JP3993429B2 - クレーン用免震装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大型クレーンの地震による脱輪等を防止するクレーン用免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
免震装置を設けたクレーンとして、特公昭63−356号「天井走行式クレーン」が知られている。
この「天井走行式クレーン」は、図24および図25に示すように、幅の狭いガーダー状のクレーン本体150の両側サドル151の水平軸152上に、レール157上を走行する2個の走行車輪153を備えたトラック154を1台ずつスライド可能に設け、サドル151の内面とトラック154との対向面間に、水平軸152と平行方向の圧縮ばね155とダンパー156とからなる振動減衰機構を設けて構成されている。
【0003】
ガーダー状のクレーン本体150を持つこの形式のクレーンでは、地震が発生した場合、クレーン本体150には、主として走行方向と直角方向の加振力のみが危険な外力として作用し、この方向の加振力を、圧縮ばね155とダンパー156の作用で減衰し、車輪の損傷や脱輪事故を防止するようにしている。
【0004】
一方、図17および図18に示すように、地上に設けられる大型のコンテナークレーンやアンローダ等では、一般にクレーン本体1が門形に構成されている。なお図17および図18では、コンテナークレーンの概略構成を示している。そして、この門形クレーン本体1には四隅部に走行装置2が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような門形クレーン本体を有する走行式クレーンでは、地震時の振動により、走行方向と直角をなす横方向の加振力Rと共に、横方向の転倒モーメント荷重M、走行方向から左右へのねじれ荷重S(旋回荷重)および衝撃的なアクシャル荷重Aが加わるようになる。
また、大型の門形クレーン本体を有する場合には、天井走行クレーンに比べて重心位置の高さが非常に高く固有周期が長くなるため、地震振動による門形クレーン本体の横方向への変位量も大きくなる。このため、門形クレーン本体に、図25の従来形式の振動減衰機構を用いても、横方向の加振力Rの減衰に必要なストローク量が得られず、また、転倒モーメント荷重M、ねじれ荷重Sに対する減衰作用も得られない問題がある。
本発明は、上述した点に鑑み、門形クレーン本体を有する走行式クレーンにも有効な、クレーン用免震装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明の参考例としてのクレーン用免震装置は、クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられる免震装置であって、地震発生時に上記のクレーン本体と走行装置とを相互に連結したまま両者の相対移動を許容する連結機構と、常時は上記のクレーン本体と走行装置とを相互に定常の相対位置関係に保持し地震力により解放されて両者の相対移動を許容する拘束機構と、地震発生時における上記のクレーン本体と走行装置との相対移動の増加を抑制するエネルギー吸収手段と、上記のクレーン本体と走行装置とを定常の位置関係に復元する復元機構とが設けられたことを特徴としている。
【0007】
上述のクレーン用免震装置では、常時は上記拘束機構により上記のクレーン本体と走行装置との定常位置関係が保たれるが、地震発生時に上記走行装置が横方向へ変位し上記クレーン本体が慣性で留まろうとして、上記拘束機構が地震力により解放されると、上記のクレーン本体と走行装置との相対移動が生じて、その相対移動に伴うエネルギーがエネルギー吸収手段で吸収されるようになる。クレーン本体と走行装置との相対的な動きは、両者間に装架されたダンパーで適切に緩和され、このようにして免震機能が安全に且つ的確に発揮されるようになる。
【0008】
また本発明のクレーン用免震装置は、クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられるクレーン用免震装置において、上記走行装置側に水平に取り付けられた下部リングと同下部リングに対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとからなる旋回ベアリング環をそなえ、同旋回ベアリング環の上部リング上の偏心位置に設けられた鉛直軸支持用旋回軸受と、同旋回軸受に支承された鉛直軸を下部に有するクレーン荷重支持用ブロックと、同ブロックを水平横軸で枢支するように上記クレーン本体の下部に取り付けられたサドルと、上記旋回ベアリング環の上部リングに水平横軸を介し基端を枢支された水平レバーと、同水平レバーの先端部を上記旋回ベアリング環の鉛直中心線を中心として旋回可能に支持しながら同水平レバーの中立位置への自動復元を行なう水平レバー旋回復元機構とが設けられたことを特徴としている。
【0009】
上述の本発明のクレーン用免震装置では、クレーン本体の荷重は、同クレーン本体に取り付けられた上記サドルから上記のクレーン荷重支持用ブロック,旋回軸受および旋回ベアリング環を経て走行装置に伝達される。
そして、クレーンの運転中に地震によりクレーン本体に作用するアクシャル荷重、転倒モーメント荷重およびラジアル荷重は、上記の走行装置上における旋回ベアリング環および旋回軸受で支持されるようになる。
【0010】
また、上記走行装置の走行方向と直角なラジアル方向に加わる加振力は、同走行装置上の旋回ベアリング環の下部リングにおいて、その中心から偏心した位置に立設されている旋回軸受を上記水平レバーと共に上記旋回ベアリング環の鉛直中心線を中心として回動させるように作用し、この回動力が上記水平レバーと上記走行装置との間に設けられた水平レバー旋回復元機構で自動的に抑制されることにより、上記加振力に対する緩衝作用が行なわれるようになる。
【0011】
本発明のクレーン用免震装置は、さらに上記水平レバー旋回復元機構が、上記水平レバーの先端部に旋回方向に沿って自由回転するように設けられたローラと、同ローラを案内するように上記走行装置上で中立位置としてのレール中間部に向かい下り傾斜に設けられたガイドレールとで構成されたことを特徴としている。
【0012】
上述のように、旋回ベアリング環に装着された水平レバーの先端部のローラ(または車輪)を案内するガイドレールが、中立位置としてのレール中間部に向かい両端から下り傾斜に設けられていると、地震振動により旋回した上記水平レバーを中立位置へ自動的に復元する作用が、クレーン本体の重力により上記ガイドレールに押し付けられているローラのレール中間位置への自動復帰に伴い的確に行なわれるようになる。また上記水平レバーが地震振動により旋回移動する際には、上記ローラが上記ガイドレールの傾斜面を登ることになるので、同水平レバーの旋回移動が抑制されるようになる。
【0013】
また、本発明のクレーン用免震装置は、上記水平レバー旋回復元機構が、上記水平レバーの下面と上記走行装置の上面との間に装着した積層ゴムで構成されたことを特徴としている。
【0014】
このように、上記水平レバーの下面と上記走行装置の上面との間に装着された積層ゴムにより水平レバー旋回復元機構が構成されている場合は、地震振動により上記水平レバーが旋回する際に、上記積層ゴム自体のばね効果および減衰効果により上記水平レバーの旋回移動が適切に抑制されるとともに、同水平レバーの旋回量ゼロ位置(中立位置)への自動復元作用が的確に行なわれるようになる。
【0015】
さらに、本発明のクレーン用免震装置は、上記水平レバー旋回復元機構が、上記水平レバーの下面と上記走行装置の上面との間に装着したコイルばねと、上記水平レバーの先端部を上記走行装置の上面に沿い同レバーの旋回方向へ案内するように同レバーと上記走行装置との間に介装された減摩案内部材とで構成されたことを特徴としている。
