JP2000109464A - 新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents
新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法Info
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- JP2000109464A JP2000109464A JP7501399A JP7501399A JP2000109464A JP 2000109464 A JP2000109464 A JP 2000109464A JP 7501399 A JP7501399 A JP 7501399A JP 7501399 A JP7501399 A JP 7501399A JP 2000109464 A JP2000109464 A JP 2000109464A
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Abstract
と鮮明性を有し、且つ記録物の耐光及び耐水堅牢度が強
い化合物の開発。 【解決手段】式A−B(式中、Aは下記式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素原子、アルコキシカルボニル基又
はベンゾイル基を、R2は水素原子又はメチル基を示
す。)で表される色素残基を、Bは水素原子又は置換基
を示す。)で表されるアントラピリドン化合物又はその
塩及びこれを含有する水性インク組成物並びにこれを用
いるインクジェットプリント方法。
Description
リドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジ
ェット記録方法に関する。
としてはインクの各種吐出方式が開発されているが、い
ずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材
料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うもの
である。インクジェットプリンタによる記録方法は、記
録ヘッドと被記録材料とが接触しない為音の発生がなく
静かであり、またプリンタの小型化、高速化、カラー化
が容易という特長の為、近年急速に普及し、今後も大き
な伸長が期待されている。コンピュータのカラーディス
プレイ上の画像又は文字情報をインクジェットプリンタ
により、カラ−で記録するには、一般にはイエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック
(K)の4色のインクによる減法混色で表現される。C
RTディスプレイ等のR、G、Bによる加法混色画像を
減法混色画像で忠実に再現するには、使用する色素、中
でもYMCのインクに使用される色素にはできるだけY
MCそれぞれの標準に近い色相を有し、且つ鮮明である
ことが望まれる。又、インク組成物は長期の保存に対し
安定であり、又プリントした画像の濃度が高く、しかも
耐水性、耐光性等の堅牢度に優れている事が求められ
る。本発明はこのうちマゼンタのインクに関するもので
ある。
タの用途はOA用小型プリンタから産業用の大型プリン
タまで拡大されており、耐水性及び耐光性等の堅牢性が
これまで以上に求められている。耐水性については多孔
質シリカなどインク中の色素を吸着し得る無機微粒子を
PVA樹脂などとともに紙の表面にコーティングするこ
とにより大幅に改良され、既にインクジェットプリント
用の各種コート紙が市販されている。しかし、耐光性に
ついては大幅に改良させる技術は確立されておらず、特
にY、M、C、Kの4原色のうちマゼンタの色素はもと
もと耐光性が弱いものが多く、その改良が重要な課題と
なっている。
られるマゼンタの色素骨格としては、特開昭54ー89
811、特開平8−60053及び同8−143798
等にみられるキサンテン系と、特開昭61−6256
2、同62−156168、特開平3−203970、
特開平7−157698及び特公平7−78190等に
みられるH酸アゾ系が代表的なものである。これらのう
ちキサンテン系については色相及び鮮明性は非常に優れ
るが耐光性は非常に劣る。またH酸アゾ系については色
相及び耐水性は良いものがあるが、耐光性及び鮮明性が
劣る。特開平3−203970にみられるように、鮮明
性及び耐光性の優れたマゼンタ染料も開発されている
が、銅フタロシアニン系に代表されるシアン染料やイエ
ロー染料など他の色相の染料に比べ耐光性は依然劣る水
準である。
の色素骨格としては特開昭59−74173及び特開平
2−16171等にみられるアントラピリドン系がある
が、色相、鮮明性、耐光性、耐水性及び溶解安定性のす
べてを満足するものは得られていない。本発明は、イン
クジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、且つ記録
物の耐光及び耐水堅牢度が強いマゼンタの水性インク組
成物を提供する事を目的とする。
うな課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に
至ったものである。即ち本発明は、(1)式A−B(式
中、Aは下記式(1)
ルボニル基又はベンゾイル基を、R2は水素原子又はメ
チル基を示す。)で表される色素残基を、Bは水素原子
又は色素残基A上の置換基を示す。)で表されるアント
ラピリドン化合物又はその塩、(2)Bが、アシル基又
は下記式(2)
子、水酸基、アミノ基、モノエタノールアミノ基、ジエ
タノールアミノ基、モルホリノ基、又はアニリノ基(ス
ルホン酸基、カルボキシル基、メチル基、塩素原子から
選択される1種又は二種以上の置換基で置換されていて
も良い。)を示す。)、で表される基である(1)に記
載のアントラピリドン化合物又はその塩(3)(2)の
式(2)においてXがアニリノ基(スルホン酸基、カル
ボキシル基から選択される1種又は2種の置換基で置換
されていてもよい)、Yが塩素原子、水酸基、アミノ
基、モノエタノ−ル基、ジエタノ−ル基又はモルホリノ
基である(2)に記載のアントラピリドン化合物又はそ
の塩、(4)アシル基がベンゼンスルホニル基、トシル
基、2−カルボキシ−ベンゾイル基、又は3,4−ジカ
ルボキシベンゾイル基である(2)に記載のアントラピ
リドン化合物又はその塩、(5)R1 が水素原子、R
2 がメチル基である請求項1に記載のアントラピリド
ン化合物又はその塩、(6)色素成分として、(1)乃
至(5)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩を
含むことを特徴とする水性マゼンタインク組成物、
