JP2009139893A - プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートとこれを用いたプラズマディスプレイ用前面フィルターおよびこれを用いたプラズマディスプレイ - Google Patents

プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートとこれを用いたプラズマディスプレイ用前面フィルターおよびこれを用いたプラズマディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】 良好な透明性を有し近赤外線やNe成分の発光等の遮蔽性に優れ、かつ、コントラスト向上に優れるコントラスト向上シートと、これらの機能とともに良好な電磁波遮蔽性を具備する前面フィルタと、画像品質に優れ製造コストの低減も可能なプラズマディスプレイを提供する。
【解決手段】 プラズマディスプレイ用のコントラスト向上シートを、透明フィルム基材(2)の一方の面に順次積層された透明樹脂層(3)とバリア層(6)と近赤外線・Ne光遮蔽粘着層(7)とを備えたものとし、透明樹脂層(3)は黒色樹脂(5)が充填された溝部(4)を備え、バリア層(6)は透明樹脂層や黒色樹脂を構成する成分が近赤外線・Ne光遮蔽粘着層へ移行するのを防止するものとし、近赤外線・Ne光遮蔽粘着層(7)は粘着剤に少なくとも近赤外線吸収用の色素、Ne光吸収用の色素を含有したものとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルからの近赤外線やNe成分の発光を遮蔽し、かつ、コントラストを向上するためのコントラスト向上シートと、プラズマディスプレイパネルからの電磁波を遮蔽するための前面フィルターと、これを用いたプラズマディスプレイに関する。
近年、画像表示媒体の大型化、薄型化に対する要求が高まり、これに対応可能な表示媒体としてプラズマディスプレイパネル(PDP)が急速に市場を伸ばしつつある。しかし、プラズマディスプレイパネルはキセノンやヘリウムの不活性ガス放電を利用するため、波長800〜1000nmの近赤外線を放出する。このような近赤外線は、コードレス電話、赤外線方式のリモートコントローラー等の誤作動を引き起こす可能性がある。また、不活性ガスに含まれるNe成分のオレンジ色の発光(Ne光)による色純度の低下が生じるという問題があった。
また、プラズマディスプレイパネルは、外部が明るい条件、すなわち明室条件では、コントラストが不十分となり画像品質が低下するという問題があった。
さらに、プラズマディスプレイパネルは高輝度な表示特性が得られるものの、強度の電磁波を放出し、各種の計器類や人体に対して障害を及ぼすことが示唆されつつある。
このような問題を解消するために、上記のような電磁波や近赤外線、Ne光の放出を抑え、また、明室でのコントラストを向上させることができる前面フィルターに対する要望が高まっており、例えば、コントラストを向上させるための層として、樹脂層中に楔形のブラックマトリックスを有する外光遮蔽層を備えた多層構造の前面フィルターが開発されている(特許文献1)。
特開2006−189867号公報
しかし、従来の前面フィルターは、電磁波を遮蔽するための層、近赤外線を遮蔽するための層、Ne光を遮蔽するための層、外光を遮蔽してコントラストを向上させるための層(外光遮蔽層)を粘着層を介して樹脂フィルムに積層した構造であるため、光透過率の低下を来たし、また、層構成が複雑であるため、製造コストの低減に限界があった。
このため、異なる機能を発現する層を1つの層に集約して構成する層の数を少なくすることが考えられる。しかし、例えば、近赤外線を遮蔽するための層とNe光を遮蔽するための層とを兼ねた近赤外線・Ne光遮蔽層を外光遮蔽層に設けて構成する層の数を少なくする場合、外光遮蔽層を構成する紫外線硬化型樹脂材料に含有される重合開始剤から発生するラジカルによって近赤外線やNe光を吸収するための色素が劣化するという問題があり、層構成が簡便で優れた機能を発現する前面フィルターに対する要望が高まっている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、良好な透明性を有し近赤外線やNe成分の発光等の遮蔽性に優れ、かつ、コントラスト向上に優れるコントラスト向上シートと、これらの機能とともに良好な電磁波遮蔽性を具備する前面フィルターと、画像品質に優れ製造コストの低減も可能なプラズマディスプレイを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明のプラズマディスプレイ用コントラスト向上シートは、透明フィルム基材と、該透明フィルム基材の一方の面に順次積層された透明樹脂層とバリア層と近赤外線・Ne光遮蔽粘着層とを備え、該透明樹脂層は該バリア層との界面側に溝部を備え、該溝部には黒色樹脂が充填されており、前記バリア層は前記透明樹脂層や前記黒色樹脂を構成する成分が前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層へ移行するのを防止するものであり、前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層は粘着剤に少なくとも近赤外線吸収用の色素およびNe光吸収用の色素を含有したものであるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記バリア層は、真空成膜法により形成された無機薄膜であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記バリア層は、湿式塗布法により形成された有機薄膜、あるいは、ゾルゲル法により形成された無機薄膜であるような構成とした。
また、本発明のプラズマディスプレイ用コントラスト向上シートは、透明フィルム基材と、該透明フィルム基材の一方の面に順次積層された透明樹脂層と粘着層とを備え、該透明樹脂層は該粘着層との界面側に溝部を備え、該溝部には黒色樹脂が充填されており、前記粘着層は前記透明樹脂層との界面側に位置するバリア粘着層と該バリア粘着層に積層された近赤外線・Ne光遮蔽粘着層とを有し、前記バリア粘着層は前記透明樹脂層や前記黒色樹脂を構成する成分が前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層へ移行するのを防止するものであり、前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層は粘着剤に少なくとも近赤外線吸収用の色素およびNe光吸収用の色素を含有したものであり、前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層には離型性基材が剥離可能に配設されているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記バリア粘着層は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂の少なくともいずれか1種であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記溝部は、相互に平行な複数の溝部、あるいは、格子形状に形成された溝部であるような構成とした。
本発明のプラズマディスプレイ用前面フィルターは、上述のいずれかのプラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記透明樹脂層が形成されていない前記透明フィルム基材面に、電磁波遮蔽層を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記電磁波遮蔽層は、透明基材と、該透明基材上に設けられた導電体パターンを有し、前記透明基材の該導電体パターンが配設されていない面が前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記透明フィルム基材に粘着層を介して固着されているような構成、前記導電体パターンは表面に導電性黒色被膜を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記電磁波遮蔽層は、透明基材と透明樹脂層とを備え、該透明樹脂層は前記透明基材と反対側の面に、相互に平行な複数の溝部、あるいは、格子形状に形成された溝部を備え、該溝部には導電材が充填されており、前記透明基材が前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記透明フィルム基材に粘着層を介して固着されているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記電磁波遮蔽層は、透明基材と、該透明基材上に形成された誘電体膜と導電膜との複合膜を備え、前記透明基材が前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記透明フィルム基材に粘着層を介して固着されているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記電磁波遮蔽層上に反射防止層を最外層となるように有するような構成とした。
