JP4986510B2 - 鉄道車両の車体傾斜制御装置における車体姿勢復帰装置 - Google Patents

鉄道車両の車体傾斜制御装置における車体姿勢復帰装置 Download PDF

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Description

この発明は、台車上に左右一対の空気バネを介して車体を支持するとともに、空気バネ高さ検出手段により左右の前記空気バネの高さを検出して自動高さ調整弁により前記車体を一定高さに調整したり、車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系により左右の前記空気バネの高さを調整して車体を強制的に一方へ傾斜させたりする車体傾斜を行う鉄道車両の車体傾斜制御装置に適用される安全装置に関するもので、詳しくは、空気バネの過大上昇(異常上昇)を確実に検知し、迅速に車体を水平に復帰させる車体姿勢復帰装置に関するものである。
上述の車体傾斜制御装置において空気バネの過大上昇時に車体を水平に復帰させる車体姿勢復帰装置の先行技術として、図8に示すように、空気バネが過剰に上昇すると、自動高さ調整弁56に設けられたテコ59が空気バネの上昇に応じて下方へ回転し、テコ59と一体的に回転する回転軸56aに取り付けられた当接片57が排気弁58のプランジャ58aに当接することにより排気弁58を開放させ、空気バネの排気を行う構造のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
その他の先行技術として、図9に示すように、上記排気弁をリミットスイッチ68に置き換え、このリミットスイッチ68に上記当接片57に代わる偏心カム67がプランジャ68aに当接してリミットスイッチ68が作動すると、車体傾斜制御を行うための空気バネに給排気する電磁弁および同制御に当たり自動高さ調整弁56への経路を遮断して無効とする遮断弁の電源がそれぞれカットされ、自動高さ調整弁56による空気バネ内の排気が行われ、空気バネを標準高さに復帰する構造のものが提案されている(同じく、特許文献1参照)。
特開平11−78875号公報(段落0011〜0027および図6・図11)
しかしながら、上記した特許文献1に記載の各先行技術前者および後者)には、次のような点で改良の余地がある。すなわち、
前者(図8参照)の場合、空気バネが異常上昇している範囲でしか排気弁を開放させることができないため、異常上昇の抑制は可能であるが、空気バネを標準高さ水平状態)まで復帰させることは不可能である。
後者(図9参照)の場合、前者とは異なって空気バネを標準高さまで復帰させることはできるが、自動高さ調整弁を用いた排気による復帰であるため、復帰するまでにかなりの時間がかかり、迅速な復帰が望めない。つまり、車体傾斜制御時には、前記自動高さ調整弁と空気バネとの間の流路を遮断弁により遮断し、前記車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系による空気バネへの給排気を行う一方、非制御時には前記自動高さ調整弁によるメカニカルな車体姿勢制御を行おうとする場合、非制御時は自動高さ調整弁により従来の車両と同等の車体姿勢状態を保持する機能をもたすことが前提となる。そして車体傾斜制御のフェイル時には、車体が一方へ傾斜した状態から車体を迅速に水平な状態に復帰させる機能があることが要求されるが、一般的な自動高さ調整弁では、空気バネ内の排気は、テコが所定角度回転するまで排気弁が作動しない不緩衝域があるため、テコの回転開始時は排気量が0のままでそのあと急に排気量が増大してほぼ一定に保持され、排気量は空気バネ高さに関係なく一定の割合で、つまり排気流量が変化することなく最後まで排気が行われるようになっている。したがって、基準高さを超えた空気バネ内の空気を即座に大流量排出して車体を迅速に水平な姿勢に復帰させることは困難である。