(7)水及び有機溶剤を含有する(6)に記載の水性マ
ゼンタインク組成物(8)アントラピリドン化合物又は
その塩中の含有量が1重量%以下である(6)又は
(7)に記載の水性マゼンタインク組成物、(9)イン
クジェット記録用である(6)乃至(8)のいずれか一
項に記載の水性マゼンタインク組成物、(10)インク
滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行う
インクジェット記録方法において、インクとして(6)
乃至(8)のいずれか一項に記載の水性マゼンタインク
組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録
方法、(11)インク滴を記録信号に応じて吐出させて
記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、
マゼンタインクとして(6)乃至(8)のいずれか一項
に記載の水性マゼンタインク組成物を、シアンインクと
して水溶性金属フタロシアニン色素を含有する水性イン
クをそれぞれ使用することを特徴とするインクジェット
記録方法、(12)被記録材が情報伝達用シ−トである
(11)に記載のインクジェット記録方法、(13)情
報伝達用シ−トが表面処理されたシ−トである(12)
に記載のインクジェット記録方法、(14)(6)乃至
8のいずれか一項に記載の水性マゼンタインク組成物を
含有する容器及び水溶性金属フタロシアニン色素を含有
する水性シアンインク組成物を含有する容器を有するイ
ンクジェットプリンタ−、(15)R1が水素原子又は
低級アルコキシカルボニル基、R2がメチル基、Bが水
素原子又はC1乃至C4のアルコキシカルボニル基である
(1)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩に関
する。
化合物は、前記式A−Bで表される。色素残基Aは前記
式(1)で表される色素残基であり、Bは水素原子又は
色素残基A上の置換基である。即ち、本発明は、色素残
基として前記式(1)で表される基を有することを特徴
とするアントラピリドン化合物である。このアントラピ
リドン化合物は、好ましくは、色素残基として前記式
(1)で表される基を有し、マゼンタ色(青味の赤色)
の色素成分として使用される水溶性の化合物である。
シカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル
基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボ
ニル基等のC1〜C4のアルコキシカルボニル基があげら
れる。又、Bで示される色素残基A上の置換基として
は、窒素原子に置換しうる基であれば特に制限はなく、
例えばアシル基又は前記式(2)で表される基、置換基
を有していてもよいC1乃至C4のアルキル基等があげら
れる。一般式(1)においてR1が水素原子で、R2が
メチル基であるものが色素残基Aの好ましい例として挙
げられる。アシル基としては、置換又は非置換のベンゼ
ンスルホニル基、置換又は非置換のアルキルスルホニル
基、置換又は非置換のベンゾイル基、置換又は非置換の
アルコキシカルボニル基等を挙げることが出来る。これ
らの基におけるベンゼン核上の置換基としてはC1〜C4
のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、
アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基等を挙げるこ
とが出来、これらの置換基のうち更に置換基を有しうる
ものについては、上記の置換基で置換されていてもよ
い。又、アルキル基の置換基としてはベンゼン核に置換
しうる置換基として挙げたもの(アルキル基を除く)が
挙げられる。これらのアシル基の具体例としては、例え
ばベンゼンスルホニル基、トシル基等の低級アルキル置
換ベンゼンスルホニル基、4−クロルベンゼンスルホニ
ル基、4−ブロモベンゼンスルホニル基等のハロゲノベ
ンゼンスルホニル基、メチルスルホニル基、エチルスル
ホニル基等のC1〜C4のアルキルスルホニル基、ベンゾ
イル基、3,4−ジカルボキシベンゾイル基等の置換さ
れていても良いベンゾイル基、フェニルアセチル基、ア
セチル基等の置換されていてもよい低級アルキルカルボ
ニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、
ベンジルオキシカルボニル基等の置換されていてもよい
アルコキシカルボニル基等があげられる。
ルボキシル基、メチル基、塩素原子から選択される1種
又は二種以上の置換基で置換されていても良いアニリノ
基としては、例えば2,5−ジスルホアニリノ基、3−
スルホアニリノ基、2−スルホアニリノ基、4−スルホ
アニリノ基、2−カルボキシ−4−スルホアニリノ基、
2−カルボキシ−5−スルホアニリノ基等があげられ
る。前記式(2)のXは置換基で置換されていても良い
アニリノ基が好ましく、より好ましくは少なくとも1個
のスルホン酸基を有するアニリノ基である。
ピリドン化合物において好ましい物としては式(1)に
おけるR1が水素原子又は低級アルコキシカルボニル
基、より好ましくは水素原子であり、R2がメチル基で
あり、Bが式(2)を表し、かつ式(2)におけるXが
少なくとも1個のスルホニル基を有するアニリノ基であ
り、Yがヒドロキシ基又はアミノ基である化合物であ
る。又アントラピリドン化合物において、R1が水素原
子又はアルコキシカルボニル基、R2はメチル基、Bが
水素原子又はC1乃至C4のアルコキシカルボニル基であ
るアントラピリドン化合物又はその塩は本発明のアント
ラピリドン化合物を合成するための中間体としても重要
である。本発明の前記式A−Bで示されるアントラピリ
ドン化合物の具体例を表1に示す。尚、表1中(S)は
スルホン酸基を、2(S)はジスルホン酸基を、(K)
はカルボキシ基を、2(K)はジカルボキシ基を、Eは
エトキシカルボニル基を、Mはメトキシカルボニル基
を、Phはフェニル基を、Bzはベンゾイル基をそれぞ
れ意味する。
ば次の方法により製造される。即ち、下記式(3)
示されるアントラピリドンのブロム体に5−アセチルア
ミノ−2−スルホアニリンをウルマン反応により縮合
し、前記No.1の化合物を得る。次いでアセチル基を
加水分解により除去することにより、Bが水素原子であ
るNo.2の化合物が得られる。Bが式(2)で示され
る基であり、かつ式(2)におけるXが塩素原子又は水
酸基以外の基の場合は常法により目的化合物に対応する
アニリン類等のアミン類と2,4,6−トリクロロ−s
−トリアジン(シアヌルクロライド)とを縮合させ、対
応する1次縮合物とし、次いで該1次縮合物に、No.
