JP2001092363A - ディスプレイ用フィルター - Google Patents
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Abstract
輝度・視認性を著しく損なわない、電磁波シールド及び
近赤外線カットを有した低コストのディスプレイ用フィ
ルターを得る。 【解決手段】 透明支持体(A)、面抵抗0.1〜10
Ω/□の透明導電層(B)、防眩層(C)を、直接又は
粘着材(D)を介して(A)/(B)/(C)の順に積
層する。
Description
ィルターに関し、さらに詳しくは、ディスプレイの輝度
・視認性を著しく損なわない光学特性を有し、さらにま
た、プラズマディスプレイから発生する、健康に害をな
すといわれている電磁波を遮蔽する電磁波シールド能、
及び、周辺電子機器の誤操作をまねく近赤外線を遮断す
る近赤外線カット能を兼ね備えた、低コストのプラズマ
ディスプレイ用フィルターに関する。
って、光エレクトロニクス関連部品、機器は著しく進
歩、普及している。そのなかでディスプレイはテレビジ
ョン用、パーソナルコンピューター用等として著しく普
及し、また、その薄型化、大型化が進んでおり、大型の
薄型ディスプレイとしてプラズマディスプレイが注目さ
れている。しかしプラズマディスプレイは、その構造や
動作原理上、強度の漏洩電磁界、近赤外線を発生する。
近年、漏洩電磁界の人体や他の機器に与える影響が取り
沙汰されるようなっており、例えば日本のVCCI(Vo
luntaly Control Council for Interference by data p
rocessing equipment electronic office machine)に
よる基準値内に抑えることが必要となってきている。ま
た、近赤外線光は、コードレスフォン等の周辺電子機器
に作用して誤動作を引き起こす問題が生じている。特に
問題になる波長としてリモコンや伝送系光通信に使用さ
れている820nmと880nm、980nmが挙げられる。そのた
め、近赤外領域である800〜1000nmの波長領域の光を実
用上問題ないレベルまでカットする必要がある。
外線吸収色素を用いて近赤外吸収フィルターを作製する
ことが知られている。しかしながら、近赤外線吸収色素
は、湿度、熱、光といった環境による劣化が生じ、経時
とともに近赤外線カット能やディスプレイ用フィルター
の透過色といった光学特性の変化が生じてしまう問題が
あった。さらにプラズマディスプレイは、広い近赤外線
波長領域に渡って問題となる強度の近赤外線を発するた
め、広い波長領域に渡って近赤外領域の吸収率の大きい
近赤外吸収フィルターを使用する必要があるが、可視光
線透過率が低いものしか得られないことが問題であっ
た。
ィスプレイ表面を導電性の高い導電物でおおう必要があ
る。一般にアースした金属メッシュまたは、合成繊維ま
たは金属繊維のメッシュに金属被覆したもの、または、
金属膜を形成後に例えば格子パターン状にエッチング処
理したエッチング膜を用いるが、これらの導電性メッシ
ュは、光の干渉による縞の発生、歩留りの悪さによるコ
スト高などが問題となる。そこでITO(Indium Tin O
xide)に代表される透明導電膜を電磁波シールド層に用
いる場合がある。透明導電膜としては、金、銀、銅、白
金、パラジウムなどの金属薄膜、酸化インジウム、酸化
第2スズ、酸化亜鉛等の酸化物半導体薄膜、金属薄膜と
高屈折率透明薄膜を交互に積層した多層薄膜がある。こ
の中で、金属薄膜は、導電性は得られるが、広い波長領
域にわたる金属の反射及び吸収により可視光線透過率の
高いものは得られない。また、酸化物半導体薄膜は金属
薄膜に比べ透明性に優れるが導電性に劣り、また近赤外
線の反射能は乏しい。
ーは、プラズマディスプレイから放射される近赤外線、
電磁波を遮断するためにディスプレイの前面に設置す
る。従って、ディスプレイ用フィルターの可視光線透過
率が著しく低かったり、照明等の映り込みがあると、デ
ィスプレイの輝度・画像の鮮明さ・視認性が低下するこ
とになる。さらに加えて、プラズマディスプレイ用フィ
ルターに要求される性能は多く、性能付与の為に部材数
・工程数が増加すると、ディスプレイ用フィルターのコ
ストアップが問題になる。
従来技術に鑑み、プラズマディスプレイ用フィルターと
して、プラズマディスプレイの輝度・視認性を著しく損
なわない光学特性を有し、さらにまた、プラズマディス
プレイから発生する、健康に害をなすといわれている電
磁波を遮蔽する電磁波シールド能、及び、周辺電子機器
の誤操作をまねく近赤外線を遮断する近赤外線カット能
を兼ね備えた低コストのディスプレイ用フィルターを提
供することである。
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、透明支持体
(A)/面抵抗0.1〜10Ω/□の透明導電層(B)
/防眩層(C)の構成を有するディスプレイ用フィルタ
ーが、低コストに得ることができ、且つ、ディスプレイ
の輝度・視認性を損なわない光学特性を有し、さらにま
た、電磁波及び近赤外線を実用できるレベルまで抑制す
ることができることを見出し、本発明に到った。
(A)、面抵抗0.1〜10Ω/□の透明導電層
(B)、防眩層(C)が、直接又は粘着材(D)を介し
て少なくとも(A)/(B)/(C)の順に積層されて
なり、可視光線透過率35%以上であることを特徴とす
るディスプレイ用フィルター、(2)透明導電層(B)
が、高分子フィルム(a)の少なくとも一方の主面上
に、高屈折率透明薄膜層(b)および金属薄膜層(c)
が、(b)/(c)を繰返し単位として1〜4回繰り返
し積層され、さらにその上に少なくとも該高屈折率透明
薄膜層(b)が積層されてなることを特徴とする(1)
に記載のディスプレイ用フィルター、(3)防眩層
(C)が、反射防止防眩性、帯電防止性、ガスバリア
性、ハードコート性、防汚性から少なくとも1つ選ばれ
