JP3993570B2 - クレーン用免震装置 - Google Patents

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Description

本発明は、大型クレーンの地震による脱輪等を防止するクレーン用免震装置に関する。
免震装置を設けたクレーンとして、特公昭63−356号「天井走行式クレーン」が知られている。
この「天井走行式クレーン」は、図15および図16に示すように、幅の狭いガーダー状のクレーン本体150の両側サドル151の水平軸152上に、レール157上を走行する2個の走行車輪153を備えたトラック154を1台ずつスライド可能に設け、サドル151の内面とトラック154との対向面間に、水平軸152と平行方向の圧縮ばね155とダンパー156とからなる振動減衰機構を設けて構成されている。
ガーダー状のクレーン本体150を持つこの形式のクレーンでは、地震が発生した場合、クレーン本体150には、主として走行方向と直角方向の加振力のみが危険な外力として作用し、この方向の加振力を、圧縮ばね155とダンパー156の作用で減衰し、車輪の損傷や脱輪事故を防止するようにしている。
一方、図8および図9に示すように、地上に設けられる大型のコンテナークレーンやアンローダ等では、一般にクレーン本体1が門形に構成されている。なお図8および図9では、コンテナークレーンの概略構成を示している。そして、この門形クレーン本体1には四隅部に走行装置2が設けられている。
このような門形クレーン本体を有する走行式クレーンでは、地震時の振動により、走行方向と直角をなす横方向の加振力Rと共に、横方向の転倒モーメント荷重M、走行方向から左右へのねじれ荷重S(旋回荷重)および衝撃的なアクシャル荷重Aが加わるようになる。
また、大型の門形クレーン本体を有する場合には、天井走行クレーンに比べて重心位置の高さが非常に高く固有周期が長くなるため、地震振動による門形クレーン本体の横方向への変位量も大きくなる。このため、門形クレーン本体に、図16の従来形式の振動減衰機構を用いても、横方向の加振力Rの減衰に必要なストローク量が得られず、また、転倒モーメント荷重M、ねじれ荷重Sに対する減衰作用も得られない問題がある。
本発明は、上述した点に鑑み、門形クレーン本体を有する走行式クレーンにも有効な、クレーン用免震装置を提供することを課題とする。
前述の課題を解決するため、本発明のクレーン用免震装置は、クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられるクレーン用免震装置であって、上記のクレーン本体と走行装置との間に両者を定常の位置関係に弾性的に保持するバネ機構が設けられるとともに、地震発生に伴い上記走行装置が横方向に振動する際に、上記クレーン本体に働く慣性力により元位置に留まろうとする同クレーン本体の上記走行装置に対する相対的な変位を許容しながら両者を連結する可動連結機構と、上記バネ機構を介して行なわれる上記のクレーン本体と走行装置との相対変位を抑制するダンパーとが、上記のクレーン本体と走行装置との間に介設され、上記可動連結機構が、上記走行装置側に水平に装着された下部リングと同下部リングに対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとからなる第1旋回ベアリング環と、同第1旋回ベアリング環の上部リングと一体に設けられた水平ビームと、同水平ビームの上面で上記第1旋回ベアリング環の回転中心線から水平方向に偏倚した位置に回転中心線をもつように装着された下部リングと同下部リングに対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとからなる第2旋回ベアリング環と、同第2旋回ベアリング環の上部リングを上記クレーン本体の下部に結合するクレーン本体結合部とをそなえて構成され、上記クレーン本体結合部、上記第2旋回ベアリング環、上記水平ビーム、および上記第1旋回ベアリング環を介して、上記クレーン本体の荷重が支持されていることを特徴としている。
