JP2004117545A - ディスプレイ用フィルタの製造方法 - Google Patents

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Tomoyuki Okamura
岡村 友之
Toshihisa Kitagawa
北川 敏久
Katsuhiko Koike
小池 勝彦
Shin Fukuda
福田 伸
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Abstract

【課題】透光性に優れ、電磁波シールド機能、近赤外線カット機能を有したディスプレイ用フィルタを低コストに得る。
【解決手段】透明基体Aと導電性メッシュ層Bと透明フィルムCとを、導電性メッシュ層8と透明フィルムCとの間に透光性粘着材を介して貼り合わせた後に、加圧処理を行うと言う極めて簡便な方法で、電磁波シールド機能、近赤外線カット機能を維持したまま、透光部の可視光線透過率を変化率10%以上増加させる。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイ用フィルタの製造方法に関し、さらに詳しくは、たとえばプラズマディスプレイから発生する、身体への影響が懸念されている電磁波を遮断する電磁波シールド機能、および、周辺電子機器の誤動作をまねく近赤外線を遮断する近赤外線カット機能を備え、透光性に優れた低コストのディスプレイ用フィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスプレイはテレビジョン用、パーソナルコンピュータ用等として著しく普及し、また、その薄型化、大型化が進んでおり、大型の薄型ディスプレイとしてプラズマディスプレイが注目されている。しかしプラズマディスプレイは、その構造や動作原理上、強度の漏洩電磁界(電磁波)、近赤外線を発生する。電磁波に関しては電気製品取締法等により規制が設けられており、規格値内に抑えることが必要となってきている。また、近赤外線光は、コードレスフォン等の周辺電子機器に作用して誤動作を引き起こす問題が生じており、近赤外領域である800〜1000nmの波長領域の光を実用上問題ないレベルまでカットする必要がある。
【0003】
電磁波を遮蔽するには、ディスプレイ表面を導電性の高い導電物でおおう必要があり、合成繊維または金属繊維のメッシュに金属被覆したもの、または、金属膜を形成後にたとえば格子パターン状にエッチング処理したエッチング膜からなる、導電性メッシュ層を用いることができる。
【0004】
また、プラズマディスプレイの表示部は一般に強度が低いため、それを保護する必要がある。表示部を保護し、プラズマディスプレイから放射される近赤外線、電磁波を遮断する部材として、上記のような性能を付加して板状にしたプラズマディスプレイ用フィルタすなわち前面フィルタをディスプレイの前面に設置したり、プラズマディスプレイ表面に貼合する必要がある。また、前面に配置させるため、その可視光線透過率が著しく低かったり、照明等の映り込みがあると、ディスプレイの輝度・画像の鮮明さ・視認性が低下することになる。
【0005】
上記の如く、ディスプレイ用フィルタには複数の機能が要求されており、それらを満たすためには、各機能を有する層を積層する必要がある。たとえば、導電性メッシュ層を有する透明基板に反射防止フィルムや近赤外線吸収フィルム等の機能性フィルムを透明な粘着材を貼り合わせる必要がある。特に導電メッシュ層上はメッシュ層の劣化防止や透光性向上などの目的で、透明フィルムやシートを貼合することが望ましい(特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−53488
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、導電性メッシュ層の主面上に粘着材を介して透明フィルムを貼り合わせると、導電性メッシュ層は凹凸を有しているために凹部に気泡を噛み込み、濁りのある、透光性の不足したディスプレイ用フィルタとなってしまう問題がある。この問題を解決するために予め導電性メッシュ層の凹部に透明な樹脂を埋め込み、貼り合わせた後も気泡を噛み込ませず濁らせない透明化処理が行われているが、工程数が多くなるだけでなく、その歩留まりの低さによって、コスト高となることが問題となっている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、導電性メッシュ層上に粘着材を介して機能性フィルムを貼り合わせた後に、加圧処理を行うことにより積層体の透光部の可視光線透過率を変化率10%以上増加させ、導電性メッシュ層の透明化処理が不要な透光性に優れたディスプレイ用フィルタの製造方法を見出し、本発明に到った。
【0009】
すなわち、本発明は、透明基体(A)と、透明基体(A)の一方の主面上に形成される導電性メッシュ層(B)を有し、透明フィルム(C)が透光性粘着材(D)を介して該導電性メッシュ層(B)上に形成された少なくとも(A)/(B)/(D)/(C)の順で構成される積層体を加圧することにより、積層体の透光部の可視光線透過率を変化率10%以上増加せしめて得られることを特徴とするディスプレイ用フィルタの製造方法である。
【0010】
本発明は、加圧容器内にて0.2MPa〜2MPaで加圧し、10分以上、6時間以下保持して得られることを特徴とする。