また、本発明のプラズマディスプレイ用前面フィルターは、上述のいずれかのプラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層に電磁波遮蔽層を固着してなるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記電磁波遮蔽層は、透明基材と、該透明基材上に設けられた導電体パターンを有し、前記透明基材の該導電体パターンが配設されている面が前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層に固着されているような構成、前記導電体パターンは表面に導電性黒色被膜を有するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記電磁波遮蔽層は、透明基材と透明樹脂層とを備え、該透明樹脂層は前記透明基材と反対側の面に、相互に平行な複数の溝部、あるいは、格子形状に形成された溝部を備え、該溝部には導電材が充填されており、前記透明樹脂層が前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層に固着されているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記電磁波遮蔽層は、透明基材と、該透明基材上に形成された誘電体膜と導電膜との複合膜を備え、前記複合膜が前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層に固着されているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記透明フィルム基材上に反射防止層を最外層となるように有するような構成とした。
本発明のプラズマディスプレイは、平行に対向して配設された前面板および背面板と、前記前面板と背面板との間に形成された多数のセルとを有するプラズマディスプレイパネルと、該プラズマディスプレイパネルの前面板側に配設された前面フィルターとを備え、該前面フィルターは上述の本発明のプラズマディスプレイ用前面フィルターであり、前面フィルターの透明樹脂層側をプラズマディスプレイパネルの前面板に対向するように配設されているような構成とした。
本発明の他の態様として、前記前面板と前記前面フィルターとの間に他の基材が介在するような構成とした。
本発明の他の態様として、前記基材は、前記前面板と空間を設けて配設されたガラス基板であるような構成とした。
本発明のコントラスト向上シートでは、透明樹脂層の溝部に位置する黒色樹脂が、外部からの入射光を有効に吸収してプラズマディスプレイのコントラストを向上させる機能を発現するとともに、従来の前面フィルターでは個々の層として存在していた近赤外線を遮蔽するための層とNe光を遮蔽するための層と粘着層とが1つの層(近赤外線・Ne光遮蔽粘着層)に集約されて形成されているので、層構成が極めて簡便なものとなり、したがって、光透過率が高く、同時に、製造コストの低減が可能となるとともに、バリア層あるいはバリア粘着層が、透明樹脂層や黒色樹脂から前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層への成分の移行を阻害するので、近赤外線やNe光を吸収するための色素の劣化が防止され、近赤外線・Ne光遮蔽機能を安定して発現することができる。
また、本発明の前面フィルターでは、上記のコントラスト向上機能と近赤外線・Ne光遮蔽機能に加えて優れた電磁波遮蔽機能を発現することが可能となり、かつ、同じ機能を具備した従来の前面フィルターに比べて層構成が簡便であるため、光透過率が高く、同時に、製造コストの低減が可能となる。さらに、反射防止層を最外層となるように有する場合には、更に反射防止機能を発現することが可能となる。
また、本発明のプラズマディスプレイは、電磁波、近赤外線およびNe光の放出が抑制され、かつ、明室条件でのコントラストが高く画像品質に優れるものである。そして、使用する前面フィルターが最外層に反射防止層を備える場合には、外光の影響を抑制して、より高品質の画像表示が可能となる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[コントラスト向上シート]
(第1の実施形態)
図1は、本発明のプラズマディスプレイ用のコントラスト向上シートの一実施形態を示す部分断面図である。図1において、コントラスト向上シート1は、透明フィルム基材2と、この透明フィルム基材2の一方の面2aに順次積層された透明樹脂層3、バリア層6、近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7と、この近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7に剥離可能に配設された離型性基材8を備えたものである。また、コントラスト向上シート1を構成する透明樹脂層3は、バリア層6との界面側の面3aに溝部4を備えており、この溝部4には、黒色樹脂5が充填されている。
本発明のコントラスト向上シート1を構成する透明フィルム基材2は、適度な透明性と耐熱性を有していることが必要であり、例えば、透明性は波長400nmでの光線透過率が80%以上であり、また、耐熱性はガラス転移温度が65℃以上であることが好ましい。使用する透明フィルム基材2の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、ノルボルネン、ポリアリレート、フッ素系樹脂(PTFE、CTFE、ETFE)、透明ポリイミド、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニルスルフォン、トリアセチルセルロース等が挙げられる。また、透明フィルム基材2の厚みは特に制限されないが、機械的強度の点から50〜300μm、好ましくは75〜200μm程度の範囲のものが使用される。
本発明のコントラスト向上シート1を構成する透明樹脂層3は、適度な透明性と耐熱性を有していることが必要であり、例えば、透明性は波長400nmでの光線透過率が80%以上であり、また、耐熱性はガラス転移温度が90℃以上であることが好ましい。このような透明樹脂層3としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、もしくはポリアミド樹脂等を挙げることができ、透明フィルム基材2との密着性等を考慮して適宜選択することができる。また、透明樹脂層3の厚みは特に制限されないが、溝部4に形成される黒色樹脂によるコントラスト向上機能を有効に発現させる点から50〜500μm、好ましくは100〜200μm程度の範囲で設定することができる。
透明樹脂層3の形成される溝部4は、相互に平行な複数の溝部であってもよく、また、格子形状の溝部であってもよい。また、溝部4の断面形状は、図示例では楔形であるが、これに限定されるものではなく、例えば、図2(A)、図2(B)、図2(C)に示すような断面形状とすることができる。このような溝部4の深さD1は75〜300μm、好ましくは100〜150μm、幅W1は10〜80μm、好ましくは15〜40μm、また、ピッチP1は50〜300μm、好ましくは50〜100μmの範囲で適宜設定することができる。溝部4の寸法が上記のような範囲から外れると、コントラストを向上させる機能が不十分となったり、コントラスト向上シート1の光透過率が低下するので好ましくない。
