JP2006327392A - 鉄道車両の車体傾斜制御システム - Google Patents

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俊一 臼井
Tomohiro Otsuka
智広 大塚
Hiroki Inoue
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Abstract

【課題】 曲線路走行時に車体を傾斜させることにより曲線路での走行速度を上げることができ、しかもそうした車体傾斜制御のフェール時には空気バネ内の空気を即座に大流量排出して車体を迅速に水平な姿勢に復帰させることができる、鉄道車両の車体傾斜制御システムを提供する。
【解決手段】 台車5上に左右一対の空気バネ3・3を介して車体2を支持するとともに、空気バネ高さ検出手段20により左右の空気バネ3・3の高さを検出して車体2を一定高さに調整する自動高さ調整弁6を備えた鉄道車両の車体傾斜制御システムにおいて、自動高さ調整弁6により制御される各空気バネ3・3内における空気の排出を、空気バネ3内の空気量が基準値を超える場合には単位時間当たりの流量を増大して大流量排気とし、基準値以下の場合には単位時間当たり通常流量排気とする2段排気にした。
【選択図】 図1

Description

この発明は、鉄道車両が曲線路を通過する際に車体を内軌側に傾斜させることにより、高速での走行を可能にするとともに乗り心地を改善する鉄道車両の車体傾斜制御システムに関するもので、詳しくは、同車体傾斜制御システムに用いられる自動高さ調整弁(レベリングバルブとも云う)に関するものである。
本発明が対象とする車体傾斜制御システムは、車体を台車上に弾性支持する空気バネへ給排気手段により加圧空気を給排気し、車両が曲線路を走行する際に車体をスムーズに傾けるものである。従来、鉄道車両では台車上に車体を空気バネを介して支持しており、加圧空気の空気バネへの給排気は一般にレベリングバルブにより行われている。レベリングバルブは、周知のように、乗客の増減によって車体が昇降して高さが変化するのを検出し空気バネへ加圧空気を給排気することにより、台車上で車体を左右水平にかつ一定高さに保持するために備えられている。
例えば、新幹線用車両の場合、曲線路ではカントを設けて台車ごと内軌側へ傾斜させることにより比較的高速度での走行を可能にしている。いいかえれば、新幹線用車両では、とくに曲線路で車体を強制的に内軌側へ傾斜させるための車体傾斜制御システムは装備されておらず、空気バネはレべリングバルブのみによる給排気で、車高が一定になるように制御されている。
また、新幹線以外の車両、いわゆる在来線の車両では、例えば、レベリングバルブとは別に車体傾斜制御手段を設け、曲線路走行時にその車体傾斜制御手段からの指令信号に基づいて、左右の空気バネのうち内軌側の空気バネ内の空気を排出して中間高さから最小高さへ縮小させる一方、外軌側の空気バネへ空気を供給して中間高さから最大高さへ伸長させることにより、曲線路で車体を強制的に内軌側へ傾斜制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
その他、車体傾斜制御システム用車高計測装置として、自動高さ調整弁に車高計測用エンコーダと過給気保護スイッチまたは過給気保護弁とを一体的に集約して小型化を図った構造のものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、鉄道車両の高さ調整装置として、車体の傾斜角度が第1の角度以上となった場合に空気バネに第1の単位時間当たりの流量の空気を給排気する自動高さ調整手段と、車体の傾斜角度が第1の角度より大きい第2の角度以上となった場合、前記自動高さ調整手段が空気バネに給排気する空気の単位時間当たりの流量を前記第1の単位時間当たりの流量よりも大きい第2の単位時間当たりの流量へ変更する変更手段とを備えた装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平6−227392号公報(段落0007、0008および図2) 特開平11−78875号公報(段落0011、0012、0020、0027および図1・図2) 特開2004−243795号公報(段落0022、0023、0036および図3〜図7)
