JPH07148423A - 膜分離装置の洗浄方法 - Google Patents

膜分離装置の洗浄方法

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JPH07148423A
JPH07148423A JP29970993A JP29970993A JPH07148423A JP H07148423 A JPH07148423 A JP H07148423A JP 29970993 A JP29970993 A JP 29970993A JP 29970993 A JP29970993 A JP 29970993A JP H07148423 A JPH07148423 A JP H07148423A
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separation
washing
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Katsumi Okugawa
克巳 奥川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学薬品を使用することなく、膜分離装置の
分離膜に付着したスケール、スライムを除去する。 【構成】 原水6をポンプ8で膜分離ユニット12に送
って透過水をライン18から取り出す膜分離装置に隔膜
式電解装置60で製造する酸性水又はアルカリ性水を配
管22を通して供給し、分離膜14を洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密濾過膜、限外濾過
膜、逆浸透膜等の分離膜を利用して用水や廃水等の濾
過、脱塩、濃縮等を行なう膜分離装置の分離膜の洗浄方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】用水や廃水の濾過、脱塩、濃縮を行なう
膜分離装置においては、用水や廃水中に含まれるカルシ
ウム、シリカ等のスケール成分、あるいはバクテリア等
のスライム成分による分離膜表面の汚染や、これら成分
の膜表面への析出付着が生じやすい。これらのスケール
成分、あるいはスライム成分により汚染された分離膜
は、膜透過抵抗が増加し、用水や廃水の処理流量の低
下、運転圧力の増加をもたらす。そしてこれらの問題を
避けるために通常実施している逆洗等の物理的洗浄で
は、処理量あるいは運転圧力の回復ができなくなる場合
があり、またこのような場合には、化学薬品による薬品
洗浄を実施し、汚染物、付着物を除去して処理量、運転
圧力の回復が行なわれる。
【0003】上記薬品洗浄においては、化学薬品として
塩酸、硫酸等の無機酸、クエン酸、シュウ酸等の有機
酸、あるいはカセイソーダ等のアルカリが一般的に使用
される。薬品洗浄に使用する薬品の選定は、汚染物、付
着物の種類、分離膜の耐薬品性等を考慮して決定される
が、廃液処理等を考慮した場合、無機の酸やアルカリが
使いやすい。
【0004】分離膜の洗浄薬品に関しては、一般にカル
シウム等の硬度成分により発生したスケールの洗浄の場
合には塩酸等の酸を使用し、バクテリア等のスライム成
分の洗浄の場合にはカセイソーダ等のアルカリを使用す
る。これらの薬品は高濃度の場合ほどその洗浄効果は高
いが、分離膜の耐薬品性、取扱の安全性の観点から、
酸、アルカリは比較的低濃度に希釈して使用するのが一
般的である。特にアセチルセルロース、芳香族ポリアミ
ド等の有機高分子を素材とする逆浸透膜は耐薬品性が低
いため、酸洗浄に際しては、pH2以上、アルカリ洗浄
に際してはpH11以下の希釈した酸、アルカリ洗浄液
を使用しなくてはならない。また本発明の主旨とは何ら
関係ないが、アセチルセルロースはアルカリに対する耐
薬品性がないのでアルカリは使用できない。
【0005】上記逆浸透膜等の分離膜の薬品洗浄に際し
ては、薬品溶解槽を用意し、薬品溶解槽及び膜分離装置
の入口側と出口側とをそれぞれ連絡する2本の配管を設
けるとともに、膜分離装置の入口側配管に薬液を膜分離
装置へ供給するための洗浄ポンプを設けて洗浄を行なう
のが一般的である。これらの洗浄に必要な設備は、薬品
洗浄設備としてあらかじめ設備内に常設する場合と、洗
浄時にのみ仮設する場合の両方が考えられる。大型設備
においては常設備とすることが比較的容易であるが、小
型小容量の膜分離装置においては仮設備で、洗浄の度毎
に用意するのが一般的である。洗浄手順は常設備、仮設
備であっても同じである。すなわち、分離膜の洗浄水と
