JPH11128691A - フォトレジスト現像液再生回収装置 - Google Patents

フォトレジスト現像液再生回収装置

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JPH11128691A
JPH11128691A JP30958397A JP30958397A JPH11128691A JP H11128691 A JPH11128691 A JP H11128691A JP 30958397 A JP30958397 A JP 30958397A JP 30958397 A JP30958397 A JP 30958397A JP H11128691 A JPH11128691 A JP H11128691A
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solution
photoresist
ion
electrodialysis
liquid
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JP30958397A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Sugawara
広 菅原
Hiromi Henmi
ひろみ 逸見
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 フォトレジスト現像廃液から安定した現像が
可能な再生現像液を回収し、現像装置に供給できるフォ
トレジスト現像液再生回収装置を提供する。 【解決手段】 フォトレジスト及びテトラアルキルアン
モニウムイオンを主として含有するフォトレジスト現像
廃液又はそれに由来する処理液からテトラアルキルアン
モニウムイオンを分離濃縮するため電気透析装置及び/
又は電解装置と、この装置の後段に冷却機能を有する温
度調節器を設けたフォトレジスト現像液再生回収装置で
ある。電気透析装置及び/又は電解装置の後段にイオン
交換装置を更に設ける場合は、両者の間に少なくとも冷
却機能を有する温度調節器を設けるのが、イオン交換樹
脂の吸着容量の確保や劣化の防止及びイオン交換樹脂か
らの溶出物量の低減の観点から好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス、
液晶ディスプレイ(LCD)、プリント基板等の電子部
品の製造工程等で発生するフォトレジスト及びテトラア
ルキルアンモニウムイオンを含有するフォトレジスト現
像廃液から現像液を再生回収するためのフォトレジスト
現像液再生回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス、液晶ディスプレイ、プ
リント基板等の電子部品等を製造するには、ウェハー等
の基板上にネガ型又はポジ型のフォトレジストの皮膜を
形成し、パターンマスクを通して光等を照射し、次いで
現像液により不要のフォトレジストを溶解して現像し、
更にエッチング等の処理を行った後、基板上の不溶性の
フォトレジスト膜を剥離しなければならない。フォトレ
ジストは、露光部分が可溶性となるポジ型と露光部分が
不溶性となるネガ型があり、ポジ型フォトレジストの現
像液としてはアルカリ現像液が主流であり、ネガ型フォ
トレジストの現像液としては有機溶剤系現像液が主流で
あるが、アルカリ現像液を用いるものもある。
【0003】上記アルカリ現像液としては、通常、水酸
化テトラアルキルアンモニウム(テトラアルキルアンモ
ニウムヒドロオキシド)の水溶液が用いられる。従っ
て、かかる現像工程から排出される廃液(「フォトレジ
スト現像廃液」又は「フォトレジストアルカリ現像廃
液」と言い、以下単に「現像廃液」と略称することもあ
る)には、通常、溶解したフォトレジストとテトラアル
キルアンモニウムイオンが含有されている。ここで、テ
トラアルキルアンモニウムイオンは、上述したことより
明らかな通り、通常は水酸化物イオン(ヒドロオキシド
イオン、即ち、OH- )を対イオンとする水酸化テトラ
アルキルアンモニウムの形であるが、廃液(廃水)は工
場によって異なってくるものであり、何が混入してくる
か分からず、また、場合によっては他の廃水と混合され
ることがあり得るので、少なくとも一部のテトラアルキ
ルアンモニウムイオンは他種のイオンを対イオンとする
塩の形の場合もあり得る。従って、本明細書中の一般的
な説明では対イオンを特定せず、「イオン」と言う概念
で捉えたものである。しかし、廃液中のテトラアルキル
アンモニウムイオンは、上述のように、通常は水酸化テ
トラアルキルアンモニウムとして存在するので、これを
中心として本発明を説明する。
【0004】従来、かかるフォトレジスト及びテトラア
ルキルアンモニウムイオンを含有するフォトレジスト現
像廃液を処理するには、蒸発法や逆浸透膜法により濃縮
し廃棄処分(焼却又は業者引取)する方法、全量業者引
取する方法、活性汚泥により生物分解処理し放流する方
法がある。また、上記のようにして得た濃縮廃液あるい
はもともとテトラアルキルアンモニウムイオン濃度の高
い濃厚廃液については、電気透析法や電解法によりテト
ラアルキルアンモニウムイオンを好ましくは水酸化物の
形(電解法では必然的に水酸化物の形となる)で回収
し、再利用するといった試みがなされている。
【0005】現像廃液を活性汚泥により生物分解処理す
る方法は、テトラアルキルアンモニウムイオンの生物分
解性が悪く、また、他の有機物成分が廃液に混在してお
り、該他の有機物成分の方が生物分解性がよい場合は、
該他の有機物成分を分解する微生物の方の増殖が活発と
なり、テトラアルキルアンモニウムイオンを分解する微
生物の増殖が不活発となるので更にその生物分解性が悪
くなるため、低濃度の廃液の場合しか処理できず、大規
模な処理施設が必要となる。
【0006】このため、中濃度から高濃度の現像廃液
は、蒸発法や逆浸透膜法によりアルカリ可溶性のフォト
レジストとテトラアルキルアンモニウムイオンを濃縮し
た後、濃縮廃液を廃棄処分(焼却又は業者引取)する方
法か、全量業者引取する方法を採らざるを得ず、その廃
棄処分のためのコストが莫大なものとなっている。
【0007】一方、電気透析や電解によりテトラアルキ
ルアンモニウムイオンを好ましくは水酸化物の形で回収
する方法が公害対策や資源の有効活用等の点でベストで
あるため、これらの方法の研究開発が進み、電気透析や
電解に必要に応じてイオン交換処理(特に、陰イオン交
換樹脂による処理)を組み合わせたものを含めて、現像
液として再利用できる程度に高純度の水酸化テトラアル
キルアンモニウムの水溶液を回収可能な方法や装置も提
案されている(特開平5−17889号公報、特開平7
−328642号公報、特願平8−263793号、特
願平8−324867号、特願平8−352597号
等)。
【0008】このような方法で得られる回収液を半導体
デバイス、液晶ディスプレイ、プリント基板等の電子部
品等の製造プロセスで再利用する場合、回収液の純度は
当然のこととして、その他にも水酸化テトラアルキルア
ンモニウム濃度(TAAH濃度)と液温の調整管理が重
要となる。例えば、水酸化テトラアルキルアンモニウム
として最も一般的に用いられている水酸化テトラメチル
アンモニウム(TMAH)の場合、回収液のTMAH濃
度約2.38重量%、液温20〜30℃程度(室温範
囲)の中の所定液温(例えば、約23℃)として、常時
一定として再利用することが要求される。
【0009】現像廃液の温度は、室温付近であるが、電
気透析や電解による濃縮液(回収液)は、循環方式又は
多段方式で行う場合は循環ポンプや供給ポンプによる発
熱や電極表面での電気エネルギーによる発熱によって液
温が上昇してしまう。液温の上昇は、現像廃液の温度と
テトラアルキルアンモニウムイオン濃度に関係する。詰
まり、現像廃液温度が高いほど濃縮液の温度は高くな
る。また、現像廃液のテトラアルキルアンモニウムイオ
ン濃度が低いほど、電気透析や電解の処理時間が長くな
るため、循環方式又は多段方式で電気透析や電解を行う
場合は循環ポンプや供給ポンプの発熱を受けて、液温が
上昇するし、更に、現像廃液の電気伝導率が低下するこ
とに起因して、電気透析セルや電解セルの電気抵抗が高
くなるため、電極表面での電気エネルギーによる発熱量
