JP2010078096A - 制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータが故障した場合であっても、制振対象物の振動を十分に抑制することが可能な制振装置を実現する。
【解決手段】制振装置10は、建物100の固有周期を長周期化させる免震支承体20と、地盤110と建物100とに固定され、該建物100の振動を制振する制振機構30とを有し、制振機構30は、その先端部を所定方向に変位させるアクチュエータ31と、前記所定方向に沿って伸縮して建物100に減衰力を付加し、伸縮方向一端部が前記先端部に固定されたダンパ32と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、制振装置に関し、特に、制振対象物の固有周期を長周期化させる免震支承体と、地盤と前記制振対象物とに固定され、該制振対象物の振動を制振する制振機構であって、先端部を所定方向に変位させるアクチュエータを備える制振機構と、を有する制振装置に関する。
建物等の制振対象物の振動を抑制する(制振する)制振装置は、既に周知である。制振装置の中には、積層ゴムや滑り支承のような制振対象物の固有周期を長周期化させる免震支承体と、先端部を所定方向に変位させるアクチュエータ、を備えた制振機構と、を有するものがある。さらに、このような構成の制振装置の中は、前記制振機構が地盤と制振対象物とに固定されたものもある。かかる構成の制振装置は、地盤の振動(以下、地震動とも言う)が発生したときに、アクチュエータがその先端部を変位させて地震動に応じた制振力を制振対象物に対して付加することにより、制振対象物の振動を制振する(例えば、特許文献1参照)。つまり、上記構成の制振装置は、地震動に応じてアクチュエータを駆動することにより、制振対象物に付加する制振力をアクティブに制御ことが可能な装置である。
特開平2−13667号公報
しかし、上記の制振装置ではアクチュエータが故障すると、アクチュエータ等を介して地震動が制振対象物に伝達されてしまう。すなわち、アクチュエータが故障した場合には、上記の制振装置は制振対象物の振動を適切に抑制することができなくなってしまう。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、アクチュエータが故障した場合であっても、制振対象物の振動を十分に抑制することが可能な制振装置を実現することである。
本発明の制振装置は、制振対象物の固有周期を長周期化させる免震支承体と、地盤と前記制振対象物とに固定され、該制振対象物の振動を制振する制振機構であって、その先端部を所定方向に変位させるアクチュエータと、前記所定方向に沿って伸縮して前記制振対象物に減衰力を付加し、伸縮方向一端部が前記アクチュエータの前記先端部に固定されたダンパと、を有する制振機構と、を有することを特徴とする。かかる制振装置であれば、アクチュエータが故障したとしても、免震支承体及びダンパが機能し続けるため(つまり、制振手法がアクティブ制振手法からパッシブ制振手法に切替わる)、十分な免震効果を確保することが可能となる。すなわち、アクチュエータが故障した場合であっても、制振対象物の振動を十分に抑制することが可能になる。
また、上記の制振装置において、前記地盤の振動の度合いに応じた信号を出力するセンサと、前記アクチュエータを制御するコントローラと、を有し、前記所定方向に沿い、前記制振機構が前記制振対象物に固定された第一固定位置から該制振機構が前記地盤に固定された第二固定位置に向かう向きを第一向きとし、該第一向きとは反対の向きを第二向きとしたときに、前記コントローラは、前記センサからの出力信号に基づいて、前記地盤が前記第一向きに動いた場合には、前記先端部が、前記地盤が動いた分だけ前記伸縮方向一端部を押しながら前記地盤に対して変位し、前記地盤が前記第二向きに動いた場合には、前記先端部が、前記地盤が動いた分だけ前記伸縮方向一端部を引きながら前記地盤に対して変位するように、前記アクチュエータを制御するフィードフォワード制御を実行することとしてもよい。かかる構成であれば、スカイフック理論に則って、制振対象物の高振動数での振動に対する制振効果を向上させることが可能になる。
また、上記の制振装置において、前記コントローラは、前記センサからの出力信号に対して、該出力信号のうちの、前記制振対象物の1次固有振動数以下の振動数に対応する成分を除去するフィルタ処理を行い、前記フィルタ処理が行われた信号に基づいて、前記フィードフォワード制御を実行することとしてもよい。かかる構成であれば、前記センサからの出力信号中に含まれるノイズの影響を抑制し、適切にフィードフォワード制御を実行することが可能になる。
また、上記の制振装置において、前記制振対象物の振動の度合いに応じた信号を出力する第二のセンサを有し、前記コントローラは、前記センサからの出力信号に基づいて、前記フィードフォワード制御を実行し、かつ、前記第二のセンサからの出力信号に基づいて、絶対座標空間における前記制振対象物の絶対応答速度に比例した変位速度にて前記先端部が変位するように前記アクチュエータを制御するフィードバック制御を、実行することとしてもよい。かかる構成であれば、フィードフォワード制御とフィードバック制御の組み合わせにより、制振対象物の高振動数での振動に対する制振効果をより向上させることが可能になる。
