JP2002011751A - インモールド成形体及びその製造方法、それを用いた家庭電気製品 - Google Patents

インモールド成形体及びその製造方法、それを用いた家庭電気製品

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JP2002011751A
JP2002011751A JP2000194062A JP2000194062A JP2002011751A JP 2002011751 A JP2002011751 A JP 2002011751A JP 2000194062 A JP2000194062 A JP 2000194062A JP 2000194062 A JP2000194062 A JP 2000194062A JP 2002011751 A JP2002011751 A JP 2002011751A
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Tetsuo Ishikawa
鉄雄 石川
Isao Yuya
勲 油谷
Hirobumi Tanaka
博文 田中
Noboru Fujita
登 藤田
Yoshihiro Suzuki
好博 鈴木
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、家庭電気製品や化粧用品等の光輝性
の美観が求められる製品やそのパーツに好適な深みのあ
る光輝性とメタリック感に優れたインモールド成形体及
びその生産性の良い製造方法、それを用いた家庭電気製
品、特に電気洗濯機を提供する。 【解決手段】光輝モール層を含む光透過モールド層と転
写層が積層されてなるインモールド成形体であって、該
光輝モールド層は転写層側に凹凸面を有し、前記凹凸面
を被覆する表面が滑らかな光透過モールド層であるイン
モールド成形体及びその製造方法、それを用いた家庭電
気製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形と同時に
絵付けを施すことができ、且つ優れた光輝性を有する剥
離層、保護層、柄層、接着層が積層されてなるインモー
ルド成形体及びその製造方法に関する。また、本発明の
インモールド成形体はパールやメタリック調の光輝性を
有するために家庭電気製品や化粧用品などの製品本体の
ハウジングやそのパーツとして、又加飾物として利用で
きる。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂成形品の表面をパールや
メタリック調にする為に、合成樹脂材料にマイカ系やア
ルミ系などの光輝材を直接均一に混入して射出成形方法
で成形した光輝性成形物は周知であり、家電製品の本体
やパーツとして、また化粧品容器や日用雑貨など様々な
分野で利用されている。
【0003】例えば、インモールド成形はベースフィル
ムに図柄層などからなる転写箔を成形金型内に挟み込
み、キャビティ内に樹脂を射出充填させ、冷却して樹脂
成形品を得るのと同時に、成形品表面に転写箔を接着さ
せた後、ベースフィルムを剥離して被転写物面に転写層
を転移して装飾を行うことにより、樹脂成形と同時に該
成形品の表面もしくは裏面に、図柄を転写絵付けするよ
うにした転写インモールド成形法が提案されている。
【0004】特開2000−153566号公報には光
輝材を混入した合成樹脂材料を用いて射出成形方法によ
り凹凸面を有する光輝層を形成し、前記光輝層に前記凹
凸面を被覆する表面が滑らかな透明樹脂層を一体成形し
た光輝性成形物の開示がある。
【0005】特開2000−158479号公報には、
熱可塑性の基体フィルムを一構成層として有する加飾フ
ィルムと、キャビテイ面に微細凹凸を有する射出成型金
型とを用い、該微細凹凸が写し取られたベースフィルム
が成型品の表面に接着一体化してフィルムインサート成
形品を得た後、フィルムインサート成形品のベースフィ
ルムを、ベースフィルムの熱変形温度以上に加熱するフ
ィルムインサート成形品の製造方法の開示がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では光輝性で深みがあり且つ高級感(濃密な光輝性
やメタリック感)のある薄い成形体を提供することは非
常に困難である。また、多色意匠になる程塗装工程が多
くなり、コストが非常に高くなる。更に、インモールド
成形後にクリヤー塗装を施す場合にも、塗装作業のやり
にくい凹凸のある光輝性成形体の生産には塗装費用が嵩
