナノフィルターを用いることもできる。但し、本発明
によるイオン交換基を有する多孔性濾過膜を膜処理装置
の形として該システムの最後段またはその近くに設置し
てもよく、その場合は該多孔性濾過膜が微粒子を除去で
きるので、別段の膜処理装置は必ずしも必要な訳ではな
い。
【0060】なお、システムの最後段又はその近くに設
置する上記の様な膜処理装置の前段にTAAH溶液の脱
気脱泡を行う膜脱気装置等の脱気脱泡装置を配置するの
が膜処理装置の差圧上昇を防ぎ、膜の寿命を長くする点
で好ましい(特願平10−331826号)。
【0061】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態について説明するが、本発明がこれらに限定されるも
ので無いことは言うまでもない。
【0062】本発明によるイオン交換基を有する多孔性
濾過膜での処理工程(A)を含むフォトレジスト現像廃
液の処理方法によりフォトレジスト現像廃液の再生を行
うに際して現像廃液から出発する場合の一連の単位操作
の順序(フロー)としては、下記のような好ましい代表
例が挙げられるが、本発明はこれらの代表例に限定され
るものではない。なお、「/」の表示は「及び/又は」
を表し、「イオン交換多孔性濾過膜」は「イオン交換基
を有する多孔性濾過膜での処理」を表し、「イオン交換
樹脂」は「イオン交換樹脂(陰イオン交換樹脂及び/又
は陽イオン交換樹脂で、必要に応じて更にキレート樹
脂)との接触処理」を表し、「NF」は「NF膜分離処
理」を表す。また、「イオン交換基を有する多孔性濾過
膜での処理」が最後段に行われる場合は、必ずしも望ま
しい訳ではなく、また、下記のフローでは特に記さない
が、通常、上述したような微粒子除去のための膜処理装
置又はナノフィルターによる「膜処理」を最後段に行う
のが望ましいのは上述の通りである。
【0063】(1)イオン交換樹脂→イオン交換多孔性
濾過膜 (2)電気透析/電解→イオン交換多孔性濾過膜 (3)電気透析/電解→イオン交換樹脂→イオン交換多
孔性濾過膜 (4)電気透析/電解→イオン交換多孔性濾過膜→イオ
ン交換樹脂 (5)逆浸透膜処理/蒸発→イオン交換樹脂→イオン交
換多孔性濾過膜 (6)NF→イオン交換多孔性濾過膜 (7)NF→イオン交換樹脂→イオン交換多孔性濾過膜 (8)逆浸透膜処理/蒸発→NF→イオン交換多孔性濾
過膜 (9)逆浸透膜処理/蒸発→NF→イオン交換樹脂→イ
オン交換多孔性濾過膜 (10)NF→逆浸透膜処理/蒸発→イオン交換多孔性
濾過膜 (11)NF→逆浸透膜処理/蒸発→イオン交換樹脂→
イオン交換多孔性濾過膜 (12)逆浸透膜処理/蒸発→電気透析/電解→イオン
交換多孔性濾過膜 (13)逆浸透膜処理/蒸発→イオン交換樹脂→NF→
イオン交換多孔性濾過膜 (14)電気透析/電解→NF→イオン交換多孔性濾過
膜 (15)電気透析/電解→NF→イオン交換樹脂→イオ
ン交換多孔性濾過膜 (16)電気透析/電解→NF→イオン交換多孔性濾過
膜→イオン交換樹脂 (17)NF→電気透析/電解→イオン交換多孔性濾過
膜 (18)NF→電気透析/電解→イオン交換樹脂→イオ
ン交換多孔性濾過膜 (19)NF→電気透析/電解→イオン交換多孔性濾過
膜→イオン交換樹脂 (20)逆浸透膜処理/蒸発→電気透析/電解→イオン
交換樹脂→イオン交換多孔性濾過膜 (21)電気透析/電解→逆浸透膜処理/蒸発→イオン
交換樹脂→イオン交換多孔性濾過膜
【0064】本発明の方法を実施する装置(システム)
において、必要に応じて設ける少なくともTAAHを含
む溶液を貯蔵するか又は滞留させることを目的とする水
槽(タンク)は、その中に窒素ガス、アルゴンガス等の
不活性ガスを導入(パージ)するような構造とすること
が好ましく、この場合、水槽(タンク)内の不活性ガス
の圧力が外気(大気)圧よりも高く保たれる構造とする
のが更に好ましく、不活性ガスを導入する水槽(タン
ク)に水封装置を付設するのが特に好ましい(特開平1
0−165933号公報)。これは、TAAH(=TA
OH)は強アルカリであるため、TAAHを含む
溶液が外気(大気)と接触して大気中の炭酸ガス(CO
)が溶け込み、炭酸水素テトラアルキルアンモニウム
(TAA HCO3 -)や炭酸テトラアルキルアンモニウ
ム〔(TAACO 2-〕へと変化するのを防止す