溝部4内に位置する黒色樹脂5は、コントラストを向上させる機能を発現するものであり、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、もしくはポリアミド樹脂等の樹脂材料にカーボンブラック等の黒色顔料または黒色染料を添加したものを使用することができる。
本発明のコントラスト向上シート1を構成するバリア層6は、透明樹脂層3や黒色樹脂5を構成する成分が近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7へ移行するのを防止するものである。すなわち、透明樹脂層3や黒色樹脂5に含有される重合開始剤から発生するラジカルによって、近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7に含有される近赤外線やNe光を吸収するための色素が劣化するのを防止するものである。
このようなバリア層6としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等の真空成膜法により形成された、酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化マグネシウム等の酸化物、窒化シリコン等の窒化物、窒化酸化シリコン等の窒化酸化物の無機薄膜とすることができる。このような無機薄膜からなるバリア層6の厚みは、例えば、50〜1000nm程度の範囲で適宜設定することができる。
また、バリア層6を、湿式塗布法により形成された有機薄膜、あるいは、ゾルゲル法により形成された有機−無機ハイブリット薄膜、無機薄膜とすることもできる。上記の有機薄膜としては、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ノルボルネン系樹脂、4−メチルペンテン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂、ポリアクリレート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、もしくはマレイン酸樹脂等を挙げることができる。また、有機−無機ハイブリッド薄膜としては、ポリシロキサンオリゴマー等と有機ポリマー等とからなるゾルゲル材料、無機薄膜としてはポリシロキサンオリゴマー等からなるゾルゲル材料等を挙げることができる。このようなバリア層6の厚みは、例えば、0.5〜10μm程度の範囲で適宜設定することができる。
バリア層6の厚みが上記の範囲未満であると、バリア機能が不十分となり、近赤外線吸収用の色素、Ne光吸収用の色素に劣化が生じるおそれがある。また、バリア層6の厚みが上記の範囲を超えると、透明性が低下したり、膜が脆くなることがあり、さらに、材料コストの増大を来たすので好ましくない。
本発明のコントラスト向上シート1を構成する近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7は、粘着剤に少なくとも近赤外線吸収用の色素およびNe光吸収用の色素を含有したものである。
近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7に使用する粘着剤としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
また、近赤外線吸収用の色素は、800〜1100nmの波長域の光に対する吸収性を有する材料であり、例えば、ジインモニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、等を挙げることができる。このような近赤外線吸収用の色素の近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7における含有量は、例えば、1〜20重量%の範囲で適宜設定することができる。
また、Ne光吸収用の色素は、Neの発光スペクトル帯域である570〜600nmの波長領域に吸収極大を有する色素を使用することができ、例えば、アザポルフィリン系、シアニン系、アゾ系等を挙げることができる。このようなNe光吸収用の色素の近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7における含有量は、例えば、0.01〜4重量%の範囲で適宜設定することができる。
このような近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7の厚みは、例えば、5〜100μm、好ましくは10〜50μmの範囲で適宜設定することができる。
また、コントラスト向上シート1を構成する離型性基材8は、近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7に対する粘着性がバリア層6よりも低く、かつ、安易に剥離脱落しないものであれば特に制限はなく、例えば、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリプロピレン、ポリエチレン系等を挙げることができる。尚、本発明のコントラスト向上シート1は、離型性基材8の代わりに、近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7から剥離しないような基材を備えるものであってもよい。
このようなコントラスト向上シート1は、透明樹脂層3の溝部4に位置する黒色樹脂5が、外部からの入射光を有効に吸収してプラズマディスプレイのコントラストを向上させる機能を発現するとともに、従来の前面フィルターでは個々の層として存在していた近赤外線を遮蔽するための層とNe光を遮蔽するための層と粘着層とが、1つの層(近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7)に集約されて形成されているので、構成する層の数が少なく、したがって、光透過率が高く、同時に、製造コストの低減が可能となる。また、バリア層6が透明樹脂層3や黒色樹脂5から近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7へのラジカルの移行を阻害するので、近赤外線やNe光を吸収するための色素の劣化が防止され、近赤外線・Ne光遮蔽機能を安定して発現することができる。
ここで、上述のコントラスト向上シート1の製造方法の一例を図3を参照しながら説明する。
まず、透明フィルム基材2上に透明樹脂層用の放射線硬化型の樹脂組成物を塗布して透明樹脂塗膜3′を形成し、この透明樹脂塗膜3′に溝部形成用の金型9を押圧する(図3(A))。この状態で透明フィルム基材2側から放射線を照射して透明樹脂塗膜3′を硬化させ、その後、金型9を取り外して、複数の溝部4を備えた透明樹脂層3を形成する(図3(B))。
次いで、透明樹脂層3上に放射線硬化型の黒色樹脂組成物を塗布し、ドクターで余分な黒色樹脂組成物を掻き取って、溝部4に黒色樹脂組成物を充填し、その後、放射線を照射して硬化させる。これにより、黒色樹脂5が、断面楔形の溝部4に充填される。次に、この透明樹脂層3上に、真空成膜法、湿式塗布法、あるいは、ゾルゲル法によりバリア層6を形成する(図3(C))。
これとは別に、離型性基材8上に近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7を設けたシートを形成する(図3(D))。次いで、この近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7をバリア層6に密着するようにラミネートすることにより、本発明のコントラスト向上シート1が得られる(図3(E))。
(第2の実施形態)
図4は、本発明のプラズマディスプレイ用のコントラスト向上シートの他の実施形態を示す部分断面図である。図4において、コントラスト向上シート11は、透明フィルム基材12と、この透明フィルム基材12の一方の面12aに順次積層された透明樹脂層13、粘着層17と、この粘着層17に剥離可能に配設された離型性基材18を備えたものである。また、コントラスト向上シート1を構成する透明樹脂層13は、粘着層17との界面側の面13aに溝部14を備えており、この溝部14には、黒色樹脂15が充填されている。また、粘着層17は、透明樹脂層13との界面側に位置するバリア粘着層17Aと、このバリア粘着層17Aに積層された近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bとからなっている。