が大きく、従って濃縮液の温度か高くなる。これらの理
由から、LSIやLCD工場のオンサイト(on-site )
で、現像廃液からの回収液を現像液として再利用する場
合、回収液(再生現像液)の温度変動が激しく、そのま
ま現像装置に供給するには不都合であるといった問題が
生じる。
【0010】また、上記濃縮液をイオン交換樹脂で更に
精製する場合、通液温度が高いと樹脂の吸着容量が低下
し、樹脂の再生や交換頻度が上昇する。また、濃縮液は
強アルカリ性溶液であるため、高温ではイオン交換樹脂
からの溶出物の量が多くなり、逆に濃縮液を汚染した
り、イオン交換樹脂本体を劣化させて該樹脂の寿命を短
くするといった問題が生じる。
【0011】同様に、例えば、電気透析や電解を循環方
式又は多段方式で行う場合は、循環数や段数の増加に伴
い濃縮液の温度が上昇し、高温アルカリ性溶液となる
と、これを更に電気透析や電解する際に、電気透析装置
や電解装置に用いられるイオン交換膜の劣化が促進さ
れ、イオン交換膜の交換頻度が上昇するといった問題も
生じる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フォ
トレジスト及びテトラアルキルアンモニウムイオンを含
有するフォトレジスト現像廃液から現像液を再生回収す
る際の上述のような問題を解決したフォトレジスト現像
液再生回収装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、フォトレジス
ト及びテトラアルキルアンモニウムイオンを主として含
有するフォトレジスト現像廃液から現像液を再生回収す
る装置であって、前記フォトレジスト現像廃液又は前記
フォトレジスト現像廃液に由来する処理液を電気透析及
び/又は電解によりテトラアルキルアンモニウムイオン
を分離濃縮するための電気透析装置及び/又は電解装置
と、この装置の後段にテトラアルキルアンモニウムイオ
ンの濃縮液の温度を調節するための少なくとも冷却機能
を有する温度調節器を少なくとも一つ設けたことを特徴
とするフォトレジスト現像液再生回収装置を提供するも
のである。
【0014】電気透析や電解を行うと、濃縮液の温度は
原液(現像廃液又はそれに由来する処理液)の温度より
も高くなる。温度上昇の程度は、原液温度、気温、原液
の性状、回収率、処理時間等に関係するために、濃縮液
の温度は変動してしまい、最終的な再生現像液の温度も
変動する。再生現像液の温度は、現像性能(現像時間、
残膜強度等)に大きく影響するために、この変動は電子
部品等の製品の歩留り低下につながる。
【0015】本発明によれば、電気透析装置及び/又は
電解装置以降に少なくとも一つの温度調節器を設け、再
生現像液としての回収液を設定温度(一般に、約20〜
30℃の室温範囲の或る一定温度)に調節した後、現像
装置に供給することで、安定した現像を行うことができ
るので、電子部品等の製品の歩留りが向上する。
【0016】電気透析装置及び/又は電解装置からの濃
縮液をイオン交換樹脂を充填したイオン交換装置で更に
精製する場合、濃縮液の温度が大きく上昇している時
は、イオン交換樹脂に上述のような悪影響を与える虞が
有り、イオン交換装置の前段に温度調節器(ここでは冷
却器でもよい)を設け、濃縮液温度を下げることで、イ
オン交換樹脂の吸着容量の確保、イオン交換樹脂からの
溶出物量の低減、イオン交換樹脂劣化の防止を図ること
ができる。更にイオン交換装置の後段にも温度調節器を
設け、回収液の温度の微調整を行った後、現像装置に供
給することが、安定した現像を行う上では好ましい。
【0017】電気透析装置や電解装置のイオン交換膜の
劣化が問題となる場合は、電気透析装置や電解装置に供
給する液〔原液:現像廃液又はそれに由来する処理液、
濃縮液:回収液、(電解液)〕の少なくとも一つを温度
調節器(ここでは冷却器でもよい)により冷却すること
でイオン交換膜の劣化防止の利点が生じるが、処理後に
排出する脱塩液(現像廃液の脱塩廃液)をも冷却してい
ることになるので、冷却コストは高くなる。この場合
も、更に後段に温度調節器を設け、回収液の温度の微調
整を行った後、現像装置に供給することが、安定した現
像を行う上では好ましい。
【0018】温度調節器としては、二重管式、多管式、
単管式、プレート式、スパイラル式、パネル式、ブロッ
ク式、コイル式、カスケード式、ジャケット式、蛇管
式、コイル状電熱管式、水浴式、電熱線式等の各種方式
の熱交換器を挙げることができるが、これらに限られる
こと無く別の方式の温度調節器を用いてもよく、単一方
式の温度調節器の単一設置でも複数設置でもよく、或い
は、複数方式の温度調節器の複数設置であってもよい。
【0019】温度調節器の設置位置は、配管、タンクの
いずれでもよいが、効率や設置スペースの上で、配管上
とするのが好ましい。
【0020】本発明の装置においては、フォトレジスト
及びテトラアルキルアンモニウムイオンを含有する現像
廃液を、直接、電気透析装置及び/又は電解装置に供給
して濃縮を行ってもよいが、その前段において、上記現
像廃液を各種の方法(装置)で前処理して得られる処理
液(フォトレジスト現像廃液に由来する処理液)を電気
透析装置及び/又は電解装置に供給して濃縮を行っても
よい。
【0021】電気透析装置及び/又は電解装置に供給し
てもよいフォトレジスト現像廃液に由来する処理液とし
ては、(a)前記フォトレジスト現像廃液を蒸発又は逆
浸透膜処理して得られる濃縮液、(b)前記フォトレジ
スト現像廃液又は前記濃縮液(a)を少なくとも陰イオ
ン交換体を含むイオン交換体と接触させてフォトレジス
トを主とする不純物を吸着除去して得られる処理液(特
願平8−324867号)又はこの処理液を蒸発又は逆
浸透膜処理して得られる濃縮液、(c)前記フォトレジ
スト現像廃液又は前記濃縮液(a)を中和して不溶性と
なったフォトレジストを遠心分離や膜分離(膜濾過)等
により分離除去して得られる中和処理液又はこの中和処
理液を蒸発又は逆浸透膜処理して得られる濃縮液、また
は、(d)上記中和処理液を少なくとも陰イオン交換体
を含むイオン交換体と接触させて残留フォトレジストを
主とする不純物を吸着除去して得られる処理液(特願平
8−324867号)又はこの処理液を蒸発又は逆浸透
膜処理して得られる濃縮液等を用いることができる。但
し、通常、蒸発又は逆浸透膜処理を2回行う必要性は無
い。蒸発や逆浸透膜処理によりテトラアルキルアンモニ
ウムイオン濃度を高めた処理液を電気透析装置及び/又
は電解装置で処理すると電流効率の向上等の利点を得
る。また、陰イオン交換体接触処理や中和処理により不
純物であるフォトレジストを或る程度除去した処理液を
電気透析装置及び/又は電解装置で処理すると高純度の
濃縮液を得ることができる。
【0022】イオン交換体接触処理を電気透析及び/又
は電解に先立って行う場合は、イオン交換体としては無
機系イオン交換体を用いてもよいが、後述するような有
機系イオン交換樹脂(陰イオン交換樹脂や陽イオン交換
樹脂)を用いるのが好ましく、また、このイオン交換体
接触処理を行うためのイオン交換装置は、後述するよう
なイオン交換樹脂を用いたイオン交換装置の場合と同様
に種々の方式を採ることができる。
【0023】水酸化テトラアルキルアンモニウム及びフ
ォトレジストを含有する現像廃液は、通常pH12〜1
4のアルカリ性を呈しており、フォトレジストはアルカ
リ性液中では溶解している。本発明の装置はかかるアル
カリ性の現像廃液にもそのまま適用することができる。
【0024】アルカリ可溶性のフォトレジストはカルボ
キシル基等を有しており、現像の際はこれらの基がテト
ラアルキルアンモニウム塩の形となってフォトレジスト
が現像液に溶解するので、現像廃液を中和してpH10
以下、好ましくはpH8以下(酸性でも可)にすると、
再びカルボキシル基等になりフォトレジストの大半は不
溶性となって、遠心分離や膜分離(膜濾過)等の方法で
フォトレジストの大半を除去できるようになる。本明細
書では、このように、現像廃液を中和し、フォトレジス
トを上記のような方法で或る程度除去した処理液を「中
和処理液」と言う。なお、この中和により、残存する水
酸化テトラアルキルアンモニウムの少なくとも一部もテ
トラアルキルアンモニウム塩となる。
【0025】また、特開平6−142649号公報に開
示されているような、現像廃液中のテトラアルキルアン
