JP2000129173A - 水溶性樹脂組成物およびそれを用いた塗装膜 - Google Patents

水溶性樹脂組成物およびそれを用いた塗装膜

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JP2000129173A
JP2000129173A JP10319861A JP31986198A JP2000129173A JP 2000129173 A JP2000129173 A JP 2000129173A JP 10319861 A JP10319861 A JP 10319861A JP 31986198 A JP31986198 A JP 31986198A JP 2000129173 A JP2000129173 A JP 2000129173A
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Toshimi Tokui
歳已 徳井
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Honny Chemicals Co Ltd
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HONNY CHEMICAL IND
Honny Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗膜の性能を向上させる電着塗料用水溶
性樹脂組成物とそれにより形成された電着塗装膜の提
供。 【解決手段】 水酸基およびカルボキシル基を含有する
水溶性樹脂と、架橋剤としてアミノ樹脂およびシリコン
アルコキシドとその加水分解縮合物であるシリコンアル
コキシドオリゴマーを含有するアニオン型電着塗料用水
溶性樹脂組成物から製造したアニオン型電着塗料液によ
り電着塗装を行なう。 【効果】 耐擦傷性、耐引掻き傷性、耐薬品性を向
上した電着塗膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電着塗料用水溶性樹
脂組成物およびそれを用いて形成した電着塗膜に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、建材用アルミサッシ等の表面処理
は、基材の陽極酸化処理後にワンコートで仕上がり性の
良いアニオン電着塗装を行なうのが主流である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在の
電着塗料では形成された塗膜の強靱性が不十分なために
電着塗装をされた製品をパレットで輸送する場合、合紙
として用いられているダンボールと塗膜が擦れて塗膜に
傷がつき、補修または再処理を行なわなければならない
といった問題点があった。またダンボールとの擦れ以外
にもパレットに積み重ねられている製品の隙間に砂、埃
などが入りこみ、塗膜同士が擦れて、塗膜に引っ掻き
傷、擦り傷がつくという問題点もあった。
【0004】さらに、従来の電着塗膜は上記の欠点以外
にも耐薬品性などの塗膜性能が不十分であり、それらの
改善が要求されている。前期の点を改善するため、含フ
ッ素界面活性剤を使用する技術が提案された(特開平8
−231902号公報、特願平9−100929号発
明)。これら先行発明では相当の改善効果が得られたも
ののなお十分な結果は示されていない。
【0005】また含フッ素シリコンアルコキシドを使用
し、前記の点を改善する技術が提案された(特願平9−
279330号発明)。この先行発明ではほぼ十分な改
善効果が得られたが、含フッ素シリコンアルコキシドの
コスト的な問題もあった。本発明は、前記したような従
来技術における問題点を解消し、合紙と製品、あるいは
製品同志による擦り傷・引っ掻き傷を防止しする電着塗
料用の水溶性樹脂組成物および電着塗膜を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者等は鋭意研究を重ねた結果、架橋剤として
従来からのアミノ樹脂に加えて、シリコンアルコキシド
とその加水分解縮合物であるシリコンアルコキシドオリ
ゴマーとを使用することにより、塗膜性能に優れた電着
塗料がえられることを知見し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち、前記知見に基づいてなされた本
発明は、含フッ素シリコンアルコキシドに、シリコンア
ルコキシドオリゴマーを併用し、さらにはフッ素系に変
わる他のシリコンアルコキシドを用い、それとシリコン
アルコキシドオリゴマーを併用することにより、先行発
明に比べ、耐擦り傷性、耐引っ掻き傷性、耐薬品性など
の塗膜性能をさらに改善し、コスト的な問題も解決した
アニオン型電着塗料用水溶性樹脂組成物とこれを用いて
形成した電着塗膜を提供する。
【0008】すなわち、本発明は、水酸基およびカルボ
キシル基を含有する水溶性樹脂と、架橋剤としてアミノ
樹脂およびシリコンアルコキシドとその加水分解縮合物
であるシリコンアルコキシドオリゴマーを含有すること
を特徴とするアニオン型電着塗料用水溶性樹脂組成物を
要旨とするものである。
【0009】また本発明は、(1)一般式 R12Si