本発明のコントラスト向上シート11を構成する透明フィルム基材12、透明樹脂層13、溝部14、黒色樹脂15、および、離型性基材18は、上述の実施形態のコントラスト向上シート1を構成する透明フィルム基材2、透明樹脂層3、溝部4、黒色樹脂5、および、離型性基材8と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
本発明のコントラスト向上シート11を構成するバリア粘着層17Aは、透明樹脂層13や黒色樹脂15を構成する成分が近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bへ移行するのを防止するものである。すなわち、透明樹脂層13や黒色樹脂15に含有される重合開始剤から発生するラジカルによって、近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bに含有される近赤外線やNe光を吸収するための色素が劣化するのを防止するものである。
このようなバリア粘着層17Aとしては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。また、バリア粘着層17Aの厚みは、例えば、1〜100μm程度の範囲で適宜設定することができる。バリア粘着層17Aの厚みが1μm未満であると、バリア機能が不十分となり、近赤外線吸収用の色素、Ne光吸収用の色素に劣化が生じるおそれがある。また、バリア粘着層17Aの厚みが100μmを超えると、透明性が低下したり、コントラスト向上シートの総厚が大きくなって前面フィルターが厚膜となり好ましくない。
尚、このようなバリア粘着層17Aを、近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bを構成する粘着剤と同じ粘着剤により形成してもよい。この場合、バリア粘着層17Aを構成する粘着剤の架橋密度を、近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bを構成する粘着剤の架橋密度より高いものとすることが好ましい。また、バリア粘着層17Aには、近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bを構成する近赤外線吸収用の色素およびNe光吸収用の色素が含有されていてもよい。このようにバリア粘着層17Aに含有される色素は、透明樹脂層13や黒色樹脂15に含有される重合開始剤から発生するラジカルによって劣化するおそれがあるが、本発明のコントラスト向上シート11では、近赤外線・Ne光遮蔽機能が近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bによって安定して発現されるので、問題とはならない。また、バリア粘着層17Aに近赤外線吸収用の色素およびNe光吸収用の色素が含有されている場合、色素の含有濃度はバリア粘着層17A中において一定であってもよく、また、透明樹脂層13から近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17B方向へ徐々に含有濃度が変化するものであってもよい。
コントラスト向上シート11を構成する近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bは、上述の実施形態における近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7と同様とすることができ、ここでの説明は省略する。
このようなコントラスト向上シート11は、透明樹脂層13の溝部14に位置する黒色樹脂15が、外部からの入射光を有効に吸収してプラズマディスプレイのコントラストを向上させる機能を発現するとともに、従来の前面フィルターでは個々の層として存在していた近赤外線を遮蔽するための層とNe光を遮蔽するための層と粘着層とが、1つの層(近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17B)に集約されて形成されているので、構成する層の数が少なく、したがって、光透過率が高く、同時に、製造コストの低減が可能となる。また、バリア粘着層17Aが透明樹脂層13や黒色樹脂15から近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bへのラジカルの移行を阻害するので、近赤外線やNe光を吸収するための色素の劣化が防止され、近赤外線・Ne光遮蔽機能を安定して発現することができる。
ここで、上述のコントラスト向上シート11の製造方法の一例を図5を参照しながら説明する。
まず、上述のコントラスト向上シート1の製造と同様にして、透明フィルム基材2上に、溝部14を備えた透明樹脂層13を形成する(図5(A))。
次いで、透明樹脂層13上に放射線硬化型の黒色樹脂組成物を塗布し、ドクターで余分な黒色樹脂組成物を掻き取って、溝部14に黒色樹脂組成物を充填し、その後、放射線を照射して硬化させる。これにより、黒色樹脂15が、断面楔形の溝部14に充填される(図5(B))。
これとは別に、離型性基材18上に近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bとバリア粘着層17Aの積層からなる粘着層17を設けたシートを形成する(図5(C))。粘着層17の形成は、例えば、粘着剤に所望の近赤外線吸収用の色素、Ne光吸収用の色素等を含有した組成物と、バリア粘着層用の組成物を用いて、バーコーター、リバースコーター、グラビアコーター等の塗布装置により行うことができる。
次いで、上記のシートのバリア粘着層17Aを透明樹脂層13に密着するようにラミネートすることにより、本発明のコントラスト向上シート11が得られる(図5(D))。
上述のコントラスト向上シートは例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
[前面フィルター]
(第1の実施形態)
本実施形態の前面フィルターは、本発明のコントラスト向上シートの透明フィルム基材に電磁波遮蔽層を有するものである。
図6は、このような前面フィルターの一実施形態を示す部分断面図である。図6において、前面フィルター21は、本発明のプラズマディスプレイ用コントラスト向上シート1の透明フィルム基材2に、粘着層23を介して電磁波遮蔽層22を備えるものである。
前面フィルター21を構成する電磁波遮蔽層22は、十分な電磁波遮蔽機能を発現するために、そのシート抵抗は0.001〜2Ω/□の範囲であることが好ましい。尚、シート抵抗は三菱化学(株)製ロレスタを用いて4端子法により測定する。
また、粘着層23は、透明フィルム基材2と電磁波遮蔽層22とを固着できるものであれば、その種類等には特に制限はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を使用することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態の前面フィルターも、上述の実施形態と同様に、本発明のコントラスト向上シートの透明フィルム基材に電磁波遮蔽層を有するものである。
図7は、このような前面フィルターの実施形態を示す部分断面図である。図7において、前面フィルター31は、本発明のプラズマディスプレイ用コントラスト向上シート11の透明フィルム基材12に、粘着層33を介して電磁波遮蔽層32を備えるものである。
前面フィルター31を構成する電磁波遮蔽層32は、十分な電磁波遮蔽機能を発現するために、そのシート抵抗は0.001〜2Ω/□の範囲であることが好ましい。
また、粘着層33は、上述の粘着層23と同様とすることができる。
(第3の実施形態)
本実施形態の前面フィルターは、本発明のコントラスト向上シートの近赤外線・Ne光遮蔽粘着層に電磁波遮蔽層を固着して備えるものである。