る機能を有していることを特徴とする(1)又は(2)
に記載のディスプレイ用フィルター、(4)透明支持体
(A)、防眩層(C)、粘着材(D)、高分子フィルム
(a)の少なくとも一つ以上が色素を含有することを特
徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のディスプレ
イ用フィルター、(5)電極(E)が形成されているこ
とを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のディ
スプレイ用フィルターに関するものである。
ーは、透明支持体(A)、面抵抗0.1〜10Ω/□の
透明導電層(B)、防眩層(C)が、直接又は粘着材
(D)を介して(A)/(B)/(C)の順に積層され
てなること特徴とするものである。
層又は多層薄膜からなる透明導電膜、又は、高分子フィ
ルム(a)の主面上に形成する単層または多層薄膜から
なる透明導電膜1つ以上からなる透明積層体である。透
明導電層(B)が透明導電膜である場合は、透明導電層
は後述の透明支持体(A)の主面に直接形成される。単
層の透明導電膜としては、前述した導電性メッシュやエ
ッチング膜、金属薄膜や酸化物半導体薄膜があるが、電
磁波シールド能、近赤外線カット能を有するディスプレ
イ用フィルターを得るためには、電磁波吸収のための高
い導電性と電磁波反射のための反射界面を多く有する、
金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜が好適
である。金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄
膜は、銀などの金属の持つ導電性及びその自由電子によ
る近赤外線反射特性と、高屈折率透明薄膜の、ある波長
領域における金属による反射の防止により、導電性、近
赤外線カット能、可視光線透過率のいずれにおいても好
ましい特性を有している。
おいて透明であればよく、その種類を具体的にあげれ
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフ
ォン、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリ
アリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボ
ネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等
のポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等
のセルロース系樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオ
ロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニ
ル化合物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、
ポリアクリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポ
リメタクリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化
ビニリデン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/
トリフルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル
共重体等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合
体、ポリエチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ
樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。透
明な高分子フィルムは可撓性を有しており透明導電膜を
ロール・ツー・ロール法で連続的に形成することができる
ため、これを使用した場合には効率よく、また、長尺大
面積に透明積層体を生産できることや、フィルム状の透
明積層体をディスプレイ用フィルターのガラス支持体に
貼り付けることによりガラス破損時の飛散防止になるこ
とから、好適に使用できる。この場合フィルムの厚さは
通常10〜250μmのものが用いられる。フィルムの
厚さが10μm以下では、基材としての機械的強度に不
足し、250μm以上では可撓性が不足するためフィル
ムをロールで巻きとって利用するのに適さない。高分子
フィルム(a)は色素を含有させることができる。
示すClassAでは特定の周波数帯で放射電界強度50d
BμV/m未満であり、家庭用途の規制値を示すClass
Bでは同じく40dBμV/m未満であるが、プラズマ
ディスプレイの放射電界強度は20〜90MHz帯域内
で、対角20インチ型程度で40dBμV/m、対角4
0インチ型程度で50dBμV/mを越えているため、
このままでは家庭用途には使用できない。プラズマディ
スプレイの放射電界強度は、その画面の大きさ及び輝
度、すなわち、消費電力が大きいほど、強く、シールド
効果の高い電磁波シールド材が必要である。
可視光線反射率に加えプラズマディスプレイに必要な電
磁波シールド能を有するには、電磁波シールド体となる
透明導電層が、面抵抗10〜0.1Ω/□の低抵抗な導
電性を有していることが必要なことを見出した。なお、
本発明における可視光線透過率、可視光線反射率とは、
透過率及び反射率の波長依存性からJIS(R−310
6)に従って計算されるものである。
の近赤外線を実用上問題とならないレベルまで遮断する
には、ディスプレイ用フィルターの800〜1000nm
の近赤外線波長領域の光線透過率を20%以下にするこ
とが好適であることを見いだした。部材数低減の要求や
