JP2000143153A - クレ―ン用免震装置 - Google Patents

クレ―ン用免震装置

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JP2000143153A
JP2000143153A JP10371583A JP37158398A JP2000143153A JP 2000143153 A JP2000143153 A JP 2000143153A JP 10371583 A JP10371583 A JP 10371583A JP 37158398 A JP37158398 A JP 37158398A JP 2000143153 A JP2000143153 A JP 2000143153A
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traveling device
seismic isolation
traveling
ring
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欣昭 大久保
Hiroshi Ikeda
博 池田
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秀秋 原田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 門形クレーン本体を有する走行式クレーンに
も有効な、クレーン用免震装置を提供することを課題と
する。 【解決手段】 クレーン本体1と走行装置2との間に、
相対回転しうる上部リングと下部リングとからなる旋回
ベアリング環12をそなえ、その上部リング上の偏心位置
に設けられた旋回軸受13にクレーン本体1のサドル11に
枢支されたブロック18の下部鉛直軸が支承されるととも
に、旋回ベアリング環12の上部リングに基端を取り付け
られた水平レバー19の中心線C2を中心とする旋回の自
動復元機構20が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型クレーンの地
震による脱輪等を防止するクレーン用免震装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】免震装置を設けたクレーンとして、特公
昭63−356号「天井走行式クレーン」が知られてい
る。この「天井走行式クレーン」は、図24および図2
5に示すように、幅の狭いガーダー状のクレーン本体15
0の両側サドル151の水平軸152上に、レール157上を走行
する2個の走行車輪153を備えたトラック154を1台ずつ
スライド可能に設け、サドル151の内面とトラック154と
の対向面間に、水平軸152と平行方向の圧縮ばね155とダ
ンパー156とからなる振動減衰機構を設けて構成されて
いる。
【0003】ガーダー状のクレーン本体150を持つこの
形式のクレーンでは、地震が発生した場合、クレーン本
体150には、主として走行方向と直角方向の加振力のみ
が危険な外力として作用し、この方向の加振力を、圧縮
ばね155とダンパー156の作用で減衰し、車輪の損傷や脱
輪事故を防止するようにしている。
【0004】一方、図17および図18に示すように、
地上に設けられる大型のコンテナークレーンやアンロー
ダ等では、一般にクレーン本体1が門形に構成されてい
る。なお図17および図18では、コンテナークレーン
の概略構成を示している。そして、この門形クレーン本
体1には四隅部に走行装置2が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような門形クレー
ン本体を有する走行式クレーンでは、地震時の振動によ
り、走行方向と直角をなす横方向の加振力Rと共に、横
方向の転倒モーメント荷重M、走行方向から左右へのね
じれ荷重S(旋回荷重)および衝撃的なアクシャル荷重
Aが加わるようになる。また、大型の門形クレーン本体
を有する場合には、天井走行クレーンに比べて重心位置
の高さが非常に高く固有周期が長くなるため、地震振動
による門形クレーン本体の横方向への変位量も大きくな
る。このため、門形クレーン本体に、図25の従来形式
の振動減衰機構を用いても、横方向の加振力Rの減衰に
必要なストローク量が得られず、また、転倒モーメント
荷重M、ねじれ荷重Sに対する減衰作用も得られない問
題がある。本発明は、上述した点に鑑み、門形クレーン
本体を有する走行式クレーンにも有効な、クレーン用免
震装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明のクレーン用免震装置は、クレーン本体と同
クレーン本体をレールに沿い走行させるべく複数の車輪
を備えた走行装置との間に設けられる免震装置であっ
て、地震発生時に上記のクレーン本体と走行装置とを相
互に連結したまま両者の相対移動を許容する連結機構
と、常時は上記のクレーン本体と走行装置とを相互に定
常の相対位置関係に保持し地震力により解放されて両者
の相対移動を許容する拘束機構と、地震発生時における
上記のクレーン本体と走行装置との相対移動の増加を抑
制するエネルギー吸収手段と、上記のクレーン本体と走
行装置とを定常の位置関係に復元する復元機構とが設け
られたことを特徴としている。
【0007】上述の本発明のクレーン用免震装置では、
常時は上記拘束機構により上記のクレーン本体と走行装
置との定常位置関係が保たれるが、地震発生時に上記走
行装置が横方向へ変位し上記クレーン本体が慣性で留ま
ろうとして、上記拘束機構が地震力により解放される
と、上記のクレーン本体と走行装置との相対移動が生じ
て、その相対移動に伴うエネルギーがエネルギー吸収手
段で吸収されるようになる。クレーン本体と走行装置と
の相対的な動きは、両者間に装架されたダンパーで適切
に緩和され、このようにして免震機能が安全に且つ的確
に発揮されるようになる。
【0008】また本発明のクレーン用免震装置は、クレ
ーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させるべ
く複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられるクレ
ーン用免震装置において、上記走行装置側に水平に取り
付けられた下部リングと同下部リングに対し同心的に相
対旋回可能に係合した上部リングとからなる旋回ベアリ
ング環をそなえ、同旋回ベアリング環の上部リング上の
偏心位置に設けられた鉛直軸支持用旋回軸受と、同旋回
軸受に支承された鉛直軸を下部に有するクレーン荷重支
持用ブロックと、同ブロックを水平横軸で枢支するよう
に上記クレーン本体の下部に取り付けられたサドルと、
上記旋回ベアリング環の上部リングに水平横軸を介し基
端を枢支された水平レバーと、同水平レバーの先端部を
上記旋回ベアリング環の鉛直中心線を中心として旋回可
能に支持しながら同水平レバーの中立位置への自動復元
を行なう水平レバー旋回復元機構とが設けられたことを
特徴としている。
【0009】上述の本発明のクレーン用免震装置では、
クレーン本体の荷重は、同クレーン本体に取り付けられ
た上記サドルから上記のクレーン荷重支持用ブロック,
旋回軸受および旋回ベアリング環を経て走行装置に伝達
される。そして、クレーンの運転中に地震によりクレー
ン本体に作用するアクシャル荷重、転倒モーメント荷重
およびラジアル荷重は、上記の走行装置上における旋回
ベアリング環および旋回軸受で支持されるようになる。
【0010】また、上記走行装置の走行方向と直角なラ
ジアル方向に加わる加振力は、同走行装置上の旋回ベア
リング環の下部リングにおいて、その中心から偏心した
位置に立設されている旋回軸受を上記水平レバーと共に
上記旋回ベアリング環の鉛直中心線を中心として回動さ
せるように作用し、この回動力が上記水平レバーと上記
走行装置との間に設けられた水平レバー旋回復元機構で
自動的に抑制されることにより、上記加振力に対する緩
衝作用が行なわれるようになる。
【0011】本発明のクレーン用免震装置は、さらに上
記水平レバー旋回復元機構が、上記水平レバーの先端部
に旋回方向に沿って自由回転するように設けられたロー
ラと、同ローラを案内するように上記走行装置上で中立
位置としてのレール中間部に向かい下り傾斜に設けられ
たガイドレールとで構成されたことを特徴としている。
【0012】上述のように、旋回ベアリング環に装着さ
れた水平レバーの先端部のローラ(または車輪)を案内
するガイドレールが、中立位置としてのレール中間部に
向かい両端から下り傾斜に設けられていると、地震振動
により旋回した上記水平レバーを中立位置へ自動的に復
元する作用が、クレーン本体の重力により上記ガイドレ
ールに押し付けられているローラのレール中間位置への
自動復帰に伴い的確に行なわれるようになる。また上記
水平レバーが地震振動により旋回移動する際には、上記
ローラが上記ガイドレールの傾斜面を登ることになるの
で、同水平レバーの旋回移動が抑制されるようになる。
【0013】また、本発明のクレーン用免震装置は、上
記水平レバー旋回復元機構が、上記水平レバーの下面と
上記走行装置の上面との間に装着した積層ゴムで構成さ
れたことを特徴としている。
【0014】このように、上記水平レバーの下面と上記
走行装置の上面との間に装着された積層ゴムにより水平
レバー旋回復元機構が構成されている場合は、地震振動
により上記水平レバーが旋回する際に、上記積層ゴム自
体のばね効果および減衰効果により上記水平レバーの旋
回移動が適切に抑制されるとともに、同水平レバーの旋
回量ゼロ位置(中立位置)への自動復元作用が的確に行
なわれるようになる。
【0015】さらに、本発明のクレーン用免震装置は、
上記水平レバー旋回復元機構が、上記水平レバーの下面
と上記走行装置の上面との間に装着したコイルばねと、
上記水平レバーの先端部を上記走行装置の上面に沿い同
レバーの旋回方向へ案内するように同レバーと上記走行
装置との間に介装された減摩案内部材とで構成されたこ
とを特徴としている。
【0016】上述のごとく水平レバー旋回復元機構が上
記水平レバーの下面と上記走行装置の上面との間に装着
したコイルばねで構成されている場合も、上記水平レバ
ーを上記走行装置の上面に沿い同レバーの旋回方向へ案
内するローラのごとき減摩案内部材の作用と相まって、
地震振動の際に上記水平レバーの旋回移動が上記コイル
