JP2011197426A - 光学シート、及び映像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化を防止することができる光学シート、及び該光学シートを備えた映像表示装置を提供する。
【解決手段】プラズマディスプレイパネルから出射された光を制御して観察者側に出射する、複数の層を有する光学シートであって、基材層上に形成された、光を透過可能にシート面に沿って並列されて形成されるプリズム部と、プリズム部間に光を吸収可能に並列される光吸収部と、を有する光学機能シート層を少なくとも備えており、プリズム部が、放射線硬化型プレポリマー、多官能アクリレートモノマー、及び重合開始剤を含むプリズム構成組成物を硬化させてなるものであり、プリズム構成組成物が、全量を基準として、多官能アクリレートモノマーを50質量%以上含有している光学シート、及び該光学シートを備えた映像表示装置とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、映像源から出射される映像光を制御して観察者側に出射する光学シート、及び該光学シートを備えた映像表示装置に関する。
プラズマディスプレイのような、映像を観察者に出射する映像表示装置には、映像源と、該映像源からの映像光の質を高めて観察者に出射するための各種機能を有する層を具備する光学シートとが備えられている。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、キセノンやヘリウムの不活性ガス放電を利用して発光するため、近赤外線を放出する。この近赤外線は、コードレス電話、赤外線方式のリモートコントローラー等の誤作動を引き起こす可能性がある。また、不活性ガスに含まれるNe成分のオレンジ色の発光(ネオン線)によって色純度の低下が生じる。そのため、PDPに貼合される光学シートには、近赤外線やネオン線の透過を抑制する機能を有する波長フィルタ層が設けられることがある。
また、PDPは、観察者側が明るい場合はコントラストが不十分となり画像品質が低下する。そのため、PDPに貼合される光学シートには、コントラストを向上させるための層として、光を透過可能なプリズム部と光を吸収可能な光吸収部とを有し、外光を適切に遮蔽する光学機能シート層が設けられることがある。
しかしながら、上記波長フィルタ層及び光学機能シート層を備える光学シートの場合、光学機能シート層と波長フィルタ層とが互いに接するように設けられると、波長フィルタ層に含有される近赤外線やネオン線を吸収するための色素が劣化するという問題があった。これは、光学機能シート層を構成する樹脂材料に含有される重合開始剤から発生するラジカルが、波長フィルタ層に含有される近赤外線やネオン線を吸収するための色素に悪影響を及ぼすためであると考えられる。
上記の問題を解決するための手段の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1には、光学機能シート層(透明樹脂層と黒樹脂を有する層)の表面にスパッタリング法によりシリコーン膜や透明樹脂からなる膜をバリア層として設けられることによって、光学機能シート層に含まれる重合開始剤が波長フィルタ層(近赤外線・Ne光遮蔽粘着層)へ移行することを防止する技術が開示されている。
特開2009−139893号公報
上記特許文献1に開示されているコントラスト向上シートによれば、バリア層あるいはバリア粘着層が、光学機能シート層(透明樹脂層や黒色樹脂)から波長フィルタ層(近赤外線・Ne光遮蔽粘着層)への成分の移行を阻害するので、近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化が防止されるとしている。しかしながら、バリア層あるいはバリア粘着層としてシリコーン膜や透明樹脂からなる膜を形成する場合、オフライン生産となるため、生産性が悪く、コストアップにも繋がっていた。
そこで本発明は、より簡単に、波長フィルタ層に含まれる近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化を防止することができる光学シート、及び該光学シートを備えた映像表示装置を提供することを課題とする。
発明者らは、鋭意検討した結果、光学機能シート層を構成する組成物の成分を限定することによって、波長フィルタ層に含まれる近赤外線やネオン線を吸収するための色素を、該光学機能シート層に含まれる成分が劣化させることを、より簡単に防止できるとの知見を得た。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、プラズマディスプレイパネル(2)から出射された光を制御して観察者側に出射する、複数の層を有する光学シートであって、基材層(11)上に形成された、光を透過可能にシート面に沿って並列されて形成されるプリズム部(13、13、…)と、プリズム部間に光を吸収可能に並列される光吸収部(14、14、…)と、を有する光学機能シート層(12)を少なくとも備えており、プリズム部が、放射線硬化型プレポリマー、多官能アクリレートモノマー、及び重合開始剤を含むプリズム構成組成物を硬化させてなるものであり、プリズム構成組成物が、全量を基準(100質量%)として、多官能アクリレートモノマーを50質量%以上含有している、光学シート(10、10’)により前記課題を解決する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光学シート(10)において、所定の波長の光の透過を抑制する機能を有する波長フィルタ層(20)が、光学機能シート層(12)と接するように積層されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光学シート(10’)において、所定の波長の光の透過を抑制する機能を有する波長フィルタ層(20)が、粘着層(40)を介して光学機能シート層(12)上に積層されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の光学シート(10、10’)において、光吸収部(14、14、…)が、放射線硬化型プレポリマー、多官能アクリレートモノマー、及び重合開始剤を含む光吸収部構成組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の光学シート(10)において、プリズム構成組成物が、全量を基準(100質量%)として、多官能アクリレートモノマーを50質量%以上含有していることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シート(10)と、プラズマディスプレイパネル(2)とを備える映像表示装置(1)を提供することにより前記課題を解決する。
本発明によれば、より簡単に、波長フィルタ層に含まれる近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化を防止することができる光学シート、及び該光学シートを備えた映像表示装置を提供することができる。