さらに、上記の制振装置において、前記コントローラは、前記第二のセンサからの出力信号に対して、該出力信号のうちの、前記制振対象物の2次固有振動数よりも低い振動数数に対応する成分を除去する第二のフィルタ処理を行い、前記第二のフィルタ処理が行われた信号に基づいて、前記フィードバック制御を実行することとしてもよい。かかる構成では、フィードバック制御において比較的大きな制御量を生じさせる成分が減衰された信号に基づいて、当該フィードバック制御が実行される。この結果、フィードバック制御が適切に実行されることになる。
本発明により、制振装置に備えられたアクチュエータが故障した場合であっても、制振対象物の振動を十分に抑制することが可能となる。
===本実施形態の制振装置について===
以下、図1及び図2を参照しながら、本実施形態の制振装置10の構成について説明する。図1は、本実施形態の制振装置10の構成を示す概念図である。図2は、制振装置10における制御系を示すブロック図である。
本実施形態の制振装置10は、制振対象物の一例としての建物100の振動を制振する装置である。具体的には、建物100の振動を制振するために、地震動及び建物100の振動を検出し、検出結果に応じた制振力を建物100に対して付加する。すなわち、本実施形態の制振装置10は、建物100の振動をアクティブに制振する装置である。なお、以下の説明では、水平方向の地震動が発生した際に建物100の水平振動を制振する制振装置10について説明する。
制振装置10は、図1に示すように、免震支承体20と、制振機構30と、コントローラ40と、地震動の度合いに応じた信号を出力するセンサ(以下、地盤側センサ50)と、建物100の振動の度合いに応じた信号を出力する第二のセンサ(以下、建物側センサ60)と、を備えている。
免震支承体20は、免震装置として建物100と地盤110(具体的には、建物100の基礎)との間に設置され、その上面に建物100が載置されることにより建物100を支持して、該建物100の固有周期を本来の固有周期よりも長周期化するものである。本実施形態の免震支承体20は、バネ支承体の一例としての積層ゴムであり、建物100の直下に複数設置されている。複数の積層ゴムの各々は、比較的低剛性であり、地震動が発生したときに、水平方向において上面(建物100の支持面)及び下面(地盤110との接地面)の各々の位置が互いにずれるように弾性変形しながら建物100を支持する。なお、免震支承体20については積層ゴムに限定されず、積層ゴム以外のバネ支承体、滑り支承体、ベアリング等を利用してもよい。
制振機構30は、地盤110と建物100とに固定され、該建物100に対して制振力を付加して該建物100の振動を制振する。本実施形態の制振機構30は、制振力を建物100に伝達させるために、水平面と交差し地盤110と一体的に動く固定面111に反力をとって加力する方式(固定反力方式)を採用している。ここで、固定面111とは、建物100の基部と対向する面である。かかる固定面111は、地盤110に凹凸を設ける等して形成された面であってもよく、あるいは、地盤110上に固定され該地盤110と一体化された部材(図1参照)の表面であってもよい。
さらに、本実施形態では、図1に示すように、建物100の基部に対して加力する方式(基部加力方式)を採用している。基部加力方式は、免震支承体20として積層ゴムや滑り支承等の比較的低剛性の支承体が用いられる場合に有効である。但し、建物100に対して加力する位置は、建物100の基部にされるものではなく、例えば、建物100の中間階であってもよい。
また、制振機構30は建物100の周囲に間隔を隔てて複数配置されている(図1には、図示の都合上、1つの制振機構30のみ図示している)。そして、複数の制振装置10の中には、互いに異なる方向の制振力を付加するものが含まれている。これにより、建物100の様々な方向の水平振動を制振することが可能となる。
また、本実施形態の制振機構30は、後述するようにダンパ32を備え、制振力として建物100の振動を減衰させる減衰力を付加する。すなわち、本実施形態の制振方式は、長周期化された固有周期における地震動と建物100との共振の振幅(すなわち、1次の振動モードにおける建物100の振幅)を低減するために、ダンパ32からの減衰力を該建物100に付加するダンパ付加方式である。以下、制振機構30の具体的構成について説明する。
制振機構30は、図1に示すように、アクチュエータ31と、ダンパ32とを有している。アクチュエータ31は、固定面111を介して地盤110に固定され、図1に示すように所定方向に変位自在なロッド31aを備え、該ロッド31aを所定方向に沿って油圧駆動する。本実施形態では、ロッド31aが、その長手方向が水平方向に沿った状態で、アクチュエータ31内部に対して出入自在に支持されている(つまり、水平方向に沿って変位自在に支持されている)。つまり、本実施形態において、所定方向とは水平方向である。なお、ロッド31aの先端部はアクチュエータ31の先端部に相当する。