して、洗浄に先だち薬品溶解槽に所定の濃度、もしくは
pHに希釈した酸あるいはアルカリ溶液を調製した後、
調製した洗浄水をポンプにより膜分離装置の入口流路に
供給する。また膜分離装置の出口から流出する洗浄水を
溶解槽に戻し、前記ポンプにより再び膜分離装置へ供給
して洗浄水の循環を行なう。あるいは、ポンプを停止し
て静置浸漬洗浄を行なう。洗浄は希薄な酸、アルカリを
使用しているため、比較的長時間循環洗浄あるいはポン
プ停止による静置浸漬洗浄を行なうのが一般的である。
洗浄が終了すると、洗浄水は別の受槽へ移送排出すると
ともに、清水で残留する薬品の置換、洗い出しを行な
う。
【0006】以上、従来の薬品洗浄においては、薬品溶
解槽、攪拌機等の薬品溶解設備が必要であるとともに、
使用する薬品が濃塩酸、固形100%カセイソーダ等の
高濃縮状態で購入されるため、溶解希釈に際して危険を
伴ない、これを防止するために充分な安全対策が必要で
ある。更に、洗浄後に排出される酸性またはアルカリ性
の洗浄廃水を中和するための薬品や設備も必要となる。
【0007】また、シュウ酸、クエン酸等の有機酸を使
用する場合には、これらの物質がCOD源となるため、
分解処理をする必要がある等の廃棄のための特別な処理
が必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたもので、その目的とするところは、特別な溶
解設備や廃水処理設備を必要とせず、しかも薬品を使用
しないで、安全なしかも低価格な、膜分離装置の分離膜
の洗浄方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、水を隔膜式電解装置の通電した陽極室又は
陰極室に通水して得られる酸性水又はアルカリ性水で膜
分離装置の分離膜を洗浄することを特徴とする膜分離装
置の洗浄方法を提案するものである。
【0010】また、本発明は、水を隔膜式電解装置の通
電した陽極室又は陰極室に通水して得られる酸性水又は
アルカリ性水を膜分離装置の流路内に供給して分離膜を
洗浄することを特徴とする膜分離装置の洗浄方法であ
る。
【0011】更に、本発明は、水を隔膜式電解装置の通
電した陽極室及び陰極室に通水して得られる酸性水及び
アルカリ性水をそれぞれ異なる膜分離装置の流路に供給
して複数の分離膜を同時に洗浄することを特徴とする膜
分離装置の洗浄方法である。
【0012】また更に上記本発明は、分離膜が精密濾過
膜、限外濾過膜又は逆浸透膜であることを含むものであ
る。
【0013】以下、本発明を図面を参照して詳細に説明
する。
【0014】本発明の洗浄方法は、隔膜式電解装置を用
いて酸性水、アルカリ性水を製造し、これらを洗浄水と
して用いて膜分離装置の分離膜を洗浄するものである。
【0015】隔膜式電解装置60は図1にその基本構造
を示すように、容器61の内部に陽極62を備えた陽極
室63と、内部に陰極64を備えた陰極室65とからな
る電解室を有しており、前記陽極室63と陰極室65と
の間には、電流は通すが、水の自由な移動を制限するた
めの隔膜66が設けられている。上記隔膜としては、精
密濾過膜(MF)、限外濾過膜(UF)、逆浸透膜(R
O)等の分離膜あるいはイオン交換膜等が好ましく、前
記陰、陽極間に直流電流を通すことにより、陽極でH+
を、陰極でOH- を発生させるものである。また、効率
的な電解を行なうためには、複数の電極と隔膜を交互に
配置し多数の電解室を用意することも可能である。この
原理を応用した装置としては、例えばアルカリイオン水
生成器(日本インテック社)等がある。
【0016】上記隔膜式電解装置は、両電極間に直流電
流を通すとともに、陽極室63および陰極室65のそれ
ぞれに設けた水入口から水を供給すると、水の電気分解
により、陽極室63から酸性水、陰極室65からアルカ
リ性水を得ることができるものである。なお、得られた
酸性水とアルカリ性水とを合流すれば、当然のことなが
ら中和が自然に行なわれる。
【0017】隔膜式電解装置に供給する水としては各種
の水が使用できるが、一般的には水道水、工業用水等の
清浄水を使用するとよい。したがって、洗浄対象となっ
ている膜分離装置がもともと上述のような水を処理する
ためのものである場合は、膜分離装置の被処理水を洗浄
に利用すればよい。
【0018】隔膜式電解装置で得られる酸性水、及びア
ルカリ性水のpH範囲は、洗浄する分離膜の種類、スケ
ールやスライムの種類によって異なるが、一般的に酸性
水を利用する場合はpH2〜4、アルカリ性水を利用す
