JP3278376B2 - 水溶性樹脂組成物及びそれを用いた塗装膜 - Google Patents

水溶性樹脂組成物及びそれを用いた塗装膜

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系共重合
体とアミノ樹脂から成る電着塗料浴中で被塗物を電着塗
装する電着塗装技術に関し、さらに詳しくは塗膜表面の
耐擦傷性を改善し耐薬品性、耐ブロッキング(塗膜と塗
膜の密着)を向上させる電着塗料用樹脂組成物及びフッ
素含有電着塗膜に関する。ここで「塗膜」とは、基材に
密着している状態の塗装膜を表わす。
【0002】
【従来の技術】電着塗装後のアルミ製品はパレット上に
合紙を挟んで積載される。それが輸送時の振動・衝撃な
どにより、合紙と塗膜表面又は塗膜どうしが擦れ、微細
な傷が生ずる。また、船舶による輸送の場合には、長時
間高温多湿下になり、隣り合うアルミ製品は塗膜どうし
が密着しアルマイトと塗膜が剥がれると言う問題が生じ
ている。
【0003】電着塗膜は現在、艶有りクリヤー、艶消し
クリヤー、ホワイトの3種類が主流であるが、どの製品
に置いても上記の様な過酷な状態になると、表面は傷付
く。特に表面を凹凸にし、光の乱反射によって表面の光
沢を低くしている艶消しクリヤー電着塗膜に於いては、
傷が目立ち易い。
【0004】かゝる傷付きを防ぐために、従来は塗膜の
硬度を高めていた。しかし、硬度を高めると塗膜が脆く
なり、例えばビスのための穴を開けるとき塗膜が粉状に
破壊されたり、製品の切断時に塗膜がアルマイトから剥
離する等の加工の際不具合が生じていた。したがって塗
膜の硬度を高め傷付きを防ぐことと、加工性とは、相反
し、両立し難い状況であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題を解
決するためのもので、従来の電着塗装に伴う電着塗膜の
欠点を解消し、合紙・製品どうしの接触の摩擦等による
傷を防止し、塗膜の密着を抑えることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、表面へ偏析す
る含フッ素界面活性剤を含有するアクリル系共重合体及
びアミノ樹脂からなる電着塗料用樹脂組成物に関する。
【0007】すなわち、本願発明は、式 C 8 17 −S
2 N−R (Rはアクリル酸エステルオリゴマー)で
表され、分子量が10000〜20000である含フッ
素界面活性剤を含有するアクリル系共重合体及びアミノ
樹脂からなり、その樹脂分中に、該含フッ素界面活性剤
を0.1〜5.0重量%含む電着塗料用樹脂組成物に関
する。
【0008】本発明による組成物は、含フッ素界面活性
剤を電着塗膜中共存させると共に、偏析により塗膜の表
面部分に含フッ素界面活性剤が多く含まれる状態にした
ことにより、塗膜の表面の傷付き易さを解消する電着塗
料用樹脂組成物に関する。
【0009】更に本発明は、前記した電着塗料用樹脂組
成物を用いて電着塗装を行った電着塗膜の全厚みの20
%以下の表面部分に、含フッ素界面活性剤が偏析してい
ることを特徴とする電着塗膜に関する。
【0010】前記の電着塗膜における偏析は含フッ素界
面活性剤が多い部分と少ない部分が塗膜中にランダムに
存在するのでなく、表面側には多く、基材側には少ない
状態になり、あたかも2層を積層させたような(フイル
ムを張り合わせるほど明確には別れないが)状態の複合
膜となっている。
【0011】含フッ素界面活性剤が電着塗膜の表面に偏
析していることはESCAによって確認された。すなわ
ち電着塗膜表面及びウルトラミクロトームで塗膜の厚さ
方向に電着塗膜を順次切断した切断面におけるフッ素の
量の変化を見ることによって、確認された。
【0012】含フッ素界面活性剤が電着から焼付け時に
表面層に偏析されるのは、含フッ素界面活性剤と電着樹
脂組成物の組成樹脂であるアクリル系共重合体−メラミ
ン樹脂との相溶性に起因すると考えられる。日本接着
学会誌 Vol.26 No.7 252〜257(1
990)、日本接着学会誌 Vol.30 No.1
8〜45(1994)〕
【0013】更に本発明の効果として、フッ素の撥水性
により、水が塗膜へ侵入するのを防ぐ結果、酸及びアル
カリ水溶液に対しても侵され難いことが判った。また、
摩擦抵抗が低いので、塗膜どうしが長時間接しても相互
に密着してしまうことがない(耐ブロッキング性が良好
である)。
【0014】また表面の摩擦係数を低くすることによっ
て、シーリング剤等の接着性が悪くなることが予想され
たが、この点についても特に問題の無いことが分かっ
た。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる含フッ素界面
活性剤として次のものが挙げられる。C8 17−SO2
N−R (Rはアクリル酸エステルオリゴマー)の構造
で分子量10000〜20000の化合物(住友スリー
エム社)があげられ、市販されている。
【0016】含フッ素界面活性剤は、電着樹脂分に対
し、0.1〜5.0重量%の範囲が最も好ましい範囲で
ある。含フッ素界面活性剤が0.1重量%未満では、耐
擦傷性・耐ブロッキング性などの性能が良好でなく、
5.0重量%をこえると、性能は合格するが、他の表面
に偏析しない含フッ素界面活性剤と同じ様に攪拌などに
よる電着樹脂液の起泡性が大きくなる危険性がある。
【0017】本発明において前記電着塗料はアクリル系
