JP2004210831A - 水性塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、自己乳化型エポキシ樹脂が持つ種々の欠点を改善し、耐水性に優れ、缶用塗料、特に蓋用塗料として使用する場合に十分な加工性と耐食性及び滑り性を兼ね備えた塗膜を形成し得る水性塗料を提供することにある。
【解決手段】特定の酸価、特定のTg及び特定の重量平均分子量のカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)とエポキシ樹脂(a1)とのエステル化反応物(A)をさらに高酸価のカルボキシル基含有アクリル樹脂部分と結合させてなるアクリル変性エポキシ樹脂、塩基性化合物及び水性媒体を含有する水性塗料組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性塗料組成物に関する。詳しくは、金属素材に直接または下地塗料上に塗装される金属缶用の水性塗料組成物、さらに詳しくは加工性、耐食性が要求される蓋用金属缶内面の中でも特に高い耐食性が要求される炭酸飲料用蓋内面に適用される水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来技術】
芳香族系エポキシ樹脂を主成分とする塗料組成物は、加工性、耐内容性、塗膜物性に優れ、金属用、特に缶用塗料として使用されているが、芳香族系エポキシ樹脂自体は水性の媒体に溶解ないし分散しない。
【0003】
一方、省資源、省エネルギー、あるいは環境保全等の観点から水性の金属用の下塗り剤や塗料が検討されており、芳香族系エポキシ樹脂を主成分とする下塗り剤や塗料についても種々の提案がなされている。例えば、芳香族系エポキシ樹脂を界面活性剤を用いて水中に分散させる方法が知られているが、界面活性剤の作用により被覆剤の貯蔵安定性や塗膜物性に悪影響を及ぼす傾向がある。
【0004】
そこで、界面活性剤を用いずに芳香族系エポキシ樹脂を水性化する方法として、一分子中にカルボキシル基とエポキシ基とを併せ持ついわゆる自己乳化型芳香族系エポキシ樹脂なども種々提案されて来ている。
【0005】
例えば、特許文献1:特開昭53−14963号公報および特許文献2:特開昭55−9433号公報には、カルボキシル基を有するアクリル系樹脂中のカルボキシル基の一部と芳香族系エポキシ樹脂中のエポキシ基の一部とを3級アミン類の存在下にエステル反応せしめ変性エポキシ樹脂を得(この手法を以後「エステル化法」と記載。)、次いで係る変性エポキシ樹脂中に残存する過剰のカルボキシル基をアンモニアもしくはアミン類等の塩基性化合物で中和せしめることによって変性エポキシ樹脂を水性媒体中に安定に分散し得ることが示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭53−14963号公報
【特許文献2】
特開昭55−9433号公報
【0007】
また、特許文献3:特開昭57−105418号公報および特許文献4:特開昭58−198513号公報には、芳香族系エポキシ樹脂中のエポキシ基の一部を、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマー中のカルボキシル基と反応せしめ、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つ化合物を得、係る化合物を、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する種々のモノマーと(メタ)アクリル酸との混合物と共重合し(この手法を以後「直接重合法」と記載。)、得られる共重合体、即ち変性エポキシ樹脂中のカルボキシル基をアンモニアもしくはアミン類等の塩基性化合物で中和することによって変性エポキシ樹脂を水性媒体中に安定に分散し得ることが開示されている。
【0008】
【特許文献3】
特開昭57−105418号公報
【特許文献4】
特開昭58−198513号公報
【0009】
さらに、特許文献5:特開昭53−1228号公報には、芳香族系エポキシ樹脂の存在下でベンゾイルパーオキサイドなどのフリーラジカル発生剤を用いて(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを併せ持つモノマーを含むラジカル重合性不飽和二重結合を有する種々のモノマーの混合物を共重合することによりアクリル共重合体が芳香族系エポキシ樹脂にグラフトしてなる変性エポキシ樹脂(この手法を以後「グラフト法」と記載。)を、アンモニアもしくはアミン類等の塩基性化合物で中和することによって水性媒体中に安定に分散し得ることが示されている。
【0010】
【特許文献5】
特開昭53−1228号公報
【0011】
上記方法により得られる変性エポキシ樹脂は、いずれも変性エポキシ樹脂自身が水に対する分散性を有する自己乳化型であり、塗料組成物として用いた場合、その塗膜は界面活性剤を含まないので、化学的性能、耐水性等が優れている。しかしながら、上記自己乳化型エポキシ樹脂は、いずれもエポキシ樹脂に由来する部分とアクリル樹脂に由来する部分とを有するため、エポキシ樹脂が本来持つ下地との接着力、耐食性、加工性が良好である等の性能をアクリル樹脂に由来する部分が損ないやすいという欠点を有していた。
【0012】
また、上記技術により得られる自己乳化型芳香族エポキシ樹脂には、密着性や耐食性を向上させる目的でレゾール型フェノール樹脂を配合することも知られているが、レゾール型フェノール樹脂は硬化速度が遅く、また実用的に密着性や耐食性を満足し得る量を用いた場合、加工性が低下する。この為、高加工性と耐食性が同時に要求される缶種,用途に使用することが難しかった。
【0013】
特に、炭酸を含む飲料を充填する飲料缶は、5℃程度の低温で内容物が充填され蓋が取り付けられた後室温まで戻される。この過程で炭酸が溶出し缶内部の圧力が高くなるので、缶の蓋部分は内部からの圧力により外側へ膨らむ。この後も雰囲気温度の変化により炭酸の充填物からの溶出、充填物への溶解があり蓋は凹凸を繰り返す。これにより蓋は内容物が充填された状態で変形を受けることになり、変形部に腐食が発生しやすい。そこで、この様な内圧による変形をも考慮した種々の加工が蓋部分には施される。この種々の加工は、蓋材上の両面に塗膜を設けた後に行われるため、塗料組成物には種々の加工において塗膜欠陥を生じないような高い加工性、加工時に塗膜が傷つかないよう高い滑り性、内容物充填後に蓋が凹凸しても腐食が発生しないよう高い耐食性が要求される。
【0014】
塗膜に滑り性を付与する方法としては通常2種類ある。
1.塗料中にワックス等の滑り性付与物質を添加し、塗膜形成の際にワックス等を塗膜表面に配向させることによって、滑り性を付与する。(以後、この方法を「インナーワックス」、用いられる塗料を「インナーワックスタイプ」という。)
2.塗料中にはワックス等の滑り性付与物質を添加せず、または少量のみ添加し、塗膜形成後にワックス等を塗布することで滑り性を付与する。(この方法を以後「アウターワックス」という。)
最近は、工程の簡略化、生産性等の観点から、インナーワックスタイプの塗料が要求されている。
【0015】
自己乳化型エポキシ樹脂を用いて高加工性を向上するために、種々の提案がなされている。
特許文献6:特開平04−283218号公報、特許文献7:特開平05−017556号公報では、酸価0〜70の低酸価アクリル樹脂とエポキシ樹脂との反応生成物に、さらに酸価100〜500の高酸価アクリル樹脂を反応させることによって、高加工性を向上することが提案されている。