1つの実施形態にかかる本発明の光学シートの一部の断面を概略的に示した図である。 図1に示した光学機能シート層の一部を拡大して示した図である。 光吸収部の他の例を示した図である。 他の実施形態にかかる本発明の光学シートの一部の断面を概略的に示した図である。 1つの実施形態にかかる本発明の映像表示装置の一部の断面を概略的に示した図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は1つの実施形態にかかる本発明の光学シート10の一部の断面を示し、その層構成を模式的に表した図である。図1では、見易さのため繰り返しとなる符号は一部省略している(以降に示す各図において同じ。)。光学シート10は、ここに入射した映像源側からの光を観察者にとって適切な映像光として透過させ、出射させるシート状の部材である。
光学シート10は、複数の層を有しており、少なくとも、基材層11上に形成された光学機能シート層12と、光学機能シート層12に積層された波長フィルタ層20とを備えている。以下に各層について説明する。
基材層11は、後で詳しく説明する光学機能シート層12を形成するための基材層としての層で、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分としている。基材層11はPETを主成分として含有しているが、他の樹脂が含まれてもよい。また、各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。ここで「主成分」とは、基材層を形成する材料全体に対して上記PETが50質量%以上含有されていることを意味する(以下、同様とする。)。
基材層の主成分は、必ずしもPETであることは必要なく、その他の材料でもよい。これには例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
本実施形態では、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点からPETを主成分とする樹脂を好ましい材料であるとして説明した。
光学機能シート層12は、映像光源側からの映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有する層である。光学機能シート層12は、図1に示した断面を有して紙面奥/手前側に延在する形状を備える。すなわち、図1に表れる断面において断面が略台形であるプリズム部13、13、…と、該プリズム部13、13、…の間に配置される光吸収部14、14、…とを備えている。図2に、図1に示した光学シート10のうち、光学機能シート層12の1つの光吸収部14とこれに隣接するプリズム部13、13を拡大して示した。図1、図2及び適宜示す図を参照しつつ光学機能シート層12についてさらに説明する。
プリズム部13、13、…は、光透過部として機能する部位で、略台形断面における短い上底及び長い下底が光学シート10のシート面に沿う方向に配置されている。そして、略台形断面における長い下底が基材層11側に面する向きである。また、プリズム部13、13、…は、屈折率がNpであり、光透過性を有する。このようなプリズム部13、13、…は、以下の説明するプリズム部構成組成物を硬化させることによって構成されている。
プリズム部13、13、…は、二以上の重合性不飽和結合を有する多官能アクリレートを含むプリズム部構成組成物を硬化させることによって構成されている。プリズム部構成組成物は、放射線硬化型プレポリマー(P1)及び多官能アクリレートモノマー(反応性希釈モノマー)(M1)を主成分として含み、組成物の硬化(重合)を促進させるため、さらに重合開始剤(S1)を含有する。
上記放射線硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。これらの中で、特に基材との密着性、ガラス転移温度(Tg)設計の容易さなどの点から、ウレタンアクリレート系が好ましい。
ウレタンアクリレート系プレポリマーは、以下に例示列挙する水酸基含有(メタ)アクリレート、アミン化合物、ポリエチレングリコール類(分子内に少なくとも1個の水酸基を含有する)、並びに有機ポリイソシアナート化合物を反応させて得られる。
なお、各種基材に対する密着性及び硬化性を向上させるためには、ウレタン(メタ)アクリレートを少なくともプリズム部構成組成物全量に対して10質量%以上含有させることが好ましい。
上記水酸基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類のε−カプロラクトン縮合物、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシフェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等との反応により得られるエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらはそれぞれを単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記アミン化合物の具体例としては、プロピルアミン、イソブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、1,2−ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン等のアルキルアミン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン等が挙げられる。これらはそれぞれを単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記ポリエチレングリコール類としては、分子内に少なくとも1個の水酸基を有する各種のものを特に制限なく使用できるが、下記一般式(1)で表されるものが特に好適である。
H−(OCHCH−OR (1)
((1)式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を、nは7〜25の整数を示す。)
上記有機ポリイソシアネート化合物としては、各種公知の芳香族、脂肪族及び脂環族のポリイソシアネート類、たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4´−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4´−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等や、それらジイソシアネートから得られる3量体、該ジイソシアネート類をトリメチロールプロパンなどの多価アルコールと反応させたプレポリマー、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられる。これらはそれぞれ単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
