JP2003015536A - ディスプレイ用フィルタおよびそれを用いた表示素子 - Google Patents

ディスプレイ用フィルタおよびそれを用いた表示素子

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JP2003015536A
JP2003015536A JP2001202863A JP2001202863A JP2003015536A JP 2003015536 A JP2003015536 A JP 2003015536A JP 2001202863 A JP2001202863 A JP 2001202863A JP 2001202863 A JP2001202863 A JP 2001202863A JP 2003015536 A JP2003015536 A JP 2003015536A
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JP2001202863A
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Tetsunori Shinozaki
篠崎  哲徳
Katsuhiko Koike
小池  勝彦
Tomoyuki Okamura
友之 岡村
Toshihisa Kitagawa
敏久 北河
Shin Morohashi
諸橋  慎
Shin Fukuda
福田  伸
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のガラスを基板とするディスプレイ用フィ
ルタはコストが高かった。コストを低減させるために基
材をフィルムにすると、剛性、強度不足のため操作性に
問題があった。 【解決手段】特定の引っ張り弾性率を有する層を含み、
特定の厚みを有するディスプレイ用フィルターを用いる
ことで、操作性が向上した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばプラズマ
ディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、液晶
表示素子(LCD)等のディスプレイの画面上に設置さ
れ、ディスプレイから発生する電磁波のうち可視光以外
の電磁波を遮断可能なフィルタ特性、及び/又は可視光
スペクトルを補正可能なフィルタ特性を有すディスプレ
イ用フィルタ、ならびに該フィルタを搭載した表示素子
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】社会の高度情報化に伴って、光エレクト
ロニクス関連の部品、機器は著しく進歩、普及してい
る。その中でも、ディスプレイはテレビジョン用、パー
ソナルコンピューター用等として著しく普及し、その薄
型化、大型化が要望されている。大型の薄型ディスプレ
イとしてプラズマディスプレイパネルが注目されてい
る。プラズマディスプレイパネルは、その構造や動作原
理上、表示画面から強度の漏洩電磁界、近赤外線を発生
する。
【0003】近年、電子機器からの漏洩電磁界が人体や
他の機器に与える影響について取り沙汰されるようにな
っており、例えば漏洩電磁界を、日本のVCCI(Vo
luntary Control Council f
or Interference by data p
rocessing equipment elect
oronic office machine)による
基準内に抑えることが必要となる。
【0004】また、ディスプレイ画面からの近赤外線
は、コードレスフォン等の周辺電子機器に作用して誤動
作を引き起こす可能性がある。リモコンや伝送系光通信
では波長820nm、880nm、980nm等の近赤
外線が使用されているため、近赤外線の領域である80
0〜1100nmの波長領域の光を実用上問題ないレベ
ルまで抑圧する必要がある。
【0005】この問題を解決するために、電磁波及び近
赤外線遮断機能を有するディスプレイ用フィルタが実用
化されている。このディスプレイ用フィルタは、ガラス
基板上に透明導電膜が形成されているものであり、プラ
ズマディスプレイパネル表示面に備え付けてい用いられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】プラズマディスプレイ
パネル開発において、コストダウン化が重要な課題にな
っている。ディスプレイ用フィルタに関してもコストダ
ウンを計るための方策が提案されている。一つは、基板
となるガラスをなくし、フィルム化する。 このディス
プレイ用フィルタは、透明導電性フィルム及びAGフィ
ルムに関して、所望の幅のロールを用意し、ロールツー
ロール手法によりお互いを貼り合わせ、さらに所望の長
さに切断することにより作製することができる。例えば
所望の幅の透明導電性フィルムロールを準備する。さら
にそれよりも幅の狭いAGフィルムのロールを用意す
る。用意するAGフィルムの幅は、透明導電性フィルム
の幅よりも、長辺に形成する予定の電極幅の2倍分狭く
なるようにする。続いて前述の2本のフィルムをロール
ツーロール法によりラミネートする。その際に透明導電
性フィルムの幅とAGフィルムの幅との差が、両端部に
均等に振り分けられるように調整する。
【0007】このロールツーロール手法は前述の枚葉法
に比較して非常に生産性の高い手法であり、本発明にお
けるようにフィルム部材のみを用いてディスプレイ用フ
ィルタを構成することが好適である最大の理由である。
【0008】電極層形成もロールツーロール方式で実施
することができ、大変生産効率高くディスプレイ用フィ
ルタを製造することができる。このディスプレイ用フィ
ルターのPDPモジュールへの装着は透明粘着剤を用い
て貼合させる方法が有力であるが、粘着剤を用いない方
法、例えばPDPモジュールへ直接装着し、外部カバー
をはめ込むこと等で固定する方法もある。この場合、フ
ィルターに皺が出来たり部分的に浮きが発生し、画質を
低下させる問題点が考えられる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の問題点に関し本発
明者らは機能性透明層(A)と基体として設けられた高
分子フィルム(B)と必要に応じても用いられる高分子
層(C)を備え全体の厚みが0.2mm以上であり、機
能性透明層(A)、基体として設けられた高分子フィル
ム(B)、必要に応じても用いられる高分子層(C)と
から成り、その少なくとも1成分の引張弾性率が200
0〜10000MPaで厚さが70μm以上であるディ
スプレイ用光学フィルターが、高い生産性と電磁波遮断
性能を有し、且つPDPモジュール等の表示装置への装
着の際、皺、浮き等の外観不良防止に優れていることを
見い出し本発明を完成した。
【0010】即ち本発明は、反射防止性および/または
防眩性を有する機能性透明層(A)と基体として設けら
れた高分子フィルム(B)および必要に応じて高分子層
(C)からなり、全体の厚みが0.2mm以上であり機能
性透明層(A)、高分子フィルム(B)、必要に応じて用
いられる高分子層(C)の少なくとも1成分の引張弾性
率が2000〜10000MPaで厚さ70μm以上で
あることを特徴とするディスプレイ用フィルタに関す
る。また、上記のディスプレイ用フィルターをその視認
面に備えている表示素子に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】(概略)本発明は電磁波遮断能
力、生産性、外観に優れたディスプレイ用フィルタ及び
それを用いた表示素子に関するものである。本発明にお
けるディスプレイ用フィルタは、電磁波漏れを生じにく
い構成であり、高い電磁波遮断能力を有する。また生産
性の高いプロセスでの製造が可能で、しかも外観不良防
止にも優れている。
【0012】以下に各構成材料について記載する。 (機能性透明層(A))本発明における機能性透明層
(A)は、反射防止層、防眩層等の機能層を有してい
る。該機能性透明層(A)は、透明である必要がある。
ここで透明であるとは、厚さ100μmの場合に、可視
光線視感平均透過率が50%以上であることである。
【0013】該機能性透明層(A)に用いることができ
る材料としては、前述の条件を満たすことができるもの
であれば特に指定はない。具体的に材料を例示すると、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリア
リレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネ
ート、ナイロン6等のポリアミド、ポリイミド、ポリウ
レタン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹
脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合物、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリロニトリル、
ビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメ
タクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン等のビニリデ
ン化合物、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共
重合体等のフッ素系化合物の共重合体、トリアセチルセ
ルロースなどのセルロース樹脂、ポリエチレン、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン系重合体、ポリエチレンオキシド等のポリエーテ
