JPH08302275A - 水性樹脂分散体 - Google Patents

水性樹脂分散体

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JPH08302275A
JPH08302275A JP10522295A JP10522295A JPH08302275A JP H08302275 A JPH08302275 A JP H08302275A JP 10522295 A JP10522295 A JP 10522295A JP 10522295 A JP10522295 A JP 10522295A JP H08302275 A JPH08302275 A JP H08302275A
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acrylic
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resin
glass transition
aqueous
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JP10522295A
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English (en)
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Kaoru Yamaguchi
薫 山口
Hiroyuki Magome
宏之 馬籠
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は缶内面塗料用の水性樹脂分散体に関す
るものである。より詳細には缶内面塗料として用いた
時、優れた耐食性・密着性を有する水性樹脂分散体を提
供することである。 【構成】一塩基性カルボン酸モノマーを必須成分とする
アクリル系樹脂(A)と、数平均分子量1400以上の
芳香族系エポキシ樹脂(B)とを反応させたアクリル変
性エポキシ樹脂(C)100部(固形分重量)に対して
ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下のアクリル系モ
ノマー成分を40%以上含むアクリル系樹脂(D)1〜
40部(固形分重量)を添加した後アミンもしくはアン
モニアを用いて中和し水性媒体中に分散せしめてなる水
性樹脂分散体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は缶内面塗料用の水性樹脂
分散体に関するものである。より詳細には缶内面塗料と
して用いた時、優れた耐食性・密着性を有する水性樹脂
分散体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、缶用塗料や防食塗料は省資
源、省エネルギー、低公害化、あるいは安全衛生性等の
面から水系への移行が望まれている。
【0003】例えば、界面活性剤を使用して、エポキシ
樹脂を水中に分散させる方法としては、アニオン系界面
活性剤を用いる方法と、ノニオン系界面活性剤を用いる
方法の2法が知られている。しかしながら、前者におい
ては、乳化過程および貯蔵中にオキシラン環が開環して
しまい、反応性が低下して形成塗膜の性能が劣ったり、
また時には貯蔵中に増粘・ゲル化の問題を起こし易く、
一方後者においては、分散性および貯蔵安定性を向上さ
せるため系中にかなり多量の界面活性剤を含ませてい
る。このためこの界面活性剤が、形成された塗膜の化学
的および機械的性質に悪影響を及ぼす傾向がある。
【0004】この問題解決方法として、エポキシ樹脂を
アクリル系樹脂で変性して、乳化力のあるセグメントを
分子中に導入した自己乳化型エポキシ樹脂が種々提案さ
れている。
【0005】例えば、特開昭53−1228号公報は、
エポキシ樹脂の存在下にて過酸化ベンゾイルなどのフリ
ーラジカル発生剤を用いてカルボン酸モノマーを含むモ
ノマー混合物を重合することにより得られるグラフト化
されたエポキシ樹脂が、塩基を含む水性媒体中に安定に
分散され得ることを開示している。特開昭53−149
63号公報および特開昭55−9433号公報は、アク
リル系樹脂と比較的高分子量の芳香族系エポキシ樹脂と
を反応させたカルボキシル基過剰の部分反応物が、アン
モニアもしくはアミンの存在で水性媒体中に安定に分散
し得ることを開示している。特開昭55−3481号公
報、および特開昭55−3482号公報は、カルボキシ
ル基官能性ポリマーをアミンエステル化触媒の存在下で
エポキシ樹脂とエステル化したエポキシ樹脂のオキシラ
ン基を実質上有しない化合物を塩基によって水中に自己
乳化した自己乳化性エポキシエステルコポリマーを開示
している。特開昭57−105418号公報および特開
昭58−198513号公報は、芳香族系エポキシ樹脂
と(メタ)アクリル酸を部分反応させてなる一分子中に
エポキシ基とアクリロイル基とを有する低分子化合物と
アクリル酸もしくはメタアクリル酸を含むモノマー混合
物を調合し、塩基性化合物で中和して得られる水性の分
散体組成物を開示している。
【0006】又、特開昭59−213718号公報は、
アクリル系樹脂の合成および芳香族系エポキシ樹脂の溶
解で比較的高沸点の溶剤を用いて、無触媒下で反応した
カルボキシル基過剰のエポキシ樹脂・アクリル系樹脂部
分反応物を塩基の存在下に水性媒体中に分散して得られ