んで経済的にも適当な手段とはいえなかった。
【0007】また、加飾ベースフィルムごと成形するば
あいには,フィルムの端面処理の課題があり、成形後の
トリミング等コストが高くなる。
【0008】前記の方法は、成形物の表面に光輝材が現
出して光沢や光沢の深みに乏しいうえに、成形の際、溶
融樹脂の流れ方向に沿って光輝材が偏在してしまうため
に、現出するパール,メタリック効果に面白みがなく、
平面的で光輝性と高級感に乏しいものであった。
【0009】また、ボスや穴の周辺に溶融樹脂の流れ方
向に沿ったフローマークやウェルドラインが発生する
が、合成樹脂材料中に光輝材が混入されていると、溶融
樹脂の流れ方向に沿ってボスや穴の周辺で光輝材が向き
を変える為、成形物のフローマークやウェルドラインが
強調されて現れ、形成物の外観を著しく損なう。
【0010】従って、家庭電気製品や日用雑貨製品等の
光輝性のある装飾性が求められる部分や、美観を重視す
る化粧品容器に使用しても、商品価値や訴求性を高める
ことが出来なかった。
【0011】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたも
ので、家庭電気製品や化粧用品等の光輝性の美観が求め
られる製品やそのパーツに好適な深みのある光輝感とデ
ザイン性、機能性を一体化したインモールド成形体及び
その生産性の優れた製造方法、それを用いた家庭電気製
品、更に言えば電気洗濯機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の通
りである。第1の発明は、光輝モール層を含む光透過モ
ールド層と転写層が積層されてなるインモールド成形体
である。そして、第2の発明は、光輝モール層を含む光
透過モールド層と転写層が積層されてなるインモールド
成形体であって、該光輝モールド層は転写層側に凹凸面
を有し、前記凹凸面を被覆する表面が滑らかな光透過モ
ールド層であるインモールド成形体である。
【0013】前記の第2の発明において、凹凸面の周縁
にアールをつけた文字や、図柄,模様からなる凸面を前
記凹凸面よりも高く刻設し、前記凸面に転写や印刷によ
る加飾層を形成して光透過モールド層の下に位置させた
インモールド成形体である。
【0014】第1或いは第2の発明において、光輝モー
ルド層の表面側主面が転写層で覆われていない構成、少
なくとも光輝モールド層の1部が光透過モールド層を介
して転写層で覆われている構成が提供できる。また、光
透過モールド層に有機系及び無機系の粒状物を混入する
こともできる。
【0015】また、第1或いは第2の発明において、モ
ールド層と転写層が積層されてなるインモールド成形体
であって、前記転写層が少なくともベースフィルムの片
側主面に、剥離層、柄層、接着層が積層されてなる構
成、モールド層と転写層が積層されてなるインモールド
成形体であって、前記転写層が少なくともベースフィル
ムの片側主面に、剥離層、保護層、柄層、接着層が積層
されてなる構成が提供できる。
【0016】前記のモールド層が光輝モール層を含む光
透過モールド層であること、或いは転写層が蒸着層を有
すること、或いは転写層が機能性付与(膜)層又は情報
記録層を有することが好ましい形態である。
【0017】第3の発明は、射出成形方法により光輝材
を混入した合成樹脂材料を用いて凹凸面を有する光輝モ
ールド層を形成し、前記凹凸面を被覆する表面が滑らか
な透明樹脂層を一体に形成し光透過モールド層を形成
し、前記の透明樹脂層の表面にベースフィルムの転写層
を有する面が接するように一体成形する工程とを有する
インモールド成形体の製造方法である。
【0018】第3の発明において、凹凸面の周縁にアー
ルをつけた文字や、図柄,模様からなる凸面を前記凹凸
面よりも高く刻設し、前記凸面に転写や印刷による加飾
層を形成して光透過モールド層の下に位置させることに
より文字や、図柄,模様をより鮮明に浮きださせる効果
が得られる。
【0019】第4の発明は、樹脂材料により成形される
家庭電化製品のハウジング用パネルにおいて、光輝モー
ルド層を含む光透過モールド層の表面或いは裏面に、ベ
ースフィルムと、剥離層、保護層、柄層と、接着層を少
なくとも有する転写層をインモールド転写により一体成
形することにより、光透過モールド層の表面或いは裏面
に図柄を転写した家庭電気製品のハウジング用パネルで
ある。前記の保護層は光硬化性樹脂,放射線硬化性樹
脂,熱硬化性樹脂のいずれかを主成分とした樹脂によっ
て形成されてなることが好ましい。