また、リミットスイッチにより電気回路を用いて空気バネの排気を行うので、メカニカルな手段に比べてフェイルセーフにおける信頼性に欠ける。
この発明は上述の点に鑑みなされたもので、空気バネを用いて車体傾斜制御(通常の車体姿勢制御を含む)を行う鉄道車両において、車体傾斜制御のフェイル時に電気的な手段を介さずに空気バネの異常上昇を確実に検知し、空気バネ内の空気を即座に大容量排出して車体を迅速に水平な姿勢に復帰させることができる鉄道車両の車体傾斜制御おける車体姿勢復帰装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御装置における車体姿勢復帰装置は、台車上に左右一対の空気バネを介して車体を支持するとともに、空気バネ高さ検出手段により左右の前記空気バネの高さを検出して前記車体を一定高さに調整する自動高さ調整弁と、この自動高さ調整弁を経由した加圧空気供給系とは別系統の、車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系とを備えた鉄道車両の車体傾斜制御装置において、前記自動高さ調整弁と前記空気バネとの間の流路に遮断弁を介設し、車体傾斜制御時に前記遮断弁により前記自動高さ調整弁と前記空気バネとの間の流路を遮断し、前記車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系による空気バネへの給排気を行う一方、非制御時には前記自動高さ調整弁による車体姿勢制御を行う構成とし、前記加圧空気給排気系の少なくとも給気系に比べて容量を大きくし、かつパイロット圧で開閉する安全弁を、前記空気バネへの給排気系の流路を分岐して一端を大気に開放した分岐路に介設し、この分岐路も前記給排気系の流路よりも口径を大きくし、加圧空気源と前記安全弁との間にパイロット弁およびパイロット圧開放弁をこの順番で直列に介設し、前記空気バネ高さ検出手段により前記パイロット弁およびパイロット圧開放弁の開閉操作を行うようするとともに、常態では前記パイロット圧開放弁が開放され前記パイロット弁が閉鎖される一方、空気バネ高さが過大上昇する以前より前記パイロット圧開放弁が閉鎖され空気バネ高さが過剰上昇状態で前記パイロット弁が開放されるように設定されていることを特徴とするものである。
上記の構成を有する車体姿勢復帰装置によれば、通常の走行に際しては左右の空気バネの高さはそれぞれ自動高さ調整弁により一定に保たれている。一方、曲線路の走行に際して車体傾斜制御の動作状態になると、遮断弁により自動高さ調整弁を経由する空気回路が遮断され、車体傾斜制御専用の給排気系によって空気バネへの給排気が遂行される。この状態で、車体傾斜制御に異常が発生して空気バネ高さが過剰に上昇すると、パイロット弁が作動して開放され、パイロット圧開放弁を経由して加圧空気源からパイロット圧が安全弁に作用し、安全弁が加圧されて大気との連通路大気開放口)が開放され、空気バネ内の空気が排出される。パイロット圧開放弁は空気バネが標準高さ近傍(望ましくは、やや高め)で作動して閉鎖された状態(安全弁へパイロット圧が作用する状態)になっているので、パイロット弁が開放されると同時に、安全弁にパイロット圧が作用する。また、パイロット弁は空気バネからの排気で最大上昇高さより下降すると、作動して閉鎖されるが、パイロット圧は安全弁に作用した状態に保たれているため、空気バネからの排気はパイロット圧開放弁が作動して開放された状態(安全弁へパイロット圧が作用しない状態)になるまで、いいかえれば空気バネが標準高さ又はその近傍に復帰するまで継続する。
請求項に記載のように、前記車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系の流路に、パイロット圧で開閉する車体傾斜給排気管路遮断弁を介設し、この車体傾斜給排気管路遮断弁の開閉操作も前記空気バネ高さ検出手段により前記パイロット弁およびパイロット圧開放弁を介して行うようにすることができる。ここでは、車体傾斜給排気管路遮断弁は常態で開、前記安全弁は常態で閉となり、両安全弁は開閉動作が正反対になる。