車体傾斜制御時には、前記自動高さ調整弁と空気バネとの間の流路を遮断弁により遮断し、前記車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系による空気バネへの給排気を行う一方、非制御時には前記自動高さ調整弁によるメカニカルな車体姿勢制御を行うとする場合、非制御時は自動高さ調整弁により従来の車両と同等の車体姿勢状態を保持する機能をもたすことが前提となる。さらに車体傾斜制御のフェール時には、車体が一方へ傾斜した状態から車体を迅速に水平な状態に復帰させる機能があることが要求される。しかしながら、上記公報に記載されているような従来の自動高さ調整弁では、空気バネ内の空気の排出は、図4(b)に示すようにてこが所定角度回転するまで排気弁が作動しない不緩衝域があるため、てこの回転開始時は排気量が0のままでそのあと急に排気量が増大してほぼ一定に保持され、排気量は空気バネ高さに関係なく一定の割合で、つまり排気流量が変化することなく最後まで排気が行われるようになっている。このため、伸長した(空気量が基準量を超えた)空気バネ内の空気を即座に大流量排出して車体を迅速に水平な姿勢に復帰させることは困難である。
また、上記特許文献3に記載の装置では、空気バネに給排気する空気の単位時間当たりの流量を前記第1の単位時間当たりの流量よりも大きい第2の単位時間当たりの流量へ変更する変更手段を備えているが、変更手段が自動高さ調整弁を構成するシリンダに設けられた複数の給気口であったり複数の排気口であったりするため、自動高さ調整弁自体を新規に製造する必要があり、既存の装置に適用することは困難である。
ところで、上記した新幹線車両の場合、曲線路で車体を強制的に傾斜制御する装置が装備されていないために、曲線路にさしかかる手前でいったん減速し、曲線路を通過後に増速していることから、より早く目的地に到着するためには直線路はもとより曲線路においても高速度で走行することが必須であり、しかも曲線路手前でブレーキをかけて減速することは乗り心地を悪くする上に省エネルギーの観点から見ても不利である。
この発明は上述の点に鑑みなされたもので、曲線路走行時に車体を傾斜させることにより曲線路での走行速度を上げることができ、しかもそうした車体傾斜制御のフェール時には空気バネ内の空気を即座に大流量排出して車体を迅速に水平な姿勢に復帰させることができる、鉄道車両の車体傾斜制御システムを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御システムは、a)台車上に左右一対の空気バネを介して車体を支持するとともに、空気バネ高さ検出手段により左右の前記空気バネの高さを検出して前記車体を一定高さに調整する自動高さ調整弁と、この自動高さ調整弁を経由した加圧空気供給系とは別系統の、車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系とを備えた鉄道車両の車体傾斜制御システムにおいて、b)前記自動高さ調整弁により制御される前記空気バネ内における空気の排出を、空気バネ内の空気量が基準値を超える場合には単位時間当たり流量を通常流量より増大した排気とし、基準値以下の場合には単位時間当たり通常流量(通常の小流量)排気とする2段排気(2段階)にしたことを特徴とするものである。
上記の構成を有する鉄道車両の車体傾斜制御システムによれば、自動高さ調整弁による空気バネ内の空気の排出を、空気バネ高さが高い状態つまり空気バネ内の空気量が基準値を超えて高さが高くなっている状態では単位時間当たりの流量を通常流量より増大して大流量を排気し、空気バネ高さが通常走行時の状態つまり空気バネ内の空気量が基準値以下の状態では単位時間当たりの流量を通常流量(小流量)にて排気するようにしたから、例えば、車両傾斜制御により車体が一方へ傾斜した状態で、傾斜方向が逆の場合や空気バネの異常伸長時などのフェール時には、伸長して高くなった空気バネ内の空気の大流量を一気に大気中へ排出することができるので、車体を即座に水平に復帰させることができ、乗
り心地に悪影響を与える時間も極めて短時間で済む。図4(a)は本発明の自動高さ調整弁による空気バネ高さと排気流量の関係を表すグラフで、このグラフに示されるように、てこの回転開始時に一定角度回転するまで不緩衝域(例えば、てこがニードル弁に当接する間に隙間が存在する)があるため、しばらくは排気量が0で、その後に急激に増大し空気バネ内の空気量が基準値に達するまではほぼ一定に保たれるが、基準値を超えると再び急激に増大し、その増大した大流量での排気が継続する。つまり、従来の自動高さ調整弁による排気流量(図4(b)参照)に比べて、空気バネ高さが高い(空気バネの伸長)状態での排気流量が大幅に増大する。
