JP2000147245A - 光学フィルター - Google Patents
光学フィルターInfo
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- JP2000147245A JP2000147245A JP10321648A JP32164898A JP2000147245A JP 2000147245 A JP2000147245 A JP 2000147245A JP 10321648 A JP10321648 A JP 10321648A JP 32164898 A JP32164898 A JP 32164898A JP 2000147245 A JP2000147245 A JP 2000147245A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プラズマディスプレイの輝度、色調、コントラ
スト、視認性を損わない優れた透過率、可視光線反射
率、色調を有し、さらに、プラズマディスプレイから発
生する健康に害をなすといわれている電磁波を遮蔽する
電磁波シールド能、および周辺電子機器の誤操作をまね
く近赤外線を遮断する近赤外線カット能を兼ね備えたデ
ィスプレイ用光学フィルターを得る。 【解決手段】透明基体上に高屈折率透明薄膜層、および
銀または銀を含む合金の薄膜層を繰り返し単位として積
層して得られる透明導電層は、透過色のハンターのクロ
マティクネス指数aが−8〜0、指数bが−4〜5の範
囲内にあり、かつ光学フィルター全体のaが−8〜0、
bが−4〜5の範囲内にあって可視光線透過率が60%
以上とする。さらに、光学フィルターの表面に、反射防
止性、防眩性、帯電防止性、アンチニュートンリング
性、ガスバリア性、ハードコート性、防汚性を有する機
能性透明層を形成する。
スト、視認性を損わない優れた透過率、可視光線反射
率、色調を有し、さらに、プラズマディスプレイから発
生する健康に害をなすといわれている電磁波を遮蔽する
電磁波シールド能、および周辺電子機器の誤操作をまね
く近赤外線を遮断する近赤外線カット能を兼ね備えたデ
ィスプレイ用光学フィルターを得る。 【解決手段】透明基体上に高屈折率透明薄膜層、および
銀または銀を含む合金の薄膜層を繰り返し単位として積
層して得られる透明導電層は、透過色のハンターのクロ
マティクネス指数aが−8〜0、指数bが−4〜5の範
囲内にあり、かつ光学フィルター全体のaが−8〜0、
bが−4〜5の範囲内にあって可視光線透過率が60%
以上とする。さらに、光学フィルターの表面に、反射防
止性、防眩性、帯電防止性、アンチニュートンリング
性、ガスバリア性、ハードコート性、防汚性を有する機
能性透明層を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学フィルターに
関し、さらに詳しくは、ディスプレイ用光学フィルター
としてディスプレイの輝度・色調・コントラスト・視認
性を損なわない優れた透過率、可視光線反射率、色調を
有し、さらにまた、プラズマディスプレイから発生す
る、健康に害をなすといわれている電磁波を遮蔽する電
磁波シールド能、及び、周辺電子機器の誤操作をまねく
近赤外線を遮断する近赤外線カット能を兼ね備えた光学
フィルターに関する。
関し、さらに詳しくは、ディスプレイ用光学フィルター
としてディスプレイの輝度・色調・コントラスト・視認
性を損なわない優れた透過率、可視光線反射率、色調を
有し、さらにまた、プラズマディスプレイから発生す
る、健康に害をなすといわれている電磁波を遮蔽する電
磁波シールド能、及び、周辺電子機器の誤操作をまねく
近赤外線を遮断する近赤外線カット能を兼ね備えた光学
フィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】社会が高度に情報化されてくるにしたが
って、光エレクトロニクス関連部品、機器は著しく進
歩、普及している。そのなかでディスプレイはテレビジ
ョン用、パーソナルコンピューター用等として著しく普
及し、また、その薄型化、大型薄型化が進んでいる。近
年、大型の薄型テレビ、薄型ディスプレイ用途等に、プ
ラズマディスプレイが注目され、すでに市場に出始めて
いる。しかしプラズマディスプレイは、その構造や動作
原理上、強度の漏洩電磁界が発生する。近年、漏洩電磁
界の人体や他の機器に与える影響が取り沙汰されるよう
なっており、例えば日本のVCCI(Voluntary Contro
l Council for Interference by data processing equi
pment electronic office machine )による基準値内に
抑えることが必要となってきている。
って、光エレクトロニクス関連部品、機器は著しく進
歩、普及している。そのなかでディスプレイはテレビジ
ョン用、パーソナルコンピューター用等として著しく普
及し、また、その薄型化、大型薄型化が進んでいる。近
年、大型の薄型テレビ、薄型ディスプレイ用途等に、プ
ラズマディスプレイが注目され、すでに市場に出始めて
いる。しかしプラズマディスプレイは、その構造や動作
原理上、強度の漏洩電磁界が発生する。近年、漏洩電磁
界の人体や他の機器に与える影響が取り沙汰されるよう
なっており、例えば日本のVCCI(Voluntary Contro
l Council for Interference by data processing equi
pment electronic office machine )による基準値内に
抑えることが必要となってきている。
【0003】またプラズマディスプレイは、近赤外線光
を発し、コードレスフォン等の周辺電子機器に作用して
誤動作を引き起こす問題が生じている。特に問題になる
波長としてリモコンや伝送系光通信に使用されている82
0nm と880nm 、980nm が挙げられる。そのため、近赤外
領域である800 〜1000nmの波長領域の光を実用上問題な
いレベルまでカットする必要がある。
を発し、コードレスフォン等の周辺電子機器に作用して
誤動作を引き起こす問題が生じている。特に問題になる
波長としてリモコンや伝送系光通信に使用されている82
0nm と880nm 、980nm が挙げられる。そのため、近赤外
領域である800 〜1000nmの波長領域の光を実用上問題な
いレベルまでカットする必要がある。
【0004】近赤外線カット能に関しては、従来、近赤
外線吸収色素を用いて近赤外吸収フィルターを作製する
ことが知られている。しかしながら、近赤外線吸収色素
は、湿度、熱、光といった環境による劣化が生じ、経時
とともに近赤外線カット能や光学フィルターの透過色と
いった光学特性の変化が生じてしまう問題があった。
外線吸収色素を用いて近赤外吸収フィルターを作製する
ことが知られている。しかしながら、近赤外線吸収色素
は、湿度、熱、光といった環境による劣化が生じ、経時
とともに近赤外線カット能や光学フィルターの透過色と
いった光学特性の変化が生じてしまう問題があった。
【0005】プラズマディスプレイは、強度かつ広い近
赤外線波長領域に渡って問題となる近赤外線を発するた
め、広い波長領域に渡って近赤外領域の吸収率の大きい
近赤外吸収フィルターを使用する必要があるが、問題と
ならない程度まで近赤外線の透過率を下げるためには、
光学フィルターに含有させる色素の量を増やさなければ
ならず、それに伴う、可視光線透過率の低下も問題であ
った。
赤外線波長領域に渡って問題となる近赤外線を発するた
め、広い波長領域に渡って近赤外領域の吸収率の大きい
近赤外吸収フィルターを使用する必要があるが、問題と
ならない程度まで近赤外線の透過率を下げるためには、
光学フィルターに含有させる色素の量を増やさなければ
ならず、それに伴う、可視光線透過率の低下も問題であ
った。
【0006】プラズマディスプレイ用光学フィルター
は、プラズマディスプレイから放射される近赤外線、電
磁波を遮断するためにはディスプレイの前面に設置する
ため、可視光線の透過率が低いと、画像の鮮明さが低下
することになる。一般に、ディスプレイ用光学フィルタ
ーの可視光線透過率は高い程良く、少なくとも40%以
上必要であるが、プラズマディスプレイパネルは、その
問題の一つとされている輝度の低さから、光学フィルタ
ーの可視光線透過率は60%以上であることが好まし
い。
は、プラズマディスプレイから放射される近赤外線、電
磁波を遮断するためにはディスプレイの前面に設置する
ため、可視光線の透過率が低いと、画像の鮮明さが低下
することになる。一般に、ディスプレイ用光学フィルタ
ーの可視光線透過率は高い程良く、少なくとも40%以
上必要であるが、プラズマディスプレイパネルは、その
問題の一つとされている輝度の低さから、光学フィルタ
ーの可視光線透過率は60%以上であることが好まし
い。
【0007】また、漏洩電磁界(電磁波)を遮蔽するに
は、ディスプレイ表面を導電性の高い導電物でおおう必
要がある。一般にアースした金属メッシュまたは、合成
樹脂または金属繊維のメッシュに金属被覆したものを用
いるが、これらの方法は、ディスプレイから発する光を
透過しない部分が生じたり、モワレ発生、歩留りの悪さ
によるコスト高などが問題となる。そこでITO(Indi
um Tin Oxide)に代表される透明導電膜を電磁波シール
ド層に用いる場合がある。透明導電膜としては、金、
銀、銅、白金、パラジウムなどの金属薄膜、酸化インジ
ウム、酸化第2スズ、酸化亜鉛等の酸化物半導体薄膜、
金属薄膜と高屈折率透明薄膜を交互に積層した多層薄膜
がある。この中で、金属薄膜は、導電性は得られるが、
広い波長領域にわたる金属の反射及び吸収により可視光
線透過率の高いものは得られない。また、酸化物半導体
薄膜は金属薄膜に比べ透明性に優れるが導電性に劣り、
また近赤外線の反射能は乏しい。
は、ディスプレイ表面を導電性の高い導電物でおおう必
要がある。一般にアースした金属メッシュまたは、合成
樹脂または金属繊維のメッシュに金属被覆したものを用
いるが、これらの方法は、ディスプレイから発する光を
透過しない部分が生じたり、モワレ発生、歩留りの悪さ
によるコスト高などが問題となる。そこでITO(Indi
um Tin Oxide)に代表される透明導電膜を電磁波シール
ド層に用いる場合がある。透明導電膜としては、金、
銀、銅、白金、パラジウムなどの金属薄膜、酸化インジ
ウム、酸化第2スズ、酸化亜鉛等の酸化物半導体薄膜、
金属薄膜と高屈折率透明薄膜を交互に積層した多層薄膜
がある。この中で、金属薄膜は、導電性は得られるが、
広い波長領域にわたる金属の反射及び吸収により可視光
線透過率の高いものは得られない。また、酸化物半導体
薄膜は金属薄膜に比べ透明性に優れるが導電性に劣り、
また近赤外線の反射能は乏しい。
【0008】これらに対し、金属薄膜と高屈折率透明薄
膜を積層した多層薄膜は、銀などの金属の持つ導電性及
び光学的特性と、高屈折率透明薄膜の、ある波長領域に
おける金属による反射の防止により、導電性、近赤外線
カット能、可視光線透過率のいずれにおいても好ましい
特性を有している。
膜を積層した多層薄膜は、銀などの金属の持つ導電性及
び光学的特性と、高屈折率透明薄膜の、ある波長領域に
おける金属による反射の防止により、導電性、近赤外線
カット能、可視光線透過率のいずれにおいても好ましい
特性を有している。
【0009】しかしながら、金属薄膜と高屈折率透明薄
膜を積層した多層薄膜は、可視光線透過率・可視光線反
射率を重視すると、一般に透過色調に劣る。電磁波シー
ルド能、すなわち、導電性と、近赤外線カット能をあげ
るほど、金属薄膜の総膜厚が厚いことが必要となる。し
かし、金属薄膜の総膜厚が大きくなる程、多層薄膜の色
調はディスプレイ発光色の色純度やコントラストを低下
させる緑色〜黄緑色になる傾向がある。このことは、デ
ィスプレイの視認性を良くすることを目的として光学フ
ィルターの可視光線反射率を低くするために、高屈折率
透明薄膜層によって波長550nm 程度を中心とした可視領
域の金属の反射防止をするが、可視領域の短波長及び長
波長側では主に金属薄膜の光学定数の波長分散性により
反射防止の整合条件が崩れてしまい、透過スペクトルが
視感度の高い緑色〜黄緑色をピークにもつ狭いプロファ
イルを持つものになることによる。
膜を積層した多層薄膜は、可視光線透過率・可視光線反
射率を重視すると、一般に透過色調に劣る。電磁波シー
ルド能、すなわち、導電性と、近赤外線カット能をあげ
るほど、金属薄膜の総膜厚が厚いことが必要となる。し
かし、金属薄膜の総膜厚が大きくなる程、多層薄膜の色
調はディスプレイ発光色の色純度やコントラストを低下
させる緑色〜黄緑色になる傾向がある。このことは、デ
ィスプレイの視認性を良くすることを目的として光学フ
ィルターの可視光線反射率を低くするために、高屈折率
透明薄膜層によって波長550nm 程度を中心とした可視領
域の金属の反射防止をするが、可視領域の短波長及び長
波長側では主に金属薄膜の光学定数の波長分散性により
反射防止の整合条件が崩れてしまい、透過スペクトルが
視感度の高い緑色〜黄緑色をピークにもつ狭いプロファ
イルを持つものになることによる。
【0010】従って、好適な色調とするために、透過色
を調色する必要があるが、色素を用いた色度補正は、透
過率の低下を引き起こしてしまう。プラズマディスプレ
イパネルは、その輝度の低さが欠点の一つであり、光学
フィルターの透過率の低さは、その輝度をさらに下げて
しまう。また、色度補正を行うために、色素を含有させ
た部材を使用することは、コストアップにつながるだけ
でなく、部材を貼り合わせた場合に貼り合わせ界面の反
射による光学フィルターの反射増加が生じる場合があ
り、好ましくない。
を調色する必要があるが、色素を用いた色度補正は、透
過率の低下を引き起こしてしまう。プラズマディスプレ
イパネルは、その輝度の低さが欠点の一つであり、光学
フィルターの透過率の低さは、その輝度をさらに下げて
しまう。また、色度補正を行うために、色素を含有させ
た部材を使用することは、コストアップにつながるだけ
でなく、部材を貼り合わせた場合に貼り合わせ界面の反
射による光学フィルターの反射増加が生じる場合があ
り、好ましくない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術に鑑み、ディスプレイ用光学フィルターとして
ディスプレイの輝度・色調・コントラスト・視認性を損
なわない優れた透過率、可視光線反射率、色調を有し、
さらにまた、プラズマディスプレイから発生する、健康
に害をなすといわれている電磁波を遮蔽する電磁波シー
ルド能、及び、周辺電子機器の誤操作をまねく近赤外線
を遮断する近赤外線カット能を兼ね備えた低コストの光
学フィルターを提供することである。
従来技術に鑑み、ディスプレイ用光学フィルターとして
ディスプレイの輝度・色調・コントラスト・視認性を損
なわない優れた透過率、可視光線反射率、色調を有し、
さらにまた、プラズマディスプレイから発生する、健康
に害をなすといわれている電磁波を遮蔽する電磁波シー
ルド能、及び、周辺電子機器の誤操作をまねく近赤外線
を遮断する近赤外線カット能を兼ね備えた低コストの光
学フィルターを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、プラズマデ
ィスプレイから発生する非常に強度な電磁波を遮蔽し、
さらには、プラズマディスプレイの発する強度の近赤外
線光を周辺機器誤動作が起こらない程度に抑止すること
ができる、高い光線透過率を有するディスプレイ用フィ
ルターを得るためには、可視光線透過率が60%以上、
面抵抗が1〜10Ω/ □の透明導電層が必要であり、そ
の透明導電層の透過色のハンターのクロマティクネス指
数aが−8〜0、ハンターのクロマティクネス指数bが
−8〜5の範囲であり、可視光線透過率が60%以上で
ある場合は、調色しなくても光学フィルターがディスプ
レイの色調・コントラスト・視認性を損なわないことを
見い出し、本発明に到った。
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、プラズマデ
ィスプレイから発生する非常に強度な電磁波を遮蔽し、
さらには、プラズマディスプレイの発する強度の近赤外
線光を周辺機器誤動作が起こらない程度に抑止すること
ができる、高い光線透過率を有するディスプレイ用フィ
ルターを得るためには、可視光線透過率が60%以上、
面抵抗が1〜10Ω/ □の透明導電層が必要であり、そ
の透明導電層の透過色のハンターのクロマティクネス指
数aが−8〜0、ハンターのクロマティクネス指数bが
−8〜5の範囲であり、可視光線透過率が60%以上で
ある場合は、調色しなくても光学フィルターがディスプ
レイの色調・コントラスト・視認性を損なわないことを
見い出し、本発明に到った。
【0013】すなわち、本発明は、(1)少なくとも、
透過色のハンターのクロマティクネス指数aが−8〜
0、ハンターのクロマティクネス指数bが−4〜5であ
る透明導電層からなり、全体の透過色のaが−8〜0,
bが−4〜5の範囲であり、可視光線透過率が60%以
上であることを特徴とする光学フィルター、(2)上記
透明導電層の可視光線透過率が60%以上であって、面
抵抗が1〜10Ω/ □であることを特徴とする(1)に
記載の光学フィルター。(3)上記透明導電層が、透明
基体(A)の少なくとも一方の主面上に形成される、高
屈折率透明薄膜層(B)および銀又は銀を含む合金の薄
膜層(C)が透明基体(A)から順次、(B)/(C)
を繰返し単位として1〜4回繰り返し積層され、さらに
その上に少なくとも該高屈折率透明薄膜層(B)が積層
されてなる、透明導電膜1つ以上からなることを特徴と
する(1)又は(2)のいずれかに記載の光学フィルタ
ー、(4)透明支持体(D)が、粘着材(E)を介して
形成されていることを特徴とする(1)〜(3)のいず
れかに記載の光学フィルター、(5)反射防止性、防眩
性、反射防止防眩性、帯電防止性、アンチニュートンリ
ング性、ガスバリア性、ハードコート性、防汚性から少
なくとも1つ選ばれる機能を有する機能性透明層(F)
が、直接または粘着材(E)を介して形成されているこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フ
ィルターに関するものである。
透過色のハンターのクロマティクネス指数aが−8〜
