JPH06278605A - 車両用制振装置 - Google Patents

車両用制振装置

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Publication number
JPH06278605A
JPH06278605A JP7037393A JP7037393A JPH06278605A JP H06278605 A JPH06278605 A JP H06278605A JP 7037393 A JP7037393 A JP 7037393A JP 7037393 A JP7037393 A JP 7037393A JP H06278605 A JPH06278605 A JP H06278605A
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JP
Japan
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vehicle
control
vehicle body
main body
sensor
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Application number
JP7037393A
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English (en)
Inventor
Yoshiko Matsuoka
佳子 松岡
Koji Fukui
宏治 福井
Tatsuya Ganmi
龍也 願海
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は台車と車両本体との間に設けられた
駆動手段を駆動制御して車両本体の振動を吸収するよう
構成した車両用制振装置を提供することを目的とする。 【構成】 鉄道用車両1は、車両本体2の底部に車両本
体2の振動(加速度)を制振するための一対の制振装置
3a,3bが設けられている。この制振装置3a,3b
は、車両本体2の振動に応じて駆動される油圧シリンダ
4a,4bと、油圧シリンダ4a,4bを駆動する油圧
ユニット5a,5bと、車両本体2の加速度を検出する
加速度センサ6a〜6dと、この加速度センサ6a〜6
dから出力された検出信号に基づいて油圧ユニット5
a,5bを駆動制御する制御装置7と、よりなる。又、
制御装置7は、油圧シリンダ4a,4bを駆動制御する
制御系の制御ゲインを車両本体2の変位量に応じて最適
値に切換えるゲイン切換手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用制振装置に係り、
特に台車と車両本体との間に設けられた駆動手段を駆動
制御して車両本体の振動を吸収するよう構成した車両用
制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば鉄道用車両においては、レールを
走行する台車の上方に車両本体が支持される構成であ
り、台車と車両本体との間には車輪からの振動を吸収す
る空気ばねやコイルばねが設けられている。この空気ば
ねやコイルばねは、パッシブ(受動)形であり車両本体
に平均的な1次の固有振動数を吸収するように制作され
ている。
【0003】そのため、車両がレール上を走行する際に
発生する振動が低周波数の場合は、上記空気ばねやコイ
ルばねにより振動が吸収されて車両は安定に走行するこ
とができる。しかし、高周波数の振動の場合は、空気ば
ね,コイルばねにより吸収することができず、例えば高
速走行時の細かい振動が乗客に不快感を与える原因とな
っていた。さらに、高速走行を継続すると、台車の車輪
がレールから脱線するおそれがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来の車両
は、パッシブ(受動)形の空気ばねやコイルばねが台車
と車両本体との間に設けられているだけなので、高周波
数の振動を効果的に制振することができず、特に横方向
の加速度を吸収することができないので、カーブを高速
で通過する際は、車両本体が傾いて揺動するため、乗り
心地が悪かった。
【0005】そのため、最適制御則を適用して台車と車
両本体との間に振動を吸収する制振装置を設けて制振装
置を最適値に制御することが考えられるが、最適制御則
を適用する場合、数学モデルに関して最も効果の大きい
制御系を設計することになる。ところが、鉄道用車両の
場合は駅毎に乗客の乗降があり、その度に車両の質量、
重心位置が変化するため、1つの数学モデルだけではあ
らゆる条件に対処することができない。
【0006】つまり、最適制御則を適用する場合、1つ
の数学モデルに対する制振制御系のゲインが一定となる
ので、例えば車両がゆっくりとした低周波数の揺れのと
きも、高周波数の急激な振動のときも同一のゲインで制
御されることになる。そのため、同一のゲインで制御す
る場合、例えば乗客が少なくて車体質量が軽く比較的小
さな振動のときは制振装置が十分機能せず、又ラッシュ
時など車体質量が大きいときに大きな振動が急激に入力
されたときは制御可能範囲を越えてしまうことになる。
そこで、本発明は上記課題を解決した車両用制振装置を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記請求項1の発明は、
台車の上方に設けられた車両本体と、該車両本体に設け
られ、前記車両本体の変位状態を検出するセンサと、前
記台車と前記車両本体との間に設けられ、前記車両本体