【0016】
上述のごとく水平レバー旋回復元機構が上記水平レバーの下面と上記走行装置の上面との間に装着したコイルばねで構成されている場合も、上記水平レバーを上記走行装置の上面に沿い同レバーの旋回方向へ案内するローラのごとき減摩案内部材の作用と相まって、地震振動の際に上記水平レバーの旋回移動が上記コイルばねで弾性的に適切に抑制されるとともに、同コイルばねの自動復元機能により、地震振動で旋回した上記水平レバーの中立位置への自動復元作用が的確に行なわれるようになる。
【0017】
また、本発明のクレーン用免震装置は、上記走行装置上に、上記水平レバーの旋回移動を制動するブレーキ手段が設けられたことを特徴としている。
このように、上記水平レバーの旋回移動を制動するブレーキ手段が設けられると、地震振動を受ける際に能動的な制振作用が行なわれるようになる。
【0018】
さらに、本発明のクレーン用免震装置は、上記走行装置と上記水平レバーとの間に、同水平レバーの旋回移動量を抑制するダンパー(油圧加振器)が装備されたことを特徴としており、このようなダンパーの採用によっても上記水平レバーの旋回移動に対する抑制作用が十分に行なわれ、これにより地震振動に際し、クレーン本体についてアクティブな制振作用を行なうことが可能になる。
【0019】
また、本発明の参考例としてのクレーン用免震装置は、クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられるクレーン用免震装置であって、上記クレーン本体の下面と上記走行装置の中央部との間に装着された積層ゴムと、同積層ゴムの前後の対称位置で上記クレーン本体の下面と上記走行装置の上面との間に装着された横方向スライド機構とが装備されたことを特徴としている。
【0020】
上述のクレーン用免震装置では、地震によってクレーン本体に横方向の加振力が負荷されたとき、同クレーン本体は上記横方向スライド機構により曲げモーメント荷重を支持しながら横方向へ摺動するようになり、このときクレーン本体とその走行装置との相互間のスライド力は上記積層ゴムの撓み変形で吸収され、同積層ゴムの復元力により上記走行装置に対する上記クレーン本体の通常位置への復帰が自動的に行なわれるようになる。
【0021】
そして、本発明の参考例としてのクレーン用免震装置は、さらに、上記のクレーン本体と走行装置との間に、横方向のスライド量を抑制するダンパーが装備されたことを特徴としており、このようなダンパーによる横方向のスライド量の抑制作用に伴い、地震振動時のクレーン本体の横方向の動きが適切に抑制されるようになる。
【0022】
また、本発明の参考例としてのクレーン用免震装置は、上記のクレーン本体および走行装置の地震発生時の振動を検出する振動検出センサーと、同センサーからの検出信号に基づき上記クレーン本体の振動を抑制するための制御信号を発信する振動制御部と、同振動制御部からの制御信号に応じて上記クレーン本体の振動を抑制するように同クレーン本体と上記走行装置との間で作動する駆動手段とが設けられたことを特徴としている。
【0023】
上述のクレーン用免震装置では、地震振動の発生に際して、上記走行装置の振動が上記振動検出センサーで検出されて振動制御部に取り込まれ、同制御部からの制御信号により上記クレーン本体を上記走行装置の振動から絶縁するように上記駆動手段の制御が行なわれるので、地震によるクレーン本体の横方向振動がアクティブに抑制されるようになる。
【0024】
さらに、本発明の参考例としてのクレーン用免震装置は、クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられるクレーン用免震装置であって、上記クレーン本体の下部と上記走行装置の上部中央とが自在継手機構で連結され、同自在継手機構の両側方の位置で、それぞれ上記のクレーン本体と走行装置とを接続する振動減衰機構が介装されたことを特徴としている。
【0025】
上述のクレーン用免震装置では、通常時は上記自在継手機構の両側方に位置する振動減衰機構が相互にバランスして、上記自在継手ブロックを鉛直に維持し、この状態でクレーン本体の重量はアクシャル荷重として上記自在継手機構を介し走行装置に伝達される。
【0026】
また、地震振動時にクレーン本体に作用するアクシャル荷重,転倒モーンメント荷重およびラジアル荷重も、同様に自在継手機構を経て走行装置とクレーン本体との間に伝達される。
そして、地震振動により走行方向と直角にクレーン本体に加わる横方向の加振力は、上記自在継手機構の両側方の各振動減衰機構で減衰されながら、上記自在継手機構における前後方向の水平軸を中心とした上記クレーン本体の回動動作で大きい振動周期の振動として吸収されるようになる。
【0027】
また、上記自在継手機構の前後の対称位置に、それぞれ上記のクレーン本体と走行装置とを接続する振動減衰機構が介装されていると、地震振動によりクレーン本体に加わる前後方向の加振力も、適切に減衰されるようになる。
【0028】
さらに、上記自在継手機構が、上記クレーン本体の下部から下方へ突設されたサドルと、同サドルに走行方向の支軸で上部を枢着された自在継手ブロックと、同自在継手ブロックの下部を水平横軸で上記走行装置上の軸受に枢着する下部枢着部とで構成されていると、同自在継手機構の構造がコンパクトで高い強度を有するようになり、その配置も適切に行なわれるようになる。
【0029】
さらに、本発明の参考例としてのクレーン用免震装置は、クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられるクレーン用免震装置であって、上記クレーン本体の下面と上記走行装置の中央部との間に装着された積層ゴムと、同積層ゴムの両側方の位置でそれぞれ上記クレーン本体の下面と上記走行装置の上面との間に介装された転倒防止用拘束部材とが装備されたことを特徴としている。
【0030】
上述のクレーン用免震装置では、地震によりクレーン本体と走行装置との間に発生する横方向の相対変位は、積層ゴムの変形によるバネ要素と摩擦減衰とにより吸収される。そして、同時に横方向のラジアル荷重に伴って加わる転倒モーメント荷重は、両側部の転倒防止用拘束部材の抵抗力により支持され、上記積層ゴムの復元力で、撓みゼロ位置への復元作用が的確に行なわれる。
【0031】
また本発明の参考例としてのクレーン用免震装置は、上記のクレーン本体と走行装置との間に、両者の水平方向における相対変位を拘束するトリガー機構が装備され、同トリガー機構が地震による所定値以上の加振力を受けたとき上記相対変位の拘束を解放するように構成されたことを特徴としている。
【0032】
上述のクレーン用免震装置では、地震によって所定値を超える加振力がクレーンに加えられると、上記トリガー機構が解放されて、上記の積層ゴムと、その両側方の転倒防止用拘束部材とによる免震機能が発揮される。そして、地震の生じていない通常の状態では、上記トリガー機構でクレーン本体と走行装置とが一体に結合されるので、クレーン全体としての剛性が保たれるようになる。
【0033】
また本発明の参考例としてのクレーン用免震装置は、クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられるクレーン用免震装置であって、地震発生時に上記走行装置が地震力により横方向へ変位する際に上記クレーン本体の相対的な動きを案内して重力による復元機能を付加する傾斜案内手段をそなえ、同傾斜案内手段が、上記走行装置側に傾斜状態で装着された下部リングと同下部リングに対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとからなる第1旋回ベアリング環と、同第1旋回ベアリング環の上部リングと一体に設けられた傾斜ビームと、同傾斜ビームの上面で上記第1旋回ベアリング環の回転中心線から水平方向に偏倚した位置に回転中心線をもつように装着された下部リングと同下部リングに対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとからなる第2旋回ベアリング環と、同第2旋回ベアリング環の上部リングを上記クレーン本体の下部に結合するクレーン本体結合部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0034】
