JP3329025B2 - 鉄道車両の車体傾斜装置 - Google Patents
鉄道車両の車体傾斜装置Info
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- JP3329025B2 JP3329025B2 JP25248993A JP25248993A JP3329025B2 JP 3329025 B2 JP3329025 B2 JP 3329025B2 JP 25248993 A JP25248993 A JP 25248993A JP 25248993 A JP25248993 A JP 25248993A JP 3329025 B2 JP3329025 B2 JP 3329025B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、曲線路通過時に車体
を一定条件のもとで強制傾斜させる鉄道車両の車体傾斜
装置に関する。
を一定条件のもとで強制傾斜させる鉄道車両の車体傾斜
装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】鉄道車両において、空気ばねの上下方向
の伸縮により車体傾斜する台車構造には、次の２種類が
ある。図４に示すボルスタ付ロングストローク空気ばね
方式のものは、台車枠２と揺れ枕１３の間の左右側に空
気ばね３が設けられており、この空気ばね３により上下
の振動緩和、車体傾斜および左右の振動緩和が行われ
る。そして、左右方向の大変位を防止するために、台車
枠２と揺れ枕１３の間に左右のすきまが、それぞれ１０
〜２０ｍｍのゴム付のストッパ１６が設けられる。な
お、１７は車体１と揺れ枕１３との間に設けた心皿であ
る。
の伸縮により車体傾斜する台車構造には、次の２種類が
ある。図４に示すボルスタ付ロングストローク空気ばね
方式のものは、台車枠２と揺れ枕１３の間の左右側に空
気ばね３が設けられており、この空気ばね３により上下
の振動緩和、車体傾斜および左右の振動緩和が行われ
る。そして、左右方向の大変位を防止するために、台車
枠２と揺れ枕１３の間に左右のすきまが、それぞれ１０
〜２０ｍｍのゴム付のストッパ１６が設けられる。な
お、１７は車体１と揺れ枕１３との間に設けた心皿であ
る。
【０００３】図５に示すボルスタレス・ロングストロー
ク空気ばね方式のものは、台車枠２と車体１の間の左右
側に空気ばね３が設けられており、この空気ばね３によ
り台車のボギー、上下の振動緩和、車体傾斜および左右
の振動緩和が行われる。そして、左右方向の大変位を防
止するために、台車枠２と車体１の間に左右のすきま
が、それぞれ１０〜２０ｍｍのゴム付のストッパ１６が
設けられる。
ク空気ばね方式のものは、台車枠２と車体１の間の左右
側に空気ばね３が設けられており、この空気ばね３によ
り台車のボギー、上下の振動緩和、車体傾斜および左右
の振動緩和が行われる。そして、左右方向の大変位を防
止するために、台車枠２と車体１の間に左右のすきま
が、それぞれ１０〜２０ｍｍのゴム付のストッパ１６が
設けられる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記図５に示すボルス
タレス・ロングストローク空気ばね方式の車両が曲線路
上にあって図６に示すように車体が傾斜した場合、車体
１に作用する遠心力Ｆの軌道面左右方向の分力Ｆ1＝Ｆ
ｃｏｓθと重力Ｗの軌道面左右方向の分力Ｆ2＝Ｗｓｉ
ｎθが空気ばね３に作用する。
タレス・ロングストローク空気ばね方式の車両が曲線路
上にあって図６に示すように車体が傾斜した場合、車体
１に作用する遠心力Ｆの軌道面左右方向の分力Ｆ1＝Ｆ
ｃｏｓθと重力Ｗの軌道面左右方向の分力Ｆ2＝Ｗｓｉ
ｎθが空気ばね３に作用する。
【０００５】その結果、Ｆ1＞Ｆ2の場合車体１が外軌側
へ横変位するが、乗り心地を良くするため設定した柔ら
かい空気ばね３の横剛性（ＫＬ＝５〜４０ｋｇｆ／ｍｍ
／１個）では、許容変位内（２０〜４０ｍｍ）で、その
作用力に対する反力を負担できない。そのため、左右動
ストッパ１６が接触し、ストッパで左右方向に加わる力
の大半を負担することになる。その結果、実質的な左右
方向ばね定数が５００〜２０００ｋｇｆ／ｍｍ／台車と
大きくなり、左右方向振動が大きく車体に伝わり、乗り
心地を悪化させる。
へ横変位するが、乗り心地を良くするため設定した柔ら
かい空気ばね３の横剛性（ＫＬ＝５〜４０ｋｇｆ／ｍｍ
