JP2000105312A - プラズマディスプレイパネル用フィルター - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用フィルター

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JP2000105312A
JP2000105312A JP10276325A JP27632598A JP2000105312A JP 2000105312 A JP2000105312 A JP 2000105312A JP 10276325 A JP10276325 A JP 10276325A JP 27632598 A JP27632598 A JP 27632598A JP 2000105312 A JP2000105312 A JP 2000105312A
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film
transparent
filter
thickness
silver
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Kazuaki Sasa
和明 佐々
Toshitaka Nakamura
年孝 中村
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プラズマディスプレイパネル(PDP)が必
要とする電磁波シールド特性、近赤外線カット特性、可
視光低反射特性等の諸特性を、比較的簡単な積層構成で
同時に満足させると共に、耐擦傷性が良好で導通のアー
ス取りも簡単なPDP用フィルターを提供する。 【解決手段】 透明基板の片面に、直接又は透明フィル
ムを介してハードコー層、反射防止層および防汚染層が
設けられている透明基板の他面と、一方透明フィルム基
材の片面に、金属酸化物膜と銀系透明導電体膜を1単位
としてn単位(3≦n≦10)が順次積層され、最外層
に金属酸化物膜が形成されている透明フィルム基材の他
面とを、透明粘着剤層を介して貼合わせてなる積層体で
あって、金属酸化物膜は屈折率が1.5〜2.7の光学
的透明性を有する膜であり、銀系透明導電体膜は厚さ5
〜20nmの範囲内で略一定の値に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(以下、PDPと称す)から発生する電磁波
と近赤外線を同時にカットするPDP用フィルターおよ
びこのフィルターをPDPの前面に配置してなるPDP
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】PDPは、希ガス特にネオンを主体とす
るガスがパネル内に封入されている。PDPにおいて、
陰極から放出された電子が加速されてガス分子と衝突
し、励起したり電離したりして陽極へ進み、そこで生じ
た陽イオンも陰極と衝突して2次電子放出を起こし、放
電が開始される。この際、ネオン原子の遷移過程に伴い
電磁波および近赤外線が放出される。放出される近赤外
線は、波長が850〜1200nmである。一方、家電
製品、カラオケ、音響映像機器等のリモートコントロー
ラの受光感度は700〜1300nmであることから、
PDPから放出された近赤外線がリモートコントローラ
を誤作動させてしまうという問題が生じている。しか
し、近赤外線はPDPの原理上発生するものであり、P
DP自体では防止できない。
【0003】そのため、PDPから発生する電磁波と近
赤外線をカットするフィルターが検討されており、従来
たとえば、低抵抗値の金属メッシュまたはエッチングメ
ッシュを埋め込んだアクリル板と近赤外線を吸収する染
料系の材料を混入させたアクリル板とを貼合わせたまた
は熱融着させた板や、ガラス板に直接スパッタ法で銀系
薄膜等を形成したものに近赤外線吸収材入りフィルムを
貼合わせした板や、或いは、近赤外線を吸収する染料系
の材料を混入させたアクリル板にスパッタ法で銀系薄膜
等を形成したフィルムを貼合わせた板を、PDPの前面
に空気層を介してセッティングするという方法が採用さ
れている。
【0004】上記のメッシュタイプは、低抵抗値は得ら
れるが、近赤外線カットフィルターが別に必要であり、
PDP表示パターン間隔によりモアレ現象を生じ表示品
位を損なうという欠点がある。スパッタ法を代表とする
ドライプロセスで得られるフィルターはモアレ現象は見
られないが、銀系薄膜の劣化を防ぐために、ガラスや防
湿フィルムで挟み込むなどの工夫が必要であり、さらに
