JPH10129477A - 振り子車両用ダンパ制御装置 - Google Patents

振り子車両用ダンパ制御装置

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JPH10129477A
JPH10129477A JP30399796A JP30399796A JPH10129477A JP H10129477 A JPH10129477 A JP H10129477A JP 30399796 A JP30399796 A JP 30399796A JP 30399796 A JP30399796 A JP 30399796A JP H10129477 A JPH10129477 A JP H10129477A
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JP
Japan
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pendulum
damping force
damper
lateral acceleration
damping coefficient
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JP30399796A
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English (en)
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Takao Obara
隆夫 小原
Masaaki Uchiyama
正明 内山
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Hitachi Ltd
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Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な乗り心地を確保できる振り子車両用ダ
ンパ制御装置を提供する。 【解決手段】 ロール角速度絶対値が小さいとき小さい
値の目標減衰係数を、ロール角速度絶対値が大きいとき
大きい値の目標減衰係数をそれぞれ減衰係数可変型ダン
パに設定させる。自然振り子車両が曲線区間Rに入り、
前段緩和曲線部R0 のカーブし始めの傾斜開始段階、即
ちロール角速度絶対値が小さいとき、目標減衰係数が小
さい値になり減衰係数可変型ダンパのストローク変化が
迅速に行われて車体傾斜の立上り特性が優れたものにな
る。円曲線部R1 に近づいた段階、即ちロール角速度絶
対値が大きくなると、目標減衰係数が大きい値になり減
衰係数可変型ダンパのストローク変化が抑制されてオー
バーシュートの発生が防止される。このため、良好な乗
り心地を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両等に用い
られる振り子車両用ダンパ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自然振り子車両に用いられるダン
パ制御装置の一例として、図9に示すもの(財団法人
鉄道総合技術研究所 発行「RRR」1987年5月号
10〜15頁参照)がある。図において、自然振り子車
両1の車輪2の車軸3には、ばね部材4を介して台車5
が載置されている。台車5にはころ機構6を介して振り
子台7が揺動可能に載置されている。ころ機構6は、台
車5の左右側(横方向)に対をなして固着されたころ受
け台8と、ころ受け台8に回動可能に支持されたころ9
とから構成されている。振り子台7には、空気ばね10
を介して車体11が載置されている。前記ころ機構6及
び振り子台7から振り子機構50が構成されている。
【0003】振り子台7は、空気ばね10を載置する略
板状の振り子基板部12と、振り子基板部12の下部側
に前記一対のころ機構6に対応して形成された一対のこ
ろ案内板13とからなっている。ころ案内板13の下部
側には、前記ころ9に摺接する円弧状の摺動面部が形成
されている。そして、振り子台7は、曲線路走行等によ
り車体11(自然振り子車両1)が傾斜した際等に、こ