色素を用いた近赤外線吸収の限界から透明導電層が近赤
外線カット性を持つことが望ましい。近赤外線カットに
は、金属の自由電子による反射を用いることができる
が、金属薄膜層を厚くすると前述したように可視光線透
過率も低くなり、薄くすると近赤外線の反射が弱くな
る。そこで、ある厚さの金属薄膜層を高屈折率透明薄膜
層で挟み込んだ積層構造を1段以上重ねることにより、
可視光線透過率を高くし、かつ全体的な金属薄膜層の厚
さを増やすことができ、また、層数及び/またはそれぞ
れの層の厚さを制御することにより可視光線透過率、可
視光線反射率、近赤外線の透過率、透過色、反射色をあ
る範囲で変化させることができる。
り、金属薄膜層を高屈折率透明薄膜層で挟み込んだ積層
構造を1段以上重ねた多層積層の透明導電膜を示す。
に高屈折率透明薄膜層(b)、金属薄膜層(c)の順
に、(b)/(c)を繰り返し単位として1回以上繰り
返し積層し、さらにその上に少なくとも高屈折率透明薄
膜層(b)を積層することによって、電磁波シールド能
のための低抵抗性、近赤外線カット能、透明性、可視光
線反射率に優れた透明導電膜が形成された透明積層体が
得られるのである。プラズマディスプレイ用のディスプ
レイ用フィルターには、繰り返し積層数は1回〜4回が
好適である。つまり、(a)/(b)/(c)/
(b)、または、(a)/(b)/(c)/(b)/
(c)/(b)、または、(a)/(b)/(c)/
(b)/(c)/(b)/(c)/(b)、または、
(a)/(b)/(c)/(b)/(c)/(b)/
(c)/(b)/(c)/(b)である。繰り返し積層
数が5回以上だと生産装置の制限、生産性の問題が大き
くなり、また、可視光線透過率の低下と可視光線反射率
の増加が生じる。
導電性、赤外線反射性および多層積層したときの可視光
線透過性に優れているため好適である。しかし、銀は化
学的、物理的安定性に欠け、環境中の汚染物質、水蒸
気、熱、光等によって劣化するため、銀に金、白金、パ
ラジウム、銅、インジウム、スズ等の環境に安定な金属
を一種以上含んだ合金やこれら環境に安定な金属も好適
に使用できる。特に金やパラジウムは耐環境性、光学特
性に優れ好適である。ここで、銀を含む合金の銀の含有
率は、特に限定されるものではないが銀薄膜の導電性、
光学特性と大きく変わらないことが望ましく、50重量
%以上100重量%未満程度である。しかしながら、銀
に他の金属を添加すると、その優れた導電性、光学特性
を阻害する。従って、複数の金属薄膜層を有する場合
は、可能であれば少なくとも1つの層は銀を合金にしな
いで用いることや、基体から見て最初の層及び/又は最
外層にある金属薄膜層のみを合金にすることが望まし
い。
ら光学設計的かつ実験的に求められ、透明導電層が要求
特性を持てば特に限定されるものではないが、導電性等
から薄膜が島状構造ではなく連続状態であることが必要
なので4nm以上であることが望ましく、金属薄膜層が厚
すぎると透明性が問題になるので30nm以下が望まし
い。金属薄膜層が複数ある場合は、各層が全て同じ厚さ
とは限らず、全て銀あるいは同じ銀を含む合金でなくと
もよい。金属薄膜層の形成には、スパッタリング、イオ
ンプレーティング、真空蒸着、メッキ等、従来公知の方
法のいずれでも採用できる。
薄膜としては、可視域において透明性を有し、金属薄膜
層の可視域における光線反射を防止する効果を有するも
のであれば特に限定されるものではないが、可視光線に
対する屈折率が1.6以上、好ましくは1.8以上、さ
らに好ましくは2.0以上の屈折率の高い材料が用いら
れる。このような透明薄膜を形成する具体的な材料とし
ては、インジウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス、
スズ、亜鉛、アンチモン、タンタル、セリウム、ネオジ
ウム、ランタン、トリウム、マグネシウム、ガリウム等
の酸化物、または、これら酸化物の混合物や、硫化亜鉛
などが挙げられる。これら酸化物あるいは硫化物は、金
属と酸素あるいは硫黄と化学量論的な組成にズレがあっ
ても、光学特性を大きく変えない範囲であるならば差し
支えない。なかでも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化イン
ジウムや酸化インジウムと酸化スズの混合物(ITO)
は、透明性、屈折率に加えて、成膜速度が速く金属薄膜
層との密着性等が良好であることから好適に使用でき
る。高屈折率透明薄膜層の厚さは、基体の光学特性、金
属薄膜層の厚さ、光学特性、および、透明薄膜層の屈折
率等から光学設計的かつ実験的に求められ、特に限定さ
れるものではないが、5nm以上200nm以下であること
が好ましく、より好ましくは10nm以上100nm以下で
ある。また、高屈折率透明薄膜第1層・・・第n+1層
(n≧1)は、同じ厚さとは限らず、同じ透明薄膜材料
でなくともよい。高屈折率透明薄膜層の形成には、スパ
ッタリング、イオンプレーティング、イオンビームアシ
スト、真空蒸着、湿式塗工等、従来公知の方法のいずれ
でも採用できる。
めに、透明導電膜の表面に、導電性、光学特性を著しく
損なわない程度に有機物又は無機物の任意の保護層を設
けてもよい。また、金属薄膜層の耐環境性や金属薄膜層
と高屈折率透明薄膜層との密着性等を向上させるため、
金属薄膜層と高屈折率透明薄膜層の間に、導電性、光学
特性を損なわない程度に任意の無機物層を形成してもよ
い。具体的な材料としては銅、ニッケル、クロム、金、
白金、亜鉛、ジルコニウム、チタン、タングステン、ス
ズ、パラジウム等の金属又はその酸化物、あるいはこれ
らの材料の2種類以上からなる合金があげられる。その
厚さは、好ましくは0.2nm〜2nm程度である。
得ようとする電磁波シールド能の為の導電性、つまり、
金属薄膜材料・厚さを勘案して、透明基体(a)および
薄膜材料の光学定数(屈折率、消光係数)を用いたベク
トル法、アドミッタンス図を用いる方法等を使った光学