このように構成すれば、空気バネが過剰に上昇した場合に、安全弁を開放して空気バネ内の空気を排出すると同時に、加圧空気源から制御給排気系を介して空気バネへの加圧空気の供給を車体傾斜給排気管路遮断弁にて遮断するので、空気バネの高さが標準高さに復帰するのに要する時間がさらに短縮され、一層確実に車体復帰が遂行される。
請求項3に記載のように、前記車体傾斜制御フェイル時に前記遮断弁が開放され、前記自動高さ調整弁による加圧空気供給系に切り換えられるようにすることができる。
このようにすれば、たとえば、車両傾斜制御により車体が一方へ傾斜した状態で、傾斜方向が逆の場合や空気バネの異常伸長時などのフェイル時には、伸長して高くなった空気バネ内の空気が排出され、迅速に標準高さに復帰するので、その後は自動高さ調整弁により一定高さに保たせることができる。
請求項に記載のように、前記安全弁が空気作動弁であるとよい。
このようにすれば、パイロット圧で空気作動弁を開閉することができる。
本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御装置における車体姿勢復帰装置には、次のような優れた効果がある。すなわち、本発明の車体姿勢復帰装置は曲線路などの走行時に強制的に車体を一方へ傾斜させる車体制御機構の有無に拘わらず、空気バネを備えた鉄道車両に適用可能な安全装置である。通常の走行に際しては左右の空気バネの高さはそれぞれ自動高さ調整弁により一定に保たれ、また曲線路の走行に際して車体傾斜制御の動作状態では、遮断弁により自動高さ調整弁を経由する空気回路が遮断され、車体傾斜制御専用の給排気系によって空気バネへの給排気が遂行される。これらのいずれの状態でも、異常が発生して空気バネ高さが過剰に上昇する(空気バネ内の空気量が基準値を超えて高さが過剰に高くなる)と、パイロット弁が作動して開放され、パイロット圧開放弁を経由して加圧空気源からパイロット圧が安全弁に作用し、安全弁が加圧されて大気との連通路大気開放口)が開放され、空気バネ内の空気が排出される。この結果、車体を迅速に下降させて水平に復帰させることができるので、走行上の安全性が高く、乗り心地に悪影響を与える時間も極めて短時間に短縮できる。そして、
1) 安全弁を開閉操作するパイロット圧の制御がパイロット弁およびパイロット圧開放弁を用いることで容易に行えるために、従来は困難であった空気バネ高さの復帰を確実に実現できる。
2) 安全弁の種類が豊富で選択の自由度が大きいため、迅速な空気バネ高さの復帰が可能になる。
3) 空気圧回路と機械的作動機構のみで車体姿勢復帰装置の主要部を構成できるため、従来の電気的な空気バネ上限規制手段および車体傾斜制御異常判定手段を用いた同種装置に比べて、構造が簡単でしかも電気的手段を用いないので信頼性が高い。
以下、本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御装置における車体姿勢復帰装置について実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御装置における車体姿勢復帰装置の実施例を示す空気回路図、図2は図1の車体姿勢復帰装置におけるパイロット弁とパイロット圧開放弁の開閉動作と動作時期との関係を示す線図、図3は図1における自動高さ調整弁(レベリングバルブ、以下LVという)・パイロット弁・パイロット圧開放弁を一体に組み込んだ具体的機構の実施例を示す正面図、図4は図3の右側面図である。図5は本発明の実施例に係る車体姿勢復帰装置を備えた鉄道車両の車体傾斜制御装置を模式的に示す車両の前部断面図で、本例の鉄道車両1の場合は車体傾斜制御装置11とともに車体傾斜制御手段10を備えている。
図5に示すように、鉄道車両1は車体2と、この車体2の前後部に台車5をそれぞれ備えている。前後の各台車5上には空気バネ3が左右に設置され、車体2が左右一対の空気バネ3・3上に載置され弾性的に支持されている。台車5の台車枠50と車体2の底部との間は、図示を省略した牽引装置で連結されている。各台車5は車軸51の両側に車輪52・52を備え、各車輪52がレール55上に走行可能に載置されている。