【0020】第5の発明は、少なくともインモールド成
形体でハウジングが構成された電気洗濯機において、該
インモールド成形体が、光輝モールド層を含む光透過モ
ールド層と転写層が積層されてなるインモールド成形体
の表面に加飾層を有する電気洗濯機である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、光輝モールド層を含む
光透過モールド層と転写層が積層されてなるインモール
ド成形体である。
【0022】即ち、光輝材を混入した合成樹脂材料を用
いて射出成形方法により凹凸面を有する光輝層モールド
層を形成すると共に、前記光輝モールド層に前記凹凸面
を被覆する表面が滑な光透過モールド層(以下、透明樹
脂層という)を形成し、該光透過モールド層の表面に転
写層を一体に形成したことを特徴としたインモールド成
形体である。
【0023】光輝モールド層の成形時における凹凸によ
る溶融樹脂の流れの変化によって、光輝材がランダムな
向きに配置、形成され、光輝モールド層は光を多方向に
乱反射する。この光輝材の乱反射と光輝層の凹凸面によ
る乱反射とによる相乗効果により光輝度を高め、光透過
モールド層により深みのある固有の光輝感を有する光輝
性成形体が得られる。
【0024】また、凹凸面に周縁にアールをつけた文字
や,図柄,模様からなる凸面を前記凹凸面よりも高く刻
設し、前記凸面に転写や印刷による加飾層を形成して光
透過モールド層の下に位置させた構成とすることによ
り、立体感のある文字や図柄,模様が凹凸面から浮き上
がって視覚される光輝性成形体が得られる。
【0025】また、光透過モールド層に有機系及び無機
系の粒状物を混入して光透過モールド層の光を複雑に屈
折させ、変調な視覚の光輝面を有する光輝性成形物を提
供できる。
【0026】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0027】図1は 本発明のインモールド成形体の基
本構成を示す断面図である。(1)は光輝材1を含む光
輝モールド層a1の凹凸面2を有する表面が光透過モー
ルド層a2で覆われておりその表面は平坦で滑らかであ
る。そして、この光透過モールド層a2の表面に下地の
光輝モールド層a1の領域を被覆しない領域に転写層b
を形成してなるインモールド成形体である。(2)は前
期の(1)の光透過モールド層a2の表面に下地の光輝
モールド層a1の領域を全て被覆した領域に転写層bを
形成してなるインモールド成形体である。(2),
(3)と(4)は光輝モールド層a1の凹凸面2を有す
る表面が光透過モールド層a2で全面覆われておりその
表面は平坦で滑らかである。そして、この光透過モール
ド層a2の表面の1部に転写層bを形成してなるインモ
ールド成形体(3)と、光透過モールド層a2の表面の
全面に転写層bを形成してなるインモールド成形体
(4)である。
【0028】本発明のインモールド成形体は、図1に示
すように、光輝材1を混入した合成樹脂材料を用いて射
出成形方法により成形した凹凸面2を有する光輝モール
ド層3に、凹凸面2を被覆する表面が滑な透明樹脂層4
を一体に形成した二層の合成樹脂成形物であり、光輝性
加飾が求められる様々な分野の製品の多様な部分に利用
されるものである。そして、二層の一体成形物にするた
めに、射出成形方法による周知のインサート成形、また
は、二色成形による成形手段が用いられる。
【0029】図2は本発明の光輝モールド層a1の凹凸
面2の表面に加飾層a3を設けた別のインモールド成形
体の基本構成を示す断面図である。
【0030】即ち、(5)は前記(1)の基本構成、
(6)は(2)の基本構成、(7)は(3)の基本構
成、(8)は(4)の基本構成に基づき成されたもので
ある。
【0031】光輝モールド層3を形成する合成樹脂材料
としては、ポリスチレン,アクリルニトリルブタジエン
スチレン,アクリルニトリルスチレン,ポリエチレンテ
レフタレート,ポリカーボネート,ポリメチルメタアク
リレート,ポリプロピレン,ポリエチレン、等が使用さ
れ、混入される光輝材としてはアルミ系,マイカ系のも
のが使用され、アルミ系の光輝材が好ましい。そして、
合成樹脂材料は所望により適宜所望色に着色されたもの
を使用する。
【0032】光輝モールド層3の凹凸面2は例えば、金
型の形状によって形成される。光輝モールド層3を成形
するために、凹凸を有する金型内に上記の溶融合成樹脂
を射出すると、金型内の凹凸によって凹凸面2を形成す