る場合はpH9〜11となるように電気分解における電
流値を調節することが望ましい。Ca、Fe、Al等の
金属類の付着物の除去には塩酸等の代りに陽極室出口の
酸性水を使用し、スライム等微生物由来の付着物の除去
にはカセイソーダ等の代りに陰極室出口のアルカリ性水
を使用することが好ましい。また、膜分離装置ではpH
=3あるいはpH=10程度の酸、アルカリでは溶解し
ないシリカあるいは金属酸化物が付着した場合、一般に
はシュウ酸、クエン酸等の有機酸が使用されるが、本発
明の隔膜式電解装置の酸性水、アルカリ性水は酸化還元
電位が±800〜1500mVと高く、そのためアルカ
リ性水はシュウ酸、クエン酸等の還元性洗浄薬品と同様
の還元能力を有していて洗浄効果が大きいのも特長であ
り、一方、酸性水は例えば次亜塩素酸ソーダと同様の酸
化能力を有しており、殺菌力が強いという特徴がある。
【0019】洗浄する分離膜としては特に制限はない
が、具体的には各種の限外濾過膜、精密濾過膜、逆浸透
膜等が例示できる。
【0020】分離膜の洗浄方法としては、分離膜を膜分
離装置から取り出して、前記洗浄水で洗浄しても良い
が、後述するように膜分離装置の流路内に洗浄水を供給
して膜分離装置内で洗浄を行なうことが好ましい。
【0021】以下、膜分離装置内で分離膜の洗浄を行な
う態様につき説明する。 (実施態様1)図2は膜分離装置の分離膜を洗浄する態
様を示すフロー図で、図中、2は原水流入管である。図
2のフローにおいて被処理水を膜分離処理する場合、原
水流入管2から原水タンク4に流入した原水(被処理
水)6はポンプ8によって入口ライン10を通って膜分
離ユニット12に送られ、ここで分離膜14によって原
水は透過水と濃縮水とに分離され、濃縮水は出口ライン
16を通って系外にブローあるいは、その一部ないし全
量が原水タンク4に返送され、以後同様の操作が繰り返
される。なお、18は透過水の取出しラインである。
【0022】本態様においては、上記構成の膜分離装置
の流路である入口ライン10に並列に隔膜式電解装置6
0を連結するものである。即ち、入口ライン10と隔膜
式電解装置60の一方の電解室24の入口及び出口とを
入口連絡配管20、出口連絡配管22で連結するもので
ある。なお、26は入口連絡配管20と出口連絡配管2
2との間で、入口ライン10に設けられたバルブであ
る。また、他方の電解室28にも不図示の水供給手段に
よって配管30から水が供給され、配管32を通して排
出されるようになっている。
【0023】分離膜の洗浄操作は、膜分離装置の原水タ
ンク4に水道水、工業用水等の清浄水もしくは膜分離装
置の被処理水である原水を張り、通常と同じように運転
を行なう。この際、膜分離ユニット12の透過水は通常
処理時と同流量もしくは少流量の状態でライン18から
取り出し、その後点線で示したライン100を経て原水
タンク4に戻す。このような透過水の循環運転を行ない
ながら、バルブ26を調節して、ポンプ8の送給する水
の一部または全部を隔膜式電解装置60の一方の電解室
24側に通水すると共に他方の電解室28側にも前記電
解室24に供給したのと同じ水を通水し、電解室24の
出口から得られる酸性水またはアルカリ性水を配管22
を介して膜分離装置の流路である入口ライン10に戻
す。このような運転を継続することにより、膜分離装置
内の循環水を所定のpH値にする。洗浄は常時循環を行
なっても、循環を停止して浸漬状態で行なってもよい。
なお、膜分離ユニット12に供給する洗浄水のpHは隔
膜式電解装置60の電流値の調節により、また酸性水、
アルカリ性水の選択は、電解室内の電極(図示略)の極
性を切換えることにより行なうことができる。また本態
様にあっては隔膜式電解装置60で製造される酸性水ま
たはアルカリ性水を入口ライン10に戻したがこれに限
られず、膜分離装置の流路のいずれに戻しても良いもの
である。 (実施態様2)図3は異なる実施態様のフローを示して
いる。この態様においては、出口ライン16に隔膜式電
解装置60を並列に連結した以外は実施態様1と基本的
に同一構成であり、その作用、効果も同様であるので、
同一部分に同一参照符号を付してその説明を省略する。 (実施態様3)図4は複数系列の膜分離装置を1台の隔
膜式電解装置で洗浄する方法を示すものである。この態
様にあっては、1台の隔膜式電解装置60を2台の膜分
離装置の入口ライン10a,10bと並列に連絡配管2
0a,22a及び20b,22bで接続し、隔膜式電解
装置60の一方の電解室24から得られる、例えば酸性