近赤外線カット能力不足のため、染料系赤外線吸収剤を
混入したフィルムや板を別に用意し、貼合わせて必要特
性を出しており、非常に複雑な構成となっている。ま
た、銀系薄膜は機械特性が弱く、別のフィルムと貼り合
わせやオーバーコート等を形成して機械特性を補強して
いる。この場合、アースの取り方が難しく作業性や信頼
性に問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、PDPが必
要とする電磁波シールド特性、近赤外線カット特性、可
視光低反射特性等の諸特性を、比較的簡単な積層構成で
同時に満足させると共に、耐擦傷性が良好で導通のアー
ス取りも簡単なPDP用フィルターを提供することを課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のPDP用フィル
ターは、上記の課題を解決するためになされたものであ
って、透明基板の片面に、直接又は透明フィルムを介し
てハードコー層、反射防止層および防汚染層が設けられ
ている透明基板の他面と、一方透明フィルム基材の片面
に、金属酸化物膜と銀系透明導電体膜を1単位としてn
単位(3≦n≦10)が順次積層され、最外層に金属酸
化物膜が形成されている透明フィルム基材の他面とを、
透明粘着剤層を介して貼合わせてなる積層体であって、
金属酸化物膜は屈折率が1.5〜2.7の光学的透明性
を有する膜であり、銀系透明導電体膜は厚さ5〜20n
mの範囲内で略一定の値に設定されており、且つ該基材
表面の金属酸化物膜と最外層の金属酸化物膜の各厚さ
が、銀系透明導電体膜の厚さの5/2(1±0.15)
倍であり、それ以外の中間に位置する金属酸化物膜の各
厚さが、銀系透明導電体膜の厚さの5(1±0.15)
倍であることを特徴とする積層体によって達成される。
【0007】透明基板の片面に、透明フィルムを介して
ハードコー層、反射防止層および防汚染層を直接設ける
態様とは別の態様としては、透明フィルムの片面にハー
ドコート層、反射防止層、防汚染層を形成したフィルム
を用意し、そのフィルムを他面に形成した透明粘着剤層
を介して透明基板の片面に貼合わせてることにより達成
される。また、透明基板と透明フィルム基材とを貼合わ
す透明粘着剤層は、弾性係数が1×10E5 〜1×10
7 、厚さが10〜500μmであるのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下において、図1〜2を使用し
て本発明のPDP用フィルターを具体的に説明する。図
1において、透明基板1の片面には、ハードコート層2
および反射防止兼防汚染層3(反射防止層と防汚染層を
個別に設けてもよい)が形成される。一方、透明フィル
ム基材4の片面には、金属酸化物膜および銀系透明導電
体膜を1単位として、金属酸化物膜(5A、5B、5
C)および銀系透明導電体膜(6A、6B、6C)が順
次繰り返し積層され(図1は3単位の例を示す)、その
最外層に金属酸化物膜5Dが形成されている。上記の構
成において、透明基板1の他面と透明フィルム基材4の
他面とは、透明粘着剤層7を介して貼合わされて最終形
態の積層体とされている。
【0009】上記の金属酸化物膜は屈折率が1.5〜
2.7の光学的透明性を有する膜であり、銀系透明導電
体膜は厚さ5〜20nmの範囲内で略一定の値に設定さ
れており、且つ該基材表面の金属酸化物膜と最外層の金
属酸化物膜の各厚さが、銀系透明導電体膜の厚さの5/
2(1±0.15)倍であり、それ以外の中間に位置す
る金属酸化物膜の各厚さが、銀系透明導電体膜の厚さの
5(1±0.15)倍となるように設計されている。
【0010】他の態様である図2(図1と同符号は同一
の構成要素を示す)は、透明フィルム41の表面にハー
ドコート層2および反射防止兼防汚染層3(反射防止層
と防汚染層を個別に設けてもよい)を順次形成したフィ
ルムを用意し、そのフィルムを他面に形成した透明粘着
剤層71を介して透明基板の片面に貼合わせている。最
終形態は、図1と同様に、透明基板1の他面と透明フィ
ルム基材4の他面とは、透明粘着剤層7を介して貼合わ
されて積層体とされている。
【0011】本発明において使用する透明フィルムおよ
び同基材としては、可視光領域における透明性を有する
もので、ある程度表面が平滑であれば使用できる。例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロ
ース、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテル
エーテルケトン等が好ましい。フィルム基材厚さは、ド
ライプロセスで熱ジワなどの問題が発生しなければ制限
はないが、通常厚さ10〜250μmのものが使用され
る。また、フィルム基材として高分子フィルムそのもの
でも良いが、片面または両面に耐擦傷性を付与するため
のハードコート処理を行っても良い。UV硬化タイプで
も熱硬化タイプでも良く、厚さは1〜10μmが適当で
ある。1μmより薄いと耐擦傷性効果が低下するし、1
0μm以上ではクラックの発生が起こりやすい。さら
に、可視光の色調整のための色素を、フィルム基材中に
混入させてもよく、フィルム基材に塗布してもよい。透
明基板としては、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂などの透明プ
ラスチック板やガラス板が挙げられるが、透明であっ
て、ある程度の機械的強度、耐熱性があれば特に限定さ
れない。その厚さは0.2〜10mm、好ましくは2〜
5mmである。また、透明基板の内部又は表面に、可視
光の色調整のための色素を混入又は塗布してもよい。
【0012】金属酸化物膜の材料としては、高屈折率の
光学膜材料ならある程度使用できるが、薄膜の屈折率が
1.5〜2.7の範囲が好ましい。屈折率1.5以下の
場合、金属酸化物膜の厚さを厚くする必要があり、多層
にした場合クラックが入りやすくなる。また、屈折率
2.7を超えると、最外層の金属酸化物膜と空気との屈
折率差が大きくなりすぎ、可視光反射率を低くおさえる
ことが難しくなる。また、単一の金属酸化物でも複数の
金属酸化物を混合した材料を用いてもよい。さらに、銀
のマイグレーション防止効果や水、酸素のバリア効果が
ある材料ならさらに好ましい。好適な金属酸化物材料と
しては、酸化インジウムを主成分とし二酸化チタンや、
酸化錫、酸化セリウムを少量含有させたもの、二酸化チ
タン、酸化ジルコニウム、硫化亜鉛、酸化ビスマス、五
酸化ニオブ、酸化亜鉛などが挙げられる。これらの薄膜
層は、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティン
グ等の真空ドライプロセスで設けることができる。金属
酸化物膜の膜厚は、18〜100nmが適当であり、そ
の屈折率、銀系透明導電体膜の厚さ、全層数などによ
り、光学特性を最適にする膜厚が決定される。
【0013】銀系透明導電体膜の材料としては、90重
量%以上の銀と、金、銅、パラジュウム、白金、マンガ
ン、カドニウムから選択された1つまたは2つ以上の元
素により構成されるが、90〜99重量%の銀と上記金
属1〜10重量%を固溶させた材料であるのが好まし
い。特に銀中に1〜10重量%の金を固溶させたもの
は、銀の劣化防止の観点から好ましい。金を10重量%
以上混入すると比抵抗が上昇し低抵抗値が得られ難く、
また1重量%以下では銀の劣化が起こりやすい。銀系透
明導電体膜を形成する手段としては、スパッタ法などの
真空ドライプロセスが用いられる。銀系透明導電体膜の
厚さは、5〜20nmが適当であるが、さらに好ましく
は、9〜17nmである。
【0014】本発明者らは、PDPから発生する電磁波
と近赤外線を同時にカットするPDPフィルターとして
の備えるべき特性の目標値を、次の表1の通り設定して
研究開発を鋭意進めた。
【0015】
【表1】
【0016】これに対して、従来の技術の項で説明した
様に、電磁波シールド特性、近赤外線カット特性、銀系
薄膜の劣化防止や機械的特性の向上、反射防止特性など
の各種機能を有する多数の材料を組み合わせて、PDP
フィルターに必要な特性を具備させようとしていた。本
発明者らは、かかる要求特性を、透明フィルム基材上に
ドライプロセス法にて、比較的簡単な積層構成で満足す
る手段について鋭意検討を重ねた結果、透明フィルム基
材側から、金属酸化物膜、銀系透明導電体膜、金属酸化
物膜、銀系透明導電体膜、金属酸化物膜の順に交互に多
層に積層してなる積層体、即ち、透明フィルム基材/
(金属酸化物膜/銀系透明導電体膜)n/金属酸化物
膜、の式で表わされる積層体において、次の条件を満足
する場合には驚くべきことに、低抵抗値でありながら、
IR吸収剤が不要で、光学特性も良好なフィルターを比
較的簡単な積層構成で達し得ることを見出したものであ
る。 金属酸化物膜は、屈折率が1.5〜2.7以下の光
学的透明性を有する膜とする。 銀系透明導電体膜は、厚さ5〜20nmの範囲内で
略一定の厚さに設定する。 3≦n≦10の範囲でn(正数)を選択する。 該フィルム基材表面の金属酸化物膜と最外層の金属