モニウムイオンを陽イオン交換体に吸着させ、酸水溶液
からなる溶離液を用いてテトラアルキルアンモニウムイ
オンを溶離して得られる溶出液としてのテトラアルキル
アンモニウム塩水溶液をフォトレジスト現像廃液に由来
する処理液として用いることもできる。
【0026】現像廃液中のテトラアルキルアンモニウム
イオンは、各種電子部品を製造する際に使用するフォト
レジストの現像液に用いられるアルカリとしての水酸化
テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモ
ニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テ
トラブチルアンモニウム、水酸化メチルトリエチルアン
モニウム、水酸化トリメチルエチルアンモニウム、水酸
化ジメチルジエチルアンモニウム、水酸化トリメチル
(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化トリエ
チル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸化ジ
メチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、水酸
化ジエチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、
水酸化メチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウ
ム、水酸化エチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモ
ニウム、水酸化テトラ(2−ヒドロキシエチル)アンモ
ニウムヒドロオキシド等(特に、前二者)の水酸化テト
ラアルキルアンモニウムから由来する。
【0027】現像廃液又はそれに由来する処理液中のテ
トラアルキルアンモニウムイオンの対イオンは、上述し
たように水酸化物イオン(OH- )であるのが通常であ
るが、工場によっては、また、中和を行った場合には、
弗化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、炭酸イオ
ン、炭酸水素イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝
酸イオン、燐酸イオン、燐酸水素イオン、燐酸二水素イ
オン等の無機陰イオン、及び、蟻酸イオン、酢酸イオ
ン、蓚酸イオン等の有機陰イオンから選ばれる少なくと
も一種がテトラアルキルアンモニウムイオンの対イオン
となるのが一般的である。特に炭酸イオン、炭酸水素イ
オンは、空気中の炭酸ガスが現像廃液中に溶け込んで少
量存在することが多い。なお、電解を行った濃縮液で
は、水酸化物イオンが通常テトラアルキルアンモニウム
イオンの対イオンとなるので、得られる水酸化テトラア
ルキルアンモニウムの溶液をフォトレジストアルカリ現
像液として再利用するに支障を生じる程、水酸化物イオ
ン以外の上記の対イオンの量が多くなる可能性がある場
合は、少なくとも電解装置を本発明の装置に含めれば良
い。
【0028】フォトレジスト現像廃液又はそれに由来す
る処理液を、電気透析装置及び/又は電解装置で処理す
ると、テトラアルキルアンモニウムイオン(対イオン
が、主に水酸化物イオン)が濃縮された濃縮分離液を回
収することができる(特開平7−328642号公報、
特開平5−17889号公報)。
【0029】次に、図1を参照しつつ、本発明の装置に
おいて電気透析装置を用いる場合の電気透析の原理を説
明する。なお、テトラアルキルアンモニウムイオンはそ
の対イオンが水酸化物イオンで、水酸化テトラアルキル
アンモニウム(以下、時に「TAAH」と記す)の形で
ある通常の場合について説明する。
【0030】図6に示したように、陰極1と陽極2の間
には陽イオン交換膜(カチオン交換膜)3と陰イオン交
換膜(アニオン交換膜)4が交互に並べられて複数のセ
ルを構成している。セルに送られたTAAH及びフォト
レジストを含有する原液(現像廃液又はそれに由来する
処理液)中のTAAHは、陽イオンとしてのテトラアル
キルアンモニウムイオン(TAA+ )と陰イオンとして
の水酸化物イオン(OH- )に解離しているため、陰極
1と陽極2間に直流電流が印加されるとTAA+ イオン
は陽イオン交換膜3を通って陰極側に移動するが次の陰
イオン交換膜4で殆ど阻止され、一方、OH- イオンは
陰イオン交換膜4を通って陽極側に移動するが次の陽イ
オン交換膜3で殆ど阻止されるため、或るセルではTA
AHが濃縮され、該セルに隣接するセルではTAAHが
減少することになる。即ち、陰イオン交換膜4を陰極1
に面した側に有するセル(A)は濃縮セルとして機能
し、ここではTAAHが濃縮されて濃縮液となり、陰イ
オン交換膜4を陽極2に面した側に有するセル(B)は
脱塩セルとして機能し、ここではTAAHが減少して脱
塩液となる。原廃液中のフォトレジストはイオン交換膜
を殆ど通らないため濃縮セル及び脱塩セルをそのまま通
過して濃縮液中及び脱塩液中に残留する。
【0031】上述の説明で明らかなように、図1に示し
たように脱塩セル及び濃縮セルの両方に原液を通液した
場合は、濃縮液中にもフォトレジストがそのまま残留す
ることとなるが、濃縮セル側ではTAAHのみが濃縮さ
れるのであってフォトレジストは濃縮されないので、濃
縮液中のフォトレジストは原液中の濃度とほぼ同じであ
り、この点において、電気透析はTAAHのみでなくフ
ォトレジストも同時に濃縮されてしまう蒸発法や逆浸透
膜法とは明らかに相違する。
【0032】本発明では、フォトレジストアルカリ現像
液として再利用できる高純度のTAAHの溶液を再生回
収することを目的としているので、電気透析装置でフォ
トレジストを殆ど含まない濃縮液を得ることが望まし
く、そのためには、脱塩セル側に原液を通液し、濃縮セ
ル側に(超)純水又はフォトレジストを含まない低濃度
のTAAH溶液〔例えば、(超)純水に新品のTAAH
を少量溶解させた液〕等の電解質溶液を通液するのが好
ましい。しかし、濃縮セルにも原液を送る場合、脱塩液
として排出される排水の量(容積)が減少する点では有
利である。
【0033】電気透析装置は、一般的に使用されている
ものを使用でき、これに使用されるイオン交換膜として
は、陽イオンと陰イオンを選択的に分離できるものであ
れば特に限定されず、例えば、アシプレックス〔旭化成
工業(株)製〕、セレミオン〔旭硝子(株)製〕、ネオ
セプタ〔徳山曹達(株)製〕等を挙げることができる。
また、イオン交換膜の特性も、一般的なものでよく、例
えば、厚さは、0.1〜0.6mm、抵抗は、1〜10
Ω・cm2 程度のものであればよい。
【0034】電気透析装置の構造は、特に限定されず、
例えば、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを、脱塩さ
れる液の流入孔及び流出孔、濃縮される液の流入孔及び
流出孔が設けられているガスケットで適当な間隔を保っ
て交互に複数積層して複数のセルを構成し、両端を一組
の電極で挟んで電気透析装置を構成すればよい。
【0035】ここで、陰イオン交換膜の代わりに、耐ア
ルカリ性が陰イオン交換膜より優れるポリビニールアル
コール系等の中性膜を用いてもよい。中性膜はイオン性
官能基の無い単なる高分子膜であるが、これはTAA+
イオンを通すもののその透過性は陽イオン交換膜より低
いので、両者間の輸率の差を利用してTAA+ イオンの
電気透析による濃縮を行うことができるのである。但
し、中性膜を陰イオン交換膜の代わりに用いた時は、陰
イオン交換膜の場合に比べて電流効率は悪くなる。
【0036】次に、図7を参照しつつ、本発明の装置に
電解装置を用いた場合の電解の原理を説明する。なお、
テトラアルキルアンモニウムイオンはその対イオンが水
酸化物イオンで、水酸化テトラアルキルアンモニウム
(TAAH)の形である通常の場合について説明する。
【0037】図4に示したように、陰極21と陽極22
の間には陽イオン交換膜23が配置され、陰極セル
(C)と陽極セル(D)を構成している。陽イオン交換
膜は、理屈の上では陽イオンしか通さない(実際は僅か
に陰イオン等も通す)。陽極セル(D)に原液(現像廃
液又はそれに由来する処理液)を通液し、陰極セル