請求項2に記載のように、c)前記自動高さ調整弁と前記空気バネとの間の流路に遮断弁を介設し、車体傾斜制御時に前記遮断便意より前記自動高さ調整弁と前記空気バネとの間の流路を遮断し、前記車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系による空気バネへの給排気を行う一方、非制御時には前記自動高さ調整弁による車体姿勢制御を行うものであって、d)前記車体傾斜制御フェール時に前記遮断弁が開放され、前記自動高さ制御弁による加圧空気供給系に切り換えられた直後、前記空気バネ内の基準値を超える空気が通常流量より増大した流量にて排気されるようにすることができる。
従来は車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系による空気バネへの給排気による車体傾斜制御がフェールして、従来のメカニカルな自動高さ調整弁による車体高さ調整に移行すると、図4(b)に示すように単位時間当たりの排気流量が小さくほぼ一定で車体下降速度が遅くて緩やかにしか車体が下降しなかったが、請求項2記載の鉄道車両の車体傾斜制御システムによれば、自動高さ調整弁による制御に切り換わると同時に、空気バネ内の空気を大流量排気させられるので、車体傾斜フェール時には車体を迅速に通常走行状態に下降させ、かつ水平姿勢に復帰させることができ、安全性も向上する。
請求項3に記載のように、前記各自動高さ調整弁における排気側ニードル弁を弁本体の大きさが先端に向け2段階に縮小するように形成し、その排気口の開口面積が前記ニードル弁の位置で変化するようにできる。
請求項3記載の鉄道車両の車体傾斜制御システムによれば、前記弁体の排気口にニードル弁の先端部(最縮小部)が位置する状態では開口面積が大きくなるので、空気バネ内から大流量の空気が排出され、即座に空気バネ高さが下がる。一方、空気バネ高さが通常走行時の状態まで下がると、前記弁体の排気口にニードル弁の縮小2段目が位置し、開口面積が小さくなるので、空気バネ内から排出される空気量は通常の量に戻る。また、こうした動作は、てこによりニードル弁を弁体内に押し込んだり、押し戻したりしてニードル弁の位置を変更することによりメカニカル的に行われるので、動作が確実で信頼性が極めて高い。
本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御システムは、自動高さ調整弁による空気バネ内の空気の排出を、空気バネ高さが高い(空気バネ内の空気量が基準値を超えて高さが高い)状態では単位時間当たりの流量を大幅に増大して大流量とし、空気バネ高さが通常走行時(空気バネ内の空気量が基準値以下)の状態では単位時間当たりの流量を通常の小流量としたから、車両傾斜制御のフェール時には空気バネ内の空気の大流量を一気に排出できるので、車体を迅速に下降させて水平に復帰させることができ、走行上の安全性が高く、乗り心地に悪影響を与える時間も極めて短縮できる−という優れた効果がある。
以下、本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御システムについて実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の鉄道車両における車体傾斜制御システムの実施例を模式的に示す車両の前部断面図で、本例の鉄道車両1は車体傾斜制御システム1sを備えている。
図1に示すように、車両1は車体2と、この車体2の前後部に台車5をそれぞれ備えている。前後の各台車5上には空気バネ3が左右に設置され、車体2が空気バネ3L・3R上に載置され弾性的に支持されている。台車5の台車枠50と車体2の底部との間は、図示を省略した牽引装置で連結されている。各台車5は車軸51の両側に車輪52・52を備え、各車輪52が軌道55上に走行可能に載置されている。
また、車両1には、乗客の乗り降りや走行中の荷重の変動などに対し車体4の高さを一定にするための、自動高さ調整用給排気系6と、曲線路を走行する際に台車5上で車体4を内軌側へ傾斜するための、車体傾斜制御用給排気系10とがそれぞれ配備され、さらに両給排気系6・10に共通の車体傾斜制御手段4と車体傾斜給排気手段8とが配備されている。