る溶融樹脂は乱流し、その流れの変化によって光輝材1
がランダムな向きに配置されて形成される。
【0033】従って、光輝モールド層3への入射光はラ
ンダムな向きの光輝材1によって多方向に乱反射される
とともに、凹凸面2による乱反射とによる相乗効果によ
り、変化のある光輝度の高い光輝面を形成する。
【0034】また、光輝モールド層3の光輝材1がラン
ダムな向きに配置されるので、光輝性成形物にボスや穴
を設けた場合(図示省略)、光輝モールド層3に現れる
フローマークやウェルドラインは緩和される。
【0035】また、光輝モールド層3は、その凹凸面2
の凹凸の高低や凹凸の形状,大きさを多様に変えること
により、光の反射のパターンを多様化することができ
る。
【0036】透明樹脂層4は、透明樹脂層4を形成する
金型に上記の光輝モールド層3を移行して光輝モールド
層3の表面側に溶融透明樹脂を射出し、光輝モールド層
3の凹凸面2を被覆して表面を滑に一体に形成したもの
である。
【0037】透明樹脂層4の厚み、即ち、凹凸面2の凸
の頂点2aと透明樹脂層4の滑な表面4aとの距離は、
光輝性に深みを付与する点と透明樹脂層4の成形性の点
から少なくとも0.6 mmあることが好ましい。また、
透明樹脂層4は、透明性を失うことのない程度に僅かに
着色された着色透明層としても良い。
【0038】透明樹脂層4を形成する合成樹脂材料とし
ては、透明度の高いポリスチレン,アクリルニトリルス
チレン,ポリカーボネート,ポリメチルメタアクリレー
ト、透明アクリルニトリルブタジエンが適しており、光
輝モールド層3を形成する合成樹脂材料と相溶性のある
合成樹脂材料を選択すれば更に好適である。尚、光輝モ
ールド層3と相溶性のない合成樹脂材料を選択しても、
アンダーカット等の結合手段により、光輝モールド層3
と透明樹脂層4とを一体に保持することが可能である。
【0039】以上のように構成された本実施の形態にあ
っては、光輝材1による乱反射と光輝モールド層3に形
成した凹凸面2による乱反射とによる相乗効果により光
輝度が高く、所定の厚みの透明樹脂層4により深みのあ
る固有の光輝感を有する合成樹脂製成形物が得られる。
【0040】そして、周知のインサート成形や二色成形
による射出成形方法で容易に成形できる物であるので安
価に提供できるうえに、光輝性成形物の表面が滑である
ので拭いにより汚れの掃除も簡単にできる。
【0041】従って、多くの家庭用機器や理美容機器,
住宅用照明機器,パーソナル情報機器,環境設備型機
器,化粧用品や化粧容器等のように、手で触れる部分の
多い製品の光輝性の加飾が求められる部材として好適で
あり、新しい感覚の光輝性加飾によりこれらの製品の訴
求力を高めることができる。
【0042】図2に示すように、本実施の形態は、基本
的には先の実施の形態と同様に、光輝材1を混入した合
成樹脂材料を用いて射出成形方法により成形した凹凸面
2を有する光輝モールド層3に、凹凸面2を被覆する表
面が滑な透明樹脂層4を一体に形成した二層の合成樹脂
成形物である。そして、凹凸面2に、周縁5にアールを
つけた文字や,図柄,模様を構成する凸面6を前記凹凸
面2よりも高く刻設し、転写や印刷による手段を用いて
凸面6にそのアールの周縁5に及ぶ加飾層7を形成し、
凸面6を透明樹脂層4の下に位置させた構成となってい
る。
【0043】この実施の形態による光輝性成形物によれ
ば、転写箔や印刷インキで美麗に加飾された文字や図
柄,模様が深みのある光輝性の凹凸面2から立体感を伴
って浮き上がっているように視覚される。
【0044】従って、形成された文字や図柄,模様に固
有の訴求力があり、凸面6を商品名や製品の模様として
デザイン形成することにより、商品価値を上げることが
できる。
【0045】また、本発明に係る光輝性成形物の他の実
施の形態としては、基本的には既述した実施の形態と同
一であるが、微細な耐熱性のプラスチックビーズ,硝子
ビーズ等の装飾性を付加する透明性の粒状物8を透明樹
脂層4を均一に混入した構成としてもよい。
【0046】この実施の形態による光輝性成形物によれ
ば、透明樹脂層4を透過する光は透明性の粒状物8によ
って複雑に屈折し、光の乱反射を更に増幅させる。
【0047】従って、単純な透明樹脂層4の物とは異な
る変調で新味な視覚の光輝面が形成され、商品の新たな
訴求性を醸し出すことができる。
【0048】図3は 本発明に係る転写層の構成を示す
断面図である。 (3)(イ)はモールド層a(光輝材1を含む光輝モー
ルド層a1の凹凸面2を有する表面が光透過モールド層