なお、各種添加成分を用いる場合であっても、各種基材に対する密着性及び硬化性を向上させるためには、ウレタン(メタ)アクリレートを少なくともプリズム部構成組成物全量に対して10質量%以上含有させることが好ましい。
また、上記多官能アクリレートモノマー(M1)としては、1分子中に2つ以上の重合性官能基を有する反応性希釈モノマーを使用することができる。たとえば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリ(繰り返し数1〜3)プロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジフェニルジアクリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(繰り返し数1〜4)プロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(繰り返し数1〜4)エトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(繰り返し数1〜6)プロポキシヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(繰り返し数1〜6)エトキシヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリ(繰り返し数1〜4)プロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリ(繰り返し数1〜4)エトキシジ(メタ)アクリレート、さらにはポリウレタンアクリレートポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、エポキシポリアクリレート等をあげることができる。
アクリロイル基を1個有する多官能アクリレートモノマー(M1)を用いる場合には、その使用量は、硬化収縮によるカールの問題や、クラックの発生状況などに応じて決定すればよい。具体的には、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリン(メタ)アクリルアミド、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート等が適宜用いられる。
本発明において、プリズム部構成組成物中に含まれる多官能アクリレートモノマー(M1)の量は、硬化性、硬化後の硬度の点から、プリズム部構成組成物全量を基準(100質量%)として、50質量%以上であり、90質量%以下であることが好ましい。
また、上記重合開始剤(S1)としては、光重合開始剤を用いることができる。当該光重合開始剤としては、公知の各種光重合開始剤を用いることができる。例えば、ヒドロキシベンゾイル(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらのうちリン酸エステルが好ましく、少量で高い硬化性を示すビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドが特に好ましい。
本発明において、重合開始剤(S1)の使用量は、プリズム部構成組成物全量を基準(100質量%)として、通常、0.5質量%〜10質量%程度であり、好ましくは1質量%〜7質量%である。
本発明によれば、上記多官能アクリレートモノマー(M1)を共重合させることにより、共重合体に分子内及び/又は分子間架橋を導入して、硬化性や凝集力を高めることができる。その結果、上記プリズム部構成組成物を硬化させることによって得られたプリズム部13、13、…に残留する重合開始剤およびその分解物が、プリズム部13、13、…からブリードアウトして波長フィルタ層20に移ることを抑制できる。したがって、バリア層を設けなくとも波長フィルタ層20に含有される近赤外線やネオン線を吸収するための色素が劣化することを簡単に防止できる。
また、必要に応じて、塗膜の改質や塗布適性、金型からの離型性を改善させるため、種々の添加剤としてシリコーン系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、帯電防止剤等をプリズム部構成組成物に添加することも可能である。
次に、光吸収部14、14、…について説明する。光吸収部14、14、…は、プリズム部13、13、…の間に配置され、図1、図2に表れる断面において略三角形断面を有する要素である。当該三角形断面の底辺に相当する面がプリズム部13、13、…の上底間に並列されている。これにより光吸収部14、14、…の底辺、及びプリズム部13、13、…の上底により光学機能シート層12の一方の面が形成されている。ここで、このとき当該三角形断面における斜辺は、光学機能シート層12のシート面の法線方向に対して0度以上10度以下の角度をなしていることが好ましい。なお、斜辺の角度が0度に近い場合は、実質三角形ではなく、台形または矩形となる。
また、光吸収部14、14、…の上記斜辺の傾きは必ずしも一定である必要はなく折れ線状であってもよいし、曲線状であってもよい。図3に光学機能シート層の変形例である光学機能シート層12a、12bのうち、光吸収部14a、14bの断面を示した。図3では、図3(a)は斜辺が折れ線状とされた例、及び図3(b)は斜辺が曲線状とされた例である。
図3(a)に示した場合には、光吸収部14aの斜辺(プリズム部13a、13aの斜辺)は、1つの辺からではなく、2つの辺から構成されている。すなわち断面において折れ線状の斜辺を有している。詳しくは、底辺側の斜辺は光学シート10のシート出光面の法線に対して角度θ1をなしている。一方、頂点側(第一基材層11側に配置される斜辺は光学シート10のシート出光面の法線に対して角度θ2をなしている。この角度は、θ1>θ2の関係であるとともに、いずれも0度以上10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。また、当該2つの斜辺は、図3(a)に示したように、光学機能シート層12aの厚さ方向(紙面左右方向)には、それぞれT1とT2の大きさを有している。T1とT2とは同じ大きさであることが好ましい。
また、図3(a)の例は2つの斜辺により構成されている例であるが、さらに多くの辺で折れ線状が構成されてもよい。
図3(b)に示した場合には、光吸収部14bの斜面(プリズム部13b、13b、…の斜辺)は曲線状で構成されている。このように光吸収部における断面形状略三角形である斜辺が曲線状であってよい。この場合でも、当該曲線と光学シートのシート出光面の法線とのなす角は、光吸収部の底辺側より第一基材層11側の方が小さいことが好ましい。さらにその角度もいずれの部分でも0度より大きく10度以下の範囲であることが好ましい。さらに好ましい角度は0度より大きく6度以下である。ここで、曲線のある部分がシート出光面の法線との成す角は、曲線を10等分し、各端部同士を結ぶ線と、シート出光面の法線との成す角により定義される。