【0011】
本発明は、導電性メッシュ層(B)の厚みがdμmのとき、透光性粘着材(D)の厚みが(d−2)〜(d+30)μmであることを特徴とする。
【0012】
本発明は、ハードコート性、反射防止性、防眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、近赤外線カット性からいずれか1つ以上選ばれる機能を有している機能性透明層(E)が、透明基体(A)の他方の主面上に形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明は、ハードコート性、反射防止性、防眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、近赤外線カット性からいずれか1つ以上選ばれる機能を有している機能性透明層(E)が、透明フィルム(C)上に形成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明は、ハードコート性、反射防止性、防眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、近赤外線カット性からいずれか1つ以上選ばれる機能を有している機能性透明層(E)が、透明基体(A)の他方の主面上および透明フィルム(C)上に形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明は、色素を含有することを特徴とする。
本発明は、導電性メッシュ層に接続された電極部を有していることを特徴とする。
【0016】
本発明は、プラズマディスプレイに用いられる前述のディスプレイ用フィルタの製造方法である。
本発明は、前述の製造方法で得られるディスプレイ用フィルタである。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る導電性メッシュ層のメッシュパターンの一例を示す平面図であり、図2は本発明に係るディスプレイ用フィルタの構成の一例を示す断面図であり、図3は図1および図2に示される本発明の実施の一形態の構成を簡略化して示す断面図である。本発明は、図3のように導電性メッシュ層B上に粘着材Dを介して機能性フィルムCを貼り合わせた後に、加圧処理を行うことにより透光部の可視光線透過率を変化率10%以上増加させる、透光性に優れかつ低コストのディスプレイ用フィルタの製造方法を特徴とするものである。本件明細書中、透明、透光性というのは、可視光を透過する特性を表わす。導電性メッシュ層Bを形成する透明基体Aとしては、ガラス、石英等の無機化合物成形物と透明な有機高分子成形物が挙げられる。透明基体Aは導電性メッシュ層B等を形成する前に、必要な各種公知の前処理を行うことができるし、ディスプレイ用フィルタ周縁部となる部分に黒色等の有色の額縁印刷を施しても良い。ガラスは、機械的強度を付加するために化学強化加工または風冷強化加工を行った半強化ガラス板または強化ガラス板が好ましい。
【0018】
高分子成形物は軽く割れにくいため、好適に使用できる。高分子成形物は可視波長領域において透明であればよく、その種類を具体的に挙げれば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら透明な高分子成形物は、板(シート)状であってもフィルム状であっても良いし、ハードコート層等を有していても良い。可撓性を有する透明な高分子フィルムは、導電性メッシュ層Bをロール・ツー・ロール法で連続的に形成することができる。また、これをディスプレイ表面のガラスに貼り付けて用いることもできる。
【0019】
上記の透明基体Aは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。たとえば、高分子フィルムを用いた場合、導電性メッシュ層Bが形成されたまたは形成される面とは反対の主面を、透光性の粘着材または接着剤を介して、ディスプレイ用フィルタの支持体となるガラス板、透光性のプラスチック板に貼り合わせることができる。この場合、高分子フィルムと貼り合わせられたガラス板またはプラスチック板をまとめて透明基体Aと見なす。上記の高分子フィルムをガラス板やプラスチック板に貼り付けることによって、破損時のガラスやプラスチックの飛散を防止することができる。
【0020】
上記の支持体としては機械的強度や、軽さ、割れにくさからは、プラスチック板が望ましいが、熱による変形等の少ない熱的安定性からガラス板も好適に使用できる。プラスチック板の具体例を挙げると、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)をはじめとするアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、透明ABS樹脂等が使用できるが、これらの樹脂に限定されるものではない。特にPMMAはその広い波長領域での高透明性と機械的強度の高さから好適に使用できる。プラスチック板の厚みは充分な機械的強度と、たわまずに平面性を維持する剛性が得られればよく、特に限定されるものではないが、通常1mm〜10mm程度である。ガラス板を使用する場合は、化学強化加工または風冷強化加工を行った半強化ガラス板または強化ガラス板を用いることが望ましい。重量を考慮すると、その厚みは1〜4mm程度であることが好ましい。また、これらガラス板またはプラスチック板の、ディスプレイ用フィルタ周縁部となる部分に黒色等の有色の額縁印刷を施しても良い。