共重合体とアミノ樹脂からなる。アクリル系共重合体を
構成するカルボキシル基含有単量体としては、アクリル
酸、α−クロロアクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン
酸、シトラコン酸、メサコン酸等の単独または混合物あ
るいは少なくとも1個のカルボキシル基を有するそれら
の官能性誘導体、例えば不飽和の重合性のジ−またはポ
リカルボン酸の部分的エステルまたはアミド等がある。
【0018】また、α,β−エチレン性不飽和カルボン
酸のヒドロキシル基含有アルキルエステル単量体として
は、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3
−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリ
レート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエ
チレングリコールモノメタクリレート等がある。
【0019】さらに、カルボキシル基含有単量体および
ヒドロキシル基含有アルキルエステル単量体と共重合さ
せる共重合性アクリル基含有単量体としては、メチルア
クリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレー
ト、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリ
レート、イソプロピルメタクリレート、ブチルアクリレ
ート、ブチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、
ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ス
テアリルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート、ヘプチルアクリレート、ヘプチルメタクリ
レート等があり、炭素数約20までのアルキル基を有す
る同様なエステルが使用できる。さらに、スチレン、α
−アルキルスチレン、α−クロロスチレン、ビニルトル
エン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等を配合してもよ
い。
【0020】本発明の艶消し電着用アクリル系共重合体
成分に使用されるα,β−エチレン性不飽和カルボン酸
のアルコキシシラン基含有エステル単量体としては、3
−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン
等の一種以上が使用できる。
【0021】そしてアミノ樹脂としては、メチロール基
の少なくとも一部を低級アルコールでアルコキシル化し
たものであればよい。低級アルコールとしては、メチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の一種又
は二種以上を使用できる。
【0022】有機アミンとしては、モノメチルアミン、
ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロ
ピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピル
アミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチ
ルアミン等のようなアルキルアミン類、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
モノ(2−ヒドロキシプロピル)アミン、ジ(2−ヒド
ロキシプロピル)アミン、トリ(2−ヒドロキシプロピ
ル)アミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミ
ノエタノールなどのアルカノールアミン類、エチレンジ
アミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミンなどのアルキレンポリアミン
類、エチレンイミン、プロピレンイミン等のアルキレン
イミン類、ピペラジン、モルホリン、ピラジン、ピリジ
ン等が挙げられる。有機アミンは、カルボキシル基に対
し、モル比が0.3〜0.9となるように添加すればよ
い。
【0023】前記アクリル系共重合体成分にアミノ樹脂
成分を加えた後、電着塗料用樹脂成分100重量部に対
0.1〜5.0重量部の含フッ素界面活性剤成分を混
合し有機アミンで部分的に中和した後、水を加えてエマ
ルジョンにすると本発明の電着塗料用水性樹脂組成物が
得られる。前記本発明において、アクリル系共重合体成
分にアミノ樹脂成分を加えた後、有機アミンで部分的に
中和し水を加えてエマルジョンにした後、含フッ素界面
活性剤成分を混合することは、何等さしつかえない。し
たがって、実稼動ラインへも添加し、前記のような効果
を電着塗膜に与えることが可能である。
【0024】
【実施例】本発明の実施例および比較例をあげて、本発
明をさらに詳細に説明するが、これにより本発明が限定
されるものではない。なお、実施例、比較例中の部は、
特に断りのない限り重量部である。そして、下記の製造
例1〜3は実施例で使用するアクリル系共重合体の製造
例を示す。 製造例1 攪拌装置、還流冷却器および窒素導入管を備えた3リッ
トル4つ口フラスコに重量部でイソプロパノール12.