ばねで弾性的に適切に抑制されるとともに、同コイルば
ねの自動復元機能により、地震振動で旋回した上記水平
レバーの中立位置への自動復元作用が的確に行なわれる
ようになる。
【0017】また、本発明のクレーン用免震装置は、上
記走行装置上に、上記水平レバーの旋回移動を制動する
ブレーキ手段が設けられたことを特徴としている。この
ように、上記水平レバーの旋回移動を制動するブレーキ
手段が設けられると、地震振動を受ける際に能動的な制
振作用が行なわれるようになる。
【0018】さらに、本発明のクレーン用免震装置は、
上記走行装置と上記水平レバーとの間に、同水平レバー
の旋回移動量を抑制するダンパー(油圧加振器)が装備
されたことを特徴としており、このようなダンパーの採
用によっても上記水平レバーの旋回移動に対する抑制作
用が十分に行なわれ、これにより地震振動に際し、クレ
ーン本体についてアクティブな制振作用を行なうことが
可能になる。
【0019】また、本発明のクレーン用免震装置は、ク
レーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させる
べく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられるク
レーン用免震装置であって、上記クレーン本体の下面と
上記走行装置の中央部との間に装着された積層ゴムと、
同積層ゴムの前後の対称位置で上記クレーン本体の下面
と上記走行装置の上面との間に装着された横方向スライ
ド機構とが装備されたことを特徴としている。
【0020】上述の本発明のクレーン用免震装置では、
地震によってクレーン本体に横方向の加振力が負荷され
たとき、同クレーン本体は上記横方向スライド機構によ
り曲げモーメント荷重を支持しながら横方向へ摺動する
ようになり、このときクレーン本体とその走行装置との
相互間のスライド力は上記積層ゴムの撓み変形で吸収さ
れ、同積層ゴムの復元力により上記走行装置に対する上
記クレーン本体の通常位置への復帰が自動的に行なわれ
るようになる。
【0021】そして、本発明のクレーン用免震装置は、
さらに、上記のクレーン本体と走行装置との間に、横方
向のスライド量を抑制するダンパーが装備されたことを
特徴としており、このようなダンパーによる横方向のス
ライド量の抑制作用に伴い、地震振動時のクレーン本体
の横方向の動きが適切に抑制されるようになる。
【0022】また、本発明のクレーン用免震装置は、上
記のクレーン本体および走行装置の地震発生時の振動を
検出する振動検出センサーと、同センサーからの検出信
号に基づき上記クレーン本体の振動を抑制するための制
御信号を発信する振動制御部と、同振動制御部からの制
御信号に応じて上記クレーン本体の振動を抑制するよう
に同クレーン本体と上記走行装置との間で作動する駆動
手段とが設けられたことを特徴としている。
【0023】上述の本発明のクレーン用免震装置では、
地震振動の発生に際して、上記走行装置の振動が上記振
動検出センサーで検出されて振動制御部に取り込まれ、
同制御部からの制御信号により上記クレーン本体を上記
走行装置の振動から絶縁するように上記駆動手段の制御
が行なわれるので、地震によるクレーン本体の横方向振
動がアクティブに抑制されるようになる。
【0024】さらに、本発明のクレーン用免震装置は、
クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させ
るべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられる
クレーン用免震装置であって、上記クレーン本体の下部
と上記走行装置の上部中央とが自在継手機構で連結さ
れ、同自在継手機構の両側方の位置で、それぞれ上記の
クレーン本体と走行装置とを接続する振動減衰機構が介
装されたことを特徴としている。
【0025】上述の本発明のクレーン用免震装置では、
通常時は上記自在継手機構の両側方に位置する振動減衰
機構が相互にバランスして、上記自在継手ブロックを鉛
直に維持し、この状態でクレーン本体の重量はアクシャ
ル荷重として上記自在継手機構を介し走行装置に伝達さ
れる。
【0026】また、地震振動時にクレーン本体に作用す
るアクシャル荷重,転倒モーンメント荷重およびラジア
ル荷重も、同様に自在継手機構を経て走行装置とクレー
ン本体との間に伝達される。そして、地震振動により走
行方向と直角にクレーン本体に加わる横方向の加振力
は、上記自在継手機構の両側方の各振動減衰機構で減衰
されながら、上記自在継手機構における前後方向の水平
軸を中心とした上記クレーン本体の回動動作で大きい振
動周期の振動として吸収されるようになる。
【0027】また、上記自在継手機構の前後の対称位置
に、それぞれ上記のクレーン本体と走行装置とを接続す
る振動減衰機構が介装されていると、地震振動によりク
レーン本体に加わる前後方向の加振力も、適切に減衰さ
れるようになる。
【0028】さらに、上記自在継手機構が、上記クレー
ン本体の下部から下方へ突設されたサドルと、同サドル
に走行方向の支軸で上部を枢着された自在継手ブロック
と、同自在継手ブロックの下部を水平横軸で上記走行装
置上の軸受に枢着する下部枢着部とで構成されている
と、同自在継手機構の構造がコンパクトで高い強度を有
するようになり、その配置も適切に行なわれるようにな
る。
【0029】さらに、本発明のクレーン用免震装置は、
クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させ
るべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられる
クレーン用免震装置であって、上記クレーン本体の下面
と上記走行装置の中央部との間に装着された積層ゴム
と、同積層ゴムの両側方の位置でそれぞれ上記クレーン
本体の下面と上記走行装置の上面との間に介装された転
倒防止用拘束部材とが装備されたことを特徴としてい
る。
【0030】上述の本発明のクレーン用免震装置では、
地震によりクレーン本体と走行装置との間に発生する横
方向の相対変位は、積層ゴムの変形によるバネ要素と摩
擦減衰とにより吸収される。そして、同時に横方向のラ
ジアル荷重に伴って加わる転倒モーメント荷重は、両側
部の転倒防止用拘束部材の抵抗力により支持され、上記
積層ゴムの復元力で、撓みゼロ位置への復元作用が的確
に行なわれる。
【0031】また本発明のクレーン用免震装置は、上記
のクレーン本体と走行装置との間に、両者の水平方向に
おける相対変位を拘束するトリガー機構が装備され、同
トリガー機構が地震による所定値以上の加振力を受けた
とき上記相対変位の拘束を解放するように構成されたこ
とを特徴としている。
【0032】上述のクレーン用免震装置では、地震によ
って所定値を超える加振力がクレーンに加えられると、
上記トリガー機構が解放されて、上記の積層ゴムと、そ
の両側方の転倒防止用拘束部材とによる免震機能が発揮
される。そして、地震の生じていない通常の状態では、
上記トリガー機構でクレーン本体と走行装置とが一体に
結合されるので、クレーン全体としての剛性が保たれる
ようになる。
【0033】また本発明のクレーン用免震装置は、クレ
ーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させるべ
く複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられるクレ
ーン用免震装置であって、地震発生時に上記走行装置が
地震力により横方向へ変位する際に上記クレーン本体の
相対的な動きを案内して重力による復元機能を付加する
傾斜案内手段をそなえ、同傾斜案内手段が、上記走行装
置側に傾斜状態で装着された下部リングと同下部リング
に対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとか
らなる第1旋回ベアリング環と、同第1旋回ベアリング
環の上部リングと一体に設けられた傾斜ビームと、同傾
斜ビームの上面で上記第1旋回ベアリング環の回転中心
線から水平方向に偏倚した位置に回転中心線をもつよう
に装着された下部リングと同下部リングに対し同心的に
相対旋回可能に係合した上部リングとからなる第2旋回
ベアリング環と、同第2旋回ベアリング環の上部リング
を上記クレーン本体の下部に結合するクレーン本体結合
部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0034】上述の本発明のクレーン用免震装置では、
クレーン本体の荷重は、走行装置側の第1旋回ベアリン
グ環と、中間の傾斜ビームおよびクレーン本体側の第2
旋回ベアリング環とを介し、さらにクレーン本体結合部
を介して支えられる。そして、地震発生時にレールと共
に走行装置が横方向に動くと、上記の第1旋回ベアリン
グ環と第2旋回ベアリング環とが互いに偏倚した回転中
心線を有しているため、クレーン本体は慣性力により留
まろうとして上記走行装置に対し相対的に横ずれを起こ
し、これに伴い上記傾斜ビームは旋回動作を起こして、
同ビーム上の第2旋回ベアリング環との協働により上記
クレーン本体を押し上げるようになる。このようにし
て、地震による走行装置の往復横移動に伴いクレーン本
体は主として上下動を生じ、これによりクレーン本体が
長周期化され免震機能が発揮される。
【0035】さらに、本発明のクレーン用免震装置は、
上記クレーン本体結合部が、上記第2旋回ベアリング環
の上部リングと上記クレーン本体との間にそれぞれ装架
されたヒンジピン式連結部材および油圧シリンダにより
構成されていることを特徴としている。
【0036】上述のように、第2旋回ベアリング環の上
部リングとクレーン本体とがヒンジピン式連結部材およ
び油圧シリンダにより傾斜調整可能に結合されている
と、前述の傾斜ビームの面角度に応じて上記油圧シリン
ダの伸縮調整を行なうことによりクレーン本体を水平に
保つことができ、第2旋回ベアリング環に対するクレー
ン本体の相対関係を適切に固めておくことができる。
【0037】また、本発明のクレーン用免震装置は、上
記傾斜ビームの回転を常時は拘束し地震発生時に地震力
で解放されて上記傾斜ビームの回転を許容する拘束機構
が、上記の傾斜ビームと走行装置との間に架設されると
ともに、上記傾斜ビームの回転を規制するダンパーが同
傾斜ビームと上記走行装置との間に架設されたことを特
徴としている。
