JP2000153566A - 光輝性成形物 - Google Patents

光輝性成形物

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JP2000153566A JP10347804A JP34780498A JP2000153566A JP 2000153566 A JP2000153566 A JP 2000153566A JP 10347804 A JP10347804 A JP 10347804A JP 34780498 A JP34780498 A JP 34780498A JP 2000153566 A JP2000153566 A JP 2000153566A
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弘明 岩瀬
Tomio Tawara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 深みのある光輝性とメタリック感に優れた生
産性の良い物にする。 【解決手段】 光輝材1を混入した合成樹脂材料を用い
て射出成形方法により凹凸面2を有する光輝層3を形成
し、前記光輝層3に前記凹凸面2を被覆する表面4aが
滑な透明樹脂層4を一体に形成したことを特徴としてお
り、光輝材の乱反射と光輝層の凹凸面による乱反射とに
よる相乗効果により光輝度を高め、透明層により深みの
ある光輝感を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気製品や化粧用
品、日用雑貨製品などの合成樹脂部分に、製品本体やそ
のパーツとして、又加飾物として利用されるパールやメ
タリック調の光輝性を有する光輝性成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂成形品の表面をパールやメタリ
ック調にする為に、合成樹脂材料にマイカ系やアルミ系
などの光輝材を直接均一に混入して射出成形方法で成形
した光輝性成形物は周知であり、家電製品の本体やパー
ツとして、また化粧品容器や日用雑貨など様々な分野で
利用されている。
【0003】前記旧来の光輝性成形物は、成形物の表面
に光輝材が現出して光沢や光沢の深みに乏しいうえに、
成形の際、溶融樹脂の流れ方向に沿って光輝材が偏在し
てしまうために、現出するパール、メタリック効果に面
白みがなく、平面的で光輝性と高級感に乏しいものであ
った。
【0004】また、ボスや穴の周辺に溶融樹脂の流れ方
向に沿ったフローマークやウェルドラインが発生する
が、合成樹脂材料中に光輝材が混入されていると、溶融
樹脂の流れ方向に沿ってボスや穴の周辺で光輝材が向き
を変える為、成形物のフローマークやウェルドラインが
強調されて現れ、形成物の外観を著しく損なう。
【0005】従って、電気製品や日用雑貨製品の光輝性
のある装飾性が求められる部分や、美観を重視する化粧
品容器に使用しても、商品価値や訴求性を高めることが
出来なかった。
【0006】また、パール効果を際だたせようとするも
のとして、特開昭56−57406号公報には、少量の
パールエッセンス(光輝材)を均一に混入した透明な合
成樹脂よって成形された本体の裏面に、不透明な塗料に
より不透明被膜を塗布して成るパール装飾体が開示され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この装飾体は、透明な
合成樹脂の本体がある程度の厚みを有しているので点在
するパールエッセンスによってパール感に深みがでる。
しかしながら、パールエッセンスが少量のために濃密な
光輝性やメタリック感に乏しい欠点を有している。ま
た、パールエッセンスを大量に混入すると、パールエッ
センスによる反射光線が有効に視覚されなくなり、旧来
の光輝性成形物と同様に光沢に深みのない平面的なもの
になってしまい、この発明の本来の効果を奏し得ない。
【0008】また、この発明は、透明な本体の裏面に不
透明塗料を塗布する工程を必須としており、プレートの
ように塗装のし易い平坦な光輝性成形物では生産性にも
問題がないが、塗装作業のやりにくい凹凸のある光輝性
成形物の生産には塗装費用が嵩んで経済的にも適当な手
段とはいえなかった。
【0009】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたも
ので、電気製品や化粧用品などの光輝性の美観が求めら
れる製品やそのパーツに好適な深みのある光輝性とメタ
リック感に優れた生産性の良い合成樹脂製の光輝性成形
物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、光輝材を混入
した合成樹脂材料を用いて射出成形方法により凹凸面を
有する光輝層を形成し、前記光輝層に前記凹凸面を被覆
する表面が滑な透明樹脂層を一体に形成したことを特徴
としており、光輝層の成形時における凹凸による溶融樹
脂の流れの変化によって、光輝材がランダムな向きに配
置されて形成され、光輝層は光を多方向に乱反射する。
この光輝材の乱反射と光輝層の凹凸面による乱反射とに
よる相乗効果により光輝度を高め、透明層により深みの
ある固有の光輝感を有する光輝性成形物が得られる。
【0011】また、凹凸面に周縁にアールをつけた文字
や、図柄、模様からなる凸面を前記凹凸面よりも高く刻
