JP2002316641A - 鉄道車両の車体傾斜制御装置 - Google Patents

鉄道車両の車体傾斜制御装置

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JP2002316641A
JP2002316641A JP2001121169A JP2001121169A JP2002316641A JP 2002316641 A JP2002316641 A JP 2002316641A JP 2001121169 A JP2001121169 A JP 2001121169A JP 2001121169 A JP2001121169 A JP 2001121169A JP 2002316641 A JP2002316641 A JP 2002316641A
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vehicle body
vehicle
control device
curve
differential pressure
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Application number
JP2001121169A
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English (en)
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Kenjiro Aida
憲次郎 合田
Takaomi Nishigaito
貴臣 西垣戸
Hideo Takai
英夫 高井
Katsuyuki Iwasaki
克行 岩崎
Hiroshi Higaki
博 檜垣
Michio Sehata
美智夫 瀬畑
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲線通過時の車体傾斜角を大きくし、乗り心
地の向上を図る。 【解決手段】 車体1と台車枠2の間にトーションバー
12、レバー13L,13R、リンク11L,11Rか
らなるリンクトーションバー10が配置されている。こ
の構成において、遠心力が作用すると車体1は左右変位
に伴い、ロール角変位し、曲線の外軌側の空気ばね7L
は伸長し、曲線の内軌側の空気ばね7Rは縮小する。制
御装置23は軌道情報データ24を参照して現在の走行
位置を把握し、傾斜動作を行う緩和曲線を走行している
状態では切替弁22を開いて左右の空気ばねを連通させ
る。この場合、空気ばねの復元力が作用しないため車体
傾斜角を大きくさせ、乗り心地を良くすることができ
る。また、傾斜動作を行わない軌道を走行している状態
では切替弁22を閉じて左右の空気ばねを分割させ、空
気ばねの復元力、減衰力を作用させる。これにより、振
動を減衰させ乗り心地を良くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両におい
て、曲線走行時の乗り心地を向上させるために車体を傾
斜させる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道車両の曲線軌道を高速に通過
する技術として、車体傾斜技術がある。車体傾斜技術は
曲線走行時に車体を曲線内向きに傾斜させ、車体床面を
基準とする重力加速度の曲線内向き成分を増加させるこ
とにより、曲線外向きの超過遠心加速度を相殺させ、高
速走行時に乗客が体感する曲線外向きの定常左右加速度
を低減し、乗り心地を向上させるものである。また、鉄
道車両では車体を空気ばねによって支持し、空気ばねの
ばね作用、減衰作用により台車から車体に伝達する振動
を低減し、乗り心地を良い状態に保っている。
【0003】一般の車体傾斜方式としてはコロ式振子装
置が多く用いられている。コロ式振子装置を用いている
車両は、車体と台車の間にコロにより支持される振子梁
を配置し、曲線通過時に遠心力により振子梁をロールさ
せることにより車体傾斜させる方式である。コロ式振子
車両では、遠心力による自然振子効果により車体を傾斜
させるため、確実に車体傾斜動作を実現できる。しか
し、この方式の場合、振子梁を必要とするため車両重量
が大きくなる欠点がある。
【0004】そこで、図5に示すような車体傾斜方式が
考えられている。この方式では、台車枠2の左右両側端
部には空気ばね7L,7Rが設けられ、車体1は空気ば
ね7L,7Rによって支持されている。車体1の幅方向
にはトーションバー12が配置されており、トーション
バー12の両端にはレバー13L,13Rが固定されて
いる。レバー13L,13Rの端部と台車枠2はリンク
11L,11Rにより連結されている。リンク11L,
11Rは、上端AとB間の距離が下端CとD間の距離よ
り小さくなるように、台車幅方向に対して角度を有した
状態で斜め方向に配置されている。このようにトーショ
ンバー12と、レバー13L,13Rと、リンク11
L,11Rを組み合わせてリンクトーションバー10が
構成されている。
【0005】リンクトーションバー10は車体と台車間
に配置され、車体と台車の左右方向の相対変位に対して
は、図5のように機能する。曲線通過時等に車体重心点
CGに遠心力が矢印FC向きに作用すると、車体1は台
車枠2に対して矢印YC向きに左右相対変位する。この
とき、斜めに配置されたリンク11Lは点Cを中心に回
転し、リンク11Lと車体1の接続点Aは、端点Aより
高い位置の点A’に移動する。同様にリンク11Rは点
Dを中心に回転し、リンク11Rと車体1の接続点B
は、点Bより低い位置の点B’に移動する。その結果、
車体1は矢印RC向きにロール角変位し、車体傾斜する
ようになる。
【0006】以上のように、遠心力により車体1が左右
変位すると同時に車体傾斜するため、車体の左右加速度
を低減し、常に乗り心地を良くできる。また、本方式で
はリンクの付加のみにより車体傾斜機能が得られ、コロ
式のように振子梁を必要としないため、車両を軽量化す
ることができる。
【0007】しかし、上記車体傾斜方式では以下のよう
な問題点がある。この方式では走行中に空気ばねにより
車体1の上下方向およびロール方向荷重の支持を行う。
図5に示すように矢印RC向きに車体傾斜する場合に
は、外側の空気ばね7Lが伸長し、復元力として矢印A
Lの向きの力が車体に作用する。一方、内側の空気ばね
7Rは縮小し、復元力として矢印ARの向きの力が車体
1に作用する。この空気ばね上下力は車体ロール方向に
矢印RCC向きのモーメントを生成し、傾斜動作を妨げ
る。その結果、十分な車体傾斜角が得られず、乗り心地
が悪化する。
【0008】上記の問題点を解決する方式として、特開
平10−194119号公報に示すものがある。この方
式では連通弁を有する配管で左右の空気ばねを接続する
構造となっており、曲線において車体傾斜動作をする場
合に、左右の空気ばねに配置した圧力センサより空気ば
ねの内圧を測定し、傾斜動作時に縮小させる空気ばねの
内圧が、伸長させる空気ばねの内圧より大きい場合に左
右の空気ばねを連通させる。この場合、連通させること
により、空気ばねが伸縮しても空気ばねの内圧は変化し
ないため、空気ばね復元力が作用しない状態で車体傾斜
することが可能となる。その結果、車体傾斜角を大きく
することができ、乗り心地を良くすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に示された従
来の方式は、曲線通過中に左右空気ばねの内圧を検出
し、左右の空気ばねの内圧の大小関係により、左右の空
気ばねを連通させるか、連通させない非連通状態するか
を判定して、車体傾斜制御するものであった。
【0010】しかしながら、この方式では走行中に内圧
情報のみより連通、非連通の判定を行って車体傾斜制御
するため、以下に示すように車体傾斜角を大きくできな
いという問題がある。車両が入口緩和曲線を通過する場
合、前台車では伸長する外軌側の空気ばねの内圧が縮小