2で覆われておりその表面は平坦で滑らかな層)の片
側主面又は全面に形成された転写層bの構成がベースフ
ィルムc1、剥離層c2、保護層c3、柄層c4、接着層c
5からなる構成であって、この転写層bは接着層c5を介
してモールド層aと接着されている。(ロ)は(イ)の
転写層bの構成に蒸着プライマー層c6と蒸着層c7が加
わった構成である。
【0049】そして、(ハ)は(イ)の転写層bの構成
に中間クリヤー層c8が設けられその中に蒸着層c7が形
成され、柄層c4が接着層に形成されている。(ニ)及
び図4の(ホ)は(イ)の転写層bの構成の柄層の代わ
りに機能性付与膜層(機能膜層)c9を用いた構成であ
る。機能性付与膜層(機能膜層)c9とはハードコー
ト、情報記録(可視、不可視、)電磁波シールド、導電
性、ガスバリヤ、撥水、親水、近赤外線放射、遠赤外線
放射、集光、蓄光、抗菌、防カビ、反射防止等の機能性
付与膜である。
【0050】図5は本発明のインモールド成形体の製造
プロセスの一例である。 工程(1):予め作成した光輝材を含む光輝モールドピ
ースを金型Bにインサートする。次いで金型Aと金型B
の間に転写層を有するベースフィルム(転写箔)を装入
する。金型Aと金型Bを閉じる。 工程(2):金型Aと金型Bを閉じたのち、射出成形機
の射出シリンダから透明樹脂を金型キャビテイ内に流し
込む。 工程(3):キャビテイ内に透明樹脂が充填され所定時
間放置した後、金型Aと金型Bを開き、本発明のインモ
ールド成形体を得る。
【0051】本発明のインモールド成形体は上記の工程
からなる製造方法により、深みのある光輝性を有し、且
つ転写層を一体に成形可能である。
【0052】図6は従来のインモールド転写の例であ
り、(1)は通常のインモールド転写、(2)はハイイ
ンモールド転写のフロー図である。
【0053】該フロー図から、本発明のモールド層a
(光輝材1を含む光輝モールド層a1の凹凸面2を有す
る表面が光透過モールド層a2で覆われておりその表面
は平坦で滑らかな層)の片側主面又は全面に形成された
転写層bの構成のインモールド成形体が簡単に一体成形
することは困難である。
【0054】図7は従来の転写プロセスを示す。従来の
方法でモールド品に柄層を転写するには本発明に比べて
格段に多くの工程が必要であることが分る。
【0055】本発明に係る家庭電気製品用のパネルは、
転写層の一部である保護層を硬化性樹脂にすることによ
り表面の耐傷つき性を向上させたものであるから、従来
では後工程のクリヤー塗装が必須要件となっていたがこ
れを省略することができる。
【0056】また、剥離層に、紫外線吸収剤やWAX剤
を添加した樹脂をもちいることにより、さらに耐候性と
表面の耐傷つき性を著しく向上させることができる。
【0057】次に、本発明の実施例について説明する。
厚さ25〜50μmの剥離性を有するポリエステル系樹
脂からなるベースフィルム上に、熱硬化性のアクリル樹
脂からなり、更に紫外線吸収剤とWAX剤が添加された
厚さ2〜3μmのハードコート層、アクリル樹脂からな
る厚さ1〜2μmのアンカー層、アクリルビニル共重合
体樹脂からなる厚さ1〜2μmの着色層、アクリル樹
脂,スチレン樹脂などのバインダーを用いた厚さ1〜2
μmの接着層からなる転写層を形成し、転写箔を得た。
【0058】そして、上記転写箔を洗濯機用樹脂部品成
形用金型内に送り込み、射出成形した後、ベースフィル
ムを剥離することにより、前記洗濯機用樹脂部品の表面
にインモールド成形加工により一体成形し、且つ表面に
転写層を付着させた洗濯機用樹脂部品を得た。この洗濯
機用樹脂部品の表面強度を測定したところ、鉛筆硬度3
Hであった。また、グレード0のスチールウールで50
g/cm2重でこすったところ、傷がつかなかった。
【0059】図8は、本発明のインモールド成形体を用
いた電気洗濯機のカバーの光輝モールドピース平面図と
その側面斜視図、転写インモールドパターンとそのA−
A断面斜視図である。
【0060】図9は、図8のインモールド成形体の部分
断面図である。
【0061】本発明のインモールド成形体の製造方法
は、転写層の一部である保護層の中に紫外線吸収剤やW
AX剤を添加することで、優れた耐摩耗性、耐候性を有
し、家庭電気用部品、とりわけ電気洗濯機のような、高
温、高湿の厳しい条件下においても、優れた耐久性を発
揮できる。また、紫外線吸収剤として高分子吸収剤を用
いると有効成分が多く添加でき、特に耐候性がよくな
る。
【0062】また、本発明において、転写層の代わりに