上述のクレーン用免震装置では、クレーン本体の荷重は、走行装置側の第1旋回ベアリング環と、中間の傾斜ビームおよびクレーン本体側の第2旋回ベアリング環とを介し、さらにクレーン本体結合部を介して支えられる。
そして、地震発生時にレールと共に走行装置が横方向に動くと、上記の第1旋回ベアリング環と第2旋回ベアリング環とが互いに偏倚した回転中心線を有しているため、クレーン本体は慣性力により留まろうとして上記走行装置に対し相対的に横ずれを起こし、これに伴い上記傾斜ビームは旋回動作を起こして、同ビーム上の第2旋回ベアリング環との協働により上記クレーン本体を押し上げるようになる。このようにして、地震による走行装置の往復横移動に伴いクレーン本体は主として上下動を生じ、これによりクレーン本体が長周期化され免震機能が発揮される。
【0035】
さらに、本発明の参考例としてのクレーン用免震装置は、上記クレーン本体結合部が、上記第2旋回ベアリング環の上部リングと上記クレーン本体との間にそれぞれ装架されたヒンジピン式連結部材および油圧シリンダにより構成されていることを特徴としている。
【0036】
上述のように、第2旋回ベアリング環の上部リングとクレーン本体とがヒンジピン式連結部材および油圧シリンダにより傾斜調整可能に結合されていると、前述の傾斜ビームの面角度に応じて上記油圧シリンダの伸縮調整を行なうことによりクレーン本体を水平に保つことができ、第2旋回ベアリング環に対するクレーン本体の相対関係を適切に固めておくことができる。
【0037】
また、本発明の参考例としてのクレーン用免震装置は、上記傾斜ビームの回転を常時は拘束し地震発生時に地震力で解放されて上記傾斜ビームの回転を許容する拘束機構が、上記の傾斜ビームと走行装置との間に架設されるとともに、上記傾斜ビームの回転を規制するダンパーが同傾斜ビームと上記走行装置との間に架設されたことを特徴としている。
【0038】
上述のごとく、傾斜ビームと走行装置との間にシアピンあるいはブレーキのごとき拘束機構が設けられて、地震発生時にのみ同拘束機構の解放が行なわれるようになっていると、常時は上記傾斜ビームが固定されるため、従来のクレーン装置と同様の安定した動作が行なわれる。そして、地震力により上記拘束機構が解放され上記傾斜ビームの往復回動が行なわれるようになると、同傾斜ビームの回転を抑制するダンパーが設けられているため、クレーン本体と走行装置との相対移動を適切に緩和しながら、地震エネルギーの吸収が行なわれるようになる。
【0039】
さらに、本発明の参考例としてのクレーン用免震装置は、クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられるクレーン用免震装置であって、上記のクレーン本体と走行装置との間に両者を定常の位置関係に弾性的に保持するバネ機構が設けられるとともに、地震発生に伴い上記走行装置が横方向に振動する際に、上記クレーン本体に働く慣性力により元位置に留まろうとする同クレーン本体の上記走行装置に対する相対的な変位を許容しながら両者を連結する可動連結機構と、上記バネ機構を介して行なわれる上記のクレーン本体と走行装置との相対変位を抑制するダンパーとが、上記のクレーン本体と走行装置との間に介設され、上記可動連結機構が、上記走行装置側に水平に装着された下部リングと同下部リングに対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとからなる第1旋回ベアリング環と、同第1旋回ベアリング環の上部リングと一体に設けられた水平ビームと、同水平ビームの上面で上記第1旋回ベアリング環の回転中心線から水平方向に偏倚した位置に回転中心線をもつように装着された下部リングと同下部リングに対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとからなる第2旋回ベアリング環と、同第2旋回ベアリング環の上部リングを上記クレーン本体の下部に結合するクレーン本体結合部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0040】
上述のクレーン用免震装置では、クレーン本体と走行装置とを連結する可動連結機構において、前述の傾斜ビームの代わりに水平ビームが設けられるので、同水平ビームとその上下の第1旋回ベアリング環および第2旋回ベアリング環との協働作用で地震発生時に走行装置とクレーン本体との間に生じる相対的な動きは、水平面内でのみ行なわれる。そして、走行装置とクレーン本体との定常の位置関係は、バネ機構によって保持され、地震発生時に上記バネ機構を介して行なわれる走行装置とクレーン本体との相対的な動きは、ダンパーによって緩和され、このようにして地震エネルギーの吸収を行ないながらクレーン本体のための免震機能が適切に発揮されるようになる。
【0041】
また、この場合も、クレーン本体の荷重の支持は、走行装置側の第1旋回ベアリング環と、中間の水平ビームおよびクレーン本体側の第2旋回ベアリング環とを介し、さらにクレーン本体結合部を介して支障なく支えられる。
【0042】
さらに本発明の参考例としてのクレーン用免震装置は、上記水平ビームの上記走行装置に対する相対変位を常時は拘束し地震発生時に地震力で解放されて上記相対変位を許容する拘束機構が、上記の水平ビームと走行装置との間に架設されたことを特徴としている。
【0043】
このように、水平ビームと走行装置との間にシアピンあるいはブレーキのごとき拘束機構が設けられて、地震発生時にのみ同拘束機構の解放が行なわれるようになっていると、常時は上記水平ビームが固定されるため、従来のクレーン装置と同様の安定した動作が行なわれる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施形態について説明すると、図1は門形クレーンのクレーン本体の四隅部にそれぞれ設けられた走行装置の1つとクレーン本体との間に本発明の第1実施形態としてのクレーン用免震装置が装備された状態を示す側面図であり、図2は図1のII−II矢視図、図3は図1のIII−III矢視図、図4は図3のIV−IV矢視断面図、図5は図1のV−V矢視拡大図、図6は図5のVI−VI矢視図である。
【0045】
本実施形態の免震装置をそなえたクレーンも、図17および図18に示すような門形クレーンとして構成されており、門形のクレーン本体1と、その四隅部の走行装置2との間に、図1に示すごとく免震装置10が設けられている。
【0046】
すなわち、走行装置2は、図1に示すように、レール3上を走行する各2個の車輪5を備えた4組のトラック4と、隣接する2組のトラック4,4を軸7で連結した2組の下部イコライザービーム6と、2組の下部イコライザービーム6を軸9で連結した上部イコライザービーム8とをそなえて構成されており、上部イコライザービーム8とクレーン本体1との間に本発明の第1実施形態としての免震装置10が装着されている。
【0047】
なお、図1において、C1は上部イコライザービーム8の中心線を示し、C2は中心線C1から一定距離だけクレーン本体1の中心側へ偏った免震装置10の上部イコライザービーム8側への取付位置を示している。
【0048】