その他、光吸収部の形状は本実施形態のものに限定されるものではなく、外光を適切に吸収することが可能であれば適宜変更することが可能である。これには、例えば断面形状が矩形である場合等を挙げることができる。
また、光吸収部14、14、…は、プリズム部13、13、…の屈折率Npと同じ、又は小さい屈折率Nbを有する所定の材料により構成されている。このようにプリズム部13、13…の屈折率Npと光吸収部14、14、…の屈折率NbとをNp≧Nbとすることにより、所定の条件でプリズム部13、13、…に入射した光源からの映像光を光吸収部14、14、…とプリズム部13、13、…との界面で適切に反射させるとともに吸収し、観察者に明るい映像を提供することができる。NpとNbとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0以上0.06以下であることが好ましい。
また、本実施形態では上記のようにNp≧Nbの関係が好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、プリズム部の屈折率を光吸収部の屈折率よりも小さく形成することも可能である。
加えて、本実施形態における光吸収部14、14、…は、光吸収粒子16、16、…と光吸収粒子16、16、…を分散させたバインダ15とを含む光吸収部構成組成物が当該光吸収部14、14、…に充填されることにより構成されている。すなわち、バインダ(バインダ部)15の中に光吸収粒子16、16、…が分散されている。これにより、光吸収部14、14、…において、プリズム部13、13、…と、光吸収部14、14、…との界面で反射せずに光吸収部14、14、…の内側に入射した映像光を光吸収粒子16、16、…で吸収することができる。さらには所定の角度で入射した観察者側からの外光を適切に吸収することができ、コントラストを向上させることも可能となる。
このときバインダ部15のバインダが上記の屈折率Nbである材料により構成される。バインダとして用いられるものは特に限定されないが、これには例えば、放射線硬化型プレポリマー(P2)と、多官能アクリレートモノマー(反応性希釈モノマー)(M2)、および光重合開始剤(S2)を、適宜配合した放射線硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記放射線硬化型プレポリマー(P2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、上記多官能アクリレートモノマー(M2)としては、例えば、反応性希釈モノマーとして、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、スチレン等のビニルモノマー、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジルメタクリレ−ト、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられる。また、多官能モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ−ト、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エトキシ変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
なお、光吸収部構成組成物中に含まれる多官能アクリレートモノマー(M2)の量は、硬化性、硬化後の硬度の点から、光吸収部構成組成物全量を基準(100質量%)として、50質量%以上90質量%以下であることが好ましい。
また、上記光重合開始剤(S2)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの中から放射線硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置および放射線硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。
本発明において光重合開始剤(S2)は、放射線硬化型樹脂組成物の硬化性およびコストの観点から、放射線硬化型樹脂組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上10.0質量%以下含まれていることが好ましい。
これらの放射線硬化型プレポリマー(P2)、多官能アクリレートモノマー(M2)および光重合開始剤(S2)は、それぞれ、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
具体的には、後述の実施例で説明するように、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートおよびメトキシトリエチレングリコールアクリレートからなる光重合性成分(詳しくは、放射線硬化型プレポリマーおよび多官能アクリレートモノマー)が屈折率、粘度、あるいは光学機能シート層の性能への影響等を考慮して任意に配合されて用いられる。
なお、添加剤として、シリコーン、消泡剤、レベリング剤および溶剤等を放射線硬化型樹脂組成物に添加してもよい。
光吸収粒子16、16、…は、光吸収部構成組成物中に含まれ、光吸収部14、14、…を構成したとき、迷光や外光を吸収するように作用する。
光吸収粒子16、16、…としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられ、より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。こうした着色粒子は、通常、上記の放射線硬化型樹脂組成物中に3質量%以上30質量%以下の範囲で含まれる。この範囲内での最適値の設定は、後述する粘度や求める濃度の関係を考慮して決定される。平均粒子径は1.0μm以上20μm以下の着色粒子が用いられる。平均粒子径が1.0μm以上の着色粒子を用いることによって、着色粒子を含有する放射線硬化型樹脂組成物をプリズム部の上底上からプリズム部基部の溝内にドクターを用いて掻き落として充填する際、着色粒子がドクターとプリズム部基部の上底との間の隙間を抜け難く、カブリの発生を極力少なくすることができる。
また、プリズム部を構成する材料によっては、光吸収部の表面はプリズム部の表面に対して、同一平面上(平滑)に充填される場合もあれば、凹部状に充填される場合もある。
なお、光を吸収させるための手段は本実施形態のように光吸収粒子による方法に限定されるものではない。他には例えば、顔料や染料により光吸収部全体を着色することを挙げることができる。