ル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ブチラール等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0014】本発明に係る機能性透明層(A)は、反射
防止性および/または防眩性を有している。反射防止性
は例えば上記重合体から成るフィルム表面に反射防止層
を形成して得られ、フィルム表面の光線反射率を低減す
るものである。反射防止層としては、具体的には、可視
光域において屈折率が1.5以下、好適には、1.4以
下と低いフッ素系透明高分子樹脂やフッ化マグネシウ
ム、シリコン系樹脂や酸化珪素の薄膜等を、例えば1/
4波長の光学膜厚で単層形成したもの、屈折率の異な
る、金属酸化物、フッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化
物窒化物、硫化物等の無機化合物又はシリコン系樹脂や
アクリル樹脂、フッ素系樹脂等の有機化合物の薄膜を2
層以上多層積層したものがある。単層形成したものは、
製造が容易であるが、反射防止性が多層積層に比べ劣
る。多層積層したものは、広い波長領域にわたって反射
防止能を有し、フィルムの光学特性による光学設計の制
限が少ない。これら無機化合物薄膜の形成には、スパッ
タリング、イオンプレーティング、イオンビームアシス
ト、真空蒸着、室式塗工法等、従来公知の方法を用いれ
ばよい。
【0015】防眩性は例えば上記の重合体から形成され
るフィルム上に防眩層を形成することで得られ、フィル
ム中を通過する透過光や表面からの反射光を防眩する事
が出来る。防眩層は0.1〜10μm程度の微少な凹凸
を表面に有する。具体的には、アクリル系樹脂、シリコ
ン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド
系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型または光硬化型樹脂
に、シリカ、メラミン、アクリル等の無機化合物または
有機化合物の粒子を分散させインキ化したものを、バー
コート法、リバースコート法、グラビアコート法、ダイ
コート法、ロールコート法等によって透明高分子フィル
ム上に塗布硬化させる。粒子の平均粒径は、1〜40μ
mである。または、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、
メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フ
ッ素系樹脂等の熱硬化型又は光硬化型樹脂を基体に塗布
し、所望のヘイズ又は表面状態を有する型を押しつけ硬
化する事によっても防眩層を得ることができる。さらに
は、ガラス板をフッ酸等でエッチングするように、基体
フィルムを薬剤処理することによっても防眩層を得るこ
とができる。この場合は、処理時間、薬剤のエッチング
性により、ヘイズを制御することができる。上記、防眩
層においては、適当な凹凸が表面に形成されていれば良
く、作成方法は、上記に挙げた方法に限定されるもので
はない。防眩層は、0.5%以上20%以下であり、好
ましくは、1%以上10%以下である。ヘイズが小さす
ぎると防眩能が不十分であり、ヘイズが大きすぎると平
行光線透過率が低くなり、ディスプレイ視認性が悪くな
る。
【0016】本発明で用いる機能性透明層(A)の厚み
は通常、厚み10〜500μmである。薄すぎるとディ
スプレイ用フィルタをディスプレイ表面に直接形成する
のが困難であり、可撓性が制限される。また、250μ
m以上では可撓性が不足しすぎて、フィルムをロールで
巻きとって利用するのに適さないことがある。従って、
高分子フィルムの厚さは、50〜250μm、好ましく
は75〜200μmが好適である。
【0017】厚さが50〜250μmの透明高分子フィ
ルムは、可撓性を有しており、生産性の高いロール・ ツ
ー・ロール法での生産に用いることが出来る。また厚さ
が250〜500μmの高分子フィルムはロールにする
ことが困難な場合、枚葉方式により用いることも出来
る。
【0018】機能性透明層(A)は、反射防止性や防眩
性を損なわない範囲内で他の処理を施しても良い。この
様な処理としては、ディスプレイ用フィルタの耐擦傷性
を向上させるために、高分子フィルムの少なくとも一方
の主面にハードコート層を形成させたり、近赤外線吸収
層を形成させたり後述する透明導電層を形成させる方法
を例示することが出来る。
【0019】本発明における機能性透明層(A)は2種
類、2相以上用いても良い。 (高分子フィルム(B))本発明における高分子フィルム
(B)は、主として透明導電層を形成して用い、ディス
プレイ用フィルタの基体となる。該高分子フィルム
(B)は、透明である必要がある。ここで透明であると
は、厚さ100μmの場合に、可視光線視感平均透過率
が50%以上であることである。該高分子フィルムに用
いることができる材料としては、機能性透明層(A)で
用いた重合体と同様の材料を例示することが出来る。
【0020】本発明で用いる高分子フィルムの厚みは通
常、厚み10〜500μmである。薄すぎるとディスプ
レイ用フィルタをディスプレイ表面に直接形成するのが
困難であり、可撓性が制限される。また、250μm以
上では可撓性が不足しすぎて、フィルムをロールで巻き
とって利用するのに適さないことがある。従って、高分
子フィルムの厚さは、50〜250μm、好ましくは7
5〜200μmが好適である。
【0021】厚さが50〜250μmの透明高分子フィ
ルムは、可撓性を有しており、後に述べる透明導電膜形
成やラミネートをロール・ ツー・ロール法で行うことが
できるため、効率よく、また、長尺大面積のディスプレ
イ用フィルタを生産することができる。また厚さが25
0〜500μmの高分子フィルムはいわゆる透明高分子
シートであり、通常枚葉方式に透明導電層やラミネート
が行われる。
【0022】本発明においては、高分子フィルムの表面
を、スパッタリング処理、コロナ処理、火炎処理、紫外
線照射、電子線照射などのエッチング処理や、下塗り処
理により、その上に形成される透明導電層の高分子フィ
ルムに対する密着性を予め向上させてもよい。また、高
分子フィルムと透明導電層の間に任意の金属などの無機
物層を形成してもよく、透明導電膜を成膜する前に、必
要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄などの防塵処理を施し
てもよい。
【0023】また、ディスプレイ用フィルタの耐擦傷性
を向上させるために、高分子フィルムの少なくとも一方
の主面にハードコート層が形成されていても良い。本発
明におけるディスプレイ用フィルタは透明導電層(B
1)を有する事が好ましい。本発明における透明導電層
とは、単層または多層薄膜からなる透明導電膜である。
なお、本発明では、高分子フィルムの主面上に透明導電
層を形成したものを透明積層体という。
【0024】単層の透明導電層としては、導電性メッシ
ュや、導電性格子状パターン膜、金属薄膜や酸化物半導
体薄膜がある。多層の透明導電膜としては、金属薄膜と
高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜がある。金属薄膜
と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜は、銀などの金
属の持つ導電性及びその自由電子による近赤外線反射特
性と、ある波長領域における金属による反射を高屈折率
透明薄膜により防止することにより、導電性、近赤外線
カット能、可視光線透過率のいずれにおいても好ましい
特性を有している。
【0025】電磁波シールド能、近赤外線カット能を有
するディスプレイ用フィルターを得るためには、電磁波
吸収のための高い導電性と近赤外線反射のための反射界
面を多く有する金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した
多層薄膜が好適である。
【0026】ところで、VCCIにおいては、業務用途
の規制値を示すClassAでは放射電界強度50dB
μV/m未満であり、民生用途の規制値を示すClas
sBでは40dBμV/m未満である。しかし、プラズ
マディスプレイの放射電界強度は20〜90MHz帯域
内で、対角20インチ型程度で40dBμV/m、対角
40インチ型程度で50dBμV/mを越えている。こ
のため、そのままでは家庭用途には使用できない。プラ
ズマディスプレイの放射電界強度は、その画面の大きさ
及び消費電力が大きいほど強く、シールド効果の高い電
磁波シールド材が必要である。
【0027】高い可視光線透過率と低い可視光線反射率
に加え、プラズマディスプレイに必要な電磁波シールド
能を有するには、透明導電層が、面抵抗0.1〜30Ω
/□、より好ましくは0.1〜15Ω/□、さらに好ま
しくは0.1〜5Ω/□の低抵抗な導電性を有している
ことが必要である。
【0028】また、プラズマディスプレイの発する強度
の近赤外線を実用上問題とならないレベルまで遮断する
には、ディスプレイ用フィルターの近赤外線波長領域8
00〜1000nmにおける光線透過率を20%以下に
することが必要であり、この要求を満たすためには、部
材数低減の要求や色素を用いた近赤外線吸収の限界か
ら、透明導電層自体が近赤外線カット性を持つことが必
要である。透明導電層で近赤外線をカットするには、金
属の自由電子による反射を利用することができる。
【0029】金属薄膜層は厚くすると可視光線透過率が
低くなり、薄くすると近赤外線の反射が弱くなる。しか
し、ある厚さの金属薄膜層を高屈折率透明薄膜層で挟み
込んだ積層構造を1段以上重ねることにより、可視光線
透過率を高くし、かつ全体的な金属薄膜層の厚さを増や
すことが可能である。また、層数及び/又はそれぞれの
層の厚さを制御することにより可視光線透過率、可視光
線反射率、近赤外線の透過率、透過色、反射色をある範