自動高さ調整用給排気系6は、左右一対の空気高さセンサ付き自動高さ調整弁(レベリングバルブ、以下LVという)6L・6Rを主要構成部材として備えている。LV6L・6Rは、台車枠50の両側方における車体2の底部両側部に設置され、各LV6L・6Rのてこ6aの一端と台車枠50から側方へ水平に延設された支持具53の先端とが、後述の上方へ延びる連結棒6cで接続されている。一方、車体傾斜制御給排気系10は、左右一対の制御給排気弁10L・10Rを主要構成部材として備えている。
各制御給排気弁10L・10Rはそれぞれ対応する左又は右の空気バネ3に配管31で直接接続され、各LV6L・6Rはそれぞれ対応するLV遮断弁(切換弁)7L・7Rおよび対応する配管32を介して左又は右の空気バネ3に接続されている。各LV6L・6Rおよび各制御給排気弁10L・10Rは、いずれも元空気だめとしてのエアタンク15に配管33で接続されている。なお、車体傾斜給排気手段8はLV遮断弁7L・7Rおよび制御給排気弁10L・10Rで構成され、LV遮断弁7L・7Rが閉鎖されると、制御給排気弁10L・10Rが車体傾斜制御手段4によって開閉制御される。また、LV遮断弁7L・7Rが開放されると、制御給排気弁10L・10Rは閉鎖されるようになっており、これらの開閉制御は車体傾斜制御手段4によって選択的に行われる。
車体傾斜制御手段4は、車両1が曲線路を走行する際にLV遮断弁7L・7Rを閉鎖する。そして、曲線路のデータに基づいて制御給排気弁10L・10Rを開閉制御し、車体2を内軌側へ傾動する車体傾斜制御を行う。具体的には、左右の空気バネ3・3のうち外軌側の空気バネ3へだけエアタンク15から加圧空気を供給したり、あるいは同時に内軌側の空気バネ3の空気を排出したりして左右の空気バネ3L・3Rの高さを調整(変更)することにより、車体2を内軌側へ強制的に傾動させ、曲線路走行時の、とくに車体2に作用する遠心力を低減し、乗客の乗り心地を改善すると同時に、走行速度を低下させないで曲線路を走行させることにより、スピードアップを図ることができる。
こうして車両1が曲線路を通過すると、LV遮断弁7L・7Rを開放すると同時に制御給排気弁11L・11Rを閉鎖する。LV遮断弁7L・7Rが開放され、かつ制御給排気弁11L・11Rが閉鎖された状態では、自動高さ調整用給排気系6としての左右のLV6L・6Rが、てこ6aの回転角と回転方向に応じて左右の空気バネ3L・3Rへエアタンク15から加圧空気を供給したり、空気バネ3L・3Rの空気を排出したりして車体2を一定高さおよび水平に維持する、車体2の自動高さ調整が行われる。説明を簡略にするため、空気バネ3L・3Rの符号を左右の区別なく空気バネ3と用いることがある。
自動高さ調整用給排気系6は、LV(高さ制御弁)6R・6LとこれらのLV6R・6Lの弁軸6bに基端が一体回転可能に固定されたてこ6aのほか、てこ6aと台車枠50の支持具53を接続する連結棒6cとを備え、車体2の荷重が変化しても台車5と車体2間の距離(間隔)が一定になるように、言い換えれば空気バネ3・3の高さが常に一定になるようにLV6R・6Lによりメカ的に給排気制御される。また、自動高さ調整用給排気系6は空気バネ高さ検出手段20を具備するが、本例では、ビルトインタイプの一対のロータリエンコーダ20L・20Rが、図2に示すようにLV6の弁軸6b上に一連に並べて装着され、それぞれ弁軸6bと一体回転する。さらに、図2に示すように、車体傾斜制御手段4についても1系と2系の2系統、各系の車体傾斜制御手段4・4にそれぞれ対応するエンコーダ20が接続されている。また、各系の車体傾斜制御手段4のCPUボード13上には2つCPU13a・13bを備えており、2つのCPU13a・13bが同時に演算を開始し、演算結果が一致しないと、異常と判定される。
両系の車体傾斜制御手段4・4がともに異常の時には車体傾斜制御を中止し、つまり制御給排気弁10L・10Rを閉鎖すると同時にLV遮断弁7L・7Rを開放することによって、LV6R・6Lによるメカ的な自動高さ調整に切り換えられる。また、異常がなくても、車体傾斜制御がフェールした時には、同様に車体傾斜制御が中止され、LV遮断弁7L・7Rが開放されることによってLV6R・6Lによるメカ的な自動高さ調整に切り換えられる。
ところで、上記のようにして自動高さ調整用給排気系6による制御に切り換わると、外軌側の空気バネ3が伸長した状態にある(空気バネ3の高さが高い)ときには空気バネ3