する内軌側の空気ばねの内圧より大きくなっており、上
記従来の方式では前台車においては左右の空気ばねを連
通させないことになる。一方、後台車では縮小する内軌
側の空気ばねの内圧が伸長する外軌側の空気ばねの内圧
より大きくなっており、上記従来の方式では後台車にお
いては左右の空気ばねを連通させることになる。このよ
うに上記従来の方式では、入口緩和曲線では後台車にお
いては空気ばねを連通させるが、前台車においては空気
ばねを連通させない。そのため、前台車では空気ばねの
復元力が作用し、車体傾斜角が大きくならない。
【0011】また、上記従来の方式では、車体傾斜動作
させる場合に左右の空気ばねを連通させるものであり、
傾斜動作をさせない場合の連通、非連通の切替について
は考慮されていない。そのため、例えば傾斜動作をさせ
ない直線走行時や曲線の一定曲線半径走行時に外乱等が
加わり空気ばねが伸縮すると、内圧の大小関係により空
気ばねが連通する。そのとき、空気ばねの復元力および
減衰力が作用せず、車両に外乱が加わった場合には振動
が減衰せず乗り心地が悪くなるという問題がある。
【0012】本発明の目的は、傾斜動作を行う場合に左
右の空気ばねを確実に連通させて、傾斜動作時の空気ば
ねの復元力をなくすことにより、車体傾斜角を大きく
し、かつ、軽量で簡単な車体傾斜制御装置を提供するこ
とである。
【0013】また、本発明の他の目的は、傾斜動作をし
ない場合には左右の空気ばねを連通させない非連通状態
にして、乗り心地を良い状態を保ち、かつ車体のロール
角が過大となるのを回避できる車体傾斜制御装置を提供
することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、台車の左右両側端部に設けられた空気ば
ねで車体が支持され、かつ車体と台車とがリンクトーシ
ョンバーによって連結され、リンクトーションバーは、
車体の幅方向に沿って配置されたトーションバーと、ト
ーションバーの両端に固定されたレバーと、各レバーの
端部に接続され車体に近い方の端点間距離が台車に近い
方の端点間距離よりも短くなるよう斜めに配置された2
つのリンクとを有し、車体に遠心力が加わると、リンク
トーションバーは変形し台車に対する車体のロール角を
変化させて、車体傾斜動作を行う鉄道車両の車体傾斜制
御装置において、左右の空気ばねを連通する空気通路を
形成する配管と、空気通路を開閉する切替弁と、切替弁
を開閉制御する制御装置とを備え、制御装置は、車体傾
斜動作を行う場合に切替弁を開とし、車体傾斜動作を行
わない場合に切替弁を閉とすることを特徴としている。
【0015】より具体的には、本発明は、上記と同様な
構成の鉄道車両の車体傾斜制御装置において、左右の空
気ばねを連通する空気通路を形成する配管と、空気通路
を開閉する切替弁と、切替弁を開閉制御する制御装置
と、車両の現在の走行位置を算出する地点検出装置と、
軌道形状および曲線における走行速度である曲線通過設
定速度を記録した軌道情報データとを備え、制御装置
は、地点検出装置で算出した車両の現在の走行位置デー
タと軌道情報データを取り込んで、その取り込んだ2つ
のデータを照合することにより、車両が現在軌道のどの
部分を走行しているかを判定し、曲線の緩和曲線部を走
行しているときは切替弁を開とし、直線部または曲線の
一定半径曲線部を走行しているときは切替弁を閉とする
ことを特徴としている。
【0016】上記構成によれば、傾斜操作を行う緩和曲
線において確実に左右の空気ばねを連通させ、空気ばね
の復元力が作用しない状態で車体傾斜動作をさせること
ができる。その結果、ロール角を大きくし、乗り心地を
良くすることができる。また、傾斜動作をしない場合に
は、切替弁を閉とするため、空気ばね復元力、減衰力を
車体に作用させ、乗り心地を良くすることができる。
【0017】また、本発明は、上記と同様な構成の鉄道
車両の車体傾斜制御装置において、左右の空気ばねを連
通する空気通路を形成する配管と、左右の空気ばねの内
圧差が設定差圧以上の場合に空気通路を開とし、内圧差
が設定差圧未満の場合に空気通路を閉とする差圧弁と、
差圧弁の設定差圧を調節する差圧制御装置と、車両の現
在の走行位置を算出する地点検出装置と、軌道形状およ
び曲線における走行速度である曲線通過設定速度を記録
した軌道情報データとを備え、差圧弁の設定差圧とし
て、第1の設定差圧と、この第1の設定差圧よりも小さ
い第2の設定差圧が用意され、差圧制御装置は、地点検
出装置で算出した車両の現在の走行位置データと軌道情
報データを取り込んで、その取り込んだ2つのデータを
照合することにより、車両が現在軌道のどの部分を走行
しているかを判定し、直線部または曲線の一定半径曲線
部を走行しているときは設定差圧を第1の設定差圧に調
節し、曲線の緩和曲線部を走行しているときは設定差圧
を第2の設定差圧に調節することを特徴としている。
【0018】上記構成によれば、傾斜操作を行う緩和曲
線において確実に左右の空気ばねを連通させ、傾斜動作
をしない場合には左右の空気ばねを連通させない状態に
することができる。これにより、上記と同様に乗り心地
を良くすることができる。
【0019】また、本発明は、上記と同様な構成の鉄道
車両の車体傾斜制御装置において、左右の空気ばねを連
通する空気通路を形成する配管と、空気通路を開閉する
切替弁と、切替弁を開閉制御する制御装置と、左右の空
気ばねの上下変位を検出する高さ検出器と、車両の現在
の走行位置を算出する地点検出装置と、軌道形状および
曲線における走行速度である曲線通過設定速度を記録し
た軌道情報データとを備え、制御装置は、高さ検出器で
検出した左右の空気ばねの上下変位データを取り込ん
で、その上下変位データと左右の空気ばねの間隔より車
体のロール角を算出し、さらに地点検出装置で算出した
現在の車両の走行位置データと軌道情報データを取り込
んで、その取り込んだ2つのデータを照合することによ
り、現在走行している軌道の曲線半径、カント、曲線通
過設定速度を算出するとともに、曲線半径、カントおよ
び曲線通過設定速度より目標傾斜角を定め、車両が曲線
の入口緩和曲線部を走行しているとき、ロール角が目標
傾斜角以上の場合は切替弁を閉とし、ロール角が目標傾
斜角未満の場合は切替弁を開とする一方、車両が曲線の
出口緩和曲線部を走行しているとき、ロール角が目標傾
斜角以上の場合は切替弁を開とし、ロール角が目標傾斜
角未満の場合は切替弁を閉とすることを特徴としてい
る。
【0020】上記構成によれば、車体のロール角を目標
傾斜角に追従させることできる。その結果、より正確な
傾斜動作が可能となり、乗り心地を良くすることが可能
となる。
【0021】さらに、本発明は、上記と同様な構成の鉄
道車両の車体傾斜制御装置において、左右の空気ばねを
連通する空気通路を形成する配管と、空気通路を開閉す
る切替弁と、切替弁を開閉制御する制御装置と、車体床
面を基準とする車体左右方向の加速度を測定する加速度
センサと、現在の車両の走行位置を算出する地点検出装
置と、軌道形状および曲線における走行速度である曲線
通過設定速度を記録した軌道情報データとを備え、制御
装置は、地点検出装置で算出した現在の車両の走行位置
データと軌道情報データを取り込んで、その取り込んだ
2つのデータを照合することにより、現在走行している
軌道の曲線半径、カント、曲線通過設定速度を算出する
とともに、曲線半径、カントおよび曲線通過設定速度よ
り目標加速度を定め、さらに加速度センサで測定した車
体左右方向の加速度を取り込んで、車両が曲線の入口緩
和曲線部を走行しているとき、車体左右方向の加速度が
目標加速度以上の場合は切替弁を開とし、車体左右方向
の加速度が目標加速度未満の場合は切替弁を閉とする一
方、車両が曲線の出口緩和曲線部を走行しているとき、
車体左右方向の加速度が目標加速度以上の場合は切替弁
を閉とし、車体左右方向の加速度が目標加速度未満の場
合は切替弁を開とすることを特徴としている。
【0022】上記構成によれば、車体左右方向の加速度
を目標加速度に追従させることできる。その結果、より
