JPH0781563A - 車両用制振装置 - Google Patents

車両用制振装置

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JPH0781563A
JPH0781563A JP23199393A JP23199393A JPH0781563A JP H0781563 A JPH0781563 A JP H0781563A JP 23199393 A JP23199393 A JP 23199393A JP 23199393 A JP23199393 A JP 23199393A JP H0781563 A JPH0781563 A JP H0781563A
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JP
Japan
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vehicle body
electric motor
vehicle
cylinder
vibration
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JP23199393A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Ota
博之 太田
Masatsugu Kimura
将嗣 木村
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は台車と車両本体との間にモータを設
け、モータを駆動制御して車両本体の振動を吸収するよ
う構成した車両用制振装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 鉄道用車両1は、車両本体2の底部に車両本
体2の振動を制振するための一対の制振装置3a,3b
が設けられている。この制振装置3a,3bは、車両本
体2の振動に応じて駆動されるモータ4a,4bと、モ
ータ4a,4bにより傾斜角を変更される油圧ダンパ5
a,5bと、車両本体2の加速度を検出する加速度セン
サ6a〜6dと、この加速度センサ6a〜6dから出力
された検出信号に基づいてモータ4a,4bを駆動制御
する制御装置7と、よりなる。モータ4a,4bの回転
軸21には円板状の回転体22が結合され、回転体22
には偏心した位置に突出する偏心ピン23が設けられて
いる。油圧ダンパ5a,5bは偏心ピン23に回動自在
に連結されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用制振装置に係り、
特に車両本体の振動を吸収するよう構成した車両用制振
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば鉄道用車両においては、レールを
走行する台車の上方に車両本体が支持される構成であ
り、台車と車両本体との間には車輪からの振動を吸収す
るオイルダンパや空気ばねやコイルばねが設けられてい
る。これらは、パッシブ(受動)形であり車両本体に平
均的な1次の固有振動数を吸収するように制作されてい
る。
【0003】そのため、車両がレール上を走行する際に
発生する振動が低周波数の場合は、上記オイルダンパや
空気ばねやコイルばねにより振動が吸収されて車両は安
定に走行することができる。しかし、高周波数の振動の
場合は、オイルダンパ,空気ばね,コイルばねにより吸
収することができず、例えば高速走行時の細かい振動が
乗客に不快感を与える原因となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の車両
は、パッシブ(受動)形であり、オイルダンパやの空気
ばねやコイルばねが台車と車両本体との間に設けられて
いるだけなので、高周波数の振動を効果的に制振するこ
とができず、特に横方向の加速度を吸収することができ
ないので、カーブを高速で通過する際は、車両本体が傾
いて揺動するため、乗り心地が悪かった。
【0005】そのため、台車と車両本体との間に振動を
吸収する空気圧シリンダ又は油圧シリンダを設けてシリ
ンダの駆動力を最適値に制御することが考えられるが、
車両本体の振動の大きさに応じて空気圧シリンダ又は油