ダンパ32は、水平方向に沿って伸縮自在であり、伸縮して建物100に減衰力を付加する減衰力付与機構である。このダンパ32は、固定面111から見てアクチュエータ31よりも建物100側に位置し、水平方向一端部(すなわち、伸縮方向一端部)が前記ロッド31aの先端に固定され、水平方向他端部(すなわち、伸縮方向他端部)が建物100の基部に固定されている。この本実施形態のダンパ32は、オイルダンパであり、固有のダンパ特性(例えば、減衰係数)を有する所謂パッシブダンパである。なお、ダンパ32は、オイルダンパに限定されるものではなく、伸縮して減衰力を発生するものであれば他のダンパ(例えば、粘性体ダンパや摩擦ダンパ)も利用可能である。
そして、ダンパ32が減衰力を付加することにより(換言すると、建物100の振動エネルギーが吸収されることにより)、1次の振動モードにおける建物100の振幅が低減される結果、免震支承体20(具体的には、積層ゴム)の過大な弾性変形を抑制することが可能になる。
コントローラ40は、建物100内部に設置され、地盤側センサ50からの出力信号、及び、建物側センサ60からの出力信号に基づいてアクチュエータ31を制御し、該アクチュエータ31にロッド31aを水平方向に沿って変位させる(すなわち、アクチュエータ31内部に対して出入させる)。コントローラ40は、図2に示すように、アクチュエータ31に電気的に接続され該アクチュエータ31に向けて駆動信号を出力するコンピュータ41と、地盤側センサ50及び建物側センサ60の両センサからの出力信号を増幅する増幅器42を有する。
かかる構成のコントローラ40では、地盤側センサ50及び建物側センサ60の各センサからの出力信号が増幅器42を経てコンピュータ41に送られ、当該出力信号に基づいて、コンピュータ41に内蔵された制御回路41aにより、最適な駆動量(又は駆動速度)が演算される。そして、コントローラ40は、演算結果に応じてアクチュエータ31にロッド31aを変位させる駆動信号を、該アクチュエータ31に向けて出力する。アクチュエータ31が駆動信号に応じてロッド31aを変位させると、該ロッド31aに固定されたダンパ32の水平方向一端部が変位する。こうしたダンパ32の水平方向一端部の位置が変化することにより、ダンパ32が付加する減衰力、すなわち、制振力が制御される。
以上のように、コントローラ40は、地盤側センサ50からの出力信号、及び、建物側センサ60からの出力信号に基づいてアクチュエータ31を制御することにより、ダンパ32が付加する減衰力を制御する。換言すると、減衰力は、コントローラ40によるアクチュエータ31の制御を介してアクティブに制御されることになる。なお、コントローラ40は、地盤側センサ50からの出力信号に基づいてフィードフォワード制御を実行し、建物側センサ60からの出力信号に基づいてフィードバック制御を実行する。フィードフォワード制御及びフィードバック制御については、後に詳述する。
地盤側センサ50は、地盤110に取り付けられ、地震動の度合いに応じた信号を出力するセンサである。つまり、地盤側センサ50は、建物100への入力である地震動を検知し、それを制振力(すなわち、減衰力)に反映させるための信号を出力する。ここで、地震動の度合いとは、振動中の地盤110の速度(振動速度)、加速度、及び、変位量を意味する概念であり、本実施形態の地盤側センサ50は、地盤110の加速度に応じた信号を出力する。但し、これに限定されるものではなく、地盤110の速度あるいは変位量に応じた信号を出力することとしてもよい。
建物側センサ60は、建物100内部に取り付けられ、該建物100の水平振動の度合いに応じた信号を出力するセンサである。つまり、建物側センサ60は、地震動が発生したときの建物100の応答量を検知し、それを制振力に反映させるための信号を出力する。ここで、建物100の水平振動の度合いとは、振動中の建物100の速度、加速度、及び、変位量を意味する概念であり、本実施形態の建物側センサ60は、加速度に応じた信号を出力する。但し、これに限定されるものではなく、建物100の速度あるいは変位量に応じた信号を出力することとしてもよい。
<<制振装置10におけるアクチュエータ31の制御>>
本実施形態では、前述したように、コントローラ40がアクチュエータ31を制御することにより、制振力として建物100に付加される減衰力がアクティブに制御される。本実施形態では、前述したように、アクチュエータ31に対する制御として、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを組み合わせて実行している。以下、各制御方法について説明する。
<フィードフォワード制御>
コントローラ40は、地震動(建物100への入力)の度合いとして地盤側センサ50により検知された地盤110の加速度、に応じた信号に基づいて、フィードフォワード制御を実行する。フィードフォワード制御は、図3Aに示すように、地震動から制御量を求める予測制御であり、かかるフィードフォワード制御を実現するために建物100の振動特性が制御回路41aに予め組み込まれている。図3Aは、フィードフォワード制御の説明図である。
以下、本実施形態のフィードフォワード制御について詳しく説明する。なお、以下の説明において、制振機構30が建物100に固定された位置を第一固定位置とし、該制振機構30が地盤110に固定された位置を第二固定位置とする(図1参照)。また、ロッド31aの変位方向(すなわち、水平方向)に沿い第一固定位置から第二固定位置に向かう向きを第一向きとし、該第一向きとは反対の向きを第二向きとする。