正確な傾斜動作が可能となり、乗り心地を良くすること
が可能となる。
【0023】また本発明では、車体傾斜動作を行わせる
アクチュエータを取り付け、アクチュエータが駆動して
いるときには、切替弁を開もしくは差圧弁の設定差圧を
第2の設定差圧に制御しても良い。このようにすれば、
傾斜動作時のアクチュエータの駆動力を小さくすること
ができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。 (実施の形態1)まず、本発明の実施の形態1による鉄
道車両の車体傾斜制御装置について説明する。図1は鉄
道車両が曲線を通過している状態を示す図、図2はリン
クトーションバー10の構造を示す斜視図である。図1
において、1は車体で、2は台車枠、3は輪軸である。
輪軸3は軸ばね6を介して台車枠2に支持されている。
台車枠2と車体1間には空気ばね7L,7Rが設けら
れ、空気ばね7L,7Rによって車体1は台車枠2に対
して弾性支持されている。また台車枠2と車体1間には
リンクトーションバー10が設けられている。リンクト
ーションバー10は、リンク11L,11R、トーショ
ンバー12、およびレバー13L,13Rから構成され
ている。
【0025】図2はリンクトーションバー10の詳細構
造を示している。トーションバー12は車体1の幅方向
に配置され、その両端は車体1の下部に設置されたブラ
ケット14に軸受け(図示省略)を介して回転自在に支
持されている。トーションバー12の両端部にはレバー
13L,13Rがそれぞれ固定され、またレバー13
L,13Rには球面軸受け16を介してリンク11L,
11Rの上端部が連結されている。リンク11L、11
Rの下端部は球面軸受け15を介して台車枠2に連結さ
れている。
【0026】上記構成のリンクトーションバー10は、
車体と台車間の上下方向およびロール方向の相対変位に
対して、以下に述べるように従来のアンチロールバーと
同じ機能を有している。
【0027】まず、車体と台車間のロール方向の相対変
位に対して、リンクトーションバー10は車体を弾性支
持する機能を備えている。例えば、台車枠2が図2の矢
印RC方向にロール角変位する場合は、レバー13Lは
リンク11Lに押されて矢印UC向きに変位し、レバー
13Rはリンク11Rに引っ張られて矢印DD向きに変
位する。その結果、トーションバー12の両端にはレバ
ー13Lとレバー13Rから逆向きのねじりモーメント
が加わるため、トーションバー12においてねじれ変形
が生じる。このトーションバー12におけるねじれ変形
による復元力は、レバー11Lを矢印DC向きに押し、
レバー11Rを矢印UD向きに押す力となる。この力は
リンク11L,11Rを介して台車枠2を矢印RCC向
きに押し返す復元力となる。
【0028】また、車体と台車間の上下方向の相対変位
に対して、リンクトーションバー10は車体の上下変位
を台車に伝達しない機能を備えている。例えば、台車枠
2が図2の矢印US方向の変位する場合は、レバー13
Lはリンク11Lに押されて矢印UC向きに変位し、レ
バー13Rはリンク11Rに押されて矢印UD向きに変
位する。このときトーションバー12にはねじれ変形が
生じない。このため、レバー13L,13Rには反力は
生じず、台車枠2の上下変位に対する復元力は発生しな
い。
【0029】なお、図2に示したリンクトーションバー
10では、レバー13L,13Rはリンク11L,11
Rの車体側に球面軸受け16を介して配置されたもので
あったが、図3に示すように、レバー13L,13Rを
リンク11L,11Rの台車側に球面軸受け15を介し
て接続し、トーションバー12およびブラケット14を
台車枠2側に配置したものも同様の作用効果が得られ
る。
【0030】次に、図1を用いて、空気ばね部の周辺の
構成を説明する。空気ばね7L,7Rは車体1の左右に
それぞれ配置され、空気ばね7lは空気ばね本体8Lお
よび補助タンク9Lにより、空気ばね7Rは空気ばね本
体8Rおよび補助タンク9Rによりそれぞれ構成されて
いる。空気ばね7Lと空気ばね7Rは配管21で接続さ
れ、この配管21の途中には切替弁22が設けられてい
る。
【0031】車両の走行速度は速度検出装置26により
測定される。地点検出装置25は速度検出装置26から
得られる速度を積算して車両の現在の走行位置を算出す
る。軌道情報データ24には、軌道のどの地点が直線
部、入口緩和曲線部、出口緩和曲線部、一定半径曲線部
により構成されているかが記録されている。さらに曲線
部に関しては、カント、曲線半径の情報と、あらかじめ
設定された曲線における走行速度である曲線通過設定速
度と、車体傾斜動作をする曲線がどの曲線であるかが記
録されている。車体傾斜動作をする曲線は走行条件に応
じて決定する。例えば曲線通過設定速度、曲線半径、カ
ント、軌間より定まる超過遠心加速度が許容加速度より
大きくなる曲線を車体傾斜動作をする曲線としても良
い。
【0032】軌道情報データ24と、速度検出装置26
から得られる走行速度データと、地点検出装置25から
算出される車両の現在の地点情報は、制御装置23に入
力される。制御装置23は軌道情報データ24と現在の
走行位置を照合することにより、現在、軌道のどの地点
を走行しているのかを判定する。ここで地点検出装置2
5においては、軌道に沿って設置される位置検出器から
の情報を用いて、車両の現在の走行位置を補正すること
により、より高い精度で現在走行位置を算出することが
可能となる。
【0033】また、空気ばね7Lと空気ばね7Rは、配
管21とは別系統の第2の配管31で接続されている。
配管31の途中には差圧弁32が設けられ、この差圧弁
32は左右の空気ばね7L,7R間の差圧が設定値より
大きいときに開となる。
【0034】次に、車両が走行している状態での本実施
の形態の動作を図4を用いて説明する。直線部を走行し
ている場合は、制御装置23は軌道情報データ24と地
点検出装置25の情報をもとに直線部を走行していると
判定し、切替弁22を閉の状態にする。その結果、左右
の空気ばね7L,7Rは分割され、連通していない非連
通状態になる。この状態で図4のように矢印RC向きに
車体1がロール角変位する場合、左の空気ばね7Lは伸
びた状態のため内圧が低くなり、右の空気ばね7Rは縮
んだ状態であるため内圧が高くなる。そして、空気ばね
7Lからは車体1に対して矢印AL向きの力が増加し、
空気ばね7Rからは車体1に対して矢印AR向きの力が
増加する。その結果、車体1には矢印RCC向きの復元
モーメントが生成される。そのため、車体1は矢印RC
向きのロール角変位に対して、空気ばねによるばね復元
力を受け、矢印RCC向きに戻される。またこのとき、
空気ばね本体8L,8Rと補助タンク9L,9R間の絞
りの効果により、空気ばね上下方向に減衰力が作用す
る。
【0035】以上のように、左右の空気ばね7L,7R
を非連通にすることにより、直線走行時に空気ばねに復
元力および減衰力を発生させ、外乱力に対して中立状態
を保ち、左右およびロール方向の振動を減衰させ、乗り
心地が良い状態を保つことが可能となる。
【0036】次に車両が直線部から入口緩和曲線部に進
入すると、制御装置23は、軌道情報データ24と地点
検出装置25の情報をもとに、現在走行している曲線が
傾斜動作を行う曲線であるかを判定する。現在走行して
いる曲線が車体傾斜動作を行う曲線でない場合は直線部
の状態を維持し、切替弁22を閉の状態に保ったままで
走行する。一方、現在走行している曲線が車体傾斜動作
を行う曲線の場合は曲線通過中に以下の示すように車体
傾斜制御を行う。
【0037】まず制御装置23は、軌道情報データ24
と地点検出装置25の情報をもとに、入口緩和曲線部を
走行していると判定する。制御装置23はこの判定結果
に基づき切替弁22を開の状態し、左右の空気ばね7L
と7Rを連通させる。入口緩和曲線部を走行中に図4に
示すように車体1に作用する遠心力FCが増加し、車体
1は矢印YC向きに左右変位する。ここで図4は右カー