ろ案内板13の摺動面部がころ9に案内されつつ、車体
11の重心Aより高い位置に設定された振り子回転中心
Kを中心として揺動(転動)するようになっている。
【0004】振り子台7と台車5との間には、パッシブ
型(減衰力を発生するオリフィスの流路面積、すなわち
減衰係数が一定)のダンパ14が介装されており、振り
子台7(ひいては車体11)と台車5とが車両の進行方
向(図9紙面表裏方向)に対して横方向(図9左右方
向)に相対的に変位することを抑制する。なお、台車5
にはストッパ(図示省略)が設けられており、車体11
(振り子台7)が回動し、その振り子ふれ角β[台車5
に対する振り子台7(ひいては車体11)の傾斜角であ
り、図2に示すように台車5の直交軸と車体11の直交
軸とのなす角度と同等である。]が所定角度(最大振り
子ふれ角)以上になると、ストッパに当接し振り子ふれ
角βが最大振り子ふれ角を越えないようにしている。
【0005】そして、自然振り子車両1が曲線区間(線
路のカーブした部分)を通過すると、車体11は、車体
重心Aに働く遠心力D(図2参照)及び曲線区間に設け
たカント角θ(図2参照)に基づく車体11の荷重の水
平、垂直方向分力等によって振り子回転中心Kを中心と
して回転運動し傾斜する。この際、自然振り子車両1
は、走行時に直線区間から図3に示すように曲線区間R
の緩和曲線部(以下、便宜上、前段緩和曲線部とい
う。)R0 に入ると、振り子機構50の振り子台7が転
動し台車5に対して傾斜し始めその振り子ふれ角βが次
第に増加し、曲線区間Rの円曲線部(略中央部分)R1
では、一定の角度に保たれ、直線区間に戻る緩和曲線部
(以下、便宜上、後段緩和曲線部という。)R2 に入る
と振り子ふれ角βは減少していく。このように振り子機
構50が、上述したように曲線区間Rにおける遠心力D
及びカント角θに応じて作動し車体11を傾斜させるこ
とにより横方向の遠心力Dをダンパ14等と協働してキ
ャンセルし、快適な乗り心地を確保するようにしてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した自
然振り子車両1等の振り子車両では、遠心力Dが小さい
ときに車体11を傾斜させようとする力に対してダンパ
14の減衰力やころ機構6のフリクションが相対的に大
きくなっている。このため、自然振り子車両1は、走行
時に前段緩和曲線部R0 に入っても、迅速には傾斜せず
図3に破線Eで示すように振り子ふれ角βは遅れて大き
くなり、横加速度が大きくなると増加割合が極めて大き
くなると共に、振り子ふれ角βが所望の値を越え(すな
わち、オーバシュートとなり)、快適な乗り心地を得ら
れない虞があった。また、場合によっては、車体11
(振り子台7)がストッパに当接して衝撃となり、この
分、更に乗り心地の低下を招く虞があった。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、良好な乗り心地を確保できる振り子車両用ダンパ制
御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
車体と台車との間に振り子機構を介装し、該振り子機構
の車体側部分と該振り子機構の台車側部分とが相対的に
変位することにより前記車体が前記台車に揺動可能に支
持される振り子車両において、前記振り子機構の車体側
部分と前記台車との間に介装されて前記車体の揺動を規
制する減衰力可変型ダンパと、前記車両の進行方向横方
向の運動状況を検出する運動状況検出手段と、該運動状
況検出手段の検出結果に基づいて前記減衰力可変型ダン
パの減衰力を設定させるコントローラとを備えたことを
特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の構
成において、運動状況検出手段は、車体揺動中心回りの
ロール角速度を検出する角速度センサであり、かつ、コ
ントローラは、ロール角速度が小さいとき小さい値の減
衰力を、ロール角速度が大きいとき大きい値の減衰力を
それぞれ減衰力可変型ダンパに設定させることを特徴と
する。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の構
成において、運動状況検出手段は、車体の横加速度を検
