JP2002318544A - ディスプレイ用フィルタ及びその製造方法 - Google Patents
ディスプレイ用フィルタ及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】2辺にのみ透明導電層むき出し部分がある電極
層を形成し、残りの辺の機能性透明層の端面は電磁波漏
洩防止を目的に封止することによって、生産性及び電磁
波遮断能力ともに優れるディスプレイ用フィルタを提供
する。 【解決手段】反射防止性及び/又は防眩性の機能を有す
る機能性透明層A、透明粘着層C、高分子フィルムB及
び透明導電層Dからなる長方形のディスプレイ用フィル
タであって、A/D/B/Cの順に積層され、機能性透
明層Aの端面の少なくとも一部が封止される。そして、
少なくとも1辺の端部の透明導電層D上に機能性透明層
Aが存在しない部分を有し、透明導電層D上の該部分に
おける互いに向かい合う2辺で、電極層Eが直接形成さ
れており、残りの辺の機能性透明層Aの端面は封止され
る。
層を形成し、残りの辺の機能性透明層の端面は電磁波漏
洩防止を目的に封止することによって、生産性及び電磁
波遮断能力ともに優れるディスプレイ用フィルタを提供
する。 【解決手段】反射防止性及び/又は防眩性の機能を有す
る機能性透明層A、透明粘着層C、高分子フィルムB及
び透明導電層Dからなる長方形のディスプレイ用フィル
タであって、A/D/B/Cの順に積層され、機能性透
明層Aの端面の少なくとも一部が封止される。そして、
少なくとも1辺の端部の透明導電層D上に機能性透明層
Aが存在しない部分を有し、透明導電層D上の該部分に
おける互いに向かい合う2辺で、電極層Eが直接形成さ
れており、残りの辺の機能性透明層Aの端面は封止され
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばプラズマ
ディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、液晶
表示素子(LCD)等のディスプレイの画面上に設置さ
れ、ディスプレイから発生する電磁波のうち可視光以外
の電磁波を遮断可能なフィルタ特性、及び/又は可視光
スペクトルを補正可能なフィルタ特性を有すディスプレ
イ用フィルタ、ならびに該フィルタを搭載した表示素子
及びその製造方法に関する。
ディスプレイ(PDP)、ブラウン管(CRT)、液晶
表示素子(LCD)等のディスプレイの画面上に設置さ
れ、ディスプレイから発生する電磁波のうち可視光以外
の電磁波を遮断可能なフィルタ特性、及び/又は可視光
スペクトルを補正可能なフィルタ特性を有すディスプレ
イ用フィルタ、ならびに該フィルタを搭載した表示素子
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】社会の高度情報化に伴って、光エレクト
ロニクス関連の部品、機器は著しく進歩、普及してい
る。その中でも、ディスプレイはテレビジョン用、パー
ソナルコンピューター用等として著しく普及し、その薄
型化、大型化が要望されている。大型の薄型ディスプレ
イとしてプラズマディスプレイパネルが注目されてい
る。プラズマディスプレイパネルは、その構造や動作原
理上、表示画面から強度の漏洩電磁界、近赤外線を発生
する。
ロニクス関連の部品、機器は著しく進歩、普及してい
る。その中でも、ディスプレイはテレビジョン用、パー
ソナルコンピューター用等として著しく普及し、その薄
型化、大型化が要望されている。大型の薄型ディスプレ
イとしてプラズマディスプレイパネルが注目されてい
る。プラズマディスプレイパネルは、その構造や動作原
理上、表示画面から強度の漏洩電磁界、近赤外線を発生
する。
【0003】近年、電子機器からの漏洩電磁界が人体や
他の機器に与える影響について取り沙汰されるようにな
っており、例えば漏洩電磁界を、日本のVCCI(Vo
luntary Control Council f
or Interference by data p
rocessing equipment elect
oronic office machine)による
基準内に抑えることが必要となる。
他の機器に与える影響について取り沙汰されるようにな
っており、例えば漏洩電磁界を、日本のVCCI(Vo
luntary Control Council f
or Interference by data p
rocessing equipment elect
oronic office machine)による
基準内に抑えることが必要となる。
【0004】また、ディスプレイ画面からの近赤外線
は、コードレスフォン等の周辺電子機器に作用して誤動
作を引き起こす可能性がある。リモコンや伝送系光通信
では波長820nm、880nm、980nm等の近赤
外線が使用されているため、近赤外線の領域である80
0〜1100nmの波長領域の光を実用上問題ないレベ
ルまで抑圧する必要がある。この問題を解決するため
に、電磁波及び近赤外線遮断機能を有するディスプレイ
用フィルタが実用化されている。このディスプレイ用フ
ィルタは、ガラス基板上に透明導電膜が形成されている
ものであり、プラズマディスプレイパネル表示面に備え
付けてい用いられる。
は、コードレスフォン等の周辺電子機器に作用して誤動
作を引き起こす可能性がある。リモコンや伝送系光通信
では波長820nm、880nm、980nm等の近赤
外線が使用されているため、近赤外線の領域である80
0〜1100nmの波長領域の光を実用上問題ないレベ
ルまで抑圧する必要がある。この問題を解決するため
に、電磁波及び近赤外線遮断機能を有するディスプレイ
用フィルタが実用化されている。このディスプレイ用フ
ィルタは、ガラス基板上に透明導電膜が形成されている
ものであり、プラズマディスプレイパネル表示面に備え
付けてい用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】プラズマディスプレイ
パネル開発において、コストダウン化が重要な課題にな
っている。ディスプレイ用フィルタに関してもコストダ
ウンを計るための方策が提案されている。一つは、基板
となるガラスをなくし、フィルム化する。二つ目はさら
に加えて電極を2辺のみとし、製造工程を簡略化するこ
とである。
パネル開発において、コストダウン化が重要な課題にな
っている。ディスプレイ用フィルタに関してもコストダ
ウンを計るための方策が提案されている。一つは、基板
となるガラスをなくし、フィルム化する。二つ目はさら
に加えて電極を2辺のみとし、製造工程を簡略化するこ
とである。
【0006】このディスプレイ用フィルタは、透明導電
性フィルム及びAGフィルムに関して、所望の幅のロー
ルを用意し、ロールツーロール手法によりお互いを貼り
合わせ、さらに所望の長さに切断することにより作製す
ることができる。例えば所望の幅の透明導電性フィルム
ロールを準備する。さらにそれよりも幅の狭いAGフィ
ルムのロールを用意する。用意するAGフィルムの幅
は、透明導電性フィルムの幅よりも、長辺に形成する予
定の電極幅の2倍分狭くなるようにする。続いて前述の2
本のフィルムをロールツーロール法によりラミネートす
る。その際に透明導電性フィルムの幅とAGフィルムの
幅との差が、両端部に均等に振り分けられるように調整
する。
性フィルム及びAGフィルムに関して、所望の幅のロー
ルを用意し、ロールツーロール手法によりお互いを貼り
合わせ、さらに所望の長さに切断することにより作製す
ることができる。例えば所望の幅の透明導電性フィルム
ロールを準備する。さらにそれよりも幅の狭いAGフィ
ルムのロールを用意する。用意するAGフィルムの幅
は、透明導電性フィルムの幅よりも、長辺に形成する予
定の電極幅の2倍分狭くなるようにする。続いて前述の2
本のフィルムをロールツーロール法によりラミネートす
る。その際に透明導電性フィルムの幅とAGフィルムの
幅との差が、両端部に均等に振り分けられるように調整
する。
【0007】このロールツーロール手法は前述の枚葉法
に比較して非常に生産性の高い手法であり、本発明にお
けるようにフィルム部材のみを用いてディスプレイ用フ
ィルタを構成することが好適である最大の理由である。
電極層形成もロールツーロール方式で実施することがで
き、大変生産効率高くディスプレイ用フィルタを製造す
ることができる。しかし、このディスプレイ用フィルタ
は、全周囲に渡って電極が形成されている場合に比較し
て電磁波遮断能力が劣る。FCC基準でClassAを
満たすためには面抵抗が2.3Ω/□の透明導電層を必
要とする。低コスト化を計る上ではより高い面抵抗の透
明導電層を用いても基準を満たすことができるような構
成とすることも重要である。その為、より高い電磁波遮
断能力を得ることができる電極形状が求められる。
に比較して非常に生産性の高い手法であり、本発明にお
けるようにフィルム部材のみを用いてディスプレイ用フ
ィルタを構成することが好適である最大の理由である。
電極層形成もロールツーロール方式で実施することがで
き、大変生産効率高くディスプレイ用フィルタを製造す
ることができる。しかし、このディスプレイ用フィルタ
は、全周囲に渡って電極が形成されている場合に比較し
て電磁波遮断能力が劣る。FCC基準でClassAを
満たすためには面抵抗が2.3Ω/□の透明導電層を必
要とする。低コスト化を計る上ではより高い面抵抗の透
明導電層を用いても基準を満たすことができるような構
成とすることも重要である。その為、より高い電磁波遮
断能力を得ることができる電極形状が求められる。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記で述べた2辺にのみ
電極が形成されているディスプレイ用フィルタの電磁波
遮断能力が全周囲に電極が形成されている場合に比較し
て劣る原因は、電極層未形成部分からの漏洩電磁波が生
じるためであると推測される。本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、2辺にのみ透明導電層むき出し部分がある
電極層を形成し、残りの辺の機能性透明層(A)の端面
は電磁波漏洩防止を目的に封止することによって、生産
性及び電磁波遮断能力ともに優れるディスプレイ用フィ
ルタを提供することができるとの知見を得、本発明に至
った。
電極が形成されているディスプレイ用フィルタの電磁波
遮断能力が全周囲に電極が形成されている場合に比較し
て劣る原因は、電極層未形成部分からの漏洩電磁波が生
じるためであると推測される。本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、2辺にのみ透明導電層むき出し部分がある
電極層を形成し、残りの辺の機能性透明層(A)の端面
は電磁波漏洩防止を目的に封止することによって、生産
性及び電磁波遮断能力ともに優れるディスプレイ用フィ
ルタを提供することができるとの知見を得、本発明に至
った。
【0009】すなわち本発明は、 (1) 反射防止性及び/又は防眩性の機能を有する機
能性透明層(A)、透明粘着層(C)、高分子フィルム
(B)及び透明導電層(D)からなる長方形のディスプ
レイ用フィルタであって、A/D/B/Cの順に積層さ
れ、機能性透明層(A)の端面の少なくとも一部が封止
されていることを特徴とするディスプレイ用フィルタ。 (2) 少なくとも1辺の端部の透明導電層(D)上に
機能性透明層(A)が存在しない部分を有し、透明導電
層(D)上の該部分に電極層(E)が直接形成されてお
り、残りの辺の機能性透明層(A)の端面は封止されて
いることを特徴とする(1)に記載のディスプレイ用フ
ィルタ。 (3) 透明導電層(D)上に電極層(E)が直接形成
されている部分が、互いに向かい合う2辺であることを
特徴とする(2)に記載のディスプレイ用フィルタ。 (4) 互いに向かい合う2辺が、長辺であることを特
徴とする(3)に記載のディスプレイ用フィルタ。 (5) 導電材料により封止されていることを特徴とす
る(1)乃至(4)いずれかに記載のディスプレイ用フ
ィルタ。 (6) 銀、金、銅、パラジウム、白金、チタン、カー
ボンの中から選ばれる少なくとも一つを主成分とする導
電材料により封止されていることを特徴とする(5)に
記載のディスプレイ用フィルタ。 (7) 磁性材料により封止されていることを特徴とす
る(1)乃至(4)いずれかに記載のディスプレイ用フ
ィルタ。 (8) 鉄、ニッケル、コバルトの中から選ばれるいず
れか一つを主成分とする磁性材料であることを特徴とす
る(7)に記載のディスプレイ用フィルタ。 (9) ペースト材料を用いて封止されていることを特
徴とする(5)乃至(8)いずれかに記載のディスプレ
イ用フィルタ。 (10) 透明導電層(D)の面抵抗が0.01以上3
0Ω/□以下であることを特徴とする(1)乃至(8)
いずれかに記載のディスプレイ用フィルタ。 (11) 透明導電層(D)が高屈折率透明薄膜層(D
t)及び金属薄膜層(Dm)の組み合わせ(Dt)/
(Dm)を繰り返し単位として2回以上4回以下繰り返
して積層され、さらにその上に高屈折率薄膜層(Dt)
が積層されていることを特徴とする(10)に記載のデ
ィスプレイ用フィルタ。 (12) 複数の高屈折率透明薄膜層(Dt)のうち少
なくとも一つの層が、インジウムとスズ及び亜鉛のいず
れか1種以上を主成分とする酸化物で形成されているこ
とを特徴とする(11)に記載のディスプレイ用フィル
タ。 (13) 複数の金属薄膜層(Dm)のうち少なくとも
一つの層が、銀又は銀合金で形成されていることを特徴
とする(11)又は(12)に記載のディスプレイ用フ
ィルタ。 (14) 機能性透明層(A)と高分子フィルム(B)
との間に粘着層(G)が設けられていることを特徴とす
る(1)乃至(13)いずれかに記載のディスプレイ用
フィルタ。 (15) 高分子フィルムの両面又は片面に、ハードコ
ート層(F)が形成されていることを特徴とする(1)
乃至(14)のいずれかに記載のディスプレイ用フィル
タ。 (16) 機能性透明層(A)、高分子フィルム
(B)、透明粘着層(C)、透明導電層(D)、粘着層
(G)及びハードコート層(F)のうち少なくとも1つ
の層に、1種以上の色素が含有していることを特徴とす
る(1)乃至(15)いずれかに記載のディスプレイ用
フィルタ。 (17) 波長570〜605nmの範囲に吸収極大を
有することを特徴とする(16)に記載のディスプレイ
用フィルタ。 (18) テトラアザポルフィリン化合物からなる色素
であることを特徴とする(17)に記載のディスプレイ
用フィルタ。 (19) 電極層(E)が、銀、銅、金、白金、パラジ
ムの中から選ばれる少なくとも1つの材料を主成分とす
るペースト状材料又はテープ状材料からなることを特徴
とする(1)乃至(18)いずれかに記載のディスプレ
イ用フィルタ。 (20) 機能性透明層(A)を有するフィルムロール
と、それよりも幅が広く、透明導電層(D)を有する高
分子フィルム(B)とをロールツーロール方式で貼り合
わせることを特徴とする(1)乃至(19)いずれかに
記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。 (21) 機能性透明層(A)を有するフィルムロール
と透明導電層(D)を有する高分子フィルム(B)との
貼り合わせ体に、ロールツーロール方式により、電極層
(E)を形成することを特徴とする(20)いずれかに
記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。 (22) 機能性透明層(A)を有するフィルムロー
ルと透明導電層(D)を有する高分子フィルム(B)と
の貼り合わせ体を所望の寸法に切断したのち、それらを
複数枚数重ねて、その端部にペースト状材料を塗布する
ことにより、一括して機能性透明層(A)の端面を封止
することを特徴とする(20)又は(21)に記載のデ
ィスプレイフィルタの製造方法。 (23) (1)乃至(19)いずれかに記載のディス
プレイ用フィルタを具備していることを特徴とするプラ
ズマディスプレイパネル。 (24) 電極層(E)と表示装置のグランド導体とが
電気的に接続していることを特徴とする(23)に記載
のプラズマディスプレイパネル。 (25) プラズマディスプレイに装着されたディスプ
レイ用フィルタの外周部分において、その最表面部分が
全周囲に渡って表示装置のグランド導体と接触している
ことを特徴とする請求項23又は24に記載のプラズマ
ディスプレイパネル。に関する。
能性透明層(A)、透明粘着層(C)、高分子フィルム
(B)及び透明導電層(D)からなる長方形のディスプ
レイ用フィルタであって、A/D/B/Cの順に積層さ
れ、機能性透明層(A)の端面の少なくとも一部が封止
されていることを特徴とするディスプレイ用フィルタ。 (2) 少なくとも1辺の端部の透明導電層(D)上に
機能性透明層(A)が存在しない部分を有し、透明導電
層(D)上の該部分に電極層(E)が直接形成されてお
り、残りの辺の機能性透明層(A)の端面は封止されて
いることを特徴とする(1)に記載のディスプレイ用フ
ィルタ。 (3) 透明導電層(D)上に電極層(E)が直接形成
されている部分が、互いに向かい合う2辺であることを
特徴とする(2)に記載のディスプレイ用フィルタ。 (4) 互いに向かい合う2辺が、長辺であることを特
徴とする(3)に記載のディスプレイ用フィルタ。 (5) 導電材料により封止されていることを特徴とす
る(1)乃至(4)いずれかに記載のディスプレイ用フ
ィルタ。 (6) 銀、金、銅、パラジウム、白金、チタン、カー
ボンの中から選ばれる少なくとも一つを主成分とする導
電材料により封止されていることを特徴とする(5)に
記載のディスプレイ用フィルタ。 (7) 磁性材料により封止されていることを特徴とす
る(1)乃至(4)いずれかに記載のディスプレイ用フ
ィルタ。 (8) 鉄、ニッケル、コバルトの中から選ばれるいず
れか一つを主成分とする磁性材料であることを特徴とす
る(7)に記載のディスプレイ用フィルタ。 (9) ペースト材料を用いて封止されていることを特
徴とする(5)乃至(8)いずれかに記載のディスプレ
