JP2009222996A - 画像表示装置用前面フィルタ - Google Patents

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有太 新宅
Shinichi Kato
慎一 加藤
Yuka Hiwatari
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Abstract

【課題】電磁波遮蔽機能を有し、視野角はできるだけ抑制せず、コントラストが高いと共にコントラスト向上効果と画質とが両立し、かつ、近赤外線吸収層の透過色調が青色を呈する点について改善できる画像表示装置用前面フィルタを提供する。
【解決手段】少なくともミクロルーバ層13及び近赤外線吸収層12、必要に応じて更に電磁波遮蔽層11を備え、画像表示装置の観察者側に直接貼り合わされる画像表示装置用前面フィルタ14であって、ミクロルーバ層が該近赤外線吸収層よりも観察者側に配置され、近赤外線吸収層が下記式(I)で表わされる酸化タングステン系化合物、及び更に金属酸化物微粒子を含有してなる。MxWyOz・・・(I)(M元素はCs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0)
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、単にPDPと称する。)などの画像表示装置の画像表示部よりも観察者側に配置される画像表示装置用前面フィルタに関するものであり、更に詳細にはコントラスト向上機能を有する画像表示装置用前面フィルタに関する。
PDPを用いたテレビセット等の画像表示装置では、PDPは近赤外線を発することが知られており、近赤外線によって、コードレスホン、近赤外線リモートコントロール装置を使用するビデオデッキなど、周辺にある電子機器に悪影響を及ぼし、正常な動作を阻害する恐れがあった。そこで、種々のPDP用近赤外線フィルタが提案され、特に近赤外線吸収力が大きく、かつ耐久性に優れたものとして、近赤外線材料に平均分散粒径が800nm以下の、タングステン酸化物微粒子及び/又は複合タングステン酸化物微粒子を用いた近赤外線吸収フィルタが提案されている(特許文献1参照)。
一方、一般に、画像表示装置においては、日光、電燈光等の外(来)光が画面に入射すると、画面が反射した外光で光り、画像のコントラストの低下が生じ、映像品質に悪影響を与える。特に、特許文献1の樣なタングステン酸化物系微粒子を近赤外線吸収層に含有すると、かかるタングステン酸化物系微粒子は屈折率2.5〜2.6程度と高屈折率である為、該近赤外線吸収層表面での反射率は増大する。それ故、特許文献1の構成の近赤外線吸収層を画面表面に設置すると、外光照射環境下におけるコントラストは、該近赤外線吸収層設置前よりも低下する傾向になる。
かかるタングステン酸化物系微粒子を含有する近赤外線吸収層表面の高反射率を低減し、以って外光環境下での画像コントラストを向上せしめる試みとして、特許文献2の如く、該近赤外線吸収層の表面(外光入射側)に、低屈折率の薄膜から成る反射防止層を形成し、該近赤外線吸収層の外光反射率を低減し、以って外光存在下におけるコントラスト低下を防ぐ、画像表示用前面フィルタが提案されている。なお、該低屈折率層は、多孔質シリカ粒子を樹脂バインダ中に分散させた特定の組成物を採用してなる。
しかしながら、特許文献2に記載された画像表示装置用前面フィルタは、特定のタングステン酸化物系微粒子を含有する近赤外線吸収層表面において、外光環境下での画像コントラストを向上せしめるものではあった。しかし、かかる低屈折率層から成る反射防止層は、高価で特殊な材料を使用する為、製造価格の高騰につながり、現状の画像表示装置用部材において要求されている、低価格化の要望と相反する。且つ、かかる低屈折率層は、十分な効果を発現する為には、光学的膜厚を反射防止の対象となる光の波長の1/4と薄膜に設計する必要が有る為、製造技術、品質管理の難易度も高くなる。
特開2006−154516号公報 特開2001−201463号公報
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、耐久性の高い特定のタングステン酸化物系微粒子を含有する近赤外線吸收フィルタにおいて、外光存在下における画像コントラストが高いと共に、低屈折率薄膜を用いた反射防止層を形成する仕樣よりも、低価格で製造乃至品質管理も容易な画像表示装置用前面フィルタを提供することを目的とする。
また、更には、以上に加えて、近赤外線吸収層の透過色調が青色を呈する点について改善できる画像表示装置用前面フィルタを提供することを目的とする。
また、当該前面フィルタを備える画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のタングステン酸化物系微粒子から成る無機の近赤外線吸収剤を用いた近赤外線吸収層とミクロルーバ層とを組み合わせて使用することにより、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づき完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)少なくとも、ミクロルーバ層及び近赤外線吸収層を備え、画像表示装置の観察者側に設置される画像表示装置用前面フィルタであって、該ミクロルーバ層が該近赤外線吸収層よりも観察者側に配置され、
該ミクロルーバ層は、該近赤外線樹脂層の観察者側表面の面方向に沿った所定方向に直線状に連なり、その延長方向と直交する断面が台形となる暗色凸條部を、複数條互いに平行に有して成り、
該近赤外線吸収層が下記一般式(I)で表わされる酸化タングステン系化合物微粒子を含有してなることを特徴とする、画像表示装置用前面フィルタ、
MxWyOz ・・・(I)
(M元素はCs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0)
(2)前記(1)記載の画像表示装置用前面フィルタであって、該ミクロルーバ層が、前記暗色凸條部の観察者側表面を透明樹脂層で被覆して成ることを特徴とする、画像表示装置用前面フィルタ、
(3)前記近赤外線樹脂層は、更に、該酸化タングステン系化合物微粒子よりも小粒径の金属酸化物微粒子を含有してなる前記(1)又は(2)に記載の、画像表示装置用前面フィルタ、
(4)前記酸化タングステン系化合物がセシウム含有酸化タングステンである、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像表示装置用前面フィルタ、
(5)前記金属酸化物微粒子が酸化ジルコニウム及び/又は酸化チタンである、前記(3)又は(4)に記載の画像表示装置用前面フィルタ、
(6)前記ミクロルーバ層及び前記近赤外線吸収層以外の画像表示装置前面用フィルタをさらに一層以上備えてなる、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像表示装置用前面フィルタ、
(7)前記ミクロルーバ層及び前記近赤外線吸収層以外の画像表示装置前面用フィルタが電磁波遮蔽層を含むものであり、該電磁波遮蔽層が、透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性組成物からなるパターン層と、を有し、前記プライマー層のうち前記パターン層が形成されている部分の厚さは前記パターン層が形成されていない部分の厚さよりも厚く、かつ、(a)前記プライマー層と前記パターン層との界面が交互に入り組んでいる、(b)前記プライマー層と前記パターン層との界面近傍には、プライマー成分とパターン成分とが混在している領域が存在する、及び(c)前記パターン層中に、前記プライマー層に含まれるプライマー成分が存在する、の3つの界面形態の少なくとも1つを有している、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像表示装置用前面フィルタ、及び
(8)画像表示装置の観察者側に、請求項1〜7のいずれかに記載の画像表示装置用前面フィルタが設置されていることを特徴とする、画像表示装置、
を提供するものである。
本発明によれば、外光が入射する場所で画像表示装置を使用してもコントラストが低下することがないとともに、画像の輝度及び画質も低下せず、画像表示装置から発生する近赤外線が観察者側に出射するのを防止することができ、透明性に優れる近赤外線吸収層を有する画像表示装置用前面フィルタを提供することができる。
本発明に係る第一の発明の画像表示装置用前面フィルタは、図1に示すように、画像表示装置1の観察者側に、少なくとも近赤外線吸収層12及びミクロルーバ層13を備え、設置される画像表示装置用前面フィルタであって、該ミクロルーバ層13が該近赤外線吸収層12よりも観察者側に配置されている。即ち、図2の如く、該ミクロルーバ層の暗色凸條部3は近赤外線吸収層12の観察者側の面に配置される。かかる位置関係であることによって、近赤外線吸収層12表面に観察者側から主に斜め方向(光線L25参照)から入射する外光を効果的に吸収する。
ミクロルーバ層は、特に限定されないが、例えば本件出願人による特開2007−272161号公報において、光吸収層とレンズ層からなるコントラスト向上層として記載されているものを好適に利用できる。以下、この形態を主体に説明する。
より具体的には、ミクロルーバ層は、透明基材4の一方の面に透明樹脂層2を積層し、該透明樹脂層表面の面方向に沿った所定方向に直線状に連なり、その延長方向と直交する断面(以下、主切断面とも呼称する)が台形の溝状凹部を、複数條互いに平行に刻設し、該溝状凹部内に、光吸收粒子と透明樹脂とから成る暗色樹脂を充填して、平行な複数條の暗色凸條部3とし、該透明基材4及び透明樹脂層2の該隣接する暗色凸條部3同士の間を透光性開口部(光学的に光を透過する部分と云う意味。貫通孔が穿孔されていると云う意味では無い。)としてなる。該平行配列した暗色凸條部3は透明樹脂層2の内部に埋設されており、別の見方をすると、溝状凹部を有する透明樹脂層2と暗色凸條部3とは、交互に噛み合わせて配列しているとも言える。
なお、交互に多数噛み合わせて配列するとは、透明樹脂層2と暗色凸條部(光吸収部)3が交互に多数隣接して一体となり、互いに相手の一部の形状を構成することを意味する。また、PDP表示光の透過面は層の界面に限定されず、一定の厚みを有する。
本発明の前面フィルタを構成するミクロルーバ層13は、前面フィルタに、外光存在下における画像コントラスト向上機能を付与する目的で用いられる。図2に本発明の前面フィルタを構成するミクロルーバ層の拡大断面図を示す。ミクロルーバ層13は、透明樹脂層2、暗色凸條部3を含む。
暗色凸條部3は、図3に示すように、上述の楔形状の断面形状が水平方向(紙面の手前と奥を結ぶ方向)に延在しており、これが垂直方向(紙面の上下を結ぶ方向)にピッチ100μmで多数平行に並んでいる。