出する横加速度センサであり、かつ、コントローラは、
前記横加速度センサが検出した横加速度に基づいて横加
速度の変化率を求め、横加速度の変化率が小さいとき大
きい値の減衰力を、横加速度の変化率が大きいとき小さ
い値の減衰力をそれぞれ減衰力可変型ダンパに設定させ
ることを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1記載の構
成において、運動状況検出手段は、台車の横加速度を検
出する横加速度センサであり、かつ、コントローラは、
前記横加速度センサが検出した横加速度に基づいて横加
速度の変化率を求め、横加速度の変化率が小さいとき大
きい値の減衰力を、横加速度の変化率が大きいとき小さ
い値の減衰力をそれぞれ減衰力可変型ダンパに設定させ
ることを特徴とする。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
のいずれか記載の構成において、コントローラには、さ
らに、振り子機構がそのストローク端に当接する条件を
検出したときに、大きい値の減衰力に前記減衰力可変型
ダンパの減衰力を設定させるストローク端当接防止手段
を設けたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
の自然振り子車両用ダンパ制御装置を図1ないし図4に
基づいて説明する。なお、図9に示す部材、部分と同等
の部材、部分についての図示、説明は、適宜、省略す
る。
【0014】図1及び図2において、振り子台7と台車
5との間には、減衰力可変型ダンパとしての減衰係数可
変型ダンパ20が介装されている。減衰係数可変型ダン
パ20は、減衰係数調整機構21を有し、減衰係数調整
機構21の駆動により駆動量に応じた大きさの減衰係数
が設定されるようになっており、設定された減衰係数に
応じて減衰力を発生し、振り子台7(ひいては車体1
1)と台車5とが車両の進行方向(図1紙面表裏方向)
に対して横方向(図1左右方向)に相対的に変位するこ
とを抑制し、ひいては振り子ふれ角βの調整を図るよう
にしている。本実施の形態では、ころ機構6及び振り子
台7から振り子機構50が構成されている。そして、こ
ろ機構6が振り子機構50の台車側部分を、また振り子
台7が車体側部分を構成している。
【0015】車体11には、車体11の車体揺動中心
(振り子回転中心K)回りのロール角速度(dφ/d
t)を検出する角速度センサ(運動状況検出手段)22
が設けられている。角速度センサ22及び減衰係数調整
機構21にコントローラ23が接続されている。コント
ローラ23は、角速度センサ22の検出結果を入力し
て、後述するように演算処理を行って目標減衰係数Cm
を求め、減衰係数調整機構21を制御して減衰係数可変
型ダンパ20の減衰係数を目標減衰係数Cm にさせる。
図2は、曲線区間Rのカント角(カント量)θの部分に
おける自然振り子車両1を示し、24は自然振り子車両
1が走行する線路、25は水平面を示す。
【0016】ここで、自然振り子車両1の曲線区間Rに
おける走行時の傾斜状況を図2に基づいて説明する。自
然振り子車両1は、振り子回転中心Kより車体重心Aが
低い位置になるように構成されているため、例えば図2
のような曲線区間Rを走行する際、図2右向きの遠心力
Dが作用すると、振り子回転中心Kを中心として反時計
方向に回転して傾斜する。このとき、角速度センサ22
がロール角速度(dφ/dt)を検出してこの検出値を
コントローラ23に出力するすると、コントローラ23
は、入力したロール角速度(dφ/dt)に基づいて、
後述するように目標減衰係数Cm を求め、減衰係数調整
機構21を制御して減衰係数可変型ダンパ20の減衰係
数が目標減衰係数Cm になるように、すなわち傾斜状況
に応じて目標減衰係数Cm を調整し、振り子台7の揺動
を制御する。
【0017】コントローラ23の演算処理内容を図4に
基づいて説明する。コントローラ23は、角速度センサ
22が検出したロール角速度(dφ/dt)の絶対値|
dφ/dt|が小さいときは小さい値の減衰係数Cを、
ロール角速度絶対値|dφ/dt|が大きいときは大き
い値の減衰係数をブロックB1で求め、目標値算出用第
1データC1 としてブロックB1から加算ブロックB2
に出力する。さらに、コントローラ23は、振り子機構