ブを通過している状態を後ろから見た図を示しており、
図の左側が曲線の外軌側となり、右側が曲線の内軌側と
なる。
【0038】車体1は、図5に示したように、リンクト
ーションバー10により車体左右変位と同時に矢印RC
向きにロール角変位する。その結果、外軌側の空気ばね
7Lは伸長した状態、内軌側の空気ばね7Rは縮小した
状態になる。ここで左右の空気ばね7L,7Rを連通さ
せているため、配管21内を空気が矢印A向きに移動
し、左右の空気ばね7L,7Rの内圧を同一に保つこと
が可能になる。その結果、空気ばねの上下方向には車体
を矢印RC向きに車体傾斜させる動作に対するロール抵
抗モーメント、すなわち復元力は生成されない。そのた
め、車体1は空気ばねの復元力を受けることなく、車体
傾斜角を大きくすることができ、その結果、人間が感じ
る左右加速度を低減し乗り心地が良い状態を保つことが
できる。
【0039】入口緩和曲線部を通過して一定半径曲線部
に進入すると、制御装置23は一定半径曲線部を走行し
ていると判定して、切替弁22を閉の状態にする。これ
により、左右の空気ばね7L,7Rは分割される。この
状態では、空気ばね7L,7Rには上下方向の復元力お
よび減衰力が作用するため、振動は減衰し、乗り心地の
良い状態を保つことができる。
【0040】さらに走行して出口緩和曲線部の進入する
と、制御装置23は出口緩和曲線部を走行していると判
定し、切替弁22を開の状態し、左右の空気ばね7L,
7Rを連通させる。出口緩和曲線部では、遠心力の減少
に伴い車体は矢印YCC向きに左右変位すると同時に矢
印RCC向きへロール角変位する。その結果、外軌側の
空気ばね7Lは縮小し、内軌側の空気ばね7Rは伸長す
る。ここで左右の空気ばね7L,7Rを連通させている
ため、空気ばね7L,7Rの内圧を同一に保つことが可
能になる。このため、傾斜動作中に空気ばね復元力が発
生しないようにすることができる。その結果、車体1を
直立した状態に戻すことが可能になる。
【0041】上記のように、本実施の形態では、入口緩
和曲線部および出口緩和曲線部において切替弁22を開
にする。しかし、遠心力に対して車体傾斜動作の応答が
遅れ、入口緩和曲線部から一定半径曲線部に進入した時
に、車体ロール角が変化し続けていて、傾斜動作が終了
していない場合がある。この状態で切替弁22を閉にす
ると、車体傾斜角が足りず、一定半径曲線部での乗り心
地が悪くなる。また、出口緩和曲線部から直線部に戻っ
た時には、傾斜動作が終了していない場合があり、この
状態で切替弁22を閉にすると車体1が直立状態に戻ら
ないことになる。
【0042】そこで、本実施の形態では、入口緩和曲線
部においては、切替弁を開とする区間を車両の進行方向
に沿って一定半径曲線部の一部まで延長し、また出口緩
和曲線部においても、切替弁を開とする区間を車両の進
行方向に沿って直線部の一部まで延長するようにする。
これにより、車体相対ロール角が変化する時間を長くす
ることができる。その結果、車体傾斜動作の応答が遅れ
た場合でも、入口緩和曲線部において車体ロール角を大
きい状態で傾斜させ、また出口緩和曲線部において車体
ロール角をより確実に車体が直立した状態に戻すことが
可能となる。
【0043】なお、入口緩和曲線部および出口緩和曲線
部において切替弁22を開とする区間は、上記のように
車両の進行方向に延長するだけでなく進行方向と逆向き
に、つまり、入口緩和曲線部においては入口緩和曲線直
前の直線部の一部まで、また出口緩和曲線部においては
出口緩和曲線直前の一定半径曲線部の一部までそれぞれ
延長するようにしても良い。
【0044】また、本実施の形態による鉄道車両の車体
傾斜制御装置には、図6に示すように、車体1と台車2
との間に左右方向に伸縮するアクチュエータ72と、ア
クチュエータ72を制御する傾斜制御装置74とを設け
ることができる。そして、車両の走行中、軌道情報デー
タ24と、速度検出装置26から得られる走行速度デー
タと、地点検出装置25から算出される現在の地点情報
を傾斜制御装置74に入力する。傾斜制御装置74は、
入力された情報をもとに傾斜指令をアクチュエータ72
に送り、アクチュエータ72を駆動させる。また、アク
チュエータ72を駆動させている時に、制御装置73は
切替弁22を開にし、空気ばね7L,7Rを連通させ
る。これにより、空気ばね復元力を受けない状態で傾斜
動作ができ、アクチュエータ72の駆動力が小さい状態
で車体傾斜させることが可能となる。また、アクチュエ
ータ72を駆動させていない時には、切替弁22を閉に
し、空気ばねの復元力、減衰力を作用させて乗り心地を
良くさせても良い。
【0045】また、本実施の形態による鉄道車両の車体
傾斜制御装置には、図7に示すように、伸縮してリンク
81L,81Rの長さをそれぞれ変更するアクチュエー
タ82L,82Rと、アクチュエータ82L,82Rを
制御する傾斜制御装置84とを設けることができる。こ
こで、リンク81L,81Rはリンクトーションバー1
0を構成する部材の一つである。このような構成におい
て、車体傾斜動作を行うときには切替弁22を開にする
ことにより、上記アクチュエータ72を用いる場合と同
様の効果が得られる。この場合、曲線外軌側への車体の
左右移動量は小さいので輪重の変動が小さい状態で車体
を傾斜させることが可能となる。
【0046】なお、上記アクチュエータ72,82L,
82Rとしては、空気圧シリンダ、油圧シリンダ、モー
タとボールネジによる並進送り機構などを用いることが
できる。
【0047】また、上記アクチュエータ72,82L,
82Rを設けた場合も、これらのアクチュエータを駆動
する区間および切替弁22を開とする区間を、入口緩和
曲線部においては直線部の一部まで進行方向と逆向きに
延長し、また、出口緩和曲線部においては一定半径曲線
部の一部まで進行方向と逆向きに延長することができ
る。これより、入口緩和曲線進入時および出口緩和曲線
進入時に先取りしてアクチュエータを駆動し、車体の傾
斜動作の遅れを無くすことが可能となる。
【0048】また、本実施の形態では、車両が停車した
状態あるいは低速走行状態では、あらかじめ設定速度を
定め、速度検出装置26から得られる走行速度がゼロも
しくは設定速度値より低い場合に、制御装置23が切替
弁22を閉の状態にする。切替弁22を閉の状態にする
ことにより、左右の空気ばねが分割され、空気ばね上下
方向にばね復元力、減衰力が作用することになり、車体
が傾斜する向きと逆向きの空気ばね復元モーメントを作
用させることが可能となる。その結果、車体の作用する
重力の内軌向き成分の力により車体が内軌側に倒れ、車
体のロール角が過大なることを防ぐことができる。
【0049】また、本実施の形態では、片側の空気ばね
がパンクし、左右の空気ばね7L,7Rの圧力差が大き
くなった場合は、配管21と別系統に配置された第2の
配管31の差圧弁32が開となり、左右の空気ばねを連
通させる。連通させることにより、パンクをしていない
空気ばねからパンクした空気ばねに空気を移動させ、左
右の空気ばねの内圧差を少ない状態にすることができ
る。その結果、空気ばねパンクにより車体のロール角が
過大となり、輪重変動が大きくなることを防止できる。
【0050】また、本実施の形態では、乗客が多く車体
の重量が大きい場合は、入口緩和曲線部および出口緩和
曲線部において切替弁22を開にする時間を短くし、乗
客が少なく車体重量が小さい場合は、入口緩和曲線部お
よび出口緩和曲線部において切替弁22を開にする時間
を長くするよう切替弁22を制御する。これにより、車
体重量が大きい場合には車体が振れすぎて、車両限界、
建築限界を侵さないようにすることができる。また、車
体重量が小さい場合は車体ロール角が傾斜に必要とされ
る角度に対して不足となり、乗り心地が悪化するのを防
ぐことができる。また、車体重量に応じて切替弁22を
制御することにより、車体重量が異なっても車体ロール
角を一定範囲内の値にすることができ、編成の中での車
両による車体ロール角の格差をなくし、どの車両も同じ