本実施形態のフィードフォワード制御では、地盤110が前記第一向きに動いた場合には、アクチュエータ31のロッド31aの先端部が、地盤110が動いた分だけダンパ32の水平方向一端部を押しながら地盤110に対して変位し、地盤110が前記第二向きに動いた場合には、前記ロッド31aの先端部が、地盤110が動いた分だけ前記水平方向一端部を引きながら地盤110に対して変位するように、コントローラ40がアクチュエータ31を制御する。
特に、図1に示すように、アクチュエータ31が地盤110に固定され、ダンパ32の水平方向他端部が建物100に固定されている構成においては、絶対座標空間において地震動が発生する前にロッド31aが位置していた位置にロッド31aが静止するように、コントローラ40がアクチュエータ31を制御する。つまり、コントローラ40は、地盤側センサ50からの出力信号に基づいて、ロッド31aの先端が地震動と相反して動くように(具体的には、地盤110が動く向きとは反対の向きに、該地盤110の速さと同じ速さでロッド31aの先端が動くように)、アクチュエータ31を駆動する。換言すると、ロッド31aの先端に固定されたダンパ32の水平方向一端が、地震動が発生する前に該水平方向一端が絶対座標空間において位置していた位置に静止するように制御されることになる。
この結果、本実施形態のダンパ32は、絶対座標空間における架空のダンパ(所謂スカイフックダンパ)と同様の挙動を示すようになり、下式に示すスカイフックダンパ力Fと略同じ減衰力を付加することになる。
F=Ck(x’+y’)
Ck:ダンパ32の減衰係数
x’:建物100の相対応答速度
y’:地盤110の振動速度
以上のような意味で、本実施形態のフィードフォワード制御は、スカイフック理論に則った制御であると言える。そして、上記のフィードフォワード制御が実行されることにより、高振動数での建物100の振動に対する制振効果を向上させることが可能になる。このことについて、以下、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施形態のフィードフォワード制御による効果の説明図である。図4に示すグラフは、地震動の振動数と、地盤110から建物100への振動伝達率と、の関係を示している。なお、グラフの横軸が地震動の振動数を示し、縦軸が振動伝達率、すなわち、地盤110の変位に対する建物100の絶対応答変位量の割合を示している。
建物100の固有周期を免震支承体20により長周期化し、該建物100及び地盤110にダンパ32が固定されている制振装置の構成(すなわち、一般的な免震建物に設けられた制振装置の構成であり、パッシブ制振方式の構成)では、図4に示すように、1次の振動モードにおける地盤110から建物100への振動伝達を抑制し、地盤110と建物100との共振が抑制される。そして、図4に示すように、建物100の1次固有振動数よりも高い振動数領域では、振動数が高くなるほど振動伝達率が減少する傾向にあるが、2次以降の振動モード(図4には、2次の振動モード〜4次の振動モードまでを図示)では振動伝達率が上昇する。
一方、アクチュエータ31等を設けてダンパ32の位置が可変となった構成(すなわち、減衰力を制御してアクティブに制振する方式の構成)とすることにより、1次の振動モードにおける地盤110と建物100との共振を抑えつつ、該建物100の1次固有振動数よりも高い振動数領域での振動伝達率の減少度合いをより大きくすることが可能となる。この結果、高次の振動モードでの振動伝達率のピーク値を下げることが可能になる。さらに、上記のフィードフォワード制御、すなわち、スカイフック理論に則った制御を実行することにより、図4に示すように、高い振動数領域での振動伝達率の減少度合いを一層大きくすることが可能になる。つまり、高振動数での建物100の振動を効果的に制振することが可能になる。
なお、本実施形態において、地盤側センサ50は、前述したように、地盤110の加速度に応じた信号を出力する。一方、フィードフォワード制御には、地盤110の速度を示す信号が必要となる。このため、本実施形態では、地盤側センサ50からの出力信号に対して、前記加速度から速度へ変換する処理(つまり、積分処理)を行う必要がある。但し、地盤側センサ50からの出力信号にはノイズが含まれているため、当該出力信号に対して、そのまま積分処理を行い、当該積分処理後の信号に基づいてフィードフォワード制御を実行すると、前記ノイズの影響がフィードフォワード制御の実行時に顕在化してしまう。
このため、本実施形態では、コントローラ40が、コンピュータ41に内蔵されたフィルタ処理回路41b(図2参照)により、地盤側センサ50からの出力信号に対して、該出力信号のうちの所定の成分を減衰させるフィルタ処理を行う。このフィルタ処理は、前記積分処理を適切に実行させるために、地盤側センサ50からの出力信号のうち、ある振動数以下の振動数に対応する成分を除去する処理である。そして、コントローラ40は、当該フィルタ処理が行われた信号に基づいて、フィードフォワード制御を実行する。この結果、フィードフォワード制御の実行時に、前記ノイズの影響を抑制することが可能になる。なお、アクチュエータ31を適切な制御範囲で制御する観点で、フィルタ処理にて除去する成分は、地盤側センサ50からの出力信号のうち、建物100の1次固有振動数以下の振動数に対応する成分であることが望ましい。