囲で変化させることも可能である。
【0030】一般に、可視光線反射率が高いと画面への
照明器具等の映り込みが大きくなり、表示部表面の反射
を防止する効果が低下し、視認性とコントラストが低下
するようになる。また、反射色としては、白色、青色、
紫色系の目立たない色が好ましい。これらのことから、
透明導電層は、光学的に設計、制御しやすい多層積層が
好ましくなる。
【0031】PDP用ディスプレイ用フィルタにおいて
は、高分子フィルムの一方の主面上に多層薄膜の透明導
電層を形成した透明積層体を用いることが好ましい。本
発明において好ましい透明導電層は、高分子フィルムの
一方の主面上に、高屈折率透明薄膜層(a)、金属薄膜
層(b)の順に、(a)/(b)を繰り返し単位として
1〜7回繰り返し積層され、さらにその上に少なくとも
高屈折率透明薄膜層(a)を積層して形成され、該透明
導電層の面抵抗が0.1〜30Ω/□であることを特徴
とするものであり、電磁波シールド能のための低抵抗
性、近赤外線カット能、透明性、可視光線反射率に優れ
た性能を有するものである。なお、本発明において、多
層薄膜とは、特に記載がない限り、金属薄膜層を高屈折
率透明薄膜層で挟み込んだ積層構造を1段以上重ねた多
層積層の透明導電膜のことをいう。
【0032】本発明の透明導電層において、繰り返し積
層数は2回〜7回、好ましくは2回〜5回、特に好まし
くは2回〜4回である。つまり、高分子フィルム(B)
の主面上に透明導電層を積層した本発明の透明導電性フ
ィルムの具体的な構成は、(B)/(a)/(b)/
(a)/(b)/(a)、 (B)/(a)/(b)/
(a)/(b)/(a)/(b)/(a)、 (H)/
(a)/(b)/(a)/(b)/(a)/(b)/
(a)/(b)/(a)を例示することが出来る。繰り
返し積層数が8回以上では、生産装置の制限、生産性の
問題が大きくなり、また、可視光線透過率の低下と可視
光線反射率の増加が生じる傾向がある。また、繰り返し
回数が1回であると、低抵抗性、近赤外線カット能と、
可視光線反射率を同時に十分なものとすることが出来難
い。透明導電性フィルムの一例の断面図を図4に示し
た。
【0033】なお、繰り返し積層数が2回〜7回の多層
薄膜において、特にプラズマディスプレイとして用いる
場合、面抵抗が1〜5Ω/□とすることで近赤外線カッ
ト能、可視光線透過率、可視光線反射率を同時に好適な
値に制御することが出来る。なお、将来的にはプラズマ
ディスプレイから放出される電磁波強度が低下すること
も想定される。この場合、ディスプレイ用フィルタの面
抵抗が5〜15Ω/□、更には15〜30Ω/□でも充
分な電磁波遮断特性を得ることができるようになること
が予想される。
【0034】金属薄膜層(b)の材料としては、銀が、
導電性、赤外線反射性および多層積層したときの可視光
線透過性に優れているため、好適である。しかし、銀は
化学的、物理的安定性に欠け、環境中の汚染物質、水蒸
気、熱、光等によって劣化するため、銀に金、白金、パ
ラジウム、銅、インジウム、スズ等の環境に安定な金属
を一種以上加えた合金や、これら環境に安定な金属も好
適に使用できる。特に金やパラジウムは耐環境性、光学
特性に優れ好適である。銀を含む合金中の銀の含有率
は、特に限定されるものではないが、銀薄膜の導電性、
光学特性と大きく変わらないことが望ましく、50重量
%以上、100重量%未満程度である。しかしながら、
銀に他の金属を添加すると、その優れた導電性、光学特
性が阻害されるので、複数の金属薄膜層を有する場合
は、可能であれば少なくとも1つの層は銀を合金にしな
いで用いることや、基体から見て最初の層及び/又は最
外層にある金属薄膜層のみを合金にすることが望まし
い。
【0035】金属薄膜層の厚さは、導電性、光学特性等
から光学設計的かつ実験的に求められ、透明導電層が要
求特性を持てば特に限定されるものではないが、導電性
等から薄膜が島状構造ではなく、連続状態であることが
必要であることから4nm以上であることが望ましい。
また、金属薄膜層が厚すぎると透明性が問題になるので
30nm以下が望ましい。金属薄膜層が複数ある場合
は、各層が全て同じ厚さとは限らず、また、銀以外の金
属から成る層があっても良い。
【0036】金属薄膜層の形成には、スパッタリング、
イオンプレーティング、真空蒸着、メッキ等、従来公知
の方法のいずれでも採用できる。高屈折率透明薄膜層
(a)を形成する透明薄膜としては、可視領域において
透明性を有し、金属薄膜層の可視領域における光線反射
を防止する効果を有するものであれば特に限定されるも
のではないが、可視光線に対する屈折率が1.6以上、
好ましくは1.8以上、さらに好ましくは2.0以上の
屈折率の高い材料が用いられる。このような透明薄膜を
形成する具体的な材料としては、インジウム、チタン、
ジルコニウム、ビスマス、スズ、亜鉛、アンチモン、タ
ンタル、セリウム、ネオジウム、ランタン、トリウム、
マグネシウム、ガリウム等の酸化物、または、これら酸
化物の混合物や、硫化亜鉛などが挙げられる。これら酸
化物あるいは硫化物は、金属と、酸素原子あるいは硫黄
原子との化学量論的な組成にズレがあっても、光学特性
を大きく変えない範囲であるならば差し支えない。なか
でも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウムや酸化イ
ンジウムと酸化スズの混合物(ITO)は、透明性、屈
折率に加えて、成膜速度が速く、金属薄膜層との密着性
等が良好であることから好適に使用できる。
【0037】高屈折率透明薄膜層の厚さは、高分子フィ
ルムの光学特性、金属薄膜層の厚さ、光学特性、およ
び、透明薄膜層の屈折率等から光学設計的かつ実験的に
求められ、特に限定されるものではないが、5nm以
上、200nm以下であることが好ましく、より好まし
くは10nm以上、100nm以下である。また、複数
の高屈折率透明薄膜層を有する場合に、各層は同じ厚さ
とは限らず、同じ構成でなくともよい。
【0038】高屈折率透明薄膜層の形成には、スパッタ
リング、イオンプレーティング、イオンビームアシス
ト、真空蒸着、湿式塗工等、従来公知の方法のいずれで
も採用できる。上記の透明導電層の耐環境性を向上させ
るために、透明導電層の表面に、導電性、光学特性を著
しく損なわない程度に有機物又は無機物の任意の保護層
を設けてもよい。また、金属薄膜層の耐環境性や金属薄
膜層と高屈折率透明薄膜層との密着性等を向上させるた
め、金属薄膜層と高屈折率透明薄膜層の間に、導電性、
光学特性を損なわない程度に任意の無機物層を形成して
もよい。これらの具体的な材料としては銅、ニッケル、
クロム、金、白金、亜鉛、ジルコニウム、チタン、タン
グステン、スズ、パラジウム等、あるいはこれらの材料
の2種類以上からなる合金があげられる。その厚さは、
好ましくは、0.2nm〜2nm程度である。
【0039】所望の光学特性の透明導電層を得るには、
得ようとする電磁波シールド能の為の導電性、つまり、
金属薄膜材料・厚さを勘案して、高分子フィルムおよび
薄膜材料の光学定数(屈折率、消光係数)を用いたベク
トル法、アドミッタンス図を用いる方法等を使った光学
設計を行い、各層の薄膜材料及び、層数、膜厚等を決定
する。この際、透明導電層上に形成される隣接層を考慮
すると良い。このことは高分子フィルム上に形成された
透明導電層への光の入射媒質が、空気または真空等の屈
折率1の入射媒質と違うために透過色(及び透過率、反
射色、反射率)が変化するためである。すなわち、透明
導電層上に機能性透明層を形成する際に透明粘着層を介
する場合は、透明粘着層の光学定数を考慮する設計を行
う。また、透明導電層上に機能性透明層を直接形成させ
たり接触貼合させる場合は、透明導電層と接する材料の
光学定数を考慮する設計を行う。
【0040】上記のように、透明導電層の設計の例とし
て、高屈折率透明薄膜層(a)では高分子フィルムから
見て最下層と最上層がその間の層より薄く、金属薄膜層
(b)では高分子フィルムから見て最下層がその他の層
より薄く、屈折率1.45〜1.65、消光係数ほぼ0
の厚み10〜50μmの粘着剤が隣接層とすると、隣接
層形成による界面反射の増加が2%以下となり透明積層
体の反射を抑制することが出来る。特に、繰り返し回数
が3回、すなわち、計7層からなる透明導電層において
は、3層ある金属薄膜層(b)の2番目の層が他の層よ
り厚いと、前記の粘着剤が隣接層であるときに、透明積
層体の反射が著しく増加しない。
【0041】なお、光学定数はエリプソメトリー(楕円
偏光解析法)やアッベ屈折計により測定でき、また、光
学特性を観察しながら、層数、膜厚等を制御して成膜を
行うこともできる。なお、膜厚は、成膜条件と成膜速度
の関係を予め明らかにした上で成膜を行うことや、水晶
振動子等を用いた成膜中の膜厚モニタリングにより制御
される。
【0042】本発明におけるディスプレイ用フィルタの
透明導電層(B1)は金属メッシュ層であることも好ま
しい。単層の金属メッシュ層は、高分子フィルム上に銅
メッシュ層を形成したものが一般的である。通常は、高
分子フィルム上に銅箔を貼り合せ、その後メッシュ状に
加工する。
【0043】本発明に用いられる銅箔は、圧延銅、電界
銅とも使い得るが、金属層は多孔性のものが好ましく用
いられ、その孔径は、0.5〜5μmが好ましく、さら
に好ましくは、0.5〜3μmであり、さらに好ましく
は0.5〜1μmである。孔径がこれ以上大きくなると
パターニングの障害になる恐れがあり、また、これ以上
小さな値になると光線透過率の向上が期待しにくい。な
お、銅箔のポロシティーとしては、0.01〜20%の
範囲が好ましく、さらに好ましくは、0.02〜15
%、特に好ましくは0.02〜5%である。本発明でい
うポロシティーとは、体積Rとして、孔容積をPとした
時に、P/Rで定義される値である。例えば、体積0.
