JP3758011B2 - フォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイス(LSI、VLSI等)、液晶ディスプレイ(LCD)、プリント基板等の電子部品の製造工程等で発生するフォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再生利用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記の様な電子部品の製造工程等にはフォトリソグラフィー工程が含まれ、この工程では、ウェハやガラス基板等の基板上にフォトレジストの皮膜を形成し、その所定部分に光等を照射し、現像液で現像することによって微細なパターンを形成する。ここで、フォトレジスト類は、露光部分が現像液に対して可溶化するポジ形フォトレジストと、逆に露光部分が現像液に対して不溶化するネガ形フォトレジストに大別される。LSIやLCD等の電子部品の製造分野では主にポジ形フォトレジストが使用されている。ポジ形フォトレジスト用の現像液としては有機アルカリである水酸化テトラメチルアンモニウム(以下、時に「TMAH」と略す)やコリン等の水酸化テトラアルキルアンモニウム(テトラアルキルアンモニウムヒドロオキシドで、以下、時に「TAAH」と略す)の水溶液が通常使用されている。なお、ネガ型フォトレジストの現像液としては有機溶剤系現像液が主流であるが、アルカリ現像液を用いるものもある。
【0003】
上述のフォトリソグラフィー工程においてTAAH水溶液をアルカリ現像液として用いる現像工程から排出される廃液(「フォトレジスト現像廃液」と言い、時に「現像廃液」と略称する)は、溶解したフォトレジストとTAAHを含み、無害化処理が難しい。TMAH等のTAAHは、現像廃液に含まれて排出されると分解し難く排水処理が困難な物質である。このため高濃度現像廃液の多くは、逆浸透膜処理や蒸発等で濃縮減容化して外部委託処分を行っている。しかし、現像廃液中のTAAHは、比較的高価な薬品で使用量も多く、その環境に対する悪影響から、TAAH溶液を再生現像液として回収再利用することが強く求められている。
【0004】
本出願人も、この要求に応えるべく、これまでフォトレジスト現像廃液の回収再利用方法や装置の幾つかを提案してきた。TAAH溶液を再生現像液として回収再利用する方法としては、例えば、電気透析や電解による方法(特開平7−328642号公報、特開平5−17889号公報)、陰イオン交換樹脂を用いる方法(特開平10−85741号公報)、電気透析や電解とイオン交換樹脂の組み合わせによる方法(特願平9−334800号)、中和と電解の組み合わせによる方法(特開平7−41979号公報)、活性炭による方法(特開昭58−30753号公報)、ナノフィルトレーション膜(NF膜)による方法(特願平10−10025号)などを挙げることができる。
【0005】
しかし、これらの従来方法では、不純物微粒子除去を目的として再生現像液回収再利用装置(システム)の末端付近に設置する精密濾過膜処理装置が短時間で閉塞してしまうといった問題があった。
【0006】
濾過膜処理装置で使用される濾過膜としては、通常、孔径0.03〜1μm程度の精密濾過膜が使用される場合が多いが、TMAH等のTAAHが強アルカリ性であり、再生現像液がLSIやLCD等の製造用に使用され、濾過膜処理装置がシステムの末端付近に配置されると言った理由から耐薬品性(高pH耐性)と高クリーン度(高清浄度)を兼ね備えた材質の膜が使用される。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜等の弗素樹脂系膜やポリプロピレン(PP)膜、ポリエチレン(PE)膜等の炭化水素樹脂系膜などである。特に、多くの場合は耐薬品性(高pH耐性)とクリーン度に優れたPTFE膜等の弗素樹脂系膜が使用されているが、高価であると言った理由から、一部ではPP膜やPE膜等の炭化水素樹脂系膜が使用されている。一方、通常、純水の製造分野で使用されるポリアクリロニトリル、酢酸セルロース、ポリスルホン等の膜は耐薬品性に劣るため、TAAH溶液回収に使用するのは望ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、再生現像液回収再利用装置の末端付近に微粒子除去を目的として設置される濾過膜処理装置の差圧上昇を防止し、膜の寿命を長くすることにより、装置(システム)の安定した運転及びランニングコストの低減を図ることができるフォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フォトレジスト現像廃液から水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液を回収精製する回収精製処理装置、前記水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液から脱気脱泡する脱気脱泡処理装置、および、脱気脱泡された水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液から不純物微粒子を除去する濾過膜処理装置をこの順序で含むことを特徴とするフォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置、並びに、フォトレジスト現像廃液から脱気脱泡する脱気脱泡処理装置、脱気脱泡されたフォトレジスト現像廃液から不純物を除去して水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液を得るNF膜分離処理装置及び/又はイオン交換処理装置、および、前記水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液から不純物微粒子を除去する濾過膜処理装置をこの順序で含むことを特徴とするフォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置を提供するものである。即ち、本発明による現像廃液から再生現像液を回収再利用する装置は、脱気脱泡処理装置と微粒子除去の濾過膜処理装置をこの順序で含むことを特徴とする。
