JP3052730B2 - 樹脂組成物の水性分散体の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物の水性分散体の製造方法

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JP3052730B2
JP3052730B2 JP6115013A JP11501394A JP3052730B2 JP 3052730 B2 JP3052730 B2 JP 3052730B2 JP 6115013 A JP6115013 A JP 6115013A JP 11501394 A JP11501394 A JP 11501394A JP 3052730 B2 JP3052730 B2 JP 3052730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂組成物の水性分散
体の製造方法(以下、水性分散体の製造方法と略すこと
もある)に関するもので、詳しくは金属素材に直接もし
くは下地塗料の上に塗布する焼き付け用の被覆用組成物
として缶用塗料等に用いられた場合、優れた貯蔵安定性
とロールコート塗装性を併せ持つ樹脂組成物の水性分散
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の地球環境保護の高まりにより、缶
用塗料は省資源、省エネルギー、低公害化、あるいは安
全衛生等から、水性化が望まれている。エポキシ樹脂を
単に水に分散させても、きわめて不安定で、短時間に分
離沈降する。そこで、乳化剤を使用してエポキシ樹脂を
水中に分散乳化させる外部乳化法がある。具体的には、
乳化剤としてアニオン系界面活性剤やノニオン系界面活
性剤を用いる方法が知られている。しかし、前者におい
ては、乳化過程及び貯蔵中にオキシラン環が開環し、硬
化剤との反応性が低下したり、貯蔵中に増粘やゲル化が
起きる場合がある。一方、後者においても分散性および
貯蔵安定性の点から系中にかなりの多量の界面活性剤を
必要とするため、塗膜の性能に悪影響を及ぼす傾向があ
る。
【0003】前述の貯蔵安定性を解決する方法として、
エポキシ樹脂をカルボキシル基含有アクリル樹脂で変性
し、乳化力のあるセグメントを分子中に導入すること
で、自己乳化するエポキシ樹脂が提案されている。しか
しながら、自己乳化型エポキシ樹脂による水性塗料はそ
のレオロジー特性として、チキソトロッピク性が高いと
いう特徴がある。そのためロールコーター塗装を行う
と、塗料供給ロールからアプリケーションロールへの転
移が不安定になり塗工量の変動が大きく、また、アプリ
ケーションロールと金属板の間でリブが発生し易く、か
つ平坦化が遅いので、乾燥塗膜表面に残留し、フロー不
良が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、鋭意検
討を重ねた結果、自己乳化エポキシによる水性樹脂組成
物では、貯蔵安定性は優れているが、分散粒子の粒径が
小さくなるために、チキソトロピックな粘性を示すこと
を見いだし、本発明に至ったもので、本発明は、前記の
外部乳化法の欠点を改良し、貯蔵安定性、ロールコート
塗装性に優れた樹脂組成物の水性分散体を提供するもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、カルボキシル
基含有アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂又
はアミノプラスト樹脂、有機溶剤、アンモニア又はアミ
ン、及び水を含有してなる樹脂組成物の水性分散体
(1)を得、該樹脂組成物の水性分散体(1)から減圧
下、共沸蒸留により溶剤を除去し樹脂組成物の水性分散
体(2)を得、該樹脂組成物の水性分散体(2)を40
〜100℃、1〜12時間、レイノルズ数100以上で
撹拌をすること(以下、この工程を熟成ということもあ
る)を特徴とする樹脂組成物の水性分散体(3)の製造
方法である。
【0006】貯蔵安定性、ロールコート塗装性に優れた
樹脂組成物の水性分散体(3)は、例えば以下のような
製造方法で得ることができる。アンモニア又はアミンに
より中和されたカルボキシル基含有アクリル樹脂及び水
で、エポキシ樹脂、及びフェノール樹脂又はアミノプラ
スト樹脂を有機溶剤に溶解せしめてなる樹脂組成物の有
機溶剤溶液を乳化し、得られた樹脂組成物の水性分散体
(1)から減圧下、共沸蒸留により溶剤を除去した後、
40〜100℃、1〜12時間、レイノルズ数100以
上で撹拌することによって得ることができる。以下、係
る製造方法の場合について説明する。
【0007】カルボキシル基含有アクリル樹脂(以下、
アクリル樹脂と略すこともある)は、アクリル酸、メタ
アクリル酸などの一塩基酸性カルボン酸モノマーとその
他の共重合性モノマーからなるモノマー混合物を溶剤中
でアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイルなど
の通常のラジカル重合開始剤を用いて70℃ないし15
0℃の温度で共重合せしめることにより得られる。
【0008】上記共重合性モノマーとしては、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル
酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アク
リル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ド
デシルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メ
タクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキ
シル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシ
ル、メタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸エステル
類、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、
t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系
モノマー、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒ
ドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基含有
モノマー、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N
−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのN−置
換(メタ)アクリル系モノマー、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有モノ
マー、並びにアクリロニトリルなどの1種又は2種以上
から選択することができる。
【0009】一塩基性カルボン酸モノマーの使用量は全
モノマー量に対して20ないし70重量%、好ましくは
30ないし60重量%であって、20重量%より少ない
使用では水性媒体中における樹脂の分散安定性、塗装し
た塗膜の金属に対する密着性や耐溶剤性などがいずれも
悪くなるので好ましくなく、逆に、70重量%より多い
使用量ではアクリル樹脂を重合させる際反応系の粘度が
極端に高くなるので、製造が困難となるばかりでなく、
塗装した塗膜の耐水性などが悪化する。また、アクリル
樹脂は重量平均分子量で10000〜200000、好
ましくは50000ないし150000の範囲のものの
使用が望ましい。平均分子量が10000より小さい
と、塗膜の加工性が悪化する。逆に、重量平均分子量が
200000より大きいと、塗膜の加工性は良くなる
が、樹脂組成物の水性分散体(3)の粘度が高くなる傾
向があり、ロールコーター塗装向けには、塗料固形分低
下によるコスト上昇が生じる。
【0010】合成時の溶剤は、アクリル樹脂の良溶媒で
あれば特に制限はないが、使用溶剤の再利用を目的とし
て、後で述べるエポキシ樹脂、及びフェノール樹脂又は
アミノプラスト樹脂を溶解せしめるための有機溶剤と同
一の1種類又は2種類以上の混合溶剤を用いることが好
ましい。さらに、仕上がり粘度を下げる目的で、アクリ
ル樹脂合成中または合成後、少量のイオン交換水を添加
することもできる。アクリル樹脂の中和には、アンモニ
ア水又はアミン水を使用するが、アミンとして例えば、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン等
のアルキルアミン類、2−ジメチルアミノエタノール、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメ
チルプロパノール等のアルコールアミン類、モルホリン
等が使用される。またエチレンジアミン、ジエチレント
リアミン等多価アミンも使用できる。
【0011】エポキシ樹脂としては、ビスフェノール
A、ビスフェノールB、ビスフェノールF等のビスフェ
ノール類とエピクロルヒドリンとをアルカリ触媒の存在
化に縮合させて得られるもので、1分子中に平均1.1
個ないし2.0個のエポキシ基を有し、数平均分子量が
1400以上のものが使用される。市販品としては、シ
ェル化学株式会社の“エピコート1004”、“エピコ
ート1007”、“エピコート1009”、“エピコー
ト1010”などがある。また、エポキシ樹脂として上
記ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ基または水
酸基に脱水ヒマシ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪
酸などの植物油脂肪酸もしくはビスフェノールAなどの
変性剤を反応せしめた変性エポキシ樹脂、およびフェノ