0、ハンターのクロマティクネス指数bが−4〜5であ
る透明導電層からなり、全体の透過色のaが−8〜0,
bが−4〜5の範囲であり、可視光線透過率が60%以
上であることを特徴とする光学フィルター、(2)上記
透明導電層の可視光線透過率が60%以上であって、面
抵抗が1〜10Ω/ □であることを特徴とする(1)に
記載の光学フィルター。(3)上記透明導電層が、透明
基体(A)の少なくとも一方の主面上に形成される、高
屈折率透明薄膜層(B)および銀又は銀を含む合金の薄
膜層(C)が透明基体(A)から順次、(B)/(C)
を繰返し単位として1〜4回繰り返し積層され、さらに
その上に少なくとも該高屈折率透明薄膜層(B)が積層
されてなる、透明導電膜1つ以上からなることを特徴と
する(1)又は(2)のいずれかに記載の光学フィルタ
ー、(4)透明支持体(D)が、粘着材(E)を介して
形成されていることを特徴とする(1)〜(3)のいず
れかに記載の光学フィルター、(5)反射防止性、防眩
性、反射防止防眩性、帯電防止性、アンチニュートンリ
ング性、ガスバリア性、ハードコート性、防汚性から少
なくとも1つ選ばれる機能を有する機能性透明層(F)
が、直接または粘着材(E)を介して形成されているこ
とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フ
ィルターに関するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の光学フィルターは、少な
くとも、透過色のハンターのクロマティクネス指数aが
−8〜0、ハンターのクロマティクネス指数bが−4〜
5である透明導電層からなり、全体の透過色のaが−8
〜0、bが−4〜5の範囲であることを特徴とするもの
である。
くとも、透過色のハンターのクロマティクネス指数aが
−8〜0、ハンターのクロマティクネス指数bが−4〜
5である透明導電層からなり、全体の透過色のaが−8
〜0、bが−4〜5の範囲であることを特徴とするもの
である。
【0015】本発明における透明導電層とは、透明基体
(A)の主面上に形成する単層または多層薄膜からなる
透明導電膜1つ以上からなるものである。単層の透明導
電膜としては、前述した金属薄膜や酸化物半導体薄膜が
あるが、電磁波シールド能、近赤外線カット能を有する
光学フィルターを得るためには、電磁波吸収のための高
い導電性と電磁波反射のための反射界面を多く有する、
金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜が好適
である。
(A)の主面上に形成する単層または多層薄膜からなる
透明導電膜1つ以上からなるものである。単層の透明導
電膜としては、前述した金属薄膜や酸化物半導体薄膜が
あるが、電磁波シールド能、近赤外線カット能を有する
光学フィルターを得るためには、電磁波吸収のための高
い導電性と電磁波反射のための反射界面を多く有する、
金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜が好適
である。
【0016】透明基体(A)としては、ガラス、石英等
の無機化合物成形物と透明な有機高分子成形物があげら
れるが、高分子成形物は軽く割れにくいため、より好適
に使用できる。高分子成形物は可視波長領域において透
明であればよく、その種類を具体的にあげれば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリ
スチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリア
ミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合
物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリア
クリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタ
クリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリ
デン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフ
ルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重体
等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリ
エチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。これら透明
な高分子成形物は、主面が平滑であれば板(シート)状
であってもフィルム状であってもよい。シート状の高分
子成形物を基体として用いた場合には、基体が寸法安定
性と機械的強度に優れているため、寸法安定性と機械的
強度に優れる透明導電性積層体が得られ、特にそれが要
求される場合には好適に使用できる。また透明な高分子
フィルムは可撓性を有しており透明導電膜をロール・ ツ
ー・ ロール法で連続的に形成することができるため、こ
れを使用した場合には効率よく、また、長尺大面積に透
明導電層を生産できることや、フィルム状の透明導電性
積層体をディスプレイのガラスやディスプレイ用フィル
ターのガラス支持体に貼り付けることによりガラス破損
時の飛散防止になることから、これもまた好適に使用で
きる。この場合フィルムの厚さは通常10〜250μm
のものが用いられる。フィルムの厚さが10μm 以下で
は、基材としての機械的強度に不足し、250μm 以上
では可撓性が不足するためフィルムをロールで巻きとっ
て利用するのに適さない。
の無機化合物成形物と透明な有機高分子成形物があげら
れるが、高分子成形物は軽く割れにくいため、より好適
に使用できる。高分子成形物は可視波長領域において透
明であればよく、その種類を具体的にあげれば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリ
スチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリア
ミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合
物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリア
クリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタ
クリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリ
デン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフ
ルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重体
等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリ
エチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。これら透明
な高分子成形物は、主面が平滑であれば板(シート)状
であってもフィルム状であってもよい。シート状の高分
子成形物を基体として用いた場合には、基体が寸法安定
性と機械的強度に優れているため、寸法安定性と機械的
強度に優れる透明導電性積層体が得られ、特にそれが要
求される場合には好適に使用できる。また透明な高分子
フィルムは可撓性を有しており透明導電膜をロール・ ツ
ー・ ロール法で連続的に形成することができるため、こ
れを使用した場合には効率よく、また、長尺大面積に透
明導電層を生産できることや、フィルム状の透明導電性
積層体をディスプレイのガラスやディスプレイ用フィル
ターのガラス支持体に貼り付けることによりガラス破損
時の飛散防止になることから、これもまた好適に使用で
きる。この場合フィルムの厚さは通常10〜250μm
のものが用いられる。フィルムの厚さが10μm 以下で
は、基材としての機械的強度に不足し、250μm 以上
では可撓性が不足するためフィルムをロールで巻きとっ
て利用するのに適さない。
【0017】これらの基体はその表面に予めスパッタリ
ング処理、コロナ処理、火炎処理、紫外線照射、電子線
照射などのエッチング処理や、下塗り処理を施してこの
上に形成される透明導電膜の透明基体(A)に対する密
着性を向上させる処理を施してもよい。透明基体(A)
と透明導電膜の間に任意の金属などの無機物層を形成し
てもよい。また、透明導電膜を成膜する前に、必要に応
じて溶剤洗浄や超音波洗浄などの防塵処理を施してもよ
い。透明導電性積層体の耐擦傷性を向上させるために透
明基体(A)と薄膜層の間、または、透明導電膜が形成
されない他方の主面にハードコート層が形成されても良
い。
ング処理、コロナ処理、火炎処理、紫外線照射、電子線
照射などのエッチング処理や、下塗り処理を施してこの
上に形成される透明導電膜の透明基体(A)に対する密
着性を向上させる処理を施してもよい。透明基体(A)
と透明導電膜の間に任意の金属などの無機物層を形成し
てもよい。また、透明導電膜を成膜する前に、必要に応
じて溶剤洗浄や超音波洗浄などの防塵処理を施してもよ
い。透明導電性積層体の耐擦傷性を向上させるために透
明基体(A)と薄膜層の間、または、透明導電膜が形成
されない他方の主面にハードコート層が形成されても良
い。
【0018】VCCIにおいては、工業用途の規制値を
示すClass Iでは放射電界強度50dBμV/m未満で
あり、家庭用途の規制値を示すClassII では40dBμ
V/m未満であるが、プラズマディスプレイの放射電界
強度は20〜90MHz帯域内で、対角20インチ型程
度で40dBμV/m、対角40インチ型程度で50d
BμV/mを越えているため、このままでは家庭用途に
は使用できない。プラズマディスプレイの放射電界強度
は、その画面の大きさ及び輝度、すなわち、消費電力が
大きいほど、強く、シールド効果の高い電磁波シールド
材が必要である。
示すClass Iでは放射電界強度50dBμV/m未満で
あり、家庭用途の規制値を示すClassII では40dBμ
V/m未満であるが、プラズマディスプレイの放射電界
強度は20〜90MHz帯域内で、対角20インチ型程
度で40dBμV/m、対角40インチ型程度で50d
BμV/mを越えているため、このままでは家庭用途に
は使用できない。プラズマディスプレイの放射電界強度
は、その画面の大きさ及び輝度、すなわち、消費電力が
大きいほど、強く、シールド効果の高い電磁波シールド
材が必要である。
【0019】本発明者らは、プラズマディスプレイに必
要な電磁波シールド能を有するには、透明導電層が、面
抵抗10Ω/□以下の低抵抗な導電性を有していること
が必要なことを見出した。また、プラズマディスプレイ
の発する強度の近赤外線を実用上問題とならないレベル
まで遮断するには、光学フィルターの800〜1000
nmの近赤外線波長領域の光線透過率を20%以下にする
ことが好ましいことを見いだしたが、部材数低減の要求
や色素を用いた近赤外線吸収の限界から透明導電層が近
赤外線カット性を持つことが望ましい。近赤外線カット
には、金属の自由電子による反射を用いることができる
が、金属薄膜層を厚くすると前述したように可視光線透
過率も低くなり、薄くすると近赤外線の反射が弱くな
る。そこで、ある厚さの金属薄膜層を高屈折率透明薄膜
層で挟み込んだ積層構造を1段以上重ねることにより、
可視光線透過率を高くし、かつ全体的な金属薄膜層の厚
さを増やすことができ、また、層数及び/またはそれぞ
れの層の厚さを制御することにより可視光線透過率、可
視光線反射率、近赤外線の透過率、透過色、反射色をあ
る範囲で変化させることができる。可視光線反射率が高
いと、画面への照明器具等の映り込みが大きくなり、視
認性が低下する。反射色も目立たない、白色、青色、紫
色系が好ましい。このためにも、光学的に設計、制御し
やすい多層積層が好ましくなる。
要な電磁波シールド能を有するには、透明導電層が、面
抵抗10Ω/□以下の低抵抗な導電性を有していること
が必要なことを見出した。また、プラズマディスプレイ
の発する強度の近赤外線を実用上問題とならないレベル
まで遮断するには、光学フィルターの800〜1000
nmの近赤外線波長領域の光線透過率を20%以下にする
ことが好ましいことを見いだしたが、部材数低減の要求
や色素を用いた近赤外線吸収の限界から透明導電層が近
赤外線カット性を持つことが望ましい。近赤外線カット
には、金属の自由電子による反射を用いることができる
が、金属薄膜層を厚くすると前述したように可視光線透
過率も低くなり、薄くすると近赤外線の反射が弱くな
る。そこで、ある厚さの金属薄膜層を高屈折率透明薄膜
層で挟み込んだ積層構造を1段以上重ねることにより、
可視光線透過率を高くし、かつ全体的な金属薄膜層の厚
さを増やすことができ、また、層数及び/またはそれぞ
れの層の厚さを制御することにより可視光線透過率、可
視光線反射率、近赤外線の透過率、透過色、反射色をあ
る範囲で変化させることができる。可視光線反射率が高
いと、画面への照明器具等の映り込みが大きくなり、視
認性が低下する。反射色も目立たない、白色、青色、紫
色系が好ましい。このためにも、光学的に設計、制御し
やすい多層積層が好ましくなる。
【0020】以下、多層薄膜とは、特に記載がない限
り、金属薄膜層を高屈折率透明薄膜層で挟み込んだ積層
構造を1段以上重ねた多層積層の透明導電膜を示す。可
視光線透過率が低いと、ディスプレイ設置時に画像の鮮
明さが低下するため、光学フィルターの可視光線透過率
は高い方が良く、輝度の低いプラズマディスプレイパネ
ルに対しては、少なくとも60%以上であることが好ま
しい。従って、透明導電層の可視光線透過率には、少な
くとも60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ま
しくは80%以上必要である。また、ディスプレイの発
光輝度が高いと、コントラストをあげるために、光学フ
ィルターはニュートラル・デンシティ(ND)NDフィ
ルターの役割も果たすことが好ましい場合もあり、この
場合は光学フィルターの可視光線透過率は80%以下で
あることを要求される。なお、本発明における可視光線
透過率、可視光線反射率とは、透過率及び反射率の波長
依存性からJIS(R−3106)に従って計算される
ものである。
り、金属薄膜層を高屈折率透明薄膜層で挟み込んだ積層
構造を1段以上重ねた多層積層の透明導電膜を示す。可
視光線透過率が低いと、ディスプレイ設置時に画像の鮮
明さが低下するため、光学フィルターの可視光線透過率
は高い方が良く、輝度の低いプラズマディスプレイパネ
ルに対しては、少なくとも60%以上であることが好ま
しい。従って、透明導電層の可視光線透過率には、少な
くとも60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ま
しくは80%以上必要である。また、ディスプレイの発
光輝度が高いと、コントラストをあげるために、光学フ
ィルターはニュートラル・デンシティ(ND)NDフィ
ルターの役割も果たすことが好ましい場合もあり、この
場合は光学フィルターの可視光線透過率は80%以下で
あることを要求される。なお、本発明における可視光線
透過率、可視光線反射率とは、透過率及び反射率の波長
依存性からJIS(R−3106)に従って計算される
ものである。
【0021】金属薄膜の材料としては、銀が、導電性、
赤外線反射性および多層積層したときの可視光線透過性
に優れているため好適である。しかし、銀は化学的、物
理的安定性に欠け、環境中の汚染物質、水蒸気、熱、光
等によって劣化するため、銀に金、白金、パラジウム、
銅、インジウム、スズ等の環境に安定な金属を一種以上
含んだ合金も好適に使用できる。特に金は耐環境性に優
れ、また、パラジウムは耐環境性が優れる上に、多層薄
膜の透過色調が緑色〜黄緑色が弱くなるので好適であ
る。ここで、銀を含む合金の銀の含有率は、特に限定さ
れるものではないが銀薄膜の導電性、光学特性と大きく
変わらないことが望ましく、50重量%以上100重量
%未満程度である。しかしながら、銀に他の金属を添加
すると、その優れた導電性、光学特性を阻害する。従っ
て、複数の金属薄膜層を有する場合は、可能であれば少
なくとも1つの層は銀を合金にしないで用いることや、
基体から見て最初の層及び/又は最外層にある金属薄膜
層のみを合金にすることが望ましい。全金属薄膜層が、
銀からなる場合、優れた導電性および光学特性を有する
透明導電層が得られるが、耐環境性が十分ではない。
赤外線反射性および多層積層したときの可視光線透過性
に優れているため好適である。しかし、銀は化学的、物
理的安定性に欠け、環境中の汚染物質、水蒸気、熱、光
等によって劣化するため、銀に金、白金、パラジウム、
銅、インジウム、スズ等の環境に安定な金属を一種以上
含んだ合金も好適に使用できる。特に金は耐環境性に優
れ、また、パラジウムは耐環境性が優れる上に、多層薄
膜の透過色調が緑色〜黄緑色が弱くなるので好適であ
る。ここで、銀を含む合金の銀の含有率は、特に限定さ
れるものではないが銀薄膜の導電性、光学特性と大きく
変わらないことが望ましく、50重量%以上100重量
%未満程度である。しかしながら、銀に他の金属を添加
すると、その優れた導電性、光学特性を阻害する。従っ
て、複数の金属薄膜層を有する場合は、可能であれば少
なくとも1つの層は銀を合金にしないで用いることや、
基体から見て最初の層及び/又は最外層にある金属薄膜
層のみを合金にすることが望ましい。全金属薄膜層が、
銀からなる場合、優れた導電性および光学特性を有する
透明導電層が得られるが、耐環境性が十分ではない。
【0022】すなわち、透明基体(A)の一方の主面上
に高屈折率透明薄膜層(B)、銀又は銀を含む合金の薄
膜層(C)の順に、(B)/(C)を繰り返し単位とし
て1〜4回繰り返し積層し、さらにその上に少なくとも
高屈折率透明薄膜層(B)を積層することによって、電
磁波シールド能のための低抵抗性、近赤外線カット能、
透明性、可視光線反射率に優れた透明導電膜が形成され
た透明導電性積層体が得られるのである。つまり、