設計を行い、各層の薄膜材料及び、層数、膜厚等を決定
する。この際、透明導電膜上に形成される層がある場合
はその隣接層を考慮すると良い。このことは透明導電膜
への光の入射媒質が、空気または真空等の屈折率1の入
射媒質と違うために透過色(及び透過率、反射色、反射
率)が変化するためである。すなわち、透明導電層上に
粘着材(D)が形成される場合は、粘着材(D)の光学
定数を考慮する設計を行う。光学定数は、エリプソメト
リー(楕円偏光解析法)やアッベ屈折計により測定でき
る。また、光学特性を観察しながら、層数、膜厚等を制
御して成膜を行うこともできる。
ニュートラルグレーまたはブルーグレーであることが要
求されることがあるが、これは、緑色透過が強いとコン
トラストが低下したり、赤色及び緑色発光色に比べ青色
発光が弱いこと、標準白色より若干色温度が高い白色が
好まれることによる。多層薄膜は、可視光線透過率・可
視光線反射率を重視すると、一般にその透過色調は好ま
しくないものとなる。電磁波シールド能、すなわち、導
電性と、近赤外線カット能をあげるほど、金属薄膜の総
膜厚が厚いことが必要となるが、金属薄膜の総膜厚が大
きくなる程、多層薄膜の色調はディスプレイ発光色の色
純度やコントラストを低下させる緑色〜黄緑色になる傾
向がある。
収を有する色素を用いて、ディスプレイ用フィルターと
して好適な色調であるニュートラルグレーまたはブルー
グレーに色補正することが肝要である。また、可視領域
に吸収を有する色素をディスプレイ用フィルターに用い
ることにより、プラズマディスプレイの発する不要発光
を低減し、ディスプレイの発光色純度・コントラストを
向上することもできる。
率が低くなると、ディスプレイの輝度が低下する。従っ
て、可視光線透過率はある程度高いことが望ましいが、
ニュートラルグレーまたはブルーグレーの透過色であっ
て可視光線透過率が低くなると、ディスプレイのコント
ラストが向上する。その為、80%以下であることが好
ましいことがある。また、前述のように色純度を向上さ
せるべく色素を用いることもある。ディスプレイ用フィ
ルターに必要な可視光線透過率は、コントラスト、輝
度、発光色の色純度等を考慮すると35%以上であるこ
とを見出した。
素を少なくとも1種類以上、透明な樹脂に混錬させたプ
ラスチック板、高分子フィルム、(2)有機色素を少な
くとも1種類以上、樹脂または樹脂モノマー/有機系溶
媒の樹脂濃厚液に分散・溶解させ、キャスティング法に
より作製したプラスチック板、高分子フィルム、(3)
有機色素を少なくとも1種類以上を、樹脂バインダーと
有機系溶媒に加え、塗料とし、透明な基体上にコーティ
ングしたもの、(4)有機色素を少なくとも1種類以上
を含有する透明な粘着材、(5)ガラスに金属イオンま
たはコロイドを含む色ガラス、のいずれか一つ以上選択
できる。
の層または粘着材の内部に含有されることは勿論、基材
または層の表面に塗布した状態を意味する。色調補正を
行う為の有機色素は、可視波長領域に所望の吸収波長を
有する一般の染料または顔料で良く、その種類は特に限
定されるものではないが、例えばアントラキノン系、フ
タロシアニン系、メチン系、アゾメチン系、オキサジン
系、アゾ系、スチリル系、クマリン系、ポルフィリン
系、ジベンゾフラノン系、ジケトピロロピロール系、ロ
ーダミン系、キサンテン系、ピロメテン系等の一般に市
販もされている有機色素があげられる。その種類・濃度
は、有機色素の吸収波長・吸収係数、透明導電層の色調
及びディスプレイ用フィルターに要求される透過特性・
透過率、そして分散させる媒体または塗膜の種類・厚さ
から決まり、特に限定されるものではない。有機色素
が、プラズマディスプレイの不要発光を効率よく吸収す
ると、プラズマディスプレイの発光の色純度を向上させ
ることができる。
有機色素2種類以上を一つの媒体または塗膜に含有させ
ても良い。
波シールド能に加え、近赤外線カット能を有している
が、より高い近赤外線カット能が必要であったり、透明
導電層が近赤外線カット能を有していない場合に近赤外
線カット能をディスプレイ用フィルターに付与するため
に、上記の色調補正用の有機色素に加えて近赤外線吸収
色素を1種類以上併用して良い。近赤外線吸収色素は、
透明導電層の近赤外線カット能を補填し、プラズマディ
スプレイの発する強度の近赤外線を充分実用的になる程
度に吸収するものであれば、特に限定されるものではな
く、濃度も限定されるものではない。近赤外線吸収色素
としては、その例としてフタロシアニン系化合物、アン
トラキノン系化合物、ジチオール系化合物、ジイミニウ
ム系化合物等の有機色素が挙げられる。
の温度が高く、環境の温度が高いときは特にディスプレ
イ用フィルターの温度も上がるため、例えば80℃で顕
著に分解等による有機色素の劣化がないことが好適であ
る。劣化するとディスプレイ用フィルターの透過特性が
変わってしまう。また同様に、プラズマディスプレイか
ら発する光、または、太陽光などの外光によって劣化し
ないことも肝要である。特に有機色素は紫外線により劣
化するものが多いが、紫外線は有機色素である紫外線吸
収剤を併用することや、多層薄膜を用いることによって
カットすることができる。紫外線吸収剤の種類、濃度は
特に限定されない。
機色素及び色ガラスを着色せしめる微量含有物を示す。
上記の色素を用いる方法(1)〜(5)は、色素を含有
する高分子フィルム(a)、または、色素を含有する後
述の透明支持体(A)、色素を含有する後述の粘着材
(D)、色素を含有する後述の防眩層(C)のいずれか
1つ以上の形態をもって、本発明のディスプレイ用フィ
ルターに使用できる。色素を含有するを2つ以上有して
いても良い。
法安定性、ディスプレイ保護のための機械的強度、設置
し易さが必要とされるため、板状の透明支持体(A)を
用いることが肝要である。透明導電層(B)が、透明導
電膜を形成した高分子フィルム(a)である場合、透明
支持体(A)に貼り合わせて用いることが望ましい。透