また、車両1には、乗客の乗り降りや走行中の荷重の変動などに対し車体2の高さを一定にするための、自動高さ調整用給排気系6’と、曲線路を走行する際に台車5上で車体2を強制的に内軌側へ傾斜するための、車体傾斜制御用給排気系10’とがそれぞれ配備されている。
自動高さ調整用給排気系6’は、左右一対の空気バネ高さセンサ(空気バネ高さ検出手段)付き自動高さ調整弁(レベリングバルブ、以下LVという)6・6を主要構成部材として備えている。LV6・6は、台車枠50の両側方における車体2の底部両側部に設置され、各LV6・6のてこ(空気バネ高さ検出手段)6aの一端と台車枠50から側方へ水平に延設された支持具53の先端とが、後述の上方へ延びる連結棒6cで接続されている。一方、車体傾斜制御給排気系10’は、左右一対の制御給排気弁10・10を主要構成部材として備えている。
各制御給排気弁10・10はそれぞれ対応する左又は右の空気バネ3に配管32を介して接続され、各LV6・6はそれぞれ対応するLV遮断弁7・7および対応する配管31で直接に左又は右の空気バネ3に接続されている。各LV6・6および各制御給排気弁10・10は、いずれも元空気だめ加圧空気源)としてのエアタンク15に配管31’・32’で接続されている。
車体傾斜制御手段8は、車両1が曲線路を走行する際にLV遮断弁7・7を閉鎖する。そして、曲線路のデータに基づいて制御給排気弁10・10を開閉制御し、車体2を内軌側へ傾動する車体傾斜制御を行う。具体的には、左右の空気バネ3・3のうち外軌側の空気バネ3へだけエアタンク15から加圧空気を供給したり、あるいは同時に内軌側の空気バネ3の空気を排出したりして左右の空気バネ3・3の高さを調整(変更)することにより、車体2を内軌側へ強制的に傾動させ、曲線路走行時の、とくに車体2に作用する遠心力を低減し、乗客の乗り心地を改善すると同時に、走行速度を低下させないで曲線路を走行させることにより、スピードアップを図ることができる。
こうして車両1が曲線路を通過すると、LV遮断弁7・7を開放すると同時に制御給排気弁10・10を閉鎖する。LV遮断弁7・7が開放され、かつ制御給排気弁10・10が閉鎖された状態では、自動高さ調整用給排気系6’としての左右のLV6・6が、てこ6aの回転角と回転方向に応じて左右の空気バネ3・3へエアタンク15から加圧空気を供給したり、空気バネ3・3の空気を排出したりして車体2を一定高さおよび水平に維持する、車体2の自動高さ調整が行われる。
さて、本発明の特徴部分である車体姿勢復帰装置21は、図1に片方の空気バネ3とその空気回路を示すように、空気バネ3への加圧空気供給用配管31を分岐し、この分岐管33の一端を大気に開放し、分岐管33に空気作動弁安全弁)22を介設している。空気作動弁22には、口径が加圧空気供給用配管31および車体傾斜制御用配管32に比べてより大きなものを選定し、また分岐管33も口径が配管31・32に比べてより大きなものを用いている。一方、空気作動弁22を開閉制御するため、LV6とエアタンク15との間の両者を接続する配管31’からパイロット圧供給管34を分岐している。このパイロット圧供給管34に、2ポート2位置切換弁のパイロット弁23および3ポート2位置切換弁のパイロット圧開放弁24をこの順に直列に接続して介設し、パイロット圧供給管34の一端を空気作動弁22のパイロット圧導入口22aに接続している。
空気作動弁22には、本例では図6(a)に示すように、Aポート・Pポート・Rポートの3ポートを備えた2位置切換のエアオペレートバルブを使用し、常態ではスプール22bがスプリング22cにより上向きに付勢され、AポートとRポートが連通しているが、本例では、市販の3ポート空気作動弁22を使用しているためにRポートはプラグ22dで閉塞している。上記分岐管33の一端は空気作動弁22のAポートに接続されるが、Rポートは閉塞されているので、空気作動弁22は常態では閉鎖されている。そして、空気作動弁22にパイロット圧が作用し、図6(b)に示すようにスプリング22cに抗してスプール22bが下降すると、AポートとPポートが連通し、大気開放状態になる。