【0009】
PTFE等の弗素樹脂系の精密濾過膜や限外濾過膜等の濾過膜は撥水性が強く(水との親和力が弱く、水との界面張力も小さい)、また、PPやPE等の炭化水素樹脂系の濾過膜は、弗素樹脂系濾過膜に比べて撥水性は幾らか弱いものの水との親和力は弱い(水との界面張力は小さい)。
【0010】
被処理液中に気泡(マイクロバブルや泡沫)が多く含まれていると、濾過膜面は被処理液よりも気泡との親和力が強いため気泡が徐々に堆積して濾過膜表面を覆い、遂には濾過膜面を乾燥させる。このため、濾過膜の有効膜面積が減少し、通水差圧が上昇すると共に濾過膜の微粒子徐去性能も低下する。
【0011】
微細な気泡(マイクロバブル)は濾過膜を透過できるが、或る瞬間には濾過膜の孔を塞ぐ。更に、微細な気泡は他の気泡と結合して(特に、膜表面や膜内で)大きな気泡になり、上記の如く濾過膜表面を覆って膜面を乾燥させ、通水差圧を上昇させたり、濾過膜の微粒子除去性能を低下させる。
【0012】
気泡の発生要因としては、圧力低下、温度上昇等による気体物質の溶解度の減少、発泡性の界面活性物質含有液(現像廃液又はそれに由来する処理液)の通水、ポンプや配管等から起こるシステム内のキャビテーション、リークエアー(漏れ込んだ空気)の吸い込み等が挙げられる。従来の再生現像液回収再利用装置や方法では、以下に説明するように気泡が発生し易い状況にあり、発生した気泡はシステム末端付近に配置された濾過膜処理装置の濾過膜表面を覆って膜面を乾燥させ、通水差圧を上昇させたり、濾過膜の微粒子除去性能を低下させていた。このため濾過膜処理装置の安定運転が困難で、濾過膜の寿命が短く交換頻度が高くなり、メンテナンスとランニングコストの点で問題があった。
【0013】
まず、気泡発生のメカニズムの幾つかを詳細に説明するに当たって、再生現像液回収再利用装置の単位装置の順序(フロー)の代表例を以下に示すが、本発明がこれらに限定されないことは勿論である。イオン交換処理装置には、陰イオン交換樹脂及び/又は陽イオン交換樹脂を単床、混床、積層充填又は別カラム方式等の形態で用いることができる。イオン交換樹脂とキレート樹脂を同様の形態で組み合わせて使用してもよい。なお、以下のフローで「/」は「及び/又は」を示す。
【0014】
(1) イオン交換処理装置→濾過膜処理装置
(2) 電気透析装置/電解装置→イオン交換処理装置→濾過膜処理装置
(3) NF膜分離処理装置→濾過膜処理装置
(4) NF膜分離処理装置→イオン交換処理装置→濾過膜処理装置
(5) イオン交換処理装置→NF膜分離処理装置→濾過膜処理装置
(6) 電気透析装置/電解装置→NF膜分離処理装置→イオン交換処理装置→濾過膜処理装置
(7) 電気透析装置/電解装置→イオン交換処理装置→NF膜分離処理装置→濾過膜処理装置
(8) NF膜分離処理装置→電気透析装置/電解装置→イオン交換処理装置→濾過膜処理装置
【0015】
気泡発生のメカニズムは次のように考えられる。
〔1〕一般に、現像廃液に含まれる溶解フォトレジストは水溶性の高分子物質であるため界面活性物質としての作用を持つので、タンク内や通水中や循環中にこの作用により気体を取り込み気泡となり易い。一方、濾過膜処理装置に通液する時点では、通常、再生現像液にはフォトレジストは殆ど含まれず、新品現像液に近い。即ち、フォトレジストは、例えば、イオン交換処理において特に陰イオン交換樹脂等の陰イオン交換体で除去され(特開平10−85741号公報)、精製された再生現像液は組成において新品現像液に近い。従って、濾過膜処理装置に通液する時点では、再生現像液には濾過膜面を濡らす程の界面活性作用はなく、仮に、フォトレジストが幾らか多く含まれていて或る程度の界面活性作用があったとしても濾過膜面を濡らすに充分な程の界面活性作用ではない。
【0016】
〔2〕電気透析や電解では電極部でガス(水の分解による水素ガス、酸素ガス)が発生する。特に電解ではガス発生が激しく、この発生ガスがそのまま濃縮液に含まれる。これに対して、電気透析では、ガス発生が遙に少なく、イオン交換膜を介しているのでその程度は小さいが、それでも濃縮液に入り込む可能性がある。また、いずれの場合も濃縮液側にもフォトレジストが多少混入するので気泡を抱き込み易い。
【0017】
〔3〕NF膜分離では、高圧で被分離液を供給するが、透過液側の圧力は急激に低下する。この圧力差により溶解していた気体物質が気泡として現れる。
【0018】
〔4〕循環又は高圧ポンプや電気抵抗(電気透析や電解で)による液の発熱で温度上昇し、溶解していた気体物質が気泡として現れる。
【0019】
この様な気泡に対処するため、脱気脱泡処理装置で被処理液の脱気脱泡を行い、気泡を除去あるいは溶存気体物質を気泡が発生しない程度まで除去した後、精密濾過膜等の濾過膜を通すことにより、膜面は乾燥せず、濾過膜処理装置の安定運転ができ、濾過膜の寿命も長くなる。
【0020】
本発明において、脱気脱泡処理装置としては、脱気脱泡が行える限りにおいて、例えば、真空脱気装置、膜脱気装置、超音波脱気装置等のどのような装置を用いてもよいが、コンパクトで連続処理が行い易い膜脱気装置を用いるのが特に好ましい。膜脱気装置では、脱気脱泡処理によって気泡を除去したり、あるいは多少の温度上昇があっても気泡が発生しない程度まで溶存気体物質を除去すれば良いのであって、被処理液中の溶存気体物質を完全に除去する必要はないので、必ずしも高い真空度は要求されず、また、必要に応じて窒素ガス等のスイープガスを併用してもよい。
【0021】
次に、フォトレジスト現像廃液について説明する。現像廃液には、通常、溶解したフォトレジストとTAAHが含有されている。但し、一般に、廃液(廃水)は工場によって異なってくるものであり、何が混入してくるか分からず、また、場合によっては他の廃水と混合されることがあり得るので、TAAHの水酸化物イオンの一部が他種の陰イオンに置換されてテトラアルキルアンモニウム(以下、時に「TAA」と略す)の塩となっていることもあり得る。このような現像廃液は、通常は、pH値12〜14のアルカリ性を呈しており、現像廃液に溶解したフォトレジストは、アルカリ性の現像廃液中でそのカルボキシル基やフェノール性水酸基等の酸基によりTAAイオンとの塩の形で溶解している。
【0022】