暗色凸條部3には、透明なバインダ(以下において「透明バインダ26」という。)中に光吸収粒子29が添加された材料で充填されている。暗色凸條部3の主切断面形状は、台形、正方形、長方形等の4角形、3角形、5角形等の画面に平行な底辺を有する多角形が各種使用出来るが、好ましくは、台形とする。なお、ここで台形としては、極限的な場合として、両底辺の長さの差が0に近い形状(長方形或は正方形に近似する形状)、3角形の頂点近傍を底辺に平行に切断した、3角形に近似する截頭3角形等も包含する。但し、外光存在下の画像コントラスト向上效果、画像の明るさ(輝度)、及び画像の高視野角との両立性の点では、断面形状が台形の暗色凸條部3は、対向する両底辺の長さに有意差があり、画像表示装置側に幅広の底辺28、観察者側に幅狭の底辺27を備えていることが好ましい。暗色凸條部3と透明樹脂層2とが接する斜面が、出光面の法線V(前面フィルタに対する垂直入射光に平行な線)となす角度は所定の角度θ41に形成されている。θ41は3°≦θ≦15°の範囲であることが好ましい。θ41が3°以上であると、観察側正面方向に進行する画像表示装置からの表示光が十分に到達し、輝度向上効果が得られる。
しかも画面に斜め方向に入射する外光については、十分な断面積で吸収する為外光反射を抑止して画像コントラストも向上する。一方、θが15°以下であると外光を吸収する暗色凸條部の側面の断面積は維持しつつ、画像光が通過する暗色凸條部非形成領域(光学的開口部)の面積も多く保てるため、画像光の強度(輝度)が高く保たれるからである。
表面に台形の溝状凹部を複数條互いに平行に有する透明樹脂層2の形成方法としては、加熱された金型を熱可塑性樹脂層に押圧する熱プレス法、熱可塑性樹脂組成物を金型内に注入して固化させるキャスティング法、射出成形法、紫外線硬化型樹脂組成物を成形型内に注入して紫外線硬化させるUVキャスティング法(2P方とも呼称する)等の従来公知の方法が用いられるが、これらの方法の中では、量産性に優れたUVキャスティング法がより好ましい。UVキャスティング法は、ロール状の型を使用して、連続シートを供給しながらレンズ単位を連続的に型押しして生産することが可能である。例えば、透明樹脂層2は通常、電離放射線硬化性を有するエポキシアクリレートなどの材料にて構成されている。その際、加工適性、及びミクロルーバ層の機械的強度を確保する為に、透明樹脂層2の該溝状凹部非形成面側に、透明基材4を積層(裏打ち)することが好ましい。
透明樹脂層2を構成する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、或は、電離放射線硬化性樹脂は公知のものが使用出来る。電離放射線硬化性樹脂としては、後述の近赤外線吸収收層の樹脂(バインダ)として例示の物と同様の物の中から適宜選定する。
このようにして透明樹脂層2が形成されるのと同時に、楔形の溝状凹部が形成される。この楔形の溝状凹部内に、暗色の光吸収粒子29と、バインダの作用を受け持つ透明バインダ26を含むインキを充填し、硬化することにより暗色凸條部3が形成される。光吸収粒子29は光吸収作用を有するため、暗色凸條部3の内部に入射した光は当該光吸収粒子に吸収され、暗色凸條部の外側に出射しない。
暗色凸條部3の透明バインダ26となる材料としては、電離放射線硬化性を有する樹脂等の材料を用いるのが好ましい。暗色凸條部3を構成する光吸収粒子29は市販の着色粒子が使用可能であり、バインダとしての透明バインダ26に分散させてインキ化して用いられる。
製造上の容易さを向上させるため、必要に応じて、脱泡剤やレベリング剤等の添加剤を適宜少量、上記のインキに添加しても良い。
光吸収粒子29としては、光吸収性が高く暗色、即ち、低明度の有彩色或は無彩色を呈するものが用いられる。具体的には、黒、濃い灰色等の無彩色、褐色、紺色、臙脂色、深緑色、濃紫色等の有彩色が用いられる。低明度無彩色の例としては、黒色粒子としてカーボンブラック(墨)、黒色酸化鉄等の黒色顔料及び/又は染料(以下、「顔料」と総称する)や樹脂粒子例えばアクリル等の透明粒子を前記カーボンブラック等の黒色顔料にて染色したもの等が用いられる。また、黒色顔料以外の青色、紫色、黄色、赤色の各種顔料を混合して無彩色化したもの、又は青色、紫色、黄色、赤色、緑色等の有彩色着色材に前記黒色着色材を混合分散し、実質的に黒色にした材料を使用しても良い。青色顔料としては、銅フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、コバルトブルー、群青等が、紫色顔料としては、ジオキサジンバイオレット等が、黄色顔料としては、ジスアゾイエロー、イソインドリノンイエロー、黄鉛等が、赤色顔料としては、クロモフタルレッドタイペル、キナクリドンレッド、弁柄、緑色顔料としては、銅フタロシアニングリーン、緑青等が用いられるが、その限りではない。また、前記低明度有彩色の例としては、前記の青色、紫色、黄色、赤色、又は緑色顔料を1種類或は2種類以上適宜混合分散し、必要に応じ、更に前記黒色を混合した着色顔料、或は樹脂粒子例えばアクリル等の透明粒子を、これら顔料で着色した着色粒子でも良い。
上記の着色粒子の中で、本発明においては、黒色粒子がもっとも光吸収性が高く、しかも本発明の前面フィルタ自体の色相に影響を与えないので好ましい材料である。
本発明の前面フィルタを構成するミクロルーバ層における光吸収粒子29は、平均粒径が1μm以上で、暗色凸條部3の幅狭の底辺27の幅の半分以下であることが好ましい。光吸収粒子29の大きさが小さすぎると、十分な光吸収効果を得ることができない。一方、光吸収粒子29の大きさが暗色凸條部3の幅狭の底辺27の幅の半分を超えて大きすぎると、製造時に、楔形の溝状凹部内にインキが充填しにくくなり充填率が悪くなると共に、楔形の溝状凹部単位間で充填率にばらつきが生じることになり、光学的なムラが生じて好ましくない。
また、本発明の前面フィルタを構成するミクロルーバ層における光吸収粒子29は、暗色凸條部3の全体の体積に対して10〜50体積%であることが好ましい。かかる比率を維持することによって、十分な光吸収効果を保ちつつ、容易な製造条件を与えることができる。
バインダとしては、例えば、所定の屈折率を有する透明な樹脂で、各種樹脂が使用可能であるが、好ましくは、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等の電離放射線硬化性樹脂が用いられる。電離放射線硬化性樹脂としては、後述の近赤外線吸収層の樹脂(バインダ)として例示の物と同様の物の中から適宜選定する。
上記より適宜選択された材料を3本ロール分散法等で均一に分散(混合)してインキ化して用いる。その組成比は、電離放射線による硬化性、硬化後の諸物性を評価して適宜決定すれば良く、着色剤は、10〜50質量部、バインダは50〜90質量部、光開始剤は1〜10質量部程度が好ましい。
インキは、ワイピング法等の方法により、透明バインダと光吸收粒子とから成るインキを、透明樹脂層2の楔形の溝状凹部を形成した側の表面に対し、該溝状凹部を含む全面に塗工した後、該溝状凹部以外のインキのみをドクターブレード、ゴムロール、布等により除去し、該溝状凹部内にのみ該インキを充填した後、紫外線等の電離放射線で硬化、定着させる。溝状凹部内で硬化したインキが暗色凸條部3となる。
本発明の前面フィルタを構成するミクロルーバ層においては、図2に示す如く、上記楔形の溝状凹部の画像表示装置側の底辺(底面)28上に、ブラックストライプ3aを設けた形態を用いることもできる。画像表示装置側からブラックストライプ3aに入射した画像光は、ブラックストライプ3aにより吸収される。その結果、画像光が該底辺28で反射されて画面上に入射して、更に画面で反射されて、直接観察者に向かう真正の画像光と混合してコントラストが低下する現象も防ぐことが出来る。そのため、画像コントラストがさらに向上する。
このようなミクロルーバ層を有するPDP用前面フィルタを、PDPの画面前面に設置して使用すると、外光が表示面に当たる環境であっても、PDPの画像コントラストの低下が起こり難い。
外光の種類はPDPの使用環境によって異なるが、通常、室内における使用の場合は主に窓からの入射光や天井の照明であり、屋外での使用の場合は主に太陽光である。これらの外光は、通常、図2のL24のようにPDP表示面のほぼ正面から入射することは稀であり、L25のように、PDPの表示面に対して比較的浅い角度で(画面の法線Vに対して斜めに)入射することを特徴とする。このような浅い角度で入射する外光を、該斜め入射する光に対して広い断面積を有する暗色凸條部3の側面によって効率良く吸収することができればよい。一方、画像光は、L24の様に画面の法線V方向に直進する成分の比率が多い。従って、暗色凸條部3の側面の画像光吸収に寄与する断面積は極めて小さい。また、暗色凸條部3の画像表示装置側の底辺28に到達する画像光は吸収される。しかし、暗色凸條部3の底辺28の面積は暗色凸條部3の側面の面積に比べて小さい。よって、画像光の暗色凸條部3による吸収率は、低く抑えられる。
本発明の前面フィルタを構成するミクロルーバ層の暗色凸條部から成る光吸収部は、当該暗色凸條部の形状がPDP側に幅広の底辺28、観察者側に幅狭の底辺27を有する形状であることから、断面が長方形の暗色凸條部を有する前面フィルタの場合と比較して、観察者側の最表面に対する外光の入射角度が同じでも、暗色凸條部の斜面への外光の入射角度(図2における角α)は大きくなる。このため、暗色凸條部3を構成するバインダの屈折率をN2とし、透明樹脂層2を構成する材料の屈折率をN1としたとき、N1−N2>0なる関係が成立する場合、つまり全反射が起こる可能性を有する場合であっても、暗色凸條部内へ吸収される外光が多くなり、全反射される外光が少なくなる。その結果、PDP前面に到達する外光が少なくなり、PDP前面からの散乱光が抑制される。
一方、PDP本体からの出射光は、できるだけ暗色凸條部に吸収されることなく観察者側へ到達することが好ましい。このため、暗色凸條部を構成する透明バインダの屈折率をN2とし、透明樹脂層を構成する材料の屈折率をN1としたとき、N1−N2>0なる関係が成立することが、PDP本体からの出射光が暗色凸條部表面で全反射することにより、観察者側へ到達する出射光の量が増加するため、好ましい。図2において、光源側から透明樹脂層2の中央部付近に入射した垂直光L21は、そのままコントラスト向上層の内部を直進して通過し、観察者に至る。PDP側から透明樹脂層2の端部付近に斜めに入射した光L22は、透明樹脂層2と透明バインダ26との屈折率差により斜面にて全反射され、垂直光となって観察者側に出光される。PDP側から透明樹脂層2の端部付近にさらに大きな角度をもって、入射した光L23は、斜面にて全反射され、入射時とは反対方向に入射時よりも小さな角度をもって、垂直光に近い角度で観察者側に出光される。このように、PDPからの光を暗色凸條部の斜面で全反射させ、効率よく出光させることができるため、輝度及びコントラストの向上に寄与する。