また、特許文献8:特開2000−73005号公報には、エポキシ樹脂部分(b1)と、酸価50(mgKOH/g)未満で且つTgが50℃未満の低酸価低Tgアクリル樹脂部分(b2)とを有する変性エポキシ樹脂(B)及びエポキシ樹脂部分(a1)と高酸価アクリル樹脂部分(a2)とを有する変性エポキシ樹脂(A)を含有する水性被覆剤が提案されている。
【0016】
特許文献6及び7に記載される塗料は、低酸価アクリル樹脂として酸価が低すぎるものを用いると、低酸価過ぎる故にエポキシ樹脂との反応が生じにくく、塗膜中で低酸価アクリル樹脂とエポキシ樹脂が分離してしまいやすく、その結果塗膜表面に低酸価アクリル樹脂に由来すると思われるブツを生じてしまう。
【0017】
一般に造膜性成分のTgを低くすることによって塗膜の加工性を向上し得る。
通常、アルキル基の長いモノマーを多量に使用することによって、アクリル樹脂のTgを低くすることができる。
しかし、自己乳化型エポキシ樹脂の構成部分であるアクリル樹脂部分のTgを低くくするためには、アルキル基の長いモノマーを多量に使用することになり、エポキシ樹脂部分とアクリル樹脂部分との相溶性が悪くなる。両部分の相溶性が悪化する結果、エポキシ樹脂と未反応のアクリル樹脂部分が比重、溶融粘度の違いにより塗膜形成時にアクリル樹脂部分とエポキシ樹脂部分とが分離し、アクリル樹脂部分が塗膜表面に局在化してしまう。
【0018】
上記特許文献6〜8に開示される水性樹脂組成物や水性被覆剤にワックス等の滑り性付与物質を添加し、インナーワックスタイプの塗料として用いると、低酸価アクリル樹脂のTgが低すぎるがゆえに形成される塗膜の滑り性が悪くなるというさらなる問題が生じた。
Tgが低すぎるアクリル樹脂部分で自己乳化型エポキシ樹脂を構成したことによって、低Tgのアクリル樹脂部分が塗膜表面に配向し、その結果ワックス等の配向を阻害し、滑り性が悪化したものと考察される。
尚、その理由は不明ではあるが、低Tgのアクリル樹脂部分がアクリル酸2−エチルヘキシルを必須とする成分から形成される場合に、滑り性の低下が著しい。
【0019】
【特許文献6】
特開平04−283218号公報
【特許文献7】
特開平05−017556号公報
【特許文献8】
特開2000−73005号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は自己乳化型エポキシ樹脂が持つ種々の欠点を改善し、耐水性に優れ、缶用塗料、特に蓋用塗料として使用する場合に十分な加工性と耐食性及び滑り性を兼ね備えた塗膜を形成し得る水性塗料を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特定の酸価、特定のTg及び特定の重量平均分子量のカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)とエポキシ樹脂(a1)とのエステル化反応物(A)をさらに高酸価のカルボキシル基含有アクリル樹脂部分と結合させることによって、上記課題を解決できることを見いだした。
【0022】
即ち、第1の発明はエポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基の一部を、酸価Xa(mgKOH/g)が10≦Xa≦135、ガラス転移温度Tg(℃)が−20≦Tg≦20、重量平均分子量Mwが30000≦Mw≦200000であるカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)中のカルボキシル基の一部と反応せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基の一部を、さらに
酸価XB(mgKOH/g)が180≦XB≦450のカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)中のカルボキシル基の一部と反応せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(1)、塩基性化合物及び水性媒体を含有することを特徴とする水性塗料組成物である
【0023】
第2の発明はエポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基の一部を、酸価Xa(mgKOH/g)が10≦Xa≦135、ガラス転移温度Tg(℃)が−20≦Tg≦20、重量平均分子量Mwが30000≦Mw≦200000であるカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)中のカルボキシル基の一部と反応せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(A)の存在下に、
カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを合わせ持つモノマー(c1)を必須成分として含有するモノマー(c)であって、酸価XC(mgKOH/g)が180≦XC≦450の重合体を形成し得るモノマー(c)を、
過酸化物を用いて、重合せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(2)、塩基性化合物及び水性媒体を含有することを特徴とする水性塗料組成物である。
【0024】
第3の発明はエポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基の一部を、酸価Xa(mgKOH/g)が10≦Xa≦135、ガラス転移温度Tg(℃)が−20≦Tg≦20、重量平均分子量Mwが30000≦Mw≦200000であるカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)中のカルボキシル基の一部と反応せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基の一部に、
カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを合わせ持つモノマー(d1)のカルボキシル基の少なくとも一部と反応せしてめてなる、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを合わせ持つ化合物(d2)を得、
該化合物(d2)とラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマー(d3)とを共重合せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(3)、塩基性化合物及び水性媒体を含有することを特徴とする水性塗料組成物(但し、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを合わせ持つモノマー(d1)及びラジカル重合性不飽和二重結合とを持つモノマー(d3)は、両者を共重合すれば酸価XD(mgKOH/g)が180≦XD≦450の共重合体を形成し得るモノマーである)である。
【0025】