図1に戻って、波長フィルタ層20について説明する。波長フィルタ層20は、所定の波長の光の透過を抑制する機能を有する層である。透過を抑制されるべき波長は必要に応じて適宜選択することができるが、波長フィルタ層20の具体例としては、PDPから出射されるネオン線をカットしたり、赤外線、近赤外線や紫外線をカットしたりする層、色調を調整する層等を挙げることができる。以下に、近赤外線をカットする層(近赤外線吸収フィルタ)、ネオン線をカットする層(ネオン光吸収フィルタ)、色調を調整する層(色調調整フィルタ)、及び紫外線をカットする層(紫外線吸収フィルタ)について説明する。
[近赤外線吸収フィルタ]
近赤外線吸収フィルタとしては、近赤外線吸収剤を有する市販フィルム(例えば、東洋紡績社製、商品名No.2832)を用いたり、近赤外線吸収色素を粘着層や樹脂層へ含有させた組成物を成膜したり、或いはこれを透明基材又は他の機能性フィルタ上に塗布し、必要に応じ乾燥、硬化処理等を経て形成したものを用いることができる。
近赤外線吸収色素としては、PDPが発光するキセノンガス放電に起因して生じる近赤外線領域、即ち、800nm〜1100nmの波長域を吸収するものを用いる。該帯域の近赤外線の透過率が20%以下、更に10%以下であることが好ましい。同時に近赤外線吸収フィルタは、可視光領域、即ち、380nm〜780nmの波長域で、十分な光線透過率を有することが望ましい。
近赤外線吸収色素としては、具体的には、ポリメチン系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ジチオール系化合物、インモニウム系化合物、ジインモニウム系化合物、アミニウム系化合物、ピリリウム系化合物、セリリウム系化合物、スクワリリウム系化合物、銅錯体類、ニッケル錯体類、ジチオール系金属錯体類の有機系近赤外線吸収色素、酸化タングステン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンモン、酸化鉛、酸化ビスマス、酸化ランタン等の無機系近赤外線吸収色素、を1種、又は2種以上を併用することができる。
また、近赤外線吸収色素を分散するバインダ樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が用いられる。バインダ樹脂の乾燥、硬化方式としては、溶液(又はエマルジョン)からの溶媒(又は分散媒)の乾燥による乾燥固化方式、熱、紫外線、電子線などのエネルギーによる重合、架橋反応を利用した硬化方式、或いは樹脂中の水酸基、エポキシ基等の官能基と硬化剤中のイソシアネート基などとの架橋、重合等の反応を利用した硬化方式などが適用できる。
[ネオン光吸収フィルタ]
ネオン光吸収フィルタは、光学フィルタがプラズマディスプレイ用として用いられる際に、PDPから放射されるネオン光即ちネオン原子の発光スペクトルを吸収するべく設置される。ネオン光の発光スペクトル帯域は波長550nm〜640nmの為、ネオン光吸収フィルタの分光透過率は波長550nm〜640nmにおいて50%以下になるように設計することが好ましい。ネオン光吸収フィルタは、少なくとも550nm〜640nmの波長領域内に吸収極大を有する色素として従来から利用されてきた色素を近赤外線吸収フィルタのところに挙げたようなバインダ樹脂に分散させた組成物を成膜したり、或いはこれを透明基材又は他の機能性フィルタ上に塗布し、必要に応じ乾燥、硬化処理等を経て形成したりすることができる。該色素の具体例としては、シアニン系、オキソノール系、メチン系、サブフタロシアニン系もしくはポルフィリン系等を挙げることができる。当該バインダ樹脂としては、上記近赤外線吸収フィルタのところに挙げたような樹脂を用いることができる。
[色調調整フィルタ]
色調調整フィルタは、パネルからの発光の色純度や色再現範囲、電源OFF時のディスプレイ色などの改善の為にディスプレイ用フィルタの色を調整するためのものである。例えば色調調整色素をバインダ樹脂に分散させた組成物を成膜したり、或いはこれを透明基材又は他の機能性フィルタ上に塗布し、必要に応じ乾燥、硬化処理等を経て形成したりすることができる。色調調整色素としては、可視領域である380nm〜780nmに最大吸収波長を有する公知の色素から、目的に応じて任意に色素を組み合わせて使用することができる。色調調整色素として用いることのできる公知の色素としては、特開2000−275432号公報、特開2001−188121号公報、特開2001−350013号公報、特開2002−131530号公報等に記載の色素が好適に使用できる。更にこのほかにも、黄色光、赤色光、青色光等の可視光を吸収するアントラキノン系、ナフタレン系、アゾ系、フタロシアニン系、ピロメテン系、テトラアザポルフィリン系、スクアリリウム系、シアニン系等の色素を使用することができる。当該バインダ樹脂としては、上記近赤外線吸収フィルタのところに挙げたような樹脂を用いることができる。
[紫外線吸収フィルタ]
紫外線吸収フィルタとしては、例えば、紫外線吸収剤をバインダ樹脂に分散させた組成物を成膜したり、あるいはこれを透明基材又は他の機能性フィルタ上に塗布し、必要に応じ乾燥、硬化処理等を経て形成したりすることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等の有機系化合物、微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム等からなる無機系化合物からなるものが挙げられる。当該バインダ樹脂としては、上記近赤外線吸収フィルタのところに挙げたような樹脂を用いることができる。
なお、図1では、光学機能シート層12に接して波長フィルタ層20が備えられる形態を例示したが、本発明はかかる形態に限定されない。例えば、本発明の光学シートの他の実施形態として図4に示した光学シート10’のように、接着層(粘着層)40などを介して光学機能シート層12上に波長フィルタ層20が備えられることもある。図4は、他の実施形態にかかる本発明の光学シート10’の一部の断面を概略的に示した図である。接着層(粘着層)を介して光学機能シート層上に波長フィルタ層が備えられる場合であっても、光学機能シート層を構成する樹脂材料に含有される重合開始剤から発生するラジカルが、該接着層(粘着層)を通って波長フィルタ層まで到達し、該波長フィルタ層に含有される色素に悪影響を及ぼすことがあった。しかしながら、本発明の光学シートは、これまでに説明したように、光学機能シート層を構成する組成物の組成を適切に調整することによって、バリア層を設けなくとも波長フィルタ層に含まれる近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化を簡単に防止することができる。よって、光学シート10’のように、接着層(粘着層)40を介して光学機能シート層12上に波長フィルタ層20が備えられる形態であっても、波長フィルタ層20に含まれる近赤外線やネオン線を吸収するための色素の劣化を防止することができる光学シートとすることができる。