現像廃液中のTAAHは、各種電子部品の製造等の際に使用するフォトレジストの現像液に用いられるアルカリであり、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアンモニウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアンモニウム、水酸化トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム(即ち、コリン)、水酸化トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化ジエチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化メチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化エチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化テトラ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム等(特に、前二者及びコリン)を挙げることができる。
【0023】
このような現像廃液からフォトレジスト等の不純物を分離し、TAAH溶液を回収精製する回収精製処理装置としては、種々の装置があるが、(精製)TAAH濃縮液を得る電気透析装置や電解装置(A)(特開平7−328642号公報、特開平5−17889号公報)、陰イオン交換体(精製の観点から、陰イオン交換樹脂が好ましく、OH形であるのが望ましい)、または、上記陰イオン交換体とH形及びTAA形の少なくとも一方の陽イオン交換樹脂との接触処理により精製TAAH溶液を得るイオン交換処理装置(B)(特開平10−85741号公報、特願平9−334800号)、および、NF膜によりTAAHを主として含む透過水を得るNF膜分離処理装置(C)(特願平10−10025号)から選ばれる少なくとも一つの単位装置を含むのが好ましい。これらの単位装置を複数含む場合は、その順序は任意であり、例えば、目的に応じて適正な順序を選べばよい。上記装置(A)、(B)及び(C)は、いずれもフォトレジスト等の不純物を除去することができ、現像廃液やそれに由来するTAAH含有処理液を精製することができる装置であり、中でも特に装置(B)は可及的に不純物を除去するために望ましい装置である。また、上記装置(A)は、TAAHを濃縮することができる。
【0024】
また、装置(A)とは異なり現像廃液やそれに由来するTAAH含有処理液を精製することができる装置ではないが、逆浸透膜処理装置や蒸発装置の少なくとも一つの濃縮装置を含め、TAAH等を濃縮するのも好ましい場合がある。現像廃液は、通常、洗浄水(リンス水)などでTAAH濃度が低くなっているので、現像廃液又はそれに由来するTAAH含有処理液を逆浸透膜処理装置や蒸発装置を用いて濃縮してもよい。
【0025】
高純度の再生現像液を得る観点から、装置(B)で用いる陰イオン交換樹脂としては、OH形の陰イオン交換樹脂が望ましく、また、Na等の不純物を除去できるH形及びTAA形の少なくとも一方の陽イオン交換樹脂と併用するのが望ましい。また、装置(B)の後段に装置(A)や装置(C)等の精製装置が配置されている場合など、陰イオン交換樹脂に代えて他の陰イオン交換体を用いることができる場合もある。
【0026】
なお、現像廃液又はそれに由来するTAAH含有処理液〔例えば、装置(A)や装置(C)からの処理液〕を陰イオン交換樹脂と接触させると、TAAHに由来する競合水酸化物イオンの存在にも拘わらず、廃液又は処理液中のフォトレジストを陰イオン交換樹脂に吸着させ、高選択的に除去することができる。即ち、アルカリ現像フォトレジストはノボラック樹脂を母体樹脂とするものが主流で、このノボラック樹脂は多数のベンゼン環を有しており、陰イオン交換樹脂として、例えば、特にスチレン系のベンゼン環を多数有する陰イオン交換樹脂等を用いた場合には、静電的相互作用に加えて、ベンゼン環同士の親和(疎水的)相互作用により、効率的且つ高選択的にフォトレジストを除去することができると考えられる。
【0027】
NF膜分離処理装置(C)は多段方式でもよい(特願平10−10025号)。この装置(C)では、フォトレジスト等の不純物を主として含む濃縮液とTAAHを主として含む透過液が得られる。NF膜分離処理装置(C)に用いられるNF膜は、分画分子量が100〜1000の範囲内で、且つ、0.2%(重量/容積)の塩化ナトリウム水溶液を被処理液として25℃で分離処理した時の塩化ナトリウムの阻止率(除去率)が90%以下の特性を有する分離膜である。
【0028】
現像廃液又はそれに由来するTAAH含有処理液をNF膜で分離処理すると、TAAHはNF膜を透過してその殆どが透過液中に入って来るが、フォトレジストは余り又は殆どNF膜を透過せず、大部分は濃縮液側に残存して濃縮される。また、イオン交換処理装置(B)では除去の難しいFe、Al等の金属成分やシリカ等の不純物も或る程度は濃縮液側に除去できる(NF膜を透過する量は少ない)。
【0029】
NF膜分離処理装置(C)により大部分の不純物が除去された透過液が得られるので、例えば、イオン交換処理装置や電気透析装置及び/又は電解装置などの装置を後段で用いる場合は、該後段の装置における不純物の負荷を低減でき、精製コストを低減することができる。なお、NF膜分離処理装置(C)は、低コスト且つ操作が容易な装置である。
【0030】
回収精製装置に組み込むことができる他の単位装置としては、例えば、現像廃液又はそれに由来するTAAH含有処理液を活性炭と接触させてフォトレジストを除去する活性炭処理装置(特開昭58−30753号公報)、現像廃液又はそれに由来するTAAH含有処理液をキレート樹脂と接触させてFe、Al等の一部の金属不純物を除去するキレート樹脂処理装置(特願平10−265581号)などを挙げることができる。このような単位装置は、上述の単位装置の少なくとも一つと組み合わせることができ、その場合、各単位装置の配置順序は任意である。
【0031】