第4の発明はカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)が、アクリル酸エチルを60重量%以上含有するモノマーを重合してなることを特徴とする第1ないし第3の発明いずれか記載の水性塗料組成物である。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の水性塗料組成物は、加工性、耐食性を担う特定の酸価、Tg及び重量平均分子量のカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)とエポキシ樹脂(a1)をエステル化反応により十分に反応させた後、水性化機能を担う高酸価アクリル樹脂部分、塩基性化合物及び水性媒体を含有するものである。
すなわち、カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)をエポキシ樹脂(a1)と十分に反応させることで、塗膜表面へのアクリル樹脂(a2)の分離や配向を抑制・防止し得る。その結果変形や加工に対する応力緩和機能が効果的に発現し得るようになり、加工性、耐食性、滑り性が良好な塗膜を得ることができる。更に高酸価アクリル樹脂部分により非常に優れた水分散性を有する。
【0027】
本発明の水性塗料組成物は、大きく以下の3つの方法を利用することによって得ることができる。
(1)エステル化法+エステル化法
(2)エステル化法+グラフト法
(3)エステル化法+直接重合法
以下、詳細に説明する
【0028】
(1)エステル化法+エステル化法
即ち、まずカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)中のカルボキシル基とエポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基の一部とをエステル化反応により十分に反応させ、アクリル変性エポキシ樹脂(A)を得る(第1の工程)。次いで、アクリル変性エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基の一部を第2のカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)中のカルボキシル基の一部とエステル化反応させて、アクリル変性エポキシ樹脂(1)を得る(第2の工程)。そして、塩基性化合物及び水性媒体を用いて、このアクリル変性エポキシ樹脂(1)を水性媒体に溶解ないしは分散させる。
尚、アクリル変性エポキシ樹脂(A)と第2のカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)とをエステル化反応させる際に、他の樹脂、例えば未変性のエポキシ樹脂を共存させることもできる。
【0029】
(2)エステル化法+グラフト法
上記(1)と同様にして、まずアクリル変性エポキシ樹脂(A)を得る。
次いで、上記(1)でいうところの第2のカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)と同様のアクリル樹脂を形成し得るモノマー(c)を、アクリル変性エポキシ樹脂(A)の存在下に過酸化物を用いて重合することによって、カルボキシル基含有アクリル樹脂部分とエポキシ樹脂部分との結合物である、アクリル変性エポキシ樹脂(2)を得る(第2の工程)。そして、これを上記(1)と同様にして水性化する。
尚、アクリル変性エポキシ樹脂(A)の存在下にモノマー(c)をグラフト重合させた後、モノマー(c)から合成されたアクリル樹脂部分のカルボキシル基をアクリル変性エポキシ樹脂(A)もしくは生成されたグラフト重合物アクリル変性エポキシ樹脂(2)、さらには未変性のエポキシ樹脂(a1)が残っている場合には、これら樹脂の中のエポキシ基とエステル化反応させることもできる
【0030】
(3)エステル化法+直接重合法
上記(1)と同様にして、まずアクリル変性エポキシ樹脂(A)を得る。
次いで、上記(1)でいうところの第2のカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)と同様のアクリル樹脂を形成し得るモノマーのうち、カルボキシル基とラジカル重合性二重結合とを有するモノマー(d1)を、アクリル変性エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基の一部と反応させ、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物(d2)を得る(第2の工程
)。
次にこの一分子中にエポキシ基とラジカル重合性二重結合とを有する化合物(d2)と、第2のカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)と同様のアクリル樹脂を形成し得るモノマーであって、残っているラジカル重合性二重結合とを有するモノマー(d3)を重合することによって、カルボキシル基含有アクリル樹脂部分とエポキシ樹脂部分との結合物である、アクリル変性エポキシ樹脂(3)を得る(第3の工程)。そして、これを上記(1)(2)と同様にして水性化する。
【0031】
以下、主に上記(1)の場合を例にして、本発明に用いるエポキシ樹脂(a1)、カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)等について説明する。
本発明に用いられるエポキシ樹脂(a1)としては、ビスフェノール型、ノボラック型等の芳香族系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂等があげられる。このうち、塗料物性等の観点からビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂をそれぞれ単独または併用、あるいはビスフェノールA及びビスフェノールFを共重合したエポキシ樹脂を使用することが好ましい。
【0032】
本発明に用いるカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)及び(B)は、いずれもα,β−不飽和カルボン酸とそれと共重合可能なモノマーとを反応させて得られる共重合体である。
【0033】
α,β−不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が好ましい。
【0034】
また共重合性のモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル等のヒドロキシル基含有モノマー;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリル酸モノマー等の1種もしくは2種以上が挙げられる、スチレンおよびアクリル酸エチルが特に好ましい。
【0035】
カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)及び(B)は、例えば上記モノマーの混合物を重合開始剤の存在下、有機溶剤中で溶液重合することにより得ることができる。
【0036】
第1の工程に用いられるカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)は、酸価Xa(mgKOH/g)が10≦Xa≦135であることが重要であり、15≦X≦120(mgKOH/g)であることが好ましい。10(mgKOH/g)未満ではエポキシ樹脂(a1)との反応性が落ち、十分な耐食性が得られないと共に滑り性が悪くなる。135(mgKOH/g)より大きいと塗膜の親水性が大きくなり耐水性が悪くなる。