(C)には(超)純水又はフォトレジストを含まない低
濃度のTAAH溶液〔例えば、(超)純水に新品のTA
AHを少量溶解させた液〕等の電解質溶液を通液する。
原液中のTAAHはテトラアルキルアンモニウムイオン
(TAA+ )と水酸化物イオン(OH- )に解離してい
るため、陰極21と陽極22の間に直流電流を印加する
と、TAA+ イオンは陽イオンであるので陰極(−)側
に移動し陽イオン交換膜23を通って陰極セル(C)に
入る。陰極21上では水(H2 O←→H++OH- )の
水素イオン(H+ )が電子(e- )を受け取り、水素ガ
ス(H2 )を生じ、残った陰イオンである水酸化物イオ
ン(OH- )は、陽極セル(D)から陰極セル(C)に
入ってきたTAA+ イオンの対イオンとなりTAAHを
生成する。従って、電解が進行すると陰極セル(C)中
ではTAAHが濃縮されることとなる。この意味で、陰
極セル(C)は濃縮セルとして機能する。一方、陽極2
2上では、TAAHの水酸化物イオン(OH- )が電子
(e- )を放出し、酸素ガス(O2 )と水とになる。こ
の意味では、陽極セル(D)は脱塩セルとして機能し、
脱塩液(TAA+ イオンが希薄になった「希薄液」)を
生じる。
【0038】なお、原液中にCl- やBr- 等のOH-
より電気分解されやすいイオン種が含まれているとCl
2 やBr2 等のガスが生じる。この場合、特開昭57−
155390号公報に開示されているように、陽極セル
を更に陰イオン交換膜で区分し陽極側の区分セルに水酸
化アンモニウム等のアルカリ物質を添加しておくと、中
和によりCl2 やBr2 等のガスの発生が防止できる。
SO4 2- やNO3 - の場合はOH- より電気分解され難
いので、OH- の方が電気分解されO2 が発生し、H2
SO4 やHNO3 等が残る。
【0039】また、陽イオン交換膜を用いる代わりに2
枚の親水化処理した多孔質テフロン膜等の中性膜を使用
し、陽極室、中間室及び陰極室を設け、中間室に原液を
通しても電解を行うことができる(特開昭60−247
641号公報)。
【0040】更に純度の高いTAAH濃縮液を得たい場
合は、陰極と陽極の間に陽イオン交換膜を複数枚(好ま
しくは2枚)配置して、陽極側のセル(陽極セル)に原
液を通液し、陰極側のセル(陰極セル)及び中間セルに
は(超)純水又はフォトレジストを含まない低濃度のT
AAH溶液〔例えば、(超)純水に新品のTAAHを少
量溶解させた液〕等の電解質溶液を通液すると、一個の
電解装置で多段にTAAHを精製することになり、陰極
セルからは高純度のTAAH濃縮液が得られる。
【0041】電気透析装置や電解装置は、循環方式や多
段方式に構成してもよく、この場合、得られるTAA+
イオンの濃縮液の濃度と純度を高めることができる。電
気透析装置を循環方式や多段方式に構成した例は、特開
平7−328642号公報に記載されている。電解装置
を循環方式や多段方式に構成する場合も電気透析装置の
場合と同様に考えればよい。この場合、前述したよう
に、イオン交換膜の劣化の防止の観点から、循環方式又
は多段方式に構成された電気透析装置及び/又は電解装
置の循環ライン又はその多段の装置間のラインの中の配
管又はタンクに少なくとも冷却機能を有する温度調節器
を少なくとも一つ設けるのが好ましい。
【0042】再生現像液の用途によっては、このように
回収された濃縮液を、温度調節器により温度調節し、好
ましくは濃度調節器でTAAH濃度を調節して、現像液
として用いることができる。
【0043】上述したように、電気透析装置や電解装置
におけるイオン交換膜(上述のように、中性膜を用いる
こともある)により、大部分のフォトレジストは、脱塩
液(TAA+ イオンが稀薄になった「稀薄液」)中に残
留するが、回収される濃縮液中にも少量又は微量のフォ
トレジストが残留又は混入してくる。また、現像廃液中
に元来存在するNa+ 、K+ 、Ca2+等の陽イオン(例
えば、Na+ は現像液である水酸化テトラメチルアンモ
ニウム商品中に10ppb以下、使用後の現像廃液中に
100ppb以上存在するのが通常である)やCl-
NO3 - 、SO4 2- 、HCO3 - 、CO3 2- 等の陰イオ
ンは、TAA+ イオンと共に回収される濃縮液側に移動
する(但し、電解装置の場合、陰イオンの移動は微量で
ある)。従って、回収されたTAA+ イオンの濃縮液
は、少量のフォトレジストやイオン成分を不純物として
含む。従って、再生現像液の用途によっては、回収濃縮
液中の少なくともフォトレジストと陰イオン成分、望ま
しくは陽イオン成分も除去する必要性が生じる。
【0044】そこで、この回収された濃縮液をイオン交
換処理するイオン交換装置を電気透析装置及び/又は電
解装置の後段に設けるのが好ましい。濃縮液を陰イオン
交換樹脂、好ましくは強塩基性陰イオン交換樹脂(好ま
しくはOH形)と接触させると、フォトレジスト及び陰
イオン成分の不純物が除去される(特願平8−2637
93号、特願平8−324867号)。一方、濃縮液を
陽イオン交換樹脂と接触させると陽イオン成分が除去さ
れる(特願平8−324867号)。陰イオン交換樹脂
がOH形の場合は、TAA+ イオンがTAAHの形で陰
イオン交換処理濃縮液中に存在するようになるので有利
である。イオン交換装置は、両イオン交換樹脂が混合又
は積層充填されたイオン交換装置でもよく、陰イオン交
換樹脂が充填された陰イオン交換装置を単独又は陽イオ
ン交換樹脂が充填された陽イオン交換装置と組み合わせ
て用いてもよい。
【0045】このように、濃縮液をイオン交換装置で陰
イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂と接触させると、半
導体デバイスやLCD等の電子部品製造工程で用いられ
るフォトレジストアルカリ現像液として充分に再利用可
能な程度に高度に精製されたTAAHの水溶液が得られ
る。
【0046】陰イオン交換体の一種である陰イオン交換
樹脂としては、処理効率の点で繊維状や粒状等のスチレ
ン系やアクリル系等の陰イオン交換樹脂が好ましく、あ
るいは、これらの複数の種類を任意の割合で混合又は積
層して用いても良いが、後述するように、特にフォトレ
ジスト除去効率の点でスチレン系陰イオン交換樹脂が好
ましい。なお、アクリル系陰イオン交換樹脂は、(メ
タ)アクリル酸やそのエステル類をジビニールベンゼン
(DVB)等で架橋したものである。また、フォトレジ
スト除去効率の点で強塩基性陰イオン交換樹脂が好まし
いが、弱塩基性陰イオン交換樹脂も特に中性又は酸性側
では、フォトレジスト除去効果があり、これらの複数の
種類を任意の割合で混合又は積層して用いても良い。ま
た、陰イオン交換樹脂の対イオンは、OH- でもCl-
等でもよいが、Cl- 等を対イオンとするCl形等の陰
イオン交換樹脂を用いるとTAA+ イオンの対イオンも
少なくとも一部Cl- 等に変わることになるので、OH
- イオンを対イオンとするOH形陰イオン交換樹脂を用
いるのが好ましい。なお、弱塩基性陰イオン交換樹脂を
中性又は酸性側で用いた場合や、Cl- 等を対イオンと
するCl形等の陰イオン交換樹脂を用いた場合には、T
AA+ イオンをTAAHの形とするために後段に電解装
置を設ければ良い。
【0047】通常の現像廃液中で、フォトレジストはカ
ルボキシル基等による陰イオン性の高分子として溶解し
ており、一方、TAAHは、陽イオンであるTAA+
オンと陰イオンであるOH- イオンに解離している。
【0048】このような廃液又はそれに由来する処理液
を陰イオン交換樹脂と接触させることで、フォトレジス
トを陰イオン交換体に吸着させ、除去することができ
る。
【0049】アルカリ現像フォトレジストはノボラック
樹脂を母体樹脂とするものが主流で、このノボラック樹
脂は多数のベンゼン環を有している。陰イオン交換樹脂
として特にスチレン系のベンゼン環を有する陰イオン交
換樹脂等を用いた場合には、静電的相互作用に加えて、
ベンゼン環同士の親和(疎水的)相互作用により、高選
択的にフォトレジストを除去することができると考えら
れる。
【0050】このため、電気透析及び/又は電解により
TAAH濃度を高めた濃縮液であっても、競合する水酸
化物イオン(TAAHに由来する)が多量に共存するに
も拘らず、フォトレジストを効果的且つ選択的に上記の
ような陰イオン交換樹脂に吸着させ、除去することがで