水を1つの膜分離装置に、また、他方の電解室28から
得られるアルカリ性水を他方の膜分離装置にそれぞれ同
時に、かつ別々に供給することにより、同時に酸洗浄と
アルカリ洗浄を実施するものである。
【0024】なお、図中12a,12bは膜分離ユニッ
ト、16a,16bは濃縮水の循環ライン、4a,4b
は原水タンク、8a,8bはポンプである。
【0025】また、本態様においては、膜分離装置の透
過水の原水タンク4への循環ライン、および入口ライン
10a(10b)の入口連絡配管20a(20b)と出
口連絡配管22a(22b)との間に介装すべきバルブ
を省略してある。
【0026】また、洗浄終了後、原水タンク4aを含め
た一方の膜分離装置の系内に存在する水(すなわち、洗
浄廃水)と、原水タンク4bを含めた他方の膜分離装置
の系内に存在する洗浄廃水とをそれぞれ取り出して両者
を合流すると洗浄廃水の中和が自然に行なわれるので、
廃液中和用の特別な設備や薬品を必要としないものであ
る。
【0027】なお、洗浄終了後の洗浄廃水の中和に特別
な設備や薬品を必要としないのは、本実施態様に限られ
ず前記実施態様1あるいは2においても同じであり、こ
れらの態様においては電解室28(図2、図3参照)か
ら排出され、分離膜の洗浄には使用されない酸性水ある
いはアルカリ性水を貯留しておき、これを膜分離装置の
洗浄廃水と混合すれば自然に中和が行なわれる。 (実施態様4)図5は入口連絡配管20a,20b、出
口連絡配管22a,22bを出口ライン16a,16b
に連結した以外は実施態様3と同一である。 (実施態様5)図6は原水タンク4あるいは膜分離装置
のポンプ8の大小、その他の理由から、これらの設備を
洗浄操作に使用できない場合の態様を示したもので、別
途独立した水タンク40、ポンプ42、及び隔膜式電解
装置60からなる洗浄水製造装置を構成し、この装置で
製造した酸性水またはアルカリ性水を出口連絡配管22
aを介して入口ライン10に供給するものである。
【0028】なお、この場合も出口連絡配管22bから
流出する洗浄水を他の膜分離装置の洗浄に用いることが
できるものである。
【0029】図2ないし図6に示したフローでは隔膜式
電解装置で得られる酸性水あるいはアルカリ性水を膜分
離装置に供給するにあたり、膜分離装置で供給水を処理
する方向と同方向で供給しているが、逆方向すなわち膜
分離装置の透過水が得られる方向から酸性水、あるいは
アルカリ性水を供給することもできる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。 (実施例1、比較例1)原水として、横浜市工業用水を
限外濾過膜で濾過して濁度ゼロとしたものを用いた。上
記原水を低圧逆浸透膜(東レ製、4B 、SU710)を
取り付けた2台の逆浸透膜装置(1台は実施例1、他の
1台は比較例1)に供給して逆浸透膜処理(脱塩運転)
を行なった。透過水量は当初は0.25m3 /H/台で
あった。運転圧力を当初の圧力に保ちながら脱塩運転を
350時間行なうと、いずれのユニットも透過水量が当
初の1/3に減少した。
【0031】そこで、一方の逆浸透膜装置にはpH3の
塩酸水溶液を3時間循環させて分離膜の洗浄を行ない、
その後逆浸透膜装置に原水を通水して塩酸の洗い出しを
行なった(比較例1)。他方の逆浸透膜装置には前記原
水を隔膜式電解装置に通水して製造したpH3の酸性水
を3時間循環させて洗浄を行ない、その後原水を通水し
て酸性水の洗い出しを行なった(実施例1)。
【0032】上記脱塩運転と洗浄とからなる操作を3回
繰返したところ、洗浄による透過水量の回復率また再通
水時の透過水量低下率は両逆浸透膜装置でほぼ同じであ
り、このことから塩酸を使用することなく、本方法によ
り膜洗浄が実施できることが確認できた。
【0033】なお、この場合の透過水量低下の主たる原
因物質は、洗浄廃水の分析結果からアルミニウム(水酸
化アルミニウムなど)であることがわかった。 (実施例2、比較例2,3)原水として、戸田市工業用
水を凝集沈澱処理したものを塩素を添加することなく用
いた。
【0034】低圧逆浸透膜(東レ製、4B 、SU71
0)を3台の逆浸透膜装置にそれぞれ取り付け、各装置
とも0.25m3 /H/台の透過水を得るように脱塩運
転を行なった。透過水の回収率を80%とし、強制的に
カルシウム等のスケール析出条件下で650時間通水す
ると、スケールおよびスライムが付着して膜モジュール
循環差圧が40kg/cm2 になった。
【0035】比較例2として、第一の逆浸透膜装置はク