圧シリンダに空気圧又は油圧を供給するパワーユニット
が必要になり、その設置スペースが余分に必要になる。
又、パワーユニットとシリンダとの間を接続するチュー
ブを配設しなければならず、構成が複雑化するばかりか
組立作業にかなりの手間がかかるといった課題がある。
【0006】さらに、アクチュエータが故障し、空気シ
リンダ又は油圧シリンダに空気又は油が溜まったままと
なると、結果として台車の横方向の振動が空気シリンダ
又は油圧シリンダを介して直接車両本体に伝わってしま
うという課題があった。そこで、本発明は上記課題を解
決した車両用制振装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記請求項1の発明は、
台車の上方に設けられた車両本体と、該車両本体に設け
られ、当該車両本体の動きを検出するセンサと、前記台
車と前記車両本体との間に設けられ、前記車両本体を弾
力的に支持するばね手段と、前記台車又は前記車両本体
のいずれか一方に設けられた電動モータと、該電動モー
タの回転に基づいて回転する回転体と、一端が前記回転
体の回転中心以外の箇所に設けられた連結部に連結さ
れ、他端が前記台車又は前記車両本体のうち、前記電動
モータが設けられていない方に連結された連結部材と、
前記センサからの出力に応じて前記連結部材の傾斜角度
を変更させて前記車両本体の振動を吸収するように前記
電動モータを駆動制御する制御手段と、からなることを
特徴とする。
【0008】又、請求項2の発明は、台車の上方に設け
られた車両本体と、該車両本体に設けられ、当該車両本
体の動きを検出するセンサと、前記台車と前記車両本体
との間に設けられ、前記車両本体を弾力的に支持するば
ね手段と、前記台車又は前記車両本体のいずれか一方に
設けられた電動モータと、該電動モータの回転に基づい
て回転する回転体と、一端が前記回転体の回転中心以外
の箇所に設けられた連結部に連結され、他端が前記台車
又は前記車両本体のうち、前記電動モータが設けられて
いない方に連結された連結部材と、前記センサからの出
力に応じて前記連結部材の傾斜角度を変更させて前記車
両本体の振動を吸収するように前記電動モータを駆動制
御する制御手段と、前記電動モータの動きを検出するモ
ータ動作検出手段と、該モータ動作検出手段により検出
された前記電動モータの動きに基づいて前記電動モータ
の異常を検出するモータ異常検出手段と、からなり、前
記連結部材は、両端が閉塞されたシリンダと、該シリン
ダ内に摺動自在に設けられ、前記シリンダの一端から外
部へ突出するピストンロッドがその一端に接続され、前
記シリンダ内を二つの室に画成するピストンと、該二つ
の室を連通する通路と、該通路を開閉する開閉弁と、か
らなり、前記開閉弁は、通常は閉弁し、前記モータ異常
検出手段が前記電動モータの異常を検出した場合に開弁
することを特徴とする。
【0009】
【作用】上記請求項1によれば、車両本体の振動に応じ
て連結部材の一端が偏心して連結された回転体を電動モ
ータにより回動させて連結部材の傾斜角度を変更させる
ため、シリンダを駆動するパワーユニットが不要になる
とともに、空気圧又は油圧を供給するためのチューブが
不要になって構成が簡略化できる。
【0010】又、請求項2によれば、上記請求項1によ
る作用を有するとともに、電動モータで異常発生した場
合、開閉弁が開弁してシリンダ内を二つの室を連通状態
に切り換えることにより、シリンダがダンパとして機能
し、パッシブ形の制振動作を行う。
【0011】
【実施例】図1乃至図3に本発明になる車両用制振装置
の一実施例が適用された鉄道用車両を示す。
【0012】各図中、鉄道用車両1は、車両本体2の底
部に車両本体2の振動(加速度)を制振するための一対
の制振装置3a,3bが設けられている。この制振装置
3a,3bは、大略、車両本体2の振動に応じて駆動さ
れるモータ4a,4bと、モータ4a,4bにより傾斜
角を変更される油圧ダンパ5a,5bと、車両本体2の
加速度を検出する加速度センサ6a〜6dと、この加速
度センサ6a〜6dから出力された検出信号に基づいて
モータ4a,4bを駆動制御する制御装置7と、よりな
る。又、制御装置7は、後述するようにモータ4a,4
bを駆動制御する制御系の制御ゲインを車両本体2の変
位量に応じて最適値に切換えるゲイン切換手段を有す
る。