【0038】上述のごとく、傾斜ビームと走行装置との
間にシアピンあるいはブレーキのごとき拘束機構が設け
られて、地震発生時にのみ同拘束機構の解放が行なわれ
るようになっていると、常時は上記傾斜ビームが固定さ
れるため、従来のクレーン装置と同様の安定した動作が
行なわれる。そして、地震力により上記拘束機構が解放
され上記傾斜ビームの往復回動が行なわれるようになる
と、同傾斜ビームの回転を抑制するダンパーが設けられ
ているため、クレーン本体と走行装置との相対移動を適
切に緩和しながら、地震エネルギーの吸収が行なわれる
ようになる。
【0039】さらに、本発明のクレーン用免震装置は、
クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させ
るべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられる
クレーン用免震装置であって、上記のクレーン本体と走
行装置との間に両者を定常の位置関係に弾性的に保持す
るバネ機構が設けられるとともに、地震発生に伴い上記
走行装置が横方向に振動する際に、上記クレーン本体に
働く慣性力により元位置に留まろうとする同クレーン本
体の上記走行装置に対する相対的な変位を許容しながら
両者を連結する可動連結機構と、上記バネ機構を介して
行なわれる上記のクレーン本体と走行装置との相対変位
を抑制するダンパーとが、上記のクレーン本体と走行装
置との間に介設され、上記可動連結機構が、上記走行装
置側に水平に装着された下部リングと同下部リングに対
し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとからな
る第1旋回ベアリング環と、同第1旋回ベアリング環の
上部リングと一体に設けられた水平ビームと、同水平ビ
ームの上面で上記第1旋回ベアリング環の回転中心線か
ら水平方向に偏倚した位置に回転中心線をもつように装
着された下部リングと同下部リングに対し同心的に相対
旋回可能に係合した上部リングとからなる第2旋回ベア
リング環と、同第2旋回ベアリング環の上部リングを上
記クレーン本体の下部に結合するクレーン本体結合部と
をそなえて構成されたことを特徴としている。
【0040】上述のクレーン用免震装置では、クレーン
本体と走行装置とを連結する可動連結機構において、前
述の傾斜ビームの代わりに水平ビームが設けられるの
で、同水平ビームとその上下の第1旋回ベアリング環お
よび第2旋回ベアリング環との協働作用で地震発生時に
走行装置とクレーン本体との間に生じる相対的な動き
は、水平面内でのみ行なわれる。そして、走行装置とク
レーン本体との定常の位置関係は、バネ機構によって保
持され、地震発生時に上記バネ機構を介して行なわれる
走行装置とクレーン本体との相対的な動きは、ダンパー
によって緩和され、このようにして地震エネルギーの吸
収を行ないながらクレーン本体のための免震機能が適切
に発揮されるようになる。
【0041】また、この場合も、クレーン本体の荷重の
支持は、走行装置側の第1旋回ベアリング環と、中間の
水平ビームおよびクレーン本体側の第2旋回ベアリング
環とを介し、さらにクレーン本体結合部を介して支障な
く支えられる。
【0042】さらに本発明のクレーン用免震装置は、上
記水平ビームの上記走行装置に対する相対変位を常時は
拘束し地震発生時に地震力で解放されて上記相対変位を
許容する拘束機構が、上記の水平ビームと走行装置との
間に架設されたことを特徴としている。
【0043】このように、水平ビームと走行装置との間
にシアピンあるいはブレーキのごとき拘束機構が設けら
れて、地震発生時にのみ同拘束機構の解放が行なわれる
ようになっていると、常時は上記水平ビームが固定され
るため、従来のクレーン装置と同様の安定した動作が行
なわれる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施形
態について説明すると、図1は門形クレーンのクレーン
本体の四隅部にそれぞれ設けられた走行装置の1つとク
レーン本体との間に本発明の第1実施形態としてのクレ
ーン用免震装置が装備された状態を示す側面図であり、
図2は図1のII−II矢視図、図3は図1のIII−III矢視
図、図4は図3のIV−IV矢視断面図、図5は図1のV−
V矢視拡大図、図6は図5のVI−VI矢視図である。
【0045】本実施形態の免震装置をそなえたクレーン
も、図17および図18に示すような門形クレーンとし
て構成されており、門形のクレーン本体1と、その四隅
部の走行装置2との間に、図1に示すごとく免震装置10
が設けられている。
【0046】すなわち、走行装置2は、図1に示すよう
に、レール3上を走行する各2個の車輪5を備えた4組
のトラック4と、隣接する2組のトラック4,4を軸7
で連結した2組の下部イコライザービーム6と、2組の
下部イコライザービーム6を軸9で連結した上部イコラ
イザービーム8とをそなえて構成されており、上部イコ
ライザービーム8とクレーン本体1との間に本発明の第
1実施形態としての免震装置10が装着されている。
【0047】なお、図1において、C1は上部イコライ
ザービーム8の中心線を示し、C2は中心線C1から一
定距離だけクレーン本体1の中心側へ偏った免震装置10
の上部イコライザービーム8側への取付位置を示してい
る。
【0048】門形クレーンの走行装置2には、上記と異
なった車輪数で、色々な組合せの形式があり、また、車
輪2個付きのトラック4をクレーン本体1の各隅に1組
ずつ設ける場合もある。本発明の各実施形態では、これ
らの各形式の走行装置2に対して、走行装置2の最上位
のイコライザービームまたはトラックと、クレーン本体
1側のサドル11との間を接続するように免震装置10が装
備されている。
【0049】免震装置10は、図1〜4に示すように、走
行装置2の上部イコライザービーム8上に鉛直中心線C
1を中心として水平に取り付けられた下部リング31と、
同下部リング31にアクシャル荷重用およびモーメント荷
重用の各ベアリング33, 34ならびにラジアル荷重用ベア
リング35を介して同心的に相対回転可能に係合した上部
リング32とからなる旋回ベアリング環12をそなえてい
る。
【0050】そして、旋回ベアリング環12の上部リング
32上の偏心位置で中心線C1に沿うように設けられた鉛
直軸支持用旋回軸受13に、図5,6に示すごとく、クレ
ーン荷重支持用ブロック18の下部鉛直軸17が支承されて
おり、同ブロック18は水平横軸16により、クレーン本体
1に取り付けられたサドル18に旋回可能に枢支されてい
る。このようにして、走行装置2は、図1に示すごと
く、クレーン本体1に水平横軸16を介して枢支されてい
る。
【0051】また、免震装置10は、旋回ベアリング環12
の直径方向に沿い中心線C2と交叉する方向の水平横軸
14を、上部リング32上のブラケット15を介して支持し、
同水平横軸14により支持された水平レバー19を有してい
る。そして、水平レバー19の先端部を旋回ベアリング環
12の鉛直中心線C2を中心として上部リング32と共に旋
回させるように同水平レバー19の先端部を支持しながら
同水平レバー19の中立位置(クレーン走行方向に沿う位
置)への自動復元を行なう水平レバー旋回復元機構20
が、図1〜3に示すように設けられている。
【0052】すなわち、水平レバー19の先端部に、同水
平レバーの旋回中心線C2を中心とする旋回方向に沿っ
て自由回転しうるローラ(車輪の場合を含む)24が設け
られるとともに、同ローラ24を案内するように走行装置
2の上部イコライザービーム8上にガイドレール25が設
けられており、同ガイドレール25は中立位置としてのレ
ール中間部に向かい下り傾斜(図2参照)に設けられて
いる。
【0053】また、旋回ベアリング環12の上部リング32
とイコライザービーム8との間に、補助の駆動式(また
は非駆動式)の油圧ダンパー21が設けられるとともに、
同油圧ダンパー21のための駆動ユニット21aが設けられ
ている。
【0054】さらに、旋回ベアリング環12の上部リング
32において、水平レバー19と反対の側に制動板22が設け
られるとともに、同制動板22に着脱可能のブレーキ23が
設けられ、このようにして水平レバー19の旋回移動を制
動するブレーキ手段が構成されている。
【0055】なお、旋回軸受13は、旋回ベアリング環12
と同様な小型の旋回ベアリング環で置換え、この旋回ベ
アリング環で荷重支持ブロック18の縦軸部17を支持する
ように構成することもできる。
【0056】また、水平レバー旋回復元機構20は、ロー
ラ24とガイドレール25との組合わせ構造に代えて、一般
に建造物の地震振動を軽減するために使用されている図
7で示すような振動減衰用の積層ゴム26を水平レバー19
の下面とイコライザービーム8の上面との間に設ける構
成を採用することができる。さらに、積層ゴム26に代え
てコイルばねを用いることができるほか、他の任意の構
成の復元手段を用いてもよい。
【0057】なお、積層ゴム26の代わりにコイルばねを
用いる場合は、水平レバー19の先端部を走行装置2の上
面すなわちイコライザービーム8の上面に沿って同レバ
ー19を案内するように、同レバー19の下面とイコライザ
ービーム8の上面との間に減摩案内部材としてのローラ
またはすべり支承部材が併用される。
【0058】上述した免震装置10は、クレーンの運転中
は、制動板22をブレーキ23でロックした状態に保持し、
クレーン運転休止時にブレーキ23を解放して免震装置10
を作動可能な状態に維持できる。なお、クレーンの運転
中でも、図示しない振動検出センサーからの地震検出信
号に基づき、ブレーキ23による制動板22のロックを解除
できるようにしておくことが望ましい。
【0059】門形クレーン本体1の荷重は、門形クレー
ン本体1の四隅の各サドル11から荷重伝達ブロック18,
旋回軸受13,旋回ベアリング環12を経てイコライザービ
ーム8を含む走行装置2に伝達される。
【0060】クレーンの運転中に、地震振動によって門
形クレーン本体1に作用するアクシャル荷重A、転倒モ
ーメント荷重M、M′およびラジアル荷重Rの各加振力
も各走行装置2上の旋回ベアリング環12および旋回軸受
13で吸収されることになる。
【0061】このとき、レール3と直角なラジアル方向
に加わる加振力Rは、各走行装置2の旋回ベアリング環
12から偏心した旋回軸受13を水平レバー19と共に旋回ベ