2の化合物を2次縮合させることにより、Xが該アミン
類に対応するアミノ基で、Yが塩素原子である化合物が
得られる。次いで、加水分解することによりYが水酸基
の化合物を得ることが出来る。Yが塩素原子又は水酸基
以外の基の場合にはYが塩素原子である前記化合物に目
的化合物に対応するアミン類を3次縮合させることによ
り目的化合物をえることが出来る。又、Bが式(2)で
示される置換基以外の基である場合は、No.2の化合
物にアシル化剤を反応させればよい。アシル化剤として
は前記アシル基に対応するアシルクロライド等が挙げら
れる。例えば、置換又は非置換のベンゼンスルホニルク
ロライド、置換又は非置換のアルキルスルホニルクロラ
イド、置換又は非置換のベンゾイルクロライド、置換又
は非置換のアルコキシカルボニルクロライド等を挙げる
ことが出来、具体的にはベンゼンスルホニルクロライ
ド、トルエンスルホニルクロライド、4−クロルベンゼ
ンスルホニルクロライド、4−ブロモベンゼンスルホニ
ルクロライド、メチルスルホニルクロライド、エチルス
ルホニルクロライド、ベンゾイルジュロライド、3,4
−ジカルボキシベンゾイルクロライド、フェニル酢酸ク
ロライド、酢酸クロライド、メトキシカルボニルクロラ
イド、エトキシカルボニルクロライド、プロポキシカル
ボニルクロライド、ブトキシカルボニルクロライド、ベ
ンジルオキシカルボニルクロライド等が挙げられる。
あるいはその塩の形で存在する。本発明で採用しうる塩
としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アル
キルアミン塩、アルカノールアミン塩またはアンモニウ
ム塩等が挙げられる。好ましくはナトリウム塩、カリウ
ム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、モノエタノール
アミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミ
ン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノ
ールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩等のアル
カノールアミン塩又はアンモニウム塩である。
記式A−Bで表される化合物又はその塩を水又は水性溶
媒(後記する有機溶剤を含有する水)に溶解したもので
ある。インクのpHは6〜11程度が好ましい。この水
性インク組成物をインクジェット記録用プリンタで使用
する場合、色素成分としては金属陽イオンの塩化物、硫
酸塩等の無機塩の含有量が少ないものを用いるのが好ま
しく、その含有量の目安は例えば、塩化ナトリウムと硫
酸ナトリウムの総含有量として1重量%以下である。無
機物の少ない本発明の色素成分(前記式A−Bで表され
る化合物又はその塩)を製造するには、例えば逆浸透膜
による通常の方法又は本発明のアントラピリドン化合物
の乾燥品あるいはウェットケーキをメタノール及び水の
混合溶媒中で撹拌し、濾過、乾燥する方法で脱塩処理す
ればよい。後者の場合、アルコ−ル濃度は混合溶媒全体
に対して30重量%乃至95重量%、好ましくは40重
量%乃至85重量%である。又、ウエットケ−キに対す
る混合溶媒の使用量は特に制限はなく、通常1乃至20
0容量倍、好ましくは2乃至100容量倍程度である。
尚、無機塩のうちNaCl、Na2SO4の含有量はCl
イオン又はSO4イオンの量をイオンクロマトグラフで
測定した後それぞれ換算される。又重金属類は原子吸光
法又はICP(Industrial Coupled Plasma )発光分析
法で、カルシウムイオン及びマグネシウムについてはイ
オンクロマトグラフ法、原子吸光法、ICP発光分析法
にて測定される。
て調製されるが、本発明のアントラピリドン化合物又は
その塩は該水性インク組成物中に、好ましくは0.1〜
20重量%、より好ましくは1〜10重量%、更に好ま
しくは2〜8重量%程度含有される。本発明の水性イン
ク組成物には更に水溶性有機溶剤を約60重量%以下、
好ましくは約50重量%以下、より好ましくは約40重
量%以下、更に好ましくは約30重量%以下含有してい
てもよく下限は0重量%でもよいが、一般的には約5重
量%以上であり、より好ましくは10%以上であり、1
0〜30重量%程度がもっとも好ましい。又、本発明の
水性インク組成物はインク調製剤を0〜10重量%程
度、好ましくは5重量%以下含有していても良い。以上
の成分以外の残部は水である。
は、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブ
タノール、第三ブタノール等のC1 〜C4アルカノー
ル、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチ
ルアセトアミド等のカルボン酸アミド、ε−カプロラク
タム、N−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム
類、尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン
又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン
等の環式尿素、アセトン、メチルエチルケトン、2−メ