がそのストローク端のストッパに当接するであろう条件
を検出したときに、前記減衰力可変型ダンパ20の減衰
力を大きい値としてストッパへの当接を防止しかつ当接
の際の衝撃を緩和するストローク端当接防止手段とし
て、角速度センサ22が検出したロール角速度(dφ/
dt)をブロックB3で積分してロール角φを求め、ロ
ール角φの絶対値|φ|が所定値(ストッパに当接する
少し手前の角度)までは小さい値で、当該所定値に達す
ると極めて大きい値とした減衰係数Cを目標値算出用第
2データC2 としてブロックB4から加算ブロックB2
に出力する。
【0018】加算ブロックB2は、目標値算出用第1デ
ータC1 及び目標値算出用第2データC2 に基づいて、
両データC1 ,C2 の加算処理または両データC1 ,C
2 を考慮した演算処理を行うことにより目標減衰係数C
m を求めて減衰係数調整機構21に出力する。そして、
コントローラ23は、減衰係数調整機構21を制御して
減衰係数可変型ダンパ20の減衰係数Cが目標減衰係数
m になるように、すなわち傾斜状況に応じて目標減衰
係数Cm を調整し、振り子台7の揺動を制御する。
【0019】このように構成した自然振り子車両用ダン
パ制御装置では、目標減衰係数Cmの一部として、上述
した内容(即ち、ロール角速度絶対値|dφ/dt|が
小さいときは減衰係数が小さい値とされる)の目標値算
出用第1データC1 を用いていることにより、自然振り
子車両1が前段緩和曲線部R0 に入り始めた初期すなわ
ちロール角速度(dφ/dt)が小さいときは、小さい
値の減衰係数Cに設定することが可能となり、減衰係数
可変型ダンパ20のストローク変化が容易に行われて振
り子台7が転動しやすくなる。このため、図3に実線F
で示すように振り子ふれ角βは迅速に大きくなり(従来
技術の破線Eに比して立上りが早くなり)、減衰力調整
を応答性良く行える(すなわち車体傾斜の立上り特性が
優れたものになる。)。
【0020】また、前段緩和曲線部R0 の走行が進んで
ロール角速度(dφ/dt)が大きくなると、目標減衰
係数Cm の一部として用いる、上述した内容(即ち、ロ
ール角速度絶対値|dφ/dt|が大きいときは減衰係
数が大きい値とされる)の目標値算出用第1データC1
が大きい値にされるので、これにより目標減衰係数C m
が大きくされてダンピング効果が大きくなりオーバーシ
ュートの発生が防止される。また、目標減衰係数Cm
一部として目標値算出用第2データC2 を用いているこ
とにより、ロール角φの絶対値|φ|が所定の値(スト
ッパに当接する角度)に近づくと極めて大きい値の減衰
係数Cとすることが可能となる。このため、減衰係数可
変型ダンパ20のストローク変化が抑制されてストッパ
に振り子台7(車体11)が当接することが防止される
ことになる。上述したように、第1の実施の形態の自然
振り子車両用ダンパ制御装置によれば、車体傾斜の立上
り特性が良好になり、オーバーシュートの発生防止が可
能となり、さらにストッパへの振り子台7(車体11)
の当接を防止するので、良好な乗り心地を得ることがで
きる。
【0021】次に、本発明の第2の実施の形態の振り子
車両用ダンパ制御装置を図5及び図6に基づき、図1を
参照して説明する。この第2の実施の形態は前記第1の
実施の形態に比して、角速度センサ22に代えて、車体
11に作用する横加速度αを検出する横加速度センサ
(運動状況検出手段)30を設け、図4の演算処理を行
う図1のコントローラ23に代えて、図5の演算処理を
行うコントローラ23Aを設けたことが異なっている。
【0022】この第2の実施の形態のコントローラ23
Aは、図5に示すように、ブロックB5で横加速度セン
サ30からの横加速度αを微分して横加速度変化率(横
方向ジャーク。以下、ジャークという。)(dα/d
t)を求め、図6に示すようにジャーク(dα/dt)
の絶対値|dα/dt|が大きいとき、すなわち傾斜し
始めのときには小さい値の減衰係数Cを、また、ジャー
ク絶対値|dα/dt|が小さいとき、即ち傾斜角を変
化させる遠心力Dの変化が小さくて傾斜角の変化割合が
小さいときには大きい値の減衰係数CをブロックB6で
求め、目標値算出用第1データC1 としてブロックB6
から加算ブロックB7に出力する。この目標値算出用第