また、現像廃液からフォトレジスト等の不純物を分離し、TAAH溶液を回収するその他の回収精製装置としては、現像廃液を中和+固液分離工程、オゾン、過酸化水素又は紫外線照射による有機物分解工程及び電解による濃縮工程にこの順で供する装置(特開平4−41979号公報、特開平5−17889号公報、特開平5−106074号公報)、現像廃液を中和+固液分離工程及び電解による濃縮工程にこの順で供する装置などを挙げることができる。この場合、中和+固液分離によりフォトレジストの大部分が除去され、中和により生じたTAA塩は電解によりTAAHに戻る。これらの装置で得られるTAAH含有溶液の純度が不十分である場合には、更に、前述の装置(A)、(B)、(C)やキレート樹脂処理装置などの少なくとも一つの単位装置を後段に配置してもよく、また、上記TAAH含有溶液のTAAH濃度が低い場合には、前述の如く、蒸発装置や逆浸透膜処理装置を後段に配置してもよい。
【0032】
電気透析の原理や利用法については、例えば、特開平7−328642号公報に記載されている。電気透析装置では、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜が交互に並べられて複数のセルを構成している。陰イオン交換膜を陰極に面した側に有するセルは濃縮セルとして機能し、ここではTAAHが濃縮されて濃縮液となり、陰イオン交換膜を陽極に面した側に有するセルは脱塩セルとして機能し、ここではTAAHが減少して脱塩液となる。
【0033】
電気透析装置は、一般的に使用されているものを使用でき、これに使用されるイオン交換膜としては、陽イオンと陰イオンを選択的に分離できるものであれば特に限定されず、例えば、アシプレックス〔旭化成工業(株)製〕、セレミオン〔旭硝子(株)製〕、ネオセプタ〔徳山曹達(株)製〕、イオンクラッドEDSメンブレン〔ポール(株)製〕、ナフィオン(デュポン社製)等を挙げることができる。また、イオン交換膜の特性も、一般的なものでよい。
【0034】
電気透析装置の構造は、特に限定されず、例えば、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを、脱塩される液の流入孔及び流出孔、濃縮される液の流入孔及び流出孔が設けられているガスケットで適当な間隔を保って交互に複数積層して複数のセルを構成し、両端を一組の電極で挟んで電気透析装置を構成すればよい。
【0035】
ここで、陰イオン交換膜の代わりに、耐アルカリ性が陰イオン交換膜より優れるポリビニールアルコール系等の中性膜を用いてもよい。中性膜はイオン性官能基の無い単なる高分子膜であるが、これはTAAイオンを通すもののその透過性は陽イオン交換膜より低いので、両者間の輸率の差を利用してTAAイオンの電気透析による濃縮を行うことができるのである。但し、中性膜を陰イオン交換膜の代わりに用いた時は、陰イオン交換膜の場合に比べて電流効率は悪くなる。
【0036】
この様な電気透析装置は一回通液方式でもよいが、例えば、特開平7−328642号公報に開示されるような循環方式や多段処理方式を採ることもでき、また、回分式であっても半回分式であっても或いは連続式であってもよい。
【0037】
電解の原理や利用法については、例えば、特開平5−17889号公報に記載されている。電解装置では、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜が配置され、陰極セルと陽極セルを構成している。陰極セルは濃縮セルとして機能し、TAAHが濃縮された濃縮液を生じる。一方、陽極セルは脱塩セルとして機能し、脱塩液(TAAイオンが希薄になった「希薄液」)を生じる。
【0038】
なお、電解に供する原液中にCl−やBr−等のOH−より電気分解されやすいイオン種が含まれているとCl2やBr2等のガスが生じる。この場合、特開昭57−155390号公報に開示されているように、陽極セルを更に陰イオン交換膜で区分し陽極側の区分セルに水酸化アンモニウム等のアルカリ物質を添加しておくと、中和によりCl2やBr2等のガスの発生が防止できる。SO4 2-やNO3 -の場合はOH−より電気分解され難いので、OH−の方が電気分解されO2が発生し、H2SO4やHNO3等が残る。
【0039】
また、陽イオン交換膜を用いる代わりに2枚の親水化処理した多孔質テフロン膜等の中性膜を使用し、陽極室、中間室及び陰極室を設け、中間室に原液を通しても電解を行う様に電解装置を構成することもできる(特開昭60−247641号公報)。
【0040】
更に純度の高いTAAH濃縮液を得たい場合には、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜を複数枚(好ましくは2枚)配置して、陽極側のセル(陽極セル)に原液を通液し、陰極側のセル(陰極セル)及び中間セルには、例えば、(超)純水又は各種不純物を含まない低濃度のTAAH溶液〔例えば、(超)純水に新品のTAAHを少量溶解させた液〕等の電解質溶液を濃縮用液(TAAH回収用液)として通液する様な多段TAAH精製電解装置を構成することもできる。この場合、陰極セルからは高純度のTAAH濃縮液が得られる。
【0041】
この様な電解装置は一回通液方式でもよいが、電気透析の場合と同じ様な循環方式や多段処理方式、また、回分式や半回分式や連続式を採ることもできる。
【0042】
なお、ここで「濃縮液」、「脱塩液」とは、TAAH含有量が増加するか減少するかによって使い分けられる用語であり、どちらのTAAH濃度が高いか低いかを示すものではない。
【0043】
装置(B)で用いてもよい(望ましくはOH形の)陰イオン交換樹脂としては、処理効率の点で繊維状や粒状等のスチレン系やアクリル系等の陰イオン交換樹脂が好ましく、あるいは、これらの複数の種類を任意の割合で混合もしくは積層して用いてもよいが、前述の様に、特にフォトレジスト除去効率の点ではスチレン系陰イオン交換樹脂が好ましいものの、(メタ)アクリル酸やそのエステル類をジビニールベンゼン(DVB)等で架橋して得たアクリル系陰イオン交換樹脂も用いることができる。また、弱塩基性や中塩基性の陰イオン交換樹脂も用いることができるが(特に中性又は酸性側ではフォトレジストの除去も可能)、フォトレジスト除去効率等の点で強塩基性陰イオン交換樹脂が好ましい。
【0044】