同様の機能を予め付与したフィルムをインサートするこ
とによっても目的を達成することができる。即ち、少な
くともフィルムインサート成形品でハウジングが構成さ
れた電気洗濯機において、該フィルムインサート成形品
が、加飾層を有する熱可塑性樹脂のベースフィルムと、
光輝材を用いて形成された凹凸面を有する光輝モールド
層を介し、前記凹凸面の表面に透明樹脂層が形成された
成形品とを、前記の透明樹脂層の表面に前記の加飾層を
有する面が接するように一体成形したことによって、加
飾フィルムインサート成形品を有する電気洗濯機を提供
できる。
【0063】
【発明の効果】本発明のインモールド成形体は以下の効
果を奏する。
【0064】(1)ランダムな向きの光輝材による乱反
射と光輝モールド層の凹凸面2による乱反射とによる相
乗効果により光輝度が高く、更に、表面が滑な透明層に
より深みのある固有の光輝感が得られ、光輝性成形物に
ボスや穴を設けた場合でも、光輝モールド層のフローマ
ークやウェルドラインの顕現を抑制できる。 (2)従来の光輝性成形物による製品に比較して訴求力
が高く、商品価値を高めることができる。 (3)周知のインサート成形や二色成形による射出成形
方法で簡単に成形できるので、安価なうえに、表面が滑
らかで清掃性に優れている。 (4)凸面に美麗に加飾された文字や図柄,模様が、深
みのある光輝性の凹凸面から立体感を伴って浮き上がっ
て視覚されるので、文字や図柄,模様に固有の訴求力が
付加される。 (5)光の乱反射が更に増幅されて変調で新味な視覚の
光輝面が形成されるので、新しい感覚のデザインを形成
することが可能であり、新しい訴求力のある商品が開発
できる。 (6)本発明のインモールド成形体の製造方法は、転写
層の一部である保護層の中に紫外線吸収剤やWAX剤を
添加することで、優れた耐摩耗性,耐候性をし、家庭電
気用部品、とりわけ電気洗濯機のような、高温、高湿の
厳しい条件下でも優れた耐久性を発揮できる。また、紫
外線吸収剤として高分子吸収剤を用いると有効成分が多
く添加でき特に耐候性がよくなる。 (7)光輝モールド層を有し、且つ転写層への機能性付
与又は情報記録層を構成することによって、意匠、機
能、使い勝手等商品価値を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインモールド成形体の基本構成を示
す断面図である。
【図2】 本発明のインモールド成形体の基本構成を示
す断面図である。
【図3】 本発明に係る転写層の構成を示す断面図であ
る。
【図4】 本発明に係る転写層の別の構成を示す断面図
である。
【図5】 本発明のインモールド成形体の製造プロセス
の一例である。
【図6】 図6は従来のインモールド転写、(1)は通
常のインモールド転写、(2)はハイインモールド転写
のフロー図である。
【図7】 従来の転写プロセスを示す。
【図8】 本発明のインモールド成形体を用いた電気洗
濯機のカバーの光輝モールドピース平面図とその側面斜
視図、転写インモールドパターンとそのA−A断面斜視
図である。
【図9】 図8のインモールド成形体の部分断面図であ
る。
【符号の説明】
1…光輝材、2…凹凸面、a…モールド層、a1…光輝
モールド層、a2…光透過モールド層、b…転写層、c1
…ベースフィルム、c2…剥離層、c3…保護層、c4
柄層、c5…接着層、c6…蒸着プライマー層、c7…蒸
着層、c8…中間クリヤー層、c9…機能性付与膜層(機
能膜層)。
フロントページの続き (72)発明者 田中 博文 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所デザイン研究所内 (72)発明者 藤田 登 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立多賀エレクトロニクス内 (72)発明者 鈴木 好博 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立多賀エレクトロニクス内 Fターム(参考) 3B005 EC14 FB01 FB11 FB21 4F206 AA11 AA13 AA21 AD10 AD20 AF04 AG03 AH42 AH51 JA07 JB13 JB19 JF05 JL02 JN15

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光輝モールド層を含む光透過モールド層と
    転写層が積層されてなるインモールド成形体。