2(式中、R1はフェニル基、メルカプト基、エポキシ
基、ハロアルキル基、アミノ基、炭素数1から16のア
ルキル基、またはそれらを含有している有機官能基を示
し、R2は炭素数1から3のアルキル基またはフェニル
基を示し、Zは加水分解性基を示す。)および(2)一
般式 R1SiZ3(式中のR1およびZは上記と同様の
意味を示す。)および(3)一般式 SiZ4(式中の
Zは上記と同様の意味を示す。)であらわされるシリコ
ンアルコキシドを1種または2種以上組み合わせたもの
を電着液樹脂分の0.1〜10重量%(0.1重量%未
満では耐擦傷性、耐引掻き傷性、耐薬品性などの塗膜性
能が十分ではなく、10重量%を超えると塗膜の外観が
低下する。)、(4)上記(1)〜(3)の加水分解縮
合物(シリコンアルコキシドオリゴマー:平均重合度が
2〜50、好ましくは3〜15である。)を1種または
2種以上組み合わせたものを電着液樹脂分の0.1〜2
0重量%(0.1重量%未満では耐擦傷性、耐引掻き傷
性、耐薬品性などの塗膜性能が十分ではなく、20重量
%を超えると塗膜の外観が低下し、上記シリコンアルコ
キシドとシリコンアルコキシドオリゴマーの添加量が合
計で電着樹脂成分の30重量%を超えると、電着液の貯
蔵安定性が低下する。)含有するアニオン型電着塗料用
水溶性樹脂組成物を要旨とするものである。
【0010】さらに、本発明は、導電性を有する基材、
例えば鉄、鋼、ステンレス、アルミニウムおよびこれら
に公知の化成処理を施したもの、さらには陽極酸化アル
ミニウム等に前記ののアニオン型電着塗料用水性樹脂組
成物を含有する電着塗料中で電着塗装をし、得られた電
着塗装物を未水洗または水洗後、焼き付けることにより
得られる電着塗膜をも要旨としている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の構成と作用を説明する。
本発明で使用する水酸基およびカルボキシル基を含有す
る水溶性樹脂は、アニオン型電着塗料用水溶性樹脂組成
物として従来から使用されている公知の樹脂を特に制限
なしに使用することが出来る。
【0012】特に以下に示すアクリル共重合体を使用す
ることが好ましい。アクリル共重合体を構成するカルボ
キシル基含有単量体としては、アクリル酸、α−クロロ
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン
酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、シトラコン
酸、メサコン酸等の単独または混合物あるいは少なくと
も1個のカルボキシル基を有するそれらの官能性誘導
体、例えば不飽和の重合性のジ−またはポリカルボン酸
の部分的エステルまたはアミド等がある。
【0013】また、α,β−エチレン性不飽和カルボン
酸のヒドロキシル基含有単量体としては、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジエチレ
ングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコール
モノメタクリレート等がある。
【0014】さらに、カルボキシル基含有単量体および
ヒドロキシル基含有単量体と共重合させる共重合性ビニ
ル基含有単量体としては、メチルアクリレート、メチル
メタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリ
レート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタ
クリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピル
メタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリ
レート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレー
ト、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヘプチル
アクリレート、ヘプチルメタクリレート等があり、アル
キル基内に炭素原子約20までを有する同様なエステル
が使用できる。さらにスチレン、α−アルキルスチレ
ン、α−クロロスチレン、ビニルトルエン、アクリロニ
トリル、酢酸ビニル等がある。
【0015】本発明の艶消しタイプ電着塗料用ビニル系
共重合体成分に使用されるα,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸のアルコキシシラン基含有エステル単量体とし
ては、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン等の一種以上が使用できる。
【0016】そして、本発明の電着塗料用樹脂組成物で
使用するアミノ樹脂としては、メチロール基の少なくと
も一部を低級アルコールでアルコキシル化したものであ
ればよい。低級アルコールとしては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、ブチルアルコール等の一種又は二種以
上を使用できる。