ると共に、該溶液中への大気中からの他の不純物(CO
以外の酸性ガスや酸化性ガス等の各種ガス類、塵、ゴ
ミ、金属類、塩類等)の混入を防止する等のためであ
る。これは、特にLSI、VLSI、LCD等の電子部
品製造用現像液として再生現像液を使用する際に要求さ
れることである。
【0065】また、本発明の方法を実施する装置(シス
テム)において、現像廃液やその各種のTAAH含有処
理液のフォトレジスト濃度の定量装置(例えば、吸光分
光分析器、吸光光度計)、または、更にそれらのTAA
H濃度の定量装置(例えば、pH滴定装置、電位差滴定
装置、導伝率計、超音波濃度計)を備えた分析管理装置
を必要に応じて適所に設けるのも好ましい(特開平10
−207082号公報)。また、必要に応じて、少なく
とも冷却機能を有する温度調節器を適所に設けたり、ま
た、システムの後段にTAAH濃度調節器を設けて、現
像装置に再生現像液を供給するようにするのも好ましい
(特開平11−128691号公報)。
【0066】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明がこれらの実施例に限定されるもので無い
ことは言うまでもない。
【0067】或る半導体デバイス製造工程から排出され
たフォトレジスト及びTMAHを含有する現像廃液を電
気透析の原液として用いた。現像廃液の性状は、TMA
H濃度=0.4重量%、吸光光度法によるフォトレジス
トに由来する290nmでの吸光度(1cm幅の石英製
セルを使用し、純水の290nmでの吸光度をリファレ
ンス値=0.000とした時の値、以下「Abs29
0」と略す)=0.378、Na濃度=14ppb、F
e濃度=8ppb、Al濃度=6ppbであった。
【0068】旭化成工業(株)製電気透析装置マイクロ
・アシライザーG3に陽イオン交換膜アシプレックスK
−501〔旭化成工業(株)製〕と陰イオン交換膜の代
わりに中性膜アシプレックスPVA#100〔旭化成工
業(株)製〕の10対を配置したカートリッジを装着
し、電極間電位12Vで運転し、回収率80%で原液か
ら超純水(濃縮用液)中にTMAHの分離、濃縮を循環
方式で行い、2.4重量%TMAH濃度の濃縮液を回収
した。回収濃縮液の性状は、TMAH濃度=2.4重量
%、Abs290=0.020、Na濃度=87pp
b、Fe濃度=3ppb、Al濃度=3ppbとなっ
た。
【0069】なお、TMAH濃度はイオンクロマト分析
法、金属濃度は原子吸光光度法によって測定した。
【0070】実施例1 電気透析で得られた回収濃縮液を中空糸型のキレート形
成基を有する多孔性濾過膜モジュールに全量濾過で通液
したところ、透過液の水質は、TMAH濃度=2.4重
量%、Abs290=0.019、Na濃度=20pp
b、Fe濃度<1ppb、Al濃度<1ppbとなっ
た。従って、Na、Fe、Alが上記多孔性濾過膜で除
去できたことが分かった。なお、キレート形成基を有す
る多孔性濾過膜モジュールは、使用前に塩酸で再生し、
次いで超純水と新品TMAHで充分に洗浄したものを使
用した。
【0071】実施例2 電気透析で得られた回収濃縮液を中空糸型の陰イオン交
換基を有する多孔性濾過膜モジュールに全量濾過で通液
したところ、透過液の水質は、TMAH濃度=2.4重
量%、Abs290=0.002、Na濃度=87pp
b、Fe濃度<1ppb、Al濃度=1ppbとなっ
た。従って、フォトレジスト及びFe、Alが上記多孔
性濾過膜で除去できたことが分かった。なお、陰イオン
交換基を有する多孔性濾過膜モジュールは、使用前に苛
性ソーダ水溶液で再生し、次いで超純水と新品TMAH
で充分に洗浄したものを使用した。
【0072】実施例3 電気透析で得られた回収濃縮液を中空糸型の陽イオン交
換基を有する多孔性濾過膜モジュールに全量濾過で通液
したところ、透過液の水質はTMAH濃度=2.4%、
Abs290=0.020、Na濃度=72ppb、F
e濃度=3ppb、Al濃度=3ppbとなって、僅か
ながらNaを除去できた。なお、陽イオン交換基を有す
る多孔性濾過膜モジュールは、使用前に塩酸で再生し、
次いで超純水と新品TMAHで充分に洗浄したものを使
用した。
【0073】
【発明の効果】フォトレジストとTAAHを少なくとも
含む現像廃液の再生処理過程において、現像廃液又はそ