イ用フィルタ。 (10) 透明導電層(D)の面抵抗が0.01以上3
0Ω/□以下であることを特徴とする(1)乃至(8)
いずれかに記載のディスプレイ用フィルタ。 (11) 透明導電層(D)が高屈折率透明薄膜層(D
t)及び金属薄膜層(Dm)の組み合わせ(Dt)/
(Dm)を繰り返し単位として2回以上4回以下繰り返
して積層され、さらにその上に高屈折率薄膜層(Dt)
が積層されていることを特徴とする(10)に記載のデ
ィスプレイ用フィルタ。 (12) 複数の高屈折率透明薄膜層(Dt)のうち少
なくとも一つの層が、インジウムとスズ及び亜鉛のいず
れか1種以上を主成分とする酸化物で形成されているこ
とを特徴とする(11)に記載のディスプレイ用フィル
タ。 (13) 複数の金属薄膜層(Dm)のうち少なくとも
一つの層が、銀又は銀合金で形成されていることを特徴
とする(11)又は(12)に記載のディスプレイ用フ
ィルタ。 (14) 機能性透明層(A)と高分子フィルム(B)
との間に粘着層(G)が設けられていることを特徴とす
る(1)乃至(13)いずれかに記載のディスプレイ用
フィルタ。 (15) 高分子フィルムの両面又は片面に、ハードコ
ート層(F)が形成されていることを特徴とする(1)
乃至(14)のいずれかに記載のディスプレイ用フィル
タ。 (16) 機能性透明層(A)、高分子フィルム
(B)、透明粘着層(C)、透明導電層(D)、粘着層
(G)及びハードコート層(F)のうち少なくとも1つ
の層に、1種以上の色素が含有していることを特徴とす
る(1)乃至(15)いずれかに記載のディスプレイ用
フィルタ。 (17) 波長570〜605nmの範囲に吸収極大を
有することを特徴とする(16)に記載のディスプレイ
用フィルタ。 (18) テトラアザポルフィリン化合物からなる色素
であることを特徴とする(17)に記載のディスプレイ
用フィルタ。 (19) 電極層(E)が、銀、銅、金、白金、パラジ
ムの中から選ばれる少なくとも1つの材料を主成分とす
るペースト状材料又はテープ状材料からなることを特徴
とする(1)乃至(18)いずれかに記載のディスプレ
イ用フィルタ。 (20) 機能性透明層(A)を有するフィルムロール
と、それよりも幅が広く、透明導電層(D)を有する高
分子フィルム(B)とをロールツーロール方式で貼り合
わせることを特徴とする(1)乃至(19)いずれかに
記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。 (21) 機能性透明層(A)を有するフィルムロール
と透明導電層(D)を有する高分子フィルム(B)との
貼り合わせ体に、ロールツーロール方式により、電極層
(E)を形成することを特徴とする(20)いずれかに
記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。 (22) 機能性透明層(A)を有するフィルムロー
ルと透明導電層(D)を有する高分子フィルム(B)と
の貼り合わせ体を所望の寸法に切断したのち、それらを
複数枚数重ねて、その端部にペースト状材料を塗布する
ことにより、一括して機能性透明層(A)の端面を封止
することを特徴とする(20)又は(21)に記載のデ
ィスプレイフィルタの製造方法。 (23) (1)乃至(19)いずれかに記載のディス
プレイ用フィルタを具備していることを特徴とするプラ
ズマディスプレイパネル。 (24) 電極層(E)と表示装置のグランド導体とが
電気的に接続していることを特徴とする(23)に記載
のプラズマディスプレイパネル。 (25) プラズマディスプレイに装着されたディスプ
レイ用フィルタの外周部分において、その最表面部分が
全周囲に渡って表示装置のグランド導体と接触している
ことを特徴とする請求項23又は24に記載のプラズマ
ディスプレイパネル。に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は電磁波遮断能力及び生産
性の双方に優れたディスプレイ用フィルタ及びそれを用
いた表示素子さらにはその製造方法に関するものであ
る。本発明におけるディスプレイ用フィルタは、生産性
が高く、しかも電磁波漏れを生じにくい構成であり、高
い電磁波遮断能力を有する。
性の双方に優れたディスプレイ用フィルタ及びそれを用
いた表示素子さらにはその製造方法に関するものであ
る。本発明におけるディスプレイ用フィルタは、生産性
が高く、しかも電磁波漏れを生じにくい構成であり、高
い電磁波遮断能力を有する。
【0011】本発明におけるディスプレイ用フィルター
の主な機能はディスプレイから発生する電磁波を遮断す
ることである。電磁波シールドを必要とする機器には、
機器のケース内部に金属層を設けたり、ケースに導電性
材料を使用して電磁波を遮断する。ディスプレイの如く
透明性が必要である場合には、透明導電層を形成した窓
状の電磁波シールド機能を有するディスプレイ用フィル
タを設置する。電磁波は導電層において吸収されたのち
電荷を誘起するため、アースをとることによって電荷を
逃がさないと、再びディスプレイ用フィルタがアンテナ
となって電磁波を発振し電磁波シールド能が低下する。
従って、ディスプレイ用フィルタとディスプレイ本体の
アース部が電気的に接続している必要がある。
の主な機能はディスプレイから発生する電磁波を遮断す
ることである。電磁波シールドを必要とする機器には、
機器のケース内部に金属層を設けたり、ケースに導電性
材料を使用して電磁波を遮断する。ディスプレイの如く
透明性が必要である場合には、透明導電層を形成した窓
状の電磁波シールド機能を有するディスプレイ用フィル
タを設置する。電磁波は導電層において吸収されたのち
電荷を誘起するため、アースをとることによって電荷を
逃がさないと、再びディスプレイ用フィルタがアンテナ
となって電磁波を発振し電磁波シールド能が低下する。
従って、ディスプレイ用フィルタとディスプレイ本体の
アース部が電気的に接続している必要がある。
【0012】そのため透明導電層にはディスプレイ外部
に対して露出した部分が存在する必要がある。例えば、
透明導電層上に透明粘着層及び機能性透明層が形成され
ている場合は、透明粘着層及び機能性透明層は、透明導
電層の導通部を残すように透明導電層上に形成されるこ
とが好ましい。この導通部分を用いて電極を形成する。
導通部の形状は特に限定しないが、ディスプレイ用フィ
ルタとディスプレイ本体の間に、電磁波の漏洩する隙間
が存在しないことが肝要である。
に対して露出した部分が存在する必要がある。例えば、
透明導電層上に透明粘着層及び機能性透明層が形成され
ている場合は、透明粘着層及び機能性透明層は、透明導
電層の導通部を残すように透明導電層上に形成されるこ
とが好ましい。この導通部分を用いて電極を形成する。
導通部の形状は特に限定しないが、ディスプレイ用フィ
ルタとディスプレイ本体の間に、電磁波の漏洩する隙間
が存在しないことが肝要である。
【0013】電気的接触を良好とするために、導通部に
導電材料を付与して電極を形成しても良い。付与する形
状は特に限定しない。しかしながら、導通部をすべて覆
うように形成されていることが好適である。本発明にお
ける好適な電極形状を説明する。図1は本発明において
好適に用いられるディスプレイ用フィルタの平面図、図
2及び図3はその断面図である。ディスプレイ用フィル
ターは、図1に示したように長方形である場合が多い。
図1に記載のA−A‘における断面の様子が図2に、B
−B’における断面の様子を図3に示した。図1に示し
たように外周部分の2長辺において電極が形成されてお
り、それ以外の2短辺においては電磁波漏洩防止の為に
封止されている。
導電材料を付与して電極を形成しても良い。付与する形
状は特に限定しない。しかしながら、導通部をすべて覆
うように形成されていることが好適である。本発明にお
ける好適な電極形状を説明する。図1は本発明において
好適に用いられるディスプレイ用フィルタの平面図、図
2及び図3はその断面図である。ディスプレイ用フィル
ターは、図1に示したように長方形である場合が多い。
図1に記載のA−A‘における断面の様子が図2に、B
−B’における断面の様子を図3に示した。図1に示し
たように外周部分の2長辺において電極が形成されてお
り、それ以外の2短辺においては電磁波漏洩防止の為に
封止されている。
【0014】このディスプレイ用フィルタはロールツー
ロール方式でフィルムの貼り合わせを行い作製すること
ができる。電極は長辺に位置する透明導電層むき出し部
分、短辺の機能性透明層(A)の端面及び端部における
所望部分に導電性材料を付与することによって形成され
る。電極の幅に制限はなく、各辺における電極幅が同一
である必然性もない。しかし、あまり幅が広すぎてもデ
ィスプレイの視認部分にかかってしまうので良くない。
用途に応じて好適な幅を選択する必要がある。通常は5
〜30mm程度である。
ロール方式でフィルムの貼り合わせを行い作製すること
ができる。電極は長辺に位置する透明導電層むき出し部
分、短辺の機能性透明層(A)の端面及び端部における
所望部分に導電性材料を付与することによって形成され
る。電極の幅に制限はなく、各辺における電極幅が同一
である必然性もない。しかし、あまり幅が広すぎてもデ
ィスプレイの視認部分にかかってしまうので良くない。
用途に応じて好適な幅を選択する必要がある。通常は5
〜30mm程度である。
【0015】なお、上記に示したディスプレイ用フィル
タの短辺において、透明導電層と外部との電気的接触を
得ることができるような構成の電極が設けられていても
構わない。ここでいう電極とは短辺において連続的に透
明導電層と外部との電気的接触部分が存在するものであ
る。このような電極が設けられているディスプレイ用フ
ィルタは、長辺のみでなく短辺からもすなわち2辺から
のみでなく4辺から電荷を外部に取り出すことができる
ため、より効率良く、ディスプレイから発生する電磁波
を遮断することができる。本発明における電極部分は導
電材料を付着することにより形成される。用いる導電性
材料は電気を通導することのできるものであれば特に指
定はない。通常は、銀ペーストなどの導電性の材料をペ
ースト状にしたものや銅テープなどの導電性材料をテー
プ状にしたものが用いられる。その他、銀、金、銅、白
金、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛、カー
ボン等の単体もしくは2種以上からなる合金や、合成樹
脂とこれら単体または合金の混合物、もしくは、ホウケ
イ酸ガラスとこれら単体または合金の混合物からなるペ
ーストを使用できる。
タの短辺において、透明導電層と外部との電気的接触を
得ることができるような構成の電極が設けられていても
構わない。ここでいう電極とは短辺において連続的に透
明導電層と外部との電気的接触部分が存在するものであ
る。このような電極が設けられているディスプレイ用フ
ィルタは、長辺のみでなく短辺からもすなわち2辺から
のみでなく4辺から電荷を外部に取り出すことができる
ため、より効率良く、ディスプレイから発生する電磁波
を遮断することができる。本発明における電極部分は導
電材料を付着することにより形成される。用いる導電性
材料は電気を通導することのできるものであれば特に指
定はない。通常は、銀ペーストなどの導電性の材料をペ
ースト状にしたものや銅テープなどの導電性材料をテー
プ状にしたものが用いられる。その他、銀、金、銅、白
金、ニッケル、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛、カー
ボン等の単体もしくは2種以上からなる合金や、合成樹
脂とこれら単体または合金の混合物、もしくは、ホウケ
イ酸ガラスとこれら単体または合金の混合物からなるペ
ーストを使用できる。
【0016】電極形成過程において、導通部を覆うこと
は、耐環境性及び耐擦傷性に劣る透明導電層の保護にも
なる。電極はメッキ法、真空蒸着法、スパッタ法などで
形成でき、ペーストによる場合は印刷、塗工など従来公
知の方法を採用できる。塗布方法としては、効率および
精度の観点から、スクリーン印刷法が用いられる場合が
多い。本発明におけるディスプレイ用フィルタは透明導
電層(D)上に電極層(E)が形成されている電極を有し
ない辺において電磁波漏洩防止の為に封止を行う。
は、耐環境性及び耐擦傷性に劣る透明導電層の保護にも
なる。電極はメッキ法、真空蒸着法、スパッタ法などで
形成でき、ペーストによる場合は印刷、塗工など従来公
知の方法を採用できる。塗布方法としては、効率および
精度の観点から、スクリーン印刷法が用いられる場合が
多い。本発明におけるディスプレイ用フィルタは透明導
電層(D)上に電極層(E)が形成されている電極を有し
ない辺において電磁波漏洩防止の為に封止を行う。
【0017】ここで本発明におけるディスプレイ用フィ
ルタの有為性に関して説明する。従来は生産性の高いデ
ィスプレイ用フィルターとして平面図が図4、短辺側よ
り見た断面の様子が図2、長辺側より見た断面の様子が
図5に示されるような構成が提案されていた。
ルタの有為性に関して説明する。従来は生産性の高いデ
ィスプレイ用フィルターとして平面図が図4、短辺側よ
り見た断面の様子が図2、長辺側より見た断面の様子が
図5に示されるような構成が提案されていた。
【0018】しかし、この構成では短辺付近からの電磁
波漏れが生じると推定されている。より高い電磁波遮断
能力を付与するためにはこの電磁波漏れが削減されるよ
うな構成にすることが望ましく、しかも構成を変更する
ことによって生産性が低下することがないことが望まし
い。短辺において、電磁波漏れが生じる推測経路を図6
に示した。プラズマディスプレイパネル上のディスプレ
イ用フィルタに覆われていない部分より生じた電磁波
が、ディスプレイ用フィルタを構成する高分子フィルム
内を通過し外部に漏れると考えられている。電磁波が漏
れる様子を図6に示した。図6は、断面が図5であるデ
ィスプレイ用フィルタをプラズマディスプレイに装備し
た状態の断面図を示してある。
波漏れが生じると推定されている。より高い電磁波遮断
能力を付与するためにはこの電磁波漏れが削減されるよ
うな構成にすることが望ましく、しかも構成を変更する
ことによって生産性が低下することがないことが望まし
い。短辺において、電磁波漏れが生じる推測経路を図6
に示した。プラズマディスプレイパネル上のディスプレ
イ用フィルタに覆われていない部分より生じた電磁波
が、ディスプレイ用フィルタを構成する高分子フィルム
内を通過し外部に漏れると考えられている。電磁波が漏
れる様子を図6に示した。図6は、断面が図5であるデ
ィスプレイ用フィルタをプラズマディスプレイに装備し
た状態の断面図を示してある。
【0019】ディスプレイ端面に電磁波漏洩防止の為封
止を行い、高分子フィルム中を通過して外部に漏れる電
磁波を遮断することができるように設計された構成が本
発明におけるディスプレイ用フィルタである。電磁波漏
洩防止の為の封止材は導電性材料又は磁性材料である。
導電性材料に関してはある程度の導通を有すれば材料及
びその他特性に関して特に制限はない。好ましい材料を
例示すると銀、金、銅、パラジウム、白金、チタン、カ
ーボン等である。磁性材料に関してはある程度の磁性を
有すれば材料及びその他特性に関して特に制限はない。
好ましい材料を例示すると鉄、ニッケル、コバルト等で
ある。電磁波漏洩防止の為の封止部は、外周部にあって
電極が形成されていない部分の全てに渡って形成されて
いることが好ましい。また、断面において少なくとも透
明導電層と最表面との間に位置する高分子フィルムの端
面に形成されている必要がある。但し、形成手段によっ
ては高分子フィルムの端面にのみ選択的に電磁波漏洩防
止の為に封止を行うことは困難である。その場合、断面
の他の構成部に渡って封止されていても特に問題はな
い。さらには表面の一部分まで到達していても視認部分
に至っていなければ特に問題はない。
止を行い、高分子フィルム中を通過して外部に漏れる電
磁波を遮断することができるように設計された構成が本
発明におけるディスプレイ用フィルタである。電磁波漏
洩防止の為の封止材は導電性材料又は磁性材料である。
導電性材料に関してはある程度の導通を有すれば材料及
びその他特性に関して特に制限はない。好ましい材料を
例示すると銀、金、銅、パラジウム、白金、チタン、カ
ーボン等である。磁性材料に関してはある程度の磁性を
有すれば材料及びその他特性に関して特に制限はない。
好ましい材料を例示すると鉄、ニッケル、コバルト等で
ある。電磁波漏洩防止の為の封止部は、外周部にあって
電極が形成されていない部分の全てに渡って形成されて
いることが好ましい。また、断面において少なくとも透
明導電層と最表面との間に位置する高分子フィルムの端
面に形成されている必要がある。但し、形成手段によっ
ては高分子フィルムの端面にのみ選択的に電磁波漏洩防
止の為に封止を行うことは困難である。その場合、断面
の他の構成部に渡って封止されていても特に問題はな
い。さらには表面の一部分まで到達していても視認部分
に至っていなければ特に問題はない。
【0020】封止部の形成手法に特に制限はない。フィ
ルムの端面という比較的狭い部分に形成することを考慮
すると液状の材料を塗布したり吹き付けたりした後に、
乾燥させて形成する手法が好適である。例えば銀ペース
トを塗布し、乾燥させて形成すれば良い。また真空蒸着
法やスパッタリング法等の一般的に真空成膜手法を用い
て形成しても構わない。さらには複数枚のディスプレイ
用フィルタを積み重ねた状態で用意し、その端面を封止
すれば製造上効率が高いので好適である。
ルムの端面という比較的狭い部分に形成することを考慮
すると液状の材料を塗布したり吹き付けたりした後に、
乾燥させて形成する手法が好適である。例えば銀ペース
トを塗布し、乾燥させて形成すれば良い。また真空蒸着
法やスパッタリング法等の一般的に真空成膜手法を用い
て形成しても構わない。さらには複数枚のディスプレイ
用フィルタを積み重ねた状態で用意し、その端面を封止
すれば製造上効率が高いので好適である。
【0021】本発明における高分子フィルムは、透明導