アリング環12の中心を中心として回動させるように作用
し、この回動力が水平レバー19と走行装置2との間に設
けられた水平レバー旋回復元機構20で抑制されることで
緩衝されるようになる。
【0062】水平レバー旋回復元機構20が、図1〜図3
で示す水平レバー19の先端部に設けたローラ24と、走行
装置2上で中間部へ向かい下り傾斜するガイドレール25
とで構成されているので、水平レバー19の旋回時にロー
ラ24がガイドレール25面を上り傾斜方向に移動すること
で移動力が抑制され、クレーンの重力により自動的にガ
イドレール25の中間位置に復帰移動する。
【0063】また、水平レバー旋回復元機構20が、図7
で示す積層ゴム26で構成された場合は、積層ゴム26自体
のばね要素と、摩擦減衰要素と、粘性減衰要素とで、水
平レバー19の移動力が抑制されたのち、回動量ゼロ位置
へ自動復元される。また、積層ゴム26に代えて、コイル
ばねを用いた場合は、コイルばね自体のばね要素で水平
レバー19の移動力が抑制されたのち、回動量ゼロ位置へ
自動復元される。
【0064】また、地震による衝撃的な水平レバー19の
回動は、補助の油圧ダンパー21によっても抑制すること
ができ、駆動型の油圧ダンパー21を使用することで、地
震振動に対しアクティブな制振を行なうことが可能にな
る。さらに、水平レバー19の旋回移動を制限するブレー
キ手段22, 23が設けられることにより、地震に対する制
振作用が一層的確に行なわれる。
【0065】上述した作用が、門形クレーン本体の四隅
の各走行装置2の部分で、それぞれ独立して生じること
で、門形クレーンに作用する地震力を各走行装置2で安
全に吸収できるようになる。
【0066】また、この構成によって、大きい門形クレ
ーン本体1の大きい水平旋回ねじれを安全に吸収できる
免震機構をコンパクトな機構で提供することができる。
さらに、免震装置10が、走行装置2とサドル11との間に
独立した機構で構成されるため点検・調整・補修が容易
に行なえるようになる。
【0067】次に本発明の第2実施形態としてのクレー
ン用免震装置について説明すると、図8はその側面図、
図9は図8のIX−IX矢視図である。
【0068】この第2実施形態では、前述の第1実施形
態と同様の門形のクレーン本体1と走行装置2とをそな
えた走行式門形クレーンにおいて、クレーン本体1と走
行装置2との間に介装される免震装置10が、次のように
構成されている。
【0069】すなわち、クレーン本体1の下面と走行装
置2のイコライザービーム8の中央部との間に積層ゴム
36が装着されるとともに、同積層ゴム36の前後の対称位
置で、クレーン本体1の下面とイコライザービーム8の
上面との間に横方向スライド機構37が装着されており、
クレーン本体1側スライド部とイコライザービーム8と
の間には振動減衰用の油圧ダンパー38が設けられてい
る。
【0070】そして、積層ゴム36としては、地震振動時
にクレーン本体1と走行装置2との間に発生する横方向
変位に対応できるように、必要な高さおよび径の積層ゴ
ムが用いられる。
【0071】また、横方向のスライド機構37は、イコラ
イザービーム8上に固定配置したT形断面の軌条39と、
同軌条39の両側に沿ってクレーン本体1から延びる一対
のサドル40に装着されてT形軌条39の上下面に接触回動
する上下各4個のローラ41とで構成され、油圧ダンパー
(加振器)38はサドル40とイコライザービーム8との間
に横方向に設けられている。そして、油圧ダンパー38の
駆動ユニット38aが設けられている。
【0072】上述の第2実施形態では、地震によってク
レーンに横方向の加振力Rが加わったとき、クレーン本
体1は、一対の横方向スライド機構37で曲げモーメント
荷重Mを吸収されながら横方向へスライドする。
【0073】このとき、相互のスライド力は、積層ゴム
36の撓み変形で吸収され、ついで積層ゴム36の復元力に
より、クレーン本体1と走行装置2とがスライドゼロ位
置へ自動的に復元する。また、このとき、油圧ダンパー
38が並行して相互のスライド力を減衰させるように働
く。その他の作用効果は第1実施形態と同様である。
【0074】次に、前述の第1および第2実施形態のク
レーン用免震装置に設けられる制御系について説明する
と、図10に示すように、第1実施形態および第2実施
形態における走行装置2側およびまたはクレーン本体1
側に装着された相互の振動検出センサー42と、振動検出
センサー42の検出値に応じて、油圧ダンパー21の駆動ユ
ニット21a(図1)または油圧ダンパー38の駆動ユニッ
ト38a(図8),ローラまたは車輪24の駆動ユニットを
制御する振動制御部43とが装備されるようになってい
る。
【0075】前述の第1実施形態および第2実施形態の
各免震装置において、走行装置2とクレーン本体1の相
互の地震振動による振動を振動検出センサー42により検
出して振動制御部43に取込み、振動制御部43により速度
変位を抑制するように駆動ユニット21a,38aを制御す
ることで、地震による門形クレーンの横方向振動をアク
ティブに減衰し、脱輪等を防止することができる。
【0076】次に本発明の第3実施形態としてのクレー
ン用免震装置について説明すると、図11はその側面
図、図12は図11のXII−XII矢視断面図、図13は図
11のXIII−XIII矢視断面図である。
【0077】この第3実施形態の場合も、門形クレーン
のクレーン本体1の四隅において、前述の各実施形態と
同様に、走行装置2がそれぞれ設けられている。すなわ
ち、各走行装置2は、図11に示すように、レール3上
を走行する各2個の車輪5を備えた4組のトラック4
と、隣接する2組のトラック4,4を軸7で連結した2
組の下部イコライザービーム6と、2組の下部イコライ
ザービーム6を軸9で連結した上部イコライザービーム
8とをそなえて構成されており、上部イコライザービー
ム8とクレーン本体1との間に本実施形態の免震装置10
が装着されている。
【0078】免震装置10は、図11〜13に示すよう
に、クレーン本体1の下部と走行装置2の上部における
イコライザービーム8の中央とを連結する自在継手機構
111をそなえるとともに、自在継手機構111の両側方の位
置でそれぞれクレーン本体1と走行装置2とを接続する
振動減衰機構112としての圧縮バネ113と油圧ダンパー11
4とをそなえて構成されている。なお、振動減衰機構112
としては、他に弾性ゴム方式や油圧シリンダ方式のもの
などがあり、任意の形式のものを用いることができる。
【0079】自在継手機構111は、クレーン本体1の下
部から下方へ突設されたサドル115と、同サドル115に走
行方向の支軸117で上部を枢着された自在継手ブロック1
19とをそなえるとともに、同ブロック119の下部を水平
横軸118で走行装置2上の軸受116に枢着する下部枢着部
をそなえて構成されている。なお、支軸117を水平横軸
とし、水平横軸118を走行方向の支軸とするように構成
してもよい。
【0080】上述した免震装置10付きクレーンでは、通
常時は自在継手機構111の両側部に設けた振動減衰機構1
12が相互にバランスして自在継手ブロック119を垂直に
維持し、この状態でクレーンの重量はアクシャル荷重A
としてクレーン本体1の四隅から自在継手機構111を経
て走行装置2に伝達される。
【0081】地震振動によって運転中のクレーン本体1
に作用するアクシャル荷重A、転倒モーメント荷重Mお
よびラジアル荷重Rも、同様に自在継手機構111を経て
各走行装置2とクレーン本体1との間に伝達される。
【0082】このとき、地震振動によってレール3と直
角の横方向にクレーンに加わるラジアル荷重Rとアクシ
ャル荷重Aの加振力は、各走行装置2上の竪方向の振動
減衰機構112としての圧縮バネ113および油圧ダンパー11
4の弾性抵抗で減衰されながら、自在継手ブロック119が
走行方向と平行な支軸117まわりに回動変位する動作で
大きい振動周期の振動として吸収される。
【0083】そして、このとき各走行装置2とクレーン
本体1との間の横方向の相対変位は、自在継手機構111
の支軸117を中心とするクレーン本体1の傾きで与えら
れ、変位の吸収と位置保持は、振動減衰機構112の圧縮
バネ113と油圧ダンパー114の竪方向の伸縮で与えられる
ことになる。このため、地震振動による門形クレーンの
固有周期の大きい振動に対し、免震装置10の大きい変位
量で安全に地震振動を吸収し減衰できるようになる。
【0084】また、図17,18に示すように、クレー
ン本体1の四隅の走行装置2に、異なったラジアル荷重
Rが作用することで、クレーン本体1にねじれ荷重Sが
加わる場合には、上述した作用が各走行装置2の部分で
それぞれ独立して生じることによって、各走行装置2の
部分ごとに免震装置10が、異なった変位量で前後・左右
に作動し、ねじれ荷重Sを各走行装置2上で安全に吸収
することができる。
【0085】さらに、バネ、ダンパーを自在継手機構11
1の前後の対称位置にそれぞれ配置することにより、走
行方向の地震振動に対しても同様の効果が得られる。ま
た、この構成の免震装置によれば、各油圧ダンパー114
を調整制御できるように構成することで、地震振動に対
しアクティブな制振を行なうことも可能である。
【0086】さらに、この構成によって、大きい門形ク
レーン本体1の大きい水平旋回ねじれを安全に吸収でき
る免震装置をコンパクトな機構で提供することができ
る。また、免震装置10が、走行装置2とクレーン本体1
との間に独立した機構として構成されるため、点検・調
整・補修が容易に行なえる利点もある。
【0087】次に本発明の第4実施形態としてのクレー
ン用免震装置について説明すると、図14はその側面
図、図15は図14のXV−XV矢視断面図、図16は図1
4のXVI−XVI矢視断面図である。
【0088】この第4実施形態の場合も、図14に示す
ように、門形クレーンのクレーン本体1の四隅におい
て、前述の各実施形態と同様に、走行装置2がそれぞれ
設けられている。すなわち、各走行装置2は、図14に
示すように、レール3上を走行する各2個の車輪5を備
えた4組のトラック4と、隣接する2組のトラック4,
4を軸7で連結した2組の下部イコライザービーム6
と、2組の下部イコライザービーム6を軸9で連結した
上部イコライザービーム8とをそなえて構成されてお
り、上部イコライザービーム8とクレーン本体1との間
に本実施形態の免震装置10が装着されている。