なお、上記の説明では、地盤側センサ50が地盤110の加速度に応じた信号を出力する構成を例に挙げたが、例えば、地盤側センサ50が地盤110の速度に応じた信号を出力する構成では、その出力信号を、フィードフォワード制御に要する入力信号として利用することが可能である。また、地盤側センサ50が地盤110の変位量に応じた信号を出力する構成では、その出力信号に対して、前記変位量から速度へ変換する処理(つまり微分する処理)を行うことにより、地盤110の速度に応じた信号を取得することが可能である。
<フィードバック制御>
コントローラ40は、地震動に対する建物100の応答量、すなわち、建物100の水平振動の度合いに応じて建物側センサ60が出力する信号に基づいて、フィードバック制御を実行する。フィードバック制御は、図3Bに示すように、制振力が付加された後の建物100の応答を制御回路41aに戻し、次の制御量に反映させる制御である。図3Bは、フィードバック制御の説明図である。
そして、本実施形態のフィードバック制御では、絶対座標空間における建物100の振動速度(すなわち、絶対応答速度)に比例した変位速度にてロッド31aが変位するように、コントローラ40がアクチュエータ31を制御する。かかるフィードバック制御を実行するために、コントローラ40は、建物100の絶対応答速度に応じた出力信号を受信することになる。このため、コントローラ40は、フィードバック制御を実行するにあたり、建物側センサ60からの出力信号を受信し、当該出力信号から建物100の絶対応答速度に応じた信号を取得し、取得した当該信号に基づいてフィードバック制御を実行することになる。
また、コントローラ40は、前述したように、フィードフォワード制御とフィードバック制御を組み合わせて実行する。つまり、コントローラ40は、地盤側センサ50からの出力信号に基づいて、ロッド31aの先端が地震動と相反して動くようにアクチュエータ31を駆動し、かつ、建物側センサ60からの出力信号に基づいて、ロッド31aが建物100の絶対応答速度に比例した変位速度にて変位するようにアクチュエータ31を駆動する。この結果、ロッド31aの先端に固定されたダンパ32の水平方向一端が、絶対座標空間において地震動が発生する前に該水平方向一端が位置していた位置から幾分変位した位置へ変位するように制御されることになる。
そして、ダンパ32が付加する減衰力は、スカイフックダンパ力よりも前記変位速度に応じた分だけ増加した力となる。すなわち、コントローラ40がフィードフォワード制御とフィードバック制御を組み合わせて実行することにより、ダンパ32の減衰係数が見かけ上大きくなることになる。なお、ダンパ32の減衰係数が見かけ上大きくなるような変位速度にてロッド31aが変位するように、制御回路41aには適宜な制御関数が組み込まれている。
以上のようにフィードフォワード制御及びフィードバック制御が組み合わせて実行される結果、高振動数での建物100の振動に対する制振効果をより向上させることが可能になる。このことについて、以下、図5を参照しながら説明する。図5は、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを組み合わせて実行したことによる効果の説明図である。なお、図5に示すグラフは、図4に示すグラフと対応したものである。
スカイフック理論に則ったフィードフォワード制御を実行してアクティブに減衰力を制御する構成では、前述したように、パッシブ制振方式の構成よりも、1次の振動モードよりも振動数が高い領域での振動伝達率の減少度合いを大きくし、高次の振動モードにおける振動伝達率のピーク値をより下げることが可能になる。但し、図5に示すように、上記フィードフォワード制御を実行する構成、及び、パッシブ制振方式の構成のいずれにおいても、高次の振動モードにおいて振動伝達率が急激に上昇している。このことは、ダンパ32の減衰係数が同一であれば、高次の振動モードにおける振動伝達率の上昇度合いが略同様であることを示唆している。
これに対し、上記のフィードバック制御を併用すると、前述したように、見かけ上ダンパ32の減衰係数が大きくなる結果、図5に示すように、高振動数における振動伝達率の上昇度合いを小さくすることが可能となる。これにより、高振動数における振動伝達率のピーク値を更に下げることが可能となる。つまり、高振動数での建物100の振動をより一層効果的に制振することが可能になる。
更に、コントローラ40は、コンピュータ41に内蔵された第二のフィルタ処理回路41c(図2参照)により、各センサからの出力信号に対して、該出力信号のうちの所定の成分を除去する第二のフィルタ処理を行う。ここで、第二のフィルタ処理とは、建物側センサ60からの出力信号に基づいてフィードバック制御をより適切に実行するために、前記建物側センサ60からの出力信号のうち、建物100の2次固有振動数よりも低い振動数に対応する成分を除去する処理である。そして、コントローラ40は、第二のフィルタ処理が行われた信号に基づいてフィードバック制御を実行する。