レベルの乗り心地にすることが可能となる。
【0051】本実施の形態によれば、傾斜動作する場合
に左右の空気ばね7L,7Rを連通させるため、傾斜動
作中に空気ばねの復元力を作用させないで、車体傾斜角
を大きくすることができる。その結果、乗り心地を良く
することができる。また傾斜動作をしない直線部および
一定半径曲線部においては、切替弁22を閉としている
ので、空気ばねの復元力、減衰力を作用させて乗り心地
を良くすることができる。
【0052】また、本実施の形態では、停車時あるいは
低速走行時には空気ばねの復元力、減衰力を作用させ、
過大な車体ロール変位を防止することができる。
【0053】さらに、空気ばねがパンクした場合でも別
系統の第2の配管31に設けた差圧弁32の作用によ
り、車体ロール角が大きくなることおよび輪重が変化す
ることを防止できる。
【0054】なお、本実施の形態では、軌道情報データ
24と地点検出装置25から得られる情報をもとに切替
弁22の制御を行っていたが、軌道情報データ24と地
点検出装置25から得られる情報を用いずに、ジャイロ
センサ、加速度センサ、空気ばねの高さ検出センサから
得られる情報、あるいは車体と台車の相対ヨー角の情報
を用いることにより、車両が緩和曲線部、一定半径曲線
部を走行していること検知して切替弁22を制御するよ
うにしても、同様の作用効果を得ることができる。
【0055】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2について説明する。図8は鉄道車両が曲線を通過し
ている状態の空気ばね周辺の詳細図である。なお、実施
の形態1における部材と同一機能を有する部材に関して
は同一の記号が付されている。
【0056】本実施の形態では、実施の形態1における
切替弁22の代わりに、差圧弁42が設けられている。
この差圧弁42は、左右の空気ばね7L,7Rの差圧が
あらかじめ定められた設定差圧より大きい場合に開とな
り、左右の空気ばね7L,7Rが連通する構造になって
いる。図には示してないが、差圧弁42は、配管21の
空気流路を開閉する開閉弁と、開閉弁を制御するソレノ
イド等の駆動装置とから構成されている。そして、開閉
弁は駆動装置が発生する押付け力によって支持され、差
圧弁42に流入する空気の圧力、すなわち空気ばねの差
圧が前記押付け力より大きい場合には、開閉弁が変位し
て差圧弁42は開となり、空気ばねの差圧が前記押付け
力より小さい場合には、開閉弁は変位せず差圧弁42は
閉の状態である。ここで、差圧弁42は差圧制御装置4
3に接続されており、差圧制御装置43からの指令値に
応じて、ソレノイド等に発生する力を変化させて開閉弁
に作用する押付け力を変更することにより、差圧弁42
が開となる圧力を変更することができる。
【0057】差圧弁42の設定差圧には異なる大きさの
第1の設定差圧と第2の設定差圧の2つの設定差圧値が
あり、第1の設定差圧が第2の設定差圧より大きいもの
として設定する。車両の走行中、差圧制御装置43は、
軌道情報データ24と地点検出装置25より算出される
走行位置を照合して、現在走行している地点を判定す
る。ここで軌道状態に合わせて差圧弁42の設定差圧を
変更する。現在、直線部を走行している場合は、差圧弁
42の設定差圧を第1の設定差圧とする。また、現在曲
線を走行しており、その曲線が傾斜動作をしない曲線の
場合は差圧弁42の設定差圧を第1の設定差圧とする。
現在曲線を走行しており、その曲線が傾斜動作をする曲
線の場合は、図9に示すように設定差圧を変更する。入
口緩和曲線部および出口緩和曲線部では、差圧弁42の
設定差圧を第2の設定差圧として設定する。一方、一定
半径曲線部では、差圧弁42の設定差圧を第1の設定差
圧とする。
【0058】ここで、差圧弁42を閉の状態とするた
め、第1の設定差圧は大きい値にすることが望ましい。
また、差圧弁42を開の状態とし、空気ばねの差圧を小
さくするため、第2の設定差圧はなるべく小さい値にす
ることが望ましい。
【0059】以上のように軌道状態に応じて設定差圧を
設定すると、図9に示すように差圧弁42が動作する。
まず、直線部では第1の設定差圧が空気ばねの差圧より
大きいため、差圧弁42は閉となる。次に入口緩和曲線
部に入ると第2の設定差圧が空気ばねの差圧より小さい
状態となるため、差圧弁42は開となり、空気ばねの差
圧は減少する。その結果、空気ばねの差圧は第2の設定
差圧とほぼ等しい値を保つ。次に一定半径曲線部に進入
した状態では、第1の設定差圧が空気ばねの差圧より大
きいため、差圧弁42は閉となる。この状態で空気ばね
の差圧は一定半径曲線部に進入した場合の圧力を保つ。
さらに走行して、出口緩和曲線部に進入した状態では、
第2の設定差圧が低いため、差圧弁42は開となり、空
気ばねの差圧は第2の設定差圧とほぼ等しい値を保つ。
出口緩和曲線部を通過して直線部に戻ると、第1の設定
差圧は空気ばねの差圧より大きい状態のため、差圧弁4
2は閉となる。以上の走行状態において、直線部および
一定半径曲線部では差圧弁42は閉の状態となり、左右
の空気ばねを分割させる。そのため、空気ばねの復元
力、減衰力を作用させ、乗り心地を良くすることができ
る。また、入口緩和曲線部および出口緩和曲線部では差
圧弁42は開の状態となり、左右の空気ばねを連通させ
る。そのため、空気ばねの復元力、減衰力を作用させ
ず、車体傾斜角を大きくすることにより乗り心地を良く
することができる。
【0060】なお、遠心力に対する車体傾斜動作の遅れ
がある場合、入口緩和曲線部においては設定差圧を第2
の設定差圧にする区間を一定半径曲線部の一部まで延長
することが望ましい。また、出口緩和曲線部では直線部
の一部まで設定差圧を第2の設定差圧にする区間を延長
することが望ましい。これにより、差圧弁42が開とな
っている時間を長くし、車体相対ロール角が変化する時
間を長くすることができる。その結果、車体が振り遅れ
た場合でも入口緩和曲線部では車体ロール角を大きい状
態で傾斜させ、出口緩和曲線部では車体ロール角をより
確実に車体が直立した状態に戻すことが可能となる。
【0061】また、図6に示したアクチュエータ72も
しくは、図7に示したアクチュエータ82L,82Rを
用いる場合、アクチュエータを駆動させるときに差圧弁
42の設定差圧を第2の設定差圧に設定しても良い。こ
れにより、差圧弁42を開として、空気ばねの復元力を
受けない状態で車体傾斜動作させることができる。
【0062】また、あらかじめ設定速度および高い値を
とる第3の設定差圧を定めておき、車両が停車した状態
あるいは低速走行状態では、速度検出装置26から得ら
れる走行速度がゼロもしくは設定速度値より低い場合
に、差圧制御装置43が差圧弁42の設定差圧を第3の
設定差圧に変更するよう構成することができる。この状
態では空気ばねの差圧は第3の設定差圧より小さいた
め、差圧弁42は閉となる。その結果、左右の空気ばね
は分割され、車体が傾斜する向きと逆向きの空気ばね復
元モーメントが作用する。そのため、車体の作用する重
力の内軌向き成分の力により車体が内軌側に倒れ、車体
のロール角が過大なることを防ぐことができる。
【0063】本実施の形態によれば、軌道情報データ2
4と地点検出装置25を用いて現在の走行位置を照合
し、車両の走行状態に対応して差圧弁42の設定差圧の
値を変更するため、軌道走行状態に応じた空気ばね連通
の切替が可能となり、直線部、曲線部において実施の形
態1と同様に乗り心地を向上させることができる。
【0064】(実施の形態3)次に、本発明の実施の形
態3について説明する。図10は鉄道車両が曲線を通過
している状態の空気ばね周辺の詳細図である。なお、実
施の形態1における部材と同一機能を有する部材に関し
ては同一の番号が付されている。
【0065】本実施の形態では、各空気ばねに高さ検出
器51が設けられている。高さ検出器51はレバー機構
・エンコーダにより構成され、上下方向の並進変位を回
転角に変換して、空気ばね7L,7Rの上下変位を測定
する。高さ検出器51から得られる空気ばね上下変位は