チル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又
はケトアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル、エチレングリコール、1,2−又は1,3
−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレ
ングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール等のC2 〜C6 アルキ
レン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリ
コール又はチオグリコール、グリセリン、ヘキサン−
1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール)、
エチレングリコールモノメチルーエーテル、エチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、
トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価ア
ルコールのC 1〜C4アルキルエーテル、γーブチロラク
トン又はジメチルスルホキシド等があげられる。これら
の有機溶剤は2種以上併用しても良い。
ては、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルピロリ
ジン−2−オン、C2〜C6アルキレン単位を有するモ
ノ、ジ又はトリアルキレングリコール等が挙げられ、よ
り好ましいものとしてモノ、ジ又はトリエチレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、ジメチルスルホキシド
等が挙げられ、特に、N−メチル−2−ピロリドン、N
−メチルピロリジン−2−オン、エチレングリコ−ル、
ジエチレングリコール、グリセリン、ジメチルスルホキ
シド、N−メチル−2−ピロリドンの使用が好ましい。
剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線
吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、界面活性剤
などがあげられる。防腐防黴剤としては、例えばデヒド
ロ酢酸ソーダ、ソルビン酸ソーダ、2−ピリジンチオー
ル−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、
ペンタクロロフェノールナトリウム等があげられる。p
H調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさ
ずに、インクのpHを6〜11の範囲に制御できるもの
であれば任意の物質を使用することができる。その例と
して、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど
のアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属元素の水酸化
物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩
などが挙げられる。キレート試薬としては、例えばエチ
レンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリ
ウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリ
ウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミ
ル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。防錆剤として
は、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオ
グルコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムナ
イトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘ
キシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
を含有しない水に、前記色素及び必要により、上記水溶
性有機溶剤、インク調製剤等を添加混合することにより
調製される。又水と上記水溶性有機溶剤、インク調製剤
等との混合物に前記色素を添加、溶解してもよい。又イ
ンク組成物を得た後で濾過を行い、狭雑物を除去しても
よい。
て、使用されうる好ましい被記録材としては例えば紙、
フィルム等の情報伝達用シートが挙げられる。情報伝達
用シートとは印刷に先立ち特別な前処理を必要とせず、
又インクジェットプリンタ−で印刷したあとにも後処理
を必要としない印刷用シ−トである。情報伝達用シート
としては、表面処理されたもの、具体的にはこれらの基
材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容
層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸ある
いは塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナ
ゾルや特殊セラミックス等のインク中の色素を吸収し得
る無機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニルピロ
リドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工す
ることにより設けられる。このようなインク受容層を設
けたものは通常インクジェツト専用紙(フィルム)、光
沢紙(フィルム)等と呼ばれ、例えばピクトリコ(旭硝
子(株)製)、カラーBJペ一パー、カラーBJフォト
フィルムシート(いずれもキャノン(株)製)、カラー
イメージジェット用紙(シャ−プ(株)製)、スーパー
ファイン専用光沢フイルム(エプソン(株)製)、ピク
タファイン(日立マクセル(株)製)等として市販され
ている。なお、普通紙にも利用できることはもちろんで
ある。
録材に記録するには、例えば上記の水性マゼンタインク
組成物を含有する容器をインクジェットプリンターにセ
ットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。イ
ンクジェットプリンターとしては、例えば機械的振動を
利用したピェゾ方式のプリンターや加熱により生ずる泡
を利用したバブルジェット方式のプリンター等があげら
れる。本発明のインクジェット記録方法では、通常、上
記の水性マゼンタインク組成物はイエローインク組成
物、シアンインク組成物、及び必要に応じ、ブラックイ
ンク組成物等と併用される。シアンインク組成物とし
て、水溶性金属フタロシアニン色素を含有する水性シア
ンインキ組成物を使用する場合、上記の水性マゼンタイ
ンク組成物と併用することにより、両者の混色後の耐光
性試験に於ける色調の変化を少なく出来るので好まし
い。水溶性金属フタロシアニン色素に用いられる金属と
しては、例えば、銅、ニッケル、アルミニウム等があげ
られるが、銅が好ましい。水溶性銅フタロシアニン色素
としては、例えばC.1.ダイレクト・ブルー86、
C.I.ダイレクト・ブルー87、C.I.ダイレクト
・ブル−199、C.I.アッシド・ブルー249、
C.I.リアクティブ・ブルー7、C.I.リアクテイ
ブ・ブルー15、C.I.リアクティブ・ブルー21、
C.I.リアクテイブ・ブル−71等があげられる。水
溶性金属フタロシアニン色素を含有する水性シアンイン
ク組成物は、例えば上記の水性マゼンタインク組成物の
製法に準じて製造され、容器に注入され、この容器を、
上記の水性マゼンタインク組成物を含有する容器と同様
に、インクジェットプリンターの所定位置にセットされ
て、使用される。本発明の水性インク組成物は、鮮明
で、社団法人日本印刷産業機械工業会発行のJapan
Co1orに指定された色調に近似しており、彩度が
高く、適度に青みを有する理想に近いマゼンタ色であ
り、他のイエロ−、シアンのインクと共に用いる事によ
り、広い可視領域の色調を色出しする事ができ、又耐光
性及び耐水性の優れた既存のイエロー、シアン、ブラッ
クを選択することにより、耐光性及び耐水性に優れた記
録物を得ることができる。
明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別
記載のない限り重量基準である。
拌しながら式(3)の化合物(R1 =H,R2 =CH
3 )51.0部、炭酸ソーダ23.9部、酢酸第二銅
・一水和物18.0部及び5−アセチルアミノ−2−ス
ルホアニリン114.0部を順次仕込み、昇温する。1
30〜135℃の温度にて3時間反応を行う。次いで、
冷却し、20℃にて30分撹拌後濾過し、メタノール3
00部で洗浄後、乾燥して、No.1の化合物62.9
部を赤色結晶として得る。
513部を滴下し、50%硫酸を調製し、No.1の化
合物61.3部を添加する。熱上げし、還流下(123
℃)で3時間反応を行う。水冷下(約25℃)、1時間
撹拌後ろ過、水120部で洗浄し、赤色のウェットケー
キを得る。このウェットケーキを、水2000部、24
%苛性ソーダ80部の混合液中に、撹拌下徐々に添加す
る。室温にて1時間撹拌後ろ過して少量の不溶解分をろ
別する。撹拌下、母液に食塩100部を添加する。1時
間室温にて撹拌後、ろ過、乾燥して、No.2の化合物
50.2部を赤色結晶として得る。
オン性界面活性剤、ライオン社製)0.25部を加え、
溶解後シアヌルクロライド10.1部を添加し、15分
撹拌する。次に、2,5−ジスルホアニリンのモノナト
リウム塩(純度85.5%)18.0部を8〜10℃に
て添加し、その温度で10%炭酸ソーダ水溶液を滴下し
ながら、pHを2.7〜3.0に保ち、4時間1次縮合
反応を行い、シアヌルクロライドと2,5−ジスルホア
ニリンの1次縮合物を含有する反応液を得る。
たNo.2の化合物23.5部を加え、昇温する。60
〜65℃の温度で、10%炭酸ソーダ水溶液を滴下しな
がら、pHを4.3〜4.7に保ち、1時間反応を行
う。次に、pHを7〜7.2に30分保った後、ろ過し
て少量の不溶解分をろ別する。母液に水を加えて液量を
600部とし、加熱して55〜60℃に保ちながら食塩
72部を添加し、撹拌する。1時間後結晶をろ別し、1
0%食塩水溶液75部で洗浄後乾燥して、No.3の化
合物43.2部を赤色結晶として得る(食塩含有率3
3.7%、ぼう硝含有率0.1%)。