本発明の光学シートは、少なくとも上記光学機能シート層及び波長フィルタ層を有しており、用途に応じてその他の様々な機能を有する層が備えられる。本発明の光学シートに備えられ得るその他の層としては、従来の光学シートに用いられていたものを特に限定することなく用いることができる。具体的には、電磁波シールド層、防眩層、反射防止層、ハードコート層などを、接着層(粘着層)を用いて貼合することで構成することができる。また、接着層(粘着層)にはUV吸収剤、近赤外吸収剤、Neカット吸収剤、および調色色素などを粘着剤に含める場合もある。これらの層の積層順、及び積層数は、光学シートの用途に応じて適宜決定される。以下、これらの層の機能などについて説明する。
電磁波シールド層は、その名称が示す通り、電磁波を遮断する機能を有する層である。当該機能を有する層であれば、電磁波を遮断する手段は特に限定されるものではない。これには、例えばエッチング方式、印刷方式、蒸着方式、スパッタ方式で形成されるものを挙げることができ、遮断すべき電磁波により適宜設計される。
防眩層は、いわゆるぎらつきを抑制する機能を有する層であり、アンチグレア層、AG層と呼ばれることもある。このような防眩層としては市販のものを用いることができる。
反射防止層は最も観察者側に配置されて外光の反射を防止する機能を有する層である。これによれば、外光が光学シートの観察者側面で反射して観察者側へ戻って、いわゆる映り込みが生じて映像が見え難くなることを抑制することができる。このような反射防止層は、市販の反射防止フィルムを用いる等して構成することが可能である。
ハードコート層は、HC層とも呼ばれることもある。これは、画像表示面に傷がつくことを抑えるために耐擦傷性を付与することができる機能を有するフィルムが配置された層である。
次に、光学シート10が表示装置の一例であるプラズマテレビ1に取り付けられた時の構成について説明する。図5は光学シート10がPDP2の映像光出射側に配置され、該PDP2及び光学シート10がプラズマテレビ1に備えられた場面において、該PDP2及び光学シート10の配置を説明する模式図である。図5では紙面右が観察者側である。なお、図5では、光学シート10を構成する層として、基材層11上に形成された光学機能シート層12、及び波長フィルタ層20のみ示しているが、通常、光学シートには上記したその他の層も適宜備えられている。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(プリズム部構成組成物の調整)
温度計、冷却管及び攪拌装置を備えたフラスコに、イソホロンジイソシアネート20質量部、メトキシポリエチレングリコール(分子量400、東邦化学工業(株)製、商品名:メトキシPEG400)5質量部を加え、40℃以下に保ちながら滴下ロートよりペンタエリスリトールトリアクリレート15質量部を20分かけて滴下した。その後、ペンタエリスリトールトリアクリレート15質量部及び触媒としてオクチル酸スズ0.0002質量部を加え80℃に昇温し、2時間保温しウレタン化反応を続け、ウレタンアクリレートAを得た。
当該ウレタンアクリレートA50質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート50質量部とを混合したアクリル混合体に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、プリズム部構成組成物を調整した。
(プリズム部の形成)
ピッチが51μmで開口幅が10μmで深さが69μmの溝を形成し得る賦形型ロールを準備した。この賦形型ロールとニップロールとの間に厚さ100μmのPETフィルムを送り込んだ。このPETフィルムの送り込みに合わせ、上で得られたプリズム部構成組成物を賦形型ロールとPETフィルムとの間に供給装置から供給し、賦形型ロールおよびニップロール間の押圧力により、当該プリズム部構成組成物をPETフィルム上に貼り合わせた。その後、そのPETフィルム側から高圧水銀灯により800mJ/cmの紫外線を照射してプリズム部構成組成物を硬化させ、硬化したプリズム部構成組成物によってプリズム部を含む厚さが189±20μmであるシート(中間部材)を形成した。
(光吸収部構成組成物の調整)
上記プリズム部と同様のアクリル混合体を84質量部と、光吸収粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラック含有アクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社製)16質量部と、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド3質量部とを混合して均一化し、光吸収部構成組成物を調整した。
(光吸収部の形成)
上で得られた光吸収部構成組成物を供給装置から上記の中間部材上に供給した。また、ドクターを用いて中間部材上に供給された光吸収部構成組成物を掻き取り、当該光吸収部構成組成物を中間部材に形成された略V字形状の溝(プリズム部間の溝)内に充填した。その後、光吸収部に直接紫外線を照射して光吸収部構成組成物を硬化させ、硬化した光吸収部構成組成物によって光吸収部を形成した。
以上のようにして、基材層(PETフィルム)上にプリズム部と光吸収部と有する光学機能シート層が形成された光学機能シートを得た。
(波長フィルタ層の形成)
アクリル系粘着剤(感圧性粘着剤「オリバイン」BPS6271:商品名、固形分27%、東洋インキ製造(株)製)99.7質量部、及び硬化剤(BXX5627:商品名、東洋インキ製造(株)製)0.3質量部に、近赤外線吸収剤として、フタロシアニン系化合物(IR12:商品名、日本触媒(株)製)0.05質量部、フタロシアニン系化合物(IR14:商品名、日本触媒(株)製)0.02質量部、及びジインモニウム系化合物(IRG−068:商品名、日本触媒(株)製)0.03質量部を配合した。更に、ネオン光吸収化合物(TAP2:商品名、山田化学(株))を0.01質量部配合した。更に、紫外線吸収剤として、CyasorbUV24(サイテック社製)を4質量部、光安定剤として、TINUVINN144(チバスぺシャルティケミカル製)を2質量部、調色色素として、KAYASET(日本化薬(株)製)を0.1質量部、及び、層状粘土鉱物として、クニピアD36(クニミネ工業(株)製)を0.05質量部配合し、混合物を得た。該混合物を十分攪拌させて粘着剤層用組成物を作製した。該粘着剤層用組成物を厚さ38μmの中剥離性離型フィルム(東洋紡績社製、E7007)上に厚さ25μmになるように塗布し、100℃、2分間乾燥させ塗膜を形成した後、該塗膜上に38μm軽剥離性離型フィルム(東洋紡績社製、E7005)をラミネートし、波長フィルタ層として粘着剤層用組成物を離型フィルム間に設けた粘着剤層形成フィルムを作製した。
(反射防止フィルムの形成)
反射防止層は、紫外線吸収剤を練込んで成る透明な、厚さ50μmの2軸延伸PETフィルムであるテトロンフィルム(帝人(株)製、商品名「HBタイプ」
に、高屈折率層と低屈折率層をこの順に形成した物から構成した。
