JP4698290B2 - 鉄道車両の車体傾斜制御システム - Google Patents

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Description

この発明は、鉄道車両が曲線路(曲線軌道)を走行する際に車体を強制的に内軌側に傾
斜させることにより、高速での走行を可能にするとともに乗り心地を改善する鉄道車両の車体傾斜制御システムに関するもので、詳しくは空気バネ高さを制限するリミッター手段を備えた車体傾斜制御システムに関するものである。
本発明が対象とする車体傾斜制御システムは、車体を台車上に弾性支持する左右の空気バネへ給排気手段により加圧空気を給排気し、車両が曲線路を走行する際に車体をスムーズに傾けるものである。従来、鉄道車両では台車上に車体を空気バネを介して支持しており、加圧空気の空気バネへの給排気は一般に自動高さ調節弁(レベリングバルブともいう)により行われている。レベリングバルブは、周知のように、乗客の増減によって車体が昇降して高さが変化するのを検出し空気バネへ加圧空気を給排気することにより、台車上で車体を左右水平にかつ一定高さに保持するために備えられている。
例えば、新幹線(登録商標)用車両の場合、曲線路ではカントを設けて台車ごと内軌側へ傾斜させることにより比較的高速度での走行を可能にしている。いいかえれば、新幹線(登録商標)用車両では、とくに曲線路で車体を強制的に内軌側へ傾斜させるための車体傾斜制御システムは装備されておらず、空気バネはレべリングバルブのみによる給排気で、車高が一定になるように制御されている。
また、新幹線(登録商標)以外の車両、いわゆる在来線の車両では、例えば、レベリングバルブとは別に車体傾斜制御手段を設け、曲線路走行時にその車体傾斜制御手段からの指令信号に基づいて、左右の空気バネのうち内軌側の空気バネ内の空気を排出して中間高さから最小高さへ縮小させる一方、外軌側の空気バネへ空気を供給して中間高さから最大高さへ伸長させることにより、曲線路で車体を強制的に内軌側へ傾斜制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
その他の先行技術に、台車と車体間に空気バネを備えた鉄道車両において、車体傾斜専用の給排気手段を設け、高圧空気源からレベリングバルブを経由して空気バネに至る流路を遮断して専用の給排気手段より空気バネに加圧空気を供給することにより、曲線路で車体を強制的に傾斜制御するシステムがある(例えば、非特許文献1参照)。この車体傾斜制御システムでは、図5に示すように台車107は空気バネ110a・110bを左右にそれぞれ備えており、車体104が左右の空気バネ110a・110b上に載置されている。左右の各空気バネ110a・110bは制御器105からの指令信号にて操作される給気弁102a・102bによって元空気だめ101から加圧空気が供給され、また同様に操作される排気弁103a・103bによって排気されることで、空気バネ高さが調整され車体104が内軌側へ傾斜させられる。つまり、図5に示される一例では、給気弁102bと排気弁103aとが操作され、曲線路において外軌側の空気バネ110bに加圧空気が供給されるとともに、内軌側の空気バネ110aから排気されることによって車体104が内軌側へ傾斜させられる。なお、図中の符号106a・106bは空気バネ高さセンサを、符号108は輪軸をそれぞれ示す。
また、図6は空気バネ高さを制限するためのリミッター手段の一例を示すもので、レベリングバルブ116の弁軸116bにてこ116aの基端部が一体回転可能に取り付けられ、このてこ116aに円弧状に延びるスイッチ操作片117が取り付けられている。一方、レベリングバルブ本体116cの下面中央にリミットスイッチ118が設置されてお