【0021】
上記の強度の電磁波の遮蔽には導電性メッシュ層Bを用いる。メッシュ形状としては格子状、ハニカム状であっても良く、特に限定はされない。導電性メッシュ層Bを透明基体A上に形成する方法は従来公知の方法を用いることができ、たとえば、(1)透明基体A上に導電性インキをスクリーン印刷、グラビア印刷等の公知の印刷法によりパターン印刷する、(2)導電性繊維からなる編布を接着剤または粘着材を介して貼り合わせる、(3)銅、アルミニウム、またはニッケル等からなる金属箔を接着剤または粘着材を介して貼り合わせた後にパターニングする、(4)銅、アルミニウム、またはニッケル等からなる金属薄膜を蒸着、スパッタリング、無電解メッキ等の各種公知の薄膜形成方法によって形成した後にパターニングする、等が挙げられるが、特に限定はされない。上述の(3)、(4)のパターニング方法としては、これも特に限定はされないが、たとえばフォトリソグラフィ法が挙げられる。具体的には金属箔または金属薄膜上に感光性レジストを塗工または感光性レジストフィルムをラミネートし、パターンマスクを密着させて露光後、現像液で現像してレジストパターンを形成し、さらに適当なエッチング液でパターン部以外の金属を溶出させて所望の導電性メッシュ層Bを形成する。
【0022】
導電性メッシュ層Bの厚さとしては、0.5〜20μmで、必要な電磁波シールド機能、つまりは導電性と、必要な開口率、導電性メッシュ層の形成方法によって決定される。プラズマディスプレイの電磁波遮蔽に必要な導電性は、面抵抗で3Ω/□以下、好ましくは1Ω/□以下、さらに好ましくは0.3Ω/□以下である。導電性メッシュ層Bの厚さが薄すぎると、導電性が不足し、厚すぎるとコストアップにつながるため、好適には5〜15μmである。
【0023】
また、導電性メッシュ層Bのパターンは、線幅は細いほど、ピッチが広いほど、開口率つまりは透過率が高くなり、また、ディスプレイの画素との視認できる干渉縞を起こしにくくなり好適である。しかしながら、開口率を上げすぎると、導電性メッシュ層Bの持つ導電性が不足するため、線幅は5〜20μm、ピッチは150〜400μmが好適に採用できる。さらにまた、メッシュパターンは、たとえば格子パターンの場合、縦横に並んで配置されたディスプレイの画素と視認できる干渉縞を起こさないように、画素が並んだ線に対してメッシュパターンの線がある程度の角度(バイアス角)を有していることが肝要である。干渉縞を起こさないバイアス角は、画素のピッチや、メッシュパターンのピッチ・線幅により変化するので、特に限定されない。
【0024】
また、導電性メッシュ層Bが、特に銅やアルミニウム、ニッケル等の金属からなる場合、その表面および/またはその透明基体Aとの界面に、黒色顔料または黒色染料を含有する層、または、クロム等からなる黒色層を有していると、金属による反射を防止することでき、コントラスト・視認性に優れたディスプレイ用フィルタを得られるので好適である。
【0025】
さらにまた、導電性メッシュ層Bはディスプレイに設置したときに透光部となる部分以外、つまりは表示部ではない部分や額縁印刷に隠れた部分は、必ずしもメッシュパターンを有している必要がなく、これら部分はパターニングされていない、たとえば金属箔ベタの層であっても良い。加えて、パターニングされていないベタ部分が、黒色であると、そのままディスプレイ用フィルタの額縁印刷として使えて好適である。
【0026】
本発明においては、透明基体Aと、導電メッシュ層Bと、透光性粘着剤Dを介して透明フィルムCとを貼合し、積層体を得る。たとえば、透明基体Aの主面上に形成された導電性メッシュ層B上に、透光性粘着材Dを介して透明フィルムCを貼り合わせて積層体を得る方法や、透明フィルムCと導電性メッシュ層Bとを、透光性粘着材Dを介して積層した後、透明基体Aと、必要に応じて透光性粘着材Dを介して貼り合わせて積層体を得る方法を例示できる。
【0027】
透明フィルムCは、可視波長領域において透明な高分子フィルムであり、その種類を具体的に挙げれば、透明基体Aの高分子成形体で例示した材料と同様の物を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
本発明において、貼り合わせ(ラミネート)は、可視光線に対して透明な任意の粘着材または接着剤を介して行う。具体的にはアクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PVB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等が挙げられ、実用上の接着強度があればシート状のものでも液状のものでもよい。粘着材は感圧型接着剤でシート状のものが好適に使用できる。シート状粘着材貼り付け後または接着材塗布後に各部材をラミネートすることによって貼り合わせを行う。液状のものは塗布、貼り合わせ後に室温放置または加熱により硬化する接着剤である。塗布方法としては、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法等が挙げられるが、接着剤の種類、粘度、塗布量等から考慮、選定される。層の厚みは、特に限定されるものではないが、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜30μmである。粘着層を形成される面、貼り合わせられる面は、予め易接着コートまたはコロナ放電処理などの易接着処理により濡れ性を向上させておくことが好適である。