0部、ブチルセロソルブ8.0部を仕込み、90℃に昇
温した。別にイソプロパノール18.0部、アクリル酸
9部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10部、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート5部、スチレン10
部、2−エチルヘキシルアクリレート10部、n−ブチ
ルアクリレート20部、メチルメタクリレート36部、
アゾビスイソブチロニトリル1部の混合液を滴下ロート
に仕込み、前記フラスコ内に120分かけて滴下した。
滴下終了後、さらに、イソプロパノール0.4部、アゾ
ビスイソブチロニトリル0.2部を30分毎に3回添加
した後に、さらに、90℃で90分反応を続けた。
【0025】製造例2 攪拌装置、還流冷却器および窒素導入管を備えた3リッ
トル4つ口フラスコに重量部でイソプロパノール12.
0部、ブチルセロソルブ8.0部を仕込み、90℃に昇
温した。別にイソプロパノール18.0部、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート10部、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート5部、スチレン10部、2−エチルヘキ
シルアクリレート10部、n−ブチルアクリレート20
部、メチルメタクリレート40部、γ−メタクリルオキ
シプロピルトリメトキシシラン5部、アゾビスイソブチ
ロニトリル1部の混合液を滴下ロートに仕込み、前記フ
ラスコ内に120分かけて滴下した。滴下終了後、さら
に、イソプロパノール0.4部、アゾビスイソブチロニ
トリル0.2部を、30分毎に3回添加した後に、さら
に、90℃で90分反応を続けた。
【0026】製造例3 攪拌装置、還流冷却器および窒素導入管を備えた3リッ
トル4つ口フラスコに重量部でイソプロパノール10.
5部、ブチルセロソルブ7.1部を仕込み90℃に昇温
した。別にイソプロパノール18.4部、アクリル酸6
部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10部、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート5部、スチレン10部、
2−エチルヘキシルアクリレート10部、n−ブチルア
クリレート20部、メチルメタクリレート39部、アゾ
ビスイソブチロニトリル1部、の混合液を滴下ロートに
仕込み、前記フラスコ内に120分かけて滴下した。滴
下終了後、さらに、イソプロパノール0.33部、アゾ
ビスイソブチロニトリル0.16部を30分毎に3回添
加した後に、さらに、90℃で90分反応を続けた。
【0027】実施例1 製造例1で得られたアクリル系共重合体46.7部と製
造例2で得られたアクリル系共重合体23.3部及びメ
ラミン樹脂(三和ケミカル社製 MX−40、有効成分
100%)30.0部を混合し、次いでこれらにジメチ
ルアミノエタノール2.60部を添加混合した。攪拌を
続けながら、脱イオン水を171.8部加えて転相乳化
を行い、電着塗料用原液を製造した。別の容器に脱イオ
ン水を690.4部仕込み、攪拌しながら前記電着塗料
用原液303部を投入し、次にジメチルアミノエタノー
ルを1.56部添加して電着塗料液を得た。その後含フ
ッ素界面活性剤FC−430(住友スリーエム製、Fluo
roaliphatic Polymeric esters、分子量約14000)
5.0部を添加攪拌し、電着塗料液を調整した。
【0028】実施例2〜4及び比較例1,2 含フッ素界面活性剤を表1に示す量で使用する以外は、
すべて実施例1と同じ条件により電着塗料液を調整し
た。
【0029】実施例5 製造例1で得られたアクリル系共重合体46.7部と製
造例2で得られたアクリル系共重合体23.3部及びメ
ラミン樹脂(三和ケミカル社製 MX−40)30.0
部を混合して、含フッ素界面活性剤(FC−430)
5.0部を添加攪拌し、ついでこれにジメチルアミノエ
タノール2.60部を添加混合した。攪拌を続けながら
脱イオン水を166.8部加えて転相乳化を行い、電着
塗料用原液を調整した。別の容器に脱イオン水を69
5.4部仕込み、攪拌しながら前記電着塗料用原液30
3部を投入し、次にジメチルアミノエタノールを1.5
6部添加して電着塗料液を得た。
【0030】実施例6〜8及び比較例3 含フッ素界面活性剤、脱イオン水を表1に示す量で使用
する以外はすべて実施例5と同じ条件により電着塗料液
を調整した。
【0031】実施例9 製造例3で得られたアクリル系共重合体56.0部にメ
ラミン樹脂(三和ケミカル社製 MX−40)24.0
部を混合して、ジメチルアミノエタノール1.25部を
添加攪拌し、これに攪拌を続けながら脱イオン水97.