門形クレーンの走行装置2には、上記と異なった車輪数で、色々な組合せの形式があり、また、車輪2個付きのトラック4をクレーン本体1の各隅に1組ずつ設ける場合もある。本発明の実施形態では、これらの各形式の走行装置2に対して、走行装置2の最上位のイコライザービームまたはトラックと、クレーン本体1側のサドル11との間を接続するように免震装置10が装備されている。
【0049】
免震装置10は、図1〜4に示すように、走行装置2の上部イコライザービーム8上に鉛直中心線C1を中心として水平に取り付けられた下部リング31と、同下部リング31にアクシャル荷重用およびモーメント荷重用の各ベアリング33, 34ならびにラジアル荷重用ベアリング35を介して同心的に相対回転可能に係合した上部リング32とからなる旋回ベアリング環12をそなえている。
【0050】
そして、旋回ベアリング環12の上部リング32上の偏心位置で中心線C1に沿うように設けられた鉛直軸支持用旋回軸受13に、図5,6に示すごとく、クレーン荷重支持用ブロック18の下部鉛直軸17が支承されており、同ブロック18は水平横軸16により、クレーン本体1に取り付けられたサドル18に旋回可能に枢支されている。このようにして、走行装置2は、図1に示すごとく、クレーン本体1に水平横軸16を介して枢支されている。
【0051】
また、免震装置10は、旋回ベアリング環12の直径方向に沿い中心線C2と交叉する方向の水平横軸14を、上部リング32上のブラケット15を介して支持し、同水平横軸14により支持された水平レバー19を有している。そして、水平レバー19の先端部を旋回ベアリング環12の鉛直中心線C2を中心として上部リング32と共に旋回させるように同水平レバー19の先端部を支持しながら同水平レバー19の中立位置(クレーン走行方向に沿う位置)への自動復元を行なう水平レバー旋回復元機構20が、図1〜3に示すように設けられている。
【0052】
すなわち、水平レバー19の先端部に、同水平レバーの旋回中心線C2を中心とする旋回方向に沿って自由回転しうるローラ(車輪の場合を含む)24が設けられるとともに、同ローラ24を案内するように走行装置2の上部イコライザービーム8上にガイドレール25が設けられており、同ガイドレール25は中立位置としてのレール中間部に向かい下り傾斜(図2参照)に設けられている。
【0053】
また、旋回ベアリング環12の上部リング32とイコライザービーム8との間に、補助の駆動式(または非駆動式)の油圧ダンパー21が設けられるとともに、同油圧ダンパー21のための駆動ユニット21aが設けられている。
【0054】
さらに、旋回ベアリング環12の上部リング32において、水平レバー19と反対の側に制動板22が設けられるとともに、同制動板22に着脱可能のブレーキ23が設けられ、このようにして水平レバー19の旋回移動を制動するブレーキ手段が構成されている。
【0055】
なお、旋回軸受13は、旋回ベアリング環12と同様な小型の旋回ベアリング環で置換え、この旋回ベアリング環で荷重支持ブロック18の縦軸部17を支持するように構成することもできる。
【0056】
また、水平レバー旋回復元機構20は、ローラ24とガイドレール25との組合わせ構造に代えて、一般に建造物の地震振動を軽減するために使用されている図7で示すような振動減衰用の積層ゴム26を水平レバー19の下面とイコライザービーム8の上面との間に設ける構成を採用することができる。さらに、積層ゴム26に代えてコイルばねを用いることができるほか、他の任意の構成の復元手段を用いてもよい。
【0057】
なお、積層ゴム26の代わりにコイルばねを用いる場合は、水平レバー19の先端部を走行装置2の上面すなわちイコライザービーム8の上面に沿って同レバー19を案内するように、同レバー19の下面とイコライザービーム8の上面との間に減摩案内部材としてのローラまたはすべり支承部材が併用される。
【0058】
上述した免震装置10は、クレーンの運転中は、制動板22をブレーキ23でロックした状態に保持し、クレーン運転休止時にブレーキ23を解放して免震装置10を作動可能な状態に維持できる。なお、クレーンの運転中でも、図示しない振動検出センサーからの地震検出信号に基づき、ブレーキ23による制動板22のロックを解除できるようにしておくことが望ましい。
【0059】
門形クレーン本体1の荷重は、門形クレーン本体1の四隅の各サドル11から荷重伝達ブロック18,旋回軸受13,旋回ベアリング環12を経てイコライザービーム8を含む走行装置2に伝達される。
【0060】
クレーンの運転中に、地震振動によって門形クレーン本体1に作用するアクシャル荷重A、転倒モーメント荷重M、M′およびラジアル荷重Rの各加振力も各走行装置2上の旋回ベアリング環12および旋回軸受13で吸収されることになる。
【0061】
このとき、レール3と直角なラジアル方向に加わる加振力Rは、各走行装置2の旋回ベアリング環12から偏心した旋回軸受13を水平レバー19と共に旋回ベアリング環12の中心を中心として回動させるように作用し、この回動力が水平レバー19と走行装置2との間に設けられた水平レバー旋回復元機構20で抑制されることで緩衝されるようになる。
【0062】
水平レバー旋回復元機構20が、図1〜図3で示す水平レバー19の先端部に設けたローラ24と、走行装置2上で中間部へ向かい下り傾斜するガイドレール25とで構成されているので、水平レバー19の旋回時にローラ24がガイドレール25面を上り傾斜方向に移動することで移動力が抑制され、クレーンの重力により自動的にガイドレール25の中間位置に復帰移動する。
【0063】
また、水平レバー旋回復元機構20が、図7で示す積層ゴム26で構成された場合は、積層ゴム26自体のばね要素と、摩擦減衰要素と、粘性減衰要素とで、水平レバー19の移動力が抑制されたのち、回動量ゼロ位置へ自動復元される。また、積層ゴム26に代えて、コイルばねを用いた場合は、コイルばね自体のばね要素で水平レバー19の移動力が抑制されたのち、回動量ゼロ位置へ自動復元される。
【0064】
また、地震による衝撃的な水平レバー19の回動は、補助の油圧ダンパー21によっても抑制することができ、駆動型の油圧ダンパー21を使用することで、地震振動に対しアクティブな制振を行なうことが可能になる。さらに、水平レバー19の旋回移動を制限するブレーキ手段22,23が設けられることにより、地震に対する制振作用が一層的確に行なわれる。
【0065】
上述した作用が、門形クレーン本体の四隅の各走行装置2の部分で、それぞれ独立して生じることで、門形クレーンに作用する地震力を各走行装置2で安全に吸収できるようになる。
【0066】
また、この構成によって、大きい門形クレーン本体1の大きい水平旋回ねじれを安全に吸収できる免震機構をコンパクトな機構で提供することができる。
さらに、免震装置10が、走行装置2とサドル11との間に独立した機構で構成されるため点検・調整・補修が容易に行なえるようになる。
【0067】
次に本発明の参考例としてのクレーン用免震装置について説明すると、図8はその側面図、図9は図8のIX−IX矢視図である。
【0068】
この参考例では、前述の第1実施形態と同様の門形のクレーン本体1と走行装置2とをそなえた走行式門形クレーンにおいて、クレーン本体1と走行装置2との間に介装される免震装置10が、次のように構成されている。
【0069】
すなわち、クレーン本体1の下面と走行装置2のイコライザービーム8の中央部との間に積層ゴム36が装着されるとともに、同積層ゴム36の前後の対称位置で、クレーン本体1の下面とイコライザービーム8の上面との間に横方向スライド機構37が装着されており、クレーン本体1側スライド部とイコライザービーム8との間には振動減衰用の油圧ダンパー38が設けられている。
【0070】
そして、積層ゴム36としては、地震振動時にクレーン本体1と走行装置2との間に発生する横方向変位に対応できるように、必要な高さおよび径の積層ゴムが用いられる。