／１個）では、許容変位内（２０〜４０ｍｍ）で、その
作用力に対する反力を負担できない。そのため、左右動
ストッパ１６が接触し、ストッパで左右方向に加わる力
の大半を負担することになる。その結果、実質的な左右
方向ばね定数が５００〜２０００ｋｇｆ／ｍｍ／台車と
大きくなり、左右方向振動が大きく車体に伝わり、乗り
心地を悪化させる。
【０００６】この発明は、従来の空気ばねの上下方向伸
縮により車体傾斜する台車に見られる欠点を除くため、
改良された鉄道車両の車体傾斜装置を提供するものであ
る。
縮により車体傾斜する台車に見られる欠点を除くため、
改良された鉄道車両の車体傾斜装置を提供するものであ
る。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の鉄道車両の車体傾斜装置は、前後台車の
各空気ばねの上下方向の伸縮により車体制御を行う鉄道
車両において、空気ばねと車体の間に左右方向振動に対
し緩衝能力を有する積層ゴムを設け、かつ空気ばねと台
車枠の間に車体の左右方向移動を許容する積層ゴムを設
け、曲線路通過時に空気ばねの上面が車体に働く重力と
遠心力の合力と直交する方向に傾斜制御するように構成
する。
め、この発明の鉄道車両の車体傾斜装置は、前後台車の
各空気ばねの上下方向の伸縮により車体制御を行う鉄道
車両において、空気ばねと車体の間に左右方向振動に対
し緩衝能力を有する積層ゴムを設け、かつ空気ばねと台
車枠の間に車体の左右方向移動を許容する積層ゴムを設
け、曲線路通過時に空気ばねの上面が車体に働く重力と
遠心力の合力と直交する方向に傾斜制御するように構成
する。
【０００８】車両が直線路上にあるときは、図１に示す
ように、空気ばね３と車体１の間に設けた上側積層ゴム
４および空気ばね３と台車枠２の間に設けた下側積層ゴ
ム５は、いずれも水平面上に直立している。そして、車
両が曲線路上にあるときは、図２に示すように、車体は
内軌側に傾く。このとき、空気ばね３の上面は、強制車
体制御により、重力Ｗと遠心力Ｆの合力Ｐの作用線と直
交する方向に傾斜制御される。したがって、空気ばね３
の上面より上の上側積層ゴム４と車体１には、この面に
平行な床面左右方向加速度は働かない。したがって、軌
道不整等により生じる台車の左右方向振動は、上側積層
ゴム４の左右方向の緩衝能力により防振され、左右方向
の乗り心地は著しく改善される。そして、空気ばね３と
台車枠２の間に設けた下側積層ゴム５に車体１の左右方
向移動を許容させることにより、曲線路通過時に生じる
遠心力による車体１の外軌側への移動が、この下側積層
ゴム５の変位により可能となり、内軌側への片寄りを防
ぎ車体を左右方向の適正位置に持ってゆくことができ
る。
ように、空気ばね３と車体１の間に設けた上側積層ゴム
４および空気ばね３と台車枠２の間に設けた下側積層ゴ
ム５は、いずれも水平面上に直立している。そして、車
両が曲線路上にあるときは、図２に示すように、車体は
内軌側に傾く。このとき、空気ばね３の上面は、強制車
体制御により、重力Ｗと遠心力Ｆの合力Ｐの作用線と直
交する方向に傾斜制御される。したがって、空気ばね３
の上面より上の上側積層ゴム４と車体１には、この面に
平行な床面左右方向加速度は働かない。したがって、軌
道不整等により生じる台車の左右方向振動は、上側積層
ゴム４の左右方向の緩衝能力により防振され、左右方向
の乗り心地は著しく改善される。そして、空気ばね３と
台車枠２の間に設けた下側積層ゴム５に車体１の左右方
向移動を許容させることにより、曲線路通過時に生じる
遠心力による車体１の外軌側への移動が、この下側積層
ゴム５の変位により可能となり、内軌側への片寄りを防
ぎ車体を左右方向の適正位置に持ってゆくことができ
る。
【０００９】
【実施例】実施例１ この発明をボルスタレス台車に適用した場合の実施例を
図１、図２に基づいて説明する。空気ばね３と車体１の
間に左右方向振動に対し緩衝能力を有する上側積層ゴム
４を、空気ばね３と台車枠２の間に車体の左右方向移動
を許容する下側積層ゴム５をそれぞれ設ける。図中の６
は輪軸、７は軸箱、８は軸ばねである。なお、図面には
空気ばねの上下方向伸縮のための圧空の給排気制御機構
は省略したが、その一例を説明すれば、各空気ばねには
高さ検出器と圧力計が設置され、その検出信号を制御器
に入力するように設ける。また、元空気溜めと各空気ば
ねを接続した配管の途中に給気弁を設け、さらに他に設