を弾力的に支持するばね手段と、一端が前記台車に連結
され他端が前記車両本体に連結され、前記車両本体の振
動を吸収するように駆動される駆動手段と、前記センサ
からの出力に応じて制御量を演算し、この制御量に基づ
いて前記駆動手段を駆動制御する制御手段と、よりな
り、前記制御手段は、前記駆動手段を駆動制御する制御
系の制御ゲインを前記車両本体の質量に応じて最適値に
切換えるゲイン切換手段を有してなることを特徴とす
る。
【0008】又、請求項2の発明は、台車の上方に設け
られた車両本体と、該車両本体に設けられ、前記車両本
体の変位量を検出するセンサと、前記台車と前記車両本
体との間に設けられ、前記車両本体を弾力的に支持する
ばね手段と、一端が前記台車に連結され他端が前記車両
本体に連結され、前記車両本体の振動を吸収するように
駆動される駆動手段と、前記軌道に沿って走行する際の
走行条件に応じた駆動手段制御系の制御ゲインを各区間
毎に記憶する記憶手段と、該各区間を走行する前に前記
走行条件に合った制御ゲインを前記記憶手段から読み込
み、当該制御ゲインに基づいて前記センサからの出力に
応じた制御量を演算し、該制御量を出力して前記駆動手
段を駆動制御する制御手段と、よりなることを特徴とす
る。
【0009】又、請求項3の発明は、前記制御手段が、
前記車両本体に設けられたドア開又は閉を検出するドア
検出スイッチからの検出信号により前記駆動手段への制
御量をリセットし、走行する区間の走行条件に合った制
御ゲインに基づいて前記制御量を演算することを特徴と
する。
【0010】又、請求項4の発明は、前記センサが、前
記車両本体の前部,後部,左側,右側に設けられ、該左
側のセンサと右側のセンサとが、互いに前記車両本体の
中心より前後方向にずれた位置に設けられたことを特徴
とする。
【0011】又、請求項5の発明は、前記制御手段が、
車両走行速度と前記センサの出力とを比較して前記駆動
手段の異常の有無を判定する判定手段と、該判定手段が
異常であると判定したとき前記駆動手段の制御を停止す
る切換手段とを有することを特徴とする。
【0012】
【作用】上記請求項1によれば、駆動手段を駆動制御す
る制御系の制御ゲインを車両本体の変位量に応じて最適
値に切換えることにより、車両の走行条件に対応して車
両本体の振動を効果的に吸収することが可能になる。
【0013】又、請求項2によれば、各区間毎の制御ゲ
インを記憶することができるので、車両が走行する区間
の走行条件にあった制御ゲインに切り換えることがで
き、乗客の乗降による乗客数の変化及び乗客分布の変化
に対応して車両本体の振動を効果的に吸収することが可
能になる。
【0014】又、請求項3によれば、ドアの開閉が検出
されるとその都度制御ゲインを最適値に切換えることに
より、乗客の乗降による乗客数の変化及び乗客分布の変
化に対応して車両本体の振動を効果的に吸収することが
可能になる。
【0015】又、請求項4によれば、左側のセンサと右
側のセンサとは、互いに前記車両本体の中心よりずれた
位置に設けられているので、横方向だけでなく、ヨーイ
ングも検出できる。
【0016】又、請求項5によれば、異常の有無を判定
することができるので、駆動手段への制御量が異常であ
るときは駆動手段による制振動作が解除され、安全性が
高められている。又、異常が発生しても駆動手段が受動
形(パッシブ形)の制振装置として動作する。
【0017】
【実施例】図1乃至図3に本発明になる車両用制振装置
の第1実施例が適用された鉄道用車両を示す。
【0018】各図中、鉄道用車両1は、車両本体2の底
部に車両本体2の振動(加速度)を制振するための一対
の制振装置3a,3bが設けられている。この制振装置
3a,3bは、大略、車両本体2の振動に応じて駆動さ
れる油圧シリンダ4a,4bと、油圧シリンダ4a,4
bを駆動する油圧ユニット5a,5bと、車両本体2の
加速度を検出する加速度センサ6a〜6dと、この加速
度センサ6a〜6dから出力された検出信号に基づいて
油圧ユニット5a,5bを駆動制御する制御装置(制御
手段)7と、よりなる。又、制御装置7は、後述するよ
うに油圧シリンダ4a,4bを駆動制御する制御系の制
御ゲインを車両本体2の変位量に応じて最適値に切換え
るゲイン切換手段を有する。尚、本発明の車両用制振装
置は、上記油圧シリンダ4a,4b,油圧ユニット5
a,5b,制御装置7よりなる。
【0019】上記加速度センサ6a〜6dのうち、加速
度センサ6aは車両本体2の前部に設けられ、加速度セ
ンサ6bは車両本体2の後部に設けられ、加速度センサ
6cは車両本体2の左側に設けられ、加速度センサ6d
は車両本体2の右側に設けられている。従って、加速度
センサ6a,6bの感度方向は矢印6A,6Bのように
なっており、車両本体2の左右方向の加速度が検出さ
れ、これを積分することで変位,速度を求めることがで
きる。同様に、加速度センサ6c,6dの感度方向は矢
印6C,6Dであり、車両本体2の前後方向の加速度が
検出され、これを積分することで変位,速度を求めるこ
とができる。尚、上記加速度センサ6a〜6dの代わり
に車両本体2の変位状態を検出する他の形式のセンサ
(例えば変位センサ、速度センサなど)を設けても良
い。
【0020】8,9は台車で、車両本体2の前部と後部
の底部に設けられ、夫々4個の車輪10を転動自在に支
持している。各車輪10は車軸11の両端に設けられ、
レール17上を転動する。又、車軸14の両端はばね1
3,14により押圧されており、台車8,9のベース8
a,9aはこのばね13,14により弾力的に支持され