0部加えて転相乳化し電着塗料用原液を調整した。別の
容器に脱イオン水793.9部仕込み、攪拌しながら前
記電着塗料用原液を投入し、次にジメチルアミノエタノ
ールを2.08部添加した。ついで、含フッ素界面活性
剤(FC−430)4.0部を添加し、実施例9の電着
塗料液を得た。
【0032】実施例10〜12及び比較例4,5 含フッ素界面活性剤、脱イオン水を表1に示す量で使用
する以外はすべて実施例9と同じ条件により電着塗料液
を調整した。
【0033】実施例13 製造例3で得られたアクリル系共重合体56.0部にメ
ラミン樹脂(三和ケミカル社製 MX−40)24.0
部を混合して、ジメチルアミノエタノール1.25部を
添加攪拌し、含フッ素界面活性剤(FC−430)4.
0部を添加攪拌した。これに攪拌を続けながら脱イオン
水93.0部加えて転相乳化し、電着塗料用原液を調整
した。別の容器に脱イオン水797.9部仕込み、攪拌
しながら前記電着塗料用原液を投入し、次にジメチルア
ミノエタノールを2.08部添加して実施例13の電着
塗料液を得た。
【0034】実施例14〜15 含フッ素界面活性剤、脱イオン水を表1に示す量で使用
する以外はすべて実施例13と同じ条件により電着塗料
液を調整した。
【0035】比較例6 製造例1で得られたアクリル系共重合体46.7部と製
造例2で得られたアクリル系共重合体23.3部及びメ
ラミン樹脂(三和ケミカル社製 MX−40)30.0
部を混合し、次いでこれらにジメチルアミノエタノール
2.60部を添加混合した。攪拌を続けながら、脱イオ
ン水を171.8部加えて転相乳化し、電着塗料用原液
を調整した。別の容器に脱イオン水を695.4部仕込
み、攪拌しながら、前記電着塗料用原液303部を投入
し、次にジメチルアミノエタノールを1.56部添加し
て電着塗料液を得た。その後含フッ素界面活性剤FC−
94(住友スリーエム製、Lithium perfluorooctane su
lfonate)5.0部を添加攪拌し、電着塗料液を調整し
た。
【0036】前記実施例1〜15及び比較例1〜6の塗
料原液及び電着塗料液の成分を総括して下記表1に示
す。なお、実施例4、8、12、14及び15は、本発
明の実施例と対比するための参考例として示した例であ
る。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】樹脂組成物の評価 実施例1〜15、比較例1〜6で調整した電着塗料液を
使用し、常法に従い陽極にアルマイト処理したアルミニ
ウム板を、陰極に18−8ステンレス鋼板を用いて、浴
温20℃、両極間に直流電圧180Vを2分間印加し
た。次いで電着塗装されたアルミニウム板を取り出し、
充分に水洗したのち、180℃の温度で30分間焼付け
乾燥した。この結果各アルミニウム板上に形成された電
着塗膜の特性は表2に示す通りであった。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】評価方法 (1)光 沢:60°鏡面反射率による。 (2)塗膜厚:渦電流式膜厚計(Fisher製 IS
OSCOPE) (3)擦傷性:1kg加重したダンボール紙(3.5c
m×1cm)を面接触で擦り、目視により評価した。 〇 キズ無し △ 僅かにキズ有り × キズ有り (4)耐ブロッキング性:塗片2ケを重ね合わせ、それ
を万力で一定圧力に圧縮する。この状態で電気式オーブ
ン130℃の条件下で24時間放置後、万力を外し、接
触していた塗面のブロッキング性について評価する。 〇 :塗片の接触面両方にキズは認められない。 〇〜△:塗片の片側、又は両側にキズが認められるが、