N1−N2≦0の場合は、光吸収部の斜面で全反射が起こらないため、観察者側からの外光を光吸収部に効率よく吸収できる反面、PDP本体の出射光も過度に吸収してしまう点から好ましくない。
N1−N2の値は、透明樹脂層2及び透明バインダ26の材料に依存する。通常、PDP本体からの出射光が暗色凸條部の表面で効率よく全反射し、かつ、PDPの表示面に対して浅い角度で入射する外光が暗色凸條部で十分吸収されるように材料を選択する必要がある。PDPの設計、及びその他の設計要素を考慮し、適宜決定される。
PDP本体からの出射光を光吸収部の斜面で効率よく全反射させる観点から、N1−N2≧0.05、更にN1−N2≧0.14であることが好ましい。
一方、N1−N2は値が大きくなるほど、全反射して暗色凸條部に吸収される外光の量が減少するため、PDP前面に到達する外光が増え、乱反射が増加する傾向にあるが、実用可能な透明材料の屈折率の範囲は1.3〜1.7程度であることから、N1−N2の値は、通常、最大でも0.4程度であり、0.4程度以下の範囲では光吸収部は外光を十分に吸収することができる。
なお、図2において、光L21〜L25の光路は模式的に示されたものである。
図4は、暗色凸條部3(光吸収部)の主切断面形状が台形の場合において、その斜面部分の形状の諸態様を示す図である。この暗色凸條部3は、隣接する二つの単位レンズの間に形成される略等脚台形の形状を有している。図4(a)は、暗色凸條部3の斜面が直線にて形成されている場合を表している。この場合には、斜面と出光面法線とがなす角度θ51は斜面上のどの点においても一定である。図4(b)は、暗色凸條部3の斜面が滑らかな曲線で形成されている場合を表している。また図4(c)は、暗色凸條部3の斜面が2本の直線にて構成されている場合を示している。これらの場合、斜面と出光面法線とがなす角度θ52、又はθ53もしくはθ54は、斜面上の位置により異なる。本発明のミクロルーバ層において図4(b)や図4(c)の場合のように斜面と出光面法線のなす角度が一定でないときは、特に、斜面の長さの50%以上において、斜面と出光面法線とがなす角度が3°を超えれば、本発明の効果を得る上で好ましい。
本発明の前面フィルタを構成するミクロルーバ層においては、主に楔形の溝の断面形状が略等脚台形の場合について説明しているが、前記の如く、楔形の溝の断面形状が略二等辺三角形の場合においても、良好な前面フィルタが得られる。さらに、本発明においては、楔形の溝をなす断面形状が略台形もしくは略三角形であって、暗色凸條部3の2つの斜面部分が出光面の法線となす各々の角度が場所によって異なっていてもよい。また、楔形の溝の断面形状に伴って、レンズ部の断面形状において、台形の斜面部分が出光面の法線となす各々の角度が場所によって異なっていてもよい。
本発明の前面フィルタに使用される近赤外線吸収層は、最低限、前記の如き特定の近赤外線吸収層が1層有れば良いが、実用上は、基材上に近赤外線吸収層が積層された構成、あるいは、所定の近赤外線吸収微粒子及び金属酸化物粒子を粘着剤層に分散させた粘着剤層との兼用層であっても良い。
基材上に近赤外線吸収層が積層する場合の基材としては、特に制限はなく、従来近赤外線吸収フィルムの基材として公知のプラスチックフィルム、或はプラスチック又はガラスの板から適宜選択して用いることができ、透明性、機械的物性等の点からポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、ガラス基材も、光学的特性、機械的特性の点から好ましい。
上記基材は、透明、半透明のいずれであってもよく、また、着色されていてもよいが、PDP用としては無色透明が好ましい。
これらの基材の厚さは特に制限はなく、適宜選定されるが、フィルムの場合は、通常15〜250μm、好ましくは30〜200μmの範囲である。板の場合は、通常500〜10000μm、好ましくは800〜5000μmの範囲である。また、基材として、上記プラスチックを用いる場合には、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材の種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から好ましい。
本発明における近赤外線吸収層は、樹脂、無機近赤外線吸収剤を含有する。かかる近赤外線吸収層特有の青味を低減する為には、好ましくは更に、後述の金属酸化物微粒子を含有する。
ここで用いる樹脂は、無機近赤外線吸収剤を結着させるためのバインダの機能を果たし、基材上に近赤外線吸収層を形成することができるものであれば特に制限はなく、例えば、電離放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが好適に挙げられる。
これらの樹脂は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、非常に短時間の照射時間で硬化させることが可能であり、生産効率が高いとの観点から、電離放射線硬化性樹脂が好ましく、特に装置が簡便である等の点で紫外線硬化性樹脂が好ましい。
電離放射線硬化性樹脂とは、電磁波又は荷電粒子線、例えば紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋又は重合反応にて硬化する樹脂を意味する。このような電離放射線硬化性樹脂としては、例えば電離放射線重合性プレポリマー及び/又は電離放射線重合性モノマーを挙げることができる。
上記電離放射線重合性プレポリマーとしては、例えばポリエステル(メタ)アクリレート系、エポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリオール(メタ)アクリレート系などの分子中にラジカル重合性官能基を有する重合性オリゴマー、或はノボラック系型エポキシ樹脂プレポリマー、芳香族ビニルエーテル系樹脂プレポリマーなどのエポキシ系樹脂などの分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性オリゴマー等が挙げられる。これらの電離放射線重合性プレポリマーは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いても良い。なお、ここで、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
また、電離放射線重合性モノマーとしては、分子中にラジカル重合性官能基を有する重合性モノマーである多官能性(メタ)アクリレートが好ましく、具体的にはエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オン重合性官能基を有するモノマーとして、例えば、3,4−エポキシシクロヘキセニトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。カチルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどの脂環式エポキシド類、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどグリシジルエーテル類、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルなどビニルエーテル類、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンなどオキセタン類等が挙げられる。これらの電離放射線重合性モノマーは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、前記電離放射線重合性プレポリマーと併用してもよい。
電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されない。
分子中にラジカル重合性官能基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマーに対しては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタールなどが挙げられる。また、分子中にカチオン重合性官能基を有する重合性モノマーや重合性オリゴマー等に対しては、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、フェノール−ホルマリン樹脂、尿素樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル−メラミン樹脂、メラミン−ホルマリン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、汎用の2液硬化型アクリル樹脂(アクリルポリオール硬化物)などを例示することができる。
本発明の前面フィルタの近赤外線吸収層には、下記一般式(I)で表わされる酸化タングステン系化合物の微粒子が用いられる。必要に応じて後述の金属酸化物微粒子を含有してなることを特徴とする。
MxWyOz ・・・(I)
ここで、M元素はCs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、Wはタングステンを示し、Oは酸素を示す。
上記一般式(I)で示される酸化タングステン系化合物のうち、特にM元素がCsで表わされるセシウム含有酸化タングステンが、近赤外線吸収能が高いことから好適である。
また、上記一般式(I)において、添加されるM元素の添加量はタングステンの含有量を基準としたx/yの値として、0.001≦x/y≦1.1の関係を満足することが好ましく、特にx/yが0.33付近であることが、好適な近赤外線吸収能を示す点で好ましい。また、x/yが0.33付近であると、六方晶の結晶構造をとりやすく、該結晶構造をとることによって、耐久性の点でも好適である。
また、上記一般式(I)における酸素の含有量は、タングステンの含有量を基準としたz/yの値として、2.2≦z/y≦3.0の関係を満足することが好ましい。より具体的には、Cs0.33WO3、Rb0.33WO3、K0.33WO3、Ba0.33WO3などを挙げることができる。
上記無機近赤外線吸収剤は1種を単独で用いてもよく、又は2種以上を併用することもできる。
本発明における無機近赤外線吸収剤は、透明性と近赤外線吸収性との両立の点から、その平均粒子径が40〜200nm、特に40〜80nmであることが好ましい。
上記近赤外線吸収剤の近赤外線吸収層における含有量は、単位面積あたりの含有量で表した場合、0.01g/m2〜10g/m2の範囲であることが好ましい。含有量が0.01g/m2以上であれば、十分な近赤外線吸収効果が現れ、10g/m2以下であれば、十分な量の可視光線を透過できる。
本発明においては、上述のように無機の近赤外線吸収剤を用いることを特徴とするが、本発明の効果を奏する範囲内で、有機系や金属錯体等の他の近赤外線吸収剤を併用することもできる。例えば、ジイモニウム系化合物、アルミニウム系化合物、フタロシアニン系化合物、有機金属錯体、シアニン系化合物、アゾ化合物、ポリメチン系化合物、キノン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、トリフェニルメタン系化合物等を併用することもできる。