酸化物膜の各厚さが、銀系透明導電体膜の厚さの5/2
(1±0.15)倍となるように設定する。 上記以外の中間に位置する金属酸化物膜の各厚さ
が、銀系透明導電体膜の厚さの5(1±0.15)倍と
なるように設定する。
【0017】例えば、n=3の場合(図1参照)、透明
フィルム基材4/金属酸化物膜5A/銀系透明導電体膜
6A/同5B/同6B/同5C/同6C/金属酸化物膜
5Dの積層体であり、この場合、銀系透明導電体膜(6
A、6Bおよび6C)を厚さ13nmに設定すると、金
属酸化物膜(5Aおよび5D)の厚さは32.5nmで
あり、金属酸化物膜(5Bおよび5C)の厚さは65n
mとなり、表1の光学特性を満足することが出来る。ま
た、n=4の場合、同様に4/5A/6A/5B/6B
/5C/6C/5D/6D/5Eの積層体となるが、こ
の場合、銀系透明導電体膜(6A、6B、6Cおよび6
D)を厚さ12nmに設定すると、金属酸化物膜(5A
および5E)の厚さは30nmであり、金属酸化物膜
(5B、5Cおよび5D)の厚さは60nmとなる。さ
らに、n=5の場合も同様に、銀系透明導電体膜(6A
〜6E)を厚さ11nmに設定すると、金属酸化物膜
(5Aおよび5F)の厚さは27.5nm、金属酸化物
膜(5B、5C、5Dおよび5E)の厚さは55nmと
なる。上記において、金属酸化物膜の厚さの設定条件で
ある5/2倍および5倍の公差±15%は、金属酸化物
の屈折率により決定される。
【0018】また、銀系透明導電体膜の厚さを5〜11
nm未満に設定する場合は、n=6〜10となるように
多層化するばよく、銀系透明導電体膜の厚さを14〜2
0nmに設定する場合は、n≧3の条件で金属酸化物膜
の最適屈折率および厚さが設定される。n<3の場合、
銀系透明導電体膜の厚さを増すことで表面抵抗値は下げ
られるが、光学特性を満足できなくなる。また、n>1
0の場合、表1の特性を満足する組み合わせはあるが、
構成自体が複雑になり、目的とする比較的簡単な構成で
は達成できなくなる。
【0019】ハードコート材料としては、熱硬化型のS
iO2 系の材料、UV硬化型のフッ素系ポリマー材料等
が硬度的に好ましいが限定するものではない。界面反射
を低減するためには、透明フィルム基材の屈折率に近い
屈折率を有する材料を選ぶのがよい。ハードコート層の
厚さは1〜10μmが適当である。1μmより薄いと鉛
筆硬度2Hを満たし難く、耐擦傷性効果が低下し、10
μmを超えるとクラックの発生が起こりやすい。反射防
止層および防汚染層は、個々に設けてもよく、反射防止
兼防汚染層の如く一層でもよい。低屈折率の材料であっ
て且つ水濡れ性の低いものであれば一層でよく、工程の
簡略化になる。反射防止兼防汚染層の材料としては、低
屈折率のフッ素系樹脂、MgF2 、 CaF2 等の光学膜
を、塗工法やスパッタ法等のドライプロセスにより形成
することができる。その厚さは0.05〜5μm程度が
好ましい。また、例えば、スパッタ蒸着等の方法で作成
された高屈折膜と低屈折膜との多層膜による厚さ100
〜500nmの反射防止層上に、撥水性のフッ素系樹
脂、MoS2 等の材料を薄層塗工、スパッタ法などのド
ライプロセスにて厚さ0.001〜1μmの防汚染層を
形成してもよい。
【0020】透明粘着剤層は、弾性係数が1×10E5
〜1×10E7 dyn/cm2 が好ましく、厚さは10〜50
0μm、さらに好ましくは25〜300μmである。そ
の材料としてはアクリル系、ゴム系、ポリエステル系な
どがあり、特にアクリル系粘着剤を用いるのが好まし
い。アクリル系粘着剤は、粘着剤としての適度の濡れ
性、柔軟性を付与するための主単量体として、ポリマー
化した際のガラス転移点が−10℃以下の(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを1種もしくは2種以上と、必
要によりアクリル酸、メタアクリル酸、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート等の官能基含有単量体およびその他
の共重合性単量体とを、適宜の重合触媒を用いて溶液重
合法、乳化重合法、塊状重合法(特に紫外線による重合
法)、懸濁重合法などの方法で重合して得られるアクリ
ル系ポリマーに、架橋剤等の各種添加剤を添加したもの
が用いられる。熱架橋タイプ、光(紫外線、電子線)架
橋タイプなどであってもよい。
【0021】上記特性の透明粘着剤層を使用すると、P
DP前面表示ガラスに直接貼合わせた際に、PDPガラ
ス表面のウネリを吸収し、貼合わせが良好となる。ま