きると考えられる。
【0051】即ち、現像廃液又はそれに由来する処理液
を電気透析及び/又は電解して回収されたTAAH水溶
液(濃縮液)は、TAAH濃度が比較的高いが、陰イオ
ン交換樹脂と接触させることで、残留している微量のフ
ォトレジスト(および、その他の陰イオン不純物)を除
去することができる。
【0052】陽イオン交換体の一種である陽イオン交換
樹脂としては、水素イオン形(H形)やテトラアルキル
アンモニウムイオン形(TAA形)陽イオン交換樹脂を
用い、処理効率の点で繊維状や粒状等のスチレン系やア
クリル系等の陽イオン交換樹脂が好ましく、また、弱酸
性陽イオン交換樹脂でも強酸性陽イオン交換樹脂のいず
れでも良く、あるいは、これらの複数の種類を任意の割
合で混合もしくは積層して用いても良い。
【0053】陽イオン交換樹脂は、通常、H形かナトリ
ウムイオン形(Na形)で市販されており、このような
陽イオン交換樹脂(好ましくはH形)を、その使用に先
立って、予めTAA形とすることによって、陽イオン交
換樹脂に通液する通液初期に、TAAHが陽イオン交換
樹脂に吸着されて、処理液中のその濃度が低下するとい
う現象の発生を防止することができる。即ち、陽イオン
交換樹脂としては、H形のままでも用いることができる
が、TAA形として用いるのが好ましい。但し、完全な
TAA形陽イオン交換樹脂ではなくて、一部H形となっ
ているものでも良く、また、H形陽イオン交換樹脂とT
AA形陽イオン交換樹脂を任意の割合で混合もしくは積
層して用いても良い。
【0054】陰イオン交換樹脂も陽イオン交換樹脂も、
その使用に際して溶出物が無いように、超純水で充分洗
浄したものを用いるのが好ましいのは言うまでもない。
【0055】イオン交換樹脂として陰イオン交換樹脂と
陽イオン交換樹脂を併用する場合は、陰イオン交換樹脂
と陽イオン交換樹脂を混合した混床としてカラム又は塔
中に充填してイオン交換装置を構成しても良いが、陰イ
オン交換樹脂を上流側に、陽イオン交換樹脂を下流側に
カラム又は塔中に積層充填してイオン交換装置を構成す
るのが好ましい。しかし、現像廃液を予め多段式の電気
透析処理等でフォトレジストが少量となっている場合
や、もともと廃液中にフォトレジストが少量しか存在し
ない場合等においては、上流側に陽イオン交換樹脂、下
流側に陰イオン交換樹脂を配置してイオン交換装置を構
成しても差し支えない。また、陰イオン交換樹脂を上流
側のカラム又は塔に充填して陰イオン交換装置を構成
し、陽イオン交換樹脂を下流側のカラム又は塔に充填し
て陽イオン交換装置を構成し、個別に配置、連結して用
いる場合は、長時間の運転によって、交換容量が減少し
たり、劣化した方のイオン交換樹脂のみを容易に交換す
ることができ、便利である。この場合、陰イオン交換装
置と陽イオン交換装置の一方を電気透析装置及び/又は
電解装置の前段に設けてもよい。
【0056】上流側に陰イオン交換樹脂、下流側に陽イ
オン交換樹脂を配置する場合の利点は、陰イオン交換樹
脂からは極微量のアミン類が溶出することが考えられる
ので、下流側に陽イオン交換樹脂を配置することで、こ
の溶出アミン類を捕捉することができることであり、ま
た、高分子物質であるフォトレジストは、陽イオン交換
樹脂の表面に吸着し、その陽イオン交換の活性度を低下
させてしまう虞があるので、上流側に陰イオン交換樹脂
を配置し、前もってフォトレジストを充分除去しておく
ことでその虞を実質的に無くすことができることであ
る。
【0057】フォトレジストの現像液の最も代表的な例
は、濃度2.38重量%の水酸化テトラメチルアンモニ
ウム(TMAH)水溶液で、このTMAH濃度を一定と
して用いる。このTMAH水溶液を一例として、電気透
析を行う場合について説明する。この現像液でフォトレ
ジストの現像を行うと、通常はフォトレジストとTMA
Hを含む現像廃液を生じる。この現像廃液又はそれに由
来する処理液を電気透析により濃縮を行い、TMAH濃
縮液を得る。この濃縮液を望ましくは陰イオン交換樹脂
と接触させ濃縮液中に残留するフォトレジストを陰イオ
ン交換樹脂に吸着させて除去する。必要に応じて更に電
気透析(及び/又は電解)により処理液を濃縮してもよ
い。この例の場合、薬品からの混入や配管材等からの溶
出により現像廃液にNa+ 、K+ 、Ca2+、Fe2+、F
3+、Cu2+、Al3+等の陽イオン性の金属イオン類が
含まれているのが通常で、これらの金属イオン類は電気
透析で除去されることは無く、却って濃縮される。従っ
て、得られた濃縮液を再生現像液としてそのまま用いる
と、電子部品の製造においてはこれらの金属イオン類が
悪影響を与える場合がある。そこで、H形及びTAA形
(この例では、TMA形)の少なくとも一方の陽イオン
交換樹脂で処理することが望まれるのである。
【0058】なお、電気透析でTMAH濃度2.38重
量%の水溶液にまで濃縮するのでは無く、例えば1重量
%程度のTMAH濃度の水溶液に濃縮し、これを市販の
TMAH濃度約20重量%等の濃厚水溶液でTMAH濃
度2.38重量%に調整し、フォトレジスト現像液とし
て再利用すると、上記のような金属イオン類の濃度を更
に低く抑えることができる場合もあるので好都合であ
る。逆に、蒸発や逆浸透膜処理等の前処理で現像廃液の
濃縮を行った場合には、電気透析で2.38重量%を越
えるTMAH濃度迄に容易に濃縮することもでき、超純
水で希釈すると上記のような金属イオン類の濃度を更に
低く抑えることができる場合もあるので好都合である。
これらの場合、電気透析装置及び/又は電解装置、或い
は、イオン交換装置がある場合にはその後段に、TMA
H濃度調節のための濃度調節器を設ける。
【0059】これらの場合を含めて、一般的には、電気
透析装置及び/又は電解装置、或いは、イオン交換装置
がある場合にはその後段にTAAH濃度調節のための濃
度調節器を設けるのが望ましく、これによりTAAH濃
度が調節された再生現像液を現像装置に供給することが
でき、安定した現像を行うことができるので、電子部品
等の製品の歩留りが向上する。
【0060】更に、本発明の装置の末端やその近辺に膜
処理装置を設置しても良く、この場合、元々現像廃液中
に存在する微粒子を除去できると共に、電気透析装置及
び/又は電解装置、ポンプ、イオン交換樹脂等から微粒
子が混入してきても、これを確実に除去できるので好ま
しい。
【0061】上記膜処理装置としては、0.03〜1μ
m程度の細孔径を有するポリプロピレン(PP)製フィ
ルターやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フ
ィルターを用いた膜処理装置や、限外濾過膜装置等を挙
げることができ、目的に合わせて適切な膜処理装置を選
択し、使用することができる。
【0062】上述のようにして得られた高純度のTAA
Hの水溶液としての処理液を更に電気透析、電解、蒸
発、逆浸透等の方法又はこれらを組み合わせた方法によ
り濃縮しても良い。この場合、上記の膜処理装置による
処理を行う場合は、各処理の順序はどのような順序でも
可能であるが、膜処理装置による処理の目的が微粒子の
除去であることに鑑みると、膜処理装置による処理を最
後段に行うのが好ましい。
【0063】本発明の装置において、必要に応じて設け
る少なくともTAA+ イオンを含む溶液を貯蔵するか又
は滞留させる目的とする水槽(タンク)は、その中に窒
素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスを導入(パージ)
するような構造とすることが好ましく、この場合、水槽
(タンク)内の不活性ガスの圧力が外気(大気)圧より
も高く保たれる構造とするのが更に好ましく、不活性ガ
スを導入する水槽(タンク)に水封装置を付設するのが
特に好ましい(特願平8−352594号)。これは、
TAAH(=TAA+ OH- )は強アルカリであるた
め、TAA+ イオンを含む溶液が外気(大気)と接触す
ると、大気中の炭酸ガス(CO2 )が溶け込み、炭酸水
素テトラアルキルアンモニウム(TAA+ CO3 - )、
更には、炭酸テトラアルキルアンモニウム〔(TA
+ 2 CO3 2- 〕へと変化するが、この変化を防止す
ると共に、該溶液中への大気中からの他の不純物(CO
2 以外の酸性ガスや酸化性ガス等の各種ガス、塵、ゴ
ミ、金属類、塩類等)の混入を防止し、また、本発明の