設し、前記凸面に転写や印刷による加飾層を形成して透
明樹脂層の下に位置させた構成とすることにより、立体
感のある文字や図柄、模様が凹凸面から浮き上がって視
覚される光輝性成型物が得られる。
【0012】また、透明樹脂層に有機系及び無機系の粒
状物を混入して透明樹脂層の光を複雑に屈折させ、変調
な視覚の光輝面を有する光輝性成形物としても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】本発明の光輝性成形物は、図1に模試的に
示すように、光輝材1を混入した合成樹脂材料を用いて
射出成形方法により成形した凹凸面2を有する光輝層3
に、凹凸面2を被覆する表面が滑な透明樹脂層4を一体
に形成した二層の合成樹脂成形物であり、家電製品や化
粧用品をはじめ、光輝性加飾が求められる様々な分野の
製品の多様な部分に利用されるものである。そして、二
層の一体成形物にするために、射出成形方法による周知
のインサート成形、または、二色成形による成形手段で
成形される。
【0015】光輝層3を形成する合成樹脂材料として
は、ポリスチレン、アクリルニトリルブタジエンスチレ
ン、アクリルニトリルスチレン、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレー
ト、ポリプロピレン、ポリエチレン、等が使用され、混
入される光輝材としてはアルミ系、マイカ系のものが使
用され、アルミ系の光輝材が好ましい。そして、合成樹
脂材料は所望により適宜所望色に着色されたものを使用
する。
【0016】光輝層3の凹凸面2は、金型によって形成
されたものである。光輝層3を成形するために、凹凸を
有する金型内に上記の溶融合成樹脂を射出すると、金型
内の凹凸によって凹凸面2を形成する溶融樹脂は乱流
し、その流れの変化によって光輝材1がランダムな向き
に配置されて形成される。
【0017】従って、光輝層3への入射光はランダムな
向きの光輝材1によって多方向に乱反射されるととも
に、凹凸面2による乱反射とによる相乗効果により、変
化のある光輝度の高い光輝面を形成する。
【0018】また、光輝層3の光輝材1がランダムな向
きに配置されるので、光輝性成形物にボスや穴を設けた
場合(図示省略)、光輝層3に現れるフローマークやウ
ェルドラインは緩和される。
【0019】また、光輝層3は、その凹凸面2の凹凸の
高低や凹凸の形状、大きさを多様に変えることにより、
光の反射のパターンを多様化することができる。
【0020】透明樹脂層4は、透明樹脂層4を形成する
金型に上記の光輝層3を移行して光輝層3の表面側に溶
融透明樹脂を射出し、光輝層3の凹凸面2を被覆して表
面を滑に一体に形成したものである。
【0021】透明樹脂層4の厚み、即ち、凹凸面2の凸
の頂点2aと透明樹脂層4の滑な表面4aとの距離K
は、光輝性に深みを付与する点と透明樹脂層4の成形性
の点から少なくとも0.6ミリあることが好ましい。ま
た、透明樹脂層4は、透明性を失うことのない程度に僅
かに着色された着色透明層としても良い。
【0022】透明樹脂層4を形成する合成樹脂材料とし
ては、透明度の高いポリスチレン、アクリルニトリルス
チレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレー
ト、が適しており、光輝層3を形成する合成樹脂材料と
相溶性のある合成樹脂材料を選択すれば更に好適であ
る。尚、光輝層3と相溶性のない合成樹脂材料を選択し
ても、アンダーカット等の結合手段により、光輝層3と
透明樹脂層4とを一体に保持することが可能である。
【0023】以上のように構成された本実施の形態にあ
っては、光輝材1による乱反射と光輝層3に形成した凹
凸面2による乱反射とによる相乗効果により光輝度が高
く、所定の厚みの透明樹脂層4により深みのある固有の
光輝感を有する合成樹脂製成形物が得られる。
【0024】そして、周知のインサート成形や二色成形
による射出成形方法で容易に成形できる物であるので安
価に提供できるうえに、光輝性成形物の表面が滑である
ので拭いにより汚れの掃除も簡単にできる。
【0025】従って、多くの家庭用機器や理美容機器、
住宅用照明機器、パーソナル情報機器、環境設備型機
器、化粧用品や化粧容器等のように、手で触れる部分の
多い製品の光輝性の加飾が求められる部材として好適で
あり、新しい感覚の光輝性加飾によりこれらの製品の訴
求力を高めることができる。
【0026】図2は、本発明に係る光輝性成形物の第二
の実施の形態を示しており、図において、上記の実施の
形態と共通する部分については同一符号を付してその説
明を省略する。
【0027】同図に示すように、本実施の形態は、基本
的には先の実施の形態と同様に、光輝材1を混入した合
成樹脂材料を用いて射出成形方法により成形した凹凸面
2を有する光輝層3に、凹凸面2を被覆する表面が滑な
透明樹脂層4を一体に形成した二層の合成樹脂成形物で
ある。そして、凹凸面2に、周縁5にアールをつけた文
字や、図柄、模様を構成する凸面6を前記凹凸面2より
も高く刻設し、転写や印刷による手段を用いて凸面6に
そのアールの周縁5に及ぶ加飾層7を形成し、凸面6を
透明樹脂層4の下に位置させた構成となっている。
【0028】この実施の形態による光輝性成形物によれ
ば、転写箔や印刷インキで美麗に加飾された文字や図
柄、模様が、深みのある光輝性の凹凸面2から立体感を
伴って浮き上がっているように視覚される。