た、貼合わせた後、外部からの異物が衝突しても、この
範囲であると、粘着剤層のクッション効果により、フィ
ルム表面に傷が付きにくいばかりか、糊厚が瞬間的には
薄くなるが、すぐに自己復活して、何もなかったかの如
く元どおりの平滑面になるという特性が得られる。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例のみに限定するものではな
い。 実施例1 厚さ125μmの透明ポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルムの片面に、厚さ5μmのUV硬化型ハー
ドコート樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名ユニ
デック17−813を主成分とする)を形成して耐擦傷
性を付与した透明フィルム基材を用い、ハードコート
(HC)側に順次、DCマグネトロンスパッタ法で金属
酸化物膜、銀系透明導電体膜、金属酸化物膜の順序で薄
膜を形成する手法を用いた。HC付き透明フィルム基材
の可視光透過率at550nm は、89%であった。金属酸化
物膜を形成するターゲット材料には、In2 3 ―1
2.6重量%TiO2を使用し、銀系透明導電体膜を形
成するターゲット材料には、Ag―5重量%Auを使用
した。膜厚の測定は、厚膜に付けた膜の表面粗さ計(D
EKTAK3)による製膜速度の検量線と透過型電子顕
微鏡による精密測定により行った。抵抗値の測定は、三
菱油化製(LoresterSP)を用いた。また、光
学特性は、日立製作所製U−3410を用いて測定し
た。上記透明フィルム基材のHC上に、金属酸化物膜と
銀系透明導電体膜を1単位として、下記の厚さでn単位
(n=3)が順次積層され、最外層に金属酸化物膜が積
層された積層体を作製した。各膜の厚さ :32.5/13/65/13/65/13/32.5(nm) 次に、厚さ3mmのアクリル板を用意し、その表面に屈
折率が1.55のUV硬化型ハードコート(大日本イン
キ化学工業社製、商品名ユニデック17−813を主成
分とする)を、ファンテンリバース法にて塗工し、30
0mJ/cm2で3分間紫外線照射して硬化させ、厚さ
5μmのハードコート層を形成した。さらに、その上に
有機フッ素系の反射防止兼防汚染材料(日本合成ゴム社
製、商品名JM5025)をグラビア塗工し、300m
J/cm2 で3分間紫外線照射して厚さ0.15μmの
反射防止兼防汚染層を形成した。一方、上記透明フィル
ム基材の裏面に、固形分20重量%のアクリル系の粘着
剤溶液を塗布し、150℃で5分間乾燥させ厚さ100
μm、弾性率1.0×10E6 dyn/cm2 の透明粘着剤層
を形成した後、前記アクリル板の裏面とを貼合わせて、
PDP用フィルターとした。本フィルターをPDPに装
着するには、最外層の金属酸化物膜の面がPDP面に対
向するように、空気層を介してセットする。本フィルタ
ーの特性を測定し、その結果を表2に示した。
【0023】実施例2 厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィ
ルム基材を用意し、片面に厚さ5μmのUV硬化型HC
樹脂(大日本インキ化学工業社製、商品名ユニデック1
5−829を主成分とする)を形成した後、その上へ反
射防止特性と防汚染特性を兼ね備えた屈折率1.36の
シリコーン系樹脂層(日産化学社製、商品名LR20
1)を厚さ0.2μmに形成した。この反射防止兼防汚
染層の水接触角は104度であった。上記片面処理TA
Cフィルムの裏面に、厚さ23μmの透明粘着剤層を形
成して、実施例1と同様のアクリル板に貼合わせた。次
に、実施例1で作製した積層体をそのPET基材の裏面
に形成した透明粘着剤層を介してアクリル板の裏面と貼
合わせて、PDP用フィルターとした。本フィルターの
特性を測定し、その結果を表2に示した。
【0024】
【表2】
【0025】表2から明らかなように、PET基材に積
層した金属酸化物膜と銀系透明導電体膜とにより、表面
抵抗値2Ω/□の低抵抗膜が得られ、電磁波シールド機
能が付与され、同時に近赤外線カット機能も付与されて
いる。本フィルターを構成する積層体膜は環境安定性が
あり、その膜面の機械的強度は必要により補強してもよ
いが、その膜面はPDP面側の外力のかからない位置に
配置されるため、特に必要とはしない。また、本フィル
ターのアクリル板の片面には、ハードコート層および反
射防止兼防汚染層が設けられいるので、人などの外部ス
トレスに対する耐久性が付与されており、簡単な構成で