る水性樹脂分散体を開示している。
【0007】上記技術により得られる自己乳化型エポキ
シ樹脂の水性樹脂分散体を塗料として用いる場合、より
速い硬化速度が必要とされる時には水溶性アミノ樹脂や
フェノール樹脂が配合される。これらの水性樹脂分散体
を金属板のような被塗装基材に塗装する方法としては、
スプレー塗装、ロールコーター塗装、浸漬塗装、カーテ
ンフローコーター等の種々のものがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】ところが、従来の水性樹脂分散体を缶内面
用塗料として用いた場合、内容物によっては使用条件に
より耐食性に問題が生じる場合があった。特に缶に対し
て外部より衝撃が与えられ、缶にへこみ等が生じた場合
その程度によっては内容物中に缶素材である鉄またはア
ルミ等の金属の溶出が生じ、ひどい場合には缶から内容
物が漏れる危険性もあった。
【0010】この問題を解決する為には缶内面用塗料の
耐食性・密着性を向上させる必要があった。エポキシ樹
脂と反応させるアクリル系樹脂のモノマー成分としてホ
モポリマーのガラス転移点が0℃以下のアクリル系モノ
マーを使用する事は耐食性・密着性に有利に働くもので
ある。しかし十分な改良効果を発揮させる為には一定量
以上使用する事が必要であり、その様な場合、水性樹脂
分散体の粘度が著しく高くなり、ゲル化または転相不良
が生じることがあった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
【0012】本発明者らは樹脂の粘弾性的挙動に注目し
鋭意検討を行った結果、ホモポリマーのガラス転移点が
0℃以下のアクリル系モノマー成分を40%以上含むア
クリル系樹脂を添加する事で優れた耐食性・密着性を持
つ水性樹脂分散体が得られることを発見し、その水性樹
脂分散体を缶内面塗料用途に用いる事で、外部より衝撃
が与えられへこみ等が生じた場合であっても下地金属の
溶出が最低限であり、より長期間安定に使用に耐える缶
が得られる事を見いだすに至った。
【0013】すなわち本発明は、 1.一塩基性カルボン酸モノマーを必須成分とするアク
リル系樹脂(A)と、数平均分子量1400以上の芳香
族系エポキシ樹脂(B)とを反応させたアクリル変性エ
ポキシ樹脂(C)100部(固形分重量)に対してホモ
ポリマーのガラス転移点が0℃以下のアクリル系モノマ
ー成分を40%以上含むアクリル系樹脂(D)1〜40
部(固形分重量)を添加した後アミンもしくはアンモニ
アを用いて中和し水性媒体中に分散せしめてなる水性樹
脂分散体を提供するものである。
【0014】また本発明は、 2.一塩基性カルボン酸モノマーを必須成分とするアク
リル系樹脂(A)と、数平均分子量1400以上の芳香
族系エポキシ樹脂(B)とを反応させたアクリル変性エ
ポキシ樹脂(C)100部(固形分重量)をアミンもし
くはアンモニアを用いて中和し水性分散体中に分散せし
めた後ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下のアクリ
ル系モノマー成分を40%以上含むアクリル系樹脂
(D)1〜40部(固形分重量)を添加した水性樹脂分
散体を提供するものである。
【0015】さらに本発明は、 3.ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下のアクリル
系モノマー成分を40%以上含むアクリル樹脂(D)が
一塩基酸を必須成分として含む事を特徴とする水性樹脂
分散体を提供するものである。
【0016】また本発明は、 4.ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下のアクリル
系モノマー成分を40%以上含むアクリル樹脂(D)が
一塩基酸を必須成分として含むものであり、これをあら
かじめアミンもしくはアンモニアを用いて中和した後添
加することを特徴とする水性樹脂分散体を提供するもの
である。
【0017】また本発明は、 5.ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下のアクリル
系モノマー成分を40%以上含むアクリル樹脂(D)が
一塩基酸を必須成分として含むものであり、これをあら
かじめアミンもしくはアンモニアを用いて中和し水性媒
体中に分散もしくは溶解せしめた後添加することを特徴
とする水性樹脂分散体を提供するものである。
【0018】また本発明は、 6.ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下のアクリル
系モノマー成分がアクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシルの1種または2種
以上から選ばれる事を特徴とする水性樹脂分散体を提供
するものである。
【0019】本発明において用いられるアクリル系樹脂
(A)成分は、アクリル酸、メタクリル酸などの一塩基
性カルボン酸モノマーとその他の共重合性モノマーから
なるモノマー混合物を反応溶剤中でアゾビスイソブチロ
ニトリル、過酸化ベンゾイルなどの通常のラジカル重合
開始剤を用いて70℃ないし150℃の温度で共重合せ
しめることにより得ることができる。
【0020】上記共重合性モノマーとしては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、