キシ樹脂等も使用することができる。
【0012】また、フェノール樹脂としては、アンモニ
アレゾール、アルカリレゾール等が、アミノプラスト樹
脂としては、ヘキサメトキシメチルメラミン、メチロー
ル化ベンゾグアナミン樹脂、メチロール化尿素樹脂等が
使用できる。添加量としてはエポキシ樹脂に対して2な
いし40重量%であり、2重量%より少ないと塗膜の硬
化速度に対する寄与が十分でなく、40重量%以上にな
ると塗膜の加工性などの物性が低下する傾向がある。樹
脂溶解用の有機溶剤としては、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、エタノール、
プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル系溶剤等の1種又は2種以上の混合溶剤を
用いることができる。樹脂固形分としては20重量%以
上が適切であり、分散後溶剤を除去することから、40
重量%以上が好ましい。
【0013】アンモニア又はアミンにより中和されたカ
ルボキシル基含有アクリル樹脂及び水を用いて、エポキ
シ樹脂、及びフェノール樹脂又はアミノプラスト樹脂を
有機溶剤に溶解せしめてなる樹脂組成物の有機溶剤溶液
を乳化するためには、得られる樹脂組成物の水性分散体
(1)の固形分当たり、アクリル樹脂を5〜40重量
%、好ましくは10〜30重量%用いる必要がある。つ
まり、5重量%より少ない使用では水性媒体中における
樹脂の分散性、貯蔵安定性が悪化し、逆に、40重量%
より多い使用量では水性分散体(1)の粘度が極端に高
くなるので、製造が困難となるばかりでなく、塗装した
塗膜の耐水性なども悪化する。なお、乳化法としては、
水を少しずつ加えながら転相を利用する転相乳化法、乳
化機械による強制乳化法が利用できる。
【0014】アクリル樹脂の中和物及び水で乳化してな
る樹脂組成物の水性分散体(1)は、総有機溶剤量が1
0重量%以下、好ましくは5重量%以下になるまで、減
圧で共沸蒸留により脱溶剤を行う。つまり、10重量%
以下になるまで脱溶剤することで、分散粒子中の有機溶
剤量が減少し、粒子の膨潤が抑えられ、粒子間の相互作
用が減り、粘性がニュートニア流動を示すようになり、
ロールコーター塗装性が改善され、かつ高温熟成効果が
顕著になる。また、必要ならば、外部から水を補給しな
がら脱溶剤を行うことも可能であり、次工程の熟成の効
果を上げる為に乳化物の固形分を20重量%以上にする
ことが好ましい。
【0015】脱溶剤後得られた樹脂組成物の水性分散体
(2)は、40〜100℃で、1〜12時間、レイノル
ズ数100以上で撹拌、即ち熟成することによって、極
めて貯蔵安定性の高い樹脂組成物の水性分散体(3)が
得られる。50〜100℃で、3〜12時間、レイノル
ズ数2100以上で撹拌することがより好ましい。40
℃より低い温度では熟成しても効果がなく、100℃よ
り高い温度で熟成することは水性分散体であるので好ま
しくない。また、熟成時間は、熟成温度により変わるの
で一概には規定できないが、1時間より短い時間では効
果なく、12時間以上ではコスト上昇と粘性がチキソト
ロピック化するため、ロールコーター塗装性が悪化する
傾向がある。さらに、撹拌条件としては、レイノルズ数
100より弱い層流域の撹拌では熟成中に皮バリや、増
粘が発生する。
【0016】また、低分子アニオン系界面活性剤を使用
する場合には、高温で熟成すると分子全体が大きく振動
したり移動するマクロブラウン運動により分散粒子が破
壊され易いが、アクリル樹脂等の高分子アニオン系界面
活性剤を使用する場合に高分子連鎖の一部が変形するミ
クロブラウン運動により、エポキシ樹脂、及びフェノー
ル樹脂又はアミノ樹脂に対するアクリル樹脂の吸着層の
均一化が促進され、分散粒子の安定化が図られる。尚、
このような目的を達成する為には、塗装時に必要な有機
溶剤を添加した後に熟成することも可能ではあるが、そ
の場合には本方法に比較して長時間の熟成が必要であり
好ましくない。
【0017】熟成後、樹脂組成物の水性分散体(3)中
のカルボキシル基に対して、さらにアンモニア又はアミ
ンを添加することが可能であり、その場合にはカルボキ
シル基に対して10モル%以上のアンモニア又はアミン
を添加することが好ましく、20〜50モル%のアンモ
ニア又はアミンを添加することがより好ましい。つま
り、脱溶剤時に一部揮発するアンモニア又はアミン成分
を補い、かつ樹脂組成物の水性分散体(3)のPHを5
ないし11に保つためには、10モル%以上添加するこ
とが好ましい。この場合、アミンとして、例えばトリメ
チルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアル
キルアミン類、2−ジメチルアミノエタノール、ジエタ
ノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプ
ロパノール等のアルコールアミン類モルホリン等が使用
される。またエチレンジアミン、ジエチレントリアミン
等多価アミンも使用できる。