【0029】
本発明においては、透明基体Aと導電性メッシュ層Bと透明フィルムCとを貼り合わせる際、特に透光性粘着材Dを用いる。透光性粘着材Dの具体例としては前記と同じだが、その厚さが導電性メッシュ層Bの凹部を充分埋め込むことができることが肝要である。導電性メッシュ層Bの厚さより薄すぎると、埋め込み不充分で間隙ができてしまい、後述の処理を行っても充分に透過率を向上させることはできない。また、厚すぎると粘着材を作製するコストがアップする等の問題が生じる。本発明者らは、導電性メッシュ層Bの厚さがdμmであるとき、透光性粘着材Dの厚さは(d−2)〜(d+30)μmであることが必要であることを見出した。
【0030】
前述したとおり、凹凸を有する導電性メッシュ層B上に粘着材を介してフィルムを貼り合わせると、導電性メッシュ層の凹凸により凹部に気泡を噛み込み、濁りのある、透光性の不足したディスプレイ用フィルタとなってしまう。
【0031】
ディスプレイ用フィルタの可視光線透過率は、30〜85%が好ましい。さらに好ましくは35〜75%である。30%未満であると輝度が下がりすぎ視認性が悪くなる。
【0032】
なお、本発明における可視光線透過率、可視光線領域における透過率の波長依存性からJIS(R−3106)に従って計算されるものである。
【0033】
本発明者らは充分な厚さを有する透光性粘着材Dを用い、加圧処理を行うことよって、積層体の透過率を向上させることができることを見出した。貼り合わせ後に加圧処理することによって、貼り合わせ時に部材間に入り込んだ気体を脱泡または、粘着材に固溶させ、積層体の濁りを無くすことを見出したのである。
【0034】
加圧処理は、噛み込んだ気泡による積層体の濁りを無くし、充分に透過率を向上させることができる方法、条件を用いることが必要である。可視光線透過率を変化率10%以上向上させることができることが望ましい。ここで、変化率は、加圧処理前の可視光線透過率に対する、処理後の可視光線透過率の変化量の百分率である。
【0035】
加圧方法としては、平板間に積層体を挟み込みプレスする方法、ニップロール間を加圧しながら通す方法、加圧容器内に入れて加圧する方法が挙げられるが、特に限定はされない。加圧容器内で加圧する方法は、積層体全体に一様に圧力がかかり加圧のムラが無く、また、一度に複数枚の積層体を処理できるので好適である。加圧容器としてはオートクレーブ装置を用いることができる。
【0036】
加圧条件としては、圧力が高い程、噛み込んだ気泡を無くすことができ、かつ、処理時間を短くすることができるが、積層体の耐圧性、加圧方法の装置上の制限から、0.2MPa〜2MPa程度、好ましくは0.4MPa〜1.3MPaである。また、加圧時間は、加圧条件によって変わり特に限定されないが、長くなりすぎると処理時間がかかりコストアップとなるので、適当な加圧条件において保持時間が10分以上、6時間以下であることが好ましい。特に加圧容器の場合は、設定圧力に到達後、10分〜3時間程度保持することが好適である。
【0037】
また、加圧時に同時に加温できると好ましい場合がある。加温することによって、透光性粘着材Dの流動性が一時的に上がり噛み込んだ気泡を脱泡しやすくなったり、気泡が粘着材中に固溶しやすくなる。加温条件としては積層体を構成する各部材の耐熱性に依り、室温以上80℃以下程度であるが、特に限定を受けない。
【0038】
さらにまた、加圧処理、または、加圧加温処理は、貼り合わせ後の積層体を構成する各部材間の密着力を向上させることができ、好適である。
【0039】
ディスプレイ用フィルタは、少なくとも一方の主面、好ましくは両方の主面に、すなわち、図3のように透明基体Aの導電性メッシュ層Bが形成されていない主面上、または図4のように透明フィルムC上に、ハードコート性、反射防止性、防眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、近赤外線カット性からいずれか1つ以上選ばれる機能を有している機能性透明層Eが形成されていることが好ましい。本発明の実施のさらに他の形態では、図5のように、透明基体Aの導電性メッシュ層Bが形成されていない主面上および透明フィルムC上に、前記機能性透明層Eが形成されていることが好ましい。
【0040】
本発明における機能性透明層Eは、前記各機能を1つ以上有する機能膜でも、各機能を1つ以上有する機能膜を単数または複数層形成した透明な高分子フィルムでも、各機能を有する透明な高分子フィルムでも良い。機能膜の形成には、無機化合物薄膜の成膜の場合は、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着、湿式塗工等、従来公知の方法のいずれでも採用できるし、有機化合物薄膜の成膜の場合は、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート法等の湿式塗工後に乾燥・硬化させる方法等、従来公知の方法を採用できる。機能性透明層Eが、機能膜を単数または複数層形成した透明な高分子フィルム、または、各機能を有する透明な高分子フィルムの場合、その形成は、前述の如く、可視光線に対して透明な任意の粘着材または接着剤を介した貼り合せ(ラミネート)によって行う。