制御装置53に入力される。制御装置53は入力された
空気ばね上下変位と空気ばね左右間隔より台車に対する
車体相対ロール角を算出する。また、制御装置53は、
地点検出装置25から得られる現在の走行位置と軌道情
報データ24を照合し、現在走行中の地点を判定し、曲
線を走行している場合は曲線半径、カント、曲線通過設
定速度を算出する。制御装置53は、前記算出された曲
線半径、カントと、曲線通過設定速度をもとに目標傾斜
角を算出する。
【0066】制御装置53は、図11に示すように軌道
走行状態および車体相対ロール角、目標傾斜角に応じ
て、切替弁22の開閉制御を行う。車両が直線部および
曲線の一定半径曲線部を走行している場合は制御装置5
3は切替弁22を閉じる。これにより、空気ばねのばね
復元力、減衰力が得られ、振動を減衰、低減させ乗り心
地を良くできる。
【0067】車両が入口緩和曲線部を走行している状態
で、現在の車体相対ロール角が目標傾斜角より小さい場
合には切替弁22を開とし、空気ばねの上下方向の復元
力が働かないようにして、車体相対ロール角が大きくな
るようにする。一方、現在の車体相対ロール角が目標傾
斜角より大きい場合には切替弁22を閉とする。これに
より、空気ばねのばね復元力、減衰力の効果が得られる
ため、車体相対ロール角が目標傾斜角に対して大きくな
らないようにし、車体相対ロール角を目標傾斜角に追従
させることができる。
【0068】また、車両が出口緩和曲線部を走行してい
る状態で、現在の車体相対ロール角が目標傾斜角より大
きい場合には切替弁22を開とし、現在の車体相対ロー
ル角が目標傾斜角より小さい場合には切替弁22を閉と
する。これにより、車体相対ロール角を目標傾斜角に追
従させることができる。
【0069】なお、本実施の形態では、入口緩和曲線部
および出口緩和曲線部において測定される車体相対ロー
ル角に応じて切替弁22の開閉制御するものとしたが、
この場合、入口緩和曲線部では一定半径曲線部の一部ま
で切替弁22を開閉制御する区間を延長し、また、出口
緩和曲線部では直線部の一部まで切替弁22を開閉制御
する区間を延長するようにしても良い。このようにすれ
ば、車体が振り遅れた場合でも、入口緩和曲線部では車
体ロール角を大きい状態で傾斜させ、出口緩和曲線部で
は車体ロール角をより確実に車体が直立した状態に戻す
ことが可能となる。
【0070】また、図6に示したアクチュエータ72も
しくは、図7に示したアクチュエータ82L,82Rを
用いる場合、アクチュエータを駆動させるときに切替弁
22を開としても良い。これにより、空気ばねの復元力
を受けない状態で車体傾斜動作させ、アクチュエータの
駆動力を小さくできる。
【0071】また、台車に対する車体相対ロール角の絶
対値の限度値を定め、車体相対ロール角の絶対値が限度
値より大きい場合は、切替弁22を閉とすることによ
り、空気ばねのばね復元力を作用させ、外乱力等により
車体ロール角が過大となることを防ぐことができる。
【0072】さらに、高さ検出器51は、レバー機構・
エンコーダにより構成されるものとしたが、レーザ変位
計等の非接触位置センサを用いて空気ばね部の上下変位
を検出しても良い。
【0073】本実施の形態によれば、走行中に車体相対
ロール角を測定し、車体相対ロール角を目標傾斜角に追
従させるため、正確な傾斜動作が可能となり、乗り心地
を良くすることができる。また、直線部および曲線の一
定半径曲線部では、空気ばねの復元、減衰効果がある状
態にするため、振動を低減し乗り心地を良くすることが
できる。また、過大な車体ロール角を検知し、車体ロー
ル角が過大となるのを防止するためさらに安全な車体傾
斜制御装置を提供できる。
【0074】(実施の形態4)次に、本発明の実施の形
態4について説明する。図12は鉄道車両が曲線を通過
している状態の空気ばね周辺の詳細図である。なお、実
施の形態1における部材と同一機能を有する部材に関し
ては同一の番号が付されている。
【0075】本実施の形態では、車体1に加速度センサ
61が取り付けられており、車体1の床面を基準とする
車体左右加速度を測定し、測定した加速度を制御装置6
3に入力するようになっている。制御装置63は、地点
検出装置25から得られる現在の走行位置と軌道情報デ
ータ24を照合し、現在走行中の地点を判定し、現在曲
線部を走行している場合には曲線半径、カント、曲線通
過設定速度を算出する。制御装置63は、前記算出され
た曲線半径、カントと、曲線通過設定速度をもとに目標
加速度を算出する。
【0076】制御装置63は、図13に示すように軌道
走行状態および車体左右加速度に応じて、切替弁22の
開閉制御を行う。直線部および曲線の一定半径曲線部で
は加速度センサ61から得られる車体左右加速度の値に
関わらず、切替弁22を閉の状態とし、左右の空気ばね
を分割する。これにより、空気ばねのばね復元力、減衰
力が得られ、外乱に対する振動を低減し乗り心地を良く
できる。
【0077】入口緩和曲線部において、車体傾斜角が小
さく、加速度センサ61から得られる車体左右加速度が
目標加速度より大きい場合には切替弁22を開の状態と
する。これにより、空気ばねのばね復元力を受けない状
態で車体傾斜させ、車体の左右加速度を目標加速度に追
従することが可能になる。一方、車体傾斜角が大きく、
車体左右加速度が目標加速度より小さい場合には切替弁
22を閉の状態とする。これにより、空気ばねのばね復
元力、減衰力が得られ、車体ロール角が過大となり、車
体の左右加速度が目標加速度から大きくずれることを防
止できる。
【0078】出口緩和曲線部では、車体傾斜角が大き
く、加速度センサ61から得られる車体左右加速度が目
標加速度より小さい場合には切替弁22を開の状態とす
る。これにより、空気ばねのばね復元力を受けないた
め、車体の左右加速度を目標加速度に追従することが可
能になる。一方、車体傾斜角が小さく、車体左右加速度
が目標加速度より大きい場合には切替弁22を閉の状態
とする。これにより、空気ばねのばね復元力、減衰力が
得られ、車体の左右加速度が目標加速度からずれること
を防止できる。
【0079】なお、本実施の形態では、入口緩和曲線部
および出口緩和曲線部において測定される車体左右加速
度に応じて切替弁22の開閉制御するものとしたが、こ
の場合、入口緩和曲線部では一定半径曲線部の一部まで
切替弁22を開閉制御する区間を延長し、また、出口緩
和曲線部では直線部の一部まで切替弁22を開閉制御す
る区間を延長するようにしても良い。このようにすれ
ば、車体が振り遅れた場合でも、車体を傾斜させ、目標
加速度に近い値にすることが可能となる。
【0080】また、図6に示したアクチュエータ72も
しくは、図7に示したアクチュエータ82L,82Rを
用いる場合、アクチュエータを駆動させるときに切替弁
22を開としても良い。これにより、空気ばねの復元力
を受けない状態で車体傾斜動作させ、アクチュエータの
駆動力を小さくできる。
【0081】本実施の形態によれば、走行中に車体左右
加速度を測定し、人間が体感する左右加速度に関して適
性な加速度値を保った状態で走行することが可能とな
る。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
傾斜動作を行う緩和曲線部において左右の空気ばねを連
通させることにより、傾斜動作時の空気ばねの復元力を
なくすことができる。その結果、車体傾斜角を大きく
し、乗り心地を良くすることができる。
【0083】また、リンクトーションバーの付加と左右
の空気ばね連通により車体傾斜を実現するため、構造が
簡単で軽量の車体傾斜制御装置を提供できる。
【0084】さらに、傾斜動作をしない場合には、左右
の空気ばねを連通させない非連通状態にすることによ
り、空気ばねの復元力および減衰力を作用させることが
できる。その結果、外乱に対して乗り心地が良い状態を
保ち、かつ、車体ロール角が過大とならないようにする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による車体傾斜制御装置