アクリル酸ドデシルなどのアクリル酸エステル類、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n
−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタク
リル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピルなどのメタクリル酸エステル類、スチレン、ブトキ
シスチレン、α−メチルスチレン、4−ブチルスチレ
ン、2−エチルスチレンなどのスチレン系モノマー、N
−ブトキシアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、アクリルアミドなどのアクリルアミド系ポリマ
ー、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルな
どのエポキシ基含有モノマー、並びにアクリロニトリル
などの1種又は2種以上から選択することができる。
【0021】一塩基性カルボン酸モノマーの使用量は全
モノマー量に対して30ないし70重量%が好ましく、
さらに好ましくは30ないし60重量%である。30重
量%より少ない使用量では水性媒体中における樹脂の分
散安定性、塗装した塗膜の金属に対する密着性や耐溶剤
性などがいずれも悪くなる傾向がある。逆に、70重量
%より多い使用量ではアクリル系樹脂(A)を重合させ
る際反応系の粘度が極端に高くり、製造が困難となった
り、塗装した塗膜の耐水性などが悪くなる傾向がある。
【0022】また、本発明において用いられるアクリル
系樹脂(A)成分は、数平均分子量1400以上の芳香
族系エポキシ樹脂(B)成分の溶液中で、上記アクリル
酸、メタクリル酸などの一塩基性カルボン酸モノマーと
その他の共重合性モノマーからなるモノマー混合物を反
応させて得る事もできる。
【0023】本発明において用いられる芳香族系エポキ
シ樹脂(B)成分は、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルB、ビスフェノールF等のビスフェノール類とエピク
ロルヒドリンとをアルカリ触媒の存在化に縮合させて得
られるもので、1分子中に平均1.1個ないし2.0個
のエポキシ基を有し、数平均分子量が1400以上のも
のが使用される。数平均分子量が1400未満では水性
塗料の加工性が劣る傾向がある。市販品としては、油化
シェルエポキシ株式会社のエピコート1004、エピコ
ート1007、エピコート1009、エピコート101
0などがある。また、芳香族系エポキシ樹脂(B)成分
として上記ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基
または水酸基に脱水ヒマシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヤ
シ油脂肪酸などの植物油脂肪酸もしくはビスフェノール
A、アクリル酸、メタクリル酸などの変性剤を反応せし
めた変性エポキシ樹脂を使用することもできる。
【0024】アクリル系樹脂(A)は重量平均分子量で
3000〜200000、好ましくは5000ないし8
0000の範囲であり、重量平均分子量が5000より
小さいと塗膜の架橋密度が増大する結果、加工性に支障
をきたすと同時に泡立ち易い等塗装性においても問題が
発生する。また、80000より大きくなると芳香族系
エポキシ樹脂(B)との反応時ゲル化を生じやすくなる
傾向がある。200000より大きくなると、アクリル
系樹脂(A)と芳香族系エポキシ樹脂(B)とを反応さ
せないで混合のみを行った場合でさえ、系の粘度が高く
なり、塗料にした場合、低固形分となる傾向があり、タ
レや塗料の飛び散りなどが生じやすく、塗装性が低下す
る傾向がある。
【0025】アクリル変性エポキシ樹脂(C)を製造す
る場合は、アクリル系樹脂(A)100重量部(固形分
重量)と芳香族系エポキシ樹脂(B)100〜600重
量部を反応させる事で得られる。芳香族系エポキシ樹脂
(B)が100重量部より少ない場合は、水性塗料の加
工性が劣る傾向がある。一方、600重量部より多い場
合には、塗料の流動性にチキソトロピック性が増加して
塗装時のフローが悪くなり、また安定した水性樹脂分散
体を得ることが困難になる。
【0026】アクリル変性エポキシ樹脂(C)はアクリ
ル系樹脂(A)と芳香族エポキシ樹脂(B)とをアミン
系触媒の存在下もしくは非存在下にエステル化反応をさ
せる事で得ることができる。またアクリル変性エポキシ
樹脂(C)は芳香族エポキシ樹脂(B)にアクリル系樹
脂(A)をグラフト反応させる事で得ることもできる。
さらにアクリル変性エポキシ樹脂(C)は芳香族エポキ
シ樹脂(B)に(メタ)アクリル酸を付加し二重結合を
導入した後、アクリル系樹脂(A)を重合させる事で得
ることもできる。
【0027】ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下の
アクリル系モノマー成分を40%以上含むアクリル系樹
脂(D)はアクリル系モノマーを反応溶剤中でアゾビス
イソブチロニトリルまたは過酸化ベンゾイルなどの通常
のラジカル重合開始剤をを用いて70℃〜150℃の温
度で共重合せしめる事で得ることができる。
【0028】ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下の
アクリル系モノマーとしてはアクリル酸エチル(ガラス
転移点−24℃)、アクリル酸n−プロピル(ガラス転