ここで、高屈折率層は、ジルコニア超微粒子を紫外線硬化性樹脂中に分散させた組成物(JSR(株)製、商品名「KZ7973」)を乾燥膜厚が3μmとなるように上記テトロンフィルムの一方の面上に塗布して乾燥し、紫外線を照射して得た、屈折率1.69の硬化物である。一方、低屈折率樹脂層は、フッ素樹脂系の紫外線硬化性樹脂(JSR(株)製、商品名「TM086」)を乾燥膜厚が100nmとなるように上記高屈折率層上に塗布して乾燥し、紫外線を照射して得た、屈折率1.41の硬化物である。
(評価用フィルタの作製)
上記波長フィルタ層の軽剥離性離型フィルムを剥がし、上記反射防止フィルムの反射防止層が形成されていないPETフィルム面に貼合した。その後、中剥離性離型フィルムを剥がし、光学機能シート層の表面と貼合することで評価用フィルタを作製した。
(ガラス転移温度Tgの評価)
市販の熱重量測定装置(TG−DTA)および示差走査熱量分析装置(DSC)(製品名「2000S システムWS002」、マック・サイエンス社製)を用いて、評価用フィルタの熱分解開始温度およびTgを求めた。なお、測定条件、および数値の算出法は以下の通りである。
・TG−DTA:室温から10℃/minで昇温して800℃までサンプルを加熱した際にチャート上に出現した屈曲点における温度を、熱分解開始温度とした。
・DSC:−50℃から10℃/minで昇温して200℃までサンプルを加熱した後、再度−50℃まで冷却し、再び200℃まで加熱した際に得られる、2サイクル目の曲線から、接線法により屈曲点を算出して、Tgとした。
(フィルタの耐久評価)
作製した評価用フィルタの初期状態と、耐熱試験(80℃、湿度10%以下、500時間)、耐湿熱試験(60℃、湿度90%、500時間)、及び耐光試験(550W/m、55℃、100時間)の3条件下での試験後にて分光特性(可視光透過率Y、色度(x、y))を、分光光度計(島津製作所製、UV−2200PC)を用いて測定した。初期状態と、前記3条件下での試験後の透過率T、及び色度(x、y)の測定値から、透過率変化ΔT、及び色度(x、y)の値の差Δx及びΔyを求めた。
その結果、初期状態と前記3条件下で試験後との比較において、いずれも、380nm〜780nmでの透過率変化ΔTが5%以下であり、かつ780nm〜1000nmでの透過率変化ΔTが5%以下であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.003以下であった。また、プリズム部および光吸収部のTgは200℃以上であった。
<実施例2>
(プリズム部構成組成物の調整)
実施例1と同様のウレタンアクリレートA30質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてペンタエリスリトールテトラアクリレート70質量部とを混合したアクリル混合体に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、プリズム部構成組成物を調整した。
(光吸収部構成組成物の調整)
プリズム部と同様のアクリル混合体を84質量部と、光吸収粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラック含有アクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社製)16質量部と、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド3質量部とを混合して均一化し、光吸収部構成組成物を調整した。
(評価用フィルタの作製)
上記プリズム部構成組成物および光吸収部構成組成物を用いた以外は実施例1と同じ条件で評価用フィルタを作製した。
(フィルタの耐久評価)
作製した評価用フィルタの耐久評価を実施例1と同じ条件で評価を行った。その結果、初期状態と前記3条件下で試験後との比較において、いずれも、380nm〜780nmでの透過率変化ΔTが5%以下であり、かつ780nm〜1000nmでの透過率変化ΔTが5%以下であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.003以下であった。また、実施例1と同様の方法で測定した結果、プリズム部および光吸収部のTgは200℃以上であった。
<実施例3>
(プリズム部構成組成物の調整)
実施例1と同様のウレタンアクリレートA40質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてイソシアヌル酸エトキシ変性ジおよびトリアクリレート(商品名:アロニックスM−313、東亞合成製)40質量部と、トリプロピレングリコールジアクリレート10質量部と、イソボルニルアクリレート10質量部とを混合したアクリル混合体に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、プリズム部構成組成物を調整した。
(光吸収部構成組成物の調整)
プリズム部と同様のアクリル混合体を84質量部と、光吸収粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラック含有アクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社製)16質量部と、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド3質量部とを混合して均一化し、光吸収部構成組成物を調整した。
(評価用フィルタの作製)
上記プリズム部構成組成物および光吸収部構成組成物を用いた以外は実施例1と同じ条件で評価用フィルタを作製した。
(フィルタの耐久評価)
作製した評価用フィルタの耐久評価も実施例1と同じ条件で評価を行った。その結果、初期状態と前記3条件下で試験後との比較において、いずれも、380nm〜780nmでの透過率変化ΔTが8%以下であり、かつ780nm〜1000nmでの透過率変化ΔTが8%以下であった。また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.005以下であった。また、実施例1と同様の方法で測定した結果、プリズム部および光吸収部のTgは150℃であった。
<比較例1>
(プリズム部構成組成物の調整)
実施例1と同様のウレタンアクリレートA40質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてフェノキシエチルアクリレート35質量部と、トリプロピレングリコールジアクリレート25質量部とを混合したアクリル混合体に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、プリズム部構成組成物を調整した。
(光吸収部構成組成物の調整)