前記の如く、該酸化タングステン系化合物微粒子は、好ましくは、透明性と近赤外線吸収性との両立の点から平均粒子径を40〜200nmに選定される。但し、かかる粒径を選択した場合に、反射色調が青色であるという問題点が生じる。反射色調が青色であると、コントラストが不十分となる上、不使用時(電源を切った状態)のディスプレイの外観が青味がかる為、意匠上も好ましくない。
透過色調が青色となる原因としては、近赤外線吸収材料として用いられる酸化タングステン系微粒子の粒子径が小さいことに起因するレイリー散乱によるものと考えられる。レイリー散乱領域における散乱光は、粒子径の6乗に反比例して低減するため、近赤外線吸収材料の粒子径を大きくすることで、該散乱光を抑制することができるが、一定以上の大きさになると、ミー散乱が支配的となり、白濁の問題が生じる。
そこで、本願発明者らが各種検討した結果、作用機構は不明ではあるが、平均粒子径が該酸化タングステン系化合物微粒子の平均粒子径よりも小さい金属酸化物微粒子を該近赤外線吸収層中に混合、分散することにより、かかる反射色の青味が解消されることを見出した。
金属酸化物微粒子は、本発明の効果を奏する範囲であれば、材料自体に制限はないが、上記近赤外線吸収剤との間で屈折率差が小さいものが好ましく、特に酸化ジルコニウム及び酸化チタンが好適に挙げられる。これらの金属酸化物微粒子は、1種を単独で、又は2種以上を併用することもできる。
また、本発明の近赤外線吸収層に用いる金属酸化物微粒子は、その平均粒子径が5〜30nmであることが好ましい。平均粒子径が5nm以上であると、透過色調の青味を消すことができ、本発明の効果を奏することができる。一方、平均粒子径が30nm以内であれば、特に、酸化タングステン系化合物微粒子の平均粒子径を40〜200nmとした場合に、透過色調の青味を消すことができ、かつ白濁を生じることもない。
即ち、金属酸化物微粒子が酸化ジルコニウム及び/又は酸化チタンの場合においては、金属酸化物微粒子の平均粒子径d1が、酸化タングステン系化合物の平均粒子径d2よりも小径である、すなわち、d1<d2であることが、透過色調の青味を消す観点からより好ましい。
なお、金属酸化物微粒子の平均粒子径は、無機近赤外線吸収剤と同様に透過型電子顕微鏡を用いた方法により測定したものである。
上記金属酸化物微粒子の近赤外線吸収層における含有量は、前記無機近赤外線吸収剤100質量部に対して50〜400質量部であることが好ましい。50質量部以上であると、透過色調の青味を消すことができ、一方、400質量部以下であると白濁の問題が生じない。
本発明の近赤外線吸収層の厚さは2〜20μmの範囲が好ましい。厚さが2μm以上であると、近赤外線を十分に吸収することができ、一方、20μm以下であると可視光線透明性、及び必要以上に高価な酸化タングステン系化合物微粒子を使わない為に、価格の高騰を抑える等の点で有利である。以上の観点から、近赤外線吸収層の厚さは3〜15μmの範囲がさらに好ましく、5〜10μmの範囲が特に好ましい。なお、近赤外線吸収層の厚さを変えることで近赤外線の吸収効率を制御することができる。
本発明の近赤外線吸収層12の製造方法としては、基材上に近赤外線吸収層形成用塗工液を塗布し、乾燥・硬化して近赤外線吸収層を形成する方法が簡便で好ましい。
本発明における近赤外線吸収層形成用塗工液は、必要に応じ、適当な溶剤中に、前記樹脂、酸化タングステン系化合物微粒子(無機近赤外線吸収剤)、金属酸化物微粒子、所望により用いられる前記光重合開始剤、及び所望により添加される添加剤を所定の割合で加え、溶解又は分散させることにより、調製することができる。
本発明においては、酸化タングステン系化合物微粒子及び金属酸化物微粒子を溶剤中に分散させることが重要であり、分散方法としては、乾式法、湿式法等各種挙げられる。本発明においては、湿式法が有効であり、具体的には、ボールミル、サンドミル、媒体攪拌ミル、超音波照射等が挙げられる。また、酸化タングステン系化合物微粒子の分散に際し、溶媒の選定、分散剤の選定及びpHを調整することで酸化タングステン系化合物微粒子を安定に液体中に分散保持することが可能となる。各種分散剤は、使用する溶媒やバインダ等との相性で各種のもの選択できる。
溶剤としては、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;塩化メチレン、塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールなどのアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、イソホロンなどのケトン;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル;エチルセロソルブなどのセロソルブ系溶剤などが挙げられる。
また、ここで添加し得る各種添加剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、消泡剤などが挙げられる。
塗工液の濃度、粘度については、コーティング可能な濃度、粘度であればよく、特に制限されない。
基材に上記塗工液を塗工する方法としては、従来公知の方法、例えばバーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いることができる。塗工し、塗膜を形成させた後、乾燥し、これに電離放射線を照射して、又は加熱して該塗膜を硬化させることにより、近赤外線吸収層が形成される。
電離放射線としては、例えば紫外線や電子線などが挙げられる。紫外線は、高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプなどで得られる。一方電子線は、電子線加速器などによって得られる。この電離放射線の中では、特に紫外線が、大気中に照射でき、照射装置として簡便なものを使用することができる点で好適である。なお、電子線を使用する場合は、重合開始剤を添加することなく、硬化膜を得ることができるという利点がある。
本発明の前面フィルタに用いる近赤外線吸収層は、波長380〜780nmの可視光透過率が50%以上であり、波長800〜1100nmの近赤外線透過率が20%以下である。可視光透過率が50%以上であると、PDP等の画像表示装置の近赤外線吸収層として用いた場合でも、十分に輝度を与えることができ、画像の暗化を生じることがない。以上の観点から、可視光透過率は55%以上であることが好ましい。一方、近赤外線透過率が10%以下であると、PDP本体から発生する近赤外線によって周囲の電子機器が誤動作を生じることがない。以上の観点から近赤外線透過率は、10%以下であることが好ましい。
また、近赤外線吸収層と粘着剤層を兼用層する場合の粘着剤としては、特に制限はなく、公知の粘着剤として慣用されているものの中から、適度な粘着性(接着性)、透明性、塗工適性を有し、本発明において使用する光学フィルタの透過スペクトルを実質的に変化させることのないものを適宜選択できる。
好適に用いられる粘着剤としては、アクリル系粘着剤が挙げられる。アクリル系粘着剤は、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを含んで重合させたものである。炭素原子数1〜18程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体であるのが一般的である。
なお、本発明において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸をいう。
ここで使用される(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸sec-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル及び(メタ)アクリル酸ラウリル等を挙げることができる。また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、通常はアクリル系粘着剤中に30〜99.5重量部の量で共重合されている。
また、アクリル系粘着剤を形成するカルボキシル基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸モノブチル及びβ-カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基を含有するモノマーを挙げることができる。
さらにまた、粘着剤の樹脂として、アクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(A1)の1個と(メタ)アクリル酸エステル単位を主体とし重合体ブロック(A1)とは構造の異なる重合体ブロック(B1)の2個が互いに結合したトリブロック構造、又はアクリル酸エステル単位を主体とする重合体ブロック(A1)の2個と(メタ)アクリル酸エステル単位を主体とし重合体ブロック(A1)とは構造の異なる重合体ブロック(B1)の1個が互いに結合したトリブロック構造を、分子中に少なくとも有し、重量平均分子量が50,000以上で且つ分子量分布(Mw/Mn)が1.5未満である多元ブロック共重合体を含有するものを使用することができる。このような粘着剤の樹脂を用いると、色素を用いた近赤外線吸収機能、Ne光吸収機能、及び色補正機能の3種類の光学フィルタ機能を、各機能用の色素を該粘着剤層中に添加した場合であっても、該粘着剤層が電磁波遮蔽層を構成する金属等、従来色素の劣化反応の原因となった隣接各層と接触しても、該粘着剤層に用いる粘着剤に特定の物質を採用してあるので、隣接各層と色素との相互作用による色素の変質や劣化を防げ、色素の変色を防げることができる。
近赤外線吸収層と粘着剤層を兼用層とする場合には、当該粘着剤層中に、上述のような酸化タングステン系化合物を含む近赤外線吸収剤を必須とし、必要に応じて更に、金属酸化物微粒子、紫外線吸収剤、及び/又はネオン光吸収色素を1種以上含有させてもよい。
この様にすることにより、複数の光学フィルタの機能を1層で兼務し、且つこれを接着剤層とも統合することができるため、複合フィルタとしての総厚み、工程数、原価を低減することが可能となり、好ましい。その場合、当該兼用層が、800nm〜1100nmの波長域における光線透過率が20%以下、中でも15%以下、560〜630nmの波長域における光線透過率が30%以下、中でも25%以下となるようにすることが好ましい。
〔電磁波遮蔽層〕