電層、反射防止層、防眩層等の機能層を形成したり色素
を含有させたりして用い、ディスプレイ用フィルタの基
体となる。高分子フィルムは、透明である必要がある。
ここで透明であるとは、厚さ100μmの場合に、可視
光線視感平均透過率が50%以上であることである。
電層、反射防止層、防眩層等の機能層を形成したり色素
を含有させたりして用い、ディスプレイ用フィルタの基
体となる。高分子フィルムは、透明である必要がある。
ここで透明であるとは、厚さ100μmの場合に、可視
光線視感平均透過率が50%以上であることである。
【0022】高分子フィルムに用いることができる材料
としては、前述の条件を満たすことができるものであれ
ば特に指定はない。具体的に材料を例示すると、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリ
スチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリア
ミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合
物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリア
クリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタ
クリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリ
デン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフ
ルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重体
等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリ
エチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない本発明で用い
る高分子フィルムの厚みは通常、厚み10〜500μm
である。薄すぎるとディスプレイ用フィルタをディスプ
レイ表面に直接形成するのが困難であり、可撓性が制限
される。また、250μm以上では可撓性が不足しすぎ
て、フィルムをロールで巻きとって利用するのに適さな
いことがある。従って、高分子フィルムの厚さは、50
〜250μm、好ましくは75〜200μmが好適であ
る。
としては、前述の条件を満たすことができるものであれ
ば特に指定はない。具体的に材料を例示すると、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリ
スチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリア
ミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合
物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリア
クリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタ
クリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリ
デン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフ
ルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重体
等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリ
エチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない本発明で用い
る高分子フィルムの厚みは通常、厚み10〜500μm
である。薄すぎるとディスプレイ用フィルタをディスプ
レイ表面に直接形成するのが困難であり、可撓性が制限
される。また、250μm以上では可撓性が不足しすぎ
て、フィルムをロールで巻きとって利用するのに適さな
いことがある。従って、高分子フィルムの厚さは、50
〜250μm、好ましくは75〜200μmが好適であ
る。
【0023】厚さが50〜250μmの透明高分子フィ
ルムは、可撓性を有しており、透明導電膜をロール・ ツ
ー・ロール法で連続的に形成することができるため、効
率よく、また、長尺大面積のディスプレイ用フィルタを
生産することができる。また厚さが250〜500μm
の高分子フィルムはいわゆる透明高分子シートであり、
枚葉方式により、透明導電層、反射防止層、防眩層等を
形成することができる。
ルムは、可撓性を有しており、透明導電膜をロール・ ツ
ー・ロール法で連続的に形成することができるため、効
率よく、また、長尺大面積のディスプレイ用フィルタを
生産することができる。また厚さが250〜500μm
の高分子フィルムはいわゆる透明高分子シートであり、
枚葉方式により、透明導電層、反射防止層、防眩層等を
形成することができる。
【0024】本発明においては、高分子フィルムの表面
を、スパッタリング処理、コロナ処理、火炎処理、紫外
線照射、電子線照射などのエッチング処理や、下塗り処
理により、その上に形成される透明導電層の高分子フィ
ルムに対する密着性を予め向上させてもよい。また、高
分子フィルムと透明導電層の間に任意の金属などの無機
物層を形成してもよく、透明導電膜を成膜する前に、必
要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄などの防塵処理を施し
てもよい。
を、スパッタリング処理、コロナ処理、火炎処理、紫外
線照射、電子線照射などのエッチング処理や、下塗り処
理により、その上に形成される透明導電層の高分子フィ
ルムに対する密着性を予め向上させてもよい。また、高
分子フィルムと透明導電層の間に任意の金属などの無機
物層を形成してもよく、透明導電膜を成膜する前に、必
要に応じて溶剤洗浄や超音波洗浄などの防塵処理を施し
てもよい。
【0025】また、ディスプレイ用フィルタの耐擦傷性
を向上させるために、高分子フィルムの少なくとも一方
の主面にハードコート層が形成されていても良い。本発
明における透明粘着層は、ディスプレイ用フィルタを表
示素子に貼りつけるため、または積層体が複数の高分子
フィルムからなる場合に高分子フィルム同士を貼り合せ
るために用いられる。
を向上させるために、高分子フィルムの少なくとも一方
の主面にハードコート層が形成されていても良い。本発
明における透明粘着層は、ディスプレイ用フィルタを表
示素子に貼りつけるため、または積層体が複数の高分子
フィルムからなる場合に高分子フィルム同士を貼り合せ
るために用いられる。
【0026】本発明における透明粘着材層の好ましい厚
みは、10〜500μmであり、より好ましくは10〜
300μm、さらにより好ましくは10〜100μmで
ある。あまり厚すぎると透明性を失ってしまい好ましく
ない。ここで透明であるとは厚さ25μm以上の場合の
視感平均透過率が50%以上であることである。
みは、10〜500μmであり、より好ましくは10〜
300μm、さらにより好ましくは10〜100μmで
ある。あまり厚すぎると透明性を失ってしまい好ましく
ない。ここで透明であるとは厚さ25μm以上の場合の
視感平均透過率が50%以上であることである。
【0027】透明粘着材層に用いられる透明粘着材を具
体的に例示すると、ゴム系粘着材、アクリル系粘着材、
シリコーン系粘着材、ビニル系粘着材等である。中でも
アクリル系粘着材は、安価であるために広く用いられて
いる。透明粘着材の形態は、大きく分けてシート状のも
のと液状のものに分けられる。シート状粘着材は、通
常、感圧型であり、貼り付ける一方の部材に粘着材をラ
ミネートした後に、さらにもう一方の部材をラミネート
する事によって二つの部材の貼り合わせを行う。
体的に例示すると、ゴム系粘着材、アクリル系粘着材、
シリコーン系粘着材、ビニル系粘着材等である。中でも
アクリル系粘着材は、安価であるために広く用いられて
いる。透明粘着材の形態は、大きく分けてシート状のも
のと液状のものに分けられる。シート状粘着材は、通
常、感圧型であり、貼り付ける一方の部材に粘着材をラ
ミネートした後に、さらにもう一方の部材をラミネート
する事によって二つの部材の貼り合わせを行う。
【0028】液状粘着材は、塗布貼り合わせ後に室温放
置または加熱により硬化させるものである。液状粘着材
の塗布方法としては、バーコート法、リバースコート
法、グラビアコート法、ロールコート法等が挙げられ、
粘着材の種類、粘度、塗布量等から考慮選定される。
置または加熱により硬化させるものである。液状粘着材
の塗布方法としては、バーコート法、リバースコート
法、グラビアコート法、ロールコート法等が挙げられ、
粘着材の種類、粘度、塗布量等から考慮選定される。
【0029】透明粘着材を用いて貼り合わせを行った後
は、貼り合わせた時に入り込んだ気泡を脱法させたり、
透明粘着材に固溶させ、さらには部材間の密着力を向上
させるために、加圧、加温条件下にて養生を行なっても
構わない。この時、加圧条件としては、一般的に0.0
01から2MPa程度であり、加温条件としては、各部
材の耐熱性にも依るが、一般的には室温以上、80℃以
下である。本発明におけるディスプレイ用フィルタは透
明導電層を有する。本発明における透明導電層とは、単
層または多層薄膜からなる透明導電膜である。なお、本
発明では、高分子フィルムの主面上に透明導電層を形成
したものを透明積層体という。単層の透明導電層として
は、導電性メッシュや、導電性格子状パターン膜、金属
薄膜や酸化物半導体薄膜がある。多層の透明導電膜とし
ては、金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜
がある。金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄
膜は、銀などの金属の持つ導電性及びその自由電子によ
る近赤外線反射特性と、ある波長領域における金属によ
る反射を高屈折率透明薄膜により防止することにより、
導電性、近赤外線カット能、可視光線透過率のいずれに
おいても好ましい特性を有している。電磁波シールド
能、近赤外線カット能を有するディスプレイ用フィルタ
ーを得るためには、電磁波吸収のための高い導電性と近
赤外線反射のための反射界面を多く有する金属薄膜と高
屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜が好適である。
は、貼り合わせた時に入り込んだ気泡を脱法させたり、
透明粘着材に固溶させ、さらには部材間の密着力を向上
させるために、加圧、加温条件下にて養生を行なっても
構わない。この時、加圧条件としては、一般的に0.0
01から2MPa程度であり、加温条件としては、各部
材の耐熱性にも依るが、一般的には室温以上、80℃以
下である。本発明におけるディスプレイ用フィルタは透
明導電層を有する。本発明における透明導電層とは、単
層または多層薄膜からなる透明導電膜である。なお、本
発明では、高分子フィルムの主面上に透明導電層を形成
したものを透明積層体という。単層の透明導電層として
は、導電性メッシュや、導電性格子状パターン膜、金属
薄膜や酸化物半導体薄膜がある。多層の透明導電膜とし
ては、金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜
がある。金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層薄
膜は、銀などの金属の持つ導電性及びその自由電子によ
る近赤外線反射特性と、ある波長領域における金属によ
る反射を高屈折率透明薄膜により防止することにより、
導電性、近赤外線カット能、可視光線透過率のいずれに
おいても好ましい特性を有している。電磁波シールド
能、近赤外線カット能を有するディスプレイ用フィルタ
ーを得るためには、電磁波吸収のための高い導電性と近
赤外線反射のための反射界面を多く有する金属薄膜と高
屈折率透明薄膜を積層した多層薄膜が好適である。
【0030】ところで、VCCIにおいては、業務用途
の規制値を示すClassAでは放射電界強度50dB
μV/m未満であり、民生用途の規制値を示すClas
sBでは40dBμV/m未満である。しかし、プラズ
マディスプレイの放射電界強度は20〜90MHz帯域
内で、対角20インチ型程度で40dBμV/m、対角
40インチ型程度で50dBμV/mを越えている。こ
のため、そのままでは家庭用途には使用できない。プラ
ズマディスプレイの放射電界強度は、その画面の大きさ
及び消費電力が大きいほど強く、シールド効果の高い電
磁波シールド材が必要である。
の規制値を示すClassAでは放射電界強度50dB
μV/m未満であり、民生用途の規制値を示すClas
sBでは40dBμV/m未満である。しかし、プラズ
マディスプレイの放射電界強度は20〜90MHz帯域
内で、対角20インチ型程度で40dBμV/m、対角
40インチ型程度で50dBμV/mを越えている。こ
のため、そのままでは家庭用途には使用できない。プラ
ズマディスプレイの放射電界強度は、その画面の大きさ
及び消費電力が大きいほど強く、シールド効果の高い電
磁波シールド材が必要である。
【0031】高い可視光線透過率と低い可視光線反射率
に加え、プラズマディスプレイに必要な電磁波シールド
能を有するには、透明導電層が、面抵抗0.1〜30Ω
/□、より好ましくは0.1〜15Ω/□、さらに好ま
しくは0.1〜5Ω/□の低抵抗な導電性を有している
ことが必要である。
に加え、プラズマディスプレイに必要な電磁波シールド
能を有するには、透明導電層が、面抵抗0.1〜30Ω
/□、より好ましくは0.1〜15Ω/□、さらに好ま
しくは0.1〜5Ω/□の低抵抗な導電性を有している
ことが必要である。
【0032】また、プラズマディスプレイの発する強度
の近赤外線を実用上問題とならないレベルまで遮断する
には、ディスプレイ用フィルターの近赤外線波長領域8
00〜1000nmにおける光線透過率を20%以下に
することが必要であり、この要求を満たすためには、部
材数低減の要求や色素を用いた近赤外線吸収の限界か
ら、透明導電層自体が近赤外線カット性を持つことが必
要である。透明導電層で近赤外線をカットするには、金
属の自由電子による反射を利用することができる。金属
薄膜層は厚くすると可視光線透過率が低くなり、薄くす
ると近赤外線の反射が弱くなる。しかし、ある厚さの金
属薄膜層を高屈折率透明薄膜層で挟み込んだ積層構造を
1段以上重ねることにより、可視光線透過率を高くし、
かつ全体的な金属薄膜層の厚さを増やすことが可能であ
る。また、層数及び/又はそれぞれの層の厚さを制御す
ることにより可視光線透過率、可視光線反射率、近赤外
線の透過率、透過色、反射色をある範囲で変化させるこ
とも可能である。一般に、可視光線反射率が高いと画面
への照明器具等の映り込みが大きくなり、表示部表面の
反射を防止する効果が低下し、視認性とコントラストが
低下するようになる。また、反射色としては、白色、青
色、紫色系の目立たない色が好ましい。これらのことか
ら、透明導電層は、光学的に設計、制御しやすい多層積
層が好ましくなる。
の近赤外線を実用上問題とならないレベルまで遮断する
には、ディスプレイ用フィルターの近赤外線波長領域8
00〜1000nmにおける光線透過率を20%以下に
することが必要であり、この要求を満たすためには、部
材数低減の要求や色素を用いた近赤外線吸収の限界か
ら、透明導電層自体が近赤外線カット性を持つことが必
要である。透明導電層で近赤外線をカットするには、金
属の自由電子による反射を利用することができる。金属
薄膜層は厚くすると可視光線透過率が低くなり、薄くす
ると近赤外線の反射が弱くなる。しかし、ある厚さの金
属薄膜層を高屈折率透明薄膜層で挟み込んだ積層構造を
1段以上重ねることにより、可視光線透過率を高くし、
かつ全体的な金属薄膜層の厚さを増やすことが可能であ
る。また、層数及び/又はそれぞれの層の厚さを制御す
ることにより可視光線透過率、可視光線反射率、近赤外
線の透過率、透過色、反射色をある範囲で変化させるこ
とも可能である。一般に、可視光線反射率が高いと画面
への照明器具等の映り込みが大きくなり、表示部表面の
反射を防止する効果が低下し、視認性とコントラストが
低下するようになる。また、反射色としては、白色、青
色、紫色系の目立たない色が好ましい。これらのことか
ら、透明導電層は、光学的に設計、制御しやすい多層積
層が好ましくなる。
【0033】PDP用ディスプレイ用フィルタにおいて
は、高分子フィルムの一方の主面上に多層薄膜の透明導
電層を形成した透明積層体を用いることが好ましい。本
発明において好ましい透明導電層は、高分子フィルムの
一方の主面上に、高屈折率透明薄膜層(a)、金属薄膜
層(b)の順に、(a)/(b)を繰り返し単位として
2〜4回繰り返し積層され、さらにその上に少なくとも
高屈折率透明薄膜層(a)を積層して形成され、該透明
導電層の面抵抗が0.1〜30Ω/□であることを特徴
とするものであり、電磁波シールド能のための低抵抗
性、近赤外線カット能、透明性、可視光線反射率に優れ
た性能を有するものである。なお、本発明において、多
層薄膜とは、特に記載がない限り、金属薄膜層を高屈折
率透明薄膜層で挟み込んだ積層構造を1段以上重ねた多
層積層の透明導電膜のことをいう。
は、高分子フィルムの一方の主面上に多層薄膜の透明導
電層を形成した透明積層体を用いることが好ましい。本
発明において好ましい透明導電層は、高分子フィルムの
一方の主面上に、高屈折率透明薄膜層(a)、金属薄膜
層(b)の順に、(a)/(b)を繰り返し単位として
2〜4回繰り返し積層され、さらにその上に少なくとも
高屈折率透明薄膜層(a)を積層して形成され、該透明
導電層の面抵抗が0.1〜30Ω/□であることを特徴
とするものであり、電磁波シールド能のための低抵抗