【0029】従って、形成された文字や図柄、模様に固
有の訴求力があり、凸面6を商品名や製品の模様として
デザイン形成することにより、商品価値を上げることが
できる。
【0030】また、図3は、本発明に係る光輝性成形物
の第三の実施の形態を示しており、基本的には既述した
実施の形態と同一であり、微細な耐熱性のプラスチック
ビーズ、硝子ビーズ等の装飾性を付加する透明性の粒状
物8を透明樹脂層4に均一に混入した構成となってい
る。
【0031】この実施の形態による光輝性成形物によれ
ば、透明樹脂層4を透過する光は透明性の粒状物8によ
って複雑に屈折し、光の乱反射を更に増幅させる。
【0032】従って、単純な透明樹脂層4の物とは異な
る変調で新味な視覚の光輝面が形成され、商品の新たな
訴求性を醸し出すことができる。
【0033】
【発明の効果】以上のような形態で実施される本発明の
光輝性成形物は、以下に記載されるような効果を奏す
る。
【0034】請求項1に記載の光輝性成形物によれば、
ランダムな向きの光輝材による乱反射と光輝層の凹凸面
2による乱反射とによる相乗効果により光輝度が高く、
更に、表面が滑な透明層により深みのある固有の光輝感
を作出することができる。また、光輝層3の光輝材1が
ランダムな向きに配置されているので、光輝性成形物に
ボスや穴を設けた場合でも、光輝層3に現れるフローマ
ークやウェルドラインを目立たなくすることができる。
【0035】従って、かかる光輝性成形物からなる製品
は、従来の光輝性成形物による製品に比較して訴求力が
高く、商品価値を高めることができる。
【0036】また、周知のインサート成形や二色成形に
よる射出成形方法で簡単に成形できるので、安価である
えうに、表面が滑で清掃性に優れているので、手で触れ
やすい部分を有する多くの家庭用品や工業用品に利用す
ることができる。
【0037】請求項2に記載の光輝性成形物では、上記
の効果に加えて、凸面に美麗に加飾された文字や図柄、
模様が、深みのある光輝性の凹凸面から立体感を伴って
浮き上がって視覚されるので、文字や図柄、模様に固有
の訴求力が付加される。
【0038】従って、凸面を商品名や製品の模様として
デザインすることにより、製品を個性化し、更に訴求性
の高いものとすることができる。
【0039】請求項3に記載の光輝性成形物では、上記
の効果に加えて、光の乱反射が更に増幅されて変調で新
味な視覚の光輝面が形成されるので、新しい感覚のデザ
インを形成することが可能であり、新しい訴求力のある
商品が開発できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光輝性成型物の第一の実施の形態
を示す断面図。
【図2】本発明に係る光輝性成型物の第二の実施の形態
を示す断面図。
【図3】本発明に係る光輝性成型物の第三の実施の形態
を示す断面図。
【符号の説明】
1 光輝材,2 凹凸面,3 光輝層,4 透明樹脂
層,5 周縁,6 凸面,7 加飾層,8 粒状物,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西山 高徳 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所デザイン研究所内 (72)発明者 石川 鉄雄 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所電化機器事業部内 (72)発明者 岩瀬 弘明 東京都新宿区山吹町263ー2ー1104 株式 会社シーアンドジイ内 (72)発明者 田原 登美雄 東京都台東区浅草橋5丁目23番6号 釜屋 化学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA01B AA19 AA19H AC05 AC05H AH00B AK01A AK01B AK04 AK07 AK12 AK25 AK42 AK74 AR00B BA02 CA13A DD01 DE01B EH36A EJ91B GB48 GB90 HB00 HB21A HB31A JN01B JN24 4F206 AA04 AA11 AA13 AA21 AA24 AA28 AB12 AB16 AF01 AF05 AF10 AF14 AG03 AG05 AH49 AH51 JA07 JB23 JB24 JF05 JW50

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光輝材を混入した合成樹脂材料を用いて
    射出成形方法によりな凹凸面を有する光輝層を形成し、
    前記光輝層に前記凹凸面を被覆する表面が滑な透明樹脂
    層を一体に形成したことを特徴とする光輝性成形物。
  2. 【請求項2】 凹凸面に周縁にアールをつけた文字や、
    図柄、模様からなる凸面を前記凹凸面よりも高く刻設
    し、前記凸面に転写や印刷による加飾層を形成して透明
    樹脂層の下に位置させたことを特徴とする請求項1記載
    の光輝性成形物。
  3. 【請求項3】 透明樹脂層に有機系及び無機系の粒状物
    を混入したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載
    の光輝性成形物。
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