図8は、このような前面フィルターの実施形態を示す部分断面図である。図8において、前面フィルター41は、本発明のプラズマディスプレイ用コントラスト向上シート1の近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7に電磁波遮蔽層42を備えるものである。
前面フィルター41を構成する電磁波遮蔽層42は、十分な電磁波遮蔽機能を発現するために、そのシート抵抗は0.001〜2Ω/□の範囲であることが好ましい。
(第4の実施形態)
本実施形態の前面フィルターも、上述の第3の実施形態と同様に、本発明のコントラスト向上シートの近赤外線・Ne光遮蔽粘着層に電磁波遮蔽層を固着して備えるものである。
図9は、このような前面フィルターの実施形態を示す部分断面図である。図9において、前面フィルター51は、本発明のプラズマディスプレイ用コントラスト向上シート11の近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bに電磁波遮蔽層52を備えるものである。
前面フィルター51を構成する電磁波遮蔽層52は、十分な電磁波遮蔽機能を発現するために、そのシート抵抗は0.001〜2Ω/□の範囲であることが好ましい。
次に、上述の前面フィルター21、31、41、51を構成する電磁波遮蔽層22、32、42、52について説明する
本発明の前面フィルター21を構成する電磁波遮蔽層22は、例えば、図10に示されるように、透明基材24と、この透明基材24上に設けられた導電体パターン25を有するものとすることができる。この電磁波遮蔽層22は、透明基材24の導電体パターン25が配設されていない面24aがコントラスト向上シート1の透明フィルム基材2に粘着層23を介して固着される。
電磁波遮蔽層22を構成する透明基材24は、適度な透明性と耐熱性を有していることが必要であり、例えば、透明フィルム基材2と同様の材料を使用することができ、厚みは、例えば、20〜200μmの範囲で適宜設定することができる。また、導電体パターン25は、格子形状、相互に平行は複数のストライプ形状等とすることができ、導電体パターン25の幅W2は5〜50μm、好ましくは10〜30μm、また、ピッチP2は100〜500μm、好ましくは150〜350μmの範囲で適宜設定することができる。
ここで、図10に示されるような電磁波遮蔽層22の導電体パターン25の形成について説明する。
導電体パターン25は、例えば、透明基材24上の導電体層を形成し、この導電体層上に所望のレジストパターンを設け、次いで、このレジストパターンをマスクとして導電体層をエッチングし、レジストパターンを剥離することにより形成することができる。また、形成した導電体パターン25上に黒色電気めっきにより導電性黒色被膜を形成してもよい。
また、導電体パターン25は、透明基材24上に、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、電子印刷等の印刷法により無電解めっき用の触媒を所望のパターンで印刷し、このパターン上に無電解めっきにより金属を析出することにより形成することができる。この場合も、形成した導電体パターン25上に黒色電気めっきにより導電性黒色被膜を形成してもよい。
また、導電体パターン25は、透明基材24上に、水溶性インキを用いて所望のマスクパターンを印刷し、このマスクパターンを被覆するように透明基材24上に真空成膜法、あるいは電気めっきにより導電体層を形成し、その後、上記のマスクパターンを除去すると同時に、不要な導電体層をリフトオフすることにより形成することができる。この場合も、形成した導電体パターン25上に黒色電気めっきにより導電性黒色被膜を形成してもよい。
さらに、導電体パターン25は、透明基材24上に、金、銀、銅、アルミニウム、クロム、チタン、亜鉛、スズ、ニッケル等の導電性微粒子を含有させた導電性インクを所望のパターンで印刷し、その後、焼成により有機成分を除去することにより形成することができる。この導電性インクの導電性が不十分な場合には、さらに電気めっきにより銅等の導電性金属被膜を形成してもよい。さらに、このように形成した導電体パターン25上に黒色電気めっきにより導電性黒色被膜を形成してもよい。
本発明では、前面フィルター31、41、51を構成する電磁波遮蔽層32、42、52も、このような電磁波遮蔽層22と同様のものであってよい。ただし、図10に示される電磁波遮蔽層22を電磁波遮蔽層32として前面フィルター31に使用する場合、透明基材24の導電体パターン25が配設されていない面24aがコントラスト向上シート11の透明フィルム基材12に粘着層33を介して固着される。また、図10に示される電磁波遮蔽層22を電磁波遮蔽層42として前面フィルター41に使用するには、導電体パターン25が形成されている面がコントラスト向上シート1の近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7に固着され、また、電磁波遮蔽層22を電磁波遮蔽層52として前面フィルター51に使用するには、導電体パターン25が形成されている面がコントラスト向上シート11の近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bに固着される。
次に、本発明の前面フィルター31を構成する電磁波遮蔽層32は、例えば、図11に示されるように、透明基材34と透明樹脂層35とを備え、この透明樹脂層35は透明基材34と反対側の面35aに、相互に平行な複数の溝部36、あるいは、格子形状に形成された溝部36を備え、この溝部36に導電材37を充填して有するものとすることができる。この電磁波遮蔽層32は、透明基材34がコントラスト向上シート11の透明フィルム基材12に粘着層33を介して固着される。
電磁波遮蔽層32を構成する透明基材34は、適度な透明性と耐熱性を有していることが必要であり、例えば、透明フィルム基材2と同様の材料を使用することができ、厚みは、例えば、50〜300μmの範囲で適宜設定することができる。また、透明樹脂層35は、適度な透明性と耐熱性を有していることが必要であり、例えば、上述の透明樹脂層3と同様の材料を使用することができ、厚みは、例えば、50〜500μmの範囲で適宜設定することができる。また、溝部35の深さD3は75〜300μm、好ましくは100〜150μm、幅W3は10〜80μm、好ましくは15〜40μm、ピッチP3は50〜300μm、好ましくは50〜100μmの範囲で適宜設定することができる。さらに、溝部36の断面形状は、図示例では台形であるが、これに限定されるものではなく、例えば、楔形であってもよく、さらに、図2(B)、図2(C)に示されるような溝部4と同様の断面形状であってもよい。
ここで、図11に示されるような電磁波遮蔽層32の形成について図12を参照しながら説明する。
まず、透明基材34上に透明樹脂層用の放射線硬化型の樹脂組成物を塗布して透明樹脂塗膜35′を形成する(図12(A))。次に、この透明樹脂塗膜35′に溝部形成用の金型39を押圧し、この状態で透明基材34側から放射線を照射して透明樹脂塗膜35′を硬化させ(図12(B))、その後、金型39を取り外して、複数の溝部36を備えた透明樹脂層35を形成する(図12(C))。
次いで、透明樹脂層35上に導電性ペーストを塗布し、ドクターで余分な導電性ペーストを掻き取って、溝部36内に導電性ペーストを充填し、その後、焼成処理を施して有機成分を除去して導電材37とすることにより、電磁波遮蔽層32が得られる(図12(E))。
本発明では、前面フィルター21、41、51を構成する電磁波遮蔽層22、42、52も、このような電磁波遮蔽層32と同様のものであってよい。ただし、図11に示される電磁波遮蔽層32を電磁波遮蔽層22として前面フィルター21に使用する場合、透明基材34がコントラスト向上シート1の透明フィルム基材2に粘着層23を介して固着される。また、図11に示される電磁波遮蔽層32を電磁波遮蔽層42として前面フィルター41に使用するには、透明樹脂層35がコントラスト向上シート1の近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7に固着され、また、電磁波遮蔽層32を電磁波遮蔽層52として前面フィルター51に使用するには、透明樹脂層34がコントラスト向上シート11の近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bに固着される。