  2. 【請求項2】光輝モールド層を含む光透過モールド層と
    転写層が積層されてなるインモールド成形体であって、
    該光輝モールド層は転写層側に凹凸面を有し、前記凹凸
    面を被覆する表面が滑らかな光透過モールド層であるこ
    とを特徴とするインモールド成形体。
  3. 【請求項3】請求項2において、凹凸面の周縁にアール
    をつけた文字や、図柄,模様からなる凸面を前記凹凸面
    よりも高く刻設し、前記凸面に転写や印刷による加飾層
    を形成して光透過モールド層の下に形成してなることを
    特徴とするインモールド成形体。
  4. 【請求項4】請求項1〜3において、光輝モールド層の
    表面側主面が転写層で覆われていないことを特徴とする
    インモールド成形体。
  5. 【請求項5】請求項1〜3において、少なくとも光輝モ
    ールド層の1部又は全面が光透過モールド層を介して転
    写層で覆われていることを特徴とするインモールド成形
    体。
  6. 【請求項6】モールド層と転写層が積層されてなるイン
    モールド成形体であって、前記転写層が少なくともベー
    スフィルムの片側主面に、剥離層、柄層、接着層が積層
    されてなることを特徴とするインモールド成形体。
  7. 【請求項7】モールド層と転写層が積層されてなるイン
    モールド成形体であって、前記転写層が少なくともベー
    スフィルムの片側主面に、剥離層、保護層、柄層、接着
    層が積層されてなることを特徴とするインモールド成形
    体。
  8. 【請求項8】請求項6或いは7において、モールド層が
    光輝モール層を含む光透過モールド層であることを特徴
    とするインモールド成形体。
  9. 【請求項9】請求項6或いは7において、転写層が蒸着
    層を有することを特徴とするインモールド成形体。
  10. 【請求項10】請求項1〜10のいずれかにおいて、転
    写層が機能性付与(膜)層又は情報記録層を有すること
    を特徴とするインモールド成形体。
  11. 【請求項11】射出成形方法により光輝材を混入した合
    成樹脂材料を用いて凹凸面を有する光輝モールド層を形
    成し、前記凹凸面を被覆する表面が滑らかな透明樹脂層
    を一体に形成し光透過モールド層を形成し、前記の透明
    樹脂層の表面にベースフィルムの転写層を有する面が接
    するように一体成形する工程を有することを特徴とする
    インモールド成形体の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項11において、凹凸面の周縁にア
    ールをつけた文字や、図柄,模様からなる凸面を前記凹
    凸面よりも高く刻設し、前記凸面に転写や印刷による加
    飾層を形成して光透過モールド層の下に位置させたこと
    を特徴とするインモールド成形体の製造方法。
  13. 【請求項13】インモールド成形により成形される家庭
    電化製品のハウジング用パネルにおいて、該ハウジング
    用パネルが請求項1〜3に記載のインモールド成形体で
    あることを特徴とする家庭電気製品のハウジング用パネ
    ル。
  14. 【請求項14】請求項13において、保護層が、光硬化
    性樹脂,放射線硬化性樹脂,熱硬化性樹脂のいずれかを
    主成分とした樹脂によって形成され手なることを特徴と
    する家庭電化製品のハウジング用パネル。
  15. 【請求項15】少なくともインモールド成形体でハウジ
    ングが構成された電気洗濯機において、該インモールド
    成形体が、光輝モールド層を含む光透過モールド層と転
    写層が積層されてなる成形体の表面に加飾層を有するこ
    とを特徴とする電気洗濯機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013176860A (ja) * 2012-02-28 2013-09-09 Daikyonishikawa Corp 加飾パネル及びその製造方法
JP2018174113A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 パナソニックIpマネジメント株式会社 配線器具用カバー、及びそれを備える配線器具装置

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