装置(B)で用いてもよいH形やTAA形陽イオン交換樹脂としては、処理効率の点で繊維状や粒状等のスチレン系やアクリル系等の陽イオン交換樹脂が好ましく、また、弱酸性陽イオン交換樹脂でも強酸性陽イオン交換樹脂のいずれでも良く、あるいは、これらの複数の種類を任意の割合で混合もしくは積層して用いてもよい。
【0045】
陽イオン交換樹脂は、通常、H形かNa形で市販されており、H形のままでも用いることができるが、陽イオン交換樹脂(Na形の場合はH形とした後)を、その使用に先立って、予めTAA形とするのが好ましく、これは、陽イオン交換樹脂に通液する通液初期に、TAAHが陽イオン交換樹脂に吸着されて、処理液中のその濃度が低下するという現象の発生を防止することができるためである。但し、完全なTAA形陽イオン交換樹脂ではなくて、一部H形となっているものでも良く、また、H形陽イオン交換樹脂とTAA形陽イオン交換樹脂を任意の割合で混合もしくは積層して用いてもよい。
【0046】
イオン交換樹脂として陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂のどちらを用いるか、または、両方を用いるかは、回収されるTAAH溶液の用途との関連における該溶液中に残留する陰イオン類及び陽イオン類等の各種不純物の許容量によって決めればよい。但し、上述のように、半導体デバイス、液晶ディスプレイ、プリント基板等の電子部品の製造用の現像液として回収TAAH溶液を用いるには、陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂の両方を用いるのが望ましい。
【0047】
陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂の両方をイオン交換樹脂として用いる場合は、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂を混合形(混床)又は積層充填形でカラム又は塔中に充填して用いても良く、また、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂とを別カラム又は別塔中にそれぞれ充填して個別に配置して用いてもよい。後者の場合は、長時間の運転によって、イオン交換容量が減少したり、劣化した方のイオン交換樹脂のみを容易に交換することができ、便利である。このように別カラム(別塔)方式の場合、両者の間に他の単位処理装置を配置することもできる。
【0048】
積層充填形や別カラム(別塔)方式の場合、上流側に陰イオン交換樹脂、下流側に陽イオン交換樹脂を配置するのが好ましく、この場合の利点は、陰イオン交換樹脂からは極微量のアミン類が溶出することが考えられるので、下流側の陽イオン交換樹脂で、この溶出アミン類を捕捉することができることなどである。
【0049】
装置(C)で用いてもよいNF膜としては、例えば、日東電工(株)製のNTR−7410、NTR−7450、NTR−725HF、NTR−7250、NTR−729HF、NTR−769SR、東レ(株)製のSU−200S、SU−500、SU−600、フィルムテック社製のNF−45、NF−55、NF−70、NF−90、デサリネーション社製のDESAL−5L、DESAL−5K、トライセップ社製のTS−80、フルッドシステム社製のTFC−S等を挙げることができる。
【0050】
フォトレジストの濃縮液側への分離除去を主な目的としたNF膜としてその表面が負に帯電した膜を使用すると、現像廃液やそれに由来するTAAH含有処理液〔例えば、装置(A)や装置(B)を経たTAAH含有処理液〕中で通常陰イオンとして存在するフォトレジストの阻止率(除去率)が向上し、且つ、NF膜面上へのフォトレジストの付着によるファウリング(汚染)が起き難いので好都合である。また、この場合は、存在すれば陰イオン系界面活性剤も効果的に濃縮液側に分離除去できる。また、一般に、NF膜は非イオン系界面活性剤や陽イオン系界面活性剤等も濃縮液側に分離除去することができる。また、現像廃液やそれに由来するTAAH含有処理液の性状(例えば、界面活性剤が含まれる場合はその種類など)に応じて、表面が正に帯電したNF膜や中性のNF膜を使用してもよいことは勿論である。
【0051】
一般に、NF膜は、高pH液には比較的弱いため、この寿命を長くするためには、NF膜の被処理液のpHは、必要に応じて9.5〜12、好ましくは9.5〜11に調整するのが望ましい。NF膜の不純物微粒子等による目詰まりの虞を避けるためには、NF膜の前段に孔径25μm以下の保安フィルターを設けるのが好ましい。これは、NF膜分離処理装置(C)をどの位置に配置する場合でも同様である。また、NF膜の被処理液のTAAH濃度が高くなると、ナノフィルターの運転圧が上昇したり、pHが高くなるに伴いNF膜の寿命が短くなったりするので、注意が必要である。
【0052】
また、装置(C)から得られる濃縮液にまだTAAHが多量に含まれている場合は、TAAHの回収率を上げるために、後段にこの濃縮液を精製するための各種装置を配置し、再生現像液の用途によっては或る程度の精製度まで、また、場合によっては上記のような電子部品の製造工程等で再生現像液を再利用できる高精製度まで、精製してもよい。
【0053】
また、NF膜分離処理装置から得られる透過液(以下、時に「NF透過液」と言う)はかなり純度の高いTAAH溶液であるので、これを濃縮用液(TAAH回収用液)として電気透析装置や電解装置の濃縮セルに通液し、一方、NF膜分離処理装置から得られる濃縮液(以下、時に「NF濃縮液」と言う)にかなりの量のTAAHが残存していれば、このNF濃縮液を原液(TAAHが脱塩される液)として上記の電気透析装置や電解装置の脱塩セルに通液してもよい(特願平10−10025号)。この場合、脱塩廃液として排出される排水の量を低減することができると共に、電気透析や電解によって濃縮用液(TAAH回収用液)側に移動させるTAAH量が少なくなるので、ランニングコストの低減や装置の小型化が図れる点で有利である。
【0054】