即ち、酸価が低く過ぎない、特定範囲の酸価のカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)を用い、カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)とエポキシ樹脂(a1)としっかりエステル化反応させることによって、塗膜にした際のエポキシ樹脂(a1)とカルボキシル基含有アクリル樹脂との分離を防止し得る。分離を防止することよって、カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)が、応力緩和機能を十分に発揮し、加工性、耐食性が良好になると共に添加されるワックスの効果を阻害せず、塗膜の滑り性も良好になる。
【0037】
また、第1の工程に用いられるカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)は、ガラス転移温度Tg(℃)が−20≦Tg≦20あることが重要であり、−18≦Tg≦10(℃)であることが好ましい。−20(℃)より低いと滑り性が悪くなり、20(℃)より高くなると炭酸飲料缶で要求される高い加工性、耐食性が得られない。
【0038】
さらに第1の工程に用いられるカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)は、重量平均分子量Mwが30000≦Mw≦200000であることが重要であり、40000≦Mw≦160000であることが好ましい。30000より小さいと塗膜中での応力緩和機能が弱く炭酸飲料缶に要求される高い加工性、耐食性が得られない。一方200000より大きいとエポキシ樹脂(a1)との反応時に高粘度化あるいはゲル化する。
尚、このようにMwが比較的大きなカルボキシル基含有アクリル樹脂部分をグラフト法や直接重合法でエポキシ樹脂(a1)に結合することは極めて困難である。
グラフト法の場合、エポキシ樹脂(a1)に対するグラフト反応とアクリル系モノマー自体の重合とが競合する。エポキシ樹脂(a1)に結合するアクリル樹脂部分の分子量を大きくするためには、重合開始剤であると共にグラフト反応の触媒でもある過酸化物の使用量を減らす必要がある。過酸化物の使用量を減らすとグラフト反応が生じにくくなり、その結果エポキシ樹脂(a1)にアクリル樹脂部分がほとんど結合していない、エポキシ樹脂(a1)とアクリル樹脂との単なる組成物が得られる。さらにアクリル系モノマー同士の共重合を阻害する物質、すなわちエポキシ樹脂(a1)が多量に存在するためアクリル樹脂の分子量は小さくなる。
直接重合法の場合もグラフト法と同様にエポキシ樹脂(a1)の存在によりアクリル樹脂の分子量は小さくなる。
【0039】
具体的には、本発明に用いられるカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)としては、アクリル酸もしくはメタクリル酸とアクリル酸エチルとスチレンとの共重合体が好ましい。より具体的にはアクリル酸エチルを60重量%以上含有するモノマーを共重合してなる共重合体が好ましく、アクリル酸エチルを65〜90重量%含有するモノマーを共重合してなる共重合体がさらに好ましい。尚、詳細な理由はまだ不明ではあるが、共重合体自体のTgが同程度であっても、カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)として、アクリル酸2エチルヘキシルを共重合成分とするものを用いると、アクリル酸エチルを共重合成分とするものを用いる場合に比して、塗膜の滑り性が低下する傾向にある。
【0040】
尚、本明細書中におけるTgは北岡協三著,「塗料用合成樹脂入門」(高分子刊行会)に記載されている下記式から求めることができる。
1/Tg=(W1 /Tg1 )+(W2 /Tg2 )・・・・+(Wn /Tgn
ここで、Tgは得られるガラス転移温度(K)、Tg1 、Tg2 等はそれぞれのモノマー単独重合体のガラス転移温度(K)、W1 、W2 等はそれぞれのモノマーの重量比率を表す。
【0041】
また本明細書中における重量平均分子量や数平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー測定でのポリスチレン換算によるものとする。
【0042】
次にカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)について説明する。
カルボキシル基含有アクリル樹脂(B)は、その酸価XBが180≦XB≦450(mgKOH/g)であることが重要であり、200≦XB≦400(mgKOH/g)であることが好ましい。180(mgKOH/g)より低いと水性化が困難であり、450(mgKOH/g)より高いと塗膜の親水性が高くなり耐水性が劣る。
また、重量平均分子量は、10000〜150000であることが好ましく、15000〜100000であることがより好ましい。さらに、ガラス転移温度は、50〜120(℃)であることが好ましく、55〜110(℃)であることがより好ましい。
このようなカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)は、上記したようにカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)と同様にして得ることができる。
具体的には、本発明に用いられるカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)としては、アクリル酸もしくはメタクリル酸とアクリル酸エチルとスチレンとの共重合体が好ましい。
【0043】
アクリル変性エポキシ樹脂(A)は、塩基性化合物をエステル化触媒として用い、上記したようにエポキシ樹脂(a1)のエポキシ基とカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)のカルボキシル基とをエステル化反応させて得ることができる。上記エステル化反応は、例えばエポキシ樹脂(a1)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)を有機溶媒中に溶解後、塩基性化合物を加え50℃〜130℃で10分〜8時間撹拌することで得られる。
【0044】
上記エポキシ樹脂(a1)及びカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)を溶解するための有機溶剤は特に制限されるものではないが、n−プロパノール、イソプロパール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−アミルアルコール、アミルアルコール、メチルアミルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルプロピレングリコール、メチルプロピレンジグリコール、プロピルプロピレングリコール、プロピルプロピレンジグリコール、ブチルプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキブチルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等を挙げることができる。
【0045】
また、エステル化用触媒として種々の塩基性化合物を用いることができる。塩基性化合物としては、揮発性塩基性化合物が好ましく、例えばアンモニア、ジメチルエタノールアミン、ジメチルベンジルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、モルホリン等が挙げられる。これらを1種あるいは複数を1度にあるいは数度にわけて添加してもよい。
【0046】