上述のクレーン用免震装置では、クレーン本体と走行装置とを連結する可動連結機構において、水平ビームが設けられるので、同水平ビームとその上下の第1旋回ベアリング環および第2旋回ベアリング環との協働作用で地震発生時に走行装置とクレーン本体との間に生じる相対的な動きは、水平面内でのみ行なわれる。そして、走行装置とクレーン本体との定常の位置関係は、バネ機構によって保持され、地震発生時に上記バネ機構を介して行なわれる走行装置とクレーン本体との相対的な動きは、ダンパーによって緩和され、このようにして地震エネルギーの吸収を行ないながらクレーン本体のための免震機能が適切に発揮されるようになる。
また、クレーン本体の荷重の支持は、走行装置側の第1旋回ベアリング環と、中間の水平ビームおよびクレーン本体側の第2旋回ベアリング環とを介し、さらにクレーン本体結合部を介して支障なく支えられる。
さらに本発明のクレーン用免震装置は、上記水平ビームの上記走行装置に対する相対変位を常時は拘束し地震発生時に地震力で解放されて上記相対変位を許容する拘束機構が、上記の水平ビームと走行装置との間に架設されたことを特徴としている。
このように、水平ビームと走行装置との間にシアピンあるいはブレーキのごとき拘束機構が設けられて、地震発生時にのみ同拘束機構の解放が行なわれるようになっていると、常時は上記水平ビームが固定されるため、従来のクレーン装置と同様の安定した動作が行なわれる。
以上詳述したように、本発明のクレーン用免震装置によれば次のような効果が得られる。
クレーン本体と走行装置とを連結する可動連結機構において、前述の傾斜ビームの代わりに水平ビームが設けられるので、同水平ビームとその上下の第1旋回ベアリング環および第2旋回ベアリング環との協働作用で地震発生時に走行装置とクレーン本体との間に生じる相対的な動きは、水平面内でのみ行なわれる。そして、走行装置とクレーン本体との定常の位置関係は、バネ機構によって保持され、地震発生時に上記バネ機構を介して行なわれる走行装置とクレーン本体との相対的な動きは、オイルダンパーによって緩和され、このようにして地震エネルギーの吸収を行ないながらクレーン本体のための免震機能が適切に発揮されるようになる。また、この場合も、クレーン本体の荷重の支持は、走行装置側の第1旋回ベアリング環と、中間の水平ビームおよびクレーン本体側の第2旋回ベアリング環とを介し、さらにクレーン本体結合部を介して支障なく支えられる。
また、水平ビームと走行装置との間にシアピンあるいはブレーキのごとき拘束機構が設けられて、地震発生時にのみ同拘束機構の解放が行なわれるようになっていると、常時は上記水平ビームが固定されるため、従来のクレーン装置と同様の安定した動作が行なわれる。
以下、図面により本発明の第1参考例について説明すると、図1は門形クレーンのクレーン本体の四隅部にそれぞれ設けられた走行装置の1つとクレーン本体との間に本発明の第1参考例としてのクレーン用免震装置が装備された状態を示す側面図であり、図2は図1のII−II矢視図、図3は図1のIII−III矢視図、図4は図3のIV−IV矢視断面図、図5は図1のV−V矢視拡大図、図6は図5のVI−VI矢視図である。
本第1参考例の免震装置をそなえたクレーンも、図8および図9に示すような門形クレーンとして構成されており、門形のクレーン本体1と、その四隅部の走行装置2との間に、図1に示すごとく免震装置10が設けられている。
すなわち、走行装置2は、図1に示すように、レール3上を走行する各2個の車輪5を備えた4組のトラック4と、隣接する2組のトラック4,4を軸7で連結した2組の下部イコライザービーム6と、2組の下部イコライザービーム6を軸9で連結した上部イコライザービーム8とをそなえて構成されており、上部イコライザービーム8とクレーン本体1との間に本発明の第1参考例としての免震装置10が装着されている。
なお、図1において、C1は上部イコライザービーム8の中心線を示し、C2は中心線C1から一定距離だけクレーン本体1の中心側へ偏った免震装置10の上部イコライザービーム8側への取付位置を示している。