【0013】上記モータ4a,4bの回転軸21には円
板状の回転体22が結合されている。そして、回転体2
2には偏心した位置に突出する偏心ピン23が設けられ
ている。この偏心ピン23には油圧ダンパ5a,5bの
一端が回動自在に連結されている。油圧ダンパ5a,5
bは車両本体2と台車8,9との間を連結する連結部材
として横架され、一端が上記車両本体2側に設けられた
回転体22の偏心ピン23に連結され、他端が台車8,
9の上面より起立した支持部24に回動自在に連結され
ている。従って、回転体22がモータ4a,4bに駆動
されて回動すると、油圧ダンパ5a,5bはその傾斜角
度が変更される。通常、油圧ダンパ5a,5bは油圧通
路が閉鎖された伸縮不可状態に保持されており、回転体
22の回転量に応じて水平方向の長さが変更されて車両
本体2の振動を吸収する。
【0014】尚、モータ4a,4bの回転軸21には、
回転角を検出する回転角センサ25が設けられている。
即ち、回転角センサ25は、回転軸21の回転角に応じ
た検出信号を制御装置7に出力し、制御装置7はフィー
ドバックされた回転角センサ25からの検出信号により
モータ4a,4bを回転制御する。
【0015】上記加速度センサ6a〜6dのうち、加速
度センサ6aは車両本体2の前部に設けられ、加速度セ
ンサ6bは車両本体2の後部に設けられ、加速度センサ
6cは車両本体2の左側に設けられ、加速度センサ6d
は車両本体2の右側に設けられている。そして、加速度
センサ6a,6bにより車両本体2のXa,Xb方向の
加速度が検出され、加速度センサ6c,6dにより車両
本体2のYa,Yb方向の加速度が検出される。尚、上
記加速度センサ6a〜6dの代わりに車両本体2の変位
状態を検出する他の形式のセンサ(例えば変位センサ、
速度センサなど)を設けても良い。
【0016】台車8,9は、車両本体2の前部と後部の
底部に設けられ、夫々4個の車輪10を転動自在に支持
している。各車輪10は車軸11の両端に設けられ、レ
ール12上を転動する。又、車軸14の両端はばね1
3,14により押圧されており、台車8,9のベース8
a,9aはこのばね13,14により弾力的に支持され
ている。又、台車8,9のベース8a,9aの左右両端
と車両本体2との間には空気ばね15a,16a,15
b,16bが介在し、車両本体2は台車8,9上に設け
られた空気ばね15a,16a,15b,16bにより
弾力的に支持されている。
【0017】従って、車両本体2は上記ばね13,14
及び空気ばね15a,16a,15b,16bを介して
前部の台車8と後部の台車9上に載置された状態でレー
ル17に沿って走行するため、上下方向の振動が発生し
た場合、ばね13,14及び空気ばね15a,16a,
15b,16bによりその加速度が吸収される。
【0018】上記油圧ダンパ5a,5bは同一構成であ
るので、ここでは一方の油圧ダンパ5aについて説明す
る。
【0019】図1及び図4に示すように、油圧ダンパ5
aは、車両本体2の横方向(X方向)に延在する筒状の
シリンダ本体30と、シリンダ本体30内に摺動自在に
挿入されたピストン31と、ピストン31と一体に設け
られたピストンロッド32よりなる。シリンダ本体30
の端部に突出する連結部30aは上記台車8のベース8
a上面より起立する支持部24のピン24aを介して回
動自在に連結されている。又、ピストンロッド32の端
部に設けられたコ字状の連結部26は上記モータ4aに
駆動される回転体22を貫通する偏心ピン23の両端に
回動自在に連結されている。
【0020】又、シリンダ本体30は、上記ピストン3
1が摺動自在に嵌合する内筒33とこの内筒33より大
径な外筒34とが同心円状に配設され、内筒33及び外
筒34の両端には両端開口を閉塞する第1,第2の閉塞
部材35,36が嵌合固定されている。第1の閉塞部材
35は、ピストンロッド32が貫通する貫通孔35a
と、内筒33が嵌合する嵌合部35bと、内筒33内部
のシリンダ室33aに連通する第1の通路35cと、一
端がシリンダ室33aに連通され他端が内筒33と外筒
34との間に形成された筒状の油溜め室37に連通され
た第2の通路35dとを有する。尚、第1の通路35c
にはピストン31の速度により減衰力を可変させる調圧
弁38が配設され、第2の通路35dにはピストン31