1ccに対応する銅箔の孔容積を、水銀ポロシティーで
測定したところ0.001ccであったとすると、ポロ
シティーは1%ということができる。用いられる銅箔
は、各種表面処理をされていても構わない。具体的に例
示すれば、クロメート処理、租面化処理、酸洗、ジンク
・クロメート処理等である。
【0044】銅箔の厚さは3〜30μmが好ましく、よ
り好ましくは、5〜20μm、さらに好ましくは7〜1
0μmである。この厚さより厚いとエッチングに時間を
要するという問題があり、また、この厚さよりも薄いと
電磁波シールド能に劣るという問題が発生する。
【0045】光透過部分の開口率は60%以上、95%
以下が好ましく、より好ましくは65%以上、90%以
下、さらにより好ましくは70%以上、85%以下であ
る。開口部の形状は、特に限定されるものではないが、
正三角形、正四角形、正六角形、円形、長方形、菱形、
等に形がそろっており、面内に並んでいることが好まし
い。光透過部分の開口部の代表的な大きさは1辺もしく
は直径が5〜200μmの範囲であることが好ましい。
さらに好ましくは10〜150μmである。この値が大
きすぎると電磁波シールド能が低下し、また、小さすぎ
るとディスプレイの画像に好ましくない影響を与える。
また、開口部を形成しない部分の金属の幅は5〜50μ
mが好ましい。すなわちピッチが10〜250μmであ
ることが好ましい。この幅よりも細いと加工がきわめて
困難になる一方、この幅よりも太いと画像が好ましくな
い影響を与える。
【0046】光透過部分を有する金属層の実質的なシー
ト抵抗とは、上記パターンよりも5倍以上大きな電極を
用いて、上記パターンの繰り返し単位よりも5倍以上の
電極間隔をもつ4端子法より測定したシート抵抗をい
う。例えば、開口部の形状が1辺100μmの正方形で
金属層の幅が20μmをもって規則的に正方形が並べら
れたものであればφ1mmの電極を1mm間隔で並べて
測定することができる。或いはパターン形成したフィル
ムを短冊状に加工し、その長手方向の両端に電極を設け
て、その抵抗を測り(R)、長手方向の長さa、短手方
向の長さbとすると、実質的なシート抵抗=R×b/a
で求めることができる。このように測定された値は、
0.01Ω/□以上、0.5Ω/□以下が好ましく、よ
り好ましくは0.05Ω/□以上、0.3Ω/□以下で
ある。この値よりも小さな値を得ようとすると膜が厚く
なりすぎ、かつ、開口部が充分取れなくなり、一方、こ
れ以上大きな値にすると充分な電磁波シールド能を得る
ことができなくなる。
【0047】銅箔を高分子フィルムにラミネートする方
法としては、透明な接着剤を用いる。接着剤の種類とし
ては、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、シリコー
ン系、ポリエステル系等があるが、特に接着剤に限定は
ない。2液系及び熱硬化タイプが好適に使用される。な
お、耐薬品性に優れた接着剤であることが好ましい。高
分子フィルムに接着剤を塗布した後、銅箔と貼り合せる
こともできるし、銅箔に接着剤を貼り合せてもよい。
【0048】光透過部分を形成する方法としては、印刷
法やフォトレジスト法を用いることができる。印刷法で
は印刷レジスト材料を用いたスクリーン印刷法でマスク
層をパターン形成する方法が一般的である。フォトレジ
スト材料を用いる方法では、ロールコーティング法、ス
ピンコーティング法、全面印刷法、転写法などで、金属
箔上にフォトレジスト材料をべた形成し、フォトマスク
を用いて露光現像してレジストのパターニングを行う。
レジストパターニングを完成させた後、開口部とする金
属部分を湿式エッチングで除去することで、所望の開口
形状と開口率の、光透過部分を有する金属メッシュ層を
得ることができる。
【0049】本発明に係る高分子フィルム(B)は2種
類以上、2枚以上用いても良い。 (高分子層(C))本発明におけるディスプレイ用フィ
ルターは必要に応じて高分子層(C)を有する。高分子
層(C)は、透明である必要がある。ここで透明である
とは、厚さ100μmの場合に、可視光線視感平均透過
率が50%以上であることである。
【0050】高分子層(C)に用いることができる材料
としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリスチレン、ポリエチレンナフタ
レート、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリカーボネート、ナイロン6等のポリアミド、ポ
リイミド、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン
等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合物、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリ
ロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタクリ
ル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリデン
等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフルオ
ロエチレン共重合体等のフッ素系化合物の共重合体、ト
リアセチルセルロースなどのセルロース樹脂、ポリエチ
レン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系重合体、ポリエチレンオキシド等の
ポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、
ポリビニルブチラール等が挙げられる。また、シリコー
ン系高分子を基材とするゲルや透明エラストマーであっ
ても良い。
【0051】本発明で用いる高分子層(C)の厚みは通
常、厚み10μm〜3mmである。好ましくは30μm
〜2.5mm、より好ましくは50μm〜2mmであ
る。厚さが10〜250μmの透明高分子フィルムは、
可撓性を有しており、ラミネート等をロール・ ツー・ロ
ール法で行うことができるため、効率よく、また、長尺
大面積のディスプレイ用フィルタを生産することができ
る。厚さが250μmを越えると、通常枚葉方式でラミ
ネート等の処理が行われる。
【0052】本発明においては、高分子層(C)を使用
する目的としては、例えば剛性の付与、耐衝撃性の付与
等が上げられる。また高分子層(C)は、上述のような反
射防止性、防眩性、防塵性、透明導電性を付与しても良
いし、未処理のまま用いても良い。また、2種類、2層
以上、用いても良い。
【0053】本発明のディスプレイ用フィルタは、機能
性透明層(A)、高分子フィルム(B)、必要に応じて
用いられる高分子層(C)の少なくとも1成分の引張弾
性率が2000〜10000MPa、好ましくは200
0〜8000MPa、特に好ましくは2000〜700
0MPaであり、厚さが70μm以上、好ましくは70
μm〜3mm、より好ましくは70μm〜2.5mmで
ある。
【0054】上記少なくとも1成分の引張弾性率が上記
の範囲にある場合、ディスプレイ用フィルタは腰が強く
PDPモジュール等へ装着する際の操作性が向上し、
皺、折れ等を防止することが出来る。引張弾性率が高過
ぎると、柔軟性、耐衝撃性が低下する。また引張弾性率
が低すぎるとフィルムの腰が弱くなり操作性等が低下す
る。
【0055】上記の引っ張り弾性率は使用する基材の形
状により規格が異なるが、ASTM規格D−882やJ
IS規格K6872等の条件で測定される。上記少なく
とも1成分に使用できる材料としては、例えばポリエチ
レンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリス
チレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ナイ
ロン6等のポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポ
リテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化
ビニル等のビニル化合物、ポリアクリル酸、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリアクリロニトリル、ビニル化合物の
付加重合体、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸エス
テル、ポリ塩化ビニリデン等のビニリデン化合物、フッ
化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体等のフッ
素系化合物の共重合体、トリアセチルセルロースなどの
セルロース誘導体等が挙げられる。これらの中でもポリ
エステル、ポリカーボネート、セルロース誘導体を好ま
しい例として挙げることが出来る。
【0056】本発明におけるディスプレイ用フィルター
は全体の厚みが0.2mm以上、好ましくは0.2〜4
mm、より好ましくは0.2〜3.5mm、特に好まし
くは0.3〜3.5mmである。
【0057】厚すぎると柔軟性、生産性が低下する。ま
た薄すぎると耐衝撃性の他、フィルムの腰が弱くなり操
作性等が低下する。本発明におけるディスプレイ用フィ
ルターは、全体の引張弾性率が2000〜10000M
Pa、好ましくは2000〜8000MPa、特に好ま
しくは2000〜7000MPaである。引張弾性率が
上記の範囲にある場合、ディスプレイ用フィルタは腰が
強くPDPモジュール等へ装着する際の操作性が向上
し、皺、折れ等を防止することが出来る。
【0058】引張弾性率が高過ぎると、柔軟性、耐衝撃
性が低下する。また引張弾性率が低すぎるとフィルムの
腰が弱くなり操作性等が低下する。上記の引っ張り弾性
率は使用する基材の形状により規格が異なるが、AST
M規格D−882やJIS規格K6872等の条件で測
定される。 (電極)本発明におけるディスプレイ用フィルターの機
能の1つはディスプレイから発生する電磁波を遮断する
ことである。電磁波シールドを必要とする機器には、機
器のケース内部に金属層を設けたり、ケースに導電性材
料を使用して電磁波を遮断する。ディスプレイの如く透
明性が必要である場合には、透明導電層を形成した窓状
の電磁波シールド機能を有するディスプレイ用フィルタ
を設置する。電磁波は導電層において吸収されたのち電
荷を誘起するため、アースをとることによって電荷を逃
がさないと、再びディスプレイ用フィルタがアンテナと
なって電磁波を発信し電磁波シールド能が低下する。従