性、近赤外線カット能、透明性、可視光線反射率に優れ
た性能を有するものである。なお、本発明において、多
層薄膜とは、特に記載がない限り、金属薄膜層を高屈折
率透明薄膜層で挟み込んだ積層構造を1段以上重ねた多
層積層の透明導電膜のことをいう。
【0034】本発明の透明導電層において、繰り返し積
層数は2回〜4回が好適である。繰り返し積層数が5回
以上では、生産装置の制限、生産性の問題が大きくな
り、また、可視光線透過率の低下と可視光線反射率の増
加が生じる傾向がある。また、繰り返し回数が1回であ
ると、低抵抗性、近赤外線カット能と、可視光線反射率
を同時に十分なものとすることが出来難い。透明導電性
フィルムの一例の断面図を図7に示した。なお、繰り返
し積層数が2回〜4回の多層薄膜において、近赤外線カ
ット能、可視光線透過率、可視光線反射率を同時に、プ
ラズマディスプレイに好適な特性とするには、その面抵
抗が1〜5Ω/□であることを本発明者らは見出した。
層数は2回〜4回が好適である。繰り返し積層数が5回
以上では、生産装置の制限、生産性の問題が大きくな
り、また、可視光線透過率の低下と可視光線反射率の増
加が生じる傾向がある。また、繰り返し回数が1回であ
ると、低抵抗性、近赤外線カット能と、可視光線反射率
を同時に十分なものとすることが出来難い。透明導電性
フィルムの一例の断面図を図7に示した。なお、繰り返
し積層数が2回〜4回の多層薄膜において、近赤外線カ
ット能、可視光線透過率、可視光線反射率を同時に、プ
ラズマディスプレイに好適な特性とするには、その面抵
抗が1〜5Ω/□であることを本発明者らは見出した。
【0035】なお、将来的にはプラズマディスプレイか
ら放出される電磁波強度が低下することも想定される。
その場合は、ディスプレイ用フィルタの面抵抗が5〜1
5Ω/□でも充分な電磁波遮断特性を得ることができる
ことが予想される。また、さらにプラズマディスプレイ
から放出される電磁波強度が低下することも想定され
る。その場合は、ディスプレイ用フィルタの面抵抗が1
5〜30Ω/□でも充分な電磁波遮断特性を得ることが
できるようになることが予想される。
ら放出される電磁波強度が低下することも想定される。
その場合は、ディスプレイ用フィルタの面抵抗が5〜1
5Ω/□でも充分な電磁波遮断特性を得ることができる
ことが予想される。また、さらにプラズマディスプレイ
から放出される電磁波強度が低下することも想定され
る。その場合は、ディスプレイ用フィルタの面抵抗が1
5〜30Ω/□でも充分な電磁波遮断特性を得ることが
できるようになることが予想される。
【0036】金属薄膜層(b)の材料としては、銀が、
導電性、赤外線反射性および多層積層したときの可視光
線透過性に優れているため、好適である。しかし、銀は
化学的、物理的安定性に欠け、環境中の汚染物質、水蒸
気、熱、光等によって劣化するため、銀に金、白金、パ
ラジウム、銅、インジウム、スズ等の環境に安定な金属
を一種以上加えた合金や、これら環境に安定な金属も好
適に使用できる。特に金やパラジウムは耐環境性、光学
特性に優れ好適である。銀を含む合金中の銀の含有率
は、特に限定されるものではないが、銀薄膜の導電性、
光学特性と大きく変わらないことが望ましく、50重量
%以上、100重量%未満程度である。しかしながら、
銀に他の金属を添加すると、その優れた導電性、光学特
性が阻害されるので、複数の金属薄膜層を有する場合
は、可能であれば少なくとも1つの層は銀を合金にしな
いで用いることや、基体から見て最初の層及び/又は最
外層にある金属薄膜層のみを合金にすることが望まし
い。
導電性、赤外線反射性および多層積層したときの可視光
線透過性に優れているため、好適である。しかし、銀は
化学的、物理的安定性に欠け、環境中の汚染物質、水蒸
気、熱、光等によって劣化するため、銀に金、白金、パ
ラジウム、銅、インジウム、スズ等の環境に安定な金属
を一種以上加えた合金や、これら環境に安定な金属も好
適に使用できる。特に金やパラジウムは耐環境性、光学
特性に優れ好適である。銀を含む合金中の銀の含有率
は、特に限定されるものではないが、銀薄膜の導電性、
光学特性と大きく変わらないことが望ましく、50重量
%以上、100重量%未満程度である。しかしながら、
銀に他の金属を添加すると、その優れた導電性、光学特
性が阻害されるので、複数の金属薄膜層を有する場合
は、可能であれば少なくとも1つの層は銀を合金にしな
いで用いることや、基体から見て最初の層及び/又は最
外層にある金属薄膜層のみを合金にすることが望まし
い。
【0037】金属薄膜層の厚さは、導電性、光学特性等
から光学設計的かつ実験的に求められ、透明導電層が要
求特性を持てば特に限定されるものではないが、導電性
等から薄膜が島状構造ではなく、連続状態であることが
望ましく、4nm以上であることが好ましい。また、金
属薄膜層が厚すぎると透明性が問題になるので30nm
以下が好ましい。金属薄膜層が複数ある場合は、各層が
全て同じ厚さとは限らず、また、全て銀、あるいは、同
じ銀を含む合金でなくともよい。金属薄膜層の形成に
は、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸
着、メッキ等、従来公知の方法のいずれでも採用でき
る。
から光学設計的かつ実験的に求められ、透明導電層が要
求特性を持てば特に限定されるものではないが、導電性
等から薄膜が島状構造ではなく、連続状態であることが
望ましく、4nm以上であることが好ましい。また、金
属薄膜層が厚すぎると透明性が問題になるので30nm
以下が好ましい。金属薄膜層が複数ある場合は、各層が
全て同じ厚さとは限らず、また、全て銀、あるいは、同
じ銀を含む合金でなくともよい。金属薄膜層の形成に
は、スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸
着、メッキ等、従来公知の方法のいずれでも採用でき
る。
【0038】高屈折率透明薄膜層(a)を形成する透明
薄膜としては、可視領域において透明性を有し、金属薄
膜層の可視領域における光線反射を防止する効果を有す
るものであれば特に限定されるものではないが、可視光
線に対する屈折率が1.6以上、好ましくは1.8以
上、さらに好ましくは2.0以上の屈折率の高い材料が
用いられる。このような透明薄膜を形成する具体的な材
料としては、インジウム、チタン、ジルコニウム、ビス
マス、スズ、亜鉛、アンチモン、タンタル、セリウム、
ネオジウム、ランタン、トリウム、マグネシウム、ガリ
ウム等の酸化物、または、これら酸化物の混合物や、硫
化亜鉛などが挙げられる。これら酸化物あるいは硫化物
は、金属と、酸素原子あるいは硫黄原子との化学量論的
な組成にズレがあっても、光学特性を大きく変えない範
囲であるならば差し支えない。なかでも、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化インジウムや酸化インジウムと酸化スズ
の混合物(ITO)は、透明性、屈折率に加えて、成膜
速度が速く、金属薄膜層との密着性等が良好であること
から好適に使用できる。
薄膜としては、可視領域において透明性を有し、金属薄
膜層の可視領域における光線反射を防止する効果を有す
るものであれば特に限定されるものではないが、可視光
線に対する屈折率が1.6以上、好ましくは1.8以
上、さらに好ましくは2.0以上の屈折率の高い材料が
用いられる。このような透明薄膜を形成する具体的な材
料としては、インジウム、チタン、ジルコニウム、ビス
マス、スズ、亜鉛、アンチモン、タンタル、セリウム、
ネオジウム、ランタン、トリウム、マグネシウム、ガリ
ウム等の酸化物、または、これら酸化物の混合物や、硫
化亜鉛などが挙げられる。これら酸化物あるいは硫化物
は、金属と、酸素原子あるいは硫黄原子との化学量論的
な組成にズレがあっても、光学特性を大きく変えない範
囲であるならば差し支えない。なかでも、酸化亜鉛、酸
化チタン、酸化インジウムや酸化インジウムと酸化スズ
の混合物(ITO)は、透明性、屈折率に加えて、成膜
速度が速く、金属薄膜層との密着性等が良好であること
から好適に使用できる。
【0039】高屈折率透明薄膜層の厚さは、高分子フィ
ルムの光学特性、金属薄膜層の厚さ、光学特性、およ
び、透明薄膜層の屈折率等から光学設計的かつ実験的に
求められ、特に限定されるものではないが、5nm以
上、200nm以下であることが好ましく、より好まし
くは10nm以上、100nm以下である。また、複数
の高屈折率透明薄膜層を有する場合に、各層は同じ厚さ
とは限らず、同じ透明薄膜材料でなくともよい。高屈折
率透明薄膜層の形成には、スパッタリング、イオンプレ
ーティング、イオンビームアシスト、真空蒸着、湿式塗
工等、従来公知の方法のいずれでも採用できる。
ルムの光学特性、金属薄膜層の厚さ、光学特性、およ
び、透明薄膜層の屈折率等から光学設計的かつ実験的に
求められ、特に限定されるものではないが、5nm以
上、200nm以下であることが好ましく、より好まし
くは10nm以上、100nm以下である。また、複数
の高屈折率透明薄膜層を有する場合に、各層は同じ厚さ
とは限らず、同じ透明薄膜材料でなくともよい。高屈折
率透明薄膜層の形成には、スパッタリング、イオンプレ
ーティング、イオンビームアシスト、真空蒸着、湿式塗
工等、従来公知の方法のいずれでも採用できる。
【0040】上記の透明導電層の耐環境性を向上させる
ために、透明導電層の表面に、導電性、光学特性を著し
く損なわない程度に有機物又は無機物の任意の保護層を
設けてもよい。また、金属薄膜層の耐環境性や金属薄膜
層と高屈折率透明薄膜層との密着性等を向上させるた
め、金属薄膜層と高屈折率透明薄膜層の間に、導電性、
光学特性を損なわない程度に任意の無機物層を形成して
もよい。これらの具体的な材料としては銅、ニッケル、
クロム、金、白金、亜鉛、ジルコニウム、チタン、タン
グステン、スズ、パラジウム等、あるいはこれらの材料
の2種類以上からなる合金があげられる。その厚さは、
好ましくは、0.2nm〜2nm程度である。
ために、透明導電層の表面に、導電性、光学特性を著し
く損なわない程度に有機物又は無機物の任意の保護層を
設けてもよい。また、金属薄膜層の耐環境性や金属薄膜
層と高屈折率透明薄膜層との密着性等を向上させるた
め、金属薄膜層と高屈折率透明薄膜層の間に、導電性、
光学特性を損なわない程度に任意の無機物層を形成して
もよい。これらの具体的な材料としては銅、ニッケル、
クロム、金、白金、亜鉛、ジルコニウム、チタン、タン
グステン、スズ、パラジウム等、あるいはこれらの材料
の2種類以上からなる合金があげられる。その厚さは、
好ましくは、0.2nm〜2nm程度である。
【0041】所望の光学特性の透明導電層を得るには、
得ようとする電磁波シールド能の為の導電性、つまり、
金属薄膜材料・厚さを勘案して、高分子フィルムおよび
薄膜材料の光学定数(屈折率、消光係数)を用いたベク
トル法、アドミッタンス図を用いる方法等を使った光学
設計を行い、各層の薄膜材料及び、層数、膜厚等を決定
する。この際、透明導電層上に形成される隣接層を考慮
すると良い。このことは高分子フィルム上に形成された
透明導電層への光の入射媒質が、空気または真空等の屈
折率1の入射媒質と違うために透過色(及び透過率、反
射色、反射率)が変化するためである。すなわち、透明
導電層上に機能性透明層を形成する際に透明粘着層を介
する場合は、透明粘着層の光学定数を考慮する設計を行
う。また、透明導電層上に機能性透明層を直接する場合
は、透明導電層と接する材料の光学定数を考慮する設計
を行う。
得ようとする電磁波シールド能の為の導電性、つまり、
金属薄膜材料・厚さを勘案して、高分子フィルムおよび
薄膜材料の光学定数(屈折率、消光係数)を用いたベク
トル法、アドミッタンス図を用いる方法等を使った光学
設計を行い、各層の薄膜材料及び、層数、膜厚等を決定
する。この際、透明導電層上に形成される隣接層を考慮
すると良い。このことは高分子フィルム上に形成された
透明導電層への光の入射媒質が、空気または真空等の屈
折率1の入射媒質と違うために透過色(及び透過率、反
射色、反射率)が変化するためである。すなわち、透明
導電層上に機能性透明層を形成する際に透明粘着層を介
する場合は、透明粘着層の光学定数を考慮する設計を行
う。また、透明導電層上に機能性透明層を直接する場合
は、透明導電層と接する材料の光学定数を考慮する設計
を行う。
【0042】上記のように、透明導電層の設計を行なう
ことにより、高屈折率透明薄膜層(a)では高分子フィ
ルムから見て最下層と最上層がその間の層より薄く、金
属薄膜層(b)では高分子フィルムから見て最下層がそ
の他の層より薄く、屈折率1.45〜1.65、消光係
数ほぼ0の厚み10〜50μmの粘着材が隣接層である
とき、透明積層体の反射が著しく増加しないこと、すな
わち、隣接層形成による界面反射の増加が2%以下であ
る。特に、繰り返し回数が3回、すなわち、計7層から
なる透明導電層においては、3層の金属薄膜層(b)の
真ん中の層が他の層より厚いと、前記の粘着材が隣接層
であるときに、透明積層体の反射が著しく増加しない。
なお、光学定数はエリプソメトリー(楕円偏光解析法)
やアッベ屈折計により測定でき、また、光学特性を観察
しながら、層数、膜厚等を制御して成膜を行うこともで
きる。なお、膜厚は、成膜条件と成膜速度の関係を予め
明らかにした上で成膜を行うことや、水晶振動子等を用
いた成膜中の膜厚モニタリングにより制御される。
ことにより、高屈折率透明薄膜層(a)では高分子フィ
ルムから見て最下層と最上層がその間の層より薄く、金
属薄膜層(b)では高分子フィルムから見て最下層がそ
の他の層より薄く、屈折率1.45〜1.65、消光係
数ほぼ0の厚み10〜50μmの粘着材が隣接層である
とき、透明積層体の反射が著しく増加しないこと、すな
わち、隣接層形成による界面反射の増加が2%以下であ
る。特に、繰り返し回数が3回、すなわち、計7層から
なる透明導電層においては、3層の金属薄膜層(b)の
真ん中の層が他の層より厚いと、前記の粘着材が隣接層
であるときに、透明積層体の反射が著しく増加しない。
なお、光学定数はエリプソメトリー(楕円偏光解析法)
やアッベ屈折計により測定でき、また、光学特性を観察
しながら、層数、膜厚等を制御して成膜を行うこともで
きる。なお、膜厚は、成膜条件と成膜速度の関係を予め
明らかにした上で成膜を行うことや、水晶振動子等を用
いた成膜中の膜厚モニタリングにより制御される。
【0043】またディスプレイ用フィルタは、ディプレ
イからの発光色をより好ましいものに調整する機能を有
する場合が多い。PDP用ディスプレイ用フィルタにお
いて、透明導電層を有さず、調色機能を主な機能とする
場合もある。
イからの発光色をより好ましいものに調整する機能を有
する場合が多い。PDP用ディスプレイ用フィルタにお
いて、透明導電層を有さず、調色機能を主な機能とする
場合もある。
【0044】ディスプレイ用フィルタの透過色におい
て、黄緑〜緑色味が強いと、ディスプレイのコントラス
トが低下し、さらには色純度が低くなり、白色表示も緑
色がかったものになることがある。このことは、黄緑〜
緑色である550nm前後の波長の光が最も視感度が高
いことにもよる。
て、黄緑〜緑色味が強いと、ディスプレイのコントラス
トが低下し、さらには色純度が低くなり、白色表示も緑
色がかったものになることがある。このことは、黄緑〜
緑色である550nm前後の波長の光が最も視感度が高
いことにもよる。
【0045】多層薄膜は、可視光線透過率・可視光線反
射率を重視すると、一般に透過色調に劣る。電磁波シー
ルド能即ち導電性と、近赤外線カット能をあげるほど、
金属薄膜の総膜厚が厚いことが必要となる。しかし、金
属薄膜の総膜厚が大きくなる程、緑色〜黄緑色になる傾
向がある。従って、プラズマディスプレイに用いるディ
スプレイ用フィルタはその透過色がニュートラルグレー
またはブルーグレーであることが要求される。これは、
緑色透過が強いことによるコントラスト低下や、赤色及
び緑色発光色に比べ青色発光が弱いこと、標準白色より
若干高めの色温度の白色が好まれること、等による。加
えて、ディスプレイ用フィルタの透過特性は、プラズマ
ディスプレイの白色表示の色度座標が極力、黒体軌跡に
近いことが望ましい。多層薄膜を透明導電層に用いた場
合は、多層薄膜の色調を補正してディスプレイ用フィル
タの透過色をニュートラルグレーまたはブルーグレーに
することが肝要である。色調を補正するには可視波長領
域に吸収のある色素を用いれば良い。例えば、透明導電
層の透過色に緑色味がある場合、赤色の色素を用いてグ
レーに補正し、透過色に黄色味がある場合は青〜紫の色
素を用いて補正する。
射率を重視すると、一般に透過色調に劣る。電磁波シー
ルド能即ち導電性と、近赤外線カット能をあげるほど、
金属薄膜の総膜厚が厚いことが必要となる。しかし、金
属薄膜の総膜厚が大きくなる程、緑色〜黄緑色になる傾
向がある。従って、プラズマディスプレイに用いるディ
スプレイ用フィルタはその透過色がニュートラルグレー
またはブルーグレーであることが要求される。これは、
緑色透過が強いことによるコントラスト低下や、赤色及
び緑色発光色に比べ青色発光が弱いこと、標準白色より
若干高めの色温度の白色が好まれること、等による。加
えて、ディスプレイ用フィルタの透過特性は、プラズマ
ディスプレイの白色表示の色度座標が極力、黒体軌跡に
近いことが望ましい。多層薄膜を透明導電層に用いた場
合は、多層薄膜の色調を補正してディスプレイ用フィル
タの透過色をニュートラルグレーまたはブルーグレーに
することが肝要である。色調を補正するには可視波長領
域に吸収のある色素を用いれば良い。例えば、透明導電
層の透過色に緑色味がある場合、赤色の色素を用いてグ
レーに補正し、透過色に黄色味がある場合は青〜紫の色
素を用いて補正する。
【0046】カラープラズマディスプレイでは、希ガス
の直流または交流放電により発生する真空紫外光で励起
発光する(Y,Gd,Eu)BO3等の赤色(R)発光蛍光体、(Zn,
Mn)2SiO4等の緑色(G)発光蛍光体、(Ba,Eu)MgAl