門形クレーンの走行装置2には、上記と異なった車輪数で、色々な組合せの形式があり、また、車輪2個付きのトラック4をクレーン本体1の各隅に1組ずつ設ける場合もある。本発明の各参考例および実施形態では、これらの各形式の走行装置2に対して、走行装置2の最上位のイコライザービームまたはトラックと、クレーン本体1側のサドル11との間を接続するように免震装置10が装備されている。
免震装置10は、図1〜4に示すように、走行装置2の上部イコライザービーム8上に鉛直中心線C2を中心として水平に取り付けられた下部リング31と、同下部リング31にアクシャル荷重用およびモーメント荷重用の各ベアリング33,
34ならびにラジアル荷重用ベアリング35を介して同心的に相対回転可能に係合した上部リング32とからなる旋回ベアリング環12をそなえている。
そして、旋回ベアリング環12の上部リング32上の偏心位置で中心線C1に沿うように設けられた鉛直軸支持用旋回軸受13に、図5,6に示すごとく、クレーン荷重支持用ブロック18の下部鉛直軸17が支承されており、同ブロック18は水平横軸16により、クレーン本体1に取り付けられたサドル18に旋回可能に枢支されている。このようにして、走行装置2は、図1に示すごとく、クレーン本体1に水平横軸16を介して枢支されている。
また、免震装置10は、旋回ベアリング環12の直径方向に沿い中心線C2と交叉する方向の水平横軸14を、上部リング32上のブラケット15を介して支持し、同水平横軸14により支持された水平レバー19を有している。そして、水平レバー19の先端部を旋回ベアリング環12の鉛直中心線C2を中心として上部リング32と共に旋回させるように同水平レバー19の先端部を支持しながら同水平レバー19の中立位置(クレーン走行方向に沿う位置)への自動復元を行なう水平レバー旋回復元機構20が、図1〜3に示すように設けられている。
すなわち、水平レバー19の先端部に、同水平レバーの旋回中心線C2を中心とする旋回方向に沿って自由回転しうるローラ(車輪の場合を含む)24が設けられるとともに、同ローラ24を案内するように走行装置2の上部イコライザービーム8上にガイドレール25が設けられており、同ガイドレール25は中立位置としてのレール中間部に向かい下り傾斜(図2参照)に設けられている。
また、旋回ベアリング環12の上部リング32とイコライザービーム8との間に、補助の駆動式(または非駆動式)の油圧ダンパー21が設けられるとともに、同油圧ダンパー21のための駆動ユニット21aが設けられている。
さらに、旋回ベアリング環12の上部リング32において、水平レバー19と反対の側に制動板22が設けられるとともに、同制動板22に着脱可能のブレーキ23が設けられ、このようにして水平レバー19の旋回移動を制動するブレーキ手段が構成されている。
なお、旋回軸受13は、旋回ベアリング環12と同様な小型の旋回ベアリング環で置換え、この旋回ベアリング環で荷重支持ブロック18の縦軸部17を支持するように構成することもできる。
また、水平レバー旋回復元機構20は、ローラ24とガイドレール25との組合わせ構造に代えて、一般に建造物の地震振動を軽減するために使用されている図7で示すような振動減衰用の積層ゴム26を水平レバー19の下面とイコライザービーム8の上面との間に設ける構成を採用することができる。さらに、積層ゴム26に代えてコイルばねを用いることができるほか、他の任意の構成の復元手段を用いてもよい。
なお、積層ゴム26の代わりにコイルばねを用いる場合は、水平レバー19の先端部を走行装置2の上面すなわちイコライザービーム8の上面に沿って同レバー19を案内するように、同レバー19の下面とイコライザービーム8の上面との間に減摩案内部材としてのローラまたはすべり支承部材が併用される。