ている。又、台車8,9のベース8a,9aの左右両端
と車両本体2との間には空気ばね15a,16a,15
b,16bが介在し、車両本体2は台車8,9上に設け
られた空気ばね15a,16a,15b,16bにより
弾力的に支持されている。
【0021】従って、車両本体2は上記ばね13,14
及び空気ばね15a,16a,15b,16bを介して
前部の台車8と後部の台車9上に載置された状態でレー
ル17に沿って走行するため、上下方向の振動が発生し
た場合、ばね13,14及び空気ばね15a,16a,
15b,16bによりその加速度が吸収される。しか
し、車両1がカーブを通過する際はその遠心力によりカ
ーブ外側のばね13又は14,空気ばね15a,15b
又は16a,16bに大きな荷重が作用し、車両本体2
はカーブ外側に傾きながらカーブを通過することにな
る。
【0022】一対の油圧シリンダ4a,4bは、一端が
車両本体2の下面より突出する支持部18に連結され、
他端が台車8,9のベース8a,9a上面より起立する
支持部19に連結されている。又、油圧シリンダ4a,
4b及び油圧ユニット5a,5bは、夫々同一構成であ
るので、一方の油圧シリンダ4a及び油圧ユニット5a
につき説明する。
【0023】図1及び図4に示すように、油圧シリンダ
4aは、車両本体2の横方向に延在する筒状のシリンダ
本体20と、シリンダ本体20内に摺動自在に挿入され
たピストン21と、ピストン21と一体に設けられたピ
ストンロッド22よりなる。シリンダ本体20の端部に
突出する連結部20aは上記ベース8a上面より起立す
る支持部19にピン19aを介して回動自在に連結され
ている。又、ピストンロッド22の端部に設けられた連
結部22aは上記車両本体2の下面より突出する支持部
18にピン18aを介して回動自在に連結されている。
【0024】油圧ユニット5aは、油圧ポンプ24と、
第1の切換弁25と、第2の切換弁26を有し、切換弁
25,26を介してシリンダ本体20内に加圧された作
動油を供給する。第1の切換弁25は例えば4ポート3
位置・スプリングオフセット電磁弁よりなり、中立位置
にあるときは両方のばね25e,25fの押圧力が釣り
合って閉弁状態となりピストン21を動作不可状態にロ
ックし、後述するように制御装置7により演算された制
御量の大きさに応じて切換制御される。又、第2の切換
弁26は、4ポート2位置・スプリングオフセット電磁
弁よりなり、通常油圧により第1の切換弁25とシリン
ダ本体20とが連通される位置に保持されている。しか
し、第2の切換弁26は後述するように制御ゲインが異
常であると判定されたとき、制御力が0となりばね26
hの押圧力により第1の切換弁25とシリンダ本体20
との間を遮断する。
【0025】即ち、第2の切換弁26には、シリンダ本
体20からの管路27e,27fを連通するU字状の流
路26e及び絞り26f,26gが配設されている。こ
の流路26eが管路27e,27fに接続されるように
切り換わると、油圧シリンダ4aはパッシブ形のダンパ
として機能する。
【0026】上記第1の切換弁25は、ポート25a,
25bが油圧ポンプ24aからの油圧供給管路27a,
油圧回収管路27bと接続され、ポート25c,25d
が管路27c,27dを介して第2の切換弁26のポー
ト26a,26bに接続されている。さらに、第2の切
換弁26のポート26c,26dは管路27e,27f
を介してピストン21により画成されたシリンダ本体2
0内の左室28,右室29に接続されている。
【0027】従って、油圧シリンダ4a,4bは、切換
弁25の切り換えによりシリンダ本体20内の左室28
に油圧が供給されるとピストン21及びピストンロッド
22がXb方向に摺動し、シリンダ本体20内の右室2
9に油圧が供給されるとピストン21及びピストンロッ
ド22がXa方向に摺動する。即ち、ピストンロッド2
2がシリンダ本体20に対して伸縮することにより、車
両本体2と台車8,9との相対位置が変更され、車両本
体2はXa方向又はXb方向に駆動される。
【0028】又、油圧シリンダ4a,4bには夫々ピス
トン21の作動位置を検出するポテンショメータ23
a,23bが設けられている。このポテンショメータ2
3a,23bの出力は制御装置7に供給される。上記車
両本体2は乗降用ドア30が両側に設けられており、こ
のドア30は駅に到着したとき開閉される。そして、車
両本体2には、ドア30が開又は閉位置にあることを検
出するドア検出スイッチ31が設けられている。さら
に、各台車8,9の空気ばね15a,16a,15b,
16bには、空気圧力を検出する圧力センサ32a,3
2b,33a,33bが配設されている。従って、本実
施例では、乗客の乗降による車両本体2の質量が空気ば
ね15a,16a,15b,16bの圧力により検出さ
れるため、車両本体2と台車8,9との間にセンサを設
ける必要がない。
【0029】尚、本実施例では、車両本体2の質量を空
気ばね15a,16a,15b,16bの圧力により検
出しているが、これに限るものではなく、圧力センサ3
2a,32b,33a,33bとは別個に車両本体2の
下部に車両本体2自体の重量を検出するための重量計
や、床反力計(ひずみ計)を設けてこの検出値から間接
的に車両本体2の質量を求めるようにしても良い。又、
車両本体2と台車8,9との間に車両本体2と台車8,
9との距離を検出するためのポテンショメータを設け、
このポテンショメータの検出値から車両本体2の質量を
間接的に求めるようにしても良い。
【0030】図5に示すように、制御装置7は、上記加