混合液中に(3)で得られたNo.3の化合物10.0
部を添加して、還流下1時間撹拌して溶解後、氷冷して
明赤色の結晶を析出させる。1時間撹拌後ろ過し、メタ
ノール100部で洗浄後乾燥して、No.3の化合物の
脱塩品6.4部を得る(食塩含有率0.3%、ぼう硝含
有率0.1%以下)。λmax:526nm(水溶液中)
て、通常の方法により、インクを調製し、インクジェッ
トプリンターにて、専用紙(キャノン社製)にプリント
し、記録画像の耐水性、耐光性を測定したところいずれ
も良好であった。
部を約80℃の湯180部に添加し、10%苛性ソーダ
水溶液を滴下し、pHを11に保ちながら、85℃にて
2時間反応を行う。次いで、液量を250部に調整後5
5〜60℃にて食塩50部を添加し、55〜60℃にて
2時間保持する。析出する結晶をろ過し、乾燥して、N
o.4の化合物7.6部を赤色結晶として得る。
o.4の化合物5.0部を添加して溶解させる。次に、
メタノール200部を加えた後、50〜55℃にて1時
間撹拌する。ろ過、乾燥して、No.4の化合物の脱塩
品3.3部を赤色結晶として得る。λmax:526nm
(水溶液中)
て、通常の方法により、インクを調製し、インクジェッ
トプリンターにて、専用紙(キャノン社製)にプリント
し、記録画像の耐水性、耐光性を測定したところいずれ
も良好であった。
1.7部をピリジン125部に添加し、80℃に加熱す
る。次いで、p−トルエンスルホニルクロライド9.6
部を約10分を要して加える。100℃にて2時間反応
後、水冷、ろ過、水洗、乾燥して、No.27の化合物
12.2部を赤色結晶として得る。
o.27の化合物6.0部を添加、次いで24%苛性ソ
ーダ2.4部を添加してpH11.5とし、1時間撹拌
する。液量を300部に調整後、食塩22.5部を添加
し1時間撹拌、次いでろ過し、ウェットケーキ16部を
得る。このウェットケーキ16部をメタノール150
部、水75部と共に加熱還流を行い、1時間後ろ過して
少量の不溶解分をろ別する。母液を氷冷下1時間撹拌
し、析出した結晶をろ別し、少量のメタノールで洗浄後
乾燥して、No.27の化合物の脱塩品4.0部を赤色
結晶として得る。
拌しながら式(3)の化合物(R1=エトキシカルボニ
ル基,R2 =CH3 )30.9部、炭酸カリ15.5
部、酢酸第二銅・一水和物9.0部及び5−アセチルア
ミノ−2−スルホアニリン53.0部を順次仕込み、1
時間かけて110℃に昇温する。110〜120℃の温
度にて3時間反応を行う。次いで、冷却し、反応液を2
200部の水中に注加する。20℃にて1時間撹拌し、
次いでろ過し、少量の不溶解分を除去する。母液に水を
加えて液量を約3000部にし、撹拌下、食塩450部
を添加する。1時間室温で撹拌後析出した結晶をろ過、
乾燥して、No.45の化合物32.9部を赤色結晶と
して得る。
156部を滴下し、50%硫酸を調製し、No.45の
化合物32.7部を添加する。1時間かけて75℃に昇
温し、75〜80℃の温度にて10時間反応を行う。冷
却後、反応液を氷水400部中に注加する。20℃で1
時間撹拌し、次いでろ過、乾燥して、No.46の化合
物25.4部を赤色結晶として得る。
合物10.4部を撹拌しながら加える。90℃に昇温
し、p−トルエンスルホニルクロライド6.9部を30
分かけて添加する。90〜100℃の温度で、3時間反
応する。次いで、冷却し、ろ過して少量の不溶解分を除
去する。母液を10%硫酸350部中に注加して、20
℃で1時間撹拌後析出した結晶をろ過、乾燥して、N
o.36の化合物13.5部を赤色結晶として得る。
え、溶解後シアヌルクロライド10.1部を添加し、1
5分撹拌する。次に、5ースルホアントラニル酸(純度
88.4%)14.0部を8〜10℃にて添加し、その
温度で10%苛性ソーダ水溶液を滴下しながら、pHを
2.7〜3.0に保ち3時間1次縮合反応を行い、シア
ヌルクロライドと5−スルホアントラニル酸の1次縮合
物を含有する反応液を得る。
(1)で得られたNo.2の化合物23.5部を加え、
昇温する。60〜65℃の温度で、10%苛性ソーダ水
溶液を滴下しながらpHを4.3〜4.7に保ち、2時
間反応を行う。次に、ろ過して少量の不溶解分をろ別し
てNo.15の化合物を含有する反応液を得る。
化合物を含有する反応液に水を加えて液量を600部と
し、10%苛性ソーダ水溶液を滴下し、pHを10.5
に保ちながら、90℃にて2時間反応を行う。次いで、
液量を800部に調整後55〜60℃にて濃塩酸を滴下
してpHを2.7とし、55〜60℃にて1時間保持す
る。析出する結晶を濾過する。次いで、得られるウェッ
トケーキをメタノール500部と共に撹拌下加熱し、6
0℃にて1時間保持する。次いで濾過、100部のメタ
ノールで洗浄後、乾燥してNo.16の化合物の脱塩品
36.0部を赤色結晶として得る。λmax:520nm
(水溶液中、アンモニウム塩として)
て、通常の方法により、インクを調製し、インクジェッ
トプリンターにて、専用紙(セイコーエプソン社製)に
プリントし、記録画像の耐水性、耐光性を測定したとこ
ろいずれも良好であった。又、アルカリによる変色性も
なく、良好であった。
0.0部を約85℃の湯100部に添加し、次いで28
%アンモニア水10.0部を添加して、加熱下80〜9
0℃にて4時間反応を行う。(その間pHは11.0か