(A)/(B)/(C)/(B)/(C)/(B)、ま
たは、(A)/(B)/(C)/(B)/(C)/
(B)/(C)/(B)、または、(A)/(B)/
(C)/(B)/(C)/(B)/(C)/(B)/
(C)/(B)である。繰り返し積層数が1回である
と、近赤外線の低透過率、可視光線の低反射率、低抵抗
性を同時に達成するのは困難であり、繰り返し積層数が
5回以上だと生産装置の制限、生産性の問題が大きくな
り、また、可視光線透過率が低くなる上に、光学フィル
ターとして好適な透過色を有するためには色素による調
色が必要であり、その為にさらに可視光線透過率が低く
なってしまう。 生産装置の制限等により、繰り返し回
数が1回及至2回の透明導電性積層体しか得られない場
合や、さらに強度な電磁波や近赤外線を遮断する必要が
ある場合は、上記透明導電性積層体を2枚以上重ねる等
して、2つ以上の透明導電膜を有する光学フィルターと
することもできる。後述の透明支持体(D)に透明導電
膜を2つ以上形成する場合は、透明支持体の両主面に貼
合しても良いし、一方の主面に重ねて貼合しても良い。
また、透明基体(A)の両主面に透明導電膜を形成して
も良い。電磁波シールド性の為には、2つ以上の透明導
電膜を形成しても、そのいずれからも電気的接触を得ら
れることが肝要である。生産性の問題からも透明導電膜
は多くとも2つが好ましい。
に高屈折率透明薄膜層(B)、銀又は銀を含む合金の薄
膜層(C)の順に、(B)/(C)を繰り返し単位とし
て1〜4回繰り返し積層し、さらにその上に少なくとも
高屈折率透明薄膜層(B)を積層することによって、電
磁波シールド能のための低抵抗性、近赤外線カット能、
透明性、可視光線反射率に優れた透明導電膜が形成され
た透明導電性積層体が得られるのである。つまり、
(A)/(B)/(C)/(B)/(C)/(B)、ま
たは、(A)/(B)/(C)/(B)/(C)/
(B)/(C)/(B)、または、(A)/(B)/
(C)/(B)/(C)/(B)/(C)/(B)/
(C)/(B)である。繰り返し積層数が1回である
と、近赤外線の低透過率、可視光線の低反射率、低抵抗
性を同時に達成するのは困難であり、繰り返し積層数が
5回以上だと生産装置の制限、生産性の問題が大きくな
り、また、可視光線透過率が低くなる上に、光学フィル
ターとして好適な透過色を有するためには色素による調
色が必要であり、その為にさらに可視光線透過率が低く
なってしまう。 生産装置の制限等により、繰り返し回
数が1回及至2回の透明導電性積層体しか得られない場
合や、さらに強度な電磁波や近赤外線を遮断する必要が
ある場合は、上記透明導電性積層体を2枚以上重ねる等
して、2つ以上の透明導電膜を有する光学フィルターと
することもできる。後述の透明支持体(D)に透明導電
膜を2つ以上形成する場合は、透明支持体の両主面に貼
合しても良いし、一方の主面に重ねて貼合しても良い。
また、透明基体(A)の両主面に透明導電膜を形成して
も良い。電磁波シールド性の為には、2つ以上の透明導
電膜を形成しても、そのいずれからも電気的接触を得ら
れることが肝要である。生産性の問題からも透明導電膜
は多くとも2つが好ましい。
【0023】本発明におけるところの透明導電層とは、
1つ以上の透明導電膜からなるものである。透明導電層
の光学特性の評価は、近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等
を含有しない透明基体(A)上に形成した透明導電性積
層体の状態で行う。透明導電層の面抵抗の測定は透明導
電膜を透明基体(A)上に形成した透明導電性積層体の
状態で行う。透明導電膜が2つ以上である場合は、透明
導電層の光学特性は2つ以上の透明導電膜が透明基体及
び/または粘着材(E)を介した状態等で重ねて測定さ
れるものであり、また、面抵抗は2つ以上の透明導電膜
の合成面抵抗である。
1つ以上の透明導電膜からなるものである。透明導電層
の光学特性の評価は、近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤等
を含有しない透明基体(A)上に形成した透明導電性積
層体の状態で行う。透明導電層の面抵抗の測定は透明導
電膜を透明基体(A)上に形成した透明導電性積層体の
状態で行う。透明導電膜が2つ以上である場合は、透明
導電層の光学特性は2つ以上の透明導電膜が透明基体及
び/または粘着材(E)を介した状態等で重ねて測定さ
れるものであり、また、面抵抗は2つ以上の透明導電膜
の合成面抵抗である。
【0024】銀又は銀を含む合金の薄膜層の厚さは導電
性、光学特性等から光学設計的かつ実験的に求められ、
透明導電層が要求特性を持てば特に限定されるものでは
ないが、導電性等から薄膜が島状構造ではなく連続状態
であることが必要なので4nm以上であることが望まし
く、銀又は銀を含む合金の薄膜層が厚すぎると透明性が
問題になるので30nm以下が望ましい。銀又は銀を含む
合金の薄膜層が複数ある場合は、各層が全て同じ厚さと
は限らず、全て銀あるいは同じ銀を含む合金でなくとも
よい。銀又は銀を含む合金の薄膜層の形成には、スパッ
タリング、イオンプレーティング、真空蒸着、メッキ
等、従来公知の方法のいずれでも採用できる。
性、光学特性等から光学設計的かつ実験的に求められ、
透明導電層が要求特性を持てば特に限定されるものでは
ないが、導電性等から薄膜が島状構造ではなく連続状態
であることが必要なので4nm以上であることが望まし
く、銀又は銀を含む合金の薄膜層が厚すぎると透明性が
問題になるので30nm以下が望ましい。銀又は銀を含む
合金の薄膜層が複数ある場合は、各層が全て同じ厚さと
は限らず、全て銀あるいは同じ銀を含む合金でなくとも
よい。銀又は銀を含む合金の薄膜層の形成には、スパッ
タリング、イオンプレーティング、真空蒸着、メッキ
等、従来公知の方法のいずれでも採用できる。
【0025】高屈折率透明薄膜層(B)を形成する透明
薄膜としては、可視域において透明性を有し、金属薄膜
層における可視域における光線反射を防止する効果を有
するものであれば特に限定されるものではないが、可視
光線に対する屈折率が1.6以上、好ましくは1.7以
上の屈折率の高い材料が用いられる。このような透明薄
膜を形成する具体的な材料としては、インジウム、チタ
ン、ジルコニウム、ビスマス、スズ、亜鉛、アンチモ
ン、タンタル、セリウム、ネオジウム、ランタン、トリ
ウム、マグネシウム、ガリウム等の酸化物、または、こ
れら酸化物の混合物や、硫化亜鉛などが挙げられる。こ
れら酸化物あるいは硫化物は、金属と酸素あるいは硫黄
と化学量論的な組成にズレがあっても、光学特性を大き
く変えない範囲であるならば差し支えない。なかでも、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウムや酸化インジウ
ムと酸化スズの混合物(ITO)は、透明性、屈折率に
加えて、成膜速度が速く金属薄膜層との密着性等が良好
であることから好適に使用できる。高屈折率透明薄膜層
の厚さは、透明基体の光学特性、銀又は銀を含む合金の
薄膜層の厚さ、光学特性、および、透明薄膜層の屈折率
等から光学設計的かつ実験的に求められ、特に限定され
るものではないが、5nm以上200nm以下であることが
好ましく、より好ましくは10nm以上100nm以下であ
る。また、高屈折率透明薄膜第1層・・・第n+1層
(n=1〜4)は、同じ厚さとは限らず、同じ透明薄膜
材料でなくともよい。高屈折率透明薄膜層の形成には、
スパッタリング、イオンプレーティング、イオンビーム
アシスト、真空蒸着、湿式塗工等、従来公知の方法のい
ずれでも採用できる。
薄膜としては、可視域において透明性を有し、金属薄膜
層における可視域における光線反射を防止する効果を有
するものであれば特に限定されるものではないが、可視
光線に対する屈折率が1.6以上、好ましくは1.7以
上の屈折率の高い材料が用いられる。このような透明薄
膜を形成する具体的な材料としては、インジウム、チタ
ン、ジルコニウム、ビスマス、スズ、亜鉛、アンチモ
ン、タンタル、セリウム、ネオジウム、ランタン、トリ
ウム、マグネシウム、ガリウム等の酸化物、または、こ
れら酸化物の混合物や、硫化亜鉛などが挙げられる。こ
れら酸化物あるいは硫化物は、金属と酸素あるいは硫黄
と化学量論的な組成にズレがあっても、光学特性を大き
く変えない範囲であるならば差し支えない。なかでも、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウムや酸化インジウ
ムと酸化スズの混合物(ITO)は、透明性、屈折率に
加えて、成膜速度が速く金属薄膜層との密着性等が良好
であることから好適に使用できる。高屈折率透明薄膜層
の厚さは、透明基体の光学特性、銀又は銀を含む合金の
薄膜層の厚さ、光学特性、および、透明薄膜層の屈折率
等から光学設計的かつ実験的に求められ、特に限定され
るものではないが、5nm以上200nm以下であることが
好ましく、より好ましくは10nm以上100nm以下であ
る。また、高屈折率透明薄膜第1層・・・第n+1層
(n=1〜4)は、同じ厚さとは限らず、同じ透明薄膜
材料でなくともよい。高屈折率透明薄膜層の形成には、
スパッタリング、イオンプレーティング、イオンビーム
アシスト、真空蒸着、湿式塗工等、従来公知の方法のい
ずれでも採用できる。
【0026】上記透明導電層の耐環境性を向上させるた
めに、透明導電膜の表面に、導電性、光学特性を損なわ
ない程度に任意の保護層を設けてもよい。また、銀又は
銀を含む合金の薄膜層の耐環境性や銀又は銀を含む合金
の薄膜層と高屈折率透明薄膜層との密着性等を向上させ
るため、銀又は銀を含む合金の薄膜層と高屈折率透明薄
膜層の間に、導電性、光学特性を損なわない程度に任意
の無機物層を形成してもよい。具体的な材料としては
銅、ニッケル、クロム、金、白金、亜鉛、ジルコニウ
ム、チタン、タングステン、スズ、パラジウム等、ある
いはこれらの材料の2種類以上からなる合金があげられ
る。その厚さは、好ましくは0.02nm〜2nm程度であ
る。しかしながら、前述したように、ディスプレイ用光
学フィルターを目的とする多層薄膜は、可視光線透過率
・可視光線反射率を重視すると、一般に透過色調に劣
る。光学フィルターの透過色は、ディスプレイの色調・
コントラスト等に大きく影響し、特に強い緑色は不適で
あり、ニュートラルグレー、または、ニュートラルブル
ーに近いことが要求される。
めに、透明導電膜の表面に、導電性、光学特性を損なわ
ない程度に任意の保護層を設けてもよい。また、銀又は
銀を含む合金の薄膜層の耐環境性や銀又は銀を含む合金
の薄膜層と高屈折率透明薄膜層との密着性等を向上させ
るため、銀又は銀を含む合金の薄膜層と高屈折率透明薄
膜層の間に、導電性、光学特性を損なわない程度に任意
の無機物層を形成してもよい。具体的な材料としては
銅、ニッケル、クロム、金、白金、亜鉛、ジルコニウ
ム、チタン、タングステン、スズ、パラジウム等、ある
いはこれらの材料の2種類以上からなる合金があげられ
る。その厚さは、好ましくは0.02nm〜2nm程度であ
る。しかしながら、前述したように、ディスプレイ用光
学フィルターを目的とする多層薄膜は、可視光線透過率
・可視光線反射率を重視すると、一般に透過色調に劣
る。光学フィルターの透過色は、ディスプレイの色調・
コントラスト等に大きく影響し、特に強い緑色は不適で
あり、ニュートラルグレー、または、ニュートラルブル
ーに近いことが要求される。
【0027】本発明者らは、透過色のaが−8〜0、b
が−4〜5の範囲であることを特徴とする光学フィルタ
ーが、プラズマディスプレイ用途として透過率に優れ、
これを用いればディスプレイの発光輝度、発光色の色純
度を著しく低下させず、コントラストの維持及び/また
は向上に優れていることを見出した。
が−4〜5の範囲であることを特徴とする光学フィルタ
ーが、プラズマディスプレイ用途として透過率に優れ、
これを用いればディスプレイの発光輝度、発光色の色純
度を著しく低下させず、コントラストの維持及び/また
は向上に優れていることを見出した。
【0028】金属薄膜の総膜厚が大きくなる程、多層薄
膜の色調は、ディスプレイ発光色の色純度やコントラス
トを低下させる緑色〜黄緑色になる傾向がある。特に金
属薄膜に銀を用いた場合、高い導電性と近赤外線カット
能を得るために銀の薄膜層を厚くするほど、緑色が強く
なる。また、多層薄膜の耐環境性を向上させるために、
金属薄膜層に例えば銀ではなく金と銀の合金を用いる
と、金の可視部短波長領域の吸収により透過スペクトル
のプロファイルが狭くなり、緑色〜黄緑色になる傾向が
強くなる。また、多層薄膜は、積層数が多いほど、透過
色の設計・制御はしやすいが、ディスプレイ用の光学フ
ィルターとして、好適な透過色にはなりにくく、透過色
を合わせようとすると、反射率・反射色が不適なものと
なってしまうことがある。積層数を多くすることによっ
て、可視光線反射率を重視しつつ、プロファイルが緑色
に極端なピークを持たないようにすることも出来るが、
特に金属薄膜の総膜厚が厚い場合は、それでも可視部短
波長領域・長波長領域で金属薄膜層の反射防止が弱いこ
とにより、この領域の透過は緑色〜黄緑色の透過に比べ
低くなり、透過色は視感度の高い緑色〜黄緑色になる。
つまり、透明導電層の透過色のハンターのクロマティク
ネス指数aが負の値であり、クロマティクネス指数bは
正の値の傾向にある。
膜の色調は、ディスプレイ発光色の色純度やコントラス
トを低下させる緑色〜黄緑色になる傾向がある。特に金
属薄膜に銀を用いた場合、高い導電性と近赤外線カット
能を得るために銀の薄膜層を厚くするほど、緑色が強く
なる。また、多層薄膜の耐環境性を向上させるために、
金属薄膜層に例えば銀ではなく金と銀の合金を用いる
と、金の可視部短波長領域の吸収により透過スペクトル
のプロファイルが狭くなり、緑色〜黄緑色になる傾向が
強くなる。また、多層薄膜は、積層数が多いほど、透過
色の設計・制御はしやすいが、ディスプレイ用の光学フ
ィルターとして、好適な透過色にはなりにくく、透過色
を合わせようとすると、反射率・反射色が不適なものと
なってしまうことがある。積層数を多くすることによっ
て、可視光線反射率を重視しつつ、プロファイルが緑色
に極端なピークを持たないようにすることも出来るが、
特に金属薄膜の総膜厚が厚い場合は、それでも可視部短
波長領域・長波長領域で金属薄膜層の反射防止が弱いこ
とにより、この領域の透過は緑色〜黄緑色の透過に比べ
低くなり、透過色は視感度の高い緑色〜黄緑色になる。
つまり、透明導電層の透過色のハンターのクロマティク
ネス指数aが負の値であり、クロマティクネス指数bは
正の値の傾向にある。
【0029】従って、透明導電層に要求される導電性、
近赤外線カット能が非常に高い場合は、緑色味が強く、
色度補正が必要となる。しかしながら本発明者らは、鋭
意検討の結果、繰り返し回数が4回までで、面抵抗が1
Ω/ □以上であれば、色度補正を必要としないことを見
いだした。すなわち、1〜10Ω/ □の多層薄膜がプラ
ズマディスプレイから放射される強度の電磁波と近赤外
線を問題とならないレベルまで十分抑制でき、そのよう
な多層薄膜を用いることによって、透過色のaが−8〜
0、bが−4〜5の透明導電層が得られ、この透明導電
層を用いることによって色度補正の必要なく、透過色の
aが−8〜0、bが−4〜5で、且つ、可視光線透過率
が60%以上の光学フィルターが得られることを見いだ
したのである。つまり、透明導電層が、好適な光学フィ
ルターの透過色と同じ透過色を有し、その透過色の、a
が極力0に近く、bが極力0に近いまたは0以下である
ことが肝要なのである。
近赤外線カット能が非常に高い場合は、緑色味が強く、
色度補正が必要となる。しかしながら本発明者らは、鋭
意検討の結果、繰り返し回数が4回までで、面抵抗が1
Ω/ □以上であれば、色度補正を必要としないことを見
いだした。すなわち、1〜10Ω/ □の多層薄膜がプラ
ズマディスプレイから放射される強度の電磁波と近赤外
線を問題とならないレベルまで十分抑制でき、そのよう
な多層薄膜を用いることによって、透過色のaが−8〜
0、bが−4〜5の透明導電層が得られ、この透明導電
層を用いることによって色度補正の必要なく、透過色の
aが−8〜0、bが−4〜5で、且つ、可視光線透過率
が60%以上の光学フィルターが得られることを見いだ
したのである。つまり、透明導電層が、好適な光学フィ
ルターの透過色と同じ透過色を有し、その透過色の、a
が極力0に近く、bが極力0に近いまたは0以下である
ことが肝要なのである。
【0030】所望の光学特性の透明導電層を得るには、
得ようとする電磁波シールド能の為の導電性、つまり、
金属薄膜材料・厚さを勘案して、透明基体(A)および
薄膜材料の光学定数(屈折率、消光係数)を用いたベク
トル法、アドミッタンス図を用いる方法等を使った光学
設計を行い、各層の薄膜材料及び、層数、膜厚等を決定
する。この際、透明導電膜上に形成される層を考慮する
と良い。すなわち、透明導電層上に粘着材(E)が形成
される場合は、粘着材(E)の光学定数を考慮する設計
を行う。光学定数は、エリプソメトリー(楕円偏光解析
法)やアッベ屈折計により測定できる。また、光学特性
を観察しながら、層数、膜厚等を制御して成膜を行うこ
ともできる。
得ようとする電磁波シールド能の為の導電性、つまり、
金属薄膜材料・厚さを勘案して、透明基体(A)および
薄膜材料の光学定数(屈折率、消光係数)を用いたベク
トル法、アドミッタンス図を用いる方法等を使った光学
設計を行い、各層の薄膜材料及び、層数、膜厚等を決定
する。この際、透明導電膜上に形成される層を考慮する
と良い。すなわち、透明導電層上に粘着材(E)が形成
される場合は、粘着材(E)の光学定数を考慮する設計
を行う。光学定数は、エリプソメトリー(楕円偏光解析
法)やアッベ屈折計により測定できる。また、光学特性
を観察しながら、層数、膜厚等を制御して成膜を行うこ
ともできる。
【0031】上記の方法により形成した、透明導電膜の
原子組成は、オージェ電子分光法(AES)、誘導結合
プラズマ法(ICP)、ラザフォード後方散乱法(RB
S)等により測定できる。また、層構成および膜厚は、
オージェ電子分光の深さ方向観察、透過型電子顕微鏡に
よる断面観察等により測定できる。また膜厚は、成膜条
件と成膜速度の関係をあらかじめ明らかにした上で成膜
を行うことや、水晶振動子等を用いた成膜中の膜厚モニ