速度センサ6a〜6d,ポテンショメータ23a,23
b,ドア検出スイッチ31,圧力センサ32a,32
b,33a,33bから出力された検出信号をデジタル
信号に変換するA/D変換器36と、A/D変換器36
より出力された検出信号に基づいて油圧シリンダ4a,
4bの制御量u1 ,u2 及び油圧シリンダ制御系の制御
ゲインを演算するCPU37と、CPU37から出力さ
れた制御量u1 ,u2 をアナログ信号に変換するD/A
変換器38と、D/A変換器38からの出力により油圧
ユニット5a,5bを駆動させるドライバ39,40と
よりなる。
【0031】41はメモリで、後述する制振制御のプロ
グラムが格納され、且つ制振制御に必要な各演算の初期
値及び異常フラグ等を記憶する。
【0032】例えばメモリ41には、図5に示す如くC
PU37が実行する制振制御プログラム41A、制御量
異常判定プログラム41B、ゲイン切換プログラム41
Cが記憶されている。ここで、各制御プログラムの概要
について説明する。
【0033】まず、制振制御プログラム41Aは、車両
1の走行状態(走行速度,カーブ,上り坂,下り坂,車
体質量中心(重心)G,車体ローリング角θ,車体のヨ
ーイング角ψ)に応じて油圧シリンダ4a,4bの制御
量u1 ,u2 を演算し、油圧ユニット5a,5bを制御
する。
【0034】又、制御量異常判定プログラム41Bは、
車両1の走行速度と車両本体2の運動状態を比較し、制
振制御系が正常か異常かを判定し、制御量が不適当であ
る場合は油圧シリンダ4a,4bの制御を中止して油圧
シリンダ4a,4bをパッシブダンパとして使用できる
ように油圧ユニット5a,5bを切り換える。
【0035】又、ゲイン切換プログラム41Cでは、車
体質量中心(重心)G,車体質量M,車体慣性モーメン
トJに応じた制振制御系の制御ゲインを切換える。尚、
本実施例では後述するLQ(Linear Quadratic) 制御に
より油圧シリンダ4a,4bを制振動作させており、制
御ゲインはLQ制御の演算過程で算出される。
【0036】次に、上記制御装置7のCPU37が実行
する処理について説明する。先ず、図6を参照してメイ
ンフローの処理について説明し、さらに制御ゲインの算
出方法について説明する。
【0037】又、CPU37は例えば5msec毎に図6の
処理を繰り返し実行している。
【0038】図6中、ステップS1(以下「ステップ」
を省略する)で上記加速度センサ6a〜6d,ポテンシ
ョメータ23a,23b,ドア検出スイッチ31、車両
本体2の各点の位置,速度を取り込む。
【0039】次のS2では、上記S1で取り込んだ油圧
シリンダ4a,4bのストローク,車両本体2の各点の
位置,速度の値より車体質量中心(重心)G,車体のロ
ーリング角θ,車体のヨーイング角ψ及びその速度を求
める。又、後述する状態方程式を解くのに必要な状態ベ
クトルの各成分も求める。
【0040】そして、S2で得られた値をu=−Fxの
式に代入して油圧シリンダ4a,4bに対する各制御量
1 ,u2 を算出する(S3)。次のS4では、S3で
算出された制御力u1 ,u2 を前述した各ドライバ3
9,40に出力する。
【0041】従って、油圧シリンダ4a,4bはこの制
御力u1 ,u2 により駆動され車両本体2の振動をキャ
ンセル方向に駆動される。即ち、車両本体2の前部及び
後部が共にXa方向の加速度を受けた場合は、油圧シリ
ンダ4a,4bのピストン21がともにXb方向に駆動
され、車両本体2の前部及び後部が共にXb方向の加速
度を受けた場合は、油圧シリンダ4a,4bのピストン
21がともにXa方向に駆動される。又、車両本体2の
前部がXa方向の加速度を受け、後部がXb方向の加速
度を受けた場合は、油圧シリンダ4aのピストン21が
Xb方向に駆動され、油圧シリンダ4bのピストン21
がXb方向に駆動される。又、車両本体2の前部がXb
方向の加速度を受け、後部がXa方向の加速度を受けた
場合は、油圧シリンダ4a,4bのピストン21がXa
方向,Xb方向に駆動される。
【0042】これにより車両本体2の走行安定性が向上
し、乗り心地が良好となる。
【0043】本実施例では前述したLQ(Linear Quadr
atic) 制御により油圧シリンダ4a,4bを制振動作さ
せており、制御ゲインはLQ制御の演算過程で算出され
る。ここで、LQ制御の処理につきさらに説明する。
【0044】上記車両1は図7及び図8に示すような数
学モデルに置き換えられる。
【0045】このような一般的にモデルの運動方程式
は、
【0046】
【数1】
【0047】より次式のように表せる。
【0048】但し、上記式及び以下の式において、Mは
車両本体2の質量、Kは空気ばねの上下方向のばね定
数、Cは上下方向のダンパの減衰係数、IはX軸回りの
車両本体2の慣性モーメント、JはZ軸回りの車両本体
2の慣性モーメント、K1 は空気ばねの左右方向のばね
定数、C1 は左右方向のダンパの減衰係数、K2 はばね
13,14のばね定数、C2 はばね13,14のダンパ
の減衰係数、m1 は台車8の質量、m2 は台車9の質
量、Lは車体質量中心(重心)Gと台車間の距離、h3
は空気ばね中心から車体質量中心(重心)Gまでの高
さ、h5 は制振装置3a,3bの車両本体2に対する力
の作用点である点Oから車体質量中心(重心)Gまでの
高さ、b2 は空気ばね間の距離、b3 は上下方向のダン
パ間の距離、xg は車両本体2の左右変位,ψは車両本
体2のヨーイング角,θは車両本体2のローリング角,
1 は台車8の左右変位,x2 は台車9の左右変位,u