って、ディスプレイ用フィルタとディスプレイ本体のア
ース部が電気的に接続している必要がある。そのため透
明導電層には外部に対して露出した部分が存在する必要
がある。
【0059】例えば、透明導電層上に透明粘着層及び機
能性透明層が形成されている場合は、透明粘着層及び機
能性透明層は、導通部を残すように透明導電層上に形成
されることが好ましい。この導通部分を用いて電極を形
成する。導通部の形状は特に限定しないが、ディスプレ
イ用フィルタとディスプレイ本体の間に、電磁波の漏洩
する隙間が存在しないことが好ましい。
【0060】電気的接触を容易にする為に、導通部に導
電材料を付与して電極を形成しても良い。付与する形状
は特に限定しない。しかしながら、導通部をすべて覆う
ように形成されていることが好適である。本発明におけ
る好適な電極形状を説明する。
【0061】図1は本発明において好適に用いられるデ
ィスプレイ用フィルタの平面図、図2及び図3はその断
面図である。ディスプレイ用フィルターは、図1に示し
たように長方形である場合が多い。その長方形の短辺側
より見た断面の様子が図2に、長辺側より見た断面の様
子が図3に示した。図1に示したように長辺に電極が形
成されているのが生産性の高い形状である。 電極は長
辺に位置する透明導電層むき出し部分に導電性材料を付
与することによって形成される。なお、上記に示したデ
ィスプレイ用フィルタの短辺の断面において、透明導電
層と外部との電気的接触を得ることができるような構成
の電極が設けられていても構わない。ここでいう電極と
は短辺において連続的に透明導電層と外部との電気的接
触部分が存在するものである。
【0062】このような電極が設けられているディスプ
レイ用フィルタは、長辺のみでなく短辺からもすなわち
2辺からのみでなく4辺から電荷を外部に取り出すこと
ができるため、より効率良く、ディスプレイから発生す
る電磁波を遮断することができる。
【0063】このディスプレイ用フィルタはロールツー
ロール方式でフィルムの貼り合わせを行い作製すること
ができる。この他に、長辺だけでなく短辺にも同様に電
極が形成されている構成等も例示できる。電極の幅に制
限はなく、各辺における電極幅が同一である必然性もな
い。但し、透明導電層むき出し部分でない部分に形成さ
れた電極はできるだけ幅が広い方が高分子フィルム内を
通過して外部に漏れる電磁波をより多く吸収することが
できるので好適であると推測される。しかし、あまり幅
が広すぎてもディスプレイの視認部分にかかってしまう
ので良くない。用途に応じて好適な幅を選択する必要が
ある。通常は5〜30mm程度である。
【0064】本発明における電極部分は導電材料を付与
することにより形成される。用いる導電性材料は電気を
通導することのできるものであれば特に指定はない。通
常は、銀ペーストなどの導電性の材料をペースト状にし
たものや銅テープなどの導電性材料をテープ状にしたも
のが用いられる。その他、銀、金、銅、白金、ニッケ
ル、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛、カーボン等の単
体もしくは2種以上からなる合金や、合成樹脂とこれら
単体または合金の混合物、もしくは、ホウケイ酸ガラス
とこれら単体または合金の混合物からなるペーストを使
用できる。
【0065】電極形成過程において、導通部を覆うこと
は、耐環境性及び耐擦傷性に劣る透明導電層の保護にも
なる。電極形成にはメッキ法、真空蒸着法、スパッタ法
など、ペーストといったものは印刷、塗工する方法など
従来公知の方法を採用できる。
【0066】塗布方法としては、効率および精度の観点
から、スクリーン印刷法が用いられる場合が多い。これ
らの導電材料は2種類以上を組み合わせて用いても良
い。 (透明粘着層)本発明における透明粘着層は、積層体が
複数の高分子フィルムからなる場合に高分子フィルム同
士を貼り合せるために用いられる。
【0067】本発明における透明粘着剤層の好ましい厚
みは、10〜500μmであり、より好ましくは10〜
300μm、さらにより好ましくは10〜100μmで
ある。あまり厚すぎると透明性を失ってしまい好ましく
ない。ここで透明であるとは厚さ25μm以上の場合の
視感平均透過率が50%以上であることである。
【0068】透明粘着剤層に用いられる透明粘着剤を具
体的に例示すると、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、
シリコーン系粘着剤、ビニル系粘着剤等である。中でも
アクリル系粘着剤は、安価であるために広く用いられて
いる。透明粘着剤の形態は、大きく分けてシート状のも
のと液状のものに分けられる。シート状粘着剤は、通
常、感圧型であり、貼り付ける一方の部材に粘着剤をラ
ミネートした後に、さらにもう一方の部材をラミネート
する事によって二つの部材の貼り合わせを行う。液状粘
着剤は、塗布貼り合わせ後に室温放置または加熱により
硬化させるものである。液状粘着剤の塗布方法として
は、バーコート法、リバースコート法、グラビアコート
法、ロールコート法等が挙げられ、粘着剤の種類、粘
度、塗布量等から考慮選定される。
【0069】透明粘着剤を用いて貼り合わせを行った後
は、貼り合わせた時に入り込んだ気泡を脱法させたり、
透明粘着剤に固溶させ、さらには部材間の密着力を向上
させるために、加圧、加温条件下にて養生を行なっても
構わない。この時、加圧条件としては、一般的に0.0
01から2MPa程度であり、加温条件としては、各部
材の耐熱性にも依るが、一般的には室温以上、80℃以
下である。 (調色)またディスプレイ用フィルタは、ディプレイか
らの発光色をより好ましいものに調整する機能を有する
場合が多い。PDP用ディスプレイ用フィルタにおい
て、透明導電層を有さず、調色機能を主な機能とする場
合もある。
【0070】ディスプレイ用フィルタの透過色におい
て、黄緑〜緑色味が強いと、ディスプレイのコントラス
トが低下し、さらには色純度が低くなり、白色表示も緑
色がかったものになることがある。このことは、黄緑〜
緑色である550nm前後の波長の光が最も視感度が高
いことにもよる。多層薄膜は、可視光線透過率・可視光
線反射率を重視すると、一般に透過色調に劣る。電磁波
シールド能即ち導電性と、近赤外線カット能をあげるほ
ど、金属薄膜の総膜厚が厚いことが必要となる。しか
し、金属薄膜の総膜厚が大きくなる程、緑色〜黄緑色に
なる傾向がある。従って、プラズマディスプレイに用い
るディスプレイ用フィルタはその透過色がニュートラル
グレーまたはブルーグレーであることが要求される。こ
れは、緑色透過が強いことによるコントラスト低下や、
赤色及び緑色発光色に比べ青色発光が弱いこと、標準白
色より若干高めの色温度の白色が好まれること、等によ
る。加えて、ディスプレイ用フィルタの透過特性は、プ
ラズマディスプレイの白色表示の色度座標が極力、黒体
軌跡に近いことが望ましい。多層薄膜を透明導電層に用
いた場合は、多層薄膜の色調を補正してディスプレイ用
フィルタの透過色をニュートラルグレーまたはブルーグ
レーにすることが肝要である。色調を補正するには可視
波長領域に吸収のある色素を用いれば良い。例えば、透
明導電層の透過色に緑色味がある場合、赤色の色素を用
いてグレーに補正し、透過色に黄色味がある場合は青〜
紫の色素を用いて補正する。
【0071】カラープラズマディスプレイでは、希ガス
の直流または交流放電により発生する真空紫外光で励起
発光する(Y,Gd,Eu)BO3等の赤色(R)発光蛍光体、(Zn,
Mn)2SiO4等の緑色(G)発光蛍光体、(Ba,Eu)MgAl
10O17:Eu等の青色(B)発光蛍光体が、画素を構成する
表示セルに形成されている。蛍光体は、色純度の他に放
電セルへの塗布性、残光時間の短さ、発光効率、耐熱性
等を指標に選定されており、実用化されている蛍光体は
その色純度に改良を要するものが多い。特に赤色発光蛍
光体の発光スペクトルは、波長580nmから700n
m程度までにわたる数本の発光ピークを示しており、比
較的強度な短波長側の発光ピークは黄〜オレンジ色の発
光であるので赤色発光がオレンジに近い色純度の良くな
いものとなってしまう問題がある。希ガスにXeとNe
の混合ガスを用いた場合、Ne励起状態の発光緩和によ
るオレンジ色発光も同様に色純度を落としてしまう。ま
た、緑色発光、青色発光に関しても、そのピーク波長の
位置、発光のブロードさが色純度を下げる要因となって
いる。色純度の高さは、例えば、国際照明委員会(CI
E)が定めた横軸色度x、縦軸色度yで色相と彩度を表
す座標系において、RGB三色を頂点とした三角形の広
さで示す色再現範囲の広さで表すことができる。色純度
の低さからプラズマディスプレイの発光の色再現範囲
は、NTSC(National Television System Committe
e)方式で定めているRGB三色の色度が示す色再現範
囲より通常狭い。
【0072】また、表示セル間での発光の滲み出しに加
えて、各色の発光が広い範囲にわたって不必要な光を含
んでおり、必要な発光が際立たないことは、色純度だけ
ではなくプラズマディスプレイのコントラストを下げる
要因にもなっている。さらに、プラズマディスプレイは
一般に室内照明等による外光が存在する明時においては
暗時に比べコントラストが悪くなる。これは、基板ガラ
ス、蛍光体等が外光を反射し、不必要な光が必要な光を
際立たせなくするために起きる。プラズマディスプレイ
パネルのコントラスト比は、暗示は100〜200、周
囲照度100lx程度の明時は10〜30であり、その向上
が課題となっている。また、コントラストが低いことも
色再現範囲を狭くしている要因である。コントラストを
向上させるためにはディスプレイ前面にニュートラル・
デンシティ(ND)フィルターの如く、可視波長領域全
体の透過率を下げ、基板ガラス、蛍光体における外光反
射等の透過を少なくする方法があるが、可視光線透過率
が著しく低いと、輝度・画像の鮮明さが低下することに
なり、また、色純度の改善はあまり見られない。
【0073】カラープラズマディスプレイの発光色の色
純度及びコントラストを向上させることは、発光色の色
純度及びコントラストを下げる原因となる不要発光及び
外光反射を低減することによって達成できる。色素を用
いることによって、ディスプレイ用フィルタをニュート
ラルグレーまたはニュートラルブルーに調色するだけで
はなく、発光色の色純度及びコントラストを下げる原因
となる不要発光及び外光反射を低減できる。特に、赤色
発光がオレンジに近いものは、その原因である波長58
0nm〜605nmの発光を低減することによって赤色
発光の色純度向上させることができる。