上記第二のフィルタ処理を行う目的について説明する。建物100の固有周期における振動伝達率(すなわち、1次の振動モードにおける振動伝達率)は、高次の振動モードにおける振動伝達率よりも高くなっており、1よりも大きい値となっている(例えば、図5参照)。そして、建物100の絶対応答速度は、2次以降の振動モードよりも1次の振動モードにおいてより高くなり、地盤110の振動速度よりも大きくなる。したがって、建物側センサ60からの出力信号のうち、建物100の2次固有振動数よりも低い振動数に対応する成分に基づいてフィードバック制御を実行すると、過大な制御量が演算されてしまう。そして、過大な制御量にてアクチュエータ31を制御すると、該アクチュエータ31の駆動限界を超えてしまうことがある(例えば、ロッド31aが変位可能な範囲を越えた位置まで、該ロッド31aを変位させなければならなくなる)。
かかる事情に鑑みて、本実施形態では、建物側センサ60からの出力信号に対して、バンドパスフィルタ等による第二のフィルタ処理を行うことにより、建物100の2次固有振動数よりも低い振動数に対応する成分を除去し、当該第二のフィルタ処理が行われた信号に基づいてフィードバック制御を実行する。この結果、過大な制御量が演算されるのを防止し、アクチュエータ31を適切に駆動させることが可能となる。すなわち、高振動数の建物100の振動を効果的に制振しつつ、ロッド31aの変位量を正常な範囲内に収めることが可能になる。なお、フィードバック制御におけるゲイン(フィードバックゲイン)は、第二のフィルタ処理が行われた信号に基づいて、アクチュエータ31を適切に駆動させるのに適当な制御量を決定するように設定されている。
なお、建物側センサ60からの出力信号に対して第二のフィルタ処理を行うとは、コントローラ40が受信した時点での出力信号に対して第二のフィルタ処理を行う場合に限られず、コントローラ40内で前記出力信号に対して変換処理等の諸々の処理を行った後に第二のフィルタ処理を行う場合を含む。例えば、本実施形態では、建物側センサ60からの出力信号と、地盤側センサ50からの出力信号と、から建物100の絶対応答速度に応じた信号を取得し、当該絶対応答速度に応じた信号に基づいてフィードバック制御するが、当該絶対応答速度に応じた信号に対して、第二のフィルタ処理を行う場合も含まれる。
また、本実施形態では、前述したように、建物側センサ60が建物100の加速度に応じた信号を出力する。一方、フィードバック制御には、建物100の絶対応答速度を示す信号が必要となる。このため、本実施形態では、建物側センサ60からの出力信号に対して、加速度から絶対応答速度へ変換する処理(つまり、積分処理)を行う必要がある。但し、建物側センサ60からの出力信号にはノイズが含まれているため、当該出力信号に対して、そのまま積分処理を行い、当該積分処理後の信号に基づいてフィードバック制御を実行すると、前記ノイズの影響がフィードバック制御の実行時に顕在化してしまう。そこで、建物側センサ60からの出力信号に対して積分処理を行う事前に、上記第二のフィルタ処理を行い、前記出力信号のうちの低振動数領域に対応する成分、を除去しておけば、フィードバック制御の実行時に前記ノイズの影響を抑制することが可能になる。かかる意味で、第二のフィルタ処理は、積分処理を適切に行うために、建物側センサ60からの出力信号のうちの低振動数領域に対応する成分、を除去する処理であると言える。
<<本実施形態の制振装置10の有効性>>
以下、本実施形態の制振装置10の有効性について、図6に示す従来の制振装置12と比較しながら説明する。図6は、従来の制振装置12の構成を示す概念図である。
アクティブに制振する従来の制振装置12の一例としては、地盤110に固定されたアクチュエータ31を備えた制振機構30を有し、該アクチュエータ31にロッド31aを地振動と相反するように変位させて建物100の振動を制振するものが知られている。このような制振方式は、入力反射方式と呼ばれ、地震動に応じてアクチュエータ31を駆動することにより(具体的には、地震動に対して相反変位するようにロッド31aを変位させることにより)、建物100への入力である地振動を打ち消して該建物100を絶対座標空間において静止させることが可能となる(つまり、完全制振が実現される)。
但し、ロッド31aの先端が建物100に直接固定された構成では、比較的高い振動数の地震動に対してアクチュエータ31が追従できない等の原因により、適切に制振できなくなる可能性がある。このような課題を克服すべく、図6に示すように、ロッド31aの先端と建物100との間にバネ33を介装している。かかる構成によれば、高い振動数の地震動が発生した場合、アクチュエータ31の挙動が地震動に追従しきれなくとも、当該アクチュエータ31の挙動が建物100に及ぼす影響をバネ33によって緩和させることが可能となる結果、該建物100の振動を適切に抑制することが可能になる。
一方、従来の制振装置12では、アクチュエータ31が故障した場合、地震動がアクチュエータ31及びバネ33を介して建物100へ伝達され易くなる。特に、図6に示す構成においては、アクチュエータ31を適切に駆動させる等の制約によって、比較的剛性の高いバネ33が使用される。そして、バネ33の剛性が高くなるほど、地震動は益々建物100へ伝達され易くなる。この結果、従来の制振装置12では、アクチュエータ31が故障した場合、建物100に対する免震効果が損なわれ、地震動に対する該建物100の応答量が、一般的な免震建物よりも大きくなってしまう。