次に、別途用意しておいたカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)、即ち高酸価アクリル樹脂(B)中のカルボキシル基の一部と上記アクリル変性エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基の一部とを、エポキシ樹脂(a1)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)とのエステル化反応の場合と同様してエステル化反応させる。
例えば、アクリル変性エポキシ樹脂(A)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)を有機溶媒に溶解後、塩基性化合物を加え50℃〜130℃で10分〜8時間撹拌し、アクリル変性エポキシ樹脂(1)を得る。このとき、塩基性化合物はアクリル変性エポキシ樹脂(A)中に残留している塩基性化合物をそのまま利用してもよいし、新たに加えてもよい。
【0047】
アクリル変性エポキシ樹脂(1)を構成する成分である、エポキシ樹脂(a1)、カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)、カルボキシル基含有アクリル樹脂(B)は、(a1)+(a2)+(B)=100重量%とした場合に、(a1)/(a2)/(B)=50〜92/3〜30/5〜30(重量%)であることが好ましく、60〜85/5〜20/10〜25(重量%)であることがより好ましい。カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)が3重量%より少ないと十分な耐食性が得られず、30重量%より多いと相対的にエポキシ樹脂の量が少なくなるため密着性が劣る。カルボキシル基含有アクリル樹脂(B)が5重量%より少ないと水性化が困難であり、30重量%より多いと塗膜の耐水性が劣る。
【0048】
次に(2)のエステル化法+グラフト法を利用してなるアクリル変性エポキシ樹脂(2)の場合について説明する。
上記(1)の場合と同様にしてアクリル変性エポキシ樹脂(A)を得る。
該アクリル変性エポキシ樹脂(A)の存在下に、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを合わせ持つモノマー(c1)を必須成分として含有するモノマー(c)を、過酸化物を用いて重合せしめてアクリル変性エポキシ樹脂(2)を得る。
モノマー(c)は、カルボキシル基含有アクリル樹脂(B)の形成に供されるモノマーと同様である。
【0049】
ここで用いられる過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシド2−エチルヘキサノエート等が挙げられる。これら過酸化物は一度にあるいは10分〜5時間かけて滴下することができる。過酸化物を用いてモノマー(c)を重合することによって、モノマー(c)の重合と、アクリル変性エポキシ樹脂(A)に対するモノマー(c)のグラフトとが同時に進行し、アクリル変性エポキシ樹脂(2)を得ることができる。
アクリル変性エポキシ樹脂(2)を構成する成分である、エポキシ樹脂(a1)、カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)、モノマー(c)は、(a1)+(a2)+(c)=100重量%とした場合に、(a1)/(a2)/(c)=50〜92/3〜30/5〜30(重量%)であることが好ましく、60〜85/5〜20/10〜25(重量%)であることがより好ましい。
【0050】
次に(3)のエステル化法+直接重合法を利用してなるアクリル変性エポキシ樹脂(3)の場合について説明する。
アクリル変性エポキシ樹脂(3)は、カルボキシル基含有アクリル樹脂(B)の形成に供されるモノマーと同様のモノマーを、段階的にアクリル変性エポキシ樹脂(A)と反応させてなるものであるということができる。
即ち、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを合わせ持つモノマー(d1)中のカルボキシル基とアクリル変性エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基との反応を利用し、エポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを有する反応生成物を得、次いで得られた反応生成物とラジカル重合性不飽和二重結合とを持つ残りのモノマー(d3)を共重合することによって、アクリル変性エポキシ樹脂(3)を得ることができる。アクリル変性エポキシ樹脂(A)とモノマー(d1)との反応は、水酸化ナトリウム等の触媒を用いて60〜150℃で30分〜8時間撹拌することによって得ることができる。また、得られた反応生成物とモノマー(d3)との重合は、常法に従い重合開始剤を10〜5時間かけて滴下することによって生起することができる。尚、重合開始剤として過酸化物を用いると、ラジカル重合性不飽和二重結合同士の通常の付加重合と共にグラフト重合も生じ得る。
【0051】
アクリル変性エポキシ樹脂(3)を構成する成分である、エポキシ樹脂(a1)、カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)、モノマー(d1)、モノマー(d3)は、(a1)+(a2)+(d1)+(d3)=100重量%とした場合に、(a1)/(a2)/(d1)+(d3)=50〜92/3〜30/5〜30(重量%)であることが好ましく、60〜85/5〜20/10〜25(重量%)であることがより好ましい。
【0052】
アクリル変性エポキシ樹脂(1)、(2)、(3)を水性化する方法は公知のものを使用すればよい。
1.得られたアクリル変性エポキシ樹脂(1)、(2)、(3)に必要量の塩基性化合物を加えた後、これを水性媒体に分散させる。又は水をこれに分散させる。ここで使用する塩基性化合物は、アクリル変性エポキシ樹脂(A)合成時に使用したものと同一種でもよいし、アクリル変性エポキシ樹脂(A)中に残留している塩基性化合物をそのまま利用し新たに加えなくてもよい。
2.得られたアクリル変性エポキシ樹脂(1)、(2)、(3)に必要量の水性媒体と塩基性化合物の混合物を加えて分散させる。
3.得られたアクリル変性エポキシ樹脂(1)、(2)、(3)を必要量の水性媒体と塩基性化合物の混合物に加えて分散させる。
尚、アクリル変性エポキシ樹脂(1)、(2)、(3)は、それぞれ単独で用いることもできるし、2種以上を併用することもできる。また、水性化するための塩基性化合物としては揮発性のものが好ましい。
【0053】
本発明に用いられる水性媒体としては、水単独の他、水と水溶性有機溶剤との混合液等が挙げられる。
【0054】
本発明の水性塗料組成物は、必要に応じて、レゾール型フェノール樹脂又はメラミン樹脂もしくはベンゾグアナミン樹脂などのアミノ樹脂などの硬化剤、界面活性剤、消泡剤、ワックス、顔料などを含有していてもよい。
【0055】
本発明の水性塗料組成物は、種々の基材に適用することができ、例えばアルミニウム板、鋼板、ブリキ板等の無処理の又は表面処理した金属板、これらの金属板にプライマーを塗装した金属板、及びこれらの金属板にポリエステルフィルム(PET)をラミネートしたPET被覆金属板など、ならびにこれらの金属板を缶などに加工したものなどを挙げることができる。
【0056】
本発明の水性塗料組成物を基材に塗装する方法としては、公知の各種の方法、例えばロールコータ塗装、スプレー塗装、浸漬塗装や電着塗装等が適用できる。