次に、本発明の前面フィルター41を構成する電磁波遮蔽層42は、例えば、図13に示されるように、透明基材44と、この透明基材44上に、導電膜46a,46bと誘電体膜47a,47bとの複合膜45を備えたものとすることができる。この電磁波遮蔽層42は、複合膜45がコントラスト向上シート1の近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7に固着される。
電磁波遮蔽層42を構成する透明基材44は、上述の透明基材34と同様とすることができる。また、複合膜45は、導電膜46a,46bと誘電体膜47a,47bとが交互に積層されたものであり、例えば、導電膜46a,46bとして銀、銅、アルミ等の薄膜、誘電体膜46a,46bとしてインジウム錫酸化膜(ITO)等の薄膜を用いることができる。このような導電膜46a,46bと誘電体膜47a,47bは、スパッタリング法等の真空成膜法により形成することができ、透明性と電磁波遮蔽性を考慮して積層する薄膜の数、積層順序を設定することができる。また、導電膜46a,46bや誘電体膜47a,47bの個々の薄膜の厚みは、例えば、0.01〜0.1μm程度、複合膜44の厚みは0.02〜1μm程度とすることができる。
本発明では、前面フィルター21、31、51を構成する電磁波遮蔽層22、32、52も、このような電磁波遮蔽層42と同様のものであってよい。ただし、図13に示される電磁波遮蔽層42を電磁波遮蔽層52として前面フィルター51に使用する場合、電磁波遮蔽層42は、複合膜45がコントラスト向上シート11の近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bに固着される。また、図13に示される電磁波遮蔽層42を電磁波遮蔽層22として前面フィルター21に使用するには、透明基材44がコントラスト向上シート1の透明フィルム基材2に粘着層23を介して固着され、また、電磁波遮蔽層42を電磁波遮蔽層32として前面フィルター31に使用するには、透明基材44がコントラスト向上シート11の透明フィルム基材12に粘着層33を介して固着される。
上述の前面フィルターは例示であり、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の前面フィルター21、31の電磁波遮蔽層22、32上、あるいは、前面フィルター41、51の透明フィルム基材2,12上に、紫外線吸収層を備えるものであってもよく、また、最外層として反射防止層を備えるものであってもよい。
紫外線吸収層としては、例えば、紫外線吸収剤を分散含有する紫外線吸収フィルムであってよく、従来公知の紫外線吸収剤を含有するポリエチレンテレフタレートフィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリウレタン系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、シリコーン系フィルム等を使用することができる。
また、反射防止層は、本発明の前面フィルターを装着したプラズマディスプレイにおいて、光の反射により画像の視認性が低下するのを防止するための層である。このような反射防止層は、波長400〜700nmの可視光領域での光線反射率が1〜50%となるような層が好ましい。反射防止層としては、従来公知の反射防止層とすることができ、例えば、表面の凹凸を有し、外光を散乱するような層とすることができる。また、反射防止層は、屈折率の高い層、屈折率の低い層、中間の屈折率をもつ層を積層し、光の干渉を生じさせ、反射、透過、吸収の光学物性のうち、反射強度を低減させる方法を用いた層とすることもできる。具体的には、低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層を積層して反射防止層としたり、中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層を積層して反射防止層とすることができる。
尚、ここでの高屈折率、中屈折率、低屈折率とは、可視光領域における屈折率の相対的な高低を意味しており、通常、550nmでの屈折率を指して定義される。また、高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層は、透明であることが必要であり、例えば、金属の酸化膜、酸化窒化膜、酸化炭化膜、酸化フッ化膜、酸化炭化フッ化膜等を使用することができる。これらの各層に用いられる金属元素は1種類に限定されず、2種以上の金属や、それらの合金を用いることができ、例えば、インジウム錫酸化膜(ITO)を挙げることができる。
[プラズマディスプレイ]
本発明のプラズマディスプレイは、プラズマディスプレイパネルの前面板に本発明の前面フィルターを備えたものである。
図14は、本発明のプラズマディスプレイの一例を示す概略構成図であり、プラズマディスプレイ61は、プラズマディスプレイパネル62の前面板側に、図6に示される本発明の前面フィルター21を、その近赤外線・Ne光遮蔽粘着層7を固着させることにより配設したものである。同様に、図7に示される本発明の前面フィルター31の近赤外線・Ne光遮蔽粘着層17Bを、プラズマディスプレイパネル62の前面板側に固着して配設することにより、本発明のプラズマディスプレイとすることができる。
また、図15は、本発明のプラズマディスプレイの他の例を示す概略構成図であり、プラズマディスプレイ71は、プラズマディスプレイパネル72の前面板側に、図9に示される本発明の前面フィルター51の電磁波遮蔽層52を粘着層73を介して固着させ配設したものである。同様に、図8に示される本発明の前面フィルター41の電磁波遮蔽層42を、粘着層73を介してプラズマディスプレイパネル72の前面板側に固着して配設することにより、本発明のプラズマディスプレイとすることができる。
本発明のプラズマディスプレイ61,71に使用するプラズマディスプレイパネル62,72は、平行に対向して配設された前面板および背面板と、この前面板と背面板との間に形成された多数のセルとを有するものであり、従来公知のAC型プラズマディスプレイパネル、DC型プラズマディスプレイパネルを使用することができる。また、粘着層73はプラズマディスプレイパネル72と前面フィルター51とを固着でき光透過性の高いものであれば、その種類等には特に制限はない。
このような本発明のプラズマディスプレイでは、配設されている本発明の前面フィルターによって、明室条件でのコントラストが高く、高品質の画像表示が可能であるとともに、電磁波の放出が抑制され、また、近赤外線やNe光の放出が抑制される。
また、本発明のプラズマディスプレイは、プラズマディスプレイパネルの前面板と前面フィルターとの間に他の基材が介在するものであってもよい。このような基材としては、例えば、プラズマディスプレイパネルの前面板と空間を設けて配設されたガラス基板であってよく、また、調色層等であってもよい。
尚、上述の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
透明フィルム基材としてポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラーT−60、厚み188μm)を準備し、この透明フィルム基材の一方の面に、紫外線硬化型の樹脂組成物(JSR(株)製 オプトマー)をダイコーターで塗布して透明樹脂塗膜(厚み200μm)を形成した。
次に、この透明樹脂塗膜に溝部形成用の金型を押圧し、この状態で透明フィルム基材側から放射線を照射して透明樹脂塗膜を硬化させ、その後、金型を取り外して、複数の溝部を平行に備えた透明樹脂層(厚み180μm)を形成した。使用した溝部形成用の金型は、断面が楔形(底辺が20μm、高さ105μm)の連続凸状体が平板上に75μmのピッチで相互に平行に配設されたものであり、形成された溝部は、この金型の楔形の連続凸状体の形状を反映したものであった。すなわち、溝部は、深さが105μm、幅が20μm、ピッチが75μmの断面楔形をなすものであった。
次いで、透明樹脂層上に紫外線硬化型の黒色樹脂組成物(JSR(株)製 黒色顔料分散オプトマー)をダイコーターで塗布し、ドクターで余分な黒色樹脂組成物を掻き取って上記の溝部に黒色樹脂組成物を充填し、その後、紫外線を照射して硬化させた。これにより、黒色樹脂が断面楔形の溝部に密に充填された。