【0041】
機能性透明層Eを設けたディスプレイ用フィルタの構成としては、たとえば、(1)前述の図4のように機能性透明層E/透明フィルムC/透光性粘着材D/導電性メッシュ層B/高分子フィルムA、(2)前述の図3のように透明フィルムC/透光性粘着材D/導電性メッシュ層B/高分子フィルムA/機能性透明層E、(3)前述の図5のように機能性透明層E/透明フィルムC/透光性粘着材D/導電性メッシュ層B/高分子フィルムA/機能性透明層Eでも良いし、(4)機能性透明層E/透明フィルムC/透光性粘着材D/導電性メッシュ層B/高分子フィルムA/透明な粘着材/ガラス、(5)透明フィルムC/透光性粘着材D/導電性メッシュ層B/高分子フィルムA/透明な粘着材/ガラス/機能性透明層E、(6)機能性透明層E/透明フィルムC/透光性粘着材D/導電性メッシュ層B/高分子フィルムA/透明な粘着材/ガラス/機能性透明層E、等も挙げられる。
【0042】
ディスプレイは、照明器具等の映り込みによって表示画面が見づらくなってしまうので、機能性透明層Eは、外光反射を抑制するための反射防止(AR:アンチリフレクション)性、または、鏡像の映り込みを防止する防眩(AG:アンチグレア)性、またはその両特性を備えた反射防止防眩(ARAG)性のいずれかの機能を有していることが好ましい。ディスプレイ用フィルタ表面の可視光線反射率が低いと、映り込み防止だけではなく、コントラスト等を向上させることができる。
【0043】
反射防止性を有する機能性透明層Eは、反射防止膜を有する。反射防止膜として具体的には、可視域において屈折率が1.5以下、好適には1.4以下と低い、フッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウム、シリコン系樹脂や酸化珪素の薄膜等をたとえば1/4波長の光学膜厚で単層形成したもの、屈折率の異なる、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、窒化物、硫化物等の無機化合物またはシリコン系樹脂やアクリル樹脂、フッ素系樹脂等の有機化合物の薄膜を2層以上多層積層したものがある。反射防止性を有する機能性透明層Eの表面の可視光線反射率は2.5%以下、好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは0.8%以下である。
【0044】
防眩性を有する機能性透明層Eは、0.1μm〜10μm程度の微少な凹凸の表面状態を有する可視光線に対して透明な防眩膜を有している。具体的には、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂に、シリカ、有機珪素化合物、メラミン、アクリル等の無機化合物または有機化合物の粒子を分散させインキ化したものを、基体上に塗布、硬化させる。粒子の平均粒径は、1〜40μmである。または、上記の熱硬化型または光硬化型樹脂を基体に塗布し、所望のヘイズまたは表面状態を有する型を押しつけ硬化することによっても防眩性を得ることができるが、必ずしもこれら方法に限定されるものではない。防眩性を有する機能性透明層Eのヘイズは0.5%以上20%以下であり、好ましくは1%以上10%以下である。ヘイズが小さすぎると防眩性が不充分であり、ヘイズが大きすぎると透過像鮮明度が低くなる傾向がある。
【0045】
ディスプレイ用フィルタに耐擦傷性を付加させるために、機能性透明層Eがハードコート性を有していることも好適である。ハードコート膜としてはアクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂等が挙げられるが、その種類も形成方法も特に限定されない。これら膜の厚さは、1〜50μm程度である。ハードコート性を有する機能性透明層Eの表面硬度は、JIS(K―5400)に従った鉛筆硬度が少なくともH、好ましくは2H、さらに好ましくは3H以上である。
【0046】
さらに、ディスプレイ用フィルタには、静電気帯電によりホコリが付着しやすく、また、人体が接触したときに放電して電気ショックを受けることがあるため、帯電防止処理が必要とされる場合がある。したがって、静電気防止能を付与するために、機能性透明層Eが導電性を有していても良い。この場合に必要とされる導電性は面抵抗で1011Ω/□程度以下であれば良い。導電層としてはITO(インジウム錫酸化物)をはじめとする公知の透明導電膜やITO超微粒子や酸化錫超微粒子をはじめとする導電性超微粒子を分散させた導電膜が挙げられる。
【0047】
さらに、指紋等の汚れ防止や汚れが付いたときに簡単に取り除くことができるよう、機能性透明層E表面が防汚性を有していると良い。防汚性を有するものとしては、水および/または油脂に対して非濡性を有するものであって、たとえばフッ素化合物やケイ素化合物が挙げられる。
【0048】
さらにまた、ディスプレイ用フィルタが含有する色素が、ディスプレイから放射される、または、外光が含む紫外線により劣化することを防ぐために、機能性透明層Eが、紫外線カット性を有していても良い。たとえば、紫外線を吸収する無機薄膜単層または多層からなる反射防止膜、または、紫外線吸収剤を含有するハードコート膜である。
【0049】