1 は台車8の制御力,u2 は台車9の制御力,w,wは
台車8への入力(ここでは0とする)を表す。
【0049】
【数2】
【0050】そして、上記モデルの状態方程式は次のよ
うに表せる。
【0051】(f)台車8の支持点(車両本体2の油圧
シリンダ4aとの連結部分)と台車8との相対変位y1
は、 y1 =xg +Lψ+h3 θ−x1 …(9) となる。
【0052】(g)台車9の支持点(車両本体2の油圧
シリンダ4bとの連結部分)と台車9との相対変位y2
は、 y2 =xg −Lψ+h3 θ−x2 …(10) となる。
【0053】ここで、状態変数Xを
【0054】
【数3】
【0055】一般に、このような系では、評価関数Eを
車両本体2の絶対変位,絶対速度(進行方向を除く),
車両本体2のヨーイング角ψ,車両本体2のローリング
角θ,油圧シリンダ4a,4bのトルク,駆動ストロー
クが最小になるように設定する。ここで、評価関数Eを E=∫(xT Qx+uT Ru)dt …(13) とし、重みQ,Rを
【0056】
【数4】
【0057】と与えてリカッチ方程式 AT P+PA+Q−PBR-1T P=0 …(16) を解き最適ゲインF F=R-1BP …(17) を求める。
【0058】このようにして得られたゲインFを用い
て、各時刻における制御量u(u=−Fx)を求める。
【0059】ここで、車両1が駅に到着して停車してい
る間に最適ゲインFを算出する手順、即ち上記CPU3
7が実行するLQ制御の処理につき図9を参照して説明
する。
【0060】図9中、CPU37は、S11において車
両1が駅に到着し、ドア検出スイッチ31によりドア3
0が開になったことが検出されると、S12に進み前回
の制御量をリセットする。そして、S13において乗客
の乗降が済んでドア30が閉じると、S14に進み台車
8,9の各空気ばね15,16の圧力値P1 〜P4 を圧
力センサ32a,32b,33a,33bから読み込
む。
【0061】続いてS15に進み、各空気ばね15,1
6の圧力値P1 〜P4 と予め設定された初期設定圧P0
と比較して各空気ばね15,16が支持する質量ma〜
mdを算出する。次のS16では、各質量ma〜mdを
加算して現在の総質量Mを算出する。
【0062】そして、乗客の人数,乗客の乗車分布に応
じて車両本体2の車体質量中心(重心)Gを求める(S
17)。次のS18では、上記(4)〜(8)式により
各軸回り及び台車8,9の慣性モーメントを算出する。
さらに、上記(9)(10)式により台車8の支持点
(車両本体2の油圧シリンダ4aとの連結部分)と台車
8との相対変位y1 、及び台車9の支持点(車両本体2
の油圧シリンダ4bとの連結部分)と台車9との相対変
位y2 を算出する。
【0063】続いて上記S17,S18で算出された値
の基づいて状態方程式(12)のAマトリクスを変更す
る(S19)。さらに、重みQ,Rはそのままの値を用
いて上記(16)(17)式に基づいてリカッチ方程式
を解いて最適ゲインFを算出する(S20)。
【0064】これにより、油圧シリンダ4a,4bは、
現在乗車している乗客数及び乗客の乗車分布に応じた制
御力で駆動され、車両本体2の走行安定性がより高めら
れる。即ち、図10に示すように、乗車率に応じた車両
本体2の質量変化を検出して数学モデルを変更すること
ができるので、乗客の乗降に伴って制御対象が変化する
場合についても上記LQ制御を適用することができる。
【0065】図11は上記制振制御を行わなかった場合
の周波数特性と制振制御を行った場合の周波数特性の実
験結果である。この図11の波形より無制振時は、周波
数1Hz近傍でスウェイの振動が発生し、5〜10Hzの間
でローリングとヨーイングが発生していたことが分か
る。しかし、上記油圧シリンダ4a,4bが駆動される
ことにより、各周波数領域での振幅が小さく抑えられて
制振効果が表れていることが分かる。
【0066】又、図12は横軸を時間とした場合の振動
による変位を示す実験結果である。この図12の波形よ
り無制振時に発生していたスウェイ,ローリング,ヨー
イングの各振動が上記制振制御によりきわめて微小な振
動に制振されていることが分かる。そのため、従来不可
能であった高周波数の制振制御が可能になり、高速走行
時の安定性が向上し、脱線することが防止されるととも
に、高周波数領域での「ごつごつ」といった感触がなく
なり乗り心地が改善される。
【0067】次に、車両走行中に制御ゲインが適正であ
るかどうかを判定する処理につき説明する。
【0068】図13中、CPU37は、S21において
車両本体2の前後に設けられた加速度センサ6a,6b
により検出された加速度α1 ,α2 、及びポテンショメ
ータ32a,32bにより検出されたピストン位置y
a1, a2 を読み込む。
【0069】次に車両1の進行速度vs を読み込む(S
22)。尚、車両1の進行速度は車軸11の回転を検出
する速度センサ(図示せず)より求まり速度計(図示せ
ず)に表示されるので、ここでは速度センサからの信号
を取り込む。
【0070】次のS23では、S21で読み込んだ加速
度α1 ,α2 を積分して速度v1 ,v2 を算出する。
【0071】続いて、図14に示すように、車両1の進
行速度vs と比例定数K(例えば0.1)の積により車
両速度のリミット値vlim を決定する(S24)。
【0072】車両本体2の前部の速度v1 と車両速度の
リミット値vlim とを比較し(S25)、リミット値v
lim よりも車両本体2の前部の速度v1 が大きいときは