れに由来するTAAH含有溶液とイオン交換基を有する
多孔性濾過膜で処理する工程を含む本発明の方法によれ
ば、従来の方法では充分に除去できなかったNa、F
e、Al等の一部の微量不純物を簡単で安価に且つ効果
的に除去することができる。
【0074】LSI、VLSI、LCD等の特に不純物
を嫌う電子部品の製造等に用いる再生現像液を得る目的
でフォトレジスト現像廃液を再生処理するに当たって
は、例えば、NF膜分離処理、電気透析及び/又は電
解、イオン交換処理等の精製処理工程とイオン交換基を
有する多孔性濾過膜で処理する工程とを組み合わせれ
ば、かかる再生現像液として用いることができる程度に
高純度に精製された再生TAAH含有水溶液を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法で行ってもよい電気透析
の原理の説明図である。
【図2】図2は、本発明の方法で行ってもよい電解の原
理の説明図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月19日(1999.10.
19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA03 GA05 GA07 GA16 GA17 HA95 KA02 KA16 KA52 KA53 KA54 KA55 KA57 KA71 KB11 KB30 KE12P KE13P KE14P KE15P KE17P KE30P MA01 MA03 MA13 MA14 MA22 MA24 MA28 MA31 MB12 MC18 MC22 MC23 MC30 MC54 MC62 MC71 MC72 MC73 MC74 MC75 MC77 MC78 NA34 NA40 PA01 PB08 PB27 PB70 PC01 4D025 AA09 AB36 AB38 BA09 BA10 BA11 BA14 BA17 BA22 BA25 BB03 BB09 BB18 CA05 DA05 DA06 4D061 DA08 DB18 EA09 EB02 EB13 EB17 EB19 EB37 FA08 FA09 GA06 GA07 GA14 GA21

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトレジスト現像廃液の再生処理過程
    において、フォトレジスト及び水酸化テトラアルキルア
    ンモニウムを少なくとも含むフォトレジスト現像廃液又
    は該フォトレジスト現像廃液に由来する水酸化テトラア
    ルキルアンモニウム含有溶液を、キレート形成基を有す
    る多孔性濾過膜、陰イオン交換基を有する多孔性濾過膜
    及び陽イオン交換基を有する多孔性濾過膜からなる群か
    ら選ばれる少なくとも一種のイオン交換基を有する多孔
    性濾過膜で処理する工程(A)を含むことを特徴とする
    フォトレジスト現像廃液の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記のフォトレジスト現像廃液に由来す
    る水酸化テトラアルキルアンモニウム含有溶液が、前記
    フォトレジスト現像廃液に対して、逆浸透膜処理、蒸
    発、電気透析及び電解の少なくとも一つの濃縮方法で濃
    縮液を得る濃縮処理工程(a)、ナノフィルトレーショ
    ン膜(NF膜)により水酸化テトラアルキルアンモニウ
    ムを主として含む透過水を得るNF膜分離処理工程
    (b)、および、イオン交換体と接触させて或る程度の
    不純物を吸着除去して精製液を得るイオン交換処理工程
    (c)から選ばれる少なくとも一つの前処理工程を行っ
    て得られる処理液であることを特徴とする請求項1に記
    載のフォトレジスト現像廃液の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記のイオン交換基を有する多孔性濾過
    膜の前段に微粒子除去のための濾過膜を配置することを
    特徴とする請求項1又は2に記載のフォトレジスト現像
    廃液の処理方法。
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