移点−37℃)、アクリル酸iso−プロピル(ガラス
転移点−4℃)、アクリル酸n−ブチル(ガラス転移点
−54℃)、アクリル酸iso−ブチル(ガラス転移点
−24℃)、アクリル酸sec−ブチル(ガラス転移点
−22℃)、アクリル酸3−ペンチル(ガラス転移点−
6℃)、アクリル酸n−ヘキシル(ガラス転移点−57
℃)、アクリル酸n−ヘプチル(ガラス転移点−60
℃)、アクリル酸2−エチルブチル(ガラス転移点−5
0℃)、アクリル酸2−エチルヘキシル(ガラス転移点
−50℃)、アクリル酸ノニル(ガラス転移点−58
℃)、アクリル酸ドデシル(ガラス転移点−3℃)、ア
クリル酸メトキシエチル(ガラス転移点−50℃)、ア
クリル酸メトキシブチル(ガラス転移点−56℃)等の
アクリル酸エステル類、メタクリル酸n−ペンチル(ガ
ラス転移点−5℃)、メタクリル酸ヘキシル(ガラス転
移点−5℃)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(ガラ
ス転移点−10℃)、メタクリル酸オクチル(ガラス転
移点−70℃)、メタクリル酸デシル(ガラス転移点−
70℃)、メタクリル酸ドデシル(ガラス転移点−65
℃)等のメタクリル酸エステル類、4−ヘキシルスチレ
ン(ガラス転移点−27℃)等のスチレン系モノマー等
がある。尚以上のアクリル系モノマーのガラス転移点は
POLYMER HANDBOOK(第3版、1989
年出版、J.Brandrup,E.H.Immerg
et編)に準拠し、立体特異性を持つポリマーに関して
はアタクチック重合体(立体規則性を持たないポリマ
ー)の値を使用した。
【0029】以上の様なホモポリマーのガラス転移点が
0℃以下のアクリル系モノマーの中でも特に耐食性・密
着性の改良効果が大きく、衛生的にも優れているのがア
クリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2
−エチルヘキシルである。
【0030】またホモポリマーのガラス転移点が0℃以
下のアクリル系モノマー成分を40%以上含むアクリル
樹脂(D)の水性樹脂分散体中での安定性を高める為に
アクリル酸・メタクリル酸等の一塩基性カルボン酸モノ
マーをアクリル系モノマー成分として使用する事ができ
る。
【0031】ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下の
アクリル系モノマー成分を40%以上含むアクリル樹脂
(D)中の一塩基性カルボン酸モノマーの使用量は5な
いし60重量%が好ましく、更には10ないし50重量
%である。5重量%以下では水性樹脂分散体中での安定
性が十分ではなく、また60%以上ではアクリル樹脂
(D)のガラス転移点が高くなりすぎ、耐食性・密着性
の改良効果が少ない。
【0032】ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下の
アクリル系モノマー成分を40%以上含むアクリル樹脂
(D)は重量平均分子量で3000〜200000、好
ましくは5000ないし80000の範囲が望ましい。
重量平均分子量が5000より小さいと加工性に支障を
きたすとともに、泡立ちやすいなど塗装性においても問
題が発生する。また、80000より大きくなると系の
粘度が高くなり、塗料にした場合、低固形分となる傾向
があり、タレや塗料の飛び散りなどが生じやすく、塗装
性が低下する傾向がある。その傾向は200000より
多い時は特に顕著でありごく少量のアクリル樹脂(D)
しか添加できなくなる。
【0033】ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下の
アクリル系モノマー成分を40%以上含むアクリル樹脂
(D)にはその成分として一塩基性カルボン酸モノマー
の他に、ホモポリマーのガラス転移点が0℃より高いア
クリル系モノマーを使用することができる。
【0034】ホモポリマーのガラス転移点が0℃より高
いアクリル系モノマーとしてはアクリル酸メチル、アク
リル酸tert−ブチル、アクリル酸フェニル、アクリ
ル酸シクロヘキシル等のアクリル酸類、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸iso−プロピル、メタクリル酸n−
ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、メタクリル酸t
ert−ブチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸フェニル等の
メタクリル酸エステル類、スチレン、ブトキシスチレ
ン、α−メチルスチレン、2−エチルスチレンなどのス
チレン系モノマー、N−ブトキシアクリルアミド、N,
N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド等のアク
リルアミド系ポリマー、並びにアクリロニトリル等の1
種または2種以上から選択することができる。
【0035】本発明における水性樹脂分散体には、必要
に応じて硬化剤樹脂を添加する事ができる。
【0036】本発明において用いられる硬化剤樹脂は、
アンモニアレゾール、アルカリレゾール等のフェノール
樹脂、ヘキサメトキシメチルメラミン、メチロール化ベ
ンゾグアナミン樹脂、メチロール化尿素樹脂などのアミ
ノプラスト樹脂等が使用できる。
【0037】本発明において水性樹脂分散体の調整は、