エン酸5%水溶液で3時間循環洗浄を行なった後、pH
11の水酸化ナトリウム水溶液で3時間循環洗浄を行な
った。洗浄終了後、再び前記原水を逆浸透膜装置に通水
して脱塩運転を行なったところ、差圧回復率は93%で
あった。
【0036】また、実施例として、隔膜式電解装置でp
H11のアルカリ性水を製造し、これで第二の逆浸透膜
装置を8時間循環洗浄を行なった結果、この時の差圧回
復率は88%であった。
【0037】以上の結果から、取扱いが繁雑でかつCO
D源となるために特別の廃棄処理を必要とするクエン酸
等の薬品を用い、しかもクエン酸洗浄、アルカリ洗浄と
2回の薬品洗浄を行なう従来法と比較して、本実施例の
場合には簡単な操作でかつ1回の洗浄操作でほぼ同等の
洗浄効果が得られ、電解により得られる酸化還元電位の
高いアルカリ性水の効果は明らかである。
【0038】なお、比較例3として、第三の逆浸透膜装
置をpH11の水酸化ナトリウム水溶液のみで8時間循
環洗浄したところ、この時の差圧回復率は72%であ
り、本実施例の場合より洗浄効果は悪かった。
【0039】
【発明の効果】本発明の隔膜式電解装置を用いて製造す
る酸性水又はアルカリ性水を膜分離装置の分離膜の洗浄
水として使用する方法は、従来の薬品による洗浄方法と
比較し、以下の効果を奏する。 (1)塩酸、カセイソーダ等の危険物薬品の取扱いの必
要がなく、洗浄操作が安全で簡単であり、更に廃液処理
に関しても、隔膜式電解装置で常に同時に製造される酸
性水とアルカリ性水とを単に混合するだけで自然に中和
が行なわれるので、特別な中和設備や中和用薬品等は不
要である。 (2)洗浄設備として薬品溶解槽、攪拌機、廃液受タン
ク等通常の薬品洗浄の場合に必要な設備は不要であり、
また膜分離装置の構成材料として耐薬品性を考慮した構
成材料を選定する必要がない。(SS、SUS304等
は耐塩酸性材料としての使用ができない) (3)従来のスケール及びスライムの複合汚染に対する
薬品洗浄の場合には、有機酸、カセイソーダを用いる2
回の薬品洗浄操作が必要であったのに対し、本発明方法
によればアルカリ性水を用いる1回の洗浄操作で済む。 (4)隔膜式電解装置を常設した場合、膜分離装置の運
転に際し隔膜式電解装置で製造される酸性水あるいはア
ルカリ性水を原水のpH調整にも利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる隔膜式電解装置の基本構成を示
す説明図である。
【図2】本発明の第1の実施態様を示すフロー図であ
る。
【図3】本発明の第2の実施態様を示すフロー図であ
る。
【図4】本発明の第3の実施態様を示すフロー図であ
る。
【図5】本発明の第4の実施態様を示すフロー図であ
る。
【図6】本発明の第5の実施態様を示すフロー図であ
る。
【符号の説明】
2 原水流入管 4 原水タンク 6 原水 8 ポンプ 10 入口ライン 12 膜分離ユニット 14 分離膜 16 出口ライン 20 入口連絡配管 22 出口連絡配管 24,28 電解室 60 隔膜式電解装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を隔膜式電解装置の通電した陽極室又
    は陰極室に通水して得られる酸性水又はアルカリ性水で
    膜分離装置の分離膜を洗浄することを特徴とする膜分離
    装置の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 水を隔膜式電解装置の通電した陽極室又
    は陰極室に通水して得られる酸性水又はアルカリ性水を
    膜分離装置の流路内に供給して分離膜を洗浄することを
    特徴とする膜分離装置の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 水を隔膜式電解装置の通電した陽極室及
    び陰極室に通水して得られる酸性水及びアルカリ性水を
    それぞれ異なる膜分離装置の流路に供給して複数の分離
    膜を同時に洗浄することを特徴とする膜分離装置の洗浄
    方法。
  4. 【請求項4】 分離膜が精密濾過膜、限外濾過膜又は逆
    浸透膜である請求項1乃至3のいずれかに記載の洗浄方
    法。
JP29970993A 1993-11-30 1993-11-30 膜分離装置の洗浄方法 Pending JPH07148423A (ja)

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