内に供給された加圧空気を可及的に速くかつ単位時間当たりの流量を大幅に増大して大流量排気に変えて即座に元の状態に戻す必要があるため、以下の機構が採用されている。
すなわち、LV6は本例では、図3に示すように、弁体61の排気口62を開閉するニードル弁63の弁部を先端側から小径部63aと大径部63bとの大きさが先端に向け2段階に順次縮小するように形成したうえ、ニードル弁63をスプリング64により閉鎖方向に付勢している。それから、このニードル弁63をスプリング64に抗してL形のてこ6aの短辺側6a−S先端で開放方向に押圧することにより排気口62が開放される。そして、てこ6aの回転角が大きい時(空気バネ3の高さが高く内部空気量が基準値を超えている時)には単位時間当たりの流量が増大されて大流量の空気が排出されるとともに、てこ6aの角度が小さい時(空気バネ3の高さが中位若しくは中位より低くて内部空気流量が基準値若しくは基準値以下の時)には単位時間当たりの流量が通常の小流量にて空気が排出されるように構成している。
つまり、てこ6aの長辺側6a−L先端には上記の連結棒6cの一端が枢支連結されるが、車体傾斜制御が行われる時には外軌側の空気バネ3に加圧空気が供給され、空気バネ3の高さが高くなっている。このため、てこ6aは図3(c)の状態にあり、LV遮断弁7が開放されると、図3(c)に示すようにLV6Rから単位時間当たりの流量が増大されて大流量の空気が排出される(図4(a)の右側半分参照)。したがってLV遮断弁7が開放されメカ的なLV6による自動高さ調整制御に移行すると、空気バネ3の高さが通常走行の高さまで即座に下がる。そして、常態(通常走行の状態)に戻っててこ6aの回転角が図3(b)の状態になると、LV6Rからは単位時間当たり通常の小流量の空気が排出されるようになる(図4(a)の左側半分参照)。
なお、車体傾斜制御手段4への車両1の走行時における曲線路に関するデータ(例えば、曲線路の開始位置、曲線半径、カント量)、走行方向(上り・下り)などの車両走行に関するデータは、本例ではATCを利用して送受信により行われ、また車両1の位置補正信号および走行速度信号が軌道上の外部機器あるいは車両1内の計器などから車体傾斜制
御手段4に逐次入力され、曲線路の曲率半径や曲線路のカント量や車両1の走行速度などを勘案して車体傾斜制御手段4にて車体2の必要な傾斜角度が決定され、車体2が傾斜制御される。
以上のようにして本実施例に係る鉄道車両の車体傾斜制御システムが構成されるが、この制御システムによる車体傾斜動作について説明する。
図1または図2において、車両1が曲線路の開始位置にくると、1系の車体傾斜制御手段4(CPU13a・13b)からの指令を受けてLV遮断弁7L・7RによりLV6R・6Lから空気バネ3・3への配管31が遮断され、同時に制御給排気弁10L・10Rを介してエアタンク15から外軌側の空気バネ3への加圧空気の供給が行われる。本例では、制御を容易にするため、内軌側の空気バネ3からの排気は行わないようにしている。しかし、実際には外軌側の空気バネ3へ加圧空気を供給して伸長させ空気バネ高さの高くすると同時に、内軌側の空気バネ3内の空気を排出して収縮させ空気バネ高さを下げることによって車体傾斜制御する方法を採ることもできる。ただし、こうした制御は曲線路において車両1を高速で走行させる場合であり、走行速度があらかじめ設定した速度より遅い場合には車体傾斜制御用給排気系10では左右(内軌側と外軌側)の空気バネ3・3の高さを制御しない、いわゆるLV6R・6Lによる通常の車体2の自動高さ調整が行われる。
とくに本発明に係る車体傾斜制御システムでは、車体傾斜制御がフェールした時には、同様に車体傾斜制御が中止され、LV遮断弁7L・7Rが開放されることによってLV6R・6Lによるメカ的な自動高さ調整に切り換えられると、外軌側の空気バネ3内に供給された加圧空気を一気に大流量排出して空気バネ3の高さが通常走行の高さまで即座に下降し、車体2を水平姿勢に迅速に復帰させることができる。このため、走行上の安全性が高く、乗り心地に悪影響を与える時間も大幅に短縮できる。