タリングにより、制御される。
原子組成は、オージェ電子分光法(AES)、誘導結合
プラズマ法(ICP)、ラザフォード後方散乱法(RB
S)等により測定できる。また、層構成および膜厚は、
オージェ電子分光の深さ方向観察、透過型電子顕微鏡に
よる断面観察等により測定できる。また膜厚は、成膜条
件と成膜速度の関係をあらかじめ明らかにした上で成膜
を行うことや、水晶振動子等を用いた成膜中の膜厚モニ
タリングにより、制御される。
【0032】透明導電膜上に粘着材(E)または後述の
機能性透明層(F)が形成されると、透明導電膜への光
の入射媒質が、空気または真空等の屈折率1の入射媒質
と違うために透過色(及び透過率、反射色、反射率)が
変化する。従って、本発明での透明導電層の透過色と
は、透明導電膜上に形成される粘着材(E)、ハードコ
ート膜等の隣接層を入射媒質としたときのものである。
つまり、評価の際には、透明基体(A)上に透明導電膜
を形成し、さらにその上に使用される状態に適宜あわせ
て粘着材(E)やハードコート膜等の隣接層を形成して
行う。
機能性透明層(F)が形成されると、透明導電膜への光
の入射媒質が、空気または真空等の屈折率1の入射媒質
と違うために透過色(及び透過率、反射色、反射率)が
変化する。従って、本発明での透明導電層の透過色と
は、透明導電膜上に形成される粘着材(E)、ハードコ
ート膜等の隣接層を入射媒質としたときのものである。
つまり、評価の際には、透明基体(A)上に透明導電膜
を形成し、さらにその上に使用される状態に適宜あわせ
て粘着材(E)やハードコート膜等の隣接層を形成して
行う。
【0033】透明導電膜の耐環境性が高く、耐擦傷性を
要求されない時は、特に透明導電膜の可視光線反射率が
低く反射防止膜としても好適に使用できる場合には、透
明導電膜上に隣接層は形成しない。このように使用され
るときは、隣接層を形成しないで評価し、透明導電層の
透過色は、透明基体(A)上に透明導電膜を形成した透
明導電性積層体の透過色である。
要求されない時は、特に透明導電膜の可視光線反射率が
低く反射防止膜としても好適に使用できる場合には、透
明導電膜上に隣接層は形成しない。このように使用され
るときは、隣接層を形成しないで評価し、透明導電層の
透過色は、透明基体(A)上に透明導電膜を形成した透
明導電性積層体の透過色である。
【0034】透明導電層に多層薄膜を用いる場合、電磁
波シールド能に加え、近赤外線カット能を有している
が、より高い近赤外線カット能が必要であったり、透明
導電層が近赤外線カット能を有していない場合に近赤外
線カット能を光学フィルターに付与するために、近赤外
線吸収色素を1種類以上併用して良い。近赤外線吸収色
素は、透明導電層の近赤外線カット能を補填し、プラズ
マディスプレイの発する強度の近赤外線を充分実用的に
なる程度に吸収するものであれば、特に限定されるもの
ではなく、濃度も限定されるものではない。また、光学
フィルターの耐光性、特に近赤外線吸収色素を用いた光
学フィルターの耐光性を上げるために、紫外線吸収剤を
併用しても良い。紫外線吸収剤の種類、濃度は特に限定
されない。
波シールド能に加え、近赤外線カット能を有している
が、より高い近赤外線カット能が必要であったり、透明
導電層が近赤外線カット能を有していない場合に近赤外
線カット能を光学フィルターに付与するために、近赤外
線吸収色素を1種類以上併用して良い。近赤外線吸収色
素は、透明導電層の近赤外線カット能を補填し、プラズ
マディスプレイの発する強度の近赤外線を充分実用的に
なる程度に吸収するものであれば、特に限定されるもの
ではなく、濃度も限定されるものではない。また、光学
フィルターの耐光性、特に近赤外線吸収色素を用いた光
学フィルターの耐光性を上げるために、紫外線吸収剤を
併用しても良い。紫外線吸収剤の種類、濃度は特に限定
されない。
【0035】近赤外線吸収色素及び/又は紫外線吸収剤
を用いる場合は、透明基体(A)、または、後述の透明
支持体(D)、後述の粘着材(E)、後述の機能性透明
層(F)のいずれか1つ以上に含有させれば良い。
を用いる場合は、透明基体(A)、または、後述の透明
支持体(D)、後述の粘着材(E)、後述の機能性透明
層(F)のいずれか1つ以上に含有させれば良い。
【0036】本発明でいう含有とは、基材または塗膜等
の層または粘着材の内部に含有されることは勿論、基材
または層の表面に塗布した状態を意味する。透明導電層
は、透明基体(A)に高分子フィルムを用いた場合、強
度やディスプレイとの貼り合わせ時の平面性、設置方法
の問題から、主面の平滑な板状の透明支持体(D)と貼
り合わせて用いることが望ましい。貼り合わせは、透明
支持体(D)の主面と、透明積層体の薄膜形成面でない
主面を透明な粘着材(E)を介して行うと、電極を形成
し易く、かつ、ディスプレイ本体と電気的接触を得るの
に好適である。電磁波シールド能を必要としない光学フ
ィルターの場合、貼り合わせは透明積層体のどちらの主
面でも良い。透明支持体(D)としては、機械的強度
や、軽さ、割れにくさから、可視域において透明なプラ
スチック板が望ましいが、熱による変形等の少ない熱的
安定性からガラス板も好適に使用できる。プラスチック
板の具体例を挙げると、ポリメタクリル酸メチル(PM
MA)をはじめとするアクリル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、透明ABS樹脂等が使用できるが、これらの樹脂
に限定されるものではない。特にPMMAはその広い波
長領域での高透明性と機械的強度の高さから好適にしよ
うできる。プラスチック板の厚みは十分な機械的強度
と、たわまずに平面性を維持する剛性が得られればよ
く、特に限定されるものではないが、通常1mm〜10
mm程度である。ガラス板を透明支持体(D)として使
用する場合は、機械的強度を付加するために化学強化加
工または風冷強化加工を行った半強化ガラス板または強
化ガラス板を用いることが望ましい。
の層または粘着材の内部に含有されることは勿論、基材
または層の表面に塗布した状態を意味する。透明導電層
は、透明基体(A)に高分子フィルムを用いた場合、強
度やディスプレイとの貼り合わせ時の平面性、設置方法
の問題から、主面の平滑な板状の透明支持体(D)と貼
り合わせて用いることが望ましい。貼り合わせは、透明
支持体(D)の主面と、透明積層体の薄膜形成面でない
主面を透明な粘着材(E)を介して行うと、電極を形成
し易く、かつ、ディスプレイ本体と電気的接触を得るの
に好適である。電磁波シールド能を必要としない光学フ
ィルターの場合、貼り合わせは透明積層体のどちらの主
面でも良い。透明支持体(D)としては、機械的強度
や、軽さ、割れにくさから、可視域において透明なプラ
スチック板が望ましいが、熱による変形等の少ない熱的
安定性からガラス板も好適に使用できる。プラスチック
板の具体例を挙げると、ポリメタクリル酸メチル(PM
MA)をはじめとするアクリル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、透明ABS樹脂等が使用できるが、これらの樹脂
に限定されるものではない。特にPMMAはその広い波
長領域での高透明性と機械的強度の高さから好適にしよ
うできる。プラスチック板の厚みは十分な機械的強度
と、たわまずに平面性を維持する剛性が得られればよ
く、特に限定されるものではないが、通常1mm〜10
mm程度である。ガラス板を透明支持体(D)として使
用する場合は、機械的強度を付加するために化学強化加
工または風冷強化加工を行った半強化ガラス板または強
化ガラス板を用いることが望ましい。
【0037】本発明においての貼り合わせ(ラミネー
ト)には、任意の透明な粘着材(E)を使用できる。具
体的にはアクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウレタ
ン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PVB)、
エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポリビニ
ルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等
が挙げられる。この際肝要なことはディスプレイからの
光線透過部である中心部分に用いられる粘着材は可視光
線に対して充分透明である必要がある。粘着材は、実用
上の接着強度があればシート状のものでも液状のもので
もよい。粘着材は感圧型接着剤でシート状のものが好適
に使用できる。シート状粘着材貼り付け後または接着材
塗布後に各部材をラミネートすることによって貼り合わ
せを行う。液状のものは塗布、貼り合わせ後に室温放置
または加熱により硬化する接着剤である。塗布方法とし
ては、バーコート法、リバースコート法、グラビアコー
ト法、ダイコート法、ロールコート法等が挙げられる
が、接着剤の種類、粘度、塗布量等から考慮、選定され
る。粘着材もしくは接着剤層の厚みは、特に限定される
ものではないが、0.5μm〜50μm、好ましくは1
μm〜30μmである。粘着材を形成される面、貼り合
わせられる面は、予め易接着コートまたはコロナ放電処
理などの易接着処理により濡れ性を向上させておくこと
が好適である。さらに、粘着材を用いて貼り合わせた後
は、貼り合わせ時に部材間に入り込んだ空気を脱泡また
は、粘着材に固溶させ、さらには部材間の密着力を向上
させる為に、できれば加圧、加温の条件で養生を行うこ
とが肝要である。このとき、加圧条件としては数気圧〜
20気圧以下程度、加温条件としては各部材の耐熱性に
依るが、室温以上80℃以下程度であるが、これらに特
に制限を受けない。
ト)には、任意の透明な粘着材(E)を使用できる。具
体的にはアクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウレタ
ン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PVB)、
エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポリビニ
ルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂等
が挙げられる。この際肝要なことはディスプレイからの
光線透過部である中心部分に用いられる粘着材は可視光
線に対して充分透明である必要がある。粘着材は、実用
上の接着強度があればシート状のものでも液状のもので
もよい。粘着材は感圧型接着剤でシート状のものが好適
に使用できる。シート状粘着材貼り付け後または接着材
塗布後に各部材をラミネートすることによって貼り合わ
せを行う。液状のものは塗布、貼り合わせ後に室温放置
または加熱により硬化する接着剤である。塗布方法とし
ては、バーコート法、リバースコート法、グラビアコー
ト法、ダイコート法、ロールコート法等が挙げられる
が、接着剤の種類、粘度、塗布量等から考慮、選定され
る。粘着材もしくは接着剤層の厚みは、特に限定される
ものではないが、0.5μm〜50μm、好ましくは1
μm〜30μmである。粘着材を形成される面、貼り合
わせられる面は、予め易接着コートまたはコロナ放電処
理などの易接着処理により濡れ性を向上させておくこと
が好適である。さらに、粘着材を用いて貼り合わせた後
は、貼り合わせ時に部材間に入り込んだ空気を脱泡また
は、粘着材に固溶させ、さらには部材間の密着力を向上
させる為に、できれば加圧、加温の条件で養生を行うこ
とが肝要である。このとき、加圧条件としては数気圧〜
20気圧以下程度、加温条件としては各部材の耐熱性に
依るが、室温以上80℃以下程度であるが、これらに特
に制限を受けない。
【0038】本発明の粘着材(E)とは、接着剤または
粘着剤または粘着材である。本発明の光学フィルターに
は、ディスプレイへの設置方法や要求される機能に応じ
て、反射防止性、防眩性、反射防止防眩性、帯電防止
性、アンチニュートンリング性、ガスバリア性、ハード
コート性、防汚性のいずれか一つ以上の機能を有し且つ
可視光線を透過する機能性透明層(F)が、形成される
必要がある。一つの機能性透明層(F)が、複数の機能
を有している場合は、構成部材数または構成層数が減る
ことにより工程、コスト、部材間の界面反射を減じるこ
とができるから好適である。光学フィルターは、機能性
透明層(F)を複数有しても良い。
粘着剤または粘着材である。本発明の光学フィルターに
は、ディスプレイへの設置方法や要求される機能に応じ
て、反射防止性、防眩性、反射防止防眩性、帯電防止
性、アンチニュートンリング性、ガスバリア性、ハード
コート性、防汚性のいずれか一つ以上の機能を有し且つ
可視光線を透過する機能性透明層(F)が、形成される
必要がある。一つの機能性透明層(F)が、複数の機能
を有している場合は、構成部材数または構成層数が減る
ことにより工程、コスト、部材間の界面反射を減じるこ
とができるから好適である。光学フィルターは、機能性
透明層(F)を複数有しても良い。
【0039】本発明における機能性透明層(F)は、上
記各機能を一つ以上有する機能膜そのものでも、機能膜
を塗布または印刷または従来公知の各種成膜法により形
成した透明な基体でも、各機能を有する透明な基体でも
良い。機能膜そのものの場合は、機能性透明層(F)を
形成する透明導電層または透明支持体(D)の主面に塗
布または印刷または従来公知の各種成膜法により直接形
成し、機能膜を形成した透明な基体、各機能を有する透
明な基体の場合は、粘着材(E)を介して透明導電層ま
たは透明支持体(D)の主面に貼り付けても良い。これ
らの作成方法は特に制限を受けない。透明な基体は、透
明なプラスチック板または高分子フィルムまたはガラス
板であり、その種類、厚さも特に制限を受けないし、電
磁波シールド能を有する光学フィルターを得る場合、導
電層と外部との電気的接続が必要であるので、機能性透
明層(F)が透明導電層の導電面上に形成される場合に
は機能性透明層(F)がこの電気的接続を妨げてはなら
ない。例えば、機能性透明層(F)が導電層の周縁部を
残すように形成されることが肝要である。
記各機能を一つ以上有する機能膜そのものでも、機能膜
を塗布または印刷または従来公知の各種成膜法により形
成した透明な基体でも、各機能を有する透明な基体でも
良い。機能膜そのものの場合は、機能性透明層(F)を
形成する透明導電層または透明支持体(D)の主面に塗
布または印刷または従来公知の各種成膜法により直接形
成し、機能膜を形成した透明な基体、各機能を有する透
明な基体の場合は、粘着材(E)を介して透明導電層ま
たは透明支持体(D)の主面に貼り付けても良い。これ
らの作成方法は特に制限を受けない。透明な基体は、透
明なプラスチック板または高分子フィルムまたはガラス
板であり、その種類、厚さも特に制限を受けないし、電
磁波シールド能を有する光学フィルターを得る場合、導
電層と外部との電気的接続が必要であるので、機能性透
明層(F)が透明導電層の導電面上に形成される場合に
は機能性透明層(F)がこの電気的接続を妨げてはなら
ない。例えば、機能性透明層(F)が導電層の周縁部を
残すように形成されることが肝要である。
【0040】ディスプレイへの照明器具等の映り込みに
よって表示画面が見づらくなってしまうため、光学フィ
ルターの人側すなわち装着したときのディスプレイ本体
側の反対側の面に、外光反射を抑制するための反射防止
(AR:アンチリフレクション)性または防眩(AG:
アンチグレア)性または反射防止防眩(ARAG)性を
有する機能性透明層(F)を形成することが必要であ
る。さらに、光学フィルターの外光反射は、装着したと
きのディスプレイ本体側の面にも反射防止性または防眩
性または反射防止防眩性を有する機能性透明層(F)を
反射防止層を形成することによって、さらに低減でき
る。また、ARまたはARAGによる外光反射反射防止
抑制は、光学フィルターの光線透過率を向上させること
ができる。
よって表示画面が見づらくなってしまうため、光学フィ
ルターの人側すなわち装着したときのディスプレイ本体
側の反対側の面に、外光反射を抑制するための反射防止
(AR:アンチリフレクション)性または防眩(AG:
アンチグレア)性または反射防止防眩(ARAG)性を
有する機能性透明層(F)を形成することが必要であ
る。さらに、光学フィルターの外光反射は、装着したと
きのディスプレイ本体側の面にも反射防止性または防眩
性または反射防止防眩性を有する機能性透明層(F)を
反射防止層を形成することによって、さらに低減でき
る。また、ARまたはARAGによる外光反射反射防止
抑制は、光学フィルターの光線透過率を向上させること
ができる。
【0041】光学フィルターは、光学フィルターの主面
とディスプレイ表面を密着させて使用する場合、ディス
プレイ表面とディスプレイ用フィルターの密着度が部分
によって異なるために、それによって生じる間隙を原因
とするニュートンリングが発生してしまう。そのため、
ディスプレイ用フィルターのディスプレイ表面と密着す
る主面上には、アンチニュートンリング(AN)性を有
する機能性透明層(F)を形成する必要がある。
とディスプレイ表面を密着させて使用する場合、ディス
プレイ表面とディスプレイ用フィルターの密着度が部分
によって異なるために、それによって生じる間隙を原因
とするニュートンリングが発生してしまう。そのため、
ディスプレイ用フィルターのディスプレイ表面と密着す
る主面上には、アンチニュートンリング(AN)性を有
する機能性透明層(F)を形成する必要がある。
【0042】反射防止性を有する機能性透明層(F)
は、反射防止膜を形成する基体の光学特性を考慮し、前
述したような光学設計によって反射防止膜の構成要素及
び各構成要素の膜厚を決定する。具体的には、可視域に
おいて屈折率が1.5以下、好適には1.4以と低い、
フッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウム、シリコ
ン系樹脂や酸化珪素の薄膜等を例えば1/4波長の光学
膜厚で単層形成したもの、屈折率の異なる、金属酸化
物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、
硫化物等の無機化合物またはシリコン系樹脂やアクリル
樹脂、フッ素系樹脂等の有機化合物の薄膜を基体から見