の構成図である。
【図2】リンクトーションバーの一実施形態を示した斜
視図である。
【図3】リンクトーションバーの他の実施形態を示した
斜視図である。
【図4】車両走行時における車体傾斜制御装置の動作を
示す図である。
【図5】車両走行時における車体傾斜制御装置の動作を
更に詳細に示す図である。
【図6】アクチュエータを設けた車体傾斜制御装置の構
成図である。
【図7】アクチュエータを設けた車体傾斜制御装置の他
の構成図である。
【図8】本発明の実施の形態2による車体傾斜制御装置
の構成図である。
【図9】図8の車体傾斜制御装置における弁の開閉状況
を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態3による車体傾斜制御装
置の構成図である。
【図11】図10の車体傾斜制御装置における弁の開閉
状況を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態4による車体傾斜制御装
置の構成図である。
【図13】図12の車体傾斜制御装置における弁の開閉
状況を示す図である。
【符号の説明】
1 車体 2 台車枠 3 輪軸 6 軸ばね 7R,7L 空気ばね 8R,8L 空気ばね本体 9R,9L 補助タンク 10 リンクトーションバー 11L,11R,81L,81R リンク 12 トーションバー 13L,13R レバー 14 ブラケット 15,16 球面軸受け 21,31 配管 22 切替弁 23,43,53,63,73,83 制御装置 24 軌道情報データ 25 地点検出装置 26 速度検出装置 32,42 差圧弁 51 高さ検出器 61 加速度センサ 72,82L,82R アクチュエータ 74,84 傾斜制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 9/50 F16F 9/50 (72)発明者 高井 英夫 山口県下松市東豊井794番地 株式会社日 立製作所笠戸事業所内 (72)発明者 岩崎 克行 山口県下松市東豊井794番地 株式会社日 立製作所笠戸事業所内 (72)発明者 檜垣 博 山口県下松市東豊井794番地 株式会社日 立製作所笠戸事業所内 (72)発明者 瀬畑 美智夫 山口県下松市東豊井794番地 株式会社日 立製作所笠戸事業所内 Fターム(参考) 3J069 AA09 EE70

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車の左右両側端部に設けられた空気ば
    ねで車体が支持され、かつ車体と台車とがリンクトーシ
    ョンバーによって連結され、前記リンクトーションバー
    は、車体の幅方向に沿って配置されたトーションバー
    と、前記トーションバーの両端に固定されたレバーと、
    前記各レバーの端部に接続され車体に近い方の端点間距
    離が台車に近い方の端点間距離よりも短くなるよう斜め
    に配置された2つのリンクとを有し、車体に遠心力が加
    わると、前記リンクトーションバーは変形し台車に対す
    る車体のロール角を変化させて、車体傾斜動作を行う鉄
    道車両の車体傾斜制御装置において、 前記左右の空気ばねを連通する空気通路を形成する配管
    と、前記空気通路を開閉する切替弁と、前記切替弁を開
    閉制御する制御装置とを備え、 前記制御装置は、前記車体傾斜動作を行う場合に前記切
    替弁を開とし、前記車体傾斜動作を行わない場合に前記
    切替弁を閉とすることを特徴とする鉄道車両の車体傾斜
    制御装置。
  2. 【請求項2】 台車の左右両側端部に設けられた空気ば
    ねで車体が支持され、かつ車体と台車とがリンクトーシ
    ョンバーによって連結され、前記リンクトーションバー
    は、車体の幅方向に沿って配置されたトーションバー
    と、前記トーションバーの両端に固定されたレバーと、
    前記各レバーの端部に接続され車体に近い方の端点間距
    離が台車に近い方の端点間距離よりも短くなるよう斜め
    に配置された2つのリンクとを有し、車体に遠心力が加
    わると、前記リンクトーションバーは変形し台車に対す
    る車体のロール角を変化させて、車体傾斜動作を行う鉄
    道車両の車体傾斜制御装置において、 前記左右の空気ばねを連通する空気通路を形成する配管
    と、前記空気通路を開閉する切替弁と、前記切替弁を開
    閉制御する制御装置と、車両の現在の走行位置を算出す
    る地点検出装置と、軌道形状および曲線における走行速
    度である曲線通過設定速度を記録した軌道情報データと
    を備え、 前記制御装置は、前記地点検出装置で算出した車両の現
    在の走行位置データと前記軌道情報データを取り込ん
    で、その取り込んだ2つのデータを照合することによ
    り、車両が現在軌道のどの部分を走行しているかを判定
    し、曲線の緩和曲線部を走行しているときは前記切替弁
    を開とし、直線部または曲線の一定半径曲線部を走行し
    ているときは前記切替弁を閉とすることを特徴とする鉄
    道車両の車体傾斜制御装置。
  3. 【請求項3】 台車の左右両側端部に設けられた空気ば
    ねで車体が支持され、かつ車体と台車とがリンクトーシ
    ョンバーによって連結され、前記リンクトーションバー
    は、車体の幅方向に沿って配置されたトーションバー
    と、前記トーションバーの両端に固定されたレバーと、
    前記各レバーの端部に接続され車体に近い方の端点間距
    離が台車に近い方の端点間距離よりも短くなるよう斜め
    に配置された2つのリンクとを有し、車体に遠心力が加
    わると、前記リンクトーションバーは変形し台車に対す
    る車体のロール角を変化させて、車体傾斜動作を行う鉄
    道車両の車体傾斜制御装置において、 前記左右の空気ばねを連通する空気通路を形成する配管
    と、前記左右の空気ばねの内圧差が設定差圧以上の場合
    に前記空気通路を開とし、内圧差が設定差圧未満の場合
    に前記空気通路を閉とする差圧弁と、前記差圧弁の設定
    差圧を調節する差圧制御装置と、車両の現在の走行位置
    を算出する地点検出装置と、軌道形状および曲線におけ
    る走行速度である曲線通過設定速度を記録した軌道情報
    データとを備え、 前記差圧弁の設定差圧として、第1の設定差圧と、この
    第1の設定差圧よりも小さい第2の設定差圧が用意さ
    れ、 前記差圧制御装置は、前記地点検出装置で算出した車両
    の現在の走行位置データと前記軌道情報データを取り込
    んで、その取り込んだ2つのデータを照合することによ
    り、車両が現在軌道のどの部分を走行しているかを判定
    し、直線部または曲線の一定半径曲線部を走行している
    ときは前記設定差圧を前記第1の設定差圧に調節し、曲
    線の緩和曲線部を走行しているときは前記設定差圧を前
    記第2の設定差圧に調節することを特徴とする鉄道車両
    の車体傾斜制御装置。
  4. 【請求項4】 台車の左右両側端部に設けられた空気ば
    ねで車体が支持され、かつ車体と台車とがリンクトーシ
    ョンバーによって連結され、前記リンクトーションバー
    は、車体の幅方向に沿って配置されたトーションバー
    と、前記トーションバーの両端に固定されたレバーと、
    前記各レバーの端部に接続され車体に近い方の端点間距
    離が台車に近い方の端点間距離よりも短くなるよう斜め
    に配置された2つのリンクとを有し、車体に遠心力が加
    わると、前記リンクトーションバーは変形し台車に対す
    る車体のロール角を変化させて、車体傾斜動作を行う鉄
    道車両の車体傾斜制御装置において、 前記左右の空気ばねを連通する空気通路を形成する配管
    と、前記空気通路を開閉する切替弁と、前記切替弁を開