これに対し、本実施形態の制振機構30であれば、アクチュエータ31が正常に作動している間には、ダンパ32の減衰力をアクティブに制御することが可能となる結果、建物100の振動に対して適切な制振効果が発揮されることになる。一方、アクチュエータ31が故障した場合であっても、免震支承体20及びダンパ32は機能し続ける結果、一般的な免震建物に設けられた制振装置(すなわち、パッシブ制振方式を採用する制振装置)と同等の免震効果が得られる。具体的には、1次の振動モードにおける地盤110から建物100への振動伝達を抑制し、地盤110と建物100との共振が抑制される。したがって、本実施形態の制振装置10により、アクチュエータ31が故障した場合であっても、建物100の応答量が一般的な免震建物よりも大きくなることはなく、適切に該建物100の振動を抑制することが可能になる。
===アクチュエータ31の制御の変更例===
先に説明した実施形態(以下、本件例)では、アクチュエータ31の駆動制御として、地盤110の速度に応じた信号に基づくフィードバック制御と、建物100の絶対応答速度に応じた信号に基づくフィードバック制御が行われることとした。そして、本件例では、ロッド31aの先端が地盤110の速度や建物100の絶対応答速度に応じて目標速度で動くように、アクチュエータ31を制御することとした。すなわち、本件例におけるアクチュエータ31の制御方式は速度制御方式である。
しかし、速度制御方式では、例えロッド31aが目標速度で動くように制御が行われたとしても、ロッド31aの変位量が目標とする変位量からずれることがある。こうした変位量のずれが制御の実行に伴って徐々に蓄積していく結果、ロッド31aが変位可能な範囲の際まで動いてしまう現象(所謂ドリフト現象)が発生する可能性がある。
以上のような事情を鑑みて、アクチュエータ31の制御方式として、速度制御方式の代わりに、変位制御方式を採用することとしてもよい。つまり、ロッド31aの先端が地盤110や建物100の変位量に応じて変位するように、アクチュエータ31を制御することとしてもよい。変位制御方式では、ロッド31aの変位量を直接制御するので前述のドリフト現象の発生を抑制することが可能である。
なお、上記の変位制御方式を実現するためには、地盤側センサ50からの出力信号や建物側センサ60からの出力信号に対して、変位量を示す信号へ変換する処理(例えば、前記出力信号が加速度を示す信号であれば、2回積分する処理)を行えばよい。
そして、地盤110の変位量を示す信号に基づいて前述のフィードフォワード制御を、建物100の変位量(絶対応答変位量)を示す信号に基づいて前述のフィードバック制御をそれぞれ変位制御方式により実行すれば、本件例の場合と同様の効果を奏することが可能である。
具体的に説明すると、変位制御方式により、ロッド41aの先端を地盤110が動いた向きとは反対の向きに該地盤110が動いた分だけ変位させるようにアクチュエータ31をフィードフォワード制御することが可能である。すなわち、変位制御方式であっても、スカイフック理論に則った制御が実行され、高振動数での建物100の振動を効果的に制振することが可能である。
また、フィードバック制御では、ロッド31aの先端が建物100の絶対応答速度に比例した変位速度にて変位するようにアクチュエータ31を制御する。かかるフィードバック制御は、変位制御方式であっても実現可能である。したがって、変位制御方式にて上記フィードバック制御を行うことにより、高振動数での建物100の振動をより一層効果的に制振することが可能になる。
===その他の実施形態===
以上、上記の説明では、本実施形態の制振装置10について説明したが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
なお、上記実施形態では、建物100の水平振動を制振する制振装置10について説明したが、水平方向以外の他の方向(例えば、鉛直方向)における建物100の振動を制振する場合にも本発明の制振装置10を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、アクチュエータ31が固定面111を介して地盤110に固定され、ダンパ32の水平方向端部がアクチュエータ31のロッド31aと建物100に固定されている構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、アクチュエータ31が建物100に固定され、ダンパ32がアクチュエータ31と固定面111(すなわち、地盤110)に固定される構成の制振装置(以下、他の制振装置11)も実現可能である。当該他の制振装置11の構成は、アクチュエータ31とダンパ32の配置位置関係が異なる点(すなわち、ダンパ32の減衰力がアクチュエータ31を介して建物100に付加される点)を除き、上記実施形態の制振装置10の構成と略同様である。したがって、他の制振装置11についても、アクチュエータ31が故障した場合に一般的な免震建物と同様の免震効果が確保される。なお、図7は、他の制振装置11の構成を示す概念図である。