【0074】本発明のディスプレイ用フィルタにおい
て、不要発光及び外光反射の低減は、波長570nm〜
605nmに吸収極大を有する色素をシールド体に含有
させることによって行うことができる。この際、ディス
プレイ用フィルターによって、赤色である発光ピークの
ある波長615nm〜640nmの光線透過を著しく損
なってしまわないことが必要である。
【0075】一般に、色素はブロードな吸収範囲を有し
ており、所望の吸収ピークを有するものも、その裾の吸
収により好適な波長の発光まで吸収してしまうことがあ
る。Neによる発光が存在する場合は、オレンジ色発光
の低減を行うこともできるため、RGB表示セルからの
発光の色純度が向上する。また、カラープラズマディス
プレイの緑発光はブロードであり、そのピーク位置は、
例えば、NTSC方式で要求される緑色より若干長波長
側、すなわち黄緑側にあることがある。この様な場合
は、波長570nm〜605nmに吸収極大を有する色
素の短波長側の吸収によって、緑色発光の長波長側を吸
収して削り、さらに不要発光を削ること、及び/又は、
ピークをシフトさせることによって色純度を向上でき
る。
【0076】赤色発光、更に加えて緑色発光の色純度向
上には、波長570nm〜605nmに吸収極大を有す
る色素を用いることによって、波長570nm〜605
nmにおけるディスプレイ用フィルタの最低透過率が、
必要な赤色発光のピーク位置での透過率に対して80%
以下であることが好適である。青色発光の色純度が低い
場合は、赤色発光、緑色発光と同様に、不要発光を低減
し、また、そのピーク波長をシフトさせ、青緑発光を吸
収する色素を用いれば良い。さらに、色素による吸収
は、外光の蛍光体への入射を低減することによって蛍光
体での外光反射を低減させることができる。このことに
よってもまた色純度及びコントラストを向上させること
ができる。
【0077】本発明のディスプレイ用フィルタに色素を
含有させる方法としては、(1)透明な樹脂に少なくと
も1種類以上の色素を混錬させた高分子フィルム、
(2)樹脂または樹脂モノマー/有機系溶媒の樹脂濃厚
液に少なくとも1種類以上の色素を分散・溶解させ、キ
ャスティング法により作製した高分子フィルム、(3)
樹脂バインダーと有機系溶媒に少なくとも1種類以上の
色素を加え、塗料として透明な基体上にコーティングし
たもの、(4)少なくとも1種類以上の色素を含有する
透明な粘着剤、のいずれか一つ以上の形態として用いる
方法である。本発明でいう含有とは、基材または塗膜等
の層または粘着剤の内部に含有されることは勿論、基材
または層の表面に塗布した状態をも意味する。
【0078】色素は可視領域に所望の吸収波長を有する
一般の染料または顔料で良く、その種類は特に限定され
るものではないが、例えば、アントラキノン系、フタロ
シアニン系、メチン系、アゾメチン系、オキサジン系、
アゾ系、スチリル系、クマリン系、ポルフィリン系、ジ
ベンゾフラノン系、ジケトピロロピロール系、ローダミ
ン系、キサンテン系、ピロメテン系等の一般に市販もさ
れている有機色素があげられる。その種類・濃度は、色
素の吸収波長・吸収係数、透明導電層の色調及びディス
プレイ用フィルタに要求される透過特性・透過率、そし
て分散させる媒体または塗膜の種類・厚さから決まり、
特に限定されるものではない。
【0079】透明導電層(B1)に多層薄膜を用いる場
合、電磁波シールド能に加え、近赤外線カット能も有し
ているが、より高い近赤外線カット能が必要であった
り、透明導電層が近赤外線カット能を有していない場合
に、近赤外線カット能をディスプレイ用フィルターに付
与するために、前記色素に近赤外線吸収色素を1種類以
上併用しても良い。近赤外線吸収色素としては、透明導
電層の近赤外線カット能を補填し、プラズマディスプレ
イの発する強度の近赤外線を充分実用的になる程度に吸
収するものであれば、特に限定されるものではなく、濃
度も限定されるものではない。近赤外線吸収色素として
は、例えば、フタロシアニン系化合物、アントラキノン
系化合物、ジチオール系化合物、ジイミニウム系化合物
が挙げられる。
【0080】プラズマディスプレイパネルはパネル表面
の温度が高く、特に環境の温度が高いときはディスプレ
イ用フィルタの温度も上がるため、本発明で用いる色素
は、耐熱性、例えば、80℃で分解等によって顕著に劣
化しない耐熱性を有していることが好適である。また、
色素によっては、耐熱性に加えて、耐光性に乏しいもの
もある。プラズマディスプレイの発光や外光の紫外線・
可視光線による劣化が問題になる場合は、紫外線吸収剤
を含む部材や紫外線を透過しない部材を用いることによ
って、色素の紫外線による劣化を低減すること、紫外線
や可視光線による顕著な劣化がない色素を用いることが
肝要である。熱、光に加えて、湿度や、これらの複合し
た環境においても同様である。色素が劣化するとディス
プレイ用フィルタの透過特性が変わってしまう。実際
に、プラズマディスプレイパネルの表面温度が70℃か
ら80℃になることは特開平8−220303号に明記
されている。また、プラズマディスプレイパネルより発
生する光は、例えば、300cd/m2 と明記されてお
り(富士通株式会社Image Site カタログ
AD25−000061COct.1997M)、立体
角を2πとして、これを2万時間照射すると、2π×2
0000×300=3800万(lx・時間)となるこ
とから、実用上数千万(lx・時間)程度の耐光性が必
要になることが分かる。さらには、色素を媒体または塗
膜中に分散させるために、適宜の溶媒への溶解性も重要
である。異なる吸収波長を有する色素2種類以上を一つ
の媒体または塗膜に含有させても良い。
【0081】本発明のディスプレイ用フィルタは色素を
含有させることによってカラープラズマディスプレイの
輝度・視認性を著しく損なわない優れた透過特性・透過
率を有し、カラープラズマディスプレイの発光色の色純
度及びコントラストを向上させることができる。具体的
には少なくとも一種の色素がテトラアザポルフィリン化
合物の場合には、特に低減したい570〜605nmの
不要発光の波長と同じか、または近い波長に主要吸収波
長を有し、且つ、吸収波長巾が比較的狭いので、好適な
発光を吸収してしまうことによる輝度の損失を少なくで
きることを見出し、優れた透過特性・透過率・発光色の
色純度及びコントラストを向上させる能力が優れたディ
スプレイ用フィルタを得ることができた。
【0082】本発明のディスプレイ用フィルタにおいて
は、前記の色素を含有させる方法(1)〜(4)は、色
素を含有する高分子フィルム、色素を含有する後述の透
明粘着層または、色素を含有する後述の機能性透明層、
色素を含有するハードコート層のいずれか1つ以上の層
において実施することが出来る。色素を含有する機能性
透明層は、色素を含有し且つ各機能を有する膜でも、色
素を含有し且つ各機能を有する膜が高分子フィルム上に
形成されたものでも、各機能を有する膜が色素を含有す
る基材に形成されたもの、のいずれでも良い。なお、本
発明では、異なる吸収波長を有する色素2種類以上を一
つの媒体または塗膜に含有させてもよく、また色素層を
2つ以上有していても良い。
【0083】まず、樹脂に色素を混練し、加熱成形する
(1)の方法について説明する。樹脂材料としては、プ
ラスチック板または高分子フィルムにした場合にできる
だけ透明性の高いものが好ましく、具体的には、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリ
スチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリア
ミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合
物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリア
クリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタ
クリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリ
デン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフ
ルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重体
等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリ
エチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げる
ことが出来るが、これらの樹脂に限定されるものではな
い。
【0084】作製方法としては、用いる色素、ベース高
分子によって、加工温度、フィルム化条件等が多少異な
るが、通常、(i) ベース高分子の粉体或いはペレットに
色素を添加し、150〜350℃で加熱、溶解させた
後、成形してプラスチック板を作製する方法、(ii)押し
出し機によりフィルム化する方法、(iii) 押し出し機に
より原反を作製し、30〜120℃で2〜5倍に、1軸
乃至は2軸に延伸して10〜200μm厚のフィルムに
する方法、等が挙げられる。なお、混練する際に可塑剤
等の通常の樹脂成型に用いる添加剤を加えてもよい。色
素の添加量は、色素の吸収係数、作製する高分子成形体
の厚み、目的の吸収強度、目的の透過特性・透過率等に
よって異なるが、通常、ベース高分子成形体の重量に対
して1ppm〜20%である。
【0085】(2)のキャスティング法では、樹脂また
は樹脂モノマーを有機系溶媒に溶解させた樹脂濃厚液
に、色素を添加・溶解させ、必要であれば可塑剤、重合
開始剤、酸化防止剤を加え、必要とする面状態を有する
金型やドラム上へ流し込み、溶剤揮発・乾燥または重合
・溶剤揮発・乾燥させることにより、プラスチック板、
高分子フィルムを得る。通常、脂肪族エステル系樹脂、
アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳香族
エステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオ
レフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル
系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成
樹脂(PVB、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂の
樹脂モノマーを用いる。溶媒としては、ハロゲン系、ア
ルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素
系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、あるいはそれ
らの混合物系等を用いる。色素の濃度は、色素の吸収係
数、板またはフィルムの厚み、目的の吸収強度、目的の
透過特性・透過率等によって異なるが、樹脂モノマーの
重量に対して、通常、1ppm〜20%である。また、
樹脂濃度は、塗料全体に対して、通常、1〜90%であ
る。
【0086】塗料化してコーティングする(3)の方法
としては、色素をバインダー樹脂及び有機系溶媒に溶解
させて塗料化する方法、未着色のアクリルエマルジョン
塗料に色素を微粉砕(50〜500nm)したものを分
散させてアクリルエマルジョン系水性塗料とする方法、
等がある。前者の方法では、通常、脂肪族エステル系樹
脂、アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳
香族エステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポ
リオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビ
ニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系
変成樹脂(PVB、EVA等)或いはそれらの共重合樹
脂をバインダー樹脂として用いる。溶媒としては、ハロ
ゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族
炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、ある
いはそれらの混合物系等を用いる。色素の濃度は、色素
の吸収係数、コーティングの厚み、目的の吸収強度、目
的の可視光透過率等によって異なるが、バインダー樹脂
の重量に対して、通常、0.1〜30%である。また、
バインダー樹脂濃度は、塗料全体に対して、通常、1〜
50%である。後者のアクリルエマルジョン系水系塗料
の場合も、前記と同様に、未着色のアクリルエマルジョ
ン塗料に、色素を微粉砕(50〜500nm)したもの
を分散させて得られる。塗料中には、酸化防止剤等の通
常塗料に用いるような添加物を加えてもよい。
【0087】上記の方法で作製した塗料は、透明高分子
フィルム、透明樹脂、透明ガラス等の上にバーコーダ
ー、ブレードコーター、スピンコーター、リバースコー
ター、ダイコーター、或いはスプレー等の従来公知のコ
ーティングをして、色素を含有する基材を作製する。コ
ーティング面を保護するために保護層を設けたり、コー
ティング面を保護するようにコーティング面に、ディス
プレイ用フィルタの他の構成部材を貼り合わせても良
い。
【0088】色素を含有する粘着剤として用いる方法
(4)では、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウ
レタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PV
B)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポ
リビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン
樹脂等のシート状または液状の粘着剤または接着剤に、
色素を10ppm〜30%添加して用いる。なお、これ
らの方法では、色素含有のディスプレイ用フィルタの耐
光性を上げるために紫外線吸収剤を色素と共に含有させ
ることもできる。紫外線吸収剤の種類、濃度は特に限定
されない。 (分析方法)積層体の層構成及び各層の状態は、断面の
光学顕微鏡測定、走査型電子顕微鏡(SEM)測定、透
過型電子顕微鏡測定(TEM)を用いて調べることがで
きる。
【0089】透明導電膜の表面原子組成は、オージェ電
子分光法(AES)、蛍光X線法(XRF)、X線マイ
クロアナライシス法(XMA)、荷電粒子励起X線分析
法(RBS)、X線光電子分光法(XPS)、真空紫外
光電子分光法(UPS)、赤外吸収分光法(IR)、ラ
マン分光法、2次イオン質量分析法(SIMS)、低エ
ネルギーイオン散乱分光法(ISS)等により測定でき
る。また、膜中の原子組成及び膜厚は、オージェ電子分
光法(AES)や2次イオン質量分析(SIMS)を深
さ方向に実施することによって調べることができる。
【0090】透明導電膜上に防眩性フィルムや反射防止
フィルム等を貼り合わせてある場合は、それを剥がし、
透明導電膜表面を剥き出しにした後に、上記の手法を用
いて調べればよい。本発明において持ちいられる、高分
子、色素の組成及び構造に関しては、該色素を適当な溶
媒に溶かした上で、一般的な組成または構造分析手法を
用いて調べることができる。例えば、核磁気共鳴法(N
MR)、赤外線分光法(IR)、ラマン分光法、質量分
析法(MAS)等を用いることができる。
【0091】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により具体的に説明
する。本発明はこれらによりなんら制限されるものでは
ない。 (透明導電層の作製)実施例中の透明導電層を構成する
薄膜は、基材の一方の主面にマグネトロンDCスパッタ
リング法により成膜する。薄膜の厚さは、成膜条件から
求めた値であり、実際に測定した膜厚ではない。 ・高屈折率透明薄膜層(a)であるITO薄膜は、ター
ゲットに酸化インジウム・酸化スズ焼結体(組成比In
23 :SnO2=90:10wt%))を、スパッタ
ガスにアルゴン・酸素混合ガス(全圧266mPa:酸
素分圧5mPa)を用いて成膜する。 ・高屈折率透明薄膜層(a)であるITO薄膜は、ター
ゲットに酸化スズ焼結体を、スパッタガスにアルゴン・
酸素混合ガス(全圧266mPa:酸素分圧5mPa)
を用いて成膜する。 ・金属薄膜層(b)である銀薄膜は、ターゲットに銀
を、スパッタガスにアルゴンガス(全圧266mPa)
を用いて成膜する。 ・金属薄膜層(b)である銀−パラジウム合金薄膜は、
ターゲットに銀−パラジウム合金(パラジウム10wt
%)を、スパッタガスにアルゴンガス(全圧266mP
a)を用いて成膜する。 尚、透明導電層の面抵抗は、四探針測定法(プローブ間
隔1mm)により測定する。
【0092】(実施例1) (透明導電性フィルムの作製)ポリエチレンテレフタレ
ート(以下PET)フィルム[巾564mm、長さ50
0m、厚さ75μm]を高分子フィルムとしてその一方
の主面に、PETフィルムから順に、ITO薄膜(膜
厚:40nm)、銀薄膜(膜厚:10nm)、ITO薄
膜(膜厚:95nm)、銀薄膜(膜厚:12nm)、I
TO薄膜(膜厚:90nm)、銀薄膜(膜厚:9n
m)、ITO薄膜(膜厚:40nm)の計7層の透明導
電層を形成し、面抵抗2.3Ω/□の透明導電層を有す
る透明導電性フィルムを作製した。断面図を図4に示し
た。また引張弾性率は4600MPaであった。
【0093】(色素の分散)酢酸エチル/トルエン(5
0:50wt%)溶剤に有機色素を分散・溶解させ、ア
クリル系粘着剤の希釈液とする。アクリル系粘着剤/色
素入り希釈液(80:20wt%)を混合し、粘着剤の
原液とする。なお、粘着剤の屈折率は1.51、消光係
数は0である。有機色素としては、プラズマディスプレ
イが放射する不要発光を吸収させるための波長595n
mに吸収極大を有する三井化学(株)製色素PD−31
9、及び白色発光の色度を補正するための三井化学
(株) 製赤色色素PS−Red−Gを用い、それぞれ乾
燥した粘着剤1の中に1150(wt)ppm、105
0(wt)ppmで含有されるようにアクリル系粘着剤
/色素入り希釈液を調整する。
【0094】(粘着剤層の形成)表面に易剥離処理が施
されたポリエチレンテレフタレートフィルム[厚さ10
0μm]上に用意した粘着剤を厚みが100μmとなる
ように粘着剤の原液をグラビアコート法で塗布し、粘着
層を形成する。塗布面は易剥離処理面である。さらに粘
着層の上に表面が易剥離処理されたポリエチレンテレフ
タレートフィルム[厚さ100μm]を貼り合せ、ダブ
ルタック状態にする。粘着層に易剥離面が接するように
貼り合せる。なお、この時用いる易剥離層は最初に粘着
剤を塗布する面である易剥離層よりも易剥離性が高いも
のを用いることが好ましい。なお、透明粘着層の両面に
位置するポリエチレンテレフタレートフィルムは離型フ
ィルムとして機能し、易剥離性が高い方が、最初に剥が
されることを想定されている。
【0095】(透明導電性フィルムへの粘着層形成)透
明導電膜/PETフィルムのPETフィルム面上に前述
により得られる透明粘着層を形成する。まず透明粘着層
の両面に貼りつけられている2枚の離型フィルムのうち
1枚を剥がし、透明積層体上に貼り合せる。構成は、透
明導電層/PETフィルム/粘着剤/離型フィルムとな
る。以下この構成を積層体1と呼ぶ。
【0096】(AGフィルムの用意)AGフィルム[日
本油脂社製、銘柄:PET75AG−HC/PU−V、
AG層の反対面に透明粘着剤層が形成されている、巾5
58mm、長さ500mm、厚さ75μm](PETフ
ィルムベース、引張弾性率:4600MPa)を用意し
た。
【0097】(貼合わせ−1)ロールツーロール方式に
より、透明導電性フィルムとPETフィルム(564m
m幅、厚さ188μm、引っ張り弾性率:4800MP
a)を貼り合わせた。透明導電性フィルムの色素含有透
明粘着剤層を介して、PETフィルムと貼り合わせた。
以下これを積層体1と呼ぶ。なお、フィルムの巾方向位
置が揃う様にラミネートを行った。 (貼合わせ−2)ロールツーロール方式により、上記積
層体1とAGフィルムを貼り合わせた。AGフィルムに
あらかじめ備わっている透明粘着剤層を介して、積層体
1の透明導電層上にAGフィルムを貼り合わせた。以下
これを積層体2と呼ぶ。なお、フィルムの巾方向位置に
関しては、それぞれのフィルムの中心位置が一致するよ
うな位置とした。全体の厚みは約0.4mmであった。
【0098】(切断)積層体2をロールから送り出しな
がら、長さ968mmとなるように切断し、シート状の
積層体3を作製した。
【0099】(電極形成)積層体3の長辺部分に6mm
の巾に渡って、スクリーン印刷法により銀ペーストを塗
布し、乾燥させることによってディスプレイ用フィルタ
ー1を得た。塗布はAGフィルム側に実施した。
【0100】(プラズマディスプレイパネルへの装着)
プラズマディスプレイパネル[NEC製 PX−42V
P1]前面へPETフィルムがプラズマディスプレイに