【0018】本発明の樹脂組成物の水性分散体(3)
は、少なくとも10重量%以上が水単独もしくは良好な
塗装性を保持するための若干の有機溶剤と水との混合物
を含む。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、 sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノ
ール等のアルキルアルコール類、メチルセロソルブ、エ
チルセロソルブ、プロピルセロソルブブチルセロソル
ブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール等のエー
テルアコール類、メチルセロソルブアセテート、エチル
セロソルブアセテート等のエテルエステル類、その他ジ
オキサン、ジメチルホルムアミド、ダイアセトンアコー
ル等が使用できる。
【0019】本発明の樹脂組成物の水性分散体(3)
は、塗装性を改良する目的で、さらに有機溶剤、界面活
性剤、消泡剤、滑り剤などを添加することができる。ま
た、用途に応じて、適当な防錆剤、顔料、充填剤などを
配合して防錆プライマー、印刷インキ、防食性塗料など
にも使用することもできる。適用される基材としては、
未処理鋼板、処理鋼板、亜鉛鉄板、ブリキ板、クロムメ
ッキ鋼板やクロム酸処理鋼板等のティンフリースチー
ル、さらにはニッケルメッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、
アルミ板などの金属板がある。塗装方法としては、ロー
ルコーター塗装の他、エアスプレー、エアレススプレ
ー、静電スプレーなどのスプレー塗装、浸漬塗装、電着
塗装などについても可能である。また焼付条件は、温度
150℃ないし230℃、時間としては2ないし30分
の範囲から選ぶことができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量
%」を示す。 [製造例1]エポキシ樹脂溶液の調整 1)エピコート1009 40部 2)酢酸ブチル 45部 3)n−ブタノール 15部 1)、2)、3)を窒素ガスで置換した4ッ口フラスコ
に仕込み、徐々に加熱して内温を110℃まで上げ、3
時間かけて溶解し、固形分40.0%のエポキシ樹脂溶
液を得た。
【0021】[製造例2]フェノール樹脂溶液の調整 1)ビスフェノールA 264部 2)p−クレゾール 66部 3)37%ホルマリン 176部 4)25%アンモニア水 20部 1)〜3)を窒素ガス置換した4ッ口フラスコに仕込
み、加熱して80℃にて30分間溶解後、70℃まで冷
却し、4)を発熱に注意しながら滴下した。反応温度を
80℃に保ちながら3時間反応させた。反応終了後、酢
酸ブチル50%,n−ブタノール50%の混合溶剤47
4部に抽出し、温度90〜110℃で加熱還流させるこ
とで約3時間かけて脱水を行い、固形分40.5%、重
量平均分子量1560のフェノール樹脂溶液を得た。
【0022】[製造例3]エポキシ樹脂溶液とフェノー
ル樹脂溶液との混合 1)製造例1で得たエポキシ樹脂溶液 80部 2)製造例2で得たフェノール樹脂溶液 20部 1)〜2)のエポキシ樹脂溶液とフェノール樹脂溶液を
混合し、固形分40.1%の混合溶液を得た。
【0023】[製造例4]アクリル樹脂溶液の調整 1)n−ブタノール 598部 2)スチレン 60部 3)アクリル酸エチル 120部 4)メタクリル酸メチル 60部 5)メタクリル酸 160部 6)過酸化ベンゾイル 2部 1)〜6)の50%を窒素ガス置換した4ッ口フラスコ
に仕込み、加熱して90℃に保持した。1)〜6)の5
0%を90℃に保ちながら2時間かけて滴下した。滴下
終了後、更にその温度で5時間撹拌した後、固形分3
9.1%、重量平均分子量112000のアクリル樹脂
溶液を得た。
【0024】[製造例5]樹脂組成物の水性分散体の製
造 1)製造例3で得たエポキシ樹脂とフェノール樹脂との混合溶液 340 部 2)製造例4で得たアクリル樹脂溶液 60 部 3)25%アンモニア水 15 部 4)イオン交換水 225 部 5)イオン交換水 360 部 ホモミキサーを用いて、1)〜2)を均一になるまで十
分に撹拌し、3)〜4)の混合溶液を激しく撹拌しなが
ら徐々に滴下した。系が均一になるまで十分に撹拌した
後、激しく撹拌しながら5)を徐々に滴下して、固形分
16.0%の樹脂組成物の水性分散体を得た。その後、
60〜90toorで共沸蒸留により脱溶剤を行い、固
形分38.0%の樹脂組成物の水性分散体を得た。な
お、同水性分散体の溶剤量をガスクロマトグラフィーで
測定した結果、総有機溶剤量として5%以下であった。
【0025】[実施例1] 製造例5で得た樹脂組成物の水性分散体を4ッ口フラス
コにそれぞれ仕込み、40、50、70、95℃で、
1、3、6、12時間、レイノルズ数100で撹拌し
た。撹拌後、各樹脂組成物の水性分散体を25℃まで冷
却し、樹脂組成物中のカルボキシル基に対して10モル
%の2−ジメチルアミノエタノール、及びn−ブタノー