アクリル変性エポキシ樹脂(C)に最終樹脂分散体のP
Hが5ないし11となる量のアミンもしくはアンモニア
を加え水性媒体中に分散せしめればよい。
【0038】上記アミンとしては例えば、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルア
ミン類、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロ
パノール等のアルコールアミン類、モルホリン等が使用
される。またエチレンジアミン、ジエチレントリアミン
等多価アミンも使用できる。
【0039】本発明において水性媒体とは少なくとも1
0重量%以上が水である水単独もしくは有機溶剤との混
合物である。
【0040】本発明における有機溶剤の使用量は塗料総
量に対してトータル20重量%以下が望ましい。20重
量%を越えると塗装性はより良くなる場合が多いが、水
性塗料のメリット(引火性、廃ガス中の炭酸ガス・炭化
水素量等)が小さくなる。
【0041】使用できる有機溶剤としては制限はない
が、用途に応じて、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、 sec−
ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール等のア
ルキルアルコール類、メチルセロソルブアセテート、エ
チルセロソルブアセテート等のエーテルエステル類、そ
の他ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ダイアセトン
アルコール等が使用できる。
【0042】適用される基材としては、未処理鋼板、処
理鋼板、亜鉛鉄板、ブリキ板、クロムメッキ鋼板やクロ
ム酸処理鋼板等のティンフリースチール、さらにはニッ
ケルメッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、アルミ板などの金
属板がある。塗装方法としては、ロールコーター塗装の
他、エアスプレー、エアレススプレー、静電スプレーな
どのスプレー塗装、浸漬塗装、電着塗装などが可能であ
る。また焼付条件は、温度150℃ないし230℃、時
間としては8秒ないし30分の範囲から選ぶことができ
る。
【0043】本発明の水性樹脂分散体は必要に応じて分
散体中の水を含む溶剤の一部または全部を、常圧または
減圧下に除去して塗料として用いることができる。ま
た、さらに塗装性を改良するための有機溶剤、界面活性
剤、消泡剤、滑り剤などを添加することができる。ま
た、用途に応じて適当な防錆剤、顔料、充填剤などを配
合して防錆プライマー、印刷インキ、防食性塗料などに
使用することもできる。
【0044】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量
%」を示す。
【0045】
【実施例】
製造例 1 アクリル樹脂溶液(A1)の調製 1)n−ブタノール 58部 2)スチレン 16部 3)アクリル酸エチル(ガラス転移点−24℃) 4部 4)メタクリル酸 20部 5)過酸化ベンゾイル 2部 1)の90%を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込
み、加熱して115℃に保持した。1)の10%と2)
〜5)の混合溶液を115℃に保ちながら5時間かけて
滴下した。滴下終了後、更にその温度で2時間撹拌した
後、固形分41%、重量平均分子量7400のアクリル
樹脂溶液(A1)を得た。
【0046】製造例 2 アクリル樹脂溶液(A2)の調製 1)n−ブタノール 60部 2)スチレン 12部 3)メタクリル酸メチル 8部 4)アクリル酸エチル 8部 5)メタクリル酸 12部 6)過酸化ベンゾイル 0.4部 1)の100%と2)〜6)の25%からなる混合溶液
を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込み、加熱して
115℃に保持した。ついで2)〜6)の残部75%か
らなる混合溶液を115℃に保ちながら2時間かけて滴
下した。滴下終了後、更にその温度で5時間撹拌した
後、固形分40%、重量平均分子量21300のアクリ
ル樹脂溶液(A2)を得た。
【0047】製造例 3 アクリル樹脂溶液(D1)の調製 1)n−ブタノール 60部 2)スチレン(ガラス転移点100℃) 8部 3)アクリル酸エチル(ガラス転移点−24℃)24部 4)メタクリル酸(ガラス転移点228℃) 16部 5)過酸化ベンゾイル 0.8部 1)の100%と2)〜5)の25%からなる混合溶液
を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込み、加熱して
115℃に保持した。ついで2)〜5)の残部75%か
らなる混合溶液を115℃に保ちながら2時間かけて滴
下した。滴下終了後、更にその温度で5時間撹拌した
後、固形分40%、重量平均分子量14100のアクリ
ル樹脂溶液(D1)を得た。
【0048】製造例 4 アクリル樹脂溶液(D2)の調製 1)n−ブタノール 60部 2)メタクリル酸メチル(ガラス転移点105℃) 4部 3)アクリル酸2−エチルヘキシル(ガラス転移点─50℃)28部 4)アクリル酸(ガラス転移点106℃) 8部 5)過酸化ベンゾイル 0.4部 1)の100%と2)〜5)の25%からなる混合溶液
を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込み、加熱して