NF膜分離処理装置を、例えば、イオン交換処理装置や電気透析装置及び/又は電解装置等の精製装置と併用する場合、NF透過液の純度がかなり高いので、上記精製装置をNF膜分離処理装置(C)の後段に配置する方が前段に配置するよりも、該精製装置の負荷を低減する観点からは好ましい。しかし、例えば、少量の不純物(特にイオン交換処理では除去し難いFeやAl等の金属成分及びシリカ等の不純物成分等)を或る程度除去するために装置(C)を配置する場合には、上記の順序と逆の配置順序でもよい。また、場合によっては、装置(C)の前段と後段の両方に上記の様な精製装置を配置してもよいことは勿論である。また、元々現像廃液中の不純物濃度が低い場合、再生現像液の純度が低くても良い用途の場合等は、NF透過液に対して、イオン交換処理装置を介することなく、蒸発装置、逆浸透膜処理装置、電気透析装置及び電解装置の少なくとも一つの装置でTAAHを濃縮したり、濃厚新品TAAH溶液を加えて、TAAH濃度調整等を行ってもよい。
【0055】
前述したキレート樹脂処理装置で用いることができるキレート樹脂としては、例えば、イミノ二酢酸型、イミノプロピオン酸型、アミノメチレンホスホン酸型等のアミノホスホン酸型、ポリアミン型、N−メチルグルカミン型等のグルカミン型、アミノカルボン酸型、ジチオカルバミン酸型、チオール型、アミドキシム型、ピリジン型などの各種のキレート樹脂類を挙げることができる。
【0056】
キレート樹脂は多価の金属イオン類に対する選択性が高く、再生現像液を再利用するに際して問題となる微量不純物はいずれも多価の金属イオン類〔Fe(II)、Fe(III) 、Al(III) 等〕であるので、キレート樹脂と現像廃液又はそれに由来するTAAH含有処理液とを接触処理させると、これらの多価の金属イオン類を効果的に除去できる。
【0057】
不純物の除去の点では、キレート樹脂とイオン交換樹脂とを組み合わせて使用するのが好ましく、キレート樹脂の使用はイオン交換樹脂の使用の前でも後でもよく、また、これらは単床(別床)及び混床のいずれの形で使用しても良い。この組み合わせは、キレート樹脂+陰イオン交換樹脂、キレート樹脂+陰イオン交換樹脂+陽イオン交換樹脂又はキレート樹脂+陽イオン交換樹脂のいずれでもよい。また、キレート樹脂と両イオン交換樹脂とを組み合わせる場合は、混床の他、単床で陰イオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂)→キレート樹脂→陽イオン交換樹脂(陰イオン交換樹脂)の順に配置してもよい。
【0058】
再生現像液を得るに際してTAAH溶液を高純度化するためにキレート樹脂処理装置やイオン交換樹脂処理装置(B)を用いるに当たっては、キレート樹脂やイオン交換樹脂への負荷を下げるという観点から、その使用の前段にNF膜分離処理装置(C)を配置するのが好ましいが、更にTAAH溶液の高純度化を図る目的で装置(C)の後段にキレート樹脂処理装置や装置(B)を配置することもできる。
【0059】
本発明によれば、本発明の装置の末端付近(最後段またはその近く)に濾過膜処理装置を設置するが、これは、元々現像廃液中に存在する不純物微粒子を除去すると共に、ポンプ、電気透析装置や電解装置、キレート樹脂、イオン交換樹脂等から微粒子が混入してきても、これを確実に除去するためである。従って、濾過膜処理装置は、再生現像液を現像装置へ送る直前に該再生現像液に適用するのが好ましい。
【0060】
濾過膜処理装置としては、前述の如く、PE膜やPP膜等の炭化水素樹脂系の精密濾過膜類や限外濾過膜類、あるいはPTFE膜等の弗素樹脂系の精密濾過膜類や限外濾過膜類などから目的に応じて適切な膜を選択して用いた濾過膜処理装置を用いることができるが、通常は精密濾過膜を用いた装置を使用することが好ましい。ここで、精密濾過膜の細孔径は、約0.03〜約10μmであるのが好ましく、約0.03〜約1μmであるのが更に好ましい。
【0061】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明するが、本発明がこれらに限定されるもので無いことは言うまでもない。
【0062】
図1は、本発明の基本的装置の一例のフロー図である。現像装置から流入した現像廃液を必要に応じ一旦現像廃液槽に貯留し、TAAH溶液の回収のための回収精製装置に送液する。「回収精製装置」には、電気透析装置及び/又は電解装置、イオン交換処理装置、NF膜分離処理装置、キレート樹脂処理装置等のTAAH溶液回収精製用の各種単位装置が目的に応じて組み込まれている。次いで、回収精製されたTAAH溶液を脱気脱泡処理装置に通液し、脱気脱泡する。脱気脱泡されたTAAH溶液を好ましい濾過膜処理装置としての精密濾過膜処理装置に通液し、不純物微粒子を除去し、再利用に廻す。電気透析装置及び/又は電解装置とイオン交換処理装置、NF膜分離処理装置、キレート樹脂処理装置の少なくとも一単位装置を併用する場合は、後者の単位装置は脱気脱泡処理装置と精密濾過膜処理装置の間に配置してもよい。これは、一旦脱気脱泡されたTAAH溶液は、これらの単位装置を出た時の圧力低下により気泡が生じたとしても、その量は極微量であり、精密濾過膜処理装置に入る際の圧力上昇で消滅するからである。なお、キレート樹脂をイオン交換樹脂と混床や積層充填等の形として併用し、イオン交換処理装置に組み込んでもよい。
【0063】
図2は、本発明の基本的装置の他の一例のフロー図である。現像装置から流入した現像廃液を必要に応じ一旦現像廃液槽に貯留し、脱気脱泡処理装置に通液し、脱気脱泡する。脱気脱泡された現像廃液をNF膜分離処理装置及び/又はイオン交換処理装置に通液し、精製されたTAAH溶液を回収する。次いで、精製TAAH溶液を好ましい濾過膜処理装置としての精密濾過膜処理装置に通液し、不純物微粒子を除去し、再利用に廻す。この基本的装置の場合、通常、TAAH又はその水溶液を補充して所望のTAAH濃度へ上昇させるためのTAAH供給装置を精密濾過膜処理装置の直前または後段に設け、現像装置に再生現像液を送液するが、例えば、逆浸透膜処理装置でTAAH濃度の上昇した濃縮液を得るようにしてもよい。脱気脱泡処理装置と精密濾過膜処理装置の間にNF膜分離処理装置やイオン交換処理装置を配置しても良い理由は、図1の装置について説明したのと同様である。更にキレート樹脂を用いる場合は、その装置は脱気脱泡処理装置の前段でも後段でもよく、イオン交換樹脂と混床や積層充填等の形として併用し、イオン交換処理装置に組み込んでもよい。