り、てこ116aが水平な基準位置から時計方向へ所定角度回転すると、リミットスイッチ118に操作片117が当たってレベリングバルブ116の開度が制限され、空気バネ110a・110b(図5参照)の高さが制限される。てこ116aの先端には、図示を省略した連結棒が台車(図1参照)から上向きに設けられ、この連結棒の上端が前記てこの先端に接続されており、台車に対する車体の傾斜および上下移動に応じて両者間の距離が変わるのに合わせてレベリングバルブの開度が変化したり開閉したりする。図6中の符号119は空気バネ高さセンサ(エンコーダ)、119bはセンサ回転軸、120はセンサ駆動用ベルトである。
車体傾斜制御時には、前記自動高さ調整弁と空気バネとの間の流路を遮断弁により遮断し、前記車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系による空気バネへの給排気を行う一方、非制御時には前記自動高さ調整弁によるメカニカルな車体姿勢制御を行うとする場合、非制御時は自動高さ調整弁により従来の車両と同等の機能、つまり乗客の増減に対応して車体高さを一定に保持する機能をもたすことが前提となる。さらに車両が曲線路を走行する際に、車体傾斜制御により外軌側の空気バネを上昇して台車に対し車体を内軌側へ傾斜させる場合、空気バネ高さの制限値が一つだけに設定された従来のリミッター手段(図8参照
)を備えた車体傾斜制御システムのように内軌側の空気バネ高さも外軌側と共通の比較的高い制限値になっていると、フェール時、つまり曲線路で車体が外軌側へ逆向きに傾斜した時に、車体が外軌側へ大きく傾斜した状態で曲線路を走行することになり、車両が転倒するおそれが生じるうえに、とくに乗客に対して大きな遠心力が作用して乗り心地を非常に悪くする。
ところで、リミッター手段は空気バネ高さが著しく大きく上昇しないように制限するもので、従来のように制限値を一つだけ設定する場合には、直線路走行時には車体を一方へ傾斜させる必要がないことから、制限値は内軌側と同様に下側制限値を選択して小さくすべきである。また正常の車体傾斜制御時には外軌側の空気バネ高さの制限値を可能な範囲内で可及的に大きくして車体を内軌側へ必要十分に傾斜させる一方、フェール時には内軌側の空気バネ高さの制限値を極力小さくして外軌側への車体の傾斜を最小限に抑制することが要求される。
なお、上記新幹線(登録商標)用車両の場合、曲線路で車体を強制的に傾斜制御する装置が装備されていないために、曲線路にさしかかる手前でいったん減速し、曲線路を通過後に増速していることから、より早く目的地に到着するためには直線路はもとより曲線路においても高速度で走行することが必須であり、しかも曲線路手前でブレーキをかけて減速することは乗り心地を悪くする上に省エネルギーの観点から見ても不利である。
この発明は上述の点に鑑みなされたもので、曲線路走行時に外軌側の空気バネ高さを必要十分に上昇させて車体を内軌側へ大きく傾斜させることにより曲線路での走行速度を上げることができる一方、車体傾斜制御のフェール時には内軌側の空気バネ高さの上昇を最小限に制限して車体を迅速に水平な姿勢に復帰させられて曲線路走行時に安全性を高めることができる、鉄道車両の車体傾斜制御システムを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御システムは、台車上に左右一対の空気バネを介して車体を支持し、空気バネ高さ検出手段により左右の前記空気バネ高さを検出して前記車体を一定高さに調整する自動高さ調整弁とこの自動高さ調整弁を経由した加圧空気供給系とは別系統の車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系とを備え、左右の前記空気バネ高さをそれぞれリミッター手段にて制限する鉄道車両の車体傾斜制御システムにおいて、前記左右のリミッター手段は、空気バネ高さに相当する下側制限値用リミッターと、これより制限値の大きい上側制限値用リミッターとで構成するとともに、曲線路の走行時に内軌側の空気バネ高さには前記下側制限値用リミッターを選択させ、逆傾斜を防止する一方、外軌側の空気バネ高さには前記上側制限値用リミッターを選択させ、過傾斜を防止する制限値選択手段を設ける