上述した免震装置10は、クレーンの運転中は、制動板22をブレーキ23でロックした状態に保持し、クレーン運転休止時にブレーキ23を解放して免震装置10を作動可能な状態に維持できる。なお、クレーンの運転中でも、図示しない振動検出センサーからの地震検出信号に基づき、ブレーキ23による制動板22のロックを解除できるようにしておくことが望ましい。
門形クレーン本体1の荷重は、門形クレーン本体1の四隅の各サドル11から荷重伝達ブロック18,旋回軸受13,旋回ベアリング環12を経てイコライザービーム8を含む走行装置2に伝達される。
クレーンの運転中に、地震振動によって門形クレーン本体1に作用するアクシャル荷重A、転倒モーメント荷重M、M′およびラジアル荷重Rの各加振力も各走行装置2上の旋回ベアリング環12および旋回軸受13で吸収されることになる。
このとき、レール3と直角なラジアル方向に加わる加振力Rは、各走行装置2の旋回ベアリング環12から偏心した旋回軸受13を水平レバー19と共に旋回ベアリング環12の中心を中心として回動させるように作用し、この回動力が水平レバー19と走行装置2との間に設けられた水平レバー旋回復元機構20で抑制されることで緩衝されるようになる。
水平レバー旋回復元機構20が、図1〜図3で示す水平レバー19の先端部に設けたローラ24と、走行装置2上で中間部へ向かい下り傾斜するガイドレール25とで構成されているので、水平レバー19の旋回時にローラ24がガイドレール25面を上り傾斜方向に移動することで移動力が抑制され、クレーンの重力により自動的にガイドレール25の中間位置に復帰移動する。
また、水平レバー旋回復元機構20が、図7で示す積層ゴム26で構成された場合は、積層ゴム26自体のばね要素と、摩擦減衰要素と、粘性減衰要素とで、水平レバー19の移動力が抑制されたのち、回動量ゼロ位置へ自動復元される。また、積層ゴム26に代えて、コイルばねを用いた場合は、コイルばね自体のばね要素で水平レバー19の移動力が抑制されたのち、回動量ゼロ位置へ自動復元される。
また、地震による衝撃的な水平レバー19の回動は、補助の油圧ダンパー21によっても抑制することができ、駆動型の油圧ダンパー21を使用することで、地震振動に対しアクティブな制振を行なうことが可能になる。さらに、水平レバー19の旋回移動を制限するブレーキ手段22,
23が設けられることにより、地震に対する制振作用が一層的確に行なわれる。
上述した作用が、門形クレーン本体の四隅の各走行装置2の部分で、それぞれ独立して生じることで、門形クレーンに作用する地震力を各走行装置2で安全に吸収できるようになる。
また、この構成によって、大きい門形クレーン本体1の大きい水平旋回ねじれを安全に吸収できる免震機構をコンパクトな機構で提供することができる。
さらに、免震装置10が、走行装置2とサドル11との間に独立した機構で構成されるため点検・調整・補修が容易に行なえるようになる。
次に本発明の第2参考例としてのクレーン用免震装置について説明すると、図10はその概略構造を示す斜視図、図11はその側面図、図12は図11のA−A矢視図であり、図13はその要部の変形例を示す側面図である。
本第2参考例の免震装置をそなえたクレーンも、図8および図9に示すように、門形クレーンとして構成されており、門形のクレーン本体1と、その四隅部の走行装置2との間に、図11および図12に示すごとく免震装置10が設けられている。
すなわち、走行装置2は、図11に示すように、レール3上を走行する各2個の車輪5を備えた4個のトラック4と、隣接する2組のトラック4,4を軸7で連結した2組の下部イコライザービーム6と、2組の下部イコライザービーム6,6を軸9で連結した上部イコライザービーム8とをそなえて構成されており、上部イコライザービーム8とクレーン本体1との間に本第2参考例としての免震装置10が装着されている。
本第2参考例では、上部イコライザービーム8の中央に横軸50で枢着された台部材61の上に、傾斜支持面をもつベース部材51aを介して第1旋回ベアリング環51が走行方向に傾斜した状態で設けられている。
第1旋回ベアリング環51は図4に示す旋回ベアリング環12と同様の構造を有するもので、第1旋回ベアリング環51の下部リングはベース部材51aに固着され、同旋回ベアリング環51の上部ベアリングは傾斜ビーム60に固着されている。