て高屈折率層、低屈折率層の順に2層以上多層積層した
ものがある。単層形成したものは、製造が容易である
が、反射防止性が多層積層に比べ劣る。4層積層したも
のは、広い波長領域にわたって反射防止能を有し、基体
の光学特性による光学設計の制限が少ない。これらの無
機化合物薄膜の成膜には、スパッタリング、イオンプレ
ーティング、真空蒸着、湿式塗工等、従来公知の方法の
いずれでも採用できる。有機化合物薄膜の成膜には、湿
式塗工等、従来公知の方法を採用できる。
は、反射防止膜を形成する基体の光学特性を考慮し、前
述したような光学設計によって反射防止膜の構成要素及
び各構成要素の膜厚を決定する。具体的には、可視域に
おいて屈折率が1.5以下、好適には1.4以と低い、
フッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウム、シリコ
ン系樹脂や酸化珪素の薄膜等を例えば1/4波長の光学
膜厚で単層形成したもの、屈折率の異なる、金属酸化
物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物、窒化物、
硫化物等の無機化合物またはシリコン系樹脂やアクリル
樹脂、フッ素系樹脂等の有機化合物の薄膜を基体から見
て高屈折率層、低屈折率層の順に2層以上多層積層した
ものがある。単層形成したものは、製造が容易である
が、反射防止性が多層積層に比べ劣る。4層積層したも
のは、広い波長領域にわたって反射防止能を有し、基体
の光学特性による光学設計の制限が少ない。これらの無
機化合物薄膜の成膜には、スパッタリング、イオンプレ
ーティング、真空蒸着、湿式塗工等、従来公知の方法の
いずれでも採用できる。有機化合物薄膜の成膜には、湿
式塗工等、従来公知の方法を採用できる。
【0043】アンチニュートンリング性を有する機能性
透明層(F)と防眩性を有する機能性透明層(F)は、
用途が異なるだけで、0.1μm〜10μm程度の微少
な凹凸の表面状態を有する可視光線に対して透明な層を
指している。アンチニュートンリング性は防眩性を有し
ている。具体的には、アクリル系樹脂、シリコン系樹
脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹
脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂に、シ
リカ、有機珪素化合物、メラミン、アクリル等の無機化
合物または有機化合物の粒子を分散させインキ化したも
のを、バーコート法、リバースコート法、グラビアコー
ト法、ダイコート法、ロールコート法等によって基体上
に塗布、硬化させる。粒子の平均粒径は、1〜40μm
である。または、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メ
ラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ
素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂を基体に塗布
し、所望のヘイズまたは表面状態を有する型を押しつけ
硬化することによってもアンチニュートンリング性また
は防眩性を得ることができる。さらには、例えばガラス
板をフッ酸等でエッチングするように、基体を薬剤処理
することによっても防眩性を得ることができる。この場
合は、処理時間、薬剤のエッチング性により、防眩性の
ヘイズを調節する事ができる。要は適当な凹凸を有する
ことが重要であり、必ずしも上記方法に限定されるもの
ではない。防眩性またはアンチニュートンリング性のヘ
イズは0.5%以上、20%以下であり、好ましくは1
%以上、10%以下である。ヘイズが小さすぎると不十
分であり、ヘイズが大きすぎると平行光線透過率が低く
なり、ディスプレイの視認性が悪くなる。
透明層(F)と防眩性を有する機能性透明層(F)は、
用途が異なるだけで、0.1μm〜10μm程度の微少
な凹凸の表面状態を有する可視光線に対して透明な層を
指している。アンチニュートンリング性は防眩性を有し
ている。具体的には、アクリル系樹脂、シリコン系樹
脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹
脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂に、シ
リカ、有機珪素化合物、メラミン、アクリル等の無機化
合物または有機化合物の粒子を分散させインキ化したも
のを、バーコート法、リバースコート法、グラビアコー
ト法、ダイコート法、ロールコート法等によって基体上
に塗布、硬化させる。粒子の平均粒径は、1〜40μm
である。または、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メ
ラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ
素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂を基体に塗布
し、所望のヘイズまたは表面状態を有する型を押しつけ
硬化することによってもアンチニュートンリング性また
は防眩性を得ることができる。さらには、例えばガラス
板をフッ酸等でエッチングするように、基体を薬剤処理
することによっても防眩性を得ることができる。この場
合は、処理時間、薬剤のエッチング性により、防眩性の
ヘイズを調節する事ができる。要は適当な凹凸を有する
ことが重要であり、必ずしも上記方法に限定されるもの
ではない。防眩性またはアンチニュートンリング性のヘ
イズは0.5%以上、20%以下であり、好ましくは1
%以上、10%以下である。ヘイズが小さすぎると不十
分であり、ヘイズが大きすぎると平行光線透過率が低く
なり、ディスプレイの視認性が悪くなる。
【0044】光学フィルターがディスプレイ本体に密着
せずに離れて設置される場合等、防眩性を有する機能性
透明層(F)がディスプレイ表面から比較的距離がある
と、画像の拡散によるボケが生じる場合がある。この為
このような設置方法の場合は、防眩性を維持し、且つ、
ディスプレイから適当距離はなしても画像のボケのない
ヘイズのものを選択することが肝要である。
せずに離れて設置される場合等、防眩性を有する機能性
透明層(F)がディスプレイ表面から比較的距離がある
と、画像の拡散によるボケが生じる場合がある。この為
このような設置方法の場合は、防眩性を維持し、且つ、
ディスプレイから適当距離はなしても画像のボケのない
ヘイズのものを選択することが肝要である。
【0045】反射防止防眩性を有する機能性透明層
(F)は、防眩性を有する膜または基体上に前述の反射
防止膜を形成することによって得られる。この際、防眩
性を有する膜が高屈折率の膜である場合、反射防止膜が
単層でも比較的高い反射防止性を付与することができ
る。反射防止防眩性を有する機能性透明層(F)はアン
チニュトンリング性も有することができる。
(F)は、防眩性を有する膜または基体上に前述の反射
防止膜を形成することによって得られる。この際、防眩
性を有する膜が高屈折率の膜である場合、反射防止膜が
単層でも比較的高い反射防止性を付与することができ
る。反射防止防眩性を有する機能性透明層(F)はアン
チニュトンリング性も有することができる。
【0046】光学フィルターに耐擦傷性を付加させるた
めに、特にフィルターの人側表面や薄膜上に、光学特性
をはじめとする光学フィルターの特性を損なわない程度
に透明性を有するハードコート性を有する機能性透明層
(F)を形成しても良い。ハードコート膜としてはアク
リル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型
又は光硬化型樹脂等が挙げられるが、その種類も形成方
法も特に限定されない。これら膜の厚さは、1〜100
μm程度である。ハードコート膜が反射防止性を有する
透明機能層(F)の高屈折率層または低屈折率層に用い
られたり、ハードコート膜上に反射防止膜が形成され
て、機能性透明層(F)が反射防止性とハードコート性
の両方を有しても良い。同様に防眩性及び/またはアン
チニュートンリング性とハードコート性の両方を有して
も良い。この場合はハードコート膜が粒子が分散される
等して凹凸を有すれば良いし、その上に反射防止膜が形
成されれば反射防止防眩性とハードコート性を両方有す
る機能性透明層(F)が得られる。
めに、特にフィルターの人側表面や薄膜上に、光学特性
をはじめとする光学フィルターの特性を損なわない程度
に透明性を有するハードコート性を有する機能性透明層
(F)を形成しても良い。ハードコート膜としてはアク
リル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型
又は光硬化型樹脂等が挙げられるが、その種類も形成方
法も特に限定されない。これら膜の厚さは、1〜100
μm程度である。ハードコート膜が反射防止性を有する
透明機能層(F)の高屈折率層または低屈折率層に用い
られたり、ハードコート膜上に反射防止膜が形成され
て、機能性透明層(F)が反射防止性とハードコート性
の両方を有しても良い。同様に防眩性及び/またはアン
チニュートンリング性とハードコート性の両方を有して
も良い。この場合はハードコート膜が粒子が分散される
等して凹凸を有すれば良いし、その上に反射防止膜が形
成されれば反射防止防眩性とハードコート性を両方有す
る機能性透明層(F)が得られる。
【0047】さらに、光学フィルターには、静電気帯電
によりホコリが付着しやすく、また、人体が接触したと
きに放電して電気ショックを受けることがあるため、帯
電防止処理が必要とされる場合がある。従って、光学フ
ィルターに静電防止能を付与するために、光学フィルタ
ーの表面に帯電防止能を有する機能性透明層(F)とし
て導電層を設けても良い。この場合に必要とされる導電
性は面抵抗で1011Ω/□程度以下であれば良いが、デ
ィスプレイ画面の透明性や解像度を損なうものであって
はならない。導電層としてはITOをはじめとする公知
の透明導電膜やITO超微粒子や酸化スズ超微粒子をは
じめとする導電性超微粒子を分散させた導電膜が挙げら
れる。また、先述した反射防止性、防眩性、反射防止防
眩性、アンチニュートンリング性、ハードコート性のい
ずれか一つ以上の機能を有した機能性透明層(F)の構
成中に導電膜を有していると好適である。
によりホコリが付着しやすく、また、人体が接触したと
きに放電して電気ショックを受けることがあるため、帯
電防止処理が必要とされる場合がある。従って、光学フ
ィルターに静電防止能を付与するために、光学フィルタ
ーの表面に帯電防止能を有する機能性透明層(F)とし
て導電層を設けても良い。この場合に必要とされる導電
性は面抵抗で1011Ω/□程度以下であれば良いが、デ
ィスプレイ画面の透明性や解像度を損なうものであって
はならない。導電層としてはITOをはじめとする公知
の透明導電膜やITO超微粒子や酸化スズ超微粒子をは
じめとする導電性超微粒子を分散させた導電膜が挙げら
れる。また、先述した反射防止性、防眩性、反射防止防
眩性、アンチニュートンリング性、ハードコート性のい
ずれか一つ以上の機能を有した機能性透明層(F)の構
成中に導電膜を有していると好適である。
【0048】また、多層薄膜を構成する銀は、化学的、
物理的安定性に欠け、環境中の汚染物質、水蒸気等によ
って劣化し、凝集、白化現象を起こすため、透明積層体
の薄膜形成面には、薄膜が使用環境中の汚染物質、水蒸
気がさらされないようにガスバリア性を有する機能性透
明層(F)で被覆することが肝要である。必要とされる
ガスバリア性は、透湿度で10g/m 2 ・ day 以下であ
る。ガスバリア性を有する膜の具体例としては、酸化珪
素、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸
化イットリウム、酸化マグネシウム等、またはこれらの
混合物、またはこれらに他の元素を微量に添加した金属
酸化物薄膜や、ポリ塩化ビニリデンほか、アクリル系樹
脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹
脂、フッ素系樹脂等が挙げられるが、特にこれらに限定
されるものではない。これら膜の厚さは、金属酸化物薄
膜の場合、10〜200nm、樹脂の場合1〜100μ
m程度であり、単層でも多層でも良いが、これもまた特
に制限されるものではない。また、水蒸気透湿度が低い
高分子フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデンや、塩化ビニリデン
と塩化ビニル、塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共
重合物、フッ素系樹脂等が挙げられるが、透湿度が10
g/m 2 ・ day 以下であれば特に限定されるものではな
い。透湿度が比較的高い場合でも、フィルムの厚みが増
えることや適当な添加物を加えることにより、透湿度は
低下する。
物理的安定性に欠け、環境中の汚染物質、水蒸気等によ
って劣化し、凝集、白化現象を起こすため、透明積層体
の薄膜形成面には、薄膜が使用環境中の汚染物質、水蒸
気がさらされないようにガスバリア性を有する機能性透
明層(F)で被覆することが肝要である。必要とされる
ガスバリア性は、透湿度で10g/m 2 ・ day 以下であ
る。ガスバリア性を有する膜の具体例としては、酸化珪
素、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウム、酸
化イットリウム、酸化マグネシウム等、またはこれらの
混合物、またはこれらに他の元素を微量に添加した金属
酸化物薄膜や、ポリ塩化ビニリデンほか、アクリル系樹
脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹
脂、フッ素系樹脂等が挙げられるが、特にこれらに限定
されるものではない。これら膜の厚さは、金属酸化物薄
膜の場合、10〜200nm、樹脂の場合1〜100μ
m程度であり、単層でも多層でも良いが、これもまた特
に制限されるものではない。また、水蒸気透湿度が低い
高分子フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデンや、塩化ビニリデン
と塩化ビニル、塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共
重合物、フッ素系樹脂等が挙げられるが、透湿度が10
g/m 2 ・ day 以下であれば特に限定されるものではな
い。透湿度が比較的高い場合でも、フィルムの厚みが増
えることや適当な添加物を加えることにより、透湿度は
低下する。
【0049】また、薄膜に隣接する機能性透明層(F)
が、先述した反射防止性、防眩性、反射防止防眩性、帯
電防止性、アンチニュートンリング性、ハードコート性
のいずれか一つ以上の機能を有した機能性透明層(F)
の構成中にガスバリア性を有する膜を有していたり、全
体またはさらに粘着材と併用で上記のガスバリア性を有
していると、好適である。
が、先述した反射防止性、防眩性、反射防止防眩性、帯
電防止性、アンチニュートンリング性、ハードコート性
のいずれか一つ以上の機能を有した機能性透明層(F)
の構成中にガスバリア性を有する膜を有していたり、全
体またはさらに粘着材と併用で上記のガスバリア性を有
していると、好適である。
【0050】例えば、反射防止性、ハードコート性、帯
電防止性、ガスバリア性を有する機能性透明層(F)と
しては、ポリエチレンテレフタレートフィルム/ハード
コート膜/ITO/含ケイ素化合物/ITO/含ケイ素
化合物、等があげられ、反射防止防眩性、アンチニュー
トンリング性、ハードコート性、帯電防止性、ガスバリ
ア性を有する機能性透明層(F)としては、(トリアセ
チルセルロースフィルム/)ITO微粒子分散ハードコ
ート膜/含ケイ素化合物化合物、等があげられる。
電防止性、ガスバリア性を有する機能性透明層(F)と
しては、ポリエチレンテレフタレートフィルム/ハード
コート膜/ITO/含ケイ素化合物/ITO/含ケイ素
化合物、等があげられ、反射防止防眩性、アンチニュー
トンリング性、ハードコート性、帯電防止性、ガスバリ
ア性を有する機能性透明層(F)としては、(トリアセ
チルセルロースフィルム/)ITO微粒子分散ハードコ
ート膜/含ケイ素化合物化合物、等があげられる。
【0051】さらに、指紋等の汚れ防止や汚れが付いた
ときに簡単に取り除くことができるよう、光学フィルタ
ー表面に防汚性を付与しても良い。この為には、少なく
とも防汚性を有する機能性透明層(F)を光学フィルタ
ーの最表面に形成する。防汚性を有するものとしては、
水及び/または油脂に対して非濡性を有するものであっ
て、例えばフッ素化合物やケイ素化合物が挙げられる。
反射防止性や帯電防止性等の他の機能に併せる際には、
それら機能を妨げるものであってはならない。この場
合、反射防止膜の構成材料に低屈折率であるフッ素化合
物を使用することや、フッ素系有機分子を1〜数分子、
最表面にコートすることによって、反射防止性や帯電防
止性を維持しつつ防汚性を付与することができる。例え
ば、防汚性、反射防止性、ハードコート性、帯電防止
性、ガスバリア性を有する機能性透明層(F)として
は、ハードコート膜/ITO/含ケイ素化合物/ITO
/含ケイ素化合物/フッ素系有機分子の単分子コート
膜、等があげられる。
ときに簡単に取り除くことができるよう、光学フィルタ
ー表面に防汚性を付与しても良い。この為には、少なく
とも防汚性を有する機能性透明層(F)を光学フィルタ
ーの最表面に形成する。防汚性を有するものとしては、
水及び/または油脂に対して非濡性を有するものであっ
て、例えばフッ素化合物やケイ素化合物が挙げられる。
反射防止性や帯電防止性等の他の機能に併せる際には、
それら機能を妨げるものであってはならない。この場
合、反射防止膜の構成材料に低屈折率であるフッ素化合
物を使用することや、フッ素系有機分子を1〜数分子、
最表面にコートすることによって、反射防止性や帯電防
止性を維持しつつ防汚性を付与することができる。例え
ば、防汚性、反射防止性、ハードコート性、帯電防止
性、ガスバリア性を有する機能性透明層(F)として
は、ハードコート膜/ITO/含ケイ素化合物/ITO