【0017】本発明の電着塗料用樹脂組成物で使用する
シリコンアルコキシドの(1)〜(3)のZで表わされ
る加水分解性基は、従来から公知のもの、例えばメトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロペノキシ
基、アセトキシ基、ブトキシ基等を挙げることができ
る。メトキシ基、エトキシ基は加水分解性が高く反応し
やすいので特に好ましい。
【0018】本発明の電着塗料用樹脂組成物で使用する
シリコンアルコキシドの(1)のR2で表わされる有機
置換基は炭素数が1〜3であり、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基が好ましい。この中でも、メチル基が
立体障害による加水分解反応速度への影響が最も少ない
ため特に好ましい。
【0019】本発明の電着塗料用樹脂組成物で使用する
シリコンアルコキシドの(1)および(2)のR1で表
わされる有機官能性基は、有機樹脂と化学反応により化
学結合を形成、極性構造により水素結合を形成、あるい
は相溶性、自由エネルギーの違いから塗膜表面近傍に偏
析するよう機能するものである。この有機官能性基は直
接ケイ素と結合しても、また、有機置換基を介してケイ
素に結合してもかまわない。
【0020】前記の有機官能性基としては、例えばフェ
ニル基;γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)−エチル基、5,6−エポキ
シヘキシル基、9,10−エポキシデシル基等のエポキ
シ基;γ−メルカプトプロピル基、β−(メルカプトメ
チルフェニル)−エチル基、6−メルカプトヘキシル
基、10−メルカプトデシル基、メルカプトメチル基等
のメルカプト基;γ−クロロプロピル基、γ−ブロモプ
ロピル基、トリフルオロプロピル基等のハロアルキル
基;アミノ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、デシル基、ヘキサデシル基等の炭素数1〜16ま
でのアルキル基を挙げることができる。これらの有機官
能性基は1種または2種以上組合わさって含有すること
ができる。
【0021】本発明の電着塗料用樹脂組成物で使用する
シリコンアルコキシドの(1)〜(3)の具体例として
は以下のものがある。 フェニル基含有シリコンアルコキシド化合物:フェニル
トリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等 メルカプト基含有シリコンアルコキシド化合物:γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリブトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエト
キシシラン、β−メルカプトメチルフェニルエチルトリ
メトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラ
ン、6−メルカプトヘキシルトリメトキシシラン、10
−メルカプトデシルトリメトキシシラン等 エポキシ基含有シリコンアルコキシド化合物:γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジメトキキシシラン、β−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメ
チルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、5,6−エ
ポキシヘキシルトリメトキシシラン、9,10−エポキ
シデシルトリメトキシシラン等 ハロアルキル基含有シリコンアルコキシド化合物:γ−
クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ブロモプロピ
ルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメト
キシシラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン
等 アミノ基含有シリコンアルコキシド化合物:γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、γ−アミノプロピルトリブトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリブトキシシラン、N−(β−アミノエ
チル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
等 炭素数1〜16のアルキル基含有シリコンアルコキシド
化合物:メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチルトリ
メトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−
ヘキサデシルトリメトキシシラン等
【0022】本発明の電着塗料用樹脂組成物で使用する
シリコンアルコキシドオリゴマー(4)に用いられるシ
リコンアルコキシドとしては、(1)〜(3)のものが
1種または2種以上使用できる。その中でもアルコキシ