装置の各単位処理装置の負荷を軽減する等のためであ
る。これは、特に半導体デバイス等の電子部品を製造す
るのに用いる現像液として再生現像液を使用する際に要
求されることである。
【0064】また、本発明の装置において、現像廃液や
その各種の処理液のフォトレジスト濃度の定量装置(例
えば、吸光分光分析器、吸光光度計)、または、更にそ
れらのTAAH濃度の定量装置(例えば、pH滴定装
置、電位差滴定装置)を備えた分析管理装置を必要に応
じて適所に設けるのも好ましい(特願平9−20904
号)。
【0065】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明がこれらに限定されるもので無い
ことは言うまでもない。
【0066】図1は、本発明の装置の一例のフロー図で
ある。廃液槽から電気透析装置(ED)に供給された現
像廃液は、ここで電気透析されて脱塩液(廃水)と濃縮
液とに分離される。次に、濃縮液は温度調節器としての
熱交換器(HE)に送られ、ここでその温度調節を受け
た後、濃度調節器でTAAH濃度の調節を受ける。濃縮
液のTAAH濃度が所望の濃度より低い時は、例えば、
高TAAH濃度の水溶液(図中では単に「TAAH」と
記されている)を濃縮液に添加し、濃縮液のTAAH濃
度が所望の濃度より高い時は、超純水(UPW)を濃縮
液に添加する。このようにTAAH濃度調節された濃縮
液は、膜処理装置(MF)に送られ、ここで不純物微粒
子を除去され、得られた再生現像液は現像装置に送ら
れ、フォトレジストの現像に使用される。図1の装置で
は、濃度調節器と膜処理装置の間に温度指示計(TI)
が設けられており、これからの温度信号が制御器に送ら
れ、この制御器からの信号により熱交換器がフィードバ
ック制御され、濃縮液の温度調節を行うように構成され
ている。
【0067】この現像装置から得られる廃液は、TAA
Hの他に現像により溶かし出されたフォトレジストを含
み、また、洗浄に用いられた超純水により希釈された現
像廃液であり、廃液槽に送られる。なお、廃液槽と電気
透析装置(ED)の間で、図示されていないが、前述し
たように、蒸発、逆浸透膜処理、中和処理、イオン交換
処理、その組み合わせ等の前処理用装置を配置し、この
前処理装置で処理して得られる現像廃液に由来する処理
液を電気透析装置(ED)に供給してもよいことは勿論
である。また、ライン上に熱交換器を設けてもよく、タ
ンクを設けてこれに熱交換器を付設してもよい。また、
温度指示計(TI)を膜処理装置の後に設けて、これか
らの温度信号により熱交換器のフィードバック制御を行
うようにしてもよい。
【0068】図2は、本発明の装置の他の一例のフロー
図である。図1の装置の場合と比べて、図2の装置で
は、濃度調節器と温度調節器としての熱交換器(HE)
の位置が逆になっている点が異なるだけである。図2の
装置では、温度指示計(TI)が熱交換器により近いの
で温度制御が容易である。図2の装置のその他の点につ
いては、図1の説明と同じなので、その説明を省略す
る。
【0069】図3は、本発明の装置の更に他の一例のフ
ロー図である。図3の装置では、電気透析装置(ED)
と濃度調節器の間に温度調節器としての熱交換器(H
E)とその後段にイオン交換装置(IER)が配置さ
れ、該熱交換器と該イオン交換装置の間で電気透析して
得られた濃縮液の温度も温度指示計(TI)により測定
し、その温度信号により該熱交換器のフィードバック制
御を行っている点が図2の装置と異なる。図3の装置
は、イオン交換装置で上記濃縮液中の残留フォトレジス
トや不純物イオンを除去し、高純度の再生現像液を現像
装置に送るようにしたもので、該イオン交換装置の前段
の熱交換器は、電気透析により温度上昇した濃縮液の温
度を低下させ、イオン交換樹脂の吸着容量の低下を防
ぎ、また、イオン交換樹脂からの溶出物量を低減させる
のに効果的である。イオン交換装置の構成については、
前述したように、再生現像液の用途に応じて種々の構成
を採用することができる。図3の装置のその他の点につ
いては、図1と図2の説明と同じなので、その説明を省
略する。
【0070】図4は、本発明の装置において、循環方式
の電気透析装置を用いた場合の電気透析装置廻りのシス
テムの一例のフロー図である。原液(TAAHとフォト
レジストを含有する現像廃液又はそれに由来する処理
液)の入った廃液槽112から原液をポンプ117によ
り脱塩液槽113に送り、脱塩液槽113から循環ポン
プ118により温度調節器としての熱交換器115を通
して、直流電流を印加した電気透析装置111の脱塩セ
ルに送り、脱塩セルから流出する脱塩液を脱塩液槽11
3に戻し循環させる。一方、濃縮液槽114には原液、
或いは、超純水又はフォトレジストを含まない低濃度の
TAAH溶液(例えば、超純水に新品のTAAHを少量
溶解させた液)等の電解質溶液を仕込んでおき、これを
循環ポンプ119で温度調節器としての熱交換器116
を通して、電気透析装置111の濃縮セルへ送り、流出
する濃縮液を濃縮液槽114に戻し循環させる。脱塩液
槽113の脱塩液の電気伝導度を電気伝導度計121で
測定し、脱塩されて一定の脱塩率になったところで脱塩
液槽113内の脱塩液の一部を槽外に排出し、排出した
分だけ脱塩液槽113内に廃液槽112より原液を送
る。一方、濃縮液槽114中のTAAH濃度が所定の濃
度に達したら、濃縮液を濃縮液槽114から取り出す。
取り出した濃縮液は、再生現像液の用途に応じて図1〜
3のいずれかの装置の電気透析装置(ED)以降のライ
ンに送る。
【0071】図4の装置では、脱塩液と濃縮液の温度が
循環ポンプ118と119の発熱や電気透析装置111
内の電極表面での電気エネルギーによる発熱で上昇した
としても、循環して再び電気透析装置111に入る前に
それぞれ熱交換器115と116により温度調節(冷
却)されるので、電気透析装置111内のイオン交換膜
の劣化を効果的に防ぐことができ、該イオン交換膜の寿
命を長くすることができる。なお、熱交換器115を省
いて、熱交換器116のみでイオン交換膜の劣化を防ぐ
ようにしてもよい。
【0072】図5は、本発明の装置において、多段の電
気透析装置を用いた場合の多段電気透析装置廻りのシス
テムの一例のフロー図である。図5に示す多段電気透析
装置システムでは、廃液槽214から供給ポンプ217
で送られた原液(現像廃液又はそれに由来する処理液)
を第1の電気透析装置211で電気透析して得られる脱
塩液を、温度調節器としての熱交換器215を経由して
第2の電気透析装置212へ供給ポンプ218で輸送し
て電気透析し、該脱塩液中に残留するTAAHの濃縮、
回収を図る。第2の電気透析装置212で電気透析され
てTAAHが濃縮された濃縮液は、第1の電気透析装置
211で電気透析され供給ポンプ219で輸送される濃
縮液と共に温度調節器としての熱交換器216を経由し
て第3の電気透析装置213で電気透析することによ
り、TAAHを更に高濃度に濃縮する。第3の電気透析
装置213で電気透析された濃縮液は再生現像液の用途
に応じて図1〜3のいずれかの装置の電気透析装置(E
D)以降のラインに送られる。第3の電気透析装置21
3で処理された脱塩液は、供給ポンプ220で熱交換器
215を経由して第2の電気透析装置212に返送し、
第1の電気透析装置211で得られる前記脱塩液と共に
電気透析処理して残留するTAAHの濃縮、回収を図
る。第2の電気透析装置212から流出する脱塩液は、
含有物の殆どがフォトレジストであり、TAAH濃度は
低いので系外に排出する。
【0073】図5には示されていないが、図4のシステ
ムと同じように超純水又はフォトレジストを含まない低
濃度のTAAH溶液(例えば、超純水に新品のTAAH
を少量溶解させた液)等の電解質溶液を第1の電気透析
装置211の濃縮セルに送るようにしてもよく、より高
い純度の濃縮液を得ることも可能である。しかし、図4
及び図5のシステムにおいて、濃縮セルにも原液を送る
場合は、脱塩液として排出される排水の量(容積)が減
少する点では有利である。
【0074】なお、ここで「濃縮液」、「脱塩液」と
は、TAAH含有量が増加するか減少するかによって使
い分けられる用語であり、どちらのTAAH濃度が高い
か低いかを示すものでは無い。
【0075】図4や図5のシステムに用いられている様