【0064】
図3は、本発明の好ましいより具体的な装置の一例のフロー図である。現像装置から流入した現像廃液を必要に応じ一旦現像廃液槽に貯留し、電気透析装置に送液し、ここで現像廃液からのTAAH溶液の回収精製を行う。電気透析装置には、濃縮用液(TAAH回収液)として、例えば、(超)純水を供給し、この中にTAAHを回収、濃縮し、TAAH含有濃縮液を得る。一方、現像廃液からはTAAHが除去され、脱塩液を生じるので、脱塩廃水として系外に排出する。次いで、濃縮液をイオン交換処理装置(陰イオン交換樹脂又は陽イオン交換樹脂の単床、あるいは両者の混床又は積層充填の形、必要に応じてキレート樹脂を混床又は積層充填の形で更に含めてもよい)、膜脱気装置、精密濾過膜処理装置にこの順で送液し、再利用に廻す。括弧内は、膜脱気装置、イオン交換処理装置、精密濾過膜処理装置の順で濃縮液を送液してもよいことを示している。
【0065】
図4は、本発明の好ましいより具体的な装置の他の一例のフロー図である。現像装置から流入した現像廃液を必要に応じ一旦現像廃液槽に貯留し、NF膜分離処理装置に送液し、ここで現像廃液からのTAAH溶液の回収精製を行う。NF膜分離処理装置からは、フォトレジスト等の不純物が濃縮された濃縮液とTAAHがほぼそのまま透過して精製された透過液が生じる。濃縮液は濃縮廃水として系外に排出し、一方、透過液は精製TAAH溶液としてイオン交換処理装置(陰イオン交換樹脂又は陽イオン交換樹脂の単床、あるいは両者の混床又は積層充填の形、必要に応じてキレート樹脂を混床又は積層充填の形で更に含めてもよい)、膜脱気装置、精密濾過膜処理装置にこの順で送液し、再利用に廻す。括弧内は、膜脱気装置、イオン交換処理装置、精密濾過膜処理装置の順で濃縮液を送液してもよいことを示している。
【0066】
本発明で脱気脱泡処理装置として好ましく用いることができる膜脱気装置としては、TAAH溶液の脱気脱泡ができるものであれば、いかなるタイプのものでもよいが、その構成の理解を容易にするための一例を図5に示す。
【0067】
図5の膜脱気装置においては、減圧ライン接続口15及び真空計16を備えた外筒10の中に脱気膜としての多数の多孔質中空糸膜11が収納されている。この多孔質中空糸膜11は、外筒10内に注封材(ポッティング材)12によりその両端部分を固定されている。
【0068】
減圧ライン接続口15を介して外筒10内を減圧しつつ、原水入口13からTAAH溶液を膜脱気装置中に流入させると、多孔質中空糸膜11中を溶液が通過する過程において、多孔質中空糸膜11の内側から外側に向けて溶液から気泡及び溶存気体物質が抜き出され、脱気脱泡されたTAAH溶液は処理水出口14から流出される。なお、TAAH溶液を多孔質中空糸膜の外側に通し、気泡及び溶存気体物質を多孔質中空糸膜の内側に抜き出すような膜脱気装置の構成とすることもできることは勿論で、この構成はTAAH溶液の送液中の圧力損失が問題となる時は有利である。
【0069】
脱気膜の形態としては、上記の中空糸膜の形態以外に、例えば、シート状膜を巻いて形成したスパイラル状膜の形態のものを使用することもできる。脱気膜の構造としては、膜の両面間を連通する孔を有する多孔質膜構造、かかる連通孔が無い均質膜構造、多孔質膜の片表面にかかる連通孔が無いスキン層を有する非対称膜構造などを挙げることができる。TAAH溶液と脱気膜の濡れ性が高く、TAAH溶液が脱気膜を通して漏出する場合には、均質膜構造や非対称膜構造が好ましい。
【0070】
かかる脱気膜の材料面からは、均質シリコーンゴム膜等のシリコーン系膜、多孔質ポリ弗化ビニリデン膜、多孔質PTFE膜〔例えば、ゴア社(米)製の商品名「ゴアテックス」〕等の弗素樹脂系膜、多孔質PE膜、多孔質PP膜、均質ポリ−4−メチルペンテン−1膜等のポリオレフィン系膜、その他のポリエステル系、ポリアミド系、ポリスチレン系、ポリエーテル系、ポリチオエーテル系等の樹脂膜、更には複合膜(例えば、ポリスルフォンをベースとしてその上にシリコンコーティングしたもの)等を挙げることができるが、本発明では強アルカリ性のTAAH溶液を脱気脱泡するので、脱気膜の寿命の観点からは弗素樹脂系膜やポリオレフィン系膜が好ましい。
【0071】
脱気膜モジュールの具体例としては、大日本インキ化学工業(株)製のSEPAREL、セルガード(株)製のLiqui−Cell Extra−Flow、永柳工業(株)製のNAGASEP等を挙げることができる。また、脱気膜モジュールを汚染等から保護するために、膜脱気装置の上流側に保安フィルターを設けるのが好ましい場合もある。
【0072】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるもので無いことは言うまでもない。なお、以下の実施例で、TMAH濃度はイオンクロマト分析法、フォトレジスト由来のTOC濃度は紫外可視光吸光光度計を用い290nmでの吸光度を測定する吸光光度分析法で測定した。
【0073】
実施例1
LCD製造工程から排出されたフォトレジスト及びTMAHを含有するフォトレジスト現像廃液を使用して試験した。この廃液の水質は、TMAH濃度0.9重量%、フォトレジストに由来するTOC濃度420ppmであった。この廃液を試料液として電気透析装置によって超純水(濃縮用液)中にTMAHの分離、濃縮、回収を循環方式で行い、得られた回収液を混床式イオン交換処理装置、膜脱気装置、マイクロフィルター(精密濾過膜処理装置)の順に通液して再生TMAH溶液(精製液)を得た。
【0074】
電気透析装置としては、旭化成工業(株)製マイクロ・アシライザーを使用した。この装置では陽イオン交換膜アシプレツクスK−501〔旭化成工業(株)製〕、陰イオン交換膜の代わりに中性膜アシプレックスPVA#100〔旭化成工業(株)製〕を使用した。また、混床式イオン交換処理装置としては、陰イオン交換樹脂アンバーライトIRA−900(ローム・アンド・ハース社製、OH形)と前もって新品TMAH水溶液を通液することによりTMA形(テトラメチルアンモニウムイオン形)とした陽イオン交換樹脂アンバーライト200C(ローム・アンド・ハース社製)を体積比=1:1で合計10L(リットル)充填したカラムを使用した。膜脱気装置としては、セルガード(株)製の直径2.5インチの脱気膜モジュール(Liquid−Cell Extra−Flow)を50Torr条件下で使用した。また、マイクロフィルターとしては、ポール社製の精密濾過膜DF5301FDE(細孔径0.05μmのPTFE膜)を用いたものを使用した。