空気作動弁22を開閉制御するパイロット弁23およびパイロット圧開放弁24には、ローラレバー23a・24aやプランジャー(図示せず)などを備え、機械的操作でパイロット圧空気回路の切換を行うメカニカルバルブを用いている。パイロット弁23およびパイロット圧開放弁24は、本例では図3に示すように、空気バネ高さ検出手段としてのテコ6aの弁軸6bを中心に左右対称に既存のLV6に組み付けられている。図4に示すように、LV6のテコ6aの弁軸6bが延長され、この弁軸延長部6bに偏心カム6cが一体回転可能に取り付けられている。偏心カム6cには、パイロット弁23およびパイロット圧開放弁24のローラレバー23a・24aのローラ部23b・24bが当接し、テコ6aの回転により偏心カム6cが回転することによってパイロット弁23およびパイロット圧開放弁24が開閉操作される。本例では、図2に示すように、常態つまり、空気バネ3が標準高さ又はその近傍にあるときに、パイロット弁23は閉鎖され、パイロット圧開放弁24は開放されている。そして、常態から空気バネ3がわずかに上昇して標準高さを超えると、パイロット圧開放弁24が閉鎖されるが、パイロット弁23は閉鎖状態を保ち、空気バネ3が上昇限度(最大上昇高さ)まで達すると、パイロット弁23が開放されるが、パイロット圧開放弁24は最後まで閉鎖状態を保つように構成されている。
以上のようにして、本発明に係る車体姿勢復帰装置21が構成される。ここで車体傾斜制御装置11および車体姿勢復帰装置21について動作を、図1および図5に基づいて説明する。
通常の走行状態においては、LV6のテコ6aは図3に示すように、ほぼ水平な状態にあり、パイロット弁23およびパイロット圧開放弁24は作動しない。つまり、パイロット弁23は既に閉鎖状態、パイロット圧開放弁24は開放状態にあるため、パイロット圧は発生せず、したがって空気作動弁22は図6(a)に示す閉鎖状態であり、作動していない。この状態では、自動高さ調整用給排気系6’が機能しており、LV(高さ制御弁)6・6とこれらのLV6・6の弁軸6bに基端が一体回転可能に固定されたてこ6aのほか、てこ6aと台車枠50の支持具53を接続する連結棒6dとを備え、車体2の荷重が変化しても台車5と車体2間の距離(間隔)が一定になるように、言い換えれば空気バネ3・3の高さが常に一定になるようにLV6・6によりメカ的に給排気制御される。本発明に係る車体姿勢復帰装置21は、通常走行時に車体2がLV6・6により一定高さに保たれるように給排気制御されている状態において、異常が発生し空気バネ3が過剰に上昇した場合にも機能するが、具体的な動作については、車体傾斜制御時における動作と共通するので、後述する。
一方、自動高さ調整制御から車体傾斜制御への移行は、車両1の走行時における曲線路に関するデータ(たとえば、曲線路の開始位置、曲線半径、カント量)、走行方向(上り・下り)などの車両走行に関するデータは、本例ではATCを利用して送受信により行われ、また車両1の位置補正信号および走行速度信号が軌道上の外部機器あるいは車両1内の計器などから車体傾斜制御手段10に逐次入力され、曲線路の曲率半径や曲線路のカント量や車両1の走行速度などを勘案して車体傾斜制御手段10にて車体2の必要な傾斜角度が決定され、車体2が傾斜制御される。そして、車体傾斜制御が行われる時には外軌側の空気バネ3に加圧空気が供給され、空気バネ3の高さが上昇すると、テコ6aおよび偏心カムの回転により、ローラレバー24aを介してパイロット圧開放弁24が作動し閉鎖される。しかし、この時点では、パイロット弁23は作動しておらず、閉鎖されているので、空気作動弁22は作動していないので、つまり閉鎖されているので、空気バネ3は上昇して高くなっている。この状態で異常が生じ、空気バネ3の高さが基準の最大高さを超えて過剰に高くなったとする。