に過大な力が入力された際に、シリンダ室33aが破壊
することを防ぐためのリリーフ弁39が配設されてい
る。
【0021】又、ピストン31はシリンダ室33aの左
室33a1 と右室33a2 と連通する通路31aを有
し、この通路31aには作動油が右室33a2 から左室
33a 1 へ移動することのみ許容する逆止弁40が配設
されている。従って、ピストン31がシリンダ室33a
をXb方向に摺動するとき、右室33a2 の作動油が逆
止弁40を通過して左室33a1 へ移動し、ピストンロ
ッド32の移動体積分の油が調圧弁38を通過する際に
発生する抵抗が減衰力となる。
【0022】又、第2の閉塞部材36は、内筒33の他
端に嵌合する第1の嵌合部36aと、外筒34の他端に
嵌合する第2の嵌合部36bと、よりなる。そして、第
1の嵌合部36aには、シリンダ室33aと油溜め室3
7とを連通する通路36cが穿設され、この通路36c
には油溜め室37の作動油が右室33a2 へ移動するこ
とのみ許容する逆止弁41が配設されている。
【0023】従って、ピストン31がシリンダ室33a
をXa方向に摺動するとき、逆止弁40があるため左室
33a1 の油は調圧弁38を通過し、その際に発生する
抵抗が減衰力となる。又、ピストンロッド32の移動体
積分の油は逆止弁41を通り、油溜め室37からシリン
ダ室33aに吸い込まれる。このように、このオイルダ
ンパはXa,Xb方向のどちらの方向に移動しても同じ
調圧弁38により減衰力を発生する。
【0024】42は2ポート2位置スプリングオフセッ
ト弁よりなる電磁弁で、ポートaが管路43を介して油
溜め室37と接続され、ポートbが管路44を介して上
記第1の閉塞部材35の通路35cに接続されている。
通常、電磁弁42はバネ力により閉弁されており、シリ
ンダ室33a及び油溜め室37に貯留された作動油が移
動できないようにしている。そのため、油圧ダンパ5a
は通常電磁弁42の閉弁によりピストン31が摺動不可
状態に保持され、伸縮動作ができず1個の剛体として機
能することになる。
【0025】しかし、後述するようにモータ4a又はモ
ータ制御系に故障が発生した場合、上記電磁弁42は励
磁されて開弁状態に切り換わり、ピストン31がシリン
ダ室33aをXa方向に摺動するとき、左室33a1
作動油は調圧弁38,管路44,43を通過して油溜め
室37に移動可能になる。又、ピストン31がシリンダ
室33aをXb方向に摺動するとき、油溜め室37の作
動油は管路43,44,調圧弁38を通過して左室33
1 に移動する。従って、油圧ダンパ5aは電磁弁42
の開弁動作によりパッシブ形のダンパとして機能し、車
両本体2の振動を吸収するように伸縮動作する。尚、ピ
ストン31がXa方向に摺動する際の変位速度が速いと
きは、左室33a1 の作動油は調圧弁38だけでなくリ
リーフ弁39からも油溜め室37に流入する。
【0026】図5に示すように、制御装置7は、上記加
速度センサ6a〜6d,回転角センサ25から出力され
た検出信号が入力されるセンサインターフェース部49
と、センサインターフェース部49に入力された各セン
サからの信号をデジタル信号に変換するA/D変換器5
0と、A/D変換器50より出力された検出信号に基づ
いてモータ4a,4bの制御量u1 ,u2 を演算するC
PU51と、CPU51から出力された制御量u1 ,u
2 をアナログ信号に変換するD/A変換器52と、D/
A変換器52からの出力によりモータ4a,4bを駆動
させるドライバ53,54と、電磁弁42を開閉させる
電磁弁インターフェース部55とよりなる。
【0027】56はメモリで、後述する制振制御のプロ
グラムが格納され、且つ制振制御に必要な各演算の初期
値を記憶する。
【0028】例えばメモリ56には、図5に示す如くC
PU51が実行する制振制御プログラム56A、モータ
制御異常判定プログラム56Bが記憶されている。ここ
で、各制御プログラムの概要について説明する。
【0029】まず、制振制御プログラム56Aは、車両
1の走行状態(走行速度,カーブ,上り坂,下り坂,車
体質量中心(重心)G,車体ローリング角θ,車体のヨ
ーイング角ψ)に応じてモータ4a,4bの制御量
1 ,u2 を演算し、モータ4a,4bを制御する。
【0030】又、モータ制御異常判定プログラム56B