塗膜厚は用途によって適宜選定すればよいが、通常3〜20μm程度が好ましい。塗装した塗膜の乾燥条件としては、通常、素材到達最高温度が120〜300℃となる条件で10秒〜30分間が好ましい。
【0057】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明する。なお、例中の「部」及び「%」はそれぞれ「重量部」及び「重量%」である。
【0058】
製造例1:エポキシ樹脂(a1−1)溶液の製造
(1)エピコート4250(ジャパンエポキシレジン(株)社製)500部
(3)エチレングリコールモノブチルエーテル500部
4つ口フラスコに(1)、(3)を入れ110℃で5時間撹拌し、固形分50%、エポキシ当量8000、数平均分子量60000のエポキシ樹脂(a1−1)溶液を得た。
【0059】
製造例2:エポキシ樹脂(a1−2)溶液の製造
(2)エピコート1010(ジャパンエポキシレジン(株)社製) 500部
(3)エチレングリコールモノブチルエーテル 500部
4つ口フラスコに(2)、(3)を入れ110℃で3時間撹拌し、固形分50%、エポキシ当量4000、数平均分子量6000のエポキシ樹脂(a1−2)溶液を得た。
【0060】
製造例3:カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2−1)溶液
(1)メタクリル酸 150部
(2)スチレン 150部
(3)アクリル酸エチル 700部
(8)ベンゾイルパーオキサイド 10部
(9)エチレングリコールモノブチルエーテル 90部
(10)エチレングリコールモノブチルエーテル 900部
4つ口フラスコに上記(10)を仕込み、窒素気流下で110℃に加熱撹拌し(1)〜(9)の混合液を110℃で3時間を要して滴下する。滴下終了から110℃で3時間撹拌し酸価98(mgKOH/g)、Tg:8(℃)、重量平均分子量74000、のカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2−1)を得た。
【0061】
製造例4〜18:カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2−2)〜(a2−16)溶液の製造
表1の処方に従い製造例3と同様にしてカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2−2)〜(a2−16)溶液を得た。
【0062】
製造例19〜24:カルボキシル基含有アクリル樹脂(B−1)〜(B−6)溶液の製造
表2の処方に従い製造例3と同様にしてカルボキシル基含有アクリル樹脂(B−1)〜(B−6)溶液を得た。
【0063】
製造例25:レゾール型フェノール樹脂溶液の製造
4つ口フラスコにp−クレゾール417.7 部、ホマリン40%n-ブタノール溶液 580.1部、水酸化マグネシウム2.2 部を仕込み、窒素気流下で100℃にて2.5 時間反応させた後、リン酸にて中和し、キシレン/n−ブタノール/シクロヘキサノン=1/1/1と多量の水を加えて5 時間放置し、生成塩を含む水層を分離除去し、更に共沸脱水して30%のレゾール型フェノール樹脂溶液を得た。
【0064】実施例1
(1)製造例1で得たエポキシ樹脂(a1−1)溶液 462部
(2)製造例3で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(b1−1)溶液 48部
(3)ジメチルアミノエタノール 5部
(4)製造例19で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(B−1)溶液11 2部
(5)ジメチルアミノエタノール 5部
(6)イオンコウカンスイ 338部
(7)ハイディスパー3028((株)岐阜セラック製造所、カルナバワックスの水分散体、ワックス成分10%) 30部
4つ口フラスコに(1)、(2)を仕込み80℃まで加熱後(3)を加え、80℃で3時間撹拌を続け、アクリル変性エポキシ樹脂(A1)を得た後、(4)、(5)を加え、80℃で3時間撹拌し、アクリル変性エポキシ樹脂(1−1)を得る。次いで(6)を1時間かけて徐々に添加後(7)を添加し固形分30%の水性塗料組成物を得た。
【0065】実施例2〜13
表3に示すエポキシ樹脂、カルボキシル基含有アクリル樹脂(低酸価)、カルボキシル基含有アクリル樹脂(高酸価)をそれぞれ用い、実施例1と同じ量及び手順で、実施例と同様にして固形分30%の水性塗料組成物を得た。
【0066】実施例14
(1)製造例1で得たエポキシ樹脂(a1−1)溶液 360部
(2)製造例3で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2−1)溶液 120部
(3)ジメチルアミノエタノール 15部
(4)製造例19で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(B−1)溶液15 0部
(5)イオンコウカンスイ 325部
(6)ハイディスパー3028 30部
4つ口フラスコに(1)、(2)を仕込み80℃まで加熱後(3)を加え、80℃で3時間撹拌を続け、アクリル変性エポキシ樹脂(A2)を得た後、(4)を加え、80℃で3時間撹拌し、アクリル変性エポキシ樹脂(1−2)を得る。
次いで(5)を1時間かけて徐々に添加後(6)を添加し、固形分30%の水性塗料組成物を得た。
【0067】実施例15
(1)製造例1で得たエポキシ樹脂(a1−1)溶液 480部
(2)製造例3で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2−1)溶液 30部
(3)ジメチルアミノエタノール 4部
(4)製造例19で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(B−1)溶液11 0部
(5)ジメチルアミノエタノール 4部
(6)25%アンモニア水 25部
(7)イオンコウカンスイ 317部
(8)ハイディスパー3028 30部
4つ口フラスコに(1)、(2)を仕込み80℃まで加熱後(3)を加え、80℃で3時間撹拌を続け、アクリル変性エポキシ樹脂(A3)を得た後、(4)、(5)を加え、80℃で3時間撹拌し、アクリル変性エポキシ樹脂(1−3)を得る。次いで(6)を加えた後(7)を1時間かけて徐々に添加する。最後に(8)を添加し固形分30%の水性塗料組成物を得た。
【0068】実施例16(エステル化法+グラフト法)
(1)製造例1で得たエポキシ樹脂(a1−1)溶液 462部
(2)製造例3で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2−1)溶液 48部
(3)ジメチルアミノエタノール 10部
(4)メタクリル酸 18部
(5)スチレン 13.4部
(6)アクリル酸エチル 13.4部
(7)ベンゾイルパーオキサイド 2.7部
(8)エチレングリコールモノブチルエーテル 64.5
(9)イオン交換水 338部
(10)ハイディスパー3028 30部
4つ口フラスコに(1)、(2)を仕込み80℃まで加熱後(3)を加え、80℃で3時間撹拌を続け、アクリル変性エポキシ樹脂(A4)を得た後、100℃まで加熱し(4)〜(8)の混合液を100℃で3時間をかけて滴下する。更に100℃で2時間保持し、アクリル変性エポキシ樹脂(2−1)を得、次いで(9)を1時間かけて滴下する。(10)を添加し固形分30%の水性塗料組成物を得た。