115℃に保持した。ついで2)〜5)の残部75%か
らなる混合溶液を115℃に保ちながら2時間かけて滴
下した。滴下終了後、更にその温度で5時間撹拌した
後、固形分40%、重量平均分子量20800のアクリ
ル樹脂溶液(D2)を得た。
【0049】製造例 5 アクリル樹脂溶液中和物(D3)の調製 1)アクリル樹脂溶液(D1) 95部 2)2−ジメチルアミノエタノール 5部 1)および2)を高速攪拌機を用いて混合し、固形分3
8%のアクリル樹脂溶液中和物(D3)を得た。
【0050】製造例 6 アクリル樹脂水溶液(D4)の調製 1)アクリル樹脂溶液(D2) 50部 2)2−ジメチルアミノエタノール 3部 3)イオン交換水 47部 1)〜3)を高速攪拌機を用いて混合し、固形分20%
のアクリル樹脂水溶液(D4)を得た。
【0051】製造例 7 アクリル樹脂溶液(D5)の調製 1)n−ブタノール 60部 2)スチレン(ガラス転移点100℃) 12部 3)アクリル酸エチル(ガラス転移点─24℃)12部 4)メタクリル酸(ガラス転移点228℃) 16部 5)過酸化ベンゾイル 0.8部 1)の100%と2)〜5)の25%からなる混合溶液
を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込み、加熱して
115℃に保持した。ついで2)〜5)の残部75%か
らなる混合溶液を115℃に保ちながら2時間かけて滴
下した。滴下終了後、更にその温度で5時間撹拌した
後、固形分40%、重量平均分子量13300のアクリ
ル樹脂溶液(D5)を得た。
【0052】製造例 8 アクリル樹脂溶液(D6)の調製 1)n−ブタノール 60部 2)メタクリル酸メチル(ガラス転移点105℃) 24部 3)アクリル酸2−エチルヘキシル(ガラス転移点−50℃) 8部 4)アクリル酸(ガラス転移点106℃) 8部 5)過酸化ベンゾイル 0.4部 1)の100%と2)〜5)の25%からなる混合溶液
を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込み、加熱して
115℃に保持した。ついで2)〜5)の残部75%か
らなる混合溶液を115℃に保ちながら2時間かけて滴
下した。滴下終了後、更にその温度で5時間撹拌した
後、固形分40%、重量平均分子量19700のアクリ
ル樹脂溶液(D6)を得た。
【0053】製造例 9 エポキシ樹脂溶液(B1)の調製 1)エピコート1009 60部 2)エチレングリコールモノn−ブチルエーテル 40部 1)および2)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕
込み、徐々に加熱して内温を120℃まで上げ、1時間
かけて溶解した後80℃まで冷却し、固形分60%のエ
ポキシ樹脂溶液(B1)を得た。
【0054】製造例 10 フェノール樹脂溶液の調整 1)イオン交換水 80部 2)21.5%水酸化ナトリウム水溶液 72部 3)ビスフェノールA 140部 4)37%ホルマリン 400部 5)20%塩酸 70部 6)n−ブタノール 180部 1)〜4)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込
み、50℃で2時間と70℃で1時間反応させて、赤褐
色透明な溶液を得た。40℃まで冷却して、5)を仕込
んだところ、数分間で上層が無色透明の水層、下層が褐
色の有機層に分離した。上層をデカンテーションにより
分離した後6)を仕込み、固形分54%、重量平均分子
量680のフェノール樹脂溶液を得た。
【0055】実施例1 水性樹脂分散体の調製 1)アクリル樹脂溶液(A1) 125部 2)エポキシ樹脂溶液(B1) 250部 3)N,N−ジメチルエタノールアミン 10部 4)アクリル樹脂溶液(D1) 50部 5)イオン交換水 565部 1)および2)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕
込み、加熱して90℃に保持した。さらに反応触媒であ
る3)を添加して3時間反応した。反応後、冷却し50
〜55℃に達したら4)を添加した。次に5)を60分
間かけて滴下し、固形分22%の水性樹脂分散体を得
た。
【0056】実施例2 水性樹脂分散体の調製 1)アクリル樹脂溶液(A2) 175部 2)エポキシ樹脂溶液(B1) 233部 3)N,N−ジメチルエタノールアミン 15部 4)イオン交換水 552部 5)アクリル樹脂溶液(D2) 25部 1)および2)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕
込み、加熱して90℃に保持した。さらに反応触媒であ
る3)を添加して3時間反応した。反応後、冷却し50
〜55℃に達したら4)を60分間かけて滴下した。そ
の後5)を攪拌しながら添加し、固形分22%の水性樹
脂分散体を得た。
【0057】実施例3 水性樹脂分散体の調製 1)エポキシ樹脂溶液(B1) 280部 2)n−ブタノール 48部 3)メタクリル酸 25部 4)スチレン 13部 5)アクリル酸エチル 4部 6)過酸化ベンゾイル 2部 7)N,N−ジメチルエタノールアミン 12部 8)イオン交換水 108部 9)アクリル樹脂中和物(D3) 26部 10)イオン交換水 482部 1)および2)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕
込み、加熱して120℃に保持した。そこに3)〜6)
の混合物を120℃を保ったまま60分で滴下した。滴
下終了後120℃を60分間保った後冷却を開始し、5
0〜55℃に達したら7)及び8)の混合物を30分か
けて滴下した。滴下後9)を添加し、次に10)を60
分間かけて滴下し、固形分22%の水性樹脂分散体を得
た。
【0058】実施例4 水性樹脂分散体の調製 1)エポキシ樹脂溶液(B1) 250部 2)メタクリル酸 1部 3)水酸化ナトリウム5%水溶液 1部 4)n−ブタノール 60部 5)メタクリル酸 22部 6)スチレン 12部 7)アクリル酸エチル 4部 8)メタクリル酸メチル 12部 9)アゾビスイソブチロニトリル 2部 10)N,N−ジメチルエタノールアミン 15部 11)イオン交換水 135部 12)イオン交換水 386部 13)アクリル樹脂水溶液(D4) 100部 1)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込み、加熱
して130℃に保持した。そこに2)および3)を添加
し130℃を保ち3時間反応させた。その後冷却し10
0℃にて4)を仕込み、80℃まで冷却したところで
5)〜9)の混合物を80℃を保ったまま120分で滴
下した。滴下終了後80℃を120分保った後冷却を開
始し50〜55℃に達したら10)及び11)の混合物
を30分かけて滴下した。次に10)を60分間かけて
滴下し、滴下終了後13)を添加し、固形分22%の水
性樹脂分散体を得た。
【0059】実施例5 水性樹脂分散体の調製 1)実施例1の水性樹脂分散体 950部 2)製造例10のフェノール樹脂溶液 20部 3)イオン交換水 30部 1)〜3)を高速攪拌機を用いて混合し、固形分22%
の水性樹脂分散体を得た。
【0060】実施例6 水性樹脂分散体の調製 1)実施例2の水性樹脂分散体 950部 2)サイメル325(三井サイアナミッド(株)製) 11部 3)イオン交換水 39部 1)〜3)を高速攪拌機を用いて混合し、固形分22%
の水性樹脂分散体を得た。
【0061】比較例1 水性樹脂分散体の調製 1)アクリル樹脂溶液(A1) 138部 2)エポキシ樹脂溶液(B1) 275部 3)N,N−ジメチルエタノールアミン 11部 4)イオン交換水 576部 1)および2)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕
込み、加熱して90℃に保持した。さらに反応触媒であ
る3)を添加して3時間反応した。反応後、冷却し50
〜55℃に達したら4)を60分間かけて滴下し、固形
分22%の水性樹脂分散体を得た。
【0062】比較例2 水性樹脂分散体の調製 1)エポキシ樹脂溶液(B1) 293部 2)n−ブタノール 48部 3)メタクリル酸 26部 4)スチレン 14部 5)アクリル酸エチル 4部 6)過酸化ベンゾイル 2部 7)N,N−ジメチルエタノールアミン 12部 8)イオン交換水 108部 9)イオン交換水 493部 1)および2)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕
込み、加熱して120℃に保持した。そこに3)〜6)
の混合物を120℃を保ったまま60分で滴下した。滴
下終了後120℃を60分間保った後冷却を開始し、5
0〜55℃に達したら7)及び8)の混合物を30分か
けて滴下した。次に9)を60分間かけて滴下し、固形
分22%の水性樹脂分散体を得た。
【0063】比較例3 水性樹脂分散体の調製 1)アクリル樹脂溶液(A1) 125部 2)エポキシ樹脂溶液(B1) 250部 3)N,N−ジメチルエタノールアミン 10部 4)アクリル樹脂溶液(D5) 50部 5)イオン交換水 565部 1)および2)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕
込み、加熱して90℃に保持した。さらに反応触媒であ
る3)を添加して3時間反応した。反応後、冷却し50
〜55℃に達したら4)を添加した。次に5)を60分
間かけて滴下し、固形分22%の水性樹脂分散体を得
た。
【0064】比較例4 水性樹脂分散体の調製 1)アクリル樹脂溶液(A1) 125部 2)エポキシ樹脂溶液(B1) 250部 3)N,N−ジメチルエタノールアミン 10部 4)アクリル樹脂溶液(D6) 50部 5)イオン交換水 565部 1)および2)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕
込み、加熱して90℃に保持した。さらに反応触媒であ
る3)を添加して3時間反応した。反応後、冷却し50
〜55℃に達したら4)を添加した。次に5)を60分
間かけて滴下し、固形分22%の水性樹脂分散体を得
た。
【0065】上記実施例1〜6及び比較例1〜4で得ら
れた水性樹脂分散体をアルミ(A)−DI缶及びスチー
ル(S)−DI缶内面にスプレーマシンにて塗装し、2
00℃−3分間焼き付けて内面塗装缶を得た。缶内面塗
料の塗布量は350ml缶1缶当たり170mg(乾燥
塗膜重量)であり、これは平均膜厚で約5μmに当た
る。この塗装缶を用いて耐食性、密着性、フレーバーの
試験を行った。
【0066】耐食性評価方法;塗装缶に0.2%クエン
酸+0.8%塩化ナトリウム水溶液をパックし窒素置換
した後蓋を巻き締めた。先端のR部が1/2インチの杭
を缶の缶胴部中央にセットし、その後杭の上に1kgの