【0089】免震装置10は、図14〜16に示すよう
に、クレーン本体1の下面と走行装置2の中央部(イコ
ライザービーム8の中央部)との間に装着された積層ゴ
ム211と、同積層ゴム211の両側方の位置でそれぞれクレ
ーン本体1の下面とイコライザービーム8の上面との間
に介装された転倒防止用拘束部材としての圧縮バネ212
とをそなえて構成されている。
【0090】また、クレーン本体1と走行装置2との間
に、両者の水平方向における相対変位を拘束するトリガ
ー機構213が設けられている。なお、トリガー機構213と
しては、シアピン方式ものや、保持ブレーキ方式、クサ
ビ・ピン方式のものなどがあり、さらに地震検知センサ
ーにより解放駆動されるカムローラ方式のものも使用で
きる。
【0091】また、積層ゴム211としては、地震振動時
にクレーン本体1と走行装置2との間に発生する大きな
横方向変位に対応できる十分な高さおよび径のものが用
いられる。
【0092】上述した免震装置10付きのクレーンは、通
常時はトリガー機構213により、水平力が保持され、積
層ゴム211の両側部に設けた圧縮バネ212が相互にバラン
スして積層ゴム211を左右中立に維持する。
【0093】この状態でクレーンの重量は、アクシャル
荷重Aとして門形クレーン本体1の四隅から積層ゴム21
1と圧縮バネ212とを経て走行装置2に伝達される。ま
た、地震振動によって運転中の門形クレーンに新たに作
用するアクシャル荷重A、転倒モーメント荷重M、ラジ
アル荷重Rの各加振力も、同様に積層ゴム211と両側部
の圧縮バネ212を経て各走行装置2と門形クレーン本体
1との間に伝達されることになる。
【0094】地震によって門形クレーンに所定値を超え
る横方向の加振力が加わった時、トリガー機構213は解
放され、クレーン本体1と走行装置2との間にラジアル
荷重Rで発生する横方向の相対変位は、積層ゴム211の
変形によるバネ要素と摩擦減衰とにより吸収される。同
時に横方向のラジアル荷重Rに伴って加わる転倒モーメ
ント荷重Mは、両側部の圧縮バネ212の抵抗力により支
持され、積層ゴム211と圧縮バネ212の各復元力で撓みゼ
ロ位置への復元作用が行なわれる。
【0095】また地震によって、クレーンに走行方向の
加振力が加わったときには、クレーン本体1と走行装置
2との間に発生する走行方向の相対変位は、走行装置2
とレール3との間の滑りと積層ゴム211の走行方向の撓
み変形および復元力で吸収され、撓みゼロ位置へ戻され
るように働く。このため、地震により門形クレーンに発
生する周期の大きい振動を、積層ゴム211と圧縮バネ212
の大きい変位量で安全に吸収し減衰できるようになる。
【0096】上述した作用が、門形のクレーン本体1の
四隅の各走行装置2の部分で、それぞれ独立して生じる
ことで、門形クレーンに作用する地震力を各走行装置2
上で安全に吸収できるようになる。異なったラジアル荷
重Rが作用することで、クレーン本体1にねじれ荷重S
が加わる場合には、上述した作用が各走行装置2の部分
で、各積層ゴム211と圧縮バネ212が、それぞれ独立して
異なった変位量で前後・左右に作動し、ねじれ荷重Sを
各走行装置2上で安全に吸収することができる。
【0097】また、この構成の免震装置において、クレ
ーン本体1と走行装置2との間に、走行方向または横方
向の油圧ダンパーを追加することで、振動減衰効果をよ
り高くすることも可能である。
【0098】さらに、この構成によって、大きい門形ク
レーン本体1の大きい水平旋回ねじれを安全に吸収でき
る免震装置をコンパクトな機構で提供することができ
る。また、免震装置10は、走行装置2とクレーン本体1
との間に独立した簡易な機構で構成されるため、点検・
調整・補修が容易に行なえるようになる。
【0099】なお、積層ゴム211の両側方にそれぞれ配
置される転倒防止用拘束部材としては、圧縮バネ212の
代わりにリンク方式のものを用いることもできる。すな
わち下端をイコライザービーム8上に前後方向のピンで
軸支されたリンクの上端を、クレーン本体1の下面に横
方向に取り付けられたブラケットにおける上方に凸の円
弧状ガイド孔に前後方向のピンで軸支するようなリンク
機構を用いることもできる。
【0100】次に本発明の第5実施形態としてのクレー
ン用免震装置について説明すると、図19はその概略構
造を示す斜視図、図20はその側面図、図21は図20
のA−A矢視図であり、図22はその要部の変形例を示
す側面図である。
【0101】本実施形態の免震装置をそなえたクレーン
も、図17および図18に示すように、門形クレーンと
して構成されており、門形のクレーン本体1と、その四
隅部の走行装置2との間に、図20および図21に示す
ごとく免震装置10が設けられている。
【0102】すなわち、走行装置2は、図20に示すよ
うに、レール3上を走行する各2個の車輪5を備えた4
個のトラック4と、隣接する2組のトラック4,4を軸
7で連結した2組の下部イコライザービーム6と、2組
の下部イコライザービーム6,6を軸9で連結した上部
イコライザービーム8とをそなえて構成されており、上
部イコライザービーム8とクレーン本体1との間に本発
明の第5実施形態としての免震装置10が装着されてい
る。
【0103】本実施形態では、上部イコライザービーム
8の中央に横軸50で枢着された台部材61の上に、傾斜支
持面をもつベース部材51aを介して第1旋回ベアリング
環51が走行方向に傾斜した状態で設けられている。第1
旋回ベアリング環51は図4に示す旋回ベアリング環12と
同様の構造を有するもので、第1旋回ベアリング環51の
下部リングはベース部材51aに固着され、同旋回ベアリ
ング環51の上部ベアリングは傾斜ビーム60に固着されて
いる。
【0104】そして第1旋回ベアリング環51の相対旋回
しうる上部リングおよび下部リングの回転中心線C2は
傾斜しており、この回転中心線C2から水平方向に偏倚
した位置に回転中心線C1を有する第2旋回ベアリング
環52が、第1旋回ベアリング環51と同様の構造を有して
傾斜ビーム60の上面に設けられている。すなわち第2旋
回ベアリング環52の下部リングは傾斜ビーム60の上面に
固着され、同ベアリング環52の上部リングには取付け板
52aが固着されている。
【0105】そして、第2旋回ベアリング環52の上部リ
ングを取付け板52aを介しクレーン本体1の下部に結合
するクレーン本体結合部として、球面軸受16aを含むヒ
ンジピン式連結部材16と複数の油圧シリンダ54とが設け
られている。各油圧シリンダ54は、傾斜ビーム60の回転
中心線C2を中心とする回転時の面角度の変化を、傾斜
ビーム回転角度検出センサー56からの検出信号に応じ伸
縮作動することによって吸収するようになっている。ま
た各油圧シリンダ54は、横方向および走行方向のモーメ
ント荷重を支持し、クレーン本体1と走行装置2との間
のモーメント荷重の受け渡しを行なうものである。
【0106】傾斜ビーム60と台部材61との間には拘束機
構としてのシアピン53が設けられ、同シアピン53により
常時はクレーン本体1と走行装置2とが定常の相対位置
関係に保持されるが、地震発生時には地震力によるシア
ピン53の切断で解放されて、クレーン本体1と走行装置
2との相対移動が許容されることにより、後述のごとく
免震装置10の機能が発揮されるようになっている。
【0107】また、傾斜ビーム60と台部材61との間に
は、免震装置10の作用時にクレーン本体1と走行装置2
との相対移動を規制しながら運動エネルギーの吸収を行
なうオイルダンパー55が装架されている。
【0108】上述の本実施形態のクレーン用免震装置で
は、クレーン本体1の荷重は、走行装置2側の第1旋回
ベアリング環51と、中間の傾斜ビーム60およびクレーン
本体1側の第2旋回ベアリング環52とを介し、さらにク
レーン本体結合部としてのヒンジピン式連結部材16およ
び油圧シリンダ54を介して支えられる。
【0109】そして、地震発生時にシアピン53が切断さ
れて、レール3と共に走行装置2が図19に矢印mで示
すごとく横方向に動くと、第1旋回ベアリング環51と第
2旋回ベアリング環52とが互いに偏倚した回転中心線を
有しているため、クレーン本体1は慣性力により留まろ
うとして走行装置2に対し相対的に横ずれを起こし、こ
れに伴い傾斜ビーム60は図19に矢印nで示すごとく回
転中心線C2を中心として旋回動作を起こして、同ビー
ム60上の第2旋回ベアリング環52との協働によりクレー
ン本体1を押し上げるようになる。このようにして、地
震による走行装置2の往復横移動に伴いクレーン本体1
は主として上下動を生じるため重力による復元力が作用
するようになり、これによりクレーン本体1が長周期化
される。
【0110】また、第2旋回ベアリング環52の上部リン
グとクレーン本体1とがヒンジピン式連結部材16および
油圧シリンダ16aにより傾斜調整可能に結合されている
ので、傾斜ビーム60の面角度に応じて油圧シリンダ54の
伸縮調整を行なうことによりクレーン本体1を水平に保
つことができ、第2旋回ベアリング環52に対するクレー
ン本体1の相対関係を適切に固めておくことができる。
【0111】さらに、傾斜ビーム60と走行装置2との間
にシアピン(あるいはブレーキ)53としての拘束機構が
設けられて、地震発生時にのみ同拘束機構の解放が行な
われるようになっているので、常時は傾斜ビーム60が固
定されるため、従来のクレーン装置と同様の安定した動
作が行なわれる。そして、地震力により上記拘束機構が
解放され傾斜ビーム60の往復回動が行なわれるようにな
ると、同傾斜ビーム60の回転を抑制しながら運動エネル
ギーの吸収を行なうオイルダンパー55が設けられている
ため、クレーン本体1と走行装置2との相対移動を適切
に緩和しながら、地震エネルギーの吸収が行なわれるよ
うになる。
【0112】なお、図22に示す第5実施形態の変形例
では、第2旋回ベアリング環52が、傾斜ビーム60に対
し、底面の傾斜したベース部材52bを介して装着される
ことにより水平に保たれるようになっているが、他の構
造は図20に示す装置と同様に構成されていて、同装置
とほぼ同様の作用効果が得られるようになっている。
【0113】次に本発明の第6実施形態としてのクレー
ン用免震装置について説明すると、図23はその要部を
示す斜視図であって、本実施形態の免震装置をそなえた
クレーンも、図17および図18に示すような門形クレ