1データC1 を用いて後述するように目標減衰係数Cm
を算出することにより、車体傾斜の立上り特性が優れた
ものになる。
【0023】さらに、コントローラ23Aは、ストロー
ク端当接防止手段として横加速度αの絶対値|α|が小
さいときは、小さい値の減衰係数Cを、また横加速度絶
対値|α|が大きいときは大きい値の減衰係数Cをブロ
ックB8で求め、目標値算出用第2データC2 としてブ
ロックB8から加算ブロックB7に出力する。加算ブロ
ックB7は、目標値算出用第1データC1 及び目標値算
出用第2データC2 に基づいて、両データC1 ,C2
加算処理または両データC1 ,C2 を考慮した演算処理
を行うことにより目標減衰係数Cm を求めて減衰係数調
整機構21に出力する。そして、コントローラ23A
は、減衰係数調整機構21を制御して減衰係数可変型ダ
ンパ20の減衰係数Cが目標減衰係数Cm になるよう
に、すなわち傾斜状況に応じて減衰係数Cを調整し、振
り子台7の揺動を制御する。
【0024】このように構成した振り子車両用ダンパ制
御装置では、目標減衰係数Cm の一部として、上述した
内容(ジャーク絶対値|dα/dt|が大きいとき、す
なわち傾斜し始めのときには減衰係数Cを小さい値とす
る)の目標値算出用第1データC1 を用いていることに
より、前段緩和曲線部R0 に入り始めた初期すなわち傾
斜し始めのときには小さい値の減衰係数Cを設定するの
で、減衰係数可変型ダンパ20のストローク変化が容易
に行われ振り子台7が転動しやすくなる。このため、図
3実線Fで示すように振り子ふれ角βは応答性良く迅速
に大きくなり(従来技術の破線Eに比して立上りが早く
なり)、減衰力調整を応答性良く行える(すなわち、車
体傾斜の立上り特性が優れたものになる)。
【0025】また、前段緩和曲線部R0 の走行が進んで
横加速度絶対値|α|が大きくなると大きい値の減衰係
数Cを求め、この大きい値の減衰係数Cを目標値算出用
第2データC2 として目標減衰係数Cm の算出に用いる
ので、これにより減衰係数Cが大きくされて減衰係数可
変型ダンパ20のストローク変化が抑制され(ダンピン
グ効果が大きくなり)オーバーシュートの発生が防止さ
れることになる。上述したように、第2の実施の形態の
振り子車両用ダンパ制御装置によれば、車体傾斜の立上
り特性が優れたものになると共に、オーバーシュートの
発生が防止されるので、良好な乗り心地を得ることがで
きる。
【0026】次に、本発明の第3の実施の形態の振り子
車両用ダンパ制御装置を図5及び図7を参照して説明す
る。この第3の実施の形態は、前述の第2の実施の形態
と比して、横加速度センサを設ける位置を車体側から台
車側に換えたものであり、その制御の異なる部分を図5
を用いて説明する。
【0027】図5において、横加速度センサ30は、台
車5に設けられており、台車5の横加速度αを検出す
る。そして、横加速度αは、振動から生じる細かな横揺
れを取り除くため、ローパスフィルタ(1/(1+T
s))に通し、図7に示すように低周波成分のみを得
る。ここで得られた横加速度αの低周波成分は、第2の
実施の形態と同様にブロックB5及びB8に出力する。
このような制御により、より早く加速度を生じる台車側
に横加速度センサを設けたので、より応答性の良い制御
が行え、それと共に、ローパスフィルタを設けたので、
応振動から生じる細かな横揺れの影響を受けることを防
止できる。
【0028】なお、上記第1ないし第3の実施形態の振
り子車両用ダンパ制御装置において示した、ブロックB
3,B4やB8のストローク端当接防止手段に代えて、
図8に示すように減衰力可変型ダンパ20の相対変位を
検出する相対変位センサ40を設けると共に、コントロ
ーラ23Aに図8に示す演算処理を行わせて、ストロー
ク端当接防止手段としてもよい。
【0029】すなわち、図8に示すように、相対変位セ
ンサ40が検出する相対変位xを差分ブロックB9で中
立位置変位S1 と比較し、ストローク量Δxを求め、ス
トローク量Δxの絶対値|Δx|が小さいときは、小さ
い値の減衰係数Cを、またストローク量絶対値|Δx|
が、あらかじめストッパの当接位置に対応して設けた所
定値に達すると極めて大きな値の減衰係数Cをブロック
B10で求め、この値を目標減衰係数Cm の算出に用い