目的の機能を達成することができる。
【0026】
【発明の効果】本発明のPDP用フィルターは、積層体
を構成する金属酸化物膜と銀系透明導電体膜との相互の
厚さ関係を特定の数値に設定することにより、PDPが
必要とする電磁波シールド特性、近赤外線カット特性、
可視光低反射特性等の諸特性を、比較的簡単な積層構成
で同時に満足させると共に、しかも視認性が良く、軽
量、薄型のフィルターを提供することができる。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のプラズマディスプレイパネル
用フィルターの一実施態様の概略を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明のプラズマディスプレイパネル
用フィルターの他の実施態様の概略を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1:透明基板 2:ハードコート層 3:反射防止兼防汚染層 4,41:透明フィルム基材 5A,5B,5C,5D:金属酸化物膜 6A,6B,6C:銀系透明導電体膜 7,71:透明粘着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 CA05 CA09 CA12 CA19 CA25 2K009 AA03 AA15 BB14 BB24 BB28 CC02 CC03 CC26 DD02 DD04 EE03 EE05 5C040 GH10 KA03 KB13 KB17 MA04 MA08 5E321 AA04 BB23 BB25 CC16 GG05 GH01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の片面に、直接又は透明フィル
    ムを介してハードコー層、反射防止層および防汚染層が
    設けられている透明基板の他面と、一方透明フィルム基
    材の片面に、金属酸化物膜と銀系透明導電体膜を1単位
    としてn単位(3≦n≦10)が順次積層され、最外層
    に金属酸化物膜が形成されている透明フィルム基材の他
    面とを、透明粘着剤層を介して貼合わせてなる積層体で
    あって、金属酸化物膜は屈折率が1.5〜2.7の光学
    的透明性を有する膜であり、銀系透明導電体膜は厚さ5
    〜20nmの範囲内で略一定の値に設定されており、且
    つ該基材表面の金属酸化物膜と最外層の金属酸化物膜の
    各厚さが、銀系透明導電体膜の厚さの5/2(1±0.
    15)倍であり、それ以外の中間に位置する金属酸化物
    膜の各厚さが、銀系透明導電体膜の厚さの5(1±0.
    15)倍であることを特徴とするプラズマディスプレイ
    パネル用フィルター。
  2. 【請求項2】 金属酸化物膜が、酸化インジウム、酸化
    錫、二酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、
    酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、五酸化ニ
    オブ、硫化亜鉛よりなる群から選ばれる1又は2以上の
    化合物からなる薄膜である請求項1記載のプラズマディ
    スプレイパネル用フィルター。
  3. 【請求項3】 銀系透明導電体膜が、90重量%以上の
    銀と、金、銅、パラジュウム、白金、マンガン、カドニ
    ウムから選択された1つまたは2つ以上の元素により構
    成された薄膜である請求項1記載のプラズマディスプレ
    イパネル用フィルター。
  4. 【請求項4】 ハードコート層が、鉛筆硬度2H以上の
    硬さを有する請求項1記載のプラズマディスプレイパネ
    ル用フィルター。
  5. 【請求項5】 透明基板の片面に、別の透明フィルムの
    片面にハードコート層、反射防止層、防汚染層を形成し
    たフィルムを用意し、そのフィルムを他面に形成した透
    明粘着剤層を介して貼合わせてなる請求項1記載のプラ
    ズマディスプレイパネル用フィルター。
  6. 【請求項6】 透明基板と透明フィルム基材とを貼合わ
    す透明粘着剤層の弾性係数が1×10E5 〜1×10E
    7 、厚さが10〜500μmである請求項1記載のプラ
    ズマディスプレイパネル用フィルター。
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