ーンとして構成されており、門形のクレーン本体1と、
その四隅部の走行装置2との間に、図示のごとく免震装
置10が設けられている。
【0114】すなわち、走行装置2は、図23に示すよ
うに、レール3上を走行する各2個の車輪5を備えた4
個のトラック4と、隣接する2組のトラック4,4を軸
7で連結した2組の下部イコライザービーム6と、2組
の下部イコライザービーム6,6を軸9で連結した上部
イコライザービーム8とをそなえて構成されており、上
部イコライザービーム8とクレーン本体1との間に本発
明の第6実施形態としての免震装置10が装着されてい
る。
【0115】本実施形態では、上部イコライザービーム
8の中央に横軸50で枢着された台部材61の上に、第1旋
回ベアリング環51が水平状態で設けられている。第1旋
回ベアリング環51は図4に示す旋回ベアリング環12と同
様の構造を有するもので、第1旋回ベアリング環51の下
部リングは台部材61の上面に固着され、同旋回ベアリン
グ環51の上部ベアリングは水平ビーム62に固着されてい
る。
【0116】そして第1旋回ベアリング環51の相対旋回
しうる上部リングおよび下部リングの回転中心線C2は
鉛直になっており、この回転中心線C2から水平方向に
偏倚した位置に回転中心線C1を有する第2旋回ベアリ
ング環52が、第1旋回ベアリング環51と同様の構造を有
して水平ビーム62の上面に設けられている。すなわち第
2旋回ベアリング環52の下部リングは水平ビーム62の上
面に固着され、同ベアリング環52の上部リングには取付
け板52aが固着されている。
【0117】そして、第2旋回ベアリング環52の上部リ
ングを取付け板52aを介しクレーン本体1の下部に結合
するボルトナットなどの適宜のクレーン本体結合部が設
けられる。
【0118】水平ビーム62と台部材61との間には拘束機
構としてのシアピン(またはブレーキ)53が設けられ、
同シアピン53により常時はクレーン本体1と走行装置2
とが定常の相対位置関係に保持されるが、地震発生時に
は地震力によるシアピン53の切断で解放されて、クレー
ン本体1と走行装置2との相対移動が許容されることに
より、後述のごとく免震装置10の機能が発揮されるよう
になっている。
【0119】また、水平ビーム62と台部材61との間に
は、免震装置10の作用時にクレーン本体1と走行装置2
との相対移動を規制しながら運動エネルギーの吸収を行
なう粘性ダンパー55が装架されている。
【0120】このようにして、クレーン本体1と走行装
置2との間には、地震発生時に走行装置2が横方向に振
動する際に、クレーン本体1に働く慣性力により元位置
に留まろうとするクレーン本体1の走行装置2に対する
相対的な変位を許容しながら、両者を連結する可動連結
機構が、第1旋回ベアリング環51,水平ビーム62および
第2旋回ベアリング環52ならびにクレーン本体結合部と
してのボルトナットなどにより構成されているが、この
第6実施形態では特にクレーン本体1と走行装置2との
間に両者を定常の位置関係に弾性的に保持するバネ機構
(コイルバネ)63がクレーン本体1と台部材61との間に
装架されている。
【0121】上述の第6実施形態では、クレーン本体1
と走行装置2とを連結する可動連結機構において、前述
の第5実施形態における傾斜ビーム60の代わりに水平ビ
ーム62が設けられるので、同水平ビーム62とその上下の
第1旋回ベアリング環51および第2旋回ベアリング環52
との協働作用で地震発生時に走行装置2とクレーン本体
1との間に生じる相対的な動きは、水平面内でのみ行な
われる。そして、走行装置2とクレーン本体1との定常
の位置関係は、バネ機構63によって保持され、地震発生
時にバネ機構63を介して行なわれる走行装置2とクレー
ン本体1との相対的な動きは、粘性ダンパー55によって
緩和され、このようにして地震エネルギーの吸収を行な
いながらクレーン本体1のための免震機能が適切に発揮
されるようになる。
【0122】また、この実施形態の場合も、クレーン本
体1の荷重の支持は、走行装置2側の第1旋回ベアリン
グ環51と、中間の水平ビーム62およびクレーン本体1側
の第2旋回ベアリング環52とを介し、さらにクレーン本
体結合部を介して支障なく支えられる。
【0123】さらに、水平ビーム62と走行装置2との間
にシアピン(あるいはブレーキ)53のごとき拘束機構が
設けられて、地震発生時にのみ同拘束機構の解放が行な
われるようになっているので、常時は水平ビーム62が固
定されるため、従来のクレーン装置と同様の安定した動
作が行なわれる。
【0124】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のクレーン
用免震装置によれば次のような効果が得られる。 (1) 常時は拘束機構によりクレーン本体と走行装置との
定常位置関係が保たれるが、地震発生時に上記走行装置
が横方向へ変位し上記クレーン本体が慣性で留まろうと
して、上記拘束機構が地震力により解放されると、上記
のクレーン本体と走行装置との相対移動が生じて、その
相対移動に伴うエネルギーがエネルギー吸収手段で吸収
されるようになる。クレーン本体と走行装置との相対的
な動き(振動)は、両者間に装架されたダンパーで適切
に緩和され、このようにして免震機能が安全に且つ的確
に発揮されるようになる。(請求項1) (2) クレーン本体の荷重は、同クレーン本体に取り付け
られたサドルからクレーン荷重支持用ブロック,旋回軸
受および旋回ベアリング環を経て走行装置に伝達され
る。そして、クレーンの運転中に地震振動によりクレー
ン本体に作用するアクシャル荷重、転倒モーメント荷重
およびラジアル荷重は、上記の走行装置上における旋回
ベアリング環および旋回軸受で支持されるようになる。
また、上記走行装置の走行方向と直角なラジアル方向に
加わる加振力は、同走行装置上の旋回ベアリング環の下
部リングにおいて、その中心から偏心した位置に立設さ
れている旋回軸受を上記水平レバーと共に上記旋回ベア
リング環の鉛直中心線を中心として回動させるように作
用し、この回動力が上記水平レバーと上記走行装置との
間に設けられた水平レバー旋回復元機構で自動的に抑制
されることにより、上記加振力に対する緩衝作用が行な
われるようになる。(請求項2) (3) 旋回ベアリング環に装着された水平レバーの先端部
のローラ(または車輪)を案内するガイドレールが、中
立位置としてのレール中間部に向かい両端から下り傾斜
に設けられていると、地震振動により旋回した上記水平
レバーを中立位置へ自動的に復元する作用が、クレーン
本体の重力により上記ガイドレールに押し付けられてい
るローラのレール中間位置への自動復帰に伴い的確に行
なわれるようになる。また上記水平レバーが地震振動に
より旋回移動する際には、上記ローラが上記ガイドレー
ルの傾斜面を登ることになるので、同水平レバーの旋回
移動が抑制されるようになる。(請求項3) (4) 上記水平レバーの下面と上記走行装置の上面との間
に装着された積層ゴムにより水平レバー旋回復元機構が
構成されている場合は、地震振動により上記水平レバー
が旋回する際に、上記積層ゴム自体のばね効果および減
衰効果により上記水平レバーの旋回移動が適切に抑制さ
れるとともに、同水平レバーの旋回量ゼロ位置(中立位
置)への自動復元作用が的確に行なわれるようになる。
(請求項4) (5) 水平レバー旋回復元機構が上記水平レバーの下面と
上記走行装置の上面との間に装着したコイルばねで構成
されている場合も、上記水平レバーを上記走行装置の上
面に沿い同レバーの旋回方向へ案内するローラのごとき
減摩案内部材の作用と相まって、地震振動の際に上記水
平レバーの旋回移動が上記コイルばねで弾性的に適切に
抑制されるとともに、同コイルばねの自動復元機能によ
り、地震振動で旋回した上記水平レバーの中立位置への
自動復元作用が的確に行なわれるようになる。(請求項
5) (6) 上記水平レバーの旋回移動を制動するブレーキ手段
が設けられると、地震振動を受ける際に能動的な制振作
用が行なわれるようになる(請求項6)。 (7) ダンパー(加振器)の採用によっても上記水平レバ
ーの旋回移動に対する抑制作用が行なわれ、これにより
地震振動に際し、クレーン本体についてアクティブな制
振作用を行なうことが可能になる。(請求項7) (8) クレーン本体の下面と走行装置の中央部との間に装
着された積層ゴムと、同積層ゴムの前後の対称位置でク
レーン本体の下面と上記走行装置の上面との間に装着さ
れた横方向スライド機構とが設けられると、地震によっ
てクレーン本体に横方向の加振力が負荷されたとき、同
クレーン本体は上記横方向スライド機構により曲げモー
メント荷重を支持しながら横方向へ摺動するようにな
り、このときクレーン本体とその走行装置との相互間の
スライド力は上記積層ゴムの撓み変形で吸収され、つい
で同積層ゴムの復元力により上記走行装置に対する上記
クレーン本体の通常位置への復帰が自動的に行なわれる
ようになる。(請求項8) (9) 上記のクレーン本体と走行装置との間に、横方向の
スライド量を抑制するオイルダンパーが装備されている
と、地震発生時に、同オイルダンパーによる横方向スラ
イド量の抑制作用に伴いクレーン本体の横方向の動きが
適切に抑制されるようになる。(請求項9) (10) 地震振動の発生に際して、上記走行装置に対する
クレーン本体の振動が振動検出センサーで検出されて振
動制御部に取り込まれ、同制御部からの制御信号により
クレーン本体を上記走行装置の振動から絶縁するように
駆動手段の制御が行なわれると、地震によるクレーン本
体の横方向振動がアクティブに減衰されるようになる。
(請求項10) (11) クレーン本体の下部とその走行装置の上部中央と
が自在継手機構で連結されるとともに、同自在継手機構
の両側方で上記のクレーン本体と走行装置とを接続する
振動減衰機構が介装されていると、地震振動により走行
方向と直角にクレーン本体に加わる横方向の加振力は、
上記自在継手機構の両側方の各振動減衰機構で減衰され
ながら、上記自在継手機構における前後方向の水平軸を
中心とした上記クレーン本体の回動動作で大きい振動周
期の振動として吸収されるようになる。(請求項11) (12) 上記自在継手機構の前後の対称位置に、それぞれ
上記のクレーン本体と走行装置とを接続する振動減衰機
構が介装されていると、地震振動によりクレーン本体に
加わる前後方向の加振力も、適切に減衰されるようにな