な構成は、電解装置にも適用できるものである。
【0076】図3、図4及び図5では、熱交換器を主に
冷却器として使用する場合について説明したが、冬期な
ど廃液温度が低くなる場合などは、加温器として使用し
てもよい。
【0077】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明がこの実施例に限定されるもので無いこと
は言うまでも無い。
【0078】参考例1 液晶ディスプレイ製造工場(工場A、工場B)から排出
されたフォトレジスト及び水酸化テトラメチルアンモニ
ウム(TMAH)を含有する現像廃液をサンプリングし
て分析した。TMAH濃度は、イオンクロマト分析法に
より測定した。その結果を表1に示す。なお、液温はサ
ンプリング時の値を示す。
【0079】
【表1】 ────────────────────────────────── 工場 サンプル TMAH(ppm) 液温(℃) ────────────────────────────────── A 1 6100 20.4 A 2 8900 22.1 ────────────────────────────────── B 3 4800 19.8 ──────────────────────────────────
【0080】表1から、同じ工場においても、現像廃液
中のTMAH濃度や液温の変動が有ることが分かる。
【0081】実験例1 電気透析開始時の液温26.1℃に調整された表1の各
サンプル1、2、3の3000mlを現像廃液試料とし
て、循環方式の電気透析装置によって、電気透析開始時
液温26.1℃に調整された超純水500ml中にTM
AHの分離、濃縮、回収を行った。電気透析装置は、旭
化成工業(株)製マイクロ・アシライザーG3を使用
し、この装置において陽イオン交換膜アシプレックスK
−501〔旭化成工業(株)製〕と陰イオン交換膜アシ
プレックスA−201〔旭化成工業(株)製〕を使用し
た。通電面積は55cm2 、有効膜面積は550cm2
であった。電気透析時の室温は25〜27℃であった。
印加電圧12Vで電気透析を行い、濃縮液の電気伝導率
が45ms/cmとなった時点を電気透析の終点とし、
回収液を得た。その結果を表2に示す。
【0082】
【表2】 ────────────────────────────────── サンプル 透析時間 回収液 ────────────────────── (分) TMAH(ppm) 終了時液温(℃) ────────────────────────────────── 1 44 21000 28.1 2 23 20800 27.2 3 131 20700 30.9 ──────────────────────────────────
【0083】表2から、現像廃液のTMAH濃度に応じ
て透析時間が変化し、回収液温上昇度も変化することが
分かる。但し、運転条件(電圧、回収率、液量等)を変
えれば透析時間が変わってくるので、回収液温上昇度も
異なってくることに注意すべきである。
【0084】実験例2 電気透析開始時の液温27.8℃に調整された表1のサ
ンプル2を現像廃液試料として用いた以外は実験例1と
同様にして電気透析を行った。その結果を、比較のため
に表2中のサンプル2についてのデータと共に表3に示
す。
【0085】
【表3】 ────────────────────────────────── 開始時 透析時間 回収液 液温 ────────────────────── (℃) (分) TMAH(ppm) 終了時液温(℃) ────────────────────────────────── 27.8 21 20700 28.7 26.1 23 20800 27.2 ──────────────────────────────────
【0086】表3から、同一サンプルであっても、電気
透析開始時の液温が変われば、終了時の液温も異なって
くることが分かる。一般に、廃水系には温度調節器が付
設されていないので、季節によって現像廃液の液温は大
きく変動することに注目すべきである。
【0087】実施例1 実験例1で得られたサンプル2からの回収液の液温を2
0℃、30℃、40℃に調整した。このように液温調整
された各回収液を強塩基性陰イオン交換樹脂アンバーラ
イトIRA−900(ローム・アンド・ハース社製)の
OH形を充填したカラムに空間速度(SV)5で通液し
た。フォトレジストは紫外部に特徴的な吸収波長を有す
る(290nm付近にピーク)ので、得られた処理液の
290nmでの吸光度を測定した。その結果を表4に示
す。一般的に、フォトレジストは芳香族環に特有の強い
吸収帯を紫外部に持つのに対し、TMAH等の水酸化テ
トラアルキルアンモニウムは波長230nm以上の紫外
部に吸収帯を持たないので、上記の吸光度の測定により
間接的にフォトレジスト濃度の定量を行うことができる
(特願平9−20904号)。
【0088】
【表4】 ────────────────────────────────── 現像 回収液 陰イオン交換樹脂処理液(液温) 廃液 ─────────────────── (20℃) (30℃) (40℃) ────────────────────────────────── 吸光度 1.492 0.163 0.002 0.024 0.035 (290nm) ──────────────────────────────────
【0089】比較のためのブランクテストとして、新品
の現像液〔NMD−3、東京応化工業(株)製、2.3
8重量%TMAH水溶液〕に超純水を添加して、TMA
H濃度を実験例1で得られたサンプル2からの回収液と
同じ20800ppmに調整し、得られた試料液の液温
を20℃、30℃、40℃に調整し、各液温の試料液を
上記と同じ陰イオン交換樹脂充填カラムに同様にして通
液し、得られた処理液の290nmでの吸光度を測定し
た。その結果を表5に示す。また、表4の回収液の吸光
度から上記試料液の吸光度を差し引いた差、および、表
4の各陰イオン交換樹脂処理液の吸光度から同液温の各
試料液の陰イオン交換樹脂処理液の吸光度を差し引いた
差も表5に示す。
【0090】
【表5】 ──────────────────────────────── 新品 陰イオン交換樹脂処理液(液温) 現像液 ─────────────────── (20℃) (30℃) (40℃) ──────────────────────────────── 吸光度 O.000 0.001 0.019 0.026 (290nm) ──────────────────────────────── 差 +O.163 +0.001 +0.005 +0.009 ────────────────────────────────
【0091】表5における陰イオン交換樹脂処理液の
「吸光度」は、陰イオン交換樹脂からの溶出物(芳香族
環を有する物質)の存在を示すと共に、液温(通液温
度)が高くなれば溶出物量が多くなることを示してい
る。表5における「差」が、実質的に現像廃液又は各陰
イオン交換樹脂処理液に含まれていたフォトレジスト量
に対応すると考えられる。各陰イオン交換樹脂処理液の
「差」は液温が高くなれば大きくなり、従って、陰イオ
ン交換樹脂に吸着されないで漏れ出てくるフォトレジス
ト量(コンスタントリーク量)が液温(通液温度)が高
くなれば大きくなることを示している。これらのことか
ら、電気透析により得られる回収液としての濃縮液の温
度が高いままイオン交換樹脂に通液すると、イオン交換
樹脂の寿命が短くなり、残留フォトレジストの除去率も
低下することが分かる。また、一般に、通液温度が高く
なると、イオン交換樹脂の吸着容量が減少する。従っ
て、イオン交換樹脂に通液する前に、濃縮液の温度が高
い場合は、これを低く調整することが重要であることが
分かる。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、電気透析装置及び/又
は電解装置以降に少なくとも一つの温度調節器を設け、
回収液を設定温度(一般に、約20〜30℃の室温範囲
の或る一定温度)に調節した後、再生現像液として現像
装置に供給することで、安定した現像を行うことができ
るので、電子部品等の製品の歩留りが向上する。
【0093】電気透析装置及び/又は電解装置からの濃