10O17:Eu等の青色(B)発光蛍光体が、画素を構成する
表示セルに形成されている。蛍光体は、色純度の他に放
電セルへの塗布性、残光時間の短さ、発光効率、耐熱性
等を指標に選定されており、実用化されている蛍光体は
その色純度に改良を要するものが多い。特に赤色発光蛍
光体の発光スペクトルは、波長580nmから700n
m程度までにわたる数本の発光ピークを示しており、比
較的強度な短波長側の発光ピークは黄〜オレンジ色の発
光であるので赤色発光がオレンジに近い色純度の良くな
いものとなってしまう問題がある。希ガスにXeとNe
の混合ガスを用いた場合、Ne励起状態の発光緩和によ
るオレンジ色発光も同様に色純度を落としてしまう。ま
た、緑色発光、青色発光に関しても、そのピーク波長の
位置、発光のブロードさが色純度を下げる要因となって
いる。色純度の高さは、例えば、国際照明委員会(CI
E)が定めた横軸色度x、縦軸色度yで色相と彩度を表
す座標系において、RGB三色を頂点とした三角形の広
さで示す色再現範囲の広さで表すことができる。色純度
の低さからプラズマディスプレイの発光の色再現範囲
は、NTSC(National Television System Committe
e)方式で定めているRGB三色の色度が示す色再現範
囲より通常狭い。
の直流または交流放電により発生する真空紫外光で励起
発光する(Y,Gd,Eu)BO3等の赤色(R)発光蛍光体、(Zn,
Mn)2SiO4等の緑色(G)発光蛍光体、(Ba,Eu)MgAl
10O17:Eu等の青色(B)発光蛍光体が、画素を構成する
表示セルに形成されている。蛍光体は、色純度の他に放
電セルへの塗布性、残光時間の短さ、発光効率、耐熱性
等を指標に選定されており、実用化されている蛍光体は
その色純度に改良を要するものが多い。特に赤色発光蛍
光体の発光スペクトルは、波長580nmから700n
m程度までにわたる数本の発光ピークを示しており、比
較的強度な短波長側の発光ピークは黄〜オレンジ色の発
光であるので赤色発光がオレンジに近い色純度の良くな
いものとなってしまう問題がある。希ガスにXeとNe
の混合ガスを用いた場合、Ne励起状態の発光緩和によ
るオレンジ色発光も同様に色純度を落としてしまう。ま
た、緑色発光、青色発光に関しても、そのピーク波長の
位置、発光のブロードさが色純度を下げる要因となって
いる。色純度の高さは、例えば、国際照明委員会(CI
E)が定めた横軸色度x、縦軸色度yで色相と彩度を表
す座標系において、RGB三色を頂点とした三角形の広
さで示す色再現範囲の広さで表すことができる。色純度
の低さからプラズマディスプレイの発光の色再現範囲
は、NTSC(National Television System Committe
e)方式で定めているRGB三色の色度が示す色再現範
囲より通常狭い。
【0047】また、表示セル間での発光の滲み出しに加
えて、各色の発光が広い範囲にわたって不必要な光を含
んでおり、必要な発光が際立たないことは、色純度だけ
ではなくプラズマディスプレイのコントラストを下げる
要因にもなっている。さらに、プラズマディスプレイは
一般に室内照明等による外光が存在する明時においては
暗時に比べコントラストが悪くなる。これは、基板ガラ
ス、蛍光体等が外光を反射し、不必要な光が必要な光を
際立たせなくするために起きる。プラズマディスプレイ
パネルのコントラスト比は、暗示は100〜200、周
囲照度100lx程度の明時は10〜30であり、その向上
が課題となっている。また、コントラストが低いことも
色再現範囲を狭くしている要因である。コントラストを
向上させるためにはディスプレイ前面にニュートラル・
デンシティ(ND)フィルターの如く、可視波長領域全
体の透過率を下げ、基板ガラス、蛍光体における外光反
射等の透過を少なくする方法があるが、可視光線透過率
が著しく低いと、輝度・画像の鮮明さが低下することに
なり、また、色純度の改善はあまり見られない。
えて、各色の発光が広い範囲にわたって不必要な光を含
んでおり、必要な発光が際立たないことは、色純度だけ
ではなくプラズマディスプレイのコントラストを下げる
要因にもなっている。さらに、プラズマディスプレイは
一般に室内照明等による外光が存在する明時においては
暗時に比べコントラストが悪くなる。これは、基板ガラ
ス、蛍光体等が外光を反射し、不必要な光が必要な光を
際立たせなくするために起きる。プラズマディスプレイ
パネルのコントラスト比は、暗示は100〜200、周
囲照度100lx程度の明時は10〜30であり、その向上
が課題となっている。また、コントラストが低いことも
色再現範囲を狭くしている要因である。コントラストを
向上させるためにはディスプレイ前面にニュートラル・
デンシティ(ND)フィルターの如く、可視波長領域全
体の透過率を下げ、基板ガラス、蛍光体における外光反
射等の透過を少なくする方法があるが、可視光線透過率
が著しく低いと、輝度・画像の鮮明さが低下することに
なり、また、色純度の改善はあまり見られない。
【0048】本発明者らは、カラープラズマディスプレ
イの発光色の色純度及びコントラストを向上させること
は、発光色の色純度及びコントラストを下げる原因とな
る不要発光及び外光反射を低減することによって達成で
きることを見出した。また、本発明者らは、色素を用い
ることによって、ディスプレイ用フィルタをニュートラ
ルグレーまたはニュートラルブルーに調色するだけでは
なく、発光色の色純度及びコントラストを下げる原因と
なる不要発光及び外光反射を低減できることを見出し
た。特に、赤色発光がオレンジに近いものは顕著であ
り、その原因である波長580nm〜605nmの発光
を低減することによって赤色発光の色純度を向上させる
ことができることを見い出した。本発明のディスプレイ
用フィルタにおいて、不要発光及び外光反射の低減は、
波長570nm〜605nmに吸収極大を有する色素を
シールド体に含有させることによって行うことができ
る。この際、ディスプレイ用フィルターによって、赤色
である発光ピークのある波長615nm〜640nmの
光線透過を著しく損なってしまわないことが必要であ
る。
イの発光色の色純度及びコントラストを向上させること
は、発光色の色純度及びコントラストを下げる原因とな
る不要発光及び外光反射を低減することによって達成で
きることを見出した。また、本発明者らは、色素を用い
ることによって、ディスプレイ用フィルタをニュートラ
ルグレーまたはニュートラルブルーに調色するだけでは
なく、発光色の色純度及びコントラストを下げる原因と
なる不要発光及び外光反射を低減できることを見出し
た。特に、赤色発光がオレンジに近いものは顕著であ
り、その原因である波長580nm〜605nmの発光
を低減することによって赤色発光の色純度を向上させる
ことができることを見い出した。本発明のディスプレイ
用フィルタにおいて、不要発光及び外光反射の低減は、
波長570nm〜605nmに吸収極大を有する色素を
シールド体に含有させることによって行うことができ
る。この際、ディスプレイ用フィルターによって、赤色
である発光ピークのある波長615nm〜640nmの
光線透過を著しく損なってしまわないことが必要であ
る。
【0049】一般に、色素はブロードな吸収範囲を有し
ており、所望の吸収ピークを有するものも、その裾の吸
収により好適な波長の発光まで吸収してしまうことがあ
る。Neによる発光が存在する場合は、オレンジ色発光
の低減を行うこともできるため、RGB表示セルからの
発光の色純度が向上する。また、カラープラズマディス
プレイの緑発光はブロードであり、そのピーク位置は、
例えば、NTSC方式で要求される緑色より若干長波長
側、すなわち黄緑側にあることがある。本発明者らは、
波長570nm〜605nmに吸収極大を有する色素の
短波長側の吸収によって、緑色発光の長波長側を吸収し
て削り、さらに不要発光を削ること、及び/又は、ピー
クをシフトさせることによって色純度を向上できること
を見出した。
ており、所望の吸収ピークを有するものも、その裾の吸
収により好適な波長の発光まで吸収してしまうことがあ
る。Neによる発光が存在する場合は、オレンジ色発光
の低減を行うこともできるため、RGB表示セルからの
発光の色純度が向上する。また、カラープラズマディス
プレイの緑発光はブロードであり、そのピーク位置は、
例えば、NTSC方式で要求される緑色より若干長波長
側、すなわち黄緑側にあることがある。本発明者らは、
波長570nm〜605nmに吸収極大を有する色素の
短波長側の吸収によって、緑色発光の長波長側を吸収し
て削り、さらに不要発光を削ること、及び/又は、ピー
クをシフトさせることによって色純度を向上できること
を見出した。
【0050】赤色発光、更に加えて緑色発光の色純度向
上には、波長570nm〜605nmに吸収極大を有す
る色素を用いることによって、波長570nm〜605
nmにおけるディスプレイ用フィルタの最低透過率が、
必要な赤色発光のピーク位置での透過率に対して80%
以下であることが好適である。青色発光の色純度が低い
場合は、赤色発光、緑色発光と同様に、不要発光を低減
し、また、そのピーク波長をシフトさせ、青緑発光を吸
収する色素を用いれば良い。さらに、色素による吸収
は、外光の蛍光体への入射を低減することによって蛍光
体での外光反射を低減させることができる。このことに
よってもまた色純度及びコントラストを向上させること
ができる。
上には、波長570nm〜605nmに吸収極大を有す
る色素を用いることによって、波長570nm〜605
nmにおけるディスプレイ用フィルタの最低透過率が、
必要な赤色発光のピーク位置での透過率に対して80%
以下であることが好適である。青色発光の色純度が低い
場合は、赤色発光、緑色発光と同様に、不要発光を低減
し、また、そのピーク波長をシフトさせ、青緑発光を吸
収する色素を用いれば良い。さらに、色素による吸収
は、外光の蛍光体への入射を低減することによって蛍光
体での外光反射を低減させることができる。このことに
よってもまた色純度及びコントラストを向上させること
ができる。
【0051】本発明のディスプレイ用フィルタに色素を
含有させる方法としては、(1)透明な樹脂に少なくと
も1種類以上の色素を混錬させた高分子フィルム、
(2)樹脂または樹脂モノマー/有機系溶媒の樹脂濃厚
液に少なくとも1種類以上の色素を分散・溶解させ、キ
ャスティング法により作製した高分子フィルム、(3)
樹脂バインダーと有機系溶媒に少なくとも1種類以上の
色素を加え、塗料として透明な基体上にコーティングし
たもの、(4)少なくとも1種類以上の色素を含有する
透明な粘着材、のいずれか一つ以上の形態として用いる
方法である。本発明でいう含有とは、基材または塗膜等
の層または粘着材の内部に含有されることは勿論、基材
または層の表面に塗布した状態をも意味する。
含有させる方法としては、(1)透明な樹脂に少なくと
も1種類以上の色素を混錬させた高分子フィルム、
(2)樹脂または樹脂モノマー/有機系溶媒の樹脂濃厚
液に少なくとも1種類以上の色素を分散・溶解させ、キ
ャスティング法により作製した高分子フィルム、(3)
樹脂バインダーと有機系溶媒に少なくとも1種類以上の
色素を加え、塗料として透明な基体上にコーティングし
たもの、(4)少なくとも1種類以上の色素を含有する
透明な粘着材、のいずれか一つ以上の形態として用いる
方法である。本発明でいう含有とは、基材または塗膜等
の層または粘着材の内部に含有されることは勿論、基材
または層の表面に塗布した状態をも意味する。
【0052】色素は可視領域に所望の吸収波長を有する
一般の染料または顔料で良く、その種類は特に限定され
るものではないが、例えば、アントラキノン系、フタロ
シアニン系、メチン系、アゾメチン系、オキサジン系、
アゾ系、スチリル系、クマリン系、ポルフィリン系、ジ
ベンゾフラノン系、ジケトピロロピロール系、ローダミ
ン系、キサンテン系、ピロメテン系等の一般に市販もさ
れている有機色素があげられる。その種類・濃度は、色
素の吸収波長・吸収係数、透明導電層の色調及びディス
プレイ用フィルタに要求される透過特性・透過率、そし
て分散させる媒体または塗膜の種類・厚さから決まり、
特に限定されるものではない。
一般の染料または顔料で良く、その種類は特に限定され
るものではないが、例えば、アントラキノン系、フタロ
シアニン系、メチン系、アゾメチン系、オキサジン系、
アゾ系、スチリル系、クマリン系、ポルフィリン系、ジ
ベンゾフラノン系、ジケトピロロピロール系、ローダミ
ン系、キサンテン系、ピロメテン系等の一般に市販もさ
れている有機色素があげられる。その種類・濃度は、色
素の吸収波長・吸収係数、透明導電層の色調及びディス
プレイ用フィルタに要求される透過特性・透過率、そし
て分散させる媒体または塗膜の種類・厚さから決まり、
特に限定されるものではない。
【0053】透明導電層(B)に多層薄膜を用いる場
合、電磁波シールド能に加え、近赤外線カット能も有し
ているが、より高い近赤外線カット能が必要であった
り、透明導電層が近赤外線カット能を有していない場合
に、近赤外線カット能をディスプレイ用フィルターに付
与するために、前記色素に近赤外線吸収色素を1種類以
上併用しても良い。近赤外線吸収色素としては、透明導
電層の近赤外線カット能を補填し、プラズマディスプレ
イの発する強度の近赤外線を充分実用的になる程度に吸
収するものであれば、特に限定されるものではなく、濃
度も限定されるものではない。近赤外線吸収色素として
は、例えば、フタロシアニン系化合物、アントラキノン
系化合物、ジチオール系化合物、ジイミニウム系化合物
が挙げられる。
合、電磁波シールド能に加え、近赤外線カット能も有し
ているが、より高い近赤外線カット能が必要であった
り、透明導電層が近赤外線カット能を有していない場合
に、近赤外線カット能をディスプレイ用フィルターに付
与するために、前記色素に近赤外線吸収色素を1種類以
上併用しても良い。近赤外線吸収色素としては、透明導
電層の近赤外線カット能を補填し、プラズマディスプレ
イの発する強度の近赤外線を充分実用的になる程度に吸
収するものであれば、特に限定されるものではなく、濃
度も限定されるものではない。近赤外線吸収色素として
は、例えば、フタロシアニン系化合物、アントラキノン
系化合物、ジチオール系化合物、ジイミニウム系化合物
が挙げられる。
【0054】プラズマディスプレイパネルはパネル表面
の温度が高く、特に環境の温度が高いときはディスプレ
イ用フィルタの温度も上がるため、本発明で用いる色素
は、耐熱性、例えば、80℃で分解等によって顕著に劣
化しない耐熱性を有していることが好適である。また、
色素によっては、耐熱性に加えて、耐光性に乏しいもの
もある。プラズマディスプレイの発光や外光の紫外線・
可視光線による劣化が問題になる場合は、紫外線吸収剤
を含む部材や紫外線を透過しない部材を用いることによ
って、色素の紫外線による劣化を低減すること、紫外線
や可視光線による顕著な劣化がない色素を用いることが
肝要である。熱、光に加えて、湿度や、これらの複合し
た環境においても同様である。色素が劣化するとディス
プレイ用フィルタの透過特性が変わってしまう。実際
に、プラズマディスプレイパネルの表面温度が70℃か
ら80℃になることは特開平8−220303号に明記
されている。また、プラズマディスプレイパネルより発
生する光は、例えば、300cd/m2と明記されてお
り(富士通株式会社Image Site カタログ
AD25−000061COct.1997M)、立体
角を2πとして、これを2万時間照射すると、2π×2
0000×300=3800万(lx・時間)となるこ
とから、実用上数千万(lx・時間)程度の耐光性が必
要になることが分かる。さらには、色素を媒体または塗
膜中に分散させるために、適宜の溶媒への溶解性も重要
である。異なる吸収波長を有する色素2種類以上を一つ
の媒体または塗膜に含有させても良い。
の温度が高く、特に環境の温度が高いときはディスプレ
イ用フィルタの温度も上がるため、本発明で用いる色素
は、耐熱性、例えば、80℃で分解等によって顕著に劣
化しない耐熱性を有していることが好適である。また、
色素によっては、耐熱性に加えて、耐光性に乏しいもの
もある。プラズマディスプレイの発光や外光の紫外線・
可視光線による劣化が問題になる場合は、紫外線吸収剤
を含む部材や紫外線を透過しない部材を用いることによ
って、色素の紫外線による劣化を低減すること、紫外線
や可視光線による顕著な劣化がない色素を用いることが
肝要である。熱、光に加えて、湿度や、これらの複合し
た環境においても同様である。色素が劣化するとディス
プレイ用フィルタの透過特性が変わってしまう。実際
に、プラズマディスプレイパネルの表面温度が70℃か
ら80℃になることは特開平8−220303号に明記
されている。また、プラズマディスプレイパネルより発
生する光は、例えば、300cd/m2と明記されてお
り(富士通株式会社Image Site カタログ
AD25−000061COct.1997M)、立体
角を2πとして、これを2万時間照射すると、2π×2
0000×300=3800万(lx・時間)となるこ
とから、実用上数千万(lx・時間)程度の耐光性が必
要になることが分かる。さらには、色素を媒体または塗
膜中に分散させるために、適宜の溶媒への溶解性も重要
である。異なる吸収波長を有する色素2種類以上を一つ
の媒体または塗膜に含有させても良い。
【0055】本発明のディスプレイ用フィルタはカラー
プラズマディスプレイの輝度・視認性を著しく損なわな
い優れた透過特性・透過率を有し、カラープラズマディ
スプレイの発光色の色純度及びコントラストを向上させ
ることができる。本発明者らは、1種以上含有せしめる
色素の、少なくとも一つがテトラアザポルフィリン化合
物の場合には、特に低減したい570〜605nmの不
要発光の波長と同じか、または近い波長に主要吸収波長
を有し、且つ、吸収波長巾が比較的狭いので、好適な発
光を吸収してしまうことによる輝度の損失を少なくでき
ることを見出し、優れた透過特性・透過率・発光色の色
純度及びコントラストを向上させる能力が優れたディス