次に、透明樹脂層上にスパッタリング法により酸化窒化シリコン膜からなる薄膜を形成してバリア層(厚み150nm)とした。
一方、離型性基材として、離型フィルム(東洋紡製 PETフィルム、厚み25μm)を準備し、この離型性基材の一方の面に下記組成の組成物をダイコーターにより塗布し、80℃、1分間の加熱処理を施して、近赤外線・Ne光遮蔽粘着層(厚み40μm)を形成した。
(近赤外線・Ne光遮蔽粘着層用の組成物)
・アクリル樹脂PTR−2500T(日本化薬(株)製) …120.0重量部
(粘着剤)
・IRG068(日本化薬(株)製)(NIR吸収色素) … 1.0重量部
・TAP−2(山田化学工業(株)製)(Ne光吸収色素) … 0.1重量部
次いで、透明樹脂層上のバリア層に近赤外線・Ne光遮蔽粘着層を固着するようにしてラミネートして本発明のコントラスト向上シートを得た。
[実施例2]
実施例1のバリア層形成に替えて、バリア層用ゾルゲル材料(日本触媒(株)製 FX−C310L)をダイコーターにより透明樹脂層上に塗布し、120℃、10分間の加熱処理を施してバリア層(厚み1μm)を形成した他は、実施例1と同様にして、コントラスト向上シートを作製した。
[実施例3]
実施例1と同様にして、断面楔形の溝部に黒色樹脂を密に充填する工程までを行った。
一方、離型性基材として、離型フィルム(東洋紡(株)製 PETフィルム、厚み25μm)を準備し、この離型性基材の一方の面に下記組成の近赤外線・Ne光遮蔽粘着層用組成物と、バリア粘着層用組成物(新日鐵化学(株)製 V259−PHA)をダイコーターにより積層塗布し、120℃、10分間の加熱処理を施した。これにより、離型性基材上に近赤外線・Ne光遮蔽粘着層(厚み40μm)とバリア粘着層(厚み10μm)との2層構造の粘着層を形成した。
(近赤外線・Ne光遮蔽粘着層用の組成物)
・アクリル樹脂PTR−2500T(日本化薬(株)製) …120.0重量部
(粘着剤)
・IRG068(日本化薬(株)製)(NIR吸収色素) … 1.0重量部
・TAP−2(山田化学工業(株)製)(Ne光吸収色素) … 0.1重量部
次いで、黒色樹脂が溝部に充填された上記の透明樹脂層に粘着層を固着するようにしてラミネートして本発明のコントラスト向上シートを得た。
[比較例]
バリア層を形成しない他は、実施例1と同様にして、コントラスト向上シートを作製した。
[評 価]
実施例1〜3、比較例において作製したコントラスト向上シートについて、近赤外線・Ne光の遮蔽性能の評価を下記の条件で行った。その結果、実施例1〜3のコントラスト向上シートは安定した近赤外線・Ne光遮蔽性能を発現することが可能であった。しかし、比較例のコントラスト向上シートは近赤外線・Ne光遮蔽性能が経時的に劣化(500時間経過で遮蔽機能が半減)し、安定した近赤外線遮蔽性能が得られなかった。
(近赤外線・Ne光の遮蔽性能の評価条件)
環境試験機(温度80℃・dryおよび温度60℃・湿度90%)にて1000
時間保管し、波長300nm〜1300nmの分光透過率測定をおこなった。
[実施例4]
透明基材として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製A4100、厚み75μm)を準備し、この透明基材の一方の面に真空蒸着法で銅薄膜(厚み25μm)を形成した。次に、この銅薄膜上にレジスト(大日精化(株)製 Eブルー)をグラビア印刷で形成してレジストパターンを設け、このレジストパターンをマスクとして銅薄膜を塩化第二鉄エッチング液でエッチングし、レジストパターンを剥離した。これにより、透明基材上に格子形状の導電体パターン(線幅20μm、線ピッチ280μm)を備えた電磁波遮蔽シートを形成した。
次に、上記の電磁波遮蔽シートの透明基材側に粘着シート((株)巴川製紙所製 TD06A、厚み40μm)を貼りあわせ、この粘着層を介して、実施例1のコントラスト向上シートの透明フィルム基材上に固着して電磁波遮蔽層とした。これにより、本発明の前面フィルターを得た。
このように得られた前面フィルターの電磁波遮蔽層のシート抵抗を三菱化学(株)製ロレスタを用いて4端子法により測定した結果、0.02Ω/□であり、良好な電磁波遮蔽性能を有することが確認された。また、波長300〜700nmでの全光線透過率を(株)島津製作所製 分光光度計を用いて測定した結果、55%であり、良好な透明性を備えることが確認された。
[実施例5]
透明基材としてポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラーT−60、厚み100μm)を準備し、この透明フィルム基材の一方の面に、紫外線硬化型の樹脂組成物(JSR(株)製 オプトマー)をダイコーターで塗布して透明樹脂塗膜(厚み100μm)を形成した。
次に、この透明樹脂塗膜に溝部形成用の金型を押圧し、この状態で透明フィルム基材側から放射線を照射して透明樹脂塗膜を硬化させ、その後、金型を取り外して、複数の溝部を平行に備えた透明樹脂層(厚み85μm)を形成した。使用した溝部形成用の金型は、断面が台形(下底が4μm、上底が10μm、高さ20μm)の連続凸状体が平板上に300μmのピッチで格子形状に配設されたものであり、形成された溝部は、この金型の楔形の連続凸状体の形状を反映したものであった。すなわち、溝部は、深さが20μm、開口幅が10μm、底部の幅が4μm、ピッチが300μmの断面台形の格子形状パターンをなすものであった。
次いで、透明樹脂層上に銀ペースト(藤倉化成(株)製 ナノドータイト)をノズルより滴下しながら、ドクターで余分な銀ペーストを掻き取って上記の溝部に銀ペーストを充填し、その後、焼成処理(120℃、10分間)を施して銀ペーストの有機成分を焼成除去した。これにより、導電材が断面楔形の溝部に密に充填され、電磁波遮蔽シートを形成した。
この電磁波遮蔽シートの透明基材側に、実施例2と同様にして粘着層を形成し、この粘着層を介して、実施例1のコントラスト向上シートの透明フィルム基材上に固着して電磁波遮蔽層とした。これにより、本発明の前面フィルターを得た。
このように得られた前面フィルターの電磁波遮蔽層側のシート抵抗を実施例2と同様に測定した結果、0.2Ω/□であり、良好な電磁波遮蔽性能を有することが確認された。また、全光線透過率を実施例4と同様に測定した結果、50%であり、良好な透明性を備えることが確認された。
プラズマディスプレイの製造において有用である。
本発明のプラズマディスプレイ用のコントラスト向上シートの一実施形態を示す部分断面図である。 本発明のコントラスト向上シートを構成する溝部の断面形状を説明するための図である。 本発明のコントラスト向上シートの製造方法の一例を説明するための工程図である。 本発明のプラズマディスプレイ用のコントラスト向上シートの他の実施形態を示す部分断面図である。 本発明のコントラスト向上シートの製造方法の他の例を説明するための工程図である。 本発明の前面フィルターの一実施形態を示す部分断面図である。 本発明の前面フィルターの他の実施形態を示す部分断面図である。 本発明の前面フィルターの他の実施形態を示す部分断面図である。 本発明の前面フィルターの他の実施形態を示す部分断面図である。 本発明の前面フィルターを構成する電磁波遮蔽層の一例を示す拡大部分断面図である。 本発明の前面フィルターを構成する電磁波遮蔽層の他の例を示す拡大部分断面図である。 図11に示される電磁波遮蔽層の製造方法の一例を説明するための工程図である。 本発明の前面フィルターを構成する電磁波遮蔽層の他の例を示す拡大部分断面図である。 本発明のプラズマディスプレイの一例を示す概略構成図である。 本発明のプラズマディスプレイの他の例を示す概略構成図である。
符号の説明
1,11…コントラスト向上シート
2,12…透明フィルム基材
3,13…透明樹脂層
4,14…溝部
5,15…黒色樹脂
6…バリア層
7…近赤外線・Ne光遮蔽粘着層
16…粘着層
17A…バリア粘着層
17B…近赤外線・Ne光遮蔽粘着層
8,18…離型性基材
21,31,41,51…前面フィルター
22,32,42,52…電磁波遮蔽層
24,34,44…透明基材
25…導電体パターン
35…透明樹脂層
36…溝部
37…導電材
45…複合層
46a,46b…導電膜
47a,47b…誘電体膜
61,71…プラズマディスプレイ