/含ケイ素化合物/フッ素系有機分子の単分子コート
膜、等があげられる。
【0052】また、電磁波シールドを必要とする機器に
は、機器のケース内部に金属層を設けたり、ケースに導
電性材料を使用して電波を遮断する。ディスプレイの如
く透明性が必要である場合には、透明導電層を形成した
窓状の光学フィルター(ディスプレイ用フィルター)を
設置する。電磁波は導電層において吸収されたのち電荷
を誘起するため、アースをとることによって電荷を逃が
さないと、再び電磁波シールド体がアンテナとなって電
磁波を発振し電磁波シールド能が低下する。従って、電
磁波シールド性を付与したディスプレイ用フィルターと
ディスプレイ本体のケース内部の導電部がオーミックに
コンタクトしている必要がある。そのため、透明導電層
は通電部分である透明導電膜形成面が一部剥き出してお
り、前述の機能性透明層(F)をはじめとする薄膜形成
面に形成される層は、電気的接触を得る部分以外に形成
されている必要がある。
は、機器のケース内部に金属層を設けたり、ケースに導
電性材料を使用して電波を遮断する。ディスプレイの如
く透明性が必要である場合には、透明導電層を形成した
窓状の光学フィルター(ディスプレイ用フィルター)を
設置する。電磁波は導電層において吸収されたのち電荷
を誘起するため、アースをとることによって電荷を逃が
さないと、再び電磁波シールド体がアンテナとなって電
磁波を発振し電磁波シールド能が低下する。従って、電
磁波シールド性を付与したディスプレイ用フィルターと
ディスプレイ本体のケース内部の導電部がオーミックに
コンタクトしている必要がある。そのため、透明導電層
は通電部分である透明導電膜形成面が一部剥き出してお
り、前述の機能性透明層(F)をはじめとする薄膜形成
面に形成される層は、電気的接触を得る部分以外に形成
されている必要がある。
【0053】電気的接触を良好とするために、透明導電
膜上に電極を形成する。電極形状は特に限定しない。し
かしながら、光学フィルターと機器の間に、電磁波の漏
洩する隙間が存在しないことが肝要である。従って、透
明導電膜上且つ周縁部に連続的に、電極を形成すると好
適である。すなわち、ディスプレイからの光線透過部で
ある中心部分を除いて、枠状に、平面な金属を含む電極
を形成する。電極が形成される面は、ディスプレイセッ
トのアース位置によって決められ、設置されたときの人
側の面であってもディスプレイ側の面であっても良い。
膜上に電極を形成する。電極形状は特に限定しない。し
かしながら、光学フィルターと機器の間に、電磁波の漏
洩する隙間が存在しないことが肝要である。従って、透
明導電膜上且つ周縁部に連続的に、電極を形成すると好
適である。すなわち、ディスプレイからの光線透過部で
ある中心部分を除いて、枠状に、平面な金属を含む電極
を形成する。電極が形成される面は、ディスプレイセッ
トのアース位置によって決められ、設置されたときの人
側の面であってもディスプレイ側の面であっても良い。
【0054】電極に用いる材料は、導電性、耐触性およ
び透明導電膜との密着性等の点から、銀、金、銅、白
金、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛、カー
ボン等の単体もしくは2種以上からなる合金や、合成樹
脂とこれら単体または合金の混合物、もしくは、ホウケ
イ酸ガラスとこれら単体または合金の混合物からなるペ
ーストを使用できる。電極形成にはメッキ法、真空蒸着
法、スパッタ法など、ペーストといったものは印刷、塗
工する方法など従来公知の方法を採用できる。また市販
の導電性テープも好適に使用できる。電極の厚さは、こ
れもまた特に限定されるものではないが、数μm〜数m
m程度である。また、電極を形成しなくても、本発明の
光学フィルターは、近赤外線カット性等に優れているた
め、NDフィルターや近赤外線カットフィルターとして
も好適に使用できる。従ってこの場合は、前述の機能性
透明層(F)をはじめとする薄膜形成面上に形成される
層は、薄膜形成面を全て覆っていて良い。
び透明導電膜との密着性等の点から、銀、金、銅、白
金、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛、カー
ボン等の単体もしくは2種以上からなる合金や、合成樹
脂とこれら単体または合金の混合物、もしくは、ホウケ
イ酸ガラスとこれら単体または合金の混合物からなるペ
ーストを使用できる。電極形成にはメッキ法、真空蒸着
法、スパッタ法など、ペーストといったものは印刷、塗
工する方法など従来公知の方法を採用できる。また市販
の導電性テープも好適に使用できる。電極の厚さは、こ
れもまた特に限定されるものではないが、数μm〜数m
m程度である。また、電極を形成しなくても、本発明の
光学フィルターは、近赤外線カット性等に優れているた
め、NDフィルターや近赤外線カットフィルターとして
も好適に使用できる。従ってこの場合は、前述の機能性
透明層(F)をはじめとする薄膜形成面上に形成される
層は、薄膜形成面を全て覆っていて良い。
【0055】本発明の光学フィルターは、ディスプレイ
に装着したとき、装着用冶具、電極部分等が視認者から
見えないようにするために、任意の額縁印刷を施して良
い。印刷形状、印刷面、印刷色、印刷方法は特に特定さ
れるものではない。また、ディスプレイに装着するため
の穴加工やコーナ処理等の加工を施しても良い。
に装着したとき、装着用冶具、電極部分等が視認者から
見えないようにするために、任意の額縁印刷を施して良
い。印刷形状、印刷面、印刷色、印刷方法は特に特定さ
れるものではない。また、ディスプレイに装着するため
の穴加工やコーナ処理等の加工を施しても良い。
【0056】以上の如く、本発明の光学フィルターは、
可視光線透過率、可視光線反射率、色調が優れているた
めディスプレーの輝度・色調・コントラスト・視認性が
損なわれず、又は向上し、さらにまた、プラズマディス
プレイから発生する健康に害をなすといわれている電磁
波を遮断する電磁波シールド能に優れ、さらに、プラズ
マディスプレーからでる800〜1000nm付近の近
赤外線線を効率よくカットするため、周辺電子機器のリ
モコン、伝送系光通信等が使用する波長に悪影響を与え
ず、それらの誤動作を防ぐことができる。また、耐候性
・耐環境性に優れ、反射防止性及び/または防眩性、ア
ンチニュートンリング性、耐擦傷性、防汚性、帯電防止
性等を兼ね備えている。
可視光線透過率、可視光線反射率、色調が優れているた
めディスプレーの輝度・色調・コントラスト・視認性が
損なわれず、又は向上し、さらにまた、プラズマディス
プレイから発生する健康に害をなすといわれている電磁
波を遮断する電磁波シールド能に優れ、さらに、プラズ
マディスプレーからでる800〜1000nm付近の近
赤外線線を効率よくカットするため、周辺電子機器のリ
モコン、伝送系光通信等が使用する波長に悪影響を与え
ず、それらの誤動作を防ぐことができる。また、耐候性
・耐環境性に優れ、反射防止性及び/または防眩性、ア
ンチニュートンリング性、耐擦傷性、防汚性、帯電防止
性等を兼ね備えている。
【0057】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により具体的に説明
する。本発明はこれらによりなんら制限されるものでは
ない。実施例中及び比較例中の透明導電層の薄膜は、基
材の一方の主面にマグネトロンDCスパッタリング法に
より成膜した。薄膜の厚さは、成膜条件から求めた値で
あり、実際に測定した膜厚ではない。高屈折率薄膜層
(B)であるITO薄膜は、ターゲットに酸化インジウ
ム・酸化スズ焼結体(組成比In2 O3 :SnO2 =9
0:10wt%))を、スパッタガスにアルゴン・酸素
混合ガス(全圧266mPa :酸素分圧5mPa )を用いて
成膜した。
する。本発明はこれらによりなんら制限されるものでは
ない。実施例中及び比較例中の透明導電層の薄膜は、基
材の一方の主面にマグネトロンDCスパッタリング法に
より成膜した。薄膜の厚さは、成膜条件から求めた値で
あり、実際に測定した膜厚ではない。高屈折率薄膜層
(B)であるITO薄膜は、ターゲットに酸化インジウ
ム・酸化スズ焼結体(組成比In2 O3 :SnO2 =9
0:10wt%))を、スパッタガスにアルゴン・酸素
混合ガス(全圧266mPa :酸素分圧5mPa )を用いて
成膜した。
【0058】高屈折率薄膜層(B)であるSnO2 薄膜
は、ターゲットに酸化スズ焼結体を、スパッタガスにア
ルゴン・酸素混合ガス(全圧266mPa :酸素分圧5mP
a )を用いて成膜した。銀または銀を含む合金の薄膜層
(C)である銀薄膜は、ターゲットに銀を、スパッタガ
スにアルゴンガス(全圧266mPa )を用いて成膜し
た。銀または銀を含む合金の薄膜層(C)である銀−パ
ラジウム合金薄膜は、ターゲットに銀−パラジウム合金
(パラジウム10wt%)を、スパッタガスにアルゴン
ガス(全圧266mPa )を用いて成膜した。銀または銀
を含む合金の薄膜層(C)である銀−金合金薄膜は、タ
ーゲットに銀−金合金(金10wt%)を、スパッタガ
スにアルゴンガス(全圧266mPa)を用いて成膜し
た。
は、ターゲットに酸化スズ焼結体を、スパッタガスにア
ルゴン・酸素混合ガス(全圧266mPa :酸素分圧5mP
a )を用いて成膜した。銀または銀を含む合金の薄膜層
(C)である銀薄膜は、ターゲットに銀を、スパッタガ
スにアルゴンガス(全圧266mPa )を用いて成膜し
た。銀または銀を含む合金の薄膜層(C)である銀−パ
ラジウム合金薄膜は、ターゲットに銀−パラジウム合金
(パラジウム10wt%)を、スパッタガスにアルゴン
ガス(全圧266mPa )を用いて成膜した。銀または銀
を含む合金の薄膜層(C)である銀−金合金薄膜は、タ
ーゲットに銀−金合金(金10wt%)を、スパッタガ
スにアルゴンガス(全圧266mPa)を用いて成膜し
た。
【0059】また、実施例及び比較例の光学フィルター
は以下の部材を組み合わせ、作製した。尚、反射防止膜
面の片面の可視光線反射率(Rvis )の求め方は、まず
測定対象物の小辺を切り出し、反射防止膜が形成されて
いない面をサンドペーパーで荒らした後、艶消し黒スプ
レーしてこの面の反射を無くし、反射積分球(光線入射
角度6゜)を用いた(株)日立製作所製分光光度計(U
−3400)により可視領域の全光線反射率を測定し、
ここで求められた反射率からJIS R3106に従っ
て計算した。さらにアンチニュートンリング性の評価
は、アンチニュートンリング性を有する機能性透明膜を
200mm×200mmで2mm厚さの基体上に形成す
るか、該機能性透明膜が形成されているフィルム状の基
体を粘着材を介して200mm×200mmで2mm厚
さの基体に貼合し、膜が形成されている面を下にして、
平坦なガラス上に重ねて乗せ、ディスプレイ用フィルタ
ーの四隅に重さ500gのおもりをのせ、中心、直上か
ら3波長域発光型蛍光ランプ(三菱電機(株)製ルピカ
20W)を照射しニュートンリングの発生の有無をサン
プル平面に対して10〜80゜の角度から観察すること
によって行った。さらにまた、防汚性の評価は、表面を
指で触れ人脂を付けた後、布で軽く拭き取れるかどうか
で判断した。
は以下の部材を組み合わせ、作製した。尚、反射防止膜
面の片面の可視光線反射率(Rvis )の求め方は、まず
測定対象物の小辺を切り出し、反射防止膜が形成されて
いない面をサンドペーパーで荒らした後、艶消し黒スプ
レーしてこの面の反射を無くし、反射積分球(光線入射
角度6゜)を用いた(株)日立製作所製分光光度計(U
−3400)により可視領域の全光線反射率を測定し、
ここで求められた反射率からJIS R3106に従っ
て計算した。さらにアンチニュートンリング性の評価
は、アンチニュートンリング性を有する機能性透明膜を
200mm×200mmで2mm厚さの基体上に形成す
るか、該機能性透明膜が形成されているフィルム状の基
体を粘着材を介して200mm×200mmで2mm厚
さの基体に貼合し、膜が形成されている面を下にして、
平坦なガラス上に重ねて乗せ、ディスプレイ用フィルタ
ーの四隅に重さ500gのおもりをのせ、中心、直上か
ら3波長域発光型蛍光ランプ(三菱電機(株)製ルピカ
20W)を照射しニュートンリングの発生の有無をサン
プル平面に対して10〜80゜の角度から観察すること
によって行った。さらにまた、防汚性の評価は、表面を
指で触れ人脂を付けた後、布で軽く拭き取れるかどうか
で判断した。
【0060】(構成1)2軸延伸ポリエチレンテレフタ
レート(以下PET)フィルム(厚さ:75μm)を透
明基体(A)としてその一方の主面に、ITO薄膜と銀
薄膜を多層積層して透明導電層を形成してスパッタフィ
ルム1を得た。酢酸エチル/トルエン(50:50wt
%)溶剤をアクリル系粘着剤の希釈液として、アクリル
系粘着剤/希釈液(80:20wt%)を混合し、コン
マコーターにより離型フィルムに乾燥膜厚25μmに塗
工の後、乾燥、粘着面に離型フィルムをラミネートし
て、離型フィルムに挟み込まれた粘着材(E)を得た。
レート(以下PET)フィルム(厚さ:75μm)を透
明基体(A)としてその一方の主面に、ITO薄膜と銀
薄膜を多層積層して透明導電層を形成してスパッタフィ
ルム1を得た。酢酸エチル/トルエン(50:50wt
%)溶剤をアクリル系粘着剤の希釈液として、アクリル
系粘着剤/希釈液(80:20wt%)を混合し、コン
マコーターにより離型フィルムに乾燥膜厚25μmに塗
工の後、乾燥、粘着面に離型フィルムをラミネートし
て、離型フィルムに挟み込まれた粘着材(E)を得た。
【0061】トリアセチルセルロース(以下TAC)フ
ィルム(厚さ:80μm)の一方の主面に多官能メタク
リレート樹脂に光重合開始剤を加えグラビアコーターに
て塗工・紫外線硬化によってハードコート膜(膜厚:3
μm)を形成し、その上に含フッ素有機化合物溶液をマ
イクログラビアコーターにて塗工・90℃乾燥・熱硬化
させ、屈折率1.4の反射防止膜(膜厚:100nm)
を形成し、ハードコート性(JIS K5400準拠の
鉛筆硬度:H)、ガスバリア性(ASTM−E96準
拠、2g/m2 ・day)、反射防止性(反射防止膜面
の片面のRvis :1.2%)、防汚性を有する機能性透
明層(F)として反射防止フィルム1を得た。反射防止
フィルム1の他方の主面に、上記と同様に厚さ25μm
の粘着材(E)を形成し、さらに離型フィルムをラミネ
ートした。透明支持体(D)として、厚さ3mm、10
00mm×600mmの風冷強化ガラスを用いた。
ィルム(厚さ:80μm)の一方の主面に多官能メタク
リレート樹脂に光重合開始剤を加えグラビアコーターに
て塗工・紫外線硬化によってハードコート膜(膜厚:3
μm)を形成し、その上に含フッ素有機化合物溶液をマ
イクログラビアコーターにて塗工・90℃乾燥・熱硬化
させ、屈折率1.4の反射防止膜(膜厚:100nm)
を形成し、ハードコート性(JIS K5400準拠の
鉛筆硬度:H)、ガスバリア性(ASTM−E96準
拠、2g/m2 ・day)、反射防止性(反射防止膜面
の片面のRvis :1.2%)、防汚性を有する機能性透
明層(F)として反射防止フィルム1を得た。反射防止
フィルム1の他方の主面に、上記と同様に厚さ25μm
の粘着材(E)を形成し、さらに離型フィルムをラミネ
ートした。透明支持体(D)として、厚さ3mm、10
00mm×600mmの風冷強化ガラスを用いた。
【0062】ロール状のスパッタフィルム1の薄膜が形
成されていない面に、ロール状の離型フィルムに挟み込
まれた粘着材(E)を、片面の離型フィルムを剥離しな
がら連続的にラミネート(貼合)し、薄膜/PETフィ
ルム/色素入り粘着材/離型フィルムのロールを得た。
これを風冷強化ガラスの一方の主面に、離型フィルムを
剥しながらラミネートした。さらに他方の主面に粘着材
付き反射防止フィルム1を同様にラミネートした。さら
に、スパッタフィルム1の上に反射防止フィルム1上
に、周縁部20mmの透明導電膜すなわち導電部が剥き
だしになるように残して、内側だけにラミネートした。
成されていない面に、ロール状の離型フィルムに挟み込
まれた粘着材(E)を、片面の離型フィルムを剥離しな
がら連続的にラミネート(貼合)し、薄膜/PETフィ
ルム/色素入り粘着材/離型フィルムのロールを得た。
これを風冷強化ガラスの一方の主面に、離型フィルムを
剥しながらラミネートした。さらに他方の主面に粘着材
付き反射防止フィルム1を同様にラミネートした。さら
に、スパッタフィルム1の上に反射防止フィルム1上
に、周縁部20mmの透明導電膜すなわち導電部が剥き
だしになるように残して、内側だけにラミネートした。
【0063】さらに、剥きだしの導電部を覆うように周
縁部の幅22mmの範囲に、銀ペースト(三井化学
(株)製MSP−600F)をスクリーン印刷し、乾燥
させ厚さ15μmの電極を形成し、光学フィルターを作
製した。構成1の電極形成面から見た平面図を、本発明
の光学フィルターの一例を示す平面図として、図1に示
した。構成1の断面を、本発明の光学フィルターとその
装着状態の一例を示す断面図として、図2に示した。
縁部の幅22mmの範囲に、銀ペースト(三井化学
(株)製MSP−600F)をスクリーン印刷し、乾燥
させ厚さ15μmの電極を形成し、光学フィルターを作
製した。構成1の電極形成面から見た平面図を、本発明
の光学フィルターの一例を示す平面図として、図1に示
した。構成1の断面を、本発明の光学フィルターとその
装着状態の一例を示す断面図として、図2に示した。
【0064】(構成2)PETフィルム(厚さ:75μ
m)を透明基体(A)としてその一方の主面に、ITO
薄膜、銀薄膜、銀−パラジウム合金薄膜を多層積層して
透明導電層を形成し、スパッタフィルム2を得た。構成
1記載の粘着材(E)を同様にスパッタフィルムの薄膜
が形成されていない面にラミネートし、粘着材(E)付
きのスパッタフィルム2のロールを得た。
m)を透明基体(A)としてその一方の主面に、ITO
薄膜、銀薄膜、銀−パラジウム合金薄膜を多層積層して
透明導電層を形成し、スパッタフィルム2を得た。構成
1記載の粘着材(E)を同様にスパッタフィルムの薄膜
が形成されていない面にラミネートし、粘着材(E)付
きのスパッタフィルム2のロールを得た。
【0065】透明支持体(D)として、紫外線吸収剤を
添加してキャスティング法により作製した厚さ3mmの