前述したがプラズマディスプレイは強度の近赤外線を発生するため、実用上問題無いレベルまでカットする必要がある。問題である波長領域800〜1000nmであった、当該波長領域における透過率を30%以下、好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下とすることが必要である。また、プラズマディスプレイに用いるディスプレイ用フィルタはその透過色がニュートラルグレーまたはブルーグレーであることが要求される。これは、プラズマディスプレイの発光特性およびコントラストを維持または向上させる必要があったり、標準白色より若干高めの色温度の白色が好まれる場合があるからである。さらにまた、カラープラズマディスプレイはその色再現性が不充分と言われており、その原因である蛍光体または放電ガスからの不要発光を選択的に低減することが好ましい。特に赤色表示の発光スペクトルは、波長580nmから700nm程度までにわたる数本の発光ピークを示しており、比較的強い短波長側の発光ピークにより赤色発光がオレンジに近い色純度の良くないものとなってしまう問題がある。
【0050】
これら、光学特性は、色素を用いることによって制御できる。つまり、近赤外線カットには近赤外線吸収剤を用い、また、不要発光の低減には不要発光を選択的に吸収する色素を用いて、所望の光学特性とし、ディスプレイ用フィルタの色調も可視領域に適当な吸収のある色素を用いて好適なものとすることができる。
【0051】
色素を含有させる方法としては、(1)色素を少なくとも1種類以上、透明な樹脂に混錬させた高分子フィルムまたは樹脂板、(2)色素を少なくとも1種類以上、樹脂または樹脂モノマー/有機系溶媒の樹脂濃厚液に分散・溶解させ、キャスティング法により作製した高分子フィルムまたは樹脂板、(3)色素を少なくとも1種類以上を、樹脂バインダーと有機系溶媒に加え、塗料とし、高分子フィルムまたは樹脂板上にコーティングしたもの、(4)色素を少なくとも1種類以上を含有する透明な粘着材、のいずれか1つ以上選択できるが、これらに限定されない。本発明でいう含有とは、基材または塗膜等の層または粘着材の内部に含有されることは勿論、基材または層の表面に塗布した状態を意味する。
【0052】
色素は可視領域に所望の吸収波長を有する一般の染料または顔料、または、近赤外線吸収剤であって、その種類は特に限定されるものではないが、たとえばアントラキノン系、フタロシアニン系、メチン系、アゾメチン系、オキサジン系、アゾ系、スチリル系、クマリン系、ポルフィリン系、ジベンゾフラノン系、ジケトピロロピロール系、ローダミン系、キサンテン系、ピロメテン系、ジチオール系化合物、ジイミニウム系化合物等の一般に市販もされている有機色素が挙げられる。その種類・濃度は、色素の吸収波長・吸収係数、ディスプレイ用フィルタに要求される透過特性・透過率、そして分散させる媒体または塗膜の種類・厚さから決まり、特に限定されるものではない。
【0053】
プラズマディスプレイパネルはパネル表面の温度が高く、環境の温度が高いときは特にディスプレイ用フィルタの温度も上がるため、色素は、たとえば80℃で分解等によって顕著に劣化しない耐熱性を有していることが好適である。また、耐熱性に加えて色素によっては耐光性に乏しいものもある。プラズマディスプレイの発光や外光の紫外線・可視光線による劣化が問題になる場合は、紫外線吸収剤を含む部材や紫外線を透過しない部材を用いることによって、色素の紫外線による劣化を低減すること、紫外線や可視光線による顕著な劣化がない色素を用いることが肝要である。熱、光に加えて、湿度や、これらの複合した環境においても同様である。劣化するとディスプレイ用フィルタの透過特性が変わってしまう。さらには、媒体または塗膜中に分散させるために、適宜の溶媒への溶解性や分散性も重要である。
【0054】
異なる吸収波長を有する色素2種類以上を1つの媒体または塗膜に含有させても良いし、色素を含有する媒体、塗膜を2つ以上有していても良い。
【0055】
上記の色素を含有する方法(1)〜(4)は、本発明においては、色素を含有する透明基体A、色素を含有する透明フィルムC、色素を含有する透光性粘着材D、色素を含有する機能性透明層E、その他貼り合わせに用いられる色素を含有する透光性の粘着材または接着剤のいずれか1つ以上の形態をもって、本発明のディスプレイ用フィルタに使用できる。
【0056】
電磁波シールドを必要とする機器には、機器のケース内部に金属層を設けたり、ケースに導電性材料を使用して電波を遮断する。ディスプレイの如く表示部に透明性が必要である場合には、窓状のディスプレイ用フィルタを設置する。電磁波は導電層において吸収されたのち電荷を誘起するため、アースをとることによって電荷を逃がさないと、再びディスプレイ用フィルタがアンテナとなって電磁波を発振し電磁波シールド能が低下する。したがって、ディスプレイ用フィルタとディスプレイ本体のアース部が電気的に接触している必要がある。そのため、前述の透明粘着材Dおよび透明フィルムCは、外部から導通を取ることができる導通部を残して導電性メッシュ層B上に形成されている必要がある。導通部の形状は特に限定しないが、ディスプレイ用フィルタとディスプレイ本体の間に、電磁波の漏洩する隙間が存在しないことが肝要である。したがって、導通部は、導電性メッシュ層Bの周縁部かつ連続的に設けられていることが好適である。すなわち、ディスプレイの表示部である中心部分を除いて、枠状に、導通部が設けられていることが好ましい。
【0057】