は、モータ4a,4bを駆動制御しているにも拘わら
ず、モータ4a,4bが回転していない(回転角センサ
25による回転角の検出値が変化しない)場合や、モー
タ4a,4bの制御量u1 ,u 2 に対し、モータ4a,
4bが異常に回転した場合等、モータ4a,4bの異常
を検出した場合には、モータ4a,4bの制御を中止し
てダンパ5a,5bをパッシブダンパとして使用できる
ように電磁弁42を開弁状態に切り換える。
【0031】尚、本実施例では後述するLQ(Linear Q
uadratic) 制御によりモータ4a,4bを制振動作させ
ており、制御ゲインはLQ制御の演算過程で算出され
る。
【0032】次に、上記制御装置7のCPU51が実行
する処理について説明する。先ず、図6を参照してメイ
ンフローの処理について説明し、さらに制御ゲインの算
出方法について説明する。
【0033】又、CPU51は例えば5msec毎に図6の
処理を繰り返し実行している。
【0034】図6中、ステップS1(以下「ステップ」
を省略する)で上記加速度センサ6a〜6d,回転角セ
ンサ25よりモータ4a,4bの回転角、車両本体2の
各点の位置,速度を取り込む。
【0035】次のS2では、上記S1で取り込んだモー
タ4a,4bの回転角,車両本体2の各点の位置,速度
の値より車体質量中心(重心)G,車体のローリング角
θ,車体のヨーイング角ψ及びその速度を求める。又、
後述する状態方程式を解くのに必要な状態ベクトルの各
成分も求める。
【0036】そして、S2で得られた値をu’=−Fx
の式に代入してモータ4a,4bに対する各制御量
1 ’,u2 ’を算出する(S3)。次のS4では、S
3で算出された制御量u1 ’,u2 ’と油の粘性による
力の関係を示している。そして、S5により制御量
1 ,u2 を前述した各ドライバ53,54に出力す
る。
【0037】従って、モータ4a,4bはこの制御力u
1 ,u2 により駆動され車両本体2の振動をキャンセル
方向に駆動される。即ち、油圧ダンパ5a,5bが回転
体22の偏心ピン23に連結されているので、回転体2
2がモータ4a,4bに駆動されて回動すると、油圧ダ
ンパ5a,5bはその回動方向に変位し、その反作用に
より車両本体2を振動方向と逆方向に押圧する。
【0038】例えば、図7に示すように、車両本体2の
前部及び後部が共にXa方向の加速度を受けた場合は、
偏心ピン23がXb方向に変位するようにモータ4a,
4bが駆動される。
【0039】又、図8に示すように、車両本体2の前部
及び後部が共にXb方向の加速度を受けた場合は、偏心
ピン23がXa方向に変位するようにモータ4a,4b
が駆動される。
【0040】又、車両本体2の前部がXa方向の加速度
を受け、後部がXb方向の加速度を受けた場合は、モー
タ4aが偏心ピン23をXb方向に変位するように駆動
され、モータ4bが偏心ピン23をXa方向に変位する
ように駆動される。又、車両本体2の前部がXb方向の
加速度を受け、後部がXa方向の加速度を受けた場合
は、モータ4a,4bが偏心ピン23をXa方向,Xb
方向に変位するように駆動される。
【0041】このように、モータ4a,4bにより回転
体22を回動させて油圧ダンパ5a,5bを振動吸収方
向に変位させるため、構成の簡略化を図ることができ、
装置の省スペース化を図ることができる。従って、例え
ば空気圧シリンダ又は油圧シリンダを用いた場合に必要
となるシリンダ駆動用パワーユニットが不要にできると
ともに、空気圧又は油圧を供給するためのチューブが不
要にできるので、組立作業が容易に行えるばかりかメン
テナンスも容易に行うことができる。さらに、モータ4
a,4bの回転角を制御することにより、車両1の走行
条件に対応して車両本体2の振動を効果的に制振させる
ことができ、高速走行時あるいはカーブを通過する際の
走行安定性を高めることができ、乗り心地をより一層向
上させることができる。
【0042】本実施例では前述したLQ(Linear Quadr
atic) 制御によりモータ4a,4bを制振動作させてお
り、制御ゲインはLQ制御の演算過程で算出される。こ
こで、LQ制御の処理につきさらに説明する。
【0043】上記車両1は図9及び図10に示すような
数学モデルに置き換えられる。
【0044】このようなモデルの運動方程式は、
【0045】
【数1】