空気バネ3が上限に達し、テコ6aおよび偏心カム6cが回転することにより、ローラレバー23aを介してパイロット弁23が作動し、開放状態になると、それ以前に閉鎖されているパイロット圧開放弁24を介して、空気作動弁22とパイロット弁23とが連通状態になる。ここで、エアタンク15からパイロット圧開放弁24を経由した空気作動弁22のパイロット圧導入口22aへのパイロット圧回路(図1の34参照)が開通し、空気作動弁22は図6(b)に示すようにスプリングに抗してスプールが切り替わり、AポートからPポートへ連通状態になる、つまり空気作動弁22の一端が大気中に開放される。分岐管33および空気作動弁22の口径(AポートからPポートへの通路)は、配管31・32の口径に比べて大きくしているので、空気バネ3への加圧空気の供給が継続している状態でも、空気バネ3内の空気が排出され、空気バネ3の高さが下降する。空気バネ3の高さが上限より下がると、パイロット弁23はテコ6aおよび偏心カム6cの回転により、ローラレバー23aを介して閉鎖される。これにより、空気作動弁22へのパイロット圧回路(図1の34参照)は閉鎖されるが、空気作動弁22へ一回パイロット圧が作用すると、パイロット圧開放弁24からパイロット圧が放出されない限り加圧状態は継続するので、空気バネ3からの空気の排出が継続する。そして、空気バネ3が標準高さまで復帰すると、パイロット開放弁24はテコ6aおよび偏心カム6cの回転により、ローラレバー24aを介して切り替わり一端が大気中に開放されるから、空気作動弁22のパイロット圧導入口22aに作用していたパイロット圧が大気中に放出されて空気作動弁22はスプール22bがスプリング22cの付勢力により切り替わり、閉鎖される。これにより、空気バネ3からの排気が終了する。
次に、図7は本発明に係る車体姿勢復帰装置の別の実施例を示す空気回路図で、図1に対応するものである。
本実施例に係る車体傾斜制御装置11の車体姿勢復帰装置21’が上記実施例と異なるところは、図7に示すように左右の車体傾斜制御給排気系10’において制御給排気弁10と空気バネ3とを接続する配管32に、安全弁としての空気作動弁(車体傾斜給排気管路遮断弁)25を介設したことである。本例で使用する空気作動弁25には、空気作動弁22と同様にパイロット圧で作動するAポート・Pポート・Rポートの3ポートを備えた2位置切換のエアオペレートバルブを使用し、パイロット弁23およびパイロット圧開放弁24を用いて開閉操作するようにしている。ただし、空気作動弁25は空気作動弁22とは異なり、常態で開放状態になるように、図6に示す空気作動弁22のRポートにプラグ22dを詰めて閉塞し、Pポートは開放しておく。その他の構成については、図1に示した実施例と共通するので、共通する部材については同一の符号を用いて図7に示し、説明を省略する。
本実施例の車体姿勢復帰装置21’においては、空気バネ3が過剰に上昇した場合に、空気作動弁22を開放して空気バネ3内の空気を排出すると同時に、エアタンク15から制御給排気弁10を介して空気バネ3への加圧空気の供給を停止するので、空気バネ3の高さが標準高さに復帰するのに要する時間がさらに短縮され、一層確実に車体復帰が遂行される。なお、安全弁の一例として空気作動弁22・25を示したが、これに限定するものではなく各種エアオペレートバルブを使用できることは言うまでもない。
本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御装置における車体姿勢復帰装置の実施例を示す空気回路図である。 図1の車体姿勢復帰装置におけるパイロット弁とパイロット圧開放弁の開閉動作と動作時期との関係を示す線図(バルブタイミングチャート)である。 図1における自動高さ調整弁(レベリングバルブ、以下LVという)・パイロット弁・パイロット圧開放弁を一体に組み込んだ具体的機構の実施例を示す正面図である。 図3の右側面図である。 本発明の実施例に係る車体姿勢復帰装置を備えた鉄道車両の車体傾斜制御装置を模式的に示す車両の前部断面図である。 図6(a)は安全弁の一例である空気作動弁の常態(閉鎖状態)を示す断面図、図6(b)は同空気作動弁の開放状態を示す断面図である。 本発明に係る車体姿勢復帰装置の別の実施例を示す空気回路図で、図1に対応するものである。 車体姿勢復帰装置の従来例を示す斜視図である。 車体姿勢復帰装置の別の従来例を示す斜視図である。