るようにする。コントローラ23Aが図8の演算処理を
行うことにより、振り子台7(車体11)がストッパ当
接位置に近接すると、大きな値の減衰係数Cが設定され
て目標減衰係数Cm の値が大きくされ、このため、大き
な減衰力が発生してストッパ当接防止を確実に果たすこ
とができる。
【0030】なお、上記実施の形態では、減衰力可変型
ダンパとしての減衰係数可変型ダンパ20は、減衰係数
Cを連続的に変更し得るものを例にしたが、これに限ら
ず、段階的に変更できるものであってもよい。この場
合、段階数は大きい値、小さい値の2段階以上に設定で
きればよい。また、減衰係数を可変とするのではなく、
圧力制御弁等を用いて直接減衰力を調整するダンパを用
いてもよい。
【0031】また、上記実施の形態では、振り子機構5
0の振り子台7に空気ばね10を介して車体11を支持
した場合を例にしたが、空気ばね10に代えて金属製の
ばね等を用いてもよいし、ばねを省略して振り子機構5
0の振り子台7に直接、車体11を支持するように構成
してもよい。
【0032】また、上記実施の形態では、台車5側にこ
ろ機構6を設け、このころ機構6に対して振り子台7が
揺動する場合を例にしたが、これに代えて、振り子台7
にころ機構6を設け、台車5側に凹状の円弧面部を有す
る支持部を設けるように構成してもよい。
【0033】さらに、上記実施の形態においては、振り
子車両として、ころ機構6を用いた自然振り子車両を示
したが、これに限らず、油圧や空圧を利用し、車体の傾
斜を制御する制御振り子を用いた車両に本発明を用いて
もよい。
【0034】また、上記実施の形態においては、進行方
向横方向の運動状況を検出する運動状況検出手段とし
て、ロール角センサや横加速度センサを用いたが、これ
に限らず、進行方向横方向の運動成分を含む量を検出で
きるセンサであればよく、車体と台車の横方向の相対変
位を検出するセンサや、ころ機構6のころの回転位置を
検出するセンサ等であってもよい。
【0035】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、車体の運動状況
に応じ、例えばカーブし始めの傾斜開始段階では、減衰
力の値を小さくし、カーブの中間部分に近づいた段階で
減衰力の値を大きくすることが可能となるので、傾斜開
始段階では、減衰力可変型ダンパのストローク変化が迅
速に行われ、減衰力調整を応答性良く行え、従来技術に
比して車体傾斜の立上り特性が優れたものになり、さら
に、カーブの中間部分に近づいた段階では、減衰力可変
型ダンパのストローク変化が抑制されて、即ちダンピン
グ効果が大きくなって、オーバーシュートの発生が防止
される。このように車体傾斜の立上り特性が良好なもの
になり、かつオーバーシュートの発生が防止されること
により、乗り心地の向上を図ることができる。
【0036】請求項2記載の発明は、ロール角速度が小
さいとき、即ちカーブし始めの傾斜開始段階では、小さ
い値の減衰力を減衰力可変型ダンパに設定させ、また、
走行が進んでカーブの中間部分に近づいてロール角速度
が大きくなると、大きい値の減衰力を減衰力可変型ダン
パに設定させるので、傾斜開始段階では、減衰力可変型
ダンパのストローク変化が迅速に行われて車体傾斜の立
上り特性が優れたものになり、さらに、カーブの中間部
分に近づいた段階では、減衰力可変型ダンパのストロー
ク変化が抑制されてオーバーシュートの発生が防止さ
れ、良好な乗り心地を得ることができる。
【0037】請求項3記載の発明は、横加速度の変化率
が大きいとき、即ちカーブし始めの傾斜開始段階では、
小さい値の減衰力を減衰力可変型ダンパに設定させるの
で、衰係数可変型ダンパのストローク変化が迅速に行わ
れて車体傾斜の立上り特性が優れたものになり、その
分、良好な乗り心地を得ることができる。
【0038】請求項4記載の発明は、運動状況検出手段
を台車の横加速度を検出する横加速度センサとしたの
で、台車側が車体側に比してより早く加速度を生じるこ
とにより、車体の横加速度を検出する場合に比して、よ
り応答性の良い制御を行うことができる。
【0039】請求項5記載の発明は、コントローラにス
トローク端当接防止手段を設け、振り子機構がそのスト
ローク端に当接する条件を検出したときに、減衰力可変