接触する様に上記ディスプレイ用フィルタ1を取り付け
た。プラズマディスプレイパネルにあらかじめ備え付け
られているコンタクトを、ディスプレイ用フィルタ1の
電極部分に接触させ、全周囲を覆う様に押しつけ固定し
た。 (電磁波遮断能力評価)プラズマディスプレイパネルを
動作させて、外部に放出される電磁波の強度をFCC規
格 Part15Jに基づいて測定した。本フィルター
はクラスA基準を満たしていた。 (外観評価)PDPパネル点灯時のフィルターのパネル
からの浮きの有無を目視にて調べた。浮きは生じていな
かった。
【0101】実施例2 (AGフィルムの用意)AGフィルム[日本油脂社製、
銘柄:PET75AG−HC/PU−V、AG層の反対
面に透明粘着剤層が形成されている、巾564mm、長
さ500mm、厚さ75μm]を用意した。 (貼合わせ−1)ロールツーロール方式により、上記の
AGフィルム(564mm幅)とPETフィルム(564
mm幅、厚さ188μm、引張弾性率:4800MP
a)を貼り合わせた。この際AGフィルムの透明粘着剤
層を介して、PETフィルムと貼り合わせた。以下これ
を積層体4と呼ぶ。尚、フィルムの巾方向位置が揃う様
にラミネートを行った。 (貼合わせ−2)ロールツーロール方式により、上記積
層体4と透明導電性フィルムを貼り合わせた。この際、
透明導電フィルムの色素含有透明粘着剤層を介して、積
層体4のPETフィルム側と貼り合わせた。以下これを
積層体5と呼ぶ。尚、フィルムの巾方向位置が揃う様に
ラミネートを行った。 (貼合わせ−3)ロールツーロール方式により、上記積
層体5とAGフィルム(558mm幅)を貼り合わせた。
AGフィルムにあらかじめ備わっている透明粘着剤層を
介して、積層体5の透明導電層上にAGフィルムを貼り
合わせた。以下これを積層体6と呼ぶ。なお、フィルム
の巾方向位置に関しては、それぞれのフィルムの中心位
置が一致するような位置とした。全体の厚みは約0.5
mmであった。 (切断)積層体6をを用いた以外は実施例1と同様にし
て切断を行い積層体7を得た。 (電極形成)積層体7の長辺部分のスパッタ層およびA
Gフィルム上に6mmの巾に渡って、スクリーン印刷法
により銀ペーストを塗布し、乾燥させることによってデ
ィスプレイ用フィルター2を得た。以下、ディスプレイ
用フィルターのプラズマディスプレイパネルへの装着、
電磁波遮断能力評価は実施例1と同様に行った。FCC
のクラスAを満たし、浮きの発生もなかった。
【0102】実施例3 (貼合わせ−1)枚葉方式により、上記のAGフィルム
(564mm幅)とアクリル板(幅564mm、長さ96
4mm、厚さ1mm)を貼り合わせた。この際、AGフ
ィルムの透明粘着剤層を介して、PETフィルムと貼り
合わせた。以下これを積層体8と呼ぶ。尚、フィルムの
巾方向位置が揃う様にラミネートを行った。 (貼合わせ−2)枚葉方式により、上記積層体8と透明
導電性フィルムを貼り合わせた。透明導電フィルムあら
かじめ備わっている透明粘着剤層を介して、積層体8の
PETフィルムに透明導電性フィルムを貼り合わせた。
以下これを積層体9と呼ぶ。尚、フィルムの巾方向位置
が揃う様にラミネートを行った。 (貼合わせ−3)枚葉方式により、上記積層体9とAG
フィルム(558mm幅)を貼り合わせた。AGフィルム
にあらかじめ備わっている透明粘着剤層を介して、積層
体10の透明導電層上にAGフィルムを貼り合わせた。
以下これを積層体11と呼ぶ。なお、フィルムの巾方向
位置に関しては、それぞれのフィルムの中心位置が一致
するような位置とした。全体の厚みは約1.3mmであ
った。 (電極形成)積層体11の長辺部分のスパッタ層および
AGフィルム部に6mmの巾に渡って、スクリーン印刷
法により銀ペーストを塗布し、乾燥させることによって
ディスプレイ用フィルター3を得た。以下、ディスプレ
イ用フィルターのプラズマディスプレイパネルへの装
着、電磁波遮断能力評価は実施例1と同様に行った。F
CCのクラスAを満たし、浮きの発生もなかった。
【0103】実施例4 AGフィルムの代わりにARフィルム(日本油脂製82
01:トリアセチルセルロース(TAC)ベース、21
00MPaを用いる以外は実施例1と同様にしてフィル
ターを作製する。結果を表1に示す
【0104】実施例5 AGフィルムの代わりにポリエチレン(PE、80μm
t、引張弾性率:700MPa)およびPETフィルム
の代わりにポリエチレン(200μmt、引張弾性率8
00MPa)を用いる以外は実施例1と同様にしてフィ
ルターを作製しする。結果を表1に示す。
【0105】実施例6 (透明導電層の作製)PETフィルムの代わりにPEを用
い実施例1の手法で透明導電層を作製する。面抵抗は
2.3Ω/□、引張弾性率は800MPa。 (フィルターの作製)上記の透明導電フィルムを用い、
AGフィルムの代わりにPE(80μmt、引張弾性率
700MPa)を用いる以外は実施例1と同様にしてフ
ィルターを作製する。結果を表1に示す。
【0106】実施例7 PETフィルムの代わりにポリカーボネートフィルム
(PC、0.2mmt、引張弾性率:2300MPa)
を用いる以外は実施例6と同様にしてフィルターを作製
する。結果を表1に示する。
【0107】実施例8 PETフィルムの代わりにTACフィルム(0.2mm
t、引張弾性率:2200MPa)を用いる以外は実施
例6と同様にしてフィルターを作製する。結果を表1に
示す。
【0108】比較例1 PETフィルムの代わりにPE(200μmt、引張弾
性率800MPa)を用いる以外は実施例6と同様にし
てフィルターを作製する。結果を表1に示す。
【0109】実施例9 PETフィルムの代わりにTACフィルム(80μm
t、引張弾性率2100MPa)を用いる以外は実施例
6と同様にしてフィルターを作製する。結果を表2に示
す。
【0110】比較例2 PETフィルムの代わりにTACフィルム(60μm
t、引張弾性率2100MPa)を用いる以外は実施例
6と同様にしてフィルターを作製する。結果を表2に示
す。
【0111】実施例10 PETフィルムを用いず、透明導電層としてスパッタフ
ィルム(粘着層無し)を用いる以外は実施例1と同様にし
てフィルターを作製する。結果を表3に示す。
【0112】実施例11 AGフィルムの代わりにPEフィルム(80μmt、引
張弾性率700MPa)を用いる以外は実施例6と同様
にしてフィルターを作製する。結果を表2に示す。
【0113】比較例3 透明導電層として実施例6のスパッタフィルム(粘着層
無し)を用いる以外は実施例11と同様にしてフィルタ
ーを作製する。結果を表3に示す。
【0114】
【発明の効果】上記に示した様に本発明によれば高い電
磁波遮断能力を有し、ディスプレイへの装着等の操作
性、取り扱い性に優れたディスプレイ用フィルタを提供
することができる。
【0115】
【表1】
【0116】
【表2】
【0117】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるディスプレイ用フィルタの構成
例を示す平面図
【図2】図1に示したディスプレイ用フィルタの断面図
【図3】図1に示したディスプレイ用フィルタの断面図
【図4】本発明における透明導電層の構成例を示す断面
【符号の説明】
10 透明導電層 20 高分子フィルム 30 AGフィルム 40 色素入り粘着層 50 透明粘着層 60 電極 70 高分子層 110 酸化インジウムと酸化錫の混合物薄膜 120 銀薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/22 H04N 5/72 A 5G435 G02F 1/1335 G02B 1/10 A H04N 5/72 Z (72)発明者 北河 敏久 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 (72)発明者 諸橋 慎 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 (72)発明者 福田 伸 千葉県袖ヶ浦市長浦580番地32 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 2H042 BA03 BA15 BA20 2H048 GA01 GA07 GA19 GA33 GA60 2H091 FA01X FA37X LA02 LA03 LA16 2K009 AA04 AA09 BB24 BB28 CC03 CC14 CC24 CC26 CC42 DD02 DD03 EE03 5C058 AA01 AA06 AA11 BA30 DA01 DA08 5G435 AA06 AA17 GG33 GG43

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも反射防止性および/または防
    眩性を有する機能性透明層(A)と基体として設けられ
    た高分子フィルム(B)および必要に応じて高分子層
    (C)とを備え、全体の厚みが0.2mm以上であるデ
    ィスプレイ用フィルタであって、少なくとも機能性透明
    層(A)又は高分子フィルム(B)、必要に応じて用いら
    れる高分子層(C)の一つ(但し、高分子層(C)を用い
    ない場合は、少なくとも機能性透明層(A)及び/また
    は高分子フィルム(B))の引張弾性率が2000MPa以
    上10000MPa以下であり厚さが70μm以上であ
    ることを特徴とするディスプレイ用フィルタ
  2. 【請求項2】 引張弾性率が2000MPa以上1000
    0MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載のデ
    ィスプレイ用フィルタ
  3. 【請求項3】 前記高分子フィルム(B)及び/または高
    分子層(C)がポリエステル、ポリカーボネート、セル
    ロース誘導体であることを特徴する請求項1または2に
    記載のディスプレイ用フィルタ。
  4. 【請求項4】 粘着層を介することなくディスプレイに
    直接装着して用いることを特徴とする請求項1乃至3い
    ずれかに記載のディスプレイ用フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4いずれかに記載のディス
    プレイ用フィルタを用いた液晶ディスプレイ素子、有機
    エレクトロルミネッセンスディスプレイ素子、プラズマ
    ディスプレイ素子またはフィールドエミッションディス
    プレイ素子。
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