【0046】より次式のように表せる。
【0047】但し、上記式及び以下の式において、xg
は車両本体2の左右変位,ψは車両本体2のヨーイング
角,θは車両本体2のローリング角,x1 は台車8の左
右変位,x2 は台車9の左右変位,u1 は台車8の制御
力,u2 は台車9の制御力,wは台車8への入力(ここ
では0とする),Mは車両本体2の質量,Kは空気ばね
の上下方向のばね定数,Cは上下方向のダンパの減衰係
数,IはX軸回りの車両本体2の慣性モーメント,Jは
Z軸まわりの車両本体2の慣性モーメントK1は空気ば
ねの左右方向のばね定数,C1 は左右方向のダンパの減
衰係数,K2 はばね13,14のばね定数,C2 はばね
13,14の減衰係数,m1 は台車8の質量,m2 は台
車9の質量,Lは車体質量中心(重心)Gと台車間の距
離,h3は空気ばね中心から車体質量中心(重心)Gま
での高さ,h5 は制振装置3a,3bの車両本体2に対
する力の作用点である点Oから車体質量中心(重心)G
までの高さ,b2 は空気ばね間距離, 3 は上下方向ダ
ンパ間距離を表す。
【0048】
【数2】
【0049】そして、上記モデルの状態方程式は次のよ
うに表せる。
【0050】(f)台車8の支持点(車両本体2の油圧
ダンパ5aとの連結部分)と台車8との相対変位y
1 は、 y1 =xg +Lψ+h3 θ−x1 …(9) となる。
【0051】(g)台車9の支持点(車両本体2の油圧
ダンパ5bとの連結部分)と台車9との相対変位y
2 は、 y2 =xg −Lψ+h3 θ−x2 …(10) となる。
【0052】ここで、状態変数Xを
【0053】
【数3】
【0054】に変換する。
【0055】一般に、このような系では、評価関数Jを
車両本体2の絶対変位,絶対速度(進行方向を除く),
車両本体2のヨーイング角ψ,車両本体2のローリング
角θ,モータ4a,4bのトルク,駆動ストロークが最
小になるように設定する。ここで、評価関数Eを E=∫(xT Qx+uT Ru)dt …(13) とし、重みQ,Rを
【0056】
【数4】
【0057】と与えてリカッチ方程式 AT P+PA+Q−PBR-1T P=0 …(16) を解き最適ゲインF F=R-1BP …(17) を求める。
【0058】このようにして得られたゲインFを用い
て、制御量u(u=−Fx)を求める。
【0059】これにより、モータ4a,4bは、この制
御量uで駆動され、車両本体2の走行安定性がより高め
られる。
【0060】以上のように、本実施例では、モータ4
a,4bあるいは制御系に異常があったとCPU51が
判断した場合は、モータ4a,4bの制御を中止して電
磁弁42を開弁させる。これにより、油圧ダンパ5a,
5bがパッシブダンパとして車両本体2の振動を吸収す
ることができ、走行安定性が維持される。
【0061】尚、上記実施例では、偏心ピン23を有す
る円板状の回転体22を回動させたが、回転体22の形
状はこれに限らず、例えば長円形状又は卵形としても良
いし、あるいは回転体22のカム溝を設けて油圧ダンパ
の連結部分を変位させても良い。
【0062】又、上記実施例では、車両本体2側に設け
られた回転体22と台車8,9との間を油圧ダンパ5
a,5bにより連結したが、これに限らず、単なるロッ
ド等により連結する構成としても良い。
【0063】又、上記実施例では、鉄道用車両を一例と
して挙げたが、これに限らず、他の形式の車両(例えば
モノレールなど)に適用しても良い。
【0064】
【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項1によれ
ば、車両本体の振動に応じて連結部材の一端が偏心して
連結された回転体をモータにより回動させて連結部材を
振動吸収方向に変位させるため、構成の簡略化を図るこ
とができ、装置の省スペース化を図ることができる。従
って、例えば空気圧シリンダ又は油圧シリンダを用いた
場合に必要となるシリンダ駆動用パワーユニットが不要
にできるとともに、空気圧又は油圧を供給するためのチ
ューブが不要にできるので、組立作業が容易に行えるば
かりかメンテナンスも容易に行うことができる。さら
に、モータの回転角を制御することにより、車両の走行
条件に対応して車両本体の振動を効果的に制振させるこ
とができ、高速走行時あるいはカーブを通過する際の走