型ダンパの減衰力を大きい値に設定させるので、減衰係
数可変型ダンパのストローク変化が抑制されて振り子機
構がそのストローク端に当接することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の自然振り子車両用
ダンパ制御装置を模式的に示す図である。
【図2】図1の自然振り子車両の曲線区間の走行状態を
示す図である。
【図3】図1の自然振り子車両の運動状況を示す図であ
る。
【図4】図1のコントローラの演算処理内容を示すブロ
ック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態におけるコントロー
ラの演算処理内容を示すブロック図である。
【図6】第2の実施の形態におけるカント量、横加速
度、ジャーク、目標減衰係数を対応させて示す図であ
る。
【図7】本発明の第3の実施の形態におけるカント量、
横加速度、ジャーク、目標減衰係数を対応させて示す図
である。
【図8】図5の演算処理を行うコントローラが更に実行
する演算処理の内容を示すブロック図である。
【図9】自然振り子車両の従来の一例を模式的に示す図
である。
【符号の説明】
1 自然振り子車両 5 台車 6 ころ機構(振り子機構の台車側部分) 7 振り子台(振り子機構の車体側部分) 20 減衰係数可変型ダンパ 22 角速度センサ(運動状況検出手段) 23 コントローラ 50 振り子機構

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と台車との間に振り子機構を介装
    し、該振り子機構の車体側部分と該振り子機構の台車側
    部分とが相対的に変位することにより前記車体が前記台
    車に揺動可能に支持される振り子車両において、前記振
    り子機構の車体側部分と前記台車との間に介装されて前
    記車体の揺動を規制する減衰力可変型ダンパと、前記車
    両の進行方向横方向の運動状況を検出する運動状況検出
    手段と、該運動状況検出手段の検出結果に基づいて前記
    減衰力可変型ダンパの減衰力を設定させるコントローラ
    とを備えたことを特徴とする振り子車両用ダンパ制御装
    置。
  2. 【請求項2】 運動状況検出手段は、車体揺動中心回り
    のロール角速度を検出する角速度センサであり、かつ、
    コントローラは、ロール角速度が小さいとき小さい値の
    減衰力を、ロール角速度が大きいとき大きい値の減衰力
    をそれぞれ減衰力可変型ダンパに設定させることを特徴
    とする請求項1記載の自然振り子車両用ダンパ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 運動状況検出手段は、車体の横加速度を
    検出する横加速度センサであり、かつ、コントローラ
    は、前記横加速度センサが検出した横加速度に基づいて
    横加速度の変化率を求め、横加速度の変化率が小さいと
    き大きい値の減衰力を、横加速度の変化率が大きいとき
    小さい値の減衰力をそれぞれ減衰力可変型ダンパに設定
    させることを特徴とする請求項1記載の振り子車両用ダ
    ンパ制御装置。
  4. 【請求項4】 運動状況検出手段は、台車の横加速度を
    検出する横加速度センサであり、かつ、コントローラ
    は、前記横加速度センサが検出した横加速度に基づいて
    横加速度の変化率を求め、横加速度の変化率が小さいと
    き大きい値の減衰力を、横加速度の変化率が大きいとき
    小さい値の減衰力をそれぞれ減衰力可変型ダンパに設定
    させることを特徴とする請求項1記載の振り子車両用ダ
    ンパ制御装置。
  5. 【請求項5】 コントローラには、さらに、振り子機構
    がそのストローク端に当接する条件を検出したときに、
    大きい値の減衰力に前記減衰力可変型ダンパの減衰力を
    設定させるストローク端当接防止手段を設けたことを特
    徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の振り子車
    両用ダンパ制御装置。
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