明導電層(B)が透明導電膜である場合は、直接、透明
支持体(A)に形成されていても良い。貼り合わせは、
透明支持体(A)の主面と、透明積層体の薄膜形成面で
ない主面を透明な粘着材(D)を介して行うと、電極を
形成し易く、かつ、ディスプレイ本体と電気的接触を得
るのに好適である。
や、軽さ、割れにくさから、可視域において透明なプラ
スチック板が望ましいが、熱による変形等の少ない熱的
安定性からガラス板も好適に使用できる。プラスチック
板の具体例を挙げると、ポリメタクリル酸メチル(PM
MA)をはじめとするアクリル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、透明ABS樹脂等が使用できるが、これらの樹脂
に限定されるものではない。特にPMMAはその広い波
長領域での高透明性と機械的強度の高さから好適にしよ
うできる。プラスチック板の厚みは十分な機械的強度
と、たわまずに平面性を維持する剛性が得られればよ
く、特に限定されるものではないが、通常1mm〜10
mm程度である。ガラス板を透明支持体(A)として使
用する場合は、機械的強度を付加するために化学強化加
工または風冷強化加工を行った半強化ガラス板または強
化ガラス板を用いることが望ましい。透明支持体(A)
は色素を含有させることができる。
ト)には、任意の透明な粘着材(D)を使用できる。本
発明でいうところの粘着材(D)とは、透明な接着剤ま
たは透明な粘着材である。具体的にはアクリル系接着
剤、シリコン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニル
ブチラール接着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系
接着剤(EVA)等、ポリビニルエーテル、飽和無定形
ポリエステル、メラミン樹脂等が挙げられる。この際肝
要なことはディスプレイからの光線透過部である中心部
分に用いられる粘着材は可視光線に対して充分透明であ
る必要がある。粘着材は、実用上の接着強度があればフ
ィルム状のものでも液状のものでもよい。粘着材は感圧
型接着剤でシート状のものが好適に使用できる。フィル
ム状粘着材貼り付け後または接着材塗布後に各部材をラ
ミネートすることによって貼り合わせを行う。液状のも
のは塗布、貼り合わせ後に室温放置または加熱により硬
化する接着剤である。塗布方法としては、バーコート
法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート
法、ロールコート法等が挙げられるが、接着剤の種類、
粘度、塗布量等から考慮、選定される。粘着材もしくは
接着剤層の厚みは、特に限定されるものではないが、
0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜30μmで
ある。粘着材を形成される面、貼り合わせられる面は、
予め易接着コートまたはコロナ放電処理などの易接着処
理により濡れ性を向上させておくことが好適である。さ
らに、粘着材を用いて貼り合わせた後は、貼り合わせ時
に部材間に入り込んだ空気を脱泡または、粘着材に固溶
させ、さらには部材間の密着力を向上させる為に、でき
れば加圧、加温の条件で養生を行うことが肝要である。
このとき、加圧条件としては数気圧〜20気圧以下程
度、加温条件としては各部材の耐熱性に依るが、室温以
上80℃以下程度であるが、これらに特に制限を受けな
い。粘着材(D)は色素を含有させることができる。
具等が映り込むと表示画面が見づらくなってしまう。従
って、ディスプレイ用フィルターの両方の表面に外光反
射を抑制するための反射防止(AR:アンチリフレクシ
ョン)処理を施すことが必要とされる。しかしながら、
AR処理は光学的に作製が難しい等の理由で一般に高価
であり、また、ディスプレイ用フィルターの両面の反射
を防止しないとディスプレイ用フィルターの可視光線反
射率は低下しないので、さらにコスト高となってしま
う。また、AR処理は低い可視光線反射率を達成するこ
とができるが、実際には照明器具の映り込み(反射映
像)がなくなる訳ではない。
ンチグレア)層(C)をディスプレイ用フィルターの人
側最表面に設けることにより、外光反射を散らして防止
することができる。人側最表面に防眩層(C)を形成す
ると、ディスプレイ用フィルターのもう一方の主面(裏
面)における外光反射も、防眩層(C)を通過する時に
拡散されるので、裏側表面における反射映像も目立たな
くなる。従って、人側最表面のみで映り込み防止の効果
があり、さらにまた、一般に防眩処理はAR処理より低
コストであるので、低コストのディスプレイ用フィルタ
ーを得ることができる。
薄膜であると、耐擦傷性や耐環境性に乏しい為、保護す
る必要がある。透明導電層(B)と防眩層(C)が、透
明支持体(A)の別々の主面に形成されていると、透明
導電層(B)をさらに保護する必要があり、部材数が増
えてコスト高となる。従って、透明支持体(A)/透明
導電層(B)/防眩層(C)とすることによって、構成
部材数または構成層数を最小限にとどめ、工程、コス
ト、部材間の界面反射を減じることができることを見出
したのである。
レイ用フィルターに要求される機能に応じて、反射防止
防眩性、帯電防止性、ガスバリア性、ハードコート性、
防汚性のいずれか一つ以上の機能を有していることが好
適である。複数の機能を有している場合は、構成部材数
または構成層数を減じることできるのである。
は防眩性と上記各機能を一つ以上有する機能膜そのもの
でも、機能膜を塗布または印刷または従来公知の各種成
膜法により形成した透明な基体でも、各機能を有する透
明な基体でも良い。機能膜そのものの場合は、透明導電
層の主面に塗布または印刷または従来公知の各種成膜法
により直接形成し、機能膜を形成した透明な基体、各機
能を有する透明な基体の場合は、粘着材(D)または色