本発明の前面フィルタにおいて、電磁波遮蔽機能を更に付加する場合は、図1の如く、更に電磁波遮蔽層11を積層する。電磁波遮蔽層11は、本発明におけるミクロルーバ層13による近赤外線吸収層12の外光反射を抑制する效果を阻害しないためには、近赤外線吸収層12よりも画像表示装置側に形成することになる。電磁波遮蔽層11は、導電性を有することで電磁波遮蔽機能を担える層である。電磁波遮蔽層に特に制限はなく、ITO(酸化錫インジウム)等の透明導電材料の薄膜、或は金属、導電体粒子と樹脂から成る導電性組成物層等のそれ自体は不透明性な導電体に多数の開口部が存在するメッシュ、ストライプ等の電磁波遮蔽パターン形状を加工することにより、電磁波遮蔽性能と光透過性を両立させた層等の各種の形態のものが使用可能である。但し、これらの中でも可視光線の透明性と画像表示装置から輻射されるMHz〜GHz帯域の電磁波の遮蔽性との両立性の点からは、金属又は導電性組成物から成る導電体パターンが好ましい。以下、導電体パターンを中心に説明する。
(電磁波遮蔽層の材料及び形成方法)
本発明において、導電体パターンから成る電磁波遮蔽層において、パターン領域や接地用領域を有する電磁波遮蔽層の材料や形成方法は特に限定はなく、従来公知の電磁波遮蔽シートにおけるものを適宜採用できる。
例えば、次の(1)〜(4)の方法が挙げられる。
(1)透明基材フィルムへ上に、導電体粒子と樹脂とを含む導電性組成物から成る導電インキをメッシュ等の電磁波遮蔽パターン状に印刷し電磁波遮蔽層とする方法(特開平9−330666号公報)。或は、更に形成された導電インキ層の上へ金属メッキする方法(例えば、特開2000−13088号公報、特許第3017987号公報、特許第3017988号公報)。
(2)透明基材フィルムへ、導電インキ又は化学メッキ触媒含有感光性塗布液を全面に塗布し、形成された塗布層をフォトリソグラフィー法で電磁波遮蔽パターン状とした後に、該パターンの上へ金属メッキする方法(例えば、住友大阪セメント株式会社新材料事業部新規材料研究所新材料研究グループ、“光解像性化学メッキ触媒”、[online]、掲載年月日記載なし、住友大阪セメント株式会社、[平成15年1月7日検索]、インターネット〈URL:http://www.socnb.com/product/hproduct/display.html〉)。
(3)透明基材フィルムと金属箔とを接着剤を介して積層した後に、金属箔をフォトリソグラフィー法で電磁波遮蔽パターン状とする方法(例えば、特開平11−145678号公報)。
(4)透明基材フィルムの一方の面へ、金属薄膜をスパッタ等により形成して導電処理層を形成し、その上に電解メッキにより金属メッキ層として金属層を形成した透明基材フィルムを準備し、該金属メッキした透明基材フィルムの金属メッキ層及び導電処理層を、フォトリソグラフィー法で電磁波遮蔽パターン状とする方法(例えば、特許第3502979号公報、特開2004−241761号公報)。
これらの方法の中でも、(1)、(3)、(4)の方法が好ましい。更に、腐蝕液、メッキ液等の薬液の管理、廃液処理が不要であり、又開口部の金属を除去する無駄が無いことから、(1)の方法が特に好ましい。
(接地用領域と電磁波遮蔽パタ−ン領域)
また、電磁波遮蔽層は、図5の平面図で概念的に例示する電磁波遮蔽層11のように、その平面方向において、パターン領域101以外に接地用領域102を備えた層とするのが、接地をとり易い点でより好ましい。該接地用領域は画像表示を阻害しない為に、画像表示領域周縁部の一部又は全周に形成する。該パターン領域とは複合フィルタを適用するディスプレイの画像表示領域を全て覆うことが出来る領域である。該接地用領域とは接地をとる為の領域である。
(電磁波遮蔽パターンの形状)
電磁波遮蔽パターンとしては、所望の周波数帯域の電磁波が有効に遮蔽可能であれば特に制限は無い。メッシュ(網、或は格子)、ストライプ(縞、或は平行線群)等が代表的であるが、中でもメッシュが最も好適に用いられる。以下、電磁波遮蔽パターンとしては、専らメッシュを主体に説明する。
メッシュの形状は、任意で特に限定されないが、開口部の形状は正方形が代表的である。開口部の形状は、その他に例えば、正三角形等の三角形、長方形、菱形、台形等の四角形、五角形、六角形、等の多角形、あるいは、円形、楕円形などである。メッシュはこれらの形状からなる複数の開口部を有し、開口部間は開口部を区画するライン部(線部)となり、ライン部は、通常幅が均一でライン状のものであり、また、通常は開口部及び開口部間は、全面で各々同一形状同一サイズである。
具体的なサイズを例示すれば、開口率及びメッシュの非視認性の点で、ライン部の幅(ライン幅、線幅)は100μm以下、より好ましくは50μm以下である。但し、電磁波遮蔽機能の確保、破断防止の点で、下限は5μm以上とするのが良い。
なお、メッシュ領域のバイアス角度(メッシュのライン部と複合フィルタの外周辺とのなす角度)は、適用するディスプレイの画素ピッチや発光特性を考慮して、モアレが出難い角度に適宜設定すれば良い。
また、開口部の間口幅[ライン周期−ライン幅]は、150μm以上、より好ましくは200μm以上とする。但し、電磁波遮蔽機能の確保の観点から最大3000μm以下が好ましい。また、ライン幅及び間口幅は、光透過性の観点、及び透明保護層形成時に開口部内に気泡が残留し難い観点から、開口率が60%以上となるようにするのが好ましいく、また開口率は、電磁波遮蔽機能の確保の観点から97%以下となるようにするのが好ましい。
電磁波遮蔽層の厚みは、メッシュ領域(パターン領域)と接地用領域とは必ずしも同じ厚みでなくても良いが、通常はメッシュ領域も接地用領域も同じ厚さとなる。そして、電磁波遮蔽層の厚みは電磁波遮蔽機能の観点から少なくともメッシュ領域にて1〜20μmであるが、更に、より薄膜である点で、(斜めから観察する場合の)画像の視認性が良い点、表面保護層形成時の開口部とライン部との段差による開口部への気泡混入が少ない点、工程が短く歩留りが良い点、などの観点から、より好ましくは2〜15μm、更により好ましくは3〜10μmとするのが、望ましい。
また、電磁波遮蔽層のメッシュ領域のライン部の高さは、開口部とライン部との段差の観点から、ライン部が電磁波遮蔽層のみから構成される場合は、ライン部の高さは電磁波遮蔽層の厚さに等しいが、例えば、非導電性黒化層及び非導電性防錆層も形成されている場合は、ライン部の高さは電磁波遮蔽層、非導電性黒化層、及び非導電性防錆層の厚みの合計値として捉える。
〔付加的な構成層〕
また、必要に応じて、前記各種形態の電磁波遮蔽層には、適宜、付加的な層を追加積層しても良い。付加的な層としては、透明基材、黒化層、防錆層、金属層等が挙げられる。
(透明基材)
透明基材は、電磁波シールド部材を支持する基材であり、所望の透明性、機械的強度、導電体層や後述するプライマー層との接着性等の要求適性を勘案の上各種材料の各種厚みのものを選択すればよい。材料としては樹脂、硝子等が、厚み形態としてはフィルム(乃至はシート)、あるいは板の形態で用いられる。通常は、樹脂製の各種透明フィルムが好ましく用いられる。
なかでも、二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが透明性、耐久性に優れ、しかもその後の工程で電離放射線照射処理を経た場合でも熱変形等しない耐熱性を有する点で好適である。
(金属メッキ層)
金属メッキ層は上記導電処理層の表面に電解メッキ法によって形成する。該金属メッキ層の材料としては、電磁波遮蔽機能に必要な導電性が得られる材料であれば良く、例えば金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロムなど金属、あるいはこれら金属の合金が挙げられる。これらのなかでも、メッキが容易である点、及び導電性の観点から、好ましい材料を例示すれば、銅又は銅合金が挙げられる。また、金属メッキ層は、単層でも多層でも良い。
(黒化層)
黒化層は、必要に応じて、導電体層の少なくとも片面に設ける。黒化層は外光吸収、画像の視認性向上、コントラスト向上などを目的に設ける。黒化層は導電体層の面を粗面化したり、全可視光領域に亘って光吸収性を付与(黒化)したり、あるいはこれら両者を併用したりする方法のいずれかよって設けることができる。
黒化層を設ける具体的方法としては、金属酸化物、金属硫化物の形成や種々の方法を採用できる。黒化層を設ける面が鉄からなる場合は、通常スチーム中で450〜470℃程度の温度で10〜20分間さらし、厚さ1〜2μm程度の酸化膜(黒化膜)を形成する、濃硝酸などの薬品処理による酸化膜(黒化膜)でもよい。また、黒化層を設ける面が銅の場合は、銅‐コバルト合金の粒子層、硫化ニッケル層、酸化銅層等が好ましい。
黒化層を設ける面は、少なくとも観察側であるが、他方の粘着剤層側(つまりディスプレイ側)にも設ければ、ディスプレイからの迷光を吸収でき画像の視認性がさらに向上できる。
(防錆層)
また、防錆層を導電体層、あるいは黒化層の表面を覆うように設けるのが好ましい。電磁波遮蔽層(そのうち導電体層、あるいはさらに黒化層)の表面は、少なくともメッシュ領域は、表面保護層で最終的には覆われるが、表面保護層を形成する前の製造工程では露出している。そこで、発錆の防止、黒化層の脱落や変形を防止するために、防錆層を設ける。また、上記の目的において少なくとも、黒化層上には設けるのが好ましい。
防錆層としては、例えば、ニッケル、亜鉛、及び/又は銅の酸化物、又はクロメート処理層が適用できる。ニッケル、亜鉛、及び/又は銅の酸化物の形成法としては、公知のメッキ法でよい。また、防錆層の厚さはその目的実現及び過剰性能を避けてなるべく薄膜とする点で、0.001〜1μm程度、好ましくは0.001〜0.1μmである。
さらに、電磁波遮蔽層の形成方法として、前記(1)の方法を改良した本出願人による新規な方法も、前記の理由で、特に奨用される。
より具体的には、図6の模式断面図に示すように、電磁波遮蔽層は、透明基材111と、該透明基材上に形成されたプライマー層21と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性組成物からなり電磁波遮蔽パターンに形成され導電体層であるパターン層23、及び好ましくは更に保護層24を有する電磁波遮蔽層であって、図7の拡大模式図に示すように、前記プライマー層21のうち前記パターン層23が形成されている部分の厚さTAは前記パターン層23が形成されていない部分TBの厚さよりも厚い構造を有している。そして、前記プライマー層21と前記パターン層23との界面22が、(a)プライマー層とパターン層との界面が交互に入り組んでいる(以下、「第1態様」という。)、(b)プライマー層とパターン層との界面近傍には、プライマー成分とパターン成分とが混在している領域が存在する(以下、「第2態様」という。)、及び(c)パターン層中に、プライマー層に含まれるプライマー成分が存在する(以下、「第3態様」という。)、の3つの界面形態の少なくとも1つを有している。
(導電性組成物からなるパターン層の形成方法)
所定のパターンの導電性組成物からなるパターン層23を形成するには、導電性組成物を次のように凹版印刷する。