符号の説明
1 鉄道車両
2 車体
3 空気バネ
5 台車
6’自動高さ調整用給排気系
6 LV(レベリングバルブ・自動高さ調整弁)
6aてこ(空気バネ高さ検出手段)
6b弁軸
6c偏心カム
6d連結棒
7 LV遮断弁(切換弁)
8 車体傾斜制御手段
10’車体傾斜制御用給排気系
10 制御給排気弁
11 車体傾斜制御装置
15 エアタンク(加圧空気源)
21・21’車体姿勢復帰装置
22 安全弁(空気作動弁;エアオペレートバルブ)
23 パイロット弁
24 パイロット圧開放弁
25 車体傾斜給排気管路遮断弁(空気作動弁;エアオペレートバルブ)
50 台車枠

Claims (4)

  1. 台車上に左右一対の空気バネを介して車体を支持するとともに、空気バネ高さ検出手段により左右の前記空気バネの高さを検出して前記車体を一定高さに調整する自動高さ調整弁と、この自動高さ調整弁を経由した加圧空気供給系とは別系統の、車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系とを備えた鉄道車両の車体傾斜制御装置において、
    前記自動高さ調整弁と前記空気バネとの間の流路に遮断弁を介設し、車体傾斜制御時に前記遮断弁により前記自動高さ調整弁と前記空気バネとの間の流路を遮断し、前記車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系による空気バネへの給排気を行う一方、非制御時には前記自動高さ調整弁による車体姿勢制御を行う構成とし、
    前記加圧空気給排気系の少なくとも給気系に比べて容量を大きくし、かつパイロット圧で開閉する安全弁を、前記空気バネへの給排気系の流路を分岐して一端を大気に開放した分岐路に介設し、この分岐路前記給排気系の流路よりも口径を大きくし、
    加圧空気源と前記安全弁との間にパイロット弁およびパイロット圧開放弁をこの順番で直列に介設し、前記空気バネ高さ検出手段により前記パイロット弁およびパイロット圧開放弁の開閉操作を行うようにするとともに、常態では前記パイロット圧開放弁が開放され前記パイロット弁が閉鎖される一方、空気バネ高さが過大上昇する以前より前記パイロット圧開放弁が閉鎖され空気バネ高さが過剰上昇状態で前記パイロット弁が開放されるように設定されていることを特徴とする鉄道車両の車体傾斜制御装置における車体姿勢復帰装置。
  2. 前記車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系の流路に、パイロット圧で開閉する車体傾斜給排気管路遮断弁を介設し、この車体傾斜給排気管路遮断弁の開閉操作も前記空気バネ高さ検出手段により前記パイロット弁およびパイロット圧開放弁により行うようにしたことを特徴とする請求項記載の鉄道車両の車体傾斜制御装置における車体姿勢復帰装置。
  3. 前記車体傾斜制御フェイル時に前記遮断弁が開放され、前記自動高さ制御弁による加圧空気供給系に切り換えられるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の鉄道車両の車体傾斜制御装置における車体姿勢復帰装置。
  4. 前記安全弁が空気作動弁であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の鉄道車両の車体傾斜制御装置における車体姿勢復帰装置。
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