そして第1旋回ベアリング環51の相対旋回しうる上部リングおよび下部リングの回転中心線C2は傾斜しており、この回転中心線C2から水平方向に偏倚した位置に回転中心線C1を有する第2旋回ベアリング環52が、第1旋回ベアリング環51と同様の構造を有して傾斜ビーム60の上面に設けられている。すなわち第2旋回ベアリング環52の下部リングは傾斜ビーム60の上面に固着され、同ベアリング環52の上部リングには取付け板52aが固着されている。
そして、第2旋回ベアリング環52の上部リングを取付け板52aを介しクレーン本体1の下部に結合するクレーン本体結合部として、球面軸受16aを含むヒンジピン式連結部材16と複数の油圧シリンダ54とが設けられている。
各油圧シリンダ54は、傾斜ビーム60の回転中心線C2を中心とする回転時の面角度の変化を、傾斜ビーム回転角度検出センサー56からの検出信号に応じ伸縮作動することによって吸収するようになっている。
また各油圧シリンダ54は、横方向および走行方向のモーメント荷重を支持し、クレーン本体1と走行装置2との間のモーメント荷重の受け渡しを行なうものである。
傾斜ビーム60と台部材61との間には拘束機構としてのシアピン53が設けられ、同シアピン53により常時はクレーン本体1と走行装置2とが定常の相対位置関係に保持されるが、地震発生時には地震力によるシアピン53の切断で解放されてクレーン本体1と走行装置2との相対移動が許容されることにより、後述のごとく免震装置10の機能が発揮されるようになっている。
また、傾斜ビーム60と台部材61との間には、免震装置10の作用時にクレーン本体1と走行装置2との相対移動を規制しながら運動エネルギーの吸収を行なうオイルダンパー55が装架されている。
上述の本第2参考例のクレーン用免震装置では、クレーン本体1の荷重は、走行装置2側の第1旋回ベアリング環51と、中間の傾斜ビーム60およびクレーン本体1側の第2旋回ベアリング環52とを介し、さらにクレーン本体結合部としてのヒンジピン式連結部材16および油圧シリンダ54を介して支えられる。
そして、地震発生時にシアピン53が切断されて、レール3と共に走行装置2が図10に矢印mで示すごとく横方向に動くと、第1旋回ベアリング環51と第2旋回ベアリング環52とが互いに偏倚した回転中心線を有しているため、クレーン本体1は慣性力により留まろうとして走行装置2に対し相対的に横ずれを起こしこれに伴い傾斜ビーム60は図10に矢印nで示すごとく回転中心線C2を中心として旋回動作を起こして、同ビーム60上の第2旋回ベアリング環52との協働によりクレーン本体1を押し上げるようになる。このようにして、地震による走行装置2の往復横移動に伴いクレーン本体1は主として上下動を生じるため重力による復元力が作用するようになり、これによりクレーン本体1が長周期化される。
また、第2旋回ベアリング環52の上部リングとクレーン本体1とがヒンジピン式連結部材16および油圧シリンダ16aにより傾斜調整可能に結合されているので、傾斜ビーム60の面角度に応じて油圧シリンダ54の伸縮調整を行なうことによりクレーン本体1を水平に保つことができ、第2旋回ベアリング環52に対するクレーン本体1の相対関係を適切に固めておくことができる。
さらに、傾斜ビーム60と走行装置2との間にシアピン(あるいはブレーキ)53としての拘束機構が設けられて、地震発生時にのみ同拘束機構の解放が行なわれるようになっているので、常時は傾斜ビーム60が固定されるため、従来のクレーン装置と同様の安定した動作が行なわれる。そして、地震力により上記拘束機構が解放され傾斜ビーム60の往復回動が行なわれるようになると、同傾斜ビーム60の回転を抑制しながら運動エネルギーの吸収を行なうオイルダンパー55が設けられているため、クレーン本体1と走行装置2との相対移動を適切に緩和しながら、地震エネルギーの吸収が行なわれるようになる。