尚、(4)〜(6)のアクリルモノマーを重合すると酸価262のアクリル樹脂が得られる。
【0069】実施例17(エステル化法+グラフト法+エステル化法)
(1)製造例1で得たエポキシ樹脂(a1−1)溶液 462部
(2)製造例3で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2−1)溶液 48部
(3)ジメチルアミノエタノール 5部
(4)メタクリル酸 18部
(5)スチレン 13.4部
(6)アクリル酸エチル 13.4部
(7)ベンゾイルパーオキサイド 2.7部
(8)エチレングリコールモノブチルエーテル 64.5
(9)ジメチルアミノエタノール 5部
(10)イオン交換水 338部
(11)ハイディスパー3028 30部
4つ口フラスコに(1)、(2)を仕込み80℃まで加熱後(3)を加え、80℃で3時間撹拌を続け、アクリル変性エポキシ樹脂(A1)を得た後、100℃まで加熱し(4)〜(8)の混合液を100℃で3時間をかけて滴下する。更に100℃で1時間保持し、アクリル変性エポキシ樹脂(2−2)を得、(9)加え更に100℃−1時間撹拌する。(10)を1時間かけて滴下後、(11)を添加し固形分30%の水性塗料組成物を得た。
尚、(4)〜(6)のアクリルモノマーを重合すると酸価262のアクリル樹脂が得られる。
【0070】実施例18(エステル化法+直接重合法)
(1)製造例1で得たエポキシ樹脂(a1−1)溶液 462部
(2)製造例3で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2−1)溶液 48部
(3)ジメチルアミノエタノール 10部
(4)ハイドロキノン 0.02部
(5)25%水酸化ナトリウム水溶液 0.2部
(6)メタクリル酸 2部
(7)メタクリル酸 16部
(8)スチレン 13.4部
(9)アクリル酸エチル 13.4部
(10)ベンゾイルパーオキサイド 2.7部
(11)エチレングリコールモノブチルエーテル 64.5
(12)イオン交換水 336部
(13)ハイディスパー3028 30部
4つ口フラスコに(1)、(2)を仕込み80℃まで加熱後(3)を加え、80℃で3時間撹拌を続け、アクリル変性エポキシ樹脂(A4)を得た後、100℃まで加熱し、(4)〜(6)の混合液を加え、100℃で5時間撹拌し、(6)に由来するメタクリロイル基と(1)に由来するエポキシ基とを有する化合物を得る。次いで(7)〜(11)の混合液を100℃で3時間かけて滴下し、更に100℃で2時間重合し、アクリル変性エポキシ樹脂(3−1)を得、(12)を1時間かけて滴下後(13)を添加し、固形分30%の水性塗料組成物を得た。
尚、(6)〜(9)のアクリルモノマーを重合すると酸価262のアクリル樹脂が得られる。
【0071】実施例19(エステル化法+エステル化法)
(1)実施例1で作製した水性塗料組成物 200部
(2)製造例25で作製したレゾール型フェノール樹脂 3.4部
ガラス瓶に(1)、(2)を加えハミルトンミキサーで5分間撹拌し固形分30%の水性塗料組成物を得た。
【0072】実施例20(エステル化法+エステル化法)
(1)製造例1で得たエポキシ樹脂(a1−1)溶液 231部
(2)製造例3で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2−1)溶液 48部
(3)ジメチルアミノエタノール 5部
(4)製造例19で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(B−1)溶液11 2部
(5)製造例2で得たエポキシ樹脂(a1−2)溶液 231部
(6)ジメチルアミノエタノール 5部
(7)イオンコウカンスイ 338部
(8)ハイディスパー3028 30部
4つ口フラスコに(1)、(2)を仕込み80℃まで加熱後(3)を加え、80℃で3時間撹拌を続け、アクリル変性エポキシ樹脂(A5)を得た後、(4)〜(6)を加え、80℃で3時間撹拌し、アクリル変性エポキシ樹脂(1−4)を得、(7)を1時間かけて徐々に添加後(8)を添加し、固形分30%の水性塗料組成物を得た。
【0073】比較例1〜9
表4に示すエポキシ樹脂、カルボキシル基含有アクリル樹脂(低酸価)、カルボキシル基含有アクリル樹脂(高酸価)をそれぞれ用い、実施例1と同じ量及び手順で、実施例と同様にして固形分30%の水性塗料組成物を得た。
【0074】比較例10
(1)製造例1で得たエポキシ樹脂(a1−1)溶液 462部
(2)製造例19で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(B−1)溶液112部
(3)ジメチルアミノエタノール 10部
(4)製造例3で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2−1)溶液 4 8部
(5)イオンコウカンスイ 338部
(6)ハイディスパー3028 30部
4つ口フラスコに(1)、(2)を仕込み80℃まで加熱後(3)を加え、80℃で2時間撹拌し、アクリル変性エポキシ樹脂(A6)を得、(4)を加え、ただちに(5)を1時間かけて徐々に添加し、アクリル変性エポキシ樹脂(A6)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2−1)との水性分散体を得、(6)を添加し、固形分30%の水性塗料組成物を得た。
【0075】比較例11
(1)製造例1で得たエポキシ樹脂(a1−1)溶液 462部
(2)メタクリル酸 3.6部
(3)スチレン 3.6部
(4)アクリル酸エチル 16.8部
(5)ベンゾイルパーオキサイド 1.4
(6)エチレングリコールモノブチルエーテル 22.6部
(7)製造例19で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(B−1)溶液112部
(8)ジメチルアミノエタノール 10部
(9)イオンコウカンスイ 338部
(10)ハイディスパー3028 30部
4つ口フラスコに(1)を仕込み100℃まで加熱する。(2)〜(6)を100℃で2時間かけて滴下し、アクリル変性エポキシ樹脂(A7)を得る。次いで(7)、(8)を加え、80℃で3時間撹拌し、アクリル変性エポキシ樹脂を得、(9)を1時間かけて滴下し、さらに(10)を添加し固形分30%の水性塗料組成物を得た。
尚、(2)〜(6)のモノマーを重合すると酸価=98、Tg=8℃のアクリル樹脂が得られる。
【0076】比較例12
(1)製造例1で得たエポキシ樹脂(a1−1)溶液 462部
(2)ハイドロキノン 0.02部
(3)25%水酸化ナトリウム水溶液 0.2部
(4)メタクリル酸 1部
(5)メタクリル酸 2.6部
(6)スチレン 3.6部
(7)アクリル酸エチル 16.8部
(8)ベンゾイルパーオキサイド 1.2部
(9)エチレングリコールモノブチルエーテル 22.8部
(10)製造例19で得たカルボキシル基含有アクリル樹脂(B−1)溶液112部
(11)ジメチルアミノエタノール 10部
(12)イオン交換水 336部
(13)ハイディスパー3028 30部
4つ口フラスコに(1)を仕込み100℃まで加熱後(2)〜(4)を仕込み100℃で3時間撹拌し、(4)に由来するメタクリロイル基と(1)に由来するエポキシ基とを有する化合物を得る。次いで(5)〜(9)の混合液を100℃で2時間かけて滴下し、更に100℃で1時間保持し、アクリル変性エポキシ樹脂(A8)を得る。次いで(10)、(11)を加え、80℃で3時間撹拌し、アクリル変性エポキシ樹脂を得、(12)を1時間かけて滴下し、さらに(13)を添加し固形分30%の水性塗料組成物を得た。