ポリメチルメタクリレート(以下PMMA)板を得た。
この一方の主面に、多官能メタクリレート樹脂に光重合
開始剤を添加、さらに有機シリカ微粒子(平均粒径:1
5μm)を分散させたコート液を、ディッピング法によ
り塗工・紫外線硬化させ、防眩性(ヘーズメーター測定
のヘーズ値:2%)とハードコート性(鉛筆硬度:2
H)を有する機能性透明層(F)としてアンチグレア層
(膜厚:2μm)を形成し、1000mm×600mm
のアンチグレア付きのPMMA板を作製した。
添加してキャスティング法により作製した厚さ3mmの
ポリメチルメタクリレート(以下PMMA)板を得た。
この一方の主面に、多官能メタクリレート樹脂に光重合
開始剤を添加、さらに有機シリカ微粒子(平均粒径:1
5μm)を分散させたコート液を、ディッピング法によ
り塗工・紫外線硬化させ、防眩性(ヘーズメーター測定
のヘーズ値:2%)とハードコート性(鉛筆硬度:2
H)を有する機能性透明層(F)としてアンチグレア層
(膜厚:2μm)を形成し、1000mm×600mm
のアンチグレア付きのPMMA板を作製した。
【0066】ロール状の粘着材付きスパッタフィルム2
をPMMA板のアンチグレア層が形成されていない面
に、離型フィルムを剥しながらラミネートした。さら
に、スパッタフィルム2上に、周縁部20mmの導電部
が剥きだしになるように残して内側だけに、多官能メタ
クリレート樹脂に光重合開始剤を添加、さらに有機シリ
カ微粒子(平均粒径:15μm)を分散させ、フレキソ
印刷・紫外線硬化し、防眩性(ヘーズメーター測定のヘ
ーズ値:5%)、アンチニュートンリング性、ハードコ
ート性(鉛筆硬度:2H)を有する機能性透明層(F)
として、アンチニュートンリング層を形成した。さら
に、構成1と同様に銀ペーストをスクリーン印刷・乾燥
させ厚さ15μmの電極を形成し、光学フィルターを作
製した。構成2の断面を、本発明の光学フィルターとそ
の装着状態の一例を示す断面図として、図3に示した。
をPMMA板のアンチグレア層が形成されていない面
に、離型フィルムを剥しながらラミネートした。さら
に、スパッタフィルム2上に、周縁部20mmの導電部
が剥きだしになるように残して内側だけに、多官能メタ
クリレート樹脂に光重合開始剤を添加、さらに有機シリ
カ微粒子(平均粒径:15μm)を分散させ、フレキソ
印刷・紫外線硬化し、防眩性(ヘーズメーター測定のヘ
ーズ値:5%)、アンチニュートンリング性、ハードコ
ート性(鉛筆硬度:2H)を有する機能性透明層(F)
として、アンチニュートンリング層を形成した。さら
に、構成1と同様に銀ペーストをスクリーン印刷・乾燥
させ厚さ15μmの電極を形成し、光学フィルターを作
製した。構成2の断面を、本発明の光学フィルターとそ
の装着状態の一例を示す断面図として、図3に示した。
【0067】(構成3)風冷強化ガラス(厚さ:2.5
mm)を透明基体(A)としてその一方の主面に、IT
O薄膜、銀薄膜、銀−金合金薄膜を多層積層して透明導
電層を形成し、1000mm×600mmのスパッタガ
ラスを得た。PETフィルム(厚さ:100μm)の一
方の主面にアルコキシランを氷酢酸で加水分解したもの
にシリコーン系表面平滑剤を添加したコート液を、グラ
ビアコーターにて塗工・120℃の熱硬化によってハー
ドコート膜(膜厚:5μm)を形成し、その上にITO
薄膜(膜厚:70nm)、SiO2 薄膜(膜厚:90n
m)の順にスパッタリング法によって2層系反射防止膜
を形成し、ハードコート性(鉛筆硬度:3H)、反射防
止性(反射防止膜面の片面のRvis :0.8%)、帯電
防止性(表面抵抗:2×105 Ω/□)、防汚性を有す
る機能性透明層(F)である反射防止フィルム2を得
た。構成1と同様に粘着材(E)付きの反射防止フィル
ム2のロールを得た。構成1と同様にスパッタガラスの
薄膜が形成されていない主面に反射防止フィルム2をラ
ミネートした。
mm)を透明基体(A)としてその一方の主面に、IT
O薄膜、銀薄膜、銀−金合金薄膜を多層積層して透明導
電層を形成し、1000mm×600mmのスパッタガ
ラスを得た。PETフィルム(厚さ:100μm)の一
方の主面にアルコキシランを氷酢酸で加水分解したもの
にシリコーン系表面平滑剤を添加したコート液を、グラ
ビアコーターにて塗工・120℃の熱硬化によってハー
ドコート膜(膜厚:5μm)を形成し、その上にITO
薄膜(膜厚:70nm)、SiO2 薄膜(膜厚:90n
m)の順にスパッタリング法によって2層系反射防止膜
を形成し、ハードコート性(鉛筆硬度:3H)、反射防
止性(反射防止膜面の片面のRvis :0.8%)、帯電
防止性(表面抵抗:2×105 Ω/□)、防汚性を有す
る機能性透明層(F)である反射防止フィルム2を得
た。構成1と同様に粘着材(E)付きの反射防止フィル
ム2のロールを得た。構成1と同様にスパッタガラスの
薄膜が形成されていない主面に反射防止フィルム2をラ
ミネートした。
【0068】スパッタガラスの薄膜上に、周縁部20m
mの導電部が剥きだしになるように残して内側だけに、
多官能メタクリレート樹脂に光重合開始剤、表面平滑
剤、消泡剤を添加したコート液をシルクスリーン印刷し
てレベリング後に紫外線硬化させ、ハードコート膜(膜
厚:10μm)を形成し、さらにその上にフッ素有機化
合物溶液をフレキソ印刷・90℃乾燥・熱硬化させ、屈
折率1.4の反射防止膜(膜厚:100nm)を形成
し、反射防止性(反射防止膜面の片面のRvis =1.3
%)、ハードコート性(鉛筆硬度:H)、ガスバリア性
(25μm厚さのPETフィルム上に形成したときに測
定:7g/m2 ・day)を有する機能性透明層(F)
を形成した。さらに、構成1と同様に銀ペーストをスク
リーン印刷・乾燥させ厚さ15μmの電極を形成し、光
学フィルターを作製した。構成3の断面を、本発明の光
学フィルターとその装着状態の一例を示す断面図とし
て、図4に示した。
mの導電部が剥きだしになるように残して内側だけに、
多官能メタクリレート樹脂に光重合開始剤、表面平滑
剤、消泡剤を添加したコート液をシルクスリーン印刷し
てレベリング後に紫外線硬化させ、ハードコート膜(膜
厚:10μm)を形成し、さらにその上にフッ素有機化
合物溶液をフレキソ印刷・90℃乾燥・熱硬化させ、屈
折率1.4の反射防止膜(膜厚:100nm)を形成
し、反射防止性(反射防止膜面の片面のRvis =1.3
%)、ハードコート性(鉛筆硬度:H)、ガスバリア性
(25μm厚さのPETフィルム上に形成したときに測
定:7g/m2 ・day)を有する機能性透明層(F)
を形成した。さらに、構成1と同様に銀ペーストをスク
リーン印刷・乾燥させ厚さ15μmの電極を形成し、光
学フィルターを作製した。構成3の断面を、本発明の光
学フィルターとその装着状態の一例を示す断面図とし
て、図4に示した。
【0069】[実施例1]構成1において、PETフィ
ルムから順にITO薄膜(膜厚:45nm)、銀薄膜
(膜厚:10nm)、ITO薄膜(膜厚:80nm)、
銀薄膜(膜厚:15nm)、ITO薄膜(膜厚:80n
m)、銀薄膜(膜厚:15nm)、ITO薄膜(膜厚:
80nm)、銀薄膜(膜厚:10nm)、ITO薄膜
(膜厚:45nm)の計9層の透明導電層を作製した。
ルムから順にITO薄膜(膜厚:45nm)、銀薄膜
(膜厚:10nm)、ITO薄膜(膜厚:80nm)、
銀薄膜(膜厚:15nm)、ITO薄膜(膜厚:80n
m)、銀薄膜(膜厚:15nm)、ITO薄膜(膜厚:
80nm)、銀薄膜(膜厚:10nm)、ITO薄膜
(膜厚:45nm)の計9層の透明導電層を作製した。
【0070】[比較例1]構成1において、PETフィ
ルムから順にITO薄膜(膜厚:45nm)、銀薄膜
(膜厚:11nm)、ITO薄膜(膜厚:80nm)、
銀薄膜(膜厚:17nm)、ITO薄膜(膜厚:80n
m)、銀薄膜(膜厚:17nm)、ITO薄膜(膜厚:
80nm)、銀薄膜(膜厚:11nm)、ITO薄膜
(膜厚:45nm)の計9層の透明導電層を作製した。
ルムから順にITO薄膜(膜厚:45nm)、銀薄膜
(膜厚:11nm)、ITO薄膜(膜厚:80nm)、
銀薄膜(膜厚:17nm)、ITO薄膜(膜厚:80n
m)、銀薄膜(膜厚:17nm)、ITO薄膜(膜厚:
80nm)、銀薄膜(膜厚:11nm)、ITO薄膜
(膜厚:45nm)の計9層の透明導電層を作製した。
【0071】[比較例2]構成1において、比較例1と
同様に透明導電層を作製した。また、スパッタフィルム
1にラミネートする粘着材を作製する際に、希釈液に有
機色素である三井化学(株)製MS−Red−G、PS
−Violet−RCを分散・溶解させ、塗工するアク
リル系粘着剤/色素入り希釈液において、それぞれ、3
80(wt)ppm 、530(wt)ppm となるよう調整し、色素
入り粘着材を作製し、スパッタフィルム1にラミネート
する粘着材として用いた。、粘着材PETフィルムから
順にITO薄膜(膜厚:45nm)、銀薄膜(膜厚:1
1nm)、ITO薄膜(膜厚:80nm)、銀薄膜(膜
厚:17nm)、ITO薄膜(膜厚:80nm)、銀薄
膜(膜厚:17nm)、ITO薄膜(膜厚:80n
m)、銀薄膜(膜厚:11nm)、ITO薄膜(膜厚:
45nm)の計9層の透明導電層を作製した。
同様に透明導電層を作製した。また、スパッタフィルム
1にラミネートする粘着材を作製する際に、希釈液に有
機色素である三井化学(株)製MS−Red−G、PS
−Violet−RCを分散・溶解させ、塗工するアク
リル系粘着剤/色素入り希釈液において、それぞれ、3
80(wt)ppm 、530(wt)ppm となるよう調整し、色素
入り粘着材を作製し、スパッタフィルム1にラミネート
する粘着材として用いた。、粘着材PETフィルムから
順にITO薄膜(膜厚:45nm)、銀薄膜(膜厚:1
1nm)、ITO薄膜(膜厚:80nm)、銀薄膜(膜
厚:17nm)、ITO薄膜(膜厚:80nm)、銀薄
膜(膜厚:17nm)、ITO薄膜(膜厚:80n
m)、銀薄膜(膜厚:11nm)、ITO薄膜(膜厚:
45nm)の計9層の透明導電層を作製した。
【0072】[実施例2]構成1において、PETフィ
ルムから順にITO薄膜(膜厚:40nm)、銀薄膜
(膜厚:9nm)、ITO薄膜(膜厚:80nm)、銀
薄膜(膜厚:12nm)、ITO薄膜(膜厚:80n
m)、銀薄膜(膜厚:10nm)、ITO薄膜(膜厚:
40nm)の計7層の透明導電層を作製した。PETフ
ィルム/透明導電層の断面を、本発明における透明導電
層の一例を示す断面図として、図5に示した。
ルムから順にITO薄膜(膜厚:40nm)、銀薄膜
(膜厚:9nm)、ITO薄膜(膜厚:80nm)、銀
薄膜(膜厚:12nm)、ITO薄膜(膜厚:80n
m)、銀薄膜(膜厚:10nm)、ITO薄膜(膜厚:
40nm)の計7層の透明導電層を作製した。PETフ
ィルム/透明導電層の断面を、本発明における透明導電
層の一例を示す断面図として、図5に示した。
【0073】[比較例3]構成1において、PETフィ
ルムから順にITO薄膜(膜厚:40nm)、銀薄膜
(膜厚:11nm)、ITO薄膜(膜厚:95nm)、
銀薄膜(膜厚:14nm)、ITO薄膜(膜厚:90n
m)、銀薄膜(膜厚:12nm)、ITO薄膜(膜厚:
40nm)の計7層の透明導電層を作製した。
ルムから順にITO薄膜(膜厚:40nm)、銀薄膜
(膜厚:11nm)、ITO薄膜(膜厚:95nm)、
銀薄膜(膜厚:14nm)、ITO薄膜(膜厚:90n
m)、銀薄膜(膜厚:12nm)、ITO薄膜(膜厚:
40nm)の計7層の透明導電層を作製した。
【0074】[実施例3]構成2において、PETフィ
ルムから順にITO薄膜(膜厚:40nm)、銀−パラ
ジウム合金薄膜(膜厚:10nm)、ITO薄膜(膜
厚:80nm)、銀薄膜(膜厚:13nm)、ITO薄
膜(膜厚:80nm)、銀−パラジウム合金薄膜(膜
厚:10nm)、ITO薄膜(膜厚:40nm)の計7
層の透明導電層を作製した。
ルムから順にITO薄膜(膜厚:40nm)、銀−パラ
ジウム合金薄膜(膜厚:10nm)、ITO薄膜(膜
厚:80nm)、銀薄膜(膜厚:13nm)、ITO薄
膜(膜厚:80nm)、銀−パラジウム合金薄膜(膜
厚:10nm)、ITO薄膜(膜厚:40nm)の計7
層の透明導電層を作製した。
【0075】[比較例4]構成2において、PETフィ
ルムから順にITO薄膜(膜厚:40nm)、銀−パラ
ジウム合金薄膜(膜厚:10nm)、ITO薄膜(膜
厚:85nm)、銀薄膜(膜厚:14nm)、ITO薄
膜(膜厚:85nm)、銀−パラジウム合金薄膜(膜
厚:11nm)、ITO薄膜(膜厚:40nm)の計7
層の透明導電層を作製した。
ルムから順にITO薄膜(膜厚:40nm)、銀−パラ
ジウム合金薄膜(膜厚:10nm)、ITO薄膜(膜
厚:85nm)、銀薄膜(膜厚:14nm)、ITO薄
膜(膜厚:85nm)、銀−パラジウム合金薄膜(膜
厚:11nm)、ITO薄膜(膜厚:40nm)の計7
層の透明導電層を作製した。
【0076】[実施例4]構成3において、PETフィ
ルムから順にSnO2 薄膜(膜厚:40nm)、銀薄膜
(膜厚:9nm)、SnO2 薄膜(膜厚:80nm)、
銀−金合金薄膜(膜厚:11nm)、SnO2 薄膜(膜
厚:40nm)の計5層の透明導電層を作製した。
ルムから順にSnO2 薄膜(膜厚:40nm)、銀薄膜
(膜厚:9nm)、SnO2 薄膜(膜厚:80nm)、
銀−金合金薄膜(膜厚:11nm)、SnO2 薄膜(膜
厚:40nm)の計5層の透明導電層を作製した。
【0077】[比較例5]構成3において、PETフィ
ルムから順にSnO2 薄膜(膜厚:40nm)、銀薄膜
(膜厚:10nm)、SnO2 薄膜(膜厚:75n
m)、銀−金合金薄膜(膜厚:13nm)、SnO2 薄
膜(膜厚:40nm)の計5層の透明導電層を作製し
た。
ルムから順にSnO2 薄膜(膜厚:40nm)、銀薄膜
(膜厚:10nm)、SnO2 薄膜(膜厚:75n
m)、銀−金合金薄膜(膜厚:13nm)、SnO2 薄
膜(膜厚:40nm)の計5層の透明導電層を作製し
た。
【0078】以上のようにして作製した実施例1〜4の
本発明の光学フィルター、比較例1〜5の光学フィルタ
ーにおける透明導電層の透過色度、面抵抗、実施例1〜
4の本発明の光学フィルター、比較例1〜5の光学フィ
ルターの可視光線透過率、透過色度、近赤外線透過率、
可視光線反射率及びプラズマディスプレイに装着したと
きの画像特性を以下の方法で評価した。
本発明の光学フィルター、比較例1〜5の光学フィルタ
ーにおける透明導電層の透過色度、面抵抗、実施例1〜
4の本発明の光学フィルター、比較例1〜5の光学フィ
ルターの可視光線透過率、透過色度、近赤外線透過率、
可視光線反射率及びプラズマディスプレイに装着したと
きの画像特性を以下の方法で評価した。
【0079】1)透明導電層の透過色度(ハンターのク
ロマティクネス指数a、b) 実施例1〜2及び比較例1〜3においては、光学フィル
ターを作製する前に、スパッタフィルム1の透明導電層
上に粘着材を形成し、小片に切り出して測定サンプルを
作製し、実施例3及び比較例4においては、光学フィル
ターを作製する前に、スパッタフィルム2の透明導電層
上にアンチニュートンリング層を形成し、小片に切り出
して測定サンプルを作製し、実施例4及び比較例5にお
いては、光学フィルターを作製する前に、スパッタガラ
スの透明導電層上にハードコート膜を形成し、小片に切
り出して測定サンプルを作製し、(株)日立製作所製分
光光度計(U-3400)の反射積分球(光線入射角度6°)
の入射口に測定サンプルを固定し、300〜800nmに
おける測定対象物の全光線透過率を測定した。ここで求
めた全光線透過率からJIS Z8722、JIS Z
8730に従って透明導電層の透過色度(C光源)を計
算した。
ロマティクネス指数a、b) 実施例1〜2及び比較例1〜3においては、光学フィル
ターを作製する前に、スパッタフィルム1の透明導電層
上に粘着材を形成し、小片に切り出して測定サンプルを
作製し、実施例3及び比較例4においては、光学フィル
ターを作製する前に、スパッタフィルム2の透明導電層
上にアンチニュートンリング層を形成し、小片に切り出
して測定サンプルを作製し、実施例4及び比較例5にお
いては、光学フィルターを作製する前に、スパッタガラ
スの透明導電層上にハードコート膜を形成し、小片に切
り出して測定サンプルを作製し、(株)日立製作所製分
光光度計(U-3400)の反射積分球(光線入射角度6°)
の入射口に測定サンプルを固定し、300〜800nmに
おける測定対象物の全光線透過率を測定した。ここで求
めた全光線透過率からJIS Z8722、JIS Z
8730に従って透明導電層の透過色度(C光源)を計
算した。
【0080】2)透明導電層の面抵抗 実施例1〜4及び比較例1〜5において、光学フィルタ
ーを作製する前に、基体上に設けられてた透明導電層の
面抵抗を、四探針測定法(プローブ間隔1mm)により
測定した。
ーを作製する前に、基体上に設けられてた透明導電層の
面抵抗を、四探針測定法(プローブ間隔1mm)により
測定した。
【0081】3)光学フィルターの可視光線透過率(T
vis )及び透過色度(ハンターのクロマティクネス指数
a、b) 実施例1〜4及び比較例1〜5において、測定対象物の
透光部を小片に切り出すか、同じ構成の小片サンプルを
作製し、(株)日立製作所製分光光度計(U-3400)の反
射積分球(光線入射角度6°)の入射口にサンプルを固
定し、300〜800nmにおける測定対象物の全光線透
過率を測定した。ここで求めた全光線透過率からJIS
R3106に従ってTvis を、JIS Z8722、
JISZ8730に従って透明導電層の透過色度(C光
源)を計算した。
vis )及び透過色度(ハンターのクロマティクネス指数
a、b) 実施例1〜4及び比較例1〜5において、測定対象物の
透光部を小片に切り出すか、同じ構成の小片サンプルを
作製し、(株)日立製作所製分光光度計(U-3400)の反
射積分球(光線入射角度6°)の入射口にサンプルを固
定し、300〜800nmにおける測定対象物の全光線透
過率を測定した。ここで求めた全光線透過率からJIS
R3106に従ってTvis を、JIS Z8722、
JISZ8730に従って透明導電層の透過色度(C光
源)を計算した。
【0082】4)光学フィルターの近赤外線透過率(T
850nm 、T950nm ) 実施例1〜4及び比較例1〜4において、測定対象物の