ら8.5に下がる。) 次いで28%アンモニア水10.0部を添加して85℃
にて3時間反応を行う。(その間pHは10.5から
9.0に下がる。)HPLC(高速液体クロマトグラフ
イ−)にて反応が完結したことを確認する。次にパ−ラ
イト(ケイ藻土、三井金属社製)1.5部を添加して6
0〜65℃にて15分間攪拌後濾過する。母液に湯を添
加して液量を200部に調整後加熱して60〜65℃に
保つ。その温度にて食塩30部を添加し、次いで濃塩酸
を添加してpHを0.5に調整し結晶を析出させる。3
0分間攪拌後濾過してNo.5の化合物のウエットケ−
キを得る。次いでメタノ−ル150部で洗浄後乾燥して
No.5の化合物6.0部を赤色結晶として得る。λma
x:523nm(水溶液中、アンモニウム塩として) (2)No.5の化合物を用いて通常の方法によりイン
クを調製し、インクジェットプリンタ−にて、専用紙
(セイコ−エプソン社製)にプリントし、記録画像の耐
水性、耐光性を測定したところいずれも良好であった。
含有する反応液を85℃に加熱し、撹拌下、10%苛性
ソ−ダ水溶液を滴下しpHを11に保ちながら85℃に
て2時間反応を行う。次いでパ−ライト8.0部を添加
して10分間撹拌後濾過する。母液に濃塩酸を加えてp
Hを6〜7に調整後加熱して60〜65℃に保ちながら
食塩80部を添加し30分撹拌して塩析を行う。得られ
る結晶を濾過し20%食塩水溶液40部で洗浄する。得
られるウエットケ−キを水400部と共に加熱して60
〜65℃に保ちながら、濃塩酸を1時間30分かけて滴
下し、pHを0.8に調整し結晶を析出させる。30分
撹拌後濾過し、No.4の化合物のウエットケ−キを得
る。 (2)(1)で得られるウエットケ−キをメタノ−ル3
00部と共に加熱し60〜65℃にて1時間撹拌を行
う。次いで濾過し、メタノ−ル200部で洗浄、乾燥し
てNo.4の化合物の脱塩品31.3部が赤色結晶とし
て得られる。 (3)No.4の化合物の脱塩品を用いて通常の方法に
てアンモニアを加えてアンモニウム塩とした後、インク
を調製し、インクジェットプリンタ−にて専用紙(キャ
ノン社製)にプリントし、記録画像の耐水性、耐光性を
測定したところいずれも良好であった。
を脱塩処理したものを含む下記表2の組成のインク組成
物を調製し、0.45μmのメンブランフイルタ−で濾
過する事により本発明のインクジェット用インクを得
た。
化合物(色素)の代わりにC.I.アシッド・レッド3
7を用いて、前記同様にして比較用のインクジェット用
インク組成物を調製した。 (2)インクジェットプリント インクジェットプリンタ−(BJF−600、キャノン
社製)を用いて、市販の光沢紙(カラ−BJフォトシ−
トフイルムCA−101、キャノン社製)にインクジェ
ット記録を行った。 (3)記録画像の色相、鮮明性:印刷ずみの記録紙を
(GREATAG SPM50:GREATAG社製)
を用いて測色を行い、L*、a*、b*値を算出した。
色相についてJNC(社団法人 日本印刷産業機械工業
会)のJapanColorの標準マゼンタの標準測色
値との比較をおこなった。鮮明性C*は下記計算式
(1)により算出した。結果は表3に記載した。
用い、記録画像に20時間照射した。判定級は、JIS
L−0841に規定されたブル−スケ−ルの等級に準
じて判定した。 (5)記録画像の耐水性試験 印刷済みの記録材を100℃の飽和蒸気の容器内に60
分入れ,水(蒸気)による影響(印刷された部分から未
印刷部分へのブリ−ドの状況)を評価した.評価結果は
下記の記号で表示した. ○ 全くブリ−ドがみられないもの △ 中程度のブリ−ドがみられるもの × 極めて大きなブリ−ドがみられるもの 表3には(1)〜(5)の試験結果をまとめた.
JNCの標準マゼンタに近似した値を示し,インクジェ
ット用マゼンタ色インクとして好適であることがことが
わかる。又耐水性において著しく優れているので,湿度
の高い環境での耐久性が優れる。
アニン系色素)を含むシアンインク組成物 (2)インクジェットプリント インクジェットプリンタ−を用いて色素受容層を有する
光沢紙(キャノン社製、カラ−BJフォトシ−トフイル
ムCA−101)にマゼンタインク単独及びシアンイン
クとマゼンタインクとを重ねて印刷してインクジェット
印刷物を得た。
(2)で印刷した記録紙について40時間の耐光試験を
行った。重ねて印刷した印刷画像の耐光堅牢度が優れて
いた。 (4)測色 耐光試験前後の記録画像の色相を前記測色機を用いて測
色し、色差(ΔE)を求めた。結果を表4に示した。
タ+シアン)の2と比較対照の4を比較すると2(本発
明)はΔEが小さく明らかに優れている。水溶性銅フタ
ロシアニン色素よりなるシアンインクとこれまでのマゼ
ンタインクとの組み合わせでは変色が大きく使用に当た
って問題が生じる。このように本発明のマゼンタインキ
はシアンインクとの組み合わせでもバランスがよく変色
が小さく、重ねて印刷した画像の耐光性がよいので耐久
性に優れた印刷画像が得られる。
C:シアンの各インキを調製し、配合色を印刷し、得ら
れた記録画像の評価を行い、前記Japan Colo
rの各色標準測色値と比較した。得られた結果を表4
に、色空間を図1に示した。 インキの調製に使用した色素 Y:C.I.ダイレクト・イエロ−86 M:実施例2で得られたNo.4の色素 C:C.I.ダイレクト・ブル−199
ンクを用いた場合、マゼンタインク、イエロ−インク及