プレイ用フィルタを得ることができた。
プラズマディスプレイの輝度・視認性を著しく損なわな
い優れた透過特性・透過率を有し、カラープラズマディ
スプレイの発光色の色純度及びコントラストを向上させ
ることができる。本発明者らは、1種以上含有せしめる
色素の、少なくとも一つがテトラアザポルフィリン化合
物の場合には、特に低減したい570〜605nmの不
要発光の波長と同じか、または近い波長に主要吸収波長
を有し、且つ、吸収波長巾が比較的狭いので、好適な発
光を吸収してしまうことによる輝度の損失を少なくでき
ることを見出し、優れた透過特性・透過率・発光色の色
純度及びコントラストを向上させる能力が優れたディス
プレイ用フィルタを得ることができた。
【0056】本発明のディスプレイ用フィルタにおいて
は、前記の色素を含有させる方法(1)〜(4)は、色
素を含有する高分子フィルム、色素を含有する後述の透
明粘着層または、色素を含有する後述の機能性透明層、
色素を含有するハードコート層のいずれか1つ以上の層
において実施することが出来る。色素を含有する機能性
透明層は、色素を含有し且つ各機能を有する膜でも、色
素を含有し且つ各機能を有する膜が高分子フィルム上に
形成されたものでも、各機能を有する膜が色素を含有す
る基材に形成されたもの、のいずれでも良い。なお、本
発明では、異なる吸収波長を有する色素2種類以上を一
つの媒体または塗膜に含有させてもよく、また色素層を
2つ以上有していても良い。
は、前記の色素を含有させる方法(1)〜(4)は、色
素を含有する高分子フィルム、色素を含有する後述の透
明粘着層または、色素を含有する後述の機能性透明層、
色素を含有するハードコート層のいずれか1つ以上の層
において実施することが出来る。色素を含有する機能性
透明層は、色素を含有し且つ各機能を有する膜でも、色
素を含有し且つ各機能を有する膜が高分子フィルム上に
形成されたものでも、各機能を有する膜が色素を含有す
る基材に形成されたもの、のいずれでも良い。なお、本
発明では、異なる吸収波長を有する色素2種類以上を一
つの媒体または塗膜に含有させてもよく、また色素層を
2つ以上有していても良い。
【0057】まず、樹脂に色素を混練し、加熱成形する
(1)の方法について説明する。樹脂材料としては、プ
ラスチック板または高分子フィルムにした場合にできる
だけ透明性の高いものが好ましく、具体的には、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリ
スチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリア
ミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合
物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリア
クリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタ
クリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリ
デン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフ
ルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重体
等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリ
エチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げる
ことが出来るが、これらの樹脂に限定されるものではな
い。
(1)の方法について説明する。樹脂材料としては、プ
ラスチック板または高分子フィルムにした場合にできる
だけ透明性の高いものが好ましく、具体的には、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリ
スチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン6等のポリア
ミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等のセルロ
ース系樹脂、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレ
ン等のフッ素系樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル化合
物、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリア
クリロニトリル、ビニル化合物の付加重合体、ポリメタ
クリル酸、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニリ
デン等のビニリデン化合物、フッ化ビニリデン/トリフ
ルオロエチレン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重体
等のビニル化合物又はフッ素系化合物の共重合体、ポリ
エチレンオキシド等のポリエーテル、エポキシ樹脂、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール等を挙げる
ことが出来るが、これらの樹脂に限定されるものではな
い。
【0058】作製方法としては、用いる色素、ベース高
分子によって、加工温度、フィルム化条件等が多少異な
るが、通常、(i) ベース高分子の粉体或いはペレットに
色素を添加し、150〜350℃で加熱、溶解させた
後、成形してプラスチック板を作製する方法、(ii)押し
出し機によりフィルム化する方法、(iii) 押し出し機に
より原反を作製し、30〜120℃で2〜5倍に、1軸
乃至は2軸に延伸して10〜200μm厚のフィルムに
する方法、等が挙げられる。なお、混練する際に可塑剤
等の通常の樹脂成型に用いる添加剤を加えてもよい。色
素の添加量は、色素の吸収係数、作製する高分子成形体
の厚み、目的の吸収強度、目的の透過特性・透過率等に
よって異なるが、通常、ベース高分子成形体の重量に対
して1ppm〜20%である。
分子によって、加工温度、フィルム化条件等が多少異な
るが、通常、(i) ベース高分子の粉体或いはペレットに
色素を添加し、150〜350℃で加熱、溶解させた
後、成形してプラスチック板を作製する方法、(ii)押し
出し機によりフィルム化する方法、(iii) 押し出し機に
より原反を作製し、30〜120℃で2〜5倍に、1軸
乃至は2軸に延伸して10〜200μm厚のフィルムに
する方法、等が挙げられる。なお、混練する際に可塑剤
等の通常の樹脂成型に用いる添加剤を加えてもよい。色
素の添加量は、色素の吸収係数、作製する高分子成形体
の厚み、目的の吸収強度、目的の透過特性・透過率等に
よって異なるが、通常、ベース高分子成形体の重量に対
して1ppm〜20%である。
【0059】(2)のキャスティング法では、樹脂また
は樹脂モノマーを有機系溶媒に溶解させた樹脂濃厚液
に、色素を添加・溶解させ、必要であれば可塑剤、重合
開始剤、酸化防止剤を加え、必要とする面状態を有する
金型やドラム上へ流し込み、溶剤揮発・乾燥または重合
・溶剤揮発・乾燥させることにより、プラスチック板、
高分子フィルムを得る。通常、脂肪族エステル系樹脂、
アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳香族
エステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオ
レフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル
系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成
樹脂(PVB、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂の
樹脂モノマーを用いる。溶媒としては、ハロゲン系、ア
ルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素
系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、あるいはそれ
らの混合物系等を用いる。色素の濃度は、色素の吸収係
数、板またはフィルムの厚み、目的の吸収強度、目的の
透過特性・透過率等によって異なるが、樹脂モノマーの
重量に対して、通常、1ppm〜20%である。また、
樹脂濃度は、塗料全体に対して、通常、1〜90%であ
る。
は樹脂モノマーを有機系溶媒に溶解させた樹脂濃厚液
に、色素を添加・溶解させ、必要であれば可塑剤、重合
開始剤、酸化防止剤を加え、必要とする面状態を有する
金型やドラム上へ流し込み、溶剤揮発・乾燥または重合
・溶剤揮発・乾燥させることにより、プラスチック板、
高分子フィルムを得る。通常、脂肪族エステル系樹脂、
アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳香族
エステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリオ
レフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビニル
系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系変成
樹脂(PVB、EVA等)或いはそれらの共重合樹脂の
樹脂モノマーを用いる。溶媒としては、ハロゲン系、ア
ルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族炭化水素
系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、あるいはそれ
らの混合物系等を用いる。色素の濃度は、色素の吸収係
数、板またはフィルムの厚み、目的の吸収強度、目的の
透過特性・透過率等によって異なるが、樹脂モノマーの
重量に対して、通常、1ppm〜20%である。また、
樹脂濃度は、塗料全体に対して、通常、1〜90%であ
る。
【0060】塗料化してコーティングする(3)の方法
としては、色素をバインダー樹脂及び有機系溶媒に溶解
させて塗料化する方法、未着色のアクリルエマルジョン
塗料に色素を微粉砕(50〜500nm)したものを分
散させてアクリルエマルジョン系水性塗料とする方法、
等がある。前者の方法では、通常、脂肪族エステル系樹
脂、アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳
香族エステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポ
リオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビ
ニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系
変成樹脂(PVB、EVA等)或いはそれらの共重合樹
脂をバインダー樹脂として用いる。溶媒としては、ハロ
ゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族
炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、ある
いはそれらの混合物系等を用いる。色素の濃度は、色素
の吸収係数、コーティングの厚み、目的の吸収強度、目
的の可視光透過率等によって異なるが、バインダー樹脂
の重量に対して、通常、0.1〜30%である。また、
バインダー樹脂濃度は、塗料全体に対して、通常、1〜
50%である。後者のアクリルエマルジョン系水系塗料
の場合も、前記と同様に、未着色のアクリルエマルジョ
ン塗料に、色素を微粉砕(50〜500nm)したもの
を分散させて得られる。塗料中には、酸化防止剤等の通
常塗料に用いるような添加物を加えてもよい。
としては、色素をバインダー樹脂及び有機系溶媒に溶解
させて塗料化する方法、未着色のアクリルエマルジョン
塗料に色素を微粉砕(50〜500nm)したものを分
散させてアクリルエマルジョン系水性塗料とする方法、
等がある。前者の方法では、通常、脂肪族エステル系樹
脂、アクリル系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、芳
香族エステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポ
リオレフィン樹脂、芳香族ポリオレフィン樹脂、ポリビ
ニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニル系
変成樹脂(PVB、EVA等)或いはそれらの共重合樹
脂をバインダー樹脂として用いる。溶媒としては、ハロ
ゲン系、アルコール系、ケトン系、エステル系、脂肪族
炭化水素系、芳香族炭化水素系、エーテル系溶媒、ある
いはそれらの混合物系等を用いる。色素の濃度は、色素
の吸収係数、コーティングの厚み、目的の吸収強度、目
的の可視光透過率等によって異なるが、バインダー樹脂
の重量に対して、通常、0.1〜30%である。また、
バインダー樹脂濃度は、塗料全体に対して、通常、1〜
50%である。後者のアクリルエマルジョン系水系塗料
の場合も、前記と同様に、未着色のアクリルエマルジョ
ン塗料に、色素を微粉砕(50〜500nm)したもの
を分散させて得られる。塗料中には、酸化防止剤等の通
常塗料に用いるような添加物を加えてもよい。
【0061】上記の方法で作製した塗料は、透明高分子
フィルム、透明樹脂、透明ガラス等の上にバーコーダ
ー、ブレードコーター、スピンコーター、リバースコー
ター、ダイコーター、或いはスプレー等の従来公知のコ
ーティングをして、色素を含有する基材を作製する。コ
ーティング面を保護するために保護層を設けたり、コー
ティング面を保護するようにコーティング面に、ディス
プレイ用フィルタの他の構成部材を貼り合わせても良
い。
フィルム、透明樹脂、透明ガラス等の上にバーコーダ
ー、ブレードコーター、スピンコーター、リバースコー
ター、ダイコーター、或いはスプレー等の従来公知のコ
ーティングをして、色素を含有する基材を作製する。コ
ーティング面を保護するために保護層を設けたり、コー
ティング面を保護するようにコーティング面に、ディス
プレイ用フィルタの他の構成部材を貼り合わせても良
い。
【0062】色素を含有する粘着材として用いる方法
(4)では、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウ
レタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PV
B)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポ
リビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン
樹脂等のシート状または液状の粘着材または接着剤に、
色素を10ppm〜30%添加して用いる。なお、これ
らの方法では、色素含有のディスプレイ用フィルタの耐
光性を上げるために紫外線吸収剤を色素と共に含有させ
ることもできる。紫外線吸収剤の種類、濃度は特に限定
されない。
(4)では、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウ
レタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PV
B)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)等、ポ
リビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン
樹脂等のシート状または液状の粘着材または接着剤に、
色素を10ppm〜30%添加して用いる。なお、これ
らの方法では、色素含有のディスプレイ用フィルタの耐
光性を上げるために紫外線吸収剤を色素と共に含有させ
ることもできる。紫外線吸収剤の種類、濃度は特に限定
されない。
【0063】反射防止層は、基体上に形成し、基体表面
の光線反射率を低減するものである。反射防止層として
は、具体的には、可視光域において屈折率が1.5以
下、好適には、1.4以下と低い、フッ素系透明高分子
樹脂やフッ化マグネシウム、シリコン系樹脂や酸化珪素
の薄膜等を、例えば1/4波長の光学膜厚で単層形成し
たもの、屈折率の異なる、金属酸化物、フッ化物、ケイ
化物、ホウ化物、炭化物窒化物、硫化物等の無機化合物
又はシリコン系樹脂やアクリル樹脂、フッ素系樹脂等の
有機化合物の薄膜を2層以上多層積層したものがある。
単層形成したものは、製造が容易であるが、反射防止性
が多層積層に比べ劣る。多層積層したものは、広い波長
領域にわたって反射防止能を有し、基体フィルムの光学
特性による光学設計の制限が少ない。これら無機化合物
薄膜の形成には、スパッタリング、イオンプレーティン
グ、イオンピームアシスト、真空蒸着、室式塗工法等、
従来公知の方法を用いればよい。上記の反射防止層が形
成されたフィルムが反射防止フィルムである。防眩層
は、基体上に形成し、基体中を通過する透過光や表面か
らの反射光を防眩するための層である。防眩層は0.1
〜10μm程度の微少な凹凸を表面に有する。具体的に
は、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹
脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等
の熱硬化型または光硬化型樹脂に、シリカ、メラミン、
アクリル等の無機化合物または有機化合物の粒子を分散
させインキ化したものを、バーコート法、リバースコー
ト法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート
法等によって透明高分子フィルム上に塗布硬化させる。
粒子の平均粒径は、1〜40μmである。または、アク
リル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型
又は光硬化型樹脂を基体に塗布し、所望のヘイズ又は表
面状態を有する型を押しつけ硬化する事によっても防眩
層を得ることができる。さらには、ガラス板をフッ酸等
でエッチングするように、基体フィルムを薬剤処理する
ことによっても防眩層を得ることができる。この場合
は、処理時間、薬剤のエッチング性により、ヘイズを制
御することができる。上記、防眩層においては、適当な
凹凸が表面に形成されていれば良く、作成方法は、上記
に挙げた方法に限定されるものではない。防眩層は、
0.5%以上20%以下であり、好ましくは、1%以上
10%以下である。ヘイズが小さすぎると防眩能が不十
分であり、ヘイズが大きすぎると平行光線透過率が低く
なり、ディスプレイ視認性が悪くなる。上記の防眩層が
形成されたフィルムが防眩性フィルムである。
の光線反射率を低減するものである。反射防止層として
は、具体的には、可視光域において屈折率が1.5以
下、好適には、1.4以下と低い、フッ素系透明高分子
樹脂やフッ化マグネシウム、シリコン系樹脂や酸化珪素
の薄膜等を、例えば1/4波長の光学膜厚で単層形成し
たもの、屈折率の異なる、金属酸化物、フッ化物、ケイ
化物、ホウ化物、炭化物窒化物、硫化物等の無機化合物
又はシリコン系樹脂やアクリル樹脂、フッ素系樹脂等の
有機化合物の薄膜を2層以上多層積層したものがある。
単層形成したものは、製造が容易であるが、反射防止性
が多層積層に比べ劣る。多層積層したものは、広い波長
領域にわたって反射防止能を有し、基体フィルムの光学
特性による光学設計の制限が少ない。これら無機化合物
薄膜の形成には、スパッタリング、イオンプレーティン
グ、イオンピームアシスト、真空蒸着、室式塗工法等、
従来公知の方法を用いればよい。上記の反射防止層が形
成されたフィルムが反射防止フィルムである。防眩層
は、基体上に形成し、基体中を通過する透過光や表面か
らの反射光を防眩するための層である。防眩層は0.1
〜10μm程度の微少な凹凸を表面に有する。具体的に
は、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹
脂、ウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等
の熱硬化型または光硬化型樹脂に、シリカ、メラミン、
アクリル等の無機化合物または有機化合物の粒子を分散
させインキ化したものを、バーコート法、リバースコー
ト法、グラビアコート法、ダイコート法、ロールコート
法等によって透明高分子フィルム上に塗布硬化させる。
粒子の平均粒径は、1〜40μmである。または、アク
リル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタ
ン系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等の熱硬化型
又は光硬化型樹脂を基体に塗布し、所望のヘイズ又は表
面状態を有する型を押しつけ硬化する事によっても防眩
層を得ることができる。さらには、ガラス板をフッ酸等
でエッチングするように、基体フィルムを薬剤処理する
ことによっても防眩層を得ることができる。この場合
は、処理時間、薬剤のエッチング性により、ヘイズを制
御することができる。上記、防眩層においては、適当な
凹凸が表面に形成されていれば良く、作成方法は、上記
に挙げた方法に限定されるものではない。防眩層は、
0.5%以上20%以下であり、好ましくは、1%以上
10%以下である。ヘイズが小さすぎると防眩能が不十
分であり、ヘイズが大きすぎると平行光線透過率が低く
なり、ディスプレイ視認性が悪くなる。上記の防眩層が
形成されたフィルムが防眩性フィルムである。
【0064】積層体の層構成及び各層の状態は、断面の
光学顕微鏡測定、走査型電子顕微鏡(SEM)測定、透
過型電子顕微鏡測定(TEM)を用いて調べることがで
きる。透明導電膜の表面原子組成は、オージェ電子分光
法(AES)、蛍光X線法(XRF)、X線マイクロア
ナライシス法(XMA)、荷電粒子励起X線分析法(R
BS)、X線光電子分光法(XPS)、真空紫外光電子
分光法(UPS)、赤外吸収分光法(IR)、ラマン分
光法、2次イオン質量分析法(SIMS)、低エネルギ
ーイオン散乱分光法(ISS)等により測定できる。ま
た、膜中の原子組成及び膜厚は、オージェ電子分光法
(AES)や2次イオン質量分析(SIMS)を深さ方
向に実施することによって調べることができる。
光学顕微鏡測定、走査型電子顕微鏡(SEM)測定、透
過型電子顕微鏡測定(TEM)を用いて調べることがで
きる。透明導電膜の表面原子組成は、オージェ電子分光
法(AES)、蛍光X線法(XRF)、X線マイクロア
ナライシス法(XMA)、荷電粒子励起X線分析法(R
BS)、X線光電子分光法(XPS)、真空紫外光電子
分光法(UPS)、赤外吸収分光法(IR)、ラマン分
光法、2次イオン質量分析法(SIMS)、低エネルギ
ーイオン散乱分光法(ISS)等により測定できる。ま
た、膜中の原子組成及び膜厚は、オージェ電子分光法
(AES)や2次イオン質量分析(SIMS)を深さ方
向に実施することによって調べることができる。
【0065】透明導電膜上に防眩性フィルムや反射防止
フィルム等を貼り合わせてある場合は、それを剥がし、
透明導電膜表面を剥き出しにした後に、上記の手法を用
いて調べればよい。本発明において持ちいられる、高分
子、色素の組成及び構造に関しては、該色素を適当な溶
媒に溶かした上で、一般的な組成または構造分析手法を
用いて調べることができる。例えば、核磁気共鳴法(N
MR)、赤外線分光法(IR)、ラマン分光法、質量分
析法(MAS)等を用いることができる。
フィルム等を貼り合わせてある場合は、それを剥がし、
透明導電膜表面を剥き出しにした後に、上記の手法を用
いて調べればよい。本発明において持ちいられる、高分
子、色素の組成及び構造に関しては、該色素を適当な溶
媒に溶かした上で、一般的な組成または構造分析手法を
用いて調べることができる。例えば、核磁気共鳴法(N
MR)、赤外線分光法(IR)、ラマン分光法、質量分
析法(MAS)等を用いることができる。
【0066】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により具体的に説明
する。本発明はこれらによりなんら制限されるものでは
ない。 (透明導電層の作製)実施例中の透明導電層を構成する
薄膜は、基材の一方の主面にマグネトロンDCスパッタ
リング法により成膜する。薄膜の厚さは、成膜条件から
求めた値であり、実際に測定した膜厚ではない。 ・高屈折率透明薄膜層(a)であるITO薄膜は、ター
ゲットに酸化インジウム ・酸化スズ焼結体(組成比In2 O3 :SnO2=9
0:10wt%))を、スパッタガスにアルゴン・酸素
混合ガス(全圧266mPa:酸素分圧5mPa)を用
いて成膜する。 ・高屈折率透明薄膜層(a)であるITO薄膜は、ター
ゲットに酸化スズ焼結体を、スパッタガスにアルゴン・
酸素混合ガス(全圧266mPa:酸素分圧5mPa)
を用いて成膜する。 ・金属薄膜層(b)である銀薄膜は、ターゲットに銀
を、スパッタガスにアルゴンガス(全圧266mPa)
を用いて成膜する。 ・金属薄膜層(b)である銀−パラジウム合金薄膜は、
ターゲットに銀−パラジウム合金(パラジウム10wt
%)を、スパッタガスにアルゴンガス(全圧266mP
a)を用いて成膜する。 尚、透明導電層の面抵抗は、四探針測定法(プローブ間
隔1mm)により測定する。また、表面の可視光線反射
率(Rvis )は、まず測定対象物の小辺を切り出し、透
明粘着層を取り除いて高分子フィルム(A)側表面をサ
ンドペーパーで荒らした後、艶消し黒スプレーしてこの
面の反射を無くし、反射積分球(光線入射角度6゜)を
用いた(株)日立製作所製分光光度計(U−3400)
により可視領域の全光線反射率を測定し、ここで求めら
れた反射率からJISR3106に従って計算する。
する。本発明はこれらによりなんら制限されるものでは
ない。 (透明導電層の作製)実施例中の透明導電層を構成する
薄膜は、基材の一方の主面にマグネトロンDCスパッタ
リング法により成膜する。薄膜の厚さは、成膜条件から
求めた値であり、実際に測定した膜厚ではない。 ・高屈折率透明薄膜層(a)であるITO薄膜は、ター
ゲットに酸化インジウム ・酸化スズ焼結体(組成比In2 O3 :SnO2=9
0:10wt%))を、スパッタガスにアルゴン・酸素
混合ガス(全圧266mPa:酸素分圧5mPa)を用
いて成膜する。 ・高屈折率透明薄膜層(a)であるITO薄膜は、ター
ゲットに酸化スズ焼結体を、スパッタガスにアルゴン・
酸素混合ガス(全圧266mPa:酸素分圧5mPa)
を用いて成膜する。 ・金属薄膜層(b)である銀薄膜は、ターゲットに銀
を、スパッタガスにアルゴンガス(全圧266mPa)
を用いて成膜する。 ・金属薄膜層(b)である銀−パラジウム合金薄膜は、
ターゲットに銀−パラジウム合金(パラジウム10wt
%)を、スパッタガスにアルゴンガス(全圧266mP
a)を用いて成膜する。 尚、透明導電層の面抵抗は、四探針測定法(プローブ間
隔1mm)により測定する。また、表面の可視光線反射
率(Rvis )は、まず測定対象物の小辺を切り出し、透
明粘着層を取り除いて高分子フィルム(A)側表面をサ
ンドペーパーで荒らした後、艶消し黒スプレーしてこの
面の反射を無くし、反射積分球(光線入射角度6゜)を
用いた(株)日立製作所製分光光度計(U−3400)
により可視領域の全光線反射率を測定し、ここで求めら
れた反射率からJISR3106に従って計算する。
【0067】(実施例1) (透明導電性フィルムの作製)ポリエチレンテレフタレ
ート(以下PET)フィルム[巾554mm、長さ50
0m、厚さ75μm]を高分子フィルムとしてその一方
の主面に、PETフィルムから順に、ITO薄膜(膜
厚:40nm)、銀薄膜(膜厚:10nm)、ITO薄
膜(膜厚:95nm)、銀薄膜(膜厚:12nm)、I
TO薄膜(膜厚:90nm)、銀薄膜(膜厚:9n
m)、ITO薄膜(膜厚:40nm)の計7層の透明導
電層を形成し、面抵抗2.9Ω/□の透明導電層を有す
る透明導電性フィルムを作製する。断面図を図7に示
す。
ート(以下PET)フィルム[巾554mm、長さ50
0m、厚さ75μm]を高分子フィルムとしてその一方
の主面に、PETフィルムから順に、ITO薄膜(膜
厚:40nm)、銀薄膜(膜厚:10nm)、ITO薄
膜(膜厚:95nm)、銀薄膜(膜厚:12nm)、I
TO薄膜(膜厚:90nm)、銀薄膜(膜厚:9n
m)、ITO薄膜(膜厚:40nm)の計7層の透明導
電層を形成し、面抵抗2.9Ω/□の透明導電層を有す
る透明導電性フィルムを作製する。断面図を図7に示
す。
【0068】(色素の分散)酢酸エチル/トルエン(5
0:50wt%)溶剤に有機色素を分散・溶解させ、ア
クリル系粘着剤の希釈液とする。アクリル系粘着剤/色
素入り希釈液(80:20wt%)を混合し、粘着材の
原液とする。なお、粘着材の屈折率は1.51、消光係
数は0である。有機色素としては、プラズマディスプレ
イが放射する不要発光を吸収させるための波長595n
mに吸収極大を有する三井化学(株)製色素PD−31
9、及び白色発光の色度を補正するための三井化学
(株) 製赤色色素PS−Red−Gを用い、それぞれ乾
燥した粘着材1の中に1150(wt)ppm、105
0(wt)ppmで含有されるようにアクリル系粘着剤
/色素入り希釈液を調整する。
0:50wt%)溶剤に有機色素を分散・溶解させ、ア
クリル系粘着剤の希釈液とする。アクリル系粘着剤/色
素入り希釈液(80:20wt%)を混合し、粘着材の
原液とする。なお、粘着材の屈折率は1.51、消光係
数は0である。有機色素としては、プラズマディスプレ
イが放射する不要発光を吸収させるための波長595n
mに吸収極大を有する三井化学(株)製色素PD−31
9、及び白色発光の色度を補正するための三井化学
(株) 製赤色色素PS−Red−Gを用い、それぞれ乾
燥した粘着材1の中に1150(wt)ppm、105
0(wt)ppmで含有されるようにアクリル系粘着剤
/色素入り希釈液を調整する。
【0069】(粘着材層の形成)表面に易ハクリ処理が
施されたポリエチレンテレフタレートフィルム[厚さ1
00μm]上に用意した粘着材を厚みが100μmとな
るように粘着材の原液をグラビアコート法で塗布し、粘
着層を形成する。塗布面は易ハクリ処理面である。さら
に粘着層の上に表面が易ハクリ処理されたポリエチレン
テレフタレートフィルム[厚さ100μm]を貼り合
せ、ダブルタック状態にする。粘着層に易ハクリ面が接
するように貼り合せる。なお、この時用いる易ハクリ層
は最初に粘着材を塗布する面である易ハクリ層よりも易
ハクリ性が高いものを用いることが好ましい。なお、透
明粘着層の両面に位置するポリエチレンテレフタレート
フィルムは離型フィルムとして機能し、易ハクリ性が高
い方が、最初に剥がされることを想定されている。
施されたポリエチレンテレフタレートフィルム[厚さ1
00μm]上に用意した粘着材を厚みが100μmとな
るように粘着材の原液をグラビアコート法で塗布し、粘
着層を形成する。塗布面は易ハクリ処理面である。さら
に粘着層の上に表面が易ハクリ処理されたポリエチレン
テレフタレートフィルム[厚さ100μm]を貼り合
せ、ダブルタック状態にする。粘着層に易ハクリ面が接
するように貼り合せる。なお、この時用いる易ハクリ層
は最初に粘着材を塗布する面である易ハクリ層よりも易
ハクリ性が高いものを用いることが好ましい。なお、透
明粘着層の両面に位置するポリエチレンテレフタレート
フィルムは離型フィルムとして機能し、易ハクリ性が高
い方が、最初に剥がされることを想定されている。
【0070】(透明導電性フィルムへの粘着層形成)透
明導電膜/PETフィルムのPETフィルム面上に前述
により得られる透明粘着層を形成する。まず透明粘着層
の両面に貼りつけられている2枚の離型フィルムのうち
1枚を剥がし、透明積層体上に貼り合せる。構成は、透
明導電層/PETフィルム/粘着材/離型フィルムとな
る。
明導電膜/PETフィルムのPETフィルム面上に前述
により得られる透明粘着層を形成する。まず透明粘着層
の両面に貼りつけられている2枚の離型フィルムのうち
1枚を剥がし、透明積層体上に貼り合せる。構成は、透
明導電層/PETフィルム/粘着材/離型フィルムとな
る。
【0071】(AGフィルムの用意)AGフィルム[日
本油脂社製、銘柄:PET75AG−HC/PU−V、
AG層の反対面に透明粘着材層が形成されている、巾5
48mm、長さ500mm、厚さ75μm]を用意し
た。
本油脂社製、銘柄:PET75AG−HC/PU−V、
AG層の反対面に透明粘着材層が形成されている、巾5
48mm、長さ500mm、厚さ75μm]を用意し
た。
【0072】(貼合わせ)ロールツーロール方式によ
り、透明導電性フィルムとAGフィルムを貼り合わせ
た。AGフィルムにあらかじめ備わっている透明粘着材
層を介して、透明導電性フィルムの透明導電層上にAG
フィルムを貼り合わせた。以下これを積層体1と呼ぶ。
なお、フィルムの巾方向位置に関しては、それぞれのフ
ィルムの中心位置が一致するような位置とした。
り、透明導電性フィルムとAGフィルムを貼り合わせ
た。AGフィルムにあらかじめ備わっている透明粘着材
層を介して、透明導電性フィルムの透明導電層上にAG
フィルムを貼り合わせた。以下これを積層体1と呼ぶ。
なお、フィルムの巾方向位置に関しては、それぞれのフ
ィルムの中心位置が一致するような位置とした。
【0073】(電極形成)積層体1の透明導電層むき出
し部分に、ロールツーロール方式により銀ペーストを塗
布し、乾燥させた。塗布幅はそれぞれ端部より6mm、
乾燥温度は80℃とした。
し部分に、ロールツーロール方式により銀ペーストを塗
布し、乾燥させた。塗布幅はそれぞれ端部より6mm、
乾燥温度は80℃とした。
【0074】(切断)積層体1をロールから送り出しな
がら、長さ958mmとなるように切断し、シート状の
積層体2を作製した。
がら、長さ958mmとなるように切断し、シート状の
積層体2を作製した。
【0075】(電磁波漏洩防止の為の封止)積層体2を
50枚積み重ねた。積み重ねた積層体2の短辺の端面に
銀ペーストを全面に渡って塗布し、乾燥させた。
50枚積み重ねた。積み重ねた積層体2の短辺の端面に
銀ペーストを全面に渡って塗布し、乾燥させた。
【0076】(ディスプレイ用フィルタ完成)以上のよ
うにしてディスプレイ用フィルタを作製した。
うにしてディスプレイ用フィルタを作製した。
【0077】(ディスプレイ用フィルタ作製時間)透明
導電性フィルムとAGフィルムとの貼合わせ工程より、
電極形成工程までの間に要する工程時間を調べた。工程
時間はディスプレイ用フィルタ1枚あたりを作製するた
めに要する時間に換算した。
導電性フィルムとAGフィルムとの貼合わせ工程より、
電極形成工程までの間に要する工程時間を調べた。工程
時間はディスプレイ用フィルタ1枚あたりを作製するた
めに要する時間に換算した。
【0078】(プラズマディスプレイパネルへの装着)
プラズマディスプレイパネル[NEC製 PX−42V
P1]前面へ色素入り透明粘着層を介して、ディスプレ
イ用フィルタを取り付けた。プラズマディスプレイパネ
ルにあらかじめ備え付けられているコンタクトを、ディ
スプレイ用フィルタの電極部分に接触させた。全周囲に
渡って設けられている電極全てを覆うようにした。
プラズマディスプレイパネル[NEC製 PX−42V
P1]前面へ色素入り透明粘着層を介して、ディスプレ
イ用フィルタを取り付けた。プラズマディスプレイパネ
ルにあらかじめ備え付けられているコンタクトを、ディ
スプレイ用フィルタの電極部分に接触させた。全周囲に
渡って設けられている電極全てを覆うようにした。
【0079】(電磁波遮断能力評価)プラズマディスプ