る。(請求項12) (13) 上記自在継手機構が、上記クレーン本体の下部か
ら下方へ突設されたサドルと、同サドルに走行方向の支
軸で上部を枢着された自在継手ブロックと、同自在継手
ブロックの下部を水平横軸で上記走行装置上の軸受に枢
着する下部枢着部とで構成されていると、同自在継手機
構の構造がコンパクトで高い強度を有するようになり、
その配置も適切に行なわれるようになる。(請求項1
3) (14) 上記クレーン本体の下面と上記走行装置の中央部
との間に装着された積層ゴムと、同積層ゴムの両側方の
位置でそれぞれ上記クレーン本体の下面と上記走行装置
の上面との間に介装された転倒防止用拘束部材とが装備
された場合は、地震によりクレーン本体と走行装置との
間に発生する横方向の相対変位は、積層ゴムの変形によ
るバネ効果と減衰効果とにより吸収される。そして、同
時に横方向のラジアル荷重に伴って加わる転倒モーメン
ト荷重は、両側部の転倒防止用拘束部材の抵抗力により
支持され、上記積層ゴムの復元力で、撓みゼロ位置への
復元作用が的確に行なわれる。(請求項14) (15) 上記の積層ゴムとその両側方の転倒防止用拘束部
材とをそなえるとともに、上記のクレーン本体と走行装
置との間にトリガー機構が設けられた場合は、地震によ
って所定値を超える加振力がクレーンに加えられると、
上記トリガー機構が解放されて、上記の積層ゴムと、そ
の両側方の転倒防止用拘束部材とによる免震機能が発揮
される。そして、地震の生じていない通常の状態では、
上記トリガー機構でクレーン本体と走行装置とが一体に
結合されるので、クレーン全体としての剛性が保たれる
ようになる。(請求項15) (16) クレーン本体の荷重は、走行装置側の第1旋回ベ
アリング環と、中間の傾斜ビームおよびクレーン本体側
の第2旋回ベアリング環とを介し、さらにクレーン本体
結合部を介して支えられる。そして、地震発生時にレー
ルと共に走行装置が横方向に動くと、上記の第1旋回ベ
アリング環と第2旋回ベアリング環とが互いに偏倚した
回転中心線を有しているため、クレーン本体は慣性力に
より留まろうとして上記走行装置に対し相対的に横ずれ
を起こし、これに伴い上記傾斜ビームは旋回動作を起こ
して、同ビーム上の第2旋回ベアリング環との協働によ
り上記クレーン本体を押し上げるようになる。このよう
にして、地震による走行装置の往復横移動に伴いクレー
ン本体は主として上下動を生じる。これによりクレーン
本体が長周期化され、免震機能が発揮される。(請求項
16) (17) 第2旋回ベアリング環の上部リングとクレーン本
体とがヒンジピン式連結部材および油圧シリンダにより
傾斜調整可能に結合されていると、前述の傾斜ビームの
面角度に応じて上記油圧シリンダの伸縮調整を行なうこ
とによりクレーン本体を水平に保つことができ、第2旋
回ベアリング環に対するクレーン本体の相対関係を適切
に固めておくことができる。(請求項17) (18) 傾斜ビームと走行装置との間にシアピンあるいは
ブレーキのごとき拘束機構が設けられて、地震発生時に
のみ同拘束機構の解放が行なわれるようになっている
と、常時は上記傾斜ビームが固定されるため、従来のク
レーン装置と同様の安定した動作が行なわれる。そし
て、地震力により上記拘束機構が解放され上記傾斜ビー
ムの往復回動が行なわれるようになると、同傾斜ビーム
の回転を抑制するオイルダンパーが設けられているた
め、クレーン本体と走行装置との相対移動を適切に緩和
しながら、地震エネルギーの吸収が行なわれるようにな
る。(請求項18) (19) クレーン本体と走行装置とを連結する可動連結機
構において、前述の傾斜ビームの代わりに水平ビームが
設けられるので、同水平ビームとその上下の第1旋回ベ
アリング環および第2旋回ベアリング環との協働作用で
地震発生時に走行装置とクレーン本体との間に生じる相
対的な動きは、水平面内でのみ行なわれる。そして、走
行装置とクレーン本体との定常の位置関係は、バネ機構
によって保持され、地震発生時に上記バネ機構を介して
行なわれる走行装置とクレーン本体との相対的な動き
は、オイルダンパーによって緩和され、このようにして
地震エネルギーの吸収を行ないながらクレーン本体のた
めの免震機能が適切に発揮されるようになる。また、こ
の場合も、クレーン本体の荷重の支持は、走行装置側の
第1旋回ベアリング環と、中間の水平ビームおよびクレ
ーン本体側の第2旋回ベアリング環とを介し、さらにク
レーン本体結合部を介して支障なく支えられる。(請求
項19) (20) 水平ビームと走行装置との間にシアピンあるいは
ブレーキのごとき拘束機構が設けられて、地震発生時に
のみ同拘束機構の解放が行なわれるようになっている
と、常時は上記水平ビームが固定されるため、従来のク
レーン装置と同様の安定した動作が行なわれる。(請求
項20)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのクレーン用免震
装置の側面図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図1のIII−III矢視図である。
【図4】図3のIV−IV矢視拡大断面図である
【図5】図1のV−V矢視拡大図である。
【図6】図5のVI−VI矢視図である。
【図7】図1の装置の要部における変形例を示す説明図
である。
【図8】本発明の第2実施形態としてのクレーン用免震
装置を示す側面図である。
【図9】図8のIX−IX矢視図である。
【図10】図1および図8の各クレーン用免震装置に設
けられる制御系のブロック図である。
【図11】本発明の第3実施形態としてのクレーン用免
震装置の側面図である。
【図12】図11のXII−XII矢視断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII矢視断面図である。
【図14】本発明の第4実施形態としてのクレーン用免
震装置の側面図である。
【図15】図14のXV−XV矢視断面図である。
【図16】図14のXVI−XVI矢視断面図である。
【図17】走行式門形クレーンの正面図である。
【図18】図17の走行式門形クレーンの側面図であ
る。
【図19】本発明の第5実施形態としてのクレーン用免
震装置の斜視図である。
【図20】図19のクレーン用免震装置の側面図であ
る。
【図21】図20のA−A矢視図である。
【図22】図20のクレーン用免震装置に対応させて、
その変形例を示す側面図である。
【図23】本発明の第6実施形態としてのクレーン用免
震装置の斜視図である。
【図24】従来の天井走行式クレーンの側面図である。
【図25】図24のクレーンの要部を拡大して示す正面
図である。
【符号の説明】
1 クレーン本体 2 走行装置 3 走行レール 4 トラック 5 車輪 6 下部イコライザービーム 7 軸 8 上部イコライザービーム 9 軸 10 免震装置 11 サドル 12 旋回ベアリング環 13 旋回軸受 14 水平軸 15 ブラケット 16 水平軸部 17 下部鉛直軸 18 クレーン荷重支持ブロック 19 水平レバー 20 水平レバー旋回復元機構 21 補助の油圧ダンパー 21a 油圧ダンパー21の駆動ユニット 22 制動板 23 ブレーキ 24 ローラまたは車輪 25 ガイドレール 26 積層ゴム 31 内側下部リング 32 外側上部リング 33 アクシャル荷重用ベアリング 34 モーメント荷重用ベアリング 35 ラジアル荷重用ベアリング 36 積層ゴム 37 横方向スライド機構 38 油圧ダンパー(加振器) 38a ダンパー駆動ユニット 39 T型軌条 40 サドル 41 ローラ 42 振動検出センサー 43 振動制御部 50 横軸 51 第1旋回ベアリング環 51a ベース部材 52 第2旋回ベアリング環 52a 取付け板 52b ベース部材 53 シアピン(拘束機構) 54 油圧シリンダ 55 オイルダンパー 60 傾斜ビーム 61 台部材 62 水平ビーム 63 コイルバネ(バネ機構) 111 自在継手機構 112 振動減衰機構 113 圧縮バネ 114 油圧ダンパー 115 サドル 116 軸受 117 支軸 118 水平横軸 119 自在継手ブロック 211 積層ゴム 212 圧縮バネ(転倒防止用拘束部材) 213 トリガー機構 A アクシャル荷重 R 直角方向ラジアル荷重 M モーメント荷重 S 旋回ねじり荷重 L 走行装置スパン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原田 秀秋 広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱 重工業株式会社広島研究所内 Fターム(参考) 3F203 AA06 BA03 DA01 EA01 EC30 3F204 AA02 BA04 CA05 DA02 DA08 FA09 FB06 FC08 FC10 FD03 FE02

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレーン本体と同クレーン本体をレール
    に沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との
    間に設けられる免震装置であって、地震発生時に上記の
    クレーン本体と走行装置とを相互に連結したまま両者の
    相対移動を許容する連結機構と、常時は上記のクレーン
    本体と走行装置とを相互に定常の相対位置関係に保持し
    地震力により解放されて両者の相対移動を許容する拘束
    機構と、地震発生時における上記のクレーン本体と走行
    装置との相対移動の増加を抑制するエネルギー吸収手段
    と、上記のクレーン本体と走行装置とを定常の位置関係
    に復元する復元機構とが設けられたことを特徴とする、
    クレーン用免震装置。
  2. 【請求項2】 クレーン本体と同クレーン本体をレール
    に沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との
    間に設けられるクレーン用免震装置であって、上記走行
    装置側に水平に取り付けられた下部リングと同下部リン
    グに対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングと
    からなる旋回ベアリング環をそなえ、同旋回ベアリング
    環の上部リング上の偏心位置に設けられた鉛直軸支持用