【0075】
電圧50V、回収率70%で、回収液のTMAH濃度が2.4重量%になるまでバッチ式連続運転で電気透析を行い、得られた濃縮液を流量50L/hの一定流速(空間速度SV:5)で混床式イオン交換処理装置に通液し、次いで、膜脱気装置、マイクロフィルターの順に通液した。
【0076】
通液初期のマイクロフィルターの差圧は、0.25kgf/cm2であった。一ケ月後のマイクロフィルターの差圧も、0.25kgf/cm2であった。
【0077】
実施例2
LCD製造工程から排出されたフォトレジスト及びTMAHを含有するフォトレジスト現像廃液を使用して試験した。この廃液の水質は、TMAH濃度0.9重量%、フォトレジストに由来するTOC濃度420ppmであった。この廃液を試料液としてNF膜分離処理装置で処理して得られた透過液を混床式イオン交換処理装置、膜脱気装置、マイクロフィルターの順に通液して再生TMAH溶液(精製液)を得た。なお、実際の現像時には、この再生TMAH溶液を濃厚TMAH溶液でTMAH濃度2.38重量%に調整する。
【0078】
NF膜分離処理装置(ナノフィルター)としては、日東電工(株)製のNF膜NTR−7450を用いた直径2インチのモジュールを使用した。混床式イオン交換処理装置、膜脱気装置及びマイクロフィルターとしては、実施例1と同じものを同じ条件下で使用した。ナノフィルターは、濾過圧7kgf/cm2で運転し、得られた透過液を実施例1と同じ条件下で混床式イオン交換処理装置、膜脱気装置、マイクロフィルターの順に通液した。
【0079】
通液初期のマイクロフィルターの差圧は、0.25kgf/cm2であった。一ケ月後のマイクロフィルターの差圧も、0.25kgf/cm2であった。
【0080】
比較例1
膜脱気装置を使用しない以外は、実施例1と同じ手順で試験を行った。通液初期のマイクロフィルターの差圧は、0.25kgf/cm2であった。一ケ月後のマイクロフィルターの差圧は、0.45kgf/cm2に上昇した。
【0081】
比較例2
膜脱気装置を使用しない以外は、実施例2と同じ手順で試験を行った。通液初期のマイクロフィルターの差圧は、0.25kgf/cm2であった。一ケ月後のマイクロフィルターの差圧は、0.40kgf/cm2に上昇した。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、濾過膜の乾燥の原因となる気泡を予めTAAH溶液から脱気脱泡処理装置で除去することにより、フォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置(システム)の末端付近(最後段またはその近く)に設置される濾過膜処理装置の安定運転と膜交換に伴うメンテナンス頻度の減少及びランニングコストの低減が実現でき、安価で効果的な装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の基本的装置の一例のフロー図である。
【図2】図2は、本発明の基本的装置の他の一例のフロー図である。
【図3】図3は、本発明の好ましいより具体的な装置の一例のフロー図である。
【図4】図4は、本発明の好ましいより具体的な装置の他の一例のフロー図である。
【図5】図5は、本発明の装置に好ましく用いることができる膜脱気装置の一例の概略断面図である。
【符号の説明】
10 外筒
11 脱気膜(多孔質中空糸膜)
12 注封材(ポッティング材)
13 原水入口
14 処理水出口
15 減圧ライン接続口
16 真空計
Claims (5)
- フォトレジスト現像廃液から水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液を回収精製する回収精製処理装置、前記水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液から脱気脱泡する脱気脱泡処理装置、および、脱気脱泡された水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液から不純物微粒子を除去する濾過膜処理装置をこの順序で含むことを特徴とするフォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置。
- 前記回収精製処理装置が、NF膜(ナノフィルトレーション膜)分離処理装置、電気透析装置及び電解装置から選ばれる少なくとも一つの装置を含むことを特徴とする請求項1に記載のフォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置。
- フォトレジスト現像廃液から脱気脱泡する脱気脱泡処理装置、脱気脱泡されたフォトレジスト現像廃液から不純物を除去して水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液を得るNF膜分離処理装置及び/又はイオン交換処理装置、および、前記水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液から不純物微粒子を除去する濾過膜処理装置をこの順序で含むことを特徴とするフォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置。
- 前記脱気脱泡処理装置が、膜脱気装置であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置。
- 前記濾過膜処理装置に用いられる濾過膜が、弗素樹脂系又は炭化水素樹脂系濾過膜であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のフォトレジスト現像廃液からの再生現像液の回収再利用装置。
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