ル、ブチルカルビトールが最終的に塗料中にそれぞれ5
%になるように添加し、イオン交換水で稀釈して、粘度
45秒(フォードカップNo.4を用いて25℃の時測
定、以下の例についても同じ)を目標に塗料化した。得
られた水性塗料について後述する方法で貯蔵安定性、ロ
ールコーター塗装性の評価を行った。結果を表1、2に
示す。
【0026】[評価方法] 1)貯蔵安定性(粘度変化) 各水性塗料120gを150mlの広口瓶に入れて密封
し、50℃の恒温槽中に10日放置後、25℃まで冷却
し粘度を測定した。放置前との粘度変化から貯蔵安定性
を評価した。 0秒 :◎印 0〜5秒 :○印 5〜10秒:△印 10秒以上:×印 2)塗装性 ナチュラルロールコーターを用いて、塗料をブリキ板上
に5〜6μmになるように塗装した。200℃で10分
間焼き付け乾燥して塗装試験パネルを作成し、塗装時に
発生するフローの高さを表面粗さ計で測定した。 0〜0.3μm :○印 0.3〜0.7μm:△印 0.7μm以上 :×印
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】[実施例2] 製造例5で得た樹脂組成物の水性分散体をそれぞれ4ッ
口フラスコに仕込み、95℃で、1、3、6、12時
間、レイノルズ数2100で撹拌した。撹拌した後、実
施例1の場合と同様にして水性塗料を得、同様に貯蔵安
定性、ロールコーター塗装性の評価を行った。評価結果
を実施例1の抜粋結果も含め表3、4に示した。
【0030】[比較例2] 撹拌しなかった以外は、実施例2と同様にして製造例5
で得た樹脂組成物の水性分散体を95℃で、1、3、
6、12時間加熱した後、水性塗料を得、同様に貯蔵安
定性等を評価した。結果を表3、4に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】[実施例3] 実施例1で作製した40℃、レイノルズ数100で3時
間撹拌した樹脂組成物の水性分散体を用い、樹脂組成物
中のカルボキシル基に対して0、10(実施例1)、2
0、50、70モル%の2−ジメチルアミノエタノー
ル、及びn−ブタノール、ブチルカルビトールが最終的
に塗料中にそれぞれ5%となるように添加し、実施例1
と同様にイオン交換水で希釈して水性塗料を得、同様に
貯蔵安定性等を評価した。実施例1の結果の抜粋も含め
て、結果を表5に示す。
【0034】
【表5】
【0035】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られる樹脂組
成物の水性分散体(3)は、貯蔵安定性に優れ、これを
塗料として用いロールコーターで塗装した場合、平滑な
塗膜表面を形成することができ、塗膜欠陥が発生しな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 63/00 C09D 161/06 C09D 133/02 161/20 161/06 163/00 161/20 C08J 3/03 CEY 163/00 (72)発明者 富張 俊哉 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イ ンキ製造株式会社内 審査官 原 賢一 (56)参考文献 特開 昭60−71639(JP,A) 特開 昭61−246263(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 33/02 C08J 3/03 C08L 63/00 C09D 133/02 C09D 163/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基含有アクリル樹脂、エポ
    キシ樹脂、フェノール樹脂又はアミノプラスト樹脂、有
    機溶剤、アンモニア又はアミン、及び水を含有してなる
    樹脂組成物の水性分散体(1)を得、該樹脂組成物の水
    性分散体(1)から減圧下、共沸蒸留により溶剤を除去
    し樹脂組成物の水性分散体(2)を得、該樹脂組成物の
    水性分散体(2)を40〜100℃、1〜12時間、レ
    イノルズ数100以上で撹拌することを特徴とする樹脂
    組成物の水性分散体(3)の製造方法。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物の水性分散体(2)を40〜
    100℃、1〜12時間、レイノルズ数100以上で撹
    拌した後、アンモニアおよび/またはアミンを添加する
    ことを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物の水性分散
    体(3)の製造方法。
JP6115013A 1994-05-27 1994-05-27 樹脂組成物の水性分散体の製造方法 Expired - Fee Related JP3052730B2 (ja)

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