例えば、所望の電磁波遮蔽パターン形状の凹部を表面に形成した凹版の凹部のみにドクターブレードなどを利用して導電性組成物を充填する。なお、この時に、通常は不可避的に、凹部内に充填した導電性組成物(インキ)の表面の水準面が、版内部に向かって窪む(凹む)現象が発生すする。この儘で凹部内の導電性組成物を透明基材(被印刷体)上に押圧して転移させようとすると、印圧が不足し、導電性組成物と透明基材とが非接触のまま、凹版が離型する。その結果、導電性組成物が完全に転移しない欠落部が発生する。これに加えて、導電性組成物は、一般に、高粘度で流動性が悪い為、凹版凹部内の導電性組成物のうち、透明基材上に転移するものの比率(転移率)は低くなる。その結果、転移した導電性組成物層の厚みは、凹版の版深よりも低減する。かかる不具合を改善する為、本発明において採用する凹版印刷方では、以下の様なプライマー層を用いた新規な工夫を加えてなる。即ち、以上の様にして凹版凹部内に導電性組成物を充填した凹版を用意し、一方、液状プライマー層を片面に形成済みの透明基材を、該プライマー層が凹版に接する向きで、加圧ローラで圧着するなどして該プライマー層を接触させて、該液状プライマーを凹版内の導電性組成物表面の該凹部内に流入してこれを充填せしめ、その状態でプライマー層を液状から固体状に固化させた後、透明基材を凹版から離して離版させることで、透明基材上111の固化したプライマー層21上に該凹部内の導電性組成物を転移させて、印刷することができる。
印刷後、つまり離版後、まだ液状であるパターン層23に対しては、乾燥操作、加熱操作、冷却操作、化学反応操作などを適宜行い、これを硬化(固化)せしめて導電性のパターン層23を完成させる。例えば、乾燥操作は、導電性組成物中の溶剤など不要な揮発成分を除去するため、加熱操作は、該乾燥や導電性組成物の熱硬化などの必要な化学反応を促進させるため、冷却操作は、加熱熔融した熱可塑性樹脂の導電性組成物やプライマー層の固化促進のため、化学反応操作は、加熱によらない電離放射線照射などのその他の手段による導電性組成物やプライマー層の化学反応を進行させるために行う。
また、導電性組成物は、版上で半硬化固化させ離版後に完全硬化させてもよい。
また、導電性組成物の固化は凹版接触中に行ってもよい。版接触中に導電性組成物を固化させるときは、凹版は導電性組成物に対しても賦形型として機能し、プライマー層も含めて凹版は完全な賦形型として用いることになる。この際、導電性組成物の固化方法はプライマー層で採用する固化方法と同じ方法でもよく、異なる方法でもよい。但し、例えば電離放射線照射など同じ方法を採用すれば、装置・工程的に簡素化でき、また類似の化学反応を採用すれば密着性の点でも有利である。
本発明では、このようにして印刷することで、凹版凹部内に充填された導電性組成物の上部に窪みが生じても、液状で流動性のプライマー層を介して印刷するので、印刷中にプライマー層を窪みに流し込み隙間なく密着させた状態にでき、その後、プライマー層を固化させてから透明基材を凹版から離すので、透明基材上に固化したプライマー層21を介して所定パターンのパターン層23を、細線でも、転移不足による断線や形状不良、インキ密着性不足などの印刷不良の発生なく形成できる。また、この様に製造工程中において、液状のプライマー層が凹版凹部内の導電性組成物の窪みを充填する結果、図7の如く、プライマー層21の厚みは、前記パターン層23が形成されている部分の厚さTAが前記パターン層23が形成されていない部分TBの厚さよりも厚い構造を呈する(TA>TB)のである。
(パターン層とプライマー層の界面形態)
本発明における導電性組成物からなるパターン層23は、該パターン層23とプライマー層21の主切断面における界面形態が、前記第1〜第3態様に対応して、図8〜10の模式図に示すような3つの態様をとり得るものであり、パターン層23とプライマー層21との界面において、両層の材料が相互に拡散し合って混在し、この界面状態が密着性、導電性組成物の転移性の点で好ましい結果を与えている。
界面形態の第1態様は、図8に示すように、プライマー層21とパターン層23との界面22が、プライマー層21側とパターン層23側とに交互に入り組んだ形態である。
なお、この界面形態の第1態様において、入り組んだ界面は、全体としては中央が高い山型の断面形態となっている。
こうした界面形態の第1態様は、そもそも平坦面でない山型のプライマー層21上にパターン層23が形成されていることをもってしても密着性がよいのに加え、上記のように界面が入り組んだ形態になっているので、所謂投錨効果により、プライマー層21とパターン層23との密着性が著しく高くなっている。さらに、こういう界面形態をとるゆえに、版凹部内に充填された導電性組成物がプライマー層21上に極めて高い転移率(ほぼ100%)で転写されるという格別の効果を備えている。
界面形態の第2態様は、図9に示すように、プライマー層21とパターン層23との界面の近傍に、プライマー層に含まれるプライマー成分と、パターン層を構成する成分とが混合する領域222が存在している形態である。図9では界面が明確に現れているが、実際には、明瞭でない曖昧な界面が現れる。また、図9では混合領域222は、界面22を上下に挟むように存在する。この場合は、プライマー層中のプライマー成分とパターン層23中の任意の成分とが両層内に相互に侵入する場合である。なお、混合領域222は界面22の上側(透明基材とは反対側)に存在しても下側(透明基材側)に存在してもよい。
混合領域222が界面22の上側に存在する場合としては、プライマー層中のプライマー成分がパターン層内に侵入し、パターン層中の成分がプライマー層内に侵入しない場合であり、一方、混合領域222が界面22の下側に存在する場合としては、パターン層中の任意の成分がプライマー層内に侵入し、プライマー層中のプライマー成分がパターン層内に侵入しない場合である。
こうした界面形態の第2態様も上記第1態様の場合と同様、そもそも平坦面でない山型のプライマー層21上にパターン層23が形成されていることをもってしても密着性がよいのに加え、上記のように界面近傍に混合領域222を有するので、プライマー層21とパターン層23との密着性が著しく高くなっている。さらに、こういう界面形態をとるがゆえに、版凹部内に充填された導電性組成物がプライマー層21上に極めて高い転移率(ほぼ100%)で転写されるという格別の効果を備えている。
界面形態の第3態様は、図10に示すように、パターン層23中に広く、プライマー層21に含まれるプライマー成分231が存在している形態である。図10ではプライマー成分231が界面22付近で多く、頂部に向かって少なくなって態様を模式的に表しているが、こうした態様には特に限定されない。プライマー成分231は、パターン層23の頂部から検出される程度にパターン層23内に侵入していてもよいし、主として界面近傍で検出される程度であってもよい。なお、第3態様において、特に、プライマー成分231がパターン層23内に存在している領域が界面22の近傍に局在化している場合が、上記第2態様において混合領域が界面22の上側にのみ存在する形態に相当するといえる。
こうした界面形態の第3態様も上記第1及び第2態様の場合と同様、そもそも平坦面でない山型のプライマー層21上にパターン層23が形成されていることをもってしても密着性がよいのに加え、上記のようにプライマー成分231がパターン層23に侵入しているので、プライマー層21とパターン層23との密着性が著しく高くなっている。さらに、こういう界面形態をとるゆえに、版凹部内に充填された導電性組成物がプライマー層21上に極めて高い転移率(ほぼ100%)で転写されるという格別の効果を備えている。
本発明における導電性組成物からなるパターン層23とプライマー層21の界面は、上記の第1〜第3態様の界面形態の特徴を少なくとも1つ有しているが、それらの特徴を2つ以上有していてもよく、3つの全てを有していてもよい。
また、本発明の画像表示装置用前面フィルタは、前記ミクロルーバ層、近赤外線吸収層以外の光学フィルタ(以下、「他の光学フィルタ」という。)を、更に1層以上備えることが、当該前面フィルタに各種光学機能を付与することができる点から好ましい。
また、本発明の画像表示装置用前面フィルタは、前記ミクロルーバ層の光吸収部を構成するバインダの屈折率をN2とし、前記レンズ部を構成する材料の屈折率をN1としたとき、N2<N1なる関係が成立することが、コントラスト向上の点から好ましい。
〔他の画像表示装置前面用フィルタ〕
本発明において、PDP用前面フィルタを構成する他の画像表示装置前面用フィルタは、ミクロルーバ層、及び近赤外線吸収層以外の画像表示装置前面用に使用される各種機能を有するフィルタを意味する。
他の画像表示装置前面用フィルタは、例えば、ネオン(Ne)光吸収機能、調色機能、紫外線吸収機能、反射防止機能、防眩機能等の光学的機能を有する、いわゆる光学フィルタ、前記の各種電磁波遮蔽層を含む可視光線透視性の電磁波遮蔽フィルタが代表的なものである。その他、防擦傷機能を有するハードコート層(硬質塗膜)、外部からの打撃等による衝撃を吸収して画像表示装置の破損を防止する耐衝撃層、帯電防止層、汚染防止層等も、本発明において言う画像表示装置前面用フィルタの範疇として扱う。これ等の中から選択される一種若しくは二種類以上のフィルタを前面フィルタ中の近赤外線吸收層及びミクロルーバ層の表裏何れか一方又は両方の面に、1又は2以上含むことができる。他の画像表示装置前面用フィルタは、近赤外線吸收層及びミクロルーバ層の保護フィルムとしての機能も兼ねる。
他の画像表示装置前面用フィルタの層構成は単一層であっても良いし、上記電磁波遮蔽層の説明において述べた透明基材を支持基材として、その上にフィルタ機能を有する層を積層した形態でも良いし、フィルタ機能を有する層と透明基材とが相互に積層された構成もあり得る。
また、各フィルタの層間に、それぞれ接着剤(粘着剤)層が設けられていても良い。透明基材、接着剤層の各々も単層の場合もあるし多層の場合もある。
(ネオン光吸収フィルタ)
ネオン光吸収フィルタは、特にPDPから放射されるネオン光、即ちネオン原子の発光スペクトルを吸収するべく設置される。ネオン光の発光スペクトル帯域は波長550〜640nmの為、ネオン光吸収フィルタの分光透過率は波長550〜640nmにおいて50%以下になるように設計することが好ましい。ネオン光吸収フィルタは、少なくとも550〜640nmの波長領域内に吸収極大を有する色素として従来から利用されてきた色素を近赤外線吸収フィルタのところに挙げたようなバインダ樹脂に分散させて形成することができる。該色素の具体例としては、シアニン系、オキソノール系、メチン系、サブフタロシアニン系もしくはポルフィリン系等を挙げることができる。
(調色フィルタ)