びシアンインクとの組み合わせでJNC標準色相に近似
した色相及び混合色相が得られる。本発明のマゼンタ色
素はインクジェットプリント用として工業的に極めて有
用性が高い。
解性に優れ、インク組成物を製造する過程で必要により
実施されるメンブランフイルターによる濾過において濾
過性が良好という特長を有する。又、この色素は生体に
対する安全性も高い。この新規アントラピリドン化合物
を使用した本発明のインク組成物は冬期は勿論、夏期に
おいても、長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化
等がなく、貯蔵安定性が良好である。又、本発明のイン
ク組成物をインクジェット記録用のマゼンタインクとし
て使用した印刷物は耐光性及び耐水性に優れ、イェロ
ー、シアン及びブラック染料と共に用いることで耐光性
及び耐水性に優れたインクジェット記録が可能である。
また、シアンとして含金属フタロシアニン系色素と併用
しても優れた耐光性を維持できる。更に印刷面は鮮明で
色特性として理想に近いマゼンタ色であり、他のイェロ
ー、シァンのインクと共に用いる事で、広い可視領域の
色調を色出しする事ができる。従って、本発明のインク
組成物はインクジェット記録用のマゼンタインクとして
極めて有用である。
較対照染料による色出しの範囲を示す一例である。
値を、Y軸は同じくb*値をそれぞれ示す。Yはイエロ
−、Rはレッド、Mはマゼンタ、Bはブル−、Cはシア
ン、Gはグリ−ンをそれぞれ示す。又、実線は実施例2
の化合物による色出し範囲であり、破線はJapan
Colorの標準測色値である。尚、実線によるGのプ
ロットはC.I.ダイレクト・イエロ−86とC.I.
ダイレクト・ブル−199の重ね打ちによる色出し(参
考値)である。
Claims (15)
- 【請求項1】式A−B(式中、Aは下記式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素原子、アルコキシカルボニル基又
はベンゾイル基を、R2は水素原子又はメチル基を示
す。)で表される色素残基を、Bは水素原子又は色素残
基A上の置換基を示す。)で表されるアントラピリドン
化合物又はその塩 - 【請求項2】Bが、アシル基又は下記式(2) 【化2】 (式中、X、Yは各々独立して、塩素原子、水酸基、ア
ミノ基、モノエタノールアミノ基、ジエタノールアミノ
基、モルホリノ基、又はアニリノ基(スルホン酸基、カ
ルボキシル基、メチル基、塩素原子から選択される1種
又は二種以上の置換基で置換されていても良い。)を示
す。)で表される基である請求項1に記載のアントラピ
リドン化合物又はその塩 - 【請求項3】請求項2の式(2)においてXがアニリノ
基(スルホン酸基、カルボキシル基から選択される1種
又は2種の置換基で置換されていてもよい)、Yが塩素
原子、水酸基、アミノ基、モノエタノ−ル基、ジエタノ
−ル基又はモルホリノ基である請求項2に記載のアント
ラピリドン化合物又はその塩 - 【請求項4】アシル基がベンゼンスルホニル基、トシル
基、2−カルボキシ−ベンゾイル基、又は3,4−ジカ
ルボキシベンゾイル基である請求項2に記載のアントラ
ピリドン化合物又はその塩 - 【請求項5】R1 が水素原子、R2 がメチル基である
請求項1に記載のアントラピリドン化合物又はその塩 - 【請求項6】色素成分として、請求項1乃至5に記載の
アントラピリドン化合物又はその塩を含むことを特徴と
する水性マゼンタインク組成物 - 【請求項7】水及び有機溶剤を含有する請求項6に記載
の水性マゼンタインク組成物 - 【請求項8】アントラピリドン化合物又はその塩中の無
機塩の含有量が1重量%以下である請求項6又は7に記
載の水性マゼンタインク組成物 - 【請求項9】インクジェット記録用である請求項6乃至
8のいずれか一項に記載の水性マゼンタインク組成物 - 【請求項10】インク滴を記録信号に応じて吐出させて
被記録材に記録を行うインクジェット記録方法におい
て、インクとして請求項6乃至8のいずれか一項に記載
の水性マゼンタインク組成物を使用することを特徴とす
るインクジェット記録方法 - 【請求項11】インク滴を記録信号に応じて吐出させて
記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、
マゼンタインクとして請求項6乃至8のいずれか一項に
記載の水性マゼンタインク組成物を、シアンインクとし
て水溶性金属フタロシアニン色素を含有する水性インク
をそれぞれ使用することを特徴とするインクジェット記
録方法 - 【請求項12】被記録材が情報伝達用シ−トである請求
項11に記載のインクジェット記録方法 - 【請求項13】情報伝達用シ−トが表面処理されたシ−
トである請求項12に記載のインクジェット記録方法 - 【請求項14】請求項6乃至8のいずれか一項に記載の
水性マゼンタインク組成物を含有する容器及び水溶性金
属フタロシアニン色素を含有する水性シアンインク組成
物を含有する容器を有するインクジェットプリンタ− - 【請求項15】R1が水素原子又は低級アルコキシカル
ボニル基、R2がメチル基、Bが水素原子又はC1乃至C
4のアルコキシカルボニル基である請求項1に記載のア
ントラピリドン化合物又はその塩
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