また、上記実施例では、背値傾斜制御システムの構成機器である高さ検出手段20を2つ組み込んで2重化し、各高さ検出手段20に対応して車体傾斜制御手段4も1系と2系の2系統を設け、さらの各車体傾斜制御手段4を構成するCPUも2つ設けて同時に演算させ相互に監視させることで2重化し、ハード面の信頼性を大幅に向上している。したがって、本発明に係る車体傾斜制御システムは在来線に比べて高速走行する新幹線用車両に搭載するのに最適で、曲線路走行時の乗り心地を改善し、曲線路へ進入する際のブレーキ操作を不要にして高速化と省エネルギー化を図ることができる。もちろん、上記の構成機器は2重化に限らずさらに増やして多重化にできることは云うまでもない。
上記に本発明の車体傾斜制御システムにおいて使用される自動高さ調整弁6の一実施例を図3に示したが、これに限定されるものではなく、例えばつぎのように実施することができる。すなわち、
図示は省略するが、ニードル弁の弁部を先端に向け漸次大きさが縮小するように例えばテーパ状に形成し、単位時間当たりの排気流量が無段階に連続して変化するようにできる。また、上記実施例のようにニードル弁の弁部の大きさを段階的に変化させる場合に、2段階でなく3段階あるいは4段階と段数を増やして単位時間当たりの排気流量がよりスムーズに変化するようにもできる。
本発明に係る鉄道車両の車体傾斜制御システムの実施例を模式的に示す車両の前部断面図で、図1(a)は車体の自動高さ調整状態を表し、図1(b)は車体傾斜制御状態を表す。 本発明に係る車体傾斜制御システムの一実施例を概念的に示す説明図である。 LV6の排気側を示す断面図で、図3(a)は閉塞時を、同(b)は小流量排気時を、同(c)は大流量排気時をそれぞれ表す。 図4(a)は本発明の実施例に係るLV6による排気時の、空気バネ高さと排気流量(2段階)との関係(排気流量特性)を示すグラフ、図4(b)は従来の一般的なLVによる排気時の、空気バネ高さと排気流量(2段階)との関係(排気流量特性)を示すグラフである。
符号の説明
1 鉄道車両
1s車体傾斜制御システム
2 車体
3 空気バネ
4 車体傾斜制御手段
5 台車
50台車枠
6 自動高さ調整用給排気系
6aてこ
6b弁軸
6c連結棒
6L・6R LV(レベリングバルブ・自動高さ調整弁)
7L・7R LV遮断弁(切換弁)
8 車体傾斜給排気手段
10 車体傾斜制御用給排気系
10L・10R 制御給排気弁
15 エアタンク
13 CPUボード
13a・13b CPU
20 空気バネ高さ検出手段(ロータリエンコーダ・レゾルバ)
21 ロータ
22 ステータ
31〜33 配管
61 弁体
62 排気口
63 ニードル弁
63a小径部
63b大径部
64 スプリング

Claims (3)

  1. 台車上に左右一対の空気バネを介して車体を支持するとともに、空気バネ高さ検出手段により左右の前記空気バネの高さを検出して前記車体を一定高さに調整する自動高さ調整弁と、この自動高さ調整弁を経由した加圧空気供給系とは別系統の、車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系とを備えた鉄道車両の車体傾斜制御システムにおいて、
    前記自動高さ調整弁により制御される前記空気バネ内における空気の排出を、空気バネ内の空気量が基準値を超える場合には単位時間当たり流量を通常流量より増大した排気とし、基準値以下の場合には単位時間当たり通常流量排気とする2段排気にしたこと
    を特徴とする鉄道車両の車体傾斜制御システム。
  2. 前記自動高さ調整弁と前記空気バネとの間の流路に遮断弁を介設し、車体傾斜制御時に前記遮断便意より前記自動高さ調整弁と前記空気バネとの間の流路を遮断し、前記車体傾斜制御専用の加圧空気給排気系による空気バネへの給排気を行う一方、非制御時には前記自動高さ調整弁による車体姿勢制御を行うものであって、
    前記車体傾斜制御フェール時に前記遮断弁が開放され、前記自動高さ制御弁による加圧空気供給系に切り換えられた直後、前記空気バネ内の基準値を超える空気が通常流量より増大した流量にて排気されるようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載の鉄道車両の車体傾斜制御システム。
  3. 前記各自動高さ調整弁における排気側ニードル弁を先端に向けて弁部の大きさが2段階に縮小するように形成し、弁体の排気口の開口面積が前記ニードル弁の位置で変化するようにしたこと
    を特徴とする請求項1または2記載の鉄道車両の車体傾斜制御システム。
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