レイパネルを動作させて、外部に放出される電磁波の強
度をFCC規格 Part15Jに基づいて測定し、ク
ラスA基準を満たしているかどうか調べた。
レイパネルを動作させて、外部に放出される電磁波の強
度をFCC規格 Part15Jに基づいて測定し、ク
ラスA基準を満たしているかどうか調べた。
【0080】(実施例2)以下の事項を除いて実施例1
と同様に実施した。(電極形成)において銅テープ[幅
7mm、厚さ300mμ、長さ50m]を用意した。積
層体1の両端の透明導電層むき出し部分に、ロールツー
ロール方式により銅テープを貼り合わせた。貼合わせ位
置は銅テープの端部と積層体1の端部がそろう位置とし
た。
と同様に実施した。(電極形成)において銅テープ[幅
7mm、厚さ300mμ、長さ50m]を用意した。積
層体1の両端の透明導電層むき出し部分に、ロールツー
ロール方式により銅テープを貼り合わせた。貼合わせ位
置は銅テープの端部と積層体1の端部がそろう位置とし
た。
【0081】(実施例3)以下の事項を除いて実施例1
と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において 積層体2を50枚積み重ねた。積み重ねた積層体2の短
辺側の端面に銀ペーストを全面に渡ってスプレーで吹き
付け、乾燥させた。
と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において 積層体2を50枚積み重ねた。積み重ねた積層体2の短
辺側の端面に銀ペーストを全面に渡ってスプレーで吹き
付け、乾燥させた。
【0082】(実施例4)以下の事項を除いて実施例1
と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において 銅のペーストを用いた。
と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において 銅のペーストを用いた。
【0083】(実施例5)以下の事項を除いて実施例1
と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において カーボンのペーストを用いた。
と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において カーボンのペーストを用いた。
【0084】(実施例6)以下の事項を除いて実施例1
と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において ニッケルのペーストを用いた。
と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において ニッケルのペーストを用いた。
【0085】(実施例7)以下の事項を除いて実施例1
と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において 鉄のペーストを用いた。
と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において 鉄のペーストを用いた。
【0086】(実施例8)以下の事項を除いて実施例1
と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において コバルトのペーストを用いた。
と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において コバルトのペーストを用いた。
【0087】(比較例1)以下の事項を除いて、実施例
1と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において 電磁波漏洩防止部を形成しなかった。
1と同様に実施した。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において 電磁波漏洩防止部を形成しなかった。
【0088】(比較例2)下記を除いて、実施例1と同
様に実施した。 (透明導電製フィルムの作製)において PETフィルムから順に、ITO薄膜(膜厚:40n
m)、銀薄膜(膜厚:11nm)、ITO薄膜(膜厚:
95nm)、銀薄膜(膜厚:14nm)、ITO薄膜
(膜厚:90nm)、銀薄膜(膜厚:12nm)、IT
O薄膜(膜厚:40nm)の計7層の透明導電層を形成
し、面抵抗2.3Ω/□の透明導電層を有する透明導電
性フィルムを作製する。 (電磁波漏洩防止部形成)において 電磁波漏洩防止部を形成しなかった。
様に実施した。 (透明導電製フィルムの作製)において PETフィルムから順に、ITO薄膜(膜厚:40n
m)、銀薄膜(膜厚:11nm)、ITO薄膜(膜厚:
95nm)、銀薄膜(膜厚:14nm)、ITO薄膜
(膜厚:90nm)、銀薄膜(膜厚:12nm)、IT
O薄膜(膜厚:40nm)の計7層の透明導電層を形成
し、面抵抗2.3Ω/□の透明導電層を有する透明導電
性フィルムを作製する。 (電磁波漏洩防止部形成)において 電磁波漏洩防止部を形成しなかった。
【0089】(比較例3)下記を除いて、実施例1と同
様に実施した。 (貼合わせ)及び(切断) 透明導電性フィルムをロールから繰り出しながら、長さ
958mmのシートに枚葉方式により切断した。透明導
電性フィルムの透明導電層上にAGフィルムを1枚1枚
枚葉方式により貼り合わせた。AGフィルムは952m
mの長さに切り出し、外周部分に3mmの透明導電層む
き出し部分が生じるように貼り合わせた。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において 電磁波漏洩防止部を形成しなかった。以上の結果を表1
に掲げた。
様に実施した。 (貼合わせ)及び(切断) 透明導電性フィルムをロールから繰り出しながら、長さ
958mmのシートに枚葉方式により切断した。透明導
電性フィルムの透明導電層上にAGフィルムを1枚1枚
枚葉方式により貼り合わせた。AGフィルムは952m
mの長さに切り出し、外周部分に3mmの透明導電層む
き出し部分が生じるように貼り合わせた。 (電磁波漏洩防止の為の封止)において 電磁波漏洩防止部を形成しなかった。以上の結果を表1
に掲げた。
【0090】
【表1】
【0091】表1からわかる通り本発明により得られる
ディスプレイ用フィルタは、従来のタイプに比較して面
抵抗が高い透明導電層を用いても、高い生産性及び十分
な電磁波遮断能力を合わせ持つものとなることがわか
る。
ディスプレイ用フィルタは、従来のタイプに比較して面
抵抗が高い透明導電層を用いても、高い生産性及び十分
な電磁波遮断能力を合わせ持つものとなることがわか
る。
【0092】
【発明の効果】上記に示したように本発明によれば高い
生産性及ぶ高い電磁波遮断能力を有するディスプレイ用
フィルタを提供することができる。
生産性及ぶ高い電磁波遮断能力を有するディスプレイ用
フィルタを提供することができる。
【図1】本発明におけるディスプレイ用フィルタの構成
例を示す平面図
例を示す平面図
【図2】図1に示したディスプレイ用フィルタの断面図
【図3】図1に示したディスプレイ用フィルタの断面図
【図4】従来のディスプレイ用フィルタの平面図
【図5】図4に示したディスプレイ用フィルタの断面図
【図6】プラズマディスプレイパネルに装着された従来
のディスプレイ用フィルタの断面図
のディスプレイ用フィルタの断面図
【図7】本願発明の透明導電層の一例を示す断面図
10 透明導電層 20 高分子フィルム 30 AGフィルム 40 色素入り粘着層 50 透明粘着層 60 電極 70 プラズマディスプレイパネル 80 透明導電層 90 透明高分子フィルム 100 コンタクト 110 電磁波 120 高屈折率透明薄膜層 130 銀又は銀合金薄膜層 140 電磁波遮断部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 1/11 G02F 1/1335 500 5/22 G02B 1/10 Z G02F 1/1335 500 A (72)発明者 福田 伸 千葉県袖ヶ浦市長浦580−32 三井化学株 式会社内 Fターム(参考) 2H048 CA01 CA04 CA14 CA19 2H091 FA01X FA34X FA37X FD15 FD24 GA02 GA17 LA08 LA12 2K009 AA02 AA15 CC01 CC03 CC14 DD01 DD02 DD03 DD04 DD05 EE01 EE03 4F100 AA25E AA28E AB01D AB17E AB24E AB25E AB31E AK01C AR00B AR00D AR00E BA04 BA05 BA07 BA10A BA10B CA13A CA13B CA13C CA13D CA13E CC00E DB01D GB41 JG01D JG04 JG04D JG10E JL13B JM02E JN01A JN01B JN01D JN06A JN18D JN30A 5G435 AA14 AA16 BB06 BB12 GG11 GG33
Claims (25)
- 【請求項1】 反射防止性及び/又は防眩性の機能を有
する機能性透明層(A)、透明粘着層(C)、高分子フ
ィルム(B)及び透明導電層(D)からなる長方形のデ
ィスプレイ用フィルタであって、A/D/B/Cの順に
積層され、機能性透明層(A)の端面の少なくとも一部
が封止されていることを特徴とするディスプレイ用フィ
ルタ。 - 【請求項2】 少なくとも1辺の端部の透明導電層
(D)上に機能性透明層(A)が存在しない部分を有
し、透明導電層(D)上の該部分に電極層(E)が直接
形成されており、残りの辺の機能性透明層(A)の端面
は封止されていることを特徴とする請求項1に記載のデ
ィスプレイ用フィルタ。 - 【請求項3】 透明導電層(D)上に電極層(E)が直
接形成されている部分が、互いに向かい合う2辺である
ことを特徴とする請求項2に記載のディスプレイ用フィ
ルタ。 - 【請求項4】 互いに向かい合う2辺が、長辺であるこ
とを特徴とする請求項3に記載のディスプレイ用フィル
タ。 - 【請求項5】 導電材料により封止されていることを特
徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のディスプレイ
用フィルタ。 - 【請求項6】 銀、金、銅、パラジウム、白金、チタ
ン、カーボンの中から選ばれる少なくとも一つを主成分
とする導電材料により封止されていることを特徴とする
請求項5に記載のディスプレイ用フィルタ。 - 【請求項7】 磁性材料により封止されていることを特
徴とする請求項1乃至4いずれかに記載のディスプレイ
用フィルタ。 - 【請求項8】 鉄、ニッケル、コバルトの中から選ばれ
るいずれか一つを主成分とする磁性材料であることを特
徴とする請求項7に記載のディスプレイ用フィルタ。 - 【請求項9】 ペースト材料を用いて封止されているこ
とを特徴とする請求項5乃至8いずれかに記載のディス
プレイ用フィルタ。 - 【請求項10】 透明導電層(D)の面抵抗が0.01
以上30Ω/□以下であることを特徴とする請求項1乃
至8いずれかに記載のディスプレイ用フィルタ。 - 【請求項11】 透明導電層(D)が高屈折率透明薄膜
層(Dt)及び金属薄膜層(Dm)の組み合わせ(D
t)/(Dm)を繰り返し単位として2回以上4回以下
繰り返して積層され、さらにその上に高屈折率薄膜層
(Dt)が積層されていることを特徴とする請求項10
に記載のディスプレイ用フィルタ。 - 【請求項12】 複数の高屈折率透明薄膜層(Dt)の
うち少なくとも一つの層が、インジウムとスズ及び亜鉛
のいずれか1種以上を主成分とする酸化物で形成されて
いることを特徴とする請求項11に記載のディスプレイ
用フィルタ。 - 【請求項13】 複数の金属薄膜層(Dm)のうち少な
くとも一つの層が、銀又は銀合金で形成されていること
を特徴とする請求項11又は12に記載のディスプレイ
用フィルタ。 - 【請求項14】 機能性透明層(A)と高分子フィルム
(B)との間に粘着層(G)が設けられていることを特
徴とする請求項1乃至13いずれかに記載のディスプレ
イ用フィルタ。 - 【請求項15】 高分子フィルムの両面又は片面に、ハ
ードコート層(F)が形成されていることを特徴とする
請求項1乃至14のいずれかに記載のディスプレイ用フ
ィルタ。 - 【請求項16】 機能性透明層(A)、高分子フィルム
(B)、透明粘着層(C)、透明導電層(D)、粘着層
(G)及びハードコート層(F)のうち少なくとも1つ
の層に、1種以上の色素が含有していることを特徴とす
る請求項1乃至15いずれかに記載のディスプレイ用フ
ィルタ。 - 【請求項17】 波長570〜605nmの範囲に吸収
極大を有することを特徴とする請求項16に記載のディ
スプレイ用フィルタ。 - 【請求項18】 テトラアザポルフィリン化合物からな
る色素であることを特徴とする請求項17に記載のディ
スプレイ用フィルタ。 - 【請求項19】 電極層(E)が、銀、銅、金、白金、
パラジムの中から選ばれる少なくとも1つの材料を主成
分とするペースト状材料又はテープ状材料からなること
を特徴とする請求項1乃至18いずれかに記載のディス
プレイ用フィルタ。 - 【請求項20】 機能性透明層(A)を有するフィルム
ロールと、それよりも幅が広く、透明導電層(D)を有
する高分子フィルム(B)とをロールツーロール方式で
貼り合わせることを特徴とする請求項1乃至19いずれ
かに記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。 - 【請求項21】 機能性透明層(A)を有するフィルム
ロールと透明導電層(D)を有する高分子フィルム
(B)との貼り合わせ体に、ロールツーロール方式によ
り、電極層(E)を形成することを特徴とする請求項2
0に記載のディスプレイ用フィルタの製造方法。 - 【請求項22】 機能性透明層(A)を有するフィル
ムロールと透明導電層(D)を有する高分子フィルム
(B)との貼り合わせ体を所望の寸法に切断したのち、
それらを複数枚数重ねて、その端部にペースト状材料を
塗布することにより、一括して機能性透明層(A)の端
面を封止することを特徴とする請求項20又は21に記
載のディスプレイフィルタの製造方法。 - 【請求項23】 請求項1乃至19いずれかに記載のデ
ィスプレイ用フィルタを具備していることを特徴とする
プラズマディスプレイパネル。 - 【請求項24】 電極層(E)と表示装置のグランド導
体とが電気的に接続していることを特徴とする請求項2
3に記載のプラズマディスプレイパネル。 - 【請求項25】 プラズマディスプレイに装着されたデ
ィスプレイ用フィルタの外周部分において、その最表面
部分が全周囲に渡って表示装置のグランド導体と接触し
ていることを特徴とする請求項23又は24に記載のプ
ラズマディスプレイパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001125185A JP2002318544A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | ディスプレイ用フィルタ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001125185A JP2002318544A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | ディスプレイ用フィルタ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002318544A true JP2002318544A (ja) | 2002-10-31 |
Family
ID=18974447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001125185A Pending JP2002318544A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | ディスプレイ用フィルタ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002318544A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004304373A (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-28 | Mitsui Chemicals Inc | ディスプレイ用フィルタ及びその製造方法 |
US7973875B2 (en) | 2005-08-24 | 2011-07-05 | Toray Advanced Film Co., Ltd | Flat-panel display member and its manufacturing method and flat-panel display and its manufacturing method |
-
2001
- 2001-04-24 JP JP2001125185A patent/JP2002318544A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004304373A (ja) * | 2003-03-28 | 2004-10-28 | Mitsui Chemicals Inc | ディスプレイ用フィルタ及びその製造方法 |
US7973875B2 (en) | 2005-08-24 | 2011-07-05 | Toray Advanced Film Co., Ltd | Flat-panel display member and its manufacturing method and flat-panel display and its manufacturing method |
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