けた排気管に排気弁を設け、制御器からの制御信号によ
り給気弁と排気弁の開閉操作を行うように構成される。
図１、図２に基づいて説明する。空気ばね３と車体１の
間に左右方向振動に対し緩衝能力を有する上側積層ゴム
４を、空気ばね３と台車枠２の間に車体の左右方向移動
を許容する下側積層ゴム５をそれぞれ設ける。図中の６
は輪軸、７は軸箱、８は軸ばねである。なお、図面には
空気ばねの上下方向伸縮のための圧空の給排気制御機構
は省略したが、その一例を説明すれば、各空気ばねには
高さ検出器と圧力計が設置され、その検出信号を制御器
に入力するように設ける。また、元空気溜めと各空気ば
ねを接続した配管の途中に給気弁を設け、さらに他に設
けた排気管に排気弁を設け、制御器からの制御信号によ
り給気弁と排気弁の開閉操作を行うように構成される。
【００１０】車両が曲線路上にあるときは、図２に示す
ように、車体１は内軌側に傾く。このとき、空気ばね３
の上面は、強制車体制御により、重力Ｗと遠心力Ｆの合
力Ｐの作用線と直交する方向に傾斜制御され、空気ばね
３の上面より上の上側積層ゴム４と車体１には、この面
に平行な床面左右方向加速度は働かない。
ように、車体１は内軌側に傾く。このとき、空気ばね３
の上面は、強制車体制御により、重力Ｗと遠心力Ｆの合
力Ｐの作用線と直交する方向に傾斜制御され、空気ばね
３の上面より上の上側積層ゴム４と車体１には、この面
に平行な床面左右方向加速度は働かない。
【００１１】そして、遠心力による車体１の外軌側への
移動が、下側積層ゴム５の変位により行われ、内軌側へ
の片寄りを防ぎ車体を左右方向の適正位置に保つことが
できる。
移動が、下側積層ゴム５の変位により行われ、内軌側へ
の片寄りを防ぎ車体を左右方向の適正位置に保つことが
できる。
【００１２】実施例２ この発明を傾斜バリ付き台車に適用した場合の実施例を
図３に基づいて説明する。傾斜バリ１４と支持バリ１５
との間の左右側に一対の空気ばね３を、その内方には左
右拘束リンク１１を設け、支持バリ１５と台車枠２との
間の左右側に下側積層ゴム５を設ける。そして、傾斜バ
リ１４と車体１との間の左右側に上側積層ゴム４を設
け、その内方には左右動ストッパ９および左右動ダンパ
１２が設けられている。この場合の遠心力による車体１
の外軌側への移動は、下側積層ゴム５の変位により行わ
れるが、空気ばね３の左右方向自由度は左右拘束リンク
１１により拘束され、車体の内軌側への片寄りは防止さ
れる。
図３に基づいて説明する。傾斜バリ１４と支持バリ１５
との間の左右側に一対の空気ばね３を、その内方には左
右拘束リンク１１を設け、支持バリ１５と台車枠２との
間の左右側に下側積層ゴム５を設ける。そして、傾斜バ
リ１４と車体１との間の左右側に上側積層ゴム４を設
け、その内方には左右動ストッパ９および左右動ダンパ
１２が設けられている。この場合の遠心力による車体１
の外軌側への移動は、下側積層ゴム５の変位により行わ
れるが、空気ばね３の左右方向自由度は左右拘束リンク
１１により拘束され、車体の内軌側への片寄りは防止さ
れる。
【００１３】
【発明の効果】この発明の車体傾斜装置によれば、車体
傾斜の回転中心が空気ばね取付け面程度の低い位置から
高い位置へ上げることができるため、車体が傾斜しても
内軌側への移動を小さくでき、車両の転覆に対する安全
性を向上できる。
傾斜の回転中心が空気ばね取付け面程度の低い位置から
高い位置へ上げることができるため、車体が傾斜しても
内軌側への移動を小さくでき、車両の転覆に対する安全
性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明をボルスタレス台車に適用した場合の
説明図である。
説明図である。
【図２】図１に示す車両が曲線路上にあるときの状態を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図３】この発明を傾斜バリ付き台車に適用した場合の
説明図である。
説明図である。
【図４】従来の車体傾斜装置を有するボルスタ付き台車
の説明図である。
の説明図である。
【図５】従来の車体傾斜装置を有するボルスタレス台車
の説明図である。
の説明図である。
【図６】図５の車両が曲線路上にあるときの状態を示す
説明図である。
説明図である。