素を含有する粘着材(D)を介して透明導電層の主面に
貼り付けても良い。これらの作成方法は特に制限を受け
ない。透明な基体は、透明なプラスチック板または高分
子フィルムまたはガラス板であり、その種類、厚さも特
に制限を受けないし、透明な基体に色素を含有させて、
防眩層に色素を含有させることもできる。防眩層が上記
機能膜そのものでも、膜中に色素を含有させて、やはり
色素を含有させることができる。
フィルターを得る場合、透明導電層(B)と外部との電
気的接続が必要であるので、防眩層(C)が透明導電層
の導電面上に形成される場合には防眩層(C)がこの電
気的接続を妨げてはならない。例えば、防眩層(C)が
導電層の周縁部を残すように形成されることが肝要であ
る。
度の微少な凹凸の表面状態を有する可視光線に対して透
明な層を指している。具体的には、アクリル系樹脂、シ
リコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アル
キド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹
脂に、シリカ、有機珪素化合物、メラミン、アクリル等
の無機化合物または有機化合物の粒子を分散させインキ
化したものを、バーコート法、リバースコート法、グラ
ビアコート法、ダイコート法、ロールコート法等によっ
て基体上に塗布、硬化させる。粒子の平均粒径は、1〜
40μmである。または、アクリル系樹脂、シリコン系
樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹
脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂を基体
に塗布し、所望のヘイズまたは表面状態を有する型を押
しつけ硬化することによっても防眩層を得ることができ
る。さらには、例えばガラス板をフッ酸等でエッチング
するように、基体を薬剤処理することによっても防眩層
を得ることができる。この場合は、処理時間、薬剤のエ
ッチング性により、防眩層のヘイズを調節する事ができ
る。要は適当な凹凸を有することが重要であり、必ずし
も上記方法に限定されるものではない。防眩層のヘイズ
は0.5%以上20%以下であり、好ましくは1%以上10%以下で
ある。ヘイズが小さすぎると外光を散らす能力が不十分
であり、ヘイズが大きすぎると平行光線透過率が低くな
り、ディスプレイの画像がボケて鮮明性が悪くなる。
本体から離れて設置される場合等、防眩層(C)がディ
スプレイ表面から比較的距離があると、画像の拡散によ
るボケが生じる場合がある。この為このような設置方法
の場合は、防眩性を維持し、且つ、ディスプレイから適
当距離はなしても画像のボケのないヘイズや表面形状の
ものを選択することが肝要である。同じヘイズでも、凹
凸のピッチ(凸と凸の山の間隔)が短い、ピッチの細か
いものほどボケは少ない傾向がある。
(ディスプレイ用フィルターの可視光線反射率)も減じ
たい時には、防眩層(C)が反射防止防眩性を有してい
ることが好ましい。反射防止防眩性は、防眩層上に反射
防止膜を形成することによって付与することができる。
この際、防眩性を有する膜が高屈折率の膜である場合、
反射防止膜が単層でも比較的高い反射防止性を付与する
ことができる。反射防止膜の構成要素及び各構成要素の
膜厚は、反射防止膜を形成する基体の光学特性を考慮し
光学設計によって決定することができる。具体的には、
可視域において屈折率が1.5以下、好適には1.4以
下と低い、フッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウ
ム、シリコン系樹脂や酸化珪素の薄膜等を例えば1/4
波長の光学膜厚で単層形成したもの、屈折率の異なる、
金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、
窒化物、硫化物等の無機化合物またはシリコン系樹脂や
アクリル樹脂、フッ素系樹脂等の有機化合物の薄膜を基
体から見て高屈折率層、低屈折率層の順に2層以上多層
積層したもの等がある。
性を付与するために、防眩層(C)がハードコート性を
有していることが好適である。防眩性を有する膜や膜を
形成する基体が樹脂である場合は、粒子が分散させれる
膜が、ハードコート膜であることが好ましい。ハードコ
ート膜としてはアクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラ
ミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素
系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂等が挙げられる。
静電気帯電によりホコリが付着しやすく、また、人体が
接触したときに放電して電気ショックを受けることがあ
るため、帯電防止処理が必要とされる場合がある。従っ
て、ディスプレイ用フィルターに帯電防止能を付与する
ために、防眩層(C)が帯電防止能を有していることが
好ましい。この場合に必要とされる導電性は面抵抗で1
011Ω/□程度以下であれば良いが、ディスプレイ画
面の透明性や解像度を損なうものであってはならない。
防眩層(C)に帯電防止能を付与する方法としては、I
TOをはじめとする公知の透明導電膜を防眩層(C)上
に形成したり、透明導電膜を、反射防止防眩性を付与す
るために防眩層(C)上に形成した反射防止膜の構成要
素としたり、防眩層(C)に分散させる粒子をITO粒
子や酸化スズ粒子をはじめとする導電性粒子とすること
等が挙げられる。
学的、物理的安定性に欠け、環境中の汚染物質、水蒸気
等によって劣化し、凝集現象を起こすため、透明導電性
積層体の薄膜形成面には、薄膜が使用環境中の汚染物
質、水蒸気がさらされないようにガスバリア性を有する
層で被覆することが肝要である。従って、防眩層(C)
がガスバリア性を有していることが好適である。好適な