    旋回軸受と、同旋回軸受に支承された鉛直軸を下部に有
    するクレーン荷重支持用ブロックと、同ブロックを水平
    横軸で枢支するように上記クレーン本体の下部に取り付
    けられたサドルと、上記旋回ベアリング環の上部リング
    に水平横軸を介し基端を枢支された水平レバーと、同水
    平レバーの先端部を上記旋回ベアリング環の鉛直中心線
    を中心として旋回可能に支持しながら同水平レバーの中
    立位置への自動復元を行なう水平レバー旋回復元機構と
    が設けられたことを特徴とする、クレーン用免震装置。
  3. 【請求項3】 上記水平レバー旋回復元機構が、上記水
    平レバーの先端部に旋回方向に沿って自由回転するよう
    に設けられたローラと、同ローラを案内するように上記
    走行装置上で中立位置としてのレール中間部に向かい下
    り傾斜に設けられたガイドレールとで構成されたことを
    特徴とする、請求項2に記載のクレーン用免震装置。
  4. 【請求項4】 上記水平レバー旋回復元機構が、上記水
    平レバーの下面と上記走行装置の上面との間に装着した
    積層ゴムで構成されたことを特徴とする、請求項2に記
    載のクレーン用免震装置。
  5. 【請求項5】 上記水平レバー旋回復元機構が、上記水
    平レバーの下面と上記走行装置の上面との間に装着した
    コイルばねと、上記水平レバーの先端部を上記走行装置
    の上面に沿い同レバーの旋回方向へ案内するように同レ
    バーと上記走行装置との間に介装された減摩案内部材と
    で構成されたことを特徴とする、請求項2に記載のクレ
    ーン用免震装置。
  6. 【請求項6】 上記走行装置上に、上記水平レバーの旋
    回移動を制動するブレーキ手段が設けられたことを特徴
    とする、請求項2〜5の何れか1つに記載のクレーン用
    免震装置。
  7. 【請求項7】 上記走行装置と上記水平レバーとの間
    に、同水平レバーの旋回移動量を抑制するダンパーが装
    備されたことを特徴とする、請求項2〜6の何れか1つ
    に記載のクレーン用免震装置。
  8. 【請求項8】 クレーン本体と同クレーン本体をレール
    に沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との
    間に設けられるクレーン用免震装置であって、上記クレ
    ーン本体の下面と上記走行装置の中央部との間に装着さ
    れた積層ゴムと、同積層ゴムの前後の対称位置で上記ク
    レーン本体の下面と上記走行装置の上面との間に装着さ
    れた横方向スライド機構とが装備されたことを特徴とす
    る、クレーン用免震装置。
  9. 【請求項9】 上記のクレーン本体と走行装置との間
    に、横方向のスライド量を抑制するダンパーが装備され
    たことを特徴とする、請求項8に記載のクレーン用免震
    装置。
  10. 【請求項10】 上記のクレーン本体および走行装置の
    地震発生時の振動を検出する振動検出センサーと、同セ
    ンサーからの検出信号に基づき上記クレーン本体の振動
    を抑制するための制御信号を発信する振動制御部と、同
    振動制御部からの制御信号に応じて上記クレーン本体の
    振動を抑制するように同クレーン本体と上記走行装置と
    の間で作動する駆動手段とが設けられたことを特徴とす
    る、請求項2〜9の何れか1つに記載のクレーン用免震
    装置。
  11. 【請求項11】 クレーン本体と同クレーン本体をレー
    ルに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置と
    の間に設けられるクレーン用免震装置であって、上記ク
    レーン本体の下部と上記走行装置の上部中央とが自在継
    手機構で連結され、同自在継手機構の両側方の位置で、
    それぞれ上記のクレーン本体と走行装置とを接続する振
    動減衰機構が介装されたことを特徴とする、クレーン用
    免震装置。
  12. 【請求項12】 上記自在継手機構の前後の対称位置
    に、それぞれ上記のクレーン本体と走行装置とを接続す
    る振動減衰機構が介装されたことを特徴とする、請求項
    11に記載のクレーン用免震装置。
  13. 【請求項13】 上記自在継手機構が、上記クレーン本
    体の下部から下方へ突設されたサドルと、同サドルに走
    行方向の支軸で上部を枢着された自在継手ブロックと、
    同自在継手ブロックの下部を水平横軸で上記走行装置上
    の軸受に枢着する下部枢着部とで構成されたことを特徴
    とする、請求項11または12に記載のクレーン用免震
    装置。
  14. 【請求項14】 クレーン本体と同クレーン本体をレー
    ルに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置と
    の間に設けられるクレーン用免震装置であって、上記ク
    レーン本体の下面と上記走行装置の中央部との間に装着
    された積層ゴムと、同積層ゴムの両側方の位置でそれぞ
    れ上記クレーン本体の下面と上記走行装置の上面との間
    に介装された転倒防止用拘束部材とが装備されたことを
    特徴とする、クレーン用免震装置。
  15. 【請求項15】 上記のクレーン本体と走行装置との間
    に、両者の水平方向における相対変位を拘束するトリガ
    ー機構が装備され、同トリガー機構が地震による所定値
    以上の加振力を受けたとき上記相対変位の拘束を解放す
    るように構成されたことを特徴とする、請求項14に記
    載のクレーン用免震装置。
  16. 【請求項16】 クレーン本体と同クレーン本体をレー
    ルに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置と
    の間に設けられるクレーン用免震装置であって、地震発
    生時に上記走行装置が地震力により横方向へ変位する際
    に上記クレーン本体の相対的な動きを案内して重力によ
    る復元機能を付加する傾斜案内手段をそなえ、同傾斜案
    内手段が、上記走行装置側に傾斜状態で装着された下部
    リングと同下部リングに対し同心的に相対旋回可能に係
    合した上部リングとからなる第1旋回ベアリング環と、
    同第1旋回ベアリング環の上部リングと一体に設けられ
    た傾斜ビームと、同傾斜ビームの上面で上記第1旋回ベ
    アリング環の回転中心線から水平方向に偏倚した位置に
    回転中心線をもつように装着された下部リングと同下部
    リングに対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リン
    グとからなる第2旋回ベアリング環と、同第2旋回ベア
    リング環の上部リングを上記クレーン本体の下部に結合
    するクレーン本体結合部とをそなえて構成されたことを
    特徴とする、クレーン用免震装置。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載のクレーン用免震装
    置において、上記クレーン本体結合部が、上記第2旋回
    ベアリング環の上部リングと上記クレーン本体との間に
    それぞれ装架されたヒンジピン式連結部材および油圧シ
    リンダにより構成されていることを特徴とする、クレー
    ン用免震装置。
  18. 【請求項18】 請求項16また17に記載のクレーン
    用免震装置において、上記傾斜ビームの回転を常時は拘
    束し地震発生時に地震力で解放されて上記傾斜ビームの
    回転を許容する拘束機構が、上記の傾斜ビームと走行装
    置との間に架設されるとともに、上記傾斜ビームの回転
    を抑制するダンパーが同傾斜ビームと上記走行装置との
    間に架設されたことを特徴とする、クレーン用免震装
    置。
  19. 【請求項19】 クレーン本体と同クレーン本体をレー
    ルに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置と
    の間に設けられるクレーン用免震装置であって、上記の
    クレーン本体と走行装置との間に両者を定常の位置関係
    に弾性的に保持するバネ機構が設けられるとともに、地
    震発生に伴い上記走行装置が横方向に振動する際に、上
    記クレーン本体に働く慣性力により元位置に留まろうと
    する同クレーン本体の上記走行装置に対する相対的な変
    位を許容しながら両者を連結する可動連結機構と、上記
    バネ機構を介して行なわれる上記のクレーン本体と走行
    装置との相対変位を抑制するダンパーとが、上記のクレ
    ーン本体と走行装置との間に介設され、上記可動連結機
    構が、上記走行装置側に水平に装着された下部リングと
    同下部リングに対し同心的に相対旋回可能に係合した上
    部リングとからなる第1旋回ベアリング環と、同第1旋
    回ベアリング環の上部リングと一体に設けられた水平ビ
    ームと、同水平ビームの上面で上記第1旋回ベアリング
    環の回転中心線から水平方向に偏倚した位置に回転中心
    線をもつように装着された下部リングと同下部リングに
    対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとから
    なる第2旋回ベアリング環と、同第2旋回ベアリング環
    の上部リングを上記クレーン本体の下部に結合するクレ
    ーン本体結合部とをそなえて構成されたことを特徴とす
    る、クレーン用免震装置。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載のクレーン用免震装
    置において、上記水平ビームの上記走行装置に対する相
    対変位を常時は拘束し地震発生時に地震力で解放されて
    上記相対変位を許容する拘束機構が、上記の水平ビーム
    と走行装置との間に架設されたことを特徴とする、クレ
    ーン用免震装置。
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