アラーム出力を出力し、異常であるかどうかを判断する
ための変数faを0xffとする(S26)。この値
は、制御開始時に0が代入されている。続いて、油圧シ
リンダ4aの制御量u1 を0とする(S27)。
【0073】逆にリミット値vlim よりも車両本体2の
前部の速度v1 が小さい場合は、すでに異常が発生した
かどうかを変数faの値により判断し(S28)、fa
=0xffの場合は、制御量u1 を0とする(S2
9)。しかし、faが0xffでない場合は制御量u1
を加速度α1 ,α2 より求める(S30)。
【0074】又、制御量u1 が0の場合は、前述した第
2の切換弁26(図4参照)が切り換わり絞り26f,
26gを有する流路26eが油圧シリンダ4aに連通す
る。そのため、油圧シリンダ4aの作動油の粘性により
パッシブ形(受動形)ダンパとして機能する。又、車両
本体2の後部についても、上記車両本体2の前部のS2
5〜S30と同様にS31〜S36の処理を実行し、油
圧シリンダ4bの制御量u2 を決定する。
【0075】このようにして算出された制御量u1 ,u
2 はドライバ39,40を介して油圧ユニット5a,5
bに出力される(S37)。そして、上記21〜37の
処理は各区間毎に実行され制御量u1 ,u2 に異常がな
いかどうかを監視する。
【0076】図15乃至17に本発明の第2実施例を示
す。
【0077】図15中、CPU37には外部記憶装置と
しての磁気ディスク装置45が接続されている。この磁
気ディスク装置45はテンキー46、表示部47ととも
に車両本体2の運転席(図示せず)のコントロールパネ
ル48に取り付けられている。又、磁気ディスク装置4
5は、可撓性ディスク記録媒体49aが収納されたディ
スクカートリッジ49が装着されると、可撓性ディスク
記録媒体49aに磁気記録された各データを読み取りC
PU37に供給する。
【0078】図16に示すように、例えば可撓性ディス
ク記録媒体49aの最初の32ビットには、路線名,始
発駅,終着駅,経由駅,停車コード(普通,快速,準
急,急行等),曜日,時刻,停車駅数などの走行条件が
記憶されており、これらのデータは車両コードと対応し
て設定されている。これ以降には、32ビット毎に番号
(停車駅数に対応),各番号毎の上記走行条件に対応し
た制振制御系の制御ゲインが記憶されている。
【0079】ここで、上記CPU37が実行する処理に
つき図17を参照して説明する。
【0080】先ず、車両1の運転者は、ディスクカート
リッジ49を磁気ディスク装置45に装着する。次にテ
ンキー46を操作して車両コードを入力する。
【0081】図17中、CPU37はS41で運転者の
操作により車両コードが入力されると、磁気ディスク装
置45により可撓性ディスク記録媒体49aに磁気記録
された車両コードを読み込む(S42)。
【0082】次に運転者が入力した車両コードと可撓性
ディスク記録媒体46aに記録された車両コードとを照
合し、一致しているかどうかをチェックする(S4
3)。車両コードが不一致の場合は、コントロールパネ
ルの表示部47にエラーメッセージ(例えば「正しい車
両コードを入力して下さい」など)を表示して処理を終
了する(S44)。
【0083】しかし、S43において、車両コードが一
致した場合は、番号iに0を入力し(S45)、可撓性
ディスク記録媒体49aに記録された0番目のゲインを
読み込む(S26)。この後、車両1が終着駅に到着す
るまで、即ち、車両1のドア30がn+1回開閉するま
でこれ以降の処理S47〜S50を繰り返す。又、この
間、所定の周期(例えば10ms)毎に図18に示す処
理を平行して実行する。
【0084】S47において、車両1のドア30が開に
なると、ドア検出スイッチ31によりドア30が開にな
ったことが検出され(S48)、このとき番号iにi+
1を入力し(S49)、i番目の走行条件に対応したゲ
インを読み込む(S50)。しかし、ドア30が開が検
出されないときはゲインの読み込みは行わない。
【0085】次に図18に示す制振制御の処理につき説
明する。
【0086】同図中、CPU37は、先ずS51でドア
検出スイッチ31からのドア開信号を読み込む。続い
て、各加速度センサ6a〜6dから出力された加速度信
号α1〜α2 及びポテンショメータ23a,23bから
出力された油圧シリンダ4a,4bのピストン動作位置
a1, a2 を読み込む(S52)。
【0087】次に、各加速度センサ6a〜6dから得ら
れた車両本体2の加速度α1 〜α2を積分して速度v1
〜v4 を求める(S53)。さらに、車両本体2の速
度,加速度,油圧シリンダ4a,4bのピストン動作位
置より、油圧ユニット5a,5bに出力する制御力
1 ,u2 を算出し、この制御力u1 ,u2 をD/A変
換器38から油圧ユニット5a,5bを駆動させるドラ
イバ39,40に出力させる(S54)。
【0088】従って、CPU37は、可撓性ディスク記
録媒体46aに記録されたゲインを選択することによ
り、路線,区間,積空比に応じた適正なゲインに基づい
て制御力u1 ,u2 を算出することができるので、油圧
シリンダ4a,4bの動作による制振性能が向上すると
ともに、ドア30の開閉毎にゲインを切り換えるので各
区間をきめ細かく制振制御することができる。しかも、
本実施例では、その都度最適ゲインを算出するのではな
く、可撓性ディスク記録媒体46aに記録されたゲイン
を読み込むだけなので、積空比算出のための圧力センサ
32〜35が不要になり、制作コストを安価に抑えるこ
とができる。