なお、図13に示す第2参考例の変形例では、第2旋回ベアリング環52が、傾斜ビーム60に対し、底面の傾斜したベース部材52bを介して装着されることにより水平に保たれるようになっているが、他の構造は図11に示す装置と同様に構成されていて、同装置とほぼ同様の作用効果が得られるようになっている。
次に本発明の実施形態としてのクレーン用免震装置について説明すると、図14はその要部を示す斜視図であって、本実施形態の免震装置をそなえたクレーンも、図8および図9に示すような門形クレーンとして構成されており、門形のクレーン本体1と、その四隅部の走行装置2との間に、図示のごとく免震装置10が設けられている。
すなわち、走行装置2は、図14に示すように、レール3上を走行する各2個の車輪5を備えた4個のトラック4と、隣接する2組のトラック4,4を軸7で連結した2組の下部イコライザービーム6と、2組の下部イコライザービーム6,6を軸9で連結した上部イコライザービーム8とをそなえて構成されており、上部イコライザービーム8とクレーン本体1との間に本発明の実施形態としての免震装置10が装着されている。
本実施形態では、上部イコライザービーム8の中央に横軸50で枢着された台部材61の上に、第1旋回ベアリング環51が水平状態で設けられている。
第1旋回ベアリング環51は図4に示す旋回ベアリング環12と同様の構造を有するもので、第1旋回ベアリング環51の下部リングは台部材61の上面に固着され、同旋回ベアリング環51の上部ベアリングは水平ビーム62に固着されている。
そして第1旋回ベアリング環51の相対旋回しうる上部リングおよび下部リングの回転中心線C2は鉛直になっており、この回転中心線C2から水平方向に偏倚した位置に回転中心線C1を有する第2旋回ベアリング環52が、第1旋回ベアリング環51と同様の構造を有して水平ビーム62の上面に設けられている。すなわち第2旋回ベアリング環52の下部リングは水平ビーム62の上面に固着され、同ベアリング環52の上部リングには取付け板52aが固着されている。
そして、第2旋回ベアリング環52の上部リングを取付け板52aを介しクレーン本体1の下部に結合するボルトナットなどの適宜のクレーン本体結合部が設けられる。
水平ビーム62と台部材61との間には拘束機構としてのシアピン(またはブレーキ)53が設けられ、同シアピン53により常時はクレーン本体1と走行装置2とが定常の相対位置関係に保持されるが、地震発生時には地震力によるシアピン53の切断で解放されて、クレーン本体1と走行装置2との相対移動が許容されることにより、後述のごとく免震装置10の機能が発揮されるようになっている。
また、水平ビーム62と台部材61との間には、免震装置10の作用時にクレーン本体1と走行装置2との相対移動を規制しながら運動エネルギーの吸収を行なう粘性ダンパー55が装架されている。
このようにして、クレーン本体1と走行装置2との間には、地震発生時に走行装置2が横方向に振動する際に、クレーン本体1に働く慣性力により元位置に留まろうとするクレーン本体1の走行装置2に対する相対的な変位を許容しながら、両者を連結する可動連結機構が、第1旋回ベアリング環51,水平ビーム62および第2旋回ベアリング環52ならびにクレーン本体結合部としてのボルトナットなどにより構成されているが、この実施形態では特にクレーン本体1と走行装置2との間に両者を定常の位置関係に弾性的に保持するバネ機構(コイルバネ)63がクレーン本体1と台部材61との間に装架されている。
本実施形態では、クレーン本体1と走行装置2とを連結する可動連結機構において、前述の第2参考例における傾斜ビーム60の代わりに水平ビーム62が設けられるので、同水平ビーム62とその上下の第1旋回ベアリング環51および第2旋回ベアリング環52との協働作用で地震発生時に走行装置2とクレーン本体1との間に生じる相対的な動きは、水平面内でのみ行なわれる。そして、走行装置2とクレーン本体1との定常の位置関係は、バネ機構63によって保持され、地震発生時にバネ機構63を介して行なわれる走行装置2とクレーン本体1との相対的な動きは、粘性ダンパー55によって緩和され、このようにして地震エネルギーの吸収を行ないながらクレーン本体1のための免震機能が適切に発揮されるようになる。