縮液をイオン交換樹脂を充填したイオン交換装置で更に
精製する場合、濃縮液の温度が大きく上昇している時
は、イオン交換装置の前段に温度調節器(冷却器)を設
け、濃縮液温度を下げることで、イオン交換樹脂の吸着
容量の確保、イオン交換樹脂からの溶出物量の低減、イ
オン交換樹脂劣化の防止を図ることができる。
【0094】電気透析装置や電解装置におけるイオン交
換膜の劣化が問題となる場合は、電気透析装置や電解装
置に供給する液〔原液:フォトレジスト現像廃液または
それに由来する処理液、濃縮液:回収液、(電解液)〕
の少なくとも一つを温度調節器(冷却器)により温度調
整することでイオン交換膜の劣化を防止することができ
る。
【0095】電気透析装置や電解装置を循環方式や多段
方式に構成した場合、循環方式又は多段方式の電気透析
装置及び/又は電解装置の循環ライン又はその多段の装
置間のラインの中の配管又はタンクに少なくとも冷却機
能を有する温度調節器を少なくとも一つ設けることによ
りイオン交換膜の劣化を防止することができる。
【0096】電気透析装置及び/又は電解装置、並び
に、イオン交換装置がある場合にはその後段に、水酸化
テトラアルキルアンモニウム濃度調節のための濃度調節
器を設けるのが望ましく、これにより水酸化テトラアル
キルアンモニウム濃度が調節された再生現像液を現像装
置に供給することができ、安定した現像を行うことがで
きるので、電子部品等の製品の歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の装置の一例のフロー図であ
る。
【図2】図2は、本発明の装置の他の一例のシステムフ
ロー図である。
【図3】図3は、本発明の装置の更に他の一例のシステ
ムフロー図である。
【図4】図4は、本発明の装置が循環方式の電気透析装
置を有する場合の該電気透析装置廻りのシステムの一例
を示すをフロー図である。
【図5】図5は、本発明の装置が多段方式の電気透析装
置を有する場合の該電気透析装置廻りのシステムの一例
を示すをフロー図である。
【図6】図6は、本発明の装置において電気透析装置を
有する場合の電気透析の原理の説明図である。
【図7】図7は、本発明の装置において電解装置を有す
る場合の電解の原理の説明図である。
【符号の説明】
1 陰極 2 陽極 3 陽イオン交換膜(カチオン交換膜) 4 陰イオン交換膜(アニオン交換膜) 111 電気透析装置 112 廃液槽 113 脱塩液槽 114 濃縮液槽 115、116 熱交換器 117、118、119 ポンプ 121 電気伝導度計 122 温度指示計 123 制御器 211 第1電気透析装置 212 第2電気透析装置 213 第3電気透析装置 214 廃液槽 215、216 熱交換器 217、218、219、220 ポンプ 221 温度指示計 222 制御器 21 陰極 22 陽極 23 陽イオン交換膜 ED 電気透析装置 HE 熱交換器 MF 膜処理装置 TI 温度指示計 TAAH 水酸化テトラアルキルアンモニウム UPW 超純水 IER イオン交換装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/32 C02F 1/46 103 H01L 21/027 H01L 21/30 569A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトレジスト及びテトラアルキルアン
    モニウムイオンを主として含有するフォトレジスト現像
    廃液からフォトレジスト現像液を再生回収する装置であ
    って、前記フォトレジスト現像廃液又は前記フォトレジ
    スト現像廃液に由来する処理液を電気透析及び/又は電
    解によりテトラアルキルアンモニウムイオンを分離濃縮
    するための電気透析装置及び/又は電解装置と、この装
    置の後段にテトラアルキルアンモニウムイオンの濃縮液
    の温度を調節するための少なくとも冷却機能を有する温
    度調節器を少なくとも一つ設けたことを特徴とするフォ
    トレジスト現像液再生回収装置。
  2. 【請求項2】 前記フォトレジスト現像廃液に由来する
    処理液が、(a)前記フォトレジスト現像廃液を蒸発又
    は逆浸透膜処理して得られる濃縮液、(b)前記フォト
    レジスト現像廃液又は前記濃縮液(a)を少なくとも陰
    イオン交換体を含むイオン交換体と接触させてフォトレ
    ジストを主とする不純物を吸着除去して得られる処理液
    又はこの処理液を蒸発又は逆浸透膜処理して得られる濃
    縮液、(c)前記フォトレジスト現像廃液又は前記濃縮
    液(a)を中和して不溶性となったフォトレジストを分
    離除去して得られる中和処理液又はこの中和処理液を蒸
    発又は逆浸透膜処理して得られる濃縮液、または、
    (d)前記中和処理液を少なくとも陰イオン交換体を含
    むイオン交換体と接触させて残留フォトレジストを主と
    する不純物を吸着除去して得られる処理液又はこの処理
    液を蒸発又は逆浸透膜処理して得られる濃縮液であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のフォトレジスト現像液
    再生回収装置。
  3. 【請求項3】 前記電気透析装置及び/又は電解装置に
    よる分離濃縮により得られるテトラアルキルアンモニウ
    ムイオンの濃縮液を陰イオン交換樹脂と接触させ、前記
    濃縮液中に残留するフォトレジストを吸着除去するため
    のイオン交換装置を更に設けたことを特徴とする請求項
    1又は2に記載のフォトレジスト現像液再生回収装置。
  4. 【請求項4】 前記電気透析装置及び/又は電解装置に
    よる分離濃縮により得られるテトラアルキルアンモニウ
    ムイオンの濃縮液を陰イオン交換樹脂及び水素イオン形
    (H形)及びテトラアルキルアンモニウムイオン形(T
    AA形)の少なくとも一方の陽イオン交換樹脂と接触さ
    せ、前記濃縮液中に残留するフォトレジスト及びその他
    の不純物を吸着除去するための少なくとも一つのイオン
    交換装置を更に設けたことを特徴とする請求項1又は2
    に記載のフォトレジスト現像液再生回収装置。
  5. 【請求項5】 前記電気透析装置及び/又は電解装置か
    ら前記イオン交換装置までの間にテトラアルキルアンモ
    ニウムイオンの濃縮液の温度を調節するための少なくと
    も冷却機能を有する温度調節器を少なくとも一つ設けた
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載のフォトレジス
    ト現像液再生回収装置。
  6. 【請求項6】 前記電気透析装置及び/又は電解装置を
    循環方式又は多段方式とし、その循環ライン又はその多
    段の装置間のラインの中の配管又はタンクに少なくとも
    冷却機能を有する温度調節器を少なくとも一つ設けたこ
    とを特徴とす請求項1から5のいずれかに記載のフォト
    レジスト現像液再生回収装置。
  7. 【請求項7】 前記電気透析装置及び/又は電解装置の
    後段、または、イオン交換装置が設けられている場合は
    その更に後段にテトラアルキルアンモニウムイオンの濃
    度調節器を設けたことを特徴とする請求項1から6のい
    ずれかに記載のフォトレジスト現像液再生回収装置。
  8. 【請求項8】 前記濃度調節器の後段に更に温度調節器
    を設けたことを特徴とする請求項7に記載のフォトレジ
    スト現像液再生回収装置。
  9. 【請求項9】 末端又はその近辺に微粒子を除去するた
    めの膜処理装置を更に設けたことを特徴とする請求項1
    から8のいずれかに記載のフォトレジスト現像液再生回
    収装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6503568B1 (en) 1999-09-30 2003-01-07 Oki Electric Industry Co., Ltd. Resist coating and recycling method
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