導通部はメッシュパターン層であっても、パターニングされていない、たとえば金属箔ベタの層であっても良い。
【0058】
導通部の保護のため、および、電気的接触を良好とするために、導通部に電極を形成することが好ましい。電極形状は特に限定しない。しかしながら、導通部をすべて覆うように形成されていることが好適である。導通部が、たとえば金属箔ベタのようにパターニングされていない、および/または、導通部の機械的強度が充分強い場合は、導通部そのままを電極として使用できて好適である。
【0059】
電極に用いる材料は、導電性、耐触性および透明導電膜との密着性等の点から、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛、カーボン等の単体もしくは2種以上からなる合金や、合成樹脂とこれら単体または合金の混合物、もしくは、ホウケイ酸ガラスとこれら単体または合金の混合物からなるペーストを使用できる。ペーストの印刷、塗工には従来公知の方法を採用できる。また市販の導電性テープも好適に使用できる。導電性テープは両面ともに導電性を有するものであって、カーボン分散の導電性接着剤を用いた片面接着タイプ、両面接着タイプが好適に使用できる。電極の厚さは、これもまた特に限定されるものではないが、数μm〜数mm程度である。
【0060】
本発明のディスプレイ用フィルタの製造方法によれば、プラズマディスプレイの輝度を著しく損なわずに、その画質を維持または向上させることができる光学特性に優れたディスプレイ用フィルタを得ることができる。さらにまた、プラズマディスプレイから発生する身体への影響が懸念されている電磁波を遮断する電磁波シールド能に優れ、さらに、プラズマディスプレイからでる800〜1000nm付近の近赤外線線を効率よくカットするため、周辺電子機器のリモコン、伝送系光通信等が使用する波長に悪影響を与えず、それらの誤動作を防ぐことができるディスプレイ用フィルタを低コストに提供できる。
【0061】
図6は本発明の実施の他の形態の簡略化した断面図である。このディスプレイ用フィルタは、前述の図1〜図3の実施の形態に類似するが、注目すべきは、透明基体Aの導電性メッシュ層Bと反対側(図6の上方)の主面には、前述の図3における機能性透明層Eは形成されておらず、A/B/D/Cの順で構成される積層体が前述のように加圧されて構成される。
【0062】
[実施例]
次に、本発明を実施例1,2により、図1および図2を参照しながらさらに具体的に説明する。本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。
【0063】
[実施例1]
両面黒化処理された厚さ10μmの銅箔が透光性の接着剤13を介して貼り合わせられた2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下PET)フィルム(厚さ:100μm)21を、ロール・ツー・ロールのフォトリソグラフィ法により透光部とする部分の銅箔層11を線幅12μm、ピッチ300μm、バイアス角60°の格子パターン12にパターニングし、導電性メッシュ層B,10が形成されたメッシュフィルムロールを得た。該メッシュフィルムロールのPET21面に、透明なアクリル系粘着材22を形成し、該アクリル系粘着材22を介して、厚さ2.5mm、外形寸法950mm×550mmの熱処理ガラス基板23に貼り合せて透明基体A,20を形成した。この状態で、電極として用いることができるパターニングされていない銅箔層部分11が、周縁部に15mmあるようにした。前述の図1は、熱処理ガラス23に該導電性メッシュ層B,10を設けたときのメッシュパターンを示す平面図である。導電性メッシュ層B,10は、周縁部に沿って幅15mmの銅ベタから成る銅箔層部分である導通部11と、ディスプレイ画面を覆うためのメッシュパターン部12とを有する。
【0064】
次に、周縁部から内側10mmの位置よりさらに内側のパターニングされていない銅箔層および該導電性メッシュ層B,10上に、厚さ25μmのアクリル系透光性粘着材D,30を介して、厚さ75μmPETフィルム(東洋紡績(株)製商品名エスペットA4100)C,40を貼り合せた。
【0065】
また、熱処理ガラス23の他方の主面上に、厚さ100μmのPETフィルム53、反射防止層52、近赤外線吸収剤含有層51からなる反射防止機能付近赤外線吸収フィルム(住友大阪セメント(株)製 クリアラスAR/NIR)50を、ディスプレイ用フィルタの透過特性を調整する調色色素(三井化学 PS−Red−G、PS−Violet−RC)を含有させた透明なアクリル系粘着材54を介して貼り合わせることによって、機能性透明層Eが設けられる。こうしてディスプレイ用フィルタを作製した。前述の図2は、該ディスプレイ用フィルタの構成を示す断面図である。次に、このディスプレイ用フィルタをオートクレーブ容器に入れ、温度設定40℃、圧力設定0.8MPa、昇圧時間30分、保持時間30分の条件で、加圧処理した。
【0066】
[実施例2]
実施例1と同様にディスプレイ用フィルタを作製し、このディスプレイ用フィルタをオートクレーブ容器に入れ、温度設定無し、圧力設定0.4MPa、昇圧時間20分、保持時間1時間の条件で、加圧処理した。
【0067】
[比較例1]
実施例1と同様にディスプレイ用フィルタを作製し、加圧処理をしなかった。
【0068】