基が容易に加水分解して縮合反応が起こることからテト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシランを使用するこ
とが特に好ましい。平均重合度としては3から15の範
囲であることが好ましい。これらのシリコンアルコキシ
ドオリゴマーは公知の方法で反応しても、市販品を使用
しても良い。
【0023】本発明の電着塗料用樹脂組成物で使用する
有機アミンとしては、モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジ
イソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブ
チルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン等のよ
うなアルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、モノ(2−ヒド
ロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒドロキシプロピ
ル)アミン、トリ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、
ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール
等のようなアルカノールアミン類、エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン等のようなアルキレンポリアミン類、エ
チレンイミン、プロピレンイミン等のようなアルキレン
イミン類、ピペラジン、モルホリン、ピラジン、ピリジ
ン等が挙げられる。有機アミンはカルボキシル基に対
し、モル比が0.3〜0.9となるように添加すればよ
い。
【0024】前記ビニル系共重合体成分にアミノ樹脂成
分、シリコンアルコキシド成分およびシリコンアルコキ
シドオリゴマー成分を加え、有機アミンで部分的に中和
したのち水を加えてエマルションにすると、本発明の電
着塗料用水性樹脂組成物が得られる。本発明の電着塗料
中には、着色剤、充填剤、溶剤その他の塗料用添加剤を
配合することが出来る。
【0025】本発明における電着塗装を実施する電着塗
装浴の固形分濃度は、5〜15重量%が好ましい。5重
量%未満では、必要な厚さの塗膜形成に長時間を要し不
経済であり、15重量%を超えると、塗装浴の状態が不
安定となり、形成された塗膜にムラが生ずるという欠陥
が現れる。
【0026】通電工程において印加される電圧は10〜
400V、好ましくは50〜250Vであり、通電時間
は0.5〜7分、好ましくは1〜4分である。電圧が高
いほど通電時間は短く、電圧が低ければ通電時間を長く
する。印加電圧は通電と同時に設定電圧をかけるハード
スタート、あるいは徐々に設定電圧まで電圧を上げてい
くソフトスタートのいずれでもかまわない。
【0027】電着塗装された被塗装物は水洗され、次い
で150〜200℃で15〜60分間加熱し、塗装膜が
硬化される。本発明が適用できる被塗装物としては、導
電性を有するものであれば特に限定されない。
【0028】
【実施例】本発明の実施例および比較例を挙げてさらに
具体的に説明するが、これによって本発明が限定される
ものではない。なお、実施例、比較例中の部は、特に断
りのない限り重量部である。
【0029】製造例1 攪拌装置、還流冷却器および窒素導入管を備えた3リッ
トル4つ口フラスコにイソプロパノール12.0部、ブ
チルセロソルブ8.0部を仕込み、90℃に昇温した。
別にイソプロパノール18.0部、アクリル酸9部、2
−ヒドロキシエチルアクリレート10部、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート5部、スチレン10部、2−エ
チルヘキシルアクリレート10部、n−ブチルアクリレ
ート20部、メチルメタクリレート36部、アゾビスイ
ソブチロニトリル1部の混合液を滴下ロートに仕込み、
前記フラスコ内に120分かけて滴下した。滴下終了
後、さらにイソプロパノール0.4部、アゾビスイソブ
チロニトリル0.2部を、30分毎に3回添加したのち
に、さらに90℃で90分反応を続けた。
【0030】製造例2 攪拌装置、還流冷却器および窒素導入管を備えた3リッ
トル4つ口フラスコにイソプロパノール12.0部、ブ
チルセロソルブ8.0部を仕込み、90℃に昇温した。
別にイソプロパノール18.0部、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート10部、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート5部、スチレン10部、2−エチルヘキシルアク
リレート10部、n−ブチルアクリレート20部、メチ
ルメタクリレート40部、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン5部、アゾビスイソブチロニトリ
ル1部の混合液を滴下ロートに仕込み、前記フラスコ内
に120分かけて滴下した。滴下終了後、さらにイソプ
ロパノール0.4部、アゾビスイソブチロニトリル0.