塗膜剥離はない。 △ :塗膜剥離が接触面積の5%以下で認められる。 △〜×:塗膜剥離が接触面積の5〜30%である。 × :塗膜剥離が接触面積の30%以上である。 (5)シーリング性の評価方法 1.試験塗膜に市販のシーリング材用プライマーを塗布
する。 2.プライマー塗布1時間後に、プライマー層上にシー
リング材を塗布し、72時間室温で放置する。 3.72時間室温で放置後、さらに50℃で48時間放
置し、凝集破壊部分の面積を評価する。評価の基準とし
て、下記の5段階評価とする。 〇 (良) :全面凝集破壊 〇〜△ :約70%以上凝集破壊 △ :約40〜60%凝集破壊 △〜× :約10〜30%凝集破壊 × (悪) :塗膜/プライマー間の層間剥離 (6)耐薬品性の評価方法 各水溶液に120時間浸漬後の評価をする。
【0043】実施例1の塗片の塗膜表面(塗膜厚10μ
mの最表面)の元素分析を、ESCAを用いて行ったと
ころ、図1のように689eV付近にフッ素原子のピー
クが現れた。これにウルトラミクロトームを用い塗膜を
基材方向に切断し、塗膜厚8μmでの測定をしたとこ
ろ、ピークは図2のように減少した。さらに、7μmま
で切断し測定したところ図3の様にフッ素原子のピーク
は認められなかった。これによりフッ素界面活性剤(F
C−430)は、表面から20%以下迄の層に多く偏析
していると考えられる。
【0044】比較例6の塗片の塗膜表面(塗膜厚10μ
mの最表面)の元素分析をESCAを用いて行ったとこ
ろ、図4のようにフッ素原子のピークは現れず、これに
ウルトラミクロトームを用い塗膜を基材方向に切断し、
塗膜厚6μmでの測定をしたところ、図5のようににフ
ッ素原子のピークは現れなかった。これによりフッ素界
面活性剤(FC−94)は、塗膜中に存在しないことが
分かる。
【0045】
【発明の効果】本発明の効果は、以上説明したように、
塗膜の擦傷性、ブロッキング性、シーリング性、耐薬品
性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の塗膜の表面のESCAによる元素分
析解析図。
【図2】実施例1の塗膜厚8μmの面のESCAによる
元素分析解析図。
【図3】実施例1の塗膜厚7μmの面のESCAによる
元素分析解析図。
【図4】比較例6の塗膜の表面のESCAによる元素分
析解析図。
【図5】比較例6の塗膜厚6μmの面のESCAによる
元素分析解析図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−231902(JP,A) 特開 平5−117556(JP,A) 特開 平7−76797(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 C8 17−SO2 N−R (Rはア
    クリル酸エステルオリゴマー)で表され、分子量が10
    000〜20000である含フッ素界面活性剤を含有す
    るアクリル系共重合体及びアミノ樹脂からなり、その樹
    脂分中に、該含フッ素界面活性剤を0.1〜5.0重量
    %含む電着塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電着塗料用樹脂組成物
    を用いて電着塗装を行った電着塗膜の全厚みの20%以
    下の表面部分に、含フッ素界面活性剤が偏析しているこ
    とを特徴とする電着塗膜。
JP10082997A 1997-04-04 1997-04-04 水溶性樹脂組成物及びそれを用いた塗装膜 Expired - Fee Related JP3278376B2 (ja)

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