１ 車体 ２ 台車枠 ３ 空気ばね ４ 上側積層ゴム ５ 下側積層ゴム ６ 輪軸 ７ 軸箱 ８ 軸ばね ９ 左右動ストッパ １１ 左右拘束リンク １２ 左右動ダンパ １３ 揺れ枕 １４ 傾斜バリ １５ 支持バリ １６ 左右動ストッパ １７ 心皿
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−140937（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−14762（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−13709（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−163759（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B61F 5/10 B61F 5/08 B61F 5/22
Claims (1)
- 【請求項１】 前後台車の各空気ばねの上下方向の伸縮
により車体制御を行う鉄道車両において、空気ばねと車
体の間に左右方向振動に対し緩衝能力を有する積層ゴム
を設け、かつ空気ばねと台車枠の間に車体の左右方向移
動を許容する積層ゴムを設け、曲線路通過時に空気ばね
の上面が車体に働く重力と遠心力の合力と直交する方向
に傾斜制御するように構成したことを特徴とする鉄道車
両の車体傾斜装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25248993A JP3329025B2 (ja) | 1993-09-13 | 1993-09-13 | 鉄道車両の車体傾斜装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25248993A JP3329025B2 (ja) | 1993-09-13 | 1993-09-13 | 鉄道車両の車体傾斜装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0781559A JPH0781559A (ja) | 1995-03-28 |
| JP3329025B2 true JP3329025B2 (ja) | 2002-09-30 |
Family
ID=17238087
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25248993A Expired - Fee Related JP3329025B2 (ja) | 1993-09-13 | 1993-09-13 | 鉄道車両の車体傾斜装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3329025B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102009014866A1 (de) * | 2009-03-30 | 2010-10-28 | Bombardier Transportation Gmbh | Fahrzeug mit Wankkompensation |
| DE202009015735U1 (de) * | 2009-09-15 | 2010-04-22 | Bombardier Transportation Gmbh | Schienenfahrzeug mit querweicher Anbindung des Wagenkastens am Fahrwerk |
| JP5675405B2 (ja) * | 2011-02-08 | 2015-02-25 | 三菱重工業株式会社 | 軌道系交通車両及びその車体姿勢制御装置 |
| JP2021014247A (ja) * | 2019-07-11 | 2021-02-12 | 和秀 上森 | エアサスによる車体制御のつく改良型操舵装置 |
-
1993
- 1993-09-13 JP JP25248993A patent/JP3329025B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0781559A (ja) | 1995-03-28 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
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