【0089】尚、本実施例では、ドア30の開がドア検
出スイッチ31により検出される毎にゲインを切り換え
るように構成されているが、ドア30の開から閉への切
り換わりを検出してゲインを切り換えるようにしても良
く、又、鉄道用車両1に鉄道用車両1自体の速度を検出
する速度センサを設け、この速度センサによる速度がゼ
ロになったときにゲインを切り換えるようにしても良
い。
【0090】又、上記のように、演算開始前に車両コー
ドのチェックを行っているため、別の車両用のゲインが
誤って入力されることが防止され、安全性が高められて
いる。
【0091】図19乃至図21に本発明の第3実施例を
示す。
【0092】各図中、加速度センサ6a〜6dのうち、
加速度センサ6aは車両本体2の前部に設けられ、加速
度センサ6bは車両本体2の後部に設けられ、加速度セ
ンサ6cは車両本体2の左側に設けられ、加速度センサ
6dは車両本体2の右側に設けられている。車両本体2
の両側に配設された加速度センサ6c,6dは、車両本
体2の長手方向の中心ではなく、中心より前後方向にず
れた位置に配設されている。
【0093】即ち、一方の加速度センサ6cは後方にず
れており、他方の加速度センサ6dは前方にずれた位置
に設けられている。車両本体2の重心Gから前後の加速
度センサ6a,6bまでの距離は夫々L1 ,L1 ’であ
り、重心Gから加速度センサ6c,6dまでの横方向の
距離は夫々L2 ,L2 ’であり、重心Gから加速度セン
サ6c,6dまでの前後方向の距離は夫々L3 ,L3
である。
【0094】上記のように配設された加速度センサ6a
〜6dからの出力Ga〜Gdにより各方向の加速度が求
まる。
【0095】先ず、車両本体2の重心Gが左右方向(X
方向)に振動するスウェイSuは、 Su=(Ga+Gb)/2 …(18) により算出される。
【0096】又、車両本体2の重心G回りの角加速度で
あるヨーイングYoは、 Yo=cos -1{(Ga−Gb)/(L1 +L1 ’)} …(19) により算出される。
【0097】又、車両本体2の重心G回りの角加速度で
あるローリングRoは、 Ro=cos -1{(Gc−Gd)/(L2 +L2 ’)} …(20) により算出される。
【0098】そして、車両本体2の前部と後部とが逆位
相で上下動する重心G回りの角加速度であるピッチング
Piは、 Pi=cos -1{(Gc−Gd)/(L3 +L3 ’)} …(21) により算出される。
【0099】又、乗客の乗降により車両本体2の重心G
の位置が変動した場合は、空気ばね15,16の圧力変
化を検出する圧力センサ32a,32b,33a,33
bからの検出信号に応じて上記重心Gに対する各加速度
センサ6a〜6dまでの距離L1 〜L3 ,L1 ’〜
3 ’を補正することにより、各駅での乗客数、積空比
の変化があってもその条件に応じてスウェイ,ヨーイン
グ,ローリング,ピッチングの各加速度を算出すること
ができる。 従って、車両本体2の両側に設けられた加
速度センサ6c,6dが、車両本体2の長手方向の中心
より前後方向に距離L3 ずれた位置に配設されているの
で、車両本体2の正確な振動形態を算出することがで
き、これに基づいて油圧シリンダ4a,4bを駆動して
車両本体2の振動を効果的に制振することができる。
【0100】又、加速度センサ6a〜6dにより車両本
体2の各方向の平行運動及び回転運動を検出することが
できるので、ジャイロセンサなどの高価なセンサが不要
になる。
【0101】尚、上記実施例では、油圧シリンダを駆動
手段として用いたが、これに限らず、例えば空気シリン
ダ又はモータなどを使用しても良いのは勿論である。
又、上記実施例では、車両本体2を弾力的に支持するば
ね手段として空気ばねを用いて説明したが、これに限ら
ず、例えばコイルばねを使用しても良いのは勿論であ
る。その場合上記圧力センサの代わりにコイルばねの変
位を検出する変位センサを設ける。
【0102】又、上記実施例では、鉄道用車両を一例と
して挙げたが、これに限らず、他の形式の車両(例えば
モノレールなど)に適用しても良い。
【0103】
【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項1によれ
ば、駆動手段を駆動制御する制御系の制御ゲインを車両
本体の質量に応じて最適値に切換えるため、車体の質量
に対応して車両本体の振動を効果的に制振させることが
でき、高速走行時あるいはカーブを通過する際の走行安
定性を高めることができ、乗り心地をより一層向上させ
ることができる。
【0104】又、請求項2によれば、各区間毎の制御ゲ
インを記憶することができるので、車両が走行する区間
の走行条件にあった制御ゲインに切り換えることがで
き、乗客の乗降による乗客数の変化及び乗客分布の変化
に対応して車両本体の振動を効果的に吸収することがで
きる。
【0105】又、請求項3によれば、ドアの開閉が検出
されるとその都度制御ゲインを最適値に切換えることに
より、乗客の乗降による乗客数の変化及び乗客分布の変
化に対応して車両本体の振動を効果的に吸収することが
できる。
【0106】又、請求項4によれば、左側のセンサと右
側のセンサとは、互いに前記車両本体の中心よりずれた
位置に設けられているので、横方向だけでなく、ヨーイ
ングの検出も正確に行うことができる。
【0107】又、請求項5によれば、異常の有無を判定
することができるので、駆動手段への制御量が異常であ
るときは駆動手段による制振動作が解除され、安全性が
高められている。そのため、例えば駆動手段が車両本体