ことを特徴とするものである。
上記の構成を有する鉄道車両の車体傾斜制御システムによれば、台車上で車体を支持する左右の空気バネの高さを制限するリミッター手段が曲線路走行時に、制限値選択手段を介して外軌側では上側制限値用リミッターを選択し、内軌側では下側制限値用リミッターを選択するから、車体傾斜制御システムにより車体を内軌側へ強制的に傾斜する際には、車速に応じて車体を必要十分に傾斜させられるので、乗客に対しては遠心力の影響を最小限に抑えて乗り心地を良好にする一方、車両についてはより高速での走行を可能にしてスピードアップを図れる。しかも、万一、車体傾斜制御がフェールして曲線路で外軌側へ車体を傾斜させようとした時には、内軌側の空気バネ高さの上昇が下側制限値にて低く制限されるので、外軌側への傾斜角度が小さく抑えられる。また、車体傾斜制御がフェールすると、通常は車体傾斜制御が解除されるので、外軌側へ傾斜した車体はレベリングバルブによる姿勢制御によって速やかに水平もしくは曲線路のカントに応じて内軌側へ傾斜する。とくに、新幹線(登録商標)用車両の場合、従来と違って曲線路走行時のスピードダウン(ブレーキ作用)が緩和されるかスピードダウン(ブレーキ操作)が全く不要になることから、スピードアップだけでなく省エネルギー性にも優れた走行が確保される。
請求項2に記載のように、前記各リミッター手段が、相互に設置位置の異なるリミットスイッチと、前記自動高さ調整弁の開閉操作用てこに設けられた、前記各リミットスイッチに対応する当接部とからなっていてもよい。
請求項2記載の鉄道車両の車体傾斜制御システムによれば、曲線路走行時に車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系を介して外軌側空気バネへ加圧空気が供給されることにより車体が内軌側へ傾斜することにより自動高さ調整弁のてこが特定方向(例えば下向き)に回
転し、所定角度回転すると当接部がリミットスイッチに当たって空気バネの上昇が制限される。
本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御システムは、自動高さ調整弁による空気バネへの加圧空気供給により車体高さを一定に保つ制御だけでなく、遮断弁等により切り換えられることによって車体傾斜制御専用の加圧空気供給系により左右の空気バネのうち外軌側空気バネへの加圧空気供給により、空気バネ高さが上側制限値までの範囲内で上昇し曲線路において車体の過傾斜が防止されるとともに車体をカント量以上に内軌側へ傾斜させて走行させることが可能になるので、より高速で通過でき、さらなる高速化が図れると同時に乗客に対する乗り心地も改善される。また、万一、車体傾斜制御がフェールした時には、曲線路内軌側の空気バネ高さについては下側制限値が選択されているので、車体の逆傾斜が最小限に制限され、走行上の安全性が確保される−という優れた効果がある。
以下、本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御システムについて実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の鉄道車両における車体傾斜制御システムの実施例を模式的に示す車両の
前部断面図で、本例の鉄道車両1は車体傾斜制御システム1sを備えている。
図1に示すように、鉄道車両1は車体2と、この車体2の前後部に台車5をそれぞれ備えている。前後の各台車5上には空気バネ3が左右に設置され、車体2が空気バネ3L・3R上に載置され弾性的に支持されている。台車5の台車枠50と車体2の底部との間は、図示を省略した牽引装置で連結されている。各台車5は車軸51の両側に車輪52・52を備え、各車輪52が軌道55上に走行可能に載置されている。