ガスバリア性は、透湿度で10g/m2・day以下である。
ときに簡単に取り除くことができるよう、ディスプレイ
用フィルター表面に防汚性を付与しても良い。この為に
は、防眩層(C)が防汚性を有すればよい。防汚性を有
する材料としては、水及び/または油脂に対して非濡性
を有するものであって、例えばフッ素化合物やケイ素化
合物が挙げられる。反射防止防眩性や帯電防止性等の他
の機能に併せる際には、それら機能を妨げるものであっ
てはならない。この場合、反射防止膜の構成材料に低屈
折率であるフッ素化合物を使用することや、フッ素系有
機分子を1〜数分子、最表面にコートすることによっ
て、反射防止防眩性や帯電防止性を維持しつつ防汚性を
付与することができる。
は、機器のケース内部に金属層を設けたり、ケースに導
電性材料を使用して電波を遮断する。ディスプレイの如
く透明性が必要である場合には、透明導電層を形成した
窓状のディスプレイ用フィルターを設置する。電磁波は
導電層において吸収されたのち電荷を誘起するため、ア
ースをとることによって電荷を逃がさないと、再び電磁
波シールド体がアンテナとなって電磁波を発振し電磁波
シールド能が低下する。従って、電磁波シールド性を付
与したディスプレイ用フィルターとディスプレイ本体の
ケース内部の導電部が電気的にコンタクトしている必要
がある。そのため、透明導電層は通電部分である透明導
電膜形成面が一部剥き出しており、防眩層(C)は、電
気的接触を得る部分以外に形成されている必要がある。
膜と電気的に接触した電極(E)を形成する。電極形状
は特に限定しない。しかしながら、ディスプレイ用フィ
ルターと機器の間に、電磁波の漏洩する隙間が存在しな
いことが肝要である。従って、透明導電膜上且つ周縁部
に連続的に、電極を形成すると好適である。すなわち、
ディスプレイからの光線透過部である中心部分を除いた
周縁部に、枠状に、平面な電極を形成する。
性および透明導電膜との密着性等の点から、銀、金、
銅、白金、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、亜
鉛、カーボン等の単体もしくは2種以上からなる合金
や、合成樹脂とこれら単体または合金の混合物、もしく
は、ホウケイ酸ガラスとこれら単体または合金の混合物
からなるペーストを使用できる。電極形成にはメッキ
法、真空蒸着法、スパッタ法など、ペーストといったも
のは印刷、塗工する方法など従来公知の方法を採用でき
る。また市販の導電性テープも好適に使用できる。電極
の厚さは、これもまた特に限定されるものではないが、
数μm〜数mm程度である。
明のディスプレイ用フィルターは、透過特性、近赤外線
カット性に優れているため、発光色補正フィルターや近
赤外線カットフィルターとしても好適に使用できる。従
ってこの場合は、防眩層(C)は、薄膜形成面を全て覆
っていて良い。
ィスプレイに装着したとき、装着用冶具、電極部分等が
視認者から見えないようにするために、透明支持体
(A)等に任意の額縁印刷を施して良い。印刷形状、印
刷面、印刷色、印刷方法は特に特定されるものではな
い。また、ディスプレイに装着するための穴加工やコー
ナ処理等の加工を施しても良い。
ラズマディスプレイの輝度、視認性を著しく損なわない
光学特性を有しており、さらにまた、プラズマディスプ
レイから発生する健康に害をなすといわれている電磁波
を遮断する電磁波シールド能に優れ、さらに、プラズマ
ディスプレイからでる800〜1000nm付近の近赤
外線線を効率よくカットするため、周辺電子機器のリモ
コン、伝送系光通信等が使用する波長に悪影響を与え
ず、それらの誤動作を防ぐことができる。また、耐候性
・耐環境性に優れ、耐擦傷性、防汚性、帯電防止性等を
兼ね備えている。さらに、従来のディスプレイ用フィル
ターより低コストに得ることができる。
する。本発明はこれらによりなんら制限されるものでは
ない。実施例中及び比較例中の透明導電層の薄膜は、基
材の一方の主面にマグネトロンDCスパッタリング法に
より成膜した。薄膜の厚さは、成膜条件から求めた値で
あり、実際に測定した膜厚ではない。高屈折率透明薄膜
層(b)であるITO薄膜は、ターゲットに酸化インジ
ウム・酸化スズ焼結体(組成比In2O3:SnO2=
90:10wt%))を、スパッタガスにアルゴン・酸
素混合ガス(全圧266mPa:酸素分圧5mPa)を用いて
成膜した。金属薄膜層(c)である銀薄膜は、ターゲッ
トに銀を、スパッタガスにアルゴンガス(全圧266mP
a)を用いて成膜した。
タレート(以下PET)フィルム(厚さ:75μm)を
高分子フィルム(a)としてその一方の主面に、PET
フィルムから順にITO薄膜(膜厚:40nm)、銀薄
膜(膜厚:11nm)、ITO薄膜(膜厚:95n
m)、銀薄膜(膜厚:14nm)、ITO薄膜(膜厚:
90nm)、銀薄膜(膜厚:12nm)、ITO薄膜
(膜厚:40nm)の計7層の透明導電膜を作製し、面
抵抗2.2Ω/□の透明導電層(B)であるスパッタフィル
ムを作製した。該透明導電層(B)の断面を、本発明に
おける透明導電層の一例を示す断面図として、図1に示
した。
%)溶剤に有機色素を分散・溶解させ、アクリル系粘着
剤の希釈液とした。アクリル系粘着剤/色素入り希釈液
(80:20wt%)を混合し、コンマコーターにより
スパッタフィルムの透明導電膜が形成されていない面に
乾燥膜厚25μmに塗工の後、乾燥させ、粘着面に離型
フィルムをラミネートして、色素入り粘着材(D)を片
面に有するスパッタフィルムを得た。有機色素は三井化
学(株)製色素PS−Red−G及びPS−Viole
t−RCがそれぞれ乾燥した粘着材中で380(wt)pp
m、530(wt)ppm含有するようにアクリル系粘着剤/色
素入り希釈液を調製した。
の主面に、多官能メタクリレート樹脂に光重合開始剤を
添加、さらに有機シリカ微粒子(平均粒径:15μm)
を分散させたコート液を、グラビア法により塗工・紫外