調色フィルタは、画像表示装置からの発光の色純度や色再現範囲、電源OFF時のディスプレイ色などの改善の為に画像表示装置用前面フィルタの色を調整するためのものである。例えば調色色素をバインダ樹脂に分散させた組成物を製膜したり、あるいはこれを透明基材又は他の機能性フィルタ上に塗布し、必要に応じ乾燥、硬化処理等を経て形成することができる。調色色素としては、可視領域である380〜780nmに最大吸収波長を有する公知の色素から、目的に応じて任意に色素を組み合わせて使用することができる。調色色素として用いることのできる公知の色素としては、特開2000−275432号公報、特開2001−188121号公報、特開2001−350013号公報、特開2002−131530号公報等に記載の色素が好適に使用できる。更にこのほかにも、黄色光、赤色光、青色光等の可視光を吸収するアントラキノン系、ナフタレン系、アゾ系、フタロシアニン系、ピロメテン系、テトラアザポルフィリン系、スクアリリウム系、シアニン系等の色素を使用することができる。当該バインダ樹脂としては、上記近赤外線吸収のところに挙げたような樹脂を用いることができる。
(紫外線吸収フィルタ)
紫外線吸収フィルタとしては、例えば、紫外線吸収剤をバインダ樹脂に分散させて形成することができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン等の有機系化合物、微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム等からなる無機系化合物からなるものが挙げられる。当該バインダ樹脂としては、上記近赤外線吸収のところに挙げたような樹脂を用いることができる。
(反射防止フィルタ)
反射防止(AR)フィルタとしては、例えば、低屈性率層と高屈折率層とを、低屈折率層が最表面に位置する様にして、交互に積層した多層構成が一般的であり、蒸着やスパッタ等の乾式法で、あるいは塗工等の湿式法も利用して形成することができる。なお、低屈折率層はケイ素酸化物、フッ化マグネシウム、氷晶石、フッ素含有樹脂等が用いられ、高屈折率層には、酸化チタン、硫化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ等が用いられる。
(防眩フィルタ)
防眩(AG)フィルタとしては、樹脂バインダ中にシリカなどの無機フィラーを添加した塗膜形成や、あるいは賦形シートや賦形版等を用いた賦形加工により、層表面に外光を乱反射する微細凹凸を設けた層として形成することができる。樹脂バインダの樹脂としては、表面層として表面強度が望まれる関係上、硬化性アクリル樹脂や、下記ハードコート層同様に電離放射線硬化性樹脂等が好適には使用される。
なお、必要に応じて、最表面に近い構成層として他の構成層を、擦り傷、汚染から保護する為の、ハードコート層(HC層)、防汚層等を積層する。
ハードコート層としては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートプレポリマー、あるいは、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーを単独であるいはこれらの中から2種以上選択して組み合わせて配合した電離放射線硬化性樹脂を用いた塗膜として形成するとことができる。
また、防汚層は、一般的に、撥水性、撥油性のコートで、シロキサン系、フッ素化アルキルシリル化合物などが適用できる。撥水性塗料として用いられるフッ素系あるいはシリコーン系樹脂を好適に用いることができる。例えば、反射防止フィルタの低屈折率層をSiO2により形成した場合には、フルオロシリケート系撥水性塗料が好ましく用いられる。
なお、これら画像表示装置前面用フィルタを構成する透明基材及び接着剤層は、上述した電磁波遮蔽シートで用いられる材料を適宜用いることができる。
〔接着剤層〕
次に、本発明の前面フィルタに用いることが可能な接着剤層について説明する。
接着剤層は、画像表示装置前面用フィルタ各構成層同士、或は画像表示装置用前面フィルタと画像表示装置又はフィルタ様基板とを接着することが可能な層であれば、その種類等は特に限定されるものではなく、各種の天然又は合成樹脂、熱又は電離放射線硬化樹脂などが適用できる。
本発明に用いられる接着剤層としては、粘着剤が好ましい。ここで粘着剤とは、接着剤の1種をいい、接着剤のうち、接着の際には単に適度な、通常、軽く手で押圧する程度の加圧のみにより、表面の粘着性のみで接着可能なものをいう。粘着剤の接着力発現には、通常特に、加熱、加湿、放射線(紫外線や電子線等)照射といった加圧以外の物理的なエネルギー乃至作用が不要で、且つ重合反応等の化学反応も不要である。又、粘着剤は、接着後も再剥離可能な程度の接着力を経時的に維持し得るものである。このような粘着剤としては、特に制限は無く、公知の粘着剤として慣用されているものの中から、適度な粘着性(接着力)、透明性、塗工適性を有し、本発明において使用する光学フィルタの透過スペクトルを実質的に変化させることの無いものを適宜選択する。
好適に用いられる粘着剤としては、先に近赤外線吸収層と粘着剤層を兼用層とする場合の粘着剤として例示したアクリル系粘着剤が挙げられる。
〔画像表示装置〕
本発明に係る画像表示装置は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、陰極線管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)、電場発光表示装置(EL)等各種のものが対象となるが、特にPDP用に好適であり、PDPの観察者側に、上述の前面フィルタが設置されていることを特徴とする。設置の形態としては、PDP本体の前面(前面ガラス基板)に画像表示装置用前面フィルタを直接貼り合わせても良いし、或は一旦フィルタ用基板に貼り合せたものを画像表示装置本体の前面に設置しても良い。
このようなPDPは、前面フィルタが有するミクロルーバ層、近赤外線吸収層の働きにより、画面から輻射される近赤外線を吸収するとともに、外光が存在する場合でも十分コントラストが向上する。更に電磁波遮蔽層も具備した形態では、更に、観察者側への電磁波の射出を防止することができる。
更に、画像表示装置用前面フィルタが上記他の各種機能を有していれば、PDPはそのメリットをも享受できる。
画像表示装置用前面フィルタは、当該前面フィルタの暗色凸條部の走行軸が、PDP画素の水平軸を基準として3〜15°傾いた状態でPDPの前面に直接貼り合わされることが、水平方向の視野角が規制されず、且つモアレの発生を防止することができる点から好ましい。
前面フィルタの暗色凸條部の走行軸の傾きが、PDP画素の水平軸に対して3°未満の場合、モアレが発生するおそれがあり、15°を超える場合は視野角が規制されるおそれがある。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。なお、実施例中、部は特に特定しない限り質量部を表す。
前面フィルタの各フィルタ層を、市販品あるいは調製により準備した。
〔防眩性低反射フィルム〕
防眩性低反射フィルムとして、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム基材に、光拡散剤粒子を分散させた樹脂から成る塗膜を防眩層として形成することにより防眩処理を施したPET DS−LR(商品名、大日本印刷社製)を用いた。
〔ミクロルーバ層の作製〕
厚さ188μmで連続帯状の透明2軸延伸PETフィルムから成る透明基材4の一方の表面に、液状のウレタンアクリレート系のプレポリマー及びアクリレート系単量体、及びベンゾフェノン系光開始剤の混合液とから成る液状紫外線硬化樹脂を硬化後の膜厚が155μmとなる様に塗布した。次に、版表面の面方向に沿って円周方向に直線状に連なり、その延長方向と直交する断面が、高さ150μm、版表面側底辺の長さが30μm、版から遠い側の底辺の長さが6μmの台形となる溝状凸部を、60μm周期で複数條互いに平行に配列した凸條群(暗色凸條部と同形状)を形成されたロール金型とPETフィルムとの間に、塗布した紫外線硬化樹脂を挟んだ状態で水銀燈からの紫外線を照射することにより、該紫外線硬化樹脂を架橋硬化せしめて透明樹脂層とし、しかる後ロール金型を離型することにより、該透明樹脂層表面に、該透明樹脂層表面の面方向に沿って一方向に直線状に連なり、その延長方向と直交する断面が、高さ150μm、透明樹脂層表面側底辺の長さが30μm、PETフィルム側の底辺の長さが6μmの台形となる凹條溝群を表面に有する透明樹脂層2を該透明基材4の一方の面上に形成した。
上述の工程により形成された透明樹脂層2の該凹條溝群を含む透明樹脂層2の表面に、透明樹脂26中に黒色の光吸収粒子29が添加された黒色の液状材料を全面に塗工し、次いで該塗膜を鉄製ドクターブレードでスキージし該凹條溝外の該液状材料のみを掻き取り除去し、該凹條溝内のみに該液状材料を充填して暗色凸條部3を形成することで、ミクロルーバ層13を完成した。また、透明樹脂層2と暗色凸條部3とが接する斜面が、出光面の法線Vとなす角度θは、45度であった。
〔近赤外線吸収粘着フィルムの作製〕
平均粒子44nmの酸化タングステン系微粒子YMF−02A(商品名、住友金属鉱山社製)15質量部、及び金属酸化物微粒子として平均粒子15nmの酸化ジルコニウム55質量部、樹脂としてアクリル樹脂系粘着剤SKダイン2094(商品名、綜研化学社製)100質量部、溶剤としてメチルイソブチルケトンからなる組成物を剥離紙上に塗布し乾燥させ、組成物表面を別の剥離紙で貼り合せ、厚み25μmの近赤外線吸収層12(但し該剥離紙は最終的に剥離除去する)としての近赤外線吸収粘着フィルムを得た。
〔電磁波遮蔽層の製造〕
図5に示す電磁波遮蔽層11を次の様にして作製した。先ず、導電体層105とする金属箔として、一方の面に銅−コバルト合金粒子から成る黒化層115Aが形成された厚さ10μmの連続帯状の電解銅箔を用意した。
また、透明基材111として厚さ100μmで片面にポリエステル樹脂系プライマー層を形成した、連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。
そして、前記銅箔の両面に対して、亜鉛めっき後、ディッピング法にて公知のクロメート処理を行い、表裏両面に防錆層116A、116Bを形成した。
次いで、この銅箔をその黒化層面側で上記透明基材プライマー層上に、主剤が平均分子量3万のポリエステルポリウレタンポリオール12質量部から、又硬化剤がキシレンジイソシアネート系プレポリマー1質量部とから成る透明な2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤でドライラミネートした後、50℃3日間養生して、銅箔(防錆層)と透明基材間に厚さ7μmの透明接着剤層を有する連続帯状の銅貼積層シートを得た。
次いで、上記銅貼積層シートに対して、その導電体層をフォトリソグラフィー法を利用したエッチングにより、電磁波遮蔽パターンとしての開口部103及びライン部104とから成るメッシュ状領域101、及びメッシュ状領域101の4周を囲繞する外縁部に額縁状の接地用領域102を形成した。