重りを30cmの高さから落とし缶に対してへこみを生
じさせた。この缶を37℃−30日経時させ内容物中に
溶出したアルミ又は鉄金属量をIPC(誘導プラズマ発
光分析)にて定量し、以下の基準に従って評価した。 ○ ; アルミ溶出量 0.1ppm未満 △ ; アルミ溶出量 0.1〜0.5ppm未満 × ; アルミ溶出量 0.5ppm以上 ○ ; 鉄溶出量 0.5ppm未満 △ ; 鉄溶出量 0.5〜3.0ppm未満 × ; 鉄溶出量 3.0ppm以上
【0067】耐食性評価方法;塗装缶に0.2%クエン
酸+0.8%塩化ナトリウム水溶液をパックし窒素置換
した後蓋を巻き締めた。この缶を37℃−30日経時さ
せた後開缶し、内面塗膜上にナイフにてクロスカットを
入れたのちセロテープ剥離試験を行い以下の基準に従っ
て評価した。 ○ ; 剥離は全く認められず △ ; 1〜50%剥離 × ; 50%以上剥離
【0068】フレーバー評価方法;塗装缶に活性炭処理
した水道水を充填し窒素置換した後蓋を巻き締めた。こ
の缶に125℃−30分の処理を行い充填した水のフレ
ーバーを官能試験にて以下の基準に従って評価した。 ○ ; 処理前の活性炭処理水と差異が認められず。 △ ; 処理前の活性炭処理水とわずかに差異が認めら
る。 × ; 処理前の活性炭処理水とはっきりと差異が認め
らる。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、缶内面用塗料として用
いた時、優れた耐食性・密着性を有する水性樹脂分散体
が提供される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一塩基性カルボン酸モノマーを必須成分と
    するアクリル系樹脂(A)と、数平均分子量1400以
    上の芳香族系エポキシ樹脂(B)とを反応させたアクリ
    ル変性エポキシ樹脂(C)100部(固形分重量)に対
    してホモポリマーのガラス転移点が0℃以下のアクリル
    系モノマー成分を40%以上含むアクリル系樹脂(D)
    1〜40部(固形分重量)を添加した後アミンもしくは
    アンモニアを用いて中和し水性媒体中に分散せしめてな
    る水性樹脂分散体。
  2. 【請求項2】一塩基性カルボン酸モノマーを必須成分と
    するアクリル系樹脂(A)と、数平均分子量1400以
    上の芳香族系エポキシ樹脂(B)とを反応させたアクリ
    ル変性エポキシ樹脂(C)100部(固形分重量)をア
    ミンもしくはアンモニアを用いて中和し水性分散体中に
    分散せしめた後、ホモポリマーのガラス転移点が0℃以
    下のアクリル系モノマー成分を40%以上含むアクリル
    系樹脂(D)1〜40部(固形分重量)を添加した水性
    樹脂分散体。
  3. 【請求項3】ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下の
    アクリル系モノマー成分を40%以上含むアクリル樹脂
    (D)が一塩基酸を必須成分として含むことを特徴とす
    る請求項1または2いずれか記載の水性樹脂分散体。
  4. 【請求項4】ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下の
    アクリル系モノマー成分を40%以上含むアクリル樹脂
    (D)が一塩基酸を必須成分として含むものであり、こ
    れをあらかじめアミンもしくはアンモニアを用いて中和
    した後添加することを特徴とする請求項3記載の水性樹
    脂分散体。
  5. 【請求項5】ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下の
    アクリル系モノマー成分を40%以上含むアクリル樹脂
    (D)が一塩基酸を必須成分として含むものであり、こ
    れをあらかじめアミンもしくはアンモニアを用いて中和
    し水性媒体中に分散もしくは溶解せしめた後添加するこ
    とを特徴とする請求項3記載の水性樹脂分散体。
  6. 【請求項6】ホモポリマーのガラス転移点が0℃以下の
    アクリル系モノマー成分がアクリル酸エチル、アクリル
    酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルの1種ま
    たは2種以上から選ばれることを特徴とする請求項1〜
    5いずれか記載の水性樹脂分散体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146164A (ja) * 2000-08-30 2002-05-22 Dainippon Ink & Chem Inc 水性樹脂組成物及び該組成物の硬化塗膜を有する塗装金属材料
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JP2005187679A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Toyo Ink Mfg Co Ltd 水性塗料組成物及び被塗物
JP2008001888A (ja) * 2006-05-22 2008-01-10 Kansai Paint Co Ltd 水性塗料組成物

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