また、鉄道車両1には、乗客の乗り降りや走行中の荷重の変動などに対し車体2の高さを一定にするための、自動高さ調整用給排気系6と、曲線路を走行する際に台車5上で車体4を内軌側へ傾斜するための、車体傾斜制御用給排気系10とがそれぞれ配備され、さらに両給排気系6・10に共通の車体傾斜制御手段4と車体傾斜給排気手段8とが配備されている。
自動高さ調整用給排気系6は、左右一対の空気高さ制限機構(リミッター手段)付きLV(レベリングバルブ)6L・6Rを主要構成部材として備えている。LV6L・6Rは、台車枠50の両側方における車体2の底部両側部に設置され、各LV6L・6Rのてこ6aの一端と台車枠50から側方へ水平に延設された支持具53の先端とが、後述の上方へ延びる連結棒6cで接続されている。一方、車体傾斜制御給排気系10は、左右一対の制御給排気弁10L・10Rを主要構成部材として備えている。
各制御給排気弁10L・10Rはそれぞれ対応する左又は右の空気バネ3に配管32で直接接続され、各LV6L・6Rはそれぞれ対応するLV遮断弁(切換弁)7L・7Rおよび対応する配管32を介して左又は右の空気バネ3に接続されている。各LV6L・6Rおよび各制御給排気弁10L・10Rは、いずれも元空気だめとしてのエアタンク15に配管33で接続されている。なお、車体傾斜給排気手段8はLV遮断弁7L・7Rおよび制御給排気弁10L・10Rで構成され、LV遮断弁7L・7Rが閉鎖されると、制御給排気弁10L・10Rが車体傾斜制御手段4によって開閉制御される。また、LV遮断弁7L・7Rが開放されると、制御給排気弁10L・10Rは閉鎖されるようになっており、これらの開閉制御は車体傾斜制御手段4によって選択的に行われる。
車体傾斜制御手段4は、鉄道車両1が曲線路を走行する際にLV遮断弁7L・7Rを閉鎖する。そして、曲線路のデータに基づいて制御給排気弁10L・10Rを開閉制御し、車体2を内軌側へ傾動する車体傾斜制御を行う。具体的には、左右の空気バネ3・3のうち外軌側の空気バネ3へだけエアタンク15から加圧空気を供給したり、あるいは同時に内軌側の空気バネ3の空気を排出したりして左右の空気バネ3L・3Rの高さを調整(変更)することにより、車体2を内軌側へ強制的に傾動させ、曲線路走行時の、とくに車体2に作用する遠心力を低減し、乗客の乗り心地を改善すると同時に、走行速度を低下させないで曲線路を走行させることにより、スピードアップを図ることができる。
こうして鉄道車両1が曲線路を通過すると、LV遮断弁7L・7Rを開放すると同時に制御給排気弁10L・10Rを閉鎖する。LV遮断弁7L・7Rが開放され、かつ制御給排気弁10L・10Rが閉鎖された状態では、自動高さ調整用給排気系6としての左右のLV6L・6Rが、てこ6aの回転角と回転方向に応じて左右の空気バネ3L・3Rへエアタンク15から加圧空気を供給したり、空気バネ3L・3Rの空気を排出したりして車体2を一定高さおよび水平に維持する、車体2の自動高さ調整が行われる。
自動高さ調整用給排気系6は、LV(高さ制御弁)6R・6LとこれらのLV6R・6Lの弁軸6bに基端が一体回転可能に固定されたてこ6aのほか、てこ6aと台車枠50の支持具53を接続する連結棒6cとを備え、車体2の荷重が変化しても台車5と車体2
間の距離(間隔)が一定になるように、言い換えれば空気バネ3・3の高さが常に一定になるようにLV6R・6Lによりメカ的に給排気制御される。また、自動高さ調整用給排気系6は空気バネ高さ検出手段20を具備するが、高さ検出手段20には本例では、ビルトインタイプの一対のロータリエンコーダ20L・20Rが用いられており、各エンコーダは、図2(b)に示すようにLV6の弁軸6b上に一連に並べて装着され、それぞれ弁軸6bと一体回転する。これらのロータリエンコーダ20L・20Rによる左右の空気バネ3L・3Rの高さ検出は、LV遮断弁7L・7Rを閉鎖した状態、つまり車体傾斜制御用給排気系10の動作時にも同様に機能する。