62,72…プラズマディスプレイパネル

Claims (21)

  1. 透明フィルム基材と、該透明フィルム基材の一方の面に順次積層された透明樹脂層とバリア層と近赤外線・Ne光遮蔽粘着層とを備え、該透明樹脂層は該バリア層との界面側に溝部を備え、該溝部には黒色樹脂が充填されており、前記バリア層は前記透明樹脂層や前記黒色樹脂を構成する成分が前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層へ移行するのを防止するものであり、前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層は粘着剤に少なくとも近赤外線吸収用の色素およびNe光吸収用の色素を含有したものであることを特徴とするプラズマディスプレイ用コントラスト向上シート。
  2. 前記バリア層は、真空成膜法により形成された無機薄膜であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ用コントラスト向上シート。
  3. 前記バリア層は、湿式塗布法により形成された有機薄膜、あるいは、ゾルゲル法により形成された有機−無機ハイブリット薄膜、または無機薄膜であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ用コントラスト向上シート。
  4. 透明フィルム基材と、該透明フィルム基材の一方の面に順次積層された透明樹脂層と粘着層とを備え、該透明樹脂層は該粘着層との界面側に溝部を備え、該溝部には黒色樹脂が充填されており、前記粘着層は前記透明樹脂層との界面側に位置するバリア粘着層と該バリア粘着層に積層された近赤外線・Ne光遮蔽粘着層とを有し、前記バリア粘着層は前記透明樹脂層や前記黒色樹脂を構成する成分が前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層へ移行するのを防止するものであり、前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層は粘着剤に少なくとも近赤外線吸収用の色素およびNe光吸収用の色素を含有したものであり、前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層には離型性基材が剥離可能に配設されていることを特徴とするプラズマディスプレイ用コントラスト向上シート。
  5. 前記バリア粘着層は、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂の少なくともいずれか1種であることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイ用コントラスト向上シート。
  6. 前記溝部は、相互に平行な複数の溝部、あるいは、格子形状に形成された溝部であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用コントラスト向上シート。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記透明樹脂層が形成されていない前記透明フィルム基材面に、電磁波遮蔽層を有することを特徴とするプラズマディスプレイ用前面フィルター。
  8. 前記電磁波遮蔽層は、透明基材と、該透明基材上に設けられた導電体パターンを有し、前記透明基材の該導電体パターンが配設されていない面が前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記透明フィルム基材に粘着層を介して固着されていることを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイ用前面フィルター。
  9. 前記導電体パターンは表面に導電性黒色被膜を有することを特徴とする請求項8に記載のプラズマディスプレイ用前面フィルター。
  10. 前記電磁波遮蔽層は、透明基材と透明樹脂層とを備え、該透明樹脂層は前記透明基材と反対側の面に、相互に平行な複数の溝部、あるいは、格子形状に形成された溝部を備え、該溝部には導電材が充填されており、前記透明基材が前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記透明フィルム基材に粘着層を介して固着されていることを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイ用前面フィルター。
  11. 前記電磁波遮蔽層は、透明基材と、該透明基材上に形成された誘電体膜と導電膜との複合膜を備え、前記透明基材が前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記透明フィルム基材に粘着層を介して固着されていることを特徴とする請求項7に記載のプラズマディスプレイ用前面フィルター。
  12. 前記電磁波遮蔽層上に反射防止層を最外層となるように有することを特徴とする請求項7乃至請求項11のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用前面フィルター。
  13. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層に電磁波遮蔽層を固着してなることを特徴とするプラズマディスプレイ用前面フィルター。
  14. 前記電磁波遮蔽層は、透明基材と、該透明基材上に設けられた導電体パターンを有し、前記透明基材の該導電体パターンが配設されている面が前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層に固着されていることを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイ用前面フィルター。
  15. 前記導電体パターンは表面に導電性黒色被膜を有することを特徴とする請求項14に記載のプラズマディスプレイ用前面フィルター。
  16. 前記電磁波遮蔽層は、透明基材と透明樹脂層とを備え、該透明樹脂層は前記透明基材と反対側の面に、相互に平行な複数の溝部、あるいは、格子形状に形成された溝部を備え、該溝部には導電材が充填されており、前記透明樹脂層が前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層に固着されていることを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイ用前面フィルター。
  17. 前記電磁波遮蔽層は、透明基材と、該透明基材上に形成された誘電体膜と導電膜との複合膜を備え、前記複合膜が前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記近赤外線・Ne光遮蔽粘着層に固着されていることを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイ用前面フィルター。
  18. 前記プラズマディスプレイ用コントラスト向上シートの前記透明フィルム基材上に反射防止層を最外層となるように有することを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用前面フィルター。
  19. 平行に対向して配設された前面板および背面板と、前記前面板と背面板との間に形成された多数のセルとを有するプラズマディスプレイパネルと、該プラズマディスプレイパネルの前面板側に配設された前面フィルターとを備え、該前面フィルターは請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のプラズマディスプレイ用前面フィルターであり、前面フィルターの透明樹脂層側をプラズマディスプレイパネルの前面板に対向するように配設されていることを特徴とするプラズマディスプレイ。
  20. 前記前面板と前記前面フィルターとの間に他の基材が介在することを特徴とする請求項19に記載のプラズマディスプレイ。
  21. 前記基材は、前記前面板と空間を設けて配設されたガラス基板であることを特徴とする請求項20に記載のプラズマディスプレイ。
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