エッチングは、具体的には、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを利用して、連続帯状の上記積層シートに対してマスキングからエッチングまでを一貫して行った。すなわち、上記積層シートの導電体層面全面に感光性のエッチングレジストを塗布後、所望のメッシュパターンを密着露光し、現像、硬膜処理、ベーキングして、メッシュのライン部に相当する領域上にはレジスト層が残留し、開口部に相当する領域上にはレジスト層が無い様なパターンにレジスト層を加工した後、塩化第二鉄水溶液で、導電体層、防錆層、及び黒化層を、エッチング除去してメッシュ状の開口部を形成し、次いで、水洗、レジスト剥離、洗浄、乾燥を順次行った。
メッシュ状領域のメッシュの形状は、その開口部が正方形で非開口部となる線状部分のライン幅は10μm、そのライン間隔(ピッチ)は300μm、ライン部の高さは10μm、図1(A)のように長方形の枚葉シートに切断した場合に、該ライン部と該長方形の長辺とが構成する劣角として定義されるバイアス角度は49度であった。また、メッシュ状領域101は、完成された複合フィルタを画像表示装置(ディスプレイ)前面に装着した際に、該ディスプレイの画像表示領域に対峙する部分30が存在し、又該メッシュ状領域101の周縁部には、複合フィルタとしての連続帯状シートを切断した時に、その上下辺に接地用領域102として開口部がない、幅15mmの露出部を残す様なパターンに設計した。
このようにして、平坦化層の無い、幅寸法570mmの電磁波遮蔽層を得て、ロール状に巻き取った。
次いで、一旦ロールに巻き取られた上記電磁波遮蔽層を、巻出してそのメッシュ面上に対して、平坦化層を形成した。
先ず、透明な電離放射線硬化性樹脂組成物からなる塗液を、間歇ダイコート法による間歇塗工によって、幅方向に両側部に走る額縁部及び流れ方向前後の額縁部の全内周に向かって2.5mm進入した位置まで塗工され、その外側は塗工されない様に、電磁波遮蔽層のメッシュ状領域上に乾燥時塗工量で30g/m2塗布し、メッシュの開口部を完全に充填し、塗工面表面を平坦化した。
なお、上記塗液は、ウレタンアクリレートオリゴマーとフェノキシエチルアクリレート単量体を1:1質量比で混合したものに対して光重合開始剤〔イルガキュア(登録商標)184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製〕を3質量%添加し、これをさらに有機溶媒(メチルエチルケトン:トルエン=1:1質量比の混合溶剤)で希釈した電離放射線硬化性樹脂組成物からなる塗液である。
そして、上記塗布後、乾燥し溶剤を飛ばした後の塗膜に対して、平坦面を賦形する賦形シートとして、厚さ50μmの連続帯状の市販2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをその易接着処理未処理面(表面粗さがJIS B0601(1994年度版)規定の中心線平均粗さが0.01μm)で塗膜にラミネートした。この後、該賦形シート側から紫外線照射(フュージョンUVシステムズ社製Dバルブ使用)して、塗膜を硬化した後、賦形シートのみを剥離して、表面が平坦面の平坦化層を形成した。
以上により、平坦化層を有する電磁波遮蔽層11を得た。
〔接着用粘着剤〕
各層を接着するための粘着剤として、巴川製紙所社製の厚み25μmのアクリル系透明粘着フィルムTDO6A(商品名)を用いた。
〔ガラス基板〕
セントラル硝子社製の厚み2800μmの青板ガラスを用いた。
実施例1
上記で得られたミクロルーバ層13及び電磁波遮蔽層を、接着用粘着剤としての上記透明粘着フィルムTDO6A(商品名)を用いて、(防眩層側)防眩性低反射フィルム/透明粘着フィルム/(透明基材4側)ミクロルーバ層(暗色凸條部側)/近赤外線吸収粘着フィルム/(透明基材側)電磁波遮蔽層(電磁波遮蔽パターン側)/透明粘着フィルム/ガラス基板(画像表示装置側)、の順に貼り合わせた画像表示装置用前面フィルタAを作製した。なお、前記の如く、近赤外線吸収粘着剤フィルムが近赤外線吸収層12に相当する。また、防眩性低反射フィルム側が観察者側となる。
作製した前面フィルタを20000luxの照明下で黒色アクリル板にのせて防眩性低反射フィルム側から外観を観察した。ミクロルーバ層が近赤外線吸収粘着フィルムよりも観察者側にある実施例1の前面フィルタAでは、逆の構成の後述する比較例1のフィルタに比べて、反射光の青白さが低減して見えた。また、後述する光学特性評価において、青色反射率による白色度が、比較例1のフィルタBに比べて低減していた。
比較例1
用いた各構成層は全て同じで、層構成の順序を替え、(防眩層側)防眩性低反射フィルム/近赤外線吸収粘着フィルム/(透明基材4側)ミクロルーバ層(暗色凸條部側)/透明粘着フィルム/(透明基材側)電磁波遮蔽層電磁波遮蔽パターン側)/透明粘着フィルム/ガラス(画像表示装置側)、の順にした前面フィルタBを作製した。
作製した前面フィルタを20000luxの照明下で黒色アクリル板にのせて防眩性低反射フィルム側から外観を観察したところ、反射光の青白さが目立っていた。
また、以下のようにして実施例及び比較例の前面フィルタの光学特性を評価した。
〔前面フィルタの光学特性評価〕
作製したフィルタのガラス面に黒色粘着付き黒色PETフィルム(巴川製紙所社製)を気泡なく貼り付け、分光色彩計SD−5000(日本電色工業社製)を用いて反射測定をSCE(Specular Component Exclude)とSCI(Specular Component Include)で行った。青色反射率による白色度であるWB値を比較すると、ミクロルーバ層が近赤外線吸収粘着フィルムよりも観察者側にある実施例1のフィルタでは、SCE/SCIが0.5/3.1だったのに対し、逆の構成の比較例1のフィルタでは、0.9/3.2となり、実施例1のミクロルーバ層が近赤外線吸収粘着フィルムよりも観察者側にある前面フィルタAで青色反射率による白色度が低減していることが確かめられた。
外光が入射する場所で画像表示装置を使用してもコントラストが低下することがないとともに、画像の輝度及び画質も低下せず、画像表示装置から発生する近赤外線が観察者側に出射するのを防止することができ、かつ可視光線透過率の高い、透明性に優れる近赤外線吸収層を有する画像表示装置用前面フィルタとして利用できる。
また、本発明の前面フィルタを前面に設置し、画像表示装置として利用できる。
本発明に係る画像表示装置用前面フィルタをPDPの前面基板に貼り合わせた画像表示装置を示す斜視図である。 ミクロルーバ層の構成を示す拡大断面図である。 ミクロルーバ層の斜視図である。 ミクロルーバ層の暗色凸條部(楔形の溝)の斜面部分の形状の諸態様を示す断面図である。 (A)電磁波遮蔽層の断面図、(B)同平面図、(C)電磁波遮蔽層の層構成を示す断面図である。 本発明の画像表示装置用前面フィルタの電磁波遮蔽層の導電層を示す模式断面図である。 図6に示す導電層の部分拡大模式断面図である。 導電層の主切断面における第1態様の界面形態を示す模式断面図である。 導電層の主切断面における第2態様の界面形態を示す模式断面図である。 導電層の主切断面における第3態様の界面形態を示す模式断面図である。
符号の説明
1 PDP(プラズマディスプレイパネル)
2 透明樹脂層
3 暗色凸條部(楔形の溝)
3a ブラックストライプ
4 透明基材
11 電磁波遮蔽層
12 近赤外線吸収層
13 ミクロルーバ層
14 他の画像表示装置前面用フィルタ
21 プライマー層
22 プライマー層とパターン層の境界
23 導電性組成物からなるパターン層
24 保護層
25 サイドエッジ
26 透明バインダ
27 幅狭の底辺(底面)
28 幅広の底辺(底面)
29 光吸収粒子
101 メッシュ状領域
102 接地用領域
103 開口部
104 ライン部
105 導電体層
111 透明基材
112 接着剤層
114 金属層
115 黒化層
116 防錆層
221 麓部分
222 混合領域
231 プライマー成分

Claims (8)

  1. 少なくとも、ミクロルーバ層及び近赤外線吸収層を備え、画像表示装置の観察者側に設置される画像表示装置用前面フィルタであって、該ミクロルーバ層が該近赤外線吸収層よりも観察者側に配置され、
    該ミクロルーバ層は、該近赤外線樹脂層の観察者側表面の面方向に沿った所定方向に直線状に連なり、その延長方向と直交する断面が台形となる暗色凸條部を、複数條互いに平行に有してなり、
    該近赤外線吸収層が下記一般式(I)で表わされる酸化タングステン系化合物微粒子を含有してなることを特徴とする、画像表示装置用前面フィルタ。
    MxWyOz ・・・(I)
    (M元素はCs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe及びSnからなる群から選ばれる少なくとも1種、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0)
  2. 請求項1記載の画像表示装置用前面フィルタであって、該ミクロルーバ層が、該暗色凸條部の観察者側表面を透明樹脂層で被覆してなることを特徴とする、画像表示装置用前面フィルタ。
  3. 前記近赤外線樹脂層は、更に、該酸化タングステン系化合物微粒子よりも小粒径の金属酸化物微粒子を含有してなる請求項1又は2に記載の、画像表示装置用前面フィルタ。
  4. 前記酸化タングステン系化合物がセシウム含有酸化タングステンである、請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装置用前面フィルタ。
  5. 前記金属酸化物微粒子が酸化ジルコニウム及び/又は酸化チタンである、請求項3又は4に記載の画像表示装置用前面フィルタ。
  6. 前記ミクロルーバ層及び前記近赤外線吸収層以外の画像表示装置前面用フィルタをさらに一層以上備えてなる、請求項1〜5のいずれかに記載の画像表示装置用前面フィルタ。
  7. 前記ミクロルーバ層及び前記近赤外線吸収層以外の画像表示装置前面用フィルタが電磁波遮蔽層を含むものであり、該電磁波遮蔽層が、透明基材と、該透明基材上に形成されたプライマー層と、該プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性組成物からなるパターン層と、を有し、前記プライマー層のうち前記パターン層が形成されている部分の厚さは前記パターン層が形成されていない部分の厚さよりも厚く、かつ、(a)前記プライマー層と前記パターン層との界面が交互に入り組んでいる、(b)前記プライマー層と前記パターン層との界面近傍には、プライマー成分とパターン成分とが混在している領域が存在する、及び(c)前記パターン層中に、前記プライマー層に含まれるプライマー成分が存在する、の3つの界面形態の少なくとも1つを有している、請求項1〜6のいずれかに記載の画像表示装置用前面フィルタ。
  8. 画像表示装置の観察者側に、請求項1〜7のいずれかに記載の画像表示装置用前面フィルタが設置されていることを特徴とする、画像表示装置。
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