なお、車体傾斜制御手段4への鉄道車両1の走行時における曲線路に関するデータ(例えば、曲線路の開始位置、曲線半径、カント量)、走行方向(上り・下り)などの車両走行に関するデータは、本例ではATCを利用して送受信により行われ、また鉄道車両1の位置補正信号および走行速度信号が軌道上の外部機器あるいは鉄道車両1内の計器などから車体傾斜制御手段4に逐次入力され、曲線路の曲率半径や曲線路のカント量や鉄道車両1の走行速度などを勘案して車体傾斜制御手段4にて車体2の必要な傾斜角度が決定され、車体2が傾斜制御される。
ところで、図2は本発明の特徴部分である空気バネ3の高さを制限するリミッター手段9の一実施例を示すもので、本例では図2のように各LV6R・6Lのてこ6aに長さの異なる円弧状の操作片64・65を相対向する方向に取り付け、各操作片64・65の先端に位置する当接部64a・65aに対応するリミットスイッチ66・67を各LV6R・6Lの本体6dに位置を変えて取り付けている。また、各リミットスイッチ66・67には、2つのリミットスイッチ66・67のうち有効な方(言い換えれば制限値)を選択
する制限値選択手段68を接続している。なお、本例では、下側制限値用リミッターが操作片64の先端に位置する当接部64aとこれに対応するリミットスイッチ66で、また上側制限値用リミッターが操作片65の先端に位置する当接部65aとこれに対応するリミットスイッチ67とで構成される。
上記制限値選択手段68(図1参照)は、例えばレートジャイロ(角速度センサ)を内蔵し、軌道上を走行する台車5の水平面に対する傾きを検知する。これにより、曲線路では鉄道車両1の内軌側と外軌側とを選別し、内軌側の空気バネ3に対しては制限値の小さい下側制限値(リミットスイッチ66)を、外軌側の空気バネ3に対しては制限値の大きい上側制限値(リミットスイッチ67)をそれぞれ選択させる。また、直線路では内外軌両側の空気バネ3に対して制限値の小さい下側制限値(リミットスイッチ66)を選択させる。
このように空気バネ3の高さを制限するリミッター手段9を2種類のリミッターにして構成したことにより、例えば、車体傾斜制御により車体2が曲線路の内軌側へ傾斜した状態で、外軌側の空気バネ3の高さをリミットスイッチ67により上側制限値に制限して車体2の過傾斜を防止したり、逆傾斜(車体傾斜制御のフェール)時の車体姿勢を内軌側の空気バネ3の高さをリミットスイッチ66により下側制限値に制限し傾斜角の小さな範囲内に拘束して走行安全性を向上したりすることができる。要するに、2つのリミットスイッチ66・67のうち有効な方を軌道の状況に応じて制限値選択手段68により選択させることで、過傾斜と逆傾斜の車体姿勢の制限量を変えたり、車体傾斜制御を行わない通常の走行(LV6R・6Lによる自動高さ調整)時には制限値の小さいリミットスイッチ66を動作させたりすることができる。
図3および図4は空気バネ高さを制限するリミッター手段の他の実施例を示すもので、図3に示すように当接部64a・65aを円周方向に位置を変えて形成した共通の操作片64’をてこ6aの一方にだけ取り付け、各LV6R・6Lの本体6dに当接部64a・65aに対応する2つのリミットスイッチ部66a・67aを上下に位置をずらせて備え
た共通のリミットスイッチ66’を設けることにより、同様の作用をさせることもできる。また、図4に示すように共通の当接部64aを備えた操作片64をてこ6aの一方にだけ取り付け、各LV6R・6Lの本体6dに2つのリミットスイッチ66・67を前後に位置をずらせて設けることにより、同様の作用をさせることもできる。なお、リミッター手段9はリミットスイッチ66・67に限らず、例えば近接センサ、レーザセンサであってもよい。
以上のようにして本実施例に係る鉄道車両の車体傾斜制御システムが構成されるが、この制御システムによる車体傾斜動作について説明する。