尚、(4)〜(7)のモノマーを重合すると酸価=98、Tg=8℃のアクリル樹脂が得られる。
【0077】
実施例1〜20、比較例1〜12で得られた水性塗料組成物について塗料としての貯蔵安定性を評価し、また、下記条件で作製した試験パネルについて塗膜の諸物性を評価した。結果を表5に示す。各種試験法は下記の通りである。
【0078】
(1)塗料としての貯蔵安定性:各塗料を50℃の恒温器に保存し、定期的に外観性状を3ヶ月にわたり評価した。
○・・・・貯蔵安定性良好
×・・・・貯蔵中にゲル化、沈降、分離等の異常を生じた。
【0079】
<試験パネル作成条件>0.30mmアルミ板上に乾燥時の塗膜厚みが10μになるようにバーコーターにて各水性塗料を塗装し、200℃で3分焼き付け乾燥して試験パネルを作成した。
【0080】
(2)加工性
上記試験パネルを大きさ30mm×50mmに切断し、塗膜を外側にして試験部位が35mmになるように2つ折りにし、この2つ折りにした試験片の間に厚さ0.30mmのアルミ板を挟み、3kg荷重を45cmの高さより折り曲げ部に落下させた。
その後、折り曲げ部の外側に1%食塩水をしみ込ませたスポンジを押し当てる。該スポンジのもう一方の側は電極としての金属板に接触しており、該金属板と折り曲げた塗装板の先端間に6V×10秒間通電し、10秒後の該金属板と折り曲げ部間の電流値を測定した。
3mA未満・・・・・・・・・・○
3〜7mA・・・・・・・・・・△
7mA以上・・・・・・・・・・×
【0081】
(3)耐食性試験
上記試験パネルを大きさ30mm×50mmに切断し、炭酸飲料中に5℃で10日間浸漬した。5℃雰囲気下で塗装パネルを取り出し、塗れた状態で直ちに塗膜を外側にして試験部位が35mmになるように2つ折りにし、この2つ折りにした試験片の間に厚さ0.30mmのアルミ板を挟み、3kg荷重を45cmの高さより折り曲げ部に落下させた。次いで、炭酸飲料中に40℃−1ヶ月浸漬し、折り曲げ部の腐食度合いを目視判定した。
全く腐食なし・・・・・・・・・・○
一部腐食あり・・・・・・・・・・△
全体に腐食あり・・・・・・・・・×
【0082】
(4)耐水性
上記試験パネルを125℃で40分レトルト処理し、塗膜表面状態を下記基準で目視評価した。
○:異常が認められない。
△:白化が少し認められる。
×:著しく白化が認められる。
【0083】
(5)滑り性
上記試験パネルの塗膜面に、3個の硬球がついた重さ1kgの台を乗せ、この台を150mm/分の速さで引っ張り、このときの動摩擦係数を測定。動摩擦係数が小さいほど滑り性は良好である。
【0084】
【表1】
Figure 2004210831
【0085】
【表2】
Figure 2004210831
【0086】
【表3】
Figure 2004210831
【0087】
【発明の効果】
比較的低酸価で特定Tg、且つ特定分子量のアクリル樹脂(a2)をエポキシ樹脂(a1)としっかりエステル化反応させ、係るアクリル変性エポキシ樹脂(A)にさらに高酸価のアクリル樹脂部分を結合させることによって、炭酸飲料用の缶蓋の内面用塗料に要求される、厳しい加工性、耐食性を満足すると同時に、インナーワックスタイプの塗料としても滑り性が良好で製蓋可能な塗膜を形成できるようになった。

Claims (4)

  1. エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基の一部を、酸価Xa(mgKOH/g)が10≦Xa≦135、ガラス転移温度Tg(℃)が−20≦Tg≦20、重量平均分子量Mwが30000≦Mw≦200000であるカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)中のカルボキシル基の一部と反応せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基の一部を、さらに
    酸価XB(mgKOH/g)が180≦XB≦450のカルボキシル基含有アクリル樹脂(B)中のカルボキシル基の一部と反応せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(1)、塩基性化合物及び水性媒体を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
  2. エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基の一部を、酸価Xa(mgKOH/g)が10≦Xa≦135、ガラス転移温度Tg(℃)が−20≦Tg≦20、重量平均分子量Mwが30000≦Mw≦200000であるカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)中のカルボキシル基の一部と反応せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(A)の存在下に、
    カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを合わせ持つモノマー(c1)を必須成分として含有するモノマー(c)であって、酸価XC(mgKOH/g)が180≦XC≦450の重合体を形成し得るモノマー(c)を、
    過酸化物を用いて、重合せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(2)、塩基性化合物及び水性媒体を含有することを特徴とする水性塗料組成物。
  3. エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基の一部を、酸価Xa(mgKOH/g)が10≦Xa≦135、ガラス転移温度Tg(℃)が−20≦Tg≦20、重量平均分子量Mwが30000≦Mw≦200000であるカルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)中のカルボキシル基の一部と反応せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(A)中のエポキシ基の一部に、
    カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを合わせ持つモノマー(d1)のカルボキシル基の少なくとも一部と反応せしてめてなる、一分子中にエポキシ基とラジカル重合性不飽和二重結合とを合わせ持つ化合物(d2)を得、
    該化合物(d2)とラジカル重合性不飽和二重結合を有するモノマー(d3)とを共重合せしめてなるアクリル変性エポキシ樹脂(3)、塩基性化合物及び水性媒体を含有することを特徴とする水性塗料組成物(但し、カルボキシル基とラジカル重合性不飽和二重結合とを合わせ持つモノマー(d1)及びラジカル重合性不飽和二重結合とを持つモノマー(d3)は、両者を共重合すれば酸価XD(mgKOH/g)が180≦XD≦450の共重合体を形成し得るモノマーである)。
  4. カルボキシル基含有アクリル樹脂(a2)が、アクリル酸エチルを60重量%以上含有するモノマーを重合してなることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の水性塗料組成物。
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