また、この実施形態の場合は、クレーン本体1の荷重の支持は、走行装置2側の第1旋回ベアリング環51と、中間の水平ビーム62およびクレーン本体1側の第2旋回ベアリング環52とを介し、さらにクレーン本体結合部を介して支障なく支えられる。
さらに、水平ビーム62と走行装置2との間にシアピン(あるいはブレーキ)53のごとき拘束機構が設けられて、地震発生時にのみ同拘束機構の解放が行なわれるようになっているので、常時は水平ビーム62が固定されるため、従来のクレーン装置と同様の安定した動作が行なわれる。
本発明の第1参考例としてのクレーン用免震装置の側面図である。 図1のII−II矢視図である。 図1のIII−III矢視図である。 図3のIV−IV矢視拡大断面図である 図1のV−V矢視拡大図である。 図5のVI−VI矢視図である。 図1の装置の要部における変形例を示す説明図である。 走行式門形クレーンの正面図である。 図8の走行式門形クレーンの側面図である。 本発明の第2参考例としてのクレーン用免震装置の斜視図である。 図10のクレーン用免震装置の側面図である。 図11のA−A矢視図である。 図11のクレーン用免震装置に対応させて、その変形例を示す側面図である。 本発明の実施形態としてのクレーン用免震装置の斜視図である。 従来の天井走行式クレーンの側面図である。 図15のクレーンの要部を拡大して示す正面図である。
符号の説明
1 クレーン本体
2 走行装置
10 免震装置
50 横軸
51 第1旋回ベアリング環
52 第2旋回ベアリング環
53 シアピン(拘束機構)
55 オイルダンパー
60 傾斜ビーム
63 コイルバネ(バネ機構)
A アクシャル荷重
R 直角方向ラジアル荷重
M モーメント荷重
S 旋回ねじり荷重
L 走行装置スパン

Claims (2)

  1. クレーン本体と同クレーン本体をレールに沿い走行させるべく複数の車輪を備えた走行装置との間に設けられるクレーン用免震装置であって
    上記のクレーン本体と走行装置との間に両者を定常の位置関係に弾性的に保持するバネ機構が設けられるとともに、地震発生に伴い上記走行装置が横方向に振動する際に、上記クレーン本体に働く慣性力により元位置に留まろうとする同クレーン本体の上記走行装置に対する相対的な変位を許容しながら両者を連結する可動連結機構と、上記バネ機構を介して行なわれる上記のクレーン本体と走行装置との相対変位を抑制するダンパーとが、上記のクレーン本体と走行装置との間に介設され
    上記可動連結機構が、上記走行装置側に水平に装着された下部リングと同下部リングに対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとからなる第1旋回ベアリング環と
    同第1旋回ベアリング環の上部リングと一体に設けられた水平ビームと
    同水平ビームの上面で上記第1旋回ベアリング環の回転中心線から水平方向に偏倚した位置に回転中心線をもつように装着された下部リングと同下部リングに対し同心的に相対旋回可能に係合した上部リングとからなる第2旋回ベアリング環と
    同第2旋回ベアリング環の上部リングを上記クレーン本体の下部に結合するクレーン本体結合部とをそなえて構成され
    上記クレーン本体結合部、上記第2旋回ベアリング環、上記水平ビーム、および上記第1旋回ベアリング環を介して、上記クレーン本体の荷重が支持されていることを特徴とする、クレーン用免震装置。
  2. 請求項1に記載のクレーン用免震装置において、上記水平ビームの上記走行装置に対する相対変位を常時は拘束し地震発生時に地震力で解放されて上記相対変位を許容する拘束機構が、上記の水平ビームと走行装置との間に架設されたことを特徴とする、クレーン用免震装置。
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