【0071】
また、横方向のスライド機構37は、イコライザービーム8上に固定配置したT形断面の軌条39と、同軌条39の両側に沿ってクレーン本体1から延びる一対のサドル40に装着されてT形軌条39の上下面に接触回動する上下各4個のローラ41とで構成され、油圧ダンパー(加振器)38はサドル40とイコライザービーム8との間に横方向に設けられている。そして、油圧ダンパー38の駆動ユニット38aが設けられている。
【0072】
上述の参考例では、地震によってクレーンに横方向の加振力Rが加わったとき、クレーン本体1は、一対の横方向スライド機構37で曲げモーメント荷重Mを吸収されながら横方向へスライドする。
【0073】
このとき、相互のスライド力は、積層ゴム36の撓み変形で吸収され、ついで積層ゴム36の復元力により、クレーン本体1と走行装置2とがスライドゼロ位置へ自動的に復元する。
また、このとき、油圧ダンパー38が並行して相互のスライド力を減衰させるように働く。その他の作用効果は第1実施形態と同様である。
【0074】
次に、前述の第1実施形態および参考例のクレーン用免震装置に設けられる制御系について説明すると、図10に示すように、第1実施形態および参考例における走行装置2側およびまたはクレーン本体1側に装着された相互の振動検出センサー42と、振動検出センサー42の検出値に応じて、油圧ダンパー21の駆動ユニット21a(図1)または油圧ダンパー38の駆動ユニット38a(図8),ローラまたは車輪24の駆動ユニットを制御する振動制御部43とが装備されるようになっている。
【0075】
前述の第1実施形態および参考例の各免震装置において、走行装置2とクレーン本体1の相互の地震振動による振動を振動検出センサー42により検出して振動制御部43に取込み、振動制御部43により速度変位を抑制するように駆動ユニット21a,38aを制御することで、地震による門形クレーンの横方向振動をアクティブに減衰し、脱輪等を防止することができる。
【0076】
次に本発明の参考例としてのクレーン用免震装置について説明すると、図11はその側面図、図12は図11のXII−XII矢視断面図、図13は図11のXIII−XIII矢視断面図である。
【0077】
この参考例の場合も、門形クレーンのクレーン本体1の四隅において、前述の実施形態と同様に、走行装置2がそれぞれ設けられている。すなわち、
各走行装置2は、図11に示すように、レール3上を走行する各2個の車輪5を備えた4組のトラック4と、隣接する2組のトラック4,4を軸7で連結した2組の下部イコライザービーム6と、2組の下部イコライザービーム6を軸9で連結した上部イコライザービーム8とをそなえて構成されており、上部イコライザービーム8とクレーン本体1との間に本参考例の免震装置10が装着されている。
【0078】
免震装置10は、図11〜13に示すように、クレーン本体1の下部と走行装置2の上部におけるイコライザービーム8の中央とを連結する自在継手機構111をそなえるとともに、自在継手機構111の両側方の位置でそれぞれクレーン本体1と走行装置2とを接続する振動減衰機構112としての圧縮バネ113と油圧ダンパー114とをそなえて構成されている。なお、振動減衰機構112としては、他に弾性ゴム方式や油圧シリンダ方式のものなどがあり、任意の形式のものを用いることができる。
【0079】
自在継手機構111は、クレーン本体1の下部から下方へ突設されたサドル115と、同サドル115に走行方向の支軸117で上部を枢着された自在継手ブロック119とをそなえるとともに、同ブロック119の下部を水平横軸118で走行装置2上の軸受116に枢着する下部枢着部をそなえて構成されている。
なお、支軸117を水平横軸とし、水平横軸118を走行方向の支軸とするように構成してもよい。
【0080】
上述した免震装置10付きクレーンでは、通常時は自在継手機構111の両側部に設けた振動減衰機構112が相互にバランスして自在継手ブロック119を垂直に維持し、この状態でクレーンの重量はアクシャル荷重Aとしてクレーン本体1の四隅から自在継手機構111を経て走行装置2に伝達される。
【0081】
地震振動によって運転中のクレーン本体1に作用するアクシャル荷重A、転倒モーメント荷重Mおよびラジアル荷重Rも、同様に自在継手機構111を経て各走行装置2とクレーン本体1との間に伝達される。
【0082】
このとき、地震振動によってレール3と直角の横方向にクレーンに加わるラジアル荷重Rとアクシャル荷重Aの加振力は、各走行装置2上の竪方向の振動減衰機構112としての圧縮バネ113および油圧ダンパー114の弾性抵抗で減衰されながら、自在継手ブロック119が走行方向と平行な支軸117まわりに回動変位する動作で大きい振動周期の振動として吸収される。
【0083】
そして、このとき各走行装置2とクレーン本体1との間の横方向の相対変位は、自在継手機構111の支軸117を中心とするクレーン本体1の傾きで与えられ、変位の吸収と位置保持は、振動減衰機構112の圧縮バネ113と油圧ダンパー114の竪方向の伸縮で与えられることになる。
このため、地震振動による門形クレーンの固有周期の大きい振動に対し、免震装置10の大きい変位量で安全に地震振動を吸収し減衰できるようになる。
【0084】
また、図17,18に示すように、クレーン本体1の四隅の走行装置2に、異なったラジアル荷重Rが作用することで、クレーン本体1にねじれ荷重Sが加わる場合には、上述した作用が各走行装置2の部分でそれぞれ独立して生じることによって、各走行装置2の部分ごとに免震装置10が、異なった変位量で前後・左右に作動し、ねじれ荷重Sを各走行装置2上で安全に吸収することができる。
【0085】
さらに、バネ、ダンパーを自在継手機構111の前後の対称位置にそれぞれ配置することにより、走行方向の地震振動に対しても同様の効果が得られる。
また、この構成の免震装置によれば、各油圧ダンパー114を調整制御できるように構成することで、地震振動に対しアクティブな制振を行なうことも可能である。
【0086】
さらに、この構成によって、大きい門形クレーン本体1の大きい水平旋回ねじれを安全に吸収できる免震装置をコンパクトな機構で提供することができる。
また、免震装置10が、走行装置2とクレーン本体1との間に独立した機構として構成されるため、点検・調整・補修が容易に行なえる利点もある。
【0087】
次に本発明の参考例としてのクレーン用免震装置について説明すると、図14はその側面図、図15は図14のXV−XV矢視断面図、図16は図14のXVI−XVI矢視断面図である。
【0088】
この参考例の場合も、図14に示すように、門形クレーンのクレーン本体1の四隅において、前述の実施形態と同様に、走行装置2がそれぞれ設けられている。すなわち、各走行装置2は、図14に示すように、レール3上を走行する各2個の車輪5を備えた4組のトラック4と、隣接する2組のトラック4,4を軸7で連結した2組の下部イコライザービーム6と、2組の下部イコライザービーム6を軸9で連結した上部イコライザービーム8とをそなえて構成されており、上部イコライザービーム8とクレーン本体1との間に本参考例の免震装置10が装着されている。
【0089】
免震装置10は、図14〜16に示すように、クレーン本体1の下面と走行装置2の中央部(イコライザービーム8の中央部)との間に装着された積層ゴム211と、同積層ゴム211の両側方の位置でそれぞれクレーン本体1の下面とイコライザービーム8の上面との間に介装された転倒防止用拘束部材としての圧縮バネ212とをそなえて構成されている。
【0090】
また、クレーン本体1と走行装置2との間に、両者の水平方向における相対変位を拘束するトリガー機構213が設けられている。