行安定性を高めることができ、乗り心地をより一層向上
させることができる。
【0065】又、請求項2によれば、上記効果ととも
に、電動モータで異常発生した場合、開閉弁が開弁して
シリンダ内を二つの室を連通状態に切り換えることによ
り、シリンダがダンパとして機能し、パッシブ形の制振
動作を行うことができ、よってより安全性を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる車両用制振装置の一実施例を示す
鉄道用車両の正面図である。
【図2】鉄道用車両の側面図である。
【図3】鉄道用車両の平面図である。
【図4】油圧ダンパの縦断面図である。
【図5】制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】制振装置のCPUが実行するメインフロー処理
を説明するためのフローチャートである。
【図7】モータの回転方向による制振動作を示す正面図
である。
【図8】モータの回転方向による制振動作を示す正面図
である。
【図9】台車に支持された車両の数学モデルを示す正面
図である。
【図10】台車に支持された車両の数学モデルを示す平
面図である。
【符号の説明】
1 鉄道用車両 2 車両本体 3a,3b 制振装置 4a,4b モータ 5a,5b 油圧ダンパ 6a〜6d 加速度センサ 7 制御装置 8,9 台車 15a,15b,16a,16b 空気ばね 22 回転体 23 偏心ピン 25 回転角センサ 30 シリンダ本体 31 ピストン 32 ピストンロッド 33a シリンダ室 37 油溜め室 38 調圧弁 39 リリーフ弁 40,41 逆止弁 42 電磁弁 51 CPU

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車の上方に設けられた車両本体と、 該車両本体に設けられ、当該車両本体の動きを検出する
    センサと、 前記台車と前記車両本体との間に設けられ、前記車両本
    体を弾力的に支持するばね手段と、 前記台車又は前記車両本体のいずれか一方に設けられた
    電動モータと、 該電動モータの回転に基づいて回転する回転体と、 一端が前記回転体の回転中心以外の箇所に設けられた連
    結部に連結され、他端が前記台車又は前記車両本体のう
    ち、前記電動モータが設けられていない方に連結された
    連結部材と、 前記センサからの出力に応じて前記連結部材の傾斜角度
    を変更させて前記車両本体の振動を吸収するように前記
    電動モータを駆動制御する制御手段と、 からなることを特徴とする車両用制振装置。
  2. 【請求項2】 台車の上方に設けられた車両本体と、 該車両本体に設けられ、当該車両本体の動きを検出する
    センサと、 前記台車と前記車両本体との間に設けられ、前記車両本
    体を弾力的に支持するばね手段と、 前記台車又は前記車両本体のいずれか一方に設けられた
    電動モータと、 該電動モータの回転に基づいて回転する回転体と、 一端が前記回転体の回転中心以外の箇所に設けられた連
    結部に連結され、他端が前記台車又は前記車両本体のう
    ち、前記電動モータが設けられていない方に連結された
    連結部材と、 前記センサからの出力に応じて前記連結部材の傾斜角度
    を変更させて前記車両本体の振動を吸収するように前記
    電動モータを駆動制御する制御手段と、 前記電動モータの動きを検出するモータ動作検出手段
    と、 該モータ動作検出手段により検出された前記電動モータ
    の動きに基づいて前記電動モータの異常を検出するモー
    タ異常検出手段と、 からなり、 前記連結部材は、 両端が閉塞されたシリンダと、 該シリンダ内に摺動自在に設けられ、前記シリンダの一
    端から外部へ突出するピストンロッドがその一端に接続
    され、前記シリンダ内を二つの室に画成するピストン
    と、 該二つの室を連通する通路と、 該通路を開閉する開閉弁と、 からなり、 前記開閉弁は、通常は閉弁し、前記モータ異常検出手段
    が前記電動モータの異常を検出した場合に開弁すること
    を特徴とする車両用制振装置。
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