    閉制御する制御装置と、前記左右の空気ばねの上下変位
    を検出する高さ検出器と、車両の現在の走行位置を算出
    する地点検出装置と、軌道形状および曲線における走行
    速度である曲線通過設定速度を記録した軌道情報データ
    とを備え、 前記制御装置は、前記高さ検出器で検出した左右の空気
    ばねの上下変位データを取り込んで、その上下変位デー
    タと左右の空気ばねの間隔より前記ロール角を算出し、
    さらに前記地点検出装置で算出した現在の車両の走行位
    置データと前記軌道情報データを取り込んで、その取り
    込んだ2つのデータを照合することにより、現在走行し
    ている軌道の曲線半径、カント、曲線通過設定速度を算
    出するとともに、前記曲線半径、カントおよび曲線通過
    設定速度より目標傾斜角を定め、 車両が曲線の入口緩和曲線部を走行しているとき、前記
    ロール角が前記目標傾斜角以上の場合は前記切替弁を閉
    とし、前記ロール角が前記目標傾斜角未満の場合は前記
    切替弁を開とする一方、 車両が曲線の出口緩和曲線部を走行しているとき、前記
    ロール角が前記目標傾斜角以上の場合は前記切替弁を開
    とし、前記ロール角が前記目標傾斜角未満の場合は前記
    切替弁を閉とすることを特徴とする鉄道車両の車体傾斜
    制御装置。
  5. 【請求項5】 台車の左右両側端部に設けられた空気ば
    ねで車体が支持され、かつ車体と台車とがリンクトーシ
    ョンバーによって連結され、前記リンクトーションバー
    は、車体の幅方向に沿って配置されたトーションバー
    と、前記トーションバーの両端に固定されたレバーと、
    前記各レバーの端部に接続され車体に近い方の端点間距
    離が台車に近い方の端点間距離よりも短くなるよう斜め
    に配置された2つのリンクとを有し、車体に遠心力が加
    わると、前記リンクトーションバーは変形し台車に対す
    る車体のロール角を変化させて、車体傾斜動作を行う鉄
    道車両の車体傾斜制御装置において、 前記左右の空気ばねを連通する空気通路を形成する配管
    と、前記空気通路を開閉する切替弁と、前記切替弁を開
    閉制御する制御装置と、車体床面を基準とする車体左右
    方向の加速度を測定する加速度センサと、現在の車両の
    走行位置を算出する地点検出装置と、軌道形状および曲
    線における走行速度である曲線通過設定速度を記録した
    軌道情報データとを備え、 前記制御装置は、前記地点検出装置で算出した現在の車
    両の走行位置データと前記軌道情報データを取り込ん
    で、その取り込んだ2つのデータを照合することによ
    り、現在走行している軌道の曲線半径、カント、曲線通
    過設定速度を算出するとともに、前記曲線半径、カント
    および曲線通過設定速度より目標加速度を定め、 さらに前記加速度センサで測定した車体左右方向の加速
    度を取り込んで、車両が曲線の入口緩和曲線部を走行し
    ているとき、前記車体左右方向の加速度が前記目標加速
    度以上の場合は前記切替弁を開とし、前記車体左右方向
    の加速度が前記目標加速度未満の場合は前記切替弁を閉
    とする一方、 車両が曲線の出口緩和曲線部を走行しているとき、前記
    車体左右方向の加速度が前記目標加速度以上の場合は前
    記切替弁を閉とし、前記車体左右方向の加速度が前記目
    標加速度未満の場合は前記切替弁を開とすることを特徴
    とする鉄道車両の車体傾斜制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項2,4又は5に記載の鉄道車両の
    車体傾斜制御装置において、 前記制御装置は、入口緩和曲線部および出口緩和曲線部
    において前記切替弁を開閉制御する区間を、入口緩和曲
    線部では一定半径曲線の一部まで、出口緩和曲線部では
    直線部の一部まで車両の進行方向に沿って延長すること
    を特徴とする鉄道車両の車体傾斜制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の鉄道車両の車体傾斜制
    御装置において、 前記差圧制御装置は、入口緩和曲線部および出口緩和曲
    線部において前記差圧弁の設定差圧を調節する区間を、
    入口緩和曲線部では一定半径曲線の一部まで、出口緩和
    曲線部では直線部の一部まで車両の進行方向に沿って延
    長することを特徴とする鉄道車両の車体傾斜制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,4,5のいずれか1項に
    記載の鉄道車両の車体傾斜制御装置において、 車体傾斜動作を行わせるアクチュエータを取り付けると
    ともに、前記アクチュエータを制御する傾斜制御装置を
    設け、前記傾斜制御装置によって前記アクチュエータが
    駆動しているときは、前記制御装置は、前記切替弁を開
    とすることを特徴とする鉄道車両の車体傾斜制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の鉄道車両の車体傾斜制
    御装置において、 車体傾斜動作を行わせるアクチュエータを取り付けると
    ともに、前記アクチュエータを制御する傾斜制御装置を
    設け、前記傾斜制御装置によって前記アクチュエータが
    駆動しているときは、前記差圧制御装置は、前記差圧弁
    の設定差圧を前記第2の設定差圧に調節することを特徴
    とする鉄道車両の車体傾斜制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の鉄道車両の車
    体傾斜制御装置において、 入口緩和曲線部および出口緩和曲線部において前記アク
    チュエータを駆動させる区間を、入口緩和曲線部では直
    線の一部まで、出口緩和曲線部では一定半径曲線の一部
    まで車両の進行方向の逆向きに延長することを特徴とす
    る鉄道車両の車体傾斜制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項1,2,4,5のいずれか1項
    に記載の鉄道車両の車体傾斜制御装置において、 あらかじめ車両の設定速度を定めておき、車両が設定速
    度以下で走行もしくは停止したとき、前記制御装置は前
    記切替弁を閉とすることを特徴とする鉄道車両の車体傾
    斜制御装置。
  12. 【請求項12】 請求項3に記載の鉄道車両の車体傾斜
    制御装置において、 あらかじめ車両の設定速度を定めておき、車両が設定速
    度以下で走行もしくは停止したとき、前記差圧制御装置
    は前記差圧弁の設定差圧を前記第1の設定差圧よりも大
    きな第3の設定差圧に調節することを特徴とする鉄道車
    両の車体傾斜制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項4に記載の鉄道車両の車体傾斜
    制御装置において、 前記ロール角の限度値を定めておき、ロール角が前記限
    度値を超えた場合、前記制御装置は前記切替弁を閉とす
    ることを特徴とする鉄道車両の車体傾斜制御装置。
  14. 【請求項14】 請求項1,2,4,5のいずれか1項
    に記載の鉄道車両の車体傾斜制御装置において、 前記配管とは別に設けられ、前記左右の空気ばねを連通
    する空気流路を形成する第2の配管と、前記左右の空気
    ばねの内圧差が設定差圧以上の場合は前記空気通路を開
    とし、設定差圧未満の場合は前記空気通路を閉とする差
    圧弁とを備えたことを特徴とする鉄道車両の車体傾斜制
    御装置。
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