なお、トリガー機構213としては、シアピン方式ものや、保持ブレーキ方式、クサビ・ピン方式のものなどがあり、さらに地震検知センサーにより解放駆動されるカムローラ方式のものも使用できる。
【0091】
また、積層ゴム211としては、地震振動時にクレーン本体1と走行装置2との間に発する大きな横方向変位に対応できる十分な高さおよび径のものが用いられる。
【0092】
上述した免震装置10付きのクレーンは、通常時はトリガー機構213により、水平力が保持され、積層ゴム211の両側部に設けた圧縮バネ212が相互にバランスして積層ゴム211を左右中立に維持する。
【0093】
この状態でクレーンの重量は、アクシャル荷重Aとして門形クレーン本体1の四隅から積層ゴム211と圧縮バネ212とを経て走行装置2に伝達される。
また、地震振動によって運転中の門形クレーンに新たに作用するアクシャル荷重A、転倒モーメント荷重M、ラジアル荷重Rの各加振力も、同様に積層ゴム211と両側部の圧縮バネ212を経て各走行装置2と門形クレーン本体1との間に伝達されることになる。
【0094】
地震によって門形クレーンに所定値を超える横方向の加振力が加わった時、トリガー機構213は解放され、クレーン本体1と走行装置2との間にラジアル荷重Rで発生する横方向の相対変位は、積層ゴム211の変形によるバネ要素と摩擦減衰とにより吸収される。同時に横方向のラジアル荷重Rに伴って加わる転倒モーメント荷重Mは、両側部の圧縮バネ212の抵抗力により支持され、積層ゴム211と圧縮バネ212の各復元力で撓みゼロ位置への復元作用が行なわれる。
【0095】
また地震によって、クレーンに走行方向の加振力が加わったときには、クレーン本体1と走行装置2との間に発生する走行方向の相対変位は、走行装置2とレール3との間の滑りと積層ゴム211の走行方向の撓み変形および復元力で吸収され、撓みゼロ位置へ戻されるように働く。
このため、地震により門形クレーンに発生する周期の大きい振動を、積層ゴム211と圧縮バネ212の大きい変位量で安全に吸収し減衰できるようになる。
【0096】
上述した作用が、門形のクレーン本体1の四隅の各走行装置2の部分で、それぞれ独立して生じることで、門形クレーンに作用する地震力を各走行装置2上で安全に吸収できるようになる。異なったラジアル荷重Rが作用することで、クレーン本体1にねじれ荷重Sが加わる場合には、上述した作用が各走行装置2の部分で、各積層ゴム211と圧縮バネ212が、それぞれ独立して異なった変位量で前後・左右に作動し、ねじれ荷重Sを各走行装置2上で安全に吸収することができる。
【0097】
また、この構成の免震装置において、クレーン本体1と走行装置2との間に、走行方向または横方向の油圧ダンパーを追加することで、振動減衰効果をより高くすることも可能である。
【0098】
さらに、この構成によって、大きい門形クレーン本体1の大きい水平旋回ねじれを安全に吸収できる免震装置をコンパクトな機構で提供することができる。
また、免震装置10は、走行装置2とクレーン本体1との間に独立した簡易な機構で構成されるため、点検・調整・補修が容易に行なえるようになる。
【0099】
なお、積層ゴム211の両側方にそれぞれ配置される転倒防止用拘束部材としては、圧縮バネ212の代わりにリンク方式のものを用いることもできる。すなわち下端をイコライザービーム8上に前後方向のピンで軸支されたリンクの上端を、クレーン本体1の下面に横方向に取り付けられたブラケットにおける上方に凸の円弧状ガイド孔に前後方向のピンで軸支するようなリンク機構を用いることもできる。
【0100】
次に本発明の参考例としてのクレーン用免震装置について説明すると、図19はその概略構造を示す斜視図、図20はその側面図、図21は図20のA−A矢視図であり、図22はその要部の変形例を示す側面図である。
【0101】
参考例の免震装置をそなえたクレーンも、図17および図18に示すように、門形クレーンとして構成されており、門形のクレーン本体1と、その四隅部の走行装置2との間に、図20および図21に示すごとく免震装置10が設けられている。
【0102】
すなわち、走行装置2は、図20に示すように、レール3上を走行する各2個の車輪5を備えた4個のトラック4と、隣接する2組のトラック4,4を軸7で連結した2組の下部イコライザービーム6と、2組の下部イコライザービーム6,6を軸9で連結した上部イコライザービーム8とをそなえて構成されており、上部イコライザービーム8とクレーン本体1との間に本参考例としての免震装置10が装着されている。
【0103】
参考例では、上部イコライザービーム8の中央に横軸50で枢着された台部材61の上に、傾斜支持面をもつベース部材51aを介して第1旋回ベアリング環51が走行方向に傾斜した状態で設けられている。
第1旋回ベアリング環51は図4に示す旋回ベアリング環12と同様の構造を有するもので、第1旋回ベアリング環51の下部リングはベース部材51aに固着され、同旋回ベアリング環51の上部ベアリングは傾斜ビーム60に固着されている。
【0104】
そして第1旋回ベアリング環51の相対旋回しうる上部リングおよび下部リングの回転中心線C2は傾斜しており、この回転中心線C2から水平方向に偏倚した位置に回転中心線C1を有する第2旋回ベアリング環52が、第1旋回ベアリング環51と同様の構造を有して傾斜ビーム60の上面に設けられている。すなわち第2旋回ベアリング環52の下部リングは傾斜ビーム60の上面に固着され、同ベアリング環52の上部リングには取付け板52aが固着されている。
【0105】
そして、第2旋回ベアリング環52の上部リングを取付け板52aを介しクレーン本体1の下部に結合するクレーン本体結合部として、球面軸受16aを含むヒンジピン式連結部材16と複数の油圧シリンダ54とが設けられている。
各油圧シリンダ54は、傾斜ビーム60の回転中心線C2を中心とする回転時の面角度の変化を、傾斜ビーム回転角度検出センサー56からの検出信号に応じ伸縮作動することによって吸収するようになっている。
また各油圧シリンダ54は、横方向および走行方向のモーメント荷重を支持し、クレーン本体1と走行装置2との間のモーメント荷重の受け渡しを行なうものである。
【0106】
傾斜ビーム60と台部材61との間には拘束機構としてのシアピン53が設けられ、同シアピン53により常時はクレーン本体1と走行装置2とが定常の相対位置関係に保持されるが、地震発生時には地震力によるシアピン53の切断で解放されてクレーン本体1と走行装置2との相対移動が許容されることにより、後述のごとく免震装置10の機能が発揮されるようになっている。
【0107】
また、傾斜ビーム60と台部材61との間には、免震装置10の作用時にクレーン本体1と走行装置2との相対移動を規制しながら運動エネルギーの吸収を行なうオイルダンパー55が装架されている。
【0108】
上述の本参考例のクレーン用免震装置では、クレーン本体1の荷重は、走行装置2側の第1旋回ベアリング環51と、中間の傾斜ビーム60およびクレーン本体1側の第2旋回ベアリング環52とを介し、さらにクレーン本体結合部としてのヒンジピン式連結部材16および油圧シリンダ54を介して支えられる。
【0109】
そして、地震発生時にシアピン53が切断されて、レール3と共に走行装置2が図19に矢印mで示すごとく横方向に動くと、第1旋回ベアリング環51と第2旋回ベアリング環52とが互いに偏倚した回転中心線を有しているため、クレーン本体1は慣性力により留まろうとして走行装置2に対し相対的に横ずれを起こしこれに伴い傾斜ビーム60は図19に矢印nで示すごとく回転中心線C2を中心として旋回動作を起こして、同ビーム60上の第2旋回ベアリング環52との協働によりクレーン本体1を押し上げるようになる。このようにして、地震による走行装置2の往復横移動に伴いクレーン本体1は主として上下動を生じるため重力による復元力が作用するようになり、これによりクレーン本体1が長周期化される。