プリズム部と同様のアクリル混合体を84質量部と、光吸収粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラック含有アクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社製)16質量部と、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド3質量部とを混合して均一化し、光吸収部構成組成物を調整した。
(評価用フィルタの作製)
上記プリズム部構成組成物および光吸収部構成組成物を用いた以外は実施例1と同じ条件で評価用フィルタを作製した。
(フィルタの耐久評価)
作製した評価用フィルタの耐久評価も実施例1と同じ条件で評価を行った。その結果、初期状態と前記3条件下で試験後との比較において、いずれも、380nm〜780nmでの透過率変化ΔTが10%以上であり、かつ780nm〜1000nmでの透過率変化ΔTが10%以上また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.005よりも大きかった。また、実施例1と同様の方法で測定した結果、プリズム部および光吸収部のTgは70℃であった。
<比較例2>
(プリズム部構成組成物の調整)
実施例1と同様のウレタンアクリレート50質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてイソボルニルアクリレート20質量部と、フェノキシエチルアクリレート30質量部とを混合したアクリル混合体に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド3質量部を混合して均一化し、プリズム部構成組成物を調整した。
(光吸収部構成組成物の調整)
プリズム部と同様のアクリル混合体を84質量部と、光吸収粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラック含有アクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社)16質量部とを混合して均一化し、光吸収部構成組成物を調整した。
(評価用フィルタの作製)
上記プリズム部構成組成物および光吸収部構成組成物を用いた以外は実施例1と同じ条件で評価用フィルタを作製した。
(フィルタの耐久評価)
作製した評価用フィルタの耐久評価も実施例1と同じ条件で評価を行った。その結果、初期状態と前記3条件下で試験後との比較において、いずれも、380nm〜780nmでの透過率変化ΔTが10%以上であり、かつ780nm〜1000nmでの透過率変化ΔTが10%以上また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.005よりも大きかった。また、実施例1と同様の方法で測定した結果、プリズム部および光吸収部のTgは53℃であった。
<比較例3>
(プリズム部構成組成物の調整)
実施例1と同様のウレタンアクリレート40質量部と、多官能アクリレートモノマーとしてイソボルニルアクリレート20質量部と、フェノキシエチルアクリレート20質量部と、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート20質量部とを混合したアクリル混合体に、光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド3質量部を混合し均一化し、プリズム部構成組成物を調整した。
(光吸収部構成組成物の調整)
プリズム部と同様のアクリル混合体を84質量部と、光吸収粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラック含有アクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社)16質量部とを混合して均一化し、光吸収部構成組成物を調整した。
(評価用フィルタの作製)
上記プリズム部構成組成物および光吸収部構成組成物を用いた以外は実施例1と同じ条件で評価用フィルタを作製した。
(フィルタの耐久評価)
作製した評価用フィルタの耐久評価も実施例1と同じ条件で評価を行った。その結果、初期状態と前記3条件下で試験後との比較において、いずれも、380nm〜780nmでの透過率変化ΔTが10%以上であり、かつ780nm〜1000nmでの透過率変化ΔTが10%以上また、フィルタの色度(x、y)の変化ΔxおよびΔyは、いずれも0.005よりも大きかった。また、実施例1と同様の方法で測定した結果、プリズム部および光吸収部のTgは68℃であった。
実施例1〜3および比較例1〜3について、プリズム部構成組成物を構成する部材の配合割合(質量部)を表1に示し、評価結果を表2に示した。
Figure 2011197426
Figure 2011197426
以上、現時点において実践的であり、かつ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う光学シート及び映像表示装置も本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
1 プラズマテレビ(表示装置)
2 プラズマディスプレイパネル(PDP)
10 光学シート
11 基材層
12 光学機能シート層
13 プリズム部
14 光吸収部
15 バインダ部
16 光吸収粒子
17 粘着剤層
20 波長フィルタ層

Claims (6)

  1. プラズマディスプレイパネルから出射された光を制御して観察者側に出射する、複数の層を有する光学シートであって、
    基材層上に形成された、光を透過可能にシート面に沿って並列されて形成されるプリズム部と、前記プリズム部間に光を吸収可能に並列される光吸収部と、を有する光学機能シート層を少なくとも備えており、
    前記プリズム部が、放射線硬化型プレポリマー、多官能アクリレートモノマー、及び重合開始剤を含むプリズム構成組成物を硬化させてなるものであり、
    前記プリズム構成組成物が、全量を基準として、前記多官能アクリレートモノマーを50質量%以上含有している、光学シート。
  2. 所定の波長の光の透過を抑制する機能を有する波長フィルタ層が、前記光学機能シート層と接するように積層されている、請求項1に記載の光学シート。
  3. 所定の波長の光の透過を抑制する機能を有する波長フィルタ層が、粘着層を介して前記光学機能シート層上に積層されている、請求項1に記載の光学シート。
  4. 前記光吸収部が、放射線硬化型プレポリマー、多官能アクリレートモノマー、及び重合開始剤を含む光吸収部構成組成物を硬化させてなるものである、請求項1〜3のいずれかに記載の光学シート。
  5. 前記光吸収部構成組成物が、全量を基準として、前記多官能アクリレートモノマーを50質量%以上含有している、請求項4に記載の光学シート。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シートと、プラズマディスプレイパネルとを備える映像表示装置。
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