図1または図2において、鉄道車両1が曲線路の開始位置にくると、1系の車体傾斜制御手段4からの指令を受けてLV遮断弁7L・7RによりLV6R・6Lから空気バネ3・3への配管31が遮断され、同時に制御給排気弁10L・10Rを介してエアタンク15から外軌側の空気バネ3への加圧空気の供給が行われる。本例では、制御を容易にするため、内軌側の空気バネ3からの排気は行わないようにしている。しかし、実際には外軌側の空気バネ3へ加圧空気を供給して伸長させ空気バネ高さの高くすると同時に、内軌側の空気バネ3内の空気を排出して収縮させ空気バネ高さを下げることによって車体傾斜制御する方法を採ることもできる。ただし、こうした制御は曲線路において鉄道車両1を高速で走行させる場合であり、走行速度があらかじめ設定した速度より遅い場合には車体傾斜制御用給排気系10では左右(内軌側と外軌側)の空気バネ3・3の高さを制御しない、いわゆるLV6R・6Lによる通常の車体2の自動高さ調整が行われる。
本発明に係る車体傾斜制御システムは在来線に比べて高速走行する新幹線(登録商標)用車両に搭載するのに最適で、曲線路走行時の乗り心地を改善し、曲線路へ進入する際のブレーキ操作を不要にして高速化と省エネルギー化を図ることができる。
本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御システムの実施例を模式的に示す車両の前部断面図で、図1(a)は車体の自動高さ調整状態を表し、図1(b)は車体傾斜制御状態を表す。 空気バネ高さを制限するリミッター手段9の一実施例を示すもので、図2(a)は正面図、同(b)は左側面図である。 空気バネ高さを制限するリミッター手段9の別の実施例を示す正面図である。 空気バネ高さを制限するリミッター手段9のさらに別の実施例を示す正面図である。 車体傾斜制御システムの従来例を模式的に示す車両の前部断面図である。 空気バネ高さを制限するためのリミッター手段の従来例を示すもので、図6(a)は正面図、同(b)は左側面図である。
符号の説明
1 鉄道車両
1s車体傾斜制御システム
2 車体
3 空気バネ
4 車体傾斜制御手段
5 台車
6 自動高さ調整用給排気系
6aてこ
6b弁軸
6c連結棒
6L・6R LV(レベリングバルブ・自動高さ調整弁)
7L・7R LV遮断弁(切換弁)
8 車体傾斜給排気手段
9 リミッター手段
10 車体傾斜制御用給排気系
10L・10R 制御給排気弁
15 エアタンク
20 空気バネ高さ検出手段(ロータリエンコーダ・レゾルバ)
31〜33 配管
50 台車枠
64・65 操作片
64a・65a当接部(リミッター)
66・67 リミットスイッチ(リミッター)
68 制限値選択手段(リミッター選択手段)

Claims (2)

  1. 台車上に左右一対の空気バネを介して車体を支持し、空気バネ高さ検出手段により左右の前記空気バネ高さを検出して前記車体を一定高さに調整する自動高さ調整弁とこの自動高さ調整弁を経由した加圧空気供給系とは別系統の車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系とを備え、左右の前記空気バネ高さをそれぞれリミッター手段にて制限する鉄道車両の車体傾斜制御システムにおいて、
    前記左右のリミッター手段は、空気バネ高さに相当する下側制限値用リミッターと、これより制限値の大きい上側制限値用リミッターとで構成するとともに、
    曲線路の走行時に内軌側の空気バネ高さには前記下側制限値用リミッターを選択させ、逆傾斜を防止する一方、外軌側の空気バネ高さには前記上側制限値用リミッターを選択させ、過傾斜を防止する制限値選択手段を設けることを特徴とする鉄道車両の車体傾斜制御システム。
  2. 前記各リミッター手段が、それぞれ設置位置の異なるリミットスイッチと、前記自動高さ調整弁の開閉操作用てこに設けた、前記各リミットスイッチに対応する当接部とからなることを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の車体傾斜制御システム。
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