また、図7の構成であっても、スカイフック理論に則ったフィードフォワード制御は実現可能である。具体的に説明すると、コントローラ40が、地盤側センサ50からの出力信号に基づいて、地盤110が第一向き(図7参照)に動いた場合には、アクチュエータ31のロッド31aの先端部が、地盤110が動いた分だけダンパ32の水平方向一端部を押しながら地盤110に対して変位し、地盤110が第二向き(図7参照)に動いた場合には、前記ロッド31aの先端部が、地盤110が動いた分だけ前記水平方向一端部を引きながら地盤110に対して変位するように、アクチュエータ31を制御すればよい。
また、図7の構成において、コントローラ40が上記フィードフォワード制御に加えて前述のフィードバック制御を行えば、建物100の高振動数での振動に対する制振効果をより向上させることが可能になる。
さらに、図7に示す構成において、コントローラ40が、前記フィードフォワード制御を行うにあたり、地盤側センサ50からの出力信号に対して前述のフィルタ処理を行い、当該フィルタ処理が行われた信号に基づいて前記フィードフォワード制御を行えば、該フィードフォワード制御が適切に行われるようになる。同様に、前記フィードバック制御を行うにあたり、建物側センサ60からの出力信号に対して前述の第二のフィルタ処理を行い、当該第二のフィルタ処理が行われた信号に基づいて前記フィードバック制御を行えば、アクチュエータ31が適切に駆動されるようになる。
本実施形態の制振装置10の構成を示す概念図である。 制振装置10における制御系を示すブロック図である。 図3Aは、フィードフォワード制御の説明図である。図3Bは、フィードバック制御の説明図である。 本実施形態のフィードフォワード制御による効果の説明図である。 フィードフォワード制御とフィードバック制御とを組み合わせて実行したことによる効果の説明図である。 従来の制振装置12の構成を示す概念図である。 他の制振装置11の構成を示す概念図である。
符号の説明
10 制振装置、11 他の制振装置、12 従来の制振装置、
20 免震支承体、30 制振機構、
31 アクチュエータ、31a ロッド、32 ダンパ、33 バネ、
40 コントローラ、41 コンピュータ、41a 制御回路、
41b フィルタ処理回路、41c 第二のフィルタ処理回路、42 増幅器、
50 地盤側センサ、60 建物側センサ、
100 建物、110 地盤、111 固定面

Claims (5)

  1. 制振対象物の固有周期を長周期化させる免震支承体と、
    地盤と前記制振対象物とに固定され、該制振対象物の振動を制振する制振機構であって、
    その先端部を所定方向に変位させるアクチュエータと、
    前記所定方向に沿って伸縮して前記制振対象物に減衰力を付加し、伸縮方向一端部が前記先端部に固定されたダンパと、
    を有する制振機構と、
    を有することを特徴とする制振装置。
  2. 請求項1に記載の制振装置において、
    前記地盤の振動の度合いに応じた信号を出力するセンサと、
    前記アクチュエータを制御するコントローラと、を有し、
    前記所定方向に沿い、前記制振機構が前記制振対象物に固定された第一固定位置から該制振機構が前記地盤に固定された第二固定位置に向かう向きを第一向きとし、該第一向きとは反対の向きを第二向きとしたときに、
    前記コントローラは、前記センサからの出力信号に基づいて、
    前記地盤が前記第一向きに動いた場合には、前記先端部が、前記地盤が動いた分だけ前記伸縮方向一端部を押しながら前記地盤に対して変位し、前記地盤が前記第二向きに動いた場合には、前記先端部が、前記地盤が動いた分だけ前記伸縮方向一端部を引きながら前記地盤に対して変位するように、前記アクチュエータを制御するフィードフォワード制御を実行することを特徴とする制振装置。
  3. 請求項2に記載の制振装置において、
    前記コントローラは、
    前記センサからの出力信号に対して、該出力信号のうちの、前記制振対象物の1次固有振動数以下の振動数に対応する成分を除去するフィルタ処理を行い、
    前記フィルタ処理が行われた信号に基づいて、前記フィードフォワード制御を実行することを特徴とする制振装置。
  4. 請求項3に記載の制振装置において、
    前記制振対象物の振動の度合いに応じた信号を出力する第二のセンサを有し、
    前記コントローラは、前記センサからの出力信号に基づいて、前記フィードフォワード制御を実行し、かつ、
    前記第二のセンサからの出力信号に基づいて、絶対座標空間における前記制振対象物の絶対応答速度に比例した変位速度にて前記先端部が変位するように該アクチュエータを制御するフィードバック制御を、実行することを特徴とする制振装置。
  5. 請求項4に記載の制振装置において、
    前記コントローラは、
    前記第二のセンサからの出力信号に対して、該出力信号のうちの、前記制振対象物の2次固有振動数よりも低い振動数に対応する成分を除去する第二のフィルタ処理を行い、
    前記第二のフィルタ処理が行われた信号に基づいて、前記フィードバック制御を実行することを特徴とする制振装置。
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