以上のようにして得られた実施例1および2ならびに比較例1の製造方法により得られたディスプレイ用フィルタの透光部を、5cm□に切り出し、(株)日立製作所製分光光度計(商品名U−3400)の反射積分球(光線入射角度6°)のサンプル側入射口にサンプルを固定し、300〜800nmにおける測定対象物の全光線透過率を測定した。結果を表1に掲げる。
【0069】
【表1】
Figure 2004117545
【0070】
表1から明らかなように、加圧処理により驚くべきほどに可視光線透過率を向上することができた。
【0071】
また、実施例1および2得られたディスプレイ用フィルタは、実用上問題ない電磁波遮蔽能(面抵抗0.1Ω/□以下)および近赤外線カット機能(300〜800nmの透過率が15%以下)を有し、表面に有する反射防止層により視認性に優れていた。
【0072】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、透光性、かつ、プラズマディスプレイから発生する身体への影響が懸念されている電磁波を遮断する電磁波シールド能に優れ、さらに、プラズマディスプレイからでる800〜1000nm付近の近赤外線線を効率よくカットするため、周辺電子機器のリモコン、伝送系光通信等が使用する波長に悪影響を与えず、それらの誤動作を防ぐことができる、低コストのディスプレイ用フィルタを低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における導電性メッシュ層Bのパターンの一例(実施例1および2)を示す平面図である。
【図2】本発明のディスプレイ用フィルタの一例(実施例1および2)を示す断面図である。
【図3】図1および図2に示される本発明の実施の一形態の構成を簡略化して示す断面図である。
【図4】本発明の実施の他の形態の構成を簡略化して示す断面図である。
【図5】本発明の実施の他の形態の構成を簡略化して示す断面図である。
【図6】本発明の実施の他の形態の簡略化した断面図である。
【符号の説明】
10 導電性メッシュ層B
11 導通部(パターニングされていない銅ベタ部)
12 メッシュパターン部
13 透光性の接着剤
20 透明基体A
21,53 高分子フィルム
22 透明なアクリル系粘着材
23 熱処理ガラス
30 透光性粘着材D
40 透明フィルムC
50 色素を含有する機能性透明層E
51 近赤外線吸収剤含有層
52 ハードコート性および静電防止性および防汚性を有する反射防止層
54 色素を含有する透明なアクリル系粘着材

Claims (10)

  1. 透明基体(A)と、透明基体(A)の一方の主面上に形成される導電性メッシュ層(B)を有し、透明フィルム(C)が透光性粘着材(D)を介して該導電性メッシュ層(B)上に形成された少なくとも(A)/(B)/(D)/(C)の順で構成される積層体を加圧することにより、積層体の透光部の可視光線透過率を変化率10%以上増加せしめて得られることを特徴とするディスプレイ用フィルタの製造方法。
  2. 加圧容器内にて0.2MPa〜2MPaで加圧し、10分以上、6時間以下保持して得られることを特徴とする請求項1記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。
  3. 導電性メッシュ層(B)の厚みがdμmのとき、透光性粘着材(D)の厚みが(d−2)〜(d+30)μmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。
  4. ハードコート性、反射防止性、防眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、近赤外線カット性からいずれか1つ以上選ばれる機能を有している機能性透明層(E)が、透明基体(A)の他方の主面上に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。
  5. ハードコート性、反射防止性、防眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、近赤外線カット性からいずれか1つ以上選ばれる機能を有している機能性透明層(E)が、透明フィルム(C)上に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。
  6. ハードコート性、反射防止性、防眩性、静電気防止性、防汚性、紫外線カット性、近赤外線カット性からいずれか1つ以上選ばれる機能を有している機能性透明層(E)が、透明基体(A)の他方の主面上および透明フィルム(C)上に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。
  7. 色素を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。
  8. 導電性メッシュ層に接続された電極部を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。
  9. プラズマディスプレイに用いられる請求項1〜6のいずれかに記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法で得られるディスプレイ用フィルタ。
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