2部を、30分毎に3回添加したのちに、さらに90℃
で90分反応を続けた。
【0031】製造例3 攪拌装置、還流冷却器および窒素導入管を備えた3リッ
トル4つ口フラスコにイソプロパノール10.5部、ブ
チルセロソルブ7.1部を仕込み、90℃に昇温した。
別にイソプロパノール18.4部、アクリル酸6部、2
−ヒドロキシエチルアクリレート10部、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート5部、スチレン10部、2−エ
チルヘキシルアクリレート10部、n−ブチルアクリレ
ート20部、メチルメタクリレート39部、アゾビスイ
ソブチロニトリル1部の混合液を滴下ロートに仕込み、
前記フラスコ内に120分かけて滴下した。滴下終了
後、さらにイソプロパノール0.33部、アゾビスイソ
ブチロニトリル0.16部を30分毎に3回添加したの
ちに、さらに90℃で90分反応を続けた。
【0032】実施例1 製造例1で得られたビニル系共重合体46.7部と、製
造例2で得られたビニル系共重合体23.3部およびメ
ラミン樹脂(三井サイテック株式会社製 C−235,
有効成分100%)30部、ジフェニルジメトキシシラ
ン(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製 A
Y43−047)1.0部、テトラエトキシシランオリ
ゴマー(三菱化学株式会社製 MS−51)2.0部を
混合し、次いでこれらにジメチルアミノエタノール2.
88部を添加混合した。攪拌を続けながら、脱イオン水
を176.6部加えて転相乳化を行ない、電着塗料用原
液を得た。別の容器に脱イオン水を695.3部仕込
み、攪拌しながら前記電着塗料用原液303部を投入
し、次にジメチルアミノエタノールを1.7部添加して
電着塗料液を得た。
【0033】実施例2〜8および比較例1〜7 シリコンアルコキシド(化合物名は表1に表示)、テト
ラメトキシシランオリゴマー、脱イオン水を表1に示す
量で使用する以外は、すべて実施例1と同じ条件により
電着塗料液を調整した。
【0034】実施例9 製造例3で得られたビニル系共重合体70.0部にメラ
ミン樹脂(三井サイテック株式会社製 C−235)3
0.0部、ジフェニルジメトキシシラン(東レ・ダウ
コーニング・シリコーン株式会社製 AY43−04
7)1.0部、テトラエトキシシランオリゴマー(三菱
化学株式会社製 MS−51)2.0部を混合して、ジ
メチルアミノエタノール1.61部を添加攪拌した。攪
拌を続けながら、これに脱イオン水125.1部を加え
て転相乳化し、電着塗料用原液を得た。別の容器に脱イ
オン水を797.9部仕込み、攪拌しながら前記電着塗
料用原液200部を投入し、次にジメチルアミノエタノ
ールを2.1部添加して電着塗料液を得た。
【0035】実施例10〜16および比較例8〜14 シリコンアルコキシド(化合物名は表2に表示)、テト
ラメトキシシランオリゴマー、脱イオン水を表2に示す
量で使用する以外はすべて実施例9と同じ条件により電
着塗料液を調整した。前記実施例1〜16および比較例
1〜14の塗装原液および電着塗料液の成分を総括して
表1および表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】樹脂組成物の評価実施例1〜16、比較例
1〜14で調整した電着塗料液を使用し、常法に従って
陽極にアルマイト処理したアルミニウム板を、陰極に1
8−8ステンレス鋼板を用いて、浴温20℃、両極間に
直流電圧180Vを2分間印加した。次いで電着塗装さ
れたアルミニウム板を取り出して充分に水洗したのち、
180℃の温度で30分間焼付け乾燥した。各アルミニ
ウム板上に形成された電着塗膜の特性は表3および表4
に示すとおりであった。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】評価方法 (1)塗膜厚:渦電流式膜厚計(Fisher製 IS
OSCOPE)を用いて測定した。 (2)光沢: 60°鏡面反射率による。 (3)鉛筆引掻き値:JIS K−5400 8.4.