線硬化させ、防眩性(ヘーズメーター測定のヘーズ値:
5%)とハードコート性(JIS K5400準拠の鉛
筆硬度:2H)を有する防眩層(C)である防眩フィル
ムを作製した。防眩フィルムのコートしていない面に、
前記色素入り粘着材(D)と同様に、色素を入れないで
粘着材と離型フィルムを形成し、粘着材(D)を片面に
有する防眩フィルムを得た。透明支持体(A)として、
厚さ3mm、1000mm×600mmの風冷強化ガラ
スを用いた。
有するスパッタフィルムを風冷強化ガラスの一方の主面
に、離型フィルムを剥しながらラミネートした。さら
に、スパッタフィルムの上に粘着材(D)を片面に有す
る防眩フィルムを、周縁部20mmの透明導電膜すなわ
ち導電部が剥きだしになるように残して、離型フィルム
を剥しながら内側だけにラミネートした。さらに、剥き
だしの導電部を覆うように周縁部の幅22mmの範囲
に、銀ペースト(三井化学(株)製MSP−600F)
をスクリーン印刷し、乾燥させ厚さ10μmの電極
(E)を形成し、本発明のディスプレイ用フィルターを
作製した。電極形成面から見た平面図を、本発明のディ
スプレイ用フィルターの一例を示す平面図として、図2
に示した。本発明のディスプレイ用フィルターとその装
着状態の一例を示す断面図として、図3に示した。
下TAC)フィルム(厚さ:80μm)の一方の主面
に、多官能メタクリレート樹脂に光重合開始剤を加えた
コート液をグラビアコーターにて塗工し、紫外線硬化に
よってハードコート膜(膜厚:3μm)を形成し、その
上に含フッ素有機化合物溶液をマイクログラビアコータ
ーにて塗工・90℃乾燥・熱硬化させ、屈折率1.4の
反射防止膜(膜厚:100nm)を形成し、ハードコー
ト性、反射防止性(反射防止膜面の片面のRvis:1.
0%)、反射防止フィルムを得た。反射防止フィルムの
他方の主面に、実施例1と同様に色素を入れないで粘着
剤/希釈液を塗工・乾燥させ、厚さ25μmの粘着材を
形成し、さらに離型フィルムをラミネートして、片面に
粘着材を有した反射防止フィルムを得た。実施例1の防
眩フィルムの代わりに反射防止フィルムを実施例1と同
様に形成し、ディスプレイ用フィルターを作製した。
(B)が形成されている面を人側として、対角42型の
プラズマディスプレイパネルに装着した。この際、電極
(E)をプラズマディスプレイパネルの筐体に電気的に
接続した。いずれにおいても、電磁波シールド能、近赤
外線カット能は実用上、十分な能力を有していたが、比
較例1は、反射防止フィルムが形成されていない面の反
射により、周囲の照明等の外光が映り込み、視認性が悪
かった。これに対し、実施例1は、防眩フィルムが形成
されていない面の反射があり、反射率は高いものの、外
光の鏡面反射は拡散され、映り込みが少なく、視認性に
問題はなかった。
ディスプレイの輝度、視認性を著しく損なわない光学特
性を有し、且つ、プラズマディスプレイから発生する、
健康に害をなすといわれている電磁波を遮蔽する電磁波
シールド能、及び、周辺電子機器の誤操作をまねく近赤
外線を遮断する近赤外線カット能を兼ね備え、さらにま
た透過特性、耐候性・耐環境性、帯電防止性、耐擦傷
性、防汚性に優れたディスプレイ用フィルターを低コス
トに提供できる。
断面図
示す平電極形成面から見た平面図
の装着状態を示す断面図
Claims (5)
- 【請求項1】 透明支持体(A)、面抵抗0.1〜10
Ω/□の透明導電層(B)、防眩層(C)が、直接又は
粘着材(D)を介して少なくとも(A)/(B)/
(C)の順に積層されてなり、可視光線透過率35%以
上であることを特徴とするディスプレイ用フィルター。 - 【請求項2】 透明導電層(B)が、高分子フィルム
(a)の少なくとも一方の主面上に、高屈折率透明薄膜
層(b)および金属薄膜層(c)が、(b)/(c)を
繰返し単位として1〜4回繰り返し積層され、さらにそ
の上に少なくとも該高屈折率透明薄膜層(b)が積層さ
れてなることを特徴とする請求項1記載のディスプレイ
用フィルター。 - 【請求項3】 防眩層(C)が、反射防止防眩性、帯電
防止性、ガスバリア性、ハードコート性、防汚性から少
なくとも1つ選ばれる機能を有していることを特徴とす
る請求項1又は請求項2に記載のディスプレイ用フィル
ター。 - 【請求項4】 透明支持体(A)、防眩層(C)、粘着
材(D)、高分子フィルム(a)の少なくとも一つ以上
が色素を含有することを特徴とする請求項1〜3のいず
れかに記載のディスプレイ用フィルター。 - 【請求項5】 電極(E)が形成されていることを特徴
とする請求項1〜4のいずれかに記載のディスプレイ用
フィルター。
Priority Applications (1)
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JP27019799A JP2001092363A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | ディスプレイ用フィルター |
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JP27019799A JP2001092363A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | ディスプレイ用フィルター |
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Publication Number | Publication Date |
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- 1999-09-24 JP JP27019799A patent/JP2001092363A/ja active Pending
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