透光部を小片に切り出すか、同じ構成の小片サンプルを
作製し、(株)日立製作所製分光光度計(U-3400)によ
り850nm、950nmの近赤外線透過率T850nm 、T95
0nm を測定した。
850nm 、T950nm ) 実施例1〜4及び比較例1〜4において、測定対象物の
透光部を小片に切り出すか、同じ構成の小片サンプルを
作製し、(株)日立製作所製分光光度計(U-3400)によ
り850nm、950nmの近赤外線透過率T850nm 、T95
0nm を測定した。
【0083】5)光学フィルターの可視光線反射率(R
vis ) 実施例1〜4及び比較例1〜5において、測定対象物の
透光部を小片に切り出すか、同じ構成の小片サンプルを
作製し、反射積分球(光線入射角度6°)を用いて
(株)日立製作所製分光光度計(U-3400)により300
〜800nmにおける測定対象物両面の全光線反射率を測
定した。ここで求めた透過率からJIS R3106に
従ってRvis を計算した。
vis ) 実施例1〜4及び比較例1〜5において、測定対象物の
透光部を小片に切り出すか、同じ構成の小片サンプルを
作製し、反射積分球(光線入射角度6°)を用いて
(株)日立製作所製分光光度計(U-3400)により300
〜800nmにおける測定対象物両面の全光線反射率を測
定した。ここで求めた透過率からJIS R3106に
従ってRvis を計算した。
【0084】6)光学フィルターの画像特性 実施例1〜4及び比較例1〜5の光学フィルターを42
型プラズマディスプレイの前面に装着し、輝度、色調、
コントラスト、視認性を、良:○、やや良(やや劣
る):△、不良:×で判断した。×が一つ以上あると光
学フィルターとして不適である。装着は、実施例1〜2
及び比較例1〜3においては、電極形成面を人側として
プラズマディスプレイパネル画面から2mm離して平行
に設置し、実施例3及び比較例4においては、電極形成
面をプラズマディスプレイパネル側とし、光学フィルタ
ーの透光部をプラズマディスプレイパネル画面に密着さ
せて設置し、実施例4及び比較例5においては、電極形
成面をプラズマディスプレイパネル側とし、電極形成面
を人側としてプラズマディスプレイパネル画面から2m
m離して平行に設置した。視認性は、外光反射や、実施
例3及び比較例4においては、ニュートンリングによる
画像の視認性の低下の有無を判断した。以上の結果を表
1及び表2に掲げる。
型プラズマディスプレイの前面に装着し、輝度、色調、
コントラスト、視認性を、良:○、やや良(やや劣
る):△、不良:×で判断した。×が一つ以上あると光
学フィルターとして不適である。装着は、実施例1〜2
及び比較例1〜3においては、電極形成面を人側として
プラズマディスプレイパネル画面から2mm離して平行
に設置し、実施例3及び比較例4においては、電極形成
面をプラズマディスプレイパネル側とし、光学フィルタ
ーの透光部をプラズマディスプレイパネル画面に密着さ
せて設置し、実施例4及び比較例5においては、電極形
成面をプラズマディスプレイパネル側とし、電極形成面
を人側としてプラズマディスプレイパネル画面から2m
m離して平行に設置した。視認性は、外光反射や、実施
例3及び比較例4においては、ニュートンリングによる
画像の視認性の低下の有無を判断した。以上の結果を表
1及び表2に掲げる。
【0085】
【表1】
【0086】表1から明らかなように、面抵抗が低いほ
ど、a値が小さく、緑色になる傾向がある。また、実施
例3及び比較例4においては、銀−パラジウム合金薄膜
を使用しているが、比較的a値が大きく、透過色は銀−
パラジウム合金を用いることによってグレー色に近づく
ことが判る。さらにまた、実施例4及び比較例5におい
ては、銀−金薄膜を使用しているが、比較的a値が小さ
く、透過色は緑色味が強くなることが比較例5で判る。
実施例1〜4において、透過色のaが−8〜0、bが−
4〜5の透明導電層を用いることによって、本発明の光
学フィルターの好適な透過色度である、aが−8〜0、
bが−4〜5の光学フィルターが得られている。比較例
1及び比較例3〜5においては、透明導電層の透過色の
aが−8より小さい、又は、bが5より大きいために、
本発明の光学フィルターとして好適な透過色ではない。
また、比較例2においては、色素を用いた色度補正を行
うことにより、光学フィルターとして好適な透過色とす
ることができたが、可視光線透過率が大きく低下してし
まった。
ど、a値が小さく、緑色になる傾向がある。また、実施
例3及び比較例4においては、銀−パラジウム合金薄膜
を使用しているが、比較的a値が大きく、透過色は銀−
パラジウム合金を用いることによってグレー色に近づく
ことが判る。さらにまた、実施例4及び比較例5におい
ては、銀−金薄膜を使用しているが、比較的a値が小さ
く、透過色は緑色味が強くなることが比較例5で判る。
実施例1〜4において、透過色のaが−8〜0、bが−
4〜5の透明導電層を用いることによって、本発明の光
学フィルターの好適な透過色度である、aが−8〜0、
bが−4〜5の光学フィルターが得られている。比較例
1及び比較例3〜5においては、透明導電層の透過色の
aが−8より小さい、又は、bが5より大きいために、
本発明の光学フィルターとして好適な透過色ではない。
また、比較例2においては、色素を用いた色度補正を行
うことにより、光学フィルターとして好適な透過色とす
ることができたが、可視光線透過率が大きく低下してし
まった。
【0087】
【表2】
【0088】表1、表2から明らかなように、比較例1
及び比較例2〜4は、色調が悪く、その為に、コントラ
ストが悪く見える。比較例2は、色調は良く、可視光線
透過率が低いことも加わり、コントラストは良いが、輝
度が低下してしまった。実施例1〜4は、好適な透過色
度を有するために、色調に優れている。また、視認性で
あるが、実施例2及び比較例3では、可視光線反射率が
低く、視認性が良い。実施例1及び4及び比較例1及び
5は、比較的可視光線反射率が高いが、視認性はやや良
い。実施例3及び比較例4は、可視光線反射率が高いが
アンチグレア層による防眩効果により、視認性がやや良
く、また、アンチニュートンリング層によりディスプレ
イ画面に密着させてもニュートンリングが発生していな
かった。さらにまた、本発明の光学フィルターは、機能
性透明層に各機能を持たせることによって、透明導電層
の耐候性・耐環境性及び/または耐擦傷性に優れ、ま
た、耐擦傷性及び/または防汚性及び/または帯電防止
性に優れていた。
及び比較例2〜4は、色調が悪く、その為に、コントラ
ストが悪く見える。比較例2は、色調は良く、可視光線
透過率が低いことも加わり、コントラストは良いが、輝
度が低下してしまった。実施例1〜4は、好適な透過色
度を有するために、色調に優れている。また、視認性で
あるが、実施例2及び比較例3では、可視光線反射率が
低く、視認性が良い。実施例1及び4及び比較例1及び
5は、比較的可視光線反射率が高いが、視認性はやや良
い。実施例3及び比較例4は、可視光線反射率が高いが
アンチグレア層による防眩効果により、視認性がやや良
く、また、アンチニュートンリング層によりディスプレ
イ画面に密着させてもニュートンリングが発生していな
かった。さらにまた、本発明の光学フィルターは、機能
性透明層に各機能を持たせることによって、透明導電層
の耐候性・耐環境性及び/または耐擦傷性に優れ、ま
た、耐擦傷性及び/または防汚性及び/または帯電防止
性に優れていた。
【0089】
【発明の効果】以上のごとく、本発明によれば、プラズ
マディスプレイの輝度・色調・コントラスト・視認性を
損なわない又は向上させる、優れた可視光線透過率、色
調を有し、低い可視光線反射率及び/または防眩性及び
/またはアンチニュートンリング性を有し、また、プラ
ズマディスプレイから発する強度の電磁波を遮蔽でき、
周辺電子機器の誤動作を誘発する近赤外線のカット能を
有する、耐候性・耐環境性、帯電防止性、耐擦傷性、防
汚性に優れた低コストの光学フィルターを提供できる。
マディスプレイの輝度・色調・コントラスト・視認性を
損なわない又は向上させる、優れた可視光線透過率、色
調を有し、低い可視光線反射率及び/または防眩性及び
/またはアンチニュートンリング性を有し、また、プラ
ズマディスプレイから発する強度の電磁波を遮蔽でき、
周辺電子機器の誤動作を誘発する近赤外線のカット能を
有する、耐候性・耐環境性、帯電防止性、耐擦傷性、防
汚性に優れた低コストの光学フィルターを提供できる。
【図1】本発明のディスプレイ用フィルターの一例を示
す平面図である。
す平面図である。
【図2】本発明のディスプレイ用フィルターの一例(構
成1)とその装着状態を示す断面図である。
成1)とその装着状態を示す断面図である。
【図3】本発明のディスプレイ用フィルターの一例(構
成2)とその装着状態を示す断面図である。
成2)とその装着状態を示す断面図である。
【図4】本発明のディスプレイ用フィルターの一例(構
成3)とその装着状態を示す断面図である。
成3)とその装着状態を示す断面図である。
【図5】本発明における透明導電層の一例(実施例1)
を示す断面図である。
を示す断面図である。
00 ディスプレイ画面 01 光学フィルターの透光部 10 透明導電層 11 高屈折率透明薄膜層 12 銀又は銀を含む合金の薄膜層 20 透明基体(A) 30 粘着材(E) 40 透明支持体(D) 50 電極 60 反射防止性、ハードコート性、ガスバリア性、防
汚性を有する機能性透明層(F) 61 防汚性を有する反射防止膜 62 ハードコート膜 63 62、61が形成される透明な基材 70 アンチグレア層(防眩性、ハードコート性を有す
る機能性透明層(F)) 80 アンチニュートンリング層(防眩性、アンチニュ
ートンリング性、ハードコート性を有する機能性透明層
(F)) 90 反射防止性、ハードコート性、帯電防止性、防汚
性を有する機能性透明層(F) 91 帯電防止性、防汚性を有する反射防止膜 92 ハードコート膜 100 反射防止性、ハードコート性、ガスバリア性を
有する機能性透明層(F) 101 ハードコート膜 102 反射防止膜
汚性を有する機能性透明層(F) 61 防汚性を有する反射防止膜 62 ハードコート膜 63 62、61が形成される透明な基材 70 アンチグレア層(防眩性、ハードコート性を有す
る機能性透明層(F)) 80 アンチニュートンリング層(防眩性、アンチニュ
ートンリング性、ハードコート性を有する機能性透明層
(F)) 90 反射防止性、ハードコート性、帯電防止性、防汚
性を有する機能性透明層(F) 91 帯電防止性、防汚性を有する反射防止膜 92 ハードコート膜 100 反射防止性、ハードコート性、ガスバリア性を
有する機能性透明層(F) 101 ハードコート膜 102 反射防止膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 2H048 CA05 CA12 CA19 CA23 GA07 GA28 GA54 GA61 5C058 AA11 AB05 BA35
Claims (5)
- 【請求項1】 少なくとも、透過色のハンターのクロマ
ティクネス指数aが−8〜0、ハンターのクロマティク
ネス指数bが−4〜5である透明導電層からなり、全体
の透過色のaが−8〜0,bが−4〜5の範囲であり、
可視光線透過率が60%以上であることを特徴とする光
学フィルター。 - 【請求項2】 上記透明導電層の可視光線透過率が60
%以上であって、面抵抗が1〜10Ω/ □であることを
特徴とする請求項1に記載の光学フィルター。 - 【請求項3】 上記透明導電層が、透明基体(A)の少
なくとも一方の主面上に形成される、高屈折率透明薄膜
層(B)および銀又は銀を含む合金の薄膜層(C)が透
明基体(A)から順次、(B)/(C)を繰返し単位と
して1〜4回繰り返し積層され、さらにその上に少なく
とも該高屈折率透明薄膜層(B)が積層されてなる、透
明導電膜1つ以上からなることを特徴とする請求項1又
は請求項2のいずれかに記載の光学フィルター。 - 【請求項4】 透明支持体(D)が、粘着材(E)を介
して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれかに記載の光学フィルター。 - 【請求項5】 反射防止性、防眩性、反射防止防眩性、
帯電防止性、アンチニュートンリング性、ガスバリア
性、ハードコート性、防汚性から少なくとも1つ選ばれ
る機能を有する機能性透明層(F)が、直接または粘着
材(E)を介して形成されていることを特徴とする請求
項1〜4のいずれかに記載の光学フィルター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10321648A JP2000147245A (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 光学フィルター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10321648A JP2000147245A (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 光学フィルター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000147245A true JP2000147245A (ja) | 2000-05-26 |
Family
ID=18134855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10321648A Pending JP2000147245A (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 光学フィルター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000147245A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001353802A (ja) * | 2000-06-14 | 2001-12-25 | Nitto Denko Corp | 透明積層体とプラズマデイスプレイパネル用フイルタ |
WO2006115325A1 (en) * | 2005-03-04 | 2006-11-02 | Lg Chem. Ltd | Pdp filter and manufacturing method thereof |
JP2007041438A (ja) * | 2005-08-05 | 2007-02-15 | Toppan Printing Co Ltd | 導電性反射防止積層体 |
JP2009139893A (ja) * | 2007-12-11 | 2009-06-25 | Dainippon Printing Co Ltd | プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートとこれを用いたプラズマディスプレイ用前面フィルターおよびこれを用いたプラズマディスプレイ |
JP2009139925A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-25 | Epson Toyocom Corp | 光学多層膜フィルタ、光学多層膜フィルタの製造方法および電子機器装置 |
JP2011081083A (ja) * | 2009-10-05 | 2011-04-21 | Canon Electronics Inc | Ndフィルタ |
JP2014167651A (ja) * | 2014-05-12 | 2014-09-11 | Canon Electronics Inc | Ndフィルタ、光量絞り装置、及び撮像装置 |
CN111812762A (zh) * | 2020-07-16 | 2020-10-23 | 杭州美迪凯光电科技股份有限公司 | 改善眩光鬼影现象的红外截止滤光器及其制备方法 |
-
1998
- 1998-11-12 JP JP10321648A patent/JP2000147245A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001353802A (ja) * | 2000-06-14 | 2001-12-25 | Nitto Denko Corp | 透明積層体とプラズマデイスプレイパネル用フイルタ |
WO2006115325A1 (en) * | 2005-03-04 | 2006-11-02 | Lg Chem. Ltd | Pdp filter and manufacturing method thereof |
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JP2009139925A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-25 | Epson Toyocom Corp | 光学多層膜フィルタ、光学多層膜フィルタの製造方法および電子機器装置 |
JP2009139893A (ja) * | 2007-12-11 | 2009-06-25 | Dainippon Printing Co Ltd | プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートとこれを用いたプラズマディスプレイ用前面フィルターおよびこれを用いたプラズマディスプレイ |
JP2011081083A (ja) * | 2009-10-05 | 2011-04-21 | Canon Electronics Inc | Ndフィルタ |
JP2014167651A (ja) * | 2014-05-12 | 2014-09-11 | Canon Electronics Inc | Ndフィルタ、光量絞り装置、及び撮像装置 |
CN111812762A (zh) * | 2020-07-16 | 2020-10-23 | 杭州美迪凯光电科技股份有限公司 | 改善眩光鬼影现象的红外截止滤光器及其制备方法 |
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