2(手かき法)に準じて測定した。 (4)塗料貯蔵安定性:塗料を沈殿管(高さ20cm、
容量100cc)に充填し、20℃で7日間静置したの
ち、容器の底の沈殿物の高さを調べた。 ◎:沈殿物高さが0.5mm以下で良好 ○:0.6〜3mmでほぼ良好 △:4〜7mmでやや不良 ×:8mm以上で不良 (5)艶消塗膜外観:塗膜表面の仕上がり外観(肌な
ど)を目視で評価した。 ◎:良好 ○:ほぼ良好 △:やや不良 ×:不良 (6)艶有塗膜外観:塗膜表面の仕上がり外観(肌な
ど)を目視で評価した。 ◎:良好 ○:ほぼ良好 △:やや不良 ×:不良 (7)ダンボールラビング試験:1kg荷重したダンボ
ール紙(3.0cm×3.0cm)を面接触で擦り、目
視により評価した。 ○:キズなし △:わずかにキズあり ×:キズあり (8)連続荷重スクラッチ試験:連続荷重式引掻強度試
験機(新東科学株式会社製 トライボギアTYPE:1
8)を使用して、引掻針(ダイアモンド製0.5mmR
90°)に垂直荷重0〜100gまたは、0〜200
gの連続荷重(移動距離100mm)をかけ、引掻速度
600mm/minで耐荷重(塗膜が傷つかずに耐えら
れる荷重量)を測定した。数値が高い程よく、とくに1
00以上が好ましい。 (9)耐ブロッキング性:塗膜片2個を重ね合わせてそ
れを万力で一定圧力に圧縮する。この状態で電気式オー
ブン内に130℃、24時間放置後万力を外し、接触し
ていた塗膜面のブロッキング性について評価する。 ○:塗膜片の接触面両方にキズは認められない。 ○〜△:塗膜片の片側または両側にキズが認められるが
塗膜剥離はない。 △:塗膜剥離が接触面積の5%以下で認められる。 △〜×:塗膜剥離が接触面積の5〜30%である。 ×:塗膜剥離が接触面積の30%以上である。 (10)耐薬品性:5重量%塩酸、5重量%硫酸、0.
5重量%苛性ソーダの各水溶液(20℃)に120時間
浸漬後の塗膜外観を調べた。 ◎:異状なく良好 ○:ほぼ良好 △:ブリスター発生 ×:ブリスター多数発生
【0042】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるから、耐擦傷性、耐薬品性を向上した電着塗膜が得
られる電着塗料液を提供出来るという優れた効果が奏さ
れ、産業上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 161/20 C09D 161/20 C25D 13/00 C25D 13/00 L 13/06 13/06 E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基およびカルボキシル基を含有する
    水溶性樹脂と、架橋剤としてアミノ樹脂およびシリコン
    アルコキシドとその加水分解縮合物であるシリコンアル
    コキシドオリゴマーを含有することを特徴とするアニオ
    ン型電着塗料用水溶性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (1)一般式 R12SiZ2(式中、
    1はフェニル基、メルカプト基、エポキシ基、ハロア
    ルキル基、アミノ基、炭素数1から16のアルキル基、
    またはそれらを含有している有機官能基を示し、R2
    炭素数1から3のアルキル基またはフェニル基を示し、
    Zは加水分解性基を示す。)および(2)一般式 R1
    SiZ3(式中のR1およびZは上記と同様の意味を示
    す。)および(3)一般式 SiZ4(式中のZは上記
    と同様の意味を示す。)であらわされるシリコンアルコ
    キシドを1種または2種以上組み合わせたものを電着液
    樹脂分の0.1〜10重量%、(4)上記(1)〜
    (3)の加水分解縮合物(シリコンアルコキシドオリゴ
    マー:平均重合度が2〜50、好ましくは3〜15であ
    る。)を1種または2種以上組み合わせたものを電着液
    樹脂分の0.1〜20重量%含有する請求項1記載のア
    ニオン型電着塗料用水溶性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 導電性を有する基材、例えば鉄、鋼、ス
    テンレス、アルミニウムおよびこれらに公知の化成処理
    を施したもの、さらには陽極酸化アルミニウム等に請求
    項1または2記載のアニオン型電着塗料用水性樹脂組成
    物を含有する電着塗料中で電着塗装をし、得られた電着
    塗装物を未水洗または水洗後、焼き付けることにより得
    られる電着塗膜。
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