【0110】
また、第2旋回ベアリング環52の上部リングとクレーン本体1とがヒンジピン式連結部材16および油圧シリンダ16aにより傾斜調整可能に結合されているので、傾斜ビーム60の面角度に応じて油圧シリンダ54の伸縮調整を行なうことによりクレーン本体1を水平に保つことができ、第2旋回ベアリング環52に対するクレーン本体1の相対関係を適切に固めておくことができる。
【0111】
さらに、傾斜ビーム60と走行装置2との間にシアピン(あるいはブレーキ)53としての拘束機構が設けられて、地震発生時にのみ同拘束機構の解放が行なわれるようになっているので、常時は傾斜ビーム60が固定されるため、従来のクレーン装置と同様の安定した動作が行なわれる。そして、地震力により上記拘束機構が解放され傾斜ビーム60の往復回動が行なわれるようになると、同傾斜ビーム60の回転を抑制しながら運動エネルギーの吸収を行なうオイルダンパー55が設けられているため、クレーン本体1と走行装置2との相対移動を適切に緩和しながら、地震エネルギーの吸収が行なわれるようになる。
【0112】
なお、図22に示す参考例の変形例では、第2旋回ベアリング環52が、傾斜ビーム60に対し、底面の傾斜したベース部材52bを介して装着されることにより水平に保たれるようになっているが、他の構造は図20に示す装置と同様に構成されていて、同装置とほぼ同様の作用効果が得られるようになっている。
【0113】
次に本発明の参考例としてのクレーン用免震装置について説明すると、図23はその要部を示す斜視図であって、本参考例の免震装置をそなえたクレーンも、図17および図18に示すような門形クレーンとして構成されており、門形のクレーン本体1と、その四隅部の走行装置2との間に、図示のごとく免震装置10が設けられている。
【0114】
すなわち、走行装置2は、図23に示すように、レール3上を走行する各2個の車輪5を備えた4個のトラック4と、隣接する2組のトラック4,4を軸7で連結した2組の下部イコライザービーム6と、2組の下部イコライザービーム6,6を軸9で連結した上部イコライザービーム8とをそなえて構成されており、上部イコライザービーム8とクレーン本体1との間に本発明の参考例としての免震装置10が装着されている。
【0115】
参考例では、上部イコライザービーム8の中央に横軸50で枢着された台部材61の上に、第1旋回ベアリング環51が水平状態で設けられている。
第1旋回ベアリング環51は図4に示す旋回ベアリング環12と同様の構造を有するもので、第1旋回ベアリング環51の下部リングは台部材61の上面に固着され、同旋回ベアリング環51の上部ベアリングは水平ビーム62に固着されている。
【0116】
そして第1旋回ベアリング環51の相対旋回しうる上部リングおよび下部リングの回転中心線C2は鉛直になっており、この回転中心線C2から水平方向に偏倚した位置に回転中心線C1を有する第2旋回ベアリング環52が、第1旋回ベアリング環51と同様の構造を有して水平ビーム62の上面に設けられている。すなわち第2旋回ベアリング環52の下部リングは水平ビーム62の上面に固着され、同ベアリング環52の上部リングには取付け板52aが固着されている。
【0117】
そして、第2旋回ベアリング環52の上部リングを取付け板52aを介しクレーン本体1の下部に結合するボルトナットなどの適宜のクレーン本体結合部が設けられる。
【0118】
水平ビーム62と台部材61との間には拘束機構としてのシアピン(またはブレキ)53が設けられ、同シアピン53により常時はクレーン本体1と走行装置2とが定常の相対位置関係に保持されるが、地震発生時には地震力によるシアピン53の切断で解放されて、クレーン本体1と走行装置2との相対移動が許容されることにより、後述のごとく免震装置10の機能が発揮されるようになっている。
【0119】
また、水平ビーム62と台部材61との間には、免震装置10の作用時にクレーン本体1と走行装置2との相対移動を規制しながら運動エネルギーの吸収を行なう粘性ダンパー55が装架されている。
【0120】
このようにして、クレーン本体1と走行装置2との間には、地震発生時に走行装置2が横方向に振動する際に、クレーン本体1に働く慣性力により元位置に留まろうとするクレーン本体1の走行装置2に対する相対的な変位を許容しながら、両者を連結する可動連結機構が、第1旋回ベアリング環51,水平ビーム62および第2旋回ベアリング環52ならびにクレーン本体結合部としてのボルトナットなどにより構成されているが、この参考例では特にクレーン本体1と走行装置2との間に両者を定常の位置関係に弾性的に保持するバネ機構(コイルバネ)63がクレーン本体1と台部材61との間に装架されている。
【0121】
上述の参考例では、クレーン本体1と走行装置2とを連結する可動連結機構において、前述の参考例における傾斜ビーム60の代わりに水平ビーム62が設けられるので、同水平ビーム62とその上下の第1旋回ベアリング環51および第2旋回ベアリング環52との協働作用で地震発生時に走行装置2とクレーン本体1との間に生じる相対的な動きは、水平面内でのみ行なわれる。そして、走行装置2とクレーン本体1との定常の位置関係は、バネ機構63によって保持され、地震発生時にバネ機構63を介して行なわれる走行装置2とクレーン本体1との相対的な動きは、粘性ダンパー55によって緩和され、このようにして地震エネルギーの吸収を行ないながらクレーン本体1のための免震機能が適切に発揮されるようになる。
【0122】
また、この参考例の場合も、クレーン本体1の荷重の支持は、走行装置2側の第1旋回ベアリング環51と、中間の水平ビーム62およびクレーン本体1側の第2旋回ベアリング環52とを介し、さらにクレーン本体結合部を介して支障なく支えられる。
【0123】
さらに、水平ビーム62と走行装置2との間にシアピン(あるいはブレーキ)53のごとき拘束機構が設けられて、地震発生時にのみ同拘束機構の解放が行なわれるようになっているので、常時は水平ビーム62が固定されるため、従来のクレーン装置と同様の安定した動作が行なわれる。
【0124】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のクレーン用免震装置によれば次のような効果が得られる。
(1) 常時は拘束機構によりクレーン本体と走行装置との定常位置関係が保たれるが、地震発生時に上記走行装置が横方向へ変位し上記クレーン本体が慣性で留まろうとして、上記拘束機構が地震力により解放されると、上記のクレーン本体と走行装置との相対移動が生じて、その相対移動に伴うエネルギーがエネルギー吸収手段で吸収されるようになる。クレーン本体と走行装置との相対的な動き(振動)は、両者間に装架されたダンパーで適切に緩和され、このようにして免震機能が安全に且つ的確に発揮されるようになる
(2) クレーン本体の荷重は、同クレーン本体に取り付けられたサドルからクレーン荷重支持用ブロック,旋回軸受および旋回ベアリング環を経て走行装置に伝達される。そして、クレーンの運転中に地震振動によりクレーン本体に作用するアクシャル荷重、転倒モーメント荷重およびラジアル荷重は、上記の走行装置上における旋回ベアリング環および旋回軸受で支持されるようになる。また、上記走行装置の走行方向と直角なラジアル方向に加わる加振力は、同走行装置上の旋回ベアリング環の下部リングにおいて、その中心から偏心した位置に立設されている旋回軸受を上記水平レバーと共に上記旋回ベアリング環の鉛直中心線を中心として回動させるように作用し、この回動力が上記水平レバーと上記走行装置との間に設けられた水平レバー旋回復元機構で自動的に抑制されることにより、上記加振力に対する緩衝作用が行なわれるようになる。(請求項