を加振方向に駆動することを防止でき、制振制御の信頼
性を高めることができる。又、異常が発生しても駆動手
段を受動形の制振装置として作動させることできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる車両用制振装置の第1実施例を示
す鉄道用車両の正面図である。
【図2】鉄道用車両の側面図である。
【図3】鉄道用車両の平面図である。
【図4】油圧ユニットの油圧回路図である。
【図5】制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】制振装置のCPUが実行するメインフロー処理
を説明するためのフローチャートである。
【図7】台車に支持された車両の数学モデルを示す正面
図である。
【図8】台車に支持された車両の数学モデルを示す平面
図である。
【図9】最適ゲインを算出するための処理を説明するた
めのフローチャートである。
【図10】乗客の乗降による車両質量変化に対する空気
ばねの圧力変化を示すグラフである。
【図11】制振制御による周波数特性の変化を示すグラ
フである。
【図12】制振制御による振動の変位の変化を示すグラ
フである。
【図13】制御量が異常かどうかを判定する処理を説明
するためのフローチャートである。
【図14】車速に対する車体横方向速度のリミット値を
示す波形図である。
【図15】本発明の第2実施例の要部を示す構成図であ
る。
【図16】可撓性ディスク記録媒体に磁気記録されたデ
ータを示す図である。
【図17】第2実施例のCPUが実行する処理を説明す
るためのフローチャートである。
【図18】第2実施例のCPUが制御量を求める処理を
説明するためのフローチャートである。
【図19】第3実施例の車両本体の平面図である。
【図20】第3実施例の車両本体の側面図である。
【図21】第3実施例の車両本体の正面図である。
【符号の説明】
1 鉄道用車両 2 車両本体 3a,3b 制振装置 4a,4b 油圧シリンダ 5a,5b 油圧ユニット 6a〜6d 加速度センサ 7 制御装置 8,9 台車 15a,15b,16a,16b 空気ばね 21 ピストン 23a,23b ポテンショメータ 24 油圧ポンプ 25 第1の切換弁 26 第2の切換弁 30 ドア 31 ドア検出センサ 32a,32b,33a,33b 圧力センサ 37 CPU 41 メモリ 45 磁気ディスク装置 49 ディスクカートリッジ 49a 可撓性ディスク記録媒体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車の上方に設けられた車両本体と、 該車両本体に設けられ、前記車両本体の変位状態を検出
    するセンサと、 前記台車と前記車両本体との間に設けられ、前記車両本
    体を弾力的に支持するばね手段と、 一端が前記台車に連結され他端が前記車両本体に連結さ
    れ、前記車両本体の振動を吸収するように駆動される駆
    動手段と、 前記センサからの出力に応じて制御量を演算し、この制
    御量に基づいて前記駆動手段を駆動制御する制御手段
    と、 よりなり、 前記制御手段は、前記駆動手段を駆動制御する制御系の
    制御ゲインを前記車両本体の質量に応じて最適値に切換
    えるゲイン切換手段を有してなることを特徴とする車両
    用制振装置。
  2. 【請求項2】 台車の上方に設けられた車両本体と、 該車両本体に設けられ、前記車両本体の変位量を検出す
    るセンサと、 前記台車と前記車両本体との間に設けられ、前記車両本
    体を弾力的に支持するばね手段と、 一端が前記台車に連結され他端が前記車両本体に連結さ
    れ、前記車両本体の振動を吸収するように駆動される駆
    動手段と、 前記軌道に沿って走行する際の走行条件に応じた駆動手
    段制御系の制御ゲインを各区間毎に記憶する記憶手段
    と、 該各区間を走行する前に前記走行条件に合った制御ゲイ
    ンを前記記憶手段から読み込み、当該制御ゲインに基づ
    いて前記センサからの出力に応じた制御量を演算し、該
    制御量を出力して前記駆動手段を駆動制御する制御手段
    と、 よりなることを特徴とする車両用制振装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記車両本体に設けら
    れたドア開又は閉を検出するドア検出スイッチからの検
    出信号により前記駆動手段への制御量をリセットし、走
    行する区間の走行条件に合った制御ゲインに基づいて前
    記制御量を演算することを特徴とする請求項1又は2の
    車両用制振装置。
  4. 【請求項4】 前記センサは、前記車両本体の前部,後
    部,左側,右側に設けられ、該左側のセンサと右側のセ
    ンサとは、互いに前記車両本体の中心より前後方向にず
    れた位置に設けられたことを特徴とする請求項1又は2
    の車両用制振装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、車両走行速度と前記セ
    ンサの出力とを比較して前記駆動手段の異常の有無を判
    定する判定手段と、該判定手段が異常であると判定した
    とき前記駆動手段の制御を停止する切換手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1又は2の車両用制振装置。
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