(3) 旋回ベアリング環に装着された水平レバーの先端部のローラ(または車輪)を案内するガイドレールが、中立位置としてのレール中間部に向かい両端から下り傾斜に設けられていると、地震振動により旋回した上記水平レバーを中立位置へ自動的に復元する作用が、クレーン本体の重力により上記ガイドレールに押し付けられているローラのレール中間位置への自動復帰に伴い的確に行なわれるようになる。また上記水平レバーが地震振動により旋回移動する際には、上記ローラが上記ガイドレールの傾斜面を登ることになるので、同水平レバーの旋回移動が抑制されるようになる。(請求項
(4) 上記水平レバーの下面と上記走行装置の上面との間に装着された積層ゴムにより水平レバー旋回復元機構が構成されている場合は、地震振動により上記水平レバーが旋回する際に、上記積層ゴム自体のばね効果および減衰効果により上記水平レバーの旋回移動が適切に抑制されるとともに、同水平レバーの旋回量ゼロ位置(中立位置)への自動復元作用が的確に行なわれるようになる。(請求項
(5) 水平レバー旋回復元機構が上記水平レバーの下面と上記走行装置の上面との間に装着したコイルばねで構成されている場合も、上記水平レバーを上記走行装置の上面に沿い同レバーの旋回方向へ案内するローラのごとき減摩案内部材の作用と相まって、地震振動の際に上記水平レバーの旋回移動が上記コイルばねで弾性的に適切に抑制されるとともに、同コイルばねの自動復元機能により、地震振動で旋回した上記水平レバーの中立位置への自動復元作用が的確に行なわれるようになる。(請求項
(6) 上記水平レバーの旋回移動を制動するブレーキ手段が設けられると、地震振動を受ける際に能動的な制振作用が行なわれるようになる(請求項)。
(7) ダンパー(加振器)の採用によっても上記水平レバーの旋回移動に対する抑制作用が行なわれ、これにより地震振動に際し、クレーン本体についてアクティブな制振作用を行なうことが可能になる。(請求項6)
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態としてのクレーン用免震装置の側面図である。
【図2】 図1のII−II矢視図である。
【図3】 図1のIII−III矢視図である。
【図4】 図3のIV−IV矢視拡大断面図である
【図5】 図1のV−V矢視拡大図である。
【図6】 図5のVI−VI矢視図である。
【図7】 図1の装置の要部における変形例を示す説明図である。
【図8】 本発明の参考例としてのクレーン用免震装置を示す側面図である。
【図9】 図8のIX−IX矢視図である。
【図10】 図1および図8の各クレーン用免震装置に設けられる制御系のブロック図である。
【図11】 本発明の参考例としてのクレーン用免震装置の側面図である。
【図12】 図11のXII−XII矢視断面図である。
【図13】 図11のXIII−XIII矢視断面図である。
【図14】 本発明の参考例としてのクレーン用免震装置の側面図である。
【図15】 図14のXV−XV矢視断面図である。
【図16】 図14のXVI−XVI矢視断面図である。
【図17】 走行式門形クレーンの正面図である。
【図18】 図17の走行式門形クレーンの側面図である。
【図19】 本発明の参考例としてのクレーン用免震装置の斜視図である。
【図20】 図19のクレーン用免震装置の側面図である。
【図21】 図20のA−A矢視図である。
【図22】 図20のクレーン用免震装置に対応させて、その変形例を示す側面図である。
【図23】 本発明の参考例としてのクレーン用免震装置の斜視図である。
【図24】 従来の天井走行式クレーンの側面図である。
【図25】 図24のクレーンの要部を拡大して示す正面図である。
【符号の説明】
1 クレーン本体
2 走行装置
3 走行レール
4 トラック
5 車輪
6 下部イコライザービーム
7 軸
8 上部イコライザービーム
9 軸
10 免震装置
11 サドル
12 旋回ベアリング環
13 旋回軸受
14 水平軸
15 ブラケット
16 水平軸部
17 下部鉛直軸
18 クレーン荷重支持ブロック
19 水平レバー
20 水平レバー旋回復元機構
21 補助の油圧ダンパー
21a 油圧ダンパー21の駆動ユニット
22 制動板
23 ブレーキ
24 ローラまたは車輪
25 ガイドレール
26 積層ゴム
31 内側下部リング
32 外側上部リング
33 アクシャル荷重用ベアリング
34 モーメント荷重用ベアリング
35 ラジアル荷重用ベアリング
36 積層ゴム
37 横方向スライド機構
38 油圧ダンパー(加振器)
38a ダンパー駆動ユニット
39 T型軌条
40 サドル
41 ローラ
42 振動検出センサー
43 振動制御部
50 横軸
51 第1旋回ベアリング環
51a ベース部材
52 第2旋回ベアリング環
52a 取付け板
52b ベース部材
53 シアピン(拘束機構)
54 油圧シリンダ
55 オイルダンパー
60 傾斜ビーム
61 台部材
62 水平ビーム
63 コイルバネ(バネ機構)
111 自在継手機構
112 振動減衰機構
113 圧縮バネ
114 油圧ダンパー
115 サドル
116 軸受
117 支軸
118 水平横軸
119 自在継手ブロック
211 積層ゴム
212 圧縮バネ(転倒防止用拘束部材)
213 トリガー機構
A アクシャル荷重
R 直角方向ラジアル荷重
M モーメント荷重
S 旋回ねじり荷重
L 走行装置スパン

Claims (6)

  1. クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられるクレーン用免震装置であって、上記走行装置側に水平に取り付けられた下部リングと同下部リングに対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとからなる旋回ベアリング環をそなえ、同旋回ベアリング環の上部リング上の偏心位置に設けられた鉛直軸支持用旋回軸受と、同旋回軸受に支承された鉛直軸を下部に有するクレーン荷重支持用ブロックと、同ブロックを水平横軸で枢支するように上記クレーン本体の下部に取り付けられたサドルと、上記旋回ベアリング環の上部リングに水平横軸を介し基端を枢支された水平レバーと、同水平レバーの先端部を上記旋回ベアリング環の鉛直中心線を中心として旋回可能に支持しながら同水平レバーの中立位置への自動復元を行なう水平レバー旋回復元機構とが設けられたことを特徴とする、クレーン用免震装置。
  2. 上記水平レバー旋回復元機構が、上記水平レバーの先端部に旋回方向に沿って自由回転するように設けられたローラと、同ローラを案内するように上記走行装置上で中立位置としてのレール中間部に向かい下り傾斜に設けられたガイドレールとで構成されたことを特徴とする、請求項に記載のクレーン用免震装置。
  3. 上記水平レバー旋回復元機構が、上記水平レバーの下面と上記走行装置の上面との間に装着した積層ゴムで構成されたことを特徴とする、請求項に記載のクレーン用免震装置。
  4. 上記水平レバー旋回復元機構が、上記水平レバーの下面と上記走行装置の上面との間に装着したコイルばねと、上記水平レバーの先端部を上記走行装置の上面に沿い同レバーの旋回方向へ案内するように同レバーと上記走行装置との間に介装された減摩案内部材とで構成されたことを特徴とする、請求項に記載のクレーン用免震装置。
  5. 上記走行装置上に、上記水平レバーの旋回移動を制動するブレーキ手段が設けられたことを特徴とする、請求項の何れか1つに記載のクレーン用免震装置。
  6. 上記走行装置と上記水平レバーとの間に、同水平レバーの旋回移動量を抑制するダンパーが装備されたことを特徴とする、請求項の何れか1つに記載のクレーン用免震装置。
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